説明

X線発生装置を備えたイオナイザ

【課題】 強度の強いX線を発生し且つ熱電子源の劣化のないX線発生装置を用いることにより、イオナイザの小型化、ランニングコストの低減、及び管理の容易化を可能とする手段を提供する。
【解決手段】 X線発生装置5からX線を放射して周囲の気体をイオン化し、該イオン化した気体を被除電物Xに吹き付けることによりその表面に帯電した静電気を除電するX線発生装置を備えたイオナイザ1において、X線発生装置5が、外部の気体を導入可能且つ内部の気体を排出可能であってX線を透過可能な射出窓9が設けられてなる真空容器10と、該真空容器10内に収容された絶縁体13と、該絶縁体13に電圧を印加してその表面を帯電させる一対の電極11,12とを具備するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、X線発生装置からのX線照射によって空気又は固体表面から静電気を除電するイオナイザに関し、特に、真空中で絶縁体を帯電させることでX線を発生させる帯電式X線発生装置を備えたイオナイザに関する。
【背景技術】
【0002】
電子デバイス、例えば液晶パネルやプラズマディスプレイパネルの製造工程はクリーンルーム下で行われるが、この製造工程において静電気が発生すると、電子デバイスを構成する絶縁体が電気的に破壊されて絶縁性を失ういわゆる絶縁破壊の問題や、電子デバイスを構成する半導体回路に空気中を浮遊する微粒子が吸引付着して短絡を引き起こす問題等につながる。このような静電気に起因する問題が、電子デバイスの歩留まりを低下させる、すなわち不良発生率を高める大きな原因となっている。
【0003】
係る静電気に起因する問題を未然に防止すべく、電子デバイスから静電気を除電する除電装置が必要となるが、この除電装置としては、電子デバイスに対してイオン化したガスを吹き付けることにより静電気を除電するイオナイザが従来用いられている。より詳細に説明すると、このイオナイザはX線発生装置を備え、該X線発生装置から軟X線、すなわち波長が長く透過力の弱いX線を放射する。この軟X線が照射されることにより、イオナイザ内部に存する空気等の気体分子から電子がはじき出されてプラスイオンが生成される一方、はじき出された電子が安定した気体分子に付着することによりマイナスイオンが生成される。このように生成された両イオンを電子デバイスに吹き付けて、プラスイオン或いはマイナスイオンのいずれかを電子デバイス上に帯電した電荷に結合させることにより、静電気を中和して除電するものとなっている。
【0004】
イオナイザが備える前記X線発生装置としては、金属ターゲットに熱電子を衝突させることでX線を発生させる熱電子加速式X線管が近年多く採用されている。図8は、熱電子加速式X線管の一例を示す概略縦断面図である(特許文献1参照)。図に示すように、熱電子加速式X線管80は、真空封じされた外囲体81の一端側にステム82が設けられてなるものであり、ステム82の内部に熱電子を放射する電子銃83が、外囲体81の内部にタングステンからなるターゲット84がそれぞれ収容されている。また、外囲体81におけるステム82側の端部には射出窓85が形成されている。
【0005】
前記電子銃83は、熱電子を放射するカソード部86と、放射された熱電子を加速するグリッド電極87と、熱電子を集束するフォーカス電極88とを具備している。ここで、カソード部86としては、図に詳細は示さないが、多孔質タングステンにアルカリ金属酸化被膜が形成されてなるカソードをヒータで加熱することにより熱電子が放射される傍熱タイプのものや、フィラメントに電圧を印加することにより熱電子が放射される直熱タイプのものを用いることが可能である。
【0006】
このように構成される熱電子加速式X線管80によれば、カソードの加熱又はフィラメントへの電圧印加に伴って電子銃83から熱電子が放射され、該熱電子がターゲット84に衝突する。この衝突により、熱電子がX線と熱電子に変換され、発生したX線が射出窓85から外部へ射出されるものとなっている。
【0007】
