X線検査装置
【課題】 物品を収納して搬送される箱の角部や側縁部あるいは物品の周縁部が繰り返して接触することによるX線漏洩防止部材の磨耗を防止すると共に、箱や物品がX線漏洩防止部材を押し退けてスムーズに通過することができるX線検査装置を提供する。
【解決手段】 シールドボックス内の搬入口及び搬出口に垂設されて、該搬入口及び搬出口を覆うX線遮蔽部31を、左右両端及び略中央の柔軟部材35…35と略中央の柔軟部材35の左右両側に隣接する金属部材36,36とで構成する。その場合、前記金属部材36,36を、上面が開口する箱Yに物品を収納した商品Gの前方角部が接触したり両側縁部が摺接したりする箇所に配設する。また、柔軟部材35には、鉛を含有するゴム材料を、金属部材36には、ゴム材料より若干厚みの薄いステンレス鋼を使用する。
【解決手段】 シールドボックス内の搬入口及び搬出口に垂設されて、該搬入口及び搬出口を覆うX線遮蔽部31を、左右両端及び略中央の柔軟部材35…35と略中央の柔軟部材35の左右両側に隣接する金属部材36,36とで構成する。その場合、前記金属部材36,36を、上面が開口する箱Yに物品を収納した商品Gの前方角部が接触したり両側縁部が摺接したりする箇所に配設する。また、柔軟部材35には、鉛を含有するゴム材料を、金属部材36には、ゴム材料より若干厚みの薄いステンレス鋼を使用する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品にX線を照射して、該物品への異物混入や該物品の形状異常等を検査するX線検査装置に関し、物品検査の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
従来、シールドボックス内にX線源とX線検出器とを収容し、X線を物品に照射すると共に該物品を透過したX線を検出することにより、該物品への異物混入や該物品の形状異常等を検査するX線検査装置が用いられている。
【0003】
このようなX線検査装置においては、X線が物品に照射されたことにより発生する散乱X線が、物品の搬入及び搬出のためシールドボックスの両端部に設けられた搬入口及び搬出口を介して外部に漏洩するのを防止する必要があり、これに対処するものとして、例えば特許文献1に開示のX線検査装置がある。
【0004】
このX線検査装置は、シールドボックスの搬入口及び搬出口を覆うX線漏洩防止部材としての遮蔽カーテンを備えており、これにより前記搬入口及び搬出口を介した装置外部への散乱X線の漏洩を防止している。さらに、この場合の遮蔽カーテンは、幅方向に複数に分割されてのれん状とされると共に上下方向に多段階に屈折可能に構成されており、該遮蔽カーテンの下部を押し退けるようにシールドボックスに搬入され、シールドボックスから搬出される物品の上面に該遮蔽カーテンは屈折して好ましく沿うようになることから、物品上面と遮蔽カーテンとの間に生成する隙間は小さく、もって該隙間を介したX線の漏洩が一層防止されるようになっている。なお、前記遮蔽カーテンには、一般に鉛を含有するゴム材料でなる柔軟なものが使用される。
【0005】
【特許文献1】特開2003−270174号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、前述したようなX線検査装置で、例えば上面が開口した箱に物品を収納した商品を搬送しつつ検査する場合、この箱の前方両角部は前記遮蔽カーテンに接触する。また、前記箱の搬送方向に沿って上方へ線状に突出する両側縁部は前記遮蔽カーテンに該箱の通過期間中摺接することになる。その結果、検査回数が累積されると、遮蔽カーテンの重みも相俟って一般に硬い前記角部や側縁部により比較的軟らかい遮蔽カーテンが磨耗、さらには磨耗が進行して破損するという問題が生じることがある。そして、生じた磨耗粉や破損片が箱や収納物品に混入するおそれがある。
【0007】
また、パック包装されたプリン、フルーツゼリー等のように上部全周に外方へ向かって線状に突出する周縁部を有する物品の場合、硬くて鋭い該周縁部が遮蔽カーテンに接触するため、検査回数が累積されると、同様に該遮蔽カーテンが磨耗、破損するという問題が生じることがある。
【0008】
前記問題を解消するには、例えば磨耗に強い金属材料でなる遮蔽カーテンの適用が考えられるが、その場合には物品を収納した箱あるいは物品が該遮蔽カーテンを押し退ける際の抵抗が増大することから、箱や物品のスムーズな通過が阻害されるという問題がある。
【0009】
そこで、本発明は、物品を収納して搬送される箱の角部や側縁部あるいは物品の周縁部が繰り返して接触することによるX線漏洩防止部材の磨耗を防止すると共に、箱や物品がX線漏洩防止部材を押し退けてスムーズに通過することができるX線検査装置の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するため、本発明は次のように構成したことを特徴とする。
【0011】
まず、請求項1に記載の発明は、物品にX線を照射するX線源と該X線源から照射されて前記物品を透過するX線を検出するX線検出器とを収容するシールドボックスと、該シールドボックスの両端部に設けられた搬入口から搬出口に物品を搬送する搬送手段と、前記搬入口及び搬出口に垂設されて、該搬入口及び搬出口を覆うX線漏洩防止部材とを有するX線検査装置であって、前記X線漏洩防止部材は、所定の部位が金属部材で構成され、他の部位が柔軟部材で構成されていることを特徴とする。
【0012】
また、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載のX線検査装置において、前記X線漏洩防止部材は、幅方向の所定間隔を隔てた両側部分が金属部材で構成されると共に、該金属部材で挟まれた中央部分が柔軟部材で構成されていることを特徴とする。
【0013】
また、請求項3に記載の発明は、前記請求項2に記載のX線検査装置において、前記中央部分を構成する柔軟部材は、幅方向に所定幅の複数の部材に分割されていることを特徴とする。
【0014】
また、請求項4に記載の発明は、前記請求項1に記載のX線検査装置において、前記X線漏洩防止部材は、上下方向の所定高さの部位が金属部材で構成されていると共に、該金属部材の上下の部分が柔軟部材で構成されていることを特徴とする。
【0015】
また、請求項5に記載の発明は、前記請求項4に記載のX線検査装置において、前記金属部材の上下の部分を構成する柔軟部材の少なくとも一方は、上下方向に所定高さの複数の部材に分割されていることを特徴とする。
【0016】
そして、請求項6に記載の発明は、前記請求項1から請求項5のいずれかに記載のX線検査装置において、前記金属部材は、ステンレス鋼でなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
まず、請求項1に記載の発明によれば、例えば物品を収納した箱の前方角部や物品の周縁部のような硬い箇所がX線漏洩防止部材に接触しても、あるいは前記箱の側縁部のような硬い箇所がX線漏洩防止部材に摺接しても、X線漏洩防止部材においてこれら箇所に接触あるいは摺接する部位が磨耗に強い金属部材で構成されているので、前記箱や物品が繰り返して接触しても磨耗は防止される。その結果、X線漏洩防止部材の長寿命化が実現されると共に、磨耗粉や磨耗が進行して破損したときの破損片の箱や物品への混入が回避される。
