説明

X線検査方法と装置

【課題】車両のX線検査において、車両の搬送装置の台数を一台にしてX線検査に要するコストを下げる場合に、時間のロスを小さく抑えつつ、運転手の安全を確保できるようにする。
【解決手段】ステップS1で車両をX線検査室外においてX線検査室の入口近傍に停車させる。ステップS2〜S4により、車両を入口からX線検査室へ搬送する。ステップS5でX線検査室の入口を閉じた後、ステップS6で車両のX線検査を行う。ステップS7〜S9により、車両を出口からX線検査室外へ搬送し、搬送装置がX線検査室内へ戻り、出口を閉じる。ステップS10で、搬送応答書類装置は入口側へ移動し入口を開ける。ステップS5の後であってステップS10の前に、次の車両についてステップS1を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の積載物をX線で検査する方法と装置に関する。より詳しくは、本発明は、搬送装置により車両をX線検査室内に搬送し、車両の積載物のX線検査を行い、その後、この車両を搬送装置によりX線検査室外に搬送する動作を、各車両について行うX線検査方法と装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のX線検査方法では、搬送装置により車両をX線検査室内に搬送し、車両の積載物のX線検査を行い、その後、この車両を搬送装置によりX線検査室外に搬送する動作を、各車両について行っている。例えば、車両は、トラックであり、積載物は、当該トラックの荷台に搭載されたコンテナの内部に収容されているものである。
【0003】
図1は、従来のX線検査装置の上面図である。従来において、X線検査方法を行うX線検査装置は、図1の例では、X線検査室41と入口扉43と出口扉45と第1および第2の搬送装置47、49を備える。X線検査室41内において、車両1の積載物にX線照射装置51がX線を照射し、当該X線を検出器53で受けることにより積載物に対してX線検査が行われる。入口扉43は、X線検査室41の入口を開閉する。出口扉45は、X線検査室41の出口を開閉する。
【0004】
第1の搬送装置47は、X線検査室41外であって入口扉43近傍にある進入エリアEから車両1をX線検査室41内に搬送する。第2の搬送装置49は、X線検査室41内にある車両1を、X線検査室41外であって出口扉45近傍にある退出エリアLへ搬送する。第1および第2の搬送装置47、49は、図1の例では、車両1の前輪1aを持ち上げて、レール48上を走行することにより車両1を搬送する(詳しくは、下記の特許文献1を参照)。
【0005】
上述のX線検査装置を用いたX線検査方法では、各車両1について次の(1)〜(6)の動作を行う。
(1)車両1の運転手は、X線検査室41の入口近傍にある進入エリアEへ車両1を運転で移動させる。
(2)車両1の運転手は、車両1を進入エリアE内の所定の停止位置に車両1を停止させる。この時、前記停止位置において予め待機していた第1の搬送装置47が、車両11の車止めとして機能する。その後、車両1の運転手は、車両1から降り、進入エリアEから退出する。
(3)入口扉43を動作させてX線検査室41の入口を開けるとともに、第1の搬送装置47により、X線検査室41内に車両1を搬送する。なお、X線検査室41の入口を開ける時には、X線検査室41の出口も開ける。
(4)第1の搬送装置47は、X線検査室41内において、出口側への途中位置まで車両1を搬送し、この途中位置に車両1を置いて、X線検査室41外にある進入エリアE内の前記停止位置へ戻る。
(5)その後、入口扉43を動作させて入口を閉じる。なお、X線検査室41の入口を閉じる時には、X線検査室41の出口も閉じる。
(6)第2の搬送装置49が、X線検査室41内において、前記途中位置に置かれた車両1を出口側へ搬送する。この搬送中に、X線照射装置51により車両1の積載物にX線を照射することにより、当該積載物に対するX線検査を行う。
【0006】
上記(5)の後、上記(6)を終えるまでに、次の車両1について上記(1)(2)を完了しておく。従って、上記(6)を終えたら、次の車両1について上記(3)を行う。次いで、第2の搬送装置49は、当該(6)によりX線検査された車両1を、退出エリアLに搬送してX線検査室41内へ戻るとともに、第1の搬送装置47は、次の車両1について上記(4)を行う。
【0007】
このような手順により、時間のロスを生じさせることなく、各車両1について上記(1)〜(6)を行うことができる。
【0008】
また、上記(5)で、X線検査室41の入口を閉じたら、次の車両1について上記(2)を完了するまで、X線検査室41の入口が閉じた状態に維持される。この状態が維持されている間に、上記(1)(2)において、運転手が、車両1に乗って進入エリアE内に進入し、進入エリアEから退出するので、X線に対する運転手の安全が確保される。
【0009】
さらに、上述のX線検査方法において、上記(5)で、X線検査室41の出口を閉じたら、次の車両1について上記(3)を開始するまで、X線検査室41の出口が閉じた状態に維持される。この状態が維持されている間に、前回の上記(6)の後に退出エリアLへ搬送された車両1に運転手が乗り込み、運転手は、当該車両1を運転で他の場所へ移動させるので、X線に対する運転手の安全が確保される。
