説明

UV吸収剤の相乗的組合せ

【課題】光、熱又は酸化により引き起こされる劣化に対して有機材料を安定化させる安定剤混合物を提供する。
【解決手段】2,4−ビス−(4−フェニルフェニル)−6−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン系の特定の化合物類と;(B)特定のベンゾトリアゾール類、2−ヒドロキシベンゾフェノン類、オキサルアニリド類、2−ヒドロキシフェニルトリアジン類、シンナマート類及びベンゾアート類から選択される1個以上の化合物とを含む安定剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2,4−ビス−(4−フェニルフェニル)−6−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン系の特定の化合物類と、選択される他のUV吸収剤を含む新規安定剤混合物、この混合物の助けを借りて、光、熱及び酸素による損傷に対して安定化される有機材料、並びに有機材料の安定剤として、この混合物の対応する使用に関する。
【0002】
熱及び酸素と組み合わされた有害な放射線に対して有機ポリマーを安定化するUV吸収剤の幾つかの混合物が、米国特許(US)第5106891号、第5668200号及び第6060543号に記載されている。
【0003】
紫外線吸収剤(UVA)の特定の組合せは、UV光線、熱及び/又は酸化により引き起こされる劣化に対して、有機材料を安定化させることに特に効果的であることが見出されている。本発明の安定剤の組合せは、材料を保護するためにその中に混和してよいか、又はUV放射線が材料に到達することを防ぐため、UVフィルター層としてか、若しくはその中に使用してよい。
【0004】
したがって、本発明の主題は、
【0005】
(A)式I:
【0006】
【化1】

【0007】
(式中、Rは、(CH2−CH2−O−)n−R2;−CH2−CH(OH)−CH2−O−R2;又は−CH(R3)−CO−O−R4であり;nは0又は1であり;R2は、C1〜C13アルキル又はC2〜C20アルケニル又はC6〜C12アリール又はCO−C1〜C18アルキルであり;R3は、H又はC1〜C8アルキルであり;R4は、C1〜C12アルキル又はC2〜C12アルケニル又はC5〜C6シクロアルキルである)で示される化合物;及び
(B)式(IIa)のベンゾトリアゾール類、式(IIb)の2−ヒドロキシベンゾフェノン類、式(IIc)のオキサルアニリド類、式(IId)の2−ヒドロキシフェニルトリアジン類、式(IIe)のシンナマート類及び式(IIf)のベンゾアート類:
【0008】
【化2】

【0009】
(式中、T1は、水素、C1〜C18アルキル、又はフェニルで置換されているC1〜C18アルキルであるか、或いは
1は下記式:
【0010】
【化3】

【0011】
の基であり;
1は、二価基、例えば−(CH2n−であり、ここでnは1〜8の範囲であり;
2は、水素、C1〜C18アルキル、又はCOOT5、C1〜C18アルコキシ、ヒドロキシ、フェニル若しくはC2〜C18アシルオキシで置換されているC1〜C18アルキルであり;
3は、水素、ハロゲン、C1〜C18アルキル、C1〜C18アルコキシ、C2〜C18アシルオキシ、−CF3のような炭素原子1〜12個のペルフルオロアルキルであるか、又はT3はフェニルであり;
5は、C1〜C18アルキルであるか、或いは1個以上のOで中断されている、及び/又はOH若しくは下記の基:
【0012】
【化4】

【0013】
で置換されているC4〜C50アルキルである);
【0014】
【化5】

【0015】
(式中、
1、G2及びG3は、独立して、水素、ヒドロキシ又はC1〜C18アルコキシである);
【0016】
【化6】

【0017】
(式中、
4、G5、G6及びG7は、独立して、水素、C1〜C12アルキル又はC1〜C12アルコキシである);
【0018】
【化7】

【0019】
(式中、
8は、C1〜C18アルキルであるか、或いはCOO若しくはOCO若しくはOで中断されているか、又はOで中断され、そしてOHで置換されているC4〜C18アルキルであり;
9、G10、G11及びG12は、独立して、水素、メチル、ヒドロキシ又はOG8である);
【0020】
【化8】

【0021】
(式中、
mは、1〜4の整数であり;
15は、水素又はフェニルであり;
nが1の場合、G16はCOO−G19であり;
nが2の場合、G16はC2〜C12アルカン−ジオキシカルボニルであり;
nが3の場合、G16はC3〜C12アルカン−トリオキシカルボニルであり;
nが4の場合、G16はC4〜C12アルカン−テトラオキシカルボニルであり;
17は、水素、CN又はCOO−G19であり;
18は、水素又はメトキシであり;
19はC1〜C18アルキルである);
【0022】
【化9】

【0023】
(式中、
kは、1又は2であり;
kが1の場合、G20は、C1〜C18アルキル、フェニル又はC1〜C12アルキルで置換されているフェニルであり、そしてG21は、水素であり;
kが2の場合、G20及びG21は、一緒になって、四価基:
【0024】
【化10】

【0025】
であり;
22及びG24は、独立して水素又はC1〜C8アルキルであり;
23は、水素又はヒドロキシである)
から選択される化合物
(但し、成分(B)が、G9、G10、G11又はG12がメチルである式(IId)の2−ヒドロキシフェニルトリアジンを含む場合、式(I)のRは、(CH2−CH2−O−)n−R2である)
を含む組成物である。
【0026】
好ましくは、成分(B)は、(i)〜(xlv):
i.2−(3′,5′−ジ−tert−ブチル−2′−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、
ii.2−(3′,5′−ジ−tert−アミル−2′−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、
iii.2−(3′,5′−ビス(α,α−ジメチルベンジル)−2′−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、
iv.2−(3′−tert−ブチル−2′−ヒドロキシ−5′−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、
v.2,2′−メチレン−ビス〔4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−ベンゾトリアゾール−2−イルフェノール〕、
vi.2−〔3′−tert−ブチル−5′−(2−メトキシカルボニルエチル)−2′−ヒドロキシフェニル〕−2H−ベンゾトリアゾールとポリエチレングリコール300のエステル交換生成物、
vii.2−〔2′−ヒドロキシ−3′−(α,α−ジメチルベンジル)−5′−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、
viii.5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−tert−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、
ix.2−(2′−ヒドロキシ−5′−(2−ヒドロキシエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、
x.2−(2′−ヒドロキシ−5′−(2−メタクリロイルオキシエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、
xi.2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−4−アルキルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン(ここで、アルキルはC8−アルキル基の混合物である)(CAS Nos.137759−38−7;85099−51−0;85099−50−9);
xii.2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン(CAS No.2725−22−6)、
xiii.2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−〔α−エチルヘキサノイルオキシエチル〕フェニル)−1,3,5−トリアジン、
xiv.2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−ブチルオキシフェニル)−6−(2,4−ビス−ブチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、
xv.2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−〔1−エトキシカルボニルエトキシ〕フェニル)−1,3,5−トリアジン、
xvi.トリス(2,4−ジヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジンとα−クロロプロピオン酸エステル(C7〜C9アルコールの異性体混合物から製造)の混合物との反応生成物、
xvii.2−〔4−(ドデシルオキシ/トリデシルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)−2−ヒドロキシフェニル〕−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、
xviii.2−{2−ヒドロキシ−4−〔3−(2−エチルヘキシル−1−オキシ)−2−ヒドロキシプロピルオキシ〕フェニル}−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、
xix.2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、
xx.2−(3′−tert.ブチル−5′−メチル−2′−ヒドロキシフェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、
xxi.2−(3′−sec.ブチル−5′−tert.ブチル−2′−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、
xxii.2−(3′,5′−ジ−tert−ブチル−2′−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、
xxiii.2−(5′−tert.オクチル−2′−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、
xxiv.2−(3′−ドデシル−5′−メチル−2′−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、
xxv.2−(3′−tert.ブチル−5′−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)−2′−ヒドロキシフェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、
xxvi.2−(5′−メチル−2′−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、
xxvii.2−(5′−tert.ブチル−2′−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、下記式:
【0027】
【化11】

【0028】
の化合物、
xxxi.下記式:
【0029】
【化12】

【0030】
の化合物、
xxxii.2−エチルヘキシル−p−メトキシシンナマート(CAS No.5466−77−3)、
xxxiii.2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、
xxxiv.2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、
xxxv.2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、
xxxvi.2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン、
xxxvii.2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、
xxxviii.下記式:
【0031】
【化13】

【0032】
の化合物、
xxxix.下記式:
【0033】
【化14】

【0034】
の化合物、
xl.下記式:
【0035】
【化15】

【0036】
の化合物、
xli.下記式:
【0037】
【化16】

【0038】
の化合物、
xlii.下記式:
【0039】
【化17】

【0040】
の化合物、
xliii.下記式:
【0041】
【化18】

【0042】
の化合物、
xliv.下記式:
【0043】
【化19】

【0044】
の化合物、
xlv.下記式:
【0045】
【化20】

【0046】
の化合物
(但し、成分(B)が化合物xi、xii、xvii又はxviiiを含む場合、式(I)のRは、(CH2−CH2−O−)n−R2である)
から選択される、1個以上の化合物を含む。
【0047】
2、R3又はR4を含む、示された定義の関係において、アルキルは、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、t−ブチル、2−エチルブチル、n−ペンチル、イソペンチル、1−メチルペンチル、1,3−ジメチルブチル、n−ヘキシル、1−メチルヘキシル、n−ヘプチル、イソヘプチル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、1−メチルヘプチル、3−メチルヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、1,1,3−トリメチルヘキシル、1,1,3,3−テトラメチルペンチル、ノニル、デシル、ウンデシル、1−メチルウンデシル、ドデシル、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルヘキシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシルのような、分岐鎖状又は非分岐鎖状アルキルである。
【0048】
1つ以上のOで中断されているアルキルは、例えば、ポリエチレングリコール残基のようなポリオキシアルキレンである。
【0049】
一般にアルキルは芳香族炭化水素基であり、例えば、フェニル、ビフェニリル又はナフチルである。
【0050】
示される定義の関係内において、アルケニルは、とりわけ、ビニル、アリル、イソプロペニル、2−ブテニル、3−ブテニル、イソブテニル、n−ペンタ−2,4−ジエニル、3−メチル−ブタ−2−エニル、n−オクタ−2−エニル、n−ドデカ−2−エニル、イソドデセニル、n−ドデカ−2−エニル、n−オクタデカ−4−エニルを含む。
【0051】
ハロゲンは、主にフルオロ、クロロ、ブロモ又はヨードであり、特にクロロである。
【0052】
5〜C6シクロアルキルは、主にシクロペンチル、シクロヘキシルである。
【0053】
2〜C18アシルオキシは、例えば、アルカノイルオキシ、ベンゾイルオキシ、又はアクリロイルオキシ若しくはメタクリロイルオキシのようなアルケノイルオキシである。
【0054】
二価のC2〜C12アルカン−ジオキシカルボニルの例は、−COO−CH2CH2−OCO−であり;
三価のC3〜C12アルカン−トリオキシカルボニルの例は、−COO−CH2−CH(OCO−)CH2−OCO−であり;
四価のC4〜C12アルカン−テトラオキシカルボニルの例は、(−COO−CH24Cである。
【0055】
成分(A)及び(B)は、それぞれ単一の化合物であるか、又は化合物の混合物であってよい。
【0056】
成分(B)の化合物xviiにおいて、ドデシル/トリデシル残基は、通常、異性体の混合物である。成分(B)の化合物xviにおいて、オクチル残基は、主に、n−オクチルと2−エチルヘキシルの混合物である。
【0057】
好ましい実施態様において、成分(A)は、Rが、C1〜C13アルキル又は−CH(R3)−CO−O−R4であり、R3及びR4は、独立して、H又はC1〜C8アルキルである、式(I)の化合物:
下記式:
【0058】
【化21】

【0059】
【化22】

【0060】
で示される、
(A1)2−{2−ヒドロキシ−4−〔1−オクチルオキシカルボニルエトキシ〕フェニル}−4,6−ビス(4−フェニルフェニル)−1,3,5−トリアジン、及び/又は
(A2)2−(2−ヒドロキシ−4−(2−エチルヘキシル)オキシ)フェニル−4,6−ビス(4−フェニル)フェニル−1,3,5−トリアジン
から選択される。
【0061】
式(A1)において、部分C817(i)は、通常、分岐鎖状と非分岐鎖状のオクチル基の異性体混合物である(例えば、US−6060543の実施例A14を参照)。
【0062】
別の好ましい実施態様において、成分(B)は、化合物類i−xxから選択される。
【0063】
特定の実施態様において、成分(A)は、残基Rが、非中断、分岐鎖状又は非分岐鎖状のC7〜C13アルキル鎖を含有する化合物類から選択される。
【0064】
特定の技術的に興味深いものは、
成分(A)が、化合物(A1)であり、そして成分(B)が、化合物類 i−iv、vi−xi、xiii−xviii、xx、xxiii−xxxix、特に、ii、iii、iv、vi、vii、viii、xx、xxv、xxxvii、とりわけ、ベンゾチアゾール系のものから選択される、
又は
成分(A)が化合物(A2)であり、そして成分(B)が、化合物類 i−x、xii、xiii、xix−xxiii、xxv−xxvii、xxx−xxxvi及びxl−xlv、特に、i、ii、iii、v、vi、viii、xii、xiii、xix、xx、xxii、xxiii、xxvi、xxx、xxxi、xxxiv、xxxvi、xl、xli、xlii、xliii、xliv、xlvから選択される
組成物である。
【0065】
成分(A)及び(B)は、それぞれ単一の化合物であるか、又は化合物類の混合物であってよく、特に興味深いものは、成分(B)が化合物類の混合物である組合せである。
【0066】
成分(B)として特に興味深いものは、ベンゾトリアゾール又はベンゾフェノン系の化合物類である。
【0067】
成分(A)の化合物類は、例えば、US−5959008及びUS−6255483により既知である。
成分(B)の化合物類は既知であり、例えば、WO 01/47900、実施例4に開示されている化合物xviであり、これらの化合物類(B)は、とりわけ、
Ciba Specialty Chemicals, Switzerland;
Clariant, Switzerland;
BASF, Germany;
Cytec Corp., USA
により市販されている。
【0068】
成分(A)の更に好ましい化合物は、下記式のものである:
【0069】
【化23】











【0070】
場合により更なに使用される添加剤。
場合により本発明のUV吸収剤と組み合わされる他の添加剤は、例えば、可塑剤、潤滑剤、乳化剤、顔料、レオロジー添加剤、触媒、流量調整剤、光増白剤、更なる光安定剤、酸化防止剤、置換及び非置換ビスベンジリデンソルビトールのような清澄剤、防炎加工剤、帯電防止剤、ベンゾオキサジノンUV吸収剤、発泡剤及びジラウリルチオジプロピオナート又はジステアリルチオジプロピオナートのようなチオ相乗剤を含む。具体例を下記に示す:
1.酸化防止剤
1.1.アルキル化モノフェノール類、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2−tert−ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−n−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−イソブチルフェノール、2,6−ジシクロペンチル−4−メチルフェノール、2−(α−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジオクタデシル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリシクロヘキシルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシメチルフェノール、側鎖において直鎖状又は分岐鎖状であるノニルフェノール類、例えば2,6−ジ−ノニル−4−メチルフェノール、2,4−ジメチル−6−(1′−メチルウンデカ−1′−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1′−メチルヘプタデカ−1′−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1′−メチルトリデカ−1′−イル)フェノール及びそれらの混合物。
【0071】
1.2.アルキルチオメチルフェノール類、例えば、2,4−ジオクチルチオメチル−6−tert−ブチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−メチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−エチルフェノール、2,6−ジ−ドデシルチオメチル−4−ノニルフェノール。
【0072】
1.3.ヒドロキノン類及びアルキル化ヒドロキノン類、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシフェノール、2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−tert−アミルヒドロキノン、2,6−ジフェニル−4−オクタデシルオキシフェノール、2,6−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルステアラート、ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)アジパート。
【0073】
1.4.トコフェロール類、例えば、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール及びそれらの混合物(ビタミンE)。
【0074】
1.5.ヒドロキシル化チオジフェニルエーテル類、例えば、2,2′−チオビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2′−チオビス(4−オクチルフェノール)、4,4′−チオビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、4,4′−チオビス(6−tert−ブチル−2−メチルフェノール)、4,4′−チオビス(3,6−ジ−sec−アミルフェノール)、4,4′−ビス(2,6−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ジスルフィド。
【0075】
1.6.アルキリデンビスフェノール類、例えば、2,2′−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−エチルフェノール)、2,2′−メチレンビス〔4−メチル−6−(α−メチルシクロヘキシル)フェノール〕、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−ノニル−4−メチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2′−エチリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2′−エチリデンビス(6−tert−ブチル−4−イソブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス〔6−(α−メチルベンジル)−4−ノニルフェノール〕、2,2′−メチレンビス〔6−(α,α−ジメチルベンジル)−4−ノニルフェノール〕、4,4′−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4′−メチレンビス(6−tert−ブチル−2−メチルフェノール)、1,1−ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、2,6−ビス(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェノール、1,1,3−トリス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3−n−ドデシルメルカプトブタン、エチレングリコールビス〔3,3−ビス(3′−tert−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)ブチラート〕、ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチル−フェニル)ジシクロペンタジエン、ビス〔2−(3′−tert−ブチル−2′−ヒドロキシ−5′−メチルベンジル)−6−tert−ブチル−4−メチルフェニル〕テレフタラート、1,1−ビス(3,5−ジメチル−2−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−4−n−ドデシルメルカプトブタン、1,1,5,5−テトラ(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ペンタン。
【0076】
1.7.O−、N−及びS−ベンジル化合物類、例えば、3,5,3′,5′−テトラ−tert−ブチル−4,4′−ジヒドロキシジベンジルエーテル、オクタデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンジルメルカプトアセタート、トリデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジルメルカプトアセタート、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)アミン、ビス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)ジチオテレフタラート、ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、イソオクチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルメルカプトアセタート。
【0077】
1.8.ヒドロキシベンジル化マロナート類、例えば、ジオクタデシル−2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシベンジル)マロナート、ジ−オクタデシル−2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)マロナート、ジ−ドデシルメルカプトエチル−2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロナート、ビス〔4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル〕−2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロナート。
【0078】
1.9.芳香族ヒドロキシベンジル化合物類、例えば、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,4−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,3,5,6−テトラメチルベンゼン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)フェノール。
【0079】
1.10.トリアジン化合物類、例えば、2,4−ビス(オクチルメルカプト)−6−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,2,3−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌラート、1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌラート、2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルエチル)−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)−ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌラート。
【0080】
1.11.ベンジルホスホナート類、例えば、ジメチル−2,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホナート、ジエチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホナート、ジオクタデシル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホナート、ジオクタデシル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルベンジルホスホナート、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸のモノエチルエステルのカルシウム塩。
【0081】
1.12.アシルアミノフェノール類、例えば、4−ヒドロキシラウルアニリド、4−ヒドロキシステアルアニリド、オクチルN−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)カルバマート。
【0082】
1.13.β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と、一価又は多価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、n−オクタノール、i−オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌラート、N,N′−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ〔2.2.2〕オクタンとのエステル類。
【0083】
1.14.β−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオン酸と、一価又は多価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、n−オクタノール、i−オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌラート、N,N′−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ〔2.2.2〕オクタン、3,9−ビス〔2−{3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカンとのエステル類。
【0084】
1.15.β−(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と、一価又は多価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌラート、N,N′−ビス(ヒドロキシエチル)オキミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ〔2.2.2〕オクタンとのエステル類。
【0085】
1.16.3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル酢酸と、一価又は多価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌラート、N,N′−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ〔2.2.2〕オクタンとのエステル類。
【0086】
1.17.β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド類、例えば、N,N′−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサメチレンジアミド、N,N′−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)トリメチレンジアミド、N,N′−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジド、N,N′−ビス〔2−(3−〔3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル〕プロピオニルオキシ)エチル〕オキサミド(Naugard(登録商標)XL-1、Uniroyal社製)。
【0087】
1.18.アスコルビン酸(ビタミンC)
【0088】
1.19.アミン化防止剤、例えば、N,N′−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ビス(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N′−ビス(1−エチル−3−メチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N′−ビス(1−メチルヘプチル)−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジシクロヘキシル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ビス(2−ナフチル)−p−フェニレンジアミン、N−イソプロピル−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1−メチルヘプチル)−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、4−(p−トルエンスルファモイル)ジフェニルアミン、N,N′−ジメチル−N,N′−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、ジフェニルアミン、N−アリルジフェニルアミン、4−イソプロポキシジフェニルアミン、N−フェニル−1−ナフチルアミン、N−(4−tert−オクチルフェニル)−1−ナフチルアミン、N−フェニル−2−ナフチルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、例えば、p,p′−ジ−tert−オクチルジフェニルアミン、4−n−ブチルアミノフェノール、4−ブチリルアミノフェノール、4−ノナノイルアミノフェノール、4−ドデカノイルアミノフェノール、4−オクタデカノイルアミノフェノール、ビス(4−メトキシフェニル)−アミン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−ジメチルアミノメチルフェノール、2,4′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N′,N′−テトラメチル−4,4′−ジアミノジフェニルメタン、1,2−ビス〔(2−メチルフェニル)アミノ〕エタン、1,2−ビス(フェニルアミノ)プロパン、(o−トリル)ビグアニド、ビス〔4−(1′,3′−ジメチルブチル)フェニル〕アミン、tert−オクチル化N−フェニル−1−ナフチルアミン、モノ−及びジ−アルキル化tert−ブチル−/tert−オクチルジフェニルアミンの混合物、モノ−及びジ−アルキル化ノニルジフェニルアミンの混合物、モノ−及びジ−アルキル化ドデシルジフェニルアミンの混合物、モノ−及びジ−アルキル化イソプロピル/イソヘキシルジフェニルアミンの混合物、モノ−及びジ−アルキル化tert−ブチルジフェニルアミンの混合物、2,3−ジヒドロ−3,3−ジメチル−4H−1,4−ベンゾチアジン、フェノチアジン、モノ−及びジ−アルキル化tert−ブチル/tert−オクチルフェノチアジン類の混合物、モノ−及びジ−アルキル化tert−オクチルフェノチアジン類の混合物、N−アリルフェノチアジン,N,N,N′,N′−テトラフェニル−1,4−ジアミノブタ−2−エン、N,N−ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジ−4−イル)ヘキサメチレンジアミン、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジ−4−イル)セバカート、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オール。
【0089】
2.UV吸収剤及び光安定剤
【0090】
2.1.更なる2−(2′−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類、例えば、2−(2′−ヒドロキシ−5′−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−4′−オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3′−tert−ブチル−2′−ヒドロキシ−5′−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3′−tert−ブチル−5′−〔2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル〕−2′−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3′−tert−ブチル−2′−ヒドロキシ−5′−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3′−tert−ブチル−2′−ヒドロキシ−5′−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3′−tert−ブチル−2′−ヒドロキシ−5′−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3′−tert−ブチル−5′−〔2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル〕−2′−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3′−ドデシル−2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3′−tert−ブチル−2′−ヒドロキシ−5′−(2−イソオクチルオキシカルボニルエチル)フェニルベンゾトリアゾール、2,2′−メチレンビス〔4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−ベンゾトリアゾール−2−イルフェノール〕;2−〔3′−tert−ブチル−5′−(2−メトキシカルボニルエチル)−2′−ヒドロキシフェニル〕−2H−ベンゾトリアゾールとポリエチレングリコール300とのエステル交換生成物;
【0091】
【化24】

