説明

Webサービス連携システム、Webサービス連携方法、及びプログラム

【課題】複数のキーワードの入力を要するWebサービスを文書に関連付ける
【解決手段】Webサービス連携装置10の属性読み出し部15は、文書に含まれる複数の単語の属性を特定し、Webサービス読み出し部17は、特定した属性の組み合わせを用いることで利用できるWebサービスを特定する。そして、Webサービス読み出し部17は、当該単語の属性値の組み合わせに特定したWebサービスを適用した文書を生成し、出力部19は、当該文書を利用者端末20に出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文書に関連するWebサービスの情報を提供するWebサービス連携システム、Webサービス連携方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、様々な情報を検索することができる多くのWebサービスが提供されている。Webサービスとは、WWW(World Wide Web)の技術を用いることで、ネットワークを通じてソフトウェアの機能を利用できるようにしたものである。Webサービスの例としては、例えば、単語をキーワードとして関連性のある情報を検索するものや、場所をキーワードとして当該場所の天気や地図を表示するもの、また料理名をキーワードとして飲食店を検索するものなどが挙げられる。
【0003】
電子メールなどの文書(プレーンテキスト)に含まれる単語を用いてこれらのWebサービスを活用する場合、従来は利用者が文書から単語を抜き出し、当該単語を各Webサービスを提供するWebサイトに設けられた検索ボックスに入力する必要があった。この手間を減少させるため、文書から単語を抽出し、当該単語それぞれに対して関連するWebサービスへのリンクを生成する技術が研究されている。例えば、文書に地名を示す単語が含まれる場合に、当該地名をキーワードとして地図を表示させるWebサービスへのリンクを、当該地名を示す単語に関連付ける技術などが挙げられる。
【0004】
なお、特許文献1には、別の検索サイトの検索結果を経由して自サイトへアクセスしてきた利用者に対し、できるだけその利用者にとって最適なWebページを提供できるようにする検索支援プログラムの技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−40179号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、文書から単語を抽出し、当該単語それぞれに対して関連するWebサービスへのリンクを生成する技術を用いる場合、複数の単語をキーワードとするWebサービスへのリンクを作成することができないという問題があった。例えば、電車の経路を検索するWebサービスは、少なくとも出発地と目的地の2つの単語をキーワードとして入力する必要があるため、地名を示す1つの単語のみでは当該Webサービスを利用することができなかった。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、複数のキーワードの入力を要するWebサービスを文書に関連付けるWebサービス連携システム、Webサービス連携方法、及びプログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、文書に関連するWebサービスの情報を提供するWebサービス連携装置を備えるWebサービス連携システムであって、前記Webサービス連携装置は、前記文書に含まれる単語の属性及び属性値を前記単語毎に単語記憶部から読み出す属性読み出し部と、前記属性読み出し部が読み出した属性の組み合わせを用いることで利用できるWebサービスを、Webサービス記憶部から読み出すWebサービス読み出し部と、前記属性読み出し部が読み出した属性値の組み合わせを前記Webサービス読み出し部が読み出したWebサービスに適用することで、当該Webサービスの情報を利用者端末に出力する出力部とを備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明においては、前記Webサービス連携装置は、前記文書のメタ情報または利用者の情報から属性及び属性値を読み出す外部属性読み出し部を備え、前記Webサービス読み出し部は、前記属性読み出し部または前記外部属性読み出し部が読み出した属性の組み合わせであって、前記属性読み出し部が読み出した属性を少なくとも1つ含む組み合わせを用いることで利用できるWebサービスを、前記Webサービス記憶部から読み出すことが好ましい。
【0009】
