説明

UV吸収性化合物

本発明は新規な高効率のUV吸収性化合物、それらの製造方法及びこれらのUV吸収性化合物の使用に関する。UV吸収性化合物は特に式(VI)又は(VII)のUV−A吸収性化合物である:
CH−N(R17)−(CR−N(R17)CH
(VI)
N{(R173−n[(CR−N(R17)−CH
(VII)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、日焼け止め組成物及び他の化粧用途におけるUV吸収性化合物及びそれらの使用の分野におけるものである。
【背景技術】
【0002】
皮膚をUV光に曝すことの有害な影響は多岐にわたり、先行技術においてよく実証されている。特に、UV−B線(波長約290〜約315nm)が紅斑性疾患又は日焼けを起こす一方、UV−A線(波長約315〜約400nm)が光毒性及び光化学反応を起こすことはよく知られている。
【0003】
有機UV吸収性化合物を日焼け止め用途に用いることも広く知られている。有機UV吸収性化合物の欠点は、それらの水溶性が低いことである。疎水性UV吸収性化合物は、有機溶媒と併用した場合もしない場合も、いわゆる角質層を通過することができ、血流に進入する危険を伴う。
【0004】
多くの有機UV吸収性化合物のさらなる欠点は、それらがUV光下で不安定であり、分解しやすいということである。UV曝露は光化学反応を起こすことがあり、それがUV吸収性化合物を崩壊させ、それにより時間とともにUV線からの保護が低減する。
【0005】
米国特許第4,045,229号明細書には、支持体と、線感受性の銀ハライドエマルジョン層と、UV吸収性1−アミノ−4−シアノ−1,3−ブタジエン化合物とを含む写真要素が開示されている。
【0006】
米国特許第4,839,160号明細書には、C−C12アルコキシ鎖を有するベンジリデンノボルナノン単位のUV吸収性ポリマーを含む、UV線から皮膚を保護するための化粧品配合物が開示されている。
【0007】
酸素又は窒素原子を通じてポリアクリル酸主鎖に結合されたUV−A及びUV−B吸収性化合物が、国際公開第2001/08647号パンフレットによって知られている。これらの生成物は実質的に不溶性の粒子であり、担体とともに製剤化されて日焼け止め組成物とされており、この担体は実質的に不溶性の粒子に吸収されて、日焼け止め組成物の屈折率を変化させ、日焼け止め組成物を皮膚に対して基本的に透明なものとすることができる。担体として、トコフェロール又はその機能的類似体若しくは誘導体、植物油、鉱油又はシリコーンオイル等の油性の(すなわち高度に疎水性の)成分が用いられており、これは皮膚に浸透する危険を増大させる。
【0008】
国際公開第2000/065142号パンフレットには、ポリマーを布地の繊維に付着させることによってUV線から布地材料を保護するための広範囲のUV吸収性を有するポリマーが開示されている。しかし、国際公開第2000/065142号パンフレットには日焼け止め組成物に関しては述べられていない。
【0009】
仏国特許出願公開第2,757,389号明細書には、日焼け止め製剤におけるUV吸収性化合物及び超分岐状又は樹状ポリマーの併用が開示されている。
【0010】
国際公開第2004/006878号パンフレットには、化粧用途、特に日焼け止め製剤用のメロシアニン誘導体が開示されている。
【0011】
国際公開第2004/075871号パンフレットには、たとえばアミノブタジエンと遊離アミノ基を有するポリマーとを結合することによって得られる生成物を含むUV−A線からの保護のための化粧組成物が開示されている。
【0012】
国際公開第2005/058269号パンフレットには、UV−A吸収剤としてのメロシアニン化合物が開示されている。これらの化合物は溶解した形態及び微粉化された状態の両方で用いることができる。
【0013】
国際公開第2006/003094号パンフレットには、UV−A線の損傷的影響からヒトの毛髪及び皮膚を保護するためのメロシアニン誘導体及びそのオリゴマーが開示されている。
【0014】
国際公開第2006/009451号パンフレットには、デンドリマー−アミノブタジエン系UV−A保護製品が開示されている。
【0015】
国際公開第2006/032741号パンフレットには、シランメロシアニンスルホン誘導体、このシランメロシアニンスルホン誘導体を含む組成物、及びUV保護製品としてのこれらの組成物の使用が開示されている。
【0016】
国際公開第2006/125676号パンフレットには、UV−A保護ジベンゾイルメタン化合物をメロシアニンスルホン誘導体と結合することによるジベンゾイルメタン化合物の光化学的安定性を改善するための方法及びUV−A保護ジベンゾイルメタン化合物とメロシアニンスルホン誘導体とを含む組成物が開示されている。
【0017】
欧州特許出願公開第1,728,501 A1号には、ポリペプチドに結合した少なくとも1つのUV−A光保護フィルター、少なくとも1つのUV−B光保護フィルター、及び/又は広帯域フィルターを含む化粧製剤が開示されている。
【0018】
国際公開第2006/016806号パンフレットには、化粧組成物中におけるUV−A吸収性化合物の使用が開示されている。
【0019】
国際公開第2007/014848号パンフレットには、ボディケア用品及び家庭用品を光分解及び酸化的分解から保護するためのメロシアニン誘導体及びそのオリゴマーの使用が開示されている。
【0020】
国際公開第2007/071582号パンフレットには、ボディケア用品及び家庭用品をUV線の有害な影響から保護するためのメロシアニン誘導体の使用が開示されている。
【0021】
これらの試みに関わらず、UV線を吸収することによって日光に対する充分な直接的保護を提供する一方、皮膚を通して実質的に浸透しないUV吸収性成分が依然として求められている。可視光線に実質的に透明なUV吸収性成分も求められている。さらに、熱及びUV光に安定であり、化粧組成物に用いられる成分によく溶解又は分散するUV吸収性成分が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0022】
【特許文献1】米国特許第4,045,229号明細書
【特許文献2】米国特許第4,839,160号明細書
【特許文献3】国際公開第2001/08647号パンフレット
【特許文献4】国際公開第2000/065142号パンフレット
【特許文献5】仏国特許第A2,757,389号明細書
【特許文献6】国際公開第2004/006878号パンフレット
【特許文献7】国際公開第2004/075871号パンフレット
【特許文献8】国際公開第2005/058269号パンフレット
【特許文献9】国際公開第2006/003094号パンフレット
【特許文献10】国際公開第2006/009451号パンフレット
【特許文献11】国際公開第2006/032741号パンフレット
【特許文献12】国際公開第2006/125676号パンフレット
【特許文献13】欧州特許公開第1,728,501 A1号
【特許文献14】国際公開第2006/016806号パンフレット
【特許文献15】国際公開第2007/014848号パンフレット
【特許文献16】国際公開第2007/071582号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
本発明の目的は、新規な高効率のUV吸収性化合物を提供することである。
【0024】
本発明のさらなる目的は、エマルジョン安定性の問題を生じることなく、容易に日焼け止め組成物に製剤化することができるUV吸収性化合物を提供することである。
【0025】
本発明のさらなる目的は、可視光領域(すなわち約400nm超で約800nmまで)において実質的に透明なUV吸収性化合物を含む日焼け止め組成物を提供することである。
【0026】
本発明の別の目的は、高濃度で適用でき、熱及び/又はUV光によって誘起される分解に対して実質的に安定なUV吸収性化合物を含む日焼け止め組成物を提供することである。
【0027】
本発明の別の目的は、実質的に皮膚に浸透せず、それにより望ましくない、特に免疫原又はアレルギー副作用のリスクを最小化するUV吸収性化合物を含む日焼け止め組成物を提供することである。
【0028】
本発明のさらなる目的は、化粧オイル等の化粧成分に対して高い溶解性又は分散性を有するUV吸収性化合物を提供することである。
【0029】
本発明の別の目的は、上に列挙した有利な性質を有するUV吸収性化合物の調製のための方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0030】
したがって本発明は、UV吸収性化合物の調製のための方法に関し、ここで:
(a)式(I)のポリアミン:
NH3−n[(CRm−NH
(I)
(式中、
n=1〜3、
m=2〜12であり、
各Rは、独立に、水素原子、C−Cアルキル基又はC−Cアルコキシ基から選択される)
をアルデヒドR−C(O)H(式中、Rは、水素原子、C−C20アルキル基、C−C20アルケニル基、C−C20アルキニル基、C−C20アリール基及び式−(CR18NHCHの基からなる群から選択され、式中、o=1〜11であり、各R18は、独立に、水素原子、C−Cアルキル基又はC−Cアルコキシ基から選択され、Rは、水素原子、C−C20アルキル基、C−C20アリール基又は式−(CR18NHCHの基であり、式中、p=1〜11であり、R18は上で定義される通りであり、Rは、水素原子、C−C20アルキル基、C−C20アリール基又は式−(CR18NHCHの基であり、式中、q=1〜11であり、R18は上で定義される通りであり、Rは、水素原子、C−C20アルキル基又はC−C20アリール基である)と反応させ;好ましくはその後に還元ステップを行い、
式(II)のポリアミン(n=2又は3)
NH3−n[(CR−NH−CH
(II)
又は式(III)のポリアミン(n=1)
CH−NH−(CR−NH−CH
(III)
を形成し、
(b)式(II)のポリアミン又は式(III)のポリアミンを式(IV)のアミノブタジエン誘導体
【0031】
【化1】

【0032】
(式中、
及びRは、独立に、−CN、−C(O)OH、−C(O)OR11、−C(O)R11及び−S(O)R11からなる群から選択され、式中、R11はC−C20アリール基又はC−C25アルキル基であり、一実施形態においてはC−C25アルキル基は1又は複数のヘテロ原子含有基によって置換されていてもよく、ヘテロ原子は、O、N、S及びSiから選択され、式中、2つのR11基はR11基がC−C25アルキル基である場合には環構造を形成していてもよく、該環構造は5〜7員環構造であり、ヘテロ原子を含んでいてもよく、該ヘテロ原子は、N、O及びS、及び/又はオキソ基からなる群から選択され;
、R及びR10は、独立に、水素、C−C20アルキル基、C−C20アルケニル基、C−C20アルキニル基、C−C20アリールアルキル基、−CN、−OR12、−SR12及び−N(R1213)からなる群から選択され、式中、R12及びR13は、独立に、水素、C−C20アルキル基及びC−C20アリール基からなる群から選択され、式中、R及びR、R及びR10又はR及びR10は環構造を形成していてもよく、該環構造はヘテロ原子を含んでいてもよく、該ヘテロ原子は、N、O及びS、及び/又はオキソ基からなる群から選択され;
14は置換されていてもよいC−C20アリール基、好ましくはC−C12アリール基から選択され、ここで置換基は好ましくはニトロ、ヒドロキシ、シアノ、C−Cアルコキシ、C−C20(好ましくはC−C14)アルキル、ハライド、カルボキシ及びアミノからなる群から選択され;
15は−C(O)R16及び−S(O)R16から選択され、式中、R16はC−C20アルキルである)と反応させる。
【0033】
本方法において必要であれば、複数の式(IV)のアミノブタジエン誘導体を用いてもよい(置換基R、R、R、R及び/又はR10が異なる化合物の混合物;たとえば合成上の理由で必要であれば、置換基R14及びR15も混合物を構成してもよい)。
【0034】
本発明はまた、UV吸収性化合物それ自体及びこれらの化合物を含む混合物に関する。
【0035】
本発明はさらに、UV吸収性化合物の化粧用途、特に日焼け止め製剤のための使用に関する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明による化合物の代表的な吸収スペクトルを示す。
【図2】皮膚浸透試験装置の図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
定義
本明細書並びに特許請求の範囲及びその活用において用いられる動詞「含む」は、その非制限的な意味において用いられ、その語に続く事項が含まれるが、特に言及されていない事項は除外されていないことを意味する。さらに、不定冠詞「a」又は「an」による要素への言及は、1つ且つただ1つの要素が存在することが文脈によって明らかに要求されている場合を除き、複数の要素が存在する可能性を除外しない。したがって不定冠詞「a」又は「an」は、通常「少なくとも1つの」を意味する。
【0038】
本書面において、用語「アルキルアリール基」及び「アリールアルキル基」はヒドロカルビル基を意味し、ここで炭素原子数はアルキル及びアリール基の両方の炭素原子を指す。さらに、「アルキルアリール基」は1又は複数のアルキル基で置換されたアリール基を意味する一方、「アリールアルキル基」は1又は複数のアリール基で置換されたアルキル基を意味する。アルキルアリール基のよく知られた例はトリル基及びキシリル基であり、アリールアルキル基のよく知られた例はベンジル基及びジフェニルメチル基である。アルキルアリール基及びアリールアルキル基は、好ましくはヘテロ原子含有基で、さらに置換されていてもよい。ここでヘテロ原子は好ましくはハライド、O、N及びSから選択される。そのような置換基のよく知られた例には、−CN、−OH、−OCH、−NH、−NMeH、−NO、−Cl、−Br、−I及び−SHが含まれる。置換基はまたアルキル基又はアリール基であってよく、たとえばC16アリールアルキル基はたとえばジフェニルブチル基、アルキル置換ジフェニルメチル基、たとえば1−(3−メチル,4−メトキシ−フェニル)−1−(3,4−ジメチルフェニル)−メチル又はアルキル基で置換されていてもよいフェニル基で置換されたアルキル基、たとえば2−(2,3,5−トリメチルフェニル)−3−メチル−5−クロロ−ヘキシルであってよい。
【0039】
「アリール基」は一般に単環又は多環芳香族ヒドロカルビル基を指す。さらに本書面において、用語「アルキル」、「アルケニル」、「アルキニル」、アルコキシ等は、直鎖状、分岐状又は環状であってよい飽和及び不飽和脂肪族ヒドロカルビル基を指す。さらに、アルケニル基及びアルキニル基は、複数の炭素−炭素二重結合及び/又は三重結合を含んでもよい。明らかに、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ基等は、好ましくはヘテロ原子含有基でさらに置換されていてもよく、ここでヘテロ原子は好ましくはハライド、O、N、S及びSiから選択される。
【0040】
また本書面において、環構造は4〜8員環構造、好ましくは5〜7員環構造として理解されるべきであり、該環構造は環構造中にヘテロ原子を含んでいてもよく、該ヘテロ原子は好ましくは、O、N及びSから選択される。環構造はまた、好ましくはヘテロ原子含有基でさらに置換されていてもよく、ここでヘテロ原子は好ましくは、O、N及びSから選択され、又は環構造はオキソ基(=O)を含んでいてもよい。
【0041】
本方法の好ましい実施形態
一般論としては、本発明による方法は基本的に、少なくとも2つの2級アミン基を有する化合物と、2級アミン基に対して反応性のあるアミノブタジエン誘導体との反応を含む。本方法において、全ての2級アミン基は変換される一方、3級アミン基はいずれも影響されないことが好ましい。好ましいアミノブタジエン誘導体は、式(IV)のアミノブタジエン誘導体である。
【0042】
【化2】

