説明

X線撮影装置

【課題】 連続してX線を照射して所定のサンプリング間隔でX線の検出信号を取り出す場合に、時間遅れ分の影響を防止して適切なX線画像を得ることが可能なX線撮影装置を提供する。
【解決手段】 X線画像の撮影時には、各スイッチング素子を第1のサンプリング時間間隔でオン、オフすることにより、各蓄積容量に蓄積された電荷信号を第1のサンプリング間隔で取り出すとともに、X線画像の撮影後に、各スイッチング素子を第1のサンプリング時間間隔よりも短い第2の時間間隔でオン、オフすることにより、蓄積容量に蓄積された電荷信号の時間遅れ分を第2のサンプリング時間間隔で取り出す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、被検者に向けてX線を照射するX線管と、被検者を通過したX線を検出するX線検出器とを備え、X線撮影を実行するX線撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
このようなX線撮影装置に使用されるX線検出器としては、フラットパネルディテクタ等の二次元アレイX線検出器が使用される。ここで、フラットパネルディテクタは、X線に感応し入射X線量に対応した電荷信号を出力する変換膜と、この変換膜の表面に画素に対応して二次元アレイ状に配置された複数の画素電極と、これらの各画素電極に各々接続された電荷信号を蓄積する複数の蓄積容量と、この画素電極に接続されたスイッチング素子と、ゲートバスラインを介して各スイッチング素子を順次オンとするゲートドライバと、各蓄積容量に蓄積された電荷信号をデータバスラインを介して取り出すマルチプレクサとを備えている。
【0003】
X線の連続撮影やX線透視を実行する場合には、X線管による被検体へのX線照射にともなってフラットパネルディテクタから所定のサンプリング時間間隔で取り出されるX線画像1枚分のX線の検出信号に基づいて、被検体のX線像に相応するX線画像が取得される。このフラットパネルディテクタは、従来から用いられているイメージインテンシファイア(I.I.)等と比較して、軽量であるうえに、複雑な検出歪みが発生しないので、装置構造の面や検出信号処理の面で有利であるという特徴を有する。
【0004】
しかしながら、フラットパネルディテクタを用いた場合、例えば、パニングする(すなわち、撮影位置を移動させる)場合などにおいては、X線管から照射されたX線の一部が被検体を透過せず直接フラットパネルディテクタに入射する場合がある。このような場合には、フラットパネルディテクタにおいてはこのX線を信号強度が大きいX線として検出することから、フラットパネルディテクタからは信号強度が大きいX線検出信号として出力される。そして、このような場合には、フラットパネルディテクタにおける蓄積容量に蓄積された電荷信号を取り出しきれない現象が生じ、この取り出しきれない電荷信号によるX線の検出信号が時間遅れ分となり、次のX線画像に対して前のX線画像の残像として出現するという問題が生ずる。
【0005】
ここで、X線検出信号の強度が大きいほど、フラットパネルディテクタから出力されるX線検出信号の時間遅れ分が大きくなり、その影響が無くなるまでに長い時間を要するという問題がある。従って、連続撮影時や透視時において、フラットパネルディテクタからX線検出信号を取り出すサンプリング時間間隔が短い場合、取り出し切れない信号の残りが時間遅れ分として次のX線検出信号に加わることになる。このため、スロット撮影や長尺撮影のように、短い撮影間隔でX線の照射と撮影を繰り返す場合においては、時間遅れ分が前のX線画像の残像として出現し、画像のダブリ現象を生じる結果、動画像がボヤける等の不都合を生じる。
【0006】
従来、フラットパネルディテクタから出力された全てのX線検出信号に対して一律に時間遅れ分を除去する再帰的演算処理を行い、この再帰的演算処理が行われたX線検出信号に基づくX線画像を取得し、時間遅れ分が残像として出現することを阻止するようにした放射線撮像装置が提案されている(特許文献1参照)。
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の放射線撮像装置においては、一部のX線検出信号に含まれる大きい時間遅れ分を除去するために、全てのX線検出信号に対して一律に時間遅れ分を除去するための再帰的演算処理を行うことに伴って、過剰な除去が行われる場合があり、また、これとは逆に、除去不足が生ずる場合がある。
【0008】
