説明

UI作成装置およびUI作成プログラム

【課題】平面上に構成されたUIイメージに基づいて、ユーザの好みで端末装置におけるUIを作成する。
【解決手段】UI(User Interface)を有する端末装置に適用されるUI作成装置であって、平面上に構成されたUIイメージを光学的に読み取ることでデータ化されたUIイメージデータを、第1のデータベースに格納され前記端末装置の機能に対応付けられたイメージデータと照合し、前記UIイメージデータと前記端末装置の機能とを対応付けるUIパーツ定義部9と、前記UIイメージデータをUIパーツとして表示する位置および大きさを決定するUIパーツエリア定義部11と、前記決定された位置および大きさで前記UIパーツを前記端末装置の機能を発揮させるためのUIとするUI作成部17と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、UI(User Interface)を有する端末装置に適用されるUI作成装置およびUI作成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、スキャナ機能やプリンタ機能等を備えた複合機に対し、専門の知識を有するサービスエンジニアがその動作環境の設定等の変更を行なう場合がある。この際に、ユーザの元を訪れるコストやサービスセンターから遠隔で動作環境変更を行なうためのユーザへの通信回線導入コストの発生を回避するため、紙や携帯端末画面といった媒体に表示させた動作環境変更情報を読み取り、画像認識することでその内容を取得し、その内容に基づいて動作環境の変更処理を実行する技術が知られている。
【0003】
また、電子ペーパー等の媒体を表示装置にかざすことにより、両者間で相互に画像の転写を行なう技術も知られている。このような技術により、マウス等のポインティングデバイスを介さない直観的な操作を実現することができる。また、紙を媒体とした場合に表示装置との情報のやり取りに必要な印刷、スキャニング等を省略することができる。重ねて表示した複数の画像コンテンツをそのままの配置で転写したり、媒体から表示装置に転写した画像コンテンツを移動させたりすることも可能で、コンテンツ配置の変更にも対応している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−190889号公報
【特許文献2】特開2005−031448号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に提示された技術では、紙等の媒体から読み取り、画像認識で取得した情報に基づいて、複合機の動作環境を変更することができるが、上記方法により、単に装置(複合機)の状態を変化させるための情報を取得するに過ぎず、その装置自体をユーザが操作するためのUIを作成するものではない。また、特許文献2に提示された技術では、表示装置に媒体をかざすことにより、両者の間で相互に画像コンテンツの転写が可能であり、また、複数の画像コンテンツの配置をそのままの配置で転写したり、表示装置上で画像コンテンツを移動させたり、といった画像コンテンツの配置変更も可能である。しかしながら、ひとつひとつの画像コンテンツに対して、表示装置自体、媒体自体、またはそれらと通信可能な別の装置をユーザが操作するために意味付けし、それらを統合してUIを作成するものではない。
【0006】
一方、高齢者を始めとしたITリテラシーの高くないユーザは、タッチインタフェースを用いた操作は不慣れであったり、理解し難かったりする場合がある。従って、自身の望むUI構成への変更等も難しかった。一方、慣れ親しんだ紙を媒体として用いることができれば、このようなユーザも容易にUI変更等が可能となる。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、平面上に構成されたUIイメージに基づいて、ユーザの好みで端末装置におけるUIを作成することができるUI作成装置およびUI作成プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような手段を講じた。すなわち、本発明のUI作成装置は、UI(User Interface)を有する端末装置に適用されるUI作成装置であって、平面上に構成されたUIイメージを光学的に読み取ることでデータ化されたUIイメージデータを、第1のデータベースに格納され前記端末装置の機能に対応付けられたイメージデータと照合し、前記UIイメージデータと前記端末装置の機能とを対応付けるUIパーツ定義部と、前記UIイメージデータをUIパーツとして表示する位置および大きさを決定するUIパーツエリア定義部と、前記決定された位置および大きさで前記UIパーツを前記端末装置の機能を発揮させるためのUIとするUI作成部と、を備えることを特徴とする。
