説明

UV−硬化ホットメルト接着剤

本発明をなす組成物は、溶融させ、そしてUV線を用いて架橋させることができる少なくとも1種のポリアクリレートおよび随意の添加剤を含んでいるものであって、UV線を用いて架橋させることができる少なくとも1個の官能基を含む、25℃において0.1〜20Paの粘度を有するオリゴマー化合物によって特徴付けられる。この発明は、また、上記組成物のUV架橋ホットメルト接着剤としての使用、および上記組成物が与えられている支持体を製造する方法に関する。上記組成物は以前の常用ホットメルト接着剤よりも低い温度で用いることができる。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、UV−硬化性組成物、このUV−硬化性組成物のホットメルト接着剤としての使用、および感温性支持体材料に関する適用のための上記組成物によるコーティング方法に関する。
【0002】
ホットメルト接着剤は、多様な接着剤工業用途について重要性が次第に増しつつある。架橋性ホットメルト接着剤には、これらの材料がまず支持体に溶融した膜として適用でき、そして高分子量化合物を与える架橋反応によって改質できるという利点がある。この架橋反応は、熱的に、または放射線、特にUV線範囲内の放射線によって開始させることができる。これら接着剤の溶融能の結果として、たいていは、既知の欠点を有する溶媒の使用なしで済ませることが可能である。
【0003】
これらの架橋性ホットメルト接着剤は、通常は、対応する反応性基を有する付加重合体に基づく。UV線で架橋可能な付加重合体は、例えばDE−A 3844444号、DE−A 10103428号、WO−A 01/23488号、WO−A 01/23489号またはWO−A 01/84544号、およびこれら刊行物中で引用されている文献から知られている。
【0004】
一般的にいえば、これらの架橋性ホットメルト接着剤は120〜160℃の温度で加工される―即ち、支持体に適用される。しかし、この手法は、全ての支持体材料および適用方法に適しているわけではないことが見いだされている。PE、PPまたはPVCのような多様な材料はそのような高温ではそれらの安定性を失い、変形をこうむるか、または部分的に破壊されさえするのである。スクリーン印刷法のようなある種特定の適用方法では、許容できる上限粘度限界が存在する。ここでもまた、溶融物の粘度を下げるための適用温度の増大は支持体の破壊をもたらし得る。添加剤の添加によって加工温度および適用温度を下げようとする試みは、曇り現象として知られる欠点、即ちこれら添加剤の照射されたホットメルト接着剤組成物からの放出をもたらす。こうした添加剤の蒸気状放出は、しかし、多様な用途で、例えば自動車または航空機工業で許容され得ない。
【0005】
本発明の目的は、公知技術の欠点を避け、そして、特に、接着剤の性質に対して重大な制限なしに、より低い温度で加工することができるUV−架橋性ホットメルト接着剤を提供することである。
【0006】
この目的は、本出願の独立の請求項に従って、UV−架橋性ポリアクリレートを含む組成物の使用によって、およびこの組成物により遂行することができるコーティング方法によって、上記組成物を用いて達成される。
【0007】
本発明の組成物は、UV線で架橋できる溶融可能なポリアクリレートおよび随意に添加剤を含むものであって、ポリアクリレートと反応性のUV−架橋性官能基を有する少なくとも1種のオリゴマー化合物によって特徴付けられる。
【0008】
オリゴマー化合物は、従って、好ましくは、少なくとも1個のUV−架橋性官能基を含んでいる。1つのさらなる利点に関し、オリゴマー化合物の量は、本質的にオリゴマー化合物当たり少なくとも1個の官能基がポリアクリレートと反応するように選ばれる。
【0009】
1つのさらなる利点に関し、オリゴマー化合物はポリアクリレートよりも低い粘度を有し、そのためオリゴマー化合物は1種の希釈剤として作用する。
1つの好ましい態様において、オリゴマー化合物は25℃において0.1〜20Paの粘度(ブルックフィールド測定系)を有する。ポリアクリレートは、130℃において1〜100Paの粘度(コーン/プレート測定系、EN ISO 3219)を有することが有利である。
【0010】
UV線で架橋または硬化できるポリアクリレートは、重合体の少なくとも50重量%の程度までC〜C18アルキル(メタ)アクリレートから構成される遊離ラジカル重合した付加重合体であり、この場合重合体が合成される単量体の0.1〜30重量%は、カルボン酸基または無水カルボン酸基を有せず、かつ水1リットル当たり単量体5g超の水溶解度を有する単量体Aである。この付加重合体はエチレン性不飽和の遊離ラジカル重合可能な化合物から得られる。この重合体は、その重合体に基づいて好ましくは50〜99.85重量%、さらに好ましくは60〜99.4重量%、非常に好ましくは80〜98.9重量%の程度までC〜C18アルキル(メタ)アクリレートから構成される。C〜C10アルキル(メタ)アクリレート、例えばn−ブチルアクリレート、エチルアクリレートおよび2−エチルヘキシルアクリレートが好ましい。特に、アルキル(メタ)アクリレートの混合物が使用される。
