説明

X線検査装置

【課題】 供給される物品を簡素化された構成で精度よく検査することができ、しかも装置外部へのX線の漏洩を効果的に防止することができるX線検査装置を提供する。
【解決手段】 上下に対向配置されたX線源とX線検出器23とを収容するシールドボックス21の上流側縦壁21aの上流側に、X線の透過距離が短くなるように、物品搬送経路を横断する断面内で幅寸法より高さ寸法h0の方が大きい物品Mの姿勢を変更して、幅寸法より高さ寸法h1の方が小さい姿勢とする第1姿勢変更ユニット10を備える。そして、シールドボックス21の上下流縦壁21a,21bにそれぞれ形成した物品通過口21a′,21b′を、前記第1姿勢変更ユニット10による姿勢変更前の物品Mの高さ寸法h0より低い寸法に設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品にX線を照射して、該物品への異物混入や該物品の形状異常等を検査するX線検査装置に関し、物品検査の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
従来、シールドボックス内にX線源とX線検出器とを収容し、X線を物品に照射すると共に該物品を透過したX線を検出することにより、該物品への異物混入や該物品の形状異常等を検査するX線検査装置が用いられている。
【0003】
このようなX線検査装置においては、一般にX線の透過距離が短いほど異物混入や形状異常等の検出精度は高くなることから、物品に対するX線の照射方向を最適化して検査を確実にするように構成されたものがあり、例えば特許文献1及び特許文献2に開示のX線検査装置が例示される。
【0004】
まず、特許文献1に開示のX線検査装置は、図15に示すように、二点鎖線で示すX線の照射方向を水平方向と上下方向とに切り換え可能とされている。これにより、背の高い物品Mの場合には、図15(a)に示すように、物品Mを挟んでX線源401とX線検出器402とを左右に対向配置させて、X線を水平方向に照射する一方、幅の広い物品Mの場合には、図15(b)に示すように、物品Mを挟んでX線源401とX線検出器402とを上下に対向配置させて、X線を上下方向に照射することで、物品Mの形状に応じてX線の透過距離を短くすることができる。
【0005】
また、特許文献2に開示のX線検査装置は、図16に示すように、一対のX線源411とX線検出器412とを2組備え、搬送コンベア413で搬送される物品Mに対するX線の照射方向が水平方向と上下方向とになるようにこれらを配置させている。これにより、物品Mの搬送経路を横断する断面内で高さ寸法より幅寸法の方が大きい物品Mの場合には、X線を上下方向に照射する一方、幅寸法よりも高さ寸法の方が大きい物品Mの場合には、X線を水平方向に照射することで、いずれの場合にもX線の透過距離を短くすることができる。
【0006】
なお、前述した特許文献1及び特許文献2のようにX線の透過距離を短くするものではないが、物品の姿勢を変更してその前後で該物品にX線を照射することにより、異常の検出精度を向上させる構成のX線検査装置がある。例えば特許文献3に開示のX線検査装置は、図17に示すように、パイプラインP内を流体を介して通過する物品Mを検査するため、パイプラインPを挟んでX線源421と2つのX線検出器422A,422Bとを備えている。そして、パイプラインP内を通過する物品Mの姿勢を前記2つのX線検出器422A,422B間で変更することによって物品Mへの異物混入を確実に検出すべく、パイプラインPの内面に突起部P′を設け、流体に乱流を発生させて物品Mの姿勢を例えば実線状態と鎖線状態とに変更している。これにより、姿勢変更前後の物品MにそれぞれX線を照射させることができ、異常の検出精度が向上するようになる。
【0007】
【特許文献1】特開2003−279502号公報
【特許文献2】特開2000−241368号公報
【特許文献3】特開平3−57946号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、一連の生産ラインの構成上、X線を上下方向に照射する形式のX線検査装置に、物品搬送経路を横断する断面内で幅寸法より高さ寸法の方が大きい物品が搬入される場合、X線源から照射されたX線の透過距離は長くなり、物品を透過するX線量を精度よく検出可能なレベルに維持するには、前記高さ寸法に応じて照射X線量を増加させる必要がある。その結果、照射X線量の増加に応じて装置外部へのX線の漏洩が懸念されるという問題が生じる。一方、X線を水平方向に照射する形式のX線検査装置に、搬送経路を横断する断面内で高さ寸法より幅寸法の方が大きい物品が搬入される場合にも、前述したと同様の問題が生じる。
【0009】
この問題を解消するために、前記特許文献1及び特許文献2に開示のX線検査装置の適用が考えられるが、前者ではX線源とX線検出器との取り外し及び取り付け構造が複雑化するだけでなく、照射方向を変更するときの作業自体が面倒、とりわけX線源とX線検出器との間の照射X線の軸合わせが面倒であり、後者では前述した作業性の問題はないものの、一対のX線源とX線検出器とを2組備える必要から、装置の複雑化や大型化の問題が生じる。
【0010】
なお、前記特許文献3に開示のX線検査装置は、元々姿勢の不明確な物品の検査を対象として、2つの任意の姿勢の物品にX線を照射するものであり、本願発明が前提にしている一定姿勢の物品に一定方向からX線を照射するものではない。その上、X線検出器を2つ備えることから、この場合にも装置の複雑化や大型化の問題を回避することはできない。
