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VOC迅速分析システムおよび分析方法
説明

VOC迅速分析システムおよび分析方法

【課題】クリーンルーム等のVOCを迅速かつ簡便に精度良く分析する技術を提供する。
【解決手段】「吸引手段」、空気中のVOCをトラップする捕集剤を持つ「VOC捕集手段」、「空気採取管」、「キャリアガス導入管」、「カラム」、「検出器」を備え、かつガスの経路を下記の3モードに切り替える弁機構を有し、下記分析モードにおいてはVOC捕集手段の捕集剤から脱着させたVOC成分を分析するようにしたVOC迅速分析システム。
(1)空気採取モード; 空気採取管→VOC捕集手段→吸引手段
(2)分析モード; キャリアガス導入管→VOC捕集手段→カラム→検出器
(3)洗浄モード; キャリアガス導入管→VOC捕集手段、およびキャリアガス導入管→カラム→検出器

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クリーンルームや一般室内環境、あるいは大気環境におけるVOC(揮発性有機化合物)をその場で迅速に分析することができるVOC迅速分析システム、およびそのVOC迅速分析システムを用いた分析方法に関する。
【背景技術】
【0002】
クリーンルームや一般室内環境、あるいは大気環境におけるVOCの測定は一般に、評価対象の空気が存在する現場で、その空気を捕集剤に採取してラボに持ち帰り、GC(ガスクロマトグラフ)あるいはGC/MS(ガスクロマトグラフ/質量分析装置)により分析する手法により行われている。捕集剤としては例えばTenax(2,6−diphenyl−p−phenylene oxide構造の耐熱性樹脂)が挙げられる。Tenaxを用いてサンプリングし、GCで分析する手法およびGC/MSで分析する手法を、ここではそれぞれ「Tenax捕集−GC法」および「Tenax捕集−GC/MS法」と呼ぶ。このような従来の分析手法は、結果がその場で分からないという欠点がある。
【0003】
一方、簡易法として、ガス検知管を用いる方法が知られている。しかし、検知管では特に芳香族(トルエン、キシレン、エチルベンゼン)の分離が困難であり、各物質を同定できないという問題がある。
【0004】
【特許文献1】特開2005−221341号公報
【特許文献2】特開2005−315739号公報
【特許文献3】特許第3777753号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記現状に鑑み、クリーンルームや一般室内環境、あるいは大気環境におけるVOCについて、評価対象の空気が存在する場所(on site)で迅速かつ簡便に精度良く分析を行うことができる分析システムを提供しようというものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的は、管路からガスを吸引する「吸引手段」、空気中のVOCをトラップする捕集剤と捕集されたVOC成分を脱着させるための加熱機構を持つ「VOC捕集手段」、外部空間につながる「空気採取管」、キャリアガス源につながる「キャリアガス導入管」、「カラム」および「検出器」を備え、かつガスの経路を下記(1)、(2)の2モード、好ましくは(1)〜(3)の3モードに切り替える弁機構を有し、下記分析モードにおいてはVOC捕集手段の捕集剤から脱着させたVOC成分を分析するようにしたVOC迅速分析システムによって達成される。
(1)空気採取モード; 空気採取管→VOC捕集手段→吸引手段
(2)分析モード; キャリアガス導入管→VOC捕集手段→カラム→検出器
(3)洗浄モード; キャリアガス導入管→VOC捕集手段、およびキャリアガス導入管→カラム→検出器
【0007】
特に、ガスの経路を制御する「制御手段」を備え、その制御手段からの信号により弁機構を動作させてガスの経路を切り替えるようにしたものが好適な対象となる。また、その制御手段は、予め入力されている測定条件に基づいて、ガスの経路を空気採取モード、分析モード、洗浄モードの順に自動的に切り替える制御を行うとともに、各モードに応じて、吸引手段、VOC捕集手段の加熱機構、および検出器の各動作を自動制御する機能を有するものとすることができる。さらに、検出器からの信号を処理して空気中のVOC成分濃度を算出する機能を有する「データ処理手段」を備えたものがより好ましい。
検出器は、PIDと、その後段にFIDを直列に配置した構成とすることができる。