また、本発明においては、前記出力部は、前記Webサービス読み出し部が読み出したWebサービスへのアクセスするためのリンク情報を生成して前記利用者端末に出力し、前記利用者端末は、前記リンク情報を用いて前記Webサービスへのアクセスを行うアクセス部を備えることが好ましい。
【0010】
また、本発明においては、前記Webサービスの利用に必要な属性の組み合わせに、前記利用者の情報に基づく属性が含まれる場合、前記出力部は、前記利用者の情報に基づく属性に代えて所定の置換指示子を代入したリンク情報を生成し、前記利用者端末は、前記リンク情報に含まれる置換指示子を、当該利用者端末に格納されている前記利用者の情報に置換する利用者情報置換部を備え、前記利用者端末のアクセス部は、前記利用者情報置換部が生成したリンク情報を用いて前記Webサービスへのアクセスを行うことが好ましい。
【0011】
また、本発明においては、前記外部属性読み出し部は、前記文書のメタ情報から当該文書の更新日時を読み出し、前記属性読み出し部は、前記外部属性読み出し部が読み出した更新日時に基づいて、相対的な日時を示す単語が示す日時を特定し、特定した日時を、日時を示す属性の属性値とすることが好ましい。
【0012】
また、本発明は、文書に関連するWebサービスの情報を提供するWebサービス連携装置を用いたWebサービス連携方法であって、属性読み出し部は、前記文書に含まれる単語の属性及び属性値を前記単語毎に単語記憶部から読み出し、Webサービス読み出し部は、前記属性読み出し部が読み出した属性の組み合わせを用いることで利用できるWebサービスを、Webサービス記憶部から読み出し、出力部は、前記属性読み出し部が読み出した属性値の組み合わせを前記Webサービス読み出し部が読み出したWebサービスに適用することで、当該Webサービスの情報を利用者端末に出力することを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、コンピュータを、前記文書に含まれる単語の属性及び属性値を前記単語毎に単語記憶部から読み出す属性読み出し部、前記属性読み出し部が読み出した属性の組み合わせを用いることで利用できるWebサービスを、Webサービス記憶部から読み出すWebサービス読み出し部、前記属性読み出し部が読み出した属性値の組み合わせを前記Webサービス読み出し部が読み出したWebサービスに適用することで、当該Webサービスの情報を利用者端末に出力する出力部として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、Webサービス連携装置は、文書に含まれる複数の単語の属性を特定し、特定した属性の組み合わせを用いることで利用できるWebサービスを特定する。そして、Webサービス連携装置は、当該単語の属性値の組み合わせに特定したWebサービスを適用することで、当該Webサービスの情報を利用者端末に出力する。つまり、本発明によれば、単語毎にWebサービスを連携させるのではなく、文書に含まれる複数の単語を組み合わせることで利用できるWebサービスを、文書または各単語に連携させる。これにより、Webサービス連携装置は、複数のキーワードの入力を要するWebサービスを文書に関連付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態によるWebサービス連携システムの構成を示す概略ブロック図である。
【図2】単語記憶部が記憶する情報の例を示す図である。
【図3】Webサービス記憶部が記憶する情報の例を示す図である。
【図4】本実施形態によるWebサービス連携装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】Webサービス連携装置による日時特定処理の動作を示すフローチャートである。
【図6】利用者端末の動作を示すフローチャートである。
【図7】Webサービスと連携させた文書の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。
図1は、本発明の一実施形態によるWebサービス連携システムの構成を示す概略ブロック図である。
Webサービス連携システムは、Webサービス連携装置10と利用者端末20とを備える。
Webサービス連携装置10は、サーバ装置30から文書(例えば、メールファイルやHTMLファイルなど)を取得し、当該文書に含まれる単語に関連するWebサービスへのリンク情報を、当該文書に埋め込み、利用者端末20に出力する装置である。Webサービス連携装置10は、文書取得部11、単語分解部12、外部属性読み出し部13、単語記憶部14、属性読み出し部15、Webサービス記憶部16、Webサービス読み出し部17、文書記憶部18、出力部19を備える。
【0017】
文書取得部11は、サーバ装置30に新たに文書が追加された場合、文書が更新された場合、または利用者端末20からの要求により、サーバ装置30から当該文書を取得する。
