説明

TNFリガンドファミリーのメンバーに特徴的な構造的モチーフを含む哺乳動物細胞表面抗原

【課題】哺乳動物に由来するT細胞表面抗原をコードする精製遺伝子、精製タンパク質を含む精製遺伝子に関連する試薬、特異的抗体、およびこの抗原をコードする核酸を提供すること。
【解決手段】哺乳動物に由来するT細胞表面抗原をコードする精製遺伝子、精製タンパク質を含む精製遺伝子に関連する試薬、特異的抗体、およびこの抗原をコードする核酸が提供される。この試薬および診断キットを使用する方法もまた提供される。本発明はまた、動物における自己免疫疾患、炎症性疾患、全身性エリテマトーデス(SLE)、または橋本自己免疫甲状腺炎を処置するための組成物を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、哺乳動物細胞(例えば、哺乳動物免疫系の細胞)の活性化および増殖の制御において機能するタンパク質に関連する組成物に関する。特に、例えば、種々の細胞型(造血細胞を含む)の活性化、発生、分化および機能の制御に有用な、精製した遺伝子、タンパク質、抗体、および関連試薬を提供する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
休止T細胞の活性化は、大部分の免疫応答に重要であり、そしてこれらの細胞が調節能またはエフェクター能を発揮することを可能にする。Paul(編;1993)Fundamental Immunology、第3版、Raven Press, N.Y.(非特許文献1)を参照のこと。T細胞と抗原提示細胞(APC)との間の接着の増加、または他の形態の一次刺激(例えば、固定化された
モノクローナル抗体(mAb))は、T細胞レセプターシグナルを増強し得る。T細胞活性
化およびT細胞の増殖は、T細胞レセプター(TCR)の連動および補助細胞によって提供
される同時刺激シグナルに依存する。例えば、JenkinsおよびJohnson(1993) Curr.Opin.Immunol.5:361-367(非特許文献2);BiererおよびHahn (1993) Semin.Immunol.5:249-261(非特許文献3);Juneら、 (1990) Immunol.Today 11:211-216(非特許
文献4);およびJenkins (1994) Immunity 1:443-446(非特許文献5)を参照のこと
。主要な、そしてよく研究された、T細胞に対する同時刺激相互作用には、T細胞上のCD28またはCTLA-4のいずれかと、B7またはB70のいずれかとの相互作用が含まれる(Jenkins
(1994) Immunity 1:443-446(非特許文献5))。CD28欠損マウス(Shahinianら、(1993) Science 261:609-612(非特許文献6);Greenら、(1994) Immunity 1:501-508(非特許文献7))およびCTLA-4免疫グロブリンを発現するトランスジェニックマウス(Roncheseら、(1994) J.Exp.Med.179:809-817(非特許文献8))についての最近の研究は、これらのマウスが、リンパ性脈絡髄膜炎ウイルスおよび水疱性口内炎ウイルスに対して正常な一次免疫応答および正常なCTL応答を有するが、いくらかのT細胞応答を欠失
していることを明らかにした。結果として、これらの研究は両方とも、他の同時刺激分子がT細胞機能を支持しているはずであると結論づけている。しかし、異なる同時刺激シグナルを媒介するこれらの分子の同定は困難であった。
【0003】
腫瘍壊死因子(TNF)は、免疫調節および炎症応答の優れたメディエーターとして機能
するサイトカインの拡大しつつあるファミリーのプロトタイプのメンバーである。これらのリガンドは、代表的に、カルボキシ末端で相同性を有するII型膜タンパク質である。タンパク質分解性のプロセシングされた可溶性タンパク質が頻繁に産生される。例えば、Smithら、(1994)Cell 76-959-962(非特許文献9);Armitage(1994)Current Opinion
in Immunology 6:407-413(非特許文献10);GrussおよびDower(1995)Blood 85:3378-3404(非特許文献11);Wileyら、(1995)Immuity 673-682(非特許文献12);ならびにBakerおよびReddy(1996)Oncogene 12:1-9(非特許文献13)を参照のこと。これらのファミリーメンバーにとって重要な役割は多数の研究によって証明されており、そしてそれらはアポトーシスの制御、末梢寛容、Ig成熟化およびアイソタイプスイッチング、ならびに一般的なB細胞機能およびT細胞機能に関係している。例えば、Thomson(編、1994)The cytokine Handbook Academic Press、San Diego、CA.(非特許文献14)
を参照のこと。これらは、免疫的および発生的ネットワークにおける基本的な役割を意味する。
活性化シグナルを調節し得ないことは、または不適切な発生免疫系において生理学的応答の制御を妨げる。本発明は、過剰な免疫応答の調節において有用である少なくとも1つの代替的な同時刺激分子、アンタゴニスト、およびアゴニストを提供する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Paul(編;1993)Fundamental Immunology、第3版、Raven Press, N.Y.
【非特許文献2】JenkinsおよびJohnson(1993) Curr.Opin.Immunol.5:361-367
【非特許文献3】BiererおよびHahn (1993) Semin.Immunol.5:249-261
【非特許文献4】Juneら、 (1990) Immunol.Today 11:211-216
【非特許文献5】Jenkins (1994) Immunity 1:443-446
【非特許文献6】Shahinianら、(1993) Science 261:609-612
【非特許文献7】Greenら、(1994) Immunity 1:501-508
【非特許文献8】Roncheseら、(1994) J.Exp.Med.179:809-817
【非特許文献9】Smithら、(1994)Cell 76-959-962
【非特許文献10】Armitage(1994)Current Opinion in Immunology 6:407-413
【非特許文献11】GrussおよびDower(1995)Blood 85:3378-3404
【非特許文献12】Wileyら、(1995)Immuity 673-682
【非特許文献13】BakerおよびReddy(1996)Oncogene 12:1-9
【非特許文献14】Thomson(編、1994)The cytokine Handbook Academic Press、San Diego、CA.
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明の要旨
本発明は、部分的に、アポトーシスの誘導因子として作用するタンパク質に配列相同性を示す抗原の発見に基づく。特に、499E9と名付けられた、316アミノ酸タンパク質(これは高度に極性を有するThl T細胞で発現される)をコードする遺伝子を提供する。499E9との連動は、エフェクター細胞による抗原特異的増殖およびサイトカイン産生を調節し得る。499E9は新規の細胞表面分子であり、連動された場合に、免疫細胞の増殖またはアポトーシスのいずれかを増強し得る。哺乳動物遺伝子、タンパク質、抗体、およびそれらの使用を可能にしたマウスの実施態様が記載されている。有意な配列相同性を示す機能的等価物は、他の哺乳動物細胞、例えばヒト、および非哺乳動物種から入手可能である。さらに、499E9のレセプターは、そのレセプターを発現する他の細胞を刺激する結合パートナ
ーとして機能し得る。
【0006】
より詳細には、本発明は以下から選択される合成物を提供する:配列番号2に、少なくとも約12アミノ酸の長さにわたって、少なくとも約85%配列同一性を示す、実質的に純粋なまたは組換えの499E9タンパク質またはペプチド;配列番号2の499E9の天然の配列;あるいは499E9配列を含む融合タンパク質。特定の実施態様は、499E9の対応する部分に配列同一性を示すセグメントを含む実質的に純粋なまたは単離されたタンパク質を含み、ここで:相同性は少なくとも約90%同一であり、そしてその部分は少なくとも9アミノ酸である;相同性は少なくとも約80%同一であり、そしてその部分は少なくとも約17アミノ酸である;または相同性は少なくとも約70%同一であり、そしてその部分は少なくとも約25アミノ酸である。他の実施態様は以下の合成物を含み、ここで:499E9は表1の成熟配列を
含む;またはタンパク質もしくはペプチド:これは齧歯類を含む哺乳動物から選択された温血動物由来である;これは少なくとも一つの配列番号2のポリペプチドセグメントを含む;これは同一性を示す複数の部分を示す;これは499E9の天然の対立遺伝子変異体であ
る;これは少なくとも約30アミノ酸の長さを有する;これは少なくとも2つの哺乳動物499E9に特異的な重複していないエピトープを示す;齧歯類499E9に少なくとも約20アミノ酸の長さにわたって少なくとも約90%の配列同一性を示す;これは少なくとも2つの齧歯類499E9に特異的な重複していないエピトープを示す;齧歯類499E9に少なくとも約20アミノ酸の長さにわたって少なくとも約90%の配列同一性を示す;これはグリコシル化されている;これは合成ペプチドである;固体基質に結合している;別の化学部分と結合体化されており;天然の配列からの5倍以下の置換である;あるいは天然配列由来の欠失または挿入改変体である。また、例えば、以下を含む種々の組成物も提供される:滅菌の499E9タ
ンパク質またはペプチド;あるいは499E9タンパク質またはペプチドならびにキャリア、
ここでこのキャリアは:水性化合物(水、生理食塩水、および/もしくは緩衝液を含む)であり;ならびに/または経口、直腸、経鼻、局所、もしくは非経口投与のために処方される。融合タンパク質は、例えば以下を含んで提供される:表1の成熟タンパク質配列;FLAG、His6、もしくはIg配列を含む、検出または精製タグ;あるいは別のTNF−結合タン
パク質の配列。例えば、キット中にタンパク質またはポリペプチド、および:タンパク質またはポリペプチドを含む区画;ならびに/あるいは試薬の使用または処分のための説明書、のようなものを含むキット実施態様が提供される。
【0007】
抗体、あるいは結合化合物の実施態様は、天然の499E9タンパク質と特異的に結合する
、抗体由来の抗原結合部分を含み、ここで:タンパク質は齧歯類タンパク質である;結合化合物はFv、Fab、もしくはFabフラグメントである;結合化合物は別の化学部分に結合体化している;または抗体である:表1の配列を含む成熟ポリペプチドのペプチド配列に対して惹起される;成熟499E9に対して惹起される;精製された499E9に惹起される;免疫選択される;ポリクローナル抗体である;変性499E9に結合する;少なくとも30μMの抗原に対するKdを示す;固体基質(これはビーズもしくはプラスチック膜を含む)に結合している;滅菌組成物中にある;または検出可能に標識(これは放射活性、もしくは蛍光標識を含む)されている。他の実施態様には、キット中に、結合化合物、および:結合化合物を含む区画;ならびに/または試薬の使用または処分のための説明書を含むキットが挙げられる。他の形態には、例えば、以下を含む組成物が挙げられる:滅菌結合化合物;または結合化合物およびキャリア、ここでキャリアは:水、生理食塩水、および/または緩衝液を含む水性化合物;ならびに/あるいは経口、直腸、経鼻、局所、もしくは非経口投与のために処方されている。このような形態はまた、このような抗体との混合物との接触を含む混合物中の他の物質からの499E9タンパク質またはペプチドの精製、ならびに他の物
質から結合した499E9の分離をする方法を可能にする。
【0008】
核酸の実施態様には、単離されたまたは組換えのタンパク質またはペプチドまたは融合タンパク質をコードする核酸を含み、ここで:449E9タンパク質は哺乳動物(齧歯類を含
む)由来であり;または核酸である:これは表1の抗原性ペプチド配列をコードし;表1の抗原性ペプチドの複数の配列をコードし;そのセグメントをコードする天然のcDNAと少なくとも約80%の同一性を示し;発現ベクターであり;さらに複製起点を含み;天然の供給源由来であり;検出可能な標識を含み;合成ヌクレオチド配列を含み;6kb未満であり
、好ましくは3kb未満であり;齧歯類を含む哺乳動物由来であり;天然の全長をコードす
る配列を含み;499E9タンパク質をコードする遺伝子に対してハイブリダイゼーションす
るプローブであり;またはPCRプライマー、PCR産物、または変異誘発プライマーである。このような組換え核酸を含む細胞または組織もまた、本発明内に包含される。例えば、ここで細胞は:原核生物細胞;真核生物細胞;細菌細胞;酵母細胞;昆虫細胞;哺乳動物細胞;マウス細胞;齧歯類細胞;またはヒトの細胞である。キットの形態には、キット中に核酸および以下を含むキットが含まれる:核酸を含む区画;さらに499E9タンパク質また