【0009】
このように、平面上に構成されたUIイメージを光学的に読み取ることでデータ化されたUIイメージデータを、第1のデータベースに格納され前記端末装置の機能に対応付けられたイメージデータと照合し、前記UIイメージデータと前記端末装置の機能とを対応付け、前記UIイメージデータをUIパーツとして表示する位置および大きさを決定し、前記決定された位置および大きさで前記UIパーツを前記端末装置の機能を発揮させるためのUIとするので、予め規定されたUIパーツにより構成されるUIをその端末装置上に作成することが可能となる。これにより、ユーザは、例えば、雑誌等に付属するUIパーツ構成デザインや、その各UIパーツの並び方や大きさを変更して構成されるデザイン、また、規定のUIパーツを任意の紙面上に手書きすることで構成されるデザインといった、さまざまなUIパーツ構成デザインに基づいて、自由に端末装置上のUIをカスタマイズすることができる。即ち、従来のタッチパネルを有する端末装置のUIのように、予め規定されたものではなく、ユーザが自身の使い易さに基づき、紙面上で必要なUIパーツを自由に配置し、大きさを規定するだけで、直感的に端末上に所望のUIを実現することが可能となる。
【0010】
(2)また、本発明のUI作成装置は、前記データ化されたUIイメージデータに、第2のデータベースに格納された前記端末装置の機能を対応付ける操作対象定義部を更に備えることを特徴とする。
【0011】
このように、前記データ化されたUIイメージデータに、第2のデータベースに格納された前記端末装置の機能を対応付けるので、作成するUIパーツを操作ボタンとして使うことが可能となる。これにより、ユーザの好みのUIを作成することが可能となる。
【0012】
(3)また、本発明のUI作成装置は、前記データ化されたUIイメージデータに、ユーザの操作条件を設定する操作条件定義部を更に備えることを特徴とする。
【0013】
このように、データ化されたUIイメージデータに、ユーザの操作条件を設定するので、UIの操作条件として、例えば、時間、場所、操作回数などを設定することが可能となる。
【0014】
(4)また、本発明のUI作成装置は、前記データ化されたUIイメージデータが、前記第1のデータベースに存在しない場合はユーザに対して警告を発するUIパーツ検査部を更に備えることを特徴とする。
【0015】
このように、前記データ化されたUIイメージデータが、前記第1のデータベースに存在しない場合はユーザに対して警告を発するので、不適切なUIが作成されることを防止することが可能となる。
【0016】
(5)また、本発明のUI作成装置において、前記UIパーツ検査部は、いずれかの前記UIパーツが不足することによって、前記端末装置で必要とされたすべての機能を発揮させることができない場合、UIの作成を中止することを特徴とする。
【0017】
このように、いずれかの前記UIパーツが不足することによって、前記端末装置で必要とされたすべての機能を発揮させることができない場合、UIの作成を中止するので、不適切なUIが作成されることを防止することが可能となる。
【0018】
(6)また、本発明のUI作成装置プログラムは、UI(User Interface)を有する端末装置に適用されるUI作成プログラムであって、平面上に構成されたUIイメージを光学的に読み取る処理と、前記UIイメージが読み取られデータ化されたUIイメージデータを、第1のデータベースに格納され前記端末装置の機能に対応付けられたイメージデータと照合し、前記UIイメージデータと前記端末装置の機能とを対応付ける処理と、前記UIイメージデータをUIパーツとして表示する位置および大きさを決定する処理と、前記決定された位置および大きさで前記UIパーツを前記端末装置の機能を発揮させるためのUIとする処理と、の一連の処理を、コンピュータに実行させることを特徴とする。
【0019】
このように、平面上に構成されたUIイメージを光学的に読み取ることでデータ化されたUIイメージデータを、第1のデータベースに格納され前記端末装置の機能に対応付けられたイメージデータと照合し、前記UIイメージデータと前記端末装置の機能とを対応付け、前記UIイメージデータをUIパーツとして表示する位置および大きさを決定し、前記決定された位置および大きさで前記UIパーツを前記端末装置の機能を発揮させるためのUIとするので、予め規定されたUIパーツにより構成されるUIをその端末装置上に作成することが可能となる。これにより、ユーザは、例えば、雑誌等に付属するUIパーツ構成デザインや、その各UIパーツの並び方や大きさを変更して構成されるデザイン、また、規定のUIパーツを任意の紙面上に手書きすることで構成されるデザインといった、さまざまなUIパーツ構成デザインに基づいて、自由に端末装置上のGUをカスタマイズすることができる。即ち、従来のタッチパネルを有する端末装置のUIのように、予め規定されたものではなく、ユーザが自身の使い易さに基づき、紙面上で必要なUIパーツを自由に配置し、大きさを規定するだけで、直感的に端末上に所望のUIを実現することが可能となる。