単語分解部12は、文書取得部11が取得した文書を単語に分解する。なお、単語分解部12による単語分解は、形態素解析によって行っても良いし、単語記憶部14が記憶する単語と最長一致する単語を抽出することで行っても良い。但し、単語分解部12が形態素解析によって単語の分解を行う場合は、形態素解析に用いる辞書データに、単語記憶部14が記憶する単語を形態素として登録しておく必要がある。
外部属性読み出し部13は、文書取得部11が取得した文書のメタデータを読み出し、当該文書の更新日時などの情報を読み出す。なお、本明細書において「日時」とは、時間の流れにおける一点を示すものであり、日付及び時刻のことである。
【0018】
図2は、単語記憶部14が記憶する情報の例を示す図である。
単語記憶部14は、単語と1つまたは複数の属性とを関連付けて格納するテーブルを、単語の種別毎に記憶する。例えば、単語記憶部14は、図2に示すように、種別「日時」に関する単語と属性を格納する日時テーブル、種別「場所」に関する単語と属性を格納する場所テーブル、種別「料理」に関する単語と属性を格納する料理テーブルを備える。
なお、本実施形態において、日時テーブルは、単語に関連付けて、属性「単位」と「日時」を示す属性値を格納する。例えば、単語「今年」の属性は「単位」、「日時」であり、属性値はそれぞれ「年」、「暫定日時の年」である。なお、日時を現す単語は、正規表現によって表現されていても良い。また、場所テーブルは、単語に関連付けて、属性「目的地(地域)」と「目的地(最寄駅)」を示す属性値を格納する。また、料理テーブルは、単語に関連付けて、属性「料理(ジャンル)」を示す属性値を格納する。
【0019】
属性読み出し部15は、単語分解部12が分解した単語の属性及び属性値を単語記憶部14から読み出す。また、属性読み出し部15は、外部属性読み出し部13が読み出した属性を取得する。また、属性読み出し部15は、単語分解部12が分解した単語のうち種別が「日時」の単語と、外部属性読み出し部13が読み出した更新日時とに基づいて、文書が示す日時を特定する。
【0020】
図3は、Webサービス記憶部16が記憶する情報の例を示す図である。
Webサービス記憶部16は、属性の組み合わせである必須属性と、1つまたは複数の属性である任意属性と、必須属性を入力とすることで利用できるWebサービスとを関連付けて記憶する。なお、Webサービス記憶部16が記憶する必須属性には、単語記憶部14が記憶する属性が少なくとも1つ含まれる。
【0021】
Webサービス読み出し部17は、属性読み出し部15が読み出した複数の属性を用いて、Webサービス記憶部16から利用できるWebサービスを特定する。また、Webサービス読み出し部17は、特定したWebサービスに関連付けられたリンクコードに属性読み出し部15が読み出した属性値を代入することでリンクコードを作成し、文書取得部11が取得した文書に当該リンクコードを埋め込み、文書記憶部18に記録する。なお、Webサービスに用いる属性として、利用者の情報(利用者の現在地や住所など、利用者によって異なる情報)を用いる必要がある場合は、当該利用者の情報に相当する属性を所定の置換指示子に代入したリンクコードを作成する。
文書記憶部18は、Webサービス読み出し部17が作成したリンクコードを含む文書を記憶する。
出力部19は、利用者端末20からのアクセス要求に応じて文書記憶部18が記憶する文書を出力する。
【0022】
本実施形態によるWebサービス連携システムの利用者端末20は、文書取得部21、位置情報取得部22、設定情報記憶部23、利用者情報置換部24、表示部25、アクセス部26を備える。
文書取得部21は、Webサービス連携装置10が加工した文書を取得する。
位置情報取得部22は、GPS(Global Positioning System)等を用いて利用者端末20の位置情報を取得する。
設定情報記憶部23は、利用者の住所などの利用者の設定情報を記憶する。
利用者情報置換部24は、位置情報取得部22が取得した位置情報や設定情報記憶部23が記憶する設定情報を所定の属性及び属性値に変換し、文書取得部21が取得した文書に含まれる置換指示子を、当該属性値に置換する。
表示部25は、利用者情報置換部24が生成した文書を表示する。
アクセス部26は、利用者情報置換部24が生成した文書に含まれるリンクコードを用いてWebサービスへのアクセスを行う。
【0023】
次に、本実施形態によるWebサービス連携システムの動作について説明する。まず、Webサービス連携装置10によるサーバ装置30が記憶する文書にWebサービスを連携させる処理について説明する。
図4は、本実施形態によるWebサービス連携装置10の動作を示すフローチャートである。
