説明

UV光と短波長可視光との両方を吸収する発色団を含む眼用レンズ材料

UV光と短波長可視光との両方を吸収する発色団が開示される。これらの発色団は、眼内レンズ材料において使用するために特に適切である。本発明の発色団は、IOLにおいて使用するために特に適切である。IOL材料は、一般に、0.1〜5%(w/w)の本発明の発色団を含有する。好ましくは、IOL材料は、0.5〜3%(w/w)の本発明の発色団を含有する。このようなデバイス材料は、本発明の発色団を他の成分と共重合させることにより調製される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、発色団に関する。特に、本発明は、UV光と短波長光との両方を吸収する発色団に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
多くのUV光吸収剤は、眼用レンズを作製するために使用されるポリマー材料のための成分として公知である。UV吸収剤は、この吸収剤のレンズ材料からの移動、相分離または滲出を防ぐために、レンズ材料に単に物理的に捕捉されるのではなく、好ましくは、レンズ材料のポリマー網目構造に共有結合する。このような安定性は、移植可能な眼用レンズ(特に、眼内レンズ(IOL))のために重要である。これらのレンズにおいて、UV吸収剤の滲出は、毒物学的問題を提示し得、かつこの移植物においてUV遮断活性の損失を導き得る。
【0003】
多数の共重合性のベンゾトリアゾールUV吸収剤、ベンゾフェノンUV吸収剤およびトリアジンUV吸収剤が公知である。これらのUV吸収剤の多くは、従来のオレフィン性重合性基(例えば、メタクリレート基、アクリレート基、メタクリルアミド基、アクリルアミド基またはスチレン基)を含む。レンズ材料中の他の成分との共重合(代表的に、ラジカル開始剤との共重合)は、得られるポリマー鎖にこのUV吸収剤を組み込む。UV吸収剤へのさらなる官能基の組み込みは、このUV吸収剤のUV吸収特性、溶解度または反応性のうちの1つ以上に影響を与え得る。UV吸収剤が、眼用レンズ材料成分の残りのものまたはポリマーレンズ材料への充分な溶解度を有さない場合、このUV吸収剤は、光と相互作用し得る領域へと合体し得、そしてそのレンズの低下した光学的透明性を生じ得る。
【0004】
UV吸収剤を組み込むポリマー眼用レンズ材料の例は、特許文献1、特許文献2、および特許文献3に見出され得る。
【0005】
同様に、共重合性短波長吸収発色団は、眼用レンズを作製するために使用されるポリマー材料のための成分として公知である。青色光吸収発色団としては、特許文献4および特許文献5に開示されるものが挙げられる。
【0006】
UV光と短波長可視光(例えば、400〜500nm)との両方を吸収するポリマーレンズ材料を得る目的で、別々のUV吸収発色団および短波長光吸収発色団を、ポリマー材料に添加することが通常である。例えば、AcrySof(登録商標)Natural IOL製品(Alcon Laboratories,Inc.から市販されている)は、UV吸収剤および青色光吸収剤を含有する。
【0007】
UV光と短波長可視光との両方を吸収する単一の発色団を有することは、有利である。このような単一の発色団は、レンズ材料処方物に添加される成分の数を減少させ、そしてこのレンズ処方物の主要なモノマー成分により生成する主要なポリマー鎖構造に対する破壊を減少させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第5,290,892号明細書
【特許文献2】米国特許第5,331,073号明細書
【特許文献3】米国特許第5,693,095号明細書
【特許文献4】米国特許第5,470,932号明細書
【特許文献5】米国特許第5,543,504号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
(発明の要旨)
本発明は、UV光と短波長可視光との両方を吸収する発色団を提供する。これらの発色団は、眼用レンズ(コンタクトレンズが挙げられる)において使用するために適切である。これらは、移植可能なレンズ(例えば、IOL)において特に有用である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(発明の詳細な説明)
他に示されない限り、百分率に換算して表現される全ての成分量は、%w/wとして提供される。
【0011】
本発明の発色団は、以下の式:
【0012】
【化1】