【0092】
(式中、Rは、3′−tert−ブチル−4′−ヒドロキシ−5′−2H−ベンゾトリアゾール−2−イルフェニルである);2−〔2′−ヒドロキシ−3′−(α,α−ジメチルベンジル)−5′−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール;2−〔2′−ヒドロキシ−3′−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−5′−(α,α−ジメチルベンジル)フェニル〕ベンゾトリアゾール。
【0093】
2.2.更なる2−ヒドロキシベンゾフェノン類、例えば、4−デシルオキシ、4−ベンジルオキシ、4,2′,4′−トリヒドロキシ及び2′−ヒドロキシ−4,4′−ジメトキシ誘導体類。
【0094】
2.3.置換されているか、又は非置換の安息香酸のエステル類、例えば、4−tert−ブチルフェニルサリチラート、サリチル酸フェニル、サリチル酸オクチルフェニル、ジベンゾイルレゾルシノール、ビス(4−tert−ブチルベンゾイル)レゾルシノール、ベンゾイルレゾルシノール、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾアート、ヘキサデシル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾアート、オクタデシル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾアート、2−メチル−4,6−ジ−tert−ブチルフェニル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾアート。
【0095】
2.4.アクリルラート類、例えば、エチルα−シアノ−β,β−ジフェニルアクリラート、イソオクチルα−シアノ−β,β−ジフェニルアクリラート、メチルα−カルボメトキシシンナマート、メチルα−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナマート、ブチルα−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナマート、メチルα−カルボメトキシ−p−メトキシシンナマート及びN−(β−カルボメトキシ−β−シアノビニル)−2−メチルインドリン。
【0096】
2.5.ニッケル化合物類、例えば、n−ブチルアミン、トリエタノールアミン若しくはN−シクロヘキシルジエタノールアミンのような追加のリガンドを有する又は有さない、1:1又は1:2錯体のような2,2′−チオビス〔4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール〕のニッケル錯体、ニッケルジブチルジチオカルバマート、4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジルリン酸のモノアルキルエステル類(例えば、メチル又はエチルエステル)のニッケル塩、ケトキシム類のニッケル錯体、例えば、2−ヒドロキシ−4−メチルフェニルウンデシルケトキシムのニッケル錯体、追加のリガンドを有する又は有さない、1−フェニル−4−ラウロイル−5−ヒドロキシピラゾールのニッケル錯体。
【0097】
2.6.立体障害アミン類、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバカート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)スクシナート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバカート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバカート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)n−ブチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルマロナート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンとコハク酸との縮合物、N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−tert−オクチルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの直鎖又は環式縮合物、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ニトリロトリアセタート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシラート、1,1′−(1,2−エタンジイル)−ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン)、4−ベンゾイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−2−n−ブチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジル)マロナート、3−n−オクチル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ〔4.5〕デカン−2,4−ジオン、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)セバカート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)スクシナート、N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−モルホリノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの直鎖又は環式縮合物、2−クロロ−4,6−ビス(4−n−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合物、2−クロロ−4,6−ジ−(4−n−ブチルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合物、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ〔4.5〕デカン−2,4−ジオン、3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、3−ドデシル−1−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、5−(2−エチルヘキサノイル)−オキシメチル−3,3,5−トリメチル−2−モルホリノン、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−4−オクタデカノイルオキシー2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1,3,5−トリス(N−シクロヘキシル−N−(2,2,6,6−テトラメチルピペラジン−3−オン−4−イル)アミノ)−s−トリアジン、1,3,5−トリス(N−シクロヘキシル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペラジン−3−オン−4−イル)アミノ)−s−トリアジン、2,4−ビス〔(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−ピペリジン−4−イル)ブチルアミノ〕−6−クロロ−s−トリアジンとN,N′−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン)との反応生成物、4−ヘキサデシルオキシ−及び4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの混合物、N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−シクロヘキシルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの縮合物、1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンと2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン、その他に4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの縮合物(CAS Reg.No.〔136504−96−6〕);1,6−ヘキサンジアミンと2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン、その他にN,N−ジブチルアミンと4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの縮合物(CAS Reg.No.〔192268−64−7));N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド;N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド;2−ウンデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソ−スピロ〔4.5〕デカン;5−(2−エチルヘキサノイル)オキシメチル−3,3,5−トリメチル−2−モルホリノン;7,7,9,9−テトラメチル−2−シクロウンデシル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ−〔4,5〕デカンとエピクロロヒドリンとの反応生成物、1,1−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニル)−2−(4−メトキシフェニル)エテン、N,N′−ビス−ホルミル−N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン、4−メトキシメチレンマロン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ヒドロキシピペリジンとのジエステル、ポリ〔メチルプロピル−3−オキシ−4−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)〕シロキサン、マイレン酸無水物α−オレフィンコポリマーと2,2,6,6−テトラメチル−4−アミノピペリジン又は1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−アミノピペリジンとの反応生成物。
【0098】
2.7.オキサミド類、例えば、4,4′−ジオクチルオキシオキサニリド、2,2′−ジエトキシオキサニリド、2,2′−ジオクチルオキシ−5,5′−ジ−tert−ブトキサニリド、2,2′−ジドデシルオキシ−5,5′−ジ−tert−ブトキサニリド、2−エトキシ−2′−エチルオキサニリド、N,N′−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)オキサミド、2−エトキシ−5−tert−ブチル−2′−エトキサニリド及び2−エトキシ−2′−エチル−5,4′−ジ−tert−ブトキサニリドとの混合物、o−及びp−メトキシ−二置換オキサニリドの混合物、並びにo−及びp−エトキシ−二置換オキサニリドの混合物。
【0099】
2.8.更なる2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン類、例えば、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−プロピルオキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−トリデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−〔2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ブチルオキシプロポキシ)フェニル〕−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、2−〔2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−オクチルオキシプロピルオキシ)フェニル〕−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、2−〔2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロポキシ)フェニル〕−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス〔2−ヒドロキシ−4−(3−ブトキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシフェニル)−4−(4−メトキシフェニル)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、2−{2−ヒドロキシ−4−〔3−(2−エチルヘキシル−1−オキシ)−2−ヒドロキシプロピルオキシ〕フェニル}−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン。
【0100】
3.金属不活性化剤、例えば、N,N′−ジフェニルオキサミド、N−サリチラール−N′−サリチロイルヒドラジン、N,N′−ビス(サリチロイル)ヒドラジン、N,N′−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジン、3−サリチロイルアミノ−1,2,4−トリアゾール、ビス(ベンジリデン)オキサリルジヒドラジド、オキサニリド、イソフタロイジヒドラジド、セバコイルビスフェニルヒドラジド、N,N′−ジアセチルアジポイルジヒドラジド、N,N′−ビス(サリチロイル)オキサリルジヒドラジド、N,N′−ビス(サリチロイル)チオプロピオニルジヒドラジド。
【0101】
4.ホスファイト類及びホスホナイト類、例えば、トリフェニルホスファイト、ジフェニルアルキルホスファイト類、フェニルジアルキルホスファイト類、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジステアリルペンタエリトリトールジホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ジイソデシルペンタエリトリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイト、ジイソデシルオキシペンタエリトリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイト、ビス(2,4,6−トリス(tert−ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイト、トリステアリルソルビトールトリホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)4,4′−ビフェニレンジホスホナイト、6−イソオクチルオキシ−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−12H−ジベンズ〔d,g〕−1,3,2−ジオキサホスホチン、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)メチルホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)エチルホスファイト、6−フルオロ−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−12−メチル−ジベンズ〔d,g〕−1,3,2−ジオキサホスホチン、2,2′,2″−ニトリロ〔トリエチルトリス(3,3′,5,5′−テトラ−tert−ブチル−1,1′−ビフェニル−2,2′−ジイル)ホスファイト〕、2−エチルヘキシル(3,3′,5,5′−テトラ−tert−ブチル−1,1′−ビフェニル−2,2′−ジイル)ホスファイト、5−ブチル−5−エチル−2−(2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノキシ)−1,3,2−ジオキサホスフィラン。
【0102】
以下のホスファイト類が特に好ましい:
トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト(Irgafos(登録商標)168、Ciba-Geigy)、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、
【0103】
【化25】

【0104】
5.ヒドロキシルアミン類、例えば、N,N−ジベンジルヒドロキシルアミン、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、N,N−ジオクチルヒドロキシルアミン、N,N−ジラウリルヒドロキシルアミン、N,N−ジテトラデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジヘキサデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジオクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘキサデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘプタデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、水素化牛脂アミンから誘導されるN,N−ジアルキルヒドロキシルアミン。
【0105】
6.ニトロン類、例えば、N−ベンジル−アルファ−フェニルニトロン、N−エチル−アルファ−メチルニトロン、N−オクチル−アルファ−ヘプチルニトロン、N−ラウリル−アルファ−ウンデシルニトロン、N−テトラデシル−アルファ−トリデシルニトロン、N−ヘキサデシル−アルファ−ペンタデシルニトロン、N−オクタデシル−アルファ−ヘプタデシルニトロン、N−ヘキサデシル−アルファ−ヘプタデシルニトロン、N−オクタデシル−アルファ−ペンタデシルニトロン、N−ヘプタデシル−アルファ−ヘプタデシルニトロン、N−オクタデシル−アルファ−ヘキサデシルニトロン、水素化牛脂アミンから誘導されるN,N−ジアルキルヒドロキシルアミンから誘導されるニトロン。
【0106】
7.チオ相乗剤類、例えば、ジラウリルチオジプロピオナート又はジステアリルチオジプロピオナート。
【0107】
8.過酸化物捕捉剤類、例えば、β−チオジプロピオン酸のエステル類、例えば、ラウリル、ステアリル、ミルスチル又はトリデシルエステル、メルカプトベンズイミダゾール、又は2−メルカプトベンズイミダゾールの亜鉛塩、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジオクタデシルジスルフィド、ペエンタエリトリトールテトラキス(β−ドデシルメルカプト)プロピオナート。
【0108】
9.ポリアミド安定剤類、例えば、ヨウ化物及び/又はリン化合物と組み合わされた銅塩類、並びに二価マンガンの塩類。
【0109】
10.塩基性共安定剤類、例えば、メラミン、ポリビニルピロリドン、ジシアノジアミド、トリアリルシアヌラート、尿素誘導体、ヒドラジン誘導体、アミン類、ポリアミド類、ポリウレタン類、高級脂肪酸類の、アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩、例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ベヘン酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、リシノール酸ナトリウム及びパルミチン酸カリウム、アンチモンピロカテコラート又は亜鉛ピロカテコラート。
【0110】
11.核剤類、例えば、タルク、金属酸化物、例としては、二酸化チタン又は酸化マグネシウム、リン酸塩、炭酸塩又は硫酸塩(好ましくは、アルカリ土類金属のリン酸塩、炭酸塩又は硫酸塩)、のような無機物質;モノ−又はポリカルボン酸類及びそれらの塩、例えば、4−tert−ブチル安息香酸、アジピン酸、ジフェニル酢酸、コハク酸ナトリウム又は安息香酸ナトリウム、のような有機化合物;イオンコポリマー(イオノマー)のようなポリマー化合物。特に好ましくは、1,3:2,4−ビス(3′,4′−ジメチルベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−ジ(パラメチルジベンジリデン)ソルビトール及び1,3:2,4−ジ(ベンジリデン)ソルビトールである。
【0111】
12.充填剤及び補強剤類、例えば、炭酸カルシウム、ケイ酸塩、ガラス繊維、ガラス球、石綿、タルク、カオリン、雲母、硫酸バリウム、金属酸化物及び水酸化物、カーボンブラック、グラファイト、木粉又は他の天然生成物の繊維若しくは粉末、合成繊維。
【0112】
13.ベンゾフラノン類及びインドリノン類、例えば、US4,325,863;US4,338,244;US5,175,312;US5,216,052;US5,252,643;DE−A−4316611;DE−A−4316622;DE−A−4316876;EP−A−0589839若しくはEP−A−0591102に開示されたもの、又は3−〔4−(2−アセトキシエトキシ)フェニル〕−5,7−ジ−tert−ブチル−ベンゾフラン−2−オン、5,7−ジ−tert−ブチル−3−〔4−(2−ステアロイルオキシエトキシ)フェニル〕ベンゾフラン−2−オン、3,3′−ビス〔5,7−ジ−tert−ブチル−3−(4−〔2−ヒドロキシエトキシ〕フェニル)ベンゾフラン−2−オン〕、5,7−ジ−tert−ブチル−3−(4−エトキシフェニル)ベンゾフラン−2−オン、3−(4−アセトキシ−3,5−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチルベンゾフラン−2−オン、3−(3,5−ジメチル−4−ピバロイルオキシフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチルベンゾフラン−2−オン、3−(3,4−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチルベンゾフラン−2−オン、3−(2,3−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチルベンゾフラン−2−オン。
【0113】
ヒンダードアミン安定剤のブレンド類は、例えば、EP−A−947546に開示されている。本発明のUV吸収剤は、EP−A−947546、EP−A−200190、EP−A−434608、EP−A−704560、WO98/55526、WO99/57189に開示されているものと類似の、適切な追加のヒンダードアミン類の1つ以上とブレンドされ得る。
【0114】
上記のUVAとの組合せが有用である、好ましい立体障害アミン安定剤類(HALS)は、例えば、下記の化合物である:
1)4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
2)1−アリル−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
3)1−ベンジル−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
4)1−(4−tert−ブチル−2−ブテニル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
5)4−ステアロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
6)1−エチル−4−サリチロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
7)4−メタクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン
8)1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イルβ−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピイオナート
9)ジ(1−ベンジル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)マレアート
10)ジ(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)スクシナート
11)ジ(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)グルタラート
12)ジ(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アジパート
13)ジ(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバカート
14)ジ(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)セバカート
14a)(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)(メチル)セバカート20重量%及びジ(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)−セバカート80重量%を含む混合物
15)ジ(1,2,3,6−テトラメチル−2,6−ジエチル−ピペリジン−4−イル)セバカート
16)ジ(1−アリル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)フタラート
17)1−ヒドロキシ−4−β−シアノエトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
18)1−アセチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イルアセタート
19)トリ(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)トリメリタート
20)1−アクリロイル−4−ベンジルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
21)ジ(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)ジエチルマロナート
22)ジ(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)ジブチルマロナート
23)ジ(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)ブチル(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロナート
24)ジ(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバカート
25)ジ(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバカート
26)ヘキサン−1′,6′−ビス(4−カルバモイルオキシ−1−n−ブチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン)
27)トルエン−2′,4′−ビス−(4−カルバモイルオキシ−1−n−プロピル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン)
28)ジメチルビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オキシ)シラン
29)フェニルトリス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オキシ)シラン
30)トリス(1−プロピル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)ホスファイト
30−a)トリス(1−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)ホスファイト
31)トリス(1−プロピル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)ホスファート
32)フェニルビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)ホスホナート
33)4−ヒドロキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン
34)4−ヒドロキシ−N−ヒドロキシエチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
35)4−ヒドロキシ−N−(2−ヒドロキシプロピル)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
36)1−グリシジル−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
36−a−1)1,2,3,4−テトラキス〔2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イルオキシカルボニル〕ブタン
36−a−2)ビス〔2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イルオキシカルボニル〕−ビス〔トリデシルオキシカルボニル〕ブタン
36−b−1)1,2,3,4−テトラキス〔1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イルオキシカルボニル〕ブタン
36−b−2)ビス〔1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イルオキシカルボニル〕−ビス〔トリデシルオキシカルボニル〕ブタン
36−c)2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イルオキシカルボニル(C15〜C17アルカン)
【0115】
【化26】

【0116】
37)N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)ヘキサメチレン−1,6−ジアミン
38)N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)ヘキサメチレン−1,6−ジアセトアミド
39)ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミン
40)4−ベンゾイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
41)N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−N,N′−ジブチルアジパミド
42)N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−N,N′−ジシクロヘキシル−2−ヒドロキシプロピレン−1,3−ジアミン
43)N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−p−キシリレンジアミン
44)N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)スクシンアミド
45)ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)N−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−β−アミノジプロピオナート
【0117】
【化27】

【0118】
47)4−(ビス−2−ヒドロキシエチルアミノ)−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン
48)4−(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチル−ベンズアミド)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
49)4−メタクリルアミド−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン
【0119】
【化28】

【0120】
49−b)N,N′,N″−トリス〔2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イルアミノ(2−ヒドロキシプロピレン)〕イソシアヌラート
49−c)2−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イルアミノ)−2−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル−アミノカルボニル)プロパン
49−d)1,6−ビス〔N−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)ホルミルアミノ〕ヘキサン
49−e)1−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イルアミノ)−2−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル−アミノカルボニル)エタン
50)9−アザ−8,8,10,10−テトラメチル−1,5−ジオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン
51)9−アザ−8,8,10,10−テトラメチル−3−エチル−1,5−ジオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン
52)8−アザ−2,7,7,8,9,9−ヘキサメチル−1,4−ジオキサスピロ〔4.5〕デカン
53)9−アザ−3−ヒドロキシメチル−3−エチル−8,8,9,10,10−ペンタメチル−1,5−ジオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン
54)9−アザ−3−エチル−3−アセトキシメチル−9−アセチル−8,8,10,10−テトラメチル−1,5−ジオキサスピロ〔5.5〕−ウンデカン
55)2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−スピロ−2′−(1′,3′−ジオキサン)−5′−スピロ−5″−(1″,3″−ジオキサン)−2″−スピロ−4’’’−(2’’’,2’’’,6’’’,6’’’−テトラメチルピペリジン)
56)3−ベンジル−1,3,8−トリアザ−7,7,9.9−テトラメチルスピロ〔4.5〕デカン−2,4−ジオン
57)3−n−オクチル−1,3,8−トリアザ−7,7,9.9−テトラメチルスピロ〔4.5〕デカン−2,4−ジオン
58)3−アリル−1,3,8−トリアザ−1,7,7,9,9−ペンタメチルスピロ〔4.5〕デカン−2,4−ジオン
59)3−グリシジル−1,3,8−トリアザ−7,7,8,9,9−ペンタメチルスピロ〔4.5〕デカン−2,4−ジオン
60)1,3,7,7,8,9,9−ヘプタメチル−1,3,8−トリアザスピロ〔4.5〕デカン−2,4−ジオン
61)2−イソプロピル−7,7,9,9−テトラメチル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ〔4.5〕デカン
62)2,2−ジブチル−7,7,9,9−テトラメチル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ〔4.5〕デカン
63)2,2,4,4−テトラメチル−7−オキサ−3,20−ジアザ−21−オキソジスピロ〔5.1.11.2〕ヘンエイコサン
64)2−ブチル−7,7,9,9−テトラメチル−1−オキサ−4,8−ジアザ−3−オキソスピロ〔4.5〕デカン
65)8−アセチル−3−ドデシル−1,3,8−トリアザ−7,7,9.9−テトラメチルスピロ〔4.5〕デカン−2,4−ジオン
【0121】
【化29】