はポリペプチドを含む区画;および/または試薬の使用または処分の説明書。他の核酸の実施態様には以下を含む:以下の洗浄条件での配列番号1に対するハイブリダイズ:30℃および2M未満の塩、45℃および/または500mM塩、あるいは55℃でおよび/または150mM塩;もしくは齧歯類の499E9に少なくとも約30ヌクレオチドのストレッチにわたって少なくとも約85%、少なくとも90%にわたっておよび/または少なくとも55ヌクレオチドのストレッチにわたって、あるいは少なくとも95%および/または少なくとも75ヌクレオチドのストレッチにわたって同一性を示す。
【0009】
本発明はさらに細胞中に499E9のアゴニストまたはアンタゴニストを細胞内に導入する
工程を含む、細胞または組織培養細胞を生理学的または発生学的に調節する方法を提供する。他の方法は、細胞を生理学的に調節する工程を含みこの工程は細胞を以下のものと接触させる工程を含む:実質的に純粋な499E9またはフラグメント;499E9と特異的に結合する抗体または結合パートナー;あるいは499E9またはペプチドをコードする核酸。好まし
くは、細胞はT細胞であり、そして生理の調節とは:T細胞のアポトーシス;またはT細胞の活性化である。
【0010】
本発明はさらに、499E9に特異的な抗体、または結合パートナー;499E9タンパク質また
はポリペプチド;あるいは499E9ペプチドをコードする核酸、の有効量を投与することに
よって異常な免疫応答を有する患者を処置する方法を提供する。異常な免疫応答は、T細胞の免疫欠損;慢性炎症;または組織拒絶によって特徴づけられる。
【0011】
上記目的を達成するために、本発明は、例えば、以下の手段を提供する。
1.配列番号2に少なくとも約12アミノ酸長にわたって少なくとも約85%の配列同一性を示す、実質的に純粋なポリペプチドまたは組換えポリペプチド。
2.項目1に記載のポリペプチドを含む融合タンパク質。
3.項目1に記載のポリペプチドまたは項目2に記載の融合タンパク質をコードする、単離された核酸。
4.配列番号1に記載のヌクレオチド配列を有する単離された核酸。
5.核酸であって、以下:
a)30℃および2M塩未満の洗浄条件下で、配列番号1にハイブリダイズする核酸;または
b)499E9ポリペプチドをコードする核酸に対して少なくとも約30ヌクレオチドの範囲にわたり少なくとも約85%の同一性を示す核酸。
6.項目4または項目5のいずれかに記載の核酸を含む組換えベクター。
7.項目4〜6のいずれかに記載の核酸またはベクターを含む宿主細胞。
8.核酸が発現される条件下で、項目7に記載の宿主細胞を培養する工程を包含する、ポリペプチドまたは融合タンパク質を作製するための方法。
9.項目1に記載のポリペプチドに特異的に結合する抗体または抗原結合フラグメントを含む、結合化合物。
10.項目1に記載のポリペプチドまたは項目2に記載の融合タンパク質を含む、組成物。
11.キットであって、以下:
a)項目1に記載のポリペプチドもしくは項目2に記載の融合タンパク質;
b)項目1に記載のポリペプチドに特異的に結合する抗体;または
c)項目4もしくは項目5のいずれかに記載の核酸、
を含む、キット。
【発明を実施するための形態】
【0012】
好ましい実施態様の詳細な説明
本明細書中に引用された全ての参考文献は、各個々の刊行物または特許出願が詳細に、そして個々に、参考として援用されることが示されたのと同程度に、本明細書中に参考として援用される。
【0013】
I.概説
本発明は、種々の哺乳動物タンパク質をコードするアミノ酸配列およびDNA配列を提供
する。これは多くのT細胞サブタイプ、例えば、Th1、Th2、極性を持ったTh1細胞、およ
び極性を持ったTh2細胞で見出される抗原である。これらのタンパク質の中には、他の生
理学的な効果の中でも、相互作用する細胞の増殖または分化を調節する、例えば、誘導あるいは阻害する抗原がある。全長の抗原、およびフラグメントまたはアンタゴニストは、この抗原に対するカウンターレセプターを発現する細胞の生理学的調節に有用である。また、タンパク質は、タンパク質の種々のエピトープ(線状エピトープおよび構造的エピトープの両方)に対する抗体を惹起させるための抗原、例えば免疫原として有用である。この分子は機能的T細胞またはNK細胞サブセットを規定するのに有用であり得る。
【0014】
499E9をコードするcDNAを、極性を持ったTh1細胞cDNAライブラリーから単離した、Openshawら、(1995)J.Exp.Med.182:1357-1367を参照のこと。499E9 cDNAは、約2191bpの長さの、そしてII型膜貫通タンパク質をコードする一つの長いオープンリーディングフレームを含むストレッチを含む。転写分析は最も一般的には2.1から2.3kbである多数の転写物を同定した。構造的特徴には、約52アミノ酸の細胞内ドメイン配列、約246アミノ酸の細胞
外領域、および約20アミノ酸の疎水性推定膜スパンニング部分が含まれる。表1および配列番号2を参照のこと。499E9は、TNFリガンドファミリーのメンバーに特徴的な構造的モチーフを示す。例えば、CD40リガンド、OX40リガンド、TNF、NGF、およびFASと比較され
たい。表1はマウス499E9の核酸配列および推定アミノ酸配列を示す。
【0015】
表1:マウス499E9ヌクレオチドおよび推定アミノ酸配列。
推定細胞内ドメイン配列はmet1〜met49にわたる;残基8および11はチロシンリン酸化部
位の可能性がある;膜貫通配列はおそらくphe50〜leu60にわたる;そして細胞外ドメインはおそらくtyr70〜asp316にわたる。配列番号1および配列番号2を参照のこと。
【0016】

【表1】




TNFリガンドファミリーメンバーは、残基205に対応する保存されたロイシン残基;残基211に対応する保存されたグリシン残基;残基216に対応する保存されたチロシン残基;残基277に対応する保存されたグリシン残基;残基282に対応する保存されたロイシン残基;307に対応する保存されたフェニルアラニン残基;および残基308に対応する保存されたグリシン残基を有する。TNFリガンドドメインは205(leu)〜316(asp)にわたるようであ
る。グリコシル化部位は197および262であり得る。このクローンはマウスTRAIL(これは
、アポトーシスの誘導に関係する)に密な相同性を示す。関連するファミリーメンバーには、CD40およびFASに対するリガンド、ならびにリンフォトキシンβ、腫瘍壊死因子など
が含まれる。
【0017】
cDNAサザン分析によって、499E9が多くのT細胞(Th1細胞、Th2細胞、3週間極性化さ
れたTh1またはTh2細胞、プレT細胞を含む)およびRagノックアウト胸腺cDNAライブラリ
ーにおいて発現されることが明らかである。樹状細胞からのいくつかの弱いシグナルが検出されてい得る。499E9を発現する細胞は、代表的には、約2.1〜2.3kbの主な転写物を含
むが、しかしまた、他の転写物も含む。組織分布分析は、脳、心臓、腎臓、肝臓、肺、脾臓、および精巣において陽性のシグナルを示唆する。499E9の転写物は、線維芽細胞(L細胞)、単球(RAW264)、ナイーブT細胞(CD4+、MEL14+、Br細胞)、マクロファージ細胞、Nippo感染肺/肝臓/脾臓、またはRagノックアウト器官(脳、心臓、腎臓、肝臓、肺、脾臓、または精巣)では検出されなかった。
【0018】
TNFリガンドファミリーに対する499E9の構造的な相同性は、この分子の機能を示唆する。499E9は、T細胞表面分子として、エフェクター細胞におけるAg特異的増殖応答、また
はこれらの細胞のアポトーシスの誘導を調節するようである。499E9アゴニスト、または
アンタゴニストもまた、T細胞媒介性細胞活性化の制御について同時刺激分子として作用し得、そして事実、Tヘルパー細胞型(例えばTh1およびTh2の間の)シフトを起こし得る
。従って、499E9またはアンタゴニストは、異常な免疫障害、例えばT細胞免疫欠損、慢
性炎症、または組織拒絶の処置に有用であるべきである。
【0019】
TNFリガンド分子は、代表的には、細胞増殖、生存、および分化を調節する。例えば、TNFおよびFASは、そのそれぞれのレセプターを発現する細胞(線維芽細胞、肝臓細胞、お
よびリンパ球を含む)を殺傷し得る。このクラスのリガンドのいくつかのメンバーは、そのそれぞれのレセプターを発現する細胞(例えば、CD40を発現するB細胞)の細胞増殖に
対する効果を示す。増殖に対するこれらの効果もまた、続く分化の段階をもたらし得、そして直接的または間接的に、サイトカイン発現プロフィールの変化を導き得る。
【0020】
TNFリガンドファミリーのメンバーもまた、同時刺激効果を示し、これはまた、細胞分
化またはアポトーシスを調節し得る。レセプター発現細胞は、活性化誘導性細胞死(AICD)またはアポトーシスから防御され得る。例えば、CD40リガンドはTリンパ球およびBリンパ球に対して効果を有し得る。
【0021】
本明細書中に特徴づけられる実施態様は、マウス由来であるが、他の霊長類(例えばヒト)改変体が存在する。他の哺乳動物種(例えば霊長類および齧歯類)におけるタンパク質のさらなる配列もまた、利用可能である。以下を参照のこと。以下の記載は、例示目的のために、マウス499E9に関するが、しかし他の種由来の関連の実施態様にも同様に適用
可能である。
【0022】
マウス499E9タンパク質は、細胞表面抗原(例えば、TNFリガンドファミリーメンバー)に特徴的な構造的特徴を示すタンパク質である。このタンパク質は、特定の細胞型について容易に検出され、別の型はより少量を発現する。499E9抗原は、同定された組織型中に
存在するはずであり、そしてこの抗原とその結合パートナーとの相互作用は、記載のように、細胞生理または発生の種々の局面を媒介することについて重要であるはずである。
【0023】
II. 精製された499E9
マウス499E9アミノ酸配列は、配列番号2に示される。アミノ末端からカルボキシ末端
へと提供されるこれらアミノ酸配列は、他のタンパク質とタンパク質を区別することおよび多数の改変体を例示することを可能にする抗原中の配列情報を提供することにおいて重要である。さらに、このペプチド配列は、このようなセグメントを認識する抗体を生成するペプチドの調製を可能にし、そしてこのヌクレオチド配列は、オリゴヌクレオチドプローブの調製を可能し、その両者は、このような配列をコードする遺伝子またはcDNAの検出または単離(例えば、クローニング)についての戦略である。
【0024】
本明細書中で使用する用語「マウス499E9」は、タンパク質の状況で使用される場合、
配列番号2に示されるアミノ酸配列を有するタンパク質、またはこのようなタンパク質の有意なフラグメント、またはマウス由来の別の高度に相同なタンパク質を包含する。これら結合成分(例えば、抗体)は、代表的には高い親和性(例えば、少なくとも約100nM、
通常約30nMより良好、好ましくは約10nMより良好、そしてより好ましくは約3nMより良好
)で499E9と結合する。相同タンパク質は、マウス以外の哺乳動物種(例えば、霊長類ま
たは齧歯類)で見出される。非哺乳動物種もまた、構造的または機能的に関連する遺伝子およびタンパク質(例えば、鳥類または両生類)を有する。
【0025】
本明細書中で使用する用語「ポリペプチド」は、有意なフラグメントまたはセグメントを含み、そして少なくとも約8アミノ酸、一般的に少なくとも約12アミノ酸、代表的に少なくとも約16アミノ酸、好ましくは少なくとも約20アミノ酸、および特に好ましい実施態様において、少なくとも約30以上のアミノ酸の一つ続きのアミノ酸残基を含む。
【0026】
用語「結合組成物」は、例えば、細胞接着対合型様式または抗体-抗原相互作用におい
て、特異性を有して499E9に結合する分子をいう。これはまた、天然の生理学的に適切な
タンパク質-タンパク質相互作用(共有結合または非共有結合のいずれか)を含めて、499E9と特異的に会合する化合物(例えば、タンパク質)を含む。分子は、ポリマーまたは化学試薬であり得る。機能的アナログは、構造的修飾を有する抗原であり得るか、または適切な結合決定基と相互作用する分子形状を有する分子であり得る。化合物は、結合相互作用のアゴニストまたはアンタゴニストとして作用し得る。例えば、Goodmanら(編)(1990)Goodman&Gilman’s:The Pharmacological Bases of Therapeutics(第8版),Pergamon Pressを参照のこと。
【0027】
実質的に純粋は、代表的に、タンパク質が、最初の供給源生物に由来する他の夾雑タンパク質、核酸、または他の生物製剤を含まないことを意味する。純度は、標準的な方法により、代表的に重量でアッセイされ得、そして普通少なくとも約40%純粋であり、一般的に少なくとも約50%純粋であり、しばしば少なくとも約60%純粋であり、代表的には少なくとも約80%純粋であり、好ましくは少なくとも約90%純粋であり、そして最も好ましい実施態様において、少なくとも約95%純粋である。キャリアまたは賦形剤がしばしば添加される。
