説明

VTR一体型DVDレコーダ及び電子機器

【課題】簡単な構造を有し、従来のものに比べて部品点数を減らすことができ、接地を強化することができるジャックを用いることで、前記ジャックに漏れる妨害電力をリアパネルに導通させ、妨害電力によるノイズや機器の障害等の不具合を低減することができる電子機器を提供する。
【解決手段】内側に折り曲げられて形成される連結部21と、連結部21の先端の一部をシャーシ1に向かって折り曲げられて形成されるリブ部22と、さらにリブ部22の先端がリアパネル2と反対側に折り曲げられて形成される支持部23とを有しており、支持部23は雌ねじ231を有しており、導電性を有するボルトBtの少なくとも一部がプリント基板5の接地パターン521と接触するようにプリント基板5と支持部23とを共締めした電子機器A。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はVTR一体型DVDレコーダ、TV受像機等の電子機器の基板に取り付けられるジャックの接地を行い、ジャックへの妨害電力をリアパネルに導通させて妨害電力による不具合の発生を抑制することができる電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
VTR、DVD等の電子機器はケーブルを接続するためのジャックを備えている。前記ジャックに接続されたケーブルを介して外部からの信号の入力及び外部への信号の出力を行っている。前記ケーブルより信号が入出力されるときに発生する妨害電力による電子機器への障害やデータノイズの発生等の障害が発生することがある。この障害の対策として前記ジャックを電子機器の金属製のシャーシに接地することが行われている。前記ジャックを接地することで、前記妨害電力による不具合の発生を低減している。
【0003】
図6に従来のVTR一体型DVDレコーダの背面図を示す。図6に示すVTR一体型DVDレコーダCはシャーシ91と、リアパネル92と、シャーシ91の上に配置されるメイン基板93と、リアパネル92に取り付けられメイン基板93に実装固定される第1ジャック94と、リアパネル92に取り付けられる第2ジャック95と、第2ジャック95が実装固定されるサブ基板96とを有している。シャーシ91はVTR一体型DVDレコーダCの土台になるものであり、樹脂の一体成型にて製造される。シャーシ91には複数の電子部品を搭載したメイン基板93やVTRユニット、DVDユニット等が取付固定されるものである。
【0004】
リアパネル92は金属板をプレス加工にて切曲げて製造されたものであり、図示を省略した電源貫通装置を介して接地されている。背面パネル92には、第1ジャック94、第2ジャック95、冷却用ファンCf及びチューナT等が取り付けられている。
【0005】
第1ジャック94及び第2ジャック95は21個のピンを有する21ピンのジャックでありRGB信号をやり取りするためのジャックであると同時に、ケーブルにて接続された機器を総合的に制御するための制御信号のやり取りも行われる。例えば、図示を省略したTV受像機と接続されている場合、TV受像機、VTR一体型DVDレコーダCのいずれの電源もOFFの状態でVTR一体型DVDレコーダCの電源が投入されると、ジャック及びジャックに接続されたケーブルを介してTV受像機に制御信号が送られTV受像機がONになり、VTR一体型DVDレコーダCからのRGB信号をもとに、映像を表示するものである。それ以外にも、制御信号をやり取りすることで、複数の電子機器を制御することができるものである。
【0006】
第1ジャック孔921は上述したとおりリアパネル2のシャーシ1に近い部分(図6では下端部近傍)に形成されており、第1ジャック94はピン941がリアパネル92の外部に露出するように配置されるとともに、樹脂で形成されたケース942に覆われ、ピン941と連結する端子がメイン基板93にはんだ付けされて実装固定されるものである。
【0007】
第2ジャック95は樹脂で形成されたケース951に覆われており、ケース951の外部を覆うアースプレート952とを備えている。第2ジャック95はピン953がリアパネル92の外部に露出するように配置されるとともに、ピン953と連結する端子が、サブ基板96にはんだ付けされて実装固定されている。第2ジャック95はアースプレート952をボルトBtでリアパネル92に共締めすることで、第2ジャック95への妨害電力をアースプレート952を介してリアパネル92に導通さている。
【0008】
