説明

X線発生装置及びX線計測装置

【課題】X線管の内部に電磁漏洩のない小型高圧電源を設置することによって電子ビームの照射位置に影響を与えることなく安定したX線発生位置を実現したX線発生装置を提供することにある。
【解決手段】入力される交流あるいは直流の電力を10−200kHzの高周波交流電力に変換する駆動回路と該変換された前記高周波交流電力を熱発生や電磁放射ノイズを抑制して昇圧する並列に設けられた複数の圧電昇圧トランスと該各々昇圧された交流電力を整流して30−100kVの高電圧を得てX線管に負荷する複数の電圧昇圧用整流回路とを有する小型高圧電源を前記X線管の内部に設置することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電昇圧トランスを用いた小型高圧電源によりX線発生装置の小型化を図るとともにX線管球の内部に高圧電源を構成することにより、X線管球への電源供給を低電圧化して高電圧ケーブルの外部配線を廃し、X線計測装置の設計上の自由度と使用の安全性の向上を実現したX線計測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
圧電昇圧トランスを用いた安定化直流高圧電源の従来技術としては、特開2002−359967号公報(特許文献1)において知られている。特許文献1には、さらにX線トモグラフィーで用いられるX線検出用のX線蛍光像増倍管あるいはイメージングプレートに給電する直流高圧電源に用いることができると記載されている。
【0003】
また、Ricoh Technical Report No.31.December,2005 発行pp.59-66(非特許文献1)には圧電トランスを採用した液晶バックライト用省電力インバータについて記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開2002−359967号公報
【非特許文献1】Ricoh Technical Report No.31.December,2005 発行pp.59-66
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般の高周波高圧電源には昇圧用電磁トランスが一部に用いられている。近年の部品の進歩で小型高性能化が達成されているが、X線管球の内部に高圧電源を挿入することができない。昇圧用に電磁トランスを用いると電源回路に電磁トランスを使用するとその漏洩磁束がその漏洩磁束がX線管球内の電子ビームの軌道に影響を与え、とくにマイクロフォーカスX線管ではその焦点位置の安定性に大きく影響を与える。マイクロフォーカスX線管はそのX線発生部の面積が10−50μm程度であり、電磁トランスの影響で数μm程度のX線発生部移動が生じる等の影響を受けるため、内部に高圧電源を挿入することが困難であった。
【0006】
また、上記特許文献1には、X線を発生させるためのX線管の高圧電源回路として圧電昇圧トランスを適用することについては考慮されていなかった。
【0007】
また、圧電昇圧トランスは小型・高効率であるが、一般的には扱う電力が小さいため非特許文献1に記載されているようにLCDのバックライト電源や空気清浄機の高圧電源に用いられて来たに過ぎない。
【0008】
本発明の目的は、上記課題を解決すべく、X線管の内部に電磁漏洩のない小型高圧電源を設置することによって電子ビームの照射位置に影響を与えることなく安定したX線発生位置を実現したX線発生装置及び該X線発生装置を備えたX線計測装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、圧電性セラミックスの振動を用いて電圧昇圧するため、本質的に漏洩磁場を発生しない圧電昇圧トランスを用いて小型高圧電源を構成することにより、該小型高圧電源をマイクロフォーカスX線管内部に搭載することを可能としたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、単一の圧電昇圧トランスでは扱えない高周波電力の電源を構成するにあたり、最終の昇圧を各々の圧電トランスにコッククロフト回路(電圧昇圧用整流回路)を接続して用いるとともに、入力の低電圧高周波の位相を圧電トランス毎にずらすことにより交流的に並列接続をして出力電力を確保することを特長とする。これにより、ある程度の圧電トランスの特性ばらつきがあっても複数使用による出力電力の確保が可能となった。この方法によれば、多相整流した脈流の足し合わせとなり、出力となる高圧直流に混入するリップル成分の周波数が高いため除去が簡易であり、従来電源より小型で電気特性の優れた直流高圧電源が可能となる。