【0010】
従来におけるX線検査装置またはX線検査方法は、例えば、下記の非特許文献1と特許文献1、2に記載されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】「コンテナ貨物大型X線検査装置」、石川島播磨技報 Vol.43 No.3 (2003−5)
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2007−331852号公報
【特許文献2】特開2003−287507号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上述のX線検査方法では、二台の搬送装置を用いることにより、時間のロスを生じさせないようにしつつ、運転手の安全を確保していた。
【0014】
しかし、上述のX線検査装置では、二台の搬送装置を用いているので、搬送装置にかかるコストが二台分となる。すなわち、搬送装置毎に、装置自体のコストや、装置の保守と修理のコストがかかる。
【0015】
そこで、本発明の目的は、搬送装置の台数を一台にしてX線検査に要するコストを下げる場合に、時間のロスを小さく抑えつつ、運転手の安全を確保できるX線検査方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するため、本発明によると、車両の積載物をX線で検査するX線検査室と、X線検査室の入口を開閉する入口扉と、前記入口と反対側に位置するX線検査室の出口を開閉する出口扉と、X線検査室内とX線検査室外との間で車両を搬送する単一の搬送装置を備えたX線検査装置によるX線検査方法であって、
(A)入口扉により前記入口を閉じた状態で、X線検査室外における前記入口の近傍に、車両を、運転手の運転により停止させ、
(B)前記入口を開き、
(C)搬送装置が、前記入口を通して、X線検査室内から前記(A)で停止した車両まで移動し、
(D)搬送装置により、前記車両を、前記入口を通してX線検査室内に搬送し、
(E)入口扉により前記入口を閉じ、
(F)前記入口および前記出口が閉じた状態で、X線検査室内において、前記車両の積載物にX線を照射することにより、当該積載物のX線検査を行い、
(G)前記出口を開け、
(H)搬送装置は、X線検査が行われた前記車両を、前記出口を通してX線検査室外における前記出口の近傍に搬送し、
(I)搬送装置は、前記出口を通してX線検査室内に戻るとともに、出口扉により前記出口を閉じ、
(J)次いで、搬送装置がX線検査室内で前記入口側へ移動するとともに、前記(E)で閉じた前記入口を開け、
(K)その一方で、前記(I)の後、前記(H)で搬送された前記車両に運転手が乗り込み、
複数の車両の各々について、前記(A)〜(K)を行い、
k台目の車両について前記(E)を行った後に前記(J)を行う前において、前記入口が閉じられている間に、(k+1)台目の車両について前記(A)を行うことにより、k台目の車両について前記(J)で入口を開ける動作が、(k+1)台目の車両について前記(B)で入口を開ける動作にもなるようにする、ことを特徴とするX線検査方法が提供される。
【0017】
好ましくは、X線検査室外における前記入口の近傍には、車止めが設けられており、
前記(A)において、前記車両は、前記入口に向かって移動し、当該車両のタイヤが前記車止めに係合することにより、当該車両が停止する。
【0018】
また、好ましくは、X線検査室外における前記入口の前記近傍に停止した車両の位置を検出する位置検出装置が設けられ、
前記(A)において、位置検出装置により、車両が停止した位置を検出し、
前記(C)において、位置検出装置による検出位置に基づいて、制御装置により、当該検出位置へ搬送装置を移動させる制御を行う。
【0019】
上記目的を達成するため、本発明によると、車両の積載物をX線で検査するX線検査室と、X線検査室内の車両に対してX線を照射するX線照射装置と、X線検査室の入口を開閉する入口扉と、前記入口と反対側に位置するX線検査室の出口を開閉する出口扉と、X線検査室内とX線検査室外との間で車両を搬送する単一の搬送装置と、X線照射装置と入口扉と出口扉と搬送装置を制御する制御装置と、を備えたX線検査装置であって、
前記制御装置は、
(A)入口扉により前記入口を閉じた状態を検出した場合に、X線検査室外における前記入口の近傍に車両を停止させることを促す進入可能信号を出力し、
(B)X線照射装置が作動していない状態を検出した場合に、前記入口を開き、
(C)搬送装置を、前記入口を通して、X線検査室内から、前記入口の近傍に停止した前記車両の停止位置まで移動させ、
(D)搬送装置により、前記車両を、前記入口を通してX線検査室内に搬送するように搬送装置を制御し、
(E)入口扉により前記入口を閉じ、
(F)前記入口および前記出口が閉じた状態を検出した場合に、X線照射装置を作動させることにより、X線検査室内において、前記車両の積載物にX線を照射することにより、当該積載物のX線検査を行わせ、
(G)前記出口を開け、
(H)搬送装置により、前記車両を、前記出口を通してX線検査室外における前記出口の近傍に搬送するように搬送装置を制御し、