サーバ装置30に文書が追加された場合、またはサーバ装置30が記憶する文書が更新された場合、Webサービス連携装置10の文書取得部11は、当該追加または更新された文書を取得する(ステップS1)。次に、単語分解部12は、文書取得部11が取得した文書を複数の単語に分解する(ステップS2)。例えば、文書取得部11が「金曜日の午後6時にスカイツリー近辺で餃子を食べたい。」という文書を取得した場合、単語分解部12は、当該文書を分割し、「金曜日」、「の」、「午後6時」、「に」、「スカイツリー」、「近辺」、「で」、「餃子」、「を」、「食べたい」、「。」という単語を得る。
また、文書取得部11が文書を取得すると、外部属性読み出し部13は、文書取得部11が取得した文書に含まれるメタデータから、当該文書の更新日時を読み出す(ステップS3)。文書のメタデータは、例えば当該文書のヘッダ情報等から読み出す。
【0024】
次に、属性読み出し部15は、単語記憶部14が記憶する日時テーブルに格納された単語と一致する単語を抽出する。つまり、属性読み出し部15は、単語分解部12が分解した単語の中から、種別が「日時」である単語を抽出する(ステップS4)。上述した例を用いると、「金曜日」と「午後6時」が図2に示す日時テーブルに格納されているため、種別が「日時」であると判定される。次に、属性読み出し部15は、ステップS4で抽出した属性が「日時」である単語と、ステップS3で読み出した文書の更新日時とを用いて、日時特定処理を実行する(ステップS5)。日時特定処理とは、「日時」を示す単語と文書の更新日時とを用いて当該「日時」を示す単語が示す日時を特定する処理である。
【0025】
日時特定処理は、以下の手順で実行される。
図5は、Webサービス連携装置10による日時特定処理の動作を示すフローチャートである。
まず、属性読み出し部15は、外部属性読み出し部13が読み出した更新日時を、暫定日時として内部メモリに記録する(ステップS101)。次に、属性読み出し部15は、単語分解部12が分解した単語の中に属性「単位」の属性値が「年」であるものがあるか否かを判定する(ステップS102)。属性読み出し部15は、属性「単位」の属性値が「年」である単語があると判定した場合(ステップS102:YES)、内部メモリに記憶されている暫定日時を、当該単語の属性「日時」の属性値で更新する(ステップS103)。例えば、単語分解部12が分解した単語に「今年」という単語が含まれていた場合、属性「日時」の属性値が「暫定日時の年」であるため、内部メモリに記憶されている暫定日時の年をそのまま暫定日時の年とする。
【0026】
ステップS102で属性読み出し部15は、属性「単位」の属性値が「年」である単語がないと判定した場合(ステップS102:NO)、またはステップS103で暫定日時を更新した場合、属性読み出し部15は、単語分解部12が分解した単語の中に属性「単位」の属性値が「月」であるものがあるか否かを判定する(ステップS104)。属性読み出し部15は、属性「単位」の属性値が「月」である単語があると判定した場合(ステップS104:YES)、内部メモリに記憶されている暫定日時を、当該単語の属性「日時」の属性値で更新する(ステップS105)。例えば、単語分解部12が分解した単語に「来月」という単語が含まれていた場合、属性「日時」の属性値が「暫定日時の月+1」であるため、内部メモリに記憶されている暫定日時に1月を加算し、当該暫定日時を内部メモリに上書きする。
【0027】
ステップS104で属性読み出し部15は、属性「単位」の属性値が「月」である単語がないと判定した場合(ステップS104:NO)、またはステップS105で暫定日時を更新した場合、属性読み出し部15は、単語分解部12が分解した単語の中に属性「単位」の属性値が「週」であるものがあるか否かを判定する(ステップS106)。属性読み出し部15は、属性「単位」の属性値が「週」である単語があると判定した場合(ステップS106:YES)、内部メモリに記憶されている暫定日時を、当該単語の属性「日時」の属性値で更新する(ステップS107)。例えば、単語分解部12が分解した単語に「来週」という単語が含まれていた場合、属性「日時」の属性値が「暫定日時の日+7」であるため、内部メモリに記憶されている暫定日時に7日を加算し、当該暫定日時を内部メモリに上書きする。
【0028】