【0020】
(7)また、本発明のUI作成プログラムは、前記データ化されたUIイメージデータに、第2のデータベースに格納された前記端末装置の機能を対応付ける処理を更に含むことを特徴とする。
【0021】
このように、前記データ化されたUIイメージデータに、第2のデータベースに格納された前記端末装置の機能を対応付けるので、作成するUIパーツを操作ボタンとして使うことが可能となる。これにより、ユーザの好みのUIを作成することが可能となる。
【0022】
(8)また、本発明のUI作成プログラムは、前記データ化されたUIイメージデータに、ユーザの操作条件を設定する処理を更に含むことを特徴とする。
【0023】
このように、データ化されたUIイメージデータに、ユーザの操作条件を設定するので、UIの操作条件として、例えば、時間、場所、操作回数などを設定することが可能となる。
【0024】
(9)また、本発明のUI作成プログラムは、前記データ化されたUIイメージデータが、前記第1のデータベースに存在しない場合はユーザに対して警告を発する処理を更に含むことを特徴とする。
【0025】
このように、前記データ化されたUIイメージデータが、前記第1のデータベース存在しない場合はユーザに対して警告を発するので、不適切なUIが作成されることを防止することが可能となる。
【0026】
(10)また、本発明のUI作成プログラムは、いずれかの前記UIパーツが不足することによって、前記端末装置で必要とされたすべての機能を発揮させることができない場合、UIの作成を中止する処理を更に含むことを特徴とする。
【0027】
このように、いずれかの前記UIパーツが不足することによって、前記端末装置で必要とされたすべての機能を発揮させることができない場合、UIの作成を中止するので、不適切なUIが作成されることを防止することが可能となる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、平面上に構成されたUIイメージを光学的に読み取ることでデータ化されたUIイメージデータを、第1のデータベースに格納され前記端末装置の機能に対応付けられたイメージデータと照合し、前記UIイメージデータと前記端末装置の機能とを対応付け、前記UIイメージデータをUIパーツとして表示する位置および大きさを決定し、前記決定された位置および大きさで前記UIパーツを前記端末装置の機能を発揮させるためのUIとするので、予め規定されたUIパーツにより構成されるUIをその端末装置上に作成することが可能となる。これにより、ユーザは、例えば、雑誌等に付属するUIパーツ構成デザインや、その各UIパーツの並び方や大きさを変更して構成されるデザイン、また、規定のUIパーツを任意の紙面上に手書きすることで構成されるデザインといった、さまざまなUIパーツ構成デザインに基づいて、自由に端末装置上のGUをカスタマイズすることができる。即ち、従来のタッチパネルを有する端末装置のUIのように、予め規定されたものではなく、ユーザが自身の使い易さに基づき、紙面上で必要なUIパーツを自由に配置し、大きさを規定するだけで、直感的に端末上に所望のUIを実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明に係るUI作成装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】紙面上に図示されたUIイメージを示す図である。
【図3】紙面上に図示されたUIイメージを示す図である。
【図4】紙面上に図示されたUIイメージを示す図である。
【図5】紙面上に図示されたUIイメージを示す図である。
【図6】本実施形態に係るUI作成装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明のUI(User Interface)作成装置は、平面としての紙面上に示された記号や文字を画像認識し、予め規定されたUIパーツにより構成されるUIを端末装置としての情報端末上に作成する。また、紙面上でのユーザによる記号や文字の配置とそれらを囲む枠線の変更により、それらUIパーツの配置や大きさを自由に変更することを可能とする。以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。ただし、本発明は同形態に限定されるものではなく、同様の機能を有するあらゆる形態において実施することが可能である。