このため、時間遅れ分を一律に除去するかわりに、パラメータにより時間遅れ分の除去度合いを調整して再帰的演算処理を行うことにより、X線検出信号に含まれる大きい時間遅れ分を除去しつつ、X線検出信号に含まれる時間遅れ分が小さいX線検出信号については、ノイズの増大を抑制することができる放射線撮像装置も提案されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開第2004−242741号公報
【特許文献2】特開第2007−130232号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献2に記載の放射線撮像装置においても、過剰な除去が行われたり除去不足が生ずる場合がある。このような場合には、適正な画像を得ることができないという問題を生ずる。また、上述した特許文献1や特許文献2に記載の放射線撮像装置の構成を採用した場合においては、スロット撮影や長尺撮影を行う場合には、画像を合成するにあたり、画像のつなぎ合わせ領域で時間遅れ分の除去の程度が一定とならないことから、画像の段差が生じてしまうという問題が生ずる。
【0011】
この発明は上記課題を解決するためになされたものであり、連続してX線撮影を実行する場合に、時間遅れ分の影響を防止して適切なX線画像を得ることが可能なX線撮影装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1に記載の発明は、被検者に向けてX線を照射するX線管と、X線に感応する変換膜と、画素を区画する二次元アレイ状の検出素子とを備え、前記被検者を通過したX線を検出するX線検出器と、前記X線検出器によるX線の検出信号を所定のサンプリング時間間隔で取り出すサンプリング手段と、前記サンプリング手段で取り出したX線の検出信号に基づいてX線画像を表示する画像処理部と、を備えたX線撮影装置において、前記サンプリング手段は、X線画像の撮影時には、前記X線検出器によるX線の検出信号を第1のサンプリング時間間隔で取り出すとともに、X線画像の撮影後に、前記第1のサンプリング時間間隔よりも短い第2のサンプリング時間間隔で前記X線検出器によるX線の検出信号の時間遅れ分を取り出すことを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載の発明は、被検者に向けてX線を照射するX線管と、X線に感応し入射X線量に対応した電荷信号を出力する変換膜と、前記変換膜の表面に画素に対応して二次元アレイ状に配置された複数の画素電極と、前記各画素電極に各々接続された電荷信号を蓄積する複数の蓄積容量と、前記画素電極に接続されたスイッチング素子と、ゲートバスラインを介して各スイッチング素子を順次オンとするゲートドライバと、前記各蓄積容量に蓄積された電荷信号をデータバスラインを介して取り出すマルチプレクサとを備えたX線検出器と、前記ゲートドライバを制御することにより、前記ゲートバスラインを介して前記各スイッチング素子を所定のサンプリング時間間隔でオン、オフして、前記マルチプレクサにより前記各蓄積容量に蓄積された電荷信号をX線の検出信号として前記データバスラインを介して取り出すサンプリング手段と、前記サンプリング手段で取り出したX線の検出信号に基づいてX線画像を表示する画像処理部と、を備えたX線撮影装置において、前記サンプリング手段は、X線画像の撮影時には、前記各スイッチング素子を第1のサンプリング時間間隔でオン、オフすることにより、前記各蓄積容量に蓄積された電荷信号を第1のサンプリング間隔で取り出すとともに、X線画像の撮影後に、前記各スイッチング素子を第1のサンプリング時間間隔よりも短い第2の時間間隔でオン、オフすることにより、前記蓄積容量に蓄積された電荷信号の時間遅れ分を第2のサンプリング時間間隔で取り出すことを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明において、スロット撮影または長尺撮影を行う。
【発明の効果】
【0015】
請求項1および請求項2に記載の発明によれば、X線画像の撮影時に第1のサンプリング間隔でX線の検出信号を取り出す場合において、X線画像の撮影後に第1のサンプリング時間間隔よりも短い第2のサンプリング時間間隔でX線検出器によるX線の検出信号の時間遅れ分を取り出すことにより、時間遅れ分の影響を防止して適切なX線画像を得ることが可能となる。
【0016】
請求項3に記載の発明によれば、スロット撮影または長尺撮影を行う場合に、画像のつなぎ合わせ領域で画像の段差が生じることを有効に防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】この発明に係るX線撮影装置の概要図である。
【図2】フラットパネルディテクタ4を側面視した等価回路である。
【図3】フラットパネルディテクタ4を平面視した等価回路である。
