説明

UCP−1産生促進剤、UCP−2産生促進剤、脂肪燃焼促進剤、及び脂肪蓄積抑制剤

【課題】優れた作用を有し、安全性、環境性、及び生産性に優れた、UCP−1産生促進剤、UCP−2産生促進剤、脂肪燃焼促進剤、及び脂肪蓄積抑制剤の提供。
【解決手段】3−ヒドロキシメチル−7−メチルオクタ−1,6−ジエン−3−オール、3−メチレン−7−メチル−6−オクタン−1,2−ジオール、α−E−アカリジオール、及びα−Z−アカリジオールの少なくともいずれかを含有するUCP−1産生促進剤、3−ヒドロキシメチル−7−メチルオクタ−1,6−ジエン−3−オール、3−メチレン−7−メチル−6−オクタン−1,2−ジオール、α−E−アカリジオール、及びα−Z−アカリジオールの少なくともいずれかを含有するUCP−2産生促進剤、前記UCP−1産生促進剤、及び前記UCP−2産生促進剤の少なくともいずれかを含有する脂肪燃焼促進剤、並びに、3−メチレン−7−メチル−6−オクタン−1,2−ジオールを含有する脂肪蓄積抑制剤である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、UCP−1産生促進剤、UCP−2産生促進剤、脂肪燃焼促進剤、及び脂肪蓄積抑制剤に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、日本人の食生活の高カロリー化が進み、脂肪の摂取割合が高くなっていることが問題視されている。脂肪の過剰摂取は、肥満ばかりでなく、糖尿病、心筋梗塞、脳梗塞等の疾病を引き起こす恐れもある。脂肪の過剰摂取により蓄積される脂肪、特に内臓脂肪は、単にエネルギーとして蓄積されるだけではなく、血管に障害をもたらす生理活性物質を分泌することが知られており、これにより、動脈硬化等が引き起こされる恐れがある。
【0003】
このような肥満や肥満に伴う各種疾病を予防するためには、食事等により摂取された脂肪や、体脂肪として蓄積された脂肪の燃焼を促進することが有効であると考えられる。
【0004】
ヒトを含む哺乳類の脂肪組織は、主に白色脂肪組織と褐色脂肪組織から構成される。脂肪細胞にはATPを産生するミトコンドリアが存在し、そのミトコンドリア内膜に脱共役タンパク質(UCP)が存在する。UCPは、中性脂肪を燃焼させる働きをもつことが知られており、具体的には、交感神経の働きでATPの合成を伴わずに、脂肪酸等基質の酸化を著しく亢進させ、熱産生を活性化する。UCPの中でも、UCP−1は体温調節に関与すると考えられている褐色脂肪組織に存在し、UCP−2は骨格筋や白色脂肪等ほぼすべての組織に存在する。また、白色脂肪組織でのUCP−1の遺伝子発現は、褐色脂肪組織と比較して低レベルであると報告されていたが、最近の研究では、ヒト白色脂肪組織におけるUCP−1の遺伝子発現が脂肪酸酸化の亢進や肥満を抑制する方向へ導くと予想される。
【0005】
従来、脂肪を燃焼させる作用を有し、UCP−2の遺伝子発現を亢進させるものとして、ジアシルグリセロールが知られている(特許文献1及び2参照)。
【0006】
しかしながら、安全性、環境性及び生産性に優れ日常的に摂取可能であり、かつ安価でありながら、優れたUCP−1産生促進作用、UCP−2産生促進作用、脂肪燃焼促進作用、及び脂肪蓄積抑制作用の少なくともいずれかを有する天然系の各種製剤に対する需要者の要望は極めて強く、未だ十分満足し得るものが提供されていないのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−064171号公報
【特許文献2】特開2001−064672号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、優れたUCP−1産生促進作用を有し、安全性の高いUCP−1産生促進剤を提供することを目的とする。また、本発明は、優れたUCP−2産生促進作用を有し、安全性の高いUCP−2産生促進剤を提供することを目的とする。また、本発明は、優れた脂肪燃焼促進作用を有し、安全性の高い脂肪燃焼促進剤を提供することを目的とする。また、本発明は、優れた脂肪蓄積抑制作用を有し、安全性の高い脂肪蓄積抑制剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するため、本発明者らは鋭意検討した結果、以下のような知見を得た。即ち、3−ヒドロキシメチル−7−メチルオクタ−1,6−ジエン−3−オール、3−メチレン−7−メチル−6−オクタン−1,2−ジオール、α−E−アカリジオール、及びα−Z−アカリジオールが、優れたUCP−1産生促進作用を有し、3−ヒドロキシメチル−7−メチルオクタ−1,6−ジエン−3−オール、3−メチレン−7−メチル−6−オクタン−1,2−ジオール、α−E−アカリジオール、及びα−Z−アカリジオールが、優れたUCP−2産生促進作用を有することを見出した。また、脂肪の燃焼を亢進させる因子であるUCP−1及びUCP−2に対して、前記各成分が、前記各作用を有することから、前記各成分が、脂肪燃焼促進剤としての用途に適することを見出した。
また、3−メチレン−7−メチル−6−オクタン−1,2−ジオールが、優れた脂肪蓄積抑制作用を有することを見出した。
【0010】
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 3−ヒドロキシメチル−7−メチルオクタ−1,6−ジエン−3−オール、3−メチレン−7−メチル−6−オクタン−1,2−ジオール、α−E−アカリジオール、及びα−Z−アカリジオールの少なくともいずれかを含有することを特徴とする脱共役タンパク質−1(UCP−1)産生促進剤である。
<2> 3−ヒドロキシメチル−7−メチルオクタ−1,6−ジエン−3−オール、3−メチレン−7−メチル−6−オクタン−1,2−ジオール、α−E−アカリジオール、及びα−Z−アカリジオールの少なくともいずれかを含有することを特徴とする脱共役タンパク質−2(UCP−2)産生促進剤である。
<3> 前記<1>に記載の脱共役タンパク質−1(UCP−1)産生促進剤、及び前記<2>に記載の脱共役タンパク質−2(UCP−2)産生促進剤の少なくともいずれかを含有することを特徴とする脂肪燃焼促進剤である。
<4> 3−メチレン−7−メチル−6−オクタン−1,2−ジオールを含有することを特徴とする脂肪蓄積抑制剤である。
<5> 前記<1>に記載の脱共役タンパク質−1(UCP−1)産生促進剤、前記<2>に記載の脱共役タンパク質−2(UCP−2)産生促進剤、前記<3>に記載の脂肪燃焼促進剤、及び前記<4>に記載の脂肪蓄積抑制剤の少なくともいずれかを含有することを特徴とする飲食品。
【発明の効果】
【0011】
本発明のUCP−1産生促進剤によると、従来における諸問題を解決することができ、優れたUCP−1産生促進作用を有し、安全性の高いUCP−1産生促進剤を提供することができる。
本発明のUCP−2産生促進剤によると、従来における諸問題を解決することができ、優れたUCP−2産生促進進作用を有し、安全性の高いUCP−2産生促進剤を提供することができる。
本発明の脂肪燃焼促進剤によると、従来における諸問題を解決することができ、優れた脂肪燃焼促進作用を有し、安全性の高い脂肪燃焼促進剤を提供することができる。
本発明の脂肪蓄積抑制剤によると、従来における諸問題を解決することができ、優れた脂肪蓄積抑制作用を有し、安全性の高い脂肪蓄積抑制剤を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(UCP−1産生促進剤、UCP−2産生促進剤、脂肪燃焼促進剤、及び脂肪蓄積抑制剤)
本発明のUCP−1産生促進剤は、3−ヒドロキシメチル−7−メチルオクタ−1,6−ジエン−3−オール、3−メチレン−7−メチル−6−オクタン−1,2−ジオール、α−E−アカリジオール、及びα−Z−アカリジオールの少なくともいずれかを含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
本発明のUCP−2産生促進剤は、3−ヒドロキシメチル−7−メチルオクタ−1,6−ジエン−3−オール、3−メチレン−7−メチル−6−オクタン−1,2−ジオール、α−E−アカリジオール、及びα−Z−アカリジオールの少なくともいずれかを含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
本発明の脂肪燃焼促進剤は、前記UCP−1産生促進剤、及び前記UCP−2産生促進剤の少なくともいずれかを含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
本発明の脂肪蓄積抑制剤は、3−メチレン−7−メチル−6−オクタン−1,2−ジオールを含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
【0013】
<3−ヒドロキシメチル−7−メチルオクタ−1,6−ジエン−3−オール>
3−ヒドロキシメチル−7−メチルオクタ−1,6−ジエン−3−オール(3−hydroxymethyl−7−methylocta−1,6−dien−3−ol)は、分子式C1018の化合物であり、下記構造式(I)で表される。
【化1】