ステップS106で属性読み出し部15は、属性「単位」の属性値が「週」である単語がないと判定した場合(ステップS106:NO)、またはステップS107で暫定日時を更新した場合、属性読み出し部15は、単語分解部12が分解した単語の中に属性「単位」の属性値が「日」であるものがあるか否かを判定する(ステップS108)。属性読み出し部15は、属性「単位」の属性値が「日」である単語があると判定した場合(ステップS108:YES)、内部メモリに記憶されている暫定日時を、当該単語の属性「日時」の属性値で更新する(ステップS109)。例えば、単語分解部12が分解した単語に「金曜日」という単語が含まれていた場合、属性「日時」の属性値が「暫定日時以降で最も近い金曜日」であるため、内部メモリに記憶されている暫定日時の曜日から金曜日までの差の日数を暫定日時に加算し、当該暫定日時を内部メモリに上書きする。
【0029】
ステップS108で属性読み出し部15は、属性「単位」の属性値が「日」である単語がないと判定した場合(ステップS108:NO)、またはステップS109で暫定日時を更新した場合、属性読み出し部15は、単語分解部12が分解した単語の中に属性「単位」の属性値が「時」であるものがあるか否かを判定する(ステップS110)。属性読み出し部15は、属性「単位」の属性値が「時」である単語があると判定した場合(ステップS110:YES)、内部メモリに記憶されている暫定日時を、当該単語の属性「日時」の属性値で更新する(ステップS111)。例えば、単語分解部12が分解した単語に「正午」という単語が含まれていた場合、属性「日時」の属性値が「12:00」であるため、内部メモリに記憶されている暫定日時の時間を「12」に、分を「0」に書き換え、当該暫定日時を内部メモリに上書きする。
【0030】
ステップS110で属性読み出し部15は、属性「単位」の属性値が「時」である単語がないと判定した場合(ステップS110:NO)、またはステップS111で暫定日時を更新した場合、属性読み出し部15は、単語分解部12が分解した単語の中に属性「単位」の属性値が「分」であるものがあるか否かを判定する(ステップS112)。属性読み出し部15は、属性「単位」の属性値が「分」である単語があると判定した場合(ステップS112:YES)、内部メモリに記憶されている暫定日時を、当該単語の属性「日時」の属性値で更新する(ステップS113)。例えば、単語分解部12が分解した単語に「10分前」という単語が含まれていた場合、属性「日時」の属性値が「暫定日時の分−10」であるため、内部メモリに記憶されている暫定日時から10分を減算し、当該日時を内部メモリに上書きする。
【0031】
ステップS112で属性読み出し部15は、属性「単位」の属性値が「分」である単語がないと判定した場合(ステップS112:NO)、またはステップS113で暫定日時を更新した場合、属性読み出し部15は、内部メモリに記憶された暫定日時を、文書に含まれる種別「時刻」の単語が示す時刻であると特定し(ステップS114)、日時特定処理を終了する。すなわち、属性読み出し部15は、ステップS4で読み出した単語の属性「日時」の属性値を、内部メモリに記憶された暫定日時とする。
【0032】
上述した例を用いて日時特定処理を実行すると、すなわち単語「金曜日」及び「午後6時」を用い、更新日時が「2011年1月13日13時0分」である場合に日時特定処理を実行すると、まずステップS101で、暫定日時を「2011年1月13日13時0分」とする。次に、単語「金曜日」の属性「単位」の属性値が「日」であるため、ステップS109により暫定日時の曜日である木曜日から金曜日までの日数である1日を、暫定日時に加算することで、暫定日時を「2011年1月14日13時0分」に更新する。次に、単語「午後6時」の属性「単位」の属性値が「時」であるため、ステップS111により暫定日時の時間及び分をそれぞれ「18」及び「0」に書き換えることで、暫定日時を「2011年1月14日18時0分」に更新する。そして、ステップS114により、暫定日時「2011年1月14日18時0分」を、単語「金曜日」及び「午後6時」が示す時刻であると特定する。
【0033】
なお、例えば、「日」を示す単語として「12日」と「金曜日」が抽出され、12日が金曜日でない場合など、属性「単位」において同じ属性値を示す単語が複数存在する場合においてそれぞれが示す日時が異なるときは、それぞれに対応する日時を暫定日時として記録しても良いし、一方が誤りであるとして2つの単語のうち優先度が高いもののみを暫定日時として記録しても良い。
【0034】
図4に戻り、ステップS5による日時特定処理が完了すると、属性読み出し部15は、単語記憶部14が記憶する単語と一致する単語を抽出し、それぞれの属性及び属性値を読み出す(ステップS6)。上述した例を用いると、「スカイツリー」が図2に示す場所テーブルに格納されており、「餃子」が料理テーブルに格納されている。そのため、属性読み出し部15は、図2に示す場所テーブルにおいて「スカイツリー」に関連付けられている属性「目的地(地域)」及び「目的地(最寄駅)」と、その属性値「東京都墨田区」及び「押上駅」を読み出す。同様に、属性読み出し部15は、図2に示す料理テーブルにおいて「餃子」に関連付けられている属性「料理(ジャンル)」と、その属性値「中華」を読み出す。