【0122】
69−b)60重量%の下記:
【0123】
【化30】

【0124】
と、40重量%の下記:
【0125】
【化31】

【0126】
との混合物
【0127】
【化32】



【0128】
(式中、Rは下記:
【0129】
【化33】

【0130】
である)
【0131】
【化34】

【0132】
(式中、Rは、化合物74における意味と同一の意味を有する)
【0133】
【化35】

【0134】
(式中、R′は下記:
【0135】
【化36】

【0136】
である)
【0137】
【化37】

【0138】
(式中、R′は、化合物(76)における意味と同一の意味を有する)
【0139】
【化38】





【0140】
下記の化合物(81)〜(83)、(84−1)(84−2)及び(85)〜(91)、(91−1)、(92−1)、(92−2)、(93)及び(94)において、m1〜m14は、2〜約200、好ましくは2〜100、例えば、2〜50、2〜40、又は3〜40、又は4〜10の数である。
【0141】
【化39】

【0142】
化合物(81)及び(82)の化合物において、−O−に結合している末端基は、それぞれ、例えば、水素又は基−CO−(CH22−COO−Y若しくは−CO−(CH24−COO−Y(ここで、Yは、水素又はC1〜C4アルキルである)であることができ、ジアシルに結合している末端基は、例えば、−O−Y又は下記の基:
【0143】
【化40】

【0144】
であることができる。
【0145】
【化41】

【0146】
化合物(83)において、アミノ残基に結合している末端基は、例えば、下記の基:
【0147】
【化42】

【0148】
であることができ、ジアシル残基に結合している末端基は、例えば、Clであることができる。
【0149】
【化43】

【0150】
化合物(84−1)及び(84−2)において、トリアジン残基に結合している末端基は、例えば、塩素又は下記の基:
【0151】
【化44】

【0152】
であり、ジアミノ基に結合している末端基は、例えば、水素又は下記の基:
【0153】
【化45】

【0154】
であることができる。
【0155】
トリアジンに結合している塩素を、例えば、−OH又はアミノ基と取り換えることも好都合でありうる。適切なアミノ基は、典型的には、ピロリジン−1−イル、モルホリノ、−NH2、−N(C1〜C8アルキル)2及び−NY′(C1〜C8アルキル)であり、ここで、Y′は、水素又は下記式:
【0156】
【化46】

【0157】
の基である。
【0158】
【化47】

【0159】
化合物(85)において、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イルアミノ残基に結合している末端基は、例えば、水素であることができ、2−ヒドロキシプロピレン残基に結合している末端基は、例えば、下記
【0160】
【化48】

【0161】
であり得る。
【0162】
【化49】

【0163】
化合物(86)において、−O−に結合している末端基は、例えば、水素又は下記:
【0164】
【化50】

【0165】
であることができ、ジアシル残基に結合している末端基は、例えば、−OCH3又はClであることができる。
【0166】
【化51】

【0167】
化合物(87)において、−O−に結合している末端基は、例えば、水素又は下記:
【0168】
【化52】

【0169】
であることができ、ジアシル残基に結合している末端基は、例えば、−OCH3又はClであることができる。
【0170】
【化53】

【0171】
化合物(88)において、−O−に結合している末端基は、例えば、水素又は下記:
【0172】
【化54】

【0173】
であることができ、ジアシル残基に結合している末端基は、例えば、−OCH3又はClであることができる。
【0174】
【化55】

【0175】
化合物(89)において、−CH2−に結合している末端基は、例えば、水素であることができ、エステル残基に結合している末端基は、例えば、下記:
【0176】
【化56】

【0177】
であることができる。
【0178】
【化57】

【0179】
化合物(90)において、−CH2−に結合している末端基は、例えば、水素であることができ、エステル残基に結合している末端基は、例えば、下記:
【0180】
【化58】

【0181】
であることができる。
【0182】
【化59】

【0183】
化合物(91)において、−CH2−に結合している末端基は、例えば、水素であることができ、アミド残基に結合している末端基は、例えば、下記:
【0184】
【化60】

【0185】
であることができる。
【0186】
【化61】

【0187】
(式中、m11*は、m11と同義であり、基R*は、互いに独立して、エチル又は2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イルであるが、基R*のうちの少なくとも50%が、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イルであり、残りの基R*は、エチルである)。化合物(91−1)において、末端基は、例えば、水素である。
【0188】
【化62】

【0189】
化合物(92−1)及び(92−2)において、トリアジン残基に結合している末端基は、例えば、塩素、又は化合物(92−1)では下記の基:
【0190】
【化63】

【0191】
であり、化合物(92−2)では下記の基:
【0192】
【化64】

【0193】
であることができ、ジアミノ残基に結合している末端基は、例えば、水素又は下記の基:
【0194】
【化65】

【0195】
であることができる。
【0196】
トリアジンに結合している塩素を、例えば、−OH又はアミノ基と取り換えることも好都合でありうる。適切なアミノ基は、典型的には、ピロリジン−1−イル、モルホリノ、−NH2、−N(C1〜C8アルキル)2及び−NY′(C1〜C8アルキル)であり、ここで、Y′は、水素又は下記式:
【0197】
【化66】

【0198】
の基である。
【0199】
【化67】

【0200】
化合物(93)において、ジアミノ残基に結合している末端基は、例えば、水素であることができ、−CH2CH2−残基に結合している末端基は、例えば、下記:
【0201】
【化68】

【0202】
であることができる。
【0203】
【化69】

【0204】
化合物(94)において、ジアミノ残基に結合している末端基は、例えば、水素であることができ、ジアシル残基に結合している末端基は、例えば、Clであることができる。
【0205】
【化70】

【0206】
(式中、R″は、下記式:
【0207】
【化71】

【0208】
の基であるか、又は下記の連鎖分岐:
【0209】
【化72】

【0210】
であり、
R″′は、式(95−I)の基であり、そして
m′15及びm″15は、それぞれ0〜200、好ましくは0〜100、特に0〜50の数であるが、m′15+m″15は、2〜200、好ましくは2〜100、特に2〜50の数である)。化合物(95)において、ジアミノ残基に結合している末端基は、例えば、水素であることができ、−CH2CH2−基に結合している末端基は、例えば、ハロゲン、特にCl又はBrであることができる。
【0211】
96)式(96−I)又は(96−II):
【0212】
【化73】

【0213】
(式中、m16及びm16*は、2〜50の数である)の化合物。
【0214】
製造の間、式(96−I)及び(96−II)の化合物は混合物として一緒に得ることができ、従ってそれをそのまま使用することもできる。(96−I):(96−II)の比率は、例えば、20:1〜1:20であるか、又は1:10〜10:1である。
【0215】
式(96−I)の化合物において、窒素に結合している末端基は、例えば、水素であることができ、2−ヒドロキシプロピレン残基に結合している末端基は、例えば、下記の基:
【0216】
【化74】

【0217】
であることができる。
【0218】
式(96−II)の化合物において、ジメチレン基に結合している末端基は、例えば、−OHであることができ、酸素に結合している末端基は、例えば、水素であることができる。末端基は、ポリエーテル基であることもできる。
【0219】
【化75】

【0220】
(式中、変数m16**は、互いに独立して、m16と同義である)。
【0221】
【化76】

【0222】
化合物(97−1)及び(97−2)の化合物において、m17の平均値は、2.5であり、>C=O基に結合している末端基は、例えば、化合物(97−1)では下記:
【0223】
【化77】

【0224】
であり、化合物(97−2)では下記:
【0225】
【化78】

【0226】
であることができ、酸素に結合している末端基は、例えば、化合物(97−1)では下記:
【0227】
【化79】

【0228】
であり、化合物(97−2)では下記:
【0229】
【化80】

【0230】
であることができる。
【0231】
【化81】

【0232】
(式中、適切であれば、基RIVの三分の一は−C25であり、他は下記の基:
【0233】
【化82】

【0234】
であり、そしてm18は、2〜200、好ましくは2〜100、特に2〜50の範囲の数である)。
【0235】
化合物(98)において、−CH2−残基に結合している末端基は、例えば、水素であることができ、−CH(CO2IV)−残基に結合している末端基は、例えば、CH=CH−COORIVである。
【0236】
【化83】

【0237】
化合物(99−1)、(99−2)及び(99−3)の化合物において、G11は、水素又はメチルであり、そしてm19は、1〜25の数である。
【0238】
化合物(99−1)、(99−2)又は(99−3)の化合物において、2,5−ジオキソピロリジン環に結合している末端基は、例えば、水素であることができ、他の末端基は、例えば、
化合物(99−1)及び(99−2)では、下記式の基:
【0239】
【化84】

【0240】
であり、
化合物(99−3)では、下記の基:
【0241】
【化85】

【0242】
であることができる。
【0243】
100)式(100a)のポリアミドを塩化シアヌルと反応させて得た生成物を、式(100b)の化合物と反応させて得ることができる生成物:
【0244】
【化86】

【0245】
(式中、m′20、m″20及びm’’’20は、互いに独立して、2〜12の数であり、
36は、水素、C1〜C12アルキル、C5〜C12シクロアルキル、フェニル又はC7〜C9フェニルアルキルであり、そして
11は、水素またはメチルである)。G11が水素である生成物は、Chemical Abstracts-CAS No. 136 504-96-6を有する。
【0246】
一般に、上記の反応生成物は、例えば、式(100−1)、(100−2)又は(100−3)の化合物で表すことができる。これら3つの化合物の混合物の形態であることもできる。
【0247】
【化87】

【0248】
式(100−1)の好ましい意味は下記である:
【0249】
【化88】

【0250】
式(100−2)の好ましい意味は下記である:
【0251】
【化89】

【0252】
式(100−3)の好ましい意味は下記である:
【0253】
【化90】

【0254】
上記の式(100−1)〜(100−3)において、m20は、例えば、1〜20、好ましくは2〜20である。
【0255】
【化91】

【0256】
(式中、m21は、1〜20の数である)。
【0257】
化合物(101)において、ケイ素原子に結合している末端基は、例えば、(CH33Si−O−であることができ、酸素に結合している末端基は、例えば、−Si(CH33であることができる。
【0258】
化合物(101)は、m21が3〜10の数である場合、すなわち構造式で示される自由原子価が次に直接結合を形成する場合、環式化合の形態であることもできる。
【0259】
【化92】



【0260】
(式中、Rは下記:
【0261】
【化93】

【0262】
であり、残基R′のうちの1つはRであり、他はHである);
【0263】
【化94】

【0264】
110)US−A−6140326の実施例A19に開示されている5−(2−エチルヘキサノイル)オキシメチル−3,3,5−トリメチル−2−モルホリノン;
【0265】
【化95】

【0266】
上記セクションの立体障害アミンは、成分I−a)、I−b)、I−c)、I−d)、I−e)、I−f)、I−g)、I−h)、I−i)、I−j)、I−k)又はI−l)として、GB−A−2,301,106に記載されている化合物、特に、前記GB−A−2,301,106の第68頁から第73頁で示されている光安定剤1−a−1、1−a−2、1−b−1、1−c−1、1−c−2、1−d−1、1−d−2、1−d−3、1−e−1、1−f−1、1−g−1、1−g−2又は1−k−1のうちの1つであることもできる。
【0267】
上記セクションの立体障害アミンは、EP782994に記載されている化合物、例えば、そこの請求項10若しくは38、又は実施例1−12若しくはD−1〜D−5に記載されている化合物のうちの1つであってもよい。
【0268】
本発明のUVAの組合せと市販のヒンダードアミンとのブレンド類は、有機材料、特にポリオレフィンの安定剤として特に有用である。例えば、成分(B)の他に、成分(A)の化合物、特に式(A2)の化合物を含む安定剤の組合せと、下記のそれぞれとのブレンド類である:
TINUVIN(登録商標)770 TINUVIN(登録商標)123 TINUVIN(登録商標)765
TINUVIN(登録商標)440 TINUVIN(登録商標)144 CHIMASSORB(登録商標)966
DASTIB(登録商標)845 DIACETAM(登録商標)5 GOODRITE(登録商標)UV
3034
GOODRITE(登録商標)UV 3150 GOODRITE(登録商標)UV 3159 CYASORB(登録商標)
UV 3581
CYASORB(登録商標)UV 3604 HOSTAVIN(登録商標)N 20 HOSTAVIN(登録商標)N 24
MARK(登録商標)LA 52 MARK(登録商標)LA 57 MARK(登録商標)LA 62
MARK(登録商標)LA 67 SUMISORB(登録商標)TM 61 UVINUL(登録商標)4049
UVINUL(登録商標)4050 H SANDUVOR(登録商標)3050 SANDUVOR(登録商標)PR-31
UVASIL(登録商標)299 LM UVASIL(登録商標)2000 LM TINUVIN(登録商標)622
CHIMASSORB(登録商標)944 CHIMASSORB(登録商標)119 CYASORB(登録商標)UV
3346
CYASORB(登録商標)UV 3529 DASTIB(登録商標)1082 FERRO(登録商標)AM 806
LUCHEM(登録商標)HA-B18 HOSTAVIN(登録商標)N 30 MARK(登録商標)LA 63
MARK(登録商標)LA 68 UVINUL(登録商標)5050 H UVASIL(登録商標)299
HM
UVASIL(登録商標)2000 HM UVASORB(登録商標)HA 88 CHIMASSORB(登録商標)
2020
LICHTSCHUTZSTOFF(登録商標)UV 31
【0269】
特に好ましいものは、TINUVIN(登録商標)770、CYASORB(登録商標)UV 3581、HOSTAVIN(登録商標)N 20、MARK(登録商標)LA 57、UVINUL(登録商標)4050 H、SANDUVOR(登録商標)3050、UVASIL(登録商標)299 LM、UVASIL(登録商標)2000 LM、TINUVIN(登録商標)622、CHIMASSORB(登録商標)944、CYASORB(登録商標)UV 3346、HOSTAVIN(登録商標)N 30、UVASIL(登録商標)299 HM、UVASIL(登録商標)2000 HM、UVASORB(登録商標)HA 88及びCHIMASSORB(登録商標)2020との混合物である。
【0270】
更に有用なものは、ヒドロキシ置換アルコキシ基によりN原子が置換されている立体障害アミン、例えば、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−オクタデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバカート、ビス(1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アジパート、ビス(1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)スクシナート、ビス(1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)グルタラート及び2,4−ビス{N−〔1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル〕−N−ブチルアミノ}−6−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−s−トリアジンのような化合物である。好ましくは、
112)下記式:
【0271】
【化96】