【0028】
ポリペプチドまたはフラグメントの溶解性は、環境およびそのポリペプチドに依存する。温度、電解質環境、ポリペプチドのサイズおよび分子特性、ならびに溶媒の性質を包含する多くのパラメーターがポリペプチドの溶解性に影響を与える。代表的には、ポリペプチドが使用される温度は約4℃〜約65℃の範囲である。通常、使用温度は約18℃より高い。診断目的の場合、温度は、通常、室温付近またはそれより暖かいが、アッセイにおける成分の変性温度より低い。治療目的の場合、温度は通常、体温(代表的にはヒトおよびマ
ウスについては約37℃)であるが、一定の状況下では、温度はインサイチュまたはインビトロで上昇または低下され得る。
【0029】
ポリペプチドのサイズおよび構造は、一般的には、実質的に安定な状態にあるべきであり、そして通常は、変性状態にあるべきではない。このポリペプチドは、4次構造で他のポリペプチドと結合し得、例えば、溶解性を与えるか、あるいは天然の脂質二重層相互作用に近い様式で、脂質または界面活性剤と会合し得る。
【0030】
溶媒および電解質は通常、生物学的活性の保護のために使用されるタイプの生物学的に適合する緩衝液であり、そして通常、生理学的水性溶媒に近い。通常、溶媒は中性のpH、代表的には約5と10との間のpH、そして好ましくは約7.5のpHを有する。いくつかの場合
、代表的には緩和な非変性界面活性剤(例えば、CHS(コレステリルヘミスクシネート)またはCHAPS(3-[3-コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]-1-プロパンスルホネート))か、またはタンパク質の構造的または生理学的特性の有意な崩壊を避けるのに十分に低い濃度で、1つ以上の界面活性剤が添加される。
【0031】
III.物理的改変体
本発明はまた、499E9のアミノ酸配列と実質的にアミノ酸配列同一性を有するタンパク
質またはペプチドを包含する。改変体には、種改変体、多型性改変体または対立遺伝子改変体が含まれる。
【0032】
アミノ酸配列相同性、または配列同一性は、残基適合を最適化することにより (必要
ならば、必要とされるギャップを導入することにより)決定される。また、Needlehamら(1970)J.Mol.Biol.48:443-453;Sankoffら(1983)Time Warps,String Edits,and Macromolecules:The Theory and Practice of Sequence Comparisonの第1章、Addison-Wesley、Reading、MA;ならびにIntelliGenetics、Mountain View、CA;およびthe University of Wisconsin Genetics Computer Group、Madison、WIからのソフトウェア
パッケージを参照のこと。配列の同一性は、保存的置換を適合と考える場合、変化する。保存的置換は、代表的には、以下の群内での置換を包含する:グリシン、アラニン;バリン、イソロイシン、ロイシン;アスパラギン酸、グルタミン酸;アスパラギン、グルタミン;セリン、スレオニン;リジン、アルギニン;およびフェニルアラニン、チロシン。相同なアミノ酸配列は、代表的には各々それぞれのタンパク質配列における天然の多型性もしくは対立遺伝子変異(variation)および種間変異を包含することが意図される。代表的
な相同タンパク質またはペプチドは、499E9のアミノ酸配列と、25〜100%の同一性(ギャ
ップが導入され得る場合)から50〜100%の同一性(保存的置換が含まれる場合)を有する。同一性の尺度は少なくとも約35%、一般的には少なくとも約40%、しばしば少なくとも約50%、代表的には少なくとも約60%、通常少なくとも約70%、好ましくは少なくとも約80%、そしてより好ましくは少なくとも約90%である。
【0033】
単離された499E9 DNAは、ヌクレオチド置換、ヌクレオチド欠失、ヌクレオチド挿入、および一続きのヌクレオチドの反転(inversion)により容易に改変され得る。これらの改
変は、これらの抗原、それらの誘導体、または類似の生理学的活性、免疫原性活性、抗原性活性、もしくは他の機能的活性を有するタンパク質をコードする新規のDNA配列を生じ
る。これらの改変された配列は変異抗原を生成するため、または発現を増強するために用いられ得る。増強された発現は、遺伝子増幅、転写の増加、翻訳の増加、および他の機構を含み得る。「変異499E9」は、他の点では上記の499E9の配列同一性の定義に該当するが、欠失、置換、または挿入のいずれによるかにかかわらず、天然において通常見出される499E9のアミノ酸配列とは異なるアミノ酸配列を有するポリペプチドを包含する。これは
一般的に、配列番号2の配列を有するタンパク質と有意な同一性を有し、かつこれらの配列と種々の生物学的な活性(例えば、抗原性活性または免疫原性活性)を共有するタンパク質を包含し、そして好ましい実施態様においては、全長を開示された配列のほとんどを含む。短縮型(例えば、可溶性構築物およびインタクトなドメイン)もまた有用であるが、代表的には全長配列が好ましく、同様に天然の供給源から見い出される遺伝子またはタンパク質が代表的には最も望ましい。同様の概念が、異なる499E9タンパク質、特に種々の
温血動物(例えば、哺乳動物および鳥類)に見出される499E9タンパク質に適用される。こ
れらの記載は、一般的には、すべての499E9タンパク質を包含することを意味し、詳細に
論じられる特定のマウスの実施態様に限定されない。
【0034】
499E9変異誘発はまた、アミノ酸の挿入または欠失を作製することにより行われ得る。
置換、欠失、挿入、または任意の組合せが作製されて、最終構築物に到達し得る。挿入には、アミノ末端またはカルボキシ末端の融合が含まれる。ランダムな変異誘発を標的コドンで行い得、次いで発現された変異体を所望の活性についてスクリーニングし得る。既知の配列を有するDNA中の予め決定された部位に置換変異を作製するための方法(例えば、M13プライマー変異誘発またはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術による)は、当該分野にお
いて周知である。例えば、Sambrookら(1989);Ausubelら(1987および追補);およびKunkelら(1987) Methods in Enzymol.154:367-382を参照のこと。
【0035】
本発明はまた、組換えタンパク質(例えば、これらのタンパク質由来のセグメントを使用する異種融合タンパク質)を提供する。異種融合タンパク質は、天然には同じ様式では通常融合されないタンパク質またはセグメントの融合物である。同様の概念が異種核酸配列に適用される。融合タンパク質は、その部分を切断、分離、および精製するための供給源として有用である。
【0036】
さらに、新たな構築物が、他のタンパク質由来の類似の機能的ドメインを合わせることにより作製され得る。例えば、標的結合セグメントまたは他のセグメントは、異なる新たな融合ポリペプチドまたはフラグメントの間で「交換」され得る。例えば、Cunninghamら(1989)Science 243:1330-1336;およびO’Dowdら(1988)J.Biol.Chem.263:15985-15992
を参照のこと。
【0037】
BeaucageおよびCarruthers(1981)Tetra.Letts.22:1859-1862により記載されるホスホラミダイト法は、適切な合成DNAフラグメントを生成する。相補鎖を合成し、そして適切な
条件下で鎖を一緒にアニーリングするか、または適切なプライマー配列とともにDNAポリ
メラーゼを用いて相補鎖を付加するか(例えばPCR技術)のいずれかにより、二本鎖フラグ
メントがしばしば得られる。
【0038】
IV.機能的改変体
499E9に対する生理学的応答のブロッキングは、その結合パートナーに対するこの抗原
の結合の阻害(例えば、それ自身とは別の、おそらく競合的阻害を介して)から生じ得る。従って、本発明のインビトロアッセイは、単離されたタンパク質、膜結合型組換え499E9
を発現する細胞由来の膜、これらのタンパク質の抗原結合セグメントを含有する可溶性フラグメント、または固相基体に付着したフラグメントをしばしば使用する。これらのアッセイはまた、結合セグメントの変異および改変、または抗原の変異および改変(例えば、499E9アナログ)のいずれかの効果の診断的測定を可能にする。
【0039】
本発明はまた、競合的薬物スクリーニングアッセイの使用を意図し、例えばここで、抗原または結合フラグメントに対する中和抗体が、例えば、天然のタンパク質配列のタンパク質の結合に関して試験化合物と競合する。
【0040】
499E9抗原の「誘導体」には、天然に存在する形態由来のアミノ酸配列変異体、グリコ
シル化変異体、および他の化学的部分との共有結合体または凝集結合体が含まれる。共有結合誘導体は、例えば、標準的な手段によって、499E9アミノ酸側鎖において、あるいはN末端またはC末端で見出される基に官能性を結合することにより調製され得る。例えば、LundbladおよびNoyes(1988) Chemical Reagents for Protein Modification,1-2
巻,CRC Press, Inc.、Boca Raton, FL;Hugli(編)(1989) Techniques in Protein Chemistry, Academic Press, San Diego, CA;およびWong(1991) Chemistry of Protein Conjugation and Cross Linking, CRC Press, Boca Raton, FLを参照のこと。
【0041】
詳細には、例えば合成およびプロセシングの間、またはさらなるプロセシング工程での、ポリペプチドのグリコシル化パターンを改変することによってなされるグリコシル化の変化が含まれる。例えば、Elbein(1987) Ann.Rev.Biochem.56:497-534を参照のこと
。リン酸化されたアミノ酸残基(例えば、ホスホチロシン、ホスホセリン、またはホスホ
スレオニン)を含む、他の小さな改変を有する同じ一次アミノ酸配列を有するペプチドの
型もまた含まれる。
【0042】
499E9と他の相同タンパク質または異種タンパク質との間の融合ポリペプチドもまた提
供される。多くのサイトカインレセプターまたは他の表面タンパク質は、多量体(例えば、ホモ二量体の実体)であり、そして反復構築物は、タンパク質加水分解切断に対する感受性の減少を含む種々の利点を有し得る。代表的な例は、融合されたリガンドの存在または位置が容易に決定され得るような、レポーターポリペプチド(例えば、ルシフェラーゼ)とタンパク質のセグメントまたはドメイン(例えば、レセプター結合セグメント)との融合体である。例えば、Dullら、米国特許第4,859,609号を参照のこと。他の遺伝子融合パー
トナーには、細菌のβガラクトシダーゼ、trpE、プロテインA、βラクタマーゼ、αアミラーゼ、アルコールデヒドロゲナーゼ、酵母α接合因子、および検出タグまたは精製タグ(例えば、His6配列のFLAG配列)が含まれる。例えば、Godowskiら、(1988) Science 241:812-816を参照のこと。
【0043】
融合ペプチドは、代表的には、組換え核酸法、または合成ポリペプチド法のいずれかにより作製される。核酸操作および発現の技術は、一般には、例えば、Sambrookら(1989) Molecular Cloning: A Laboratory Manual (第2版), 1-3巻,Cold Spring Harbor Laboratory;およびAusubelら(編)(1993) Current Protocols in Molecular Biology, Greene and Wiley, NYに記載される。ポリペプチド合成の技術は、例えば、Merrifield (1963) J.Amer.Chem.Soc.85:2149-2156;Merrifield (1986) Science 232:341-347;Athertonら(1989) Solid Phase Peptide Synthesis:A Practical Approach, IRL Press, Oxford;およびGrant (1992) Synthetic Peptides: A User’s Guide, W.H.Freeman, NYに記載される。
【0044】
本発明はまた、アミノ酸配列またはグリコシル化における変異体以外の499E9の誘導体
の使用を意図する。このような誘導体は、化学部分との共有結合または凝集結合を含み得る。共有結合誘導体または凝集誘導体は免疫原として、イムノアッセイにおける試薬として、または、例えば、結合パートナー(例えば、他の抗原)のアフィニティー精製のための精製方法における試薬として有用である。抗499E9抗体または代替の結合組成物のアッ
セイまたは精製の際の使用のため、499E9は、当該分野で周知の方法によって、臭化シア
ン活性化SEPHAROSEのような固体支持体に共有結合させることにより固定化され得るか、
