説明

X線撮影装置

【課題】オペレータの経験等によらずに、X線像に要求される正確さに係る情報の入力により、自動的に最適なX線検出出力の積算回数を設定することのできるX線撮影装置を提供する。
【解決手段】X線像に要求される正確さに係る情報を入力するための入力手段と、X線発生装置1の管電圧と、X線発生装置1とX線検出器3間の距離とを含み、かつ、X線検出器3の画素出力の積算回数を含まない撮影条件を設定することにより、その条件下で略一様なX線がX線検出器3の複数の画素に入射したときの各画素出力の積算回数と、その各画素出力ごとの積算値相互のばらつきとの関係を求め、その関係と入力手段15により入力された正確さに係る情報とから、当該正確さを得ることのできる積算回数を算出して自動的に設定する検出器出力積算回数設定手段を設けることにより、入力された正確さを有するX線像を得ながら、最も少ない積算回数でのX線撮影を可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種工業製品や食品等の対象物にX線を照射し、対象物を透過したX線を用いて、その対象物のX線像を撮影する、X線透視装置やX線CT装置をはじめとするX線撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
各種工業製品等の対象物にX線を照射して得られるX線透過データを用いて、対象物の内部構造や欠陥等の有無を調査するX線撮影装置においては、一般に、X線発生装置に対向してX線検出器を配置し、これらの間に対象物を保持するための試料ステージを配置した構造を採る(例えば特許文献1,2参照)。
【0003】
この種の対象物にX線を照射して得られる対象物のX線像は、X線発生の統計変動等に起因して、見かけ上のS/Nは悪いものとなる。このS/Nを改善するには、X線検出器に入射するX線強度(線量)を大きくする必要があり、そのためには、X線発生装置の管電圧を高くしてX線出力を上げるか、あるいはX線発生装置とX線検出器との距離を短くするか、もしくはX線検出器の露光時間を長くする必要がある。
【0004】
これらの条件のうち、X線発生装置の管電圧を高くするには、装置上の制約等によって自ずと限界があり、また、X線発生装置とX線検出器間の距離についても、対象物の大きさや装置上の制約等によって限界がある。結局、オペレータが比較的自由に選択できるのは、X線検出器の露光時間である。ここで、X線検出器としてイメージインテンシファイアとCCDカメラを組み合わせたものや、フラットパネルディテクタを用いたものにあっては、露光時間に対応するのは画素出力の積算回数である。
【特許文献1】特開2007−178227号公報
【特許文献2】特開2005−326260号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、X線撮影装置における撮影条件のうち、見かけ上のS/Nを向上させるためにオペレータが比較的自由に設定できるX線検出出力の積算回数(露光時間)は、その設定の仕方については特に決まったものはなく、オペレータが過去の経験から適宜に設定するか、あるいは前記した特許文献1に開示されているように、対象物の観察部位の材質や厚さ等に基づいてあらかじめ登録しておき、その登録された条件のなかから該当のものを選択することが行われている。
【0006】
ここで、この種のX線撮影装置においては、X線検出器自体の回路上の問題や、外来ノイズ等がない、言わば通常の状態においては、X線像の見かけ上のS/NはX線発生の統計変動に起因するものが支配的となるため、撮影条件の設定に際してはX線検出出力の積算回数を多くすることによって、X線像の正確さが増すことになるが、積算回数を過大に設定すると、撮影の所要時間が長くなって非効率となり、逆に積算回数を過小に設定すると、X線像の正確さが低下し、例えば対象物のボイド等の欠陥検査等においてそのボイド等の大きさに許容限度があるような場合、正しい検査を行うことができなくなるという問題が生じる。
【0007】