【0031】
図1は、本発明に係るUI作成装置の概略構成を示すブロック図である。画像読取部1は、紙面上に図示されたUIイメージを光学的に読み取る。例えば、携帯端末に搭載されたカメラ機能を用いることもできるし、スキャナ機能をもつ機器を用いることも可能である。
【0032】
図2〜図5は、紙面上に図示されたUIイメージを示す図である。紙面の点線が携帯端末における画面範囲を表しており、同点線で囲まれた部分が、実際に携帯端末の画面上に構成されることになるUIイメージである。操作対象定義部3は、画像読取部1において読み取ったUIイメージを画像認識し、そこに含まれる図、記号、文字情報と操作対象・条件DB7に登録されている操作対象情報を照合し、作成するUIの操作対象を決定する。ここで、UIの操作対象とは、紙面上に図示されたUIイメージにより、操作が可能となる機器、アプリケーション等を意味する。例えば、携帯端末上にUI作成装置が搭載されている場合、その携帯端末自体の基本操作、端末上で動作する任意のアプリケーションの操作、また、テレビのような他の機器を動作させるためのアプリケーションの操作等が、対象となる。
【0033】
操作対象・条件DB7には、これら対象となり得る操作毎に一意に定義された図、記号や文字情報が登録されており、操作対象・条件DB7の登録情報と読み取ったUIイメージに含まれる図、記号や文字情報を照合することにより、操作対象を決定することができる。即ち、同様のUIイメージを、異なる操作を対象として利用することも可能である。また、操作対象を決定するための情報を紙面上の特定位置に配置するよう定めておくことで、同情報を容易に得ることができる。
【0034】
図2においては、「“対象”携帯端末基本」という記述があり、これが操作対象を決定付ける情報となっている。この例では、紙面上のUIイメージが、携帯端末の基本画面に構成されるUIとなることを表している。
【0035】
操作条件定義部5は、画像読取部1において読み取ったUIイメージを画像認識し、そこに含まれる図、記号や文字情報と操作対象・条件DB7に登録されている操作条件情報を照合し、作成するUIの操作条件を決定する。ここで、UIの操作条件には、時刻、場所や操作回数を設定することができる。例えば、街頭に掲示されたポスター等にUIイメージが図示されており、その場所でのみ関連するアプリケーションを操作できるよう、操作条件として場所を設定することが挙げられる。また、コンサート等のイベントで配布された紙面にUIイメージが図示されており、関連するアプリケーションを、そのイベントが開催されている時間帯だけ限定して操作できたり、または規定回数だけ操作できたりする条件を課すことも可能となる。
【0036】
操作対象に関する情報と同様、操作条件の情報についても、紙面上の特定位置に配置するよう定めておくことで、容易にその情報を得ることができるようになる。図2においては、「“条件”なし」という記述があり、これが操作条件を決定付ける情報となっている。即ち、この例では、紙面上のUIイメージにより構成される携帯端末の基本画面UIに利用条件は無く、ユーザは時刻や場所に依らず、いつでも利用することが可能であることを表している。
【0037】
UIパーツ定義部9は、画像読取部1において読み取ったUIイメージを画像認識し、そこに含まれるひとつ以上の図、記号や文字情報とUIパーツDB15に登録されているUIパーツ情報を照合し、それぞれのUIパーツの特定とそのパーツに紐付けられた操作内容を決定する。
【0038】
ここで、UIパーツDB15には、操作対象毎にUIパーツが登録されている。即ち、同じ図、記号や文字で表現されたUIパーツであっても、異なる操作対象においては異なる操作内容を定義することができる。図2においては、丸1の図が電話機能、丸2の図がメール機能、丸3の図がインターネット接続機能をそれぞれ起動するためのUIパーツを表している。これらの図と「○○を起動する」という操作内容は、「携帯端末基本」という操作対象においてUIパーツDB15に登録されており、画像認識して得られた図と照合することにより、携帯端末上に構成するUIパーツそれぞれの操作内容が決定される。
【0039】
図3においては、丸3の図に代わり、丸4の図のような音楽プレイヤー機能を起動するためのUIパーツが紙面上に配置されている。丸4の図についても、UIパーツDB15に操作対象「携帯端末基本」として登録されている。UIイメージとしては、例えば雑誌等の紙面上に掲載されたUIパーツの構成をそのまま利用することもできるし、掲載された各UIパーツをユーザが切り取り、任意の配置で構成し直したものを利用することもできる。また、UIパーツは必ずしも印刷されたものでなくとも良く、ユーザが手描きで作成することもできる。