【0018】
さらに、X線漏洩防止部材において所定の部位のみ金属部材で構成されると共に残りの部位は柔軟部材で構成されているので、X線漏洩防止部材全体としての柔軟性は維持され、もって箱や物品は該X線漏洩防止部材を押し退けてスムーズに通過することができる。
【0019】
また、請求項2に記載の発明によれば、X線漏洩防止部材の構成がさらに具体化されて、例えば物品を収納して搬送方向の両側に硬い角部や側縁部を有する箱に対して、磨耗防止効果が発揮される。
【0020】
また、請求項3に記載の発明によれば、幅方向の両側の金属部材で挟まれた柔軟部材は幅方向に分割構造とされているので、その組付個数を加減することにより前記金属部材間の間隔を適宜調節することができる。したがって、例えば前述したような物品を収納して搬送方向の両側に硬い角部や側縁部を有する箱の多様な幅寸法にも容易に対応することができる。
【0021】
一方、請求項4に記載の発明によれば、X線漏洩防止部材の構成がさらに具体化されて、例えば上部全周に外方へ向かって突出する硬い周縁部を有する物品に対して、磨耗防止効果が発揮される。
【0022】
また、請求項5に記載の発明によれば、金属部材を上下両側から挟む柔軟部材の少なくとも一方は上下方向に分割構造とされているので、その組付個数を加減することにより前記金属部材の高さ位置を適宜調節することができる。したがって、例えば前述したような上部全周に硬い周縁部を有する物品の多様な高さ寸法にも容易に対応することができる。
【0023】
そして、請求項6に記載の発明によれば、金属部材は腐食に強いステンレス鋼で構成されているので、特に食品等の物品を検査する装置に好適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明を実施するための最良の形態について説明する。
【0025】
図1及び図2に示す第1の実施の形態に係るX線検査装置1は、上面が開口した箱Yに物品M…Mを収納した商品Gを矢印a方向に搬送しつつ異物混入の有無を検査するもので、主たる構成要素として上流側から順に、搬入コンベア11、本体部12、及び搬出コンベア13が配設されている。
【0026】
搬入コンベア11は、本体部12に商品Gを搬入し、一方、搬出コンベア13は、本体部12から検査済みの商品Gを受け取って搬出するものであり、一般的な平ベルトコンベアが使用されている。なお、搬出コンベア13に、振分機能を備えた構成のものを使用してもよい。
【0027】
本体部12は、商品Gを検査する検査部を構成するもので、シールドボックス21、X線源22、X線検出器23、搬送コンベア24、主電源スイッチ25、モニタ付き操作パネル26、及び表示灯27を備えている。なお、前記商品Gは、幅W、長さL、高さHなる寸法のものである。
【0028】
シールドボックス21は概ね箱状とされており、図3に示すように、上下流側の縦壁21a,21bに、前記商品Gが通過する搬入口21a′と搬出口21b′とがそれぞれ設けられている。
【0029】
X線源22は、シールドボックス21内において搬送コンベア24の上方に収容されており、図示しないスリット機構等を介して図例の二点鎖線で示すX線照射領域Aを形成しつつ、商品GにX線を照射する(図1も参照)。X線検出器23は、搬送コンベア24の上側走行面の下方で前記X線源22に対向配置されて、搬送方向aと直交する向きに一列に配設された図示しない多数の画素でなるラインセンサを有し、商品Gを透過するX線を検出する。そして、商品Gが前記X線照射領域Aを通過するときに、所定のタイミングで取得されたX線検出器23からの検出信号は画像処理されて、該商品Gへの異物混入が検査されることになる。
【0030】
平ベルト式の搬送コンベア24の両端部はシールドボックス21の搬入口21a′及び搬出口21b′からそれぞれ若干突出しており、該搬送コンベア24は、搬入コンベア11から受け取ったのち検査された商品Gを搬送して搬出コンベア13に受け渡すように、図示しない駆動源により駆動される。
【0031】
そして、シールドボックス21からの散乱X線の漏洩を防止するため、搬入口21a′及び搬出口21b′を覆うと共に搬送コンベア24の搬送面まで垂下するX線漏洩防止ユニット30,30が、シールドボックス21内の上流側寄りと下流側寄りとにそれぞれ設けられている。
【0032】
上流側と下流側とに設けられたX線漏洩防止ユニット30,30は略同様の構成とされているため、一例として上流側のX線漏洩防止ユニット30について詳しく説明する。
【0033】
図3〜図5に示すように、このX線漏洩防止ユニット30は、上流側から順に配設された第1〜第3X線遮蔽部31〜33と、これらをシールドボックス21内に支持するための左右一対のブラケット34,34とを有している。
【0034】
図4及び図5に示すように、各X線遮蔽部31〜33は、搬送方向aの左右両側及び略中央に配設された各一枚ものの柔軟部材35…35と略中央の柔軟部材35の左右両側に隣接する金属部材36,36とを有している。すなわち、各X線遮蔽部31〜33では、搬送コンベア24に載置されて、上面が開口した箱Yに物品M…Mを収納した幅W、長さL、高さHなる商品Gが搬入口21a′から前記各X線遮蔽部31〜33の下部を押し退けながらシールドボックス21内に搬入されるとき、箱Yの前方角部Y1,Y1が接触し、あるいは搬送方向aに沿って上方へ線状に突出する両側縁部Y2,Y2が摺接することになる部位が前記金属部材36,36で構成されている。なお、柔軟部材35には、鉛を含有するゴム材料が、一方、金属部材36には、ゴム材料より若干厚みの薄いステンレス鋼が使用されている。
【0035】
ところで、前述した商品Gを検査する場合、柔軟部材がのれん状であると、該商品Gが柔軟部材を押し退けて通過するときに、該柔軟部材の比較的幅狭の下端部が箱Y内の物品M…M間に入り込み、搬送される物品M…Mに挟まれて引っ張られ、破損することがある。それに対して本実施の形態では、各柔軟部材35を比較的幅広の一枚ものとしたことにより、その下端部が物品M…M間に入り込みにくくなり、前記不具合が生じなくなるメリットがある。
【0036】
図4に示すように、各X線遮蔽部31〜33において、柔軟部材35…35と隣接する金属部材36,36との間に、それぞれ若干の隙間B…Bが設けられており、硬い金属部材36,36に接触する軟らかい柔軟部材35…35のいたずらな磨耗が回避されるようになっている。
【0037】
図5に示すように、X線漏洩防止ユニット30では、第2X線遮蔽部32の金属部材36,36が、該第2X線遮蔽部32を挟む第1及び第3X線遮蔽部31,33の金属部材36…36から平面視で幅方向に距離Cだけオフセットして配設されており、前記隙間B…Bを介した散乱X線の漏洩が確実に防止されるようになっている。
【0038】
次に、柔軟部材35…35及び金属部材36,36の吊下構造について説明する。
【0039】
図4〜図6に示すように、両端部にネジ穴37a,37a(図6に一方のみ示す)を有する長尺の3つの吊下バー37…37と、両端部に前記ネジ穴37a,37aに螺合するネジ部38a,38aを有する短尺の2つのネジ棒38,38とが、ワッシャ38b…38bを挟んで交互に連結され、これが左右のブラケット34,34間に架設されている。そして、各吊下バー37には柔軟部材35が、各ネジ棒38には金属部材36が支持されるようになっている。なお、前記図3では、図面の複雑化を避けるため、柔軟部材35…35の記載を省略し、金属部材36…36のみ記載している。
