USBメモリの利用回数表示装置
【課題】USBメモリを許可無く利用することを牽制するために、USBメモリの利用回数を表示する表示装置を提供する。
【解決手段】表示装置10は、第1のUSBコネクタ1cを端部に設けたUSBメモリ1を接続可能なUSBポート1pを少なくとも有するパソコン5に備えられている。パソコン5は、複数の数字車21n〜25nを連動可能に配置してカウント数を一列に表示する機械式のカウンタ装置20と、第1のUSBコネクタ1cをUSBポート1pに挿入すると、カウンタ装置20のカウント数を一つ加算するようにカウンタ装置20に連結する連結装置30と、を内部に備える。パソコン5のパネル51は、カウンタ装置20のカウント数を表示する窓5wを有し、窓5wは、外部から視覚が容易な位置に配置されている。
【解決手段】表示装置10は、第1のUSBコネクタ1cを端部に設けたUSBメモリ1を接続可能なUSBポート1pを少なくとも有するパソコン5に備えられている。パソコン5は、複数の数字車21n〜25nを連動可能に配置してカウント数を一列に表示する機械式のカウンタ装置20と、第1のUSBコネクタ1cをUSBポート1pに挿入すると、カウンタ装置20のカウント数を一つ加算するようにカウンタ装置20に連結する連結装置30と、を内部に備える。パソコン5のパネル51は、カウンタ装置20のカウント数を表示する窓5wを有し、窓5wは、外部から視覚が容易な位置に配置されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、USBメモリの利用回数表示装置に関する。特に、パソコンなどの電子機器に備わるUSB(Universal Serial Bus)ポートに接続するUSBメモリの利用回数を表示する装置の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
USBメモリは、USBを用いる電子機器に接続して、データを読み書きする補助記憶装置の一種である。USBメモリは、本体(筐体)の端部にUSBコネクタを備え、ケーブルを介することなく、USBポートに直結できる。USBメモリは、小型・軽量であり、携帯が容易であるという特徴を有している。又、本体に備わるフラッシュメモリは、データの読み書き速度も早く、そのメモリ容量も増大していることから、USBメモリの普及が進展している。
【0003】
一方、USBメモリは、小型で持ち運びが容易であることに起因して、紛失や盗難が発生し、保存しておいた機密情報が漏洩するというセキュリティ上の心配がある。このような情報漏洩を防止するため、指紋認証機能をUSBメモリに組み込んだ技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−166049号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、USBメモリは持ち運びに便利であるが、例えば、私用のUSBメモリを会社のパソコンに接続して利用することは、セキュリティ上好ましくない。そこで、会社専用のUSBメモリを用意して、複数の社員によって共用させる、といった利用法が考えられる。この場合、USBメモリの無許可利用による紛失・盗難を防止するために、紙の利用簿に、利用者の名前やUSBメモリの識別番号、利用日時を記録した利用者のみにUSBメモリの利用を承認する、といった管理を行う必要がある。
【0006】
しかし、紙の利用簿の場合には、記録の付け忘れや意図的に記載しないなど、承認のない利用を把握することは困難であった。そこで、USBメモリの利用を把握するためには、特許文献1のような、指紋認証機能付USBメモリを利用することがあげられる。しかし、この場合は、許可された利用者のみが利用できるという利点がある反面、指紋の登録作業などが必要で運用が煩雑であった。その一方で、紙の利用簿を用いた管理では、現在、誰が利用しているのかを利用簿を見ることによって簡単に判別できる、という便利な一面もある。
【0007】
このため、紙の利用簿を用いた管理においては、利用者が利用簿に必要事項を記載することが重要になる。そこで、USBメモリを電子機器に接続したときに、USBメモリの利用回数を表示して、利用簿に記載しない利用を牽制し、利用簿に記載しようとする気持ちを喚起させるような工夫を施すことが望まれる。そして、以上のことが本発明の課題といってよい。
【0008】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、USBメモリを許可無く利用することを牽制するために、パソコンなどの電子機器に備わるUSBポートに接続するUSBメモリの利用回数を表示するUSBメモリの利用回数表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、電子機器に備わるUSBポートにUSBメモリを接続すると、これまでのUSBメモリの利用回数にプラス「1」を加算して、その利用回数を表示ことにより、USBメモリを許可無く利用することを牽制することが可能であると考え、これに基づいて、以下のような新たなUSBメモリの利用回数表示装置を発明するに至った。
【0010】
(1)本発明によるUSBメモリの利用回数表示装置は、第1のUSBコネクタを端部に設けたUSBメモリを接続可能なUSBポートを少なくとも有する電子機器に備えたUSBメモリの利用回数表示装置であって、前記電子機器は、複数の数字車を連動可能に配置してカウント数を一列に表示する機械式のカウンタ装置と、前記第1のUSBコネクタを前記USBポートに挿入すると、前記カウンタ装置のカウント数を一つ加算するように、前記カウンタ装置に連結する連結装置と、を内部に備え、前記電子機器のパネルは、前記カウンタ装置のカウント数を表示する窓を有し、この窓は、外部から視覚が容易な位置に配置されている。
【0011】
(2)本発明によるUSBメモリの利用回数表示装置は、第1のUSBコネクタを端部に設けたUSBメモリを接続可能なUSBポートを少なくとも有する電子機器の当該USBポートに取り付けたUSBメモリの利用回数表示装置であって、前記USBポートに挿抜可能な第2のUSBコネクタを一端部に有し、前記第1のUSBコネクタが接続されるUSBスロットを他端部に開口する本体を備え、前記本体は、前記第2のUSBコネクタが前記USBポートに挿入された状態で、当該USBポートと当該第2のUSBコネクタとの接続を維持するロック機構と、前記USBメモリの挿入回数を表示するカウント表示手段と、を有する。
【0012】
(3)前記カウンタ装置は、複数の前記数字車の内、一桁の位の数字を表示する一桁目の数字車と一体に回転すると共に、鋸刃状のラチェット歯を端面から突出するラチェット車を備え、前記連結装置は、前記ラチェット車が間欠的に一方向に回転するように、前記ラチェット歯に向かって進退する直動棒と、前記USBポートに挿抜される前記第1のUSBコネクタに連動して進退するスライダと、一端部が前記直動棒に連結し、他端部が前記スライダに連結する遥動可能なベルクランクと、を備え、前記ベルクランクは、前記第1のUSBコネクタを前記USBポートに挿入すると、一方の方向に回動して前記直動棒を進出させ、前記第1のUSBコネクタを前記USBポートから抜去すると、他方の方向に回動して前記直動棒を後退させてもよい。
【0013】
(4)前記カウント表示手段は、液晶表示装置からなることが好ましい。
【0014】
(5)前記カウンタ装置は、前記USBポートへの前記第1のUSBコネクタの挿入回数を少なくとも5桁の数字で前記窓に表示することが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によるUSBメモリの利用回数表示装置は、パソコンなどの電子機器に設けたUSBポートにUSBメモリを接続すると、これまでのUSBメモリの利用回数にカウント数を一つ加算した累積カウント数が外部から視覚が容易に電子機器のパネルに表示されるので、利用簿に記録されたカウント数を検証して、許可のない利用の把握が容易になるという効果がある。又、累積カウント数が外部から視覚が容易に電子機器のパネルに表示され、利用簿に記載のない利用がカウンタ装置に残ってしまうため、利用簿に記載しない利用をさせないように利用者に対して心理的に牽制すると共に、利用簿に記載しようとする気持ちを喚起させることが可能になる。
【0016】
又、本発明によるUSBメモリの利用回数表示装置は、パソコンなどの電子機器に設けたUSBポートにロックされる本体を備え、この本体にUSBメモリを接続すると、これまでのUSBメモリの利用回数にカウント数を一つ加算した累積カウント数が本体に表示されるので、利用簿に記録されたカウント数を検証して、許可のない利用の把握が容易になるという効果がある。又、累積カウント数が本体に表示され、利用簿に記載のない利用が本体に残ってしまうため、利用簿に記載しない利用をさせないように利用者に対して心理的に牽制すると共に、利用簿に記載しようとする気持ちを喚起させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置を備える電子機器の一例を示す正面図である。
【図2】第1実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置の構成を示す正面図であり、電子機器のパネルに取り付けた状態図である。
【図3】第1実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置に備わるカウンタ装置の構成を示す図であり、図3(A)は、カウンタ装置の平面図、図3(B)は、カウンタ装置の右面図、図3(C)は、図3(A)のC−C矢視断面図、図3(D)は、図3(A)のD−D矢視断面図である。
【図4】第1実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置の構成を示す平面図であり、USBポートにUSBメモリが挿入される前の状態図である。
【図5】第1実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置の構成を示す正面図であり、USBポートにUSBメモリが挿入される前の状態図である。
【図6】第1実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置の構成を示す平面図であり、USBポートにUSBメモリが挿入された状態図である。
【図7】第1実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置の構成を示す正面図であり、USBポートにUSBメモリが挿入された状態図である。
【図8】第1実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置の作用を示す要部拡大平面図であり、図8(A)は、カウント数が増加する前の状態図、図8(B)は、カウント数が増加する直前の状態図、図8(C)は、カウント数が増加した状態図である。
【図9】本発明の第2実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置を備える電子機器の一例を示す正面図である。
【図10】第2実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置の構成を示す斜視図であり、第2実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置にUSBメモリが接続された状態図である。
【図11】第2実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置に備わるUSBアダプタの構成を示す斜視分解組立図であり、第2実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置にUSBメモリが接続される前の状態図である。