【図4】X線撮影装置によりスロット撮影または長尺撮影を行う場合の、フラットパネルディテクタ4によるX線画像の取得状態を模式的に示す説明図である。
【図5】フラットパネルディテクタ4においてX線の検出信号を取り出す様子を示す説明図である。
【図6】フラットパネルディテクタ4における特定の画素の画素値の経時的な変化を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、この発明に係るX線撮影装置の概要図である。
【0019】
このX線撮影装置は、スロット撮影または長尺撮影を実行するためのものであり、被検者1を載置するテーブル2と、X線管3と、X線検出器としてのフラットパネルディテクタ4と、制御部6と、キーボード等の入力部65と、CRT等の表示部66と、X線管3に付与する管電圧等を制御する高電圧発生部7とを備える。制御部6は、サンプリング部61、画像処理部62および記憶部63とから構成される。ここで、サンプリング部61は、フラットパネルディテクタ4におけるX線の検出信号を所定のサンプリング時間間隔で取り出すためのものである。また、画像処理部62は、サンプリング部61により取り出したX線の検出信号に基づいてX線画像を表示するためのものである。さらに、記憶部63は、X線画像等を記憶するためのものである。
【0020】
このX線撮影装置は、X線管3からテーブル2上の被検者1に向けてX線を照射し、被検者1を通過したX線をフラットパネルディテクタ4により検出する動作を複数回繰り返すとともに、検出信号を画像処理して得たX線による映像信号を利用して表示部66にX線画像を表示する構成を有する。
【0021】
次に、フラットパネルディテクタ4の構成について説明する。図2は、フラットパネルディテクタ4を側面視した等価回路である。また、図3は、フラットパネルディテクタ4を平面視した等価回路である。
【0022】
これらの図に示すように、このフラットパネルディテクタ4は、ガラス基板41と、このガラス基板41上に形成されたTFT(薄膜トランジスタ)42と、このTFT42上に蒸着されたa−Se等の変換膜43と、この変換膜43上に配置された共通電極44とを備える。
【0023】
TFT42には、縦横のマトリックス状、すなわち、二次元アレイ状の配置で、電荷収集電極である画素電極45が配設されている。この画素電極45は、例えば、行列方向に1024個×1024個配置されている。図2および図3においては、行列方向に3個×3個配置した場合を模式的に示している。各画素電極45には、スイッチング素子46と、静電容量(キャパシタ)47とが接続されている。
【0024】
各画素電極45は、各スイッチング素子46のソースSに接続されている。図3に示すゲートドライバ51には、複数本のゲートバスライン52が接続されており、これらのゲートバスライン52はスイッチング素子46のゲートGに接続されている。このゲートドライバ51は、図1に示す制御部6のサンプリング部61により制御される。一方、図3に示すように、電荷信号を収集して1つに出力するマルチプレクサ53には、増幅器54を介して複数本のデータバスライン55が接続されており、これらのデータバスライン55は、各スイッチング素子46のドレインDに接続されている。
【0025】
このフラットパネルディテクタ4においては、被検者1を通過したX線像が変換膜43上に投影されると、像の濃淡に比例した電荷信号(キャリア)が変換膜43内に発生する。この電荷信号は、二次元アレイ状に配置された画素電極45により収集され、静電容量47に蓄積される。そして、共通電極44にバイアス電圧を印加した状態で、ゲートドライバ51によりゲートバスライン52に電圧を印加することにより、各スイッチング素子46のゲートGがオン状態となる。これにより、静電容量47に蓄積された電荷信号は、スイッチング素子46におけるソースSとドレインDとを介して、データバスライン55に読み出される。各データバスライン55に読み出された電荷信号は、増幅器54で増幅され、マルチプレクサ53で1つの電荷信号にまとめられて出力される。この電荷信号は、X線検出信号として図1に示す制御部6に出力される。
【0026】
フラットパネルディテクタ4においては、X線撮影時には、X線画像が一定のサンプリング時間間隔t1で取得される。このときには、フラットパネルディテクタ4におけるゲートドライバ51により、ゲートバスライン52に時間間隔t1で電圧を印加することにより、各スイッチング素子46のゲートGが時間間隔t1毎にオン状態となる。これにより、静電容量47に蓄積された電荷信号は、時間間隔t1毎にスイッチング素子46におけるソースSとドレインDとを介して、データバスライン55に読み出される。