【特許文献1】特開2002−299098号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、熱電子加速式X線管80を備えた従来のイオナイザでは、熱電子加速式X線管80の出力が弱く、電子デバイスを除電するのに十分なX線量を確保しようとすると熱電子加速式X線管80が大型化し、これに伴ってX線が外部へ漏出するのを防止するための遮蔽体も大型化するため、必然的にイオナイザ全体も大型化せざるを得ないという問題があった。また、熱電子加速式X線管80を構成するカソード又はフィラメント等の熱電子源は、高真空下で加熱蒸発したり、真空封じされた外囲体中に残留したガスイオンが衝突することにより、経時的に劣化して熱電子放射量が少なくなる。しかし、外囲体81が真空封じされているため、カソードやフィラメントを取り出して交換することができない。従って、カソードやフィラメントが通常1年程度で寿命に達すると、熱電子加速式X線管80自体をその都度交換しなければならず、コストアップ及び管理の煩雑化につながるという問題もあった。
【0009】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、強度の強いX線を発生し且つ熱電子源の劣化のないX線発生装置を用いることにより、イオナイザの小型化、ランニングコストの低減、及び管理の容易化を可能とする手段を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するための請求項1記載のX線発生装置を備えたイオナイザは、X線発生装置からX線を放射して周囲の気体をイオン化し、該イオン化した気体を被除電物に吹き付けることによりその表面に帯電した静電気を除電するX線発生装置を備えたイオナイザにおいて、前記X線発生装置が、外部の気体を導入可能且つ内部の気体を排出可能であってX線を透過可能な射出窓が設けられてなる真空容器と、該真空容器内に収容された絶縁体と、該絶縁体に電圧を印加してその表面を帯電させる一対の電極と、を具備するものである。
【0011】
請求項2記載のX線発生装置を備えたイオナイザは、X線発生装置からX線を放射して周囲の気体をイオン化し、該イオン化した気体を被除電物に吹き付けることによりその表面に帯電した静電気を除電するX線発生装置を備えたイオナイザにおいて、前記X線発生装置が、外部の気体を導入可能且つ内部の気体を排出可能であってX線を透過可能な射出窓が設けられてなる真空容器と、該真空容器内に所定間隔をおいて配置された一対の電極と、前記真空容器内で熱電子を放射するフラッドガンと、を具備するものである。
【0012】
請求項3記載のX線発生装置を備えたイオナイザは、前記一対の電極が、先鋭に形成された先端部を前記絶縁体に当接させる針状電極、及び前記絶縁体に密着する平板電極であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の請求項1に係るX線発生装置を備えたイオナイザによれば、帯電式X線発生装置を用いることにより、強度の強い軟X線を効率良く発生させることが可能となる。これにより、従来より効率良い除電が可能となるとともに、X線発生装置及び遮蔽体を小型化することでイオナイザ全体を小型化することが可能となる。また、帯電式X線発生装置をいわゆる開放型とすることで、熱電子源となるフィラメント等の劣化がない長寿命で安定したX線発生装置とすることができ、ランニングコストの低減及び管理の容易化を図ることができる。
【0014】
本発明の請求項2に係るX線発生装置を備えたイオナイザによれば、帯電式X線発生装置は、フラッドガンから呼び水的な電子の供給を行うことにより、外部から電子を供給することなくX線を安定して発生させることができる。これにより、請求項1に記載のX線発生装置を備えたイオナイザと同様の効果が得られる。
【0015】
本発明の請求項3に係るX線発生装置を備えたイオナイザによれば、針状電極の先端によって、絶縁体の表面を容易且つ確実に帯電させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施例に係るX線発生装置を備えたイオナイザについて図面に基づいて説明する。図1に示すように、X線発生装置を備えたイオナイザ1は、流入口2と排出口3が設けられてなる本体カバー4と、該本体カバー4に装備されその内部側へ軟X線を放射する帯電式X線発生装置5と、放射された軟X線が外部へ漏出するのを防止するための遮蔽体6とを備え、液晶パネルやプラズマディスプレイパネル等の被除電物Xに対して排出口3からイオン化されたガスを吹き付けることにより静電気を除電するものである。
【0017】