により表される。この式において、
Aは、HまたはCHであり;
Xは、OまたはNHであり;
nは、2〜6であり;
mは、0〜6であり;
は、H、OH、C〜Cアルキル、またはC〜Cアルコキシであり;そして
は、HまたはOHである。
【0013】
本発明の好ましい発色団において、
Aは、CHであり;
Xは、Oであり;
nは、2であり;
mは、0であり;
は、Hであり;そして
は、Hである。
【0014】
本発明の発色団の合成は、以下に記載されている(スキーム1)。芳香族アルキン(2)は、2工程で、4−ブロモ−フェネチルアルコールから合成される。臭化アリールとトリメチルシリルアセチレンとのSonogishiraカップリング、続いて脱保護および塩化メタクリロイルでのエステル化により、メタクリレート官能化アリールアルキン(2)を生成する。あるいは、カルボジイミドカップリングを使用する4−ビニル安息香酸でのエステル化は、ビニル官能性発色団を生成する。4−ヨード−2−メチルアニリンとp−クレゾールとのアゾカップリング生成物は、プロリンで促進されCuIで触媒されるカップリングにより、アリールアジド(4)に変換される(Zhu,W.;Ma,D.Chem.Commun.2004,888)。次いで、これが等モル量のアリールアルキン(2)および触媒量のCuBrと合わせられて、1,2,3−トリアゾール(5)を与える。
【0015】
(スキーム1.)
【0016】
【化2】

本発明の発色団は、IOLにおいて使用するために特に適切である。IOL材料は、一般に、0.1〜5%(w/w)の本発明の発色団を含有する。好ましくは、IOL材料は、0.5〜3%(w/w)の本発明の発色団を含有する。このようなデバイス材料は、本発明の発色団を他の成分(例えば、デバイス形成材料および架橋剤)と共重合させることにより調製される。
【0017】
多くのデバイス形成モノマーは、当該分野において公知であり、そしてとりわけ、アクリルモノマーおよびシリコーン含有モノマーの両方が挙げられる。例えば、米国特許第7,101,949号;同第7,067,602号;同第7,037,954号;同第6,872,793号;同第6,852,793号;同第6,846,897号;同第6,806,337号;同第6,528,602号;および同第5,693,095号を参照のこと。IOLの場合、任意の公知のIOLデバイス材料が、本発明の組成物において使用するために適切である。好ましくは、眼用デバイス材料は、アクリルデバイス形成モノマーまたはメタクリルデバイス形成モノマーを含有する。より好ましくは、デバイス形成モノマーは、式[II]のモノマー:
【0018】
【化3】