【図12】第2実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置の構成を示す右側面図であり、第2実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置をUSBポートに取り付けた状態図である。
【図13】第2実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置の電気的構成を示す回路ブロック図である。
【図14】第2実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置の電気的構成を示す回路ブロック図であり、図14(A)は、第2実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置にUSBメモリが接続される前の状態図、図14(B)は、第2実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置にUSBメモリが接続された状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本実施形態においては、USBメモリが接続される電子機器としてパーソナルコンピュータ(以下、パソコンと略称する)を一例に説明する。
【0019】
[第1実施形態]
(USBメモリの利用回数表示装置の構成)
最初に、本発明の第1実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置の構成を説明する。図1は、本発明の第1実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置を備える電子機器の一例を示す正面図である。図2は、第1実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置の構成を示す正面図であり、電子機器のパネルに取り付けた状態図である。
【0020】
図1又は図2を参照すると、本発明の第1実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置(以下、表示装置と略称する)10は、後述する機械式のカウンタ装置20及び連結装置30をパソコン5の内部に備えている。
【0021】
図1を参照すると、USBメモリ1は、本体1bの端部に第1のUSBコネクタ1cを設けている。そして、図1又は図2を参照すると、パソコン5は、第1のUSBコネクタ1cを端部に設けたUSBメモリ1を接続可能なUSBポート1pを少なくとも有している。
【0022】
図1又は図2を参照すると、カウンタ装置20は、五つの数字車21n〜25n(図3参照)を連動可能に配置してカウント数を一列に表示できる。連結装置30は、カウンタ装置20に連結している。第1のUSBコネクタ1cをUSBポート1pに挿入すると、カウンタ装置20のカウント数を一つ加算できる。
【0023】
図1又図2を参照して、第1のUSBコネクタ1cをUSBポート1pに挿入すると、カウンタ装置20のカウント数を一つ加算して、パソコン5の前面に設けたパネル51に開口した窓5wに表示できる。つまり、USBメモリ1をUSBポート1pに挿入すると、USBメモリ1の利用回数が窓5wに表示される。なお、USBメモリ1の構造は、後述する第2実施形態で詳しく説明する。
【0024】
(カウンタ装置の構成)
次に、カウンタ装置20の構成を説明する。図3は、第1実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置に備わるカウンタ装置の構成を示す図であり、図3(A)は、カウンタ装置の平面図、図3(B)は、カウンタ装置の右面図、図3(C)は、図3(A)のC−C矢視断面図、図3(D)は、図3(A)のD−D矢視断面図である。
【0025】
図3を参照すると、カウンタ装置20は、五桁の数字を一列に表示する五つの数字車21n〜25nを備えている。又、カウンタ装置20は、これらの数字車21n〜25nの内、一桁の位の数字を表示する一桁目の数字車21nと一体に回転すると共に、鋸刃状のラチェット歯21rを端面から突出するラチェット車2rを備えている。
【0026】
図3を参照すると、五つの数字車21n〜25nは、支軸21sに回転可能に並列支持されている。又、五つの数字車21n〜25nは、「0」〜「9」の数字をそれらの外周面に刻印している。ラチェット車2rは、十枚のラチェット歯21rを有し、ラチェット歯21rを間欠動作させることにより、一桁目の数字車21nの数字を変化できる。
【0027】
図3(A)及び図3(C)を参照すると、十桁から一万桁の位の数字を表示する数字車22n〜25nの一方の端面には、二十枚の歯を有する大歯車2bgを固定している。これらの大歯車2bgは、六枚の歯を有する小歯車22g〜25gに常時噛み合っている。これらの小歯車22g〜25gは、支軸21sに回転可能に支持されている。
【0028】
一方、図3(A)及び図3(D)を参照すると、一桁から千桁の位の数字を表示する数字車21n〜24nの他方の端面には、ロッキングディスク2dとセグメント2sを固定している。セグメント2sは、二枚の歯を有する欠歯歯車状に形成され、ロッキングディスク2dは、二枚の歯の間に位置する部分が切り欠かれている。したがって、ロッキングディスク2d及びセグメント2sは、この切り欠き部分でのみ小歯車22g〜25gと噛み合うことができる。
【0029】
図3を参照すると、小歯車22g〜25gは、大歯車2bgと常時噛み合う六枚歯の部分と六枚歯を一つ毎に欠損させた三枚歯の部分が一体に構成され、三枚歯の部分がロッキングディスク2d及びセグメント2sと噛み合うことができる。
【0030】
例えば、一桁目の数字車21nを回転させて、図3(D)に示す位置に来ると、小歯車22gの三枚歯の部分とセグメント2sが噛み合って、小歯車22gを一歯分(実質的に二歯分)回転できる。同時に、図3(C)を参照すると、十桁目の数字車22nは、小歯車22gの六枚歯の部分と大歯車2bgが噛み合って、二歯分回転させられる。
【0031】
図3(D)を参照して、一桁目の数字車21nを更に回転させて、セグメント2sと小歯車22gの噛み合いが解除されると、小歯車22gの三枚歯の部分の対向する二つの歯面はロッキングディスク2dの円周面に当接して、小歯車22gの回転は不可能になる。つまり、十桁目の数字車22nは、一桁目の数字車21nがセグメント2sに噛み合うまで停止している。
【0032】
図3を参照すると、このように、カウンタ装置20は、低位桁の数字車の1回転(一周)を高位桁の数字車に1/10回転分だけ連動して、ラチェット車2rの回転数をカウント数として一列に表示することができる。
【0033】
(連結装置の構成)
次に、連結装置30の構成を説明する。図4は、第1実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置の構成を示す平面図であり、USBポートにUSBメモリが挿入される前の状態図である。図5は、第1実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置の構成を示す平面図であり、USBポートにUSBメモリが挿入される前の状態図である。
【0034】
図6は、第1実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置の構成を示す平面図であり、USBポートにUSBメモリが挿入された状態図である。図7は、第1実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置の構成を示す正面図であり、USBポートにUSBメモリが挿入された状態図である。
【0035】
図4から図7を参照すると、連結装置30は、直動棒31、スライダ32、及びベルクランク33を備えている。直動棒31は、ラチェット歯21rに向かって進退でき、ラチェット車2rを間欠的に一方向に回転できる。
【0036】
図4から図7を参照すると、スライダ32は、USBポート1pに挿抜される第1のUSBコネクタ1c(図1参照)に連動して進退できる。ベルクランク33は、一端部が直動棒31に連結し、他端部がスライダ32に連結している。又、ベルクランク33の中間部は、支柱33pに回転可能に支持され、シーソーのように、両端部を交互に遥動できる。支柱33pには、ねじりコイルばね34を取り付けている。ねじりコイルばね34は、ベルクランク33が時計方向に回転する力を付勢している。
【0037】
図4から図7を参照すると、カウンタ装置20及び連結装置30は、箱状のフレーム35fの内部に設置されている。そして、フレーム35fの内部には、ブラケット36bを設けている。支軸21s及び支軸22sの一方の端部は、フレーム35fの側面に支持されている。支軸21s及び支軸22sの他方の端部は、ブラケット36bの側面に支持されている。
【0038】
更に、図4から図7を参照すると、フレーム35fの前面には、拡大レンズ35cを配置している。そして、図1又は図2を参照すると、カウンタ装置20のカウント数は、パソコン5の前面に設けたパネル51に開口した窓5wに拡大されて表示できるようになっている。
【0039】
又、図4から図7を参照すると、フレーム35fの側面及びブラケット36bの側面には、対向する一対のガイドレール321・321を設けている。スライダ32は、これらのガイドレール321・321に案内されて、進退運動のみが許容されるように配置されている。
【0040】
図4から図7を参照すると、フレーム35fの底面には、直動棒31を進退自在に支持する支持台311を立設している。又、直動棒31の基端部には、ピン31pを設けている。一方、ベルクランク33に設けた短いアーム33aには、ピン31pに連結する溝穴を形成している。そして、短いアーム33aの揺動運動を直動棒31の進退運動に変換できる。又、直動棒31の進退運動を短いアーム33aの揺動運動に変換できる。
【0041】
又、図4から図7を参照すると、スライダ32は、ピン32pを下方に突出している。一方、ベルクランク33に設けた長いアーム33bには、ピン32pに連結する溝穴を形成している。そして、スライダ32の進退運動を長いアーム33bの揺動運動に変換できる。又、長いアーム33bの揺動運動をスライダ32の進退運動に変換できる。
【0042】
図4又は図5に示された状態から、図6又は図7に示すように、USBポート1pに第1のUSBコネクタ1cを挿入すると、ベルクランク33を反時計方向に回転でき、直動棒31の先端部をラチェット歯21rに向かって進出できる。そして、ラチェット車2rを回転できる。
【0043】
図6又は図7に示された状態から、第1のUSBコネクタ1cを抜去すると、ねじりコイルばね34の付勢力でベルクランク33を時計方向に回転でき、図4又は図5に示すように、スライダ32及び直動棒31を初期の状態に復帰できる。
【0044】
このように、図4から図7を参照すると、連結装置30は、ベルクランク33を介して、スライダ32の進退運動を直動棒31の進退運動に変換している。図4又は図6を参照すると、ベルクランク33は、短いアーム33aと長いアーム33bで構成している。したがって、連結装置30は、スライダ32に加えた小さな力で、直動棒31に大きな力を作用できる、倍力装置を構成している。
【0045】
(USBメモリの利用回数表示装置の作用)
次に、第1実施形態による表示装置10の構成を補足しながら、表示装置10の作用及び効果を説明する。図8は、第1実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置の作用を示す要部拡大平面図であり、図8(A)は、カウント数が増加する前の状態図、図8(B)は、カウント数が増加する直前の状態図、図8(C)は、カウント数が増加した状態図である。
【0046】
図3又図8に示すように、ラチェット車2rは、断面が鋸歯状のラチェット歯21rを一方の端面に突出している。ラチェット歯21rは、一桁目の数字車21nの外周面に表示された「0」〜「9」の数字に対応して、十枚突出させている。