前記本体カバー4は、X線を透過させない部材からなる筐体である。図1に示すように、この本体カバー4の頂部には左右一対の流入口2が設けられ、各流入口2は、本体カバー4の外部に設置された図示しない送風装置に対して配管接続されている。これにより、予め塵埃等が除去された清浄な空気や非反応性ガス等が、送風装置によって流入口2から本体カバー4の内部へ供給されるものとなっている。また、本体カバー4の底部には、帯電式X線発生装置5の直下方に排出口3が設けられ、該排出口3から本体カバー4内部の気体が外部へ排出されるものとなっている。これにより、本体カバー4の内部には、図1に点線で示すように、流入口2から排出口3へ向かって気体流Yが形成されている。尚、本体カバー4の形状、流入口2や排出口3の位置・個数等は、本実施例に限られず適宜設計変更が可能である。また、本体カバー4の内部に気体を供給する手段としては、流入口2を送風装置に配管接続することに替えて、本体カバー4の内部に図示しない吸気装置を設けて本体カバー4外部の気体を流入口2から吸引することも可能である。
【0018】
前記遮蔽体6は、図1に示すように、X線を透過させない部材からなる遮蔽板7と、該遮蔽板7を本体カバー4の底部から所定高さに支持する一対の支持足8とを備えるものである。この遮蔽体6は、遮蔽板7で排出口3の上方を覆うようにして配置され、帯電式X線発生装置5から排出口3方向へ放射された軟X線が遮蔽板7で反射されるものとなっている。これにより、流入口2から排出口3へ向かっての気体流Yを阻害することなく、帯電式X線発生装置5から放射された軟X線が排出口3から本体カバー4の外部へ漏出することを防止している。尚、遮蔽体6の形状・大きさは、排出口3を覆うに足りる範囲内で適宜設計変更が可能である。
【0019】
図2は、前記帯電式X線発生装置5の第1実施例を示す概略縦断面図である。本帯電式X線発生装置5Aは、不使用時は内部が大気圧であり使用時に内部が真空状態とされる、いわゆる開放型のX線管であって、真空中で絶縁体を帯電させることによりX線を発生させるものである。この帯電式X線発生装置5Aは、図2に示すように、カプトン膜からなる射出窓9が設けられた真空容器10と、該真空容器10内に所定間隔をおいて相対向するように配置された針状電極11及び平板電極12と、針状電極11と平板電極12の間に挿入された絶縁体13と、針状電極11と平板電極12に接続され両電極間に電圧を印加する直流電源14及び交流電源15と、真空容器10内を所望の真空度とするための真空ポンプ16及びリークバルブ17とを備えてなるものである。
【0020】
針状電極11は、金属棒の先端部を先鋭に形成し、該先端部以外の部分に絶縁部材をコーティングしてなるものであり、図2に示すように、真空容器10内の所定位置に配置され、真空容器10の外部に設置された直流電源14及び交流電源15に接続されている。本実施例では、半径1.5mm程度の銅製の棒材を用い、該棒材の先端部を先鋭に形成するとともに、先端より5mmを残して残りの部分にふっ化エチレン重合体をコーティングすることにより針状電極11を作製した。また、平板電極12は、所定厚みの金属板からなるものであり、真空容器10内に針状電極11の先端から所定距離だけ離して配置され、直流電源14及び交流電源15に接続されるとともに接地されている。本実施例では、この平板電極12として、銅板を針状電極11の先端から8mm離して配置した。尚、針状電極11の先端と平板電極12との間の距離は、両電極間に挿入される絶縁体13の厚みに応じて任意に調節可能となっている。
【0021】
絶縁体13は、Nacl,ガラス(SiO2),NiF等の絶縁体を、電圧印加時に絶縁破壊が生じない程度の厚みに形成してなるものである。この絶縁体13が、図2に示すように、針状電極11と平板電極12の間に挿入され、平板電極12に密着し且つ針状電極11の先端が当接された状態となっている。これにより、針状電極11の先端から絶縁体13の表面に所定値の電圧を印加して帯電させることが可能となっている。本実施例では、絶縁体13として、純度約99.9%のNaclを半径13mm,厚さ8mmの円筒形状に形成したもの、純度99.9%のNiFからなる厚さ8mmのペレット、及び厚さ7mmのガラスを作製した。
【0022】
