説明

TWEAK受容体のマルチマー化およびオリゴマー化可溶性断片に関する組成物および方法

本発明は、マルチマー化可溶性TWEAK受容体断片およびオリゴマー化ドメインを含んでなる融合タンパク質に関する方法および組成物を提供する。そのような融合タンパク質は、TWEAK受容体をアンタゴナイズし、そして充実性腫瘍および炎症性状態のような血管形成により仲介される疾患または状態を治療するために有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2003年7月24日出願の米国仮特許出願60/490,036の利益を主張し、前記出願の開示は参考によって本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
血管形成は多工程の発生過程であり、存在する血管から新しい血管の形成という結果に至る。この空間的および時間的に調節された工程は、プロテアーゼにより存在する血管のマトリックス接触および細胞相互作用の支持を弱め、続いて存在する血管の平滑筋細胞および内皮細胞の協調した運動、形態変化および増殖に関与する。次いで、発生期の細胞は標的組織へ広がり、内皮細胞が、平滑筋細胞が取り囲むチューブを形成する細胞−細胞相互作用が続く。協調した方式で、血管の細胞外マトリックスタンパク質が分泌され、そして内皮周辺支持細胞が補充され、構造的完全性を支持しそして維持する(例えば、Danielら,Ann.Rev.Physiol.2000(62):649,2000を参照されたい)。血管形成は正常のおよび病的な生理機能の両方に重要な役割を果たす。
【0003】
正常な生理機能状態下で、血管形成は胎生のおよび胚性の発生、創傷治癒、器官再生、並びに子宮内膜、黄体および胎盤の形成を含む女性の生殖リモデリング過程に関与する。血管形成は、特に成体の動物において正常な状態下で厳密に調節されており、そして調節制御の乱れは病的血管形成に導きうる。
【0004】
病的血管形成は、炎症性疾患、ある種の眼障害および癌の徴候および/または進行に関わっている。特に、いくつかの種類の証拠が、血管形成は充実性腫瘍およびそれらの転移の増殖と持続に必須であるという概念を支持する(例えば、Folkman,N.Engl.J.Med.285:1182、1971;Folkmanら,Nature 339:58、1989;Kimら、Nature 362:841,1993;Horiら,Cancer Res.,51:6180、1991を参照されたい)。したがって、血管形成阻害剤は、癌の予防(例えば、前癌状態の治療)、介入(intervention)(例えば、小さい癌の治療)および後退(regression)(例えば、大きな癌の治療)に有用である(例えば、Bergersら,Science 284:808,1999を参照されたい)。
【0005】
疾患の予防、破棄および軽減のために、血管形成を変調するさらなる組成物および方法の必要性がある。
TREPAおよびApo3Lとも呼ばれるTWEAKタンパク質は、腫瘍壊死因子(TNF)ファミリーのメンバーであり、そして非常に多様なヒト組織において発現する(Chicheporticheら、J.Biol.Chem.,272(51):32401,1997;Wiley,PCT公開公報No.WO98/35061(1998年8月13日)をまた参照されたい)。多くのTNFファミリーのメンバーのように、TWEAKは細胞外C末端ドメインを持つII型膜タンパク質である。TWEAKははじめは弱いアポトーシスの誘導物質として記載されたが、この細胞死の誘導は後に間接的であることが示された(Schneiderら,Eur.J.Immunol.29:1785,1999)。
【0006】
Lynchらは、TWEAKが直接的に内皮細胞増殖および血管形成を誘導することを実証した(J.Biol.Chem.,274(13):8455,1999)。ピコモル濃度の組換え可溶性TWEAKは、複数の内皮細胞株および大動脈平滑筋細胞の増殖を誘導し、そして培養中の血清および増殖因子の要求を減じる。さらに、TWEAKは、ラット角膜ポケットアッセイにおいて強い血管形成応答を誘導する。TNFファミリーのメンバーは、TNF受容体ファミリーのメンバーを通じたシグナルによって生物学的応答を開始するので、TWEAK受容体を同定しそして特性付けることに重大な興味があった。
【0007】
Marstersらは、TWEAKはDR3、Apo3、WSL−1、TRAMPまたはLARDとしてさまざまに知られるデスドメイン含有受容体に結合し、そしてそれらを通じてシグナルを伝えることを報告した(Marstersら、Current Biology 8(9):525,1998)。しかしながら、Schneiderらは、TWEAKはKym−1細胞に結合しそしてシグナルを伝えるが、Kym−1細胞は受容体DR3を発現しないことを示した(Schneiderら,Eur.J.Immunol.29:1785、1999)。Wileyはそれに続き、第一のTWEAK受容体を同定し、そして野生型TWEAK受容体をアンタゴナイズする特定の可溶性断片および変異体を記載した(PCT公開公報No.WO01/45730)。
【0008】
TWEAKはインビボでの血管形成を誘導するので、主要な機能性TWEAK受容体のアンタゴニストに特に必要性がある。そのようなTWEAK受容体アンタゴニストは、血管形成を減じるため、そして癌および炎症性疾患を含むヒト疾患の治療するために有用であろう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
発明の概要
本発明は、主要な機能性TWEAK受容体(TWEAKR)のマルチマー化可溶性断片、およびオリゴマー化ドメインを含んでなるポリペプチドの同定および特性付けに基づく。驚くことに、これらのポリペプチドは、可溶性モノマー化TWEAKR断片およびオリゴマー化ドメインを含んでなるポリペプチド、またはオリゴマー化ドメインなしのマルチマー化TWEAKR断片を含んでなるポリペプチドのTWEAK結合および競合特性から予測されたものより、TWEAKへの高い結合親和性を有し、および/またはTWEAK結合への優れた競合体である。
【0010】
本発明は、例えば、TWEAK受容体アンタゴニストを含んでなる組成物の治療上の有効量を投与することを含んでなる、そのような治療を必要とする哺乳動物において血管形成を阻害するための組成物および方法を提供する。組成物は好ましくは医薬的に許容できる担体を含んでなり、そして哺乳動物は好ましくはヒトである。
【0011】
1つの側面において、本発明は、TWEAK受容体の第一可溶性断片、TWEAK受容体の第二可溶性断片、およびオリゴマー化ドメインを含んでなるポリペプチドであって、前記ポリペプチドがTWEAKに結合し、そして前記第一可溶性断片が:配列番号7のアミノ酸配列の29番目の残基から70番目の残基;配列番号7のアミノ酸配列の28番目の残基から79番目の残基;配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から73番目の残基;および、配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から70番目の残基、からなる群より選択される配列と少なくとも90%同一である配列からなる、前記ポリペプチドを提供する。1つの態様において、前記第一可溶性断片は:配列番号7のアミノ酸配列の29番目の残基から70番目の残基;配列番号7のアミノ酸配列の28番目の残基から79番目の残基;配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から73番目の残基;および、配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から70番目の残基、からなる群より選択される配列と少なくとも95%同一である配列からなる。もう1つの態様において、前記第一可溶性断片は:配列番号7のアミノ酸配列の29番目の残基から70番目の残基;配列番号7のアミノ酸配列の28番目の残基から79番目の残基;配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から73番目の残基;および、配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から70番目の残基、からなる群より選択される配列からなる。もう1つの態様において、前記第一可溶性断片および前記第二可溶性断片は、それぞれ独立に:配列番号7のアミノ酸配列の29番目の残基から70番目の残基;配列番号7のアミノ酸配列の28番目の残基から79番目の残基;配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から73番目の残基;および、配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から70番目の残基、からなる群より選択される配列と少なくとも90%同一である配列からなる。もう1つの態様において、前記第一可溶性断片および前記第二可溶性断片は、それぞれ独立に:配列番号7のアミノ酸配列の29番目の残基から70番目の残基;配列番号7のアミノ酸配列の28番目の残基から79番目の残基;配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から73番目の残基;および、配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から70番目の残基、からなる群より選択される配列と少なくとも90%同一である配列からなる。もう1つの態様において、前記第一可溶性断片および前記第二可溶性断片は、それぞれ独立に:配列番号7のアミノ酸配列の29番目の残基から70番目の残基;配列番号7のアミノ酸配列の28番目の残基から79番目の残基;配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から73番目の残基;および、配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から70番目の残基、からなる群より選択される配列からなる。
【0012】
もう1つの態様において、前記ポリペプチドはTWEAK受容体の第三可溶性断片を含んでなる。もう1つの態様において、前記第一可溶性断片、第二可溶性断片、および第三可溶性断片は、それぞれ独立に:配列番号7のアミノ酸配列の29番目の残基から70番目の残基;配列番号7のアミノ酸配列の28番目の残基から79番目の残基;配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から73番目の残基;および、配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から70番目の残基、からなる群より選択される配列と少なくとも90%同一である配列からなる。もう1つの態様において、前記第一可溶性断片、第二可溶性断片、および第三可溶性断片は、それぞれ独立に:配列番号7のアミノ酸配列の29番目の残基から70番目の残基;配列番号7のアミノ酸配列の28番目の残基から79番目の残基;配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から73番目の残基;および、配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から70番目の残基、からなる群より選択される配列と少なくとも95%同一である配列からなる。もう1つの態様において、前記第一可溶性断片、第二可溶性断片、および第三可溶性断片は、それぞれ独立に:配列番号7のアミノ酸配列の29番目の残基から70番目の残基;配列番号7のアミノ酸配列の28番目の残基から79番目の残基;配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から73番目の残基;および、配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から70番目の残基、からなる群より選択される配列からなる。
【0013】
もう1つの態様において、前記ポリペプチドはTWEAK受容体の第四可溶性断片を含んでなる。もう1つの態様において、前記第一可溶性断片、第二可溶性断片、第三可溶性断片、および第四可溶性断片は、それぞれ独立に:配列番号7のアミノ酸配列の29番目の残基から70番目の残基;配列番号7のアミノ酸配列の28番目の残基から79番目の残基;配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から73番目の残基;および、配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から70番目の残基、からなる群より選択される配列と少なくとも90%同一である配列からなる。もう1つの態様において、前記第一可溶性断片、第二可溶性断片、第三可溶性断片、および第四可溶性断片は、それぞれ独立に:配列番号7のアミノ酸配列の29番目の残基から70番目の残基;配列番号7のアミノ酸配列の28番目の残基から79番目の残基;配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から73番目の残基;および、配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から70番目の残基、からなる群より選択される配列と少なくとも95%同一である配列からなる。もう1つの態様において、前記第一可溶性断片、第二可溶性断片、第三可溶性断片、および第四可溶性断片は、それぞれ独立に:配列番号7のアミノ酸配列の29番目の残基から70番目の残基;配列番号7のアミノ酸配列の28番目の残基から79番目の残基;配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から73番目の残基;および、配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から70番目の残基、からなる群より選択される配列からなる。
【0014】
もう1つの態様において、前記ポリペプチドはTWEAK受容体の第五可溶性断片を含んでなる。もう1つの態様において、前記第一可溶性断片、第二可溶性断片、第三可溶性断片、第四可溶性断片、および第五可溶性断片は、それぞれ独立に:配列番号7のアミノ酸配列の29番目の残基から70番目の残基;配列番号7のアミノ酸配列の28番目の残基から79番目の残基;配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から73番目の残基;および、配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から70番目の残基、からなる群より選択される配列と少なくとも90%同一である配列からなる。もう1つの態様において、前記第一可溶性断片、第二可溶性断片、第三可溶性断片、第四可溶性断片、および第五可溶性断片は、それぞれ独立に:配列番号7のアミノ酸配列の29番目の残基から70番目の残基;配列番号7のアミノ酸配列の28番目の残基から79番目の残基;配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から73番目の残基;および、配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から70番目の残基、からなる群より選択される配列と少なくとも95%同一である配列からなる。もう1つの態様において、前記第一可溶性断片、第二可溶性断片、第三可溶性断片、第四可溶性断片、および第五可溶性断片は、それぞれ独立に:配列番号7のアミノ酸配列の29番目の残基から70番目の残基;配列番号7のアミノ酸配列の28番目の残基から79番目の残基;配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から73番目の残基;および、配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から70番目の残基、からなる群より選択される配列からなる。
【0015】
もう1つの態様において、前記ポリペプチドはTWEAK受容体の第六可溶性断片を含んでなる。もう1つの態様において、前記第一可溶性断片、第二可溶性断片、第三可溶性断片、第四可溶性断片、第五可溶性断片、および第六可溶性断片は、それぞれ独立に:配列番号7のアミノ酸配列の29番目の残基から70番目の残基;配列番号7のアミノ酸配列の28番目の残基から79番目の残基;配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から73番目の残基;および、配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から70番目の残基、からなる群より選択される配列と少なくとも90%同一である配列からなる。もう1つの態様において、前記第一可溶性断片、第二可溶性断片、第三可溶性断片、第四可溶性断片、第五可溶性断片、および第六可溶性断片は、それぞれ独立に:配列番号7のアミノ酸配列の29番目の残基から70番目の残基;配列番号7のアミノ酸配列の28番目の残基から79番目の残基;配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から73番目の残基;および、配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から70番目の残基、からなる群より選択される配列と少なくとも95%同一である配列からなる。もう1つの態様において、前記第一可溶性断片、第二可溶性断片、第三可溶性断片、第四可溶性断片、第五可溶性断片、および第六可溶性断片は、それぞれ独立に:配列番号7のアミノ酸配列の29番目の残基から70番目の残基;配列番号7のアミノ酸配列の28番目の残基から79番目の残基;配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から73番目の残基;および、配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から70番目の残基、からなる群より選択される配列からなる。
【0016】
もう1つの態様において、前記ポリペプチドはTWEAK受容体の第七可溶性断片を含んでなる。もう1つの態様において、前記第一可溶性断片、第二可溶性断片、第三可溶性断片、第四可溶性断片、第五可溶性断片、第六可溶性断片、および第七可溶性断片は、それぞれ独立に:配列番号7のアミノ酸配列の29番目の残基から70番目の残基;配列番号7のアミノ酸配列の28番目の残基から79番目の残基;配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から73番目の残基;および、配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から70番目の残基、からなる群より選択される配列と少なくとも90%同一である配列からなる。もう1つの態様において、前記第一可溶性断片、第二可溶性断片、第三可溶性断片、第四可溶性断片、第五可溶性断片、第六可溶性断片、および第七可溶性断片は、それぞれ独立に:配列番号7のアミノ酸配列の29番目の残基から70番目の残基;配列番号7のアミノ酸配列の28番目の残基から79番目の残基;配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から73番目の残基;および、配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から70番目の残基、からなる群より選択される配列と少なくとも95%同一である配列からなる。もう1つの態様において、前記第一可溶性断片、第二可溶性断片、第三可溶性断片、第四可溶性断片、第五可溶性断片、第六可溶性断片、および第七可溶性断片は、それぞれ独立に:配列番号7のアミノ酸配列の29番目の残基から70番目の残基;配列番号7のアミノ酸配列の28番目の残基から79番目の残基;配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から73番目の残基;および、配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から70番目の残基、からなる群より選択される配列からなる。