【0011】
架橋を改善するために、付加重合体はUV線感受性光開始剤を含むことができる。光開始剤は重合体に結合されていてもよいし、さもなければ結合されておらずに単に重合体と混合されていてもよい。重合体に加えることができる慣用の光開始剤は、例えばアセトフェノン、ベンゾインエーテル類、ベンジルジアルキルケトール類またはそれらの誘導体である。混合した光開始剤の量は、付加重合体100重量部当たり好ましくは0.05〜10重量部、さらに好ましくは0.1〜2重量部である。
【0012】
高エネルギー線、特に200〜450nmの波長範囲内のUV線による照射の結果、光開始剤は、好ましくは光開始剤と空間的に隣接する重合体鎖との化学的グラフト反応によって重合体の架橋の促進された開始を引き起こす。架橋は、例えば光開始剤のカルボニル基の隣接C−H結合中への−C−C−O−H部分を形成する挿入反応によって起こる。原則的には、ポリアクリレートは、それらの構造によってUV範囲内の光により照射されると反応する傾向を示す官能基を含んでいる。これらは、例えばC−C、C−OおよびC−N多重結合である。また、これらの二重または三重結合が共役して存在することも考えられる。
【0013】
共重合した光開始剤の場合、付加重合体は、(重合体に基づいて)0.05〜10重量%、好ましくは0.1〜2重量%、さらに好ましくは0.1〜1重量%の、光開始剤基を有するエチレン性不飽和化合物を含んでいる。エチレン不飽和化合物は少なくとも1個のアクリル基またはメタクリル基を含んでいる。適した光開始剤成分はアセトフェノン誘導体またはベンゾフェノン誘導体である。光開始剤基はその化合物のエチレン不飽和基からスペーサー基で隔てられているのが好ましい。このスペーサー基は、例えば100個までの炭素原子を含んでいることができる。スペーサー基は分子内架橋反応の可能性を低くし、かつ分子間架橋を促進する。
【0014】
適したアセトフェノン誘導体またはベンゾフェノン誘導体は、例えばEP−A 346734号、EP−A 377199号(第一クレーム)、DE−A 4037079号(第一クレーム)およびDE−A 3844444号明細書(第一クレーム)に記載されるが、それら文書は本発明明細書の開示内容に取り込まれるものとする。この好ましいアセトフェノン誘導体およびベンゾフェノン誘導体は式
【0015】
【化1】

【0016】
(式中、Rは30個までの炭素原子を有する有機基であり、Rは水素原子またはメチル基であり、そしてRは非置換若しくは置換フェニル基、またはC−Cアルキル基である。)
を持つものである。
【0017】
は、より好ましくはアルキレン基、特にC〜Cアルキレン基である。
は、より好ましくはメチル基またはフェニル基である。
ポリアクリレートを合成することができるさらなる単量体は、例えば20個までの炭素原子を含むカルボン酸のビニルエステル、20個までの炭素原子を有するビニル芳香族化合物、エチレン性不飽和ニトリル、ハロゲン化ビニル、1〜10個の炭素原子を有するアルコールのビニルエーテル、2〜8個の炭素原子および1個若しくは2個の二重結合を有する脂肪族炭化水素、またはこれら単量体の混合物である。
【0018】
適したビニル芳香族化合物に、例えばビニルトルエン、α−およびβ−メチルスチレン、α−ブチルスチレン、4−n−ブチルスチレン、4−n−デシルスチレン、および好ましくはスチレンがある。ニトリルの例はアクリロニトリルおよびメタクリロニトリルである。
【0019】
ハロゲン化ビニルは、塩素、弗素または臭素で置換されているエチレン性不飽和化合物、好ましくは塩化ビニルおよび塩化ビニリデンである。
ビニルエーテルに、例えばビニルメチルエーテルまたはビニルイソブチルエーテルがある。1〜4個の炭素原子を含むアルコールのビニルエーテルが好ましい。
【0020】
2〜8個の炭素原子および2個のオレフィン性二重結合を有する炭化水素として、ブタジエン、イソプレンおよびクロロプレンを挙げることができる。
適したさらなる単量体に、特に、カルボン酸基、スルホン酸基またはリン酸基(カルボン酸基が好ましい)を含む単量体がある。例はアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸またはフマル酸である。さらなる単量体は、例えばヒドロキシル基を含む単量体、特にC〜C10ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートまたは同(メタ)アクリルアミドである。さらに、フェニルオキシエチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、および2−アミノエチル(メタ)アクリレートのようなアミノ(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0021】
