説明

UV線に対して選択的透過性を有する、ポリビニルアセタールをベースとする可塑剤含有フィルム

【課題】黄変傾向が低く、UV−A線及び可視光に対して高い透過率を有し、同時にUV−B線に対して低い透過率を有するPVBフィルムを製造すること
【解決手段】少なくとも1種のポリビニルアセタールと、少なくとも1種の可塑剤とを含有するフィルムにおいて、式(1)[式中、R1、R2=1〜10個の炭素原子を有する炭化水素基]のオキサニリド型の少なくとも1種の化合物0.001〜1質量%がUV吸収剤として添加されている、フィルム

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、UV線に対して選択的透過性及び低い黄変傾向を有する、ポリビニルアセタールをベースとする可塑剤含有フィルム、ならびにこのフィルムを用いて製造されたガラス積層物に関する。
【背景技術】
【0002】
複合板ガラス用の市場で通常の可塑剤含有ポリビニルブチラールフィルム(PVBフィルム)は、数十年来、UV吸収剤を備え、従って、UV線は、可視光とは反対に、複合ガラスを透過することはできない。このように、簡単な方法で、複合ガラスの後方にいる人物及び対象物にとって有害なUV線に対してほぼ完全な保護を保証することができる。このことは、切創からの保護の他に、モノリスガラスと比べて重要な特性上の利点である、それというのもこのモノリスのガラスはUV線に対して十分に透過性であるためである。
【0003】
PVBフィルムを太陽電池モジュール中で封入材料として使用するために、UV吸収剤の量を高めて使用する、それというのも、このソーラーモジュールの激しい太陽光暴露によりPVBフィルムの黄変が生じることがあることが推測されるためである。
【0004】
特に、UV吸収剤として、例えばTinuvin P、Tinuvin 328、Tinuvin 327、Tinuvin 326の商品名で市販されている多様な置換パターンを有する2−ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾールの誘導体を使用することが有効であることが明らかとなり、かつ普及している。このベンゾトリアゾール型の吸収剤は、PVBフィルム中で、その優れた長期間安定性、良好な溶解度及び全体のUV領域(UV−B及びUV−A)での高い吸収効率について公知である。しかしながら、置換パターンに応じて、スペクトルの可視領域でも、つまり例えば400nmでも、程度に差はあるが強く吸収が行われるので、このUV吸収剤は、使用量及び置換基分布に応じて、PVBフィルムのある程度の黄変の原因となりかねない。
【0005】
複合安全ガラスの大多数の用途にとってUV線からのできる限り完全な保護、つまり99%超の吸収が要求されているが、UV線に対する高い透過性が望ましい特別な用途も存在する:
− 野菜又は切り花の栽培のための温室では、限り高いエネルギー入射及びUV線について最小量を必要とする。さらに、受粉のために使用される昆虫(ミツバチ、マルハナバチ)もUVコントラストを用いて位置情報を判別している。
− 可視光に加えてさらにUVスペクトル分も光電流発生のために利用することができるセルタイプの太陽電池モジュールにおいて、光に向かう側でこの太陽電池モジュールの前方にPVBフィルムが設けられている場合、このPVBフィルムが、ベンゾトリアゾール型の通常のUV吸収体が使用されている際にUV線に対してほとんど完全に不透明である場合、エネルギー収率はより低くなる。
− UV保護が必要ではない室内領域での適用の場合、色彩の乏しい要素、特に鉄貧有のガラスとの関連で色彩的により自然に見せるために高められたUV透過率を許容することができる、それというのもUV安定化PVBフィルムは、複合体自体のわずかな黄色値をもたらすためである。
− 例えば家具用ガラス分野において、UV−A−硬化性接着剤を用いた組立のためのUV透過性複合ガラスとして
− 鳥類保護板ガラス(つまり鳥類の保護のため)の部分として、この場合、鳥類にとって知覚可能なコントラストを達成するために、PVBフィルムで積層された窓ガラスは部分的にUV透過性であるべきである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、黄変傾向が低く、UV−A線(325〜400nm)及び可視光に対して高い透過を有し、同時にUV−B線(280〜325nm)に対して低い透過率を有するPVBフィルムを製造することであった。
【0007】
ポリビニルブチラールは、飽和した単位から構成されたコポリマーであり、つまり、オレフィン性結合又は芳香族結合を、通常ではせいぜい欠陥箇所として有しているに過ぎず、この理由から280〜400nm(UV−A+UV−B)の波長領域ではさしたる吸収は示さない。さらに、PVBの可塑化のために、UV吸収に関して同様のことが通用する主に非芳香族可塑剤が考慮される。従って、フィルムの製造のために、PVB及び可塑剤からなる混合物の比較的高い固有のUV安定性が生じる。
【0008】
PVBは、ポリビニルアルコール又はブチルアルデヒドの出発材料の品質及び合成のプロセス管理及び後処理に依存して、そのUV安定性を損なう欠陥箇所もしくは不純物を有することがある。さらに、この調製物に添加された添加物、例えば着色剤又はフェノール系酸化防止剤はUV敏感性であることがあるため、PVBフィルムは通常ではUV吸収剤を含有している。