【0043】
式中、
及びRは、独立に、−CN、−C(O)OH、−C(O)OR11、−C(O)R11及び−S(O)R11からなる群から選択され、式中、R11はC−C20アリール基又はC−C25アルキル基であり、一実施形態においてはC−C25アルキル基は1又は複数のヘテロ原子含有基によって置換されていてもよく、ヘテロ原子は、O、N、S及びSiから選択され、式中、2つのR11基はR11基がC−C25アルキル基である場合には環構造を形成していてもよく、該環構造は5〜7員環構造であり、ヘテロ原子を含んでいてもよく、該ヘテロ原子は、N、O及びS、及び/又はオキソ基からなる群から選択され;
、R及びR10は、独立に、水素、C−C20アルキル基、C−C20アルケニル基、C−C20アルキニル基、C−C20アリールアルキル基、−CN、−OR12、−SR12及び−N(R1213)からなる群から選択され、式中、R12及びR13は、独立に、水素、C−C20アルキル基及びC−C20アリール基からなる群から選択され、式中、R及びR、R及びR10又はR及びR10は環構造を形成していてもよく、該環構造はヘテロ原子を含んでいてもよく、該ヘテロ原子は、N、O及びS、及び/又はオキソ基からなる群から選択され;
14は置換されていてもよいC−C20アリール基、好ましくはC−C12アリール基から選択され、ここで置換基は好ましくはニトロ、ヒドロキシ、シアノ、C−Cアルコキシ、C−C20(好ましくはC−C14)アルキル、ハライド、カルボキシ及びアミノからなる群から選択され;
15は−C(O)R16及び−S(O)R16から選択され、式中、R16はC−C20アルキルである。
【0044】
置換基R14及びR15は、式(II)又は式(III)のポリアミンとの反応において良好な脱離基を形成するように好ましくは選択される。適当な置換基は、たとえばR14についてはフェニル又は置換フェニル基であり、R15についてはアセチル基である。
【0045】
、R又はR10が−N(R1213)基である場合には、R12及びR13は両方が水素ではないことが好ましい。
【0046】
したがって、本発明はUV吸収性化合物の調製のための方法に関し、ここで式(I)のポリアミン:
NH3−n[(CR)m−NH
(I)
(式中、
n=1〜3、
m=2〜12であり、
各Rは、独立に、水素原子、C−Cアルキル基又はC−Cアルコキシ基から選択される)
をアルデヒドR−C(O)H
(式中、Rは、水素原子、C−C20アルキル基、C−C20アルケニル基、C−C20アルキニル基、C−C20アリール基及び式−(CR18NHCHの基からなる群から選択され、式中、o=1〜11であり、各R18は、独立に、水素原子、C−Cアルキル基又はC−Cアルコキシ基から選択され、Rは、水素原子、C−C20アルキル基、C−C20アリール基又は式−(CR18NHCHの基であり、式中、p=1〜11であり、R18は上で定義される通りであり、Rは、水素原子、C−C20アルキル基、C−C20アリール基又は式−(CR18NHCHの基であり、式中、q=1〜11であり、R18は上で定義される通りであり、Rは、水素原子、C−C20アルキル基又はC−C20アリール基である)と反応させ;好ましくはその後に還元ステップを行い、
式(II)のポリアミン(n=2又は3)
NH3−n[(CR−NH−CH
(II)
又は式(III)のポリアミン(n=1)
CH−NH−(CR−NH−CH
(III)
を形成し、
続いて式(II)のポリアミン又は式(III)のポリアミンを上記の式(IV)のアミノブタジエン誘導体と反応させる。
【0047】
最も好ましいものは式(V)のアミノブタジエン誘導体であり、式中、R、R、R、R及びR10は上で定義される通りである。
【0048】
【化3】