【0035】
次に、Webサービス読み出し部17は、ステップS5及びステップS6で属性及び属性値を特定したそれぞれの単語に対して、以下に示す処理を実行する(ステップS7)。
まず、Webサービス読み出し部17は、Webサービス記憶部16が記憶するWebサービスから、ステップS7で選択した単語に含まれる属性を必須属性に含むWebサービスを1つずつ読み出す(ステップS8)。例えば、ステップS7で単語「スカイツリー」を選択した場合、単語「スカイツリー」に含まれる属性「目的地(地域)」または「目的地(最寄駅)」を必須属性に含むWebサービスである「飲食店検索」、「天気予報検索」、「映画館検索」、及び「経路検索」を1つずつ読み出す。
【0036】
次に、Webサービス読み出し部17は、ステップS5及びステップS6で特定した属性の中に、読み出したWebサービスの必須属性が全て含まれるか否かを判定する(ステップS9)。上述した例を用いると、読み出したWebサービスが「飲食店検索」であった場合、「飲食店検索」の必須属性である「料理(ジャンル)」は、単語「餃子」の属性であり、「目的地(最寄駅)」は、単語「スカイツリー」の属性であるため、Webサービス読み出し部17は、Webサービス「飲食店検索」の必須属性が全て含まれると判定する。他方、読み出したWebサービスが「映画館検索」であった場合、「映画館検索」の必須属性である「目的地(最寄駅)」は、単語「スカイツリー」の属性である一方、属性「映画タイトル」は、ステップS5及びステップS6で特定した属性に含まれないため、Webサービス読み出し部17は、Webサービス「映画館検索」の必須属性の一部を含まないと判定する。
また、Webサービス「経路検索」など、必須属性に利用者の情報(例えば、「出発地(最寄駅)」など利用者毎に変化する情報)が含まれる場合、利用者端末20にて当該属性の属性値を充足するので、当該属性は存在するものとみなして処理を行う。
【0037】
Webサービス読み出し部17は、ステップS5及びステップS6で特定した属性の中に、読み出したWebサービスの必須属性が全て含まれると判定した場合(ステップS9:YES)、当該Webサービスに関連付けられたリンクコードに、ステップS5及びステップS6で特定した属性値を代入することで、Webサービスへのリンクコードを作成する(ステップS10)。なお、ステップS5及びステップS6で特定した属性の中に、読み出したWebサービスの任意属性と同じものが存在する場合、Webサービス読み出し部17は、当該属性の属性値もリンクコードに代入する。また、読み出したWebサービスの必須属性または任意属性に、利用者の情報が含まれる場合、Webサービス読み出し部17は、リンクコードに含まれる当該属性に、所定の置換指示子(例えば、「出発地(最寄駅)」であれば「%from_station%」など)を代入する。
【0038】
そして、Webサービス読み出し部17は、作成したリンクコードを、ステップS1で文書取得部11が取得した文書のうち、ステップS5及びステップS6で属性を特定した単語に関連付けて埋め込む(ステップS11)。リンクコードと単語との関連付けて埋め込む方法としては、例えば文書中の単語にHTMLのアンカータグ(A)を付与し、各リンクコードが示すリンク情報を表示するjavascriptを、当該アンカータグの参照先(href)とする方法などが挙げられる。
以降、ステップS8に戻り、Webサービス毎にステップS9〜ステップS11の処理を実行する。
【0039】
また、全てのWebサービスに対して当該ステップS9〜ステップS11の処理を終了すると、ステップS7に戻り、単語毎に、ステップS8〜ステップS11の処理を実行する。そして、全ての単語に対して当該ステップS9〜ステップS11の処理を終了すると、Webサービス読み出し部17は、リンクコードが埋め込まれた文書を文書記憶部18に記録する(ステップS12)。
当該処理を実行することで、Webサービス連携装置10は、サーバ装置30の文書とWebサービスとを連携させる文書を、文書記憶部18に蓄積することができる。
【0040】
次に、本実施形態による利用者端末20の動作について説明する。
図6は、利用者端末20の動作を示すフローチャートである。
利用者が、利用者端末20を用いてサーバ装置30に記憶された文書へのアクセスを行うと、利用者端末20の文書取得部21は、Webサービス連携装置10に当該文書の出力要求を発行する(ステップS21)。Webサービス連携装置10の出力部19は、当該出力要求に応じて、文書記憶部18が記憶する文書を利用者端末20に出力する。
【0041】