【0009】
UV吸収剤を単に使用しないことは、高い割合の高エネルギーUV−B線(280〜325nm)も透過され、このことは植物の種類に応じて温室のために望ましくなく、太陽電池モジュールのために材料損傷を引き起こしかねず、色彩の乏しい板ガラスにとって、黄色値の更なる低減をもたらさないという欠点を有する。
【0010】
さらに、フェノール系酸化防止剤は、UVの影響下で、特にUV−B線の影響下で黄変することがあり、それにより時間と共にフィルムの黄色値が高まり、太陽光スペクトルの可視光領域での透過も低下する。特に、(2,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナートの部分構造を有するフェノール系酸化防止剤の市場で重要なグループ(これは特にIrganox 1010、Irganox 1076、Irganox 1035型の製品に属する)は、PVBフィルムにおける使用の際に、ガラス積積層体でのUVの作用及び/又は温度の作用で黄変を引き起こす。
【0011】
UV吸収剤を全く有しないPVBフィルムは、所定の境界条件を維持した場合にだけ、このPVBフィルムはそれぞれの用途にとって長期間安定性に関する多様な高い要求を確実に満たすことができるにすぎない。さらに、これにより製造された板ガラス、又はこれにより製造された太陽電池モジュールは、特に有害なUV−B線を、この板ガラスを通して妨げることはできず又は太陽電池モジュールへ入り込むことができるという欠点を有する。
【0012】
意外にも、可塑剤含有ポリビニルアセタールフィルムを、低い黄変傾向、ならびにUV−A線及び可視光に対して高い透過を示し、同時にUV−B線に対して低い透過性を示すように製造することができることが見出された。それにより、温室用板ガラスにおいて使用する場合、その直接的な放射線透過率TE(EN410による)を改善することができ、太陽電池モジュールにおいて使用する場合に、その光電流収率を改善することができる。PVBフィルムはこのセルの前方の光に向かう側に存在する太陽電池モジュールで使用する場合、このセルが325〜280nmの波長領域で敏感性を有する限り、その光電流収率を著しく向上させることができる。UV−A透過性のPVBフィルムを、特に色彩の乏しい板ガラスに使用する場合、黄色の色合いを低減することができる、それというのも、このフィルムは380〜450nmの波長領域で完全に透明であるためである。UV−Aに対するこの透明性は、PVBフィルムを有する複合ガラスをUV−A硬化性接着剤を用いて組み立てることも可能にし、この場合、この複合ガラスはこの接着剤の硬化のために必要なUV−A光を問題なく透過することができる。さらに、UV−A線に対する透明性に基づいて、例えばこのフィルムを部分的に、さらにUV−A領域をカバーする他のUV吸収剤で印刷することにより、鳥類にとって知覚可能なコントラストを容易に生じさせることができる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
従って、本発明の主題は、少なくとも1種のポリビニルアセタールと、少なくとも1種の可塑剤とを含有する可塑剤含有フィルムにおいて、式1
【化1】

[式中、R1、R2=1〜10個の炭素原子を有する炭化水素基]のオキサニリド型の少なくとも1種の化合物0.001〜1質量%をUV吸収剤として添加することを特徴とする、可塑剤含有フィルムである。
【0014】
有利に、本発明によるフィルムは、式1のオキサニリド化合物として、2−エチル−2′−エトキシオキサニリド(CAS-No. 23949-66-8)をUV吸収剤として含有する。これは、例えばBASF (CIBA)から「Tinuvin 312」として、SONGWONから「Songsorb 3120」として、又はCLARIANTから「Sanduvor VSU」として市販されている。
【0015】
もちろん、この置換基のバリエーションによって、簡単に、本発明の範囲内で相応して使用することができる他の類似の構造を作成することができる。
【0016】
有利に、本発明によるフィルムは、オキサニリド型のUV吸収剤を、0.01〜0.75質量%、有利に0.05〜0.50質量%、最も有利に0.075〜0.35質量%の量で含有する。
【0017】
本発明によるフィルムは、0.76mmの厚さで、2×2mmの鉄貧有フロートガラスの間でEN410による測定で380nmで、50%より大きい、有利に70%より大きい、有利に80%より大きい、特に有利に85%より大きい透過を有する。同時に、このような積層体の透過は、325nmで、50%より低い、有利に30%より低い、特に有利に20%より低い。
【0018】
この直接的な放射線透過率TEは、ベンゾトリアゾール型の慣用に使用されるUV吸収剤(Tinuvin 328)を有するフィルムと比較して、約82.5%から84%超に高められ、このことは、例えば温室用板ガラスの場合に有利である。
【0019】
特に押出プロセスの間の鎖分解に対してPVB成形材料の熱安定化のために、UV吸収剤の存在とは無関係に、フェノール系抗酸化剤が必要である。
【0020】