【0049】
アミノブタジエン誘導体は、たとえば米国特許第4,551,420号明細書、米国特許第4,719,166号明細書、米国特許第4,195,999号明細書、米国特許第4,045,229号明細書、国際公開第2007/071582号パンフレット、国際公開第2002/034710号パンフレット、米国特許公開第2003/0181483号明細書及び特開2003−277348号公報に記載された先行技術に記載されたように合成してよい。これらの内容は参照により本明細書に組み込まれる。式(I)のポリアミンはたとえば米国特許第4,895,840号明細書、国際公開第2005/092282号パンフレット及びR. Moors et al, Chem. Ber., 126, 2133-2135, 1993に記載されたように調製してよい。これらは全て参照により本明細書に組み込まれる。多くのポリアミンは市販されている。
【0050】
少なくとも2つの2級アミン基を有する化合物がまた1又は複数の1級アミン基を含む場合、後者はまた最初に1級アミン基と相補的に反応性のある反応性基を有する化合物で変換することができる。しかし、少なくとも2つの2級アミン基を有する化合物がまた1又は複数の1級アミン基を含む場合、この化合物は1級アミン基と相補的に反応性のある反応性基を有する化合物で変換されることが好ましい。次いで、1級アミン基と相補的に反応性のあるこの化合物は、1級アミン基の変換を充分に選択的にするために充分に嵩高いか、必要な嵩高さを提供するために充分に置換されていることが好ましい。
【0051】
したがって、その最も広い態様において、本発明はUV吸収性化合物の調製のための方法に関し、ここで、アミン基の合計が2〜12の範囲にある、少なくとも2つの1級又は2級アミン基を有するポリアミンは、第1ステップにおいて1級アミン基と相補的に反応性のある反応性基を有する化合物と反応させてもよく、該化合物は1級アミン基と相補的に反応性のある反応性基を有する式R−C(O)Hの化合物であり(式中、Rは、水素原子、C−C20アルキル基、C−C20アルケニル基、C−C20アルキニル基、C−C20アリール基及び式−(CR18NHCHの基からなる群から選択され、式中、o=1〜11であり、各R18は、独立に、水素原子、C−Cアルキル基又はC−Cアルコキシ基から選択され、Rは、水素原子、C−C20アルキル基、C−C20アリール基又は式−(CR18NHCHの基であり、式中、p=1〜11であり、各R18は上で定義される通りであり、Rは、水素原子、C−C20アルキル基、C−C20アリール基又は式−(CR18NHCHの基であり、式中、q=1〜11であり、各R18は上で定義される通りであり、Rは、水素原子、C−C20アルキル基又はC−C20アリール基である)、少なくとも2つの2級アミン基を有する置換ポリアミンを形成し;少なくとも2つの2級アミン基を有する置換ポリアミンを、2級アミン基と反応性のあるアミノブタジエン誘導体と反応させる。上で開示されるように、アミノブタジエン誘導体は式(IV)の化合物、最も好ましくは式(V)の化合物であることが好ましい。さらに、全ての2級アミンが変換され、3級アミン基のいずれも変換されないことが好ましい。
【0052】
第1ステップにおいて全ての1級アミン基が2級アミン基に変換され、第2ステップにおいて全ての2級アミン基をアミノブタジエン誘導体と反応させることが好ましい。得られる化合物は好ましくは3級アミン基のみを含み、1級又は2級アミン基を含まない。1級又は2級アミン基を有する化合物は熱分解に対してはるかに低い安定性を示すことが見出された。したがって主な発明思想は全てのアミノブタジエン基のN原子が3級であるポリアミンである。安定性を向上させるためのこの重要な態様は、先行技術には開示又は示唆されていない。
【0053】
好ましくは本発明の化合物は少なくとも3つのアミノブタジエン基を含み、それにより、より高い吸光度値を達成することができる。本発明の化合物の分子量は低すぎないことが好ましい。なぜなら、小分子は皮膚に浸透する傾向があり、これは望ましくないからである。
【0054】
1級から2級アミン基への変換反応を充分に選択的にするため、反応性基、好ましくはアルデヒドR−C(O)Hは嵩高いことが好ましい。したがって、過アルキル化を防止するため、好ましい実施形態においては、RはC−C20アルキル基(好ましくはC−C20アルキル基)、C−C20アルケニル基(好ましくはC−C20アルケニル基)、C−C20アルキニル基(好ましくはC−C20アルキニル基)、C−C20アリール基及び式−(CR18NHCHの基からなる群から選択され、式中、o=1〜11であり、各R18は、独立に、水素原子、C−Cアルキル基又はC−Cアルコキシ基から選択され、Rは、水素原子、C−C20アルキル基、C−C20アリール基又は式−(CR18NHCHの基であり、式中、p=1〜11であり、各R18は上で定義される通りであり、Rは、水素原子、C−C20アルキル基、C−C20アリール基又は式−(CR18NHCHの基であり、式中、q=1〜11であり、各R18は上で定義される通りであり、Rは、水素原子、C−C20アルキル基又はC−C20アリール基である。o、p及びqの整数はより好ましくは3〜9、最も好ましくは4〜7である。
【0055】
18はより好ましくは水素である。さらにより好ましくはRはC−C20アルキル基、C−C20アルケニル基、C−C20アルキニル基及びC−C20アリール基からなる群から選択される。
【0056】
好ましくは、本発明の化合物の分子量は約600Daより大きく、好ましくは約800Daより大きい。なぜなら、低分子量の化合物は皮膚に浸透する傾向があり、これは望ましくないからである。好ましくは、本発明の化合物は少なくとも3つのアミノブタジエン基を含む。
【0057】
本発明による方法の第1の好ましい実施形態によれば、mは5〜12の範囲である。この第1の好ましい実施形態によれば、R、R、R、R、R、o、p及びqは上で定義した通りである。さらに、この第1の好ましい実施形態においてm=5〜10であることが好ましく、より好ましくは5〜8、さらにより好ましくは6〜8、最も好ましくはm=6である。
【0058】
本発明による方法の第2の好ましい実施形態によれば、mは2〜4の範囲である。この第2の好ましい実施形態によれば、R、R、R、R、o、p及びqは上で定義した通りであり、RはC−C20アルキル基、より好ましくはC−C20アルキル基、C−C20アルケニル基、より好ましくはC−C20アルケニル基、C−C20アルキニル基、より好ましくはC−C20アルキニル基、C−C20アリール基及び式−(CR18NHCHの基からなる群から選択され、式中、o=1〜11であり、各R18は、独立に、水素原子、C−Cアルキル基又はC−Cアルコキシ基から選択され、Rは、水素原子、C−C20アルキル基、C−C20アリール基又は式−(CR18NHCHの基であり、式中、p=1〜11であり、各R18は上で定義される通りであり、Rは、水素原子、C−C20アルキル基、C−C20アリール基又は式−(CR18NHCHの基であり、式中、q=1〜11であり、各R18は上で定義される通りであり、Rは、水素原子、C−C20アルキル基又はC−C20アリール基である。より好ましくは上で特定した理由によりo、p及びqは3〜9、さらにより好ましくは4〜7である。R18はより好ましくは水素である。
【0059】
本発明による方法の第1及び第2の好ましい実施形態の両方によるUV吸収性化合物の別の一般的な発明思想は、これらのUV吸収性化合物は充分な溶解性を有しなければならないということである。なぜなら、一般に用いられる成分との優れた親和性が望まれるからである。たとえば、一般に用いられるC12−C15アルキルベンゾエートオイルであるFinsolv(商標)TN等の溶媒における、本発明によるUV吸収性化合物の溶解性は考慮すべき態様である。mのより小さな整数、すなわちm=2〜4に対しては、mのより大きな整数、すなわちm=5〜12よりも溶解性が低い。しかし、mのより小さな整数、すなわちm=2〜4を選択した場合には、窒素原子の種々の置換基はより疎水的な基であることが好ましい。好ましくはR、R及び/又はRはより疎水的な基である。したがって、R及びRは好ましくは−C(O)OR11、−C(O)R11及び−S(O)R11からなる群から選択され、式中、R11はC−C20アリール基又はC−C25アルキル基であり;Rは好ましくはC−C20アルキル基、C−C20アルケニル基、C−C20アルキニル基、C−C20アリール基及び式−(CR18NHCHの基からなる群から選択され、式中、o=1〜11、好ましくはo=3〜9であり、各R18は、独立に、水素原子、C−Cアルキル基又はC−Cアルコキシ基から選択され、Rは、水素原子、C−C20アルキル基、C−C20アリール基又は式−(CR18NHCHの基であり、式中、p=1〜11、好ましくはp=3〜9であり、各R18は上で定義される通りであり、Rは、水素原子、C−C20アルキル基、C−C20アリール基又は式−(CR18NHCHの基であり、式中、q=1〜11、好ましくはq=3〜9であり、各R18は上で定義される通りであり、Rは、水素原子、C−C20アルキル基又はC−C20アリール基である。さらにより好ましくはRはC−C20アルキル基、C−C20アルケニル基、C−C20アルキニル基及びC−C20アリール基からなる群から選択される。しかし、第1の好ましい実施形態は第2の好ましい実施形態よりも好ましい。なぜなら、ポリアミンとアミノブタジエン誘導体との反応において、おそらく立体障害がより小さい結果として、より大きな整数のmにおいてより高い収率が得られることが見出されたからである。
【0060】
置換基は、好ましくは結晶及び/又は非晶形で粉末として得られる化合物を得るために選択される。ペーストは取扱いがより難しいので、ペーストはより好ましくない。したがって、本発明の化合物の融点は好ましくは20℃より高く、より好ましくは30℃より高い。結晶又は粒子の平均サイズは好ましくは20〜1000μm、より好ましくは50〜300μmである。非常に小さな結晶/粒子は一般に粘着性があり、容易に空気を汚染することがある。大きな粒子/結晶は溶解が難しい傾向があり、またより好ましくない。
【0061】
本発明の化合物の追加的な利点はそれらの透明性、好ましくは可視光に対する透明性である。化合物は殆ど無色であり、これはヒトの皮膚への適用が要求される大部分の製剤についての利点である。
【0062】
本発明による方法の第1及び第2の好ましい実施形態の両方のステップ(a)について、式(I)のポリアミンを、式(I)に存在する1級アミン基の量に対して1:1〜1:1.1の範囲のモル比でアルデヒドR−C(O)Hと反応させることが好ましい。
【0063】
本発明による方法の第1及び第2の好ましい実施形態の両方のステップ(b)について、式(II)又は式(III)のポリアミンを、式(II)又は式(III)に存在する2級アミン基の数に対して1:1〜1:1.1の範囲のモル比で式(IV)のアミノブタジエン誘導体と反応させることが好ましい。
【0064】
第1及び第2の好ましい実施形態の両方について、nは2又は3であることが好ましく、nは2であることがさらにより好ましい。RはC−C20アルキル基、C−C20アルケニル基、C−C20アルキニル基又はC−C20アリール基であることがさらに好ましく、最も好ましくはC−C20アルキル基又はC−C20アリール基である。好ましくはR、R、R及びR10は水素である。R18は好ましくは水素である。またRはS(O)R11であることが好ましく、式中、R11はC−C20アリール基、より好ましくはCアリール基である。RはC(O)OR11であることがさらに好ましく、式中、R11はC−C25アルキル基、より好ましくはC−C12、最も好ましくはC−C12アルキル基である。R14は好ましくはCアリール基であり、R15は好ましくは−C(O)CH(メチルカルボニル)である。
【0065】
本方法において必要であれば、複数の式(IV)のアミノブタジエン誘導体を用いてもよい(置換基R、R、R、R及び/又はR10が異なる化合物の混合物;たとえば合成上の理由で必要であれば、置換基R14及びR15も混合物を構成してもよい)。
【0066】
合成の第1ステップは、最も好ましくは、出発構造の1級アミンのアルデヒドとの反応及びこれに続く還元ステップによる2級アミンへの変換である。アルデヒドとの反応は任意の適当な有機溶媒中で実施することができる。特にエタノール及びイソプロパノール等の低沸点アルコールが適当である。反応は好ましくは室温で実施されるが、必要な場合には他の温度を用いてもよい。たとえば、反応性の低いアルデヒドの場合には、たとえば40℃又は60℃の高い反応温度を用いてもよい。反応時間は、成分の反応性に応じて数分から数日まで変化させることができる。アルデヒドとの反応の後、1級アミン基の量に対してたとえば1モル%〜25モル%の触媒量の、パラジウム/炭素触媒等の適当な還元触媒を反応混合物に加え、生成したイミンをアミンに変換するために水素雰囲気中で引き続き反応を実施する。触媒量は好ましくは各反応物の組合せに対して最適化されるが、充分であることが証明された1級アミン基の量に対して通常10モル%である。水素圧力は1〜50気圧で変化させることができる。反応時間は典型的には数時間単位(in the order of hours)であり、水素圧力に強く依存する。水素圧力が高ければ反応時間は短くなる。上の反応の収率は典型的には95%超と高く、比較的純粋なアミン(95%超)が得られる。必要な場合には、クロマトグラフィー、塩形成及び分離、蒸留等の方法で、アミンをさらに精製することができる。
【0067】
このようにして得られたアミンへのアミノブタジエンの結合は、最も好ましくはジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アルコール、エステル、エーテル、ケトン等の多くの適当な溶媒中で実施することができる。好ましくは、反応はエタノール及びイソプロパノール等の低沸点アルコール中で実施される。反応は化合物を劣化させず、最高の収率を与える任意の適当な温度で実施することができる。最も好ましい温度は−50℃から還流温度までの範囲である。(着色した)副生物の生成を低減するために、反応pHは重要なパラメーターである。pH6〜8が好ましい。反応のpHは緩衝液の添加によって制御することができる。緩衝液は有機又は無機であってよい。特にリン酸緩衝液及び酢酸緩衝液の組合せが有効であることが証明されてきた。反応時間は典型的には1時間から数日まで変化する。最終生成物の適当な分離方法は最終生成物(固体/ペースト)の収率(純度)及び性質に依存する。濾過、蒸発、クロマトグラフィー、結晶化、洗浄等の通常の方法を適用することができる。
【0068】
UV吸収性化合物
本発明によるUV吸収性化合物は、一般に式(VI)又は(VII)で表される。
CH−N(R17)−(CR−N(R17)CH
(VI)
N{(R173−n[(CR−N(R17)−CH
(VII)
式(VI)について、式中、
m=2〜12;
各Rは、独立に、水素原子、C−Cアルキル基又はC−Cアルコキシ基から選択され;
は、水素原子、C−C20アルキル基、C−C20アルケニル基、C−C20アルキニル基、C−C20アリール基及び式−(CR18N(R17)CHの基からなる群から選択され、式中、o=1〜11であり、各R18は、独立に、水素原子、C−Cアルキル基又はC−Cアルコキシ基から選択され、Rは、水素原子、C−C20アルキル基、C−C20アリール基又は式−(CR18N(R17)CHの基であり、式中、p=1〜11であり、各R18は上で定義される通りであり、Rは、水素原子、C−C20アルキル基、C−C20アリール基又は式−(CR18N(R17)CHの基であり、式中、q=1〜11であり、各R18は上で定義される通りであり、Rは、水素原子、C−C20アルキル基又はC−C20アリール基であり;
式中、R17は式(VIII)の置換基の群から選択され、
【0069】
【化4】

【0070】
式中、
及びRは、独立に、−C(O)OH、−C(O)OR11、−C(O)R11及び−S(O)R11からなる群から選択され、式中、R11はC−C20アリール基又はC−C25アルキル基であり、一実施形態においてはC−C25アルキル基は1又は複数のヘテロ原子含有基によって置換されていてもよく、ヘテロ原子は、O、N、S及びSiから選択され、式中、2つのR11基はR11基がC−C25アルキル基である場合には環構造を形成していてもよく、該環構造は5〜7員環構造であり、ヘテロ原子を含んでいてもよく、該ヘテロ原子は、N、O、S、及びオキソ基からなる群から選択され;
、R及びR10は、独立に、水素、C−C20アルキル基、C−C20アルケニル基、C−C20アルキニル基、C−C20アリールアルキル基、−CN、−OR12、−SR12及び−N(R1213)からなる群から選択され、式中、R12及びR13は、独立に、水素、C−C20アルキル基及びC−C20アリール基からなる群から選択され;式中、R及びR、R及びR10又はR及びR10は環構造を形成していてもよく、該環構造はヘテロ原子を含んでいてもよく、該ヘテロ原子は、N、O、S、及びオキソ基からなる群から選択される。
、R又はR10が−N(R1213)基である場合には、R12及びR13は両方が水素ではないことが好ましい。
また式(VII)について、式中、
n=2又は3;
m=2〜12;
各Rは、独立に、水素原子、C−Cアルキル基又はC−Cアルコキシ基から選択され;
は、水素原子、C−C20アルキル基、C−C20アルケニル基、C−C20アルキニル基、C−C20アリール基及び式−(CR18N(R17)CHの基からなる群から選択され、式中、o=1〜11であり、各R18は、独立に、水素原子、C−Cアルキル基又はC−Cアルコキシ基から選択され、Rは、水素原子、C−C20アルキル基、C−C20アリール基又は式−(CR18N(R17)CHの基であり、式中、p=1〜11であり、各R18は上で定義される通りであり、Rは、水素原子、C−C20アルキル基、C−C20アリール基又は式−(CR18N(R17)CHの基であり、式中、q=1〜11であり、各R18は上で定義される通りであり、Rは、水素原子、C−C20アルキル基又はC−C20アリール基であり;
式中、R17は式(VIII)の置換基の群から選択され:
【0071】
【化5】