【0017】
もう1つの態様において、前記ポリペプチドはリンカーを含んでなる。もう1つの態様において、前記リンカーは、前記第一可溶性TWEAKR断片と前記第二可溶性TWEAKR断片を接合する。もう1つの態様において、前記リンカーは、前記第二可溶性TWEAKR断片と前記オリゴマー化ドメインを接合する。もう1つの態様において、前記ポリペプチドは、第一リンカーおよび第二リンカーを含んでなり、ここで前記第一リンカーは前記第一可溶性TWEAKR断片と前記第二可溶性TWEAKR断片を接合し、そして前記第二リンカーは前記第二可溶性TWEAKR断片と前記オリゴマー化ドメインを接合する。もう1つの態様において、前記リンカーはアミノ酸配列GGGGG(配列番号45)を含んでなる。
【0018】
もう1つの態様において、前記第一可溶性断片および前記第二可溶性断片は介在ポリペプチド配列なしに共に接合する。もう1つの態様において、前記第一可溶性断片および前記オリゴマー化ドメインは介在ポリペプチド配列なしに共に接合する。もう1つの態様において、前記第一可溶性断片、前記第二可溶性断片、および前記オリゴマー化ドメインは介在ポリペプチド配列なしに、直鎖状で連続しているポリペプチドにおいて共に接合する。
【0019】
もう1つの態様において、前記オリゴマー化ドメインは、前記第一可溶性TWEAKR断片および前記第二可溶性TWEAKR断片のN末端側である。もう1つの態様において、前記オリゴマー化ドメインは、前記第一可溶性TWEAKR断片および前記第二可溶性TWEAKR断片のC末端側である。もう1つの態様において、前記オリゴマー化ドメインはロイシンジッパーを含んでなる。もう1つの態様において、前記オリゴマー化ドメインは抗体の断片を含んでなる。もう1つの態様において、前記抗体の断片はFcドメインを含んでなる。
【0020】
もう1つの態様において、前記ポリペプチドは:配列番号9;配列番号11;配列番号13;配列番号15;配列番号17;配列番号18;配列番号19;配列番号21;配列番号23;配列番号25;配列番号27;配列番号29;配列番号31;配列番号33;配列番号35;配列番号37;配列番号39;配列番号41;配列番号43;および、配列番号44、からなる群より選択される配列と少なくとも90%同一である配列を含んでなる。もう1つの態様において、前記ポリペプチドは:配列番号9;配列番号11;配列番号13;配列番号15;配列番号17;配列番号18;配列番号19;配列番号21;配列番号23;配列番号25;配列番号27;配列番号29;配列番号31;配列番号33;配列番号35;配列番号37;配列番号39;配列番号41;配列番号43;および、配列番号44、からなる群より選択される配列と少なくとも95%同一である配列を含んでなる。もう1つの態様において、前記ポリペプチドは:配列番号9;配列番号11;配列番号13;配列番号15;配列番号17;配列番号18;配列番号19;配列番号21;配列番号23;配列番号25;配列番号27;配列番号29;配列番号31;配列番号33;配列番号35;配列番号37;配列番号39;配列番号41;配列番号43;および、配列番号44、からなる群より選択される配列を含んでなる。
【0021】
もう1つの側面において、本発明は、第一前記ポリペプチドおよび第二前記ポリペプチドを含んでなるタンパク質であって、ここで前記第一および第二ポリペプチドが互いにオリゴマー化している、前記タンパク質を提供する。もう1つの態様において、前記第一ポリペプチドのアミノ酸配列は前記第二ポリペプチドのアミノ酸配列と同一である。もう1つの態様において、前記第一ポリペプチドのアミノ酸配列は前記第二ポリペプチドのアミノ酸配列と同一でない。
【0022】
もう1つの側面において、本発明は、対象中のTWEAK受容体を阻害する方法であって、前記対象に前記ポリペプチドを投与することを含んでなる、前記方法を提供する。
もう1つの側面において、本発明は、対象中の血管形成を阻害する方法であって、前記対象に前記ポリペプチドを含んでなる組成物の治療上の有効量を投与することを含んでなる、前記方法を提供する。もう1つの態様において、前記組成物は医薬的に許容できる担体をさらに含んでなる。もう1つの態様において、前記対象は哺乳動物である。もう1つの態様において、前記哺乳動物はヒトである。もう1つの態様において、前記対象は血管形成により仲介されまたは悪化した疾患または状態を有する。もう1つの態様において、前記疾患または状態は眼の新血管新生により特徴付けられる。もう1つの態様において、前記疾患または状態は充実性腫瘍である。もう1つの態様において、前記方法は、放射線で前記対象を治療することをさらに含んでなる。もう1つの態様において、前記方法は、第二化学療法剤で前記対象を治療することをさらに含んでなる。もう1つの態様において、前記第二化学療法剤は:アルキル化剤、代謝拮抗剤、ビンカアルカロイド、植物由来化学療法剤、ニトロソウレア、抗腫瘍抗生物質、抗腫瘍酵素、トポイソメラーゼ阻害剤、プラチナ類似体、副腎皮質抑制剤、ホルモン、ホルモンアゴニスト、ホルモンアンタゴニスト、抗体、免疫療法剤、血球因子、放射線療法剤、および生物学的応答修飾剤からなる群より選択される。もう1つの態様において、前記第二化学療法剤は、シスプラチン、シクロホスファミド、メクロレタミン、メルファラン、ブレオマイシン、カルボプラチン、フルオロウラシル、5−フルオロデオキシウリジン、メトトレキセート、タキソール、アスパラギナーゼ、ビンクリスチン、ビンブラスチン、リンホカイン、サイトカイン、インターロイキン、インターフェロン、アルファインターフェロン、ベータインターフェロン、デルタインターフェロン、TNF、クロラムブシル、ブスルファン、カルムスチン、ロムスチン、セムスチン、ストレプトゾシン、ダカルバジン、シタラビン、メルカプトプリン、チオグアニン、ビンデシン、エトポシド、テニポシド、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、ブレオマイシン、プリカマイシン、マイトマイシン、Lアスパラギナーゼ、ヒドロキシウレア、メチルヒドラジン、ミトタン、タモキシフェン、およびフルオキシメステロンからなる群より選択される。もう1つの態様において、前記疾患または状態は炎症性疾患または状態である。もう1つの態様において、前記方法は第二療法剤で前記対象を治療することをさらに含んでなる。もう1つの態様において、前記第二療法剤は炎症を促進するサイトカインまたはサイトカイン受容体を阻害する。もう1つの態様において、前記第二療法剤は前記サイトカイン受容体の可溶性断片、前記サイトカインに結合する抗体、または前記サイトカイン受容体に結合する抗体を含んでなる。もう1つの態様において、前記第二療法剤は炎症を阻害する受容体を活性化する。もう1つの態様において、前記第二療法剤は、Flt3リガンド、CD40リガンド、インターロイキン−2、インターロイキン−4アンタゴニスト、IL−13アンタゴニスト、インターロイキン−12、4−1BBリガンド、抗4−1BB抗体、TNFアンタゴニスト、TNF受容体アンタゴニスト、TRAIL、CD148アゴニスト、VEGFアンタゴニスト、VEGF受容体アンタゴニスト、IgEアンタゴニスト、およびTekアンタゴニストからなる群より選択される。
【0023】
もう1つの側面において、本発明は、前記ポリペプチドをコードする配列を含んでなる、核酸またはその相補体を提供する。もう1つの態様において、前記核酸またはその相補体が中程度にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、第二核酸にハイブリダイズし、そして前記第二核酸は:配列番号10;配列番号12;配列番号14;配列番号16;配列番号20;配列番号22;配列番号24;配列番号26;配列番号28;配列番号30;配列番号32;配列番号34;配列番号36;配列番号38;配列番号40;および、配列番号42、からなる群より選択される配列を含んでなる。もう1つの態様において、前記核酸またはその相補体は:配列番号10;配列番号12;配列番号14;配列番号16;配列番号20;配列番号22;配列番号24;配列番号26;配列番号28;配列番号30;配列番号32;配列番号34;配列番号36;配列番号38;配列番号40;および、配列番号42、からなる群より選択される配列に少なくとも90%同一である配列を含んでなる。もう1つの態様において、前記核酸またはその相補体は:配列番号10;配列番号12;配列番号14;配列番号16;配列番号20;配列番号22;配列番号24;配列番号26;配列番号28;配列番号30;配列番号32;配列番号34;配列番号36;配列番号38;配列番号40;および、配列番号42、からなる群より選択される配列に少なくとも95%同一である配列を含んでなる。もう1つの態様において、前記核酸またはその相補体は:配列番号10;配列番号12;配列番号14;配列番号16;配列番号20;配列番号22;配列番号24;配列番号26;配列番号28;配列番号30;配列番号32;配列番号34;配列番号36;配列番号38;配列番号40;および、配列番号42、からなる群より選択される配列を含んでなる。もう1つの態様において、前記核酸は:配列番号9;配列番号11;配列番号13;配列番号15;配列番号17;配列番号18;配列番号19;配列番号21;配列番号23;配列番号25;配列番号27;配列番号29;配列番号31;配列番号33;配列番号35;配列番号37;配列番号39;配列番号41;配列番号43;および、配列番号44、からなる群より選択されるポリペプチド配列をコードする。
【0024】
もう1つの側面において、本発明は、前記核酸を含んでなるベクターを提供する。もう1つの態様において、前記ベクターは、発現ベクターである。
もう1つの側面において、本発明は、前記核酸を含んでなる宿主細胞を提供する。
【0025】
もう1つの側面において、本発明は、ポリペプチドを産生する方法であって、前記ポリペプチドの発現を促進する条件下で前記宿主細胞を培養することを含んでなる、前記方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0026】
発明の詳細な説明
本発明は、TWEAKRの可溶性断片のマルチマーおよびオリゴマー化ドメインを含んでなるポリペプチドに関する組成物および方法を提供する。
【0027】
明細書中で使用される略語および用語
「4−1BB」および「4−1BBリガンド」(4−1BB−L)は、とりわけ米国特許番号5,674,704号に記載されるポリペプチドであり、その可溶性型を含む。
「bFGF」は、塩基性線維芽細胞増殖因子である。
【0028】
「BSA」は、ウシ血清アルブミンである。
「CD40リガンド」(CD40L)は、とりわけ米国特許番号5,716,805号に記載されるポリペプチドであり、その可溶性型を含む。
【0029】
「CHO」は、チャイニーズハムスター卵巣細胞株である。
「DMEM」は、商業的に利用可能な細胞培養培地である、ダルベッコ修飾イーグル培地である。
【0030】
「ELISA」は、酵素結合免疫吸着アッセイである。
「Flt3L」は、とりわけ米国特許番号5,554,512号に記載されるポリペプチドであり、その可溶性型を含む、Flt3リガンドである。
【0031】
「HRMEC」は、初代ヒト腎臓微小血管内皮細胞である。
「HUVEC」は、ヒト臍帯静脈内皮細胞の細胞株である。
【0032】
「PBS」は、リン酸緩衝生理食塩水である。
「PMA」は、ホルボール12−ミリスチン酸−13酢酸塩である。
【0033】
「RTK」は、受容体チロシンキナーゼである。
「Tek」は、Tie2およびorkとも呼ばれ、主に血管内皮で発現するRTKである。ヒトTek(ork)の分子クローニングは、Zieglerによる米国特許番号5,447,860号に記載されている。「Tekアンタゴニスト」は、とりわけCerrettiらのPCT公開公報WO00/75323(2000年12月14日)に記載される。
【0034】
「TNFR」は、腫瘍壊死因子受容体でありその可溶性型を含む。「TNFR/Fc」は、腫瘍壊死因子受容体−Fc融合ポリペプチドである。
「TRAIL」は、とりわけ米国特許番号5,763,223号に記載されるTNFファミリーのII型膜貫通ポリペプチドであり、その可溶性型を含む、TNF関連アポトーシス誘導リガンドである。
「VEGF」は、VPFまたは血管浸透因子としても知られる、血管内皮増殖因子である。
【0035】
可溶性TWEAK受容体ポリペプチド
天然のヒトTWEAK受容体cDNAは配列番号3の配列を有し、129残基のポリペプチドをコードする(配列番号4)。DNA配列の考察により、およそ78アミノ酸の細胞外ドメイン(シグナルペプチドを含む、配列番号4の1−78番目の残基)、およそ23アミノ酸の膜貫通ドメイン(配列番号4の79−101番目の残基)、およびおよそ28アミノ酸の細胞内ドメイン(配列番号4の102−129番目の残基)を有するポリペプチドが予想された。TWEAK受容体配列は、KatoらのPCT公開公報WO98/55508(1998年12月10日)およびIncyteのPCT公開公報WO99/61471(1999年12月2日)によってもまた報告されている。本明細書で使用される「TWEAKR」は、これらの配列を有するポリペプチドを含み、そして特に配列番号7の28−79のアミノ酸並びに天然に生じるその変異体を含んでなる。
【0036】
本発明の1つの側面において、可溶性TWEAK受容体断片およびオリゴマー化ドメインを含んでなるポリペプチドは、血管形成を阻害するためのおよび/またはTWEAKリガンドのTWEAKRへの結合を阻害するためのTWEAKRアンタゴニストとして使用される。
【0037】
可溶性ポリペプチドは、発現される細胞から分泌されることが可能である。ポリペプチドの可溶性型の使用は、特定の応用に好都合である。ポリペプチドが分泌されるので、組換え宿主細胞からのポリペプチドの精製は容易であり、そして可溶性タンパク質は一般的に非経口投与に適している。分泌可溶性ポリペプチドは、例えば遠心分離により培養培地から望ましいポリペプチドを発現する損なわれていない(intact)細胞を分離し、そして培地(上清)を望ましいポリペプチドの存在についてアッセイすることによって、同定可能である(そしてその非可溶性膜結合対応物から区別可能である)。培地中の望ましいポリペプチドの存在は、ポリペプチドが細胞から分泌され、そしてしたがってポリペプチドの可溶性型であることを示唆する。可溶性ポリペプチドは、多くの慣用の技術のいずれかにより調製可能である。望ましい可溶性ポリペプチドをコードするDNA配列は、ポリペプチドの産生のために発現ベクター中へサブクローニング可能であり、または望ましいコードするDNA断片は化学的に合成可能である。
【0038】
可溶性TWEAKRポリペプチドはTWEAKR細胞外ドメインの全部または一部を含むが、一般的に細胞表面でのポリペプチドの保持を引き起こす膜貫通ドメインまたはその断片を欠く。可溶性ポリペプチドがそれを産生する細胞から分泌される限りは、膜貫通ドメインの一部あるいは細胞質ドメインの全部または一部を含んでよい。可溶性TWEAKRポリペプチドは、細胞からの分泌を促進するために、はじめに合成されたとき天然のまたは異種のシグナルペプチドを有利に含んでなるが、該シグナル配列は分泌時に切断される。用語「TWEAKR細胞外ドメイン」は、天然TWEAKR細胞外ドメインの全部または一部、並びに限定はされないが以下のものを含む関連型を包含することが意図される:(a)断片、(b)変異体、(c)誘導体、および(d)融合タンパク質。これら関連型の血管形成または他のTWEAKR仲介応答を阻害する能力は、以下で例示されるものまたは当該技術分野で知られる他のアッセイを使用して、インビトロまたはインビボで決定可能である。可溶性TWEAKRポリペプチドの例は、以下に提供される。
【0039】
マルチマー可溶性TWEAKR断片は、TWEAKRの可溶性断片のダイマー、トリマー、テトラマー、ペンタマー、ヘキサマー、ヘプタマー、オクタマー、ノナマー、デカマー、またはそれ以上のマルチマーである。マルチマーは、当該技術分野で知られたいずれの方法によりともに連結してよい。例えば、それらは連続ポリペプチド鎖の一部であることが可能であり、ここで各モノマーは、例えばリンカーを通じてのような1つまたはそれより多くの介在アミノ酸またはペプチド結合を通じて、ペプチド結合を介して直接的にまたは間接的にその近隣モノマーに連結可能である。例えば、マルチマーは、例えば異なった可溶性TWEAKRポリペプチド上のシステイン残基間に形成されたジスルフィド結合によるような、他の型の共有結合により互いに接合可能である。
【0040】
オリゴマー化ドメインは、それらを含んでなるポリペプチドのオリゴマー化を引き起こす、即ち、対応するオリゴマー化ドメインを含んでなるもう1つのポリペプチドと共有および/または非共有結合を形成する、ポリペプチドである。したがって、もしポリペプチドがそれらのオリゴマー化ドメインを介して互いに結合する場合、2またはそれ以上のポリペプチドは「オリゴマー化される」。当該技術分野で知られるいかなるオリゴマー化ドメインが使用可能である。例は、以下でより詳細に記載されるように、ロイシンジッパーおよび例えばFcドメインのような抗体由来の特定のポリペプチドを含む。オリゴマー中のポリペプチドは同一ポリペプチド配列、類似ポリペプチド配列、または異なったポリペプチド配列を有することが可能である。特定の態様において、本発明のオリゴマー化ポリペプチドは、4から14の可溶性TWEAKR断片を含んでなる。
【0041】
いくつかの態様において、マルチマー化可溶性TWEAKR断片およびオリゴマー化ドメインを含んでなるポリペプチドは、免疫グロブリン由来のポリペプチドを使用して調製される。抗体由来のポリペプチド(Fcドメインを含む)の種々の部分に融合した特定の異種ポリペプチドを含んでなる融合タンパク質の調製は、例えば、Ashkenaziら(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:10535,1991);Byrnら(Nature 344:677,1990);および、HollenbaughおよびAruffo(「免疫グロブリン融合タンパク質の構築」、Immunology、Suppl.4,pages10.19.1−10.19.11,1992中のCurrent Protocols)により記載される。
【0042】
本発明の1つの態様は、2つのポリペプチドを含んでなるTWEAKR−Fcオリゴマーに向けられ、各ポリペプチドが2つの可溶性TWEAKR断片およびFcドメインを含んでなる(ジTWEAKR−Fc)。ジTWEAKR−Fcポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、適切な発現ベクター中に挿入される。ジTWEAKR−Fcポリペプチドは、組換え発現ベクターで形質転換した宿主細胞中で発現され、そして抗体分子に酷似する会合が可能になり、ここで鎖間ジスルフィド結合がFc部分間に形成され4価の可溶性TWEAKRが生じる。本明細書で使用される用語「Fcポリペプチド」は、抗体のFc領域由来のポリペプチドの天然型およびムテイン(mutein)型を含む。ダイマー化を促進するヒンジ領域を含有するそのようなポリペプチドの一部切除型もまた含まれる。
【0043】
PCT出願WO93/10151に記載される1つの適したFcポリペプチドは、ヒトIgG1のFc領域のN末端ヒンジ領域から天然のC末端までに渡る一本鎖ポリペプチドである。もう1つの有用なFcポリペプチドは、米国特許5,457,035号およびBaumら、EMBO J. 13:3992,1994に記載されるFcムテインである。このムテインのアミノ酸配列は、19番目のアミノ酸がLeuからAlaに変化し、20番目のアミノ酸がLeuからGluに変化し、そして22番目のGlyがAlaに変化したことを除いては、WO93/10151に示された天然Fc配列のものと同一である。該ムテインは、Fc受容体に減じた親和性を表わす。Fc部分、およびそれらから形成されたマルチマーを含んでなる融合ポリペプチドは、プロテインAまたはプロテインGカラムに対する親和性クロマトグラフィーによる容易な精製の利点を提示し、そしてFc融合ポリペプチドは、非修飾ポリペプチドよりも療法応用に有用な長いインビボ半減期を提供することが可能である。
【0044】
他の態様において、マルチマー化可溶性TWEAKR断片は、抗体重鎖または軽鎖の可変部分と置換可能である。もし融合タンパク質が抗体の重鎖および軽鎖の両方で作られたならば、8つまたはそれより多くの可溶性TWEAKR断片で可溶性TWEAKRオリゴマーを形成することが可能である。