また、例えば、特開2005−50682号公報に示す発明や、実開平6−7168号公報に示す考案にも同様に、接地用の部材を用いてジャックを接地するものが開示されている。
【特許文献1】特開2005−50682号
【特許文献2】実開平6−7168号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、図6に示す第2ジャック95では接地のためにアースプレート952を別途用意しなくてはならず、部品点数が多く、構造が複雑になる。また、ケース951にアースプレート952を取り付ける手間及びアースプレート952の一部をサブ基板96の接地パターンにはんだ付けする手間も必要であり、それだけ、第2ジャック95の取り付けに手間と時間がかかる。
【0010】
また、特開2005−50682号公報に示す発明や、実開平6−7168号公報に示す考案も同様に、接地用の部材を用いてジャックを接地しているので、部品点数が多く、構造が複雑になり、製造、組み立てに手間と時間がかかりコストアップの要因になる。
【0011】
通常、電子機器の製造ラインでは、ドライバ等の工具を該電子機器の上部から挿入し、製造するものであるが、アースパネル952を利用する場合、ケース951をリアパネル92にボルトBtで共締めするので、リアパネル92側から取り付け作業を行わなくてはならず、組立工具のアクセス方向が移動し、それだけ、手間がかかる。
【0012】
そこで本発明は、簡単な構造を有し容易に取り付けることができ、接地を強化することができるジャックを用いることで、前記ジャックに漏れる妨害電力をリアパネルに導通させ、妨害電力によるノイズや機器の障害等の不具合を低減することができる電子機器を提供することを目的とする。
【0013】
また本発明は、従来のものに比べて部品点数を減らすことができ、組み立て工具を電子機器に対して一定方向よりアクセスするようにでき、それだけ、製造時の手間及び時間を削減することができる電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために本発明は、シャーシと、前記シャーシの後部に該シャーシに対して垂直に立設され、導電性を有するとともに接地されたリアパネルと、前記リアパネルの内側に前記シャーシと平行に且つ該シャーシと離れて配置されるプリント基板と、前記リアパネルを貫通し前記プリント基板に実装固定される21ピンジャックと、前記シャーシ内に配置されビデオカセットを記録媒体とするVTR記録再生部と、前記シャーシ内に配置されDVDを記録媒体とするDVD記録再生部とを備えたVTR一体型DVDレコーダであって、前記リアパネルは、前記シャーシと反対側の端部が内側に折り曲げられて形成される連結部と、前記連結部の先端が前記シャーシに向かって折り曲げられて形成されるリブ部と、前記リブ部の先端に他の部分よりも長く形成されるとともに前記リアパネルと反対側に折り曲げられて形成される2個の支持部とを有しており、前記支持部は該支持部と一体的に形成された雌ねじを有しており、前記プリント基板は前記支持部の前記シャーシと反対側の面と接触して配置されるものであり、前記雌ねじと螺合するボルトが貫通する2個のボルト孔と、前記ジャックが実装される面と反対側の面に前記ボルト孔を囲んで形成されるとともに前記ジャックに備えられる接地端子がはんだ付けされる接地パターンとを有しており、前記ジャックが実装固定された前記プリント基板を該ジャックが固定された面と前記支持部の前記シャーシと反対側の面とが接触するように配置し、導電性を有するボルトの少なくとも一部が前記接地パターンと接触するように前記ボルト孔を貫通するとともに前記雌ねじと螺合させて、前記プリント基板に固定されたジャックを前記リアパネルに取り付けることを特徴とする。
【0015】
この構成によると、接地部材を取り付けることなく、前記ジャックへの妨害電力を前記リアパネルに導通させることができ、構成物品を減らすことができる。これにより、製造及び組み立てにかかる手間及び時間を削減することができる。また、前記ボルトの取付方向を上部より行うことができるので製造の流れを切り替えなくても良く、それだけ、製造時の手間及び時間を削減することができる。これらのことより、最終的な製品のコストを低減することができる。
【0016】
また、前記ジャックへの妨害電力を確実に前記リアパネルに導通させることができるので、該妨害電力によるノイズ、機器の障害等の不具合の発生を低減することができ、それだけ、前記ジャックを介してやり取りされる信号の正確性を高めることができるとともに、録画又は再生されるコンテンツの質の低下を抑制することが可能である。
【0017】