【0011】
また、本発明は、電子源と該電子源から得られる収束された電子ビームが照射されるX線ターゲットとを有し、X線を発生させるためのX線管で構成されたX線発生装置であって、入力される交流あるいは直流の電力を10−200kHzの高周波交流電力に変換する駆動回路と該駆動回路により変換された前記高周波交流電力を熱発生や電磁放射ノイズを抑制して昇圧する圧電昇圧トランスと該圧電昇圧トランスで昇圧された交流電力を整流して30−100kVの高電圧を得て前記電子源と前記X線ターゲットとの間に負荷する電圧昇圧用整流回路とを有する小型高圧電源を前記X線管の内部に設置し、前記電圧昇圧用整流回路の高電圧の出力と前記負荷との間を接続する高電圧ケーブルを前記X線管の外部に設けないことを特徴とする。
【0012】
また、本発明は前記小型高圧電源における前記圧電昇圧トランスを複数個並列に用いて構成することを特徴とする。また、本発明は、前記小型高圧電源における前記複数の圧電昇圧トランスの各々が前記駆動回路から得られる前記高周波電力の位相を制御して用いることにより電力を発生させることを特徴とする。また、本発明は、前記小型高圧電源における前記複数の圧電昇圧トランスの各々に前記電圧昇圧用整流回路を接続して構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、小型で高効率な圧電昇圧トランスを入力電力の位相制御により複数個並列に接続することが可能であり、マイクロフォーカスX線管の高圧電源として優れた電気特性を可能とした。これにより、X線管の内部に高圧電源を挿入することが可能となった。入力側の電圧は12−100V程度の低電圧とすることが可能であり、従来のX線管の30−100kVという高電圧はX線管の内部に挿入された形態をとることができる。即ち、小型高圧電源をX線管の内部に入れることにより低コスト化・小型化・高信頼性・高安定性を達成でき、マイクロフォーカスX線管を用いるX線計測装置の設計の自由度が上がり、使い勝手の良いX線計測装置を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明に係る小型で高効率な圧電トランスを小型高圧電源に用いたX線発生装置(マイクロフォーカスX線管)並びに該X線発生装置を備えたX線計測装置(X線分析装置、X線透過像計測装置又はX線干渉計等で構成される。)の実施形態について図面を用いて説明する。
【0015】
[実施形態]
図1は、本発明に係る小型高電圧電源を搭載した実施形態を示す斜視図である。図1は本発明の小型高圧電源21に交流あるいは直流の一次電力を供給するため一次電源1及び小型高圧電源21を内部に搭載したマイクロフォーカスX線管球(X線発生装置)2を示している。即ち、本発明に係る小型高圧電源21を内部に搭載したX線管球(X線発生装置)2は、内部を真空可能に構成したステンレスとセラミクス製のX線管本体2に電子源(フィラメント)22と陽極を形成するX線ターゲット25とを設けて構成される。電子源22は、フィラメント電源211から高圧絶縁トランス212を介して直流電力で加熱され、熱電子を放出するとともに陰極として機能し、該電子源22に近接して設置された静電電子レンズ(ウェーネルト)24により、該電子源22から放出された電子を収束電子ビームに形成し、該X線ターゲット25を照射する。
【0016】
本実施形態では一次電源1は例えば12−100Vの直流あるいは交流の電源を使用した。一次電源1の電力は接続ケーブル11を介してマイクロフォーカスX線管球2の内部に搭載された小型高圧電源21に接続される。小型高圧電源21の内部回路には熱電子を放出するためのフィラメント22を加熱するためのフィラメント電源211及び高圧絶縁トランス212をもつ。収束された電子ビーム29はX線ターゲット25に照射されマイクロフォーカスX線管球2の一部に設けられたX線透過窓26を通してX線27が放出される。
【0017】