【0045】
もう1つの態様において、オリゴマー化ドメインはロイシンジッパードメインを含んでなる。ロイシンジッパードメインは、それらが発見されたタンパク質のオリゴマー化を促進するペプチドである。ロイシンジッパーは、当初はいくつかのDNA結合タンパク質において同定され(Landschulzら,Science 240:1759,1998)、そしてその後種々の異なったタンパク質において発見された。公知のロイシンジッパーの中には、天然に生じるペプチドおよびダイマー化するまたはトリマー化するその誘導体がある。可溶性マルチマー化タンパク質の産生に適したロイシンジッパードメインの例は、PCT出願WO94/10308に記載され、そしてHoppeら、FEBS Lett. 344:191,1994に記載される、肺表面活性タンパク質D(lung surfactant protein D)(SPD)由来のロイシンジッパーである。ロイシンジッパーに融合した異種タンパク質の安定トリマー化を可能にする修飾ロイシンジッパードメインの使用は、Fanslowら、Semin.Immunol.6:267,1994に記載される。ロイシンジッパーペプチドに融合した可溶性TWEAKRポリペプチドを含んでなる組換え融合タンパク質は、適した宿主細胞中で発現され、そして形成した可溶性TWEAKRマルチマーは培養上清から回収される。
【0046】
あるいは、本発明のポリペプチドはペプチドリンカー(スペーサー)を含んでなる。リンカーは、第一ポリペプチド、リンカー、および第二ポリペプチドがアミノ酸の連続配列を形成するように、アミノ末端が第一ポリペプチドにペプチド結合しており、そしてカルボキシ末端が第二ポリペプチドにペプチド結合している、1つまたはそれより多くのアミノ酸の配列である。介在ポリペプチド配列なし(即ち、リンカーなし)でともに接合した第一ポリペプチドおよび第二ポリペプチドとは異なり、そのようなリンカーは第一ポリペプチドおよび第二ポリペプチドを「接合する」といわれる。適したペプチドリンカーの中には、米国特許4,751,180、4,935,233、および5,073,627に記載されるものがある。望ましいペプチドリンカーをコードするDNA配列は、当該技術分野で知られた慣用の技術を使用して、例えばTWEAKR断片をコードするDNA配列の間に、そして同じ読み枠で挿入可能であり、並びに/またはTWEAKR断片およびオリゴマー化ドメインをコードするポリヌクレオチド配列の間に挿入可能である。例えば、リンカーをコードする化学的に合成されたオリゴヌクレオチドは、可溶性TWEAKR断片をコードする配列間にライゲーション可能である。特定の態様において、本発明のポリペプチドは、ペプチドリンカーで分離された2から4つの可溶性TWEAKR断片、およびオリゴマー化ドメインを含んでなる。
【0047】
本発明は、血管形成および/または他のTWEAKR仲介応答を阻害するオリゴマー化可溶性TWEAKRマルチマーの種々の形態の使用を包含する。用語「オリゴマー化可溶性TWEAKRマルチマー」は、天然TWEAKR細胞外ドメインの全部または一部を含有するオリゴマー化マルチマー、並びに限定はされないが、可溶性TWEAKRの断片、変異体、誘導体、および融合タンパク質のオリゴマー化マルチマーを含む関連型を包含することを意図する。これら関連型の血管形成または他のTWEAKR仲介応答を阻害する能力は、実施例中に例示されるもののような方法を使用して、または当該技術分野で知られた他のアッセイを使用して、インビトロまたはインビボで決定可能である。
【0048】
本発明の実施に有用なポリペプチド、マルチマーおよびオリゴマーの中には、リガンドに結合する能力を保持し、および/または血管形成または他のTWEAKR仲介反応を阻害するTWEAKR変異体を含んでなるポリペプチドが含まれる。そのようなTWEAKR変異体は、天然のTWEAKRに実質的に相同であるポリペプチドを含むが、1つまたはそれより多くの欠失、挿入または置換のため、天然TWEAKRのアミノ酸配列から異なるアミノ酸配列を有する。特定の態様は、限定はされないが、天然のTWEAKR配列と比べたときに、アミノ酸残基の1から10の欠失、挿入または置換を含んでなるTWEAKRポリペプチドを含む。TWEAKRポリペプチドの変異体として含まれるものは、対立形質型および択一的スプライシング型のような天然に生じる変異体、ならびにTWEAKRポリペプチドのアミノ酸配列、またはTWEAKRポリペプチドをコードする核酸のヌクレオチド配列を修飾することにより構築された変異体である。
【0049】
一般的に、天然ポリペプチド中に存在する1またはそれより多くの置換は、保存的に成されるべきである。保存的置換の例は、活性ドメインの外側のアミノ酸の置換、およびTWEAKRの二次および/または三次構造を変化させないアミノ酸の置換を含む。さらなる例は、1つの脂肪族残基を別の脂肪族残基に置換すること、例えばIle、Val、Leu、またはAlaを別のものに置換すること、または1つの極性残基を別の極性残基に置換すること、例えばLysとArg;GluとAsp;またはGlnとAsn間で置換すること、または1つの芳香族残基を別の芳香族残基に置換すること、例えばPhe、Trp、またはTyrを別のものへ置換することを含む。他のそのような保存的置換、例えば、類似の疎水性特性を有する全体部分の置換も当該技術分野で公知である。
【0050】
いくつかの好ましい態様において、TWEAKR変異体は、天然のTWEAKRのアミノ酸配列にアミノ酸配列で少なくともおよそ70%同一であり;いくつかの好ましい態様において、TWEAKR変異体は、天然のTWEAKRのアミノ酸配列にアミノ酸配列で少なくともおよそ80%同一である。いくつかのより好ましい態様において、TWEAKR変異体は、天然のTWEAKRのアミノ酸配列にアミノ酸配列で少なくともおよそ90%同一であり;いくつかのより好ましい態様において、TWEAKR変異体は、天然のTWEAKRのアミノ酸配列にアミノ酸配列で少なくともおよそ95%同一である。いくつかの最も好ましい態様において、TWEAKR変異体は、天然のTWEAKRのアミノ酸配列にアミノ酸配列で少なくともおよそ98%同一であり;いくつかの最も好ましい態様において、TWEAKR変異体は、天然のTWEAKRのアミノ酸配列にアミノ酸配列で少なくともおよそ99%同一である。ポリペプチドおよび核酸の両方の場合、パーセント同一性は目視検査により決定されうる。パーセント同一性は、SmithおよびWaterman(Adv. Appl. Math 2:482,1981)により修正されたNeedlemanおよびWunsch(J. Mol. Biol. 48:443、1970)の並列方法を使用して、また決定されうる。好ましくは、パーセント同一性は、例えばGenetics Computer Group(GCG;ウィスコンシン州マディソン、Devereuxら、Nucl.Acids Res. 12:387、1984を参照されたい)から利用できる、GAPコンピュータープログラム バージョン10.xのようなコンピュータープログラムを使用することにより決定される。GAPプログラムに好ましいデフォルトパラメーターは、(1)核酸の単項比較マトリックス(同一には1の値、および非同一には0の値を含有する)、およびSchwartzおよびDayhoff編、Atlas of Protein Sequence and Structure,National Biomedical Research Foundation, pp.353−358,1979により記載されるGribskovおよびBurgess,Nucl.Acids Res.14:6745、1986のアミノ酸の加重比較マトリックス;(2)各ギャップへの30(アミノ酸)または50(ヌクレオチド)のペナルティ、および各ギャップにおける各シンボルへのさらなる1(アミノ酸)または3(ヌクレオチド);(3)エンドギャップへのペナルティはなし;および(4)長いギャップへの最大ペナルティなしを含む。配列比較の当業者により使用される他のプログラムもまた使用してもよい。TWEAKRの断片について、パーセント同一性は、断片中に存在するTWEAKRのその部分に基づいて計算される。
【0051】
本発明は、関連した天然パターンの糖鎖付加ありで、またはなしでの可溶性TWEAKRポリペプチドの使用をさらに包含する。酵母または哺乳動物発現システム(例えば、COS−1またはCOS−7細胞)において発現したTWEAKRは、発現システムの選択に依存して、分子量および糖鎖付加パターンにおいて天然TWEAKRポリペプチドに類似しても、または有意に異なってもよい。大腸菌のような細菌の発現システムにおけるTWEAKRポリペプチドの発現は、非糖鎖付加分子を提供する。異なった宿主細胞は、異なってポリペプチドをまた処理することが可能であり、可変N−またはC−末端を有するポリペプチドの異種混合物を生じる。
【0052】
可溶性TWEAKRポリペプチドの一次アミノ酸構造は、グリコシル基、脂質、リン酸、アセチル基等のような、他の化学部分と共有的なまたは集合的な共役を形成することにより誘導体を創出するように修飾されてもよい。TWEAKRの共有的誘導体は、TWEAKRアミノ酸側鎖またはTWEAKRポリペプチドのN末端もしくはC末端で、特定の官能基を連結することにより調製可能である。
【0053】
本発明の実施に有用な可溶性TWEAKRの融合タンパク質は、新規の多機能性性質を提供するために追加される、他のポリペプチドを有するTWEAKRポリペプチドの共有的なまたは集合的な共役体をまた含む。
【0054】
TWEAK受容体ポリペプチドの組換え体産生
本発明において使用される可溶性TWEAKRポリペプチド、断片および融合タンパク質を含むTWEAKRポリペプチドは、組換え発現システムを使用して調製してよい。TWEAKRポリペプチドをコードする組換え発現ベクターで形質転換された宿主細胞(「組換え宿主細胞」)は、TWEAKRの発現を促進する条件下で培養され、そしてTWEAKRは回収される。TWEAKRポリペプチドは、トランスジェニック植物もしくは動物、または化学合成によりまた生産されうる。
【0055】
本発明は、以下を含む本発明で使用されるTWEAKRポリペプチドをコードする核酸分子を包含する:(a)TWEAKに結合する配列番号7の28−79番目の残基およびその断片をコードする核酸;(b)(a)の核酸に少なくとも70%、80%、90%、95%、98%、または99%同一であり、TWEAKに結合できるポリペプチドをコードする核酸;および(c)(a)の核酸に中程度なストリンジェンシーでハイブリダイズし、TWEAKに結合できるポリペプチドをコードする核酸。
【0056】
遺伝暗号の縮重のために、同じアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列における多量なバリエーションがあり得る。本発明の態様に含まれるものは、TWEAKRをコードするDNA配列に中程度にストリンジェントな条件下(例えば、5XSSC、0.5% SDS,1.0mM EDTA(pH 8.0)の前洗浄溶液、および50℃、5XSSC、一晩のハイブリダイゼーション条件)で、ハイブリダイズできる核酸配列である。当業者は、中程度なハイブリダイゼーションストリンジェンシーを構成する塩および温度のさらなる組み合わせを決定可能である(参照により本明細書に援用される、Sambrook、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory Press、1989;Maniatis、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory Press、1982;およびAusubel、Current Protocols in Molecular Biology、Wiley and Sons、1989およびそれ以降の版を参照されたい)。高度なストリンジェンシーの条件は、ハイブリダイゼーションおよびハイブリダイゼーション後の洗浄のより高い温度、および/またはより低い塩濃度を含む。核酸のパーセント同一性はポリペプチドへの上述の方法、即ち、目視検査およびGAPのようなコンピュータープログラムの使用を含む方法により決定可能である。
【0057】
いずれかの適した発現システムが、組換えTWEAKRの産生のために採用されうる。組換え発現ベクターは、哺乳動物、微生物、ウイルスまたは昆虫の遺伝子由来のもののような、適した転写および翻訳調節ヌクレオチド配列に機能可能に連結したTWEAKRポリペプチドをコードするDNAを含む。調節配列がTWEAKR DNA配列に機能的に関係するとき、ヌクレオチド配列は機能可能に連結されている。したがって、TWEAKR DNA配列の転写を制御するならば、プロモーターヌクレオチド配列は、TWEAKR DNA配列に機能可能に連結されている。調節配列の例は、転写プロモーター、オペレーター、もしくはエンハンサー、mRNAリボソーム結合部位、および転写および翻訳の開始および終結を制御する適切な配列を含む。適切なシグナルペプチド(天然または異種)をコードする配列は、発現ベクター中に組み込まれることが可能である。シグナルペプチド(分泌リーダー、リーダーペプチド、またはリーダーを含む種々の名称で呼ばれる)のDNA配列は、TWEAKRポリペプチドがシグナルペプチドを含んでなる融合タンパク質としてはじめに翻訳されるように、TWEAKR配列にインフレームに融合されうる。意図する宿主細胞において機能的であるシグナルペプチドは、TWEAKRポリペプチドの細胞外分泌を促進する。シグナルペプチドは、細胞からTWEAKRの分泌の際に、TWEAKRポリペプチドから切断される。
【0058】
TWEAKRポリペプチドの発現のための適した宿主細胞は、原核生物、酵母、ならびに昆虫および哺乳動物を含む高度な真核細胞を含む。細菌、真菌、酵母、昆虫および哺乳動物細胞性宿主で使用するための適切なクローニングおよび発現ベクターは、例えば、Pouwelsら、Cloning Vectors:A Laboratory Manual、Elsevier、ニューヨーク、1985において記載される。
【0059】
原核生物は、グラム陰性生物、または例えば大腸菌またはバチルス属の細菌(Bacilli)のようなグラム陽性生物を含む。形質転換のための適した原核生物宿主細胞は、例えば、大腸菌、バチルススブチリス(Bacillus subtilis)、サルモネラ チフィムリウム(Salmonella typhimurium)、およびシュードモナス属、スプレプトミセス属、およびスプレプトコッカス属内の多様な他の種を含む。大腸菌のような原核生物宿主細胞において、TWEAKRポリペプチドは、原核生物宿主細胞において組換えポリペプチドの発現を容易にするために、N末端のメチオニン残基を含んでよい。N末端のMetは、発現した組換えポリペプチドから切断されうる。
【0060】
原核生物宿主細胞において使用するための発現ベクターは、一般的に1つまたはそれより多くの表現型選択可能マーカー遺伝子を含んでなる。表現型選択可能マーカー遺伝子は、例えば、抗生物質耐性を与える、または独立栄養要求性を補うタンパク質をコードする遺伝子である。原核生物宿主細胞の有用な発現ベクターの例は、クローニングベクターpBR322(ATCC37017)のような商業的に利用可能なプラスミドに由来するものを含む。pBR322は、アンピシリンおよびテトラサイクリン耐性のための遺伝子を含有し、そしてしたがって、形質転換細胞を同定するために簡素な方法を提供する。適切なプロモーターおよびTWEAKR DNA配列は、pBR322ベクター中に挿入される。他の商業的に利用可能なベクターは、例えば、pKK223−3(Pharmacia Fine Chemicals,スウェーデン、ウプサラ)およびpGEM1(Promega Biotec,米国ウィスコンシン州マジソン)を含む。
【0061】
組換え原核生物宿主細胞発現ベクターに共通して使用されるプロモーター配列は、β−ラクタマーゼ(ペニシリナーゼ)、ラクトースプロモーターシステム(Changら、Nature 275:615、1978;Goeddelら、Nature 281:544、1979)、トリプトファン(trp)プロモーターシステム(Goeddelら、Nucl.Acids Res. 8:4057、1980;EP−A−36776)、およびtacプロモーター(Maniatis,Molecular Cloning:A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory,p.412、1982)を含む。特に有用な原核生物宿主細胞発現システムは、ファージλPLプロモーターおよびcI857ts熱不安定性抑制配列を採用する。λPLプロモーターの誘導体を組み込むAmerican Type Culture Collectionから利用可能なプラスミドベクターは、プラスミドpHUB2(大腸菌株JMB9中にある、ATCC37092)およびプラスミドpPLc28(大腸菌株RR1に中にある、ATCC53082)を含む。
【0062】
TWEAKRポリペプチドは酵母宿主細胞、好ましくはサッカロミセス(Saccharomyces)属(例えば、S.cerevisiae)においてまた発現可能である。ピキア(Pichia)またはクルイベロミセス(Kluyveromyces)のような他の属の酵母もまた適用可能である。酵母ベクターは、しばしば、2μ酵母プラスミドからの複製起点配列、自律複製配列(ARS)、プロモーター領域、ポリアデニル化のための配列、転写終結のための配列、および選択可能マーカー遺伝子を含有するであろう。酵母ベクターのための適したプロモーター配列は、とりわけ、メタロチオネイン、3−ホスホグリセンリン酸キナーゼ(Hitzemanら、J.Biol.Chem.255:2073,1980)、またはエノラーゼ、グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、へキソキナーゼ、ピルビン酸デカルボキシラーゼ、ホスホフルクトキナーゼ、グルコース−6−リン酸アイソメラーゼ、3−ホスホグリセンリン酸ムターゼ、ピルビン酸キナーゼ、トリオースリン酸アイソメラーゼ、ホスホグルコースアイソメラーゼ、およびグルコキナーゼのような他の糖分解酵素(Hessら、J.Adv.Enzyme Reg.7:149,1968;Hollandら、Biochem.17:4900,1978)を含む。酵母発現における使用のための他の適したベクターおよびプロモーターは、さらにHitzeman,EPA−73,657中に記載される。もう一つの代替物は、Russellら(J.Biol.Chem.258:2674、1982)およびBeierら(Nature 300:724、1982)により記載されたグルコース抑制性ADH2プロモーターである。酵母および大腸菌の両方で複製可能なシャトルベクターは、大腸菌における選択および複製のためのpBR322からのDNA配列(Amp遺伝子および複製起点)を上記の酵母ベクター中に挿入することによって構築可能である。
【0063】
酵母α因子リーダー配列を採用して、組換えポリペプチドの分泌を方向付けることが可能である。α因子リーダー配列は、プロモーター配列と構造遺伝子配列の間にしばしば挿入される。例えば、Kurjanら、Cell 30:933、1982;Bitterら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:5330,1984を参照されたい。酵母宿主から組換えポリペプチドの分泌を容易にするために適した他のリーダー配列は、当業者に公知である。リーダー配列は、1つまたはそれより多く制限部位を含有するように、その3’末付近を修飾可能である。これは、リーダー配列の構造遺伝子への融合を容易にするであろう。
【0064】
酵母の形質転換プロトコルは、当業者に公知である。そのようなプロトコルの1つは、Hinnenら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 75:1929、1978に記載される。Hinnenらのプロトコルは、選択培地におけるTrp形質転換体を選択し、ここで選択培地は、0.67%酵母窒素ベース、0.5%カザミノ酸、2%グルコース、10μg/mlアデニンおよび20μg/mlウラシルからなる。
【0065】