【0014】
3−ヒドロキシメチル−7−メチルオクタ−1,6−ジエン−3−オールの由来としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。3−ヒドロキシメチル−7−メチルオクタ−1,6−ジエン−3−オールは、マンゴージンジャー抽出物から単離・精製することにより製造することもできるし、3−ヒドロキシメチル−7−メチルオクタ−1,6−ジエン−3−オールを含有する植物抽出物から単離・精製することにより製造することもできるし、合成により製造することもできる。なお、合成により製造する場合、その合成方法は特に限定されるものではなく、公知の方法により合成することができる。
【0015】
精製された3−ヒドロキシメチル−7−メチルオクタ−1,6−ジエン−3−オールの同定方法としては、特に制限はなく、常法により行うことができる。例えば、13C−NMR(Nuclear Magnetic Resonance)分析において、下記の13C−NMRケミカルシフトδ(帰属炭素)を示す場合に、試験化合物が3−ヒドロキシメチル−7−メチルオクタ−1,6−ジエン−3−オールであると同定することができる。
13C−NMRケミカルシフトδ(帰属炭素):
115.0(1−C)、140.5(2−C)、76.2(3−C)、36.8(4−C)、22.0(5−C)、124.1(6−C)、131.9(7−C)、25.6(8−C)、17.7(9−C)、68.7(10−C)
【0016】
前記3−ヒドロキシメチル−7−メチルオクタ−1,6−ジエン−3−オールは、UCP−1産生促進作用、UCP−2産生促進作用、及び脂肪燃焼促進作用を有しているため、それらの作用を利用して、UCP−1産生促進剤、UCP−2産生促進剤、及び脂肪燃焼促進剤として用いることができる。
【0017】
<3−メチレン−7−メチル−6−オクタン−1,2−ジオール>
3−メチレン−7−メチル−6−オクタン−1,2−ジオール(3−methylene−7−methyl−6−octene−1,2−diol)は、分子式C1018の化合物であり、下記構造式(II)で表される。
【化2】

【0018】
3−メチレン−7−メチル−6−オクタン−1,2−ジオールの由来としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。3−メチレン−7−メチル−6−オクタン−1,2−ジオールは、マンゴージンジャー抽出物から単離・精製することにより製造することもできるし、3−メチレン−7−メチル−6−オクタン−1,2−ジオールを含有する植物抽出物から単離・精製することにより製造することもできるし、合成により製造することもできる。なお、合成により製造する場合、その合成方法は特に限定されるものではなく、公知の方法により合成することができる。
【0019】
精製された3−メチレン−7−メチル−6−オクタン−1,2−ジオールの同定方法としては、特に制限はなく、常法により行うことができる。例えば、13C−NMR(Nuclear Magnetic Resonance)分析において、下記の13C−NMRケミカルシフトδ(帰属炭素)を示す場合に、試験化合物が3−メチレン−7−メチル−6−オクタン−1,2−ジオールであると同定することができる。
13C−NMRケミカルシフトδ(帰属炭素):
65.6(1−C)、75.1(2−C)、148.1(3−C)、32.5(4−C)、26.4(5−C)、123.6(6−C)、131.8(7−C)、25.5(8−C)、17.6(9−C)、110.4(10−C)
【0020】
前記3−メチレン−7−メチル−6−オクタン−1,2−ジオールは、UCP−1産生促進作用、UCP−2産生促進作用、脂肪燃焼促進作用、及び脂肪蓄積抑制作用を有しているため、それらの作用を利用して、UCP−1産生促進剤、UCP−2産生促進剤、脂肪燃焼促進剤、及び脂肪蓄積抑制剤として用いることができる。
【0021】
<α−E−アカリジオール>
α−E−アカリジオール(α−E−acaridiol)は、分子式C1018の化合物であり、下記構造式(III)で表される。
【化3】

【0022】
α−E−アカリジオールの由来としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。α−E−アカリジオールは、マンゴージンジャー抽出物から単離・精製することにより製造することもできるし、α−E−アカリジオールを含有する植物抽出物から単離・精製することにより製造することもできるし、合成により製造することもできる。なお、合成により製造する場合、その合成方法は特に限定されるものではなく、公知の方法により合成することができる。
【0023】
精製されたα−E−アカリジオールの同定方法としては、特に制限はなく、常法により行うことができる。例えば、13C−NMR(Nuclear Magnetic Resonance)分析において、下記の13C−NMRケミカルシフトδ(帰属炭素)を示す場合に、試験化合物がα−E−アカリジオールであると同定することができる。
13C−NMRケミカルシフトδ(帰属炭素):
58.6(1−C)、124.3(2−C)、142.0(3−C)、28.3(4−C)、27.2(5−C)、123.5(6−C)、132.5(7−C)、25.7(8−C)、17.7(9−C)、66.0(10−C)
【0024】
前記α−E−アカリジオールは、UCP−1産生促進作用、UCP−2産生促進作用、及び脂肪燃焼促進作用を有しているため、それらの作用を利用して、UCP−1産生促進剤、UCP−2産生促進剤、及び脂肪燃焼促進剤として用いることができる。
【0025】
<α−Z−アカリジオール>
α−Z−アカリジオール(α−Z−acaridiol)は、分子式C1018の化合物であり、下記構造式(IV)で表される。
【化4】