あるいはグルタルアルデヒド架橋を用いて、またはそれを用いずにポリオレフィン表面上へ吸着され得る。499E9はまた、例えば、診断アッセイに使用するために検出可能な基で
標識され得る。499E9の精製は、固定化された抗体または相補的な結合パートナーにより
達成され得る。
【0045】
本発明の可溶化499E9またはフラグメントは、抗原またはそのフラグメントに対する結
合に特異的な抗血清または抗体の生成のための免疫原として使用され得る。精製された抗原は、天然の抗体(例えば、Fab、Fab’、F(ab)2など)の抗原結合フラグメントを含むモノクローナル抗体または抗原結合フラグメントをスクリーニングするために使用され得る。精製された499E9はまた、抗原または抗原を含む細胞フラグメントの上昇レベルの存在(これらの両方が、異常な状態または特定の生理学的状態または疾患状態の診断症状であり得る)に応答して産生される抗体を検出するための試薬として、使用され得る。本発明は
、配列番号1に示されるヌクレオチド配列によりコードされるアミノ酸配列、またはこれらを含むタンパク質のフラグメントに対して惹起される抗体を意図する。詳細には、本発明は、脂質二重層の外部(細胞外または細胞内の両方)に位置すると予測される特定のフラグメントに結合親和性を有するか、あるいはこのフラグメントに対して惹起される抗体を意図する。
【0046】
本発明は、さらなる近密に関連した種変異体の単離を意図する。サザンブロット分析およびノーザンブロット分析により、類似の遺伝実体(entity)が他の哺乳動物に存在することが立証されるはずである。499E9は、種変異体(例えば、齧歯目、ウサギ目、食肉目、偶蹄目、奇蹄目、および霊長目の動物)において広範囲に存在するようである。
【0047】
本発明はまた、構造、発現、および機能における相違性および類似性の両方を示す一群の関連する抗原を単離する手段を提供する。この分子の多くの生理学的効果の解明は、それらのさらなる別個の種変異の単離および特徴付けによって、大きく加速される。詳細には、本発明は、異なる種においてさらなる相同な遺伝実体を同定するために有用なプローブを提供する。
【0048】
単離された遺伝子は、対応する499E9の発現を欠く細胞(例えば、対応する抗原を欠き、そしてネガティブバックグランド活性を示す種タイプまたは細胞のいずれか)の形質転換
を可能にする。これは、形質転換されないコントロール細胞に比較して499E9の機能の分
析を可能にするはずである。
【0049】
これらの抗原によって媒介される種々の活性化機能または分化機能をもたらす重要な構造エレメントの詳細な分析は、特に関連したクラスのメンバーの比較において、現代の分子生物学の標準的な技術を使用して可能である。例えば、Cunninghamら(1989) Science
243:1339-1336に記載のホモローグスキャニング変異誘発技術(homolog-scanning mutagenesis technique);およびO’Dowdら(1988) J.Biol.Chem.263:15985-15992において使用されるアプローチ;およびLechleiterら(1990) EMBO J.9:4381-4390を参照のこと。
【0050】
細胞内機能は、おそらく通常サイトゾルに接近し易い抗原のセグメントを包含する。しかし、タンパク質インターナリゼーションは、一定の環境下で生じ得、そして細胞内成分と「細胞外」セグメントの間の相互作用が生じ得る。499E9と他の細胞内成分との相互作
用の特異的セグメントは、変異誘発または直接的な生化学的手段(例えば、架橋法またはアフィニティー法)により同定され得る。結晶学的方法または他の物理的方法による構造解析もまた適用可能である。シグナル伝達の機構のさらなる研究には、アフィニティー方法により、または遺伝子的手段(例えば、変異体の相補性分析)により単離可能であり得る、結合される成分の研究が含まれる。
【0051】
499E9の発現および制御のさらなる研究が遂行される。抗原に付随する制御エレメント
は、ディファレンシャルな(differential)発現パターン、生理学的発現パターン、発生的発現パターン、組織特異的発現パターン、または他の発現パターンを示すべきである。上流または下流の遺伝子領域(例えば、制御エレメント)は重要である。特に、生理学的変異体または発生的変異体(例えば、マウス抗原の複数のオルタナティブにプロセシングされた形態)が見出されている。例えば、配列番号1参照。したがって、メッセージのディファレンシャルなスプライシングは、抗原の膜結合形態、可溶性形態、および抗原の改変型の組合せを導き得る。
【0052】
抗原の構造的研究は、新しい抗原、特に分子に対してアゴニスト特性またはアンタゴニスト特性を示すアナログの設計を導く。これは、所望の範囲の活性を示す抗原を単離するための、以前に記載のスクリーニング法と組み合わされ得る。
【0053】
V.抗体
抗体は、天然に存在する形態および組換え形態の両方の、種々の499E9(種変異体、多型変異体、または対立遺伝子変異体を含む)およびそのフラグメントに対して惹起され得る
。さらに、抗体は、活性形態または不活性形態(天然型または変性型を含む)のいずれかの499E9に対して惹起され得る。抗イディオタイプ抗体もまた意図される。
【0054】
抗原の予め決定されたフラグメントに対する抗体(結合フラグメントおよび単鎖型を含
む)は、このフラグメントと免疫原性タンパク質との結合体で動物を免疫することによっ
て惹起され得る。モノクローナル抗体は、所望の抗体を分泌する細胞から調製される。これらの抗体は、正常499E9または欠損499E9への結合についてスクリーニングされ得るか、またはアゴニスト活性またはアンタゴニスト活性(例えば、抗原またはその結合パートナ
ーにより媒介される)についてスクリーニングされ得る。抗体は、アゴニスト的またはア
ンタゴニスト的(例えば、リガンド結合を立体的にブロックすることによる)であり得る。これらのモノクローナル抗体は、通常、少なくとも約1mM、より通常には少なくとも約300μM、代表的には少なくとも約100μM、より代表的には少なくとも約30μM、好ましくは少なくとも約10μM、そしてより好ましくは少なくとも約3μMまたはより良好なKDで結合
する。
【0055】
本発明の抗体はまた、診断適用に有用であり得る。捕捉または非中和抗体として、これらの抗体は、パートナーによる結合を阻害することなく、抗原に結合する能力についてスクリーニングされ得る。中和抗体として、これらの抗体は、競合的結合アッセイにおいて有用であり得る。これらの抗体は、499E9タンパク質またはその結合パートナーを検出ま
たは定量することにおいてもまた有用である。例えば、Chan(編)(1987) Immunology:A Practical Guide Academic Press,Orlando,FLA;PriceおよびNewman(編)(1991) Principles and Practice of Immunoassay Stockton Press, NY;ならびにNgo(編)(1988) Nonisotopic Immunoassay Plenum Press,NYを参照のこと。交差吸収または他の
試験は、種々の範囲の特異性(例えば、独特のまたは共有される種特異性)を示す抗体を同定する。
【0056】
さらに、本発明の抗体(抗原結合フラグメントを含む)は、抗原に結合し、そして機能的結合を阻害するかまたは結合パートナーの生物学的応答を誘起する能力を阻害する、強力なアンタゴニストであり得る。それらはまた、非中和抗体として有用であり得、そして毒素または放射性核種と結合され得、その結果抗体が抗原に結合した場合に、(例えば、その表面上で)それを発現する細胞が傷害される。さらに、これらの抗体は、リンカーにより直接的または間接的にのいずれかで、薬物またはその他の治療的物質に結合され得、そして薬物標的化をもたらし得る。
【0057】
抗原フラグメントは、免疫原として使用されるべきポリぺプチドに融合または共有結合されるように、他の物質、特にポリペプチドに結合され得る。抗原およびそのフラグメントは、キーホールリンペットヘモシアニン、ウシ血清アルブミン、破傷風トキソイドなどの様々な免疫原に融合されるかまたは共有結合され得る。ポリクローナル抗血清の調製方法の記載については、Microbiology, Hoeber Medical Division, HarperおよびRow,
1969;Landsteiner (1962) Specificity of Serological Reactions, Dover Publications, New York;Williamsら (1967) Methods in Immunology and Immunochemistry, 第1巻, Academic Press, New York;ならびに、HarlowおよびLane (1988) Antibodies;A Laboratory Manual, CSH Press, NYを参照のこと。
【0058】
いくつかの例において、マウス、齧歯目、霊長目、ヒトなどの種々の哺乳動物宿主由来のモノクローナル抗体を調製することが望ましい。このようなモノクロール抗体を調製するための技術の記載は、例えば、Stitesら(編)、Basic and Clinical Immunology(第4版), Lange Medical Publications, Los Altos, CA,およびそれらで引用される参考文献;HarlowおよびLane (1988) Antibodies: A Laboratory Manual, CSH Press;Goding (1986) Monoclonal Antibodies: Principles and Practice(第2版)
, Academic Press, New York;ならびに特にKohlerおよびMilstein (1975) Nature 256:495-497 (これは、モノクローナル抗体を生成する1つの方法を考察する)に見
い出され得る。
【0059】
他の適切な技術は、リンパ球を、抗原性ポリペプチドに対してインビトロで曝露する工程、あるいはファージまたは同様なベクター中の抗体ライブラリーの選択に曝露する工程を包含する。Huseら(1989)「λファージ中の免疫グロブリンレパートリーの大きなコンビナトリアルライブラリーの生成」Science 246:1275-1281;およびWardら、(1989) Nature 341:544-546を参照のこと。本発明のポリペプチドおよび抗体は、改変を有してまた
は有さないで使用され得、改変はキメラ抗体またはヒト化抗体を含む。しばしば、ポリペプチドおよび抗体は、共有または非共有のいずれかで、検出可能なシグナルを提供する物質と結合することにより標識される。広範な種々の標識および結合技術が公知であり、科学文献および特許文献の両方において広く報告されている。適切な標識は、放射性核種、酵素、基質、補因子、インヒビター、蛍光部分、化学発光部分、磁性粒子などを含む。このような標識の使用を教示する特許は、米国特許第3,817,837号;同第3,850,752号;同第3,939,350号;同第3,996,345号;同第4,277,437号;同第4,275,149号;および同第4,366,241号を含む。また、組換え免疫グロブリンが産生され得る(Cabilly、米国特許第4,816,567号;Mooreら、米国特許第4,642,334号;およびQueenら、(1989) Proc.Nat’l.Acad.Sci.USA 86:10029-10033を参照のこと)。
【0060】
本発明の抗体はまた、タンパク質を単離することにおいて、アフィニティークロマトグラフィーのために使用され得る。抗体が固体支持体に結合されているカラムが調製され得る。例えば、Wilchekら(1984)Meth.Enzymol.104:3-55を参照のこと。
【0061】
各499E9に対して惹起される抗体はまた、抗イディオタイプ抗体を惹起するために有用
である。これらは、それぞれの抗原の発現に関連する種々の免疫学的状態を検出または診断することにおいて有用である。
【0062】
VI.核酸
記載されたペプチド配列および関連試薬は、例えば天然供給源由来の499E9をコードす
るDNAクローンを検出、単離、または同定するのに有用である。代表的には、それは、哺
乳動物由来の遺伝子を単離するのに有用であり、そして同様の手順が、他の種(例えば、鳥類および哺乳動物のような温血動物)由来の遺伝子を単離するために適用される。クロスハイブリダイゼーションは、他の種由来の499E9の単離を可能にする。多くの異なるア
プローチが、適切な核酸クローンを首尾良く単離するのに利用可能であるはずである。
【0063】
精製タンパク質または規定されたペプチドは、上記のように、標準的方法により抗体を生成するために有用である。合成ペプチドまたは精製タンパク質は、免疫系に提示され、モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体を生成し得る。例えば、Coligan (1991)