本発明はこのような実情に鑑みてなされたもので、オペレータの経験等によらずに、X線像に要求される正確さに係る情報の入力により、自動的に最適なX線検出出力の積算回数を設定することのできるX線撮影装置の提供をその課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、本発明のX線撮影層は、X線発生装置と、複数の画素が2次元状に配列されてなるX線検出器との間に、対象物を配置するための試料ステージが設けられ、上記X線検出器の各画素出力を設定された積算回数だけ積算した値を画素の濃度情報として用いて対象物のX線像を構築して表示するX線撮影装置において、X線像に求められる正確さに係る情報を入力する入力手段と、上記X線発生装置の管電流と当該X線発生装置と上記X線検出器との距離を含み、かつ、X線検出器の画素出力の積算回数を含まない撮影条件の設定時に、当該条件下で略一様なX線が上記X線検出器の複数の画素に入射したときの各画素出力の積算回数と、その各画素出力ごとの積算値相互のばらつきとの関係を求め、その関係と上記入力手段により入力された正確さに係る情報とから、当該正確さを得ることのできる積算回数を算出して設定する検出器出力積算回数設定手段を備えていることによって特徴づけられる(請求項1)。
【0009】
ここで、本発明においては、上記X線発生装置の管電流と当該X線発生装置と上記X線検出器との距離を含み、かつ、X線検出器の画素出力の積算回数を含まない撮影条件を設定した状態で、上記試料ステージに対象物を配置せずにX線発生装置からのX線をX線検出器に照射して得られる画素出力を、積算回数を順次変化させながら、各積算回数ごとに各画素出力の積算値相互のばらつきを測定することにより、上記積算回数と各画素出力ごとの積算値相互のばらつきとの関係を求める構成(請求項2)を採用することができる。
【0010】
また、本発明においては、上記X線発生装置の管電流と当該X線発生装置と上記X線検出器との距離を含み、かつ、X線検出器の画素出力の積算回数を含まない撮影条件を設定した状態で、上記試料ステージに対象物を配置してX線発生装置からのX線を照射して得られる画素出力のうち、対象物像を透過しないX線が入射した複数の画素出力について、積算回数を順次変化させながら、各積算回数ごとに各画素出力の積算値相互のばらつきを測定することにより、上記積算関数と各画素出力後との積算値相互のばらつきとの関係を求める構成(請求項3)を採用することもできる。
【0011】
更に、本発明においては、上記X線発生装置の管電流と当該X線発生装置と上記X線検出器との距離を含み、かつ、X線検出器の画素出力の積算回数を含まない複数の撮影条件下での上記積算回数と各画素出力ごとの積算値相互のばらつきとの関係を記憶する記憶手段と、上記X線発生装置の管電流と当該X線発生装置と上記X線検出との距離を含み、かつ、X線検出器の画素出力の積算回数を含まない撮影条件の設定時に、上記記憶手段の内容から、設定された撮影条件下での上記積算回数と各画素出力ごとの積算値相互のばらつきとの関係を読み出し、もしくは計算する構成(請求項4)を採用することも可能である。
【0012】
そして、本発明においては、上記入力手段により入力するX線像に求められる正確さに係る情報を、対象物のX線像に要求される寸法誤差の許容限度に基づく情報とする構成(請求項5)を採用することができる。
【0013】
本発明は、X線発生の統計変動に主として由来してX線像の見かけ上のS/Nを低下させるノイズ、つまりX線の変動、はガウス分布に則っており、このようなガウス分布の変動は積算回数の平方根の逆数に比例して減っていくという性質を利用するものである。
【0014】
すなわち、X線検出器の画素出力の積算回数を除くX線撮影条件を設定したとき、その条件下における、X線検出器の画素出力の積算回数とこれら各画素の積算値相互のばらつきに関する情報を用いることにより、入力手段により入力されたX線像に求められる正確さを過不足なく満足することのできる積算回数を決定することができる。
【0015】
積算値相互のばらつきに係る情報としては、各画素出力の積算値を確率変数とした標準偏差を好適に採用することができ、また、X線像に求められる正確さに係る情報としては、同じく各画素の積算値を確率変数とした標準偏差そのもの、あるいはS/Nに関連させて標準偏差を確率変数である各画素出力の積算値の平均値で除した値などを採用することができる。
【0016】