【0072】
式中、
及びRは、独立に、−CN、−C(O)OH、−C(O)OR11、−C(O)R11及び−S(O)R11からなる群から選択され、式中、R11はC−C20アリール基又はC−C25アルキル基であり、一実施形態においてはC−C25アルキル基は1又は複数のヘテロ原子含有基によって置換されていてもよく、ヘテロ原子は、O、N、S及びSiから選択され、式中、2つのR11基はR11基がC−C25アルキル基である場合には環構造を形成していてもよく、該環構造は5〜7員環構造であり、ヘテロ原子を含んでいてもよく、該ヘテロ原子は、N、O、S、及びオキソ基からなる群から選択され;
、R及びR10は、独立に、水素、C−C20アルキル基、C−C20アルケニル基、C−C20アルキニル基、C−C20アリールアルキル基、−CN、−OR12、−SR12及び−N(R1213)からなる群から選択され、式中、R12及びR13は、独立に、水素、C−C20アルキル基及びC−C20アリール基からなる群から選択され;式中、R及びR、R及びR10又はR及びR10は環構造を形成していてもよく、該環構造はヘテロ原子を含んでいてもよく、該ヘテロ原子は、N、O、S、及びオキソ基からなる群から選択される。
、R又はR10が−N(R1213)基である場合には、R12及びR13は両方が水素ではないことが好ましい。
【0073】
化合物(VI)又は(VII)を作成する方法において式(VIII)の化合物の混合物を使用する(置換基R、R、R、R及び/又はR10が異なる)場合には、化合物の混合物が生成する。しかし通常これは好ましくない。
好ましくは本発明の化合物は少なくとも3つのアミノブタジエン基を含む。
【0074】
本発明の第1の好ましい実施形態によれば、m=5〜12である。本発明の第2の好ましい実施形態によれば、m=2〜4である。上で開示したように、第1の好ましい実施形態は、第2の好ましい実施形態よりも好ましい。
【0075】
m=2〜4の場合、第2の好ましい実施形態には、Rが水素又はC−Cアルキル基であるUV吸収性化合物は含まれないことが好ましい。したがってm=2〜4については、Rは好ましくはC−C20アルキル基、C−C20アルケニル基、C−C20アルキニル基、C−C20アリール基及び式−(CR18N(R17)CHの基からなる群から選択され、式中、o=1〜11、好ましくは3〜9であり、各R18は、独立に、水素原子、C−Cアルキル基又はC−Cアルコキシ基から選択され、RはC−C20アルキル基、好ましくはC−C20アルキル基、C−C20アリール基又は式−(CR18N(R17)CHの基であり、式中、p=1〜11、好ましくは3〜9であり、各R18は上で定義される通りであり、RはC−C20アルキル基、好ましくはC−C20アルキル基、C−C20アリール基又は式−(CR18N(R17)CHの基であり、式中、q=1〜11、好ましくは3〜9であり、各R18は上で定義される通りであり、RはC−C20アルキル基、好ましくはC−C20アルキル基、又はC−C20アリール基である。
【0076】
またm=5〜12の場合、反応収率を増大させるために、より嵩高いR基が好ましい。したがってRは好ましくはC−C20アルキル基、C−C20アルケニル基、C−C20アルキニル基、C−C20アリール基及び式−(CR18NHCHの基からなる群から選択され、式中、o=1〜11であり、各R18は、独立に、水素原子、C−Cアルキル基又はC−Cアルコキシ基から選択され、Rは、水素原子、C−C20アルキル基、C−C20アリール基又は式−(CR18NHCHの基であり、式中、p=1〜11であり、各R18は上で定義される通りであり、Rは、水素原子、C−C20アルキル基、C−C20アリール基又は式−(CR18NHCHの基であり、式中、q=1〜11であり、各R18は上で定義される通りであり、Rは、水素原子、C−C20アルキル基又はC−C20アリール基である。o、p及びqの整数はより好ましくは3〜9、最も好ましくは4〜7である。o、p及びqの小さな整数はおそらく立体効果によって低収率をもたらし、非常に高い値は構造を非常に柔軟にし、その結果、結晶形態として生成物を得ることがより困難になることがある。R18はより好ましくは水素である。さらにより好ましくは、RはC−C20アルキル基、C−C20アルケニル基、C−C20アルキニル基及びC−C20アリール基、最も好ましくはC−C20アルキル基又はC−C20アリール基からなる群から選択される。
【0077】
式(VII)のUV吸収性化合物の群において、nが2であることが好ましい。本発明によれば、式(VI)及び式(VII)の化合物について、mが5〜12、好ましくは5〜10、より好ましくは5〜8、さらにより好ましくは6〜8、最も好ましくはm=6が好ましい。またR、R、R及びR10は水素であることが好ましい。R18は好ましくは水素である。またRはS(O)R11であることが好ましく、式中、R11はC−C20アリール基、最も好ましくはCアリール基である。RはC(O)OR11であることがさらに好ましく、式中、R11はC−C25アルキル基であり、より好ましくはC−C12アルキル基又はC−C25アルキル基、最も好ましくはCアルキル基である。最後に、RはC−C20アルキル基、C−C20アルケニル基、C−C20アルキニル基又はC−C20アリール基であることが好ましく、さらに好ましくはC−C20アルキル基又はC−C20アリール基、さらにより好ましくはC−C12アリール基、最も好ましくはCアリール基である。
【0078】
或いは、本発明のある化合物は、アミノブタジエン誘導体を式(IX)のポリアミンに結合させることによって調製してもよい。
CHNH(CR[NH(CRNHCH
(IX)
式中、mは2〜12、rは1〜6であり、各Rは、独立に、水素原子、C−Cアルキル基又はC−Cアルコキシ基から選択され、Rは、水素原子、C−C20アルキル基、C−C20アルケニル基、C−C20アルキニル基、C−C20アリール基及び式−(CR18NHCHの基からなる群から選択され、式中、o=1〜11であり、各R18は、独立に、水素原子、C−Cアルキル基又はC−Cアルコキシ基から選択され、Rは、水素原子、C−C20アルキル基、C−C20アリール基又は式−(CR18NHCHの基であり、式中、p=1〜11であり、R18は上で定義される通りであり、Rは、水素原子、C−C20アルキル基、C−C20アリール基又は式−(CR18NHCHの基であり、式中、q=1〜11であり、R18は上で定義される通りであり、Rは、水素原子、C−C20アルキル基又はC−C20アリール基である。
【0079】
化合物(IX)は上記の方法により、式(X)のポリアミンからアルデヒドRC(O)Hとの反応によって調製することができる。
N(CR[NH(CRNH
(X)
【0080】
式(X)の市販の例はポリアミン、テトラエチレンペンタミン(Acros Organics社から入手可能なHN(CHNH(CHNH(CHNH(CHNH)である。
【0081】
得られる生成物は式(XI)で表すことができる:
CHNR17(CR[NR17(CRNR17CH
(XI)
式中、m、r、R及びRは上で定義した通りであり、R17は式(VIII)の置換基の群から選択される:
【0082】
【化6】