【0047】
図3又図8を参照すると、これらのラチェット歯21rは、数字が大きくなる方向に斜面が下り傾斜するように、斜面が放射状に均等に配置されている。又、これらのラチェット歯21rは、ラチェット車2rの逆転を防止するために、ラチェット車2rの軸方向と略平行に形成された停止面を有している。なお、図8では、動作を理解し易くなるように、一桁目の数字車21n及びラチェット車2rを平面上に展開して示している。又、本明細書では、斜面と停止面で挟まれたV字状の空間をラチェット歯21rの切り欠きということもある。
【0048】
図8(A)を参照すると、USBメモリ1が挿入されていない状態では、直動棒31の先端部は、ラチェット歯R2の斜面の頂上近傍に当接している。そして、ラチェット車2rが逆方向(数字が減少する方向)に回転することが防止されている。又、このラチェット歯R2から離隔した他のラチェット歯R0には、ラチェット車2rが正方向(数字が増加する方向)に回転することを防止するために、板ばね31sを係合させている。
【0049】
図4から図8を参照すると、板ばね31sは、弾性変形可能な金属板からなり、基端部がフレーム35fに固定され、先端部がラチェット歯R0とラチェット歯R1の間の切り欠きに当接している(図8(A)参照)。図8(A)を参照すると、板ばね31sの先端部は、ラチェット歯21rの切り欠きの形状に見合うように、鋭角に屈曲されている。そして、板ばね31sは、他のラチェット歯21rの切り欠きに陥没して、ラチェット車2rの正回転又は逆回転を防止している。
【0050】
図6又は図7を参照して、USBメモリ1をUSBポート1pに挿入すると、連結装置30の動作に連動して、直動棒31の先端部をラチェット歯R2の斜面に向かって進出できる(図8(A)参照)。この場合、図8(A)を参照すると、直動棒31の先端部は、ラチェット歯R2の斜面にスライドし、ラチェット歯R2には、板ばね31sに抗して、ラチェット車2rを正回転させる分力が作用する。そして、一桁目の数字車21nの数字が増加する方向にラチェット車2rを回転させる。
【0051】
図8(A)に示された状態から図8(B)に示された状態に至る過程では、直動棒31が完全に進出したタイミングで、板ばね31sの先端部がラチェット歯R1を乗り越えて次のラチェット歯R1とラチェット歯R2の間の切り欠きに移動している(図8(B)参照)。
【0052】
図8(B)を参照すると、板ばね31sの先端部は、ラチェット歯R1の斜面に押圧力を付勢し、ラチェット車2rを正回転させる僅かな分力が作用する。そして、直動棒31の先端部がラチェット歯R3の停止面に当接するまで、ラチェット車2rを正回転させる。そして、図8(B)に示された状態では、窓5wに表示される数字は、正規の位置から僅かにずれているが、人間が目視するには、無視(錯覚)できる程度のずれ量である。
【0053】
図8(B)に示された状態から、USBメモリ1をUSBポート1pから抜去すると(図6又は図7参照)、直動棒31が後退し、図8(C)に示すように、直動棒31の先端部は、ラチェット歯R3の斜面の頂上近傍に当接している。又、図8(C)に示すように、このラチェット歯R3から離隔した他のラチェット歯R2には、ラチェット車2rの正回転又は逆回転を防止するために、板ばね31sが係合されている。
【0054】
このように、連結装置30は、USBメモリ1をUSBポート1pに挿入すると、カウンタ装置20のカウント数を一つ加算することができる。例えば、図5に示されるように、USBメモリ1がUSBポート1pに挿入される前において、窓5wから視認されるカウント数が「00007」であれば、USBメモリ1をUSBポート1pから引き抜いた後のカウント数は、図7に示すように、「00008」となる。
【0055】
なお、図3に示した実施形態によるカウンタ装置20は、カウント数を容易に変更できないように、カウント数を「0」にリセットする操作ボタンなどを設けていない。カウンタ装置20のカウント数を「0」にリセットする場合には、パソコン5からカウンタ装置20を取り外し、許可された者だけが「0」にリセットし、このカウンタ装置20を再び、パソコン5に取り付けることになる。
【0056】
例えば、会社などでは、複数の利用者によってUSBメモリ1を共用する場合には、USBメモリ1の無許可利用による紛失・盗難を防止するために、例えば、利用者に紙の利用簿の記入を義務づけている。
【0057】
利用簿の記入項目としては、利用者の名前、USBメモリ1の識別番号、利用日時、利用時のカウント数、返却日時、利用後のカウント数などがある。そして、USBメモリ1利用の際には、USBメモリ1の識別番号、利用日時、利用時のカウント数を利用簿に記入し、返却の際には、利用簿に、返却日時、利用後のカウント数を記入する。
【0058】
図1又は図2を参照して、仮に、承認のないUSBメモリ1の利用があった場合には、利用後のカウント数とパソコン5の窓5wに表示されているカウント数とが異なっている。このため、利用者が利用簿への記入を怠った場合には、その事実が管理者又は次の利用者に分かってしまうことから、利用簿への記入する意欲を喚起させることができる。このように、第1実施形態による表示装置10は、USBメモリ1の利用回数を表示することによって、利用簿へ記入しなければ利用させないように、利用者を牽制することが可能になる。
【0059】
[第2実施形態]
(USBメモリの利用回数表示装置の構成)
次に、本発明の第2実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置の構成を説明する。図9は、第2実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置を備える電子機器の一例を示す正面図である。図10は、第2実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置の構成を示す斜視図であり、第2実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置にUSBメモリが接続された状態図である。
【0060】
図11は、第2実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置に備わるUSBアダプタの構成を示す斜視分解組立図であり、第2実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置にUSBメモリが接続される前の状態図である。図12は、第2実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置の構成を示す右側面図であり、第2実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置をUSBポートに取り付けた状態図である。
【0061】
図9又は図11を参照すると、パソコン6は、第1のUSBコネクタ1cを端部に設けたUSBメモリ1を接続可能なUSBポート6pを少なくとも有している。そして、本発明の第2実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置(以下、USBアダプタと略称する)40は、パソコン6のUSBポート6pに取り付けられている。
【0062】
図10から図11を参照すると、USBアダプタ40は、直方体状の本体4bと第2のUSBコネクタ4cで構成している。本体4bは、USBポート6pと第2のUSBコネクタ4cの接続を維持するロック機構を備えている。第2のUSBコネクタ4cは、本体4bの一方の端部から突出するように配置されている。
【0063】
図10又は図11を参照すると、本体4bは、液晶表示装置41とUSBスロット4sを有している。液晶表示装置41は、USBメモリ1の挿入回数を表示するカウント表示手段を構成している。USBスロット4sは、本体4bの他方の端部に開口されている。USBメモリ1の端部に設けた第1のUSBコネクタ1cをUSBスロット4sに挿入して、USBメモリ1とUSBアダプタ40を機械的及び電気的に接続できる。
【0064】
図10又は図11を参照すると、第2のUSBコネクタ4cは、金属製のシェル41cと端子基板42cで構成している。シェル41cは、角筒状に成形されており、第2のUSBコネクタ4cの外殻を構成している。シェル41cの外壁には、一対のディンプル43c・43cを形成している。
【0065】
図9又は図10を参照すると、端子基板42cは、シェル41cの内部に配置されており、後述するUSB端子41t(図13参照)を一方の面に形成している。USB端子41tは、実体として、絶縁基板(プリント基板)の表面に露出された導電性のパターンであり、エッジコネクタと呼ばれることもある。そして、第2のUSBコネクタ4cは、USB端子41t(図13参照)をシェル41cの内部空間に露出している。
【0066】
図11を参照すると、USBスロット4sは、端子基板42sを内部に配置している。端子基板42sには、後述するUSB端子42t(図13参照)を設けている。そして、端子基板42sに設けたUSB端子42tは、端子基板42cに設けたUSB端子41tと直列に接続されている(図13参照)。
【0067】
図10又は図11を参照すると、USBメモリ1は、直方体状の本体1bと第1のUSBコネクタ1cで構成している。第1のUSBコネクタ1cは、本体1bの一方の端部から突出するように配置されている。又、本体1bは、フラッシュメモリ1mを内部に実装している。フラッシュメモリ1mは、電気的にデータの書き換えが可能な記憶素子であり、フラッシュROMとも称されている。
【0068】
図10又は図11を参照すると、第1のUSBコネクタ1cは、金属製のシェル11cと端子基板12cで構成している。シェル11cは、角筒状に成形されており、第1のUSBコネクタ1cの外殻を構成している。シェル11cの外壁には、一対のディンプル13c・13cを形成している。なお、第1のUSBコネクタ1cと第2のUSBコネクタ4cは構造的に同じものであるが、説明の便宜上、符号を変えて区別した。
【0069】
図11を参照すると、パソコン6は、USBポート6pを前面に開口している。USBポート6pは、端子基板62sを内部に配置している。USBアダプタ40の端部に設けた第2のUSBコネクタ4cをUSBポート6pに挿入して、USBポート6pとUSBアダプタ40を機械的及び電気的に接続できる。すなわち、USBメモリ1は、USBアダプタ40を介して、USBポート6pに接続できる。
【0070】
図11を参照すると、USBポート6pには、図示しない片持ち状の板ばねが内部に配置されている。そして、第2のUSBコネクタ4cをUSBポート6pに挿入すると、板ばね板の一部がディンプル43cに嵌合して、USBアダプタ40をUSBポート6pに保持できる。なお、USBスロット4sにも、図示しない片持ち状の板ばねが内部に配置されている。そして、第1のUSBコネクタ1cをUSBスロット4sに挿入すると、板ばね板の一部がディンプル13cに嵌合して、USBメモリ1をUSBアダプタ40に保持できる。
【0071】
図10又は図11を参照すると、USBアダプタ40の本体4bは、一対のフランジ4f・4fを更に有している。これらのフランジ4f・4fは、本体4bの一方の端部の両翼に突出するように形成されている。又、一対のフランジ4f・4fには、一対のねじ穴41h・41hを開口している。
【0072】
一方、図11を参照すると、USBポート6pの両翼には、一対の雌ねじ6s・6sを設けている。これらの雌ねじ6s・6sは、パソコン6のパネルに後加工できる。そして、一対のフランジ4f・4fを介して、一対の特殊ねじ7を雌ねじ6s・6sに締結することにより、USBアダプタ40の本体4bをパソコン6に固定できる(図9又は図12参照)。
【0073】