各画素出力の積算回数と、各画素ごとの積算結果(積算値)のばらつきの関係は、請求項2に係る発明のように、積算回数を除く撮影条件の設定状態において、試料ステージに対象物を配置しない状態、つまりX線発生装置からのX線が直接X線検出器に入射する状態として、積算回数を順次変化させながら、その積算回数ごとの積算値のばらつきに係る情報、例えば各画素の積算値を確率変数としたときの標準偏差等を求める方法を採用することができ、また、請求項3に係る発明のように、対象物を試料ステージに載せたまま、対象物のX線像以外の背景部分の領域の複数の画素出力について、上記と同様に方法で積算回数ごとの積算値のばらつきに係る情報を求めてもよい。
【0017】
一方、請求項4に係る発明では、例えば管電圧およびX線発生装置とX線検出器との距離について、それぞれ複数種ずつ組み合わせた条件について、あらかじめそれぞれの積算回数と積算値のばらつきに係る情報を求めて記憶しておき、その記憶内容を用いて、実際に設定された管電圧およびX線発生装置とX線検出器との距離に該当するものを呼び出すか、あるいは補間演算によって、積算回数ごとの積算値のばらつきに係る情報を求める。
【0018】
また、請求項5に係る発明は、入力手段により入力すべきX線像に要求される正確さに係る情報として、X線像に要求される寸法誤差に係る情報とするものであり、これは、例えば上記した標準偏差、もしくは標準偏差を平均値で除した値とX線像の寸法誤差との関係を求めておき、要求される寸法精度に応じた標準偏差もしくはそれを平均値で除した値を入力すればよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、X線検出器の画素出力の積算回数を除くX線撮影条件を設定した後、X線像に求められる正確さに係る情報を入力することにより、積算回数が自動的に求められて設定されるので、オペレータの経験等によらず、過不足のない積算回数のもとにX線撮影が行われる。その結果、要求される正確さを満たしながら、短い所要時間のもとにX線像の撮影を行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明の実施の形態の構成図で、機械的構成を表す模式図とシステム構成を表すブロック図とを併記して示す図である。
【0021】
X線発生装置1は鉛直上方に向けてコーンビーム状のX線を発生し、そのX線発生装置1の上方には、対象物Wを保持するための試料ステージ2が配置されており、更にその上方にX線検出器3が配置されている。X線検出器3はこの例においてフラットパネルディテクタであり、2次元方向(x,y方向)に複数の画素が配列されている。
【0022】
X線発生装置1はX線コントローラ11から供給される管電圧並びに管電流に応じたX線を発生し、そのX線は試料ステージ2上の対象物Wを透過してX線検出器3に入射し、そのX線検出器3からの各画素出力から対象物WのX線透過データが得られる。X線検出器3の各画素出力は画像データ取り込み回路12を介してコンピュータ13に取り込まれる。コンピュータ13では、X線検出器3から取り込んだ各画素出力を、それぞれ設定された積算回数だけ積算し、その積算値を画素の濃度データとして対象物WのX線透視像を構築し、表示器14に表示する。
【0023】
試料ステージ2は例えばアクリル等のX線を透過させやすい一様な平板状の材料からなり、この試料ステージ2はステージ移動機構4の駆動により互いに直交するx,y,z方向に移動可能となっている。また、X線検出器3は、検出器移動機構5の駆動によりX線発生装置1に対して接近・離隔する方向(z方向)に移動可能となっている。
【0024】
これらのステージ移動機構4および検出器移動機構5、並びに前記したX線コントローラ11は、コンピュータ13の制御下に置かれている。コンピュータ13には、キーボードやマウス、およびジョイスティック等からなる操作部15が接続されており、この操作部15の操作により、ステージ移動機構4を通じて試料ステージ2をx,y,z方向に随意に移動させることができ、また、検出器移動機構5を通じてX線検出器3をz方向に随意に位置決めすることができる。また、この操作部15の操作により、以下に示すX線像に要求される正確さに係る情報、換言すれば所望する正確さを入力することができる。
【0025】
さて、コンピュータ13では、X線像を構築する画素情報(濃度値)を得るためのX線検出器3の画素出力の積算回数を除く他の撮影条件が設定された後、操作部15を通じて入力された正確さを満足するX線像が得られる積算回数を自動的に決定し、撮影条件に加える。
【0026】
図2は積算回数を決定する手順を示すフローチャートであり、以下、この図2を参照しつつその手順を詳細に説明する。