第1実施例の帯電式X線発生装置5Aの動作について説明する。絶縁体13に所定値の電圧を印加し、この状態で真空ポンプ16により真空容器10内を高真空状態まで一旦引いた後、真空ポンプ16を作動させつつリークバルブ17から空気を導入することにより真空度を徐々に上げていく。真空容器10内の真空度が所定値まで上昇すると、針状電極11の先端から一定の時間間隔で火花放電が生じ、この火花放電がしばらく続いて終了した後、X線が発生し始める。X線が発生している間火花放電は発生せず、絶縁体13の表面が橙色に、針状電極11の先端部が淡青色にそれぞれ発光する。この状態から更に真空容器10内の真空度を上げていくとX線強度が徐々に強くなり、火花放電を伴わない安定したX線発生状態となる。しかし、真空容器10内の真空度が更に上昇して所定値に達すると、針状電極11の先端から再び火花放電が起こり始め、安定したX線の発生状態は得られなくなる。
【0023】
本実施例では、Naclからなる絶縁体13の表面に−3kVの電圧を印加した場合、真空容器10内の真空度が1×10−2〜4×10−2Torrの範囲でX線が安定して発生した。真空度が4×10−2Torrの時のX線スペクトルを図3に示す。また、絶縁体13をNiF及びガラスとした場合、NiFでは真空容器10内の真空度が5×10−3〜1×10−2Torrの範囲で、ガラスでは真空度が8×10−3〜1×10−2Torrの範囲でそれぞれX線が安定して発生した。また、針状電極11においてふっ化エチレン重合体がコーティングされていない露出部分の長さを、5mmに替えて1mm及び10mmとした場合、露出部分の面積とは関係なく真空容器10内の真空度が8×10−3〜1×10−2Torrの範囲でX線が定常的に発生したが、X線の強度は露出部分の面積に比例して強くなった。
【0024】
図4は、帯電式X線発生装置5の第2実施例を示す概略縦断面図である。図に示すように、本実施例に係る帯電式X線発生装置5Bは、第1実施例と比較して、針状電極11と平板電極12の間に絶縁体13が介在されない点で異なっている。それ以外の構成に関しては第1実施例と同じであるため、図4では図2と同じ符号を付し、ここでは説明を省略する。
【0025】
第2実施例の帯電式X線発生装置5Bの動作について説明する。絶縁体13に所定値の電圧を印加した状態で、第1実施例と同様にして、真空容器10内を高真空状態まで一旦引いた後、真空度を徐々に上げていく。真空容器10内の真空度が所定値まで上昇すると、針状電極11の先端から平板電極12に向けて火花放電が連続的に発生する。ここから再び真空度を徐々に下げていくと、火花放電が停止し、X線が安定して発生する状態となる。この時、針状電極11の先端部が青白く発光する。この状態から更に真空度を下げていくと、X線は減衰し、針状電極11の発光強度も弱くなる。本実施例では、針状電極11と平板電極12の間に−3kVの電圧を印加した場合、真空容器10内の真空度が2×10−2〜5×10−2Torrの範囲でX線が安定して発生した。真空度が5×10−2Torrの時のX線スペクトルを図5に示す。
【0026】
図6は、帯電式X線発生装置5の第3実施例を示す概略縦断面図である。図に示すように、本実施例に係る帯電式X線発生装置5Cは、第1実施例と比較して、針状電極11と平板電極12の間に絶縁体13が介在されない点、及び真空容器10の内部にフラッドガン18が配置されている点で異なっている。それ以外の構成に関しては第1実施例と同じであるため、図6では図2と同じ符号を付し、ここでは説明を省略する。フラッドガン18は、真空容器10の内部に熱電子を供給するためのものであって、真空容器10の内部に配置したフィラメント19に対して図示しない電源から電圧を印加することにより熱電子を放射させる直熱タイプのものである。もちろん、フラッドガン18は、多孔質タングステンにアルカリ金属酸化被膜が形成されてなるカソードをヒータで加熱することで熱電子を放射させる傍熱タイプとすることも可能である。また、フラッドガン18の配置位置は、針状電極11との間に放電が生じないよう針状電極11から十分な距離を確保する必要がある。本実施例では、針状電極11から100mm離してフィラメント19を配置し、AC0〜100Vの間で印加電圧を変化させた。
【0027】
第3実施例の帯電式X線発生装置5Cの動作について説明する。絶縁体13に所定値の電圧を印加した状態で、真空ポンプ16を用いて真空容器10内を高真空状態とする。この状態において、フラッドガン18をON、すなわち所定値の電圧を印加すると、針状電極11の先端と平板電極12の間に火花放電が生じ、続いてX線が発生し始める。その後、フラッドガン18がONの間、X線は連続的に発生し、当初は火花放電が不規則周期で発生するが、その頻度は時間の経過と共に減少しやがて発生しなくなる。この状態からフラッドガン18をOFF、すなわち電圧の印加を停止すると、X線はその後も安定して発生し続ける。本実施例では、針状電極11と平板電極12の間に−3kVの電圧を印加し、真空容器10の内部の真空度を3×10−5Torrとした場合、フラッドガン18をOFFした後、数十分間X線が発生し続け、1回の火花放電と共にX線の発生が終了した。フラッドガン18をOFFした後のX線スペクトルを図7に示す。