Current Protocols in Immunology Wiley/Greene;ならびにHarlowおよびLane (1989) Antibodies: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Pressを参照のこと。あるいは、499E9は、特異的結合試薬として用いられ得、そして抗体が用いられる場
合と全く同様に、その結合特異性が利用され得る。
【0064】
例えば、特異的結合組成物は、499E9を発現する細胞株から作製される発現ライブラリ
ーのスクリーニングのために用いられ得る。スクリーニングは、表面に発現される抗原の標準的染色であり得るか、またはパンニング法により得る。細胞内発現のスクリーニングはまた、種々の染色または免疫蛍光法手順により行われ得る。結合組成物は、このタンパク質を発現する細胞をアフィニティー精製または選別(sort out)するために用いられ
得る。
【0065】
ペプチドセグメントはまた、ライブラリーをスクリーンするための適切なオリゴヌクレオチドを予測するのに用いられ得る。遺伝子コードは、スクリーニングのためのプローブとして有用な適切なオリゴヌクレオチドを選択するのに用いられ得る。例えば、配列番号1を参照のこと。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術と組み合わせて、合成オリゴヌクレ
オチドは、ライブラリーからの正しいクローンを選択するのに有用である。相補的配列もまた、プローブ、プライマー、またはアンチセンス鎖として用いられる。推定細胞外ドメインの同定に基づいて、種々のフラグメントは、例えば、アンカーされたベクターまたはポリA相補的PCR技術または他のペプチドの相補的DNAと合わせて、特に有用であるはずである。
【0066】
本発明は、生物学的に活性な対応する499E9ポリペプチドをコードする単離されたDNAまたはフラグメントの使用を意図している。さらに、本発明は、適切な条件下で本明細書中に記載されるDNA配列とハイブリダイズし得る、生物学的に活性なタンパク質またはポリ
ペプチドをコードする単離されたDNAまたは組換えDNAをカバーする。この生物学的に活性なタンパク質またはポリペプチドは、インタクトな抗原、またはフラグメントであり得、そして、例えば、配列番号1に開示されるアミノ酸配列を有する。さらに、本発明は、単離されたDNAまたは組換えDNA、あるいはそのフラグメントの使用をカバーする。ここで、これらのDNAは、499E9に相同なタンパク質をコードするか、または499E9をコードするcDNAをプローブとして用いて単離された。単離されたDNAは、5’および3’に隣接する、それぞれの調節配列(例えば、プロモーター、エンハンサー、ポリA付加シグナルおよびそ
の他)を有し得る。
【0067】
「単離された」核酸は、本来(native)の配列に天然に付随する他の成分(例えば、起源
の種由来のリボソーム、ポリメラーゼ、および/または隣接するゲノム配列)から実質的
に分離される核酸(例えば、RNA、DNA、または混合ポリマー)である。この用語は、その天然に生じる環境から取り出された核酸配列を包含し、そして組換えまたはクローン化DNA
単離物、および化学的に合成されるアナログまたは異種系により生物学的に合成されるアナログを包含する。実質的に純粋な分子は、単離された形態の分子を包含する。一般に、核酸は、ベクター中に存在するか、または約50kb未満、通常約30kb未満、代表的には約10kb未満、そして好ましくは約6kb未満のフラグメントである。
【0068】
単離された核酸は、一般に、分子の均質な組成物であるが、しかしいくつかの実施態様においては、少しの不均質性を含む。代表的には、この不均質性は、ポリマー末端、または所望の生物学的な機能または活性に重要ではない部分に見出される。
【0069】
「組換え」核酸は、その生成方法またはその構造のいずれかにより定義される。その生成方法については(例えば、あるプロセスにより作製された産物)、そのプロセスは、組換え核酸技術(例えば、ヌクレオチド配列におけるヒトの介入(代表的には、選択または
生成)を含む)の使用である。あるいは、組換え核酸は、天然には互いに隣接していない2つのフラグメントの融合を含む配列を生成することにより作製される核酸であり得るが、しかし天然の産物(例えば、天然に生じる変異体)を除外することを意味する。したがって、任意の合成オリゴヌクレオチドプロセスを使用して誘導される配列を含む核酸のように、例えば、任意の天然に生じないベクターで細胞を形質転換することにより作製された産物が包含される。このようなことは、代表的には、配列認識部位を導入または除去して、コドンを、同じアミノ酸または保存的アミノ酸をコードする縮重コドンで置換するためにしばしば行われる。
【0070】
あるいは、所望の機能の核酸セグメント同士を結合し、一般的に入手可能な天然形態では見出されない、機能の所望の組み合わせを含む単一の遺伝子物質(entity)を生成することが行われる。制限酵素認識部位は、しばしばこのような人工的な操作の標的であるが、しかし他の部位特異的標的(例えば、プロモーター、DNA複製部位、調節配列、制御配列または他の有用な特徴)が設計により取り込まれ得る。同様の概念が、組換え(例えば、融合)ポリペプチドについて意図される。これらの抗原のフラグメントに類似するポリペプチ
ドを、遺伝コードの縮重によりコードする合成核酸、および種々の異なる種変異体に由来する配列の融合物が、特に包含される。
【0071】
核酸の記載において有意な「フラグメント」は、少なくとも約17ヌクレオチド、一般的には少なくとも約22ヌクレオチド、普通少なくとも約29ヌクレオチド、さらにしばしば少なくとも約35ヌクレオチド、代表的には少なくとも約41ヌクレオチド、通常は少なくとも約47ヌクレオチド、好ましくは少なくとも約55ヌクレオチド、そして特に好ましい実施態様においては少なくとも約60以上のヌクレオチドの連続セグメントである。
【0072】
499E9タンパク質をコードするDNAは、関連するかまたは相同なタンパク質をコードする遺伝子、mRNA、およびcDNA種、ならびに異なる種由来の相同なタンパク質をコードするDNAを同定するのに特に有用である。霊長類、齧歯類、および鳥類を含む他の種においてホ
モログが存在すると見込まれる。種々の499E9タンパク質が相同であるはずであり、そし
て本明細書中に含まれる。しかし、この抗原とより遠い進化的関係を有するタンパク質をコードする遺伝子でさえ、これらが十分に相同である場合には、これらの配列を用いて適切な条件下で容易に単離され得る。霊長類499E9タンパク質を特に目的とする。
【0073】
ゲノム配列(例えば、イントロンを含む)由来の組換えクローンは、トランスジェニック研究(例えば、トランスジェニック細胞および生物を包含する)ならびに遺伝子治療に有用である。例えば、Goodnow(1992)「Transgenic Animals」 Roitt(編) Encyclopedia of Immunology, Academic Press、San Diego、1502-1504頁;Travis (1992) Science 256:1392-1394;Kuhnら(1991) Science 254:707-710;Capecchi (1989) Science
244:1288;Robertson (1987)(編) Teratocarcinomas and Embryonic Stem Cells: A Practical Approach, IRL Press、Oxford;およびRosenberg (1992) J.Clinical Oncology 10:180-199を参照のこと。
【0074】
核酸配列比較の記載についての実質的な相同性は、比較した場合に、セグメントまたはそれらの相補鎖のいずれかが、適切なヌクレオチド挿入または欠失を伴って最適にアラインされる場合、少なくとも約50%のヌクレオチド、一般には少なくとも約58%、普通少なくとも約65%、しばしば少なくとも約71%、代表的には少なくとも約77%、通常少なくとも約85%、好ましくは少なくとも約95〜約98%以上、そして特定の実施態様においては、約99%以上程度の高さのヌクレオチドで同一であることを意味する。あるいは、セグメントが、選択的なハイブリダイゼーション条件下で、鎖またはその相補物に、代表的には、例えば、配列番号1の499E9(例えば、配列番号1において)の配列を使用して、ハイブ
リダイズする場合、実質的な相同性が存在する。代表的には、選択的ハイブリダイゼーションは、少なくとも約30ヌクレオチドの領域(stretch)にわたって少なくとも約55%相同、好ましくは約25ヌクレオチドの領域にわたって少なくとも約75%、そして最も好ましくは約20ヌクレオチドにわたって少なくとも約90%の相同性が存在する場合に起こる。Kanehisa (1984) Nuc.Acids Res.12:203-213を参照のこと。相同性比較の長さは、記載さ
れるように、より長い領域にわたり得、そして特定の実施態様においては、少なくとも約17ヌクレオチド、通常少なくとも約28ヌクレオチド、代表的には少なくとも約40ヌクレオチド、そして好ましくは少なくとも約75〜100以上のヌクレオチドの領域にわたる。
【0075】
ハイブリダイゼーションの文脈において相同性を言う場合、ストリンジェントな条件は、塩、温度、有機溶媒、および他のパラメーター(代表的にはハイブリダイゼーション反
応において制御される)のストリンジェントな組合わされた条件をいう。ストリンジェン
トな温度条件は、約30℃を超過する、通常は約37℃を超過する、代表的には約55℃を超過する、好ましくは約70℃を超過する温度を通常包含する。ストリジェントな塩条件は、普通約1000mM未満、通常約400mM未満、代表的には約250mM未満、好ましくは約150mM未満で
ある。しかし、パラメーターの組合わせは、どの一つのパラメーターの度合よりもはるかに重要である。例えば、WetmurおよびDavidson(1968)J.Mol.Biol.31:349-370を参照のこ
と。他の哺乳動物種由来の499E9は、近縁の種の種間ハイブリダイゼーション(cross-species hybridization)によりクローン化および単離され得る。遠縁の種間では、相同性は
比較的低くあり得、したがって比較的近縁の種のハイブリダイゼーションが得策である(advisable)。あるいは、より低い種特異性を示す抗体調製物の調製が、発現クローニング
アプローチにおいて有用であり得る。
【0076】
VII.499E9;模擬体の作製
499E9またはそのフラグメントをコードするDNAは、化学的合成、cDNAライブラリーのスクリーニング、または広範な種々の細胞株または組織サンプルから調製されたゲノムライブラリーのスクリーニングにより得られ得る。例えば、OkayamaおよびBerg(1982)Mol.Cell.Biol.2:161-170;GublerおよびHoffman(1983)Gene25:263-269;ならびにGlover(編)(1984)DNA Cloning:A Practical Approach,IRL Press,Oxfordを参照のこと。あるいは、本明細書中に提供される配列は、有用なPCRプライマーを提供するか、または499E9(天然に存在する実施態様を含む)をコードする適切な遺伝子の合成または他の調製を可能にする。
【0077】
このDNAは、次に例えばポリクローナルまたはモノクローナル抗体を作成するために使
用され得る完全長の499E9またはフラグメントの合成のために;結合研究のために;改変
分子の構築および発現のために;および構造/機能研究のために広範な種々の宿主細胞で
発現され得る。
【0078】
本明細書で使用されるベクターは、プラスミド、ウイルス、バクテリオファージ、組み込み可能DNAフラグメント、およびDNAフラグメントの宿主ゲノムへの組み込みを可能にする他のビヒクルを包含する。例えば、Pouwelsら、(1985および補遺)Cloning Vectors:A
Laboratory Manual、Elsevier、N.Y.;およびRodriguezら、(1988)(編)Vectors:A Survey of Molecular Cloning Vectors and Their Uses、Buttersworth、Boston、MAを参照のこと。
【0079】
本発明の目的のために、DNA配列は、それらが互いに機能的に関連する場合、作動可能
に連結される。例えば、プレ配列(presequence)または分泌リーダーのDNAは、それがプレタンパク質として発現されるか、あるいはポリペプチドを細胞膜に指向させること、またはポリペプチドの分泌に関与する場合には、そのペプチドに作動可能に連結される。プロモーターは、それがポリペプチドの転写を制御する場合、コード配列に作動可能に連結される;リボソーム結合部位は、それが翻訳を可能にするように置かれる場合、コード配列に作動可能に連結される。通常、作動可能に連結されるとは、隣接し、そしてリーディングフレーム内にあることを意味する。しかし、リプレッサー遺伝子のような特定の遺伝子エレメントは、隣接して連結しないが、それでもやはりオペレーター配列(これは、次に