【0040】
この吊下構造によれば、例えば柔軟部材35や金属部材36の幅寸法が変更される場合に、吊下バー37…37とネジ棒38,38との連結及び解除が容易に可能となり、もって寸法変更時の作業性の向上を図ることができる。
【0041】
図4、図6、及び図7に示すように、柔軟部材35は、シート状の本体部35aの上部が折り曲げられて、該折曲部35bと前記本体部35aとが上下2箇所で縫い合わされている。そして、該縫合部35c,35cを設けることにより形成することができる上部空間に、吊下バー37が挿入されている。
【0042】
図4、図6、及び図8に示すように、金属部材36は、上部部材36aと下部部材36bとを有している。図6及び図8に示すように、上部部材36aは、シート状の本体部36a1の上部がフック状に折り曲げられると共に本体部36a1の左右両側部が折り曲げられて、前記上部折曲部36a2と前記側部折曲部36a3,36a3とが溶接されている。
【0043】
下部部材36bは、シート状の本体部36b1の上部がフック状に折り曲げられると共に本体部36b1の上部の細長い左右両側部が折り曲げられて、前記上部折曲部36b2と前記側部折曲部36b3,36b3とが溶接されている。そして、下部部材36bの上部折曲部36b2が上部部材36aの側部折曲部36a3,36a3間の下部に入れ込まれて、当該箇所に支持ピン36b4が挿入されてカシメられることにより、上部部材36aと下部部材36bとが連結されている。そして、上部部材36aの上部折曲部36a2により形成された空間に、ネジ棒38が挿入されている。これにより、矢印a方向に搬送される商品Gが金属部材36を押し退けるときには、該金属部材36は、例えば二点鎖線で示すように、ネジ棒38と支持ピン36b4との2箇所を中心に二つ折れで揺動可能となる。
【0044】
ここで、このX線検査装置1の作用について説明する。
【0045】
図1〜図3に示したように、上流側の搬入コンベア11から本体部12の搬送コンベア24に、上面が開口した箱Yに物品M…Mを収納した商品Gが供給されると、該商品Gはシールドボックス21の搬入口21a′を覆う上流側X線漏洩防止ユニット30の下部を押し退けて搬送され、X線を照射されて検査されたのち、搬出口21b′を覆う下流側X線漏洩防止ユニット30の下部を押し退けてシールドボックス21から搬出されて下流側の搬出コンベア13に受け渡される。
【0046】
その場合、図4及び図5に示したように、物品M…Mを収納した箱Yの前方角部Y1,Y1のような硬い箇所がX線漏洩防止ユニット30を構成する各X線遮蔽部31〜33に接触しても、あるいは前記箱Yの側縁部Y2,Y2のような硬い箇所が各X線遮蔽部31〜33に摺接しても、各X線遮蔽部31〜33においてこれら箇所に接触あるいは摺接する部位が磨耗に強い金属部材36…36で構成されているので、前記箱Y…Yが繰り返して接触しても磨耗は防止される。その結果、各X線遮蔽部31〜33の長寿命化が実現されると共に、磨耗粉や磨耗が進行して破損したときの破損片の箱Yや物品Mへの混入が回避される。
【0047】
さらに、各X線遮蔽部31〜33において所定の部位のみ金属部材36…36で構成されると共に残りの部位は柔軟部材35…35で構成されているので、各X線遮蔽部31〜33全体としての柔軟性は維持されて、もって箱Yは該X線遮蔽部31〜33を押し退けてスムーズに通過することができる。
【0048】
そして、金属部材36…36は腐食に強いステンレス鋼で構成されているので、特に食品等の物品を検査する装置に好適である。
【0049】
次に、第2の実施の形態に係るX線検査装置について説明する。なお、後述する第3及び第4の実施の形態も含め、特に混乱を招かない限り、前述した構成要素と共通するもの、あるいは類似するものについては同じ符号を付すことにする。
【0050】
図9に示すように、この場合のX線漏洩防止ユニット30Aでは、一例として取り上げる第1X線遮蔽部31Aは、左右両側及び略中央に配設された柔軟部材35,35,35Aと略中央の柔軟部材35Aの左右両側に隣接する金属部材36,36とを有すると共に、中央部分を構成する柔軟部材35Aは、幅方向に所定幅wの4つの部材35A1〜35A4に分割されている。そして、図例の構成では、搬送コンベア24で搬送される前述した幅W、長さL、高さHなる寸法の商品Gは、その箱Yの前方角部が前記金属部材36,36に接触すると共に両側縁部が前記金属部材36,36に摺接する。
【0051】
また、図示しないが、前述したように搬入口21a′及び搬出口21b′に前記第1X線遮蔽部31Aを含めて複数のX線遮蔽部を有するX線漏洩防止ユニットをそれぞれ配設する場合、図5に示した配置に準じて金属部材36,36を幅方向にオフセット配置させることにより、散乱X線の漏洩を確実に防止されるようになっている。
【0052】
一方、図10に示すように、搬送コンベア24で搬送される商品Gつまり箱Yの寸法が幅W′、長さL、高さHで、前記幅Wよりも狭い幅W′の商品Gの場合には、第1X線遮蔽部31Aにおいて、左側の金属部材36と隣接する分割部材35A1とを入れ替えて該分割部材35A1と左側の柔軟部材35とを隣接させると共に、右側の金属部材36と隣接する分割部材35A4とを入れ替えて該分割部材35A4と右側の柔軟部材35とを隣接させ、かつ中央部分の2つの分割部材35A2,35A3はそのままとして、幅W′の箱Yの前方角部が新たな設置位置の前記金属部材36,36に接触すると共に両側縁部が前記金属部材36,36に摺接する構成とする。
【0053】
これによれば、図9に示したように、幅方向の両側の金属部材36,36で挟まれた柔軟部材35Aは幅方向に分割構造とされているので、図10に示したように、その組付個数を加減することにより前記金属部材36,36間の間隔を適宜調節することができる。したがって、前述したような物品M…Mを収納して搬送方向aの両側に硬い角部や側縁部を有する箱Yの多様な幅寸法にも容易に対応することができる。
【0054】
次に、第3の実施の形態に係るX線検査装置について説明する。
【0055】
図11に示すように、この場合のX線漏洩防止ユニット30Bでは、一例として取り上げる第1X線遮蔽部31Bは、左右の柔軟部材35,35で挟まれた中央部分が,上下の柔軟部材35B1,35B2とこれらに挟まれた金属部材36Bとを有している。図例の構成では、搬送コンベア24で搬送される物品Mは、幅W、高さHなる寸法を有して上部全周に外方へ向かって線状に突出する硬い周縁部M1を有する逆円錐台状のもので、その周縁部M1は前記金属部材36Bに接触する。
【0056】
図11及び図12に示すように、この第1X線遮蔽部31Bでは、上部柔軟部材35B1の下部の折曲部35B1′に設けられた3つの切欠部35B1″…35B1″に金属部材36Bの上部に設けられた同数の折曲部36B′…36B′を入れ込むと共に、前記折曲部35B1′,36B′…36B′の空間を貫通して上部柔軟部材35B1と金属部材36Bとをヒンジ様に連結する長尺の支持ピン39が挿入されている。同様に、下部柔軟部材35B2の上部の折曲部35B2′に設けられた3つの切欠部35B2″…35B2″に金属部材36Bの下部に設けられた同数の折曲部36B′…36B′を入れ込むと共に、前記折曲部35B2′,36B′…36B′の空間を貫通して金属部材36Bと下部柔軟部材35B2とをヒンジ様に連結する長尺の支持ピン39が挿入されている。なお、図11では、図面の複雑化を避けるため、柔軟部材35,35,35B1,35B2における縫合部の記載を省略している。