【0011】
そこで、本発明は、供給される物品を簡素化された構成で精度よく検査することができ、しかも装置外部へのX線の漏洩を効果的に防止することができるX線検査装置の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決するため、本発明は次のように構成したことを特徴とする。
【0013】
まず、請求項1に記載の発明は、物品を搬送する搬送手段と、該搬送手段によって搬送される前記物品にX線を照射するX線源と、該X線源の対向位置に設けられて、該X線源から照射されて前記物品を透過したX線を検出するX線検出器とを有するX線検査装置であって、前記X線源によるX線照射領域の上流側及び下流側にそれぞれ設けられて、物品通過口を有するX線漏洩防止部材と、前記上流側X線漏洩防止部材の上流側に設けられて、X線の透過距離が短くなるように物品の姿勢を変更する姿勢変更手段とが備えられていることを特徴とする。
【0014】
また、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載のX線検査装置において、前記下流側X線漏洩防止部材の下流側に、前記姿勢変更手段によって姿勢が変更された物品の姿勢を変更して元に戻す第2の姿勢変更手段が備えられていることを特徴とする。
【0015】
また、請求項3に記載の発明は、前記請求項2に記載のX線検査装置において、前記X線源とX線検出器とは上下に対向配置されており、前記姿勢変更手段は、物品搬送経路を横断する断面内で幅寸法より高さ寸法の方が大きい物品の姿勢を変更して幅寸法より高さ寸法の方が小さい姿勢とすると共に、前記第2の姿勢変更手段は、前記姿勢変更手段によって幅寸法より高さ寸法の方が小さい姿勢とされた物品の姿勢を変更して元の幅寸法より高さ寸法の方が大きい姿勢に戻すものであり、かつ、前記両X線漏洩防止部材の物品通過口は、いずれも前記姿勢変更手段による姿勢変更前の物品の高さ寸法より低く設定されていることを特徴とする。
【0016】
また、請求項4に記載の発明は、前記請求項3に記載のX線検査装置において、前記姿勢変更手段は、前記搬送手段の上流側に配設されて、物品を搬送する下部ベルトコンベアと、該下部ベルトコンベアの搬送面の上方に下流側ほど該搬送面の幅方向に進出するように設けられて、該搬送面上の物品の上部を一側方から該搬送面の幅方向に押す上部ベルトコンベアと、前記物品を挟んで該上部ベルトコンベアの反対側に下流側ほど前記下部ベルトコンベアの搬送面に接近するように下方に傾斜して設けられて、該上部ベルトコンベアによって押されて姿勢が変更される物品の上部を他側方側で受ける受け部材とを備えていることを特徴とする。
【0017】
また、請求項5に記載の発明は、前記請求項4に記載のX線検査装置において、前記下部ベルトコンベアは、その搬送面に搬送方向に沿って、前記上部ベルトコンベアによって上部を一側方から押される物品の下端部を他側方側で受け止める突起部を有していることを特徴とする。
【0018】
そして、請求項6に記載の発明は、前記請求項3に記載のX線検査装置において、前記第2の姿勢変更手段は、前記搬送手段の下流側に配設されると共に搬送方向に沿って左右に並設された一対のベルトコンベアを備えており、かつ、一方のベルトコンベアは物品の一側部を支持し、他方のベルトコンベアは物品の他側部が浮き上がるように前記一方のベルトコンベアより低い搬送面を有していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
まず、請求項1に記載の発明によれば、備えられるX線源とX線検出器とは固定的かつ一対でよいので、従来問題であった一対のX線源とX線検出器とを使用して照射方向を変更する場合のように、これらの取り外し及び取り付け構造が複雑化したり、また、照射方向を変更するときの作業自体が面倒、特にX線源とX線検出器との間の照射X線の軸合わせが面倒であるという問題はない。そして、一対のX線源とX線検出器とを2組備えた場合のように、装置の複雑化や大型化を招くこともなく、構成は簡素なものとなる。
【0020】
その上で、上流側X線漏洩防止部材の上流側に、X線の透過距離が短くなるように物品の姿勢を変更する姿勢変更手段が備えられているので、姿勢変更前の物品にX線を照射する場合に比較してX線の透過距離が短くなる。したがって、精度よい検査を維持するために物品に対するX線照射量を増加させることがないので、装置外部へのX線の漏洩を効果的に防止することができる。
【0021】
また、請求項2に記載の発明によれば、上流側の第1の姿勢変更手段によって姿勢が変更されたのち検査された物品は、下流側の第2の姿勢変更手段によって元の姿勢に戻るので、例えば一連の生産ラインのレイアウト上、検査済みの物品の姿勢を元に戻す必要がある場合に好適となり、生産ラインのさらなる自動化が可能となる。
【0022】
また、請求項3に記載の発明によれば、X線を上下方向に照射する場合に、上流側X線漏洩防止部材の上流側で第1の姿勢変更手段により、幅寸法より高さ寸法の方が大きい物品の姿勢を変更して幅寸法より高さ寸法の方が小さい姿勢とし、下流側X線漏洩防止部材の下流側で第2の姿勢変更手段により、前記第1の姿勢変更手段によって変更された物品の姿勢を元に戻すように構成され、その上で、前記両X線漏洩防止部材の物品通過口は、前記第1の姿勢変更手段による姿勢変更前の物品の高さ寸法より低く設定されているので、各物品通過口の上縁部は上方に設置されたX線源から遠くなって、該物品通過口から漏洩しようとするX線は十分に減衰することになり、該物品通過口を介したX線の漏洩は効果的に防止される。