オキサニリド型のUV吸収剤の使用の場合に、高められた割合のUV−A放射線が、所定のフェノール系酸化防止剤によりこのフィルムの黄変が引き起こされることがあるため、(2,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナートの部分構造を有しない酸化防止剤が有利に使用される。(2,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナートの部分構造を有する酸化防止剤は、わずかな割合で、つまり有利に400ppm以下、有利に200ppm以下、有利に100ppm以下、最も有利に50ppm今でこのフィルム中に使用することができる。
【0021】
(2,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナートの部分構造を有しない適切な酸化防止剤は、それに対して0.005〜0.5質量%の量でフィルム中に含まれることができる。(2,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナートの部分構造を有しない適切な酸化防止剤は、例えば、Lowinox 44B25又はIrganox 129のタイプの二核のフェノール系酸化防止剤、Songsorb 2908 (CAS: 67845-93-6), BHT (CAS: 128-37-0), p−オクチルフェノールのタイプの単核のフェノール系酸化防止剤、例えばTopanol CA (CAS: 1843-03-4)又はWingstay L (31851-03-3)のような多核のフェノール系酸化防止剤である。同様に、1つ又は複数の硫黄原子を含有するが、(2,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナートの部分構造を有しないフェノール系酸化防止剤が考慮される。
【0022】
特に有利に、本発明によるフィルムは、オキサニリド型のUV吸収剤の他に、一般式(2)、(3)又は(4)の(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオナートの部分構造を有する、1種以上のフェノール形酸化防止剤を含有する。
【化2】

式(2)の適切な安定化剤は、例えば式(3)の安定化剤
【化3】

n=1〜10又は式4の安定化剤である。
【化4】

【0023】
式(2)、(3)又は(4)による適切な安定化剤は、CAS登録番号36443−68−2の安定化剤であり、これらは、例えばCIBA社のIRGANOX 245として、CHEMTURA社のLowinox GP45として又はSONGWON社のSongnox 2450として、ならびにCAS登録番号90498−90−1の安定化剤であり、これらはSUMITOMO社の商品名Sumilizer GA 80で得られる。
【0024】
本発明による混合物又はフィルムは、式(2)、(3)又は(4)による3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニルプロピオナートの部分構造を有するフェノール系酸化防止剤を、有利に0.005〜0.5質量%、特に有利に0.01〜0.25質量%、殊に0.02〜0.1質量%、最も有利に0.03〜0.08質量%含有する。
【0025】
さらに、式(2)、(3)又は(4)の3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニルプロピオナートの部分構造を有するフェノール系酸化防止剤を使用するために、熱可塑性混合物/フィルムは、他の光安定性の、他の特性、例えば高い揮発性に基づき、それ自体単独で使用するのにあまり適していないフェノール系の酸化防止剤を用いた基本安定化がなされていてもよい。本発明の範囲内で、従って、PVBフィルムの押出条件及び加工条件下で高い揮発性を有する酸化防止剤が考慮され、これは、一般に300g/molより低い分子量を有するフェノール系酸化防止剤に該当する。有利に、本発明による熱可塑性混合物又はフィルムは、300g/molよりも低い分子量を有するフェノール系酸化防止剤を、0.001〜0.25質量%(フィルム混合物に対して)の量で含有する。300g/molより低い分子量を有する特に適したフェノール系酸化防止剤は、BHT(CAS登録番号:128−37−0)又は4−tert−オクチルフェノール(CAS登録番号:140−66−9)である。
【0026】
300g/molより低い分子量を有する上記のフェノール系酸化防止剤は、記載された量で、単独で又は他のフェノール系酸化防止剤と組み合わせて使用することができる。
【0027】
さらに、オキサニリド−UV吸収剤の使用のために、本発明による混合物の低いアルカリ滴定値(Alkalititer)の調節が、例えばポリビニルアセタールの中和の際に、本発明によるフィルムの改善された固有色及び光熱的安定性を生じさせることができる。
【0028】
このアルカリ滴定値は、実施例中に記載されているように、本発明による混合物もしくはフィルムの塩酸を用いた中和によって決定され、かつ有利に2〜70、特に3〜50及び最も有利に5〜30である。
【0029】
