説明

TV帯域へのチャネル割り当てシステム

【課題】無線通信ネットワークから自己の通信規格に基づく1以上の周波数チャネルをTV帯域幅に割り当てる。
【解決手段】1以上の無線通信デバイス31とコーディネータ32間で無線通信を行う無線通信ネットワーク3から、自己の通信規格に基づく1以上の周波数チャネルをTVWS(TV White Space)における使用可能なTV帯域幅に割り当てる割当処理ステップを有し、当該ステップでは一の上記周波数チャネルの帯域幅がTV帯域幅よりも狭い場合には、当該TV帯域幅の中心周波数を中心として左右対称となるように1以上の周波数チャネルを当該TV帯域幅の中に最大限含むようにして割り当て、一の周波数チャネルの帯域幅がTV帯域幅以上の場合には、当該一の周波数チャネルの中心周波数を中心として左右対称となるように、複数かつ最小限のTV帯域に含まれるように割り当てる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
無線通信ネットワークから自己の通信規格に基づく1以上の周波数チャネルをTV帯域幅に割り当てる上で好適なTV帯域へのチャネル割り当てシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
アナログテレビからデジタルテレビへの移行に伴い、ある程度の周波数が開放されてそれらの周波数帯域が移動通信に使用されるようになっている。特に、新しい通信サービスや様々なアプリケーションが次々に実用化されている昨今において、この無線帯域の割り当ては細分化され、複雑なものとなっている。このようにして割り当てられた各通信サービスが無線帯域において混在している中で、更に新たな通信サービスをこの無線帯域に割り当てるのは徐々に困難になりつつある。
【0003】
このため、近年においてTV White Space(TVWS)を利用した無線通信ネットワークの標準化が進められており、IEEE802標準がTVWSにおいて共存するための手法の標準化も進められている。このため、これら異なるIEEE802標準の通信システムを同じ周波数帯においていかに共存させるかが特に重要になり、特に最近における無線通信機会の飛躍的な増大に伴い、その重要性はより増している。ちなみに、このTVWSにおけるTV帯域幅は、米国やカナダが6MHz、欧州、アジアが7、8MHzである。
【0004】
また、このTVWSでは、実際にライセンスフリーで自由に使用できるTV帯域がより広く存在している。このため、昨今の通信回線が混雑化の状況に鑑み、特に使用していないTV帯域を他の通信(セカンダリユーザ)のために利用することで、当該帯域の効率な利用を促進する必要がある。中でも3GPP(Third Generation Partnership Project) LTE(Long Term Evolution)は、第三世代の無線通信において、より高速で快適なモバイル環境を実現するために提案されている標準である。LTEは、Evolved UMTS Terrestrial Radio Access Network (E-UTRAN)と呼ばれる無線アクセスを利用して、エンドユーザースループットとセクター容量を大幅に改善したものである。このような3GPP LTEによる無線通信の機会は今後飛躍的に増大する可能性があることから、かかる無線通信の帯域をTVWSにも割り当てることにより、その通信帯域を確保する必要性がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】3rd Generation Partnership Project Technical Specification Group Radio Access Network Evolved Universal Terrestrial Radio Access(E-UTRA) Base Station (BS) radio transmission and reception,3GPP TS 36.104 V9.4.0.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
表1は、この3GPP LTEによりサポートしている帯域の一覧を示している。
【0007】
【表1】

【0008】
この表1から示されるように、3GPP LTEによりサポートしているチャネル帯域幅は、TVWSの帯域幅(6、7、8MHz)と互いに相違することが示されている。