【0023】
なお、前記第1の姿勢変更手段に供給された物品が長手方向を上下方向に向けたものである場合、第1の姿勢変更手段によって該物品の長手方向が搬送方向と直交するように姿勢変更すれば、つまり第1の姿勢変更手段による姿勢変更後に該物品の長手方向を搬送方向に向けないようにすれば、搬送手段によって搬送する物品の間隔を狭く設定することができ、もって検査の高速化を図ることができるメリットがある。
【0024】
また、請求項4に記載の発明によれば、上流側の第1の姿勢変更手段の構成が具体化される。すなわち、上部ベルトコンベアによって物品の上部を一側方から下部ベルトコンベアの搬送面の幅方向に押して姿勢を変更する場合に、姿勢が変更される物品の反対側の上部を他側方側で受け部材によって受けつつ、該受け部材によって前記物品の上部を徐々に下部ベルトコンベアの搬送面に接近させることができるので、物品の姿勢は搬送中にスムーズに変更されることになり、搬送経路から物品が逸脱したり姿勢が乱れたりする不具合が生じることはない。しかも、駆動力を有する上部ベルトコンベアを使用することにより、下部ベルトコンベアによる物品のスムーズな搬送を助勢することができる。
【0025】
その場合、請求項5に記載の発明によれば、下部ベルトコンベアの搬送面に搬送方向に沿って突起部が設けられており、上部ベルトコンベアによって上部を一側方から押される物品の下端部は、該突起部によって他側方側から受け止められる。したがって、上部ベルトコンベアによって上部を押される物品の下端部が押される方向にいたずらに移動することはなく、つまり物品の上部を押して姿勢を変更させようとする上部ベルトコンベアの作用が損なわれることはなく、もって物品の姿勢を一層確実に変更することができる。
【0026】
そして、請求項6に記載の発明によれば、下流側の第2の姿勢変更手段の構成が具体化される。すなわち、物品搬送経路を横断する断面内で幅寸法より高さ寸法の方が大きい物品は、第1の姿勢変更手段によって幅寸法より高さ寸法の方が小さくなるように姿勢を変更され、検査されたのち、第2の姿勢変更手段に受け渡される。その場合、第2の姿勢変更手段に搬送面の高さを異ならせて並設された一対のベルトコンベアが使用されているので、その重心が搬送面の低いベルトコンベアの上方に位置するように物品が該第2の姿勢変更手段に受け渡されると、該物品は一対のベルトコンベア間に生成された段差を介して、つまり該物品は搬送面の高いベルトコンベアの縁部を支点に搬送面の低いベルトコンベア方向に回転して、幅寸法より高さ寸法の方が大きい元の姿勢で該搬送面の低いベルトコンベアに移載されることになる。なお、この簡素な構成によれば、姿勢変更に時間や搬送距離を長く必要としないことから、高速で姿勢を変更する場合や物品搬送方向のスペースが規制される場合に好適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明の実施の形態に係るX線検査装置について説明する。
【0028】
図1及び図2に示すX線検査装置1は、供給された小麦粉や粉砂糖等が袋詰めされて、長手方向を上下方向に向けた自立可能な物品Mを矢印a方向に搬送し、該物品Mへの異物混入の有無を検査するためのもので、主たる構成要素として上流側から順に、第1姿勢変更ユニット10、本体部20、振分装置30、及び第2姿勢変更ユニット40が配設されている。
【0029】
第1姿勢変更ユニット10は、物品搬送経路を横断する断面内で幅寸法w0より高さ寸法h0の方が大きい前記物品Mの姿勢を90°変更して幅寸法w1より高さ寸法h1の方が小さい姿勢とするものであり、下部ベルトコンベア11、上部ベルトコンベア12、及び受け部材13を備えている。
【0030】
下部ベルトコンベア11は、搬送面を形成する平ベルト11aを有している。上部ベルトコンベア12は、前記下部ベルトコンベア11の平ベルト11aの上方に下流側ほど該平ベルト11aの幅方向に進出するように傾斜して設けられており、矢印bで示すように走行すると共に前記平ベルト11a上の物品Mの上部を一側方から平ベルト11aの幅方向に押す丸ベルト12aを有している。その場合、搬送方向aに対する上部ベルトコンベア12の傾斜角は、20〜30°程度とされている。そして、丸棒状の受け部材13は、物品Mを挟んで前記上部ベルトコンベア12の反対側に下流側ほど前記下部ベルトコンベア11の平ベルト11aに接近するように下方に傾斜して設けられており、該上部ベルトコンベア12によって押されて姿勢が変更される物品Mの上部を他側方側で受ける。
【0031】
本体部20は、物品Mを検査する検査部を構成するもので、シールドボックス21、X線源22、X線検出器23、ベルトコンベア24、主電源スイッチ25、モニタ付き操作パネル26、及び表示灯27を備えている。
【0032】
シールドボックス21は概ね箱状とされており、図3に示すように、上下流側の縦壁21a,21bに形成されて物品Mが通過する物品通過口21a′,21b′は、いずれも前記第1姿勢変更ユニット10による姿勢変更前の物品Mの高さ寸法h0より低く設定されている。すなわち、これら物品通過口21a′,21b′は、姿勢変更前の高さ寸法h0より小さい高さ寸法h1の姿勢とされた物品Mを通過させるだけの開口寸法とされている。