【0057】
これによれば、前記物品Mの周縁部M1のような硬い箇所がX線遮蔽部31Bに接触しても、X線遮蔽部31Bにおいてこれに接触する部位が磨耗に強い金属部材36Bで構成されているので、前記物品M…Mが繰り返して接触しても磨耗は防止される。その結果、X線遮蔽部31Bの長寿命化が実現されると共に、磨耗粉や磨耗が進行して破損したときの破損片の物品Mへの混入が回避される。
【0058】
次に、第4の実施の形態に係るX線検査装置について説明する。
【0059】
図13及び図14に示すように、この場合のX線漏洩防止ユニット30Cでは、一例として取り上げる第1X線遮蔽部31Cは、左右の柔軟部材35,35で挟まれた中央部分において、上方の柔軟部材35C1が分割されてなる2つの分割部材35C11,35C12と、下方の柔軟部材35C2が分割されてなる2つの35C21,35C22と、上下の柔軟部材35C1,35C2に挟まれた金属部材36Cとを有している。また、各分割部材35C11,35C12,35C21,35C22は、所定の高さhとされている。そして、図例の構成では、搬送コンベア24で搬送される物品Mは、幅W、高さHなる寸法を有して上部全周に外方へ向かって線状に突出する硬い周縁部M1を有する逆円錐台状のもので、その周縁部M1は前記金属部材36Cに接触する。なお、各分割部材35C11,35C12,35C21,35C22と金属部材36Cとの連結構造は、前記図11及び図12にほぼ準じているので、説明を省略する。
【0060】
一方、図15に示すように、搬送コンベア24で搬送される物品Mの寸法が幅W、高さH′で、前記高さHよりも低い高さH′の物品Mの場合には、第1X線遮蔽部31Cにおいて、金属部材36Cと分割部材35C21とを入れ替えると共に、残る3つの分割部材35C11,35C12,35C22とはそのままとして、高さH′の物品Mの周縁部M1が新たな設置位置の前記金属部材36Cに接触するようにする。なお、図13及び図15では、図面の複雑化を避けるため、柔軟部材35,35,35C11,35C12,35C21,35C22における縫合部の記載を省略している。
【0061】
これによれば、図13に示したように、金属部材36Cを上下両側から挟む柔軟部材35C1,35C2は上下方向に分割構造とされているので、図15に示したように、その組付個数を加減することにより前記金属部材36Cの高さ位置を適宜調節することができる。したがって、前述したような上部全周に硬い周縁部を有する物品Mの多様な高さ寸法にも容易に対応することができる。
【0062】
なお、本発明は、具体的に詳述した前記実施の形態に限定されることはなく、本発明の趣旨に沿うものであればよい。例えば、各X線漏洩防止ユニット30には3つのX線遮蔽部31〜33が備えられていたが、その数を適宜増減してもよい。
【0063】
そして、柔軟部材を分割する場合、第2の実施の形態では幅方向に4つ、第4の実施の形態では上下方向に各2つに分割されていたが、分割数は適宜設定可能である。また、第4の実施の形態では、金属部材36Cを上下から挟む柔軟部材35C1,25C2はそれぞれ2つに分割されていたが、いずれか一方のみを分割構造としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0064】
以上説明したように、本発明によれば、物品を収納して搬送される箱の角部や側縁部あるいは物品の周縁部が繰り返して接触することによるX線漏洩防止部材の磨耗を防止すると共に、箱や物品がX線漏洩防止部材を押し退けてスムーズに通過することができるX線検査装置が提供される。すなわち、本発明は、物品にX線を照射して、該物品への異物混入や該物品の形状異常等を検査するX線検査装置に関し、物品検査の技術分野に広く好適である。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るX線検査装置の側面図である。
【図2】同じく平面図である。
【図3】本体部の要部を抜粋して示す側断面図である。
【図4】搬入口側に設置されたX線漏洩防止ユニットの正面図である。
【図5】同じく平面図である。
【図6】図4の一部を拡大して示す図である。
【図7】図6のII−II線による断面図である。
【図8】図6のIII−III線による断面図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係るX線漏洩防止ユニットの正面図である。
【図10】幅寸法の小さい箱に応じたX線漏洩防止ユニットの正面図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態に係るX線漏洩防止ユニットの正面図である。
【図12】図11のIV−IV線による拡大断面図である。
【図13】本発明の第4の実施の形態に係るX線漏洩防止ユニットの正面図である。
【図14】図13のVI−VI線による拡大断面図である。
【図15】高さ寸法の小さい物品に応じたX線漏洩防止ユニットの正面図である。
【符号の説明】
【0066】
1 X線検査装置
21 シールドボックス
21a′ 搬入口
21b′ 搬入口
22 X線源
23 X線検出器
24 搬送コンベア(搬送手段)
31,31A〜31C 第1X線遮蔽部(X線漏洩防止部材)
32 第2X線遮蔽部(X線漏洩防止部材)
33 第3X線遮蔽部(X線漏洩防止部材)
35,35A1〜35A4,35B1,35B2,35C11,35C12,35C21,35C22 柔軟部材
36,36B,36C 金属部材
G 商品
M 物品
Y 箱
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品にX線を照射して、該物品への異物混入や該物品の形状異常等を検査するX線検査装置に関し、物品検査の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
従来、シールドボックス内にX線源とX線検出器とを収容し、X線を物品に照射すると共に該物品を透過したX線を検出することにより、該物品への異物混入や該物品の形状異常等を検査するX線検査装置が用いられている。
【0003】
このようなX線検査装置においては、X線が物品に照射されたことにより発生する散乱X線が、物品の搬入及び搬出のためシールドボックスの両端部に設けられた搬入口及び搬出口を介して外部に漏洩するのを防止する必要があり、これに対処するものとして、例えば特許文献1に開示のX線検査装置がある。
【0004】
このX線検査装置は、シールドボックスの搬入口及び搬出口を覆うX線漏洩防止部材としての遮蔽カーテンを備えており、これにより前記搬入口及び搬出口を介した装置外部への散乱X線の漏洩を防止している。さらに、この場合の遮蔽カーテンは、幅方向に複数に分割されてのれん状とされると共に上下方向に多段階に屈折可能に構成されており、該遮蔽カーテンの下部を押し退けるようにシールドボックスに搬入され、シールドボックスから搬出される物品の上面に該遮蔽カーテンは屈折して好ましく沿うようになることから、物品上面と遮蔽カーテンとの間に生成する隙間は小さく、もって該隙間を介したX線の漏洩が一層防止されるようになっている。なお、前記遮蔽カーテンには、一般に鉛を含有するゴム材料でなる柔軟なものが使用される。