【0272】
で示される1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−オクタデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンである。
【0273】
有機材料の安定化
本発明は、また、(b)光、酸素及び/若しくは熱の有害作用に対する安定剤として、又はUVフィルター剤として、上記記載のUV吸収成分(A)と(B)の組合せを含む(a)有機材料に関する。
【0274】
好ましくは、成分(a)の有機材料は、天然、半合成又は合成ポリマー、特に熱可塑性ポリマー、被覆組成物の架橋性結合剤、架橋被覆物、染料若しくはプリントインク、又はカラー写真用材料である。
【0275】
最も好ましくは、熱可塑性ポリマーは、ポリオレフィン、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、スチレンコポリマー、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリラート、ポリエステル、ポリアミド、接着剤、ポリ塩化ビニルのようなハロゲン化ポリマー、自動車用被覆物及び塗装物に有用な熱可塑性ポリオレフィン、又はウレタンベースの自動車用被覆物である。
【0276】
特に興味深い組成物において、本発明の成分(a)は熱可塑性ポリマーから選択され、成分(b)は、化合物(A2)と、化合物類 i−x、xii、xiii、xix−xxiii、xxv−xxvii、xxx−xxxvi及びxl−xlv、特に、i、ii、iii、v、vi、viii、xii、xiii、xix、xx、xxii、xxiii、xxvi、xxx、xxxi、xxxiv、xxxvi、xl、xli、xlii、xliii、xliv、xlvから選択される化合物(B)との組合せである。
【0277】
特に興味深い別の組成物において、本発明の成分(a)は、被覆組成物の架橋性結合剤、架橋被覆物、染料若しくはプリントインク、又はカラー写真用材料から選択され、成分(b)は、化合物(A1)又は(A2)、特に化合物(A1)と、化合物類 i−iv、vi−xi、xiii−xviii、xxiii−xxxix、特にii、iii、iv、vi、vii、viii、xx、xxv、xxxvii、とりわけベンゾトリアゾール系のものから選択される化合物(B)との組合せである。
【0278】
特定の実施態様において、成分(a)は、金属基材の被覆組成物の膜形成結合剤であり、成分(b)の(B)は、化合物類 ii、iii、iv、vi、vii、viii、xx、xxv、xxxviiから選択される。
【0279】
別の特定の実施態様において、成分(a)は、木材基材の被覆組成物の膜形成結合剤であり、成分(b)の(B)は、化合物類 i、viii、xiv、xxから選択される。
【0280】
別の特定の実施態様において、成分(a)は、主鎖にヘテロ原子を有する熱可塑性合成有機ポリマー、特にポリカーボネート、ポリエステル又はポリアミドであり、成分(b)の(B)は、化合物類 iii、v、vi、vii、xii、xix、xxii、xxiii、xxvi、xxvii、xxx、xxxi、xl、xlii、xliii、xlivから選択される。
【0281】
別の特定の実施態様において、成分(a)は、主鎖に炭素原子のみを有する熱可塑性合成有機ポリマー、特にポリオレフィンであり、成分(b)の(B)は、化合物類 i、ii、viii、xii、xiii、xx、xxii、xxiii、xxvi、xxvii、xxx、xxxi、xxxiv、xxxvi、xlvから選択される。
【0282】
別の特定の実施態様において、成分(a)は、複写材料、特にカラー写真用材料又はプリントインクであり、成分(b)の(B)は、化合物類 i、vii、xi、xii、xiii、xiv、xv、xx、xxv、xxxviiから選択される。
【0283】
別の特定の実施態様において、成分(a)は、金属基材の被覆組成物の膜形成結合剤であり、その組成物は、追加の安定剤として、化合物類 13、14a、24,110及び/又は112から選択される立体障害アミンを含有する。
【0284】
別の特定の実施態様において、成分(a)は、木材基材の被覆組成物又は着色剤の膜形成結合剤であり、その組成物は、追加の安定剤として、化合物類 13、14a、24,110,112及び/又は1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンから選択される立体障害アミンを含有する。
【0285】
別の特定の実施態様において、成分(a)は、主鎖に炭素原子のみを有する熱可塑性合成有機ポリマー、特にポリエチレン、ポリプロピレン又はそれらのコポリマーのブレンドであり、その組成物は、その組成物は、追加の安定剤として、化合物類 13、76、81、84−1、92−1、92−2、107、108、109及び/又は112から選択される立体障害アミンを含有する。
【0286】
本発明の成分(b)の化合物は、優れた加水分解安定性、取扱い及び保存安定性、その他に安定化組成物に存在する場合、抽出性に対して良好な耐性を示す。
【0287】
一般的に、安定化されうるポリマーは下記を含む。
1.モノオレフィン類及びジオレフィン類のポリマー、例えば、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブタ−1−エン、ポリ−4−メチルペンタ−1−エン、ポリイソプレン又はポリブタジエン、その他にシクロオレフィン類のポリマー、例えば、シクロペンテン又はノルボルネンのポリマー、ポリエチレン(これは、場合により架橋されうる)、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、分岐鎖状低密度ポリエチレン(BLDPE)。
【0288】
ポリオレフィン類、すなわち前段落に例示されているモノオレフィン類のポリマー、好ましくはポリエチレン及びポリプロピレンは、様々な方法、特に下記の方法により製造することができる。
a)ラジカル重合(通常、高圧及び高温下)。
b)通常、周期表のIVb、Vb、VIb又はVIII族の1個又は1個以上の金属を含有する触媒を使用する接触重合。これらの金属は、通常、1個又は1個以上のリガンド、典型的には、p−若しくはs配位のいずれかであってよい、酸化物類、ハロゲン化物、アルコラート、エステル、エーテル、アミン、アルキル、アルケニル及び/又はアリールを有する。これらの金属錯体は、遊離形態であっても、基材上、典型的には活性された塩化マグネシウム、塩化チタン(III)、アルミナ又は酸化ケイ素に固定されてよい。これらの触媒類は、重合媒体に可溶性又は不溶性であることができる。触媒はそれ自体重合に使用できるか、又は更に活性化剤を使用してもよく、典型的には金属アルキル類、金属水素化物、金属アルキルハロゲン化物、金属アルキル酸化物又は金属アルキルオキサンであり、前記金属は周期表のIa、IIa及び/又はIIIa族の元素である。活性化剤は、更にエステル、エテール、アミン又はシリルエーテル基により適宜変性されてもよい。これらの触媒系は、通常、Phillips、Standard Oil Indiana、Ziegler (-Natta)、TNZ (DuPont)、メタロセン又はシングルサイト触媒(SSC)と称される。
【0289】
2.1)に記載されたポリマーの混合物、例えば、ポリプロピレンとポリイソブチレンの混合物、ポリプロピレンとポリエチレンの混合物(例えば、PP/HDPE、PP/LDPE)及びポリエチレンの異なる種類の混合物(例えば、LDPE/HDPE)。
【0290】
3.モノオレフィン類とジオレフィン類の相互のコポリマー又は他のビニルモノマー類とのコポリマー、例えば、エチレン/プロピレンコポリマー、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)及びそれと低密度ポリエチレン(LDPE)との混合物、プロピレン/ブタ−1−エンコポリマー、プロピレン/イソブチレンコポリマー、エチレン/ブタ−1−エンコポリマー、エチレン/ヘキセンコポリマー、エチレン/メチルペンテンコポリマー、エチレン/ヘプテンコポリマー、エチレン/オクテンコポリマー、プロピレン/ブタジエンコポリマー、イソブチレン/イソプレンコポリマー、エチレン/アクリル酸アルキルコポリマー、エチレン/メタクリル酸アルキルコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー及びそれらの一酸化炭素とのコポリマー、又はエチレン/アクリル酸コポリマー及びそれらの塩(イオノマー)、その外にエチレンとプロピレン及びジエン(例えば、ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン又はエチリデン−ノルボルネン)とのターポリマー、;並びにそのようなコポリマーの相互の混合物及び上記の1)に記載のポリマーとの混合物、例えば、ポリプロピレン/エチレン−プロピレンコポリマー、LDPE/エチレン−酢酸ビニルコポリマー(EVA)、LDPE/エチレン−アクリル酸コポリマー(EAA)、LLDPE/EVA、LLDPE/EAA、及び交互又はランダムポリアルキレン/一酸化炭素コポリマー及びそれらと他のポリマー、例えばポリアミドとの混合物。
【0291】
4.それらの水素化改質物(例えば、粘着付与剤)を含む炭化水素樹脂類(例えば、C5〜C9)及びポリアルキレンとデンプンの混合物。
【0292】
5.ポリスチレン、ポリ(p−メチルスチレン)、ポリ(アルファ−メチルスチレン)。
【0293】
6.スチレン又はアルファ−メチルスチレンとジエン又はアクリル誘導体のコポリマー、例えば、スチレン/ブタジエン、スチレン/アクリロニトリル、スチレン/メタクリル酸アルキル、スチレン/ブタジエン/アクリル酸アルキル、スチレン/ブタジエン/メタクリル酸アルキル、スチレン/無水マレイン酸、スチレン/アクリロニトリル/アクリル酸メチル;耐衝撃性スチレンコポリマーと他のポリマーの混合物、例えば、ポリアクリラート、ジエンポリマー又はエチレン/プロピレン/ジエンターポリマー;及びスチレンのブロックコポリマー、例えば、スチレン/ブタジエン/スチレン、スチレン/イソプレン/スチレン、スチレン/エチレン/ブチレン/スチレン又はスチレン/エチレン/プロピレン/スチレン。
【0294】
7.スチレン又はアルファ−メチルスチレンのグラフトコポリマー、例えば、ポリブタジエン上のスチレン、ポリブタジエン−スチレンコポリマー上のスチレン又はポリブタジエン−アクリロニトリルコポリマー上のスチレン;ポリブタジエン上のスチレン及びアクリロニトリル(又はメタクリロニトリル);ポリブタジエン上のスチレン、アクリロニトリル及びメタクリル酸メチル;ポリブタジエン上のスチレン及び無水マレイン酸;ポリブタジエン上のスチレン、アクリロニトリル及び無水マレイン酸又はマレイミド;ポリブタジエン上のスチレン及びマレイミド;ポリブタジエン上のスチレン及びアクリル酸アルキル又はメタクリル酸アルキル;エチレン/プロピレン/ジエンターポリマー上のスチレン及びアクリロニトリル;ポリアクリル酸アルキル又はポリメタクリル酸アルキル上のスチレン及びアクリロニトリル;アクリラート/ブタジエンコポリマー上のスチレン及びアクリロニトリル、その他にそれらと6)に示されたコポリマーとの混合物、例えば、ABS、MBS、ASA又はAESポリマーとして既知のコポリマー混合物。
【0295】
8.ハロゲン含有ポリマー、例えば、ポリクロロプレン、塩化ゴム、塩素化又はスルホ塩素化ポリエチレン、エチレンと塩素化エチレンのコポリマー、エピクロロヒドリンホモ−及びコポリマー、特にハロゲン含有ビニル化合物のポリマー、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、その他にそれらのコポリマー、例えば、塩化ビニル/塩化ビニリデン、塩化ビニル/酢酸ビニル又は塩化ビニリデン/酢酸ビニルコポリマー。
【0296】
9.アルファ,β−不飽和酸及びそれらの誘導体から誘導されるポリマー、例えば、ポリアクリラート及びポリメタクリタート;アクリル酸ブチルにより耐衝撃性を改良した、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリルアミド及びポリアクリロニトリル。
【0297】
10.9)に記載されたモノマー類の相互のコポリマー又は他の不飽和モノマー類とのコポリマー、例えば、アクリロニトリル/ブタジエンコポリマー、アクリロニトリル/アクリル酸アルキルコポリマー、アクリロニトリル/アクリル酸アルコキシアルキル若しくはアクリロニトリル/ハロゲン化ビニルコポリマー又はアクリロニトリル/メタクリル酸アルキル/ブタジエンターポリマー。
【0298】
11.不飽和アルコール及びアミン、又はそれらのアシル誘導体若しくはアセタールから誘導されるポリマー、例えば、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリステアリン酸ビニル、ポリ安息香酸ビニル、ポリマレイン酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリアリルフタラート又はポリアリルメラミン;その他に上記1)に記載のオレフィン類とのそれらのコポリマー。
【0299】
12.環状エーテルのホモポリマー及びコポリマー、例えば、ポリアルキレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド又はビス−グリシジルエーテルとのコポリマー。
【0300】
13.ポリアセタール類、例えば、ポリオキシメチレン及びコーモノマーとしてエチレンオキシドを含有するポリオキシメチレン;熱可塑性ポリウレタン、アクリラート又はMBSで改質されているポリアセタール。
【0301】
14.ポリフェニレンオキシド及びスルフィド、並びにポリフェニレンオキシドとスチレンポリマー又はポリアミドとの混合物。
【0302】
15.一方がヒドロキシルを末端基とする、ポリエーテル、ポリエステル又はポリブタジエン、そして他方が脂肪族若しくは芳香族ポリイソシアナートから誘導されるポリウレタン類、その他にそれらの前駆体。
【0303】
16.ジアミンとジカルボン酸から、及び/又はアミノカルボン酸若しくは対応するラクタムから誘導されるポリアミド類及びコポリアミド類、例えば、ポリアミド4、ポリアミド6、ポリアミド6/6、6/10、6/9、6/12、4/6、12/12、ポリアミド11、ポリアミド12、m−キシレンジアミンとアジピン酸から出発する芳香族ポリアミド;改質剤としてエラストマーを用いるか、又は用いずにヘキサメチレンジアミンとイソフタル酸及び/又はテレフタル酸から製造されるポリアミド類、例えば、ポリ−2,4,4−トリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド若しくはポリ−m−フェニレンイソフタルアミド;また、前記のポリアミド類と、ポリオレフィン類、オレフィンコポリマー、イオノマー又は化学的に結合しているか、若しくはグラフトしているエラストマーとのブロックコポリマー;又はポリエーテル類、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール若しくはポリテトラメチレングリコールとのブロックコポリマー;その他にEPDM又はABSで改質されているポリアミド類若しくはコポリアミド類;そして加工中に縮合されるポリアミド類(RIMポリアミド系)。
【0304】
17.ポリ尿素類、ポリイミド類、ポリアミド−イミド類及びポリベンズイミダゾール類。
【0305】
18.ジカルボン酸とジオールから及び/又はヒドロキシカルボン酸若しくは対応するラクトンから誘導されるポリエステル類、例えば、ポリエチレンテレフタラート、ポリブチレンテレフタラート、ポリ−1,4−ジメチルロールシクロヘキサンテレフタラート及びポリヒドロキシベンゾアート、その他にヒドロキシルを末端基とするポリエーテルから誘導されるブロックコポリエーテルエステル類;及びポリカルボナート又はMBSで改質されているポリエステル類。
【0306】
19.ポリカルボナート類及びポリエステルカルボナート類。
【0307】
20.ポリスルホン類、ポリエーテルスルホン類及びポリエーテルケトン類。
【0308】
21.一方にアルデヒド、そして他方にフェノール、尿素及びメラミンから誘導される架橋ポリマー類、例えば、フェノール/ホルムアルデヒド樹脂、尿素/ホルムアルデヒド樹脂及びメラミン/ホルムアルデヒド樹脂。
【0309】
22.乾燥及び非乾燥アルキド樹脂類。
【0310】
23.飽和及び不飽和ジカルボン酸と多価アルコールのコポリマー及び架橋剤としてのビニル化合物から誘導される不飽和ポリエステル樹脂類、および低易燃性のそれらのハロゲン含有改質物類。
【0311】
24.置換されているアクリラート類から誘導される架橋性アクリル樹脂類、例えば、エポキシアクリラート、ウレタンアクリラート又はポリエステルアクリラート。
【0312】
25.メラミン樹脂類、尿素樹脂、ポリイソシアナート又はエポキシ樹脂で架橋されているアルキド樹脂類、ポリエステル樹脂及びアクリラート樹脂。
【0313】
26.ポリエポキシド類、例えば、ビスグリシジルエーテルから、又は脂環式ジエポキシドから誘導される架橋エポキシ樹脂類。
【0314】
27.天然ポリマー類、例えば、セルロース、ゴム、ゼラチン及びそれらの化学的に改質された同様の誘導体、例えば、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース及び酪酸セルロース又はメチルセルロースのようなセルロースエーテル;その他にロジン及びそれらの誘導体。
【0315】
28.前記ポリマーのブレンド類(ポリマーブレンド類)、例えば、PP/EPDM、ポリアミド/EPDM若しくはABS、PVC/EVA、PVC/ABS、PVC/MBS、PC/ABS、PBTP/ABS、PC/ASA、PC/PBT、PVC/CPE、PVC/アクリラート、POM/熱可塑性PUR、PC/熱可塑性PUR、POM/アクリラート、POM/MBS、PPO/HIPS、PPO/PA6.6及びコポリマー、PA/HDPE、PA/PP、PA/PPO。
【0316】
29.純粋なモノマー化合物又はそのような化合物の混合物である、天然由来及び合成有機物質類、例えば、鉱油、動物性及び植物性油脂、油及びロウ、又は合成エステル(例えば、フタラート、アジパート、ホスファート又はトリメリタート)に基づく油、油脂及びロウ、また、合成エステルと鉱油のあらゆる重量比の混合物、紡績用組成物として、その他にそのような物質の水性エマルションとして典型的に使用されるもの。
【0317】
30.天然又は合成ゴムの水性エマルション類、例えば、カルボキシル化スチレン/ブタジエンコポリマーの天然ラテックス。
【0318】
31.ポリシロキサン類類、例えば、米国特許(US)第4,259,467号に記載の軟質親水性ポリシロキサン;及び例えば、米国特許(US)第4,355,147号に記載の硬質ポリオルガノシロキサン類。
【0319】
32.不飽和アクリルポリアセトアセタート樹脂と、又は不飽和アクリル樹脂と組み合わせたポリケチミン類。不飽和アクリル樹脂は、ウレタンアクリラート、ポリエーテルアクリラート、付属の不飽和基を有する、ビニル又はアクリルコポリマー及びアクリル化メラミンを含む。ポリケチミン類は、酸触媒の存在下、ポリアミン及びケトンから製造される。
【0320】
33.エチレン性不飽和モノマー又はオリゴマーと多不飽和の脂肪族オリゴマーを含む放射線硬化性組成物類。
【0321】
34.エポキシメラミン樹脂類、例えば、エポキシ官能共エーテル化(coetherified)ハイソリッドメラミン樹脂(例えばLSE−4103(Monsanto))により架橋されている光に安定なエポキシ樹脂。
【0322】
成分(b)の安定剤類及び任意の更なる安定剤類は、成分(a)の安定化される材料、例えば、ポリオレフィンに、個別に加えられるか、又はそれと互いに混合されてもよい。所望であれば、安定剤混合物の個別の成分は、安定化される材料に混和される前に、溶融体で互いに混合され得る(溶融混合)。
【0323】
本発明の添加剤(本発明の成分(b))及び任意の更なる成分は、ポリマー材料に個別に加えられるか、又はそれと互いに混合されてもよい。所望であれば、個別の成分は、ポリマーに混和される前に、例えば、乾燥混合、圧縮又は溶融により混合することができる。
【0324】
本発明の添加剤及び任意の更なる成分をポリマーに混和することは、粉末の形態での乾燥混合、又は、例えば、不活性溶媒、水若しくは油中の溶液、分散体若しくは懸濁液の形態での湿式混合のような、既知の方法により実施される。本発明の添加剤及び任意の更なる成分は、例えば、成形の前又は後に混和され得るか、或いは、溶解若しくは分散した添加剤又は添加剤混合物をポリマー材料に塗布し、続いて溶媒若しくは懸濁/分散剤を蒸発させるか、又はさせないで混和され得る。それらは、例えば、乾燥混合物若しくは粉末として、或いは溶液、又は分散体、又は懸濁液、又は溶融体として、加工装置(例えば、押出機、密閉式混合機等)に直接加えられ得る。
【0325】
混和は、撹拌機を備えた任意の加熱式容器内、例えば、混練機、混合機又は撹拌容器のような密閉式装置内で実施することができる。混和は、好ましくは、押出機内又は混練機内で実施される。加工が不活性雰囲気下で実施されるか、又は酸素の存在下で実施されるかは、重要ではない。
【0326】
添加剤又は添加剤ブレンドのポリマーへの添加は、ポリマーが溶融され、添加剤と混合される、全ての慣用の混合機内で実施することができる。
【0327】
適切な機械は当業者に既知である。これらは、主に混合機、混練機及び押出機である。
【0328】
加工は、好ましくは、加工の間に添加剤を導入して、押出機内で実施される。
【0329】
特に好ましい加工機械は、一軸スクリュー押出機、反転・共回転二軸スクリュー押出機、遊星歯車押出機、環状押出機又は共混練機である。真空をかけることができるガス除去区画を少なくとも1個備えた加工機械を、使用することも可能である。
【0330】
適切な押出機及び混練機は、例えば、Handbuch der Kunststoffextrusion, Vol. 1 Grundlagen, Editors F. Hensen, W. Knappe, H. Potente, 1989, pp. 3-7, ISBN: 3-446-14339-4 (Vol. 2 Extrusionsanlagen 1986, ISBN 3-446-14329-7)に記載されている。
【0331】
例えば、スクリューの長さは、1〜60スクリュー直径、好ましくは、35〜48スクリュー直径である。スクリューの回転速度は、好ましくは、毎分10〜600回転(rpm)、極めて特別に好ましくは、25〜300rpmである。
【0332】
最大処理量は、スクリュー直径、回転速度及び駆動力により左右される。本発明の方法は、記載のパラメータを変化させるか、供出量の計量機を使用して、最大処理量より低いレベルで実施することもできる。
【0333】
複数の成分を加える場合、これらを予備混合するか、又は個別に加えることができる。
【0334】
本発明の添加剤及び任意の更なる添加剤を、ポリマー材料に噴霧することもできる。これらは、他の添加剤(例えば、上記の慣用添加剤)又はその溶融体を希釈することができ、それにより、それらの添加剤と一緒に材料に噴霧することができる。重合触媒の不活性化の間に噴霧により添加することは特に有利であり、この場合、放出される蒸気は触媒の不活性化のために使用され得る。球状に重合されたポリオレフィンの場合、例えば、本発明の添加剤を、場合により他の添加剤と一緒に、噴霧により塗布することが有利であり得る。
【0335】
本発明の添加剤及び任意の更なる添加剤は、例えば、約1重量%〜約40重量%、好ましくは2重量%〜約20重量%の濃度でポリマー混和されている成分を含むマスターバッチ(「濃縮物」)の形態で、ポリマーに加えられ得る。このポリマーは、最終的に添加剤が加えられるポリマーと同一の構造である必要は全くない。そのような操作では、ポリマーは、粉末、顆粒、溶液、懸濁液の形態、又はラテックスの形態で使用することができる。
【0336】
混和は、造形操作の前若しくはその間に行うことができるか、又は溶解若しくは分散した化合物をポリマーに塗布し、続いて溶媒を蒸発させるか若しくはさせないで実施することができる。エラストマーの場合、これらは、また、ラテックスとして安定化することができる。本発明の添加剤をポリマーに混和する更なる可能性は、対応するモノマーの重合の前、間若しくは直後、又は架橋の前に加えることである。この関係において、本発明の添加剤は、そのまま加えることができるか、又は封入形態(例えば、ロウ、油又はポリマー中)で加えることもできる。
【0337】
ここに記載されている本発明の添加剤を含有する材料は、成形品、回転成形品、射出成形品、吹込成形品、フィルム、テープ、単繊維物、繊維、不織布、断面材、接着剤又はパテ、表面被覆物等の製造に使用することができる。
【0338】
本発明のUV吸収剤の組合せと任意の更なる添加剤を含む組成物は、下記を含む多くの用途に有用である。
熱可塑性オレフィン類 熱可塑性塗料用オレフィン類
ポリプロピレン成形品類 ポリプロピレン繊維
ポリエチレンフィルム 温室用ポリエチレンフィルム
農業用ポリエチレンマルチフィルム 臭素化難燃剤を有するポリプロピレン繊維
臭素化難燃剤を有する 臭素化難燃剤を有する熱可塑性成形オレフィ
成形ポリプロピレン ン
臭素化難燃剤を有する 他の共安定剤を有する熱可塑性エラストマー
ポリエチレンフィルム
グリース充填ワイヤ及び ガンマ照射ポリオレフィン
ケーブル絶縁体
プラスチック基材用被覆物 ポリカーボネートブレンド、
例えば、PC/ABS、PC/PA
化学薬品含む ポロエチレンガス管
ポリオレフィンタンク又は容器
農業用ポリプロピレン不織布、 防曇剤を有するポリオレフィンフィルム
例えば、シェードクロス
帯電防止剤を有する ヒドロタルサイトのような
ポリオレフィンフィルム IR熱充填剤を有するポリエチレンフィルム
、例えばDHT4A
ポリプロピレンテープ又は ポリプロピレン不織布
スリットフィルム
ポリエチレン不織布 耐炎性ポリプロピレン成形品
耐炎性ポリプロピレン繊維 耐炎性熱可塑性成形オレフィン
耐炎性ポリエチレンフィルム 2成分ポリエステルウレタン被覆物
自動車用被覆物
2成分アクリルウレタン被覆物 木材用水性ワニス
自動車用着色OEM被覆物 ハイソリッド酸触媒熱硬化性
アクリル樹脂エナメル
ホワイトポリエステル/メラミン キリ油フェノール性ワニス
ベース 無油アルキドコイル被覆物
芳香族ウレタンワニス アクリルアルキド再仕上げエナメル
中油アルキドエナメル 電着組成物
摩耗抵抗被覆組成物 ポリカーボネート用被覆物
発色写真層 メタクリル酸グリシジルべースの
粉末クリアコート
木材用油改質ウレタンアルキド プラスチック基材積層用予備成形フィルム
場合により酸捕捉剤及び/又は
ベンゾフラノンを含み、
塩素処理水と接触するポリオレフィン
成形品、例えば、ポリエチレン又は
ポリプロピレン圧力管
【0339】
ここに記載されている安定剤混合物を含有する材料は、成形品、回転成形品、射出成形品、吹込成形品、フィルム、テープ、単繊維物、繊維、表面被覆物等の製造に使用することができる。
【0340】
同様に特に興味深いのは、被覆物、例えば塗料の安定剤として、本発明の化合物の使用である。したがって、本発明は、また、成分(a)が被覆物の膜形成結合剤であり、成分(b)が本発明の安定剤である組成物に関する。
【0341】
新規安定剤の被覆物における使用は、離層、即ち、基材からの被覆のフレーキングを防止する更なる利点が伴う。この利点は、金属基材上の多層系を含む金属基材の場合に特に重要である。被覆される基材は、木材、セラミック材料、金属、プラスチック又は有機材料で被覆若しくは着色された物品を含む。
【0342】
結合剤(成分(a))は、原則的には、この産業で慣用のあらゆる結合剤、例えば、Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, 5th Edition, Vol. A18, pp. 368-426, VCH, Weinheim 1991に記載されているものであることができる。一般的に、それは、熱可塑性又は熱硬化性樹脂、主に、熱硬化性樹脂に基づく膜形成結合剤である。その例は、アルキド、アクリル、ポリエステル、フェノール、メラミン、エポキシ及びポリウレタン樹脂類、並びにそれらの混合物である。
【0343】
成分(a)は常温硬化性又は熱硬化性結合剤であることでき、硬化触媒を加えることが有利でありえる。結合剤の硬化を促進する適切な触媒は、例えば、Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, Vol. A18, page 469, VCH Verlagsgesellschaft, Weinheim 1991に記載されている。
【0344】
好ましくは、成分(a)が官能アクリラート樹脂及び架橋剤を含む結合剤である被覆組成物である。
【0345】
特定の結合剤を含有する被覆組成物の例は下記である:
1.冷又は熱架橋性アルキド、アクリラート、ポリエステル、エポキシ若しくはメラミン樹脂又はそのような樹脂の混合物に基づき、所望であれば硬化触媒を加えた塗料類;
2.ヒドロキシル含有アクリラート、ポリエステル又はポリエーテル樹脂と、脂肪族又は芳香族イソシアナート、イソシアヌラート若しくはポリイソシアナートに基づく2成分ポリウレタン塗料類;
3.チオール含有アクリラート、ポリエステル又はポリエーテル樹脂と、脂肪族又は芳香族イソシアナート、イソシアヌラート若しくはポリイソシアナートに基づく2成分ポリウレタン塗料類;
4.焼き付けの間に脱ブロックする、ブロックトイソシアナート、イソシアヌラート又はポリイソシアナートに基づき、所望であればメラミン樹脂を加えた、1成分ポリウレタン塗料類;
5.脂肪族又は芳香族ウレタン若しくはポリウレタンと、ヒドロキシル含有アクリラート、ポリエステル又はポリエーテル樹脂に基づく1成分ポリウレタン塗料類;
6.ウレタン構造内に遊離アミン基を有する、脂肪族若しくは芳香族ウレタンアクリラート又はポリウレタンアクリラート並びにメラミン樹脂又はポリエーテル樹脂に基づき、所望であれば硬化触媒を有する1成分ポリウレタン塗料類;
7.(ポリ)ケチミンと、脂肪族又は芳香族イソシアナート、イソシアヌラート若しくはポリイソシアナートに基づく2成分塗料類;
8.(ポリ)ケチミンと、不飽和アクリラート樹脂又はポリアセトアセタート樹脂又はメタクリルアミドグリコラートメチルエステルに基づく2成分塗料類;
9.カルボキシル−又はアミノ含有ポリアクリラート及びポリエポキシドに基づく2成分塗料類;
10.無水物基を含むアクリラート樹脂と、ポリヒドロキシ又はポリアミノ成分に基づく2成分塗料類;
11.アクリラート含有無水物及びポリエポキシドに基づく2成分塗料類;
12.(ポリ)オキサゾリンと、無水物基を含むアクリラート樹脂、又は不飽和アクリラート樹脂、或いは脂肪族又は芳香族イソシアナート、イソシアヌラート若しくはポリイソシアナートに基づく2成分塗料類;
13.不飽和ポリアクリラートとポリマロナートに基づく2成分塗料類;
14.熱可塑性アクリラート樹脂又は外面的に架橋されているアクリラート樹脂とエーテル化メラミン樹脂の組み合わせに基づく熱可塑性ポリアクリラート塗料類;
15.シロキサン改質又はフッ素改質アクリラート樹脂に基づく塗料系;
16.架橋剤(酸触媒)として、メラミン樹脂(例えば、ヘキサメトキシメチルメラミン)を有するマロナートブロックトイソシアナートに基づく塗料系、特にクリアコート用;
17.オリゴマーウレタンアクリラート及び/又はアシラートアクリラートに基づき、所望により他のオリゴマー又はモノマーと組み合わせるUV硬化性系;
18.最初に熱、続いてUV若しくは電子線照射によるか、又はその逆により硬化される、その成分が、光開始剤の存在下でのUV光線による照射か、又は電子ビームによる照射で反応を起こすことができるエチレン性二重結合を含む二重硬化系。
【0346】
シロキサンに基づく被覆系も可能であり、例えば、WO98/56852、WO98/56853、DE−A−2914427又はDE−A−4338361で記載されている系である。
【0347】
成分(a)及び(b)に加えて、本発明の被覆組成物は、好ましくは、成分(C)として、例えば、上記のリストで記載されたような立体障害アミン類の光安定剤を含む。有利に添加される2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン類の光安定剤の更なる例は、例えば、刊行物、US−A−4619956、EP−A−434608、US−A−5198498、US−A−5322868、US−A−5369140、US−A−5298067、WO−94/18278、EP−A−704437、GB−A−2297091、WO−96/28431に見出すことができる。
【0348】
最大限の光安定性を達成するために、上記リストで示されたような立体障害アミンを加えることが特に興味深い。したがって、本発明は、また、成分(a)及び(b)に加えて、成分(C)として、立体障害アミン型の光安定剤を含む被覆組成物に関する。
【0349】
この安定剤は、好ましくは、下記式:
【0350】
【化97】