【0033】
また、シールドボックス21からの散乱X線の漏洩を防止するため、物品通過口21a′,21b′を覆うのれん状のX線遮蔽カーテン28,28が、ベルトコンベア24の搬送面を形成する平ベルト24aまで垂下して設けられている。なお、X線遮蔽カーテン28には、金属板あるいは鉛を含有するゴム材料でなるものが使用される。
【0034】
図1〜図3に示すように、X線源22は、シールドボックス21内の上方に収容されており、図示しないスリット機構等を介して図例の二点鎖線で示すX線照射領域Aを形成しつつ、物品MにX線を照射する。X線検出器23は、前記X線源22の下方に対向配置されて、物品Mの搬送方向aと直交する向きに一列に配設された図示しない多数の画素を有するラインセンサでなり、物品Mを透過するX線を検出する。そして、物品Mが前記X線照射領域Aを通過するときに、所定のタイミングで取得されたこのX線検出器23からの検出信号は画像処理されて、該物品Mへの異物混入が検査されることになる。
【0035】
ベルトコンベア24の両端部はシールドボックス21の両物品通過口21a′,21b′からそれぞれ若干突出しており、第1姿勢変更ユニット10によって姿勢を変更された物品Mを受け取って後述する振分装置30に受け渡す。
【0036】
図1及び図2に示すように、振分装置30は、本体部20から受け取った検査済みの物品Mのうち良品を矢印a方向に素通りさせると共に不良品を矢印cあるいは矢印c′方向に排出させるものであり、前記本体部20のベルトコンベア24の下流端から物品Mを受け取る平ベルト31aを有するベルトコンベア31と、搬送方向aの両側方にそれぞれ設けられて下流端を支点に二点鎖線で示すように揺動する振分アーム32,32とを備えている。
【0037】
第2姿勢変更ユニット40は、第1姿勢変更ユニット10によって姿勢が変更された物品Mの姿勢を変更して元に戻すもので、搬送方向aに沿って左右に並設された上部及び下部ベルトコンベア41,42を備えており、かつ、上部ベルトコンベア41の搬送面を構成する平ベルト41aは物品Mの一側部を支持し、下部ベルトコンベア42の搬送面を構成する平ベルト42aは物品Mの他側部が浮き上がるように前記上部ベルトコンベア41の平ベルト41aより低い位置を走行する。そして、下部ベルトコンベア42の下流側に、姿勢が元に戻された物品Mを案内するガイド部材43が配設されている。
【0038】
なお、前記各ベルトコンベア11,12,24,31,41,42及び振分アーム32,32は、それぞれ図示しない駆動手段によって駆動される。
【0039】
次に、X線検査装置1の制御システムについて説明すると、図4に示すように、このX線検査装置1を統括的に制御するコントロールユニット50は、X線源22に制御信号を出力し、かつ、X線検出器23からの検出信号を入力すると共に、該検出信号に基づいて画像処理を行なった上で、物品Mを良品と不良品とに判定し、不良品の場合には振分装置30の振分アーム32,32を作動させる制御信号を出力する。
【0040】
また、コントロールユニット50は、第1姿勢変更ユニット10の下部及び上部ベルトコンベア11,12、振分装置30のベルトコンベア31、及び第2姿勢変更ユニット40の上部及び下部ベルトコンベア41,42の駆動を制御する制御信号を出力する。
【0041】
ここで、このX線検査装置1の作用について説明する。
【0042】
まず、上流側から第1姿勢変更ユニット10に、図5(a)に示すように、長手方向を上下方向に向けた、つまり物品搬送経路を横断する断面内で幅寸法w0より高さ寸法h0の方が大きい物品Mが供給されると、下部ベルトコンベア11の平ベルト11aに載置された物品Mの上部は、一側方に設置された上部ベルトコンベア12の丸ベルト12aに当接するようになる。この時点では、物品Mは受け部材13によって支持されていない。
【0043】
物品Mが下部ベルトコンベア11によってさらに下流側に搬送されると、図5(b)に示すように、物品Mの上部は下流側ほど下部ベルトコンベア11の平ベルト11aの幅方向に進出する上部ベルトコンベア12の丸ベルト12aによって一側方から矢印d方向に押されてついには転倒し、物品Mを挟んで上部ベルトコンベア12の反対側に設けられて下流側ほど平ベルト11aに接近するように下方に傾斜する受け部材13によって他側方側で受けられるようになる。
【0044】
物品Mが下部ベルトコンベア11によってさらに下流側に搬送されると、図5(c)に示すように、物品Mは上部ベルトコンベア12の丸ベルト12aや受け部材13から離反して、物品搬送経路を横断する断面内で幅寸法w1より高さ寸法h1の方が小さい姿勢とされて、下部ベルトコンベア11によってさらに搬送されて、本体部20に受け渡される。
【0045】
図3に示したように、姿勢を変更されてシールドボックス21から突出するベルトコンベア24の上流端に受け渡された物品Mは、シールドボックス21の上流側縦壁21aに形成された物品通過口21a′を介してX線遮蔽カーテン28を押し退けてシールドボックス21内に搬入される。そして、X線源22から照射されてX線照射領域Aを通過する物品Mを透過したX線はX線検出器23に入射され、所定のタイミングで取得された検出信号に基づいた画像処理を介して異物混入の検査が行われる。
【0046】