図11を参照すると、特殊ねじ7は、例えば、その頭部に五星状の溝が設けられ、図示しない特殊工具によってのみ回転できるようになっている。したがって、雌ねじ6sに特殊ねじ7が螺合された状態では、USBポート6pからUSBアダプタ40を取り外すことは、極めて困難である。すなわち、特殊ねじ7は、第2のUSBコネクタ4cがUSBポート6p挿入された状態で、USBアダプタ40の接続を維持するロック機構を構成している。
【0074】
次に、USBアダプタ40の電気回路の構成を説明する。図13は、第2実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置の電気的構成を示す回路ブロック図である。
【0075】
図10から図12を参照して、USBアダプタ40をUSBポート6pに装着し、更に、USBアダプタ40のUSBスロット4sに第1のUSBコネクタ1cを挿入することにより、USBメモリ1がパソコン6の補助記憶装置として利用可能になる。USBスロット4sに第1のUSBコネクタ1cを挿入すると、USB端子42がUSBアダプタ40を介して、USBポート6pに設けたUSB端子に電気的に接続される。これにより、パソコン6からフラッシュメモリ1m(図10又は図11参照)へのアクセスが可能になる。又、パソコン6からの操作によって、フラッシュメモリ1mに記憶されたデータの読み取りや、フラッシュメモリ1mへのデータの書き込みが可能になる。
【0076】
図13を参照すると、USBアダプタ40は、液晶表示装置41、USB端子41t・42t、制御回路43、カウントメモリ44、及び検知スイッチ35を備えている。
【0077】
図13を参照すると、USB端子41tは、端子基板42cに備えられ、USBポート6pに接続できる(図11参照)。USB端子42tは、端子基板42sに備えられ、USBメモリ1に設けた第1のUSBコネクタ1cに接続できる(図11参照)。USB端子41tとUSB端子42tとは、一対一に接続されている。これにより、USBメモリ1をUSBアダプタ40に接続した場合には、端子基板42cに備えたUSB端子41tが、USBメモリ1のUSB端子として機能できる。
【0078】
図13を参照すると、制御回路43は、液晶表示装置41の表示を主として制御し、液晶表示装置41、カウントメモリ44、及び検知スイッチ45と接続している。検知スイッチ45は、USBメモリ1がUSBスロット4sに挿入されたことを検知する機械的なスイッチである。
【0079】
図13を参照すると、検知スイッチ45は、USBメモリ1がUSBスロット4sに挿入されると「オン」になり、USBメモリ1をUSBスロット4sから抜去すると、「オフ」になるように動作する。液晶表示装置41は、USBメモリ1がUSBスロット4sに挿入した回数を5桁の数字で表示でき、検知スイッチ45が「オン」になる毎に、USBメモリ1の挿入回数がカウントアップされる。カウントメモリ44は、検知スイッチ45が「オン」になった回数を記憶する不揮発性メモリで構成されている。
【0080】
次に、液晶表示装置41によるカウント表示について説明する。図13を参照すると、制御回路43は、カウントメモリ44からカウント値を読み出して、液晶表示装置41に表示させる。これにより、USBメモリ1がUSBスロット4sに挿入されていない場合には、前回の利用時点におけるUSBメモリ1の挿入回数が表示される。
【0081】
図13を参照して、USBメモリ1の利用時において、USBメモリ1がUSBスロット4sに挿入されると、検知スイッチ45が「オン」になる。制御回路43は、検知スイッチ45が「オン」になったと判断すると、カウントメモリ44に記憶されているカウント値に「1」を加算した値に更新する制御を行う。
【0082】
図13を参照して、更に、制御回路43は、更新したカウント値に基づいて、液晶表示装置41に表示されているカウント数に「1」を加算した値に更新する制御を行う。これにより、USBアダプタ40の液晶表示装置41には、現時点におけるUSBメモリ1のUSBスロット4sへの挿入回数が表示される。このように、液晶表示装置41は、USBメモリ1の挿入回数を表示するカウント表示手段を構成している。
【0083】
(USBメモリの利用回数表示装置の作用)
次に、第2実施形態によるUSBアダプタ40の構成を補足しながら、USBアダプタ40の作用及び効果を説明する。
【0084】
図14は、第2実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置の電気的構成を示す回路ブロック図であり、図14(A)は、第2実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置にUSBメモリが接続される前の状態図、図14(B)は、第2実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置にUSBメモリが接続された状態図である。
【0085】
図14を参照すると、実施形態によるUSBアダプタ40は、検知スイッチ45をオン・オフさせる押圧機構を内部に備えている。検知スイッチ45は、プッシュ式のスイッチからなり、ボタン45aを押圧していない状態では「オフ」になり、ボタン45aを押圧している状態では「オン」になる。
【0086】
図14を参照すると、押圧機構は、スライダ46、付勢ばね47、及びねじりコイルばね48によって構成している。スライダ46は、USBスロット4sの奥部に配置されている。そして、スライダ46は、第1のUSBコネクタ1cの挿抜方向(図中、X1方向又はX2方向)にスライドできる。付勢ばね47は、第1のUSBコネクタ1cが抜去される方向(図中、X1方向)にスライダ46を付勢している。ねじりコイルばね48は、一端部がスライダ46に連結され、他端部がボタン45aに連結されている。そして、ねじりコイルばね48は、スライダ46の進退運動をボタン45aに伝達できる。
【0087】
図14(A)を参照すると、第1のUSBコネクタ1cがUSBスロット4sに挿入されていない状態では、スライダ46は、付勢ばね47に付勢されて、USBスロット4sの開口側に向けて突出した状態で維持されている。
【0088】
図14(B)を参照すると、第1のUSBコネクタ1cがUSBスロット4sに挿入された状態では、第1のUSBコネクタ1cに設けた端子基板12cの先端縁にスライダ46が当接する。次に、端子基板12cをUSBスロット4sの奥に挿入すると、スライダ46が端子基板12cによって押圧されて、奥側(図中X2方向)に移動する。スライダ46が移動すると、ねじりコイルばね48の一端部がスライダ46によって押圧され、更に、ねじりコイルばね48の他端部によってボタン45aが押圧され、検知スイッチ45が「オン」になる。
【0089】
図14を参照して、検知スイッチ45が「オン」になると、液晶表示装置41に表示されるカウント数が更新される。例えば、USBメモリ1がUSBスロット4sに挿入される前において、液晶表示装置41に表示されるカウント数が「00007」であれば(図14(A)参照)、USBメモリ1がUSBスロット4sに挿入され後のカウント数は「00008」となる(図14(B)参照)。なお、USBアダプタ40には、液晶表示装置41の表示内容をリセットする機能を設けていない。
【0090】
図9又は図14を参照すると、パソコン6に設けたUSBポート6pに固定されたUSBアダプタ40にUSBメモリ1を接続すると、これまでのUSBメモリ1の利用回数にカウント数を一つ加算した累積カウント数がUSBアダプタ40に設けた液晶表示装置41に表示されるので、利用簿に記録されたカウント数を検証して、許可のない利用の把握が容易になるという効果がある。
【0091】
又、図9から図14を参照すると、USBアダプタ40は、累積カウント数が本体4bに設けた液晶表示装置41に表示され、利用簿に記載のない利用がUSBアダプタ40の本体4bに残ってしまうため、利用簿に記載しない利用をさせないように利用者に対して心理的に牽制すると共に、利用簿に記載しようとする気持ちを喚起させることが可能になる。
【0092】
更に、USBアダプタ40は、USBメモリ1の挿入回数を5桁の数字で表示しているため、USBメモリ1の挿入回数を、99999回まで表示することが可能になる。このように、表示範囲を十分に確保することができる。又、フラッシュメモリの寿命は、数万回から数百万が限度であると言われている。このため、液晶表示装置41に表示されるカウント数を、USBメモリ1の寿命に関する情報として提供することが可能になる。
【0093】
又、USBアダプタ40は、例えば、利用簿の記録が「7」であり、利用者が利用簿の記入を忘れて、USBアダプタ40のカウント表示を「00008」にした場合において、USBアダプタ40のカウント表示を「00007」に戻すためには、リセット機能がないことから、USBメモリ1をUSBスロット4sに99999回、挿抜することになる。このため、USBメモリ1の挿入回数を5桁の数字で表示することにより、カウント表示の変更が容易にできなくなるという効果がある。
【0094】
このように、上述した実施形態においては、カウント数を5桁の数字で表示しているが、桁数は5桁に限るものではなく、それより桁が多くても少なくてもよい。ただし、USBメモリの挿抜を繰り返すことによって、カウント数をクリアできない程度の桁であることが望ましい。
【0095】
又、上述した実施形態においては、USB接続機器としてUSBメモリを例に説明したが、USBメモリ以外のUSB接続機器、例えば、ICレコーダや無線接続機器に適用することも可能である。
【符号の説明】
【0096】
1 USBメモリ
1c 第1のUSBコネクタ
1p USBポート
5 パソコン(電子機器)
10 表示装置(USBメモリの利用回数表示装置)
20 カウンタ装置
21n〜25n 複数の数字車
30 連結装置
5w 窓
51 パネル
【技術分野】
【0001】
本発明は、USBメモリの利用回数表示装置に関する。特に、パソコンなどの電子機器に備わるUSB(Universal Serial Bus)ポートに接続するUSBメモリの利用回数を表示する装置の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
USBメモリは、USBを用いる電子機器に接続して、データを読み書きする補助記憶装置の一種である。USBメモリは、本体(筐体)の端部にUSBコネクタを備え、ケーブルを介することなく、USBポートに直結できる。USBメモリは、小型・軽量であり、携帯が容易であるという特徴を有している。又、本体に備わるフラッシュメモリは、データの読み書き速度も早く、そのメモリ容量も増大していることから、USBメモリの普及が進展している。
【0003】
一方、USBメモリは、小型で持ち運びが容易であることに起因して、紛失や盗難が発生し、保存しておいた機密情報が漏洩するというセキュリティ上の心配がある。このような情報漏洩を防止するため、指紋認証機能をUSBメモリに組み込んだ技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−166049号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、USBメモリは持ち運びに便利であるが、例えば、私用のUSBメモリを会社のパソコンに接続して利用することは、セキュリティ上好ましくない。そこで、会社専用のUSBメモリを用意して、複数の社員によって共用させる、といった利用法が考えられる。この場合、USBメモリの無許可利用による紛失・盗難を防止するために、紙の利用簿に、利用者の名前やUSBメモリの識別番号、利用日時を記録した利用者のみにUSBメモリの利用を承認する、といった管理を行う必要がある。
【0006】