(I)搬送装置を、前記出口を通してX線検査室内に戻すとともに、出口扉により前記出口を閉じ、
(J)搬送装置を、X線検査室内で前記入口側へ移動させるとともに、前記(E)で閉じた前記入口を開け、
(K)その一方で、前記(I)の後、前記車両に運転手が乗り込むことを促す退出可能信号を出力し、
複数の車両の各々について、前記(A)〜(K)を行い、
k台目の車両について前記(E)を行った後に前記(J)を行う前において、前記入口が閉じられている間に、(k+1)台目の車両について前記(A)を行うことにより、k台目の車両について前記(J)で入口を開ける制御が、(k+1)台目の車両について前記(B)で入口を開ける制御にもなるようにする、ことを特徴とするX線検査装置が提供される。
【発明の効果】
【0020】
上述した本発明によると、以下のように、X線検査に要するコストを下げ、X線検査に要する時間を短く抑えつつ、車両の運転手の安全を確保することができる。
【0021】
使用する搬送装置の台数が一台であるので、搬送装置自体のコストや、搬送装置の保守や修理のコストが低くなる。従って、X線検査に要するコストが低下する。
【0022】
k台目の車両について前記(E)を行った後に前記(J)を行う前において、前記入口が閉じられている間に、(k+1)台目の車両について前記(A)を行うことにより、k台目の車両について前記(J)で入口を開ける動作が、(k+1)台目の車両について前記(B)で入口を開ける動作にもなるようにするので、単一の搬送装置を用いる場合でも、時間のロスを小さく抑えることができる。
【0023】
単一の搬送装置により車両を搬送して、車両の積載物に対しX線検査を行う場合に、X線検査室に車両を搬送するために、入口扉により前記入口を閉じた状態で、X線検査室外における前記入口の近傍に車両を停止させるので、車両内の運転手がX線検査室の入口に近づく時には、入口は閉じられている。
また、X線検査後に、出口扉により前記出口を閉じた状態で、X線検査室外における前記出口の近傍の車両に、運転手が乗り込むので、車両の運転手がX線検査室の出口に近づく時には、出口は閉じられている。
このように、X線検査室の入口または出口に運転手が近づく時には、入口または出口は閉じているので、X線に対する運転手の安全が確保される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】従来におけるX線検査装置の上面図である。
【図2】本発明の実施形態によるX線検査装置の上面図である。
【図3】図2(A)のIII−III矢視図である。
【図4】搬送装置の構成を示す。
【図5】制御装置を備えたX線検査装置の上面図である。
【図6】本発明の実施形態によるX線検査方法を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態によるX線検査方法のタイムチャートである。
【図8】車止めの一例を示す。
【図9】車止めの別の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の好ましい実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0026】
図2と図3は、本発明の実施形態によるX線検査方法に用いられるX線検査装置10の構成例を示す。図2(A)は、一点鎖線で描かれている車両1が進入エリアEに位置している状態を示し、図2(B)は、一点鎖線で描かれている車両1が退出エリアLに位置している状態を示す。図3は、図2(A)のIII−III矢視図である。
【0027】
X線検査装置10は、X線検査室3と、X線照射装置11と、入口扉5と、出口扉7と、X線検査室3内とX線検査室3外との間で車両1を搬送する単一の搬送装置9と、X線照射装置11と入口扉5と出口扉7と搬送装置9を制御する制御装置12(図5を参照)とを備える。
【0028】
X線検査室3では、車両1の積載物をX線で検査する。すなわち、X線検査室3では、X線照射装置11により車両1にX線を照射し、車両1を透過したX線を検出器13で受けて画像データにし、この画像データに基づいて車両1の積載物を検査する。X線の照射方向は、例えば、水平方向(図2の左右方向)と鉛直方向(図2の紙面と垂直な方向)であってよい。X線検査室3は、入口扉5と出口扉7と壁8とにより区画されている。
【0029】
入口扉5は、X線検査室3の入口3aを開閉する。入口扉5は、例えば、水平方向(図2の左右方向)に往復動することにより、入口3aを開閉する。
出口扉7は、X線検査室3の出口3bを開閉する。出口扉7は、例えば、水平方向(図2の左右方向)に往復動することにより、出口3bを開閉する。
【0030】
搬送装置9は、X線検査室3の入口3aと出口3bを通して、X線検査室3内とX線検査室3外との間で車両1を搬送する。
図2の例では、搬送装置9は、間隔をおいて平行に配置された一対のレール15上を走行する。一対のレール15は、進入エリアEから、X線検査室3を通って退出エリアLまで延びている。進入エリアEは、X線検査室3外に位置する入口3aの近傍のエリアであり、退出エリアLは、X線検査室3外に位置する出口3bの近傍のエリアである。レール15には、図3(B)に示すように、その長手方向の3箇所において、隙間d1、d2、d3が設けられている。これらの隙間d1、d2、d3は、それぞれ、入口扉5が通る隙間、X線を通すための隙間、出口扉7が通る隙間である。