【0026】
α−Z−アカリジオールの由来としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。α−Z−アカリジオールは、マンゴージンジャー抽出物から単離・精製することにより製造することもできるし、α−Z−アカリジオールを含有する植物抽出物から単離・精製することにより製造することもできるし、合成により製造することもできる。なお、合成により製造する場合、その合成方法は特に限定されるものではなく、公知の方法により合成することができる。
【0027】
精製されたα−Z−アカリジオールの同定方法としては、特に制限はなく、常法により行うことができる。例えば、13C−NMR(Nuclear Magnetic Resonance)分析において、下記の13C−NMRケミカルシフトδ(帰属炭素)を示す場合に、試験化合物がα−Z−アカリジオールであると同定することができる。
13C−NMRケミカルシフトδ(帰属炭素):
57.8(1−C)、126.2(2−C)、142.7(3−C)、35.3(4−C)、26.5(5−C)、123.6(6−C)、131.9(7−C)、25.5(8−C)、17.6(9−C)、59.7(10−C)
【0028】
前記α−Z−アカリジオールは、UCP−1産生促進作用、UCP−2産生促進作用、及び脂肪燃焼促進作用を有しているため、それらの作用を利用して、UCP−1産生促進剤、UCP−2産生促進剤、及び脂肪燃焼促進剤として用いることができる。
【0029】
<3−ヒドロキシメチル−7−メチルオクタ−1,6−ジエン−3−オール、3−メチレン−7−メチル−6−オクタン−1,2−ジオール、α−E−アカリジオール、及びα−Z−アカリジオールの製造方法>
前記3−ヒドロキシメチル−7−メチルオクタ−1,6−ジエン−3−オール、3−メチレン−7−メチル−6−オクタン−1,2−ジオール、α−E−アカリジオール、及びα−Z−アカリジオールは、例えば、マンゴージンジャー抽出物から単離・精製することができる。マンゴージンジャー(Mango ginger)は、ショウガ科に属する植物で、学名:Curcuma amada ROXB.といい、インドの野生に分布又は栽培される一年生草本であり、高さ60cm〜90cm、根茎は太く円筒状、淡桃色で生のマンゴーの香がするものである。前記マンゴージンジャーの根茎部は、古くから胆汁症、皮膚病、気管支炎、損傷による炎症に効果があるとされ、インドでは調味料として利用されている。
【0030】
前記マンゴージンジャー抽出物の抽出原料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、全草、葉、塊根、塊茎、茎、花、種子を用いることができ、これらの中でも、塊根部及び塊茎部が特に好適である。
【0031】
前記マンゴージンジャー抽出物は、前記マンゴージンジャーの抽出原料を、水、親水性有機溶媒、及びこれらの混合溶媒から選択されるいずれかの溶媒に投入し、室温乃至溶媒の沸点以下の温度で任意の装置を用いて抽出することにより容易に得ることができる。
【0032】
前記抽出原料であるマンゴージンジャーは、採取後、直ちに乾燥し、粉砕したものを用いることが好ましい。ここで、乾燥は天日で行ってもよいし、通常使用される乾燥機を使用して行ってもよい。また、前記マンゴージンジャーは、ヘキサン、ベンゼン等の非極性溶媒によって脱脂等の前処理を施してから抽出原料として使用してもよい。この場合には、後述するマンゴージンジャーの極性溶媒による抽出処理を効率よく行うことができる。
【0033】
前記抽出溶媒として使用し得る水としては、例えば、純水、水道水、井戸水、鉱泉水、鉱水、温泉水、湧水、淡水等の他、これらに各種処理を施したものが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記水に施す処理としては、例えば、精製、加熱、殺菌、滅菌、ろ過、イオン交換、浸透圧の調整、緩衝化等が挙げられる。従って、本発明において抽出溶媒として使用し得る水には、精製水、熱水、イオン交換水、生理食塩水、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水等も含まれる。
【0034】
前記親水性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の炭素数1〜5の低級脂肪族アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等の低級脂肪族ケトン;1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の炭素数2〜5の多価アルコール、ヘキサンなどが挙げられ、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上併用して使用してもよい。これらの中でも、メタノール、エタノール、プロパノール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、ヘキサン等が好適である。
なお、水と親水性有機溶媒との混合溶媒を使用する場合には、前記親水性有機溶媒として低級アルコールを用いる場合には、前記水と前記低級脂肪族アルコールとの質量比が70:30〜20:80になるように混合することが好ましい。前記親水性有機溶媒として低級脂肪族ケトンを用いる場合には、前記水と前記低級脂肪族ケトンとの質量比が10:1〜10:40になるように混合することが好ましい。前記親水性有機溶媒として多価アルコールを用いる場合には、前記水と前記多価アルコールの質量比が10:1〜10:90が好ましい。
【0035】
前記マンゴージンジャーの抽出処理としては、前記マンゴージンジャーに含まれる可溶性成分を前記抽出溶媒に溶出させることが可能であれば、特に限定されるものではなく、常法に従って行うことができる。また、抽出処理の際には、特殊な抽出方法を採用する必要はなく、室温乃至還流加熱下において任意の装置を使用することができる。
具体的には、前記マンゴージンジャーの抽出方法としては、例えば、抽出溶媒を満たした処理槽に、前記抽出原料を投入し、必要に応じて適宜攪拌しながら、可溶性成分を溶出した後、濾過し、抽出残渣を除くことによって、抽出液を得ることができる。この際、抽出条件は、前記抽出原料等に応じて適宜調整し得るが、前記抽出溶媒量は、前記抽出原料としてのマンゴージンジャーに対して通常5倍量〜15倍量(質量比)であり、抽出時間は通常1時間〜3時間であり、抽出温度は通常、常温〜95℃であることが好ましい。
【0036】
なお、得られた前記抽出液は、前記抽出液の希釈液若しくは濃縮液、前記抽出液の乾燥物又はこれらの粗精製物若しくは精製物を得るために、常法に従って希釈、濃縮、乾燥、精製等の処理を施してもよい。
【0037】
以上のようにして得られた抽出液、当該抽出液の濃縮物又は当該抽出液の乾燥物から前記3−ヒドロキシメチル−7−メチルオクタ−1,6−ジエン−3−オール、3−メチレン−7−メチル−6−オクタン−1,2−ジオール、α−E−アカリジオール、及びα−Z−アカリジオールの少なくともいずれかを単離・精製する方法としては、特に制限はなく、常法により行うことができる。例えば、植物抽出物を濃縮し、多孔性樹脂等を用いたカラムクロマトグラフィーに供して、水、アルコール(メタノール等)の順で溶出させ、アルコール(メタノール等)で溶出される分画物として得る。このとき、前記分画物に対して、更にオクタデシルシリル(ODS)化シリカゲルを用いた逆相シリカゲルクロマトグラフィーや再結晶等に供することで、粗精製物を得ることができる。
そして、前記分画物又は粗精製物を、例えば、液体クロマトグラフィー等を用いて分離・精製することにより、精製された3−ヒドロキシメチル−7−メチルオクタ−1,6−ジエン−3−オール、3−メチレン−7−メチル−6−オクタン−1,2−ジオール、α−E−アカリジオール、及びα−Z−アカリジオールの少なくともいずれかを得ることができる。
【0038】