アルカリ滴定値の調節は、ポリビニルアルコールのアセタール化によるポリビニルアセタールの製造の間又はその製造の後でポリビニルアセタールの相応する中和によって行うことができるか、又は本発明による混合物への金属塩の添加によって行うことができる。この金属塩は、複合ガラス積層体のために本発明によるフィルムを使用する際に一般に粘着防止剤としても機能する。
【0030】
本発明によるフィルムは、粘着防止剤として、アルカリ土類金属イオン、亜鉛イオン、アルミニウムイオン又はアルカリ金属イオンを含有することができる。これらは、混合物/フィルム中で、1価又は多価の無機酸又は1価又は多価の有機酸の塩の形で存在する。対イオンについての例は、例えば有機カルボン酸の塩、例えばギ酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、安息香酸塩、2−エチルヘキサン酸塩等であり、この場合、有利に10個未満の、有利に8個未満の、有利に6個未満の、有利に4個未満の、特に有利に3個未満のC原子を有するカルボン酸が使用される。無機対イオンの例は、塩化物イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオンである。他の対イオンは、界面活性剤に分類されるアニオンであることができ、例えばスルホン酸イオン又はリン酸系の界面活性剤である。
【0031】
有利に、本発明によるフィルムは、アルカリ土類金属(Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra)、亜鉛及びアルミニウムのグループから選択されるイオンを5ppmより多く、有利に10ppmより多く、有利に15ppmより多く、有利に20ppmより多く、有利に25ppmより多く含有する。望ましくない曇りを回避するために、特に上記の多価の金属を250ppmより多く含有しないことが好ましい。
【0032】
同時に、アルカリ金属イオン(Li、Na、K、Rb、Cs、Fr)の含有量は、可塑剤含有の、ポリビニルアセタールをベースとするフィルム中でできる限り低く調節することができる。有利に、このフィルムはアルカリ金属イオンを150ppmより少なく、有利に100ppmより少なく、有利に75ppmyoリスクなく、有利に50ppmより少なく、有利に25ppmより少なく、有利に10ppmより少なく、特に有利に5ppmより少なく含有する。
【0033】
本発明により使用されたポリビニルアセタールは、ポリビニルアルコールPVAとアルデヒド、例えばブチルアルデヒドとのアセタール化生成物として得られる。本発明によるフィルムは、1種以上のポリビニルアセタールを含有することができ、このポリビニルアセタールは、モル質量、アセタール化度、残留アルコール含有量又はアセタール基の炭素原子の数が異なることができる。
【0034】
さらに、本発明によるフィルムの上記の所望の光学特性は、ポリビニルアセタールの製造の際に考慮されるポリビニルアルコール(PVA)の選択により改善することができる。PVAの段階でポリマー鎖中に不飽和の単位が欠陥箇所として存在する場合、この不飽和の単位は必然的に、これから製造されたポリビニルアセタール中でもみられ、またそれによりUV線の吸収率を高めかつ光安定性を悪化させる。この不飽和の単位は、単独の二重結合の形で、又は相互に共役した二重結合の形で又はカルボニル結合と共役した二重結合の形で存在することができる。この不飽和の単位は、PVA中でのUV分光分析により検出することができる。
【0035】
欠陥箇所の極めて高い割合は、H2O中での4質量%の水溶液の形で使用したPVAの測定の際に280nmで1付近の吸光度を生じる。本発明により使用されるポリビニルアセタールの製造のために、従って有利に、4質量%の水溶液中で280nmでの吸光度が0.5より低い、0.3より低い、特に0.2、有利に0.1であるポリビニルアルコールが使用される。
【0036】
UV−A線について十分に透明のオキサニトリド型のUV吸収剤の使用及び黄変する傾向のないフェノール系酸化防止剤の使用及び/又は特に欠陥箇所の少ないポリビニルアセタールの使用及び/又はアルカリ滴定値の調節に加えてさらに、本発明により製造されたフィルムは、1種又は数種の非芳香族光安定剤、特にHALS型の立体障害アミン及び/又は立体障害アミノエーテル(NOR−HALS)を有していることができる。
【0037】
本発明によるフィルムは、光安定剤として、HAS、HALS又はNOR−HALS型の立体障害アミンを、有利に0.005〜1質量%、特に有利に0.01〜0.5質量%、殊に0.03〜0.3質量%、最も有利に0.05〜0.25質量%含有する。
【0038】
特に適した立体障害アミンは、一般式(5)、(6)及び/又は(7)のアミンである。
【化5】

【0039】
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11=H、C1〜C20−アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アシルオキシアルキル、これらはそれぞれ非置換であるか又はアルデヒド基、ケト基又はエポキシ基で置換されている
R12=単結合、C1〜C20−アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アシルオキシアルキル、これらはそれぞれ非置換であるか又はアルデヒド基、ケト基又はエポキシ基で置換されている
n=2〜4