【0005】
【特許文献1】特開2003−270174号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、前述したようなX線検査装置で、例えば上面が開口した箱に物品を収納した商品を搬送しつつ検査する場合、この箱の前方両角部は前記遮蔽カーテンに接触する。また、前記箱の搬送方向に沿って上方へ線状に突出する両側縁部は前記遮蔽カーテンに該箱の通過期間中摺接することになる。その結果、検査回数が累積されると、遮蔽カーテンの重みも相俟って一般に硬い前記角部や側縁部により比較的軟らかい遮蔽カーテンが磨耗、さらには磨耗が進行して破損するという問題が生じることがある。そして、生じた磨耗粉や破損片が箱や収納物品に混入するおそれがある。
【0007】
また、パック包装されたプリン、フルーツゼリー等のように上部全周に外方へ向かって線状に突出する周縁部を有する物品の場合、硬くて鋭い該周縁部が遮蔽カーテンに接触するため、検査回数が累積されると、同様に該遮蔽カーテンが磨耗、破損するという問題が生じることがある。
【0008】
前記問題を解消するには、例えば磨耗に強い金属材料でなる遮蔽カーテンの適用が考えられるが、その場合には物品を収納した箱あるいは物品が該遮蔽カーテンを押し退ける際の抵抗が増大することから、箱や物品のスムーズな通過が阻害されるという問題がある。
【0009】
そこで、本発明は、物品を収納して搬送される箱の角部や側縁部あるいは物品の周縁部が繰り返して接触することによるX線漏洩防止部材の磨耗を防止すると共に、箱や物品がX線漏洩防止部材を押し退けてスムーズに通過することができるX線検査装置の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するため、本発明は次のように構成したことを特徴とする。
【0011】
まず、請求項1に記載の発明は、物品にX線を照射するX線源と該X線源から照射されて前記物品を透過するX線を検出するX線検出器とを収容するシールドボックスと、該シールドボックスの両端部に設けられた搬入口から搬出口に物品を搬送する搬送手段と、前記搬入口及び搬出口に垂設されて、該搬入口及び搬出口を覆うX線漏洩防止部材とを有するX線検査装置であって、前記X線漏洩防止部材は、所定の部位が金属部材で構成され、他の部位が柔軟部材で構成されていることを特徴とする。
【0012】
また、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載のX線検査装置において、前記X線漏洩防止部材は、幅方向の所定間隔を隔てた両側部分が金属部材で構成されると共に、該金属部材で挟まれた中央部分が柔軟部材で構成されていることを特徴とする。
【0013】
また、請求項3に記載の発明は、前記請求項2に記載のX線検査装置において、前記中央部分を構成する柔軟部材は、幅方向に所定幅の複数の部材に分割されていることを特徴とする。
【0014】
また、請求項4に記載の発明は、前記請求項1に記載のX線検査装置において、前記X線漏洩防止部材は、上下方向の所定高さの部位が金属部材で構成されていると共に、該金属部材の上下の部分が柔軟部材で構成されていることを特徴とする。
【0015】
また、請求項5に記載の発明は、前記請求項4に記載のX線検査装置において、前記金属部材の上下の部分を構成する柔軟部材の少なくとも一方は、上下方向に所定高さの複数の部材に分割されていることを特徴とする。
【0016】
そして、請求項6に記載の発明は、前記請求項1から請求項5のいずれかに記載のX線検査装置において、前記金属部材は、ステンレス鋼でなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
まず、請求項1に記載の発明によれば、例えば物品を収納した箱の前方角部や物品の周縁部のような硬い箇所がX線漏洩防止部材に接触しても、あるいは前記箱の側縁部のような硬い箇所がX線漏洩防止部材に摺接しても、X線漏洩防止部材においてこれら箇所に接触あるいは摺接する部位が磨耗に強い金属部材で構成されているので、前記箱や物品が繰り返して接触しても磨耗は防止される。その結果、X線漏洩防止部材の長寿命化が実現されると共に、磨耗粉や磨耗が進行して破損したときの破損片の箱や物品への混入が回避される。
【0018】
さらに、X線漏洩防止部材において所定の部位のみ金属部材で構成されると共に残りの部位は柔軟部材で構成されているので、X線漏洩防止部材全体としての柔軟性は維持され、もって箱や物品は該X線漏洩防止部材を押し退けてスムーズに通過することができる。
【0019】
また、請求項2に記載の発明によれば、X線漏洩防止部材の構成がさらに具体化されて、例えば物品を収納して搬送方向の両側に硬い角部や側縁部を有する箱に対して、磨耗防止効果が発揮される。
【0020】
また、請求項3に記載の発明によれば、幅方向の両側の金属部材で挟まれた柔軟部材は幅方向に分割構造とされているので、その組付個数を加減することにより前記金属部材間の間隔を適宜調節することができる。したがって、例えば前述したような物品を収納して搬送方向の両側に硬い角部や側縁部を有する箱の多様な幅寸法にも容易に対応することができる。
【0021】
一方、請求項4に記載の発明によれば、X線漏洩防止部材の構成がさらに具体化されて、例えば上部全周に外方へ向かって突出する硬い周縁部を有する物品に対して、磨耗防止効果が発揮される。
【0022】
また、請求項5に記載の発明によれば、金属部材を上下両側から挟む柔軟部材の少なくとも一方は上下方向に分割構造とされているので、その組付個数を加減することにより前記金属部材の高さ位置を適宜調節することができる。したがって、例えば前述したような上部全周に硬い周縁部を有する物品の多様な高さ寸法にも容易に対応することができる。
【0023】
そして、請求項6に記載の発明によれば、金属部材は腐食に強いステンレス鋼で構成されているので、特に食品等の物品を検査する装置に好適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明を実施するための最良の形態について説明する。
【0025】
図1及び図2に示す第1の実施の形態に係るX線検査装置1は、上面が開口した箱Yに物品M…Mを収納した商品Gを矢印a方向に搬送しつつ異物混入の有無を検査するもので、主たる構成要素として上流側から順に、搬入コンベア11、本体部12、及び搬出コンベア13が配設されている。
【0026】
搬入コンベア11は、本体部12に商品Gを搬入し、一方、搬出コンベア13は、本体部12から検査済みの商品Gを受け取って搬出するものであり、一般的な平ベルトコンベアが使用されている。なお、搬出コンベア13に、振分機能を備えた構成のものを使用してもよい。
【0027】
本体部12は、商品Gを検査する検査部を構成するもので、シールドボックス21、X線源22、X線検出器23、搬送コンベア24、主電源スイッチ25、モニタ付き操作パネル26、及び表示灯27を備えている。なお、前記商品Gは、幅W、長さL、高さHなる寸法のものである。