さらに上記目的を達成するために本発明は、シャーシと、前記シャーシの後部に該シャーシに対して垂直に立設され、導電性を有するとともに接地されたリアパネルと、前記リアパネルの内側に該リアパネルと垂直且つ前記シャーシと離れて配置されるプリント基板と、前記リアパネルを貫通し前記プリント基板に実装固定されるジャックとを備えた電子機器であって、前記リアパネルには、前記シャーシと反対側の端部より内側に突出し該リアパネルと導通状態で接続する連結部と、前記連結部の先端より前記シャーシに向けて突出し該連結部と導通状態で接続するリブ部と、前記リブ部から前記リアパネルの反対側に突出し前記リブ部と導通状態で接続する少なくとも1個の支持部とが形成され、前記支持部には該支持部と導通状態で形成される雌ねじを有しており、前記プリント基板には前記雌ねじと螺合するが貫通するボルト孔と、前記ボルト孔の回りに配置され前記ジャックに備えられる接地端子がはんだ付けされる接地パターンが形成され、前記ジャックが実装固定された前記プリント基板を前記支持部の前記シャーシと反対側の面と接触するように配置し、導電性を有するボルトを前記ボルト孔を貫通させるとともに前記雌ねじと螺合させて、前記プリント基板と前記支持部とを共締めすることで、前記プリント基板に固定された前記ジャックを前記リアパネルに取り付けることを特徴とする。
【0018】
この構成によると、接地部材を取り付けることなく、前記ジャックへの妨害電力を前記リアパネルに導通させることができ、構成物品を減らすことができる。これにより、製造及び組み立てにかかる手間及び時間を削減することができる。また、前記ボルトの取付方向を上部より行うことができるので製造の流れを切り替えなくても良く、それだけ、製造時の手間及び時間を削減することができる。これらのことより、最終的な製品のコストを低減することができる。
【0019】
また、前記ジャックへの妨害電力を確実に前記リアパネルに導通させることができるので、該妨害電力によるノイズ、機器の障害等の不具合の発生を低減することができ、それだけ、前記ジャックを介してやり取りされる信号の正確性を高めることができるとともに、録画又は再生されるコンテンツの質の低下を抑制することが可能である。
【0020】
上記構成において前記プリント基板の前記ジャックが固定された面と前記支持部の前記シャーシと反対側の面とが接触するように配置し導電性を有するボルトの少なくとも一部が前記接地パターンと接触するように前記プリント配線基板と前記接地部とを共締めするものであっても良く、前記プリント基板の前記接地パターンと前記支持部の前記シャーシと反対側の面とを直接接触するように配置しボルトにて共締めするものであってもよい。
【0021】
前記プリント配線基板の前記接地パターンと前記支持部の前記シャーシと反対側の面とを直接接触するように配置するものの場合、ボルトの導電性能にかかわらず、前記接地パターンと前記支持部とを安定して導通状態に接続することができるのでより上述したような妨害電力による障害が発生しにくい。
【発明の効果】
【0022】
本発明によると、簡単な構造を有し容易に取り付けることができ、接地を強化することができるジャックを用いることで、前記ジャックに漏れる妨害電力をリアパネルに導通させ、妨害電力によるノイズや機器の障害等の不具合を低減することができる電子機器を提供することができる。
【0023】
また本発明によると、従来のものに比べて部品点数を減らすことができ、組み立て工具を電子機器に対して一定方向よりアクセスするようにでき、それだけ、製造時の手間及び時間を削減することができる電子機器を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1にVTR一体型DVDレコーダの斜視図を、図2に本発明にかかるVTR一体型DVDレコーダ背面図を、図3に図2に示すVTR一体型DVDレコーダの断面図を、図4に図2に示すVTR一体型DVDレコーダの要部を拡大した平面図を示す。
【0025】
図1、図2、図3に示すVTR一体型DVDレコーダAは記録メディアにDVDを採用するDVDレコーダと記録メディアにビデオカセット(Vc)を採用するVTRとのハイブリッド型の電子機器である。VTR一体型DVDレコーダAは少なくともシャーシ1と、リアパネル2と、メイン基板3と、リアパネル2に取り付けられた第1ジャック94及び第2ジャック4と、プリント基板5とを有している。シャーシ1はVTR一体型DVDレコーダAの土台になるものであり、樹脂の一体成型にて製造される。シャーシ1には複数の電子部品を搭載したメイン基板3やVTRユニット6、DVDユニット7が取付固定されるものである。