【0351】
(式中、Gは、水素又はメチル、特に水素である)で示される基の少なくとも1個の基を含有する2,2,6,6−テトラアルキルピペリジン誘導体又は3,3,5,5−テトラアルキルモルホリン−2−オン誘導体である。
【0352】
成分(C)は、好ましくは、固体結合剤の100重量部当たり0.05〜5重量部の量で使用される。
【0353】
成分(C)として使用することができるテトラアルキルピペリジン誘導体の例は、EP−A−356,677,第3頁から第17頁、セクションa)〜f)に与えられる。このEP−Aのこれらのセクションは、本記載の一部分として考慮される。下記のテトラアルキルピペリジン誘導体類を使用することが特に有利である:
ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペジン−4−イル)スクシナート、
ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバカート、
ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)セバカート、
ジ(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)ブチル−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロナート、
ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバカート、
テトラ(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)ブタン−1,2,3,4−テトラカルボキシラート、
テトラ(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)ブタン−1,2,3,4−テトラカルボキシラート、
2,2,4,4−テトラメチル−7−オキサ−3,20−ジアザ−21−オキソ−ジスピロ〔5.1.11.2〕ヘンエイコサン、
8−アセチル−3−ドデシル−1,3,8−トリアザ−7,7,9.9−テトラメチルスピロ〔4.5〕デカン−2,4−ジオン、
1,1−ビス−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イルーオキシカルボニル)−2−(4−メトキシフェニル)エテン、又は
下記式:
【0354】
【化98】

【0355】
(式中、Rは、下記:
【0356】
【化99】

【0357】
である);
【0358】
【化100】

【0359】
(式中、Rは、下記:
【0360】
【化101】

【0361】
である);
【0362】
【化102】



【0363】
(式中、mは5〜50である)で示される化合物。
【0364】
成分(a)、(b)及び、使用する場合は、(C)のほかに、被覆組成物は更なる成分含むこともでき、例は、溶媒、顔料、染料、可塑剤、安定剤、レオロジー若しくはチキソトロープ剤、乾燥触媒及び/又は均展剤である。可能な成分の例は、Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, 5th Edition, Vol. A18, pp. 429-471, VCH, Weinheim 1991に記載されている。
【0365】
可能な乾燥触媒又は硬化触媒は、例えば、遊離(有機)酸若しくは塩基、又は熱処理若しくは照射により脱ブロックされうる、ブロックされた、(有機)酸又は塩基、有機金属化合物、アミン、アミノ含有樹脂及び/又はホスフィンである。有機金属化合物の例は、金属カルボン酸塩、特に金属Pb、Mn、Co、Zn、Zr若しくはCuのもの、又は金属キレート、特に、金属Al、Ti、Zr若しくはHfのもの、又は有機スズ化合物のような有機金属化合物である。
【0366】
金属カルボン酸塩の例は、Pb、Mn若しくはZnのステアリン酸塩、Co、Zn若しくはCuのオクタン酸塩、Mn及びCoのナフテン酸塩又は対応するリノレネート、レジネート若しくはタレートである。
【0367】
金属キレートの例は、アセチルアセトン、エチルアセチルアセタート、サリチルアルデヒド、サリチルアルドキシム、o−ヒドロキシアセトフェノン又はエチルトリフルオロアセチルアセタートの、アルミニウム、チタン又はジルコニウムキレート及びこれらの金属のアルコキシドである。
【0368】
有機スズ化合物の例は、酸化ジブチルスズ、ジブチルスズジラウラート又はジブチルスズジオクトアートである。
【0369】
アミンの例は、特に第三級アミンであり、例えば、トリブチルアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−ジメチルエタノールアミン、N−エチルモルホリン、N−メチルモルホリン又はジアザビシクロオクタン(トリエチレンジアミン)、ジアザビシクロウンデセン、DBN(=1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノン−5−エン)及びそれらの塩である。更なる例は、第四級アンモニウム塩、例えば、トリメチルベンジルアンモニウムクロリドである。
【0370】
アミノ含有樹脂は、結合剤と同時に硬化触媒である。その例は、アミノ含有アクリラートコポリマーである。
【0371】
使用される硬化触媒は、ホスフィン、例えばトリフェニルホスフィンであることもできる。
【0372】
新規被覆組成物は、また、放射線硬化性被覆組成物であることができる。この場合、結合剤は、エチレン性不飽和結合(プレポリマー)を含有するモノマー又はオリゴマー化合物を実質的に含み、塗布後、化学線照射により硬化される、すなわち架橋された高分子量形態に変換される。系がUV硬化される場合、一般的に少なくとも1つの光開始剤も含有する。対応する系は、上記の出版物、Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, 5th Editon, Vol.A18, pages 451-453 に記載されている。放射線硬化性被覆組成物において、新規安定剤は、立体障害アミンを添加しないで使用することもできる。
【0373】
本発明の被覆組成物を、あらゆる所望の基材、例えば、金属、木材、プラスチック又はセラミック材料に塗布することができる。好ましくは自動車の仕上用のトップコート(仕上げ塗)として使用される。トップコートが、下層が着色され、上層が無着色である2層を含む場合、新規被覆組成物は、上層又は下層又は両方の層のいずれかに使用されうるが、好ましくは上層に使用される。
【0374】
新規被覆組成物を、慣用の方法、例えば、はけ塗り、噴霧、流れ塗、浸漬又は電気泳動により基材に塗布できる(Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, 5th Edition., Vol. A18, pp. 491-500も参照すること)。
【0375】
結合剤系に応じて、被覆物は室温又は加熱により硬化され得る。被覆物は、好ましくは50〜150℃で硬化され、粉末被覆物又はコイル被覆物の場合は更に高温で硬化される。
【0376】
本発明により得られる被覆物は、光、酸素及び熱の有害な作用に対して優れた耐性を有し、そのようにして得られた被覆物、例えば塗料の良好な光安定性及び耐候性が特に言及されるべきである。
【0377】
被覆組成物は、結合剤が溶ける、有機溶媒又は溶媒混合物を含むことができる。そうでなければ被覆組成物は水溶液又は分散体であることができる。ビヒクルは、有機溶媒と水の混合物であることもできる。被覆組成物は、ハイソリッド塗料であってよいか、又は無溶媒(例えば、粉末被覆材料)であることができる。粉末被覆は、例えば、Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, 5th Ed., A18, pages 438-444に記載のものである。粉末被覆材料は、また、粉末スラリー(好ましくは水中の粉末分散体)の形態を有することもできる。
【0378】
顔料は、無機、有機又は金属顔料であることができる。新規被覆組成物は、好ましくは顔料を含まず、クリアコートとして使用される。
【0379】
同様に好ましいものは、自動車産業用の仕上塗として、特に仕上塗料の着色又は無着色仕上塗としての被覆組成物の使用である。しかし下塗被覆としての使用も可能である。
【0380】
本発明の安定剤を着色被覆物に加えることは、特に液晶用顔料の場合に、UV照射の有害な作用から顔料を保護することにもなりうる。
【0381】
薄いUV吸収層の製造には、プラズマ蒸着を使用して、本発明の安定剤が基材に塗布され得る。真空下でプラズマを得る方法は、電気エネルギーの誘導結合又は容量結合を用いるものが、文献で広く記載されている。直流(DC)又は交流(AC)は、低kHzからMHzまでの範囲の周波数、さらにはマイクロ波(GHz)の範囲の周波数で使用され得る。
【0382】
好ましい基材は、金属、半導体、ガラス、石英、又は熱可塑性、架橋若しくは構造架橋プラスチックから選択される。
【0383】
好ましい半導体は、例えばウェーハーの形態のシリコンである。
【0384】
金属は、好ましくは、望遠鏡のミラー又はビーム反射鏡のような高精度の反射鏡の製造に使用される、アルミニウム、クロム、スチール、バナジウムである。特に好ましくはアルミニウムである。
【0385】
主なプラズマガスは、例えば、He、Ar、Xe、N2、O2又は空気であることができ、好ましくは、He、アルゴン又はキセノンのような不活性ガスである。気化したとき、安定剤はプラズマガスと混合し、同様にイオン化される。
【0386】
一般に蒸着工程は、添加されるガス又はエネルギー結合の種類に関して感受性がない。
【0387】
相対的に低い圧力が重要である。好ましくは、圧力範囲は、10-6mbr〜10-2mbr、特に10-3mbr〜10-4mbrの範囲である。
【0388】
材料をプラズマ電極に蒸着させ、直ぐに気化させてもよい。好ましくは、気化される材料は、プラズマ放電の範囲の外側にあって別個に加熱されうる、プレートの上、又はるつぼの中に置かれる。るつぼ又はプレートは、プラズマに対して陽電位か、又は陰電位でありうる。
【0389】
プラズマ発生及び蒸着の幾つかの実施態様が、例えば、A. T. Bell, “Fundamentals of Plasma Chemistry” in “Technology and Application of Plasma Chemistry”, ed. by J. R. Holahan and A. T. Bell, Wiley, New York (1974);又は H. Suhr, Plasma Chem. Plasma Process 3(1), 1, (1983)で記載されている。
【0390】
安定剤を気化する温度は、好ましくは20℃〜350℃、特に100℃〜250℃である。
【0391】
この工程は薄層の蒸着に特に適している。好ましくは、プラズマ蒸着により得られる層の厚さは、10nm〜1000nm、より好ましくは50nm〜500nm、特に好ましくは100nm〜300nmである。
【0392】
本発明のUV吸収剤の組合せは、フィルム、紙、紙被覆物又はプリントインクのような複写材料又は記録材料に使用してもよい。複写紙又はプリント基材の用途は、例えば、EP−A−1308308(特にセクション〔0010〕、〔0017〕及びそこの実施例)、又はUS−5073448(特に第6欄53行目から第10欄54行目、若しくは実施例、式IのUVAの代わりに本発明のUV吸収剤の組合せを使用を参照すること)に記載されている。
【0393】
写真材料及び他の記録材料の用途、その外にここで本発明のUV吸収剤の組合せと一緒に使用される更なる成分は、例えば、GB−A−2343007、第22頁の最終段落から第134頁の最終段落に記載されている。新規UV吸収剤の組合せは、有利には光学記録層及び材料に使用することができ、そこでは、レーザービームが、例えばブルーレーザーダイオードにより短い波長(例えば、波長405nm)を照射して光学的性質を変化させ、記憶層又は記憶媒体から回復されうるデジタル情報を蓄積することができる。そのような使用及び材料の例は、とりわけJP−A−2001−277720、JP−A−2002−160452に見出すことができる。
【0394】
新規UV吸収剤の組合せは、その基材(例えば、熱可塑性ポリマー又は被覆物)、その外に顔料又は染料のような他の感光性成分を保護するために使用してもよい。
【0395】
本発明のUV吸収剤の組合せは、また、有利には、UV照射に対して保護するために、液晶ディスプレーにおける保護被覆、フィルム及びホイルに使用することができ、UV光による損傷に対して、液晶ディスプレーにおけるポリマー材料及び他の部品を保護することに使用することができる。そのような用途及び材料の分野の例は、とりわけ下記で見出される:
JP−A−10−152568(9.6.1998);JP−A−2000−227509(8.2.1999);JP−A−2000−227508(2.8.1999);JP−A−11−258425(30.11.1998);JP−A−11−258421(13.3.1998);JP−A−11−242119(30.11.1998);JP−A−11−119003(13.10.1997);JP−A−09−288213(19.4.1996);JP−A−09−288212(19.4.1996);JP−A−08−216316(14.2.1995);JP−A−08−216324(14.2.1995);及びChem.Abstr.131:45869。
この種の用途に好ましい種類のポリマーフィルムは、シクロオレフィン類(例えば、シクロペンテン又はノルボルネン)に基づいており、上記の安定化されうるポリマーのリストの第1項、3行目に更に示されている。
【0396】
本発明のUV吸収剤の組合せは、更に、UV照射に対してヒト(又は動物)の皮膚又は毛髪を保護するための化粧品処方物に効果的である
【0397】
適用量及び比率
本発明の成分(b)の安定剤及び任意の更なる安定剤は、好ましくは、安定化される材料に対して0.01〜10重量%の量で、安定化される材料に存在する。0.01〜5重量%又は0.05〜2重量%、特に0.05〜0.5重量%の量が特に好ましい。
【0398】
成分(b)安定剤と任意の更なる添加剤は、例えば約2.5重量%から約25重量%の濃度でこれらの成分を含有するマスターバッチの形態で、安定化される材料に加えられ得、このような操作において、ポリマーは、粉末、顆粒、溶液、懸濁液の形態、又はラテックスの形態で使用することができる。
【0399】
新規被覆組成物は、好ましくは、固体結合剤(a)の100重量部当たり、(b)を0.01〜10重量部、特に(b)を0.05〜10重量部、特別には(b)を0.1〜5重量部含む。
【0400】
一般的に、本発明のUV吸収剤の組合せは、有利に、多層系において使用され得、外側層の新規安定剤(成分(b))の濃度は相対的に高くすることができ、例えば、ポリマー基材(a)の100重量部当たり、(b)を1〜15重量部、特に(b)を3〜10重量部にすることができる。
【0401】
同様に、本発明のUV吸収剤の組合せを、共押出品、例えば共押出ポリカーボネートシート、ポリエステルパッケージフィルム、ポリエチレンカバーフィルムの上層又は複数の上層のうちの1つに、或いは被覆物の上層に使用して、UVフィルター層を得ることができる。特定の用途に応じて、これらの層に混和される本発明のUV吸収剤の組合せの量は、相対的に高い装填量(例えば、ポリカーボネート100部当たり3〜15部、層厚約10〜100μm)から相対的に低い装填量(例えば、ポリオレフィン、特に農業用フィルムのポリエチレン100部当たり0.1〜0.8部)まで変化することができる。
【0402】
本発明のUV吸収剤の組合せは、好ましくは、成分(A):(B)を1:20〜10:1、より好ましくは1:10〜2:1、特に1:9〜1:1の重量比で含有する。
【0403】
立体障害アミン(HALS)が存在する場合、これらは、好ましくは、HALS:UVAの比率が1:10〜20:1、特に1:3〜10:1の範囲で使用される。
【0404】
ここに開示された安定化組成物は下記の実施例により更に説明される。示される百分率は、特記のない限り重量による。
【0405】
実施例1:熱可塑性オレフィンの安定化
成形試験片は、顔料、ホスファイト、フェノール酸化防止剤若しくはヒドロキシルアミン、ステアリン酸金属塩、紫外線吸収剤若しくはヒンダードアミン安定剤、又はUV吸収剤とヒンダードアミン安定剤の混合物を含有する熱可塑性オレフィン(TPO)ペレットを射出成形することにより製造する。
【0406】
着色TPOペレットは、純粋な顔料又は顔料濃縮物、共添加剤及び市販のTPOから、これら成分を、汎用スクリュー(24:1 L/D)を備えたSuperior/MPM 1″一軸スクリュー押出機中で、400°F(200℃)で混合し、水浴で冷却し、ペレット化することにより製造する。得られるペレットを、BOY 30M射出成形機(Injection Molding Machine)により約375°F(190℃)で、60ミル(0.006インチ)の2″×2″プラークに成形する。
【0407】
ゴム改質剤と混合したポリプロピレンから構成される着色TPO処方物(ここで、ゴム改質剤は、エチリデンノルボルネンのような三成分を有するか、又は有さない、プロピレンとエチレンのコポリマーを含有する、その場で反応させたコポリマー又はブレンド生成物である)を、有機リン化合物を有するか、又は有さない、N,N−ジアルキルヒドロキシアミン又はヒンダードフェノール酸化防止剤のみからなる塩基性安定化系により安定化する。
【0408】
最終処方物における全ての添加剤及び顔料の濃度を、樹脂に対する重量%で表す。
【0409】
処方物は、熱可塑性オレフィンペレット及び1つ以上の下記の成分を含有する:
顔料0.0〜2.0%
タルク0.0〜50.0%、
ホスファイト0.0〜0.1%、
フェノール酸化防止剤0.0〜1.25%、
ヒドロキシルアミン0.0〜0.1%、
ステアリン酸カルシウム0.05〜0.10%、
UV吸収剤0.1〜1.25%、特に0.1〜0.3%、
ヒンダードアミン安定剤0.0〜1.25%。
【0410】
成分を押出及び成形の前に回転式乾燥機で乾燥混合した。
【0411】
試験プラークを金属枠に取り付け、ブラックパネル温度70℃、340ナノメータで0.55W/m2、相対湿度50%、断続的明暗サイクル及び水噴霧により、Atlas Ci65 Xenon Arc Weather-Ometerで曝露した(Society of Automotive Engineers - SAE J 1960 Test Procedure)。サンプルを、ASTM D 2244−79による反射率モードに従い、約625キロジュール間隔で、Applied Color Systems 分光光度計で色測定を実施して試験した。収集したデータには、デルタE、L*、a*及びb*値が含まれる。光沢測定を、ASTM D 523に従い、60°でBYK-Gardner 曇り/光沢計により実施する。
【0412】
UV曝露試験
UV放射線に曝露された試験片は、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−アミルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール(TINUVIN(登録商標)328, Ciba)及び化合物(A2)の組合せと、場合によりN,N′,N″,N’’’−テトラキス〔4,6−ビス(ブチル−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)アミノ)−s−トリアジン−2−イル〕−1,10−ジアミノ−4,7−ジアザデカン(CHIMASSORB(登録商標)119, Ciba)又はビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)セバカート(Tinuvin(登録商標)770)のような追加のヒンダードアミン類とを含む光安定剤系で安定化された場合、光分解に対する著しい耐性を示す。対照のサンプルは、UV安定性を付与するためにこの産業で慣用的に使用されている安定剤処方物からなる。全てのサンプルは、顔料 、Pigment Red 177及びタルクを含有する。
【0413】
前記の試験プラークは、下記のものを含有する(濃度は全て樹脂に対して重量%である):
ポリマー基材は、A. Schulman Inc. Akron, Ohioより供給された、市販のポリオレフィンブレンド POLYTROPE(登録商標)TPP 518-01である。
カラーパッケージは、0.025% Red 3B -Pigment Red 177, C.I. #65300である。
【0414】
各プラークは下記のものを含有する:
TINUVIN(登録商標)328(本発明の成分Bのii)0.2%;
ステアリン酸カルシウム0.1%;
タルク15%;
IRGANOX(登録商標)B225(IRGANOX(登録商標)1010, Ciba(ネオペンタンテトライルテトラキス(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルヒドロシンナマート))とIRGAFOS(登録商標)168, Ciba〔トリス−(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト〕との50:50ブレンド)0.1%;
TINUVIN(登録商標)770, Ciba〔ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバカート〕0.2%;
CHIMASSORB(登録商標)944, Ciba〔4,4′−ヘキサメチレン−ビス(アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン)と2,4−ジクロロ−6−tert−オクチルアミノ−s−トリアジンとの重縮合生成物〕0.2%。
【0415】
5つの試験プラークは、それぞれ化合物(A2)を0.1%含有する。
【0416】
サンプル1は、更に下記のものを含有する:
TINUVIN(登録商標)123, Ciba〔ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバカート〕(HALS 24)0.2%。
【0417】
サンプル2は、更に下記のものを含有する:
化合物HALS(109)0.2%、及び
化合物(ii)0.2%。
【0418】
サンプル3は、更に下記のものを含有する:
CHIMASSORB(登録商標)119 0.2%;及び
化合物HALS(108)0.2%;及び
化合物(vi)0.2%。
【0419】
サンプル4は、更に下記のものを含有する:
化合物HALS(36−d)0.4%;及び
化合物(xlv)0.2%。
【0420】
サンプル5は、更に下記のものを含有する:
化合物HALS(108)0.4%;及び
化合物(xli)0.2%。
【0421】
ヒンダードアミンと一緒に本発明のUVAの組合せを含有する、試験プラーク2〜5は、UVA(ii)の単独を含有する効果の低い対照系のプラークと比較して、改良された光沢の保持を示す。UV曝露による色変化に対する耐性も向上する。
【0422】
EPDMブレンドのような不飽和三成分化合物を含有するポリマーブレンドは、上記記載のより効果的な本発明の光安定系によって特に利益を受ける。
【0423】
全ての場合において、光安定化処方物は、上述したUV曝露条件下で直ちに破損した非安定化サンプルよりも、光分解に対してより優れた耐性を示す。
【0424】
実施例2:塗料用TPO
成形試験片は、実施例1で記載した、本発明の化合物、顔料及び他の共添加剤を含有する熱可塑性オレフィン(TPO)ペレットを射出成形することにより製造する。
【0425】
光安定処方物を1パック塗料系で塗布し、TPO/塗料相互作用を試験する。塗布の前に、試験片を最初にGM998−4801に従って洗浄し、200°F(94℃)で15分間乾燥する。接着促進剤を乾燥膜厚0.2〜0.4ミルで塗布する。サンプルを5分間乾燥して、その後1K下塗りを膜厚1.2〜1.4ミルで塗布する。塗布したパネルを3分間乾燥し、次にクリアコートを乾燥膜厚1.2〜1.5ミルで塗布し、続いて10分間フラッシュ乾燥し、オーブンにより250°F(121℃)で30分間焼き付ける。
【0426】
塗料の接着力をAggressive Adhesion Testing(Technical Finishing, Inc.により実施される専有試験手順)及びTaber Scuffにより測定した。仕上塗料の80%を超えるものを保持する塗布パネルが、許容されうると考えられる。Aggressive Adhesion Testingの後、塗料損失5%以下のサンプルが、許容されうるとされる。
【0427】
対照処方物は、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバカート(TINUVIN(登録商標)770)0.2%、CHIMASSORB(登録商標)944 0.2%、TINUVIN(登録商標)328 0.2%、ステアリン酸カルシウム500ppm及びN,N−ジアルキルヒドロキシアミン750ppmを反応器等級TPOに含有する。
【0428】
処方物A及びBは、それぞれ、CHIMASSORB(登録商標)119 0.2%、TINUVIN(登録商標)328 (ii)0.2%、ステアリン酸カルシウム500ppm及びN,N−ジアルキルヒドロキシアミン750ppmを反応器等級TPOに含有する。
【0429】
また、処方物A及びBは、それぞれ、成分(A1)又は(A2)のうちの1つを0.2%含有する。
【0430】
処方物C及びDは、それぞれ、TINUVIN(登録商標)328 (ii)0.2%、ステアリン酸カルシウム500ppm及びN,N−ジアルキルヒドロキシアミン750ppmを反応器等級TPOに含有する。
【0431】
また、処方物C及びDは、それぞれ、成分(A1)又は(A2)のうちの1つを0.4%含有する。
【0432】
処方物A〜Dは、Taber Scuff及びAggressive Adhesion Testsで測定ように、対照処方物よりも優れている。
【0433】
実施例3:被覆用途のための安定剤混合物
3A:化合物混合物の製造
下記の表3Aの混合物は、キシレン又はSolvesso(登録商標)100(芳香族炭化水素混合物、沸点範囲161〜178℃;製造会社:Exxon)に、示される化合物を溶解することにより製造する。
【0434】
【表1】