二重結合に加えてさらなる官能基、例えばイソシアネート、アミノ、ヒドロキシル、アミドまたはグリシジル基も持っている単量体は、例えば付加重合体の接着性を改善する。
ポリアクリレートは、テトラヒドロフラン(1%濃度溶液、21℃)中で測定して好ましくは30〜80、さらに好ましくは40〜60のK値を有する。フィッケンチャーによるK値は重合体の分子量および粘度の尺度である。付加重合体のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは−60〜+10℃、さらに好ましくは−55〜0℃、非常に好ましくは−55〜−10℃である。ポリアクリレートのガラス転移温度は、示差熱分析法または示差走査測熱法のような慣用の方法(例えば、ASTM 3418/82、「中点温度」を参照されたい)によって測定することができる。
【0022】
ポリアクリレートは、単量体成分を慣用の重合開始剤、および所望とされるならば重合調節剤を用いて共重合させることによって製造することができ、ここで重合は慣用の温度において塊状(溶媒なし)で、エマルジョン中で、例えば水エマルジョン中若しくは液体炭化水素エマルジョン中で、または溶液中で起こる。この共重合体は、単量体を溶媒中で、特に50〜150℃、好ましくは60〜120℃の沸騰範囲を持つ溶媒中で、一般に(単量体の総重量に基づいて)0.01〜10重量%、特に0.1〜4重量%である重合開始剤の慣用量を用いて重合させることによって製造されるのが好ましい。適した溶媒に、特にメタノール、エタノール、n−およびイソプロパノール、n−およびイソブタノール、好ましくはイソプロパノールおよび/またはイソブタノールのようなアルコール、そしてまたトルエンのような炭化水素、特に60〜120℃の沸騰範囲を有するペトロリウムスピリットがある。アセトン、メチルエチルケトンおよびメチルイソブチルケトンのようなケトン、並びに酢酸エチルのようなエステル、また上記タイプの溶媒の混合物を使用することも可能である。イソプロパノールおよび/またはイソブタノールを、用いられる溶媒混合物に基づいて5〜95重量%、特に10〜80重量%、好ましくは25〜60重量%の量で含む混合物が好ましい。
【0023】
溶液重合の場合に好ましい重合開始剤に、例えばアゾ化合物、ケトンペルオキシドおよびアルキルペルオキシドがある。
溶液中での重合後に、その溶媒は所望とされるならば減圧下で分離することができる。この操作は、例えば100〜150℃の範囲内の昇温下で行われる。その付加重合体はその後に溶媒を含まない状態で、即ち溶融物として用いることができる。ときには、塊状での、即ち溶媒の使用なしでの重合によってUV−架橋性付加重合体を製造することが有利である。この場合、使用される成分の重合は、DE−A 2439341号明細書に記載されるように、バッチ式でまたは連続的に行われる。
【0024】
本発明の組成物は、例えば安定剤または蛍光増白剤のようなさらなる添加剤を含んでいることができる。
少なくとも1個のUV−架橋性官能基を含むオリゴマー化合物は、この組成物の加工温度の有利な低下を引き起こす。本発明の目的には、オリゴマー化合物はその構造中に少なくとも2〜15個の繰返単量体単位を含んでいる分子である。さらに、Rompp、Lexikon LackeおよびDruckfarben著・Georg Thieme Verlag Stuttgart、ニューヨーク、1998年、“Oligomers”、第425頁が参照される。オリゴマー化合物の少なくとも1個のUV−架橋性官能基は、付加重合体の官能基および/または好ましくは付加重合体中に共重合によって組み込まれている光開始剤基の官能基と反応が起こるように選ばれる。これらのUV−架橋性基は、オリゴマー化合物の実質的に末端に配置されているのが有利である。従って、これらの反応の結果、その分子は付加重合体に永久的に化学結合される。従って、架橋した組成物からのどんな後続放出、例えばガス発生も防がれる。オリゴマー化合物は少なくとも2個の官能基を有するのが好ましい。4個の官能基を有するオリゴマー化合物が特に好ましい。適したこの種の官能基は、例えばビニル基またはカルボニル基である。また、2個または3個以上のこれら基が共役して存在することも考えられる。
【0025】
オリゴマー化合物の量は、そのオリゴマー化合物のUV−架橋性官能基の少なくとも1個がその組成物の照射段階および/または溶融した組成物の冷却段階内のポリアクリレートと化学的に永久的な結合、即ち実質的に共有結合を結ぶように選ばれるべきである。この量的選択の結果として、オリゴマー化合物の、照射、架橋された組成物からの蒸発を防ぐことが可能になる。