【0031】
搬送装置9は、フレーム21と車輪23とアーム部材25とフォーク部材27を備える。
【0032】
図4(A)は、図2(A)の部分拡大図であり搬送装置9を示す。図4(B)は、図4(A)のB−B矢視図であり、図4(C)は、図4(B)のC−C矢視図である。
【0033】
フレーム21には、レール15上を走行する車輪23が設けられている。車輪23をモータ(図示せず)で回転駆動することにより、フレーム21は、レール15に沿って移動する。レール15の長手方向において、車輪23は、2つ以上設けられ、これらの車輪23の間隔は、レール15の隙間d1、d2、d3より大きい。また、レール15の長手方向において、2つ以上の車輪23が回転駆動される。
【0034】
アーム部材25は、図4(B)ではL字状の部材であり、フレーム21に支持されている。アーム部材25は、レール15の長手方向にフレーム21から張り出すようにフレーム21に連結されている。アーム部材25は、フレーム21に対して昇降可能にフレーム21に連結されている。図4(A)(B)の例では、アーム部材25は、シリンダ装置29により、フレーム21に対して軸C1回りに回転駆動されることにより、その張り出し側が昇降する。アーム部材25は、フレーム21における幅方向両端にそれぞれ設けられる。ここで、幅方向とは、レール15の長手方向と直交する水平方向である(以下同様)。
なお、アーム部材25には、図示を省略するが、レール15上を走行する補助輪が設けられる。この補助輪は、アーム部材25に対して昇降可能であることにより、アーム部材25が上昇位置にある時に、下降位置にされてレール15に乗り、アーム部材25が下昇位置にある時に、上昇位置にされてレール15に乗るようになっている。補助車は、2つ以上設けられ、これらの補助車の間隔は、レール15の隙間d1、d2、d3より大きい。
【0035】
一対のフォーク部材27が、各アーム部材25に設けられる。一対のアーム部材25が、図4(A)のように車両1の2つの前輪1aを間に挟む位置にある状態で、一方のアーム部材25の一対のフォーク部材27は、図4(A)のように当該車両1の一方の前輪1aを前後方向に挟持する挟持位置と、当該一方の前輪1aを前後方向に挟持しない非挟持位置との間で動作可能である。同様に、他方のアーム部材25の一対のフォーク部材27は、図4(A)のように当該車両1の他方の前輪1aを前後方向に挟持する挟持位置と、当該他方の前輪1aを前後方向に挟持しない非挟持位置との間で動作可能である。例えば、フォーク部材27は、シリンダ(図示せず)により図4(A)の軸C2回りに回転駆動されることにより、挟持位置と非挟持位置との間で動作可能である。
なお、図4において、各フォーク部材27は、挟持位置にあり、この位置から、先端が互いに離れるように軸C2回りに回転駆動されることにより、非挟持位置へ動作する。
【0036】
搬送装置9は、上述の構成により、車両1を搬送することができる。ます、搬送装置9は、一対のアーム部材25が車両1の2つの前輪1aを間に挟む位置へレール15上を移動し、この位置で停止する。次に、各アーム部材25の一対のフォーク部材27が、非挟持位置から挟持位置へ動作して車両1の前輪1aを挟持する。この状態で、各アーム部材25が、所定量だけ軸C1回りに回転駆動されることにより、前輪1aを走行面35から持ち上げる。この状態で、搬送装置9が、再び、レール15上を移動することにより、車両1をレール15に沿って搬送する。このような搬送装置9の構成は、例えば、上述の特許文献1に記載されている。
【0037】
制御装置12は、後述の本発明の実施形態によるX線検査方法を行うために、図5において、X線照射装置11と入口扉5と出口扉7と搬送装置9を制御する。すなわち、制御装置12は、X線照射装置11の作動および非作動、入口扉5と出口扉7の動作、搬送装置9におけるアーム部材25とフォーク部材27の動作、および、搬送装置9の車輪23による走行動作を制御する。図5は、X線検査装置10の上面図であり、車両1がX線検査室3内に位置する状態を示す。
【0038】
次に、上述のX線検査装置10を用いた、本発明の実施形態によりX線検査方法について説明する。
【0039】
図6は、本発明の実施形態によるX線検査方法を示すフローチャートである。
図7は、本発明の実施形態によるX線検査方法のタイムチャートである。
【0040】
なお、以下の説明と図7において、時点tの添え字kは、当該時点tが、k台目の車両1についての処理の時点であることを示す。このように、kは、1以上の整数である。
【0041】
ステップS1において、進入エリアEにk台目の車両1を停止させる。すなわち、入口扉5により入口3aを閉じた状態で、時点t1,kにおいて、X線検査室3外における入口3aの近傍に、k台目の車両1を、運転手の運転により停止させる。時点t1,kから時点t2,kまでの間に、k台目の車両1の運転手は車両1から降りて進入エリアEから退出する。例えば、運転手は、図2(A)の矢印Dに沿って控え室28へ移動して、後述のステップS11まで控え室28で待機する。