【0008】
また本発明では、上記のVOC迅速分析システムを評価対象の空気が存在する場所またはその近傍に設置し、当該システムを用いて、空気採取モードにおいて評価対象の空気を空気採取管から採取してVOC捕集手段の捕集剤に捕集し、分析モードにおいてVOC捕集手段の加熱機構により捕集剤を加熱し、捕集されたVOC成分を脱着させてカラムおよび検出器により分析を行い、洗浄モードにおいてVOC捕集手段、カラムおよび検出器をキャリアガスにより洗浄する、VOCの迅速分析方法が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明の分析システムは可搬性に優れるので、クリーンルームや一般室内環境、あるいは大気環境において極微量のVOC濃度をその場(on site)で迅速に分析することが可能である。検知管法では分離が困難な芳香族(トルエン、キシレン、エチルベンゼン)についても個々の物質の空気中濃度を把握することができる。分析結果がその場で分かるため、細かい経時変化が個別物質毎にモニター可能である。また、無人で自動的に連続測定を行うことも可能である。本発明の分析システムによればC16(炭素数16)程度の高沸点化合物も分析できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
《システム構成およびガス経路》
本発明のVOC迅速分析システムの構成およびガスの経路を、使用時のモードに従って説明する。図1〜図3に、各モードにおけるガス経路を例示してある。
【0011】
〔空気採取モード;図1〕
空気採取モードは、評価対象となる空気を採取してVOCを捕集するモードである。このとき、弁機構の動作によって、空気採取管1→VOC捕集手段2→吸引手段3の経路が形成される。空気採取管1は、評価対象の空気が存在する箇所に開口部を配置し、当該空気を装置内に導入するものである。空気の導入は吸引手段3を構成するポンプの駆動力によって行われる。吸引手段3には例えば真空ポンプが採用できる。空気採取管1から導入された空気はVOC捕集手段2を構成する捕集剤に触れながら通気され、VOC成分はその捕集剤に吸着される。捕集剤としてはTenaxを用いたものが適している。例えばTenax−GRと称されるグラファイトカーボンを含浸させた捕集剤が好適である。捕集剤と接触する空気の通気量が多くなるほど、VOCの蓄積量が増大する(すなわち濃縮される)。空気採取モードでの合計通気量は例えば100〜500mL程度とすればよい。採取時間は例えば1〜5分程度である。なお、この間、キャリアガス導入管4→カラム5→検出器6の経路を開通して、カラム5、検出器6にキャリアガスだけを通気しておくことができる。
【0012】
従来、土壌分野などで使用されている可搬式CG装置では、真空瓶またはサンプルバッグに採取した空気をガスタイトシリンジでGCに直接スパイクするオンカラム方式が採られている。このような方式の場合、サンプリングされるガス量は0.5mL程度であり、クリーンルーム等の極微量VOCの検出に対応できる分析精度を確保することは困難である。本発明のシステムでは100mL以上好ましくは200mL以上の空気をサンプリング可能であるから、VOC成分を濃縮して捕集することができ、分析精度の向上が可能となる。
【0013】
〔分析モード;図2〕
分析モードは、VOC捕集手段2に濃縮されたVOC成分を脱着させて、カラム5に運び、検出器6を用いてガスクロマトグラフによる測定を行うモードである。このとき、弁機構の動作によって、キャリアガス導入管4→VOC捕集手段2→カラム5→検出器6の経路が形成される。キャリアガス導入管4は、キャリアガス源につながる管路である。キャリアガスとしてはN2等の不活性ガスが適している。キャリアガス源にはガスボンベを使用することができ、そのガス圧を適度に減圧してキャリアガスの通気を行う。VOC捕集手段2では加熱機構により200℃程度あるいはそれ以上の温度に加熱し、捕集剤にトラップされているVOC成分を脱着させる。脱着したVOC成分はキャリアガスによってカラム5に運ばれ、分析に供される。
【0014】