m=1〜10。
【0040】
この種の化合物は、例えばBASF (Ciba Specialities)社の製品のTinuvin 123 (NOR-HALS)、Tinuvin 144、Tinuvin 622、Tinuvin 770ならびにこれらのジ−N−メチル化誘導体によって市場で入手可能である。特に、例えばSongwon International社のSonglight 2920、Asahi Denka Co.社のADK Stab LA-57, LA-52若しくはLA-62又はBASF SE社のUVINUL 4050 Hが良好に適している。
【0041】
ポリビニルアセタールの製造のために、ポリビニルアルコールを水に溶かし、アルデヒド、例えばブチルアルデヒド、ホルムアルデヒド又はプロピオンアルデヒドで、酸触媒の添加下でアセタール化する。この生じたポリビニルアセタールを分離し、中性に洗浄し、場合によりアルカリ性に調節した水性媒体中に懸濁させ、その後で新たに中性に洗浄し、乾燥させた。
【0042】
アセタール化のために使用される酸は、反応が行われた後に再び中和しなければならない。アルカリ金属イオンのわずかな含有量は、特に、ポリビニルアセタールの合成の際に、触媒の中和のために通常使用される水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム若しくは炭酸塩を使用しないか、又はアセタール化の際に得られたポリビニルアセタールの入念な洗浄により達成することができる。塩基NaOH又はKOHの他に、アセタール化工程からの触媒酸は、例えば二酸化炭素又は酸化エチレンのバブリングによって中和することができる。
【0043】
ポリビニルアセタールのポリビニルアルコール含有量は、アセタール化の際に使用されたアルデヒドの量により調節することができる。
【0044】
2〜10個の炭素原子を有する他の又は複数のアルデヒド(例えばバレルアルデヒド)を用いてアセタール化を実施することも可能である。
【0045】
可塑剤含有のポリビニルアセタールをベースとするフィルムは、有利に未架橋のポリビニルブチラール(PVB)を含有し、これはブチルアルデヒドを用いたポリビニルアルコールのアセタール化により得られる。
【0046】
架橋したポリビニルアセタール、特に架橋したポリビニルブチラール(PVB)の使用も同様に可能である。適切な架橋したポリビニルアセタールは、例えば、EP 1527107 B1及びWO 2004/063231 A1(カルボキシル基含有ポリビニルアセタールの熱により自己架橋)、EP 1606325 A1(ポリアルデヒドで架橋したポリビニルアセタール)及びWO 03/020776 A1(グリオキシル酸で架橋したポリビニルアセタール)に記載されている。これらの特許出願の公開公報について、参照により完全に取り込まれる。
【0047】
ポリビニルアルコールとして、本発明の範囲内で、加水分解された酢酸ビニル/エチレン−コポリマーからなるターポリマーも使用することができる。これらの化合物は、原則として、98Mol%より多くが加水分解されていて、エチレンをベースとする単位を1〜10質量%含有する(例えばKuraray Europe GmbH社のタイプ「Exceval」)。
【0048】
ポリビニルアルコールとして、本発明の範囲内で、さらに酢酸ビニルと少なくとも1種の他のエチレン性不飽和モノマーとの加水分解されたコポリマーを使用することもできる。
【0049】
このポリビニルアルコールは、本発明の範囲内で、純粋又は異なる重合度又は加水分解度を有するポリビニルアルコールの混合物として使用することができる。
【0050】
ポリビニルアセタールは、アセタール単位の他に、酢酸ビニルとビニルアルコールとから生じる単位を含有することができる。本発明により使用されたポリビニルアセタールは、有利に、22質量%、20質量%又は18質量%未満、16質量%又は15質量%未満、特に14質量%未満のポリビニルアルコール割合を有する。12質量%のポリビニルアルコール割合は上回らないのが好ましい。
【0051】
本発明により使用されたポリビニルアセタールのポリビニルアセタート含有量は、有利に5質量%以下、3質量%以下、又は1質量%以下、特に有利に0.75質量%以下、さらに特に有利に0.5質量%以下、特に0.25質量%以下である。
【0052】
ポリビニルアルコール割合及び残留アセタート含有量から、アセタール化度を計算により算定することができる。
【0053】
有利に、このフィルムは、5〜45質量%、12〜36質量%、14〜32質量%、16〜30質量%、特に有利に20〜28質量%の範囲内の全可塑剤含有量、つまり、フィルム中の全ての可塑剤の割合を有する。本発明によるフィルム又はそのフィルムで接着された積層物/モジュールは、1種又は数種の可塑剤を含有することができる。
【0054】