文書取得部11がWebサービス連携装置10から文書を取得すると、利用者情報置換部24は、当該文書に所定の置換指示子が含まれるか否かを判定する(ステップS22)。利用者情報置換部24は、文書に置換指示子が含まれると判定した場合(ステップS22:YES)、位置情報取得部22が取得した位置情報や、設定情報記憶部23が記憶する設定情報を読み出し、読み出した情報から所定の属性及び属性値を導出する(ステップS23)。属性及び属性値を導出する例としては、設定情報記憶部23が、設定情報として利用者の住所を記憶している場合に当該住所から属性「出発地(最寄駅)」及びその属性値を導出することや、利用者の現在地を示す位置情報から属性「出発地(最寄駅)」及びその属性値を導出することなどが挙げられる。利用者情報置換部24は、属性及び属性値を導出すると、導出した属性に対応する置換指示子を、導出した属性値に置換する(ステップS24)。
【0042】
ステップS22で利用者情報置換部24が、文書に置換指示子が含まれないと判定した場合(ステップS22:NO)、またはステップS24で置換指示子を置換した場合、表示部25は、利用者情報置換部24が出力した文書を表示する(ステップS25)。
図7は、Webサービスと連携させた文書の表示例を示す図である。
図7に示すように、表示部25は、文書に含まれる単語にカーソルを載せたときに、当該単語に関連するWebサービスへのリンク情報を別ウィンドウに表示させる。なお、リンク情報の表示方法は、別ウィンドウに表示させる方法に限られず、例えば単語にカーソルを載せたときにポップアップ表示させる方法など、他の方法を用いても良い。
【0043】
そして、利用者がマウスなどの入力装置を用いてカーソルをリンク情報に合わせて当該リンク情報をクリックすると、アクセス部26は、当該リンク情報に相当するリンクコードが示すアクセス先へのアクセスを実行する(ステップS26)。これにより、利用者は、文書の内容に合致した様々なWebサービスの情報を参照することができる。
【0044】
このように、本実施形態によれば、Webサービス連携装置10の属性読み出し部15は、文書に含まれる複数の単語の属性を特定し、Webサービス読み出し部17は、特定した属性の組み合わせを用いることで利用できるWebサービスを特定する。そして、Webサービス読み出し部17は、当該単語の属性値の組み合わせに特定したWebサービスを適用した文書を生成し、出力部19は、当該文書を利用者端末20に出力する。つまり、本実施形態によるWebサービス連携装置10は、単語毎にWebサービスを連携させるのではなく、文書に含まれる複数の単語を組み合わせることで利用できるWebサービスを、文書または各単語に連携させる。これにより、Webサービス連携装置10は、複数のキーワードの入力を要するWebサービスを文書に関連付けることができる。
【0045】
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
例えば、本実施形態では、Webサービスに入力する属性に利用者の情報が含まれる場合に、Webサービス連携装置10が当該属性を置換指示子で代入し、利用者端末20が当該置換指示子を所定の情報に置換する場合を説明したが、これに限られない。例えば、Webサービス連携装置10が、予め利用者の情報を記憶しておくことで、利用者端末20側で置換処理を行わないようにしても良い。この場合、利用者端末20は、特別なプログラムを備えずとも、Webサービスと文書とを連携させることができる。
【0046】
また、本実施形態では、Webサービスとの連携の方法として当該Webサービスへのリンクコードを単語に関連付ける方法を説明したが、これに限られず、例えばAPI(Application Program Interface)が公開されているWebサービスについては、当該APIを用いて関連情報を取得し、当該関連情報をリンクコードに代えて表示する方法を用いても良い。
【0047】
また、本実施形態では、図5に示す手順で日時特定処理を実行する場合を説明したが、これに限られない。例えば、文書の中に過去を示す単語の時制(現在形・過去形など)などその他の情報を用いて日付の特定を行っても良い。
【0048】
なお、本実施形態では、Webサービス連携装置10が単語記憶部14及びWebサービス記憶部16を備える場合を説明したが、これに限られない。例えば、単語記憶部14及びWebサービス記憶部16が外部のサーバ装置等に備えられ、属性読み出し部15及びWebサービス読み出し部17が当該外部のサーバ装置から情報を読み出すように構成されていても良い。また、単語記憶部14、Webサービス記憶部16の何れか一方のみが外部のサーバ装置に備えられるような構成であっても良い。
【0049】