本実施形態における小型高圧電源21はマイクロフォーカスX線管球2の内部に設置されるため、高圧電源はフィラメント22側を負の高圧とする構成ではフィラメント22側に設置されるため、高圧電源21とフィラメント22は短距離の内部高圧配線12で接続ができ、また高電圧部分をX線管球内部に設置するため高圧部分が管球外部に存在しない。本実施形態では一次電源1とX線管球内部の小型高圧電源21との接続電圧は例えば12−100Vの直流あるいは交流とした。従って、従来のX線管球のように印加電圧を直接外部の高圧電源から供給する必要がなく、接続用のケーブルやコネクタ等の電気配線部品は通常電圧グレードのものが使用できる。また、小型高圧電源21の一方の接地電極はマイクロフォーカスX線管球2の金属外套を利用してX線ターゲット25に接続される。
【0018】
上記実施形態で用いた高電圧印加方式の他に、フィラメント22側を接地電位として、X線ターゲット25側を正の高圧電位側にする場合には、X線ターゲット25側に小型高圧電源21を設置することも可能である。
【0019】
図2は、X線ターゲット25側に小型高圧電源21を設置した実施形態を示す斜視図である。図2は本発明の小型高圧電源21に交流あるいは直流の一次電力を供給するため一次電源1及び小型高圧電源21をX線ターゲット25側の内部に搭載したマイクロフォーカスX線管球(X線発生装置)2を示している。上記実施形態との違いは、電子源22を直流電力で加熱するフィラメント電源211から高圧絶縁トランス212を介さずに接続することが可能である点にある。このような構成でも、フィラメント22は熱電子を放出するとともに陰極として機能し、該電子源22に近接して設置された静電電子レンズ(ウェーネルト)24により、該電子源22から放出された電子を収束電子ビームに形成し、該X線ターゲット25を照射することが可能である。
【0020】
本実施形態における小型高圧電源21はマイクロフォーカスX線管球2のX線ターゲット25側内部に設置されるため、高圧電源21とX線ターゲット25は短距離の内部高圧配線12で接続ができ、また高電圧部分をX線管球内部に設置するため高圧部分が管球外部に存在しない。本実施形態では一次電源1とX線管球内部の小型高圧電源21との接続電圧は例えば12−100Vの直流あるいは交流とした。
【0021】
次に、本発明に係る小型高圧電源21に用いた圧電昇圧トランスの使用方法の実施形態について説明する。図3(a)(b)に示す圧電昇圧トランス30の断面図を用いて、構造について説明する。圧電昇圧トランス30はチタン酸バリウムやチタン酸ジルコン酸鉛等の圧電性のセラミクス31と金属電極32を積層して焼成して作製される。本実施形態ではチタン酸ジルコン酸鉛をベースにしたものを用いた。圧電昇圧トランス30は、板状の圧電性セラミクス31の表面に金属電極32を印刷して積層して焼成し、適切な形に分断した後外部電極33及び34を形成した後分極処理を施して構成される固体素子である。
【0022】
本発明に係る小型高圧電源21に用いた圧電昇圧トランス30の動作原理について図4を用いて説明する。圧電昇圧トランス30は通常長手方向の長さと圧電セラミクスの機械的性質で決まる共振周波数に近い交流電力41(一次電源1から供給される低電圧の直流あるいは交流の電力を変換した10−200kHz(好ましくは50−100kHz)の高周波電力)を一次側(α)に加えると二次側(β)に電歪効果により長手方向に強い機械振動が生じる。この機械振動の圧電効果により電圧が発生し出力端には50−100倍程度に昇圧された電圧(V2)42が得られる。なお、Pは分極方向を示す。この動作原理の中には一切電磁的な作用は無いが一般的な電磁トランスと同様な動作を行うため、昇圧トランスと見做すことができる。即ち、圧電昇圧トランス30は熱発生や電磁放射ノイズを抑制して電圧の昇圧を行う。昇圧比は動作原理から一般的に長さで決まり、昇圧可能電力は圧電素子の体積((L+L’)×W×T)におよそ比例する。5−15W程度の圧電昇圧トランス30では40−100kHzの高周波交流電力の入力41に対し、共振周波数付近で50−100倍程度の昇圧比が得られる。
【0023】