【0027】
次に、この発明に係るX線撮影装置により、スロット撮影または長尺撮影を行う場合の撮影動作について説明する。図4は、上述したX線撮影装置によりスロット撮影または長尺撮影を行う場合の、フラットパネルディテクタ4によるX線画像の取得状態を模式的に示す説明図である。ここで、スロット撮影とは、スロット状の画像をつなぎ合わせることにより単一の画像を得る撮影のことであり、長尺撮影とは、複数の画像をつなぎ合わせて長尺の撮影画像を得る撮影のことである。
【0028】
スロット撮影または長尺撮影時においては、複数の画像が一定の時間間隔で撮影される。図4に示す実施形態においては時間間隔tで、複数のX線画像P(1)、P(2)、P(3)・・・P(n)が取得される場合を示している。そして、制御部6における画像処理部62において、これらの画像P(1)〜P(n)がつなぎ合わされて一枚の画像が形成される。なお、画像を撮影する時間間隔は、必ずしも一定でなくてもよい。
【0029】
図5は、フラットパネルディテクタ4においてX線の検出信号を取り出す様子を示す説明図である。なお、この図においては、説明の便宜上、時間間隔t2を実際より大きく表示している。
【0030】
上述したように、画像の撮影の時間間隔はtとなっている。そして、X線撮影時には、X線管3が点灯してX線が被検者1に向けて照射されるとともに、被検者1を通過したX線がフラットパネルディテクタ4に取り込まれる。
【0031】
このときには、被検者1を通過したX線像が変換膜43上に投影されて、電荷信号が変換膜43内に発生する。この電荷信号は、二次元アレイ状に配置された画素電極45により収集され、静電容量47に蓄積される。そして、各スイッチング素子46のゲートGがオン状態となることにより、静電容量47に蓄積された電荷信号は、データバスライン55に読み出され、増幅器54で増幅された後、マルチプレクサ53で1つの電荷信号にまとめられてX線検出信号として取り出される。このときのサンプリング時間間隔は、上述したようにt1となっている。
【0032】
X線検出信号が取り出されれば、各スイッチング素子46のゲートGがオフ状態となる。この状態においても、変換膜43内においてはわずかな電荷信号が継続して発生しており、静電容量47に電荷信号が継続して蓄積される。このため、この発明に係るX線撮影装置においては、X線画像の撮影後、すなわち、X線撮影が終了し次のX線撮影が行われるまでの間の時間に、X線撮影時のサンプリング時間間隔t1よりも短いサンプリング時間間隔t2で、フラットパネルディテクタ4によるX線の検出信号の時間遅れ分を取り出すようにしている。
【0033】
すなわち、図5に示すように、各スイッチング素子46のゲートGがオン状態となって静電容量47に蓄積された電荷信号が取り出された後に、各スイッチング素子46のゲートGがオフ状態となることにより、変換膜43内において継続して発生する電荷信号が静電容量47に蓄積される。そして、一定時間後に、再度、各スイッチング素子46のゲートGがオン状態となって静電容量47に蓄積された電荷信号が再び取り出される。そして、この各スイッチング素子46のゲートGのオンオフ動作は、複数回繰り返される。この各スイッチング素子46のゲートGのオンオフ動作の間隔は、X線撮影時のサンプリング時間間隔である第1のサンプリング時間間隔t1よりも短い、第2のサンプリング時間間隔t2となっている。
【0034】
このように、X線撮影後に各スイッチング素子46のゲートGのオンオフ動作を複数回繰り返すことにより、変換膜43内において継続して発生して静電容量47に蓄積された電荷信号を効率的に取り出すことができる。これにより、フラットパネルディテクタ4の時間遅れ分が速やかに取り出され、時間遅れ分の影響を防止して適切なX線画像を得ることが可能となる。このとき、従来のように再帰的演算処理により時間遅れ分を除去する構成ではないことから、スロット撮影または長尺撮影を行う場合に、画像のつなぎ合わせ領域で画像の段差が生じることを有効に防止することが可能となる。
【0035】
なお、上述したX線撮影後の各スイッチング素子46のゲートGのオンオフ動作の間隔である第2のサンプリング時間間隔t2は、小さいことが好ましい。これは、静電容量47に電荷信号が蓄積されていない状態の方が、変換膜43内で発生した電荷信号をより迅速に静電容量47に取り込むことができるためである。
【0036】