【0083】
式中、
及びRは、独立に、−CN、−C(O)OH、−C(O)OR11、−C(O)R11及び−S(O)R11からなる群から選択され、式中、R11はC−C20アリール基又はC−C25アルキル基であり、一実施形態においてはC−C25アルキル基は1又は複数のヘテロ原子含有基によって置換されていてもよく、ヘテロ原子は、O、N、S及びSiから選択され;式中、2つのR11基はR11基がC−C25アルキル基である場合には環構造を形成していてもよく、該環構造は5〜7員環構造であり、ヘテロ原子を含んでいてもよく、該ヘテロ原子は、N、O、S、及びオキソ基からなる群から選択され;
、R及びR10は、独立に、水素、C−C20アルキル基、C−C20アルケニル基、C−C20アルキニル基、C−C20アリールアルキル基、−CN、−OR12、−SR12及び−N(R1213)からなる群から選択され、式中、R12及びR13は、独立に、水素、C−C20アルキル基及びC−C20アリール基からなる群から選択され、式中、R及びR、R及びR10又はR及びR10は環構造を形成していてもよく、該環構造はヘテロ原子を含んでいてもよく、該ヘテロ原子は、N、O、S、及びオキソ基からなる群から選択される。
、R又はR10が−N(R1213)基である場合には、R12及びR13は両方が水素ではないことが好ましい。
好ましくはm=5〜12、より好ましくは5〜10、さらにより好ましくは5〜8、最も好ましくは6〜8である。
は好ましくは水素である。
は好ましくはC−C20アルキル基、C−C20アルケニル基、C−C20アルキニル基、C−C20アリール基及び式−(CR18N(R17)CHの基からなる群から選択され、式中、o=3〜9であり、各R18は、独立に、水素原子、C−Cアルキル基又はC−Cアルコキシ基から選択され、RはC−C20アルキル基、C−C20アリール基又は式−(CR18N(R17)CHの基であり、式中、p=3〜9であり、各R18は上で定義される通りであり、RはC−C20アルキル基、C−C20アリール基又は式−(CR18N(R17)CHの基であり、式中、q=3〜9であり、各R18は上で定義される通りであり、RはC−C20アルキル基又はC−C20アリール基である。
、R及びR10は好ましくは水素である。
18は好ましくは水素である。
及びRは好ましくは−C(O)OR11、−C(O)R11及び−S(O)R11からなる群から選択され、式中、R11はC−C20アリール基又はC−C25アルキル基である。より好ましくはRはS(O)R11であり、式中、R11はC−C20アリール基、最も好ましくはCアリール基である。RはC(O)OR11であることがさらに好ましく、式中、R11はC−C25アルキル基、より好ましくはC−C12アルキル基、最も好ましくはCアルキル基である。RはC−C20アルキル基、C−C20アルケニル基、C−C20アルキニル基又はC−C20アリール基であることがさらにより好ましく、より好ましくはC−C20アルキル基又はC−C20アリール基、さらにより好ましくはC−C12アリール基、最も好ましくはCアリール基である。
【0084】
UV吸収性化合物の使用
本発明はまた、UV線からの哺乳動物の保護、特にUV−A線からの保護のための、式(VI)、(VII)又は(XI)のUV吸収性化合物の使用に関する。
【0085】
本発明はさらに、哺乳動物をUV線、特にUV−A線から保護するための、組成物全重量に対して約0.01〜約40.重量%、好ましくは約0.5〜約20重量%、さらにより好ましくは約1.0〜約10重量%の式(VI)、(VII)又は(XI)のUV吸収性化合物を含む組成物に関する。
【0086】
本発明によるこれらの組成物は、UV−A及び/又はUV−B線のいずれかからの保護を提供する他の成分を含んでもよい。
【0087】
好ましくは、これらの組成物は本発明の化合物並びにUV−B吸収性化合物及び/又はいわゆる広帯域UV吸収性化合物を含む。さらに、これらの組成物は、ジベンゾイルメタン誘導体Parsol(商標)1789等の他のUV−A吸収性化合物を含んでもよい。
【0088】
本発明によるこれらの組成物中でUV吸収剤とともに追加的に用いることができる適当な成分は、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシルエステル等のp−アミノ安息香酸誘導体、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体、サリチル酸2−エチルヘキシルエステル等のサリチル酸誘導体、3−イミダゾ−4−イルアクリル酸及びエステル、2−エチルヘキシル2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート等のジフェニルアクリレート、ベンジリデンマロネート誘導体等のポリマー性UV吸収剤、2−(p−アミノフェニル)ベンゾフラン誘導体等のベンゾフラン誘導体、たとえば3−(4'−トリメチルアンモニウム)−ベンジリデン−ボルナン−2−オンメチルサルフェート等のカンファー誘導体、4−メトキシ桂皮酸2−エチルヘキシルエステル等の桂皮酸誘導体、2−(4'−メトキシフェニル)−4,6,(2'−ヒドロキシ−4'−n−オクチルフェニル)−1,3,5−トリアジン等のヒドロキシフェニルトリアジンUV吸収剤、欧州特許公開第1133980号及び欧州特許公開第1046391号に開示されたもの等のアミノヒドロキシ−ベンゾフェノン誘導体、欧州特許公開第1167358号に開示されたもの等のフェニル−ベンズイミダゾール誘導体、又はドイツ国特許第10331804号の4頁の表1並びに5頁の表2及び3に開示されたもの等の化合物、又は欧州特許公開第613893号の6〜8頁の実施例1〜5及び15等の化合物、又は欧州特許公開第1000950号の18〜21頁の表1に開示された化合物、又は欧州特許公開第1005855号13頁の表3に開示された化合物、又は欧州特許公開第1008586号の13〜15頁の実施例1〜3に開示された化合物、又は欧州特許公開第1008593号の4〜5頁の実施例1〜8に開示された化合物、又は欧州特許公開第1027883号の3頁に開示された化合物I〜VII、又は欧州特許公開第1028120号の5〜13頁の実施例1〜5に開示された化合物、又は欧州特許公開第1059082号の9〜11頁の実施例1及び表1に開示された化合物、又は欧州特許公開第1060734号の11〜14頁の表1〜3に開示された化合物、又は欧州特許公開第1064922号の6〜14頁に開示された化合物1〜34、又は欧州特許公開第1081140号の11〜16頁の実施例1〜9に開示された化合物、又は欧州特許公開第1103549号の39〜51頁に開示された化合物1〜76、又は欧州特許公開第1108712号に開示された化合物4,5−ジモルホリノ−3−ヒドロキシピリダジン、又は欧州特許公開第1123934号の10頁の表3に開示された化合物、又は欧州特許公開第1129695号の13〜14頁の実施例1〜7に開示された化合物、又は欧州特許公開第1167359号の11及び12頁の実施例1〜2に開示された化合物、又は欧州特許公開第1258481号の7頁の実施例1に開示された化合物、又は欧州特許公開第420707号の13頁の実施例3に開示された化合物、又は欧州特許公開第503338号の9〜10頁の表1に開示された化合物、又は欧州特許公開第517103号の6〜7頁の実施例3、4、9及び10に開示された化合物、又は欧州特許公開第517104号の表1及び2の4〜8頁の実施例1及び8に開示された化合物、欧州特許公開第626950号に開示された全ての化合物、又は欧州特許公開第669323号の5頁の実施例1〜3に開示された化合物、又は欧州特許公開第780382号の1〜11頁の実施例1〜11に開示された化合物、又は欧州特許公開第823418号の7〜8頁の実施例1〜4に開示された化合物、又は欧州特許公開第826361号の5〜6頁の表1に開示された化合物、又は欧州特許公開第823641号の7〜8頁の実施例5及び6に開示された化合物、欧州特許公開第832642号の10〜16頁の実施例22に開示された化合物、又は欧州特許公開第852137号の41〜46頁の表2に開示された化合物、又は欧州特許公開第858318号の6頁の表1に開示された化合物、又は欧州特許公開第863145号の12〜18頁の実施例1〜11に開示された化合物、又は欧州特許公開第911020号の11〜12頁の表2に開示された化合物、又は欧州特許公開第916335号の19〜41頁の表2〜4に開示された化合物、又は欧州特許公開第924246号の表2に開示された化合物、又は欧州特許公開第933376号の10〜21頁の実施例1〜15に開示された化合物、又は欧州特許公開第944624号の13〜15頁の実施例1及び2に開示された化合物、又は欧州特許公開第945125号の14〜15頁の表3に開示された化合物a及びb、又は欧州特許公開第967200号の17〜20頁の表3〜5に開示された化合物、又は欧州特許公開第969005号の6〜8頁の実施例5及び表1に開示された化合物、米国特許第5635343号明細書の5〜10頁に開示された全ての化合物、又は米国特許第5338539号明細書の3〜4頁の実施例1〜9に開示された化合物、又は米国特許第5346691号明細書の7頁の実施例40に開示され、又は8頁の表5に開示されたもの等の化合物、又は米国特許第5801244号明細書の6〜7頁の実施例1〜5に開示された化合物、又は国際公開第0149686号パンフレットの16〜21頁の実施例1〜5に開示された化合物、又は国際公開第0168047号パンフレットの85〜96頁の表に開示された化合物、又は国際公開第0181297号パンフレットの9〜11頁の実施例1〜3に開示されたもの等の化合物、又は国際公開第06003094号パンフレットの10〜26頁の表MC2aに開示された化合物、又は国際公開第0238537号パンフレットの3及び4頁に開示されたもの等の化合物、又は国際公開第9217461号パンフレットの10〜20頁の実施例1〜22に開示された化合物、又は国際公開第07071582号パンフレットの3〜5頁の表1に開示された化合物、又は国際公開第05058269号パンフレットの8〜15頁の表MC1に開示された化合物、又は国際公開第9220690号パンフレットの実施例3〜6に開示された化合物、又は国際公開第9301164号パンフレットの13〜22頁の表1〜2に開示された化合物、又は国際公開第9714680号パンフレットの10頁の実施例1〜3に開示された化合物等の、任意のUV−A及びUV−Bフィルター物質である。
【0089】
本発明のUV吸収剤とともに組成物中で追加的に用いるために非常に適切なものは以下の化合物である。
1,7,7−トリメチル−3−[フェニルメチレン]ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オン;
1,7,7−トリメチル−3−[(4−メチルフェニル)メチレン]ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オン;
(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)(4−メチルフェニル)メタノン;
2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン;
2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン;
2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン;
2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸;
2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン;
2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン;
α−(2−オキソボルン−3−イリデン)トルエン−4−スルホン酸及びその塩;
1−[4−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]−3−(4−メトキシフェニル)プロパン−1,3−ジオン(Parsol(登録商標)1789の名称で商業的に知られている);
メチル−N,N,N−トリメチル−4−[(4,7,7−トリメチル−3−オキソビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イリデン)メチル]アニリニウムスルフェート;
3,3,5−トリメチル−シクロヘキシル−2−ヒドロキシ−ベンゾエート;イソペンチルp−メトキシシンナメート;
メンチルo−アミノベンゾエート;
メンチルサリチレート;
2−エチルヘキシル2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート;
2−エチルヘキシル4−(ジメチルアミノ)ベンゾエート;
エチルヘキシル4−メトキシシンナメート;
エチルヘキシルサリチレート;
安息香酸;
4,4’,4”−(1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリイルトリイミノ)トリス、トリス(2−エチルヘキシル)エステル;
2,4,6−トリアニリノ−(p−カルボ−2’−エチルヘキシル−1’−オキシ)−1,3,5−トリアジン;
4−アミノ安息香酸;
安息香酸、4−アミノ−、エチルエステル、オキシランを有するポリマー;
2−フェニル−1H−ベンジミザドール−5−スルホン酸;
トリエタノールアミンサリチレート;
3,3’−(1,4−フェニレンジメチレン)ビス[7,7−ジメチル−2−オキソ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−メタンスルホン酸];
二酸化チタン;
酸化亜鉛;
2,2’−メチレン−ビス[(6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチル−ブチル)−フェノール];2,4−ビス{[4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ]−フェニル}−6−(4−メトキシ−フェニル)−1,3,5−トリアジン;
安息香酸、4,4”−[[6−[[4−[[(1,1−ジメチルエチル)アミノ]カルボニル]フェニル]アミノ]1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル]ジイミノ]ビス−、ビス(2−エチルヘキシル)エステル;
フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−[2−メチル−3−[1,3,3,3,テトラメチル−1−[(トリメチルシリル)オキシ]シロキサニル]プロピル];
ジメチコジエチルベンザルマロネート;
ベンゼンスルホン酸、3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシ−5−(1−メチルプロピル)−一ナトリウム塩;
安息香酸、2−[4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンゾイル]−、ヘキシルエステル;
1−ドデカンアミニウム、N−[3−[[4−ジメチルアミノ)ベンゾイル]アミノ]プロピル]−N,N−ジメチル、4−メチルベンゼンスルホン酸との1:1の塩;
1−プロパンアミニウム,N,N,N−トリメチル−3−[(1−オキソ−3−フェニル−2−プロペニル)−アミノ]−、クロリド;
1H−ベンゾイミダゾール−4,6−ジスルホン酸、2,2’−(1,4−フェニレン)ビス−;
1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(4−メトキシフェニル)−;
1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス[4−(2−エチルヘキシル)オキシ]フェニル]−;
1−プロパンアミニウム、3−[[3−[3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]−1−オキソプロピル]アミノ]−N,N−ジエチル−N−メチル−、メチルスルフェート(塩);
2−プロペン酸、3−(1H−イミダゾール−4−イル)−;
安息香酸、2−ヒドロキシ−、[4−(1−メチルエチル)フェニル]メチルエステル;
1,2,3−プロパントリオール、1−(4−アミノベンゾエート);
ベンゼン酢酸、3,4−ジメトキシ−α−オキソ;
2−プロペン酸、2−シアノ−3,3−ジフェニル−、エチルエステル;
アントラニル酸、p−メンタ−3−イルエステル;
2,2’−ビス(1,4−フェニレン)−1H−ベンゾイミダゾール−4,6−ジスルホン酸一ナトリウム塩又は二ナトリウムフェニルジベンゾイミダゾールテトラスルホネート。
【0090】
最も好ましくは、UV光からの完全な保護を得るために、本発明の化合物を他のUV吸収剤と混合する。特に、1又は複数のUV−B及び/又は広帯域吸収剤との組合せは、広範囲のUV保護を提供するために有益である。1又は複数のUV−A吸収剤との組合せも、各UV−A吸収剤の濃度を低減し、起こり得る健康への有害な影響をそれによって低減するために有益である。これらのUV吸収剤は有機又は物理的日焼け止めであってよい。最も好ましいUV吸収剤は、欧州共同体の化粧品指令76/786/EECに例示された化粧用途のための承認済みUV吸収剤から選択される。これらの例には、4−アミノ安息香酸(PABA)、N,N,N−トリメチル−4−(2−オキソボルン−3−イリデン−メチル)アニリニウムメチルサルフェート(CBM、mexoryl(商標)SK)、ホモサレート(HMS)、オキシベンゾン(BENZ−3、Uvinul(商標)M40)、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸並びにそのカリウム、ナトリウム及びトリエタノールアミン塩(PBSA、Neo heliopan(商標)Hydro)、3,3’−(1,4−フェニレンジメチレン)−ビス−(7,7−ジメチル−2−オキソ−ビシクロ−[2,2,1]−ヘプト−1−イルメタン−スルホン酸)及びその塩(TDSA、Mexoryl(商標)SX)、1−(4−tert−ブチルフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)プロパン−1,3−ジオン(BMDBM、Parsol(商標)1789)、α−(2−オキソボルン−3−イリデン)トルエン−4−スルホン酸及びその塩(BCSA、Mexoryl(商標)SD−20)、2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸,2−エチルヘキシルエステル(OC、Octocrylene, Eusolex(商標)OCR)、N−{(2及び4)−[2−オキソボルン−3−イリデン)メチル]ベンジル}アクリルアミドのポリマー(PBC、Mexoryl(商標)SW)、メトキシ桂皮酸オクチル(OMC、Parsol(商標)MCX)、エトキシル化エチル−4−アミノ安息香酸(PEG−PABA、Uvinul(商標)P25)、4−メトキシ桂皮酸イソペンチル又はp−メトキシ桂皮酸イソアミル(IMC、Neo Heliopan(商標)E1000)、2,4,6−トリアニリノ−(p−カルボ−2’−エチルヘキシル−1’−オキシ)−1,3,5−トリアジン(オクチルトリアゾン、ET、Uvinul(商標)T150)、フェノール,2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−(2−メチル−3−(1,3,3,3−テトラメチル−1−(トリメチル−シリル)オキシ)−ジシロキサニル)プロピル)(又はドロメトリゾールトリシロキサン、DTS、Mexoryl(商標)XL)、安息香酸4,4−((6−(((1,1−ジメチルエチル)アミノカルボニル)フェニルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)ジイミノ)−ビス−ビス−(2−エチルヘキシル)エステル)(DBT、Uvasorb(商標)HEB)、3−(4’−メチルベンジル−イデン)−d−1カンファー(又は4−メチルベンジリデンカンファー)(MBC、Uvinul(商標)MBC95)、3−ベンジリデンカンファー(BC、mexoryl-SD20)、サリチル酸2−エチルヘキシル(ES、サリチル酸オクチル)、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル−2−ヘキシル(又はオクチルジメチルPABA、ED−PABA)、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸(ベンズ−4、Uvinul(商標)MS40)及びそのナトリウム塩(ベンズ−5)、2,2’−メチレン−ビス−6(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(テトラメチル−ブチル)−1,1,3,3−フェノール(MBBT、Tinosorb(商標)M)、2,2’−ビス−(1,4−フェニレン)1H−ベンズイミダゾール−4,6−ジスルホン酸のモノナトリウム塩(DPDT、neoheliopan(商標)AP)、(1,3,5)−トリアジン−2,4−ビス((4−(2−エチル−ヘキシルオキシル)−2−ヒドロキシ)−フェニル)−6−(4−メトキシフェニル)(BEMT、Tinosorb(商標)S)、ジメチコジエチルベンザールマロネート(DDBM、Parsol(商標)SLX)、二酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)が含まれる。
【0091】
他の適当な化合物は、米国において使用が承認されたもの:p−メトキシ桂皮酸2−エトキシエチル(Cinoxate(商標))、サリチル酸トリエタノールアミン及びベンゾフェノン−8である。
【0092】
好ましくは、本発明の化合物は1:10〜10:1、より好ましくは1:6〜4:1の重量比の、UV−B及び/又は広帯域UV吸収剤との組成物で用いられる。1:10未満の比では、追加的効果は小さすぎると考えられ、10:1を超える比では、UV−B線からの保護は殆どの適用において不充分である。
【0093】
好ましくは、組成物は1重量%〜10重量%の本発明の化合物及び70重量%までのオイル、好ましくはアルキルベンゾエートオイル、たとえば約50重量%のオイルを含む。最適の効果を得るために、本発明のUV吸収性化合物とオイルとの比は、好ましくは0.05より大きく、より好ましくは0.1より大きい。
【0094】
表1に本発明の化合物と上述の市販のUV吸収剤との適当な組合せの例を示す。
【0095】
含量は、製剤全重量に対する重量%で表している。表1に列挙した組合せにおける使用に特に適した化合物は本発明の化合物4(発明実施例1に記載)であり、表2に例示している。
【0096】
本発明によるこれらの組成物はまた、脂肪アルコール又は脂肪酸のエステル、グリセリルエステル及び誘導体を含む天然又は合成トリグリセリド、真珠光沢性ワックス、炭化水素又はアルキルベンゾエートオイル、好ましくはC12−C15アルキルベンゾエートオイル、シリコーン又はシロキサン、有機置換過脂肪剤(手製石鹸は通常アルカリを消費するために過剰の脂肪を用いること(過脂肪)及びグリセリンが除去されていないことが工業石鹸と異なる。過脂肪石鹸、すなわち過剰の脂肪を含む石鹸は工業石鹸よりも皮膚に優しい)、界面活性剤稠度調節剤又は増粘剤、脱臭活性成分、フケ防止剤、酸化防止剤、屈水剤、保存剤及び抗菌剤、香油、着色剤、ポリマービーズ又は中空スフェア等の1又は複数の追加的化合物を含んでもよい。
【0097】
【表1】