このような動作原理の圧電昇圧トランスを用いた小型高圧電源21の内部構成ブロック図を図5に示す。マイクロフォーカスX線管球用の30−100kVの高電圧を取り出すためには、圧電昇圧トランス30(30a、30b、30c)の出力側をダイオードとキャパシタで構成したコッククロフト半波整流逓倍回路(電圧昇圧用整流回路)50で直流変換する。マイクロフォーカスX線管球の一般的な使用電力は10−50Wであり、本実施例では最大45Wを構成できるような小型高圧電源21を実現した。一般的な圧電トランスでは単独で45Wを扱えるようにすると、圧電トランスのサイズが大きくなり、製造歩留まりの低下からコスト上昇に繋がる。本実施形態では図5に示すように15Wの圧電トランス(30a、30b、30c)を複数個(例えば3個)並列に用いる方法を採用した。
【0024】
各圧電昇圧トランスの一次側(α)には図5及び図6に示すようにVCO(電圧制御発信器)51の出力信号に基づく例えば4個の半導体素子(FET)を用いた発信回路(駆動回路)(55a、55b、55c)により40−100kHzの高周波電力を印加するようにした。一次電源1の電圧を例えば直流100Vとして昇圧比75倍が得られ、圧電昇圧トランス(30a、30b、30c)の二次側にはピーク電圧で7.5kVの高周波電力が得られた。3個の圧電昇圧トランス(30a、30b、30c)はそれぞれ120度の位相差をつけるための位相制御回路(52a、52b)を通して発信回路に入力電力を印加した。電圧の制御は3個全ての圧電トランスに対し同一のVCO(電圧制御発信器)51で制御し、一次側(α)入力の周波数を変化させることにより昇圧比を変化させる方式を採用した。コッククロフト半波整流逓倍回路(電圧昇圧用整流回路)50の出力側から電圧検出回路53を通してVCO(電圧制御発信器)51に電圧制御信号を戻すことにより制御される。一方、マイクロフォーカスX線管球(X線発生装置)2の電流は電流検出回路54を通してフィラメント電源211に電流制御信号を戻すことにより制御される。
【0025】
圧電昇圧トランス(30a、30b、30c)により昇圧された交流の高圧は図7(a)に示すように例えば7逓倍のコッククロフト半波整流回路50を通して約50kVのピーク電圧になる。本実施形態では例えば120度の位相差をつけて3相整流逓倍されるため、多少の昇圧比誤差があっても図6(b)に示すように充分平滑な直流出力電圧を得ることが可能である。出力電力を更に増加させるときは、一次側(α)の位相差のつけ方で更に多くの圧電昇圧トランス30とコッククロフト整流回路(電圧昇圧用整流回路)50を並列に接続することで、達成することができる。圧電トランスはその製造方法から昇圧特性を完全に揃えることは困難であり、選別により昇圧特性を揃えるが、一次側(α)の位相制御により電力を時分割で印加することにより、多少の特性誤差があっても平滑な30−100kVの高圧直流電圧を取り出すことが可能である。
【0026】
即ち、本発明に関わる小型高圧電源21は複数の圧電昇圧トランス30の各々から得られる高周波交流電力の位相(高周波電源の位相)を制御して用いることにより昇圧した直流電力を発生させるように構成した。また、本発明に係わる小型高圧電源21において、複数の圧電昇圧トランスの昇圧制御を行う高周波交流電力(高周波電源)の周波数が同一であることを特徴とする。
【0027】
次に、図8には本発明に係わる圧電昇圧トランス30及びコッククロフト半波整流逓倍回路(電圧昇圧用整流回路)50の実際の基板の構成を示す。回路基板60としてはセラミック基板61を用いて表面実装によりコッククロフト半波整流逓倍回路(電圧昇圧用整流回路)50を構成するダイオードチップ63とコンデンサチップ62を実装した。コンデンサチップ62は高周波特性の優れたフィルムチップコンデンサを用いた。セラミック基板61の片面にダイオードチップ63とチップコンデンサ62をはんだにより回路接続し、セラミック基板61の逆側には絶縁ケース64に挿入した圧電昇圧トランス30を搭載した。これらの基板はセラミクス粉を混入したエポキシコンポジット材によりモールド封止され、安定した高圧動作を可能とした。
【0028】