上述のWebサービス連携装置10及び利用者端末20は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【0050】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0051】
10…Webサービス連携装置 11…文書取得部 12…単語分解部 13…外部属性読み出し部 14…単語記憶部 15…属性読み出し部 16…Webサービス記憶部 17…Webサービス読み出し部 18…文書記憶部 19…出力部 20…利用者端末 21…文書取得部 22…位置情報取得部 23…設定情報記憶部 24…利用者情報置換部 25…表示部 26…アクセス部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
文書に関連するWebサービスの情報を提供するWebサービス連携装置を備えるWebサービス連携システムであって、
前記Webサービス連携装置は、
前記文書に含まれる単語の属性及び属性値を前記単語毎に単語記憶部から読み出す属性読み出し部と、
前記属性読み出し部が読み出した属性の組み合わせを用いることで利用できるWebサービスを、Webサービス記憶部から読み出すWebサービス読み出し部と、
前記属性読み出し部が読み出した属性値の組み合わせを前記Webサービス読み出し部が読み出したWebサービスに適用することで、当該Webサービスの情報を利用者端末に出力する出力部と
を備えることを特徴とするWebサービス連携システム。
【請求項2】
前記Webサービス連携装置は、前記文書のメタ情報または利用者の情報から属性及び属性値を読み出す外部属性読み出し部を備え、
前記Webサービス読み出し部は、前記属性読み出し部または前記外部属性読み出し部が読み出した属性の組み合わせであって、前記属性読み出し部が読み出した属性を少なくとも1つ含む組み合わせを用いることで利用できるWebサービスを、前記Webサービス記憶部から読み出す
ことを特徴とする請求項1に記載のWebサービス連携システム。
【請求項3】
前記出力部は、前記Webサービス読み出し部が読み出したWebサービスへのアクセスするためのリンク情報を生成して前記利用者端末に出力し、
前記利用者端末は、前記リンク情報を用いて前記Webサービスへのアクセスを行うアクセス部を備える
ことを特徴とする請求項2に記載のWebサービス連携システム。
【請求項4】
前記Webサービスの利用に必要な属性の組み合わせに、前記利用者の情報に基づく属性が含まれる場合、
前記出力部は、前記利用者の情報に基づく属性に代えて所定の置換指示子を代入したリンク情報を生成し、
前記利用者端末は、前記リンク情報に含まれる置換指示子を、当該利用者端末に格納されている前記利用者の情報に置換する利用者情報置換部を備え、
前記利用者端末のアクセス部は、前記利用者情報置換部が生成したリンク情報を用いて前記Webサービスへのアクセスを行う
ことを特徴とする請求項3に記載のWebサービス連携システム。
【請求項5】
前記外部属性読み出し部は、前記文書のメタ情報から当該文書の更新日時を読み出し、
前記属性読み出し部は、前記外部属性読み出し部が読み出した更新日時に基づいて、相対的な日時を示す単語が示す日時を特定し、特定した日時を、日時を示す属性の属性値とする
ことを特徴とする請求項2から請求項4の何れか1項に記載のWebサービス連携システム。
【請求項6】
文書に関連するWebサービスの情報を提供するWebサービス連携装置を用いたWebサービス連携方法であって、
属性読み出し部は、前記文書に含まれる単語の属性及び属性値を前記単語毎に単語記憶部から読み出し、
Webサービス読み出し部は、前記属性読み出し部が読み出した属性の組み合わせを用いることで利用できるWebサービスを、Webサービス記憶部から読み出し、
出力部は、前記属性読み出し部が読み出した属性値の組み合わせを前記Webサービス読み出し部が読み出したWebサービスに適用することで、当該Webサービスの情報を利用者端末に出力する
ことを特徴とするWebサービス連携方法。
【請求項7】
コンピュータを、
前記文書に含まれる単語の属性及び属性値を前記単語毎に単語記憶部から読み出す属性読み出し部、
前記属性読み出し部が読み出した属性の組み合わせを用いることで利用できるWebサービスを、Webサービス記憶部から読み出すWebサービス読み出し部、
前記属性読み出し部が読み出した属性値の組み合わせを前記Webサービス読み出し部が読み出したWebサービスに適用することで、当該Webサービスの情報を利用者端末に出力する出力部
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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