【0042】
このステップS1において、制御装置12は、入口扉5により入口3aを閉じた状態を検出した場合に、X線検査室3外における入口3aの近傍に車両1を停止させることを促す進入可能信号を出力する。この進入可能信号は、通知装置14(図5を参照)に入力される。通知装置14は、入力された進入可能信号に反応して、進入エリアEに車両1を進入させることを促す表示、音声または光を生成する。このように生成された表示、音声または光は、進入エリアE外で待機している車両1の運転手が気付くように生成される。従って、車両1の運転手は、当該表示、音声または光に反応して、進入エリアEに車両1を停止させる。
なお、制御装置12は、入口扉5が入口3aを閉じているか、または、入口扉5が入口3aを開けているかを適宜の手段を用いて検出可能である。
【0043】
ステップS2において、時点t2,kで、入口3aを開く。
【0044】
このステップS2において、制御装置12は、X線照射装置11が作動していない状態を検出した場合に、入口3aを開くように入口扉5を制御する。
なお、制御装置12は、X線照射装置11の作動および非作動を適宜の手段を用いて検出可能である。
【0045】
ステップS3において、時点t3,kで、搬送装置9が、X線検査室3内から進入エリアEへ移動する。すなわち、搬送装置9が、入口3aを通して、X線検査室3内から車両1の停止位置まで移動し、当該停止位置で停止する。この停止位置に搬送装置9がある状態では、一対のアーム部材25の間に車両1の2つの前輪1aが位置している。
なお、ステップS3において、フォーク部材27は、車両1の前輪1aとの干渉しない位置に退避している。例えば、各アーム部材25の一対のフォーク部材27は、軸C2回りの回転により、その先端が、レール15の長手方向であって互いに逆方向を向くようにされ、これにより、フォーク部材27と車両1の前輪1aとの干渉が回避される。
【0046】
このステップS3において、制御装置12は、搬送装置9を、入口3aを通して、X線検査室3内から、入口3aの近傍に停止した車両1の停止位置まで移動させる。
【0047】
ステップS4において、時点t4,kで、搬送装置9により、車両1を、入口3aを通してX線検査室3内に搬送する。この例では、ステップS4において、搬送装置9が前記停止位置にある時に、上述のように、フォーク部材27により車両1の前輪1aを挟持して、アーム部材25を回転駆動して車両1の前輪1aを持ち上げ、この状態で、フレーム21がレール15上を走行することにより、車両1をレール15に沿ってX線検査室3内へ搬送する。
【0048】
このステップS4において、制御装置12は、搬送装置9により、前輪1aを持ち上げて、車両1を、入口3aを通してX線検査室3内に搬送するように搬送装置9を制御する。すなわち、搬送装置9が前輪1aを持ち上げる動作と、搬送装置9がX線検査室3内に移動する動作を制御装置12により制御する。
【0049】
ステップS5において、時点t5,kで、入口扉5により入口3aを閉じる。
【0050】
このステップS5において、制御装置12は、入口扉5により入口3aを閉じるように入口扉5を制御する。
【0051】
ステップS6において、時点t6,kで、X線検査を開始する。すなわち、入口3aおよび出口3bが閉じた状態で、X線検査室3内において、車両1の積載物にX線を照射することにより、当該積載物のX線検査を行う。この例では、搬送装置9が、出口3bに向かってレール15上を移動することにより、車両1が、X線照射面P(すなわち、図2、3の破線で示す面P)を通過する。このようなX線検査が終わったらステップS7へ進む。
【0052】
このステップS6において、制御装置12は、入口3aおよび出口3bが閉じた状態を検出した場合に、X線照射装置11を作動させ、かつ、搬送装置9により車両1がX線照射面Pを通過するように搬送装置9を制御する。これにより、X線検査室3内において、車両1の積載物にX線が照射されて当該積載物のX線検査が行われる。
なお、制御装置12は、出口扉7が出口扉7を閉じているか、または、出口扉7が出口扉7を開けているかを適宜の手段を用いて検出可能である。
【0053】
ステップS7において、時点t7,kで、出口3bを開ける。この例では、時点t7,kは、X線検査が終わった時点である。
【0054】
このステップS7において、制御装置12は、X線照射装置11が作動されていないことを検出した場合に、出口扉7により出口3bを開けるように出口扉7を制御する。
【0055】
ステップS8において、時点t8,kで、車両1を退出エリアLへ搬送する。すなわち、搬送装置9は、車両1を、出口3bを通してX線検査室3外における出口3bの近傍に搬送する。ステップS8において、搬送装置9が退出エリアLへ到着したら、退出エリアLにて、搬送装置9の各アーム部材25が、下降することにより、車両1の前輪1aが走行面35に降ろされる。次いで、各アーム部材25のフォーク部材27が、挟持位置から非挟持位置へ動作されることにより、車両1が搬送装置9から解放される。
【0056】