しかし、紙の利用簿の場合には、記録の付け忘れや意図的に記載しないなど、承認のない利用を把握することは困難であった。そこで、USBメモリの利用を把握するためには、特許文献1のような、指紋認証機能付USBメモリを利用することがあげられる。しかし、この場合は、許可された利用者のみが利用できるという利点がある反面、指紋の登録作業などが必要で運用が煩雑であった。その一方で、紙の利用簿を用いた管理では、現在、誰が利用しているのかを利用簿を見ることによって簡単に判別できる、という便利な一面もある。
【0007】
このため、紙の利用簿を用いた管理においては、利用者が利用簿に必要事項を記載することが重要になる。そこで、USBメモリを電子機器に接続したときに、USBメモリの利用回数を表示して、利用簿に記載しない利用を牽制し、利用簿に記載しようとする気持ちを喚起させるような工夫を施すことが望まれる。そして、以上のことが本発明の課題といってよい。
【0008】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、USBメモリを許可無く利用することを牽制するために、パソコンなどの電子機器に備わるUSBポートに接続するUSBメモリの利用回数を表示するUSBメモリの利用回数表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、電子機器に備わるUSBポートにUSBメモリを接続すると、これまでのUSBメモリの利用回数にプラス「1」を加算して、その利用回数を表示ことにより、USBメモリを許可無く利用することを牽制することが可能であると考え、これに基づいて、以下のような新たなUSBメモリの利用回数表示装置を発明するに至った。
【0010】
(1)本発明によるUSBメモリの利用回数表示装置は、第1のUSBコネクタを端部に設けたUSBメモリを接続可能なUSBポートを少なくとも有する電子機器に備えたUSBメモリの利用回数表示装置であって、前記電子機器は、複数の数字車を連動可能に配置してカウント数を一列に表示する機械式のカウンタ装置と、前記第1のUSBコネクタを前記USBポートに挿入すると、前記カウンタ装置のカウント数を一つ加算するように、前記カウンタ装置に連結する連結装置と、を内部に備え、前記電子機器のパネルは、前記カウンタ装置のカウント数を表示する窓を有し、この窓は、外部から視覚が容易な位置に配置されている。
【0011】
(2)本発明によるUSBメモリの利用回数表示装置は、第1のUSBコネクタを端部に設けたUSBメモリを接続可能なUSBポートを少なくとも有する電子機器の当該USBポートに取り付けたUSBメモリの利用回数表示装置であって、前記USBポートに挿抜可能な第2のUSBコネクタを一端部に有し、前記第1のUSBコネクタが接続されるUSBスロットを他端部に開口する本体を備え、前記本体は、前記第2のUSBコネクタが前記USBポートに挿入された状態で、当該USBポートと当該第2のUSBコネクタとの接続を維持するロック機構と、前記USBメモリの挿入回数を表示するカウント表示手段と、を有する。
【0012】
(3)前記カウンタ装置は、複数の前記数字車の内、一桁の位の数字を表示する一桁目の数字車と一体に回転すると共に、鋸刃状のラチェット歯を端面から突出するラチェット車を備え、前記連結装置は、前記ラチェット車が間欠的に一方向に回転するように、前記ラチェット歯に向かって進退する直動棒と、前記USBポートに挿抜される前記第1のUSBコネクタに連動して進退するスライダと、一端部が前記直動棒に連結し、他端部が前記スライダに連結する遥動可能なベルクランクと、を備え、前記ベルクランクは、前記第1のUSBコネクタを前記USBポートに挿入すると、一方の方向に回動して前記直動棒を進出させ、前記第1のUSBコネクタを前記USBポートから抜去すると、他方の方向に回動して前記直動棒を後退させてもよい。
【0013】
(4)前記カウント表示手段は、液晶表示装置からなることが好ましい。
【0014】
(5)前記カウンタ装置は、前記USBポートへの前記第1のUSBコネクタの挿入回数を少なくとも5桁の数字で前記窓に表示することが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によるUSBメモリの利用回数表示装置は、パソコンなどの電子機器に設けたUSBポートにUSBメモリを接続すると、これまでのUSBメモリの利用回数にカウント数を一つ加算した累積カウント数が外部から視覚が容易に電子機器のパネルに表示されるので、利用簿に記録されたカウント数を検証して、許可のない利用の把握が容易になるという効果がある。又、累積カウント数が外部から視覚が容易に電子機器のパネルに表示され、利用簿に記載のない利用がカウンタ装置に残ってしまうため、利用簿に記載しない利用をさせないように利用者に対して心理的に牽制すると共に、利用簿に記載しようとする気持ちを喚起させることが可能になる。
【0016】
又、本発明によるUSBメモリの利用回数表示装置は、パソコンなどの電子機器に設けたUSBポートにロックされる本体を備え、この本体にUSBメモリを接続すると、これまでのUSBメモリの利用回数にカウント数を一つ加算した累積カウント数が本体に表示されるので、利用簿に記録されたカウント数を検証して、許可のない利用の把握が容易になるという効果がある。又、累積カウント数が本体に表示され、利用簿に記載のない利用が本体に残ってしまうため、利用簿に記載しない利用をさせないように利用者に対して心理的に牽制すると共に、利用簿に記載しようとする気持ちを喚起させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置を備える電子機器の一例を示す正面図である。
【図2】第1実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置の構成を示す正面図であり、電子機器のパネルに取り付けた状態図である。
【図3】第1実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置に備わるカウンタ装置の構成を示す図であり、図3(A)は、カウンタ装置の平面図、図3(B)は、カウンタ装置の右面図、図3(C)は、図3(A)のC−C矢視断面図、図3(D)は、図3(A)のD−D矢視断面図である。
【図4】第1実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置の構成を示す平面図であり、USBポートにUSBメモリが挿入される前の状態図である。
【図5】第1実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置の構成を示す正面図であり、USBポートにUSBメモリが挿入される前の状態図である。
【図6】第1実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置の構成を示す平面図であり、USBポートにUSBメモリが挿入された状態図である。
【図7】第1実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置の構成を示す正面図であり、USBポートにUSBメモリが挿入された状態図である。
【図8】第1実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置の作用を示す要部拡大平面図であり、図8(A)は、カウント数が増加する前の状態図、図8(B)は、カウント数が増加する直前の状態図、図8(C)は、カウント数が増加した状態図である。
【図9】本発明の第2実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置を備える電子機器の一例を示す正面図である。
【図10】第2実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置の構成を示す斜視図であり、第2実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置にUSBメモリが接続された状態図である。
【図11】第2実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置に備わるUSBアダプタの構成を示す斜視分解組立図であり、第2実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置にUSBメモリが接続される前の状態図である。
【図12】第2実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置の構成を示す右側面図であり、第2実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置をUSBポートに取り付けた状態図である。
【図13】第2実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置の電気的構成を示す回路ブロック図である。
【図14】第2実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置の電気的構成を示す回路ブロック図であり、図14(A)は、第2実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置にUSBメモリが接続される前の状態図、図14(B)は、第2実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置にUSBメモリが接続された状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本実施形態においては、USBメモリが接続される電子機器としてパーソナルコンピュータ(以下、パソコンと略称する)を一例に説明する。
【0019】
[第1実施形態]
(USBメモリの利用回数表示装置の構成)
最初に、本発明の第1実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置の構成を説明する。図1は、本発明の第1実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置を備える電子機器の一例を示す正面図である。図2は、第1実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置の構成を示す正面図であり、電子機器のパネルに取り付けた状態図である。
【0020】
図1又は図2を参照すると、本発明の第1実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置(以下、表示装置と略称する)10は、後述する機械式のカウンタ装置20及び連結装置30をパソコン5の内部に備えている。
【0021】
図1を参照すると、USBメモリ1は、本体1bの端部に第1のUSBコネクタ1cを設けている。そして、図1又は図2を参照すると、パソコン5は、第1のUSBコネクタ1cを端部に設けたUSBメモリ1を接続可能なUSBポート1pを少なくとも有している。
【0022】
図1又は図2を参照すると、カウンタ装置20は、五つの数字車21n〜25n(図3参照)を連動可能に配置してカウント数を一列に表示できる。連結装置30は、カウンタ装置20に連結している。第1のUSBコネクタ1cをUSBポート1pに挿入すると、カウンタ装置20のカウント数を一つ加算できる。
【0023】
図1又図2を参照して、第1のUSBコネクタ1cをUSBポート1pに挿入すると、カウンタ装置20のカウント数を一つ加算して、パソコン5の前面に設けたパネル51に開口した窓5wに表示できる。つまり、USBメモリ1をUSBポート1pに挿入すると、USBメモリ1の利用回数が窓5wに表示される。なお、USBメモリ1の構造は、後述する第2実施形態で詳しく説明する。
【0024】
(カウンタ装置の構成)
次に、カウンタ装置20の構成を説明する。図3は、第1実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置に備わるカウンタ装置の構成を示す図であり、図3(A)は、カウンタ装置の平面図、図3(B)は、カウンタ装置の右面図、図3(C)は、図3(A)のC−C矢視断面図、図3(D)は、図3(A)のD−D矢視断面図である。