【0027】
対象物WのX線像が所要の倍率のもとに所要の視野で得られるように、オペレータが試料ステージ2を所要の位置に位置決めし、積算回数を除く他の撮影条件、すなわちX線発生装置1の管電圧と管電流、X線検出器3のz方向位置(X線発生装置1とX線検出器3間の距離)等を設定した後、試料ステージ2上から対象物Wを取り除き、X線像に要求される正確さに係る情報を入力して積算回数の決定指令を与えることにより、以下の動作が自動的に実行される。
【0028】
まず、X線発生装置1を設定されている管電圧・管電流のもとに駆動し、対象物Wの不存在下でX線を照射し、X線検出器3の各画素出力を積算回数1回で取り込み、各画素出力(画素濃度値)を確率変数xとして標準偏差σを算出する。
【0029】
次に、各画素出力の積算回数nを順次増やし、同様に各画素出力の積算値を確率変数xとして標準偏差σを算出する。積算回数nがあらかじめ設定されている最大値n(max)に達した時点で、積算回数nと標準偏差σとの関係を表す近似式を決定する。なお、積算回数nは、ソフトウエアの計算の容易性の観点から、2のべき乗の値を選択することが望ましい。
【0030】
近似式は下記の(1)式の形とされ、実際に求められた複数の積算回数nとそれぞれに対応する標準偏差σとから係数Aを求める。図3にその実測例をグラフで示す。このグラフから、標準偏差σは積算回数nのほぼ平方根の逆数に比例して減少していくことは明らかであり、(1)式が妥当であることが判る。
【0031】
【数1】

【0032】
次に、以上のようにして求めた近似式と、入力されたX線像の正確さに係る情報とから、その正確さを満足するX線像を得ることのできる積算回数nを決定し、撮影条件に追加する。
【0033】
ここで、X線像の正確さに係る情報としては、標準偏差σそのものであってもよいし、X線像のS/Nという観点から、積算値の平均値xaveを用いて、σ/xaveとしてもよく、より好ましくは、画素出力の積算値(画素濃度値)の標準偏差σもしくはσ/xaveと、X線像に現れる寸法誤差との関係をあらかじめ求めておき、寸法誤差の許容値を入力することにより、その寸法誤差を保証できる積算値の標準偏差σもしくはσ/xaveを読み出し、その読み出した標準偏差σと、上記した近似式とから、積算回数nを算出してもよい。
【0034】
以上のようにして決定された積算回数nは、入力されたX線像に要求される正確さを過不足なく満足する積算回数であり、従ってこのような積算回数を撮影条件とすることにより、入力された正確さを満足するX線像を得ながら、必要最小限の積算回数で撮影することができる。
【0035】
ここで、以上の実施の形態においては、積算回数nとその各積算回数nごとの標準偏差σを求めるために、試料ステージ2上から対象物Wを除去した例を示したが、本発明はこれに限定されることなく、試料ステージ2を位置決めした状態で得られるX線像上で、対象物Wの像が存在しない領域を指定し、その領域内の画素出力を対象として、標準偏差σを算出してもよい。
【0036】
また、以上の実施の形態においては、積算回数を除く撮影条件を設定した状態で、近似式を求めるために実際にX線を発生して積算回数を順次変化させながら、各積算回数において標準偏差σを算出したが、例えば管電圧と、X線発生装置1とX線検出器3間の距離について、それぞれに複数種に相違させてこれらを組み合わせ、その各組み合わせ状態において、あらかじめ上記した手法により積算回数nと標準偏差σとを測定して近似式を求めて記憶しておき、その記憶内容から、実際に管電圧とX線発生装置とX線検出器間の距離を設定したときに該当する組み合わせ、あるいは最も近い組み合わせに対応する近似式を呼び出し、これを積算回数の決定に用いてもよく、更には、実際の管電圧およびX線発生装置とX線検出器間の距離の設定状態に応じて、記憶されている近似式から、補間計算により設定された条件に対応する近似式を求めてもよい。
【0037】
なお、以上の実施の形態においては、X線発生装置1の上方に試料ステージ2を配置し、更にその上方にX線検出器3を配置した構造のX線撮影装置を例にとって説明したが、本発明は装置構造についてはこれに限定されることなく、例えば共通のC型アームの両端部にX線発生装置とX線検出器を支持し、これらの間に試料ステージを配置した構造のもの等、任意の構造のX線撮影装置に本発明を適用し得ることは勿論であり、また、X線CT装置にも等しく適用し得ることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施の形態の構成図で、機械的構成を表す模式図とシステム構成を表すブロック図とを併記して示す図である。