を含み、式[II]において、
Aは、H、CH、CHCH、またはCHOHであり;
Bは、(CHまたは[O(CHであり;
Cは、(CHであり;
mは、0〜6であり;
zは、1〜10であり;
Yは、存在しないか、O、S、またはNR’であり;ただし、YがO、S、またはNR’である場合、Bは(CHであり;
R’は、H、CH、Cn’2n’+1(n’=1〜10)、イソ−OC、C、またはCHであり;
wは、0〜6であり、ただし、m+wは8以下であり;そして
Dは、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C、CHまたはハロゲンである。
【0019】
式[II]の好ましいモノマーは、AがHまたはCHであり、Bが(CHであり、mが1〜5であり、Yが存在しないかまたはOであり、wが0〜1であり、そしてDがHであるものである。最も好ましいものは、メタクリル酸ベンジル;メタクリル酸2−フェニルエチル;メタクリル酸4−フェニルブチル;メタクリル酸5−フェニルペンチル;メタクリル酸2−ベンジルオキシエチル;およびメタクリル酸3−ベンジルオキシプロピル;ならびにこれらの対応するアクリル酸エステルである。
【0020】
式[II]のモノマーは、公知であり、そして公知の方法により作製され得る。例えば、所望のモノマーの共役アルコールが、反応容器中で、メタクリル酸メチル、チタン酸テトラブチル(触媒)、および重合抑止剤(例えば、4−ベンジルオキシフェノール)と合わせられ得る。次いで、この反応を容易にし、そして反応の副生成物を留去して、この反応を完了まで推進するために、この容器が加熱され得る。代替の合成スキームは、メタクリル酸を共役アルコールに添加し、そしてカルボジイミドで触媒すること、または共役アルコールを塩化メタクリロイルおよび塩基(例えば、ピリジンもしくはトリエチルアミン)と混合することを包含する。
【0021】
デバイス材料は、一般に、合計で少なくとも約75%、好ましくは少なくとも約80%のデバイス形成モノマーを含有する。
【0022】
本発明の発色団およびデバイス形成モノマーに加えて、本発明のデバイス材料は、一般に、架橋剤を含有する。本発明のデバイス材料において使用される架橋剤は、1つより多くの不飽和基を有する任意の末端エチレン性不飽和化合物であり得る。適切な架橋剤としては、例えば、エチレングリコールジメタクリレート;ジエチレングリコールジメタクリレート;アリルメタクリレート;1,3−プロパンジオールジメタクリレート;2,3−プロパンジオールジメタクリレート;1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート;1,4−ブタンジオールジメタクリレート;CH=C(CH)C(=O)O−(CHCHO)−C(=O)C(CH)=CH(ここでpは1〜50である);およびCH=C(CH)C(=O)O(CHO−C(=O)C(CH)=CH(ここでtは3〜20である);ならびにこれらの対応するアクリル酸エステルが挙げられる。好ましい架橋モノマーは、CH=C(CH)C(=O)O−(CHCHO)−C(=O)C(CH)=CHであり、ここでpは、数平均分子量が約400、約600、または約1000になるような数である。
【0023】
一般に、架橋成分の総量は、少なくとも0.1重量%であり、そして残りの成分の実体および濃度、ならびに所望の物理特性に依存して、約20重量%までの範囲であり得る。架橋成分についての好ましい濃度範囲は、0.1〜17%(w/w)である。
【0024】
本発明の発色団を含有するデバイス材料のために適切な重合開始剤としては、熱開始剤および光開始剤が挙げられる。好ましい熱開始剤としては、ペルオキシフリーラジカル開始剤(例えば、(ペルオキシ−2−エチル)ヘキサン酸t−ブチルおよびジー(tert−ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカーボネート(Perkadox(登録商標)16としてAkzo Chemicals Inc.,Chicago,Illinoisから市販されている))が挙げられる。開始剤は代表的に、約5%(w/w)以下の量で存在する。開始剤の総量は、他の成分の量を決定する際に、習慣的に含まれない。
【0025】
本発明の材料から構築されるIOLは、比較的小さい切開を通して嵌められ得るように、小さい断面に巻かれ得るかまたは折り畳まれ得る、任意の設計のものであり得る。例えば、IOLは、ワンピース設計またはマルチピース設計として公知であるものであり得、そして光学構成要素およびハプティク構成要素を備える。光学部分とは、レンズとして働く部分である。ハプティク部分は、この光学部分に取り付けられ、そしてこの光学部分を眼内の適切な位置に保持する。光学部分およびハプティク部分は、同じ材料のものであっても異なる材料のものであってもよい。マルチピースレンズは、光学部分およびハプティク部分が別々に作製され、次いでハプティク部分が光学部分に取り付けられるので、そのように呼ばれる。シングルピースレンズにおいて、光学部分およびハプティク部分は、1片の材料から形成される。材料に依存して、ハプティク部分が次いでこの材料から切断または旋盤加工され、IOLを製造する。
【0026】
IOLに加えて、本発明の材料はまた、他の眼用デバイス(例えば、コンタクトレンズ、人工角膜移植物、および角膜インレーまたはリング)において使用するために適切である。
【0027】
本発明は、以下の実施例によりさらに説明される。これらの実施例は、例示であることが意図され、限定であることは意図されない。
【実施例】
【0028】
(実施例1:(1)の合成)