カラム5は、可搬性を考慮すると、ガラスではなく、ステンレス鋼製のキャピラリーカラムを採用することが好ましい。形態は細長いものが適している。例えば膜厚0.25mm程度で、0.53mm×60m程度のものが採用できる。このような全長の長いカラムを用いることによって、より多成分のVOCが分離可能となる。検出器6は、PID(光イオン化検出器;Photo Ionization Detector)を採用し、またPIDは非破壊であるから、その後段にFID(水素炎イオン化検出器;Flame Ionization Detector)を直列に配置した構成とすることができる。このような構成により、アルコールなど室内環境で通常検出される物質の同定が行いやすくなる。
【0015】
〔洗浄モード;図3〕
洗浄モードは、VOC捕集手段2、カラム5、検出器6およびそれらをつなぐ管路を、パージガスによって洗浄するモードである。パージガスは、N2等の不活性ガスが適用でき、分析モードのキャリアガスをそのまま利用することもできる。本明細書では洗浄に使用するパージガスも便宜上キャリアガスと称しているが、分析用のキャリアガスと異種のものを使用する場合は、キャリアガス導入管4にパージガス専用のボンベを接続すればよい。洗浄モードでは、弁機構の動作によって、キャリアガス導入管4→VOC捕集手段2の経路(経路A)、およびキャリアガス導入管4→カラム5→検出器6の経路(経路B)が形成される。経路Aと経路Bを、一方ずつ順次洗浄しても構わないが、経路A、Bを同時に開通させて同時に洗浄することが可能な弁機構の構成を採用することがより好ましい。経路Aの洗浄においてはVOC捕集手段2に付属する加熱機構により捕集剤を例えば250℃あるいはそれ以上の温度に加熱し、残存している吸着成分を排除する。
【0016】
《自動制御》
本発明のVOC迅速分析システムにおいては、各モードにおけるガスの経路を自動的に設定するための制御手段7を備えているものが好ましい。具体的には、制御手段7からの信号により弁機構を動作させてガスの経路を切り替えるようにする。また、制御手段7は、予め入力されている測定条件に基づいて、ガスの経路を空気採取モード、分析モード、洗浄モードの順に自動的に切り替える制御を行うとともに、各モードに応じて、少なくとも吸引手段、VOC捕集手段の加熱機構、および検出器の各動作を自動制御する機能を有するものが特に望ましい。
さらに、検出器からの信号を処理して空気中のVOC成分濃度を算出する機能を有するデータ処理手段8を備えたシステム構成とすることが望ましい。制御手段7とデータ処理手段8は、例えばパーソナルコンピュータによって実現することができる。
【0017】
ガス経路の切り替えと、吸引手段、VOC捕集手段、検出器等の動作を制御する機能を有する制御手段7を搭載し、かつ検出器6からの信号を処理して空気中のVOC成分濃度を算出する機能を有するデータ処理手段8を搭載することにより、無人での自動測定を実現することが可能である。特に、「空気採取モード→分析モード→洗浄モード」を1サイクルとし、所定のインターバルで複数回のサイクルを自動的に行わせることにより、VOC濃度の経時変化を無人で定点観測することも可能である。1サイクルの測定は概ね30〜60分程度で終了させることができるので、きめ細かいVOC濃度変動を把握することができる。なお、最初の空気採取モードの前に洗浄モードを1回実施するようにプログラミングすることもできる。
【0018】
《検量線の作成》
空気中のVOCを評価するのに先立って、当該システムにより予め検量線を作成する必要がある。そのときのガス経路を図4〜図6に示す。
【0019】
〔標準試料導入モード;図4〕
本発明のシステムには、シリンジ11から標準試料を導入するための標準試料導入管12が設けられている。シリンジ11を標準試料導入管12に接続して標準試料をスパイクし、キャリアガスによってVOD捕集手段2に運び、標準試料の成分を捕集剤にトラップさせる。なお、この間、カラム5、検出器6にキャリアガスだけを通気しておくことができる。
【0020】
〔標準試料分析モード;図5〕
前記の分析モードと同様のガス経路とし、VOC捕集手段2の加熱機構により200℃程度あるいはそれ以上の温度に加熱し、捕集剤にトラップされている標準試料の成分を脱着させる。脱着した成分はキャリアガスによってカラム5に運ばれ、分析に供される。得られた分析結果を較正することにより検量線が作成される。
【0021】
〔洗浄モード;図6〕
前記の洗浄モードと類似のガス経路とし、キャリアガスによって各部を洗浄する。ただし、ここでは標準試料導入管12を洗浄できるようなガス経路とすることが望ましい。VOC捕集手段2に付属する加熱機構により捕集剤を例えば250℃あるいはそれ以上の温度に加熱し、捕集剤に残存している吸着成分を排除する。
【0022】