は発現を制御する)に結合する。例えば、Rodriguezら,第10章,205-236ページ;Balbasお
よびBolivar(1990)Methods in Enzymology 185:14-37;ならびにAusubelら(1993)Current Protocols in Molecular Biology,GreeneおよびWiley,NYを参照のこと。
【0080】
適切な発現ベクターの代表的な例は、pCDNA1;pCD(Okayamaら、(1985)Mol.Cell Biol
.5:1136-1142参照);pMC1neo Poly-A(Thomasら、(1987)Cell 51:503-512参照);およ
びpAC373またはpAC 610のようなバキュロウイルスベクターを包含する。例えば、Miller(1988)Ann.Rev.Microbiol.42:177-199を参照のこと。
【0081】
特定のまたは規定されたグリコシル化パターンを提供する系において499E9ポリペプチ
ドを発現することがしばしば望ましい。例えば、LuckowおよびSummers(1988)Bio/Technology6:47-55;およびKaufman(1990)Meth.Enzymol.185:487-511参照。
【0082】
499E9またはそのフラグメントは、細胞膜にホスファチジルイノシトール(PI)を結合す
るように操作され得るが、ホスファチジルイノシトール切断酵素(例えば、ホスファチジ
ルイノシトールホスホリパーゼC)を用いる処理により膜から除去され得る。これは抗原
を生物学的に活性な形態で放出し、そしてタンパク質化学の標準的な手順による精製を可能にする。例えば、Low(1989)Biochim.Biophys.Acta 988:427-454;Tseら、(1985)Science 230:1003-1008;およびBrunnerら、(1991)J.Cell Biol.114:1275-1283を参照のこと。
【0083】
ここで499E9が特徴づけられ、そのフラグメントまたは誘導体は、ペプチド合成のため
の従来のプロセスにより調製され得る。これらは、StewartおよびYoung(1984)Solid Phase Peptide Synthesis、Pierce Chemical Co.、Rockford、IL;BodanszkyおよびBodanszky(1984)The Practice of Peptide Synthesis、Springer-Verlag、New York;Bodanszky(1984)The Principles of Peptide Synthesis、Springer-Verlag、New York;ならびにVillafranca(編)(1991)Techniques in Protein Chemistry II,Academic
Press,San Diego,CAに記載されるようなプロセスを包含する。
【0084】
VIII.用途
本発明は、本明細書の別の箇所(例えば、T細胞媒介状態に関する一般的な記載におい
て、または下記の診断のためのキットの記載において)に記載されるような診断適用にお
いて用途を見い出す試薬を提供する。
【0085】
本発明はまた、重要な治療価値を有する試薬を提供する。 499E9(天然に存在する499E9、または組換え499E9)、そのフラグメント、およびそれらに対する抗体、さらに499E9に対して結合親和性を有すると同定される化合物は、異常な増殖(例えば、ガン状態)、または変性(degenerative)状態を含む異常な生理状態または発生状態に関連する状態の処置において有用であるべきである。特に、リンパ球の発生の調節は、本明細書が提供する組成物を使用する適切な治療処置によって達成され得る。例えば、499E9による異常な発現
または異常なシグナル伝達に関連する疾患または異常は、その抗原のアゴニストまたはアンタゴニストの有望な標的であるはずである。抗原は、造血細胞(例えば、リンパ球)の調節または発生において役割を果たし、その造血細胞は、免疫応答(自己免疫障害)に影響を与える。
【0086】
特に、抗原は、同時刺激シグナルを細胞活性化に提供するようである。したがって、499E9は、他の細胞型(例えば、そのためのレセプターを有する細胞)とのT細胞媒介性相
互作用を調節するようである。これらの相互作用は、特別な文脈において、細胞増殖の調節、その細胞または他の細胞によるサイトカイン合成、または特別なエフェクター細胞の増幅を導く。
【0087】
さらに、499E9またはアンタゴニストはT細胞応答を向け直し得る(例えば、Th1とTh2との間の偏向、またはTH0細胞を伴う)。これらのアゴニストは、適切なエピトープを認識
する種々の抗体であるべきである(例えば、499E9のそのレセプターへの結合を模倣する
)。あるいは、それらはレセプター結合を立体的にブロックし得るエピトープに結合し得る。
【0088】
499E9のアンタゴニスト(例えば、499E9の天然に存在する分泌型またはブロッキング抗体)もまた有用であり得る。これは異常な状況(例えば、自己免疫障害:リウマチ様関節炎、全身性エリテマトーデス(erythematois)(SLE)、橋本自己免疫甲状腺炎、ならびに
T細胞活性化、拡大、および/または免疫学的なT細胞記憶が重要な役割を果たす、急性および慢性の炎症性応答を含む)において、免疫応答を調節する選択的および強力な方法を提供し得る。Samterら(編)Immunological Disease 第1巻および第2巻、Little、Brown and Co.もまた参照のこと。天然に存在する499E9の分泌型またはそのアンタゴニストによる、T細胞活性化、拡大、および/またはサイトカイン放出の調節は、効果的であり得る。
【0089】
さらに、他のT細胞シグナル伝達の修飾物質との特定の組み合わせ組成物が有用である。このような他のシグナル伝達分子にはTcR試薬、CD40、CD40L、CTLA-8、CD28、SLAM、FAS、およびそれらの各々のアンタゴニストが挙げられる。
【0090】
種々の異常な状態が、ノザンブロット分析によって499E9 mRNAを有することが示され
た各々の細胞タイプで知られている。Berkow(編) The Merck Manual of Diagnosis and Therapy, Merck&Co.,Rahway,N.J.;Thornら、Harrison’s Principles of Internal Medicine,McGraw-Hill,N.Y.;ならびにWeatherallら(編)Oxford Textbook
of Medicine, Oxford University Press, Oxfordを参照のこと。多くの他の医学
的症状および疾患は、T細胞に関するか、またはT細胞に媒介され、そして、これらの多くは、本明細書中で提供されるアゴニストまたはアンタゴニストによる処置に応答する。例えば、SitesおよびTerr(編;1991)Basic and Clinical Immunology Appletonお
よびLange, Norwalk, Connecticut;ならびにSamterら(編)Immunological Diseases
Little, Brown and Co.を参照のこと。これらの問題は、本明細書で提供される組成物を使用する予防または処置に影響されやすい。
【0091】
499E9抗体は精製され得、次いで(動物またはヒトの)患者に投与され得る。これらの
試薬は、治療的使用のために別の活性な成分または不活性な成分、例えば、従来の薬学的に受容可能なキャリアまたは希釈物(例えば、免疫原性アジュバント)ならびに生理学的に無害な安定剤、賦形剤、または防腐剤中で組み合され得る。これらの組合わせは、滅菌濾過され、そして投薬バイアル中への凍結乾燥により投薬形態に入れ得るか、または安定化された水性調製物として保管され得る。本発明はまた、抗体またはその結合フラグメント(補体結合していない形態を含む)の使用を意図する。
【0092】
499E9またはそのフラグメントを用いた薬物スクリーニングは、499E9への結合親和性または499E9の機能において他の関連した生物学的効果を有する化合物を同定するため(会
合した成分の単離を含む)に行われ得る。次いで、その化合物が内因性刺激活性を有し、そしてそれゆえに抗原の活性をブロックするブロッカーまたはアンタゴニスト(例えば、ムテインのアンタゴニスト)であるかどうかを決定するために、引き続く生物学的アッセイが利用され得る。同様に、内因性の刺激活性を有する化合物は、シグナル経路を活性化し得、したがってそれが499E9活性を刺激する点でアゴニストである。本発明はさらに、アンタゴニストとしての499E9に対するブロック抗体、およびアゴニストとしての刺激分
子(例えば、ムテイン)の治療的用途を意図する。このアプローチは、他の499E9種変異
体にも特に有用であるはずである。
【0093】
効果的な治療に必要な試薬の量は、多くの異なる因子(投与手段、標的部位、患者の生
理学的状態、および他の投与される薬剤(medicant)を含む)に依存する。したがって、処
置用量は、安全性および効果を最適化するように滴定されるべきである。代表的に、インビトロで使用される用量は、これらの試薬のインサイチュ投与に有用な量の有用な指標を提供し得る。特定の異常の処置に効果的な用量の動物試験は、ヒト投薬量の予測的指示をさらに提供し得る。種々の考察が、例えば、Gilmanら編(1990) Goodman and Gilman’s: The Pharmacological Bases of Therapeutics、第8版、Pergamon Press;およびRemington’s Pharmaceutical Sciences、第17版(1990)、Mack Publishing Co.,Easton,Pennに記載されている。投与の方法(例えば、経口投与、静脈内投与、腹腔内投与、または筋肉内投与、経皮的拡散など)は、それらの中でまたは下記に論じられる。薬学的
に受容可能なキャリアは、水、生理食塩水、緩衝液、および例えば、Merck Index,Merck&Co.,Rahway,New Jerseyに記載される他の化合物を含む。用量の範囲は、適切なキャリアを伴って、通常1mM未満濃度、代表的には約10μM未満濃度、通常約100nM未満、そして好ましくは約10pM(ピコモル濃度)未満、そして最も好ましくは約1fM(フェムトモル濃度)
未満の濃度の用量であると通常予想される。徐放性処方物(slow release formulation)、または徐放装置は、しばしば連続投与または長期投与に利用される。例えば、Langer(1990)Science 249:1527-1533を参照のこと。
【0094】
499E9、そのフラグメント、およびそれに対する抗体またはそのフラグメント、アンタ
ゴニストおよびアゴニストは、処置されるべき宿主に直接投与され得るか、または化合物のサイズに依存して、それらの投与の前にオボアルブミンまたは血清アルブミンなどのキャリアタンパク質とそれらを結合させることが望ましくあり得る。治療処方物は、多くの従来の投与処方物で投与され得る。活性成分が単独で投与されることは可能であるが、薬学的処方物としてそれを提示することが好ましい。処方物は、代表的には、上記に規定されるような少なくとも1つの活性成分を、1つ以上のそれらの受容可能なキャリアと共に含有する。各キャリアは、他の成分と適合性がある点、および患者に対して傷害性でない点で、薬学的および生理学的の両方で受容可能であるべきである。処方物は、経口投与、直腸投与、鼻腔内投与、局所投与、または非経口投与(皮下投与、筋肉内投与、静脈内投
与、および皮内投与を含む)に適切なキャリアを含む。処方物は、都合の良いように単位
剤形で提案され得、そして薬学分野において周知の任意の方法によって調製され得る。例えば、Gilmanら編(1990)Goodman and Gilman’s: The Pharmacological Bases of
Therapeutics,第8版,Pergamon Press;およびRemington’s Pharmaceutical Sciences,第17版(1990),Mack Publishing Co.,Easton,Penn.;Avisら編(1993)Pharmaceutical Dosage Forms: Parenteral Medications ,Dekker,New York;Liebermanら編(1990) Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets, Dekker,New York;およびLiebermanら編(1990) Pharmaceutical Dosage Forms: Disperse Systems, Dekker,New Yorkを参照のこと。本発明の治療は、他の薬剤(例えば、T細胞活性化の他の調節因子(例えば、CD40、CD40リガンド、CD28、CTLA-4、B7、B70、SLAM、T細胞レセプターシグナル伝達
物、またはそれらのそれぞれのアンタゴニスト)と組み合わせて、あるいは関連して用いられ得る。
【0095】