【0435】
3B)2成分ポリウレタン被覆物の安定化
新規安定剤混合物を下記の組成を有するクリアコートで試験する。
【0436】
【表2】

【0437】
a)OH官能ポリ(メタ)アクリラート(旧Vianova Resins GmbH, Germany)。
b)芳香族炭化水素の混合物、沸点範囲182〜203℃(Solvesso 150)又は161〜178℃(Solvesso 100);製造会社:Esso。
c)ジメチルポリシロキサンベースの均展剤(Byk Chemie, Wesel, Germany)。
d)イソシアナート硬化剤(メトキシプロピルアセタート/キシレン 1:1を75重量%;Bayer AG)。
【0438】
Solvesso(登録商標)100約5〜10gの溶液中の、塗料の固形分に基づき1.5%の試験混合物を、クリアコートに加える。被覆処方物を、塗料の固形分に基づき1.0重量%の、下記式:
【0439】
【化103】

【0440】
で示される主要成分を有する共安定剤(化合物C)と更に混合する。
【0441】
使用される比較は、光安定剤を含有しないクリアコート及び、本発明のUVAの組合せの代わりに化合物A又はBを1.5%使用する、安定化されるクリアコートであり、対応する結果を下記の表で星印(**)によりマークする。
【0442】
クリアコートをSolvesso(登録商標)100で噴霧粘度に希釈し、製造されるアルミニウムパネル(コイル被覆、充填剤、シルバーメタリックべースコート)に塗布し、塗布したパネルを130℃で30分間焼き付けた。これにより乾燥膜厚40〜50μmのクリアコートを得る。
【0443】
続いて、本発明のUV吸収剤混合物を含有しない同じ被覆物と比較して、黄変を検出する(ASTM D 2244−79による反射率モードに従うApplied Color Systems 分光光度計の色測定;収集したデータにはE、L*、a*及びb*値が含まれる)。
【0444】
次に、サンプルを、Atlas社製UVCON(登録商標)耐候装置(UVB-313ランプ)内で、70℃でのUV照射8時間及び50℃での縮合4時間のサイクルの耐候試験に付す。更に、サンプルを自然風化(フロリダ、南5°、SAE J−1976)に付す。
【0445】
サンプルの表面光沢(DIN67530に従って20°光沢)及び変色(ASTM D 2244−79)を一定間隔で測定する。結果を下記の表3Bにまとめる(complied)。全ての量は、クリアコートの固形分に基づく。
【0446】
【表3】

【0447】
化合物C(HALS 14a)を同量のHALS 24、49−a−3、110、111又は112と代えても、良好な結果が得られる。
【0448】
実施例3C:2被覆金属塗料の安定化
新規安定剤混合物を下記の組成を有するクリアコート中で試験する。
【0449】
【表4】

【0450】
1)Hoechst社製アクリラート樹脂、キシレン/ブタノール 26:9中65%溶液
2)Hoechst社製アクリラート樹脂、Solvesso 1004)中75%溶液
3)Hoechst社製メラミン樹脂、イソブタノール中55%溶液
4)芳香族炭化水素の混合物、沸点範囲182〜203℃(Solvesso 150)又は161〜178℃(Solvesso 100);製造会社:Esso
5)脂肪族炭化水素の混合物、沸点範囲145〜200℃;製造会社:Shell
6)Solvesso 1504)中1%;製造会社:Bayer AG
【0451】
Solvesso(登録商標)100約5〜10gの溶液中の、塗料の固形分に基づき1.5%の試験混合物を、クリアコートに加える。被覆処方物を、塗料の固形分に基づき0.7重量%の、下記式:
【0452】
【化104】

【0453】
で示される共安定剤(化合物C=HALS 24)と更に混合する。
【0454】
使用される比較は、光安定剤を含有しないクリアコート及び個別の成分を使用して安定化されるクリアコートであり、対応する結果を下記の表で星印(**)によりマークする。
【0455】
クリアコートをSolvesso(登録商標)100で噴霧粘度に希釈し、製造されるアルミニウムパネル(コイル被覆、充填剤、シルバーメタリック又はブルーメタリックベースコート)に塗布し、塗布したパネルを130℃で30分間焼き付ける。これにより乾燥膜厚40〜50μmのクリアコートを得る。
【0456】
次に、サンプルを、Atlas社製UVCON(登録商標)耐候装置(UVB-313ランプ)内で、70℃でのUV照射8時間及び50℃での縮合4時間のサイクルの耐候試験に付す。更に、サンプルを自然風化(フロリダ、南5°、SAE J−1976)に付す。
【0457】
サンプルの表面光沢(DIN67530に従って20°光沢)及び変色(DIN 6174によるΔE)を一定間隔で測定する。
【0458】
結果を下記の表C1及びC2にまとめる。全ての量は、クリアコートの固形分に基づく。
【0459】
変色値が小さいほど、安定化が良好である。
本発明により安定化されたサンプルは、比較のサンプルより良好な耐候安定性(光沢及び色の保持)を示す。
【0460】
実施例4:プラスチック基材の被覆物
ヒンダードアミンの主な用途は、プラスチック基材に塗布される自動車用仕上塗り(トップコート)の保護である。しかし、多くの低分子量で非反応性の光安定剤が、乾燥及び硬化の間にプラスチック基材に移動する。その結果、有意な量の光安定剤が、仕上塗りから基材へと失われ、そのため前記仕上塗りの保護に効果がなくなる。
【0461】
被覆物の塗布及び硬化の間のヒンダードアミンの移動の程度を、プラスチック基材に塗布される硬化クリアコートと、ガラス又はスチールのような非浸透性基材に塗布される同じクリアコートのヒンダードアミンの濃度を比較することにより決定する。
【0462】
試験するUVAの組合せを、自動車用プラスチック基材に使用するためにに適切な、熱硬化性軟質アクリル/メラミンクリアコートに混和させる。UVAの組合せを全樹脂固形分に基づき1.5重量%のレベル(濃度)で混和させる。全ての組合せにおいて、使用する成分(A)は、全樹脂固形分に基づき0.5重量%のレベルの化合物A1である。2つの化合物を成分(B)として使用する場合、各化合物を、全樹脂固形分に基づき0.5重量%の量で加える。
【0463】
幾つかの処方物は、追加的に、全樹脂固形分に基づき1.5重量%の濃度で立体障害アミンを含有する。加える安定剤は、下記の表に見出され得る。
【0464】
【表5】

【0465】
各被覆処方物を、自動噴霧装置で自動車用等級RIM(反応射出成形)基材及びTPO(熱可塑性ポリオレフィン)に塗布する。基材は両方とも4″×12″プラークの形態である。各被覆物を塗布して、約2.0ミル(50ミクロン)の乾燥膜厚を達成する。被覆物を250°F(121℃)で20分間焼き付けて硬化させる。
【0466】
硬化した被覆配合物のそれぞれ3個のサンプルを、各基材から取り外し、微細粉末に低温粉砕する。それぞれのサンプルの既知量を還流しているトルエンで一晩抽出する。存在するUVAを、既知容量に希釈し、分光測光法により定量的に分析する。
【0467】
本発明のUVAの組合せにより、プラスチック基材を覆うクリアコートから高い割合でUV吸収剤が回収されることが見出され、それは、極めて少量の本発明のUVAしかプラスチック基材に移動しないことを示しており、それによりそのようなプラスチック基材を覆うクリア仕上塗りを良好に安定化させる。
【0468】
実施例5:ポリプロピレン成形品の安定化
成形試験片は、顔料、ホスファイト、フェノール酸化防止剤若しくはヒドロキシルアミン、ステアリン酸金属塩、紫外線吸収剤、又はUV吸収剤とヒンダードアミン安定剤の混合物を含有するポリプロピレンペレットを射出成形することにより製造される。
【0469】
着色ポリプロピレンペレットは、純粋な顔料又は顔料濃縮物、安定剤、共添加剤及び市販のポリプロピレンから、成分を、汎用スクリュー(24:1 L/D)を備えるSuperior/MPM 1″一軸スクリュー押出機により475°F(250℃)で混合し、水浴で冷却し、ペレット化することにより製造される。得られるペレットを、BOY 30M Injection Molding Machineにより、約475°F(250℃)で、60ミル(0.06インチ厚)の2″×2″プラークに成形する。
【0470】
ポリプロピレンホモポリマー又はポリプロピレンコポリマーから構成される着色ポリプロピレン処方物を、有機リン化合物を有するか、又は有さない、N,N−ジアルキルヒドロキシルアミン又はヒンダードフェノール酸化防止剤からなるベース安定化系により安定化する。
【0471】
最終処方物における全ての添加剤及び顔料の濃度を、樹脂に対する重量%で表す。
【0472】
処方物は、ポリプロピレンペレット及び下記の成分の1つ以上を含有する:
顔料0.0%〜2.0%、
タルク0.0%〜5.0%、
炭酸カルシウム0.0%〜50.0%、
ホスファイト0.0%〜0.1%、
フェノール酸化防止剤0.0%〜1.25%、
ヒドロキシルアミン0.0%〜0.1%、
ステアリン酸カルシウム0.05%〜0.10%、
UV吸収剤0.05%〜0.25%、
ヒンダードアミン安定剤0.0%〜1.25%。
【0473】
成分を押出及び成形の前に回転式乾燥機で乾燥混合する。
【0474】
試験プラークを金属枠に取り付け、ブラックパネル温度70℃、340ナノメータで0.55W/m2、相対湿度50%、断続的明暗サイクル及び水噴霧により、Atlas Ci65 Xenon Arc Weather-Ometerで曝露する(Society of Automotive Engineers - SAE J 1960 Test Procedure)。サンプルを、ASTM D 2244−79による反射率モードに従って、約625キロジュール間隔で、Applied Color Systems 分光光度計により色測定を実施して試験する。収集したデータには、デルタE、L*、a*及びb*値が含まれる。光沢測定を、ASTM D 523に従って、60°でBYK-GARDNER 曇り/光沢計により実施する。
【0475】
UV曝露試験
UV放射線に曝露された試験片は、化合物B(下記を参照)と化合物(A2)0.1%の組合せを含む光安定剤系により安定化される場合、光分解に対して著しい耐性を示す。また、試験片は光分解に対して著しい耐性を示す。対照のサンプルは、UV安定性を付与するためにこの産業で慣用的に使用される安定剤処方物である、Tinuvin(登録商標)328 0.2%とヒンダードアミン安定剤との混合物から構成される。全ての量は樹脂の重量に基づく。サンプルは全てPigment Red 177を含有する。
【0476】
試験サンプルは、それぞれ化合物(A)と(B)、及び場合により1.5重量%のヒンダードアミン安定剤、例えば、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−オクタデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス−(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバカート(Tinuvin(登録商標)123)又はビス−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)スクシナートを含有する。
【0477】
処方物は、全て最終樹脂処方物中0.05%のジアルキルヒドロキシルアミンにより安定化されたベースである。
【0478】
ポリマー基材は、市販のポリプロピレンホモポリマー、Profax 6501(商業供給者Montell Polyolefins)である。
【0479】
カラーパッケージは、最終樹脂処方物中0.25%のRed 3B -Pigment Red 177, C.I. #65300である。処方物はそれぞれステアリン酸カルシウム0.1%を含有する。サンプルは60ミル厚の2″×2″射出成形プラークである。UV曝露は、SAEJ 1960−屋外自動車条件下で実施される(した)。最終処方物における全ての添加剤及び顔料の濃度を、樹脂に対する重量%で表す。
【0480】
試験処方物は、トリス〔2,4−ジ−tert−ブチルフェニル〕ホスファイト0.05%、ペンタエリトリトールテトラキス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−フェニル)プロピオナート〕0.05%、ステアリン酸カルシウム0.05%及び下記の成分:
化合物A2 0.1%;
i、v、x、xi、xii、xiii、xviiから選択される化合物B 0.3%;
番号13(Tinuvin 770)、84−1(Chimassorb 944)、76(Chimassorb 119)、81(Tinuvin 622)、92−1及び109から選択されるHALS 1.5%;
(量は全て使用されるポリマーの重量により示されている)
を含有する。
【0481】
成分(A)と(B)の本発明の組合せを含有する処方物は、対照処方物と比較すると、改良された光沢保持及び変色に対する耐性を示す。
【0482】
全ての場合において、光安定化処方物は、上記で概説したUV曝露下で直ちに破損する非安定化サンプルよりも、光分解に対してよりずっと優れた耐性を示す。
【0483】
実施例6:ポリプロピレン繊維
繊維のサンプルは、繊維等級ポリプロピレンを本発明の成分(A)と(B)の組合せ、共添加剤及び顔料と共に押し出すことにより製造する。典型的な処方物は、ヒンダードアミンを0.05〜2.0%の濃度、ステアリン酸カルシウムのようなステアリン酸金属塩を0.05〜0.5%、顔料を0〜5%、UV吸収剤を0.05〜2.0%の濃度、ホスファイトを0〜0.1%、フェノール酸化防止剤を0〜1.25%、N,N−ジアルキルヒドロキシルアミンを0〜0.1%及び場合により他のヒンダードアミンを0〜2.0%の濃度で含有する。最終処方物における全ての添加剤及び顔料の濃度は、樹脂に対する重量%で示す。
【0484】
使用される新規安定剤の組合せは下記である:
(6a)化合物A2を1重量部(pbw)と、化合物viiを2pbw;
(6b)化合物A2を1重量部(pbw)と、化合物viiiを2pbw;
(6c)化合物A2を1重量部(pbw)と、化合物xixを2pbw;
(6d)化合物A2を1重量部(pbw)と、化合物xiiを1pbw。
【0485】
上記の新規安定剤の組合せ2.5gを、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト1g、カルシウムモノエチル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホナート1g、ステアリン酸カルシウム1g及びTiO2(Kronos RN 57)2.5gと一緒に、回転撹拌機により、ポリプロピレン粉末(メルトインデックス12g/10分、230℃/2.16kgで測定)1000gを用いて混合する。混合物を200〜230℃で押し出して顆粒にし、次にこれらの顆粒を下記の条件下:
押出温度:190〜230℃
頭部温度:255〜260℃
延伸比:1:3.5
引抜温度:100℃
繊維:10デニール
でパイロットプラント(Leonard; Sumirago/VA, Italy)を使用して繊維に加工する。
【0486】
このようにして製造される繊維を、ASTM D 2565−85に従って、標準黒体温度63℃でWeather-O-Meter(登録商標)Type 65 WR (Atlas Corp.)により白地を背景にして曝露する。異なる曝露時間の後、サンプルの残留引っ張り強さを測定する。測定値から、サンプルの引っ張り強さが元のレベルの半分に落ちる時間T50を計算する。
【0487】
比較のために、新規安定剤の無い繊維を製造し、それ以外は同一の条件下で試験する。
【0488】
本発明の安定剤の組合せで安定化される繊維は、優れた強度の保持を示す。
【0489】
実施例7:灰色着色ポリカーボネート/ABSブレンドの安定化
市販のPC/ABSブレンド(Cycoloy(商標) MC 8002;Gray 9779 1重量%で着色されているPCとABSのブレンド50/50wt/wt)を、HALS(102)0.5重量%、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ビス(1,1−ジメチルベンジル)フェニル)−ベンズトリアゾール(iii)0.3重量%及び下記の表で示す化合物0.1重量%を加えることにより安定化する。本発明の組合せの代わりにベンズトリアゾール安定剤(B)又は本発明の成分(A)0.3重量%を含有するサンプル及び非安定化サンプルを比較として用いる。アイゾットバー(2.5″L×0.5″W×0.125″W)を、バレル温度475〜515°F、ダイ温度515°FのBOY 30装置で射出成形することにより製造する。促進風化をAtlas Ci65A Weather-o-meter (XAW)をいずれかの“Dry XAW”モード(ASTM G26-90、方法C)で操作することにより実施する。一定間隔の後、DIN6174に従って、変色ΔEを決定する。結果を表7にまとめる。
【0490】
【表6】