ADH2プロモーター配列を含有するベクターにより形質転換された酵母宿主細胞は、「富化した」培地において発現を誘導するために増殖されうる。富化した培地の例は、80μg/mlアデニンおよび80μg/mlウラシルで補足した、1%酵母抽出液、2%ペプトン、および1%グルコースからなるものである。培地からグルコースが使い果たされたとき、ADH2プロモーターの抑制解除が起こる。
【0066】
昆虫宿主細胞培養システムを採用し、可溶性TWEAKRポリペプチドを含む組換えTWEAKRポリペプチドを発現させることも可能である。昆虫細胞における異種ポリペプチドの産生のためのバキュロウイルスシステムは、LuckowとSummers,Bio/Technology 6:47,1988により概説される。
【0067】
哺乳動物細胞は、特に宿主細胞としての使用のために好ましい。適した哺乳動物宿主細胞株の例は、サル腎臓細胞のCOS−7株(ATCC CRL 1651)(Gluzmanら,Cell 23:175,1981)、L細胞、C127細胞、3T3細胞(ATCC CCL 163)、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、HeLa細胞、およびBHK(ATCC CRL 10)細胞株、およびMcMahanら(EMBO J. 10:2821,1991)により記載されるアフリカミドリザル腎臓細胞株CV1(ATCC CCL 70)に由来するCV1/EBNA細胞株を含む。療法ポリペプチドの産生のために、動物タンパク質を含有しない培地において増殖するように適応した哺乳動物宿主細胞株を使用することが特に有利である。
【0068】
哺乳動物細胞へのDNAの導入のための確立された方法は、Kaufman,R.J., Large Scale Mammalian Cell Culture,1990,pp.15−69に記載されている。Lipofectamine(Gibco/BRL)またはLipofectamine−plusのような商業的に利用可能な試薬を使用する追加のプロトコルを使用して、細胞をトランスフェクト可能である(Felgnerら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:7413,1987)。さらに、エレクトロポレーションを使用して、Sambrookら Molecular Cloning:A Laboratory Manual, 2ed. Vol.1−3,Cold Spring Harbor Laboratory Press,1989中のもののような慣用の手法を使用して、哺乳動物細胞をトランスフェクト可能である。安定形質転換体の選択は、例えば細胞毒性薬剤への耐性のような当該技術分野で公知の方法を使用して実行可能である。Kaufmanら,Meth. in Enzymology 185:487,1990は、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)耐性のようないくつかの選択スキームを記載する。DHFR選択のために適した宿主系統は、DHFRを欠損するCHO系統DX−B11(UrlaubとChasin,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77:4216,1980)であり得る。DHFRのcDNAを発現するプラスミドは、DX−B11系統に導入可能であり、そして該プラスミドを含有する細胞のみが適切な選択培地において増殖可能である。発現ベクター中に組み込まれ得る選択可能マーカーの他の例は、G418およびハイグロマイシンBのような抗生物質に対する耐性を与えるcDNAを含む。該ベクターを有する細胞は、これらの化合物に対する耐性を基にして選択可能である。
【0069】
哺乳動物宿主細胞発現ベクターのための転写および翻訳制御配列は、ウイルスゲノムから切除可能である。共通して使用されるプロモーター配列およびエンハンサー配列は、ポリオーマウイルス、アデノウイルス2、シミアンウイルス40(SV40)、およびヒトサイトメガロウイルスに由来する。例えば、SV40起点部位、初期および後期プロモーター部位、エンハンサー部位、スプライス部位、およびポリアデニル化部位のようなSV40ウイルスゲノムに由来するDNA配列を使用して、哺乳動物宿主細胞における構造遺伝子配列の発現のための他のゲノム要素を提供可能である。ウイルス初期および後期プロモーターは、双方とも断片としてウイルスゲノムから容易に入手され、それはウイルスの複製起点もまた含有しうる(Fiersら、 Nature 273:113、1978;Kaufman,Meth. in Enzymology,1990)ので、特に有用である。SV40ウイルス複製起点に位置するHindIII部位からBglI部位へ伸びるおよそ250bp配列を含むことを条件に、より小さいまたはより大きいSV40断片もまた使用可能である。
【0070】
哺乳動物発現ベクターから異種遺伝子の発現を改善することが示されているさらなる制御配列は、CHO細胞に由来する発現増強配列要素(EASE)(Morrisら、Animal Cell Technology,1997,pp.529−534)、ならびにアデノウイルス2由来の三部(tripartite)リーダー(TPL)およびVA遺伝子RNA(Gingerasら、J.Biol.Chem.257:13475,1982)のような要素を含む。ウイルス起源の内部リボゾーム侵入部位(IRES)配列は、ジシストロニックmRNAが効率よく翻訳されることを可能にする(OhとSarnow, Current Opinion in Genetics and Development 3:295,1993;Rameshら, Nucleic Acids Research 24:2697,1996)。ジシストロニックmRNAの一部としての異種cDNA、および続く選択可能マーカー(例えば、DHFR)の遺伝子の発現は、宿主のトランスフェクションの容易さ、および異種cDNAの発現を改善することが示されている(Kaufman,Meth. in Enzymology,1990)。ジシストロニックmRNAを採用する典型的な発現ベクターは、Mosserら,Biotechniques 22:150,1997により記載されるpTR−DC/GFP、およびMorrisら,Animal Cell Technlogy,1997,pp.529−534により記載されるp2A5Iである。
【0071】
有用な高発現ベクターpCAVNOTは、Mosleyら, Cell 59:335,1989により記載されている。哺乳動物宿主細胞に使用する他の発現ベクターは、OkayamaとBerg(Mol.Cell.Biol. 3:280,1983)により開示されるように構築可能である。C127マウス哺乳動物上皮細胞における哺乳動物cDNAの安定高レベル発現のために有用なシステムは、Cosmanら(Mol.Immunol.23:935,1986)により記載されるように、実質的に構築可能である。Cosmanら Nature 312:768,1984により記載される有用な高発現ベクターPMLSV N1/N4は、ATCC 39890として寄託されている。さらなる有用な哺乳動物発現ベクターは当該技術分野で公知である。
【0072】
TWEAKRポリペプチドを産生することにおいて採用してもよいシグナルペプチドに関して、天然TWEAKRシグナルペプチドを使用してもよく、または、所望であれば異種のシグナルペプチドまたはリーダー配列により置換してもよい。シグナルペプチドまたはリーダーの選択は、組換えTWEAKRを産生しようとする宿主細胞の型のような因子に依存しうる。哺乳動物宿主細胞において機能する異種シグナルペプチドの例は、米国特許4,965,195に記載されるインターロイキン−7(IL−7)のシグナル配列、Cosmanら,Nature 312:768(1984)に記載されるインターロイキン−2受容体のシグナル配列;EP367,566に記載されるインターロイキン−4受容体のシグナル配列;米国特許4,968,607に記載されるI型インターロイキン−1受容体のシグナル配列;および、EP460,846に記載されるII型インターロイキン−1受容体のシグナル配列を含む。
【0073】
突然変異誘発およびポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を含む組換えDNAの技術を使用して、TWEAKR断片、変異体、誘導体、および融合ポリペプチドを含む、アミノ酸残基または配列の種々の付加または置換、あるいは末端のまたは内部の残基または配列の欠失を含んでなるTWEAKRポリペプチドをコードするDNA配列を、当業者は生産可能である。
【0074】
マウス、ヤギ、ヒツジおよびブタを含むトランスジェニック動物、ならびにタバコ、トマト、マメ、草、穀物を含むトランスジェニック植物は、可溶性TWEAKRポリペプチドを含むTWEAKRポリペプチドの産生のためのバイオリアクターとしてもまた使用可能である。トランスジェニック動物の場合、ミルクおよび/または他の体液中への、可溶性TWEAKRの発現を促進するシス作動性調節配列に機能可能に連結するTWEAKRコード配列を含む、キメラDNAを構築することが特に有用である(例えば、米国特許番号5,843,705;米国特許番号5,880,327を参照されたい)。トランスジェニック植物の場合、特定の細胞型、組織、または器官においてTWEAKRを産生することが特に有用である(例えば、米国特許5,639,947号;米国特許5,889,189号を参照されたい)。
【0075】
当業者は、発現した可溶性TWEAKRポリペプチドを精製するための手法が、採用した宿主システムによって、そして組換えポリペプチドが分泌されるか否かによって変化するであろうことを認識するであろう。可溶性TWEAKRポリペプチドは、1つまたはそれより多くの濃縮、塩析、イオン交換、疎水性相互作用、アフィニティー精製、HPLC、またはサイズ排除クロマトグラフィー工程を含む当該技術分野で公知の方法を使用して精製可能である。Fc部分を含んでなる融合ポリペプチド(およびそれから形成されたマルチマー)は、プロテインAまたはプロテインGカラムに対してアフィニティークロマトグラフィーによる容易な精製という利点を提示する。
【0076】
治療の方法
以下に記載したものは、標的組織または細胞のグループにおける血管形成を促進するまたは抑制するための、TWEAK受容体またはリガンド、あるいはTWEAK受容体またはリガンドをコードする遺伝子を採用する方法または組成物である。用語「治療する」、「治療すること」、「治療」、「療法」、「療法の」等は、予防的療法(preventative therapy)、予防的療法(prophylactic therapy)、改良療法、および治療療法を含むことを意図する。
【0077】
開示されたポリペプチド、組成物および方法は、そのような治療を必要とする哺乳動物における血管形成または他のTWEAKR仲介応答を阻害するために使用される。用語「TWEAKR仲介応答」は、TWEAKリガンドのTWEAKRへの結合により少なくとも一部が引き起こされる、あるいはTWEAKをTWEAKRへの結合から遮断することにより、全部または一部において阻害されまたは抑制されうる、いずれかの細胞の、生理学的な、または他の生物学的応答を含む。治療は、血管形成により仲介される疾患または状態の開始または再発を予防するために、あるいは血管形成により仲介される疾患または状態を有する哺乳動物を治療するために、有利に施される。血管形成により仲介される疾患および状態は、限定するわけではないが、眼障害、悪性のおよび転移性の状態、ならびに炎症性疾患を含む。
【0078】
本発明により治療可能である眼障害の中には、限定するわけではないが、糖尿病性網膜症(糖尿病の主要な合併症)、未熟児網膜症(頻繁に慢性な視覚問題に導き、そして失明の高いリスクを有する壊滅的眼状態は、未熟児の世話の間の深刻な合併症である。)、血管新生グリオーマ、網膜芽腫、水晶体後線維増殖症、ルベオーシス、ブドウ膜炎、黄斑変性および角膜移植片新血管新生を含む、眼新血管新生を特徴とする目の疾患を含む。他の目の炎症性疾患、眼腫瘍、および脈絡膜または光彩の新血管新生に関連する疾患もまた、本発明により治療可能である。
【0079】
本発明を使用して、充実性腫瘍のような悪性状態および転移性状態もまた治療可能である。充実性腫瘍は、初期のならびに転移性の肉腫および癌腫の両方を含む。
本発明を使用して、限定するわけではないが、関節炎、リウマチおよび乾癬を含む炎症性疾患もまた治療可能である。
【0080】
本発明により治療可能である他の疾患および状態は、良性腫瘍および新生物発生前状態、心筋血管形成、血友病関節、強皮症、血管接着、アテローム性斑新血管新生、毛細血管拡張症、および創傷肉芽形成を含む。
【0081】
血管形成依存性である疾患状態は、心臓、肝臓、脳などを含むいずれかの組織または器官の冠状動脈のまたは末梢のアテローム動脈硬化症、および虚血を含む。これらの種の疾患は、血管形成を促進する組成物により治療可能である。
【0082】
本発明による方法は、インビボ動物モデルにおいて試験し、望ましい予防のまたは療法の活性を確認し、並びにヒトに投与する前に最適な療法の用量を決定することが可能である。
【0083】
治療の特定の方法において有効であるであろう特定のTWEAKRアンタゴニストの量は、年齢、治療しようとする状態の型および重症度、体重、治療の望ましい期間、投与の方法、ならびに他のパラメーターに依存する。有効な用量は、医師または他の有資格の医学専門家により決定される。典型的な有効な用量は、およそ0.01mg/kgからおよそ100mg/kg体重である。いくつかの好ましい態様において、用量はおよそ0.1−50mg/kgであり、いくつかの好ましい態様において、用量は0.5−10mg/kgである。局所投与のための用量は、典型的には全身投与のためよりも少ない。いくつかの態様において、一回の投与が十分であり;いくつかの態様において、TWEAKRアンタゴニストは、1またはそれより多くの日数に渡って複数の用量として投与される。
【0084】
TWEAKRアンタゴニストは、典型的には1またはそれより多くの薬理学的に許容できる担体を含んでなる医薬組成物の形態で投与される。医薬的に許容できる担体は、投与の経路について医薬的に許容できる希釈剤、増量剤、アジュバント、賦形剤、およびビヒクル、ならびに適した分散剤、湿潤剤、および懸濁剤を使用して処方される、水性のまたは油性の懸濁液であってよい。
【0085】
医薬的に許容できる担体は、一般的に無菌であり、そして発熱性剤がなく、そして水、油、溶媒、塩、糖、および他の炭水化物、乳化剤、緩衝剤、抗菌剤、およびキレート剤を含んでよい。特定の医薬的に許容できる担体および担体に対する活性化合物の比は、組成物の溶解度および化学特性、投与の方式、ならびに標準の医薬実務により決定される。
【0086】
本明細書に記載される組成物は、バイアル、ビン、チューブ、シリンジ吸入器または単一のもしくは複数の投与のために他の容器の中に含まれることが可能である。そのような容器は、ガラス、または例えばポリプロピレン、ポリエチレン、若しくはポリビニルクロリドのようなポリマー材料から作られることが可能である。好ましい容器は、シール、または一回の用量を引き出すために針により貫通することができ、次いで針を引き抜くと再びシールされるゴムのストッパーのような封入システムを含んでよい。当該技術分野において公知の、注射できる液体、凍結乾燥処方物、再構成凍結乾燥処方物または注射のための再構成可能な粉末のための、あるいはエアロゾル化組成物の投与のためのそのような容器全ては、本明細書で開示された組成物および方法における使用が考慮される。
【0087】
TWEAKRアンタゴニストは、徴候に適切な方式で患者に投与される。したがって、例えば、TWEAKRアンタゴニストまたはその医薬組成物は、静脈内、経皮、皮内、腹腔内、筋内、鼻腔内、硬膜外、経口、局所、皮下、腔内、埋め込み物からの持続的放出、蠕動経路、またはいずれかの他の適した技術により投与可能である。非経口投与が好ましい。
【0088】
本発明の特定の方法において、治療は、1つまたはそれより多くの追加の化学療法剤で哺乳動物を治療することをさらに含んでなる。追加の化学療法剤は、TWEAKRアンタゴニストの投与の前に、または同時に、または後に投与可能である。治療されている哺乳動物が充実性腫瘍を有しているとき、1以上の化学療法剤の使用は特に有用である。本発明のいくつかの態様において、治療は、放射線で哺乳動物を治療することをさらに含んでなる。近接療法および遠隔療法を含む放射線は、第二化学療法剤および/またはTWEAKRアンタゴニストの投与の前に、または同時に、または後に投与可能である。
【0089】
治療されている哺乳動物が充実性腫瘍を有しているとき、方法は、好ましくはTWEAKRアンタゴニストに加えて、アルキル化剤、代謝拮抗剤、ビンカアルカロイド、および他の植物由来化学療法剤、ニトロソウレア、抗腫瘍抗生物質、抗腫瘍酵素、トポイソメラーゼ阻害剤、プラチナ類似体、副腎皮質抑制剤、ホルモン、ホルモンアゴニストおよびアンタゴニスト、抗体、免疫療法剤、血球因子、放射線療法剤、および生物学的応答修飾剤からなる群より選択される1つまたはそれより多くの化学療法剤の投与を含む。
【0090】
いくつかの好ましい態様において、方法はTWEAKRアンタゴニストに加えて、シスプラチン、シクロホスファミド、メクロレタミン、メルファラン、ブレオマイシン、カルボプラチン、フルオロウラシル、5−フルオロデオキシウリジン、メトトレキセート、タキソール、アスパラギナーゼ、ビンクリスチン、およびビンブラスチン、インターロイキンのようなリンホカインおよびサイトカイン、インターフェロン(アルファ、ベータ、デルタを含む)、およびTNF、クロラムブシル、ブスルファン、カルムスチン、ロムスチン、セムスチン、ストレプトゾシン、ダカルバジン、シタラビン、メルカプトプリン、チオグアニン、ビンデシン、エトポシド、テニポシド、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、ブレオマイシン、プリカマイシン、マイトマイシン、Lアスパラギナーゼ、ヒドロキシウレア、メチルヒドラジン、ミトタン、タモキシフェン、およびフルオキシメステロンからなる群より選択される、1つまたはそれより多くの化学療法剤の投与を含む。
【0091】
いくつかの好ましい態様において、方法はTWEAKRアンタゴニストに加えて、Flt3リガンド、CD40リガンド、インターロイキン−2、インターロイキン−12、4−1BBリガンド、抗4−1BB抗体、TNFアンタゴニストおよびTNF受容体アンタゴニスト、TRAIL、VEGFアンタゴニスト、VEGF受容体(Flt1およびFlk1またはKDRとしても知られるVEGF−R1およびVEGF−R2を含む)アンタゴニスト、Tekアンタゴニスト、およびCD148(DEP−1、ECRTPおよびPTPRJとして言及される、Takahashiら、J.Am.Soc.Nephrol.10:2135−45、1999を参照されたい)アゴニスト、からなる群より選択される、その種々の可溶性型を含む1つまたはそれより多くの化学療法剤の投与を含む。いくつかの好ましい態様において、本発明のTWEAKRアンタゴニストは、BrowderらおよびKlementら(Cancer Reserch 60:1878、2000;J.Clin.Invest.105(8):R15、2000;Barinaga、Science 288:245、2000もまた参照されたい)により記載されるような「メトロノミック(metronomic)療法」の成分として、または組み合わせて使用される。
【0092】
本発明のポリペプチド、組成物および方法は、初期療法に続いて残った疾患の治療のための一次治療として、または化学療法、外科手術、放射線、および当該技術分野で公知の他の療法の方法を含む他の療法の付加物として使用可能である。
【0093】
本発明の核酸配列は、本明細書に開示された方法に従って配送されるとき、該配列が発現のための細胞中に取り込まれることができるように、配送機構を使用する利点がある。考慮された方法を有利にも採用可能である配送システムは、例えば、レトロウイルスおよびアデノウイルスのようなウイルス配送システム、ならびに非ウイルス配送システムの使用を含む。そのような配送システムは、当業者に周知である。
【0094】
スクリーニングの方法