【0026】
リアパネル2はシャーシ1の後部にシャーシ1に対して垂直に立設されるものであり、金属板をプレス加工にて切曲げて製造され、図示を省略した電源装置を介して接地されている。リアパネル2には、第1ジャック94及び第2ジャック4と、冷却用ファンCf、チューナT、プリント基板5等が取り付けられている。
【0027】
リアパネル2のシャーシ1と反対側の端部20はリアパネル2の内側に折り曲げて形成され、シャーシ1と対向するように上面パネル10を載置する連結部21と、連結部21の一部(ここでは2箇所)の先端を前記シャーシ1に向けて折り曲げて形成されるリブ部22と、さらにリブ部22の先端をリアパネル2と反対側に折り曲げられて形成される支持部23とが形成されている。またリアパネル2には、第1ジャック94の一部が貫通する第1ジャック孔24及び第2ジャック4の一部が貫通する第2ジャック孔25とが形成されている。支持部23には後述するボルトBtと螺合する雌ねじ231が形成されている。
【0028】
図2、図3、図4に示す第1ジャック94及び第2ジャック4はそれには限定されないがここでは21ピンジャックである。第1ジャック94、第2ジャック4はRGB信号をやり取りするためのジャックであると同時に、ケーブルにて接続された機器を総合的に制御するための制御信号のやり取りも行われる。例えば、TV受像機とVTRが接続されており、TV受像機、VTRいずれの電源もOFFの状態でVTRの電源が投入されると、ジャック及びジャックに接続されたケーブルを介してTV受像機に制御信号が送られTV受像機がONになり、VTRからのRGB信号をもとに、映像を表示するものである。それ以外にも、簡単な制御を行うことができるものである。
【0029】
第1ジャック94は従来のVTR一体型DVDレコーダBに取り付けられている第1ジャック94と同じであり、詳細な説明は省略する。
【0030】
第2ジャック4は樹脂で形成されたケース41に覆われている。第2ジャック4は21本のピン42と接続した端子43を備えており、その端子をプリント基板5に形成されているスルーホール51に挿入し、端子43の突出した部分とプリント基板5の配線パターン52とをはんだ付けすることで、実装されている。また、ケース41には、かぎ状のアーム部411が2個互いに対向して形成されている。アーム部411は弾性変形可能であり、アーム部411同士の距離を広げてプリント基板5の後述する係合部53と係合することで、プリント基板5から第2ジャック4が脱離しにくく且つ端子に無理な力がかかりにくくなっている。
【0031】
図4に示すように、プリント基板5は平面視(平面から見て)矩形状を有する配線基板であり、第2ジャック4の端子43が貫通するスルーホール51と、配線パターン52と、ケース41のアーム部411が係合する係合部53と、ボルトBtが貫通するボルト孔54とが形成されている。係合部53はそれには限定されないが、ここでは第2ジャック4を配線パターン52が形成されているのと反対側の面より取り付けるときに、アーム部411と重なる位置に形成された切り欠きである。配線パターン52は模式的に表したものであり、実際の構造とは必ずしも一致しない。
【0032】
プリント基板5の配線パターン52には第2ジャック4に備えられる端子のうち接地される接地端子が接続される接地パターン521が備えられており、ボルト孔54はプリント基板5及び接地パターン521を貫通するように形成されている。ボルト孔54は、第2ジャック4及びプリント基板5をリアパネル2の所定の取付位置に配置したときに支持部23に形成された雌ねじ231と重なる位置に形成されるものである。
【0033】
第2ジャック4はプリント基板5の配線パターン52が形成されているのと反対側に配置される。このとき、ケース41に備えられたアーム部411がプリント基板5の係合部53と係合するとともに、端子をスルーホールを貫通させ、貫通した部分と配線パターン52とをはんだ付けにて接続する。第2ジャック4及び第2ジャック4が実装されたプリント基板5を、第2ジャック4のピン42がリアパネル2に形成された第2ジャック孔25より外部に露出するようリアパネル2に配置する。このとき、プリント基板5の第2ジャック4が実装固定された面が支持部23のシャーシ1と反対側の面と接触する。
【0034】
このように、第2ジャック4及びプリント基板5をリアパネル2に配置した状態で、導電性を有するボルトBtをボルト孔54を貫通するとともに雌ねじ231と螺合させる。このとき、ボルトBtの頭がボルト孔54を囲むように形成される接地パターン521と接触し、互いに導通状態になるように接続される。また、ボルトBtと雌ねじ231も螺合によって互いに導通状態になるように接続される。