本発明によるフィルムのための可塑剤として良好に適しているのは、次グループから選択される1種又は数種の化合物である、ジ−2−エチルヘキシルセバカート(DOS)、ジ−2−エチルヘキシルアジパート(DOA)、ジヘキシルアジパート(DHA)、ジブチルセバカート(DBS)、トリエチレングリコール−ビス−n−ヘプタノアート(3G7)、テトラエチレングリコール−ビス−n−ヘプタノアート(4G7)、トリエチレングリコール−ビス−2−エチルヘキサノアート(3GO又は2G8)、テトラエチレングリコール−ビス−n−2−エチルヘキサノアート(4GO又は4G8)、ジ−2−ブトキシエチルアジパート(DBEA)、ジ−2−ブトキシエトキシエチルアジパート(DBEEA)、ジ−2−ブトキシエチルセバカート(DBES)、ジ−2−エチルヘキシルフタラート(DOP)、ジ−イソノニルフタラート(DINP)、トリエチレングリコール−ビス−イソノナノアート、トリエチレングリコール−ビス−2−プロピルヘキサノアート、トリス(2−エチルヘキシル)ホスファート(TOF)、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニルエステル(DINCH)、ジイソノニルアジパート(DINA)及びジプロピレングリコールベンゾアート。
【0055】
本発明によるフィルムのための可塑剤としてさらに特に適しているのは、その極性が式100×O/(C+H)により表して9.4以下の可塑剤であり、その際、O、C及びHは、その都度の分子中の酸素原子、炭素原子及び水素原子の数を表す。
【0056】
次の表は、本発明により使用可能な可塑剤及び式100×O/(C+H)によるその極性値を示す。
【0057】
名称 省略形 100×O/(C+H)
ジ−2−エチルヘキシルセバカート (DOS) 5.3
ジ−イソ−ノニルアジパート (DINA) 5.3
1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニルエステル
(DINCH) 5.4
ジ−2−エチルヘキシルアジパート (DOA) 6.3
ジヘキシルアジパート (DHA) 7.7
ジブチルセバカート (DBS) 7.7
トリエチレングリコール−ビス−2−プロピルヘキサノアート 8.6
トリエチレングリコール−ビス−i−ノナノアート 8.6
ジ−2−ブトキシエチルセバカート (DBES) 9.4
トリエチレングリコール−ビス−2−エチルヘキサノアート
(3G8) 9.4
太陽電池モジュール中で使用するために、本発明によるフィルムは、23℃で85%rFの周囲湿度で、有利に少なくとも1E+11ohm・cm、有利に少なくとも5E+11ohm・cm、特に1E+12ohm・cm、特に5E+12ohm・cm、特に1E+13、特に5E+13ohm・cm、特に1E+14ohm・cmの比抵抗を有する。
【0058】
さらに、本発明による混合物又はフィルムは、さらに他の添加剤、例えば帯電防止剤、充填剤、IR吸収性ナノ粒子又は発色団、着色剤、界面活性物質、漂白剤、安定剤、酸/塩基−緩衝剤、キレート形成剤、エポキシ基含有化合物、顔料又は粘着調節剤を含有することができる。
【0059】
特に、選択的にIR線を反射又は吸収する粒子と組み合わせて封入されている。
【0060】
さらに、本発明の主題は、本発明によるフィルムは、太陽電池モジュール、ガラス積層物、温室カバーを製造するため、家具分野における、鳥類保護板ガラスにおける使用、特に
・ 高いエネルギー透過及びUV−A線に対して透過性を有する温室用板ガラスにおける使用
・ 太陽光スペクトルのUV−A分を利用することによる高い光電流収率を有する太陽電池モジュール用の封入フィルムとしての使用
・ 特に色彩的に中立の建築用板ガラス用の積層フィルムとしての使用
・ 例えば家具用ガラス分野において、UV−A−硬化性接着剤を用いた組立のためのUV透過性複合ガラスとしての使用
・ UVコントラストを達成するために、PVBフィルムで積層された板ガラスが部分的にUV透過性されている鳥類保護板ガラスの部分としての使用。
【0061】
もちろん、1つの部材中で、UV−A線について高い透明性を有する本発明によるフィルムと、通常の十分にUV不透明なフィルムとの組合せも考慮されかつ有意義である。例えば、PVモジュールの適用のために、2枚のフィルム層の間にソーラーセルを埋め込む際に、前方の光に向かう側に存在するフィルムは、エネルギー収率を高めるために、UV−A線に対して記載された高い透明性を有し、背面に存在するフィルムは、しかしながら慣用のようにUV−B及びUV−Aに対して不透明であり、それにより、その後方に存在する材料、例えばポリマーのバックシート又は接着されたコンタクトソケットはUV損傷から保護されるか、又は建物カバーに組み込まれたガラス/ガラス−モジュールの場合に建物室内はUV線から保護される。
【0062】
色彩の中立性を達成するために、複数のフィルム層、例えば3×0.76mmを使用する場合に、これらのフィルム層の1つだけが通常のUV吸収剤を備えていて、他の2つは本発明により使用されたオキサニリド吸収剤を備えている。このように、十分なUV吸収の場合に、PVBフィルムが板ガラスに黄色の色合いを付与することを最小にすることができる。
【0063】
本発明によるフィルムは、0.76mmの厚さで、有利に1未満の、有利に0.7未満の、特に有利に0.5未満の、殊に0.3未満の黄色値dbを有し、かつ5未満の、有利に2.5未満の、特に有利に2未満の、殊に1.5未満のデルタb*値を有する。
【0064】
温室カバーの場合に、UV−B線に対する保護と同時に、最大のエネルギー透過率を達成するために、本発明によるフィルムを特に鉄貧有のガラスと組み合わせる。これは、積層のために使用される単一のガラスに対して、1〜5mmの厚さ、有利に1.5〜4mm、最も有利に2〜3mmの厚さを有することができる。