【0040】
UIパーツエリア定義部11は、UIパーツ定義部9において決定されたUIパーツを取り囲む枠線によって定義されるUIパーツエリアを決定する。例えば、図2においては、丸1、丸2、丸3のそれぞれのUIパーツを取り囲む枠線が、携帯端末上に構成されるUIのキーの配置、および大きさを定義している。ここで、紙面上に点線で表された画面範囲と実際の携帯端末の画面サイズとの比較により、それぞれのUIキーの大きさは画面サイズに合致するよう拡大、または縮小される。
【0041】
図4に示すように、UIパーツ丸1と丸3を入れ替えれば、携帯端末上に構成されるUIキーの配置も入れ替わる。また、図5に示すように、丸2、丸3のUIパーツの配置、および大きさを変更することで、携帯端末上に構成されるUIキーの配置、大きさを変更することもできる。UIパーツエリアも、雑誌等の紙面上で予め定義されたUIイメージをそのまま利用することもできるし、ユーザが任意に配置したUIパーツの周囲を取り囲む枠線を描くことで、定義することも可能である。
【0042】
UIパーツ検査部13は、操作対象についてUIパーツDB15に登録されていないUIパーツが存在する場合にユーザへ警告を与え、UI作成装置における処理を中止する。例えば、操作対象「携帯端末基本」として丸1、丸2、丸3の図がUIパーツとして登録されており、丸4の図が登録されていない場合、紙面上のUIイメージが図2であれば問題無くUI作成部17へ処理を遷移するが、図3の場合は、丸4の登録が無いため、この時点で処理を中止する。また、UIパーツ検査部13は、操作対象・条件DB7において操作対象毎に定められた必須UIパーツに不足がある場合、ユーザへ警告を与え、UI作成装置における処理を中止する。例えば、操作対象「携帯端末基本」において、丸1電話機能、丸2メール機能の起動操作用UIパーツが必須であると定められている場合、図2の紙面上のUIイメージの丸1、丸2のうち何れかが欠けると、処理が中止されることとなる。
【0043】
UI作成部17は、UIパーツ検査部13において処理中止対象とならなかったUIイメージを携帯端末上に構成し、また、それぞれのUIキーの操作内容が実際に動作するよう処理する。UI保存部19は、携帯端末上に構成されたUIを保存し、その後も利用可能とする。ただし、操作条件が与えられている場合は、その条件において動作が許可されている間のみ利用可能とする。ここで、既に同じ操作対象のUIが保存されている場合、それを更新するか、あるいは別途保存するかの選択をユーザから受け付ける。
【0044】
次に、以上のように構成された本実施形態に係るUI作成装置の動作について説明する。図6は、本実施形態に係るUI作成装置の動作を示すフローチャートである。まず、画像読取部1からUIイメージを読み取る(ステップS101)。次に、UIの操作対象を決定し(ステップS102)、UIの操作条件を決定する(ステップS103)。次に、新しいUIパーツを検出したかどうかを判断し(ステップS104)。新しいUIパーツを検出していなければ、ステップS108へ遷移する。
【0045】
一方、ステップS104において、新しいUIパーツを検出した場合は、UIパーツがUIパーツDB15に存在しているかどうかを判断する(ステップS105)。UIパーツがUIパーツDB15に存在していない場合は、処理を中止し(ステップS114)、終了する。一方、ステップS105において、UIパーツがUIパーツDB15に存在している場合は、UIパーツを定義し(ステップS106)、UIパーツエリアを定義する(ステップS107)。
【0046】
次に、操作対象となる必須のUIパーツが全て存在しているかどうかを判断し(ステップS108)、操作対象となる必須のUIパーツが全て存在していない場合は(ステップS114)、処理を中止する。一方、操作対象となる必須のUIパーツが全て存在している場合は、UIを作成する(ステップS109)。次に、同一操作対象のUIが既に存在しているかどうかを判断し(ステップS110)、同一操作対象のUIが既に存在している場合は、既存UIを置換するかどうかを判断する(ステップS111)。既存UIを置換しない場合は、ステップS113へ遷移し、既存UIを置換する場合は、既存UIを置換保存して(ステップS112)、終了する。
【0047】
一方、ステップS110において、同一操作対象のUIパーツが既に存在していない場合は、UIを新規保存し(ステップS113)、終了する。
【0048】