本明細書に記載されるTWEAK受容体は、例えばTWEAKRアゴニストおよびアンタゴニストを単離するスクリーニングの種々の方法において使用可能である。TWEAKRアゴニストは、TWEAKRの生物学的活性を促進する化合物であり、そしてTWEAKRアンタゴニストは、TWEAKRの生物学的活性を阻害する化合物である。後述のスクリーニングアッセイを介して同定された化合物は、種々の疾患状態を治療するための血管形成を変調するための組成物および方法において使用可能である。本発明は、(1)標的組織または細胞におけるTWEAK受容体またはリガンドの遺伝子発現を変調し、(2)TWEAK受容体−リガンド相互作用を変調して、血管形成を調節し;(3)TWEAK受容体またはリガンドに結合して、血管形成に影響を及ぼし;または(4)血管形成のような下流の事象への結合したTWEAK受容体−リガンド複合体の影響を干渉する、または調節する、化合物のスクリーニング方法を提供する。
【0095】
本発明は、TWEAK受容体またはリガンド遺伝子の活性を変調する(即ち、TWEAK遺伝子の発現のレベルを変調する、および/またはTWEAK遺伝子産物の活性のレベルを変調する)化合物を同定するために設計されたアッセイの使用を意図している。アッセイはTWEAK遺伝子調節配列(例えば、プロモーター配列;例えば、Platt、1994、J.Biol.Chem.269、28558−28562を参照されたい)に結合し、そしてTWEAK遺伝子発現のレベルを変調可能な化合物を同定することに、さらに利用可能である。
【0096】
そのようなアッセイは、例えば、通常のTWEAK遺伝子の転写または翻訳に影響を及ぼすと思われる試験化合物を含むシステムと比較して、TWEAK受容体またはリガンド遺伝子の転写および翻訳が起こる制御システムを使用することを包含してもよい。例えば、心臓細胞により産生されるTWEAK受容体RNAの比率は決定可能であり、そしてこれを使用して、試験化合物がこの比率に影響を及ぼすか否かが決定可能である。この正常な転写比率に影響を及ぼすと思われる試験化合物の影響を評価するために、まず、例えばノーザンブロッティングにより心臓細胞培養物におけるTWEAK受容体RNA産生の比率が決定されるであろう。次いで、対照培養と他は同じ条件下で、心臓細胞培養物に試験化合物を投与することができる。次いで、試験化合物で処理された培養物におけるTWEAK受容体RNAの比率は、例えばノーザンブロッティングにより決定可能であり、そして対照培養細胞により産生されたTWEAK受容体RNAの比率と比較される。対照細胞に比べて試験化合物と接触した細胞におけるTWEAK受容体RNAの増加は、心臓細胞におけるTWEAK受容体遺伝子の転写および/または翻訳の刺激物質の指標であり、一方、減少は心臓細胞におけるTWEAK受容体遺伝子の転写および/または翻訳の阻害剤の指標である。
【0097】
TWEAK受容体またはリガンド遺伝子発現のレベルを決定するために使用可能である他の種々の方法があり、そしてアッセイにおいてさらに使用し、試験化合物のTWEAK受容体またはリガンド遺伝子発現のレベルに対する影響をさらに決定可能である。例えば、心臓のようにTWEAK受容体またはリガンド遺伝子を発現することが知られる、または思われる細胞型または組織からのRNAは単離可能であり、そしてハイブリダイゼーションまたはPCR技術を利用して試験可能である。単離された細胞は、細胞培養物からまたは患者に由来することが可能である。培養物からとられた細胞の解析は、細胞に基づく遺伝子治療技術の一部として、使用される細胞の評価において、あるいは化合物のTWEAK受容体またはリガンド遺伝子の発現に対する影響を試験するために必要な工程である。そのような解析は、TWEAK受容体またはリガンド遺伝子発現の活性化または不活性化を含む、TWEAK受容体またはリガンド遺伝子の発現パターンの定量的なおよび定性的な側面の両方を明らかにすることができる。
【0098】
そのような検出スキームの1つの態様において、cDNA分子は目的のRNA分子から合成される(例えば、cDNAへのRNA分子の逆転写による)。次いで、cDNA中の配列は、核酸増幅反応、例えばPCR増幅反応などのための鋳型として使用される。本方法の逆転写工程および核酸増幅工程において、合成開始反応物(例えば、プライマー)として使用される核酸反応物は、上述のTWEAK受容体またはリガンド遺伝子核酸部分の中から選択される。そのような核酸反応物の好ましい長さは、少なくとも9−30ヌクレオチドである。増幅産物の検出のために、核酸増幅は、放射活性または非放射活性標識ヌクレオチドを使用して実行可能である。あるいは、十分に増幅した産物は、標準のエチジウムブロマイド染色による、またはいずれか他の適した核酸染色方法を利用することにより、産物が可視化できるように、十分に増幅した産物を生成可能である。
【0099】
加えて、そのようなTWEAK受容体またはリガンド遺伝子発現アッセイを「in situ」(即ち、核酸増幅が必要でないような生検または切除から得られた患者組織の組織切片(固定したおよび/または凍結した)上で直接的に)で実行することができる。上記のTWEAK受容体またはリガンド遺伝子核酸部分は、そのようなin situ手法のためのプローブおよび/またはプライマーとして使用可能である(例えば、Nuovo.G.J.、1992「PCR In Situ Hybridization:Protocols And Applications」、Raven Press、ニューヨークを参照されたい)。
【0100】
本明細書に記載するもののようなアッセイを介して同定された化合物は、例えば、TWEAK受容体−リガンド相互作用により影響される血管形成を変調に有用であり得る。TWEAKに影響される血管形成を刺激するまたは阻害するそのような方法は、本明細書で検討された。
【0101】
あるいは、アッセイシステムを設計して、本発明のTWEAK受容体またはリガンドポリペプチドと結合でき、そしてそれにより、この相互作用から生じる血管形成に影響を及ぼすことができる化合物を同定可能である。同定された化合物は、例えば、標的組織または細胞の血管新生の変調に有用であり得るし、正常なTWEAK受容体−リガンド相互作用を崩壊させる化合物を同定するためのスクリーニングに有用であり得るし、またはそれ自体がそのような相互作用を崩壊しうる。
【0102】
TWEAK受容体またはリガンドに結合する化合物を同定するために使用されるアッセイの原理は、2つの成分を相互作用しそして結合することができるために十分な条件下および時間の間、TWEAK受容体またはリガンドおよび試験化合物の反応混合物を調製し、したがって反応混合物中に取り除かれそして/または検出され得る複合体を形成することを包含する。これらのアッセイは多様な方法で行われることができる。例えば、TWEAK受容体と結合する化合物をスクリーニングするそのようなアッセイを行う1つの方法は、TWEAK受容体または試験基質を固相上にアンカーし、そして反応の終わりに固相上にアンカーされたTWEAK受容体/試験化合物複合体を検出することを包含するであろう。そのような方法の1つの態様において、TWEAK受容体は固相表面上にアンカー可能であり、そしてアンカーされていない試験化合物を直接的にまたは間接的にのいずれかで標識してもよい。あるいは、これら同様の方法を使用して、受容体よりもむしろTWEAKリガンドに結合する試験化合物をスクリーニング可能である。
【0103】
実際のところ、マイクロタイタープレートは固相として都合良く利用可能である。アンカーされた成分は、非共有または共有結合により固定化可能である。非共有結合は、タンパク質の溶液で固相表面を単純にコートし、そして乾燥することにより実行可能である。あるいは、固定化しようとするタンパク質に特異的な固定化抗体、好ましくはモノクローナル抗体を使用して、タンパク質を固相表面にアンカー可能である。表面は、あらかじめ調製され、そして保存可能である。
【0104】
アッセイを行うために、非固定化成分が、アンカーした成分を含有するコートされた表面に付加される。反応が完了した後、いかなる形成された複合体も固相表面上に固定化されたまま保持されるであろうような条件下で、非反応成分を除去する(例えば、洗浄による)。固相表面上にアンカーした化合物の検出は、多くの方法で実行可能である。前に固定化されていない成分があらかじめ標識されている場合、表面に固定化された標識の検出が複合体の形成を示唆する。前に固定化されていない成分があらかじめ標識されていない場合、間接標識を使用して、表面にアンカーされた複合体を検出可能であり;例えば、それは前に固定化されていない成分に特異的な標識抗体を使用する(今度は、抗体が直接的に標識されていてもよく、あるいは標識抗Ig抗体で間接的に標識されていてもよい)。
【0105】
あるいは、反応は液相中で行われ、反応産物を非反応成分から分離し、複合体を検出可能であり;例えば溶液中に形成したいずれかの複合体をアンカーするためのTWEAK受容体またはリガンドまたは試験化合物に特異的な固定化抗体を使用し、およびアンカーした複合体を検出するための可能性のある複合体の他の成分への特異的な標識抗体を使用する。
【0106】
TWEAK受容体またはTWEAKリガンドのいずれかへの結合剤として同定されたこれらの成分は、以下に記載されるようにTWEAK受容体−リガンド相互作用を干渉し、そしてそれによりTWEAK受容体−リガンド相互作用から生じる血管形成を抑制しまたは促進するそれらの能力についてさらに評価可能である。次いで、そのような化合物を療法的に使用して、血管形成を刺激するまたは阻害することが可能である。
【0107】
本発明のTWEAK受容体およびリガンドポリペプチドは、スクリーニングアッセイにおいて使用し、TWEAK受容体とリガンド間の相互作用を阻害する(アンタゴナイズする)か増進する(アゴナイズする)かのいずれかの、開示されたTWEAK受容体またはリガンドと特異的に相互作用する化合物および低分子を同定することも可能である。したがって、例えば本発明のポリペプチドを使用して、細胞、無細胞調製物、化学的ライブラリー、および天然産物混合物から、アンタゴニストおよびアゴニストを同定可能である。アンタゴニストおよびアゴニストは、本発明のポリペプチドの天然または修飾基質、リガンド、酵素、受容体などであってよく、または該ポリペプチドの構造的または機能的模倣体であってよい。本発明のTWEAK受容体−リガンド相互作用の可能性のあるアンタゴニストは、ポリペプチドに結合しそしてポリペプチドの結合部位を占め、それらの相互作用を利用できなくさせ、そしてしたがって血管形成を変調するそれらの正常な能力を妨げる低分子、ペプチドおよび抗体であってよい。他の可能性のあるアンタゴニストは、インビボでmRNAにハイブリダイズ可能であり、そしてmRNAの本発明のポリペプチドへの翻訳を遮断するアンチセンス分子である。可能性のあるアゴニストは、本発明のTWEAKポリペプチドに結合し、そして本発明のTWEAKポリペプチドの開示された相互作用により引き起こされるような血管形成に影響を及ぼす低分子、ペプチドおよび抗体を含む。
【0108】
低分子アゴニストおよびアンタゴニストは、通常10K分子量未満であり、そして細胞浸透性を増進し、分解に抵抗し、そしてそれらの生理学的半減期を延長する多くの生理化学的および薬理学的特性を保持することができる。(Gibbs,「Pharmaceutical Reseach in Molecular Oncology」 Cell, Vol.79,(1994))。そのままの分子、ならびにFabおよびF(ab’)2断片のような断片を含む抗体を使用して、シグナルカスケードの開始を遮断することにより本発明のポリペプチドに結合しそして阻害することが可能である。抗体がヒト化されていることが好ましく、そして抗体がヒトであることがより好ましい。本発明の抗体はいずれかの種々の公知の方法により調製可能である。
【0109】
特異的スクリーニング方法は当該技術分野で公知であり、そして多くは、多数の試験化合物を短い時間内にスクリーニング可能になるように、ハイスループット試験システム中に大規模に取り入れられている。該アッセイは、タンパク質−タンパク質結合アッセイ、生化学スクリーニングアッセイ、免疫アッセイ、細胞に基づくアッセイなどを含む種々の形式において実行可能である。これらのアッセイの形式は、当該技術分野で周知である。本発明のスクリーニングアッセイは、化学ライブラリーのスクリーニングに敏感であり、そして低分子薬剤候補、抗体、ペプチドならびに他のアンタゴニストおよびアゴニストの同定に適している。
【0110】
TWEAK受容体−リガンド相互作用をアンタゴナイズするまたは阻害する分子の同定のための方法の1つの態様は、本発明のポリペプチドを発現する細胞を含有する培地に候補分子を添加し;候補分子の存在のためではなく、ポリペプチドが相互作用するように前記培地の条件を変化させ;そして結合および血管形成の阻害を観察することを包含する。TWEAK受容体およびリガンドの結合は、以上で概説した競合的阻害アッセイにより決定可能であり、そして当該技術分野で周知である。この結合の血管形成効果は、例えば細胞密度アッセイ、または当該技術分野でまた周知である他の細胞増殖アッセイのような細胞増殖アッセイを介して決定してもよい。次いで、候補分子と接触した細胞の活性を、接触していない同じ細胞と比較してよく、そして本発明のTWEAKポリペプチド相互作用のアゴニストおよびアンタゴニストが同定してもよい。生物学的活性の測定は、存在するタンパク質の量の測定(例えば、ELISA)またはタンパク質の活性の測定のような多くの周知の方法により実行可能である。生物学的刺激または活性の減少は、アンタゴニストを示唆する。増加はアゴニストを示唆する。
【0111】
スクリーニングアッセイを設計し、本発明のTWEAKポリペプチド相互作用から生じる生物学的活性を模倣する分子をさらに発見可能である。ポリペプチドの生物学的活性を模倣する分子は、ポリペプチドの生物学的活性を増進するために有用であり得る。ポリペプチドの生物学的活性を模倣する療法活性剤のための化合物を同定するために、候補分子がポリペプチドに結合するか否かをまず決定しなければならない。次いで、結合候補分子は、その生物学的効果を決定するために生物学的アッセイに加えられる。次いで、候補分子の生物学的効果をポリペプチドのものと比較する。
【0112】
加えて、試験化合物および正常なTWEAK受容体またはリガンド遺伝子タンパク質を含有する反応混合物内の複合体形成を、試験化合物および突然変異体TWEAK受容体またはリガンド遺伝子タンパク質を含有する反応混合物内の複合体形成と比較可能してもよい。突然変異体の相互作用を崩壊するが、正常なTWEAK受容体またはリガンド遺伝子タンパク質は崩壊しない化合物の同定が望ましい場合において、この比較は重要であり得る。
【0113】
TWEAK受容体またはリガンドの遺伝子産物および結合パートナーの相互作用を干渉する化合物のアッセイは、異種のまたは同種の形式で行うことが可能である。異種アッセイは、固相上にTWEAK受容体またはリガンド遺伝子産物または結合パートナーのいずれかをアンカーし、そして反応の終わりに固相上のアンカーされた複合体を検出することを包含する。同種アッセイにおいて、全反応は液相中で行われる。いずれのアプローチにおいて、反応物の添加の順序を変更して、試験されている化合物に関する異なった情報を得ることが可能である。例えば、TWEAK受容体またはリガンド遺伝子産物および結合パートナー間の相互作用を干渉する(例えば、競合による)試験化合物は、試験基質の存在下で反応を行うことによって同定可能であり;即ち、TWEAK受容体およびリガンド遺伝子産物の前に、または同時に、反応混合物に試験基質を追加することによる。あるいは、例えば複合体から成分の1つを置き換えた高い結合定数を有する化合物のような、あらかじめ形成された複合体を崩壊する試験化合物は、複合体が形成された後に、反応混合物に試験化合物を添加することにより試験可能である。多様な形式が以下で手短に記載される。
【0114】
異種アッセイシステムにおいて、TWEAK受容体またはリガンド遺伝子産物のいずれかが固相表面上にアンカーされ、一方、非アンカー種は直接または間接のいずれかで標識される。実際上は、マイクロタイタープレートが都合良く利用される。アンカーされた種は、非共有または共有結合により固定化されうる。非共有結合は、TWEAK受容体またはリガンド遺伝子産物の溶液で固相表面をコートし、そして乾燥することにより簡単に実行可能である。あるいは、アンカーしようとする種に特異的な固定化抗体を使用して、種を固相表面にアンカー可能である。表面は、あらかじめ調製され、そして保存可能である。
【0115】
アッセイを行うために、固定化種のパートナーは、試験化合物ありのまたはなしのコートされた表面に曝される。反応が完了した後に、非反応化合物を除去し(例えば、洗浄により)、そしていずれかの形成された複合体が固相表面上に固定化されて残るであろう。固相表面上にアンカーされた複合体の検出は、多くの方法により実行可能である。非固定化種があらかじめ標識されている場合、表面上に固定化された標識の検出は、複合体が形成されたことを示唆する。非固定化種があらかじめ標識されていない場合、間接標識を使用して表面上にアンカーされた複合体を検出可能であり;例えば、はじめの非固定化種に特異的な標識抗体を使用する(今度は、該抗体が直接的に標識され、または標識された抗Ig抗体で間接的に標識可能である)。反応成分の追加の順序に依存して、複合体形成を阻害するまたは複合体形成を崩壊する試験化合物が検出可能である。
【0116】
あるいは、反応は、試験化合物の存在下または非存在下の液相中で行われ、反応産物を非反応成分から分離し、そして複合体を検出し;例えば、溶液中で形成されたいずれかの複合体をアンカーするための結合成分の1つに特異的な固定化抗体、およびアンカーされた複合体を検出するための他のパートナーに特異的な標識抗体を使用する。再び、液相への反応物の添加の順序に依存して、複合体を阻害しまたはあらかじめ形成された複合体を崩壊する試験化合物を同定可能である。
【0117】
本発明の代わりの態様において、同種アッセイが使用可能である。このアプローチにおいて、TWEAK受容体またはリガンド遺伝子産物のあらかじめ形成された複合体は、TWEAK受容体またはリガンド遺伝子産物またはその結合パートナーのいずれかが標識されて調製されるが、標識により生成されたシグナルは複合体形成のために消される(例えば、免疫アッセイのためにこのアプローチを利用する、Rubensteinの米国特許4,109,496号を参照されたい)。実行された複合体と競合し、そして該複合体由来の種の1つを置き代える試験基質の添加は、上述の背景のシグナルの生成という結果となる。この方法において、TWEAK受容体またはリガンド遺伝子産物相互作用を崩壊する試験化合物を同定可能である。
【0118】
特定の態様において、TWEAK受容体またはリガンド遺伝子産物は、組換えDNA技術を使用して固定化のために調製可能である。例えば、TWEAK受容体のまたはリガンドのコード領域は、結果生じる融合タンパク質においてその結合活性が維持されるような方式で、pGEX−5X−1のような融合ベクターを使用して、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)遺伝子に融合可能である。当該技術分野で日常的に実施される方法を使用して、相互作用結合パートナーは精製され、そして使用され、そしてモノクローナル抗体を作ることが可能である。この抗体は、例えば当該技術分野で日常的に実施される方法により、放射性同位体〈125〉Iで標識可能である。異種アッセイにおいて、例えばGST−TWEAK受容体またはリガンド融合タンパク質を、グルタチオン−アガロースビーズにアンカー可能である。次いで、TWEAK受容体またはリガンド遺伝子産物は、相互作用および結合が生じることが可能な方式で、試験化合物の存在または非存在下で添加可能である。反応時間の終わりに、非結合材料を洗浄可能であり、そして標識モノクローナル抗体を該システムに添加し、そして複合体形成した成分に結合することが可能である。TWEAK受容体およびリガンド遺伝子産物間の相互作用は、グルタチオン−アガロースビーズに結合したまま残る放射活性の量を測定することにより検出可能である。試験化合物による相互作用の成功した阻害は、測定された放射活性の減少に帰着するであろう。
【0119】
あるいは、GST−TWEAK受容体遺伝子融合タンパク質およびTWEAKリガンド遺伝子産物(または、その逆)は、固相のグルタチオン−アガロースビーズの非存在下で液中で共に混合可能である。試験化合物は、種が相互作用できる間、またはその後のいずれかに追加可能である。次いで、この混合物をグルタチオン−アガロースビーズに添加可能であり、そして非結合材料は洗浄される。再び、TWEAK受容体−リガンド遺伝子産物相互作用の阻害の程度は、標識抗体を追加し、そしてビーズと結合した放射活性を測定することにより検出可能である。