【0009】
このため、3GPP LTEは、使用するチャネル帯域幅についてTVWSのそれと比較して相違していたため、当該3GPP LTEをセカンダリユーザとしてTVWSの帯域に割り当てるのが従来困難とされていた。
【0010】
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、無線通信ネットワークから自己の通信規格に基づく1以上の周波数チャネルをTV帯域幅に割り当てることが可能なTV帯域へのチャネル割り当てシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者は、上述した課題を解決するために、TVWSの帯域幅(6、7、8MHz)と、3GPP LTEのチャネル帯域幅とが互いに異なる規格の下で決められている点を考慮しつつ、3GPP LTEのチャネル帯域幅をTVWSの帯域幅に対して効率的に割り当てることが可能なTV帯域へのチャネル割り当てシステムを発明した。
【0012】
即ち、請求項1記載のTV帯域へのチャネル割り当てシステムは、1以上のデバイスとコーディネータ間で無線通信を行う無線通信ネットワークから、自己の通信規格に基づく1以上の周波数チャネルをTVWS(TV White Space)における使用可能なTV帯域幅に割り当てる割当処理手段とを備え、上記割当処理手段は、一の上記周波数チャネルの帯域幅が上記TV帯域幅よりも狭い場合には、当該TV帯域幅の中心周波数を中心として左右対称となるように1以上の周波数チャネルを当該TV帯域幅の中に最大限含むようにして割り当て、一の上記周波数チャネルの帯域幅が上記TV帯域幅以上の場合には、当該一の周波数チャネルの中心周波数を中心として左右対称となるように、複数かつ最小限のTV帯域に含まれるように割り当てることを特徴とする。
【0013】
請求項2記載のTV帯域へのチャネル割り当てシステムは、1以上のデバイスとコーディネータ間で無線通信を行う無線通信ネットワークから、自己の通信規格に基づく1以上の周波数チャネルをTVWS(TV White Space)における使用可能なTV帯域幅に割り当てる割当処理手段とを備え、上記割当処理手段は、互いに帯域幅の異なる複数種の周波数チャネルを割り当てる際において、複数種の何れの周波数チャネルの帯域幅が上記TV帯域幅よりも狭い場合には、複数種の周波数チャネルを当該TV帯域幅の中に最大限含むようにして割り当てることを特徴とする。
【0014】
請求項3記載のTV帯域へのチャネル割り当てシステムは、請求項1又は2記載の発明において、上記割当処理手段は、隣接する周波数チャネル間の間隔を空けないで上記割り当てを行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
上述した構成からなる本発明によれば、TVWSの帯域幅(6、7、8MHz)と、3GPP LTEのチャネル帯域幅とが互いに異なる規格の下で決められている点を考慮しつつ、3GPP LTEのチャネル帯域幅をTVWSの帯域幅に対して効率的に割り当てることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明を適用したTV帯域へのチャネル割り当てシステムの構成例を示す図である。
【図2】3GPP LTEに基づく一の周波数チャネルの帯域幅が1.4MHzであるときの割り当て処理を示す図である。
【図3】3GPP LTEに基づく一の周波数チャネルの帯域幅が3MHzであるときの割り当て処理を示す図である。
【図4】3GPP LTEに基づく一の周波数チャネルの帯域幅が5、10MHzであるときの割り当て処理を示す図である。
【図5】3GPP LTEに基づく一の周波数チャネルの帯域幅が15MHzであるときの割り当て処理を示す図である。
【図6】3GPP LTEに基づく一の周波数チャネルの帯域幅が20MHzであるときの割り当て処理を示す図である。
【図7】互いに帯域幅の異なる複数種の周波数チャネルを割り当てる例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明を適用した、TVWS(TV White Space)におけるTV帯域へのチャネル割り当てシステム1の構成例を示している。このチャネル割り当てシステム1は、TVWSの各チャネルにおける時間毎及び位置毎の空き情報が記録されたTVWSデータベース2と、複数の無線通信デバイス31、並びにTVWSデータベース2との間で通信可能な図示しない通信イネーブラーが実装されたコーディネータ32とを有する無線通信ネットワーク3と、公衆通信網25とを備えている。