X線照射領域Aを通過した検査済みの物品Mは、シールドボックス21の下流側縦壁21bに形成された物品通過口21b′に向かい、X線遮蔽カーテン28を押し退けて前記物品通過口21b′を介して、シールドボックス21から突出するベルトコンベア24の下流端から振分装置30に受け渡される。
【0047】
そして、図1及び図2に示したように、物品Mが良品である場合、振分アーム32,32は作動しないので該物品Mはそのままベルトコンベア31によって矢印a方向に素通りして、第2姿勢変更ユニット40に受け渡たされる。一方、物品Mが不良品である場合、いずれかの振分アーム28が作動することによって矢印c,c′方向に排出されて、例えば不良品回収箱等に回収される。
【0048】
振分装置30のベルトコンベア31から第2姿勢変更ユニット40に受け渡たされた物品Mは、図6において実線で示すように、まず、前記ベルトコンベア31と略同じ高さの上部ベルトコンベア41の平ベルト41aによって一側部を支持され、次いで重心Gが位置する物品Mの他側部が上部ベルトコンベア41の縁部を支点に下方に回転し、二点鎖線で示すように、元の長手方向を上下方向に向けた姿勢で、つまり物品搬送経路を横断する断面内で幅寸法w0より高さ寸法h0の方が大きい姿勢で、下部ベルトコンベア42の平ベルト42aに支持されることになる。なお、元の姿勢に変更された物品Mは、例えば箱詰工程に供給される。
【0049】
以上のように構成したことにより、備えられるX線源22とX線検出器23とは固定的かつ一対でよいので、従来問題であった一対のX線源とX線検出器とを使用して照射方向を変更する場合のように、これらの取り外し及び取り付け構造が複雑化したり、また、照射方向を変更するときの作業自体が面倒、特にX線源とX線検出器との間の照射X線の軸合わせが面倒であるという問題はない。そして、一対のX線源とX線検出器とを2組備えた場合のように、装置の複雑化や大型化を招くこともなく、構成は簡素なものとなる。
【0050】
その上で、シールドボックス21の上流側縦壁21aの上流側に、X線の透過距離が短くなるように物品Mの姿勢を変更する第1姿勢変更ユニット10が備えられているので、姿勢変更前の物品MにX線を照射する場合に比較してX線の透過距離が短くなる。したがって、精度よい検査を維持するために物品Mに対するX線照射量を増加させることがないので、装置外部へのX線の漏洩を効果的に防止することができる。
【0051】
また、上流側の第1姿勢変更ユニット10によって姿勢が変更されたのち検査された物品Mは、下流側の第2姿勢変更ユニット40によって元の姿勢に戻るので、例えば一連の生産ラインのレイアウト上、検査済みの物品Mの姿勢を元に戻す必要がある場合に好適となり、生産ラインのさらなる自動化が可能となる。
【0052】
また、X線を上下方向に照射する構成において、シールドボックス21の上流側縦壁21aの上流側で第1姿勢変更ユニット10により、幅寸法w0より高さ寸法h0の方が大きい物品Mの姿勢を変更して幅寸法w1より高さ寸法h1の方が小さい姿勢とし、下流側縦壁21bの下流側で第2姿勢変更ユニット40により、前記第1姿勢変更ユニット10によって変更された物品Mの姿勢を元に戻すように構成され、その上で、前記両縦壁21a,21bの物品通過口21a′,21b′は、前記第1姿勢変更ユニット10による姿勢変更前の物品Mの高さ寸法h0より低く設定されているので、各物品通過口21a′,21b′の上縁部は上方に設置されたX線源22から遠くなって、該物品通過口21a′,21b′から漏洩しようとするX線は十分に減衰することになり、該物品通過口21a′,21b′を介したX線の漏洩は効果的に防止される。
【0053】
なお、前記第1姿勢変更ユニット10に供給された物品Mが長手方向を上下方向に向けたものであり、第1姿勢変更ユニット10によって該物品Mの長手方向が搬送方向aと直交するように姿勢変更することにより、つまり第1姿勢変更ユニット10による姿勢変更後に該物品Mの長手方向を搬送方向aに向けないようにすることにより、ベルトコンベア24によって搬送する物品Mの間隔を狭く設定することができ、もって検査の高速化を図ることができるメリットがある。
【0054】
また、上流側の第1姿勢変更ユニット10の構成によれば、上部ベルトコンベア12によって物品Mの上部を一側方から下部ベルトコンベア11の平ベルト11aの幅方向に押して姿勢を変更する場合に、姿勢が変更される物品Mの反対側の上部を他側方側で受け部材13によって受けつつ、該受け部材13によって前記物品Mの上部を徐々に下部ベルトコンベア11の平ベルト11aに接近させることができるので、物品Mの姿勢は搬送中にスムーズに変更されることになり、搬送経路から物品Mが逸脱したり姿勢が乱れたりする不具合が生じることはない。しかも、駆動力を有する上部ベルトコンベア12を使用することにより、下部ベルトコンベア11による物品Mのスムーズな搬送を助勢することができる。
【0055】
そして、下流側の第2姿勢変更ユニット40の構成によれば、搬送面の高さを異ならせて並設された上部及び下部ベルトコンベア41,42が使用されているので、その重心Gが搬送面の低い下部ベルトコンベア42の上方に位置するように物品Mが該第2姿勢変更ユニット40に受け渡されると、該物品Mは上部及び下部ベルトコンベア41,42間に生成された段差を介して、つまり該物品Mは搬送面の高い上部ベルトコンベア41の縁部を支点に搬送面の低い下部ベルトコンベア42方向に回転して、幅寸法w0より高さ寸法h0の方が大きい元の姿勢で、該下部ベルトコンベア42に移載されることになる。なお、この簡素な構成によれば、姿勢変更に時間や搬送距離を長く必要としないことから、高速で姿勢を変更する場合や物品搬送方向aのスペースが規制される場合に好適である。