【0065】
試験法及び測定法:
これらのフィルムの照射耐久性は、複合ガラスの場合に、Optiwhite(登録商標)タイプの2mmの厚さの2枚のガラス(Pilkington社の酸化鉄貧有ガラス)の間で試験した。この場合、15×15cmの寸法を有する積層物は、EN 12543による照射室中に20週の期間にわたり置いた。EN 12543の条件とは相違して、一定の80℃の高めた試料温度に調節した、それというのもこれは、むしろ望ましくない場合での適用において実際に生じる組み合わせられた放射線負荷及び温度負荷に対応するためである。
【0066】
暗所に置かれたオリジナル積層物と比べた照射された積層物のb*値(CIELab)の比較測定により、b*値の相対的増加を、それぞれの安定剤タイプ又はそれぞれの安定剤組合せを有するPVBフィルムの放射線耐久性の尺度として測定することができる。b*値の測定は、製造元Hunterlabの色彩計「ColorQuest XE」で、CIEAb系で、透過(10°/D65)で行った。このデルタb*値は、照射された試料のb*値とオリジナルの試料のb*値との間の差異として生じる。
【0067】
押し出されたフィルム(照射による付加的負荷なし)の固有色の区別の目的で、0.76mmの厚さのフィルムと2枚の2mmのOptiwhiteのガラス板を有する複合ガラスを、ColorQuest XEでHunterlab2°/Cの調節で測定した。この方法の場合、ガラスの固有色は、ゼロ試料として同一のガラスバッチのガラス板ペアの測定により平均値を測定し、中間層の黄色化への寄与を黄色値dbとして数値によって測定する。
【0068】
このポリビニルアセタールのポリビニルアルコール含有量及びポリビニルアルコールアセタート含有量は、ASTM D 1396-92に従って決定した。金属イオン含有量の分析は、原子吸光分析(AAS)により行った。フィルムの水含有量又は湿分含有量は、カール・フィッシャー(Karl-Fischer)法を用いて決定する。
【0069】
アセタール化において使用されるポリビニルアルコールのUV吸収率の決定のために、これをUV/VIS分光計(例えばPerkin-Elmer Lambda 950)中で、4%の水溶液として1cmの層厚で280nmの波長で測定する。この場合、この測定値は、PVAの乾燥材料含有量を参照することができる。
【0070】
2×2mmのOptiwhiteの間にラミネートされたサンプルフィルムの照射技術的特性(光透過率TL、直接放射線透過率TE、UV透過率、選択された波長での透過率;それぞれ%で表す)は、DIN EN 410に従って、UV/VIS分光計(Perkin-Elmer Lambda 950)で決定した。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】比較例1、比較例3及び実施例3のフィルムの異なる透過率を示す図。
【実施例】
【0072】
下記の表に記載された組成の混合物及び厚さを有するフィルムを製造し、2mmの厚さの2枚のホワイトガラス(Optiwhite)の間の積層物として加工し、試験した。
【0073】
比較例1(UV安定剤なし)は、UV−B領域で高すぎる透過率を示す。比較例3はUV−A領域で低すぎる透過率を示す。比較例2は、UV−B領域及びUV−A領域において十分に低い及び高い透過率を示すが、フェノール系の酸化防止剤Irganox 1076に基づき、この照射試験において黄変する傾向がある。
【0074】
実施例1〜9の本発明によるフィルムは、UV−A線にとって高い透過率を示すので、この波長領域においてできる限り高い放射線割合を必要な適用にとって良好に適している。
【0075】
同時に、UV−B領域での吸収率は高い(つまり透過率は低い)ため、この波長領域における高エネルギー線からの材料の十分な保護又は十分な安定化を提供する。これは、照射試験におけるわずかな黄変により明らかである。
【0076】
図1は、比較例1(UV安定剤なし、UV−B領域での十分な吸収を示さない)、比較例3(UV−A領域での低い透過率)及び実施例3(UV−A線にとって高い透過率で、UV−B領域での高い吸収率)のフィルムの異なる透過率を明らかにする。
【0077】
表中の意味
3G8 トリエチレングリコール−ビス−2−エチルヘキサノアート
DBEA ジ−2−ブトキシエチルアジパート(場合により3G8との質量%混合比で)
DINCH 1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニルエステル
PVB 記載されたPVA含有量を有するポリビニルブチラール
S 2450 Songnox 2450
I 1076 Irganox 1076
L 44B25 Lowinox 44B25
S GA−80 Sumilizer GA-80
TE %で示した直接放射線透過率TE(300〜2500nm)
TL %で示した光透過率TL(380〜780nm)
UV %で示したUV透過率TUV(280〜380nm)
Db* EN 12543に準拠した20週の照射試験後のデルタb*値
Tinuvin 328 Tinuvin 328(ベンゾトリアゾール型のUV吸収剤)
Tinuvin 312 Tinuvin 31(オキサニリド型のUV吸収剤)