以上説明したように、本実施形態に係るUI作成装置によれば、情報端末により紙面上に図示された記号や文字を画像認識することで、予め規定されたUIパーツにより構成されるUIをその情報端末上に作成することが可能となる。これにより、ユーザは、雑誌等に付属するUIパーツ構成デザインや、その各UIパーツの並びや大きさを変更して構成されるデザイン、また、規定のUIパーツを任意の紙面上に手書きすることで構成されるデザインといった、さまざまなUIパーツ構成デザインを基に、自由に情報端末上のUIをカスタマイズすることができる。即ち、従来のタッチパネルを有する端末のUIのように、予め規定されたものではなく、ユーザが自身の使い易さに基づき、紙面上で必要なUIパーツを自由に配置し、大きさを規定するだけで、直感的に端末上に所望のUIを実現することができる。
【符号の説明】
【0049】
1 画像読取部
3 操作対象定義部
5 操作条件定義部
7 操作対象・条件DB
9 UIパーツ定義部
11 UIパーツエリア定義部
13 UIパーツ検査部
15 UIパーツDB
17 UI作成部
19 UI保存部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
UI(User Interface)を有する端末装置に適用されるUI作成装置であって、
平面上に構成されたUIイメージを光学的に読み取ることでデータ化されたUIイメージデータを、第1のデータベースに格納され前記端末装置の機能に対応付けられたイメージデータと照合し、前記UIイメージデータと前記端末装置の機能とを対応付けるUIパーツ定義部と、
前記UIイメージデータをUIパーツとして表示する位置および大きさを決定するUIパーツエリア定義部と、
前記決定された位置および大きさで前記UIパーツを前記端末装置の機能を発揮させるためのUIとするUI作成部と、を備えることを特徴とするUI作成装置。
【請求項2】
前記データ化されたUIイメージデータに、第2のデータベースに格納された前記端末装置の機能を対応付ける操作対象定義部を更に備えることを特徴とする請求項1記載のUI作成装置。
【請求項3】
前記データ化されたUIイメージデータに、ユーザの操作条件を設定する操作条件定義部を更に備えることを特徴とする請求項1または請求項2記載のUI作成装置。
【請求項4】
前記データ化されたUIイメージデータが、前記第1のデータベースに存在しない場合はユーザに対して警告を発するUIパーツ検査部を更に備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のUI作成装置。
【請求項5】
前記UIパーツ検査部は、いずれかの前記UIパーツが不足することによって、前記端末装置で必要とされたすべての機能を発揮させることができない場合、UIの作成を中止することを特徴とする請求項4記載のUI作成装置。
【請求項6】
UI(User Interface)を有する端末装置に適用されるUI作成プログラムであって、
平面上に構成されたUIイメージを光学的に読み取る処理と、
前記UIイメージが読み取られデータ化されたUIイメージデータを、第1のデータベースに格納され前記端末装置の機能に対応付けられたイメージデータと照合し、前記UIイメージデータと前記端末装置の機能とを対応付ける処理と、
前記UIイメージデータをUIパーツとして表示する位置および大きさを決定する処理と、
前記決定された位置および大きさで前記UIパーツを前記端末装置の機能を発揮させるためのUIとする処理と、の一連の処理を、コンピュータに実行させることを特徴とするUI作成プログラム。
【請求項7】
前記データ化されたUIイメージデータに、第2のデータベースに格納された前記端末装置の機能を対応付ける処理を更に含むことを特徴とする請求項6記載のUI作成プログラム。
【請求項8】
前記データ化されたUIイメージデータに、ユーザの操作条件を設定する処理を更に含むことを特徴とする請求項6または請求項7記載のUI作成プログラム。
【請求項9】
前記データ化されたUIイメージデータが、前記第1のデータベースに存在しない場合はユーザに対して警告を発する処理を更に含むことを特徴とする請求項6から請求項8のいずれかに記載のUI作成プログラム。
【請求項10】
いずれかの前記UIパーツが不足することによって、前記端末装置で必要とされたすべての機能を発揮させることができない場合、UIの作成を中止する処理を更に含むことを特徴とする請求項9記載のUI作成プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−25612(P2013−25612A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−160678(P2011−160678)
【出願日】平成23年7月22日(2011.7.22)
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)
【Fターム(参考)】