【0056】
ここで、第1姿勢変更ユニット10の変形例について説明する。なお、特に混乱を招かない限り、前述した構成要素と共通するものについては同じ符号を付すことにする。
【0057】
すなわち、図7及び図8に示すように、本体部20の上流側の第1姿勢変更ユニット10は、前述したものと同様に、下部ベルトコンベア11、上部ベルトコンベア12、及び受け部材13を備えている。その場合、特に下部ベルトコンベア11の搬送面を構成する平ベルト11aは、搬送方向aに沿って設けられて、上部ベルトコンベア12の丸ベルト12aによって上部を一側方から押される物品Mの下端部を他側方側で受け止める突起部11a′を有している。
【0058】
これによれば、図8に示すように、上部ベルトコンベア12の丸ベルト12aによって上部を一側方から矢印d方向に押される物品Mの下端部は、前記突起部11a′によって他側方側から受け止められる。したがって、上部ベルトコンベア12によって上部を押される物品Mの下端部が押される方向dにいたずらに移動することはなく、つまり二点鎖線で示すように、物品Mの上部を押して姿勢を変更させようとする前記上部ベルトコンベア12の作用が損なわれることはなく、もって物品Mの姿勢を一層確実に変更することができる。なお、前記突起部11a′は、搬送方向aに連続して設けられてもよいし、不連続に設けられてもよい。
【0059】
次に、別なる構成の第1姿勢変更ユニットについて説明する。
【0060】
まず、図9に示す第1姿勢変更ユニット110は、例えば牛乳パック等の箱型形状の物品Mの姿勢変更に適用されるもので、搬送方向aの上流側に設けられて水平方向に走行する平ベルト111aを有する第1ベルトコンベア111と、該第1ベルトコンベア111の上方に配設されて、上流端では垂直とされる一方、下流端では水平となるようにねじられた平ベルト112a,113aをそれぞれ有する上下一対の第2及び第3ベルトコンベア112,113とを備えている。その場合、第2及び第3ベルトコンベア112,113は、上側の第2ベルトコンベア112の平ベルト112aの下側走行面と下側の第3ベルトコンベア113の平ベルト113aの上側走行面とが適宜の間隔を置いて対向するように配設されており、前記両走行面間に物品Mが挟持されて搬送される。
【0061】
この第1姿勢変更ユニット110によれば、長手方向を上下方向に向けて供給された物品Mは、矢印a方向に搬送される過程で、当初は長手方向を上下方向に向けた姿勢で、下方を第1ベルトコンベア111によって支持されると共に、第2及び第3ベルトコンベア112,113によって挟持されて、搬送されるにしたがって、長手方向を搬送方向aと直交する方向に向けた姿勢に次第に変更されて、つまり幅寸法より高さ寸法の方が小さい姿勢に変更されて、下流側の本体部20に受け渡されることになる。なお、この第1姿勢変更ユニット110は、前述した牛乳パックのように搬送中に内容物が不規則に移動し易い物品Mを、安定して搬送しつつ、その姿勢を変更するのに好適である。そして、このような構成の第1姿勢変更ユニット110の上下流の構成を逆転させることにより、第2姿勢変更ユニットとして使用することができる。
【0062】
また、図10及び図11に示す第1姿勢変更ユニット210は、例えば丸缶のような姿勢を変更した場合に搬送面上で転がり易い物品Mに適用されるもので、併せて本体部20についても、これまでのベルトコンベア24が図例のプレートコンベア224に変更されている。
【0063】
まず、第1姿勢変更ユニット210は、ベルトコンベア211、スクリューコンベア212、ガイド部材213、及び押し部材214を備えている。下方に設けられたベルトコンベア211は、長手方向を上下方向に向けて供給された物品Mを矢印a方向に搬送する。該ベルトコンベア211の上方に設けられたスクリューコンベア212は、その螺旋状の溝部212aを介して物品Mの略中央部に係合して一側方から支持すると共に、回転によって前記ベルトコンベア211と協働して該物品Mを矢印a方向に搬送する。前記ベルトコンベア211の上方に、物品Mを挟んでスクリューコンベア212の反対側に設けられた丸棒状のガイド部材213は、上流側では前記スクリューコンベア212に沿って延びると共に、下流側では前記スクリューコンベア212から徐々に離反しつつ下方に傾斜している。そして、同じくベルトコンベア212の上方かつ下流側に、物品Mを挟んでガイド部材214の反対側に設けられた押し部材214は、物品Mとスクリューコンベア212の溝部212aとの係合を解除して該物品Mの上部をスクリューコンベア212から離反させるため、下流側ほどスクリューコンベア212から遠ざかるように配設されている。
【0064】
一方、プレートコンベア224は、上下流各一対(上流側の一方のみ図示)のスプロケット224a…224a、対応するスプロケット224a,224a間に巻き掛けられた2条のエンドレスチェーン224b,224b、及び2条のエンドレスチェーン224b,224bに跨って取り付けられて、中央部に物品Mを保持するための側面視で円弧状の凹部を有する多数の受けプレート224c…224cを備えている。なお、エンドレスチェーン224b,224bや受けプレート224c…224cは、X線照射領域Aを通過する物品Mを透過してX線検出器23に入射するX線をいたずらに遮蔽しないように、樹脂製とされている。