【0098】
【表2】

【0099】
化合物4はN,N−(フェニルスルホニル,カルボキシル)−アミノブタジエンのn−オクチルエステルとN−ベンジル−N−(6−(ベンジルアミノ)ヘキシル)ヘキサン−1,6−ジアミンとの反応生成物である。本発明の組成物は、広範囲の提示形態、たとえばアルコール若しくは水/アルコール溶液又は水−及びオイル含有エマルジョン(たとえばW/O−、O/W−、O/W/O−、W/O/W−エマルジョン及びあらゆる種類のマイクロエマルジョン)としての液体製剤の形態で、ゲルの形態で、又はオイル、クリーム若しくはローションの形態で、又は粉末、ラッカー、錠剤若しくはメイクアップの形態で、スティックの形態で、又はスプレー又はフォーム若しくはペースト又は軟膏の形態で存在し得る。
【0100】
皮膚用の組成物として特に重要なものは、サンミルク、ローション、クリーム、オイル、サンブロック若しくは局所剤、日焼け後組成物及び皮膚日焼け用組成物等の光保護組成物である。特に興味があるものは、日光保護クリーム、日光保護ローション、日光保護ミルク及びスプレー形態の日光保護組成物である。
【実施例】
【0101】
[実施例1]
発明実施例1:化合物4の調製
下記の合成に従って、化合物4を調製した。
【0102】
【化7】

【0103】
使用した溶媒は全て、Sigma-Aldrich社から購入した。かかる溶媒は、少なくとも合成グレードで、さらに処理することなく使用した。
【0104】
工程1:化合物2、ジベンジルBHMTAの調製
アミン1(N−ベンジル−N−(6−(ベンジルアミノ)ヘキシル)ヘキサン−1,6−ジアミン=BHMTA(ビスヘキサメチレントリアミン)、Sigma-Aldrich社、高純度)を使用前に真空状態(164℃、4mmHg)で蒸留した(収率 >95%、純度 >99%)。精製アミン1(50g、232mmol)を、2−プロパノール(IPA、300ml)中に溶解し、0℃まで冷却し、ベンズアルデヒド(Acros Organics社、98+%、49.3g、465mmol)を滴下添加した。かかる溶液を20℃まで温め、2時間攪拌した。そして、Pd/C(未還元のパラジウム活性炭素(10%Pd)、Acros Organics社)触媒量(アミン1に対して10mol%)を添加し、この溶液を2barのH(g)雰囲気下、16時間攪拌した。そして、かかる溶液を(Fluka社製のCelite-535 coarseにより)ろ過してPd/Cを除去し、蒸発乾固させて化合物2を得た。化合物2は、収率及び純度が優れていたが、酢酸エチル(80g/1.3L)中でHCl(g)を用いてHCl塩形成することによっても精製し、ろ過し、フィルター上で酢酸エチルで洗浄し、NaOHでトルエン中に遊離させた。その収率は61%である。
【0105】
工程1a:アミノブタジエン3の調製
以下の手順に従ってアミノブタジエン3を調製した。1−アニリノ−3フェニルイミノプロペン(100g、0.45mol、Aldrich社、>99%)、n−オクチルフェニルスルフォニル酢酸(141g)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(36.6ml、0.22mol)をアセトニトリル(100ml)中に溶解した。そして、攪拌しながら無水酢酸(Aldrich社、>99%)98mlを添加した。続いて、この混合物を80℃で2時間加熱した。その後、イソプロパノール200ml及び水400mlを添加することによって、アミノブタジエン3を沈殿させた。アミノブタジエン3をろ過によって単離し、イソプロパノール100mlで3回洗浄した。減圧下での乾燥後、収率80%及び純度>98%のアミノブタジエン3を得ただけでなく、酢酸エチル/ヘプタン(容積率1:1)から粗アミノブタジエン3が再結晶化した。
【0106】
工程2:アミノブタジエン3とのカップリング
化合物2(54.5g、138mmol)とアミノブタジエン3(200g、414mmol)とを、還流下でIPA(400ml)中に16時間攪拌した。室温に冷却して水を添加したところ、相分離が生じた。かかる溶液をデカントし、生成物である化合物4を含有するオイルを60℃でIPA(800ml)中に溶解した。かかる手順をアセトアニリドが完全に除去されるまで2回繰り返した。最後にこの物質を蒸発乾固させた。
【0107】
その他、化合物2(54.5g、138mmol)、アミノブタジエン3(200g、414mmol)及び酢酸ナトリウム(Aldrich社、9.35g、68.7mmol)を還流下でIPA(400ml)及びリン酸ナトリウム緩衝液(100ml、0.5M、pH6.8)中で16時間攪拌した。室温に冷却して種晶を添加したところ、数時間以内に完全な結晶化が起きた。次に追加量の水(1.5L)を加えた。ろ過後、黄色の固形物をメタノール(1.5L)中で攪拌した。かかる手順を2回繰り返して収率70%及び純度98%の化合物4を得た(375nmの1%DMSO溶液の消散係数E=1400au/cm)。
【0108】
精製方法1
このようにして得られた化合物4を、不純物を溶出する第1溶離剤として酢酸エチル/ヘキサンを容積比1/1で、かつ、対象化合物を溶出する第2溶離剤として純酢酸エチルを使用して、カラムクロマトグラフィーによって、シリカカラム(化合物1g/シリカ50g)上でさらに精製した。溶媒を気化後、収率50%及びHPLC純度>98%の化合物4を得た。
【0109】
精製方法2
化合物4の別の精製方法として、粗生成物を最小量のアセトン/メタノール容積比1/1中に室温で溶解した。これを攪拌しながら温度を−5℃まで下をさげた。16時間後、形成された固形物をろ過によって収集し、フィルター上で冷メタノールで洗浄した。室温にて真空乾燥後、収率70%及びHPLC純度>98%の化合物4を得た。
【0110】
[比較例1]
比較例1:アミノブタジエン3とBHMTAとのカップリング
アミン1(54.5g、138mmol)とアミノブタジエン3(200g、414mmol)とを還流下でIPA(400ml)中で16時間攪拌した。室温まで低下させた後、水を添加して相分離を加速させた。そして、溶媒をデカントし、残留オイルを60℃でIPA(800ml)中に溶解した。かかる手順をアセトアニリドが完全に除去されるまで2回繰り返した。かかる溶液を蒸発乾固させ、化合物5を得た。化合物4に対して上記のカラムクロマトグラフィーによる精製を行ったところ、収率52%、純度>97%であった。結果得られた化合物5は、2級窒素原子を介してコアに結合するアミノブタジエンユニットを2つ有している。
【0111】
化合物5
【化8】

【0112】
[実施例2]
発明実施例2:化合物6の調製
ベンジルアルデヒドの代わりにブチルアルデヒド(Sigma-Aldrich社、99%、乾燥)を使用した以外は、実施例1の方法に従って、化合物6を調製した。化合物4に関して記載したように、アミノブタジエン3と反応させ、カラムクロマトグラフィーによって精製した後、収率45%、純度96%の化合物6を得た。
【0113】
[実施例3]
発明実施例3:化合物7の調製
ビスヘキサメチレントリアミン(BHMTA)の代わりに、トリス(2−アミノエチル)アミン(Acros社、96%、TREN)を使用した。実施例1に記載した方法でベンジルアルデヒド誘導体を調製した。化合物4に関して記載したように、アミノブタジエン3と反応させ、カラムクロマトグラフィーによって精製した後、収率48%、純度>97%の化合物7を得た。
【0114】
[実施例4]
発明実施例4:化合物8の調製
BHMTAの代わりに、ジアミノブタン誘導体DAB4=Astramol Am (4)(DSM社)を使用した。実施例1に記載した方法でベンジルアルデヒド誘導体を調製した。化合物4に関して記載したのと同様に、アミノブタジエン3と反応させ、カラムクロマトグラフィーによって精製した後、収率55%、純度>97%の化合物8を得た。
【0115】
[実施例5]
発明実施例5:化合物9の調製
BHMTAの代わりに、ジエチレントリアミン(98.5%、Acros社)をベンジルアルデヒドと一緒に使用した。アミノブタジエン3とジエチレントリアミンのベンジルアルデヒド誘導体とをカップリングさせたところ、生収率(raw yield)45%の標的化合物9を得た。精製方法1に関して記載したカラムクロマトグラフィーによる精製後、収率が35%、純度>97%であった。
【0116】
[比較例2]
比較例2:アミノブタジエン3とTRENとのカップリング
BHMTAの代わりに、トリアミノエチルアミン(TREN)を使用した。比較例1に記載した方法に従って化合物を調製したところ、収率48%、純度>97%の化合物10を得た。
【0117】
[比較例3]
比較例3:アミノブタジエン3とDAB4とのカップリング
BHMTAの代わりに、DAB4=Astramol Am (4)を使用した。比較例1に記載した方法に従って化合物を調製したところ、収率60%、純度96%の化合物11を得た。
【0118】
[比較例4]
比較例4:ゼラチンとカップリングするアミノブタジエン
ゼラチンとカップリングするアミノブタジエンをWO2004/075871に記載した方法に従って調製した。このようにして調製されたUV−A波吸収ゼラチン(UV−Aゲル、化合物12)は、375nmの1%水溶液に対して消散係数E=380au/cmであった。
【0119】
[実施例6]
発明実施例:6
BHMTAの代わりに、ジエチレントリアミン(98.5%、Acros社)をブチルアルデヒドと一緒に使用した。アミノブタジエン3とジエチレントリアミンのブチルアルデヒド誘導体とをカップリングさせたところ、生収率40%の標的化合物13を得た。精製方法1に関して記載したカラムクロマトグラフィーによる精製後、収率が21%、純度が>97%であった。
【0120】
[実施例7〜9]
発明実施例7〜9
イソプロピルフェニルスルフォニルアセテート、エチルヘキシルフェニルスルフォニルアセテート及びステアリルフェニルスルフォニルアセテートをそれぞれ使用して実施例1におけるアミノブタジエン3に関して記載した手順によってアミノブタジエン14、15及び16を調製した。次に、実施例1に記載したように、アミノブタジエン14、15及び16とBHMTAとをカップリングさせた。化合物に応じて製造手順を適応させた。収率が40〜60%及び純度が>97%の標的化合物17、18、19を得た。
【0121】
スペクトル解析
本発明のアミノブタジエン化合物は、375nmのジメチルスルホキシド(DMSO、Sigma Aldrich社、ACS spectrophotometric grade)1%溶液に対する消散係数Eが約1100〜約1500AU/cmであり、典型値を示したが、これはかかる化合物の吸収極大の典型的な波長である。正確なE値は、分子量に対するコア及びR基の相対的寄与率に依存するが、吸収極大の正確な波長は、置換基の種類に依存する。DMSOブランクに対してHP8452Aダイオードアレイ分光光度計上にスペクトルを得た。図1に代表的なUVスペクトルを示す。
【0122】
溶解度試験
本発明によるアミノブタジエン化合物は、化粧品用オイルに対して最適化した溶解度を有している。好ましい化合物4は、あらゆる濃度のC12−C15安息香酸アルキルオイル(Finsolv TN, Finetex社)に対して極めて高い溶解度を示し、透明で粘性のあるオイルを提供する。表3において、種々の濃度下における化合物4、12及び13の溶解度を示す(+=高溶解性;−=不溶解性)。これらの化合物を1時間攪拌しながら80℃で溶解し、室温まで冷却した。24時間後、これらの溶液について何らかの沈殿又は結晶の有無を調べた。
【0123】
【表3】