フラスコをNでフラッシュし、そして4−ブロモ−フェネチルアルコール(20mmol)を入れ、そして1/1のEtN/ジオキサンに溶解する。ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(PdCl(PPh)(0.2mmol)を添加し、続いて0.4mmolのCuIを添加する。トリメチルシリルアセチレン(24mmol)を、この反応混合物に滴下する。この反応混合物をN下で一晩攪拌する。その溶媒を減圧下で除去し、そして得られた液体を、エチルエーテルで洗浄することにより抽出する。これらのエチルエーテル抽出物を合わせ、そしてHOで洗浄し、そして無水硫酸ナトリウムで乾燥させる。その溶媒を減圧下で除去し、そしてその生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製する。精製した生成物をNでフラッシュしたフラスコに入れ、そしてメタノールに溶解する。フッ化カリウム(65mmol)を添加し、そしてこの反応物をNブランケット下で16時間攪拌する。この反応混合物をCHClに注ぎ、そしてHOで抽出し、次いでNaSOで乾燥させ、濾過し、そしてその溶媒を減圧下で除去する。得られた生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、2−(4−エチニル−フェニル)−エタノール(2)を得る。
【0029】
(実施例2:(2)の合成)
フラスコをNでフラッシュし、そして15mmolの(2)、17mmolのトリエチルアミンおよびCHClを入れる。この溶液を氷浴中で冷却し、そして塩化メタクリロイル(17mmol)を攪拌しながら滴下する。一旦、この添加が完了したら、この冷却浴を取り除き、そしてこの反応物をNブランケット下で16時間攪拌する。この反応混合物を2NのHClで洗浄し、次いでHOで洗浄し、そして無水NaSOで乾燥させる。その溶媒を減圧下で除去し、そして得られた組成生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、メタクリレート(2)を得る。
【0030】
(実施例3:(3)の合成)
フラスコに、100mmolのホウ酸を入れ、続いて6NのHCl溶液を入れて、この反応溶液をpH2に調整する。一旦、この塩が溶解したら、20mmolの4−ヨード−2−メチルアニリンをこの反応溶液に添加し、続いて充分な氷を添加して、溶液の温度を0℃まで低下させる。別のフラスコ中で、20mmolの亜硝酸ナトリウム(NaNO)を氷水に溶解する。このNaNO溶液を、絶えず攪拌しながら4−ヨード−2−メチルアニリン溶液に滴下する。この反応溶液のpHを、6NのHClの添加により維持する。NaNO溶液の添加が完了した後に、氷を添加して0℃の反応温度を維持する。3番目のフラスコに、20mmolのp−クレゾール、水および2.5NのNaOH(20mmol)を添加し、これを次いで、絶えず攪拌しながら上記氷冷反応物に滴下する。この反応混合物をpH2.0〜2.5で15分間攪拌する。次いで、NaOH(2.5N)を少量ずつこの反応溶液に添加して、pHを8.5まで上昇させる。この反応溶液を室温まで温める。二塩基性リン酸ナトリウム溶液(100mmol)を添加し、そしてそのpHを6NのHClで6.0に調整する。その生成物を濾過し、氷水ですすぎ、そして風乾させる。この生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、2−(4−ヨード−2−メチル−フェニルアゾ)−4−メチル−フェノール(3)を得る。
【0031】
(実施例4:(4)の合成)
フラスコをNでフラッシュし、そして10mmolの(3)、12mmolのNaN、1mmolのCuI、2mmolのL−プロリン、2mmolのNaOHおよびDMSOを入れる。この反応フラスコを油浴に浸漬し、そしてNブランケット下70℃で10時間加熱する。次いで、この反応混合物を室温まで冷却し、そして酢酸エチルを添加し、そしてこの溶液を水で洗浄する。その有機層を分離し、そしてその水層を酢酸エチルで抽出する。合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、そしてその溶媒を減圧下で除去する。得られた生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、アリールアジド(4)を得た。
【0032】
(実施例5:(5)の合成)
PTFEでコーティングした攪拌棒を含むフラスコをNでフラッシュし、そして15mmolのアリールアジド(4)、15mmolのアリールアセチレン(2)、N,N−ジメチルホルムアミド、3.0mmolのN,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン、および1.5mmolのCuBrを入れる。このフラスコを周囲温度で20時間攪拌する。次いで、この反応混合物を空気に曝露し、そしてクロマトグラフィー用アルミナカラムに通すことにより精製する。その溶出物を収集し、そしてその溶媒を減圧下で除去して、生成物(5)を得る。
【0033】
(実施例6〜9:発色団とデバイス形成モノマーとの共重合)
バイアルに、開始剤を除いて表1に列挙される成分を入れる。この溶液を徹底的に混合し、そしてNを吹き込むことにより脱気する。開始剤を添加し、そしてこの溶液を再度徹底的に混合する。この溶液を0.2ミクロンのPTFEフィルターで濾過し、そしてポリプロピレン鋳型に移す。この鋳型を機械式対流オーブン中70℃で1時間、次いで110℃で2時間加熱する。得られたコポリマーサンプルをポリプロピレン鋳型から取り出し、そして還流アセトン中で少なくとも3時間抽出し、次いで新しいアセトンですすぎ、そして風乾させる。抽出したポリマーを減圧下70℃で少なくとも3時間乾燥させる。
【0034】
(表1.代表的なコポリマー処方)
【0035】
【表1】