【0065】
この第1姿勢変更ユニット210によれば、長手方向を上下方向に向けて供給された物品Mは、当初は下方をベルトコンベア211、中央部を一側方ではスクリューコンベア212、同じく他側方ではガイド部材213によって支持されつつ、矢印a方向に搬送される。そして、下流側では、物品Mは押し部材214によって上部を一側方から押されてスクリューコンベア212の溝部212aとの係合を解除されて、ベルトコンベア211の幅方向に転倒しようとする。一方、物品Mを挟んで押し部材214の反対側に設けられたガイド部材213は、スクリューコンベア212から離反して下方に傾斜しているので、転倒しようとする物品Mの上部は、このガイド部材213によって他側方側から受けられると共に、該物品Mは、プレートコンベア224方向に導かれる。
【0066】
長手方向を搬送方向aと直交する方向に向けて転倒する、つまり物品搬送経路を横断する断面内で幅寸法より高さ寸法の方が小さい姿勢とされる物品Mは、プレートコンベア224に受け渡される。すなわち、転倒する物品Mは、順次各受けプレート224cに受け渡されて、該物品Mの側部と受けプレート224cの凹部とを介して安定的に保持されつつ、X線照射領域Aに搬送されることになる。なお、このような構成の第1姿勢変更ユニット210の上下流の構成を概ね逆転させることにより、第2姿勢変更ユニットとして使用することができる。
【0067】
次に、別なる構成の第2姿勢変更ユニットについて説明する。
【0068】
図12及び図13に示す第2姿勢変更ユニット340は、小麦粉や粉砂糖等が袋詰めされた物品Mの姿勢を変更するもので、搬送方向aに沿って隙間Sを介して左右に分割された平ベルト341A,341Bを有するベルトコンベア341を備えている。そして、前記隙間Sに、下流側ほど上方かつ右側平ベルト341B方向に進出するように傾斜して、矢印eで示すように走行する丸ベルト342aを有するベルトコンベア342が配設されている。
【0069】
この第2姿勢変更ユニット340によれば、まず、図14(a)に示すように、物品Mが、上流側から長手方向を搬送方向aと直交する方向に向けて、つまり物品搬送経路を横断する断面内で幅寸法w1より高さ寸法h1の方が小さい姿勢とされて、しかも重心Gがベルトコンベア341の右側平ベルト341B側に位置するように、両平ベルト341A,341Bに跨って供給される。この時点では、ベルトコンベア342の丸ベルト342aは、物品Mの直下方にあって隙間Sから突出するには至っていない。
【0070】
次いで、図14(b)に示すように、ベルトコンベア341によって物品Mがさらに下流側に搬送されると、隙間Sからベルトコンベア342の丸ベルト342aが上方に突出して、物品Mの図例の左側側部は該丸ベルト342aによって次第に持ち上げられて、物品Mは右側平ベルト341Bによって図例の右側端部を支持されるようになる。
【0071】
そして、図14(c)に示すように、さらに下流側に搬送される過程で、上方かつベルトコンベア341の右側平ベルト341Bの幅方向に進出する前記丸ベルト342aにより、物品Mは右側平ベルト341B上に、長手方向を上下方向に向けた姿勢で、つまり幅寸法W0より高さ寸法h0の方が大きい姿勢で支持される。
【0072】
なお、本発明は、具体的に詳述した前記実施の形態に限定されることはなく、本発明の趣旨に沿うものであればよく、例えば、第2姿勢変更ユニット40,340や振分装置30を適宜省略してもよい。
【0073】
また、前記実施の形態では、物品搬送経路を横断する断面内で物品Mの姿勢を90°変更していたが、X線の透過距離が短くなるのであれば、これにこだわらない。
【0074】
また、前記第1姿勢変更ユニット10において、下部ベルトコンベア11及び上部ベルトコンベア12の平ベルト11a及び丸ベルト12aの走行速度をそれぞれ調節したり、前記第2姿勢変更ユニット40において、上部ベルトコンベア41及び下部ベルトコンベア42の平ベルト41a,42aの走行速度をそれぞれ調節して、各姿勢変更ユニット10,40における物品搬送のさらなる安定化や姿勢変更のさらなる円滑化を図ってもよい。
【0075】
そして、X線を水平方向に照射する形式のX線検査装置については言及を省略したが、その場合の第1姿勢変更ユニットとしては、前記第2姿勢変更ユニット40,340、あるいは前記第1姿勢変更ユニット110,210の上下流の構成を逆転させたものが、一方、第2姿勢変更ユニットとしては前記第1姿勢変更ユニット10,110,210が、それぞれ使用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0076】
以上説明したように、本発明によれば、供給される物品を簡素化された構成で精度よく検査することができ、しかも装置外部へのX線の漏洩を効果的に防止することができるX線検査装置が提供される。すなわち、本発明は、物品にX線を照射して、該物品への異物混入や該物品の形状異常等を検査するX線検査装置に関し、物品検査の技術分野に広く好適である。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の実施の形態に係るX線検査装置の側面図である。
【図2】同じく平面図である。
【図3】本体部の要部を抜粋して示す側断面図である。
【図4】制御システムを示すブロック図である。