【0491】
実施例8:ポリエチレンフィルム
フィルム等級ポリエチレンを(A)と(B)の試験添加剤の組合せ10重量%と乾燥混合し、次に200℃で溶融混合して「マスターバッチ」ペレットにする。完全に処方された「マスターバッチ」ペレットをポリエチレン樹脂と乾燥混合して、所望の最終安定剤濃縮物を得る。典型的な処方物は、本発明の化合物(A)と(B)を合計して0.05%〜2.0%の濃度、ステアリン酸カルシウムのようなステアリン酸金属塩を0.05%〜0.5%、ホスファイトを0%〜0.1%、フェノール酸化防止剤を0%〜1.25%、N,N−ジアルキルヒドロキシルアミンを0%〜0.1%及び場合により立体障害アミンを0.1%〜2.0%含有する。
【0492】
下記の表で報告されている添加剤を、回転混合機でLDPEペレット(Riblene (商標) FF 29;d=0.921g/cm;MFI(190℃/2.16kg)=0.60g/10分)とマスターバッチにより混合する。混合物を200℃で押し出して顆粒を得て、それを圧縮成形(170℃/3分)により厚さ150μmのフィルムに変換する。
【0493】
インフレート(blown)フィルムを、bpt63℃、340nmで0.35W/m2、噴霧サイクル無しで、ASTM G26に従ってAtlas Xenon-Arc Weather-Ometerで曝露する。フィルムは、Instron 112張力試験機を使用して、伸びのあらゆる変化を定期的に試験する。フィルムの伸び率(%)の損失を観察して、この試験における不合格を決定する。この損失が起こるのに長く時間がかかるほど、安定剤系がより効果的となる。
【0494】
本発明の化合物(A)と(B)の混合物を含有するフィルムは、下記の表で示されるように良好な光安定化効果を示す。
化合物 50%残留伸びの時間
0.1 % A2 + 0.4 % v
0.1 % A2 + 0.4 % xiii
0.5 % xvii
【0495】
良好な結果が、下記のHALS:
【0496】
【化105】

【0497】
(式中、R′は下記:
【0498】
【化106】

【0499】
である)の1.5%を追加的に使用しても達成される。
【0500】
実施例9:温室用ポリエチレンフィルム
実施例8で製造されるフィルムを、亜鉛メッキ鉄の裏地のある温室の上で曝露する。処理には定期的な殺虫剤の塗布(例えば、ナトリウムN−メチルジチオカルバマート、VAPAM(登録商標)を6か月毎、SESMETRIN(登録商標)を毎月)が含まれる。残留伸びの率を監視することにより性能を測定する。元の長さから50%損失する時間を不合格と定義する。
【0501】
本発明の化合物(A)と(B)の組合せを含有するフィルムは、殺虫剤に対して良好な耐性を示す。
【0502】
フィルムは、Atmer(登録商標)103、ソルビタンエステル又はAtmer(登録商標)502、エトキシル化エーテルのような、市販の防曇剤を更に含有してもよい。そのようなフィルムは、良好なUV光線安定性及び良好な防曇(antifog)耐性を示す。
【0503】
フィルムは、モノステアリン酸グリセリン(GMS)又はエトキシル化脂肪アミンのような帯電防止剤を更に含有してもよい。そのようなフィルムは、良好なUV光線安定性及び良好な帯電防止性を示す。
【0504】
HALS(109)1.5%、ヒドロタルサイト(DHT4A)2%と組み合わせたHALS(109)、又は下記:
【0505】
【化107】

【0506】
(式中、R′は下記:
【0507】
【化108】

【0508】
である)のHALS、又はそれぞれZnO 2%とヒドロタルサイト(DHT4A)1%と組み合わされた、
HALS番号92−1若しくは92−2を追加的に含有するフィルムで、良好な結果が得られる。
【0509】
実施例10:温室用ポリエチレンフィルム
薄いLDPEフィルムを製造し、添加剤により付与されたスペクトル特徴及びその持続性を評価するため、それぞれA:B=1:1の重量比である、化合物(A2)及び(iv)又は(A2)及び(xii)を、LDPEペレット(Riblene FF 29, Polimeri Europa, Milano, Italyから供給、密度0.921g/cm3及びメルトフローインデックス(190°C/2.16Kg)0.6により特徴づけられる)と、処方物が添加剤の組合せ0.25重量%を含有するように、回転混合機で混合する。混合物をOMC二軸スクリュー押出機により、最高温度200℃で押し出す。そのようにして得られる顆粒を、実験室規模のFormac吹込押出機により、最高温度210℃で吹き込んで150μm厚のフィルムを得る。RSA-PE-20 Labsphere積分球を備えたPerkin-Elmer Lambda 20 分光光度計により、200〜800nmの範囲でUV−可視スペクトルを記録する。
【0510】
結果:フィルムは280〜360nmの範囲で強い吸光帯を示す。光の曝露に対する添加剤の組合せの光安定性を試験するために、フィルムの一部分を、Atlas Weather-o-Meter (WOM), model Ci65A(ASTM G26−96に従い、照射0.35W/m2、ブラックパネル温度63±3℃)で曝露する。曝露の後、フィルムは依然として360nmより低い範囲で十分な吸光を示す。
【0511】
実施例11:ポリエチレンマルチフィルム
実施例9で記載されたように製造されるマスターバッチペレットを、ポリエチレン樹脂に乾燥混合して、最終的な安定剤濃縮物を得る。次に、完全に処方された樹脂を、DOLCIフィルムラインを使用し、200℃で吹き込んで25ミクロン厚のフィルムとする。
【0512】
得られるフィルムを土壌の上で曝露して、農業用マルチフィルムの条件をシミュレートする。処理には、臭化メチル燻蒸剤に60g/m3で3日間曝露することが含まれる。物理的に脆化する時間を監視することにより性能を測定する。
【0513】
本発明の化合物(A1)又は(A2)0.2%及び上記で示した(B)0.4%を含有するフィルムが燻蒸剤に対して良好な耐性を示す。
【0514】
実施例12:温室用ポリエチレンフィルム
温室用フィルムのサンプルは実施例10で記載されたように製造され、本発明の化合物(A)及び(B)に加えて、ステアリン酸金属塩、及び金属酸化物、及び立体障害アミンも含有する。典型的な処方物は、本発明の安定剤の組合せを0.05〜2重量%、高分子量立体障害アミンを0.05〜2重量%、ステアリン酸カルシウムのようなステアリン酸金属塩を0.05〜0.5重量%、及び酸化亜鉛、酸化マグネシウム又は酸化カルシウムのような金属酸化物を0.05〜0.5重量%含有する。
【0515】
効果を実施例10で記載したように監視する。フィルムは本発明の組合せ(A2)及び(B):
【0516】
【表7】

【0517】
をステアリン酸カルシウム0.1%、ZnO 0.5%及びHALS化合物1.0%と一緒に含有する。フィルムは良好な光安定性及び殺虫剤耐性を示す。
【0518】
実施例13:熱可塑性エラストマー
熱可塑性エラストマーとして既知の樹脂材料の一般的な種類は、その例として、SBS、SEBS及びSISのような、スチレンとブタジエン又はイソプレン及び/若しくはエチレン−コブチレンとのコポリマーを含み、本発明の式(A)又は(B)の化合物と乾燥混合され、溶融混合してペレットにされる。典型的な処方物は、本発明の化合物を0.05%〜2.0%の濃度、ステアリン酸カルシウムのようなステアリン酸金属塩を0.05%〜0.5%及び顔料を0%〜%5、ホスファイトを0.0%〜0.1%、フェノール酸化防止剤を0.0%〜1.25%、N,N−ジアルキルヒドロキシルアミンを0.0%〜0.1%、及びヒンダードアミン安定剤を0.05%〜2.0%の濃度で含有する。
【0519】
次に、ペレット化した完全に処方される樹脂を、吹き込み又はキャスト押出でフィルムにする、射出形成で成形品にする、熱成形で成形品にする、押し出しでワイヤ及びケーブルハウジングにする、又は回転成形で中空物品にするようにして、有用な物品に加工する。
【0520】
下記の添加剤を化合物A2の0.5%(ポリマーに基づく重量%)と組み合わせるために使用する。
【0521】
【表8】

【0522】
本発明の化合物(A)及び(B)を含有する材料は、UV光線及び熱曝露の有害な作用に対して安定性を示す。
【0523】
実施例14:ポリカーボネート
ポリカーボネート粉末(Lexan 115)10gを塩化メチレン50gに撹拌しながら室温で溶解し、この工程は数時間を要す。その上、下記の表で示すように、添加剤混合物の3.5%の濃度に相当する、式(A2)、(v)及び/又は(xix)のUV吸収剤の合計量0.35gを加える。これらの溶液を使用し、EP−A−500496で示された方法に従って、フィルムを20μmの厚さにキャストする。
【0524】
フィルムをAtlas Weatherometer CI 65により、ブラックパネル温度63℃で(340nmで0.35W/m2;乾燥、暗黒段階は無し)曝露する。サンプルの変色を、黄色度指数(YI、DIN6167の方法)を測定することにより一定間隔で調べる。結果を表14で報告する。
【0525】
【表9】

【0526】
本発明の安定剤混合物を含有する組成物は、明確に改良された色彩及び安定性を示す。
【0527】
ポリカーボネートを高温で加工する場合、ホスファイト、ホスホノート及びフェノール酸化防止剤から選択される加工安定剤が付随的に使用される。ポリカーボネートの重量に基づき0.05〜0.1%のトリス(2,4−ジ−tert.ブチルフェニル)ホスファイトを使用して良好な結果が達成され、このホスファイト及び上記のUVA混合物を含有する単層シート又は多層シートは、ブルーミングの減少、良好な透明性及び優れた耐候性の結果を示す。
【0528】
共押出ポリカーボネートシートは、純粋なTinuvin 1577の代わりに本発明のUVAの組合せを使用し、厚さ40マイクロメーターのキャップ層に本発明のUVAの組合せが合計で5%存在し、厚さ7mmのバルク層に本発明のUVAの組合せが0.1%存在するようにして、EP−A−825226の実施例1及び6のサンプルAで記載されるように製造される。使用されたUVAの組合せは、化合物(A2)と(v)の比率が1:3又は(A2)と(xix)の比率が1:2である。製造されたシートは、実質的に発煙性を示さない。
【0529】
実施例15:化粧品用途
化合物(A2)と化合物(xiv)の混合物の懸濁液
UV吸収剤(A2) 1g
UV吸収剤(xiv) 2g
8〜C12脂肪アルコールポリグルコシド 2.4g
塩化ナトリウム 1g
キサンタンガム 0.5g
ブロノポール 0.1g
脱イオン水 93g
【0530】
処方物の製造
UV吸収剤の懸濁液40g、脂肪アルコールポリグルコシド20g及び水40gを一緒に混合し、摩砕粒子の直径が1μmより小さくなるようにボールミル(Drais)で摩砕する。このペーストから出発して、上記の計量分配した他の成分をしかるべく混合する。
【0531】
測定される太陽光線保護指数(SPF、Diffey und Robson)及び検出される光安定性は、有効な物質が高い光安定性を有することを示し、高い太陽光線保護指数が、低濃度の本発明のUVAの組合せにより得られることを示す。
【0532】
実施例16:木材用ワニス
a)含浸: 処方物全体の重量に対して0.5%の下記の表16で示される添加剤を、市販の含浸剤(Xylamon Incolore(商標);製造会社:Sepam)に加える。
【0533】
含浸剤をスプルースボードにブラシにより塗布し(塗布1回)、室温で24時間乾燥させる。
【0534】
b)仕上塗:仕上塗は下記のように製造する。
アルキド樹脂(Jagalyd Antihydro(商標)、E. Jager KG、ホワイトスピリット中60%溶液)53.48重量部;
チオキソトロープ助剤(Jagalyd Antihydro-Thix(商標)、E. Jager KG、50%溶液)10.69重量部;
促進剤(Jager Antihydro-Trockner(商標))1.92重量部;
溶媒(Terlitol(商標) 30)33.44重量部;
皮張り防止剤(Ascinin(商標) P, BAYER)0.32重量部;
皮張り防止剤(Luactin(商標) M, BASF)0.15重量部。
【0535】
仕上塗は、新規UV吸収剤の組合せ1.0%及び下記式:
【0536】
【化109】

【0537】
の化合物(ヒンダードアミン光安定剤、上記No.24を参照、Ciba Specialty Chemicals)1.0%(それぞれの量は結合剤の固形分に基づく)を加えて安定化される。比較サンプルを、これら安定剤を加えないで調製する。
【0538】
仕上塗を含浸スプルースボードにブラシにより塗布し(塗布3回)、それぞれの塗布の後、室温で24時間乾燥させる。
【0539】
続いて、サンプルを、最大光度340nmのUV−Aランプ、風化サイクル:58℃で光を5時間、22℃で噴霧を1時間の、促進風化に付す。
【0540】
上記風化(暴露)期間の後、変色ΔEをDIN6174に従って測定し、使用される比較は、非安定化含浸剤及び非安定化仕上塗を有する非風化サンプルである。結果を表16に対照し、比率を重量部(pbw)で示す。
【0541】
【表10】

【0542】
本発明の安定剤は良好な色の安定化を提供する。
【0543】
実施例17:写真用材料への混和
下記の成分を有する(1m2当たり)ゼラチン層を、ポリエステルベースに慣用的に塗布する。
成分 量
ゼラチン 1200mg
リン酸トリクレシル 510mg
硬化剤 40mg
湿潤剤 100mg
成分(A)及び(B) 225mg
【0544】
硬化剤は、2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンのカリウム塩である。湿潤剤は、ナトリウム4,8−ジイソブチルナフタレン−2−スルホナートである。成分(A)として、化合物(A1)75mg、成分(B)として、化合物(xiv)及び(xv)それぞれ75mg、又は化合物(viii)150mgを使用する。
【0545】
ゼラチン層を20℃で7日間乾燥させる。
【0546】
新規UVAの組合せにより、明澄透明層を得て、それは例えば、UVフィルター層として写真記録材料に適している。
【0547】
実施例18:プール用薬品(塩素)に接触するポリオレフィン物品
フィルム等級ポリエチレンを式(A)又は(B)の試験添加物10%装填と、実施例8で記載されたように乾燥混合し、次に、200℃で溶融混合して、完全に処方されたマスターバッチペレットにする。マスターバッチペレットをポリエチレン樹脂と乾燥混合して。最終安定剤濃縮物を得る。次に、完全に処方された樹脂を、DOLCIフィルムラインを使用し、200℃で吹き込んで、150ミクロン厚のフィルムにする。
【0548】
得られるフィルムを、塩素22.5ppmを含有する水溶液20リットルに約4時間曝露する。塩素は、OLIN Pool Products, Norwalk CTからLeslies Fast Dissolving Super Shock - Super Chlorinator (Shock and Algae control)を介して入手する。このSuper Shockは78%次亜塩素酸カルシウムであり、Clが22.5ppmになるように使用する(した)。4時間の塩素曝露の後、サンプルを蒸留水で3回すすぎ、自然乾燥して、促進風化用に調製した。二重のサンプルを塩素のない蒸留水に曝露した。全ての浸清サンプルを、ブラックパネル温度63℃でWeather-O-meter 65 WR(ASTM D 2565−85−乾燥)により250時間間隔で曝露した。促進風化のそれぞれの250時間の間隔の後、サンプルを上記のように水溶液に再び曝露した。元の長さから50%損失する時間を不合格と定義する。この試験は、プールカバーが経験するであろうプール薬品への曝露をシミュレートするように設計される。
【0549】
本発明の式(A2、0.5%)の化合物及び(i)又は(viii)又は(xiv)0.5%を含有するフィルムは、塩素を含有するプール用薬品に対して良好な耐性を示す。
【0550】
プール用薬品に曝露される、本発明の化合物(A)及び(B)を含有するプールホースのような他のポリオレフィン物品は、塩素を含有するプール用薬品に対して良好な耐性を示す。
【0551】
実施例19:グリース充填ケーブル構造物におけるポリオレフィン類の安定化
高密度ポリエチレン100部を、Irganox(登録商標)MD 1024(1,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナモイル)ヒドラジン)0.4部及び下記の表15にリストされる安定剤と乾燥混合する。混合物を、Maddockミキシングヘッドの24:1 L/Dスクリューを60rpmで使用するSuperior/MPM押出機により230℃で溶融混合し、ペレットにする。
【0552】
安定剤混合物を含有するペレット化したポリエチレンを400°Fで圧縮成形して、Mylar裏当てを有する10ミル(0.01インチ)厚のフィルムにする。「初期酸化誘導時間」(OIT)をこれらの試験フィルム上で測定する。
【0553】
次に、サンプルフィルムを、電気通信ケーブルに使用される典型的な炭化水素ケーブル充填グリースである、Witcoより入手するWitcogel(登録商標)に浸す。Witco充填化合物は、Irganox(登録商標)1035、チオジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート〕を0.6%含有する。充填化合物に浸されるサンプルフィルムを空気炉により70℃で14日間曝露する。次に、サンプルからケーブル充填グリースをきれいに拭き取る。「老化酸化誘導時間」をこのサンプルで測定する。
【0554】
OIT試験は、ASTM標準試験方法D389のように示差走査熱量計を使用して達成される。試験条件は下記である:クリンプのないアルミニウムパン、スクリーンなし、窒素下で200℃まで加熱、続いて酸素流100ミリリッター/分に変更。酸化誘導時間(OIT)は、酸素流の開始と試験片の発熱分解との間の時間間隔である。OITは分単位で報告され、この試験の条件下では、OITが長いほど、安定剤混合物が酸化分解の開始を遅くすることにより有効である。グリース充填ケーブル用途における安定剤混合物の相対的性能は、初期OIT値、老化OIT値及び初期OIT値と老化OIT値の差を比較することにより予測され得る。
【0555】
【表11】