【0025】
図3を参照すると、カウンタ装置20は、五桁の数字を一列に表示する五つの数字車21n〜25nを備えている。又、カウンタ装置20は、これらの数字車21n〜25nの内、一桁の位の数字を表示する一桁目の数字車21nと一体に回転すると共に、鋸刃状のラチェット歯21rを端面から突出するラチェット車2rを備えている。
【0026】
図3を参照すると、五つの数字車21n〜25nは、支軸21sに回転可能に並列支持されている。又、五つの数字車21n〜25nは、「0」〜「9」の数字をそれらの外周面に刻印している。ラチェット車2rは、十枚のラチェット歯21rを有し、ラチェット歯21rを間欠動作させることにより、一桁目の数字車21nの数字を変化できる。
【0027】
図3(A)及び図3(C)を参照すると、十桁から一万桁の位の数字を表示する数字車22n〜25nの一方の端面には、二十枚の歯を有する大歯車2bgを固定している。これらの大歯車2bgは、六枚の歯を有する小歯車22g〜25gに常時噛み合っている。これらの小歯車22g〜25gは、支軸21sに回転可能に支持されている。
【0028】
一方、図3(A)及び図3(D)を参照すると、一桁から千桁の位の数字を表示する数字車21n〜24nの他方の端面には、ロッキングディスク2dとセグメント2sを固定している。セグメント2sは、二枚の歯を有する欠歯歯車状に形成され、ロッキングディスク2dは、二枚の歯の間に位置する部分が切り欠かれている。したがって、ロッキングディスク2d及びセグメント2sは、この切り欠き部分でのみ小歯車22g〜25gと噛み合うことができる。
【0029】
図3を参照すると、小歯車22g〜25gは、大歯車2bgと常時噛み合う六枚歯の部分と六枚歯を一つ毎に欠損させた三枚歯の部分が一体に構成され、三枚歯の部分がロッキングディスク2d及びセグメント2sと噛み合うことができる。
【0030】
例えば、一桁目の数字車21nを回転させて、図3(D)に示す位置に来ると、小歯車22gの三枚歯の部分とセグメント2sが噛み合って、小歯車22gを一歯分(実質的に二歯分)回転できる。同時に、図3(C)を参照すると、十桁目の数字車22nは、小歯車22gの六枚歯の部分と大歯車2bgが噛み合って、二歯分回転させられる。
【0031】
図3(D)を参照して、一桁目の数字車21nを更に回転させて、セグメント2sと小歯車22gの噛み合いが解除されると、小歯車22gの三枚歯の部分の対向する二つの歯面はロッキングディスク2dの円周面に当接して、小歯車22gの回転は不可能になる。つまり、十桁目の数字車22nは、一桁目の数字車21nがセグメント2sに噛み合うまで停止している。
【0032】
図3を参照すると、このように、カウンタ装置20は、低位桁の数字車の1回転(一周)を高位桁の数字車に1/10回転分だけ連動して、ラチェット車2rの回転数をカウント数として一列に表示することができる。
【0033】
(連結装置の構成)
次に、連結装置30の構成を説明する。図4は、第1実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置の構成を示す平面図であり、USBポートにUSBメモリが挿入される前の状態図である。図5は、第1実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置の構成を示す平面図であり、USBポートにUSBメモリが挿入される前の状態図である。
【0034】
図6は、第1実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置の構成を示す平面図であり、USBポートにUSBメモリが挿入された状態図である。図7は、第1実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置の構成を示す正面図であり、USBポートにUSBメモリが挿入された状態図である。
【0035】
図4から図7を参照すると、連結装置30は、直動棒31、スライダ32、及びベルクランク33を備えている。直動棒31は、ラチェット歯21rに向かって進退でき、ラチェット車2rを間欠的に一方向に回転できる。
【0036】
図4から図7を参照すると、スライダ32は、USBポート1pに挿抜される第1のUSBコネクタ1c(図1参照)に連動して進退できる。ベルクランク33は、一端部が直動棒31に連結し、他端部がスライダ32に連結している。又、ベルクランク33の中間部は、支柱33pに回転可能に支持され、シーソーのように、両端部を交互に遥動できる。支柱33pには、ねじりコイルばね34を取り付けている。ねじりコイルばね34は、ベルクランク33が時計方向に回転する力を付勢している。
【0037】
図4から図7を参照すると、カウンタ装置20及び連結装置30は、箱状のフレーム35fの内部に設置されている。そして、フレーム35fの内部には、ブラケット36bを設けている。支軸21s及び支軸22sの一方の端部は、フレーム35fの側面に支持されている。支軸21s及び支軸22sの他方の端部は、ブラケット36bの側面に支持されている。
【0038】
更に、図4から図7を参照すると、フレーム35fの前面には、拡大レンズ35cを配置している。そして、図1又は図2を参照すると、カウンタ装置20のカウント数は、パソコン5の前面に設けたパネル51に開口した窓5wに拡大されて表示できるようになっている。
【0039】
又、図4から図7を参照すると、フレーム35fの側面及びブラケット36bの側面には、対向する一対のガイドレール321・321を設けている。スライダ32は、これらのガイドレール321・321に案内されて、進退運動のみが許容されるように配置されている。
【0040】
図4から図7を参照すると、フレーム35fの底面には、直動棒31を進退自在に支持する支持台311を立設している。又、直動棒31の基端部には、ピン31pを設けている。一方、ベルクランク33に設けた短いアーム33aには、ピン31pに連結する溝穴を形成している。そして、短いアーム33aの揺動運動を直動棒31の進退運動に変換できる。又、直動棒31の進退運動を短いアーム33aの揺動運動に変換できる。
【0041】
又、図4から図7を参照すると、スライダ32は、ピン32pを下方に突出している。一方、ベルクランク33に設けた長いアーム33bには、ピン32pに連結する溝穴を形成している。そして、スライダ32の進退運動を長いアーム33bの揺動運動に変換できる。又、長いアーム33bの揺動運動をスライダ32の進退運動に変換できる。
【0042】
図4又は図5に示された状態から、図6又は図7に示すように、USBポート1pに第1のUSBコネクタ1cを挿入すると、ベルクランク33を反時計方向に回転でき、直動棒31の先端部をラチェット歯21rに向かって進出できる。そして、ラチェット車2rを回転できる。
【0043】
図6又は図7に示された状態から、第1のUSBコネクタ1cを抜去すると、ねじりコイルばね34の付勢力でベルクランク33を時計方向に回転でき、図4又は図5に示すように、スライダ32及び直動棒31を初期の状態に復帰できる。
【0044】
このように、図4から図7を参照すると、連結装置30は、ベルクランク33を介して、スライダ32の進退運動を直動棒31の進退運動に変換している。図4又は図6を参照すると、ベルクランク33は、短いアーム33aと長いアーム33bで構成している。したがって、連結装置30は、スライダ32に加えた小さな力で、直動棒31に大きな力を作用できる、倍力装置を構成している。
【0045】
(USBメモリの利用回数表示装置の作用)
次に、第1実施形態による表示装置10の構成を補足しながら、表示装置10の作用及び効果を説明する。図8は、第1実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置の作用を示す要部拡大平面図であり、図8(A)は、カウント数が増加する前の状態図、図8(B)は、カウント数が増加する直前の状態図、図8(C)は、カウント数が増加した状態図である。
【0046】
図3又図8に示すように、ラチェット車2rは、断面が鋸歯状のラチェット歯21rを一方の端面に突出している。ラチェット歯21rは、一桁目の数字車21nの外周面に表示された「0」〜「9」の数字に対応して、十枚突出させている。
【0047】
図3又図8を参照すると、これらのラチェット歯21rは、数字が大きくなる方向に斜面が下り傾斜するように、斜面が放射状に均等に配置されている。又、これらのラチェット歯21rは、ラチェット車2rの逆転を防止するために、ラチェット車2rの軸方向と略平行に形成された停止面を有している。なお、図8では、動作を理解し易くなるように、一桁目の数字車21n及びラチェット車2rを平面上に展開して示している。又、本明細書では、斜面と停止面で挟まれたV字状の空間をラチェット歯21rの切り欠きということもある。
【0048】
図8(A)を参照すると、USBメモリ1が挿入されていない状態では、直動棒31の先端部は、ラチェット歯R2の斜面の頂上近傍に当接している。そして、ラチェット車2rが逆方向(数字が減少する方向)に回転することが防止されている。又、このラチェット歯R2から離隔した他のラチェット歯R0には、ラチェット車2rが正方向(数字が増加する方向)に回転することを防止するために、板ばね31sを係合させている。
【0049】
図4から図8を参照すると、板ばね31sは、弾性変形可能な金属板からなり、基端部がフレーム35fに固定され、先端部がラチェット歯R0とラチェット歯R1の間の切り欠きに当接している(図8(A)参照)。図8(A)を参照すると、板ばね31sの先端部は、ラチェット歯21rの切り欠きの形状に見合うように、鋭角に屈曲されている。そして、板ばね31sは、他のラチェット歯21rの切り欠きに陥没して、ラチェット車2rの正回転又は逆回転を防止している。
【0050】
図6又は図7を参照して、USBメモリ1をUSBポート1pに挿入すると、連結装置30の動作に連動して、直動棒31の先端部をラチェット歯R2の斜面に向かって進出できる(図8(A)参照)。この場合、図8(A)を参照すると、直動棒31の先端部は、ラチェット歯R2の斜面にスライドし、ラチェット歯R2には、板ばね31sに抗して、ラチェット車2rを正回転させる分力が作用する。そして、一桁目の数字車21nの数字が増加する方向にラチェット車2rを回転させる。
【0051】
図8(A)に示された状態から図8(B)に示された状態に至る過程では、直動棒31が完全に進出したタイミングで、板ばね31sの先端部がラチェット歯R1を乗り越えて次のラチェット歯R1とラチェット歯R2の間の切り欠きに移動している(図8(B)参照)。
【0052】
図8(B)を参照すると、板ばね31sの先端部は、ラチェット歯R1の斜面に押圧力を付勢し、ラチェット車2rを正回転させる僅かな分力が作用する。そして、直動棒31の先端部がラチェット歯R3の停止面に当接するまで、ラチェット車2rを正回転させる。そして、図8(B)に示された状態では、窓5wに表示される数字は、正規の位置から僅かにずれているが、人間が目視するには、無視(錯覚)できる程度のずれ量である。
【0053】
図8(B)に示された状態から、USBメモリ1をUSBポート1pから抜去すると(図6又は図7参照)、直動棒31が後退し、図8(C)に示すように、直動棒31の先端部は、ラチェット歯R3の斜面の頂上近傍に当接している。又、図8(C)に示すように、このラチェット歯R3から離隔した他のラチェット歯R2には、ラチェット車2rの正回転又は逆回転を防止するために、板ばね31sが係合されている。
【0054】
このように、連結装置30は、USBメモリ1をUSBポート1pに挿入すると、カウンタ装置20のカウント数を一つ加算することができる。例えば、図5に示されるように、USBメモリ1がUSBポート1pに挿入される前において、窓5wから視認されるカウント数が「00007」であれば、USBメモリ1をUSBポート1pから引き抜いた後のカウント数は、図7に示すように、「00008」となる。