前記UCP−1産生促進剤の有効成分として、前記3−ヒドロキシメチル−7−メチルオクタ−1,6−ジエン−3−オール、3−メチレン−7−メチル−6−オクタン−1,2−ジオール、α−E−アカリジオール、及びα−Z−アカリジオールの少なくともいずれかそのものが含まれていてもよく、3−ヒドロキシメチル−7−メチルオクタ−1,6−ジエン−3−オール、3−メチレン−7−メチル−6−オクタン−1,2−ジオール、α−E−アカリジオール、及びα−Z−アカリジオールの少なくともいずれかの薬理学的に許容される塩が含まれていてもよい。また、前記3−ヒドロキシメチル−7−メチルオクタ−1,6−ジエン−3−オール、3−メチレン−7−メチル−6−オクタン−1,2−ジオール、α−E−アカリジオール、及びα−Z−アカリジオールの少なくともいずれか又はその薬理学的に許容される塩の、水和物又は溶媒和物が含まれていてもよい。また、前記3−ヒドロキシメチル−7−メチルオクタ−1,6−ジエン−3−オール、3−メチレン−7−メチル−6−オクタン−1,2−ジオール、α−E−アカリジオール、及びα−Z−アカリジオールの少なくともいずれかは、前記UCP−1産生促進作用を損なわない限り、修飾又は置換されていてもよい。
【0039】
前記UCP−2産生促進剤の有効成分として、前記3−ヒドロキシメチル−7−メチルオクタ−1,6−ジエン−3−オール、3−メチレン−7−メチル−6−オクタン−1,2−ジオール、α−E−アカリジオール、及びα−Z−アカリジオールの少なくともいずれかそのものが含まれていてもよく、3−ヒドロキシメチル−7−メチルオクタ−1,6−ジエン−3−オール、3−メチレン−7−メチル−6−オクタン−1,2−ジオール、α−E−アカリジオール、及びα−Z−アカリジオールの少なくともいずれかの薬理学的に許容される塩が含まれていてもよい。また、前記3−ヒドロキシメチル−7−メチルオクタ−1,6−ジエン−3−オール、3−メチレン−7−メチル−6−オクタン−1,2−ジオール、α−E−アカリジオール、及びα−Z−アカリジオールの少なくともいずれか又はその薬理学的に許容される塩の、水和物又は溶媒和物が含まれていてもよい。また、前記3−ヒドロキシメチル−7−メチルオクタ−1,6−ジエン−3−オール、3−メチレン−7−メチル−6−オクタン−1,2−ジオール、α−E−アカリジオール、及びα−Z−アカリジオールの少なくともいずれかは、前記UCP−2産生促進作用を損なわない限り、修飾又は置換されていてもよい。
【0040】
前記脂肪燃焼促進剤の有効成分として、前記UCP−1産生促進剤、及び前記UCP−2産生促進剤のいずれかそのものが含まれていてもよく、2種が含まれていてもよい。
【0041】
前記脂肪蓄積抑制剤の有効成分として、前記3−メチレン−7−メチル−6−オクタン−1,2−ジオールそのものが含まれていてもよく、その薬理学的に許容される塩が含まれていてもよい。また、前記3−メチレン−7−メチル−6−オクタン−1,2−ジオール又はその薬理学的に許容される塩の、水和物又は溶媒和物が含まれていてもよい。また、前記3−メチレン−7−メチル−6−オクタン−1,2−ジオールは、前記脂肪蓄積抑制作用を損なわない限り、修飾又は置換されていてもよい。
【0042】
薬理学的に許容される塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、塩酸塩、硫酸塩、臭化水素塩、硝酸塩、硫酸水素酸塩、リン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、ヒドロキシマレイン酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、メタンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、樟脳スルホン酸塩、スルファミン酸塩、マンデル酸塩、プロピオン酸塩、グリコール酸塩、ステアリン酸塩、リンゴ酸塩、アスコルビン酸塩、パモン酸塩、フェニル酢酸塩、グルタミン酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、スルファニル酸塩、2−アセトキシ安息香酸塩、エタンジスルホン酸塩、シュウ酸塩、イセチオン酸塩、ギ酸塩、トリフルオロ酢酸塩、エチルコハク酸塩、ラクトビオン酸塩、グルコン酸塩、グルコヘプトン酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、パラトルエンスルホン酸塩、ラウリル硫酸塩、アスパラギン酸塩、アジピン酸塩、ヨウ化水素酸塩、ニコチン酸塩、シュウ酸塩、ピクリン酸塩、チオシアン酸塩、ウンデカン酸塩等が挙げられる。
【0043】
本発明のUCP−1産生促進剤は、前記3−ヒドロキシメチル−7−メチルオクタ−1,6−ジエン−3−オールのみからなるものであってもよいし、前記3−メチレン−7−メチル−6−オクタン−1,2−ジオールのみからなるものであってもよいし、前記α−E−アカリジオールのみからなるものであってもよいし、前記α−Z−アカリジオールのみからなるものであってもよいし、前記3−ヒドロキシメチル−7−メチルオクタ−1,6−ジエン−3−オール、3−メチレン−7−メチル−6−オクタン−1,2−ジオール、α−E−アカリジオール、及びα−Z−アカリジオールの少なくとも2種以上のみからなるものであってもよいし、その他の成分を含むものであってもよい。
前記UCP−1産生促進剤中の前記3−ヒドロキシメチル−7−メチルオクタ−1,6−ジエン−3−オール、3−メチレン−7−メチル−6−オクタン−1,2−ジオール、α−E−アカリジオール、及びα−Z−アカリジオールの少なくともいずれかの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0044】
本発明のUCP−2産生促進剤は、前記3−ヒドロキシメチル−7−メチルオクタ−1,6−ジエン−3−オールのみからなるものであってもよいし、前記3−メチレン−7−メチル−6−オクタン−1,2−ジオールのみからなるものであってもよいし、前記α−E−アカリジオールのみからなるものであってもよいし、前記α−Z−アカリジオールのみからなるものであってもよいし、前記3−ヒドロキシメチル−7−メチルオクタ−1,6−ジエン−3−オール、3−メチレン−7−メチル−6−オクタン−1,2−ジオール、α−E−アカリジオール、及びα−Z−アカリジオールの少なくとも2種以上のみからなるものであってもよいし、その他の成分を含むものであってもよい。
前記UCP−2産生促進剤中の前記3−ヒドロキシメチル−7−メチルオクタ−1,6−ジエン−3−オール、3−メチレン−7−メチル−6−オクタン−1,2−ジオール、α−E−アカリジオール、及びα−Z−アカリジオールの少なくともいずれかの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0045】
本発明の脂肪燃焼促進剤は、前記UCP−1産生促進剤のみからなるものであってもよいし、前記UCP−2産生促進剤のみからなるものであってもよいし、前記UCP−1産生促進剤、及びUCP−2産生促進剤のみからなるものであってもよいし、その他の成分を含むものであってもよい。
前記脂肪燃焼促進剤中の前記UCP−1産生促進剤、及びUCP−2産生促進剤の少なくともいずれかの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0046】
本発明の脂肪蓄積抑制剤は、前記3−メチレン−7−メチル−6−オクタン−1,2−ジオールのみからなるものであってもよいし、その他の成分を含むものであってもよい。
前記脂肪蓄積抑制剤中の前記3−メチレン−7−メチル−6−オクタン−1,2−ジオールの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0047】
<その他の成分>