【0026】
オリゴマー化合物は25℃において0.1〜20Paの粘度を有するのが有利である。このような粘度範囲は、本発明の組成物が有意に低い温度で加工される能力に有益な効果を及ぼす。オリゴマー化合物は、25℃において好ましくは2〜17Pa、さらに好ましくは4〜15Paの粘度(ブルックフィールド測定系)を有する。
【0027】
オリゴマー化合物は、好ましくは2500g/モル未満、より好ましくは1800g/モル未満の分子量を有し、1400g/モル未満の分子量がさらに好ましい。
オリゴマー化合物は、有利にはウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレートまたはそれらの混合物である。オリゴマー化合物は、好ましくは少なくとも2個の官能基を有するが、少なくとも4個の官能基を有することがさらに有利である。この複数の官能基が架橋に関してオリゴマー化合物の十分な反応性を保証する。特に好ましいオリゴマー化合物は、ウレタンアクリレート、特に2個の官能基を有するウレタンアクリレートである。4個の官能基を有するウレタンアクリレートがさらに好ましい。そのウレタン官能価は、また、架橋組成物の接着性にとっても有利なことが分かる。従って、ウレタンアクリレートの適切な選択により、接着性にさらに影響を及ぼすことが可能である。
【0028】
ポリアクリレートが全組成物の70〜98重量%を構成し、そしてオリゴマー化合物が全組成物の2〜30重量%を構成する本発明の組成物がさらに有利なものである。好ましくは、本発明の組成物は75〜95重量%のポリアクリレートおよび5〜25重量%のオリゴマー化合物を含んでいる。
【0029】
本発明の組成物は架橋性ホットメルト接着剤として使用することができる。その目的には、組成物は60〜160℃、好ましくは70〜140℃、さらに好ましくは80〜120℃の加工温度に加熱され、そして支持体に適用される。使用される支持体は、箔若しくはフィルム、紙、高分子支持体、または編織布であることができる。箔若しくはフィルム、または高分子支持体はPET、PE、PP、ポリアミドまたはPUから構成されることができる。本発明の組成物は感温性材料に著しく有利に適用することができるが、それはこれら材料が適用温度で破壊されないからである。その架橋性の層は、1〜200μm、好ましくは10〜140μm、さらに好ましくは15〜80μmの厚さで適用される。UV線、好ましくは200〜300nmの波長範囲内のUV線に対する後続曝露は組成物の架橋反応を開始させる。使用される線源は、例えばUVレーザーまたはHgランプであることができる。適用された組成物は、普通は、0.01〜10J/cmの(200〜300nmの波長範囲内の)UV線量で照射される。習熟した技術者は適したUV線源を知っている。
【0030】
このコーティングは、オリゴマー化合物の発明をなす添加がなされていないポリアクリレート組成物よりもはるかに速く有利に架橋され、そのため被覆支持体のより高い適用速度および/または加工速度が可能である。
【0031】
有意に低い加工温度にもかかわらず、架橋組成物は全く同じ性質を達成する。本発明をなす組成物によれば、ほぼ150℃の剪断温度(SAFT、剪断接着破壊温度、ASTM D4498-00の方針に沿って測定、25mmx25mm、1000g、0.5℃/分、24時間の接着)を達成することが可能である。
【0032】
以下の実施例は本発明の組成物を例証するものである。各々の場合に百分率は重量によるものであって、組成物の総重量に基づく。
BASF社からのacResin(登録商標)が組成物中でポリアクリレート成分として用いられる。この部類の物質は、スペーサー基を用いて、UV−活性化可能な光開始剤基である化学的に結合されている共重合した単量体によって区別される。使用単量体の異なる割合によって、その重合体の性質を求めに応じてもたらすことが可能である。
実施例1:
15%のActilane 276(Akcros Chemical America社、1000g/モルのMを有する四官能性ウレタンアクリレート)、そしてまた0.3%のIrganox B612(Ciba SC社)を84.7%のacResin A203 UVとよく混合する。この組成物は室温で高粘度を持つ。この混合物を適用のために100〜110℃で加熱し、そしてNordson社からのホットメルト接着剤コーティング装置を用いてPETフィルム(Wachendorf社、厚さ50μm)に適用する。UVミニキュアー照射装置(UV minicure exposure apparatus)(IST社から)により輸送速度10m/分およびランプ出力160W/cmにおいて照射することによって架橋を開始する。使用されたUV線源の出力は(200〜300nmの波長範囲で)0.8J/cm)である。
【0033】
接着した試験ストリップによると、150℃より高いSAFT温度が見いだされた。