【0035】
ボルトBtの頭と接地パターン521とが導通状態になるように接触し、雌ねじ231とボルトBtとが導通状態になるように螺合することで、接地パターン521とリアパネル2とが導通状態になる。また、接地パターン521と第2ジャック4の接地端子431が導通状態になるように接続されているので、第2ジャック4への妨害電力を、第2ジャック4の接地端子431、プリント基板5の接地パターン521及びボルトBtを介して支持部23、ひいてはリアパネル2に導通させることができるので、第2ジャック4への妨害電力によって引き起こされるノイズ、機器の障害等の不具合を抑制することができる。
【0036】
図5に本発明にかかるVTR一体型DVDレコーダの他の例の背面図を示す。図5に示すVTR一体型DVDレコーダBは、第2ジャック4bが異なる以外は図2に示すVTR一体型DVDレコーダAと同じ構成であり、実質上同じ部分には同一の符号が付してある。
【0037】
図5に示すVTR一体型DVDレコーダBは、第2ジャック4b及び第2ジャック4bが実装されたプリント基板5とを、第2ジャック4bのピン42bがリアパネル2に形成された第2ジャック孔25より外部に露出するようリアパネル2に配置したときに、プリント基板5の接地パターン52が形成された面が支持部23のシャーシ1と反対側の面と接触するよう配置するものである。
【0038】
このように、支持部23と接地パターン521は互いに導通状態になるように直接接触させ、支持部23とプリント基板5とをボルトBtにて共締めする。接地パターン521と支持部23とを互いに導通状態になるよう、直接接触させて配置しているので、第2ジャック4bへの妨害電力は、第2ジャック4bの接地端子431、接地パターン521、支持部23を介してリアパネル2に導通されるので、妨害電力によるノイズ、機器の障害等の不具合が発生するのを抑制することができる。
【0039】
このように、プリント基板5の接地パターン521と支持部23のシャーシ1と反対側の面が直接接触させることで、接地パターン521と支持部23とを精度良く導通状態になるように接続することが可能である。さらに、ボルトBtに導電性を有しないもの、電気抵抗が高く導電性の低いもの等を利用することができるとともに、固定部材をボルト締めに頼らなくても、例えば樹脂製の割りピン、スクリューリベット等の導電性を備えない部材も採用することができ、それだけ、部品の選択の幅が広がる。
【0040】
さらに、第2ジャック4bをプリント基板5のシャーシ1と反対側になるように取り付けるので、第2ジャック4bを第1ジャック94の形状と同一のもの、すなわち、第1ジャック94及び第2ジャック4bの形状を統一することができるので、それだけ、部品の作製、製造にかかる手間、時間及びコストを削減することができる。
【0041】
上記実施例では、連結部21、リブ部22及び支持部23はリアパネル2の一部を折り曲げることで一体的に形成されるものであるが、それに限定されるものではなく、リアパネル2と連結部21、連結部21とリブ部22及びリブ部22と支持部23をそれぞれ互いに導通状態になるように接続するものを広く採用することができる。
【0042】
上記実施例では、電子機器としてVTR一体型DVDレコーダを例に説明しているが、それに限定されるものではなく、外部機器と接続することができるジャックを備えたDVD、VTR、TV等の電子機器を広く挙げることができる。また、ジャックとしては21ピンのジャックを例に説明しているが、それに限定されるものではなく、HDMI(High Definition Multimedia Interface)ジャック、DVIジャック等、ケーブルと接続し、外部機器と信号のやり取りを行うジャックを広く採用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、外部機器と接続することができるジャックを備えたDVD、VTR、TV等の電子機器において適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】VTR一体型DVDレコーダの斜視図である。
【図2】本発明にかかるVTR一体型DVDレコーダ背面図である。
【図3】図2に示すVTR一体型DVDレコーダの断面図である。
【図4】図2に示すVTR一体型DVDレコーダの要部を拡大した平面図である。