【図2】本発明の実施の形態におけるX線検出器の画素出力の積算回数を決定する際の動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施の形態による積算回数と標準偏差の実測値の例を示すグラフである。
【符号の説明】
【0039】
1 X線発生装置
2 試料ステージ
3 X線検出器
4 ステージ移動機構
5 検出器移動機構
11 X線コントローラ
12 画像データ取り込み回路
13 コンピュータ
14 表示器
15 操作部
W 対象物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線発生装置と、複数の画素が2次元状に配列されてなるX線検出器との間に、対象物を配置するための試料ステージが設けられ、上記X線検出器の各画素出力を設定された積算回数だけ積算した値を画素の濃度情報として用いて対象物のX線像を構築して表示するX線撮影装置において、
X線像に求められる正確さに係る情報を入力する入力手段と、上記X線発生装置の管電流と当該X線発生装置と上記X線検出器との距離を含み、かつ、X線検出器の画素出力の積算回数を含まない撮影条件の設定時に、当該条件下で略一様なX線が上記X線検出器の複数の画素に入射したときの各画素出力の積算回数と、その各画素出力ごとの積算値相互のばらつきとの関係を求め、その関係と上記入力手段により入力された正確さに係る情報とから、当該正確さを得ることのできる積算回数を算出して設定する検出器出力積算回数設定手段を備えていることを特徴とするX線撮影装置。
【請求項2】
上記X線発生装置の管電流と当該X線発生装置と上記X線検出器との距離を含み、かつ、X線検出器の画素出力の積算回数を含まない撮影条件を設定した状態で、上記試料ステージに対象物を配置せずにX線発生装置からのX線をX線検出器に照射して得られる画素出力を、積算回数を順次変化させながら、各積算回数ごとに各画素出力の積算値相互のばらつきを測定することにより、上記積算回数と各画素出力ごとの積算値相互のばらつきとの関係を求めることを特徴とする請求項1に記載のX線撮影装置。
【請求項3】
上記X線発生装置の管電流と当該X線発生装置と上記X線検出器との距離を含み、かつ、X線検出器の画素出力の積算回数を含まない撮影条件を設定した状態で、上記試料ステージに対象物を配置してX線発生装置からのX線を照射して得られる画素出力のうち、対象物像を透過しないX線が入射した複数の画素出力について、積算回数を順次変化させながら、各積算回数ごとに各画素出力の積算値相互のばらつきを測定することにより、上記積算関数と各画素出力後との積算値相互のばらつきとの関係を求めることを特徴とする請求項1に記載のX線撮影装置。
【請求項4】
上記X線発生装置の管電流と当該X線発生装置と上記X線検出器との距離を含み、かつ、X線検出器の画素出力の積算回数を含まない複数の撮影条件下での上記積算回数と各画素出力ごとの積算値相互のばらつきとの関係を記憶する記憶手段と、上記X線発生装置の管電流と当該X線発生装置と上記X線検出との距離を含み、かつ、X線検出器の画素出力の積算回数を含まない撮影条件の設定時に、上記記憶手段の内容から、設定された撮影条件下での上記積算回数と各画素出力ごとの積算値相互のばらつきとの関係を読み出しもしくは計算することを特徴とする請求項1に記載のX線撮影装置。
【請求項5】
上記入力手段により入力するX線像に求められる正確さに係る情報が、対象物のX線像に要求される寸法誤差の許容限度に基づく情報であることを特徴とする請求項1,2、3または4のうちのいずれか1項に記載のX線撮影装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−276133(P2009−276133A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−126045(P2008−126045)
【出願日】平成20年5月13日(2008.5.13)
【出願人】(000001993)株式会社島津製作所 (3,708)
【Fターム(参考)】