前記3−ヒドロキシメチル−7−メチルオクタ−1,6−ジエン−3−オール、3−メチレン−7−メチル−6−オクタン−1,2−ジオール、α−E−アカリジオール、及びα−Z−アカリジオールは、デキストリン、シクロデキストリン等の薬学的に許容し得るキャリアーその他任意の助剤を用いて、常法に従い、粉末状、顆粒状、錠剤状、液状等の任意の剤形に製剤化して提供することができ、他の組成物(例えば、経口医薬品等)に配合して使用できるほか軟膏剤、外用液剤、貼付剤等として使用することができる。この際、助剤としては、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定剤、矯味剤、矯臭剤等を用いることができる。
【0048】
前記賦形剤としては、例えば、乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、微結晶セルロース、珪酸等が挙げられる。また、前記結合剤としては、例えば、水、エタノール、プロパノール、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン液、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、メチルセルロース、エチルセルロース、シェラック、リン酸カルシウム、ポリビニルピロリドン等が挙げられ、前記崩壊剤としては、例えば、乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、乳糖等が挙げられ、前記滑沢剤としては、例えば、精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ砂、ポリエチレングリコール等が挙げられ、前記安定化剤としては、例えば、ピロ亜硫酸ナトリウム、EDTA、チオグリコール酸、チオ乳酸等が挙げられ、前記矯味・矯臭剤としては、例えば、白糖、橙皮、クエン酸、酒石酸等が挙げられる。
【0049】
なお、本発明のUCP−1産生促進剤、UCP−2産生促進剤、脂肪燃焼促進剤、及び脂肪蓄積抑制剤は、必要に応じてUCP−1産生促進作用、UCP−2産生促進作用、脂肪燃焼促進作用、及び脂肪蓄積抑制作用のいずれかを有する他の天然抽出物等を共に配合して用いることができる。
【0050】
前記UCP−1産生促進剤は、有効成分として含有される3−ヒドロキシメチル−7−メチルオクタ−1,6−ジエン−3−オール、3−メチレン−7−メチル−6−オクタン−1,2−ジオール、α−E−アカリジオール、及びα−Z−アカリジオールの少なくともいずれかの作用により、UCP−1産生促進作用を発揮する。
前記UCP−2産生促進剤は、有効成分として含有される3−ヒドロキシメチル−7−メチルオクタ−1,6−ジエン−3−オール、3−メチレン−7−メチル−6−オクタン−1,2−ジオール、α−E−アカリジオール、及びα−Z−アカリジオールの少なくともいずれかの作用により、UCP−2産生促進作用を発揮する。
前記脂肪燃焼促進剤は、有効成分として含有されるUCP−1産生促進剤、及びUCP−2産生促進剤の少なくともいずれかの作用により、脂肪燃焼促進作用を発揮する。
前記脂肪蓄積抑制剤は、有効成分として含有される3−メチレン−7−メチル−6−オクタン−1,2−ジオールの作用により、脂肪蓄積抑制作用を発揮する。
【0051】
本発明のUCP−1産生促進剤によると、優れたUCP−1産生促進作用を通じて、例えば、褐色脂肪組織、及び白色脂肪組織における脂肪燃焼を促進し、肥満を予防及び改善することが可能となる。ただし、本発明のUCP−1産生促進剤は、これらの用途以外にもUCP−1産生促進作用を発揮することに意義のあるすべての用途に用いることができる。
【0052】
本発明のUCP−2産生促進剤によると、優れたUCP−2産生促進作用を通じて、例えば、白色脂肪組織、及び骨格筋における脂肪燃焼を促進し、肥満を予防及び改善することが可能となる。ただし、本発明のUCP−2産生促進剤は、これらの用途以外にもUCP−2産生促進作用を発揮することに意義のあるすべての用途に用いることができる。
【0053】
本発明の脂肪燃焼促進剤によると、優れたUCP−1産生促進作用、及びUCP−2産生促進作用の少なくともいずれかを通じて、例えば、褐色脂肪組織、白色脂肪組織、及び骨格筋における脂肪燃焼を促進し、肥満を予防及び改善することが可能となる。ただし、本発明の脂肪燃焼促進剤は、これらの用途以外にも脂肪燃焼促進作用を発揮することに意義のあるすべての用途に用いることができる。
【0054】
本発明の脂肪蓄積抑制剤によると、優れた脂肪蓄積抑制作用を通じて、例えば、脂肪細胞内の脂肪蓄積を抑制し、肥満を予防及び改善することが可能となる。ただし、本発明の脂肪蓄積抑制剤は、これらの用途以外にも脂肪蓄積抑制作用を発揮することに意義のあるすべての用途に用いることができる。
【0055】
本発明のUCP−1産生促進剤、UCP−2産生促進剤、脂肪燃焼促進剤、及び脂肪蓄積抑制剤は、優れた作用を有するとともに、食用とされるマンゴージンジャーから得られた成分であり、安全性に優れているため、美容用飲食品又は経口用医薬に配合するのに好適である。
【0056】
また、本発明のUCP−1産生促進剤、UCP−2産生促進剤、脂肪燃焼促進剤、及び脂肪蓄積抑制剤は、優れた作用を有するので、UCP−1、UCP−2、脂肪燃焼及び脂肪蓄積の機能の研究や、UCP−1、UCP−2、脂肪燃焼及び脂肪蓄積に関連する疾患の研究のための試薬として好適に利用できる。
【0057】
なお、本発明のUCP−1産生促進剤、UCP−2産生促進剤、脂肪燃焼促進剤、及び脂肪蓄積抑制剤は、ヒトに対して好適に適用されるものであるが、それぞれの作用効果が奏される限り、ヒト以外の動物に対して適用することもできる。
【0058】
(飲食品)
本発明の飲食品は、本発明のUCP−1産生促進剤、UCP−2産生促進剤、脂肪燃焼促進剤、及び脂肪蓄積抑制剤の少なくともいずれかを配合してなり、更に必要に応じてその他の成分を配合してなる。
【0059】
前記飲食品とは、人の健康に危害を加える恐れが少なく、通常の社会生活において、経口又は消化管投与により摂取されるものをいい、行政区分上の食品、医薬品、医薬部外品等の区分に制限されるものではなく、例えば、経口的に摂取される一般食品、健康食品、保健機能食品、美容食品、医薬部外品、医薬品等を幅広く含むものを意味する。
また、本発明の飲食品は飲料、ハードカプセル、ソフトカプセル、顆粒等の形状に形態に加工することにより簡便に飲食でき、広範囲に利用することが可能である。
【0060】
前記飲食品としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば、清涼飲料、炭酸飲料、栄養飲料、果実飲料、乳酸飲料等の飲料(これら飲料の濃縮液及び調整用粉末を含む。);アイスクリーム、アイスシャーベット、かき氷等の冷菓;そば、うどん、はるさめ、ぎょうざの皮、しゅうまいの皮、中華麺、即席麺等の麺類;飴、キャンディー、ガム、チョコレート、錠菓、スナック菓子、ビスケット、ゼリー、ジャム、クリーム、焼き菓子、パン等の菓子類;カニ、サケ、アサリ、マグロ、イワシ、エビ、カツオ、サバ、クジラ、カキ、サンマ、イカ、アカガイ、ホタテ、アワビ、ウニ、イクラ、トコブシ等の水産物;かまぼこ、ハム、ソーセージ等の水産・畜産加工食品;加工乳、発酵乳等の乳製品;サラダ油、てんぷら油、マーガリン、マヨネーズ、ショートニング、ホイップクリーム、ドレッシング等の油脂及び油脂加工食品;ソース、たれ等の調味料;カレー、シチュー、親子丼、お粥、雑炊、中華丼、かつ丼、天丼、うな丼、ハヤシライス、おでん、マーボドーフ、牛丼、ミートソース、玉子スープ、オムライス、餃子、シューマイ、ハンバーグ、ミートボール等のレトルトパウチ食品;サラダ、漬物等の惣菜;種々の形態の健康・美容・栄養補助食品;錠剤、顆粒剤、カプセル剤、ドリンク剤、トローチ等の医薬品、医薬部外品などが挙げられる。なお、前記飲食品は上記例示に限定されるものではない。
【0061】