【0028】
このように、第3実施例の帯電式X線発生装置5Cによれば、フラッドガン18による熱電子の供給がなくなった後も、X線を安定して発生させ続けることができる。より詳細に説明すると、フラッドガン18がONされるまで針状電極11は電子を放射していないが、ひとたびフラッドガン18より真空容器10内に電子が供給されると、電子は針状電極11付近の電界によって加速され、平板電極12に到達する。この電子を初期電子として、針状電極11と平板電極12の間にはコロナ放電が発生し、該コロナ放電によって両電極11,12間に電子の通過経路が一旦形成されると、針状電極11の仕事関数すなわち針状電極11内の電子を真空中に取り出すために必要なエネルギーが下がる結果、それまで電子を放射していなかった針状電極11より電子が電界放射される。これにより、平板電極12からX線が発生するものとなっている。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明は、X線発生装置からのX線照射によって空気又は固体表面から静電気を除電するイオナイザに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の実施例に係るX線発生装置を備えたイオナイザ1を示す概略縦断面図。
【図2】第1実施例に係る帯電式X線発生装置5Aを示す概略縦断面図。
【図3】真空容器10内の真空度が4×10−2Torrの時のX線スペクトルを示す図。
【図4】第2実施例に係る帯電式X線発生装置5Bを示す概略縦断面図。
【図5】真空容器10内の真空度が5×10−2Torrの時のX線スペクトルを示す図。
【図6】第3実施例に係る帯電式X線発生装置5を示す概略縦断面図。
【図7】フラッドガン18をOFFした後のX線スペクトルを示す図。
【図8】従来の熱電子加速式X線管80を示す概略縦断面図。
【符号の説明】
【0031】
1 X線発生装置を備えたイオナイザ
5A,5B,5C 帯電式X線発生装置
9 射出窓
10 真空容器
11 針状電極
12 平板電極
13 絶縁体
18 フラッドガン
X 被除電物


【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線発生装置からX線を放射して周囲の気体をイオン化し、該イオン化した気体を被除電物に吹き付けることによりその表面に帯電した静電気を除電するX線発生装置を備えたイオナイザにおいて、
前記X線発生装置が、外部の気体を導入可能且つ内部の気体を排出可能であってX線を透過可能な射出窓が設けられてなる真空容器と、該真空容器内に収容された絶縁体と、該絶縁体に電圧を印加してその表面を帯電させる一対の電極と、を具備することを特徴とするX線発生装置を備えたイオナイザ。
【請求項2】
X線発生装置からX線を放射して周囲の気体をイオン化し、該イオン化した気体を被除電物に吹き付けることによりその表面に帯電した静電気を除電するX線発生装置を備えたイオナイザにおいて、
前記X線発生装置が、外部の気体を導入可能且つ内部の気体を排出可能であってX線を透過可能な射出窓が設けられてなる真空容器と、該真空容器内に所定間隔をおいて配置された一対の電極と、前記真空容器内で熱電子を放射するフラッドガンと、を具備することを特徴とするX線発生装置を備えたイオナイザ。
【請求項3】
前記一対の電極が、先鋭に形成された先端部を前記絶縁体に当接させる針状電極、及び前記絶縁体に密着する平板電極であることを特徴とする請求項1又は2に記載のX線発生装置を備えたイオナイザ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−260948(P2006−260948A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−76932(P2005−76932)
【出願日】平成17年3月17日(2005.3.17)
【出願人】(504132272)国立大学法人京都大学 (1,269)
【出願人】(501174837)株式会社エックスレイプレシジョン (7)
【Fターム(参考)】