このステップS8において、制御装置12は、搬送装置9により、車両1を、出口3bを通してX線検査室3外における出口3bの近傍に搬送し、当該出口3b近傍に車両1を降ろして解放するように搬送装置9を制御する。すなわち、搬送装置9がX線検査室3外に移動する動作と、搬送装置9が車両1を解放する動作を制御装置12により制御する。
【0057】
ステップS9において、時点t9,kで、搬送装置9は、出口3bを通してX線検査室3内に戻るとともに、時点t10,kで、出口扉7により出口3bを閉じる。
【0058】
このステップS9において、制御装置12は、搬送装置9を、出口3bを通してX線検査室3内に戻すように搬送装置9を制御するとともに、出口扉7により出口3bを閉じるように出口扉7を制御する。
【0059】
ステップS10において、搬送装置9がX線検査室3内で入口3a側へ移動するとともに、時点t10,k(この例では、ステップS9で出口3bを閉じる動作の開始時点と同じ時点)で、ステップS5で閉じた入口3aを開ける。好ましくは、ステップS10において、搬送装置9がX線検査室3内で入口3a側へ移動している間に、時点t10,kで、ステップS5で閉じた入口3aを開ける。
【0060】
このステップS10において、制御装置12は、搬送装置9を、X線検査室3内で入口3a側へ移動させるとともに、ステップS5で閉じた入口3aを開けるように入口扉5を制御する。好ましくは、制御装置12は、搬送装置9を、X線検査室3内で入口3a側へ移動させ、この移動中に、ステップS5で閉じた入口3aを開けるように入口扉5を制御する。
【0061】
その一方で、ステップS9の後、ステップS11において、時点t11,kで、ステップS8で退出エリアLに搬送され退出エリアLに置かれた車両1に運転手が乗り込み、車両1が運転手に運転されて退出エリアLから他の場所へ移動する。
【0062】
このステップS11において、制御装置12は、出口3bが閉じていることを検出した場合に、車両1に運転手が乗り込むことを促す退出可能信号を出力する。この退出可能信号は、通知装置16(図5を参照)に入力される。通知装置16は、入力された退出可能信号に反応して、退出エリアL内の車両1を他の場所へ移動させることを促す表示、音声または光を生成する。このように生成された表示、音声または光は、退出エリアL外(例えば、上述の控え室28)で待機している運転手が気付くように生成される。従って、運転手は、当該表示、音声または光に反応して、退出エリアL内の車両1に乗り込んで、当該車両1を他の場所へ運転で移動させる。
好ましくは、ステップS9により出口3bが完全に閉じた時点t11,kで、制御装置12は、退出可能信号を出力する。
【0063】
各車両1について上述したステップS1〜S11を行う。
k台目の車両1についてステップS5を行った後にステップS10を行う前において、入口3aが閉じられている間に、(k+1)台目の車両1についてステップS1を行うことにより、k台目の車両1についてステップS10で入口3aを開ける動作(制御)が、(k+1)台目の車両1についてステップS2で入口3aを開ける動作(制御)にもなるようにする。
好ましくは、(k+1)台目の車両1についてのステップS1は、k台目の車両1についてステップS5が完了したら行われる。すなわち、(k+1)台目の車両1についてのステップS1は、時点t1,k+1で開始するが、この時点t1,k+1は、k台目の車両1についてステップS5において入口扉5を閉じた時点であるか、または、k台目の車両1についてステップS5において入口扉5を閉じた時点の直後である。
【0064】
好ましくは、進入エリアE内における車両1の停止位置には、車止めが設けられている。この場合、ステップS1において、車両1は、入口3aに向かって移動し、当該車両1の前輪1aが車止めに係合することにより、当該車両1が前記停止位置に停止する。
車止めは、進入エリアEへ走行してきた車両1の前輪1aと係合する第1位置と、車両1の前輪1aおよび後輪と干渉しない第2位置との間で動作されてよい。これにより、ステップS4において車両1がX線検査室3内へ搬送される時に、車止めは、車両1の前輪1aおよび後輪と干渉しない。車止めの動作は制御装置12に制御される。例えば、制御装置12は、ステップS5により入口3aを閉めたら、車止めを第1位置に動作させ、ステップS2により入口3aを開けたら、車止めを第2位置に動作させる。
【0065】
ステップS3で、制御装置12により、進入エリアE内における予め設定された設定停止位置に搬送装置9を位置決めする場合に、ステップS1における車両1の実際の停止位置が、運転手の運転により設定停止位置からずれると、ステップS4で、搬送装置9により車両1の前輪1aを持ち上げる動作ができなくなる。
そこで、車止めを設定停止位置に設けることにより、ステップS1で、運転手の運転により車両1が設定停止位置に正確に停止できるようになる。従って、ステップS3で、制御装置12は、設定停止位置に搬送装置9を位置決めし、ステップS4で、制御装置12は、設定停止位置に位置決めされた搬送装置9により、車両1の前輪1aを持ち上げるように搬送装置9を制御できる。
【0066】
(車止めの構成例)