【0028】
シールドボックス21は概ね箱状とされており、図3に示すように、上下流側の縦壁21a,21bに、前記商品Gが通過する搬入口21a′と搬出口21b′とがそれぞれ設けられている。
【0029】
X線源22は、シールドボックス21内において搬送コンベア24の上方に収容されており、図示しないスリット機構等を介して図例の二点鎖線で示すX線照射領域Aを形成しつつ、商品GにX線を照射する(図1も参照)。X線検出器23は、搬送コンベア24の上側走行面の下方で前記X線源22に対向配置されて、搬送方向aと直交する向きに一列に配設された図示しない多数の画素でなるラインセンサを有し、商品Gを透過するX線を検出する。そして、商品Gが前記X線照射領域Aを通過するときに、所定のタイミングで取得されたX線検出器23からの検出信号は画像処理されて、該商品Gへの異物混入が検査されることになる。
【0030】
平ベルト式の搬送コンベア24の両端部はシールドボックス21の搬入口21a′及び搬出口21b′からそれぞれ若干突出しており、該搬送コンベア24は、搬入コンベア11から受け取ったのち検査された商品Gを搬送して搬出コンベア13に受け渡すように、図示しない駆動源により駆動される。
【0031】
そして、シールドボックス21からの散乱X線の漏洩を防止するため、搬入口21a′及び搬出口21b′を覆うと共に搬送コンベア24の搬送面まで垂下するX線漏洩防止ユニット30,30が、シールドボックス21内の上流側寄りと下流側寄りとにそれぞれ設けられている。
【0032】
上流側と下流側とに設けられたX線漏洩防止ユニット30,30は略同様の構成とされているため、一例として上流側のX線漏洩防止ユニット30について詳しく説明する。
【0033】
図3〜図5に示すように、このX線漏洩防止ユニット30は、上流側から順に配設された第1〜第3X線遮蔽部31〜33と、これらをシールドボックス21内に支持するための左右一対のブラケット34,34とを有している。
【0034】
図4及び図5に示すように、各X線遮蔽部31〜33は、搬送方向aの左右両側及び略中央に配設された各一枚ものの柔軟部材35…35と略中央の柔軟部材35の左右両側に隣接する金属部材36,36とを有している。すなわち、各X線遮蔽部31〜33では、搬送コンベア24に載置されて、上面が開口した箱Yに物品M…Mを収納した幅W、長さL、高さHなる商品Gが搬入口21a′から前記各X線遮蔽部31〜33の下部を押し退けながらシールドボックス21内に搬入されるとき、箱Yの前方角部Y1,Y1が接触し、あるいは搬送方向aに沿って上方へ線状に突出する両側縁部Y2,Y2が摺接することになる部位が前記金属部材36,36で構成されている。なお、柔軟部材35には、鉛を含有するゴム材料が、一方、金属部材36には、ゴム材料より若干厚みの薄いステンレス鋼が使用されている。
【0035】
ところで、前述した商品Gを検査する場合、柔軟部材がのれん状であると、該商品Gが柔軟部材を押し退けて通過するときに、該柔軟部材の比較的幅狭の下端部が箱Y内の物品M…M間に入り込み、搬送される物品M…Mに挟まれて引っ張られ、破損することがある。それに対して本実施の形態では、各柔軟部材35を比較的幅広の一枚ものとしたことにより、その下端部が物品M…M間に入り込みにくくなり、前記不具合が生じなくなるメリットがある。
【0036】
図4に示すように、各X線遮蔽部31〜33において、柔軟部材35…35と隣接する金属部材36,36との間に、それぞれ若干の隙間B…Bが設けられており、硬い金属部材36,36に接触する軟らかい柔軟部材35…35のいたずらな磨耗が回避されるようになっている。
【0037】
図5に示すように、X線漏洩防止ユニット30では、第2X線遮蔽部32の金属部材36,36が、該第2X線遮蔽部32を挟む第1及び第3X線遮蔽部31,33の金属部材36…36から平面視で幅方向に距離Cだけオフセットして配設されており、前記隙間B…Bを介した散乱X線の漏洩が確実に防止されるようになっている。
【0038】
次に、柔軟部材35…35及び金属部材36,36の吊下構造について説明する。
【0039】
図4〜図6に示すように、両端部にネジ穴37a,37a(図6に一方のみ示す)を有する長尺の3つの吊下バー37…37と、両端部に前記ネジ穴37a,37aに螺合するネジ部38a,38aを有する短尺の2つのネジ棒38,38とが、ワッシャ38b…38bを挟んで交互に連結され、これが左右のブラケット34,34間に架設されている。そして、各吊下バー37には柔軟部材35が、各ネジ棒38には金属部材36が支持されるようになっている。なお、前記図3では、図面の複雑化を避けるため、柔軟部材35…35の記載を省略し、金属部材36…36のみ記載している。
【0040】
この吊下構造によれば、例えば柔軟部材35や金属部材36の幅寸法が変更される場合に、吊下バー37…37とネジ棒38,38との連結及び解除が容易に可能となり、もって寸法変更時の作業性の向上を図ることができる。
【0041】
図4、図6、及び図7に示すように、柔軟部材35は、シート状の本体部35aの上部が折り曲げられて、該折曲部35bと前記本体部35aとが上下2箇所で縫い合わされている。そして、該縫合部35c,35cを設けることにより形成することができる上部空間に、吊下バー37が挿入されている。
【0042】
図4、図6、及び図8に示すように、金属部材36は、上部部材36aと下部部材36bとを有している。図6及び図8に示すように、上部部材36aは、シート状の本体部36a1の上部がフック状に折り曲げられると共に本体部36a1の左右両側部が折り曲げられて、前記上部折曲部36a2と前記側部折曲部36a3,36a3とが溶接されている。
【0043】
下部部材36bは、シート状の本体部36b1の上部がフック状に折り曲げられると共に本体部36b1の上部の細長い左右両側部が折り曲げられて、前記上部折曲部36b2と前記側部折曲部36b3,36b3とが溶接されている。そして、下部部材36bの上部折曲部36b2が上部部材36aの側部折曲部36a3,36a3間の下部に入れ込まれて、当該箇所に支持ピン36b4が挿入されてカシメられることにより、上部部材36aと下部部材36bとが連結されている。そして、上部部材36aの上部折曲部36a2により形成された空間に、ネジ棒38が挿入されている。これにより、矢印a方向に搬送される商品Gが金属部材36を押し退けるときには、該金属部材36は、例えば二点鎖線で示すように、ネジ棒38と支持ピン36b4との2箇所を中心に二つ折れで揺動可能となる。
【0044】
ここで、このX線検査装置1の作用について説明する。
【0045】
図1〜図3に示したように、上流側の搬入コンベア11から本体部12の搬送コンベア24に、上面が開口した箱Yに物品M…Mを収納した商品Gが供給されると、該商品Gはシールドボックス21の搬入口21a′を覆う上流側X線漏洩防止ユニット30の下部を押し退けて搬送され、X線を照射されて検査されたのち、搬出口21b′を覆う下流側X線漏洩防止ユニット30の下部を押し退けてシールドボックス21から搬出されて下流側の搬出コンベア13に受け渡される。
【0046】