本発明のUCP−1産生促進剤、UCP−2産生促進剤、脂肪燃焼促進剤、及び脂肪蓄積抑制剤の前記飲食品に対する添加量としては、添加する飲食品に応じて異なり一概には規定できないが、錠剤やカプセル剤等の場合は1質量%〜90質量%が好ましく、その他の飲食品では0.001質量%〜50質量%が好ましい。また、添加対象飲食品の一般的摂取量を考慮して、成人一日当たりUCP−1産生促進剤、UCP−2産生促進剤、脂肪燃焼促進剤、及び脂肪蓄積抑制剤の少なくともいずれかの摂取量が約1mg〜1,000mg程度になるように調製することが好ましい。
【0062】
前記その他の成分としては、前記飲食品を製造するに当り通常用いられる補助的原料又は添加物等が挙げられる。
前記原料又は添加物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば、ブドウ糖、果糖、ショ糖、マルトース、ソルビトール、ステビオサイド、ルブソサイド、コーンシロップ、乳糖、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、L−アスコルビン酸、dl−α−トコフェロール、エリソルビン酸ナトリウム、グリセリン、プロピレングリコール、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、アラビアガム、カラギーナン、カゼイン、ゼラチン、ペクチン、寒天、ビタミンB類、ニコチン酸アミド、パントテン酸カルシウム、アミノ酸類、カルシウム塩類、色素、香料、保存剤等が挙げられる。
【0063】
本発明の飲食品は、日常的に経口摂取することが可能であり、有効成分である3−ヒドロキシメチル−7−メチルオクタ−1,6−ジエン−3−オール、3−メチレン−7−メチル−6−オクタン−1,2−ジオール、α−E−アカリジオール、及びα−Z−アカリジオールの働きによって、UCP−1産生促進作用、UCP−2産生促進作用、脂肪燃焼促進作用、及び脂肪蓄積抑制作用の少なくともいずれかを極めて効果的に達成することができる。
【0064】
なお、本発明の飲食品は、ヒトに対して好適に適用されるものであるが、それぞれの作用効果が奏される限り、ヒト以外の動物に対して適用することもできる。
【実施例】
【0065】
以下、製造例及び試験例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに制限されるものではない。
【0066】
(製造例1:マンゴージンジャーエタノール抽出物の製造)
マンゴージンジャー(インド産)の根茎部及び塊根部の乾燥粉末5kgをエタノール35リットルに加え、還流抽出器で95℃にて1時間加熱抽出し、熱時濾過した。残渣についてさらに同様の抽出処理を行った。得られた抽出液を合わせて減圧下で濃縮し、ペースト状のマンゴージンジャー抽出物を得た。抽出物の収率は9.8(質量%)であった。
【0067】
(製造例2:マンゴージンジャーエタノール抽出物からのモノテルペンの単離)
得られたマンゴージンジャーエタノール抽出物760gに水3Lを加えて懸濁し、多孔性樹脂(三菱化学株式会社、DIAION−HP−20、1.5kg)に付し、水10L、30%メタノール10L、50%メタノール10Lの順で溶出させた。次いで、50%メタノール10Lで溶出させた画分に含まれる溶媒を留去して、50%メタノール溶出画分16gを得た。次いで、50%メタノール溶出画分16gを、n−ヘキサン:酢酸エチル=1:1(容量比)の混合溶媒に溶解し、シリカゲル(商品名:シリカゲル 60、メルク株式会社)を充填したガラス製のカラム上部から注入して、シリカゲルに吸着させた。次いで、移動相としてn−ヘキサン:酢酸エチル=1:1(容量比)を流し、テルペン類を含む溶出液を集め、脱溶媒して、テルペン画分1を2.45g、テルペン画分2を1.89g得た。
得られた、テルペン画分1を、メタノール:水=2:3(容量比)の混合溶媒に溶解し、オクタデシルシリル(ODS)化シリカゲル(商品名:クロマトレックスODS DM1020T、富士シリシア化学株式会社)を充填したガラス製のカラム上部から注入して、ODS化シリカゲルに吸着させた。次いで、移動相としてメタノール:水=2:3(容量比)を流し、その溶出液を集め、脱溶媒して、テルペン画分1’を357mg得た。
得られたテルペン画分1’を、移動相にメタノール:水=3:2(容量比)を用いた下記の条件の液体クロマトグラフィーで分画し、3−ヒドロキシメチル−7−メチルオクタ−1,6−ジエン−3−オールを90mg、及び3−メチレン−7−メチル−6−オクタン−1,2−ジオールを202mg得た。
【0068】
<液体クロマトグラフィー条件>
固定相:develosil C30(野村化学製)
カラム径:20mm
カラム長:250mm
移動相流量:9mL/min
検出:RI
【0069】
単離した3−ヒドロキシメチル−7−メチルオクタ−1,6−ジエン−3−オールについて13C−NMR分析を行なった。結果を下記に示す。
【0070】
<3−ヒドロキシメチル−7−メチルオクタ−1,6−ジエン−3−オール>
13C−NMRケミカルシフトδ(帰属炭素):
115.0(1−C)、140.5(2−C)、76.2(3−C)、36.8(4−C)、22.0(5−C)、124.1(6−C)、131.9(7−C)、25.6(8−C)、17.7(9−C)、68.7(10−C)
【0071】
単離した3−メチレン−7−メチル−6−オクタン−1,2−ジオールについて13C−NMR分析を行なった。結果を下記に示す。
【0072】
<3−メチレン−7−メチル−6−オクタン−1,2−ジオール>
13C−NMRケミカルシフトδ(帰属炭素):
65.6(1−C)、75.1(2−C)、148.1(3−C)、32.5(4−C)、26.4(5−C)、123.6(6−C)、131.8(7−C)、25.5(8−C)、17.6(9−C)、110.4(10−C)
【0073】
さらに、得られたテルペン画分2を、メタノール:水=2:3(容量比)の混合溶媒に溶解し、ODS化シリカゲル(商品名:クロマトレックスODS DM1020T、富士シリシア化学株式会社)を充填したガラス製のカラム上部から注入して、ODS化シリカゲルに吸着させた。次いで、移動相としてメタノール:水=2:3(容量比)を流し、その溶出液を集め、脱溶媒して、テルペン画分2’を607mg得た。
得られたテルペン画分2’を、移動相にメタノール:水=1:1(容量比)を用いた下記の条件の液体クロマトグラフィーで分画し、α−E−アカリジオールを533mg、及びα−Z−アカリジオールを28mg得た。
【0074】
<液体クロマトグラフィー条件>
固定相:develosil C30(野村化学製)
カラム径:20mm
カラム長:250mm
移動相流量:9mL/min
検出:RI
【0075】
単離したα−E−アカリジオールについて13C−NMR分析を行なった。結果を下記に示す。
【0076】
<α−E−アカリジオール>
13C−NMRケミカルシフトδ(帰属炭素):
58.6(1−C)、124.3(2−C)、142.0(3−C)、28.3(4−C)、27.2(5−C)、123.5(6−C)、132.5(7−C)、25.7(8−C)、17.7(9−C)、66.0(10−C)
【0077】
単離したα−Z−アカリジオールについて13C−NMR分析を行なった。結果を下記に示す。
【0078】
<α−Z−アカリジオール>
13C−NMRケミカルシフトδ(帰属炭素):
57.8(1−C)、126.2(2−C)、142.7(3−C)、35.3(4−C)、26.5(5−C)、123.6(6−C)、131.9(7−C)、25.5(8−C)、17.6(9−C)、59.7(10−C)
【0079】
以上の結果から、マンゴージンジャーエタノール抽出物から単離された4種のモノテルペンが、下記構造式(I)で表される3−ヒドロキシメチル−7−メチルオクタ−1,6−ジエン−3−オール、下記構造式(II)で表される3−メチレン−7−メチル−6−オクタン−1,2−ジオール、下記構造式(III)で表されるα−E−アカリジオール、及び下記構造式(IV)で表されるα−Z−アカリジオールであることが確認された。
【0080】
【化5】