【0019】
この無線通信ネットワーク3は、例えば3GPP(Third Generation Partnership Project) LTE(Long Term Evolution)等の標準に基づくものである。3GPP LTEは、第三世代の無線通信において、より高速で快適なモバイル環境を実現するために提案されている標準である。LTEは、Evolved UMTS Terrestrial Radio Access Network (E-UTRAN)と呼ばれる無線アクセスを利用し、スループットとセクター容量が大幅に改善された規格となっている。この無線通信ネットワーク3内にある各無線通信デバイス31が、現時点において使用していないTV帯域を選択的に利用することにより、当該ネットワーク内においてTV帯域を用いた無線通信をも行うことが可能となる。
【0020】
無線通信デバイス31は、例えばパーソナルコンピュータ(ノートPC)や、携帯電話、更には高機能携帯電話等を初めとした各種携帯情報端末等で構成される。無線通信デバイス31は、少なくともWPANやWLAN等の規格に基づき、無線通信ネットワーク3内において時分割で互いにアドホックな無線通信を直接的に行うこともでき、またコーディネータ32を介して間接的な無線通信を互いに行うことも可能となる。
【0021】
コーディネータ32は、無線通信ネットワーク3内において存在する無線通信デバイス31による無線アクセスポイントの役割を果たし、また公衆通信網25間とのインターフェースの役割を担うものである。無線通信デバイス31は、ゲートウェイルータとしてのこのコーディネータ32を介して公衆通信網25との間でデータ通信を行うことが可能となる。また、このコーディネータ32には、図示しない通信イネーブラーが実装されている。この図示しない通信イネーブラーは、複数の無線通信デバイス31と、TVWSデータベース2との間で公衆通信網25を介した通信を実現する上での翻訳手段としての役割を担う。図示しない通信イネーブラーは、無線通信デバイス31と、TVWSデータベース2との間における通信を中継する。
【0022】
また公衆通信網25は、TVWSデータベース2とコーディネータ32とを電話回線を介して接続されるインターネット網を始め、TA/モデムと接続されるISDN(Integrated Services Digital Network)/B(broadband)−ISDN等のように、情報の双方向送受信を可能としたネットワーク等である。
【0023】
また、TVWSデータベース2は、TVWSの各チャネルにおける空き情報が記録されたデータベースである。即ち、例えばテレビシステムが現在使用している周波数チャネルの状況が分かれば、現時点において空いているチャネルに関する情報(以下、チャネル空き情報という。)も同時に知ることができる。TVWSデータベース2には、かかるチャネル空き情報が、時間毎及び位置毎に記録される。このようなTVWS2にアクセスすることにより、現時点においてどのTVWSのチャネルを、どの位置においていかなる時間において使用することが可能であるかを判別することができる。
【0024】
上述の如き構成からなるチャネル割り当てシステム1では、無線通信ネットワーク3がいわゆるセカンダリネットワークであり、テレビシステムにおいて現時点において使用されていない周波数リソースを周期的または非周期的にセンシングする。そして、このセンシングしたTV帯域において使用可能な周波数リソースを、以下、使用可能なTV帯域幅、という。ちなみにTVWSにおいて、この使用可能なTV帯域幅は、その規格上6、7、8MHzの何れかである。
【0025】
セカンダリネットワークとしての無線通信ネットワーク3は、実際に自己の通信規格(例えば、3GPP LTE)に基づく1以上の周波数チャネルをTVWSにおいて使用可能なTV帯域幅へ割り当てる処理を実行することとなる。ここで3GPP LTEを例に挙げた場合、一のチャネル帯域の幅は、表1に示すような種類のものがある。以下、3GPP LTEの各チャネル帯域幅について、実際に使用可能なTV帯域幅に割り当てる割り当て処理について、詳細に説明をする。ちなみに、これら割り当て処理を行う割り当て処理手段については、例えば無線通信デバイス31内に設けられていてもよいし、コーディネータ32内に設けられているようにしてもよく、或いは、TVWSデータベース2内において設けられていてもよい。