車止め31の一例を図8に示す。図8(A)(B)は、図4(B)における車両1の前輪(タイヤ)1a近傍の部分拡大図である。図8では、車止め31は、回転駆動される板状の部材である。この場合、車止め31は、例えばシリンダ装置33の伸縮動作によって軸C3回りに回転駆動されることにより、その位置(姿勢)が、図8(A)に示すように、上面が車両1の走行面35から傾斜する第1位置と、図8(B)に示すように、上面が車両1の走行面35と同一面となる第2位置との間で動作される。
車止め31が第1位置にある状態で、ステップS1を行うことにより、上述のように、当該車両1の前輪1aが車止め31に係合することにより、当該車両1が停止する。その後、ステップS1の後であってステップS4の開始前に、車両1や搬送装置9に干渉しない第2位置に車止め31を動作させておく。
なお、図8の車止め31は、前記停止位置にある車両1の一方の前輪1aから他方の前輪1aまで幅方向に延びている単一の部材であってもよいし、前記停止位置にある車両1の両方の前輪1aの幅方向位置にそれぞれ設けられていてもよい。
【0067】
(車止めの別の構成例)
車止め31の別の例を図9(A)に示す。図9(A)は、図4(B)における車両1の前輪1a近傍の部分拡大図である。図9(A)では、車止め31は、幅方向に、往復動する部材である。この場合、車止め31は、例えばシリンダ装置(図示せず)の伸縮動作によって、幅方向に往復動されることにより、ステップS1で前記停止位置へ移動してきた車両1の前輪1aに接触(係合)して車両1を停止させる第1位置と、車両1の前輪1aに干渉しない第2位置との間で動作される。
車止め31が第1位置にある状態で、ステップS1を行うことにより、上述のように、当該車両1の前輪1aが車止め31に接触(係合)することにより、当該車両1が停止する。その後、ステップS1の後であってステップS3の開始前に、車両1や搬送装置9に干渉しない第2位置に車止め31を動作させておく。
なお、図9(A)の車止め31は、第1位置にある状態で、前記停止位置にある車両1の一方の前輪1aから他方の前輪1aまで幅方向に延びている単一の部材であってもよいし、第1位置に駆動されることにより、前記停止位置にある車両1の両方の前輪1aの幅方向位置にそれぞれ位置する2つの部材であってもよい。
【0068】
(車止めの別の構成例)
車止め31の別の例を図9(B)に示す。図9(B)は、図4(B)における車両1の前輪1a近傍の部分拡大図である。図9(B)では、車止め31は、前記停止位置において走行面35に設けられた窪みである。この場合、ステップS1で前記停止位置へ移動してきた車両1の前輪1aの一部が車止め31(窪み)に入り込むことにより、前輪1aが車止め31に係合して車両1が停止する。
図4の搬送装置9を用いる場合に、フォーク部材27が、窪み31に入り込んでいる前輪1aをレール15の長手方向に挟持できる程度に窪みを浅くしておく。
なお、図9(B)の車止め31は、前記停止位置にある車両1の一方の前輪1aから他方の前輪1aまで幅方向に延びていてもよいし、前記停止位置にある車両1の両方の前輪1aの幅方向位置にそれぞれ設けられていてもよい。
【0069】
上述した車止め31の代わりに、または、上述した車止め31に加えて、上述のステップS1において、進入エリアE内に車両1が停止した位置を検出する位置検出装置(図示せず)を設けてもよい。
位置検出装置は、例えば、カメラにより車両1を含む画像を取得し、当該画像に基づいて車両1の位置を検出するものであってもよいし、レーザ距離計を用いて車両1の位置を検出するものであってもよい。
位置検出装置を用いる場合には、制御装置12が、位置検出装置により検出された車両1の停止位置(好ましくは、前輪1aの位置)に基づいて、上述のステップS3において、搬送装置9が当該停止位置まで移動し、当該停止位置で停止するように搬送装置9を制御する。
【0070】
上述にた本実施形態によると、使用する搬送装置9の台数が一台であるので、搬送装置9自体のコストや、搬送装置9の保守や修理のコストが低くなる。従って、X線検査に要するコストが低下する。
【0071】
また、k台目の車両1についてステップS5を行った後にステップS10を行う前において、入口3aが閉じられている間に、(k+1)台目の車両1についてステップS1を行うことにより、k台目の車両1についてステップS10で入口3aを開ける動作(制御)が、(k+1)台目の車両1についてステップS2で入口3aを開ける動作(制御)にもなるようにする。従って、時間のロスを小さく抑えることができ、単一の搬送装置9を用いる場合でも、図1の場合と比較して、ほぼ同じ時間で、同じ台数の車両1のX線検査を行える。
【0072】
さらに、X線検査室3の入口3aまたは出口3bに運転手が近づく時には、入口3aまたは出口3bは閉じているので、X線に対する運転手の安全が確保される。
【0073】
本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0074】