本発明の天然に存在する499E9および組換え形態の499E9の両方は、タンパク質に対する結合活性について化合物をスクリーニングし得るキットおよびアッセイ方法において特に有用である。近年自動化アッセイのいくつかの方法が開発され、短期間で何万もの化合物をスクリーニングすることが可能になった。例えば、Fodorら(1991) Science 251:767-773(これは、固体支持体上で合成された複数の規定されたポリマーによって結合親和性を試験する手段を記載している)を参照のこと。適切なアッセイの開発は、本発明によって
提供される大量の精製された可溶性499E9の利用可能性によって非常に容易にされ得る。
【0096】
他の方法は、499E9-499E9レセプター相互作用における決定的な残基を決定するのに用
いられ得る。変異分析は、相互作用および/またはシグナル伝達において決定的な特定の残基を決定するために行われ得る。例えば、Somozaら(1993)J.Exptl.Med.178:549-558を
参照のこと。両方の細胞外ドメイン(同種親和性相互作用に関与する)または細胞内ドメイン(これは、細胞内シグナル伝達において重要な相互作用を提供する)。
【0097】
例えば、一旦、抗原が構造的に規定されれば(例えば、3次元構造データにより)、アンタゴニストは通常見出され得る。潜在的な相互作用アナログの試験が、精製499E9を用
いて、高度に自動化されたアッセイ法の開発により今や可能である。特に、新規のアゴニストおよびアンタゴニストは、本明細書中に記載のスクリーニング技術を用いることにより発見される。種々の499E9分子(例えば、499E9の種変異体に対するアンタゴニストとして作用し得る化合物)に対して組合された結合親和性を有することが見出だされる化合物は、特に重要である。
【0098】
薬物スクリーニングの1つの方法は、499E9を発現する組換えDNA分子で安定に形質転換される真核生物宿主細胞または原核生物宿主細胞を利用する。他の分子からの単離において、499E9を発現する細胞が単離され得る。このような細胞は、生存形態または固定化形
態のいずれかで、標準的な結合パートナー結合アッセイに使用され得る。Parceら(1989)
Science 246:243-247;およびOwickiら(1990) Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 87:4007-4011もまた参照のこと。これらは細胞応答を検出するための感度の高い方法を記載し
ている。
【0099】
薬物スクリーニングの別の技術は、499E9に適切な結合親和性を有する化合物の高処理
量スクリーニングを提供するアプローチを含み、そして1984年9月13日に公開されたGeysen、欧州特許出願第84/03564号に詳細に記載されている。始めに多数の異なる小ペプチド試験化合物を固体支持体(例えば、プラスチックピンまたはいくつかの他の適切な表面、Fodorら(1991)を参照のこと)上で合成する。次いで、全てのピンを、可溶化された未精製499E9、または可溶化された精製499E9と反応させ、そして洗浄する。次の工程は、結合し
た499E9の検出を含む。
【0100】
合理的な薬物設計はまた、499E9および他のエフェクターまたはアナログの分子形状の
構造研究に基づき得る。エフェクターは、結合に応じて他の機能を媒介する他のタンパク質、または499E9と正常に相互作用する他のタンパク質であり得る。特定の他のタンパク
質と相互作用する部位を決定する1つの手段は、物理的な構造決定(例えば、X線結晶学
、または2次元NMR技術)である。これらは、どのアミノ酸残基が分子接触領域を形成するかについて指標を提供する。タンパク質の構造決定の詳細な説明については、例えば、BlundellおよびJohnson (1976) Protein Crystallography, Academic Press, New Yorkを参照のこと。
【0101】
IX.キット
本発明はまた、別の499E9または結合パートナーの存在を検出する種々の診断キットお
よび方法における、499E9タンパク質、そのフラグメント、ペプチド、およびそれらの融
合産物の使用を意図する。代表的には、キットは規定の499E9ペプチドまたは遺伝子セグ
メント、またはあるものか別のものか(例えば、499E9フラグメントまたは抗体)を認識す
る試薬のいずれかを伴う区画を有する。
【0102】
試験化合物の499E9に対する結合親和性を決定するためのキットは、代表的には、以下の試験化合物を含む;標識化合物(例えば、499E9に対する公知の結合親和性を有する結合パートナーまたは抗体);499E9の供給源(天然に存在するか、または組換え);および、分子を固定化する固相のような、遊離標識化合物から結合標識化合物を分離する手段。一旦、化合物がスクリーニングされると、抗原に対して適切な結合親和性を有する化合物は、当該分野において周知のように適切な生物学的アッセイにおいて評価され、それらが499E9シグナル伝達経路に対するアゴニストまたはアンタゴニストとして作用するか否かを決
定し得る。組換え499E9ポリペプチドの有用性はまた、そのようなアッセイを較正するた
めの十分に規定された標準を提供する。
【0103】
例えば、サンプル中の499E9の濃度を測定するための好ましいキットは、代表的には、
標識化合物(例えば、抗原に対して公知の結合親和性を有する結合パートナーまたは抗体)、抗原の供給源(天然に存在するか、または組換え)および遊離標識化合物から結合標識化合物を分離する手段(例えば、499E9を固定化するための固相)を含む。試薬を含む区画、
および説明書が、通常提供される。
【0104】
499E9またはフラグメントに特異的な抗体(抗原結合フラグメントを含む)は、増加した
レベルの499E9および/またはそのフラグメントの存在を検出する診断的適用において有
用である。このような診断アッセイは、溶解物、生細胞、固定化細胞、免疫蛍光、細胞培養物、体液を使用し得、そしてさらに血清中の抗原などに関連する抗原の検出を含み得る。診断アッセイは、同種(遊離試薬と抗原−結合パートナー複合体との間の分離工程を有
さない)または異種(分離工程を有する)であり得る。ラジオイムノアッセイ(RIA)、固相酵素免疫吸着測定法(ELISA)、酵素免疫測定法(EIA)、酵素増加(enzyme-multiplied)イムノ
アッセイ技法(EMIT)、基質標識蛍光イムノアッセイ(SLFIA)などの種々の市販のアッセイ
が存在する。例えば、Van Vunakisら、(1980) Meth Enzymol.70:1-525;Harlowおよ
びLane(1980) Antibodies: A Laboratory Manual、CSH Press、NY;およびColigan
ら、(編)(1993) Current Protocols in Immunology、GreeneおよびWiley、NYを参照
のこと。
【0105】
抗イディオタイプ抗体は、499E9に対する抗体の存在を診断するための同様の使用を有
し得、それ自体種々の異常な状態の診断であり得る。例えば、499E9の過剰生成は、種々
の免疫学的反応の生成を生じ得る。それは特に、ガンあるいは異常な活性化または分化のような増殖細胞状態において、異常な生理学的状態の診断となり得る。
【0106】
しばしば、診断アッセイのための試薬がキット中に供給され、アッセイの感度を最適化する。本発明のために、アッセイの性質に依存して、プロトコル、および標識、標識抗体または標識結合パートナーあるいは非標識抗体または非標識結合パートナーのいずれか、または標識499E9が提供される。これは通常、他の付加物(例えば、緩衝液、安定剤、酵素の基質などのシグナル生成に必要な物質)などとの組み合わせである。好ましくは、キッ
トはまた、適切な使用のための説明書および使用後の内容物の廃棄を含む。代表的には、キットはそれぞれの有用な試薬についての区画を有する。望ましくは、試薬は凍結乾燥粉末として提供される。この場合、この試薬は水性媒体中で再構成され、アッセイを行うために適切な濃度の試薬を提供し得る。
【0107】
薬物スクリーニングおよび診断アッセイの上記構成要素の多くが改変せずに使用され得るか、または種々の方法で改変され得る。例えば、標識化は、直接的または間接的に検出可能なシグナルを提供する部分を、共有結合的にまたは非共有結合的に結合することにより達成され得る。任意のこれらのアッセイにおいて、結合パートナー、試験化合物、499E9、またはそれらに対する抗体が、直接的または間接的のいずれかで標識され得る。直接
標識の可能性は、以下の標識群を含む:125Iのような放射性標識、ペルオキシダーゼおよびアルカリホスファターゼのような酵素(米国特許第3,645,090号)、ならびに蛍光強度、波長シフト、または蛍光偏光における変化をモニターし得る蛍光標識(米国特許第3,940,475号)。間接標識の可能性は、1つの成分をビオチンで標識した後、上記の標識群の1つ
にカップリングさせたアビジンに結合させることを含む。
【0108】
また、遊離499E9から結合499E9を分離するか、あるいは遊離試験化合物から結合化合物を分離する、非常に多くの方法が存在する。499E9は種々のマトリックス上に固定化され
得、次いで洗浄される。適切なマトリックスは、ELISAプレート、フィルター、およびビ
ーズのようなプラスチックを含む。例えば、Coliganら(編)(1993) Current Protocols in Immunology、第1巻、第2章、GreeneおよびWiley、NYを参照のこと。他の適切な分離技術は、Rattleら(1984) Clin.Chem.30:1457-1461に記載される蛍光抗体磁化粒子
法、および米国特許第4,659,678号に記載されるような二重抗体磁化粒子分離を含むが、
これらに限定されない。
【0109】
種々の標識にタンパク質またはそれらのフラグメントを結合する方法は、広範にわたって文献中に報告されており、本明細書中での詳細な考察は必要としない。多くの技術が、ペプチド結合を形成するためにカルボジイミドまたは活性エステルのいずれかの使用を介して活性化されたカルボキル基の使用、結合のためにクロロアセチルなどの活性化ハロゲンまたはマレイミドなどの活性化オレフィンとメルカプト基を反応させることによるチオエーテルの形成などを含む。融合タンパク質もまた、これらの適用における使用が見出される。
【0110】
本発明の別の診断的局面は、499E9の配列から得られるオリゴヌクレオチド配列または
ポリヌクレオチド配列の使用を含む。これらの配列は、異常な状態(例えば、ガンまたは
発生の問題)を有する疑いのある患者由来のサンプルにおける499E9メッセージのレベルを検出するプローブとして使用され得る。抗原は、活性化についてのマーカーであるので、例えば、さらなる抑制が必要とされ得る場合に決定する活性化T細胞の数を決定するのに有用であり得る。RNAヌクレオチド配列およびDNAヌクレオチド配列の両方の調製、配列の標識、および配列の好ましいサイズは、文献中で十分に記載され、そして考察されてきた。例えば、Langer-Saferら(1982) Proc.Nat’l.Acad.Sci.79:4381-4385;Caskey(1987) Science 236:962-967;およびWilchekら(1988) Anal.Biochem.171:1-32を参照
のこと。
【0111】
他のマーカーの定性的または定量的存在についても試験する診断キットもまた、意図される。診断または予後は、マーカーとして使用される複数の指標の組み合わせに依存し得る。従って、キットはマーカーの組み合わせについて試験し得る。例えば、Vialletら(1989) Progress in Growth Factor Res.1:89-97を参照のこと。他のキットが、T細
胞サブセットを評価するために使用され得る。
【0112】
X.499E9特異的結合パートナーを単離する方法
499E9タンパク質は、例えば、同様の構造および発現の細胞型特異性を示す他の細胞表
面抗原に対する構造および機能におけるその類似性に基づいて、レセプターと相互作用するはずである。レセプターを単離する方法は、スクリーニングプログラムのために精製499E9を作製する能力により利用可能にされる。本明細書中で提供される499E9配列を用いた可溶性または他の構築物は、499E9特異的レセプターのスクリーニングまたは単離を可能
にする。発現クローニング、パンニング、アフィニティ単離、またはレセプターを同定する他の手段に関する多くの方法が存在する。
【0113】
本発明の多くの改変および変更は、当業者には明らかであるように、その精神および範囲を逸脱することなくなされ得る。本明細書中に記載の特定の実施態様は、例示の目的のためのみ提供され、そして本発明は、このような請求の範囲が権利を与えられる等価物の充分な範囲とともに、添付の請求の範囲の用語によってのみ限定されるべきである。
【実施例】
【0114】
実施例
一般的方法