【0026】
図2の割り当て処理は、何れも3GPP LTEに基づく一の周波数チャネルの帯域幅が1.4MHzであるときの例である。図2(a)は、使用可能なTV帯域幅が6MHzであるときにおける周波数チャネルの割り当ての例である。6MHzからなるTV帯域幅の中には、1.4MHzの帯域幅を有する周波数チャネルを最大4個割り当てることができる。本発明においては、このTV帯域幅の中に周波数チャネルを最大限含むようにして割り当てる。そして実際に周波数チャネルを割り当てる際には、TV帯域幅の中心周波数を中心として互いに左右対称となるように割り当てる。このとき、互いに隣接する周波数チャネルの間隔は空けるようにしてもよいし、或いは空けないで連続するようにしてもよいが、以下の例では何れも後者の如く隣接する周波数チャネルを極力詰めて配置する場合を例にとる。
【0027】
図2(b)は、使用可能なTV帯域幅が7MHzであるときにおける周波数チャネルの割り当ての例である。7MHzからなるTV帯域幅の中には、1.4MHzの帯域幅を有する周波数チャネルを最大5個割り当てることができる。このときも同様にTV帯域幅の中心周波数を中心として互いに左右対称となるように、且つ互いに隣接する周波数チャネルの間隔を空けないようにして割り当てる。
【0028】
図2(c)は、使用可能なTV帯域幅が8MHzであるときにおける周波数チャネルの割り当ての例である。8MHzからなるTV帯域幅の中には、1.4MHzの帯域幅を有する周波数チャネルを最大5個割り当てることができる。このときも同様にTV帯域幅の中心周波数を中心として互いに左右対称となるように、且つ互いに隣接する周波数チャネルの間隔を空けないようにして割り当てる。なお、この図2(c)の例では、周波数チャネルの両側においてTV帯域幅の剰余分が存在すこととなる。
【0029】
図3の割り当て処理は、何れも3GPP LTEに基づく一の周波数チャネルの帯域幅が3MHzであるときの例である。図3(a)は、使用可能なTV帯域幅が6MHzであるときにおける周波数チャネルの割り当ての例である。6MHzからなるTV帯域幅の中には、3MHzの帯域幅を有する周波数チャネルを最大2個割り当てることができる。このときも同様にTV帯域幅の中心周波数を中心として互いに左右対称となるように、且つ互いに隣接する周波数チャネルの間隔を空けないようにして割り当てる。
【0030】
図3(b)は、使用可能なTV帯域幅が7MHzであるときにおける周波数チャネルの割り当ての例である。7MHzからなるTV帯域幅の中には、3MHzの帯域幅を有する周波数チャネルを最大2個割り当てることができる。このときも同様にTV帯域幅の中心周波数を中心として互いに左右対称となるように、且つ互いに隣接する周波数チャネルの間隔を空けないようにして割り当てる。
【0031】
図3(c)は、使用可能なTV帯域幅が8MHzであるときにおける周波数チャネルの割り当ての例である。8MHzからなるTV帯域幅の中には、3MHzの帯域幅を有する周波数チャネルを最大2個割り当てることができる。このときも同様にTV帯域幅の中心周波数を中心として互いに左右対称となるように、且つ互いに隣接する周波数チャネルの間隔を空けないようにして割り当てる。
【0032】
図4(a)の割り当て処理は、何れも3GPP LTEに基づく一の周波数チャネルの帯域幅が5MHzであるときの例である。使用可能なTV帯域幅が6MHzであるとき、当該6MHzからなるTV帯域幅の中には、5MHzの帯域幅を有する周波数チャネルを最大1個割り当てることができる。このときも同様にTV帯域幅の中心周波数を中心として互いに左右対称となるように、且つ互いに隣接する周波数チャネルの間隔を空けないようにして割り当てる。仮に使用可能なTV帯域幅が7MHzであるとき、或いは使用可能なTV帯域幅が8MHzであるときも同様に、5MHzの帯域幅を有する周波数チャネルを最大1個割り当てることができる。このときも同様にTV帯域幅の中心周波数を中心として互いに左右対称となるように、且つ互いに隣接する周波数チャネルの間隔を空けないようにして割り当てる。
【0033】