その場合、図4及び図5に示したように、物品M…Mを収納した箱Yの前方角部Y1,Y1のような硬い箇所がX線漏洩防止ユニット30を構成する各X線遮蔽部31〜33に接触しても、あるいは前記箱Yの側縁部Y2,Y2のような硬い箇所が各X線遮蔽部31〜33に摺接しても、各X線遮蔽部31〜33においてこれら箇所に接触あるいは摺接する部位が磨耗に強い金属部材36…36で構成されているので、前記箱Y…Yが繰り返して接触しても磨耗は防止される。その結果、各X線遮蔽部31〜33の長寿命化が実現されると共に、磨耗粉や磨耗が進行して破損したときの破損片の箱Yや物品Mへの混入が回避される。
【0047】
さらに、各X線遮蔽部31〜33において所定の部位のみ金属部材36…36で構成されると共に残りの部位は柔軟部材35…35で構成されているので、各X線遮蔽部31〜33全体としての柔軟性は維持されて、もって箱Yは該X線遮蔽部31〜33を押し退けてスムーズに通過することができる。
【0048】
そして、金属部材36…36は腐食に強いステンレス鋼で構成されているので、特に食品等の物品を検査する装置に好適である。
【0049】
次に、第2の実施の形態に係るX線検査装置について説明する。なお、後述する第3及び第4の実施の形態も含め、特に混乱を招かない限り、前述した構成要素と共通するもの、あるいは類似するものについては同じ符号を付すことにする。
【0050】
図9に示すように、この場合のX線漏洩防止ユニット30Aでは、一例として取り上げる第1X線遮蔽部31Aは、左右両側及び略中央に配設された柔軟部材35,35,35Aと略中央の柔軟部材35Aの左右両側に隣接する金属部材36,36とを有すると共に、中央部分を構成する柔軟部材35Aは、幅方向に所定幅wの4つの部材35A1〜35A4に分割されている。そして、図例の構成では、搬送コンベア24で搬送される前述した幅W、長さL、高さHなる寸法の商品Gは、その箱Yの前方角部が前記金属部材36,36に接触すると共に両側縁部が前記金属部材36,36に摺接する。
【0051】
また、図示しないが、前述したように搬入口21a′及び搬出口21b′に前記第1X線遮蔽部31Aを含めて複数のX線遮蔽部を有するX線漏洩防止ユニットをそれぞれ配設する場合、図5に示した配置に準じて金属部材36,36を幅方向にオフセット配置させることにより、散乱X線の漏洩を確実に防止されるようになっている。
【0052】
一方、図10に示すように、搬送コンベア24で搬送される商品Gつまり箱Yの寸法が幅W′、長さL、高さHで、前記幅Wよりも狭い幅W′の商品Gの場合には、第1X線遮蔽部31Aにおいて、左側の金属部材36と隣接する分割部材35A1とを入れ替えて該分割部材35A1と左側の柔軟部材35とを隣接させると共に、右側の金属部材36と隣接する分割部材35A4とを入れ替えて該分割部材35A4と右側の柔軟部材35とを隣接させ、かつ中央部分の2つの分割部材35A2,35A3はそのままとして、幅W′の箱Yの前方角部が新たな設置位置の前記金属部材36,36に接触すると共に両側縁部が前記金属部材36,36に摺接する構成とする。
【0053】
これによれば、図9に示したように、幅方向の両側の金属部材36,36で挟まれた柔軟部材35Aは幅方向に分割構造とされているので、図10に示したように、その組付個数を加減することにより前記金属部材36,36間の間隔を適宜調節することができる。したがって、前述したような物品M…Mを収納して搬送方向aの両側に硬い角部や側縁部を有する箱Yの多様な幅寸法にも容易に対応することができる。
【0054】
次に、第3の実施の形態に係るX線検査装置について説明する。
【0055】
図11に示すように、この場合のX線漏洩防止ユニット30Bでは、一例として取り上げる第1X線遮蔽部31Bは、左右の柔軟部材35,35で挟まれた中央部分が,上下の柔軟部材35B1,35B2とこれらに挟まれた金属部材36Bとを有している。図例の構成では、搬送コンベア24で搬送される物品Mは、幅W、高さHなる寸法を有して上部全周に外方へ向かって線状に突出する硬い周縁部M1を有する逆円錐台状のもので、その周縁部M1は前記金属部材36Bに接触する。
【0056】
図11及び図12に示すように、この第1X線遮蔽部31Bでは、上部柔軟部材35B1の下部の折曲部35B1′に設けられた3つの切欠部35B1″…35B1″に金属部材36Bの上部に設けられた同数の折曲部36B′…36B′を入れ込むと共に、前記折曲部35B1′,36B′…36B′の空間を貫通して上部柔軟部材35B1と金属部材36Bとをヒンジ様に連結する長尺の支持ピン39が挿入されている。同様に、下部柔軟部材35B2の上部の折曲部35B2′に設けられた3つの切欠部35B2″…35B2″に金属部材36Bの下部に設けられた同数の折曲部36B′…36B′を入れ込むと共に、前記折曲部35B2′,36B′…36B′の空間を貫通して金属部材36Bと下部柔軟部材35B2とをヒンジ様に連結する長尺の支持ピン39が挿入されている。なお、図11では、図面の複雑化を避けるため、柔軟部材35,35,35B1,35B2における縫合部の記載を省略している。
【0057】
これによれば、前記物品Mの周縁部M1のような硬い箇所がX線遮蔽部31Bに接触しても、X線遮蔽部31Bにおいてこれに接触する部位が磨耗に強い金属部材36Bで構成されているので、前記物品M…Mが繰り返して接触しても磨耗は防止される。その結果、X線遮蔽部31Bの長寿命化が実現されると共に、磨耗粉や磨耗が進行して破損したときの破損片の物品Mへの混入が回避される。
【0058】
次に、第4の実施の形態に係るX線検査装置について説明する。
【0059】
図13及び図14に示すように、この場合のX線漏洩防止ユニット30Cでは、一例として取り上げる第1X線遮蔽部31Cは、左右の柔軟部材35,35で挟まれた中央部分において、上方の柔軟部材35C1が分割されてなる2つの分割部材35C11,35C12と、下方の柔軟部材35C2が分割されてなる2つの35C21,35C22と、上下の柔軟部材35C1,35C2に挟まれた金属部材36Cとを有している。また、各分割部材35C11,35C12,35C21,35C22は、所定の高さhとされている。そして、図例の構成では、搬送コンベア24で搬送される物品Mは、幅W、高さHなる寸法を有して上部全周に外方へ向かって線状に突出する硬い周縁部M1を有する逆円錐台状のもので、その周縁部M1は前記金属部材36Cに接触する。なお、各分割部材35C11,35C12,35C21,35C22と金属部材36Cとの連結構造は、前記図11及び図12にほぼ準じているので、説明を省略する。
【0060】
一方、図15に示すように、搬送コンベア24で搬送される物品Mの寸法が幅W、高さH′で、前記高さHよりも低い高さH′の物品Mの場合には、第1X線遮蔽部31Cにおいて、金属部材36Cと分割部材35C21とを入れ替えると共に、残る3つの分割部材35C11,35C12,35C22とはそのままとして、高さH′の物品Mの周縁部M1が新たな設置位置の前記金属部材36Cに接触するようにする。なお、図13及び図15では、図面の複雑化を避けるため、柔軟部材35,35,35C11,35C12,35C21,35C22における縫合部の記載を省略している。
【0061】