【0081】
【化6】

【0082】
【化7】

【0083】
【化8】

【0084】
上記の製造例2において得られた4種類のモノテルペンを被験試料として用い、以下の試験例1及び2に示すとおり抗肥満関連評価を行った。
【0085】
<被験試料>
3−ヒドロキシメチル−7−メチルオクタ−1,6−ジエン−3−オール
3−メチレン−7−メチル−6−オクタン−1,2−ジオール
α−E−アカリジオール
α−Z−アカリジオール
【0086】
(試験例1:ヒト内臓由来脂肪細胞を用いた脂肪燃焼関連遺伝子試験)
<試験方法>
ヒト内臓由来前駆脂肪細胞を80cmフラスコで増殖培地PGM Bullet Kit(タカラバイオ株式会社)において、37℃、5%CO下で前培養し、トリプシン処理により細胞を集めた。
PGM Bullet Kitを用いてコラーゲンコート6ウェルプレート(IWAKI)1ウェル当たり7.5×10細胞/4mLずつ播き、37℃、5%CO下でコンフルエントになるまで培養した。培養後に培養液を捨て、分化誘導培地に交換し37℃、5%CO下にて14日間培養を行った。培養上清を捨て、PGM Bullet Kitへの交換と同時に所定濃度の試料を添加した培地を添加し、さらに24時間培養を続けた。培養終了後、培養液を捨て、ISOGEN(NIPPON GENE、Cat.no.311−02501)にてtotal RNAを抽出し、それぞれのRNA量を分光光度計にて測定し、200ng/μLになるようにtotal RNAを調製した。
このtotal RNAを鋳型とし、UCP−1、UCP−2、及び内部標準であるGAPDHのmRNAの発現量を測定した。検出はリアルタイムPCR装置Smart Cycler(登録商標、Cepheid社)を用いて、TaKaRa SYBR(登録商標)PrimeScriptTM RT−PCR Kit(Perfect Real Time)(タカラバイオ株式会社、code No.RR063A)によるリアルタイム2 Step RT−PCR反応により行った。その操作は定められた方法に従った。
【0087】
UCP−1、UCP−2及びGAPDHの各遺伝子を検出するために、下記の配列を有するセンスプライマー及びアンチセンスプライマーを使用した(タカラバイオ社)。
<UCP−1遺伝子検出用プライマー>
センスプライマー :5’−tctacgacacggtccaggagttc−3’(配列番号1)
アンチセンスプライマー:5’−actttcacgacctctgtgggttg−3’(配列番号2)
<UCP−2遺伝子検出用プライマー>
センスプライマー :5’−tgtgcccttaccatgctcca−3’(配列番号3)
アンチセンスプライマー:5’−gtgacgaacatcaccacgttcc−3’(配列番号4)
<GAPDH遺伝子検出用プライマー>
センスプライマー :5’−gcaccgtcaaggctgagaac−3’(配列番号5)
アンチセンスプライマー:5’−atggtggtgaagacgccagt−3’(配列番号6)
【0088】
UCP−1及びUCP−2のmRNAの発現量について、同一サンプルにおけるGAPDHの発現量の値で補正を行った後、下記(1)式によりUCP−1及びUCP−2のmRNA発現促進率(%)を算出した。各々の結果を表1〜9に示す。
各遺伝子のmRNA発現促進率(%)= B/A × 100 ・・・(1)
[ただし、前記(1)式中、
A:試料無添加時の補正値、
B:試料添加時の補正値、を表す。]
【0089】
【表1】