1 車両、1a 前輪、3 X線検査室、3a 入口、3b 出口、5 入口扉、7 出口扉、8 壁、9 搬送装置、10 X線検査装置、11 X線照射装置、12 制御装置、13 検出器、14 通知装置、15 レール、16 通知装置、21 フレーム、23 車輪、25 アーム部材、27 フォーク部材、28 控え室、29 シリンダ装置、31 車止め、33 シリンダ装置、35 走行面、41 X線検査室、43 入口扉、45 出口扉、47 第1の搬送装置、48 レール、49 第2の搬送装置、d1、d2、d3 隙間、C1、C2 C3 軸、E 進入エリア、L 退出エリア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の積載物をX線で検査するX線検査室と、X線検査室の入口を開閉する入口扉と、前記入口と反対側に位置するX線検査室の出口を開閉する出口扉と、X線検査室内とX線検査室外との間で車両を搬送する単一の搬送装置を備えたX線検査装置によるX線検査方法であって、
(A)入口扉により前記入口を閉じた状態で、X線検査室外における前記入口の近傍に、車両を、運転手の運転により停止させ、
(B)前記入口を開き、
(C)搬送装置が、前記入口を通して、X線検査室内から前記(A)で停止した車両まで移動し、
(D)搬送装置により、前記車両を、前記入口を通してX線検査室内に搬送し、
(E)入口扉により前記入口を閉じ、
(F)前記入口および前記出口が閉じた状態で、X線検査室内において、前記車両の積載物にX線を照射することにより、当該積載物のX線検査を行い、
(G)前記出口を開け、
(H)搬送装置は、X線検査が行われた前記車両を、前記出口を通してX線検査室外における前記出口の近傍に搬送し、
(I)搬送装置は、前記出口を通してX線検査室内に戻るとともに、出口扉により前記出口を閉じ、
(J)次いで、搬送装置がX線検査室内で前記入口側へ移動するとともに、前記(E)で閉じた前記入口を開け、
(K)その一方で、前記(I)の後、前記(H)で搬送された前記車両に運転手が乗り込み、
複数の車両の各々について、前記(A)〜(K)を行い、
k台目の車両について前記(E)を行った後に前記(J)を行う前において、前記入口が閉じられている間に、(k+1)台目の車両について前記(A)を行うことにより、k台目の車両について前記(J)で入口を開ける動作が、(k+1)台目の車両について前記(B)で入口を開ける動作にもなるようにする、ことを特徴とするX線検査方法。
【請求項2】
X線検査室外における前記入口の近傍には、車止めが設けられており、
前記(A)において、前記車両は、前記入口に向かって移動し、当該車両のタイヤが前記車止めに係合することにより、当該車両が停止する、ことを特徴とする請求項1に記載のX線検査方法。
【請求項3】
X線検査室外における前記入口の前記近傍に停止した車両の位置を検出する位置検出装置が設けられ、
前記(A)において、位置検出装置により、車両が停止した位置を検出し、
前記(C)において、位置検出装置による検出位置に基づいて、制御装置により、当該検出位置へ搬送装置を移動させる制御を行う、ことを特徴とする請求項1に記載のX線検査方法。
【請求項4】
車両の積載物をX線で検査するX線検査室と、X線検査室内の車両に対してX線を照射するX線照射装置と、X線検査室の入口を開閉する入口扉と、前記入口と反対側に位置するX線検査室の出口を開閉する出口扉と、X線検査室内とX線検査室外との間で車両を搬送する単一の搬送装置と、X線照射装置と入口扉と出口扉と搬送装置を制御する制御装置と、を備えたX線検査装置であって、
前記制御装置は、
(A)入口扉により前記入口を閉じた状態を検出した場合に、X線検査室外における前記入口の近傍に車両を停止させることを促す進入可能信号を出力し、
(B)X線照射装置が作動していない状態を検出した場合に、前記入口を開き、
(C)搬送装置を、前記入口を通して、X線検査室内から、前記入口の近傍に停止した前記車両の停止位置まで移動させ、
(D)搬送装置により、前記車両を、前記入口を通してX線検査室内に搬送するように搬送装置を制御し、
(E)入口扉により前記入口を閉じ、
(F)前記入口および前記出口が閉じた状態を検出した場合に、X線照射装置を作動させることにより、X線検査室内において、前記車両の積載物にX線を照射することにより、当該積載物のX線検査を行わせ、
(G)前記出口を開け、
(H)搬送装置により、前記車両を、前記出口を通してX線検査室外における前記出口の近傍に搬送するように搬送装置を制御し、
(I)搬送装置を、前記出口を通してX線検査室内に戻すとともに、出口扉により前記出口を閉じ、
(J)搬送装置を、X線検査室内で前記入口側へ移動させるとともに、前記(E)で閉じた前記入口を開け、
(K)その一方で、前記(I)の後、前記車両に運転手が乗り込むことを促す退出可能信号を出力し、
複数の車両の各々について、前記(A)〜(K)を行い、
k台目の車両について前記(E)を行った後に前記(J)を行う前において、前記入口が閉じられている間に、(k+1)台目の車両について前記(A)を行うことにより、k台目の車両について前記(J)で入口を開ける制御が、(k+1)台目の車両について前記(B)で入口を開ける制御にもなるようにする、ことを特徴とするX線検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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