【図5】第1姿勢変更ユニットの作用を説明するため、図2のII方向から見た要部を抜粋して示す図であり、(a)は姿勢変更直前、(b)は姿勢変更途中、及び(c)は姿勢変更直後を示す。
【図6】第2姿勢変更ユニットの作用を説明するため、図2のIII方向から見た要部を抜粋して示す図である。
【図7】第1姿勢変更ユニットの変形例を示す一部を抜粋して示す平面図である。
【図8】突起部の作用を説明するため、図7のIV方向から見た要部を抜粋して示す図である。
【図9】別なる構成の第1姿勢変更ユニットの平面図である。
【図10】さらに別なる構成の第1姿勢変更ユニットと後続する本体部のプレートコンベアとの要部側面図である。
【図11】同じく平面図である。
【図12】別なる構成の第2姿勢変更ユニットの要部側面図である。
【図13】同じく平面図である。
【図14】第2姿勢変更ユニットの作用を説明するため、図13のVI方向から見た要部を抜粋して示す図であり、(a)は姿勢変更直前、(b)は姿勢変更途中、及び(c)は姿勢変更直後を示す。
【図15】従来のX線検査装置の構成を示す図である。
【図16】同じく別なるX線検査装置の構成を示す図である。
【図17】同じくさらに別なるX線検査装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0078】
1 X線検査装置
10,110,210 第1姿勢変更ユニット(姿勢変更手段)
11 下部ベルトコンベア
11a′ 突起部
12 上部ベルトコンベア
13 受け部材
21a 上流側縦壁(上流側X線漏洩防止部材)
21a′ 物品通過口
21b 下流側縦壁(下流側X線漏洩防止部材)
21b′ 物品通過口
22 X線源
23 X線検出器
24 ベルトコンベア(搬送手段)
40,340 第2姿勢変更ユニット(第2の姿勢変更手段)
41 上部ベルトコンベア(搬送面の高いベルトコンベア)
42 下部ベルトコンベア(搬送面の低いベルトコンベア)
A X線照射領域
M 物品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を搬送する搬送手段と、該搬送手段によって搬送される前記物品にX線を照射するX線源と、該X線源の対向位置に設けられて、該X線源から照射されて前記物品を透過したX線を検出するX線検出器とを有するX線検査装置であって、
前記X線源によるX線照射領域の上流側及び下流側にそれぞれ設けられて、物品通過口を有するX線漏洩防止部材と、
前記上流側X線漏洩防止部材の上流側に設けられて、X線の透過距離が短くなるように物品の姿勢を変更する姿勢変更手段とが備えられていることを特徴とするX線検査装置。
【請求項2】
前記請求項1に記載のX線検査装置において、
前記下流側X線漏洩防止部材の下流側に、前記姿勢変更手段によって姿勢が変更された物品の姿勢を変更して元に戻す第2の姿勢変更手段が備えられていることを特徴とするX線検査装置。
【請求項3】
前記請求項2に記載のX線検査装置において、
前記X線源とX線検出器とは上下に対向配置されており、
前記姿勢変更手段は、物品搬送経路を横断する断面内で幅寸法より高さ寸法の方が大きい物品の姿勢を変更して幅寸法より高さ寸法の方が小さい姿勢とすると共に、
前記第2の姿勢変更手段は、前記姿勢変更手段によって幅寸法より高さ寸法の方が小さい姿勢とされた物品の姿勢を変更して元の幅寸法より高さ寸法の方が大きい姿勢に戻すものであり、かつ、
前記両X線漏洩防止部材の物品通過口は、いずれも前記姿勢変更手段による姿勢変更前の物品の高さ寸法より低く設定されていることを特徴とするX線検査装置。
【請求項4】
前記請求項3に記載のX線検査装置において、
前記姿勢変更手段は、前記搬送手段の上流側に配設されて、物品を搬送する下部ベルトコンベアと、
該下部ベルトコンベアの搬送面の上方に下流側ほど該搬送面の幅方向に進出するように設けられて、該搬送面上の物品の上部を一側方から該搬送面の幅方向に押す上部ベルトコンベアと、
前記物品を挟んで該上部ベルトコンベアの反対側に下流側ほど前記下部ベルトコンベアの搬送面に接近するように下方に傾斜して設けられて、該上部ベルトコンベアによって押されて姿勢が変更される物品の上部を他側方側で受ける受け部材とを備えていることを特徴とするX線検査装置。
【請求項5】
前記請求項4に記載のX線検査装置において、
前記下部ベルトコンベアは、その搬送面に搬送方向に沿って、前記上部ベルトコンベアによって上部を一側方から押される物品の下端部を他側方側で受け止める突起部を有していることを特徴とするX線検査装置。
【請求項6】
前記請求項3に記載のX線検査装置において、
前記第2の姿勢変更手段は、前記搬送手段の下流側に配設されると共に搬送方向に沿って左右に並設された一対のベルトコンベアを備えており、かつ、
一方のベルトコンベアは物品の一側部を支持し、
他方のベルトコンベアは物品の他側部が浮き上がるように前記一方のベルトコンベアより低い搬送面を有していることを特徴とするX線検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2006−292457(P2006−292457A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−110683(P2005−110683)
【出願日】平成17年4月7日(2005.4.7)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】