【0055】
なお、図3に示した実施形態によるカウンタ装置20は、カウント数を容易に変更できないように、カウント数を「0」にリセットする操作ボタンなどを設けていない。カウンタ装置20のカウント数を「0」にリセットする場合には、パソコン5からカウンタ装置20を取り外し、許可された者だけが「0」にリセットし、このカウンタ装置20を再び、パソコン5に取り付けることになる。
【0056】
例えば、会社などでは、複数の利用者によってUSBメモリ1を共用する場合には、USBメモリ1の無許可利用による紛失・盗難を防止するために、例えば、利用者に紙の利用簿の記入を義務づけている。
【0057】
利用簿の記入項目としては、利用者の名前、USBメモリ1の識別番号、利用日時、利用時のカウント数、返却日時、利用後のカウント数などがある。そして、USBメモリ1利用の際には、USBメモリ1の識別番号、利用日時、利用時のカウント数を利用簿に記入し、返却の際には、利用簿に、返却日時、利用後のカウント数を記入する。
【0058】
図1又は図2を参照して、仮に、承認のないUSBメモリ1の利用があった場合には、利用後のカウント数とパソコン5の窓5wに表示されているカウント数とが異なっている。このため、利用者が利用簿への記入を怠った場合には、その事実が管理者又は次の利用者に分かってしまうことから、利用簿への記入する意欲を喚起させることができる。このように、第1実施形態による表示装置10は、USBメモリ1の利用回数を表示することによって、利用簿へ記入しなければ利用させないように、利用者を牽制することが可能になる。
【0059】
[第2実施形態]
(USBメモリの利用回数表示装置の構成)
次に、本発明の第2実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置の構成を説明する。図9は、第2実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置を備える電子機器の一例を示す正面図である。図10は、第2実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置の構成を示す斜視図であり、第2実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置にUSBメモリが接続された状態図である。
【0060】
図11は、第2実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置に備わるUSBアダプタの構成を示す斜視分解組立図であり、第2実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置にUSBメモリが接続される前の状態図である。図12は、第2実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置の構成を示す右側面図であり、第2実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置をUSBポートに取り付けた状態図である。
【0061】
図9又は図11を参照すると、パソコン6は、第1のUSBコネクタ1cを端部に設けたUSBメモリ1を接続可能なUSBポート6pを少なくとも有している。そして、本発明の第2実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置(以下、USBアダプタと略称する)40は、パソコン6のUSBポート6pに取り付けられている。
【0062】
図10から図11を参照すると、USBアダプタ40は、直方体状の本体4bと第2のUSBコネクタ4cで構成している。本体4bは、USBポート6pと第2のUSBコネクタ4cの接続を維持するロック機構を備えている。第2のUSBコネクタ4cは、本体4bの一方の端部から突出するように配置されている。
【0063】
図10又は図11を参照すると、本体4bは、液晶表示装置41とUSBスロット4sを有している。液晶表示装置41は、USBメモリ1の挿入回数を表示するカウント表示手段を構成している。USBスロット4sは、本体4bの他方の端部に開口されている。USBメモリ1の端部に設けた第1のUSBコネクタ1cをUSBスロット4sに挿入して、USBメモリ1とUSBアダプタ40を機械的及び電気的に接続できる。
【0064】
図10又は図11を参照すると、第2のUSBコネクタ4cは、金属製のシェル41cと端子基板42cで構成している。シェル41cは、角筒状に成形されており、第2のUSBコネクタ4cの外殻を構成している。シェル41cの外壁には、一対のディンプル43c・43cを形成している。
【0065】
図9又は図10を参照すると、端子基板42cは、シェル41cの内部に配置されており、後述するUSB端子41t(図13参照)を一方の面に形成している。USB端子41tは、実体として、絶縁基板(プリント基板)の表面に露出された導電性のパターンであり、エッジコネクタと呼ばれることもある。そして、第2のUSBコネクタ4cは、USB端子41t(図13参照)をシェル41cの内部空間に露出している。
【0066】
図11を参照すると、USBスロット4sは、端子基板42sを内部に配置している。端子基板42sには、後述するUSB端子42t(図13参照)を設けている。そして、端子基板42sに設けたUSB端子42tは、端子基板42cに設けたUSB端子41tと直列に接続されている(図13参照)。
【0067】
図10又は図11を参照すると、USBメモリ1は、直方体状の本体1bと第1のUSBコネクタ1cで構成している。第1のUSBコネクタ1cは、本体1bの一方の端部から突出するように配置されている。又、本体1bは、フラッシュメモリ1mを内部に実装している。フラッシュメモリ1mは、電気的にデータの書き換えが可能な記憶素子であり、フラッシュROMとも称されている。
【0068】
図10又は図11を参照すると、第1のUSBコネクタ1cは、金属製のシェル11cと端子基板12cで構成している。シェル11cは、角筒状に成形されており、第1のUSBコネクタ1cの外殻を構成している。シェル11cの外壁には、一対のディンプル13c・13cを形成している。なお、第1のUSBコネクタ1cと第2のUSBコネクタ4cは構造的に同じものであるが、説明の便宜上、符号を変えて区別した。
【0069】
図11を参照すると、パソコン6は、USBポート6pを前面に開口している。USBポート6pは、端子基板62sを内部に配置している。USBアダプタ40の端部に設けた第2のUSBコネクタ4cをUSBポート6pに挿入して、USBポート6pとUSBアダプタ40を機械的及び電気的に接続できる。すなわち、USBメモリ1は、USBアダプタ40を介して、USBポート6pに接続できる。
【0070】
図11を参照すると、USBポート6pには、図示しない片持ち状の板ばねが内部に配置されている。そして、第2のUSBコネクタ4cをUSBポート6pに挿入すると、板ばね板の一部がディンプル43cに嵌合して、USBアダプタ40をUSBポート6pに保持できる。なお、USBスロット4sにも、図示しない片持ち状の板ばねが内部に配置されている。そして、第1のUSBコネクタ1cをUSBスロット4sに挿入すると、板ばね板の一部がディンプル13cに嵌合して、USBメモリ1をUSBアダプタ40に保持できる。
【0071】
図10又は図11を参照すると、USBアダプタ40の本体4bは、一対のフランジ4f・4fを更に有している。これらのフランジ4f・4fは、本体4bの一方の端部の両翼に突出するように形成されている。又、一対のフランジ4f・4fには、一対のねじ穴41h・41hを開口している。
【0072】
一方、図11を参照すると、USBポート6pの両翼には、一対の雌ねじ6s・6sを設けている。これらの雌ねじ6s・6sは、パソコン6のパネルに後加工できる。そして、一対のフランジ4f・4fを介して、一対の特殊ねじ7を雌ねじ6s・6sに締結することにより、USBアダプタ40の本体4bをパソコン6に固定できる(図9又は図12参照)。
【0073】
図11を参照すると、特殊ねじ7は、例えば、その頭部に五星状の溝が設けられ、図示しない特殊工具によってのみ回転できるようになっている。したがって、雌ねじ6sに特殊ねじ7が螺合された状態では、USBポート6pからUSBアダプタ40を取り外すことは、極めて困難である。すなわち、特殊ねじ7は、第2のUSBコネクタ4cがUSBポート6p挿入された状態で、USBアダプタ40の接続を維持するロック機構を構成している。
【0074】
次に、USBアダプタ40の電気回路の構成を説明する。図13は、第2実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置の電気的構成を示す回路ブロック図である。
【0075】
図10から図12を参照して、USBアダプタ40をUSBポート6pに装着し、更に、USBアダプタ40のUSBスロット4sに第1のUSBコネクタ1cを挿入することにより、USBメモリ1がパソコン6の補助記憶装置として利用可能になる。USBスロット4sに第1のUSBコネクタ1cを挿入すると、USB端子42がUSBアダプタ40を介して、USBポート6pに設けたUSB端子に電気的に接続される。これにより、パソコン6からフラッシュメモリ1m(図10又は図11参照)へのアクセスが可能になる。又、パソコン6からの操作によって、フラッシュメモリ1mに記憶されたデータの読み取りや、フラッシュメモリ1mへのデータの書き込みが可能になる。
【0076】
図13を参照すると、USBアダプタ40は、液晶表示装置41、USB端子41t・42t、制御回路43、カウントメモリ44、及び検知スイッチ35を備えている。
【0077】
図13を参照すると、USB端子41tは、端子基板42cに備えられ、USBポート6pに接続できる(図11参照)。USB端子42tは、端子基板42sに備えられ、USBメモリ1に設けた第1のUSBコネクタ1cに接続できる(図11参照)。USB端子41tとUSB端子42tとは、一対一に接続されている。これにより、USBメモリ1をUSBアダプタ40に接続した場合には、端子基板42cに備えたUSB端子41tが、USBメモリ1のUSB端子として機能できる。
【0078】
図13を参照すると、制御回路43は、液晶表示装置41の表示を主として制御し、液晶表示装置41、カウントメモリ44、及び検知スイッチ45と接続している。検知スイッチ45は、USBメモリ1がUSBスロット4sに挿入されたことを検知する機械的なスイッチである。
【0079】
図13を参照すると、検知スイッチ45は、USBメモリ1がUSBスロット4sに挿入されると「オン」になり、USBメモリ1をUSBスロット4sから抜去すると、「オフ」になるように動作する。液晶表示装置41は、USBメモリ1がUSBスロット4sに挿入した回数を5桁の数字で表示でき、検知スイッチ45が「オン」になる毎に、USBメモリ1の挿入回数がカウントアップされる。カウントメモリ44は、検知スイッチ45が「オン」になった回数を記憶する不揮発性メモリで構成されている。
【0080】
次に、液晶表示装置41によるカウント表示について説明する。図13を参照すると、制御回路43は、カウントメモリ44からカウント値を読み出して、液晶表示装置41に表示させる。これにより、USBメモリ1がUSBスロット4sに挿入されていない場合には、前回の利用時点におけるUSBメモリ1の挿入回数が表示される。
【0081】
図13を参照して、USBメモリ1の利用時において、USBメモリ1がUSBスロット4sに挿入されると、検知スイッチ45が「オン」になる。制御回路43は、検知スイッチ45が「オン」になったと判断すると、カウントメモリ44に記憶されているカウント値に「1」を加算した値に更新する制御を行う。