標準的な方法のいくつかは、例えば、Maniatisら(1982)Molecular Cloning,A Laboratory Manual,Cold Spring Horbor Laboratory,Cold Spring Horbor Press;Sambrookら(1989)Molecular Cloning:A Laboratory Manual(第2版),第1〜3巻,CSH Press,NY;Ausubelら、Biology,Greene Publishing Associates,Brooklyn,NY;またはAusubelら(1987および補遺)Current Protocols in Molecular Biology,Greene and
Wiley,New York;Innisら(編)(1990)PCR Protocols:A Guide to Methods and Applications,Academic Press,N.Y.において記載または参照される。タンパク質精製のための方法は、硫酸アンモニウム沈殿、カラムクロマトグラフィー、電気泳動、遠心分離、結晶化、およびその他のような方法を含む。例えば、Ausubelら(1987および定期的
補遺);Deutscher(1990)「Guide to Protein Purification」 Methods in Enzymology 第182巻およびこのシリーズの他の巻;ならびにタンパク質精製製品の使用に関す
る製造者の文献(例えば、Pharmacia,Piscataway,N.J.またはBio-Rad,Richmond,CA)を参照のこと。組換え技術との組み合せは、適切なセグメントへの(例えば、FLAG配列またはプロテアーゼ除去可能な配列を介して融合され得る等価物への)融合を可能にする。例えば、Hochuli(1989)Chemische Industrie 12:69-70;Setlow(編)Genetic Engineering,Principle and Methods 12:87-98,Plenum Press,N.Y.におけるHochuli(1990)「Purification of Recombinant Proteins with Metal Chelate Absorbent」;およびCroweら(1992)QIAexpress:The High Level Expression& Protein Purification System QUIAGEN,Inc.,Chatsworth,CAを参照のこと。細胞培養技術は、Doyleら(編)(1994)Cell and Tissue Culture:Laboratory Procedures,John Wiley and Sons,NY.に記
載される。
【0115】
FACS分析は、Melamedら(1990)Flow Cytometry and Sorting Wiley-Liss,Inc.,New York,NY;Shapiro(1988)Practical Flow Cytometry Liss,New York,NY;およびRobinsonら(1993)Handbook of Flow Cytometry Methods Wiley-Liss,New York,NY
に記載される。適切な試薬の蛍光標識は、標準的な方法により行われた。
【0116】
実施例1:マウス499E9のクローニング
3W Th1またはTh2細胞の産生は、Openshawら(1995) J.Exp.Med.182:1357〜1367に
記載される。簡潔には、Th1またはTh2集団は、IL-12またはIL-14の存在下で抗原で刺激されたCD4+ T細胞および抗原提示細胞に由来した。細胞を、3週間にわたって各週に1度刺激し、次いで収集し、そして、例えば、PMAおよびイオノマイシンで4時間再刺激した
。Murphyら(1996)、J.Exp.Med.183:901〜913を参照のこと。
【0117】
総RNAを、例えば、Chirgwinら(1978)、Biochem.18:5294〜5299に記載のように、グア
ニジンチオシアネート/CsCl勾配手順を用いて単離し得る。ポリ(A)+RNAを、例えば、OLIGOTEX mRNA 単離キット(QIAGEN)を用いて単離する。これらの細胞由来のこのようなRNAを用いて、例えば、NotI/オリゴdTプライマー(Gibco-BRL, Gaithersburg, MD)を用いることにより、第1鎖cDNAを合成する。二本鎖cDNAを合成し、BstXIアダプターと連結し、NotIで消化し、>0.5キロ塩基対(kb)にサイズ分画する。そしてpJFE-14(pCDSRαベクター
の誘導体)のNotI/BstXI部位に連結する。Takebeら(1985) Mol.Cell Biol.8:466〜472を参照のこと。エレクトロコンピテント(Electro-competent)E.coli DH10α細胞(Gibco-BRL)を形質転換のために使用する。
【0118】
独立したクローンをランダムに選択し、そして公知のサイトカインcDNAのカクテルを用いるハイブリダイゼーションにより、スクリーニングした。プラスミドDNAを、サイトカ
インプローブにハイブリダイズしないクローンから調製した。これらのクローンを、挿入物サイズにより分類し、そしてさらにDNA配列決定により特徴付けした。499E9に対応するクローンを、単離した。
【0119】
実施例2:マウス499E9の細胞発現
マウス499E9をコードするcDNAに特異的なプローブを使用して、抗原をコードするメッ
セージの組織分布を決定する。標準的なハイブリダイゼーションプローブを用いて、適切な供給源、例えば、刺激されたかまたは種々の生理学的状態、種々の組織(例えば、脾臓、肝臓、胸腺、肺など)あるいは種々の種のいずれかの細胞由来のRNAのノーザン分析を
行い得る。cDNAライブラリーのサザン分析はまた、価値ある分布情報を提供し得る。標準的な組織ブロットまたは種ブロットが、市販されている。類似の技術が、種々の細胞型での発現と相関し得る診断的状態または医学的状態を評価するのに有用である。
【0120】
適切なプライマーを用いるPCR分析もまた使用し得る。免疫組織化学またはFACSを含む
抗体分析を用い、細胞分布または組織分布を決定し得る。
【0121】
実施例3:499E9タンパク質の精製
複数のトランスフェクトされた細胞株を、他の細胞と比較して高レベルで抗原(膜結合形態または可溶性形態)を発現する細胞株についてスクリーニングする。種々の細胞株を、取り扱いにおいてそれらの好ましい特性についてスクリーニングおよび選択する。天然499E9を、天然供給源から、または適切な発現ベクターを用いた形質転換細胞からの発現
により単離し得る。発現されたタンパク質の精製を、標準的な手順により達成するか、または細胞溶解物または上清からの高効率で効果的で有効な精製のための操作手段と組み合せ得る。FLAGまたはHis6セグメントを、このような精製特徴のために使用し得る。
【0122】
実施例4:相同499E9遺伝子の単離
499E9 cDNAは、所望の供給源に由来するライブラリー(例えば、霊長類細胞cDNAライ
ブラリー)をスクリーニングするためのハイブリダイゼーションプローブとして使用され得る。多くの異なる種が、容易なハイブリダイゼーションに必要なストリンジェンシーおよびプローブを用いた存在の両方についてスクリーニングされ得る。適切なハイブリダイゼーション条件を使用して、交叉ハイブリダイゼーションの特異性を示すクローンについて選択する。
【0123】
ペプチド配列に基づく縮重プローブを用いたハイブリダイゼーションまたはPCRによる
スクリーニングはまた、適切なクローンの単離を可能にする。あるいは、PCRスクリーニ
ングための適切なプライマーの使用は、適切な核酸クローンの富化を生じる。
【0124】
同様の方法は、種変異体、多型変異体、または対立遺伝子変異体のいずれかを単離するために適用可能である。種変異体は、プローブとしての1種に由来する完全長単離物またはフラグメントの単離に基づく交叉種ハイブリダイゼーション技術を用いて単離される。
【0125】
あるいは、マウス499E9に対して惹起された抗体を使用して、適切な、例えばcDNAライ
ブラリーから交叉反応性タンパク質を発現する細胞をスクリーニングする。精製タンパク質または定義されたペプチドは、上記のような標準的な方法により抗体を作製するために有用である。合成ペプチドまたは精製タンパク質は、モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体を作製するために免疫系に提示される。例えば、Coligan(1991)Current Protocols in Immunology Wiley/Greene;ならびにHarlowおよびLane(1989)Antibodies:A
Laboratory Manual Cold Spring Harbor Pressを参照のこと。得られた抗体は、
例えば、スクリーニング、パンニング、または選別に使用される。
【0126】
実施例5:499E9に特異的な抗体の調製
合成ペプチドまたは精製タンパク質を免疫系に提示して、モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体を産生する。例えば、Coligan(1991) Current Protocols in Immunology Wiley/Greene;ならびにHarlowおよびLane(1989) Antibodies:A Laboratory Manual Cold Spring Harbor Pressを参照のこと。ポリクローナル血清またはハイブリドーマを調製し得る。適切な状況において、結合試薬を、上記のように、例えば、蛍光もしくはその他のいずれかで標識するか、またはパンニング法のために基材に固定化する。
【0127】
実施例6:499E9に対するレセプターの単離
499E9構築発現産物を特異的な結合試薬として用いて、その結合特異性を利用すること
により(抗体が用いられるように)、その結合パートナー(例えば、レセプター)を同定する。499E9試薬は、上記のように、例えば、蛍光またはその他のいずれかで標識するか
、あるいはパンニング法のために基材に固定化する。
【0128】
結合組成物を用いて、結合パートナー(すなわち、レセプター)を発現する細胞株から作製した発現ライブラリーをスクリーニングする。標準的な染色技術を用いて、細胞内もしくは表面に発現されるレセプター、あるいは、パンニングによってスクリーニングされる形質転換細胞を発現する表面を検出または選別する。細胞内発現のスクリーニングを、種々の染色または免疫蛍光的手順により実施する。McMahanら(1991)EMBO J.10:2821〜2832もまた参照のこと。
【0129】
あるいは、499E9試薬を用いて、レセプターを発現する細胞をアフィニティー精製また
は選別する。例えば、SambrookらまたはAusubelらを参照のこと。
【0130】
別の戦略は、パンニングによりレセプターを結合した膜についてスクリーニングすることである。レセプターcDNAを含むcDNAを、上記のように構築する。リガンドを固定化し、そして発現している細胞を固定化するために用い得る。固定化を、例えば、499E9融合構
築物のFLAG配列を認識する適切な抗体を用いることによって、または第1の抗体に対して惹起された抗体を使用することによって、達成し得る。選択および増幅の再帰的循環により、適切なクローンの富化およびそしてレセプターを発現するクローンの最終的な単離が導かれる。
【0131】
ファージ発現ライブラリーを、499E9によりスクリーニングし得る。適切な標識技術(
例えば、抗FLAG抗体)は、適切なクローンの特異的標識を可能にする。
【0132】
本明細書中の全ての引用は、個々の刊行物または特許出願が詳細にそして個々に参考として援用されることが示されるのと同程度に、本明細書中に参考として援用される。
【0133】
本発明の多くの変更および改変が、当業者に明らかであるように、その精神および範囲を逸脱することなくなされ得る。本明細書中に記載の特定の実施態様は、例示の目的のみで提供され、そして本発明は、このような請求の範囲が権利を与えられるものと等価な全ての範囲とともに、添付の請求の範囲の用語によって限定されるべきである。
(配列表)
【0134】

【数1】







【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書中に記載の発明。

【公開番号】特開2013−74899(P2013−74899A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−284208(P2012−284208)
【出願日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【分割の表示】特願2010−53854(P2010−53854)の分割
【原出願日】平成9年12月12日(1997.12.12)
【出願人】(596129215)メルク・シャープ・アンド・ドーム・コーポレーション (785)
【氏名又は名称原語表記】Merck Sharp & Dohme Corp.
【住所又は居所原語表記】126 East Lincoln Avenue,Rahway,New Jersey 07065−0907 U.S.A.
【Fターム(参考)】