【0120】
本発明のもう1つの態様において、これら同様の技術が、1つまたは両方の全長タンパク質の代わりに、TWEAK受容体および/またはリガンドタンパク質の結合ドメインに対応するペプチド断片を使用して、採用可能である。当該技術分野で日常的に実行される任意の数の方法を使用して、結合部位を同定しそして単離することが可能である。これらの方法は、限定はされないが、タンパク質の1つをコードする遺伝子の突然変異誘発、および免疫共沈アッセイにおける結合の崩壊のスクリーニングを含む。次いで、複合体における第二の種をコードする遺伝子の代償性突然変異が選択可能である。それぞれのタンパク質をコードする遺伝子の配列解析は、相互作用結合に関与するタンパク質の領域に対応する突然変異を明らかにするであろう。あるいは、あるタンパク質を本項目の上に記載した方法を使用して固相表面にアンカー可能であり、そしてトリプシンのようなタンパク質分解酵素で処理した、その標識された結合パートナーと相互作用しそして結合することができる。洗浄後、結合ドメインを含んでなる短い標識されたペプチドは固相材料と結合したままであることができ、それは単離され、そしてアミノ酸配列決定により同定可能である。また、部分をコードする遺伝子を遺伝子工学処理して、タンパク質のペプチド断片を発現させることができ、次いでそれを結合活性および精製または合成のために試験することができる。
【0121】
例えば、限定する目的ではないが、TWEAK受容体またはリガンド遺伝子産物は、GST−TWEAK受容体またはリガンド融合タンパク質を生成し、そしてグルタチオンアガロースビーズに結合可能にすることにより、本項目において上で記載したように固相材料にアンカー可能である。得られた相互作用結合パートナーは、〈35〉Sのような放射性同位体で標識可能であり、そしてトリプシンのようなタンパク質分解酵素で切断可能である。次いで、切断産物は、アンカーされたGST−TWEAK受容体融合タンパク質またはTWEAKリガンド融合タンパク質に添加することができ、そして結合可能である。非結合ペプチドの洗浄後、結合パートナー結合ドメインを表わす標識結合材料は、周知の方法により溶出され、精製され、そしてアミノ酸配列決定の解析が可能である。そのように同定されたペプチドは合成的に生成可能であり、または組換えDNA技術を使用して適切な容易にするタンパク質に結合可能である。
【0122】
インビボの本発明のTWEAK受容体−リガンド相互作用は、細胞または組織の標的群における血管形成を刺激するか阻害するかのいずれかであるカスケードの事象を開始する。核酸分子、タンパク質、または低分子のような分子は、今度はこのカスケードに影響を及ぼす。この方法でTWEAK受容体−リガンド相互作用効果を崩壊する化合物は、血管形成の調節に有用であり得る。
【0123】
TWEAK受容体−リガンド相互作用の血管形成または抗血管形成効果を干渉する化合物を同定するために使用されるアッセイシステムの基本原理は、TWEAK受容体およびリガンドが相互作用しそして結合し、よって複合体を形成することが可能なために十分な条件下および時間の間で、TWEAK受容体およびリガンドを含有する反応混合物を調製することを包含する。この相互作用の効果の阻害活性のための化合物を試験するために、反応混合物は試験化合物の存在下および非存在下において調製される。試験化合物ははじめ反応混合物中に含んでもよく、あるいはTWEAK受容体−リガンド複合体の添加に続く時間に添加してもよい。対照反応混合物は、試験化合物なしで、または偽薬と共にインキュベートされる。次いで、血管新生に対するTWEAK複合体のいずれかの効果の阻害または強化を検出する。試験化合物を含有する反応混合物中ではなく、対照反応における正常な血管形成応答は、化合物がTWEAK受容体−リガンド相互作用により開始されるカスケードの事象を干渉することを示唆する。試験化合物を含有する培養における増進した血管形成は、TWEAK受容体−リガンド複合体効果の刺激物質を示唆する。
【0124】
続く実施例は特定の態様を説明することを意図するものであり、そして本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例】
【0125】
実施例1
本実施例は、TWEAK受容体のクローニングおよび同定を示す。
TWEAK受容体cDNAの発現クローニング
TWEAK受容体cDNAをクローニングするために、ヒトTWEAKの増殖ホルモンリーダー、ロイシンジッパーマルチマー化ドメイン、およびC末端細胞外ドメインをコードする発現ベクター(Chicheporticheら、J.Biol.Chem.272(51):32401,1997を参照されたい)を構築した。pDC409−LZ−TWEAKと命名されたこの発現ベクターは、配列番号1のDNA配列を含んでなり、そして配列番号2のポリペプチドをコードする。pDC409−LZ−TWEAK馴化上清(conditioned supernatant)を、CV1−EBNA細胞に一過的にトランスフェクションすることにより産生した。ロイシンジッパーに対するマウスモノクローナル抗体とあらかじめインキュベートしたポリクローナルヤギ抗マウス抗体でコートした磁性ビーズと、これらの上清をインキュベートした。対照ビーズは、空ベクターでトランスフェクトした細胞からの上清でコートしたビーズを混合することにより生産した。
【0126】
T175フラスコ中で増殖した単層のCOS細胞を、HUVECのcDNA発現ライブラリーからの100,000の複雑性の15μgのDNAプールでトランスフェクトした。2日後、これらの細胞をフラスコから引き上げ、そして5%無脂肪乾燥ミルクを加えた1.5mlの結合培地中、回転装置ホイール上で3時間、4℃でインキュベートした。細胞を対照ビーズの添加により前清澄して、4℃でさらに45分間回転し、その後ビーズに結合した細胞を磁石で取り除いた。前清澄を2−3回繰り返し、次いでTWEAKコートビーズを細胞に添加し、そして30分間、4℃で回転した。細胞が結合したTWEAKビーズを、磁石を用いて分離し、そして4xPBS中で洗浄した。プラスミドDNAを0.1%SDS中で溶解することによってこれらの細胞から抽出し、そしてDH101B細胞中の上清をエレクトロポレーションした。コロニーをアンピシリン選択培地上で一晩増殖させた。形質転換体をプールし、そしてさらなるパニングの回のためにプラスミドDNAの供給源として使用した。2回のパニングの後、以下のパートBに記載するようなスライド結合プロトコルを使用してTWEAKに結合するそれらの能力に基づいて、結果生じたプールからポジティブクローンを選び取った。
【0127】
ヒトTWEAK受容体(TWEAKRとも呼ばれる)のcDNAが配列番号3の配列を有することを決定し、それは129残基のポリペプチドをコードした(配列番号4)。配列の検討により、およそ78アミノ酸の細胞外ドメイン(配列番号4の1−78番目の残基、シグナルペプチドを含む)、およそ23アミノ酸の膜貫通ドメイン(配列番号4の79−101番目の残基)、およびおよそ28アミノ酸の細胞内ドメイン(配列番号4の102−129番目の残基)を有するポリペプチドが予測される。TWEAKRは、最も小さい公知のTNF受容体ファミリーのメンバーである。他のTNF受容体ファミリーのメンバーの3−4繰り返しに比較して、それは細胞外ドメインに単一のシステインに富んだ繰り返し領域を有する。TWEAKRポリペプチドは、以前にヒト肝臓cDNAクローンによりコードされた膜貫通タンパク質として記載されたが(WO98/55508、WO99/61471もまた参照されたい)、TWEAK受容体として同定されなかった。マウスホモログのFGF−誘導可能(inducible) Fn14(Meighan−Manthaら J.Biol.Chem.274(46)33166,1999)は、図1の並列により示されたヒトタンパク質におよそ82%の同一性である。
【0128】
新たに同定されたTWEAK受容体を、TWEAKに結合する能力について、DR3(Marstersら、Current Biology8:525、1998によりTWEAK受容体として同定されている)と並べて試験した。
【0129】
B.TWEAKに結合するTWEAK受容体
COS細胞のスライドを、TWEAKR、DR3または挿入無しのベクター(対照)を含有する発現ベクターでトランスフェクトした。2日後、ロイシンジッパーTWEAK細胞外ドメイン融合タンパク質をコードするベクターでトランスフェクトしたCV−1細胞からの濃縮上清とインキュベートした。1時間後、細胞を洗浄し、そしてロイシンジッパードメインに対するI−125標識抗体で精査した(probe)。スライドを洗浄し、固定し、そしてX線フィルムを使用してオートラジオグラフィーを実行した。TWEAKRトランスフェクト細胞は、かなりの量のTWEAKに結合した。TWEAKは、DR3でトランスフェクトした細胞または対照細胞に結合しなかった。この実験は、DR3よりむしろ、上のパートAにおいて同定されたTWEAKRポリペプチドが、TWEAKの主要な受容体であることを確認した。機能的TWEAK受容体の発見の後、他の研究者もまた、DR3はTWEAKへの主要な受容体ではないと報告した(Kapteinら、FEBS Lett.,485(2−3):135,2000)。TWEAK−TWEAKR結合相互作用を、スキャッチャード解析によりさらに特徴付けた。
【0130】
CV−1細胞をヒト全長TWEAKでトランスフェクトし、そしてTWEAKを発現しないRaji細胞と1:30で混合した。該細胞を、125−I標識ヒトTWEAK受容体−Fcの連続希釈で、2時間、4℃でインキュベートした。フリーのおよび結合したプローブを、プラスチックチューブ中のファレート(Phalate)オイル混合物を通じて試料をマイクロフュージングする(microfuging)ことにより分離した。上清およびペレットをガンマ線カウントした。TWEAKリガンド結合TWEAK受容体のスキャッチャード解析は、およそ4.5x10−1の結合アフィニティー定数(Ka)を示した。
【0131】
C.TWEAK受容体は、心臓組織において強く発現する
TWEAK受容体の発現パターンを決定するために、ノーザンブロット解析を実行した。ヒト複数組織ノーザンブロットを、Clontech(カルフォリニア州パロアルト)から購入し、そしてTWEAK受容体コード領域からP−32標識ランダムプライム化DNAで精査した。ブロットを洗浄し、そしてX線フィルムを使用してオートラジオグラフィーを実行した。結果は、大人において、TWEAKRが心臓、胎盤、およびいくつかの骨格筋試料において発現するということを示した。心臓組織における強い発現が、心臓疾患の診断および治療におけるTWEAKRの有用性をさらに支持した。大人とは反対に、胎児の組織はTWEAKRをより普遍的に発現し;TWEAKR転写物が肺および肝臓において見られた。
【0132】
実施例2
本実施例は、可溶性TWEAK受容体Fc(TWEAKR−Fc)融合ポリペプチドの組換え産生を示す。
【0133】
Fcに融合したTWEAKR細胞外ドメインをコードする核酸を構築するために、リーダー(シグナルペプチド)を含む、TWEAKR由来のN末端79アミノ酸をコードする核酸を、ヒトIgG1由来のFc部分をコードする核酸に接合した。この構築体の配列を配列番号6(核酸)および配列番号7(アミノ酸)として示す。配列番号7において、1−27番目の残基は、予測されたシグナルペプチド(細胞から分泌される際に切断されることが予想される;実際の切断部位はN末端配列解析により同定された、以下を参照されたい)であり、28−79番目の残基は、システインに富んだTWEAKR細胞外ドメイン由来であり、80−81番目の残基はBglIIクローニング部位由来であり、そして残りはFc部分である。哺乳動物発現ベクター中に挿入し、そして哺乳動物宿主細胞において発現しそして哺乳動物宿主細胞から分泌する際に、この構築体はTWEAKR−Fcに指定されたポリペプチドを産生する。N末端配列解析は、TWEAKR−Fcに指定される分泌されたポリペプチドが、配列番号7の28番目の残基(Glu)に対応するN末端を有することを決定した。TWEAKR−Fcの抗血管形成活性は、続く実施例により記載されるもののようなアッセイを使用して実証された。Fc−融合構築体の類似体を、マウスTWEAKR細胞外ドメインを使用して調製した。
【0134】
実施例3
本実施例は、TWEAK受容体アンタゴニストの活性を測定するために有用な平面内皮細胞移動(創傷閉鎖)アッセイを示す。このアッセイにおいて、内皮細胞移動を、培養された細胞単層における円形創傷の閉鎖の比率として測定する。創傷閉鎖の比率は直線状であり、そしてインビボでの血管形成を刺激しそして阻害する剤により劇的に調節される。
【0135】
初代ヒト腎臓微小血管内皮細胞であるHRMECを単離し、培養し、そしてMartinら,In vitro Cell Dev Biol 33:261,1997に記載されるように、解凍後に3回継代で使用した。複製円形損傷である「創傷」(600−800ミクロンの直径)を、シリコン先端ドリルプレスを使用して集密HRMEC単層において生成した。創傷時に、培地(DMEM+1%BSA)を、20ng/ml PMA(フォルボール−12−ミリスチン酸−13−酢酸塩)、EGF(4ng/ml)、および0.150〜5μg/ml TWEAKR−Fc、または40ng/ml EGFおよび0.150〜5μg/mlTWEAKR−Fcの組み合わせで補った。残った創傷面積を、顕微鏡および画像解析ソフトウエア(Bioquant,テネシー州ナッシュビル)を使用して、機能時間(0−12時間)として測定した。相対的な移動比率を、時間とともにプロットされた残った創傷面積の直線回帰により、各剤のおよび剤の組み合わせについて計算した。結果を図2−3に示す。
【0136】
huIgGまたは培地+BSAに比較して、TWEAKR−Fcは用量に応答する方式でPMA誘導内皮移動を阻害し、5μg/mlで非刺激レベルに移動の比率を減じた(図2)。huIgGもTWEAKR−Fcも、基礎(非誘導性)移動を阻害しなかった。HRMEC移動がEGFにより誘導された時、TWEAKR−Fcは、用量依存的な方式で内皮移動を阻害し、5μg/mlで非刺激レベルに移動の比率を減じた(図3)。
【0137】
実施例4
本実施例は、TWEAK受容体アンタゴニストの活性を測定するために有用な、マウス角膜ポケットアッセイを示す。このアッセイにおいて、血管形成活性または抗血管形成活性について試験される剤は、ヒドロン(hydron)ペレット中に持続放出形態で固定され、それは麻酔されたマウスの角膜上皮に作られたマイクロポケット中に埋め込まれる。血管新生を、外見、密度、および通常の無血管の角膜中に、血管新生した角膜縁から内側に増殖した血管の範囲として測定する。
【0138】
Kenyonら,Invest Opthamol.& Visual Science37:1625,1996に記載されるように、ヒドロンペレットは、bFGF(90ng/ペレット)、bFGFおよびIgG(14μg/ペレット、対照)、またはbFGFおよびTWEAKR−Fc(14μg)とスクラルファートを取り込んだ。ペレットを、6−8週齢のオスC57BLマウスの後方角膜縁の中央1mmを顕微解剖により作った、角膜ストロママイクロポケット中に外科的に埋め込んだ。5日後、bFGFの新血管新生反応のピークに、ペレットを含有する線の極軸から35−50°の初期角で、Zeissスリットランプを使用して、角膜を写真撮影した。画像をデジタル化し、そして差し引きカラーフィルター(Adobe Photoshop 4.0)により処理し、ヘモグロビン含量により、確立した微小血管を線引きした。画像解析ソフトウエア(Bioquant,テネシー州ナッシュビル)を使用して、血管新生した角膜画像、血管新生した範囲中の血管密度、および全角膜中の血管密度の比を計算した。
【0139】
表1に示されるように、TWEAKR−Fc(100pmol)は、bFGF(3pmol)誘導角膜血管形成を阻害し、FGF単独またはFGF+IgGにより誘導される血管密度に対して50%減少した。
【0140】
表1
マウス角膜ポケットアッセイにおけるTWEAKR−FcのFGF誘導血管形成に対する効果
【0141】
【表1】

【0142】
実施例5
本実施例は、TWEAK受容体アンタゴニストの活性を測定するために有用な内皮細胞増殖アッセイを示す。このアッセイにおいて、カルセインAMと呼ばれる細胞標識分子を使用して、マイクロタイターウェル中の4日目の細胞増殖後に、内皮細胞増殖を測定する。細胞により発現したエステラーゼはカルセインを切断し、そして485nmで励起したときそれは蛍光を生じる。非切断カルセインは蛍光を発しない。蛍光の量は、直接的に培養ウェル中の内皮細胞の数に関係する。内皮細胞増殖は、インビボでの血管形成を刺激しおよび/または阻害する剤によりしばしば調節される。
【0143】
初代HUVEC(ヒト臍帯静脈内皮細胞)を商業的供給源(Clonetics,メリーランド州ウォーカーズビル)から入手し、培養し、そして2から7回の継代で使用した。0.05%FBS(ウシ胎児血清)を加えた内皮細胞基礎培地(EBM、増殖因子または血清を含有しない内皮細胞基礎培地であり、そしてコロラド大学のRichard Ham博士により開発された培地製剤に基づく,Clonetics)入りの各マイクロタイターウェルに3000HUVECを添加することにより、複製培養物をセットアップした。培養の開始の際に、FGF−2(線維芽細胞増殖因子−2,10ng/ml)またはヒトTWEAK(100ng/ml)を、0.08μg/mlから20μg/ml(TWEAK誘導については0.25から20μg/ml、そしてFGF−2誘導については0.08から6.7μg/ml)の範囲の濃度で、ヒトIgG(huIgG,対照)、またはヒトTWEAKR−Fcの存在下で加えた。HUVEC含有培養物を4日間、37℃、5%COでインキュベートした。培養4日目に、4μMカルセイン−AMを培養物に添加し、そして2時間後、ウェルを蛍光について評価した。SEMを加えたまたは引いた複製ウェルについて平均蛍光(485−530nm)カウントとして表わされた結果を図4および5に示す。
【0144】
TWEAK誘導増殖に影響しないhuIgGと比較して、TWEAKR−Fcは用量依存的な方式でTWEAK誘導HUVEC増殖を特異的に阻害した(図4)。加えて、TWEAKR−Fcは、そうでないhuIgGと比較して、0.05%FBSを加えたEBMにおける培養の間観察した、HUVECの基礎増殖を阻害した。興味深いことに、TWEAKR−Fcはまた、FGF−2誘導HUVEC増殖反応に影響しないhuIgGと比較して、2μg/ml以上の濃度でFGF−2仲介HUVEC増殖を阻害した(図5)。これらの結果は、TWEAKR−Fcが外因性組換えヒトTWEAKの添加により誘導されるHUVEC増殖を阻害することを示す。TWEAKR−Fcが部分的に血清誘導HUVEC増殖を阻害することは、HUVECがTWEAKRを介してEC(内皮細胞)の増殖/生存を促進する内因性TWEAKを産生することを示唆する。FGF−2誘導増殖のTWEAKR−Fc減弱は、少なくともFGF−2へのEC反応の一部は、内因性TWEAK/TWEAKR相互作用に依存していることを示唆する。
【0145】
実施例6
本実施例は、TWEAK受容体アンタゴニストの活性を測定するために有用な、マウス心臓の虚血/移植体モデルを示す。
【0146】
あるマウス提供者からもう1つの遺伝的に類似なマウスの耳の皮膚へ異所的に移植された心臓組織の生存は、生存および心筋機能のエネルギーを促進するために、移植された心臓および周辺の組織による十分な新血管新生を必要とする。移植部位での不十分な血管新生は、心臓の過度の虚血、組織損傷、および組織の移植の失敗を引き起こす。内皮細胞移動および血管形成に関与する因子をアンタゴナイズする剤は、移植部位での血管形成を減少可能であり、それにより移植組織の機能および究極的には移植自体を制限する。マウス異所心臓同種移植片モデルは、新血管新生に対する抗体およびTWEAKR−Fcを含むTWEAKRアンタゴニストの効果を実証するために使用される。
【0147】
メスBALB/c(およそ12週齢)被提供者は、同系統のマウス提供者から新生児心臓移植片を与えられる。提供者の心臓組織は、0日に被提供者の左耳の耳介に移植され、そしてマウスを2つのグループに分ける。対照グループはヒトIgG(Hu IgG)を、一方他のグループはTWEAKRアンタゴニストを、両方とも腹腔内に受ける。処置は5日間連続で続ける。移植片の機能性を、移植後7−14日での可視脈動仮性をモニターすることによって決定する。TWEAKRアンタゴニストの用量の機能として、機能性移植の阻害を決定する。移植された心臓の組織構造を、移植部位での浮腫ならびに宿主および提供者組織の血管構造に対するTWEAKRアンタゴニストの効果を可視化するために(例えば、因子VIII染色を使用して)検査する。