【0082】
図13を参照して、更に、制御回路43は、更新したカウント値に基づいて、液晶表示装置41に表示されているカウント数に「1」を加算した値に更新する制御を行う。これにより、USBアダプタ40の液晶表示装置41には、現時点におけるUSBメモリ1のUSBスロット4sへの挿入回数が表示される。このように、液晶表示装置41は、USBメモリ1の挿入回数を表示するカウント表示手段を構成している。
【0083】
(USBメモリの利用回数表示装置の作用)
次に、第2実施形態によるUSBアダプタ40の構成を補足しながら、USBアダプタ40の作用及び効果を説明する。
【0084】
図14は、第2実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置の電気的構成を示す回路ブロック図であり、図14(A)は、第2実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置にUSBメモリが接続される前の状態図、図14(B)は、第2実施形態によるUSBメモリの利用回数表示装置にUSBメモリが接続された状態図である。
【0085】
図14を参照すると、実施形態によるUSBアダプタ40は、検知スイッチ45をオン・オフさせる押圧機構を内部に備えている。検知スイッチ45は、プッシュ式のスイッチからなり、ボタン45aを押圧していない状態では「オフ」になり、ボタン45aを押圧している状態では「オン」になる。
【0086】
図14を参照すると、押圧機構は、スライダ46、付勢ばね47、及びねじりコイルばね48によって構成している。スライダ46は、USBスロット4sの奥部に配置されている。そして、スライダ46は、第1のUSBコネクタ1cの挿抜方向(図中、X1方向又はX2方向)にスライドできる。付勢ばね47は、第1のUSBコネクタ1cが抜去される方向(図中、X1方向)にスライダ46を付勢している。ねじりコイルばね48は、一端部がスライダ46に連結され、他端部がボタン45aに連結されている。そして、ねじりコイルばね48は、スライダ46の進退運動をボタン45aに伝達できる。
【0087】
図14(A)を参照すると、第1のUSBコネクタ1cがUSBスロット4sに挿入されていない状態では、スライダ46は、付勢ばね47に付勢されて、USBスロット4sの開口側に向けて突出した状態で維持されている。
【0088】
図14(B)を参照すると、第1のUSBコネクタ1cがUSBスロット4sに挿入された状態では、第1のUSBコネクタ1cに設けた端子基板12cの先端縁にスライダ46が当接する。次に、端子基板12cをUSBスロット4sの奥に挿入すると、スライダ46が端子基板12cによって押圧されて、奥側(図中X2方向)に移動する。スライダ46が移動すると、ねじりコイルばね48の一端部がスライダ46によって押圧され、更に、ねじりコイルばね48の他端部によってボタン45aが押圧され、検知スイッチ45が「オン」になる。
【0089】
図14を参照して、検知スイッチ45が「オン」になると、液晶表示装置41に表示されるカウント数が更新される。例えば、USBメモリ1がUSBスロット4sに挿入される前において、液晶表示装置41に表示されるカウント数が「00007」であれば(図14(A)参照)、USBメモリ1がUSBスロット4sに挿入され後のカウント数は「00008」となる(図14(B)参照)。なお、USBアダプタ40には、液晶表示装置41の表示内容をリセットする機能を設けていない。
【0090】
図9又は図14を参照すると、パソコン6に設けたUSBポート6pに固定されたUSBアダプタ40にUSBメモリ1を接続すると、これまでのUSBメモリ1の利用回数にカウント数を一つ加算した累積カウント数がUSBアダプタ40に設けた液晶表示装置41に表示されるので、利用簿に記録されたカウント数を検証して、許可のない利用の把握が容易になるという効果がある。
【0091】
又、図9から図14を参照すると、USBアダプタ40は、累積カウント数が本体4bに設けた液晶表示装置41に表示され、利用簿に記載のない利用がUSBアダプタ40の本体4bに残ってしまうため、利用簿に記載しない利用をさせないように利用者に対して心理的に牽制すると共に、利用簿に記載しようとする気持ちを喚起させることが可能になる。
【0092】
更に、USBアダプタ40は、USBメモリ1の挿入回数を5桁の数字で表示しているため、USBメモリ1の挿入回数を、99999回まで表示することが可能になる。このように、表示範囲を十分に確保することができる。又、フラッシュメモリの寿命は、数万回から数百万が限度であると言われている。このため、液晶表示装置41に表示されるカウント数を、USBメモリ1の寿命に関する情報として提供することが可能になる。
【0093】
又、USBアダプタ40は、例えば、利用簿の記録が「7」であり、利用者が利用簿の記入を忘れて、USBアダプタ40のカウント表示を「00008」にした場合において、USBアダプタ40のカウント表示を「00007」に戻すためには、リセット機能がないことから、USBメモリ1をUSBスロット4sに99999回、挿抜することになる。このため、USBメモリ1の挿入回数を5桁の数字で表示することにより、カウント表示の変更が容易にできなくなるという効果がある。
【0094】
このように、上述した実施形態においては、カウント数を5桁の数字で表示しているが、桁数は5桁に限るものではなく、それより桁が多くても少なくてもよい。ただし、USBメモリの挿抜を繰り返すことによって、カウント数をクリアできない程度の桁であることが望ましい。
【0095】
又、上述した実施形態においては、USB接続機器としてUSBメモリを例に説明したが、USBメモリ以外のUSB接続機器、例えば、ICレコーダや無線接続機器に適用することも可能である。
【符号の説明】
【0096】
1 USBメモリ
1c 第1のUSBコネクタ
1p USBポート
5 パソコン(電子機器)
10 表示装置(USBメモリの利用回数表示装置)
20 カウンタ装置
21n〜25n 複数の数字車
30 連結装置
5w 窓
51 パネル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のUSBコネクタを端部に設けたUSBメモリを接続可能なUSBポートを少なくとも有する電子機器に備えたUSBメモリの利用回数表示装置であって、
前記電子機器は、
複数の数字車を連動可能に配置してカウント数を一列に表示する機械式のカウンタ装置と、
前記第1のUSBコネクタを前記USBポートに挿入すると、前記カウンタ装置のカウント数を一つ加算するように、前記カウンタ装置に連結する連結装置と、を内部に備え、
前記電子機器のパネルは、前記カウンタ装置のカウント数を表示する窓を有し、
この窓は、外部から視覚が容易な位置に配置されているUSBメモリの利用回数表示装置。
【請求項2】
第1のUSBコネクタを端部に設けたUSBメモリを接続可能なUSBポートを少なくとも有する電子機器の当該USBポートに取り付けたUSBメモリの利用回数表示装置であって、
前記USBポートに挿抜可能な第2のUSBコネクタを一端部に有し、前記第1のUSBコネクタが接続されるUSBスロットを他端部に開口する本体を備え、
前記本体は、
前記第2のUSBコネクタが前記USBポートに挿入された状態で、当該USBポートと当該第2のUSBコネクタとの接続を維持するロック機構と、
前記USBメモリの挿入回数を表示するカウント表示手段と、を有するUSBメモリの利用回数表示装置。
【請求項3】
前記カウンタ装置は、複数の前記数字車の内、一桁の位の数字を表示する一桁数字車と一体に回転すると共に、鋸刃状のラチェット歯を端面から突出するラチェット車を備え、
前記連結装置は、
前記ラチェット車が間欠的に一方向に回転するように、前記ラチェット歯に向かって進退する直動棒と、
前記USBポートに挿抜される前記第1のUSBコネクタに連動して進退するスライダと、
一端部が前記直動棒に連結し、他端部が前記スライダに連結する遥動可能なベルクランクと、を備え、
前記ベルクランクは、前記第1のUSBコネクタを前記USBポートに挿入すると、一方の方向に回動して前記直動棒を進出させ、前記第1のUSBコネクタを前記USBポートから抜去すると、他方の方向に回動して前記直動棒を後退させる請求項1記載のUSBメモリの利用回数表示装置。
【請求項4】
前記カウント表示手段は、液晶表示装置からなる請求項2記載のUSBメモリの利用回数表示装置。
【請求項5】
前記カウンタ装置は、前記USBポートへの前記第1のUSBコネクタの挿入回数を少なくとも5桁の数字で前記窓に表示する請求項1又は3記載のUSBメモリの利用回数表示装置。
【請求項1】
第1のUSBコネクタを端部に設けたUSBメモリを接続可能なUSBポートを少なくとも有する電子機器に備えたUSBメモリの利用回数表示装置であって、
前記電子機器は、
複数の数字車を連動可能に配置してカウント数を一列に表示する機械式のカウンタ装置と、
前記第1のUSBコネクタを前記USBポートに挿入すると、前記カウンタ装置のカウント数を一つ加算するように、前記カウンタ装置に連結する連結装置と、を内部に備え、
前記電子機器のパネルは、前記カウンタ装置のカウント数を表示する窓を有し、
この窓は、外部から視覚が容易な位置に配置されているUSBメモリの利用回数表示装置。
【請求項2】
第1のUSBコネクタを端部に設けたUSBメモリを接続可能なUSBポートを少なくとも有する電子機器の当該USBポートに取り付けたUSBメモリの利用回数表示装置であって、
前記USBポートに挿抜可能な第2のUSBコネクタを一端部に有し、前記第1のUSBコネクタが接続されるUSBスロットを他端部に開口する本体を備え、
前記本体は、
前記第2のUSBコネクタが前記USBポートに挿入された状態で、当該USBポートと当該第2のUSBコネクタとの接続を維持するロック機構と、
前記USBメモリの挿入回数を表示するカウント表示手段と、を有するUSBメモリの利用回数表示装置。
【請求項3】
前記カウンタ装置は、複数の前記数字車の内、一桁の位の数字を表示する一桁数字車と一体に回転すると共に、鋸刃状のラチェット歯を端面から突出するラチェット車を備え、
前記連結装置は、
前記ラチェット車が間欠的に一方向に回転するように、前記ラチェット歯に向かって進退する直動棒と、
前記USBポートに挿抜される前記第1のUSBコネクタに連動して進退するスライダと、
一端部が前記直動棒に連結し、他端部が前記スライダに連結する遥動可能なベルクランクと、を備え、
前記ベルクランクは、前記第1のUSBコネクタを前記USBポートに挿入すると、一方の方向に回動して前記直動棒を進出させ、前記第1のUSBコネクタを前記USBポートから抜去すると、他方の方向に回動して前記直動棒を後退させる請求項1記載のUSBメモリの利用回数表示装置。
【請求項4】
前記カウント表示手段は、液晶表示装置からなる請求項2記載のUSBメモリの利用回数表示装置。
【請求項5】
前記カウンタ装置は、前記USBポートへの前記第1のUSBコネクタの挿入回数を少なくとも5桁の数字で前記窓に表示する請求項1又は3記載のUSBメモリの利用回数表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−190312(P2012−190312A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−53965(P2011−53965)
【出願日】平成23年3月11日(2011.3.11)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月11日(2011.3.11)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】
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