図4(b)の割り当て処理は、何れも3GPP LTEに基づく一の周波数チャネルの帯域幅が10MHzであるときの例である。使用可能なTV帯域幅が6、7、8MHzであるとき、何れの場合においても、一の周波数チャネルの帯域幅(10MHz)がTV帯域幅以上の場合となってしまう。このため、一のTV帯域幅でこの周波数チャネルの帯域幅をカバーすることができない。かかる場合には、当該一の周波数チャネルの中心周波数を中心として、複数かつ最小限のTV帯域に含まれるように割り当てを行う。
【0034】
一の周波数チャネルの帯域幅が10MHzであるとき、使用可能なTV帯域幅が6、7、8MHzの何れであっても、2個のTV帯域幅があれば、この周波数チャネルの帯域幅(10MHz)をカバーすることができる。このため、2個のTV帯域幅を、周波数チャネルの中心周波数を中心として左右対称となるようにして割り当てを行うこととなる。
【0035】
図5(a)の割り当て処理は、何れも3GPP LTEに基づく一の周波数チャネルの帯域幅が15MHzであるときの例である。使用可能なTV帯域幅が6、7MHzであるとき、一の周波数チャネルの帯域幅(15MHz)がTV帯域幅以上の場合となってしまう。このため、当該一の周波数チャネルの中心周波数を中心として、複数かつ最小限のTV帯域に含まれるように割り当てを行う。
【0036】
一の周波数チャネルの帯域幅が15MHzであるとき、使用可能なTV帯域幅が6、7MHzの何れであっても、3個のTV帯域幅があれば、この周波数チャネルの帯域幅(15MHz)をカバーすることができる。このため、3個のTV帯域幅を、周波数チャネルの中心周波数を中心として左右対称となるようにして割り当てを行うこととなる。
【0037】
図5(b)の割り当て処理は、何れも3GPP LTEに基づく一の周波数チャネルの帯域幅が15MHzであって、使用可能なTV帯域幅が8MHzであるときの例である。2個のTV帯域幅により、この周波数チャネルの帯域幅(15MHz)をカバーすることができる。このため、2個のTV帯域幅を、周波数チャネルの中心周波数を中心として左右対称となるようにして割り当てを行うこととなる。
【0038】
図6(a)の割り当て処理は、何れも3GPP LTEに基づく一の周波数チャネルの帯域幅が20MHzであって、使用可能なTV帯域幅が6MHzであるときの例である。4個のTV帯域幅により、この周波数チャネルの帯域幅(20MHz)をカバーすることができる。このため、4個のTV帯域幅を、周波数チャネルの中心周波数を中心として左右対称となるようにして割り当てを行うこととなる。
【0039】
図6(b)の割り当て処理は、何れも3GPP LTEに基づく一の周波数チャネルの帯域幅が20MHzであって、使用可能なTV帯域幅が7、8MHzであるときの例である。3個のTV帯域幅により、この周波数チャネルの帯域幅(20MHz)をカバーすることができる。このため、3個のTV帯域幅を、周波数チャネルの中心周波数を中心として左右対称となるようにして割り当てを行うこととなる。
【0040】
このように、本発明によれば、一の周波数チャネルの帯域幅がTV帯域幅よりも狭い場合には、当該TV帯域幅の中心周波数を中心として左右対称となるように1以上の周波数チャネルを当該TV帯域幅の中に最大限含むようにして割り当てる。これに対して、一の周波数チャネルの帯域幅がTV帯域幅以上の場合には、当該一の周波数チャネルの中心周波数を中心として左右対称となるように、複数かつ最小限のTV帯域に含まれるように割り当てる。
【0041】
また図7は、互いに帯域幅の異なる複数種の周波数チャネルを割り当てる例を示している。この例では、3GPP LTEに基づく周波数チャネルの帯域幅が1.4MHzであるものと、3MHzであるものの2種類の周波数チャネルを割り当てる場合である。ここでTV帯域幅が6MHzである場合、3MHzの周波数チャネルを1個、1.4MHzの周波数チャネルを2個カバーすることができる。
【0042】
かかる場合において、必ずしもTV帯域幅の中心周波数を中心として互いに左右対称となるように割り当てるようにしてもよいし、必ずしもそのような割り当てを行わなくてもよい。図7(a)は、TV帯域幅の中心周波数を中心として左側に1個の3MHzの周波数チャネルを割り当て、右側に2個の1.4MHzの周波数チャネルを割り当てた例である。また、図7(b)は、TV帯域幅の中心周波数を中心として右側に1個の3MHzの周波数チャネルを割り当て、左側に2個の1.4MHzの周波数チャネルを割り当てた例である。何れも場合においても、TV帯域幅の中心周波数を中心として配置をしているが、これに限定されるものではない。
【0043】