【0124】
熱安定性試験
12−C15安息香酸アルキルオイルにおいて化合物4〜11及び13の1.5%溶液を調製した。UV−Aゲル(化合物12)を水中に5%で溶解した(同等の紫外線吸収とするために、より高濃度を選択した)。かかる溶液を密閉容器に入れ、暗所で50℃にて保存した。5、50及び100日後、希釈サンプルの紫外線吸収を375nmで測定し、室温で保存した対応サンプルと比較した。それぞれの期間経過後に残留した紫外線吸収を+と−の表示を付して表4に示す。++は残留率が>99%、+は残留率が50〜95%、−は残留率が<50%であることを示す。
【0125】
データから、第3窒素原子を有する化合物4、6、7、8、9及び13は、2以上の第2窒素原子を有する化合物5、10及び11と比較して、及び、ゼラチンと結合する水溶性アミノブタジエンである化合物12と比較するとなお一層、C12−C15安息香酸のアルキルオイルにおける熱安定性がはるかに高いようである。
【0126】
化合物9及び13は、良好な熱安定性を示したが、合成収率が低いため、あまり好ましくない。
【0127】
【表4】

【0128】
皮膚浸透
WO2006/009451の第21頁の記載と同一の方法で皮膚浸透を評価した。図2は、皮膚浸透試験装置の図面であり、図中(1)は、試験サンプル(ドナー化合物)の位置を、(2)は、1/8「OD×1/32」壁管を、(3)は、レセプターインプットを、(4)は、レセプターコンパートメントを、(5)は、分析に供する化合物及びレセプターのアウトプットを示す。
【0129】
化合物3の30gをEtOH4ml及びpH7.4のリン酸緩衝液(PBS)7ml中に溶解して、化合物3のドナー溶液を調製した。80mgの化合物4、6、7、8、9をオリーブオイルに溶解することによって、かかる化合物のドナー溶液をそれぞれ調製した。
【0130】
各化合物に対してヒトの皮膚4片(Φ ca 3cm、大部分が表皮)を透析膜上に貼付し、図2に示す拡散セルに載置した。図2は、拡散セルの概略図であり、1:ドナー化合物、2:レセプターコンパートメント、3:レセプターインプット、4:分析に供する化合物及びレセプターのアウトプット及び5:1/8「OD×1/32」壁管を示す。かかる細胞を温度調節・攪拌装置に載置し、温度を37℃に維持した。レセプター液は、PBS緩衝液であった。レセプターコンパートメントを磁気的に攪拌した。ドナー溶液400μlを注いだ。流速1ml/時で流れるレセプター液をガラス管に回収した(1管/2時間)。20時間後、浸透実験を終了した。
【0131】
回収したレセプター液の紫外線分析の結果、紫外線化合物4、6、7、8及び9では、皮膚を通した浸透が測定されなかった一方で、紫外線モノマー化合物3では皮膚を通して浸透したことが明示された(下記の表5参照)。
【0132】
さらに、DMSOによって皮膚部分を抽出し、表皮中のUV吸収剤を溶解した。抽出物を紫外線で分析した。表5の第2欄に示した結果は、皮膚サンプル内に紫外線モノマーが観察された一方で、紫外線化合物4、6、7、8及び9は皮膚内に又は皮膚を貫通して浸透していないというレセプター液の分析結果を裏付けている。
【0133】
【表5】

【0134】
表5において、「+」は、50%を超過する物質が皮膚に浸透したことを意味する。「−」は、皮膚に浸透した検出可能な物質量がなかったことを意味し(5%未満)、「+/−」は、5%〜50%の物質が皮膚に浸透したことを意味する。
【0135】
光安定性
完全な紫外線保護を創出するだけでなく、特定の紫外線吸収材を光退色から保護するために、種々の紫外線吸収剤の組合せ(UV-A+UV-B)が所望されている。これまで、この効果は、その他の数種の紫外線吸収材によって安定化が示された1−(4−tert−ブチルフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)プロパン−1,3−ジオン(BMDBM、Parsol(登録商標)1789)において特に顕著に示されてきた。本実施例において、化合物4とET等の広帯域UV吸収剤との組合せ、及び化合物4とOMC等のUV−B吸収剤との組合せが優れた光安定性を示した。これらの組合せに対してBMDBMをさらに添加しても、良好な光安定性を示した。試験を行った全ての組合せについて十分な結果が得られた。結果を表6に示す。
【0136】
試験手順:
UV吸収剤を、その総濃度が3重量%となるような適切な割合で(表参照)酢酸エチル/Finsolv TN (1:4)中に混合した。2枚の(in duplo)ガラス板上に溶液20μlを流し込み、乾燥させた。そのうち1枚のガラス皿をソーラーサンライトシミュレータ(Atlas Ci4000)に入れて合計2000J/m2に曝露した。もう1枚のガラス皿を暗所に保管して基準とした。その後、前記UV吸収剤を標準量の酢酸エチルで洗浄した。本発明の化合物4の濃度をHPLCによって測定し、記録した300〜400nmにおける紫外線−可視スペクトルから、紫外線吸収積分値を算出した。
【0137】
結果
【表6】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
UV吸収性化合物の調製のための方法であって、
(a)式(I)のポリアミン:
NH3−n[(CR)]−NH
(I)
(式中、
n=1〜3、
m=2〜12であり、
各Rは、独立に、水素原子、C−Cアルキル基又はC−Cアルコキシ基から選択される)
をアルデヒドR−C(O)H(式中、Rは、水素原子、C−C20アルキル基、C−C20アルケニル基、C−C20アルキニル基、C−C20アリール基及び式−(CR18NHCHの基からなる群から選択され、式中、o=1〜11であり、各R18は、独立に、水素原子、C−Cアルキル基又はC−Cアルコキシ基から選択され、Rは、水素原子、C−C20アルキル基、C−C20アリール基又は式−(CR18NHCHの基であり、式中、p=1〜11であり、各R18は上で定義される通りであり、Rは、水素原子、C−C20アルキル基、C−C20アリール基又は式−(CR18NHCHの基であり、式中、q=1〜11であり、各R18は上で定義される通りであり、Rは、水素原子、C−C20アルキル基又はC−C20アリール基である)と反応させ;
次に還元ステップを行い;
式(II)のポリアミン(n=2又は3)
NH3−n[(CR−NH−CH
(II)
又は式(III)のポリアミン(n=1)
CH−NH−(CR−NH−CH
(III)
を形成し、
(b)式(II)のポリアミン又は式(III)のポリアミンを式(IV)のアミノ
ブタジエン誘導体:
【化1】


(式中、
及びRは、独立に、−CN、−C(O)OH、−C(O)OR11、−C(O)R11及び−S(O)R11からなる群から選択され、式中、R11はC−C20アリール基又はC−C25アルキル基であり、C−C25アルキル基は1又は複数のヘテロ原子含有基によって置換されていてもよく、ヘテロ原子は、O、N、S及びSiから選択され、式中、2つのR11基はR11基がC−C25アルキル基である場合には環構造を形成していてもよく、該環構造は5〜7員環構造であり、ヘテロ原子を含んでいてもよく、該ヘテロ原子は、N、O及びS、及び/又はオキソ基からなる群から選択され;
、R及びR10は、独立に、水素、C−C20アルキル基、C−C20アルケニル基、C−C20アルキニル基、C−C20アリールアルキル基、−CN、−OR12、−SR12及び−N(R1213)からなる群から選択され、式中、R12及びR13は、独立に、水素、C−C20アルキル基及びC−C20アリール基からなる群から選択され;式中、R及びR、R及びR10又はR及びR10は環構造を形成していてもよく、該環構造はヘテロ原子を含んでいてもよく、該ヘテロ原子は、N、O及びS、及び/又はオキソ基からなる群から選択され;
14は置換されていてもよいC−C20アリール基からなる群から選択され、ここで置換基は好ましくはニトロ、ヒドロキシ、シアノ、C−Cアルコキシ、C−C14アルキル、ハライド、カルボキシ及びアミノからなる群から選択され;
15は−C(O)R16及び−S(O)R16からなる群から選択され、式中、R16はC−C20アルキルである)
と反応させる、方法。
【請求項2】
還元ステップが、触媒量の適当な還元触媒を反応混合物に添加することと、水素雰囲気中で反応を実施することとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
還元触媒の量が1級アミン基の量に対して1モル%〜25モル%である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
式(I)のポリアミンを、式(I)に存在する1級アミン基の量に対して1:1〜1:1.1の範囲のモル比でアルデヒドR−C(O)Hと反応させる、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
式(II)又は式(III)のポリアミンを、式(II)又は式(III)に存在する2級アミン基の量に対して1:1〜1:1.1の範囲のモル比で式(IV)のアミノブタジエン誘導体と反応させる、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
n=2又は3である、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
m=5〜12である、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
n=2である、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
m=6である、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
、R、R、R10及びR18が水素である、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
がS(O)R11であり、式中、R11はC−C20アリール基である、請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
がC(O)OR11であり、式中、R11はC−C25アルキル基である、請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
がC(O)OR11であり、式中、R11はC−C12アルキル基である、請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
が、C−C20アルキル基、C−C20アルケニル基、C−C20アルキニル基、C−C20アリール基及び式−(CR18NHCHの基からなる群から選択され、式中、o=3〜9であり、各R18は、独立に、水素原子、C−Cアルキル基又はC−Cアルコキシ基から選択され、Rは、水素原子、C−C20アルキル基、C−C20アリール基又は式−(CR18NHCHの基であり、式中、p=3〜9であり、各R18は上で定義される通りであり、Rは、水素原子、C−C20アルキル基、C−C20アリール基又は式−(CR18NHCHの基であり、式中、q=3〜9であり、各R18は上で定義される通りであり、Rが、水素原子、C−C20アルキル基又はC−C20アリール基である、請求項1〜13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
が、C−C20アルキル基、C−C20アルケニル基、C−C20アルキニル基又はC−C20アリール基である、請求項1〜14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
がC−C20アルキル基又はC−C20アリール基である、請求項1〜15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
14がCアリール基である、請求項1〜16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
15が−C(O)CH基である、請求項1〜17のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
請求項1〜18のいずれかに記載の方法によって得られるUV吸収性化合物。
【請求項20】
式(VII)のUV吸収性化合物:
N{(R173−n[(CR−N(R17)−CH
(VII)
(式中、
n=2又は3;
m=2〜12;
各Rは、独立に、水素原子、C−Cアルキル基又はC−Cアルコキシ基から選択され;
m=5〜12の場合、Rは、水素原子、C−C20アルキル基、C−C20アルケニル基、C−C20アルキニル基、C−C20アリール基及び式−(CR18N(R17)CHの基からなる群から選択され、式中、o=1〜11であり、各R18は、独立に、水素原子、C−Cアルキル基又はC−Cアルコキシ基から選択され、Rは、水素原子、C−C20アルキル基、C−C20アリール基又は式−(CR18N(R17)CHの基であり、式中、p=1〜11であり、各R18は上で定義される通りであり、Rは、水素原子、C−C20アルキル基、C−C20アリール基又は式−(CR18N(R17)CHの基であり、式中、q=1〜11であり、各R18は上で定義される通りであり、Rは、水素原子、C−C20アルキル基又はC−C20アリール基であり;
m=2〜4の場合、RはC−C20アルキル基、C−C20アルケニル基、C−C20アルキニル基、C−C20アリール基及び式−(CR18N(R17)CHの基からなる群から選択され、式中、o=3〜9であり、各R18は、独立に、水素原子、C−Cアルキル基又はC−Cアルコキシ基から選択され、Rは、水素原子、C−C20アルキル基、C−C20アリール基又は式−(CR18N(R17)CHの基であり、式中、p=3〜9であり、各R18は上で定義される通りであり、Rは、水素原子、C−C20アルキル基、C−C20アリール基又は式−(CR18N(R17)CHの基であり、式中、q=3〜9であり、各R18は上で定義される通りであり、Rは、水素原子、C−C20アルキル基又はC−C20アリール基であり;
式中、R17は式(VIII):
【化2】