制御手段7およびデータ処理手段8によって、上記の「標準試料導入モード→標準試料分析モード→洗浄モード」の操作および検量線の作成を自動的に行わせることが可能である。
【実施例1】
【0023】
図1〜図3の各モード、および図4〜図6の検量線作成操作を実施できる構成の可搬型分析システムを構築した。VOC捕集手段2としてTenax−GR捕集管を使用した。カラム5はステンレス鋼製で、0.53mm×60m、膜厚0.25mmのキャピラリーカラムを採用した。検出器6は、PIDとFIDを直列に配置する構成とした。FIDの作動に必要な水素供給手段等の各装置も内蔵させた。制御手段7およびデータ処理手段8として、パーソナルコンピュータを使用した。ソフトウエアによって、検量線の作成操作、および「空気採取モード→分析モード→洗浄モード」の測定サイクルを繰り返す計測操作をそれぞれ自動的に実行させるようにした。
【0024】
この本発明に係る分析システムを用いて、標準試料の分析を、上記の「標準試料導入モード→標準試料分析モード→洗浄モード」の手順で行った。得られたクロマトグラムの画面表示を図7に例示する。低沸点から高沸点まで非常にきれいにピークが取れている。
【実施例2】
【0025】
本発明の上記分析システムを用いて、あるクリーンルームにおける空気中のVOCを、「空気採取モード→分析モード→洗浄モード」の手順により自動的に測定した(以下「本発明法」という)。1回の測定において、空気採取モードでの合計通気量は200mLとした。キャリアガスにはN2を使用した。キャリアガス源には窒素ガスボンベを用い、ボンベ圧を減圧して通気を行った。洗浄用のパージガスにも分析用のキャリアガスを用いた。
一方、上記本発明の分析システムでのサンプリングと同時に、同じ箇所の空気を別途Tenaxに捕集し、これをラボに持ち帰って従来のTenax捕集−GC/MS法(以下「精密法」という)により分析した。
【0026】
図8、図9に、それぞれ本発明法と精密法について同時期にサンプリングした空気のクロマトグラムを例示する(図8と図9は別のサンプリング時期である)。
本発明法と精密法のクロマトグラムを対比すると、両者において、ほぼ似たクロマトグラムのピークパターンが得られている。図9のサンプリング時期の空気からは、本発明法、精密法とも、トルエン、エチルベンゼン、m−,p−キシレンが多く検出されている。
【実施例3】
【0027】
上記本発明の分析システムを用いて、上記の本発明法(測定条件は実施例2と同様)により上記クリーンルームの空気中VOC濃度を6日間にわたってモニターした。その際、「空気採取モード→分析モード→洗浄モード」の測定サイクルを無人で自動的に繰り返した。測定インターバルは60分とした。
一方、上記6日間の中でスポット的に11回、同じ箇所の空気を別途Tenaxに捕集し、これをラボに持ち帰って前記の精密法により分析した。
【0028】
図10に、トルエン、エチルベンゼンおよびm−,p−キシレン、並びに総揮発性有機化合物(TVOC)の空気中濃度の経時変化を例示する。図中、「Developed Method」のラインが本発明法、▲のプロットが精密法に相当する。本発明法では2箇所、測定値が無い箇所があるが、これはこの時間帯に一旦装置を停止させているためである。
図10からわかるように、本発明法によればVOCのきめ細かな経時変化を自動計測することが可能であり、スポット的なサンプリングでは見逃しやすいVOC濃度の細かい変動挙動も、より的確に把握することができる。
【0029】
図11に、精密法に供するためのスポット的なサンプリングを行った時期の空気におけるトルエンおよびTVOCについて、本発明法と精密法の測定値の対応関係を示す。
本発明法と精密法の測定値には非常に高い相関関係が得られることが確認された。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明のVOC迅速分析システムにおける空気採取モードのガス経路を模式的に示した図。
【図2】本発明のVOC迅速分析システムにおける分析モードのガス経路を模式的に示した図。
【図3】本発明のVOC迅速分析システムにおける洗浄モードのガス経路を模式的に示した図。
【図4】本発明のVOC迅速分析システムにおける標準試料導入モードのガス経路を模式的に示した図。
【図5】本発明のVOC迅速分析システムにおける標準試料分析モードのガス経路を模式的に示した図。
【図6】本発明のVOC迅速分析システムにおける標準試料分析後の洗浄モードのガス経路を模式的に示した図。