図6は、フラットパネルディテクタ4における特定の画素の画素値の経時的な変化を示すグラフである。このグラフにおいては、縦軸は画素値(対数値)を示しており、横軸は経過時間を示している。また、この図において、黒丸は50kVの管電圧でX線照射を行った後1fpsの時間間隔でX線の検出信号を取り出した場合を示し、白丸は50kVの管電圧でX線照射を行った後5fpsの時間間隔でX線の検出信号を取り出した場合を示している。また、この図において、黒三角は120kVの管電圧でX線照射を行った後1fpsの時間間隔でX線の検出信号を取り出した場合を示し、白三角は120kVの管電圧でX線照射を行った後5fpsの時間間隔でX線の検出信号を取り出した場合を示している。
【0037】
このグラフからも明らかなように、短い時間間隔でX線の検出信号を取り出した方が、X線検出信号の時間遅れ分を迅速に取り出すことが可能となる。すなわち、X線撮影後における各スイッチング素子46のゲートGのオンオフ動作の間隔t2は、X線撮影時のサンプリング時間間隔である第1のサンプリング時間間隔t1よりも十分短いことが好ましい。このX線検出信号の時間遅れ分の取出間隔(第2のサンプリング間隔)t2は、X線撮影時の管電圧等を考慮し、時間遅れ分を取り出せるような間隔として予め設定すればよい。
【符号の説明】
【0038】
1 被検者
2 テーブル
3 X線管
4 フラットパネルディテクタ
6 制御部
7 高電圧発生部
41 ガラス基板
42 TFT
43 変換膜
44 共通電極
45 画素電極
46 スイッチング素子
47 静電容量
51 ゲートドライバ
52 ゲートバスライン
53 マルチプレクサ
54 増幅器
55 データバスライン
61 サンプリング部
62 画像処理部
63 記憶部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検者に向けてX線を照射するX線管と、
X線に感応する変換膜と、画素を区画する二次元アレイ状の検出素子とを備え、前記被検者を通過したX線を検出するX線検出器と、
前記X線検出器によるX線の検出信号を所定のサンプリング時間間隔で取り出すサンプリング手段と、
前記サンプリング手段で取り出したX線の検出信号に基づいてX線画像を表示する画像処理部と、
を備えたX線撮影装置において、
前記サンプリング手段は、X線画像の撮影時には、前記X線検出器によるX線の検出信号を第1のサンプリング時間間隔で取り出すとともに、X線画像の撮影後に、前記第1のサンプリング時間間隔よりも短い第2のサンプリング時間間隔で前記X線検出器によるX線の検出信号の時間遅れ分を取り出すことを特徴とするX線撮影装置。
【請求項2】
被検者に向けてX線を照射するX線管と、
X線に感応し入射X線量に対応した電荷信号を出力する変換膜と、前記変換膜の表面に画素に対応して二次元アレイ状に配置された複数の画素電極と、前記各画素電極に各々接続された電荷信号を蓄積する複数の蓄積容量と、前記画素電極に接続されたスイッチング素子と、ゲートバスラインを介して各スイッチング素子を順次オンとするゲートドライバと、前記各蓄積容量に蓄積された電荷信号をデータバスラインを介して取り出すマルチプレクサとを備えたX線検出器と、
前記ゲートドライバを制御することにより、前記ゲートバスラインを介して前記各スイッチング素子を所定のサンプリング時間間隔でオン、オフして、前記マルチプレクサにより前記各蓄積容量に蓄積された電荷信号をX線の検出信号として前記データバスラインを介して取り出すサンプリング手段と、
前記サンプリング手段で取り出したX線の検出信号に基づいてX線画像を表示する画像処理部と、
を備えたX線撮影装置において、
前記サンプリング手段は、X線画像の撮影時には、前記各スイッチング素子を第1のサンプリング時間間隔でオン、オフすることにより、前記各蓄積容量に蓄積された電荷信号を第1のサンプリング間隔で取り出すとともに、X線画像の撮影後に、前記各スイッチング素子を第1のサンプリング時間間隔よりも短い第2の時間間隔でオン、オフすることにより、前記蓄積容量に蓄積された電荷信号の時間遅れ分を第2のサンプリング時間間隔で取り出すことを特徴とするX線撮影装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のX線撮影装置において、
スロット撮影または長尺撮影を行うX線撮影装置。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2012−245141(P2012−245141A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−118865(P2011−118865)
【出願日】平成23年5月27日(2011.5.27)
【出願人】(000001993)株式会社島津製作所 (3,708)
【Fターム(参考)】