これによれば、図13に示したように、金属部材36Cを上下両側から挟む柔軟部材35C1,35C2は上下方向に分割構造とされているので、図15に示したように、その組付個数を加減することにより前記金属部材36Cの高さ位置を適宜調節することができる。したがって、前述したような上部全周に硬い周縁部を有する物品Mの多様な高さ寸法にも容易に対応することができる。
【0062】
なお、本発明は、具体的に詳述した前記実施の形態に限定されることはなく、本発明の趣旨に沿うものであればよい。例えば、各X線漏洩防止ユニット30には3つのX線遮蔽部31〜33が備えられていたが、その数を適宜増減してもよい。
【0063】
そして、柔軟部材を分割する場合、第2の実施の形態では幅方向に4つ、第4の実施の形態では上下方向に各2つに分割されていたが、分割数は適宜設定可能である。また、第4の実施の形態では、金属部材36Cを上下から挟む柔軟部材35C1,25C2はそれぞれ2つに分割されていたが、いずれか一方のみを分割構造としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0064】
以上説明したように、本発明によれば、物品を収納して搬送される箱の角部や側縁部あるいは物品の周縁部が繰り返して接触することによるX線漏洩防止部材の磨耗を防止すると共に、箱や物品がX線漏洩防止部材を押し退けてスムーズに通過することができるX線検査装置が提供される。すなわち、本発明は、物品にX線を照射して、該物品への異物混入や該物品の形状異常等を検査するX線検査装置に関し、物品検査の技術分野に広く好適である。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るX線検査装置の側面図である。
【図2】同じく平面図である。
【図3】本体部の要部を抜粋して示す側断面図である。
【図4】搬入口側に設置されたX線漏洩防止ユニットの正面図である。
【図5】同じく平面図である。
【図6】図4の一部を拡大して示す図である。
【図7】図6のII−II線による断面図である。
【図8】図6のIII−III線による断面図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係るX線漏洩防止ユニットの正面図である。
【図10】幅寸法の小さい箱に応じたX線漏洩防止ユニットの正面図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態に係るX線漏洩防止ユニットの正面図である。
【図12】図11のIV−IV線による拡大断面図である。
【図13】本発明の第4の実施の形態に係るX線漏洩防止ユニットの正面図である。
【図14】図13のVI−VI線による拡大断面図である。
【図15】高さ寸法の小さい物品に応じたX線漏洩防止ユニットの正面図である。
【符号の説明】
【0066】
1 X線検査装置
21 シールドボックス
21a′ 搬入口
21b′ 搬入口
22 X線源
23 X線検出器
24 搬送コンベア(搬送手段)
31,31A〜31C 第1X線遮蔽部(X線漏洩防止部材)
32 第2X線遮蔽部(X線漏洩防止部材)
33 第3X線遮蔽部(X線漏洩防止部材)
35,35A1〜35A4,35B1,35B2,35C11,35C12,35C21,35C22 柔軟部材
36,36B,36C 金属部材
G 商品
M 物品
Y 箱
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品にX線を照射するX線源と該X線源から照射されて前記物品を透過するX線を検出するX線検出器とを収容するシールドボックスと、該シールドボックスの両端部に設けられた搬入口から搬出口に物品を搬送する搬送手段と、前記搬入口及び搬出口に垂設されて、該搬入口及び搬出口を覆うX線漏洩防止部材とを有するX線検査装置であって、
前記X線漏洩防止部材は、所定の部位が金属部材で構成され、
他の部位が柔軟部材で構成されていることを特徴とするX線検査装置。
【請求項2】
前記請求項1に記載のX線検査装置において、
前記X線漏洩防止部材は、幅方向の所定間隔を隔てた両側部分が金属部材で構成されると共に、
該金属部材で挟まれた中央部分が柔軟部材で構成されていることを特徴とするX線検査装置。
【請求項3】
前記請求項2に記載のX線検査装置において、
前記中央部分を構成する柔軟部材は、幅方向に所定幅の複数の部材に分割されていることを特徴とするX線検査装置。
【請求項4】
前記請求項1に記載のX線検査装置において、
前記X線漏洩防止部材は、上下方向の所定高さの部位が金属部材で構成されていると共に、
該金属部材の上下の部分が柔軟部材で構成されていることを特徴とするX線検査装置。
【請求項5】
前記請求項4に記載のX線検査装置において、
前記金属部材の上下の部分を構成する柔軟部材の少なくとも一方は、上下方向に所定高さの複数の部材に分割されていることを特徴とするX線検査装置。
【請求項6】
前記請求項1から請求項5のいずれかに記載のX線検査装置において、
前記金属部材は、ステンレス鋼でなることを特徴とするX線検査装置。
【請求項1】
物品にX線を照射するX線源と該X線源から照射されて前記物品を透過するX線を検出するX線検出器とを収容するシールドボックスと、該シールドボックスの両端部に設けられた搬入口から搬出口に物品を搬送する搬送手段と、前記搬入口及び搬出口に垂設されて、該搬入口及び搬出口を覆うX線漏洩防止部材とを有するX線検査装置であって、
前記X線漏洩防止部材は、所定の部位が金属部材で構成され、
他の部位が柔軟部材で構成されていることを特徴とするX線検査装置。
【請求項2】
前記請求項1に記載のX線検査装置において、
前記X線漏洩防止部材は、幅方向の所定間隔を隔てた両側部分が金属部材で構成されると共に、
該金属部材で挟まれた中央部分が柔軟部材で構成されていることを特徴とするX線検査装置。
【請求項3】
前記請求項2に記載のX線検査装置において、
前記中央部分を構成する柔軟部材は、幅方向に所定幅の複数の部材に分割されていることを特徴とするX線検査装置。
【請求項4】
前記請求項1に記載のX線検査装置において、
前記X線漏洩防止部材は、上下方向の所定高さの部位が金属部材で構成されていると共に、
該金属部材の上下の部分が柔軟部材で構成されていることを特徴とするX線検査装置。
【請求項5】
前記請求項4に記載のX線検査装置において、
前記金属部材の上下の部分を構成する柔軟部材の少なくとも一方は、上下方向に所定高さの複数の部材に分割されていることを特徴とするX線検査装置。
【請求項6】
前記請求項1から請求項5のいずれかに記載のX線検査装置において、
前記金属部材は、ステンレス鋼でなることを特徴とするX線検査装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2006−337228(P2006−337228A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−163533(P2005−163533)
【出願日】平成17年6月3日(2005.6.3)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月3日(2005.6.3)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】
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