【図7】本発明法により標準試料を分析して得られたクロマトグラムの画面表示を例示した図。
【図8】本発明法と精密法について同時期にサンプリングした空気のクロマトグラムを例示した図。
【図9】本発明法と精密法について同時期にサンプリングした空気のクロマトグラムを例示した図。
【図10】本発明法と精密法についてトルエン、エチルベンゼン、m−,p−キシレン、総揮発性有機化合物(TVOC)の空気中濃度の経時変化を例示したグラフ。
【図11】トルエンおよびTVOCについて本発明法と精密法の測定値の対応関係を示したグラフ。
【符号の説明】
【0031】
1 空気採取管
2 VOC捕集手段
3 吸引手段
4 キャリアガス導入管
5 カラム
6 検出器
7 制御手段
8 データ処理手段
11 シリンジ
12 標準試料導入管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管路からガスを吸引する「吸引手段」、空気中のVOCをトラップする捕集剤と捕集されたVOC成分を脱着させるための加熱機構を持つ「VOC捕集手段」、外部空間につながる「空気採取管」、キャリアガス源につながる「キャリアガス導入管」、「カラム」および「検出器」を備え、かつガスの経路を少なくとも下記の2モードに切り替える弁機構を有し、下記分析モードにおいてはVOC捕集手段の捕集剤から脱着させたVOC成分を分析するようにしたVOC迅速分析システム。
(1)空気採取モード; 空気採取管→VOC捕集手段→吸引手段
(2)分析モード; キャリアガス導入管→VOC捕集手段→カラム→検出器
【請求項2】
管路からガスを吸引する「吸引手段」、空気中のVOCをトラップする捕集剤と捕集されたVOC成分を脱着させるための加熱機構を持つ「VOC捕集手段」、外部空間につながる「空気採取管」、キャリアガス源につながる「キャリアガス導入管」、「カラム」および「検出器」を備え、かつガスの経路を下記の3モードに切り替える弁機構を有し、下記分析モードにおいてはVOC捕集手段の捕集剤から脱着させたVOC成分を分析するようにしたVOC迅速分析システム。
(1)空気採取モード; 空気採取管→VOC捕集手段→吸引手段
(2)分析モード; キャリアガス導入管→VOC捕集手段→カラム→検出器
(3)洗浄モード; キャリアガス導入管→VOC捕集手段、およびキャリアガス導入管→カラム→検出器
【請求項3】
さらに、ガスの経路を制御する「制御手段」を備え、その制御手段からの信号により弁機構を動作させてガスの経路を切り替えるようにした請求項1または2に記載のVOC迅速分析システム。
【請求項4】
制御手段は、予め入力されている測定条件に基づいて、ガスの経路を空気採取モード、分析モード、洗浄モードの順に自動的に切り替える制御を行うとともに、各モードに応じて、吸引手段、VOC捕集手段の加熱機構、および検出器の各動作を自動制御する機能を有するものである請求項3に記載のVOC迅速分析システム。
【請求項5】
さらに、検出器からの信号を処理して空気中のVOC成分濃度を算出する機能を有する「データ処理手段」を備える請求項1〜4のいずれかに記載のVOC迅速分析システム。
【請求項6】
検出器は、PIDと、その後段にFIDを直列に配置したものである請求項1〜5のいずれかに記載のVOC迅速分析システム。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載のVOC迅速分析システムを評価対象の空気が存在する場所またはその近傍に設置し、当該システムを用いて、空気採取モードにおいて評価対象の空気を空気採取管から採取してVOC捕集手段の捕集剤に捕集し、分析モードにおいてVOC捕集手段の加熱機構により捕集剤を加熱し、捕集されたVOC成分を脱着させてカラムおよび検出器により分析を行い、洗浄モードにおいてVOC捕集手段、カラムおよび検出器をキャリアガスにより洗浄する、VOCの迅速分析方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図11】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−257839(P2009−257839A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−104951(P2008−104951)
【出願日】平成20年4月14日(2008.4.14)
【出願人】(000001373)鹿島建設株式会社 (1,387)
【Fターム(参考)】