【0148】
実施例7
本実施例は、TWEAK受容体アンタゴニストでの腫瘍の治療の方法を示す。
TWEAKRアンタゴニストを、充実性腫瘍の動物モデルにおいて試験する。TWEAKRアンタゴニストの効果を、腫瘍の頻度および腫瘍増殖を測定することにより決定する。
【0149】
実施例8
本実施例は、例えばモノマー化およびマルチマー化TWEAKR−Fcオリゴマーのような、TWEAK結合分子の結合特性を決定するために有用なELISAに基づくアッセイを示す。本実施例のために、huTWEAKR:Fc(配列番号7)、ジ−TWEAKR:Fc(配列番号11)、トリ−TWEAKR:Fc(配列番号13)、およびTWEAKR:DR5:Fc(配列番号9)を使用した。
【0150】
96ウェルLINBRO(登録商標)/TITERTEKTM酵素免疫アッセイプレート(ICN Biochemical,オハイオ州オーロラ)を、PBS中の1mg/mlの濃度でTWEAKR:Fc(配列番号7)でコートし、プレートシーラーを適用し、そして4℃で一晩インキュベートした。各ウェルをPBST(PBS+0.1%TWEEN20;200μl/ウェル)で3回洗浄し、次いでPBST+3%無脂肪乾燥ミルク(NFDM)中で、1時間37℃でインキュベートした。
【0151】
別個の反応において、FLAGタグの付加したTWEAK(TWEAK−FLAG)を、50ng/mlのTWEAK−FLAGの最終濃度で96ウェルU底プレートにおいて、周辺温度で30分間、DMEM+0.5%低Ig血清中で、上述のTWEAKRポリペプチドのそれぞれでプレインキュベートし、そして各TWEAKRポリペプチドの最終濃度は、9,000から4ng/mlの3倍連続希釈であった。
【0152】
EIAプレートを、再びPBST+3%NFDMで3回洗浄した。50μl/ウェルのリガンド/受容体混合物を添加し、周辺温度で30分間インキュベートし、次いでPBST+3%NFDMで3回洗浄した。
【0153】
PBST+3%NFDM中で1:500に希釈したFLAG−M2ビオチン化抗体を、50μl/ウェルで添加し、45分間周辺温度でインキュベートし、PBST+3%NFDMで3回洗浄した。
【0154】
PBST+3%NFDM中で1:2000に希釈したSA−HRPを、50μl/ウェルで添加し、次いで45分間周辺温度でインキュベートした。
プレートを5回洗浄し、100μl/ウェルの3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン(TMB)を添加し、そしてプレートを周辺温度で5−20分間インキュベートした。
【0155】
反応を50μl/ウェルの1M HPOで停止し、そしてA450/570で吸光度を測定した。
【0156】
図6に示されるように、TWEAKR:Fcが最も弱い結合を示し、TWEAKR:DR5:Fc、次いでジ−TWEAKR:Fc(配列番号11)、次いでトリ−TWEAKR:Fc(配列番号13)と続いた。したがって、融合タンパク質が含む可溶性TWEAKRドメインが多いほど、そのTWEAKへの結合は強くなる。さらに、TWEAKR:Fcおよびジ−TWEAKR:Fc間の結合の違いにより示されるように、結合の増加は添加物以上であった。
【0157】
実施例9
本実施例は、例えばモノマー化およびマルチマー化TWEAKR−Fcオリゴマーのような、TWEAK結合分子の結合特性を決定するために有用な、ユーロピウム標識TWEAKR:Fcを使用した競合結合アッセイを示す。本実施例のために、huTWEAKR:Fc(配列番号7)、ジ−TWEAKR:Fc(配列番号11)、トリ−TWEAKR:Fc(配列番号13)、およびTWEAKR:DR5:Fc(配列番号9)を使用した。
【0158】
M2抗flag抗体を、0.1M NaHCO中で4μg/mlの濃度に希釈した。100μl/ウェルを、コート96ウェル平底プレートに使用した。プレートシーラーを適用し、そしてプレートを4℃で一晩インキュベートした。
【0159】
各ウェルをPBST(PBS+0.1%TWEEN20)で5回洗浄し、次いで200μl/ウェルのPBST+3%NFDMを添加した。プレートを1時間37℃でインキュベートし、次いでPBSTで5回洗浄した。
【0160】
FLAG−TWEAKをPBS中に50ng/mlに希釈し、そして100μl/ウェルで添加した。プレートを周辺温度で振盪しながら1時間インキュベートした。プレートをPBSTで5回以上洗浄した。
【0161】
非標識およびユーロピウム標識受容体を96ウェルU底プレート中で前混合し、ユーロピウム標識TWEAKRが35ng/mlの最終濃度となるようにPBST+3%NFDMで希釈し、非標識受容体の3倍希釈で9000−12ng/mlの最終濃度に希釈した。
【0162】
各ウェルに100μlの前混合受容体を添加した。プレートを1時間、周辺温度で、振盪しながらインキュベートし、次いでこれまでのように10回洗浄した。100μl/ウェルの増進溶液(enhancement solution)(Perkin Elmer,1244−105)を添加し、そしてプレートを振盪しながら5分間インキュベートした。Wallacプレートリーダーで、吸光度をA615で測定した。
【0163】
図7に示されるように、モノマー化TWEAKRは、TWEAKに結合するためのユーロピウム標識TWEAKR:Fcとの最も弱い競合能力を示し、ダイマー化TWEAKRおよびトリマー化TWEAKRと続いた。
【0164】
実施例10
本実施例は、例えばモノマー化およびマルチマー化TWEAKR−Fcオリゴマーのような、TWEAK結合分子の結合特性を決定するために有用な、ELISA型アッセイを示す。
【0165】
TWEAKR:Gly5:Fc(配列番号15)は、N末端メチオニン残基、TWEAK受容体の29番目の残基から70番目の残基、5つのグリシン残基、およびFc断片由来ペプチドを含んでなる融合タンパク質である。TWEAKR:1KPEG:Fc(配列番号17)は、N末端メチオニン残基、TWEAK受容体の29番目の残基から70番目の残基、リンカー、およびFc断片由来ペプチドを含んでなる融合タンパク質である。TWEAKR:1KPEG:TWEAKR:Gly5:Fc(配列番号18)は、N末端メチオニン残基、TWEAK受容体の29番目の残基から70番目の残基、リンカー、TWEAK受容体の29番目の残基から70番目の残基、5つのグリシン残基、およびFc断片由来ペプチドを含んでなる融合タンパク質である。TWEAKR:Gly5:TWEAKR:Gly5:Fc(配列番号19)は、N末端メチオニン残基、TWEAK受容体の29番目の残基から70番目の残基、5つのグリシン残基、TWEAK受容体の29番目の残基から70番目の残基、5つのグリシン残基、およびFc断片由来ペプチドを含んでなる融合タンパク質である。
【0166】
実施例8に記載されるものに類似のELISA型アッセイを使用して、モノマー化オリゴマー(TWEAKR:Gly5:FcおよびTWEAKR:1KPEG:Fc)が同じくらいにTWEAKに結合するが、ダイマー化オリゴマー構築物(TWEAKR:1KPEG:TWEAKR:Gly5:FcおよびTWEAKR:Gly5:TWEAKR:Gly5:Fc)よりも弱いことを決定した(図8)。
【0167】
実施例11
本実施例は、huTWEAKR:Fc(配列番号7)、TWEAKR40モノ−3(配列番号21)、TWEAKR40ダイマー−1(配列番号23)、TWEAKR40トリマー−5(配列番号25)、TWEAKR40クオド(quad)−2(配列番号27)、TWEAKR40クイント(quint)−1(配列番号29)、TWEAKR43モノ−F4(配列番号31)、TWEAKR43ダイマー−F2(配列番号33)、TWEAKR43トリマー−1(配列番号35)、TWEAKR43クオド−2(配列番号37)、TWEAKR43クイント−3(配列番号39)、TWEAKR43ヘックス(hex)−1(配列番号41)、およびTWEAKR43セプト(sept)−1(配列番号43)を使用する、ELISAに基づくTWEAK結合アッセイの結果を示す。洗浄緩衝液からBSAの存在を省略したことを除いては、実施例8に記載のプロトコルを使用した。結果を図9−12に示す。
【0168】
実施例12
本実施例は、実施例9に記載されるユーロピウム標識TWEAKR:Fcを使用した競合結合アッセイの結果を示す。本実施例においては、huTWEAKR:Fc(配列番号7)、TWEAKR40モノ−3(配列番号21)、TWEAKR40ダイマー−1(配列番号23)、TWEAKR40トリマー−5(配列番号25)、TWEAKR40クオド(quad)−2(配列番号27)、TWEAKR40クイント(quint)−1(配列番号29)、TWEAKR43モノ−F4(配列番号31)、TWEAKR43ダイマー−F2(配列番号33)、TWEAKR43トリマー−1(配列番号35)、TWEAKR43クオド−2(配列番号37)、TWEAKR43クイント−3(配列番号39)、TWEAKR43ヘックス(hex)−1(配列番号41)、およびTWEAKR43セプト(sept)−1(配列番号43)を使用した。結果を図13および14に示す。
【0169】
本明細書に引用される文献の関連ある開示は、参照により特に取り込まれる。以上の実施例は、本発明の範囲を網羅することまたは限定することを意図するものではない。当業者は、以上の教示に照らして修飾および変化の可能性があり、そのような修飾および変化は本発明の範囲内であることを意図しているを理解するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0170】
【図1】図1は、ヒトおよびマウスTWEAK受容体ポリペプチド配列の配列並列を示す。上段配列がマウスTWEAK受容体ポリペプチド(配列番号5)であり、そして下段配列がヒトTWEAK受容体ポリペプチド(配列番号4)である。
【図2】図2は、TWEAKR−FcのPMA誘導HRMEC創傷閉鎖への効果を示す。
【図3】図3は、TWEAKR−FcのEGF誘導HRMEC創傷閉鎖への効果を示す。
【図4】図4は、ヒトTWEAKR−FcのTWEAK誘導(100ng/ml)HUVEC増殖への効果を示す。
【図5】図5は、ヒトTWEAKR−FcのFGF−2誘導(10ng/ml)HUVEC増殖への効果を示す。
【図6】図6は、TWEAKR:Fc(配列番号7;「モノマー」)、TWEAKR:DR5:Fc(配列番号9、「DR5」)、ジ−TWEAKR:Fc(配列番号11、「ダイマー」)、およびトリ−TWEAKR:Fc(配列番号13、「トリマー」)の、ELISA結合アッセイにおけるTWEAK−FLAGへの結合を示す。
【図7】図7は、TWEAKR:Fc(配列番号7;「hu+eu」)、TWEAKR:DR5:Fc(配列番号9、「DR5+eu」)、ジ−TWEAKR:Fc(配列番号11、「di+eu」)、およびトリ−TWEAKR:Fc(配列番号13、「tri+eu」)の、競合結合アッセイにおけるTWEAKへ結合するためのユーロピウム標識TWEAKRとの競合の能力を示す。
【図8】図8は、TWEAKR:Gly5:Fc(配列番号15;黒丸)、TWEAKR:1KPEG:Fc(配列番号17、アスタリスク)、TWEAKR:1KPEG:TWEAKR:Gly5:Fc(配列番号18;黒三角)、およびTWEAKR:Gly5:TWEAKR:Gly5:Fc(配列番号19;白丸)の、ELISA型アッセイを使用したTWEAKへの結合を示す。
【図9】図9は、huTWEAKR:Fc(配列番号7)(黒四角)、TWEAKR43モノマー(配列番号31)(白四角)、TWEAKR43ダイマー(配列番号33)(白三角)、TWEAKR43トリマー(配列番号35)(クロス)、TWEAKRテトラマー(配列番号37)(白ダイヤモンド)、およびTWEAKR43ペンタマー(配列番号39)(白丸)を使用した、50ng/mlでの可溶性TWEAKに結合するTweakR−Fcオリゴマーの比較を示す。
【図10】図10は、TWEAKR43テトラマー(配列番号37)(白ダイヤモンド)、TWEAKR43ペンタマー(配列番号39)(白丸)、TWEAKR43ヘキサマー(配列番号41)(白三角)、およびTWEAKR43ヘプタマー(配列番号43)(アスタリスク)を使用した、50ng/mlでの可溶性TWEAKに結合するTweakR−Fcオリゴマーの比較を示す。
【図11】図11は、CHO TANDEM(配列番号19、安定的にトランスフェクションされたCHO細胞において発現する)、TWEAKR43ペンタマー(配列番号39)(白丸)、TWEAKR43ヘキサマー(配列番号41)(白三角)、およびTWEAKR43ヘプタマー(配列番号43)(アスタリスク)を使用した、33ng/mlでの可溶性TWEAKに結合するTweakR−Fcオリゴマーの比較を示す。
【図12】図12は、huTWEAKR:Fc(配列番号7)(黒四角)、TWEAKR40モノマー(配列番号21)(白四角)、TWEAKR40ダイマー(配列番号23)(白三角)、TWEAKR40トリマー(配列番号25)(クロス)、TWEAKR40テトラマー(配列番号27)(白ダイヤモンド)、およびTWEAKR40ペンタマー(配列番号29)(白丸)を使用した、50ng/mlでの可溶性TWEAKに結合するTweakR−Fcオリゴマーの比較を示す。
【図13】図13は、huTWEAKR:Fc(配列番号7)(黒四角)、TWEAKR40モノマー(配列番号21)(白四角)、TWEAKR40ダイマー(配列番号23)(白三角)、TWEAKR40トリマー(配列番号25)(クロス)、TWEAKR40テトラマー(配列番号27)(白ダイヤモンド)、およびTWEAKR40ペンタマー(配列番号29)(白丸)を使用した、50ng/mlでの固定化TWEAKに結合するTweakR−Fc対ユーロピウムTweakRの比較を示す。
【図14】図14は、huTWEAKR:Fc(配列番号7)(黒四角)、TWEAKR43モノマー(配列番号31)(白四角)、TWEAKR43ダイマー(配列番号33)(白三角)、TWEAKR43トリマー(配列番号35)(クロス)、TWEAKR43テトラマー(配列番号37)(白ダイヤモンド)、TWEAKR43ペンタマー(配列番号39)(白丸)、TWEAKR43ヘキサマー(配列番号41)(垂直線)、およびTWEAKR43ヘプタマー(配列番号43)(アスタリスク)を使用した、50ng/mlでの固定化TWEAKに結合するTweakR−Fc対ユーロピウムTweakRの比較を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
TWEAK受容体の第一可溶性断片、TWEAK受容体の第二可溶性断片、およびオリゴマー化ドメインを含んでなるポリペプチドであって、前記ポリペプチドがTWEAKに結合し、そして前記第一可溶性断片が
a.配列番号7のアミノ酸配列の29番目の残基から70番目の残基
b.配列番号7のアミノ酸配列の28番目の残基から79番目の残基
c.配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から73番目の残基;および
d.配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から70番目の残基
からなる群より選択される配列と少なくとも90%同一である配列からなる、前記ポリペプチド。
【請求項2】
前記第一可溶性断片が
a.配列番号7のアミノ酸配列の29番目の残基から70番目の残基
b.配列番号7のアミノ酸配列の28番目の残基から79番目の残基
c.配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から73番目の残基;および
d.配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から70番目の残基
からなる群より選択される配列と少なくとも95%同一である配列からなる、請求項1のポリペプチド。
【請求項3】
前記第一可溶性断片が
a.配列番号7のアミノ酸配列の29番目の残基から70番目の残基
b.配列番号7のアミノ酸配列の28番目の残基から79番目の残基
c.配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から73番目の残基;および
d.配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から70番目の残基
からなる群より選択される配列からなる、請求項2のポリペプチド。
【請求項4】
前記第一可溶性断片および前記第二可溶性断片が、それぞれ独立に
a.配列番号7のアミノ酸配列の29番目の残基から70番目の残基
b.配列番号7のアミノ酸配列の28番目の残基から79番目の残基
c.配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から73番目の残基;および
d.配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から70番目の残基
からなる群より選択される配列と少なくとも90%同一である配列からなる、請求項1のポリペプチド。
【請求項5】
前記第一可溶性断片および前記第二可溶性断片が、それぞれ独立に
a.配列番号7のアミノ酸配列の29番目の残基から70番目の残基
b.配列番号7のアミノ酸配列の28番目の残基から79番目の残基
c.配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から73番目の残基;および
d.配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から70番目の残基
からなる群より選択される配列と少なくとも95%同一である配列からなる、請求項4のポリペプチド。
【請求項6】
前記第一可溶性断片および前記第二可溶性断片が、それぞれ独立に
a.配列番号7のアミノ酸配列の29番目の残基から70番目の残基
b.配列番号7のアミノ酸配列の28番目の残基から79番目の残基
c.配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から73番目の残基;および
d.配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から70番目の残基
からなる群より選択される配列からなる、請求項5のポリペプチド。
【請求項7】
TWEAK受容体の第三可溶性断片をさらに含んでなる、請求項1のポリペプチド。
【請求項8】
前記第一可溶性断片、第二可溶性断片、および第三可溶性断片が、それぞれ独立に
a.配列番号7のアミノ酸配列の29番目の残基から70番目の残基
b.配列番号7のアミノ酸配列の28番目の残基から79番目の残基
c.配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から73番目の残基;および
d.配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から70番目の残基
からなる群より選択される配列と少なくとも90%同一である配列からなる、請求項7のポリペプチド。
【請求項9】
前記第一可溶性断片、第二可溶性断片、および第三可溶性断片が、それぞれ独立に
a.配列番号7のアミノ酸配列の29番目の残基から70番目の残基
b.配列番号7のアミノ酸配列の28番目の残基から79番目の残基
c.配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から73番目の残基;および
d.配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から70番目の残基
からなる群より選択される配列と少なくとも95%同一である配列からなる、請求項8のポリペプチド。
【請求項10】
前記第一可溶性断片、第二可溶性断片、および第三可溶性断片が、それぞれ独立に
a.配列番号7のアミノ酸配列の29番目の残基から70番目の残基
b.配列番号7のアミノ酸配列の28番目の残基から79番目の残基
c.配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から73番目の残基;および