【0556】
実施例20:ガンマ照射を受けたポリプロピレンの、物理的性質及び色調節の保持
初期メルトフローレート約2dg/minのガス相ポリプロピレンランダムコポリマーであるUnion Carbide Corporation製のUnipol(登録商標)を、ジアルキルペルオキシドの添加により、射出成形の適切なメルトフローレートである約25dg/minの目標のメルトフローレートを有するように変更されたレオロジーに制御する。清澄剤を約2200ppmで加えて、成形品の透明度を向上させる。
【0557】
処方物は、式(A)若しくは(B)のヒンダードヒドロカルビルオキシアミンと、有機リン化合物との2成分安定剤系、式(A)若しくは(B)のヒンダードヒドロカルビルオキシアミンと、ヒドロキシルアミン安定剤、ベンゾフラノン安定剤及びアミンオキシド安定剤の群から選択される1個以上の化合物との2成分系、又は式(A)若しくは(B)のヒンダードヒドロカルビルオキシアミンと、ヒドロキシルアミン安定剤、ベンゾフラノン安定剤及びアミンオキシド安定剤の群から選択される1個以上の化合物と、有機リン化合物との3成分系のいずれかを含有する。
【0558】
処方物全体に基づき、式(A)及び(B)のヒンダードヒドロカルビルオキシアミンは、典型的には約0.1重量%から約1重量%で存在し、ヒドロキシルアミン、ベンゾフラン及び/又はアミンオキシドは、典型的には約0.01重量%から約0.5重量%で存在し、そして有機リン化合物は、典型的には約0.05重量%から約0.5重量%で存在する。
【0559】
処方物は、適切な添加剤をポリマーとTurbula(登録商標)ブレンダーで20分間乾燥混合し、続いてMaddock混合セクションを具備したポリオレフィンスクリューを使用する一軸スクリュー押出機により500°F(260℃)で溶融混合することにより製造する。処方物は、また、それぞれ、ステアリン酸カルシウム750ppm、ジアルキルペルオキシド、2,5−ビス(tert−ブチルペルオキシル)−2,5−ジメチルヘキサン(90%技術等級)250ppm及びClarifier-1 (Millad(登録商標)3988)2200ppmを含有する。それぞれ、2kgのバッチを1kgのロットに分け、1kgをマルチパスで押し出し、他を射出成形して、IV型引張り試験棒にする。IV型引張り試験棒と1セットの125ミルプラークを3つのセットに分け、60Co放射線源から0、30及び60キログレイ(または0、3及び6メガラド)の曝露でガンマ照射で処理する。引張り試験棒は、引っ張り強さ及び伸び率(たわみ、破損)の保持を照射量の関数として評価する。プラークは、透明度の変化又は変色を照射量の関数として評価する。次に、照射を受けた引張り試験棒、その他に125ミルプラークをオーブンにより60℃で老化させる。色及び曇りの発生を125ミルプラークで毎週、4週目まで測定する。
【0560】
使用される典型的な有機リン安定剤は、Irgafos(登録商標)168、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、Ultranox(登録商標)626、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホフォファイト、Irgafos(登録商標)P-EPQ、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)4,4′−ビフェニレン−ジホスホナイト又はUltranox(登録商標)641、2,4,6−トリ−t−ブチルフェニル−(2−エチル−2−プロピルプロピリデン)ホスファイトである。アミンオキシドは、Genox(商標)EP、ジ(C16〜C18)アルキルメチルアミンオキシド、CAS#204933−93−7であってもよい。ヒドロキシルアミン安定剤は、例えば、Irgastab(登録商標)FS-042、N,N−ジ(水素化牛脂)アミンの直接酸化により生成されるN,N−ジ(アルキル)ヒドロキシルアミンである。ベンゾフラノン安定剤は、Irganox(登録商標)HP-136、3−(3,4−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチル−ベンゾフラン−2−オンであってもよい。Irgafos(登録商標)、Irgastab(登録商標)及び Irganox(登録商標)は、Ciba Specialty Chemicals Corpの商標である。Genox(商標)及び Ultranox(登録商標)は、GE Chemicalsの商標である。
【0561】
本発明の成分(A2)及び(i)、(xii)又は(xvi)(1:1)を含有する処方物は、優れた物理的性質及び色保持を示す。
【0562】
実施例21:ガンマ照射を受けたHDPEの、物理的性質及び色調節の保持
公称メルトフローレート約17dg/min(2.16kg@190°C)を有する液相Ziegler/Natta高密度ポリエチレンコポリマー(d=0.945g/cm3)のサンプルは、添加剤を添加濃度5%で、Turbula(登録商標)ブレンダー中のペレット化した「無添加剤」樹脂ベースに20分間加え、続いて、Maddock混合セクションを具備したポリオレフィンスクリューを使用する一軸スクリュー押出機により450°F(232℃)で溶融混合することにより調製する。処方物は、実施例16で記載された濃度(レベル)で同一の添加剤を含有する。各処方物は、酸捕捉剤として、ステアリン酸カルシウム500ppmを含有する。それぞれ2kgのバッチを1kgのロットに分け、1kgをマルチパスで押し出し、他を射出成形して、IV型引張り試験棒とするか、又は圧縮成型して、125ミルプラークとした。
【0563】
IV型引張り試験棒、125ミルプラーク及び最初に通過した押出ペレットを3つのセットに分け、60Co放射線源から0、30及び60キログレイ(または0、3及び6メガラド)の曝露でガンマ照射により処理する。全て照射量の関数として、引張り試験棒は、引っ張り強さ及び伸び率(たわみ、破損)の保持を評価し、プラークは、変色を評価し、そして、ペレットは、メルトフローレートの保持を試験する。照射を受けた引張り試験棒、その他に125ミルプラークをオーブンにより60℃で老化させる。発色、引っ張り強さ及び伸び率を、オーブンにより60℃で老化させている間に測定する。
【0564】
実施例20で記載される本発明のUVAの組合せ及び追加的にヒンダードアミン(109、107又は108)1%を含有する処方物は、優れた物理的性質及び色の保持を示す。
【0565】
実施例22:ガンマ照射を受けた、繊維用ポリプロピレンホモポリマーの、物理的性質及び色調節の保持
2.16kg/230℃で公称メルトフローレート約15dg/分を有するポリプロピレンホモポリマー(Ti/Al触媒、バルク相加工)を、525°F、延伸比3.5:1および1フィラメント当たり15デニールで押し出して繊維にする。繊維を編んで靴下にする。また、サンプルを圧縮成型してプラークにする。個別の処方物は、それぞれ、ステアリン酸カルシウム/ジヒドロタルサイトの1:1ブレンドを酸捕捉剤として総濃度500ppmで含有する。そうでなければ、処方物は、HALS番号107又は76を追加的に使用し、実施例20と同様にして製造される。
【0566】
繊維、靴下及びプラークを、60Co放射線源から0、30及び60キログレイ(または、0、3及び6メガラド)の曝露でガンマ照射により処理する。
【0567】
本発明の安定剤の組合せを含有する処方物は、優れた色及び/又は物理的性質の保持を示す。
【0568】
実施例23:ガンマ照射を受けた、フィルム用直鎖状低密度ポリエチレンの、物理的性質及び色調節の保持
Unipol(登録商標)(Union Carbide Corporation、ガス相E/H LLDPEコポリマー;Ti/Al触媒;メルトインデックス2.16kg/190°で約1dg/分)を、450°Fで押し出してインフレート(blown)フィルムにして、1.5ミリのフィルムを製造する。個別の処方物は、それぞれ、ステアリン酸亜鉛を酸捕捉剤として総濃度500ppmで含有する。そうでなければ、処方物を実施例20と同様にして製造する。フィルムを、60Co放射線源から0、30及び60キログレイ(または、0、3及び6メガラド)の曝露でガンマ照射により処理する。
【0569】
本発明の処方物を含有するフィルムは、優れた物理的性質及び色の保持を示す。
【0570】
実施例24:不織ポリプロピレン繊維農業用フィルム
スパンボンド(spunbonded)織物を形成することは当該技術で周知の従来の方法である。繊維等級ポリプロピレンを試験添加物10%装填と乾燥混合し、次に、220℃で溶融混合して、マスターバッチペレットにする。マスターバッチペレットを、添加剤1.0%を得る速度でポリプロピレン樹脂(MFR=35〜50)と乾燥混合する。スパンボンド繊維は、溶融ポリプロピレン樹脂(ダイ温度=230℃)を、複数の紡糸口金微輪状毛細管からフィラメントとして押し出すことにより製造される。冷却空気をクエンチチェンバーに送り(2,400rpm)、そこでフィラメントを冷却する。次に、冷却空気をノズルから吸引し、フィラメントを引き出す力を作り出す空気の流れを促進する。次に、引き出されたフィラメントをディフューザーに通し、コンベアベルト(33m/分)に堆積させて、不織布を形成する。
【0571】
メルトブローン(meltblown)織物を形成することは当該技術で周知の従来の方法である。ポリプロピレンを試験添加物の(A2)及び(B)組合せ10%装填と乾燥混合し、次に、220℃で溶融混合して、マスターバッチペレットにする。マスターバッチペレットを、添加剤1.0%を得る速度でポリプロピレン樹脂(MFR1200)と乾燥混合する。メルトブローン繊維は、溶融ポリプロピレン樹脂を、複数の紡糸口金微輪状毛細管からフィラメントとして押し出すことにより製造する。高速の加熱空気流が溶融ポリプロピレンのフィラメントを細くし、直径を減少させる。その後、メルトブローン繊維が高速の加熱空気流で運ばれ、収集表面に堆積してランダムに分散されるメルトブローン繊維のウエブが形成される。完全性及び強度を保持するため、ウエブの熱結合が別個の下流操作として生じる。
【0572】
本発明の式A2及び(i)又は(iv)若しくは(xii)の化合物を含有する不織布は、直接のカバー、小規模トンネル用カバー及びシェードクロスのような農業用途において良好なUV安定性を示し、また、殺虫剤及び除草剤のような農薬への曝露後に良好な安定性を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)式I:
【化110】


(式中、Rは、(CH2−CH2−O−)n−R2;−CH2−CH(OH)−CH2−O−R2;又は−CH(R3)−CO−O−R4であり;nは0又は1であり;R2は、C1〜C13アルキル又はC2〜C20アルケニル又はC6〜C12アリール又はCO−C1〜C18アルキルであり;R3は、H又はC1〜C8アルキルであり;R4は、C1〜C12アルキル又はC2〜C12アルケニル又はC5〜C6シクロアルキルである)で示される化合物;及び
(B)式(IIa)のベンゾトリアゾール類、式(IIb)の2−ヒドロキシベンゾフェノン類、式(IIc)のオキサルアニリド類、式(IId)の2−ヒドロキシフェニルトリアジン類、式(IIe)のシンナマート類及び式(IIf)のベンゾアート類:
【化111】


(式中、T1は、水素、C1〜C18アルキル、又はフェニルで置換されているC1〜C18アルキルであるか、或いは
1は下記式:
【化112】


の基であり;
1は、二価基、例えば−(CH2n−であり、ここでnは1〜8の範囲であり;
2は、水素、C1〜C18アルキル、又はCOOT5、C1〜C18アルコキシ、ヒドロキシ、フェニル若しくはC2〜C18アシルオキシで置換されているC1〜C18アルキルであり;
3は、水素、ハロゲン、C1〜C18アルキル、C1〜C18アルコキシ、C2〜C18アシルオキシ、フェニル、又は炭素原子1〜12個のペルフルオロアルキルであり;
5は、C1〜C18アルキルであるか、或いは1個以上のOで中断されている、及び/又はOH若しくは下記の基:
【化113】


で置換されているC4〜C50アルキルである);
【化114】


(式中、
1、G2及びG3は、独立して、水素、ヒドロキシ又はC1〜C18アルコキシである);
【化115】


(式中、
4、G5、G6及びG7は、独立して、水素、C1〜C12アルキル又はC1〜C12アルコキシアである);
【化116】


(式中、
8は、C1〜C18アルキルであるか、或いはCOO若しくはOCO若しくはOで中断されているか、又はOで中断され、そしてOHで置換されているC4〜C18アルキルであり;
9、G10、G11及びG12は、独立して、水素、メチル、ヒドロキシ又はOG8である);
【化117】


(式中、
mは、1〜4の整数であり;
15は、、水素又はフェニルであり;
nが1の場合、G16はCOO−G19であり;
nが2の場合、G16はC2〜C12アルカン−ジオキシカルボニルであり;
nが3の場合、G16はC3〜C12アルカン−トリオキシカルボニルであり;
nが4の場合、G16はC4〜C12アルカン−テトラオキシカルボニルであり;
17は、水素、CN又はCOO−G19であり;
18は、水素又はメトキシであり;
19はC1〜C18アルキルである);
【化118】


(式中、
kは、1又は2であり;
kが1の場合、G20は、C1〜C18アルキル、フェニル又はC1〜C12アルキルで置換されているフェニルであり、そしてG21は、水素であり;
kが2の場合、G20及びG21は、一緒になって四価基:
【化119】


であり;
22及びG24は、独立して水素又はC1〜C8アルキルであり;
23は、水素又はヒドロキシである)
から選択される化合物
(但し、成分(B)が、G9、G10、G11又はG12がメチルである式(IId)の2−ヒドロキシフェニルトリアジンを含む場合、式(I)のRは、(CH2−CH2−O−)n−R2である)
を含む組成物。
【請求項2】
成分(B)が、化合物(i)〜(xlv):
i.2−(3′,5′−ジ−tert−ブチル−2′−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、
ii.2−(3′,5′−ジ−tert−アミル−2′−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、
iii.2−(3′,5′−ビス(α,α−ジメチルベンジル)−2′−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、
iv.2−(3′−tert−ブチル−2′−ヒドロキシ−5′−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、
v.2,2′−メチレン−ビス〔4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−ベンゾトリアゾール−2−イルフェノール〕、
vi.2−〔3′−tert−ブチル−5′−(2−メトキシカルボニルエチル)−2′−ヒドロキシフェニル〕−2H−ベンゾトリアゾールとポリエチレングリコール300のエステル交換生成物、
vii.2−〔2′−ヒドロキシ−3′−(α,α−ジメチルベンジル)−5′−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、
viii.5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−tert−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、
ix.2−(2′−ヒドロキシ−5′−(2−ヒドロキシエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、
x.2−(2′−ヒドロキシ−5′−(2−メタクリロイルオキシエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、
xi.2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−4−アルキルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン(ここで、アルキルはC8−アルキル基の混合物である)、
xii.2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、
xiii.2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−〔α−エチルヘキサノイルオキシエチル〕フェニル)−1,3,5−トリアジン、
xiv.2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−ブチルオキシフェニル)−6−(2,4−ビス−ブチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、
xv.2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−〔1−エトキシカルボニルエトキシ〕フェニル)−1,3,5−トリアジン、
xvi.トリス(2,4−ジヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジンとα−クロロプロピオン酸エステル(C7〜C9アルコールの異性体混合物から製造)の混合物との反応生成物、
xvii.2−〔4−(ドデシルオキシ/トリデシルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)−2−ヒドロキシフェニル〕−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)1,3,5−トリアジン、
xviii.2−{2−ヒドロキシ−4−〔3−(2−エチルヘキシル−1−オキシ)−2−ヒドロキシプロピルオキシ〕フェニル}−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、
xix.2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシフェニル)−4−6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、
xx.2−(3′−tert.ブチル−5′−メチル−2′−ヒドロキシフェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、
xxi.2−(3′−sec.ブチル−5′−tert.ブチル−2′−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、
xxii.2−(3′,5′−ジ−tert−ブチル−2′−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、
xxiii.2−(5′−tert.オクチル−2′−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、
xxiv.2−(3′−ドデシル−5′−メチル−2′−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、
xxv.2−(3′−tert.ブチル−5′−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)−2′−ヒドロキシフェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、
xxvi.2−(5′−メチル−2′−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、
xxvii.2−(5′−tert.ブチル−2′−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、
xxx.下記式:
【化120】


の化合物、
xxxi.下記式:
【化121】


の化合物、
xxxii.2−エチルヘキシル−p−メトキシシンナマート、
xxxiii.2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、
xxxiv.2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、
xxxv.2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、
xxxvi.2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン、
xxxvii.2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、
xxxviii.下記式:
【化122】


の化合物、
xxxix.下記式:
【化123】


の化合物、
xl.下記式:
【化124】


の化合物、
xli.下記式:
【化125】


の化合物、
xlii.下記式:
【化126】


の化合物、
xliii.下記式:
【化127】


の化合物、
xliv.下記式:
【化128】


の化合物、
xlv.下記式:
【化129】


の化合物
(但し、成分(B)が化合物xi、xii、xvii又はxviiiを含む場合、式(I)のRは、(CH2−CH2−O−)n−R2である)
から選択される、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
成分(A)が、Rが非中断であり、分岐鎖状若しくは非分岐鎖状であるC7〜C13アルキル鎖を含む式(I)の化合物から選択され、そして成分(B)が、式(IIa)のベンゾトリアゾール類及び式(IIb)の2−ヒドロキシベンゾフェノン類から選択される、請求項1記載の組成物。
【請求項4】
成分(A)が、化合物類:
(A1)2−{2−ヒドロキシ−4−〔1−オクチルオキシカルボニルエトキシ〕フェニル}−4,6−ビス(4−フェニルフェニル)−1,3,5−トリアジン、及び/又は
(A2)2−(2−ヒドロキシ−4−(2−エチルヘキシル)オキシ)フェニル−4,6−ビス(4−フェニル)フェニル−1,3,5−トリアジン
から選択される、請求項2記載の組成物。
【請求項5】
成分(A)が化合物(A1)であり、そして成分(B)が、化合物類 i−iv、vi−xi、xiii−xviii、xx、xxiii−xxxixから選択される、請求項4記載の組成物。
【請求項6】
成分(A)が化合物(A2)であり、そして成分(B)が、化合物類 i−viii、xii、xiii、xix−xxiii、xxv−xxvii、xxx−xxxvi、xl−xlvから選択される、請求項4記載の組成物。
【請求項7】
可塑剤、潤滑剤、乳化剤、顔料、レオロジー添加剤、触媒、流量調整剤、光増白剤、更なる光安定剤、酸化防止剤、清澄剤、防炎加工剤、帯電防止剤、ベンゾオキサジノンUV吸収剤、発泡剤及びチオ相乗剤から選択される更なる添加剤を含む、請求項1記載の組成物。
【請求項8】
立体障害アミン安定剤から選択される更なる添加剤を含む、請求項7記載の組成物。
【請求項9】
成分(A)及び(B)を、(A)1部:(B)20部から(A)10部:(B)1部の範囲の重量比で含む、請求項1記載の組成物。
【請求項10】
(a)有機材料及び
(b)光、酸素及び/若しくは熱の作用に対する安定剤又は保護剤、或いは紫外線フィルター剤として、請求項1記載の化合物(A)及び化合物(B)
を含む組成物。
【請求項11】
有機材料が、熱可塑性ポリマー、被覆組成物の架橋性結合剤、架橋被覆物、染料若しくはプリントインク、又はカラー写真用材料である、請求項10記載の組成物。
【請求項12】
成分(a)の有機材料が熱可塑性ポリマーから選択され、そして、成分(b)が、化合物(A2)と、化合物類 i−x、xii、xiii、xix−xxiii、xxv−xxvii、xxx−xxxvi及びxl−xlvから選択される化合物(B)の組み合わせである、請求項10記載の組成物。
【請求項13】
成分(a)の有機材料が、被覆組成物の架橋性結合剤、架橋被覆物、染料若しくはプリントインク、又はカラー写真用材料から選択され、そして成分(b)が、化合物(A1)と、化合物類 i−iv、vi−xi、xiii−xviii、xx、xxiii−xxvii、xxx−xxxixから選択される化合物(B)の組み合わせである、請求項10記載の組成物。
【請求項14】
成分(b)及び場合により更なる安定剤が、成分(a)に対して0.01〜10重量%の量で存在する、請求項10記載の組成物。
【請求項15】
成形品、回転成形品、射出成形品、吹込成形品、フィルム、テープ、単繊維物、繊維、不織布、断面材、接着剤又はパテ、表面被覆である、請求項10記載の組成物。
【請求項16】
光、酸素及び/又は熱による損傷に対して、有機材料を安定化する方法であって、前記材料に請求項1記載の組成物を加えるか、又は塗布することを含む方法。
【請求項17】
光、酸素及び/又は熱による損傷に対して、有機材料を安定化するための、請求項1記載の組成物の使用。

【公開番号】特開2010−270336(P2010−270336A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−160157(P2010−160157)
【出願日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【分割の表示】特願2004−540677(P2004−540677)の分割
【原出願日】平成15年9月23日(2003.9.23)
【出願人】(396023948)チバ ホールディング インコーポレーテッド (530)
【氏名又は名称原語表記】Ciba Holding Inc.