【図5】本発明にかかるVTR一体型DVDレコーダの他の例の背面図である。
【図6】従来のVTR一体型DVDレコーダの背面図である。
【符号の説明】
【0045】
1 シャーシ
10 上面パネル
2 リアパネル
21 連結部
22 リブ部
23 支持部
231 雌ねじ
24 第1ジャック孔
25 第2ジャック孔
3 メイン基板
4 第2ジャック
41 ケース
42 ピン
43 端子
431 接地端子
5 プリント基板
51 スルーホール
52 配線パターン
521 接地パターン
53 係合部
54 ボルト孔
6 VTRユニット
7 DVDユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャーシと、
前記シャーシの後部に該シャーシに対して垂直に立設され、導電性を有するとともに接地されたリアパネルと、
前記リアパネルの内側に前記シャーシと平行に且つ該シャーシと離れて配置されるプリント基板と、
前記リアパネルを貫通し前記プリント基板に実装固定される21ピンジャックと、
前記シャーシ内に配置されビデオカセットを記録媒体とするVTR記録再生部と、
前記シャーシ内に配置されDVDを記録媒体とするDVD記録再生部とを備えたVTR一体型DVDレコーダであって、
前記リアパネルは、前記シャーシと反対側の端部が内側に折り曲げられて形成される連結部と、前記連結部の先端の一部が該連結部よりも長く形成されており前記シャーシに向かって折り曲げられて形成される2個のリブ部と、さらに前記リブ部の先端が前記リアパネルと反対側に折り曲げられて形成される支持部とを有しており、
前記支持部は該支持部と一体的に形成された雌ねじを有しており、
前記プリント基板は前記支持部の前記シャーシと反対側の面と接触して配置されるものであり、前記雌ねじと螺合するボルトが貫通する2個のボルト孔と、前記ジャックが実装される面と反対側の面に前記ボルト孔を囲んで形成されるとともに前記ジャックに備えられる接地端子がはんだ付けされる接地パターンとを有しており、
前記ジャックが実装固定された前記プリント基板を該ジャックが固定された面と前記支持部の前記シャーシと反対側の面とが接触するように配置し、導電性を有するボルトの少なくとも一部が前記接地パターンと接触するように前記ボルト孔を貫通するとともに前記雌ねじと螺合させて、前記プリント基板に固定されたジャックを前記リアパネルに取り付けることを特徴とするVTR一体型DVDレコーダ。
【請求項2】
シャーシと、
前記シャーシの後部に該シャーシに対して垂直に立設され、導電性を有するとともに接地されたリアパネルと、
前記リアパネルの内側に該リアパネルと垂直且つ前記シャーシと離れて配置されるプリント基板と、
前記リアパネルを貫通し前記プリント基板に実装固定されるジャックとを備えた電子機器であって、
前記リアパネルには、前記シャーシと反対側の端部より内側に突出し該リアパネルと導通状態で接続する連結部と、前記連結部の先端より前記シャーシに向けて突出し該連結部と導通状態で接続する少なくとも1個のリブ部と、前記リブ部から前記リアパネルの反対側に突出し前記リブ部と導通状態で接続する支持部とが形成され、
前記支持部には該支持部と導通状態で形成される雌ねじを有しており、
前記プリント基板には前記雌ねじと螺合するが貫通するボルト孔と、前記ボルト孔の回りに配置され前記ジャックに備えられる接地端子がはんだ付けされる接地パターンが形成され、
前記ジャックが実装固定された前記プリント基板を前記支持部の前記シャーシと反対側の面と接触するように配置し、導電性を有するボルトを前記ボルト孔を貫通させるとともに前記雌ねじと螺合させて、前記プリント基板と前記支持部とを共締めすることで、前記プリント基板に固定された前記ジャックを前記リアパネルに取り付けることを特徴とする電子機器。
【請求項3】
前記プリント基板の前記ジャックが固定された面と前記支持部の前記シャーシと反対側の面とが接触するように配置し導電性を有するボルトの少なくとも一部が前記接地パターンと背食するように前記プリント配線基板と前記接地部とを共締めすることを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記プリント基板の前記接地パターンと前記支持部の前記シャーシと反対側の面とを直接接触するように配置しボルトにて共締めすることを特徴とする請求項2に記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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