d.配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から70番目の残基
からなる群より選択される配列からなる、請求項9のポリペプチド。
【請求項11】
TWEAK受容体の第四可溶性断片をさらに含んでなる、請求項7のポリペプチド。
【請求項12】
前記第一可溶性断片、第二可溶性断片、第三可溶性断片、および第四可溶性断片が、それぞれ独立に
a.配列番号7のアミノ酸配列の29番目の残基から70番目の残基
b.配列番号7のアミノ酸配列の28番目の残基から79番目の残基
c.配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から73番目の残基;および
d.配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から70番目の残基
からなる群より選択される配列と少なくとも90%同一である配列からなる、請求項11のポリペプチド。
【請求項13】
前記第一可溶性断片、第二可溶性断片、第三可溶性断片、および第四可溶性断片が、それぞれ独立に
a.配列番号7のアミノ酸配列の29番目の残基から70番目の残基
b.配列番号7のアミノ酸配列の28番目の残基から79番目の残基
c.配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から73番目の残基;および
d.配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から70番目の残基
からなる群より選択される配列と少なくとも95%同一である配列からなる、請求項12のポリペプチド。
【請求項14】
前記第一可溶性断片、第二可溶性断片、第三可溶性断片、および第四可溶性断片が、それぞれ独立に
a.配列番号7のアミノ酸配列の29番目の残基から70番目の残基
b.配列番号7のアミノ酸配列の28番目の残基から79番目の残基
c.配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から73番目の残基;および
d.配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から70番目の残基
からなる群より選択される配列からなる、請求項13のポリペプチド。
【請求項15】
TWEAK受容体の第五可溶性断片をさらに含んでなる、請求項11のポリペプチド。
【請求項16】
前記第一可溶性断片、第二可溶性断片、第三可溶性断片、第四可溶性断片、および第五可溶性断片が、それぞれ独立に
a.配列番号7のアミノ酸配列の29番目の残基から70番目の残基
b.配列番号7のアミノ酸配列の28番目の残基から79番目の残基
c.配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から73番目の残基;および
d.配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から70番目の残基
からなる群より選択される配列と少なくとも90%同一である配列からなる、請求項15のポリペプチド。
【請求項17】
前記第一可溶性断片、第二可溶性断片、第三可溶性断片、第四可溶性断片、および第五可溶性断片が、それぞれ独立に
a.配列番号7のアミノ酸配列の29番目の残基から70番目の残基
b.配列番号7のアミノ酸配列の28番目の残基から79番目の残基
c.配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から73番目の残基;および
d.配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から70番目の残基
からなる群より選択される配列と少なくとも95%同一である配列からなる、請求項16のポリペプチド。
【請求項18】
前記第一可溶性断片、第二可溶性断片、第三可溶性断片、第四可溶性断片、および第五可溶性断片が、それぞれ独立に
a.配列番号7のアミノ酸配列の29番目の残基から70番目の残基
b.配列番号7のアミノ酸配列の28番目の残基から79番目の残基
c.配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から73番目の残基;および
d.配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から70番目の残基
からなる群より選択される配列からなる、請求項17のポリペプチド。
【請求項19】
TWEAK受容体の第六可溶性断片をさらに含んでなる、請求項15のポリペプチド。
【請求項20】
前記第一可溶性断片、第二可溶性断片、第三可溶性断片、第四可溶性断片、第五可溶性断片、および第六可溶性断片が、それぞれ独立に
a.配列番号7のアミノ酸配列の29番目の残基から70番目の残基
b.配列番号7のアミノ酸配列の28番目の残基から79番目の残基
c.配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から73番目の残基;および
d.配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から70番目の残基
からなる群より選択される配列と少なくとも90%同一である配列からなる、請求項19のポリペプチド。
【請求項21】
前記第一可溶性断片、第二可溶性断片、第三可溶性断片、第四可溶性断片、第五可溶性断片、および第六可溶性断片が、それぞれ独立に
a.配列番号7のアミノ酸配列の29番目の残基から70番目の残基
b.配列番号7のアミノ酸配列の28番目の残基から79番目の残基
c.配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から73番目の残基;および
d.配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から70番目の残基
からなる群より選択される配列と少なくとも95%同一である配列からなる、請求項20のポリペプチド。
【請求項22】
前記第一可溶性断片、第二可溶性断片、第三可溶性断片、第四可溶性断片、第五可溶性断片、および第六可溶性断片が、それぞれ独立に
a.配列番号7のアミノ酸配列の29番目の残基から70番目の残基
b.配列番号7のアミノ酸配列の28番目の残基から79番目の残基
c.配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から73番目の残基;および
d.配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から70番目の残基
からなる群より選択される配列からなる、請求項21のポリペプチド。
【請求項23】
TWEAK受容体の第七可溶性断片をさらに含んでなる、請求項19のポリペプチド。
【請求項24】
前記第一可溶性断片、第二可溶性断片、第三可溶性断片、第四可溶性断片、第五可溶性断片、第六可溶性断片、および第七可溶性断片が、それぞれ独立に
a.配列番号7のアミノ酸配列の29番目の残基から70番目の残基
b.配列番号7のアミノ酸配列の28番目の残基から79番目の残基
c.配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から73番目の残基;および
d.配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から70番目の残基
からなる群より選択される配列と少なくとも90%同一である配列からなる、請求項23のポリペプチド。
【請求項25】
前記第一可溶性断片、第二可溶性断片、第三可溶性断片、第四可溶性断片、第五可溶性断片、第六可溶性断片、および第七可溶性断片が、それぞれ独立に
a.配列番号7のアミノ酸配列の29番目の残基から70番目の残基
b.配列番号7のアミノ酸配列の28番目の残基から79番目の残基
c.配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から73番目の残基;および
d.配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から70番目の残基
からなる群より選択される配列と少なくとも95%同一である配列からなる、請求項24のポリペプチド。
【請求項26】
前記第一可溶性断片、第二可溶性断片、第三可溶性断片、第四可溶性断片、第五可溶性断片、第六可溶性断片、および第七可溶性断片が、それぞれ独立に
a.配列番号7のアミノ酸配列の29番目の残基から70番目の残基
b.配列番号7のアミノ酸配列の28番目の残基から79番目の残基
c.配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から73番目の残基;および
d.配列番号7のアミノ酸配列の30番目の残基から70番目の残基
からなる群より選択される配列からなる、請求項25のポリペプチド。
【請求項27】
リンカーをさらに含んでなる、請求項1のポリペプチド。
【請求項28】
前記リンカーが、前記第一可溶性TWEAKR断片と前記第二可溶性TWEAKR断片を接合する、請求項27のポリペプチド。
【請求項29】
前記リンカーが、前記第二可溶性TWEAKR断片と前記オリゴマー化ドメインを接合する、請求項27のポリペプチド。
【請求項30】
第一リンカーおよび第二リンカーをさらに含んでなり、ここで前記第一リンカーは前記第一可溶性TWEAKR断片と前記第二可溶性TWEAKR断片を接合し、そして前記第二リンカーは前記第二可溶性TWEAKR断片と前記オリゴマー化ドメインを接合する、請求項1のポリペプチド。
【請求項31】
前記リンカーがアミノ酸配列GGGGG(配列番号45)を含んでなる、請求項27のポリペプチド。
【請求項32】
前記第一可溶性断片および前記第二可溶性断片が、介在ポリペプチド配列なしに共に接合する、請求項1のポリペプチド。
【請求項33】
前記第一可溶性断片および前記オリゴマー化ドメインが、介在ポリペプチド配列なしに共に接合する、請求項1のポリペプチド。
【請求項34】
前記第一可溶性断片、前記第二可溶性断片、および前記オリゴマー化ドメインが介在ポリペプチド配列なしに、直鎖状で連続しているポリペプチドにおいて共に接合する、請求項1のポリペプチド。
【請求項35】
前記オリゴマー化ドメインが、前記第一可溶性TWEAKR断片および前記第二可溶性TWEAKR断片のN末端である、請求項1のポリペプチド。
【請求項36】
前記オリゴマー化ドメインが、前記第一可溶性TWEAKR断片および前記第二可溶性TWEAKR断片のC末端である、請求項1のポリペプチド。
【請求項37】
前記オリゴマー化ドメインがロイシンジッパーを含んでなる、請求項1のポリペプチド。
【請求項38】
前記オリゴマー化ドメインが抗体の断片を含んでなる、請求項1のポリペプチド。
【請求項39】
前記抗体の断片がFcドメインを含んでなる、請求項38のポリペプチド。
【請求項40】
a)配列番号9
b)配列番号11
c)配列番号13
d)配列番号15
e)配列番号17
f)配列番号18
g)配列番号19
h)配列番号21
i)配列番号23
j)配列番号25
k)配列番号27
l)配列番号29
m)配列番号31
n)配列番号33
o)配列番号35
p)配列番号37
q)配列番号39
r)配列番号41
s)配列番号43;および
t)配列番号44
からなる群より選択される配列と少なくとも90%同一である配列を含んでなる、請求項1のポリペプチド。
【請求項41】
a)配列番号9
b)配列番号11
c)配列番号13
d)配列番号15
e)配列番号17
f)配列番号18
g)配列番号19
h)配列番号21
i)配列番号23
j)配列番号25
k)配列番号27
l)配列番号29
m)配列番号31
n)配列番号33
o)配列番号35
p)配列番号37
q)配列番号39
r)配列番号41
s)配列番号43;および
t)配列番号44
からなる群より選択される配列と少なくとも95%同一である配列を含んでなる、請求項40のポリペプチド。
【請求項42】
a)配列番号9
b)配列番号11
c)配列番号13
d)配列番号15
e)配列番号17
f)配列番号18
g)配列番号19
h)配列番号21
i)配列番号23
j)配列番号25
k)配列番号27
l)配列番号29
m)配列番号31
n)配列番号33
o)配列番号35
p)配列番号37
q)配列番号39
r)配列番号41
s)配列番号43;および
t)配列番号44
からなる群より選択される配列を含んでなる、請求項41のポリペプチド。
【請求項43】
請求項1の第一ポリペプチドおよび請求項1の第二ポリペプチドを含んでなるタンパク質であって、前記第一および第二ポリペプチドが互いにオリゴマー化している、前記タンパク質。
【請求項44】
前記第一ポリペプチドのアミノ酸配列が前記第二ポリペプチドのアミノ酸配列と同一である、請求項43のタンパク質。
【請求項45】
前記第一ポリペプチドのアミノ酸配列が前記第二ポリペプチドのアミノ酸配列と同一でない、請求項43のタンパク質。
【請求項46】
対象中のTWEAK受容体を阻害する方法であって、前記対象に請求項1のポリペプチドを投与することを含んでなる、前記方法。
【請求項47】
対象中の血管形成を阻害する方法であって、前記対象に請求項1のポリペプチドを含んでなる組成物の治療上の有効量を投与することを含んでなる、前記方法。
【請求項48】
前記組成物が医薬的に許容できる担体をさらに含んでなる、請求項47の方法。
【請求項49】
前記対象が哺乳動物である、請求項47の方法。
【請求項50】
前記哺乳動物がヒトである、請求項49の方法。
【請求項51】
前記対象が血管形成により仲介されまたは悪化した疾患または状態を有する、請求項47の方法。
【請求項52】
前記疾患または状態が眼の新血管新生により特徴付けられる、請求項51の方法。
【請求項53】
前記疾患または状態が充実性腫瘍である、請求項51の方法。
【請求項54】
放射線で前記対象を治療することをさらに含んでなる、請求項53の方法。
【請求項55】
第二化学療法剤で前記対象を治療することをさらに含んでなる、請求項53の方法。
【請求項56】
前記第二化学療法剤が、アルキル化剤、代謝拮抗剤、ビンカアルカロイド、植物由来化学療法剤、ニトロソウレア、抗腫瘍抗生物質、抗腫瘍酵素、トポイソメラーゼ阻害剤、プラチナ類似体、副腎皮質抑制剤、ホルモン、ホルモンアゴニスト、ホルモンアンタゴニスト、抗体、免疫療法剤、血球因子、放射線療法剤、および生物学的応答修飾剤からなる群より選択される、請求項55の方法。
【請求項57】
前記第二化学療法剤が、シスプラチン、シクロホスファミド、メクロレタミン、メルファラン、ブレオマイシン、カルボプラチン、フルオロウラシル、5−フルオロデオキシウリジン、メトトレキセート、タキソール、アスパラギナーゼ、ビンクリスチン、ビンブラスチン、リンホカイン、サイトカイン、インターロイキン、インターフェロン、アルファインターフェロン、ベータインターフェロン、デルタインターフェロン、TNF、クロラムブシル、ブスルファン、カルムスチン、ロムスチン、セムスチン、ストレプトゾシン、ダカルバジン、シタラビン、メルカプトプリン、チオグアニン、ビンデシン、エトポシド、テニポシド、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、ブレオマイシン、プリカマイシン、マイトマイシン、Lアスパラギナーゼ、ヒドロキシウレア、メチルヒドラジン、ミトタン、タモキシフェン、およびフルオキシメステロンからなる群より選択される、請求項55の方法。
【請求項58】
前記疾患または状態が炎症性疾患または状態である、請求項51の方法。
【請求項59】
第二療法剤で前記対象を治療することをさらに含んでなる、請求項58の方法。
【請求項60】
前記第二療法剤が炎症を促進するサイトカインまたはサイトカイン受容体を阻害する、請求項59の方法。
【請求項61】
前記第二療法剤が前記サイトカイン受容体の可溶性断片、前記サイトカインに結合する抗体、または前記サイトカイン受容体に結合する抗体を含んでなる、請求項60の方法。
【請求項62】
前記第二療法剤が炎症を阻害する受容体を活性化する、請求項59の方法。
【請求項63】
前記第二療法剤が、Flt3リガンド、CD40リガンド、インターロイキン−2、インターロイキン−4アンタゴニスト、IL−13アンタゴニスト、インターロイキン−12、4−1BBリガンド、抗4−1BB抗体、TNFアンタゴニスト、TNF受容体アンタゴニスト、TRAIL、CD148アゴニスト、VEGFアンタゴニスト、VEGF受容体アンタゴニスト、IgEアンタゴニスト、およびTekアンタゴニストからなる群より選択される、請求項59の方法。
【請求項64】
請求項1の前記ポリペプチドをコードする配列を含んでなる、核酸またはその相補体。
【請求項65】
前記核酸またはその相補体が中程度にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で第二核酸にハイブリダイズし、そして前記第二核酸が、
a)配列番号10
b)配列番号12
c)配列番号14
d)配列番号16
e)配列番号20
f)配列番号22
g)配列番号24
h)配列番号26
i)配列番号28
j)配列番号30
k)配列番号32
l)配列番号34
m)配列番号36
n)配列番号38
o)配列番号40;および
p)配列番号42
からなる群より選択される配列を含んでなる、請求項64の方法。
【請求項66】
前記核酸またはその相補体が、
a)配列番号10
b)配列番号12
c)配列番号14
d)配列番号16
e)配列番号20
f)配列番号22
g)配列番号24
h)配列番号26
i)配列番号28
j)配列番号30
k)配列番号32
l)配列番号34
m)配列番号36
n)配列番号38
o)配列番号40;および
p)配列番号42
からなる群より選択される配列に少なくとも90%同一である配列を含んでなる、請求項64の方法。
【請求項67】
前記核酸またはその相補体が、
a)配列番号10
b)配列番号12
c)配列番号14
d)配列番号16
e)配列番号20
f)配列番号22
g)配列番号24
h)配列番号26
i)配列番号28
j)配列番号30
k)配列番号32
l)配列番号34
m)配列番号36
n)配列番号38
o)配列番号40;および
p)配列番号42
からなる群より選択される配列に少なくとも95%同一である配列を含んでなる、請求項66の方法。
【請求項68】
前記核酸またはその相補体が、
a)配列番号10
b)配列番号12
c)配列番号14
d)配列番号16
e)配列番号20
f)配列番号22
g)配列番号24
h)配列番号26
i)配列番号28
j)配列番号30
k)配列番号32
l)配列番号34
m)配列番号36
n)配列番号38
o)配列番号40;および
p)配列番号42
からなる群より選択される配列を含んでなる、請求項67の方法。
【請求項69】
前記核酸が、
a)配列番号9
b)配列番号11
c)配列番号13
d)配列番号15
e)配列番号17
f)配列番号18
g)配列番号19
h)配列番号21
i)配列番号23
j)配列番号25
k)配列番号27
l)配列番号29
m)配列番号31
n)配列番号33
o)配列番号35
p)配列番号37
q)配列番号39
r)配列番号41
s)配列番号43;および
t)配列番号44
からなる群より選択されるポリペプチド配列をコードする、請求項64の方法。
【請求項70】
請求項64の前記核酸を含んでなる、ベクター。
【請求項71】
前記ベクターが発現ベクターである、請求項70のベクター。
【請求項72】
請求項64の前記核酸を含んでなる、宿主細胞。
【請求項73】
ポリペプチドを産生する方法であって、前記ポリペプチドの発現を促進する条件下で請求項72の宿主細胞を培養することを含んでなる、前記方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2007−527224(P2007−527224A)
【公表日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−521292(P2006−521292)
【出願日】平成16年7月23日(2004.7.23)
【国際出願番号】PCT/US2004/023904
【国際公開番号】WO2005/010045
【国際公開日】平成17年2月3日(2005.2.3)
【出願人】(500203709)アムジェン インコーポレイテッド (76)
【Fターム(参考)】