の置換基の群から選択され、
式中、R及びRは、独立に、−CN、−C(O)OH、−C(O)OR11、−C(O)R11及び−S(O)R11からなる群から選択され、式中、R11はC−C20アリール基又はC−C25アルキル基であり、C−C25アルキル基は1又は複数のヘテロ原子含有基によって置換されていてもよく、ヘテロ原子は、O、N、S及びSiから選択され、式中、2つのR11基はR11基がC−C25アルキル基である場合には環構造を形成していてもよく、該環構造は5〜7員環構造であり、ヘテロ原子を含んでいてもよく、該ヘテロ原子は、N、O及びS、及び/又はオキソ基からなる群から選択され;
、R及びR10は、独立に、水素、C−C20アルキル基、C−C20アルケニル基、C−C20アルキニル基、C−C20アリールアルキル基、−CN、−OR12、−SR12及び−N(R1213)からなる群から選択され、式中、R12及びR13は、独立に、水素、C−C20アルキル基及びC−C20アリール基からなる群から選択され、式中、R及びR、R及びR10又はR及びR10は環構造を形成していてもよく、該環構造はヘテロ原子を含んでいてもよく、該ヘテロ原子は、N、O及びS、及び/又はオキソ基からなる群から選択される)。
【請求項21】
m=5〜12である、請求項20に記載のUV吸収性化合物。
【請求項22】
n=2である、請求項20又は21に記載のUV吸収性化合物。
【請求項23】
m=6である、請求項20〜22のいずれかに記載のUV吸収性化合物。
【請求項24】
、R、R、R10及びR18が水素である、請求項20〜23のいずれかに記載のUV吸収性化合物。
【請求項25】
がS(O)R11であり、式中、R11はC−C20アリール基である、請求項20〜24のいずれかに記載のUV吸収性化合物。
【請求項26】
がC(O)OR11であり、式中、R11はC−C25アルキル基である、請求項20〜25のいずれかに記載のUV吸収性化合物。
【請求項27】
がC(O)OR11であり、式中、R11はC−C12アルキル基である、請求項20〜26のいずれかに記載のUV吸収性化合物。
【請求項28】
が、C−C20アルキル基、C−C20アルケニル基、C−C20アルキニル基又はC−C20アリール基である、請求項20〜27のいずれかに記載のUV吸収性化合物。
【請求項29】
がC−C20アルキル基又はC−C20アリール基である、請求項20〜28のいずれかに記載のUV吸収性化合物。
【請求項30】
式(VI)のUV吸収性化合物:
CH−N(R17)−(CR−N(R17)CH
(VI)
(式中、
m=2〜12;
各Rは、独立に、水素原子、C−Cアルキル基又はC−Cアルコキシ基から選択され;
は、水素原子、C−C20アルキル基、C−C20アルケニル基、C−C20アルキニル基、C−C20アリール基及び式−(CR18N(R17)CHの基からなる群から選択され、式中、o=1〜11であり、各R18は、独立に、水素原子、C−Cアルキル基又はC−Cアルコキシ基から選択され、Rは、水素原子、C−C20アルキル基、C−C20アリール基又は式−(CR18N(R17)CHの基であり、式中、p=1〜11であり、各R18は上で定義される通りであり、Rは、水素原子、C−C20アルキル基、C−C20アリール基又は式−(CR18N(R17)CHの基であり、式中、q=1〜11であり、各R18は上で定義される通りであり、Rは、水素原子、C−C20アルキル基又はC−C20アリール基であり;
式中、R17は式(VIII)の置換基の群から選択され、
【化3】


式中、R及びRは、独立に、−C(O)OH、−C(O)OR11、−C(O)R11及び−S(O)R11からなる群から選択され、式中、R11はC−C20アリール基又はC−C25アルキル基であり、C−C25アルキル基は1又は複数のヘテロ原子含有基によって置換されていてもよく、ヘテロ原子は、O、N、S及びSiから選択され、式中、2つのR11基はR11基がC−C25アルキル基である場合には環構造を形成していてもよく、該環構造は5〜7員環構造であり、ヘテロ原子を含んでいてもよく、該ヘテロ原子は、N、O及びS、及び/又はオキソ基からなる群から選択され;
、R及びR10は、独立に、水素、C−C20アルキル基、C−C20アルケニル基、C−C20アルキニル基、C−C20アリールアルキル基、−CN、−OR12、−SR12及び−N(R1213)からなる群から選択され、式中、R12及びR13は、独立に、水素、C−C20アルキル基及びC−C20アリール基からなる群から選択され;式中、R及びR、R及びR10又はR及びR10は環構造を形成していてもよく、該環構造はヘテロ原子を含んでいてもよく、該ヘテロ原子は、N、O及びS、及び/又はオキソ基からなる群から選択される)。
【請求項31】
が、C−C20アルキル基、C−C20アルケニル基、C−C20アルキニル基、C−C20アリール基及び式−(CR18NHCHの基からなる群から選択され、式中、o=3〜9であり、各R18は、独立に、水素原子、C−Cアルキル基又はC−Cアルコキシ基から選択され、Rは、水素原子、C−C20アルキル基、C−C20アリール基又は式−(CR18NHCHの基であり、式中、p=3〜9であり、各R18は上で定義される通りであり、Rは、水素原子、C−C20アルキル基、C−C20アリール基又は式−(CR18NHCHの基であり、式中、q=3〜9であり、各R18は上で定義される通りであり、Rは、水素原子、C−C20アルキル基又はC−C20アリール基である、請求項30に記載のUV吸収性化合物。
【請求項32】
m=5〜12である、請求項28〜29のいずれかに記載のUV吸収性化合物。
【請求項33】
m=6である、請求項30〜32のいずれかに記載のUV吸収性化合物。
【請求項34】
、R、R、R10及びR18が水素である、請求項30〜33のいずれかに記載のUV吸収性化合物。
【請求項35】
がS(O)R11であり、式中、R11はC−C20アリール基である、請求項30〜34のいずれかに記載のUV吸収性化合物。
【請求項36】
がC(O)OR11であり、式中、R11はC−C25アルキル基である、請求項30〜35のいずれかに記載のUV吸収性化合物。
【請求項37】
がC(O)OR11であり、式中、R11はC−C12アルキル基である、請求項30〜36のいずれかに記載のUV吸収性化合物。
【請求項38】
が、C−C20アルキル基、C−C20アルケニル基、C−C20アルキニル基又はC−C20アリール基である、請求項30〜37のいずれかに記載のUV吸収性化合物。
【請求項39】
がC−C20アルキル基又はC−C20アリール基である、請求項30〜38のいずれかに記載のUV吸収性化合物。
【請求項40】
式(XI)のUV吸収性化合物:
CHNR17(CR[NR17(CRNR17CH
(XI)
(式中、m=2〜12;
r=1〜6;
は、独立に、水素原子、C−Cアルキル基又はC−Cアルコキシ基から選択され;
は、水素原子、C−C20アルキル基、C−C20アルケニル基、C−C20アルキニル基、C−C20アリール基又は式−(CR18N(R17)CHの基からなる群から選択され、式中、o=1〜11であり、各R18は、水素原子、C−Cアルキル基又はC−Cアルコキシ基から選択され、Rは、水素原子、C−C20アルキル基、C−C20アリール基又は式−(CR18N(R17)CHの基であり、式中、p=1〜11であり、各R18は上で定義される通りであり、Rは、水素原子、C−C20アルキル基、C−C20アリール基又は式−(CR18N(R17)CHの基であり、式中、q=1〜11であり、各R18は上で定義される通りであり、Rは、水素原子、C−C20アルキル基又はC−C20アリール基であり;
17は式(VIII)の置換基の群から選択され:
【化4】


式中、R及びRは、独立に、−CN、−C(O)OH、−C(O)OR11、−C(O)R11及び−S(O)R11からなる群から選択され、式中、R11はC−C20アリール基又はC−C25アルキル基であり、C−C25アルキル基は1又は複数のヘテロ原子含有基によって置換されていてもよく、ヘテロ原子は、O、N、S及びSiから選択され、式中、2つのR11基はR11基がC−C25アルキル基である場合には環構造を形成していてもよく、該環構造は5〜7員環構造であり、ヘテロ原子を含んでいてもよく、該ヘテロ原子は、N、O及びS、及び/又はオキソ基からなる群から選択され;
、R及びR10は、独立に、水素、C−C20アルキル基、C−C20アルケニル基、C−C20アルキニル基、C−C20アリールアルキル基、−CN、−OR12、−SR12及び−N(R1213)からなる群から選択され、式中、R12及びR13は、独立に、水素、C−C20アルキル基及びC−C20アリール基からなる群から選択され;式中、R及びR、R及びR10又はR及びR10は環構造を形成していてもよく、該環構造はヘテロ原子を含んでいてもよく、該ヘテロ原子は、N、O及びS、及び/又はオキソ基からなる群から選択される)。
【請求項41】
m=6である、請求項40に記載のUV吸収性化合物。
【請求項42】
、R、R、R10及びR18が水素である、請求項40又は41に記載のUV吸収性化合物。
【請求項43】
がS(O)R11であり、式中、R11はC−C20アリール基である、請求項40〜42のいずれかに記載のUV吸収性化合物。
【請求項44】
がC(O)OR11であり、式中、R11はC−C25アルキル基である、請求項40〜43のいずれかに記載のUV吸収性化合物。
【請求項45】
がC(O)OR11であり、式中、R11はC−C12アルキル基である、請求項40〜44のいずれかに記載のUV吸収性化合物。
【請求項46】
が、C−C20アルキル基、C−C20アルケニル基、C−C20アルキニル基又はC−C20アリール基である、請求項40〜45のいずれかに記載のUV吸収性化合物。
【請求項47】
がC−C20アルキル基又はC−C20アリール基である、請求項40〜46のいずれかに記載のUV吸収性化合物。
【請求項48】
請求項19〜47のいずれかに記載のUV吸収性化合物を含む、UV−A線から哺乳動物を保護するための組成物。
【請求項49】
請求項19〜47のいずれかに記載のUV吸収性化合物及び少なくともUV−B吸収性化合物及び/又は広帯域吸収性化合物を含む、UV線から哺乳動物を保護するための組成物。
【請求項50】
請求項19〜47のいずれかに記載のUV吸収性化合物及び少なくともUV−B吸収性化合物及び/又は広帯域UV吸収性化合物を重量比1:10〜10:1で含む、UV線から哺乳動物を保護するための組成物。
【請求項51】
UV線から哺乳動物を保護するための、請求項19〜47のいずれかに記載のUV吸収性化合物の使用。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2010−539230(P2010−539230A)
【公表日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−525777(P2010−525777)
【出願日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際出願番号】PCT/NL2008/050614
【国際公開番号】WO2009/038463
【国際公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(505232782)フジフィルム マニュファクチャリング ユーロプ ビー.ブイ. (50)
【Fターム(参考)】