実施例2:
89.7%のacResin A203 UV、10%のActilane 276および0.3%のIrganox B612の混合物を実施例1におけると同じやり方で調製し、そして100−120℃の温度でPET支持体に適用する。140℃より高いSAFT温度が測定された。
【0034】
照射に続いて、そして架橋後に、上記実施例の組成物をそれらの曇り挙動について調べた。前記で概説した曇りは、ある特定の用途では起きてはならない単量体または小分子の有害なガス発生である。試料(表面積約200cm)を、ガラスシリンダー中で、油浴を用いて100℃で16時間加熱した。同時にシリンダーのふたを21℃において積極的に冷却した。その温度処理の前後におけるふたの示差秤量は、架橋組成物中の揮発性成分の部分を与えた(DIN 75210Bによる)。
【0035】
この試験において、調べられた試料は、質量損失―言い換えるとこの方法の誤差範囲を外れる質量損失を示さなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶融可能なUV−架橋性ポリアクリレートおよび随意に添加剤を含む組成物であって、組成物がポリアクリレートと反応性のUV−架橋性官能基を有するオリゴマー化合物を含むことを特徴とする上記の組成物。
【請求項2】
オリゴマー化合物の粘度がポリアクリレートの粘度よりも低いことを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
オリゴマー化合物が25℃において0.1〜20Paの粘度を有することを特徴とする、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
ポリアクリレートが130℃において1〜100Paの粘度を有することを特徴とする、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項5】
ポリアクリレートが、0.05〜10重量%の、光開始剤基を有するエチレン性不飽和化合物との付加重合体から構成されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
オリゴマー化合物が、ウレタンアクリレート、好ましくは2個の架橋性官能基を有するウレタンアクリレート、さらに好ましくは4個の架橋性官能基を有するウレタンアクリレートであることを特徴とする、前記請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
ポリアクリレートが全組成物の70〜95重量%を構成し、そしてオリゴマー化合物が全組成物の5〜30重量%を構成することを特徴とする、前記請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
組成物がUV開始剤を含むことを特徴とする、前記請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
ウレタンアクリレートが2500g/モル未満、好ましくは1800g/モル未満の分子量を有することを特徴とする、請求項6〜8のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
オリゴマー化合物の量が、本質的にオリゴマー化合物当たり少なくとも1個の官能基がポリアクリレートと反応することができるように選ばれる、前記請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項11】
支持体を接着剤層でコーティングする方法であって:
−請求項1〜10のいずれか1項に記載の組成物を用意し;
−上記組成物を溶融させ、そしてその溶融物を支持体に適用し;そして
−適用された組成物を紫外線に曝露してその組成物中に存在する成分を架橋させる
工程を含む上記の方法。
【請求項12】
溶融が70〜140℃の温度範囲で起こることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
組成物が支持体に1〜200μm、好ましくは10〜140μmの層の厚さで適用される、請求項11または12に記載の方法。

【公表番号】特表2006−522178(P2006−522178A)
【公表日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−504493(P2006−504493)
【出願日】平成16年3月1日(2004.3.1)
【国際出願番号】PCT/EP2004/002033
【国際公開番号】WO2004/083302
【国際公開日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【出願人】(505353478)コラノ・アクチェンゲゼルシャフト (4)
【Fターム(参考)】