【0090】
【表2】

【0091】
【表3】

【0092】
【表4】

【0093】
表1〜4の結果から、3−ヒドロキシメチル−7−メチルオクタ−1,6−ジエン−3−オール、3−メチレン−7−メチル−6−オクタン−1,2−ジオール、α−E−アカリジオール、及びα−Z−アカリジオールが、優れたUCP−1産生促進作用を有することが認められた。また、前記各成分が、脂肪の燃焼を亢進させる因子であるUCP−1について、優れた産生促進作用を有することから、3−ヒドロキシメチル−7−メチルオクタ−1,6−ジエン−3−オール、3−メチレン−7−メチル−6−オクタン−1,2−ジオール、α−E−アカリジオール、及びα−Z−アカリジオールが、優れた脂肪燃焼促進作用を有すると考えられた。
【0094】
【表5】

【0095】
【表6】

【0096】
【表7】

【0097】
【表8】

【0098】
表5〜8の結果から、3−ヒドロキシメチル−7−メチルオクタ−1,6−ジエン−3−オール、3−メチレン−7−メチル−6−オクタン−1,2−ジオール、α−E−アカリジオール、及びα−Z−アカリジオールが、優れたUCP−2産生促進作用を有することが認められた。また、前記各成分が、脂肪の燃焼を亢進させる因子であるUCP−2について、優れた産生促進作用を有することから、3−ヒドロキシメチル−7−メチルオクタ−1,6−ジエン−3−オール、3−メチレン−7−メチル−6−オクタン−1,2−ジオール、α−E−アカリジオール、及びα−Z−アカリジオールが、優れた脂肪燃焼促進作用を有すると考えられた。
【0099】
(試験例2:ヒト内臓由来脂肪細胞を用いた脂肪蓄積抑制作用試験)
<試験方法>
ヒト内臓由来前駆脂肪細胞を80cmフラスコで増殖培地PGM Bullet Kit(タカラバイオ株式会社)において、37℃、5%CO下で前培養し、トリプシン処理により細胞を集めた。
PGM Bullet Kitを用いてコラーゲンコート96ウェルプレート(IWAKI)に1ウェル当たり2.5×10細胞/200μLずつ播き、37℃、5%CO下でコンフルエントになるまで培養した。培養後に培養液を捨て、分化誘導培地に交換し37℃、5%CO下にて7日間培養を行った。培養上清を捨て、PGM Bullet Kitへの交換と同時に所定濃度の試料添加培地を添加し、さらに7日間培養を続けた。培養終了後、培養液を捨て、細胞内トリグリセリド(TG)をAdipoRedTM Assay Reagent(LONZA,USA)を用いて測定した。その後、M−PER Mammalian Protein Extraction Reagent(PIERCE Biotechnology,Inc.)によりタンパク質を抽出し、BCA Protein Assay Reagent Kit(PIERCE Biotechnology,Inc.)を用いてタンパク定量を行った。
【0100】
脂肪蓄積抑制作用の計算方法は以下のとおりである。
脂肪蓄積抑制率(%)=(1―A/B)×100 ・・・(2)
[ただし、前記(2)式中、
A:被験試料添加でのタンパクあたりのTG量、
B:被験試料無添加(対照)でのタンパクあたりのTG量、を表す。]
【0101】
【表9】

【0102】
表9の結果より、3−メチレン−7−メチル−6−オクタン−1,2−ジオールが、優れた脂肪蓄積抑制作用を有することが認められた。
【産業上の利用可能性】
【0103】
本発明のUCP−1産生促進剤、UCP−2産生促進剤、脂肪燃焼促進剤、及び脂肪蓄積抑制剤は、優れたUCP−1産生促進作用、UCP−2産生促進作用、脂肪燃焼促進作用、及び脂肪蓄積抑制作用を有するので、肥満及び肥満に伴う生活習慣病の予防及び改善に好適に利用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
3−ヒドロキシメチル−7−メチルオクタ−1,6−ジエン−3−オール、3−メチレン−7−メチル−6−オクタン−1,2−ジオール、α−E−アカリジオール、及びα−Z−アカリジオールの少なくともいずれかを含有することを特徴とする脱共役タンパク質−1(UCP−1)産生促進剤。
【請求項2】
3−ヒドロキシメチル−7−メチルオクタ−1,6−ジエン−3−オール、3−メチレン−7−メチル−6−オクタン−1,2−ジオール、α−E−アカリジオール、及びα−Z−アカリジオールの少なくともいずれかを含有することを特徴とする脱共役タンパク質−2(UCP−2)産生促進剤。
【請求項3】
請求項1に記載の脱共役タンパク質−1(UCP−1)産生促進剤、及び請求項2に記載の脱共役タンパク質−2(UCP−2)産生促進剤の少なくともいずれかを含有することを特徴とする脂肪燃焼促進剤。
【請求項4】
3−メチレン−7−メチル−6−オクタン−1,2−ジオールを含有することを特徴とする脂肪蓄積抑制剤。

【公開番号】特開2011−241195(P2011−241195A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−116769(P2010−116769)
【出願日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 第64回 日本栄養・食糧学会大会 会頭 武田英二、「第64回 日本栄養・食糧学会大会 講演要旨集」、第139ページ、平成22年5月1日 平成22年4月26日、http://www.j−tac.com/eishoku64/program/pdf/program02.pdf
【出願人】(591082421)丸善製薬株式会社 (239)
【Fターム(参考)】