積層物試験 2×2mmのOptiwhiteガラスの間の積層物での試験値
黄色値db Colorquest XEでの黄色値db
ng 試験せず
(a) PVBに対する質量%で表示
(b) PVBに対するppmで表示
(c) フィルムに対する質量%で表示
【表1】

【0078】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種のポリビニルアセタールと、少なくとも1種の可塑剤とを含有するフィルムにおいて、式(1)
【化1】

[式中、R1、R2=1〜10個の炭素原子を有する炭化水素基]のオキサニリド型の少なくとも1種の化合物0.001〜1質量%がUV吸収剤として添加されていることを特徴とする、フィルム。
【請求項2】
式1のUV吸収剤としてCAS登録番号23949−66−8のUV吸収剤が使用されていることを特徴とする、請求項1記載のフィルム。
【請求項3】
前記フィルムが、2〜70のアルカリ滴定値を有することを特徴とする、請求項1又は2記載のフィルム。
【請求項4】
前記フィルムが、式(2)
【化2】

[式中、R=多官能性アルコールの炭化水素基、二官能性環式エーテル、二官能性環式ジエーテル、二官能性ジオキサン誘導体、1〜10個のグリコール単位を有するオリゴグリコール又は1〜20個の炭素原子を有する炭化水素基及びx=1、2、3及び4]の少なくとも1種の化合物0.001〜1質量%を含有することを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載のフィルム。
【請求項5】
前記フィルムが、さらに、300g/molより低い分子量を有するフェノール系の酸化防止剤を、0.005〜0.5質量%の量で含有することを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載のフィルム。
【請求項6】
前記フィルムが、さらに、HAS/HALS/NOR−HALS型の非芳香族光安定剤0.001〜1質量%を含有することを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載のフィルム。
【請求項7】
前記フィルムは、3未満のデルタb*値を有することを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載のフィルム。
【請求項8】
前記フィルムは、1未満の黄色値dbの固有色を有することを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載のフィルム。
【請求項9】
前記ポリビニルアセタールは、ポリビニルアルコールのアセタール化により製造され、前記ポリビニルアルコールは、4質量%水溶液の形で、280nmで、0.5より低い吸光度を有することを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載のフィルム。
【請求項10】
前記フィルムは、アルカリ土類金属、亜鉛及びアルミニウムからなるグループから選択される金属イオンを5ppmより多く有し、アルカリ金属イオンを150ppmより少なく有することを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項記載のフィルム。
【請求項11】
前記フィルムは、さらに、(2,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナートの部分構造を有しないフェノール系酸化防止剤を0.005〜0.5質量%の量で含有することを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項記載のフィルム。
【請求項12】
前記フィルムは、さらに、(2,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナートの部分構造を有するフェノール系酸化防止剤400ppm以下を含有することを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項記載のフィルム。
【請求項13】
太陽電池モジュール、温室カバー、家具分野のガラス積層物、色彩の乏しい板ガラス、鳥類保護板ガラスの製造のための、請求項1から12までのいずれか1項記載のフィルムの使用。

【図1】
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【公開番号】特開2012−46748(P2012−46748A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−183554(P2011−183554)
【出願日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(507052393)クラレイ ユーロップ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (29)
【氏名又は名称原語表記】Kuraray Europe GmbH
【住所又は居所原語表記】Brueningstrasse 50, D−65926 Frankfurt , Germany
【Fターム(参考)】