このように、本発明によれば、互いに帯域幅の異なる複数種の周波数チャネルを割り当てる際において、複数種の何れの周波数チャネルの帯域幅がTV帯域幅よりも狭いことを条件として、複数種の周波数チャネルを当該TV帯域幅の中に最大限含むようにして割り当てるようにしてもよい。
【0044】
なお本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、3GPP LTE以外の通信標準においても同様の思想を具現化することが可能であることは勿論である。
【実施例1】
【0045】
3GPP LTEにおいて、アップリンクとダウンリンクの周波数は、the E-UTRA Absolute Radio Frequency Channel Number (EARFCN)により、0〜65535の範囲で決定される(表2)。特にダウンリンクにおいて、EARFCNとMHzにおけるキャリア周波数の関係は、下記(1)式によって与えられる。ここでFDL-lowと、NOffs-DLは、規格で決められているものであり、NDLは、ダウンリンクのEARFCNである。
【0046】
FDL=FDL-low+ 0.1(NDL−NOffs-DL)・・・・・・・・・・・(1)
【0047】
また、EARFCNとアップリンクにおけるMHzにおける周波数の関係は、以下の(2)式で与えられる。ここで、FUL-lowとNOffs-ULは、規格によって決められ、NULは、アップリンクのEARFCNである。
【0048】
FUL = FUL-low + 0.1(NUL−NOffs-UL) ・・・・・・・・・・・(2)
【0049】
ここでopt1は、米国やカナダ圏における動作帯域であり、opt2は、それ以外の地域における動作帯域である。
【0050】
【表2】

【符号の説明】
【0051】
1 TV帯域へのチャネル割り当てシステム
2 TVWSデータベース
3 無線通信ネットワーク
25 公衆通信網
31 無線通信デバイス
32 コーディネータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上のデバイスとコーディネータ間で無線通信を行う無線通信ネットワークから、自己の通信規格に基づく1以上の周波数チャネルをTVWS(TV White Space)における使用可能なTV帯域幅に割り当てる割当処理手段とを備え、
上記割当処理手段は、一の上記周波数チャネルの帯域幅が上記TV帯域幅よりも狭い場合には、当該TV帯域幅の中心周波数を中心として左右対称となるように1以上の周波数チャネルを当該TV帯域幅の中に最大限含むようにして割り当て、一の上記周波数チャネルの帯域幅が上記TV帯域幅以上の場合には、当該一の周波数チャネルの中心周波数を中心として左右対称となるように、複数かつ最小限のTV帯域に含まれるように割り当てること
を特徴とするTV帯域へのチャネル割り当てシステム。
【請求項2】
1以上のデバイスとコーディネータ間で無線通信を行う無線通信ネットワークから、自己の通信規格に基づく1以上の周波数チャネルをTVWS(TV White Space)における使用可能なTV帯域幅に割り当てる割当処理手段とを備え、
上記割当処理手段は、互いに帯域幅の異なる複数種の周波数チャネルを割り当てる際において、複数種の何れの周波数チャネルの帯域幅が上記TV帯域幅よりも狭い場合には、複数種の周波数チャネルを当該TV帯域幅の中に最大限含むようにして割り当てること
を特徴とするTV帯域へのチャネル割り当てシステム。
【請求項3】
上記割当処理手段は、隣接する周波数チャネル間の間隔を空けないで上記割り当てを行うこと
を特徴とする請求項1又は2記載のTV帯域へのチャネル割り当てシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−90165(P2013−90165A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−229336(P2011−229336)
【出願日】平成23年10月19日(2011.10.19)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)総務省委託「電波資源拡大のための研究開発」の一環、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(301022471)独立行政法人情報通信研究機構 (1,071)
【Fターム(参考)】