PEA=アクリル酸2−フェニルエチル
PEMA=メタクリル酸2−フェニルエチル
PBMA=メタクリル酸4−フェニルブチル
HEMA=メタクリル酸2−ヒドロキシエチル
PEG(1000)DMA=ポリエチレングリコール(1000)ジメタクリレート
EGDMA=エチレングリコールジメタクリレート
BDDA=1,4−ブタンジオールジアクリレート
oMTP=o−メタリルチヌビンP。
【0036】
本発明は、特定の好ましい実施形態を参照して記載された。しかし、本発明は、その特定の性質または本質的な性質から逸脱することなく、他の特定の形態またはバリエーションで実施され得ることが理解されるべきである。従って、上に記載された実施形態は、全ての局面において、例示であるとみなされ、限定とはみなされず、本発明の範囲は、上記説明よりもむしろ添付の特許請求の範囲によって示される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】

【化4】

の発色団であって、該式において、
Aは、HまたはCHであり;
Xは、OまたはNHであり;
nは、2〜6であり;
mは、0〜6であり;そして
は、H、OH、C〜Cアルキル、またはC〜Cアルコキシであり;そして
は、HまたはOHである、
発色団。
【請求項2】
AがCHであり;
XがOであり;
nが2であり;
mが0であり;
がHであり;そして
がHである、
請求項1に記載の発色団。
【請求項3】
請求項1に記載の発色団、ならびにアクリルモノマーおよびシリコーン含有モノマーからなる群より選択されるデバイス形成モノマーを含有する、眼用デバイス材料。
【請求項4】
前記眼用デバイス材料が、0.1〜5%(w/w)の請求項1に記載の発色団を含有する、請求項3に記載の眼用デバイス材料。
【請求項5】
前記眼用デバイス材料が、0.5〜3%(w/w)の請求項1に記載の発色団を含有する、請求項4に記載の眼用デバイス材料。
【請求項6】
前記眼用デバイス材料が、式[II]:
【化5】

のデバイス形成モノマーを含み、式[II]において、
Aは、H、CH、CHCH、またはCHOHであり;
Bは、(CHまたは[O(CHであり;
Cは、(CHであり;
mは、0〜6であり;
zは、1〜10であり;
Yは、存在しないか、O、S、またはNR’であり;ただし、YがO、S、またはNR’である場合、Bは(CHであり;
R’は、H、CH、Cn’2n’+1(n’=1〜10)、イソ−OC、C、またはCHであり;
wは、0〜6であり、ただし、m+wは8以下であり;そして
Dは、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C、CHまたはハロゲンである、
請求項3に記載の眼用デバイス材料。
【請求項7】
式[II]において、
AがHまたはCHであり;
Bが(CHであり;
mが1〜5であり;
Yが存在しないかまたはOであり;
wが0〜1であり;そして
DがHである、
請求項6に記載の眼用デバイス材料。
【請求項8】
前記眼用デバイス材料が、メタクリル酸ベンジル;メタクリル酸2−フェニルエチル;メタクリル酸4−フェニルブチル;メタクリル酸5−フェニルペンチル;メタクリル酸2−ベンジルオキシエチル;およびメタクリル酸3−ベンジルオキシプロピル;ならびにこれらの対応するアクリル酸エステルからなる群より選択されるモノマーを含む、請求項7に記載の眼用デバイス材料。
【請求項9】
前記眼用デバイス材料が架橋剤を含有する、請求項3に記載の眼用デバイス材料。
【請求項10】
請求項1に記載の発色団を含有する眼内レンズ。
【請求項11】
請求項3に記載の眼用デバイス材料を含有する眼用デバイス。
【請求項12】
前記眼用デバイスが、眼内レンズ;コンタクトレンズ;人工角膜移植物;および角膜インレーまたはリングからなる群より選択される、請求項11に記載の眼用デバイス。

【公表番号】特表2010−535906(P2010−535906A)
【公表日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−520301(P2010−520301)
【出願日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際出願番号】PCT/US2008/072430
【国際公開番号】WO2009/021097
【国際公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【出願人】(399054697)アルコン,インコーポレイテッド (102)
【Fターム(参考)】