全く同一の該コッククロフト半波整流逓倍回路(電圧昇圧用整流回路)50用基板3枚と同様にセラミック基板71上にVCO(電圧制御発信器)51、位相制御回路(52a、52b)、電圧検出回路53、電流検出回路54及びフィラメント電源211を実装して圧電昇圧トランスの制御回路70を構成し、合計4枚から小型高圧電源21が構成される。即ち、本発明に係わるマイクロフォーカスX線管球(X線発生装置)2の内部に設置した小型高圧電源21において、複数の圧電昇圧トランス30の各々が圧電昇圧トランス30とコッククロフト半波整流逓倍回路(電圧昇圧用整流回路)50毎に基板60上に一体化形成してモジュール化された構造を有することを特徴とする。
【0029】
ここでみたように本基板上には磁気を必要とする電気部品デバイスが全く使われておらず、マイクロフォーカスX線管球(X線発生装置)2の内部に設置しても、電子ビームの軌道に影響を与えることはないため、X線焦点位置の安定性に優れたマイクロフォーカスX線管球(X線発生装置)2を実現することができる。
【0030】
次に、本発明に係わる小型高圧電源21を内部に設置したマイクロフォーカスX線管球(X線発生装置)2を備えたX線計測装置(X線分析装置、X線透過像計測装置又はX線干渉計等で構成される。)の一実施の形態について図9を用いて説明する。マイクロフォーカスX線管球(X線発生装置)2のX線ターゲット25からX線透過窓26を通して放出される特性X線の波長は金属ターゲットの元素毎に決まっている。特定の波長をもつ特性X線だけを利用し、他の波長のX線を抑制するにはX線弁別用結晶モノクロメータあるいは多層膜を形成したX線反射鏡等のX線選択デバイス81を用いて特性X線のみを選択してX線分析装置、X線透過像計測装置又はX線干渉計82における試料83に照射することになる。そして試料83から得られるX線をX線検出器84で検出し、データ処理装置85においてX線検出器84で検出されるデータを解析することにより分析若しくは計測結果を得ることが可能となる。また、X線選択デバイス81を用いない方法としては、マイクロフォーカスX線管球(X線発生装置)2を用いるX線分析装置、X線透過像計測装置又はX線干渉計82におけるX線検出器84にX線弁別能力を有するものを適用することにより、データ処理装置85の中である特性X線に由来するデータのみを用いてデータ解析することにより、所望の解析結果を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明に係る小型高圧電源を内部に搭載したマイクロフォーカスX線管球(X線発生装置)の実施形態1を示す斜視図。
【図2】本発明に係る小型高圧電源をX線ターゲット側の内部に搭載したマイクロフォーカスX線管球(X線発生装置)の実施形態2を示す斜視図。
【図3】本発明に係る小型高圧電源における圧電昇圧トランスの構造を示す断面図。
【図4】本発明に係る小型高圧電源における圧電昇圧トランスの動作原理図を示す概略図。
【図5】本発明に係る圧電昇圧トランスを用いた小型高圧電源の内部構成を示すブロック図。
【図6】本発明に係る小型高圧電源の圧電昇圧トランスを含む3相コッククロフト半波整流逓倍回路(電圧昇圧用整流回路)を示す図。
【図7】本発明に係る小型高圧電源の圧電昇圧トランスの制御回路を示す図。
【図8】本発明に係る小型高圧電源の圧電昇圧トランス及びコッククロフト半波整流逓倍回路(電圧昇圧用整流回路)の実際の基板の構成を示す斜視図。
【図9】本発明に係わる小型高圧電源を内部に設置したマイクロフォーカスX線管球(X線発生装置)を備えたX線計測装置(X線分析装置、X線透過像計測装置又はX線干渉計等で構成される。)の一実施の形態を示す概略構成図。
【符号の説明】
【0032】
1…一次電源、2…マイクロフォーカスX線管球(X線発生装置)、11…一次電源接続ケーブル、12…内部高圧配線、21…小型高圧電源、22…電子源(フィラメント)、24…ウェーネルト、25…X線ターゲット、26…X線透過窓、27…X線、28…ケーブル、29…収束電子ビーム、211…フィラメント電源、212…高圧絶縁トランス、30、30a、30b、30c…圧電昇圧トランス、31…板状の圧電性セラミクス、32…金属電極、33…外部電極、34…外部電極、41…交流入力、42…昇圧された電圧、50、50a、50b、50c…コッククロフト半波整流逓倍回路(電圧昇圧用整流回路)、51…VCO(電圧制御発信器)、52a,52b…位相制御回路、53…電圧検出回路、54…電流検出回路、55a、55b、55c…発信回路(駆動回路)、60…回路基板、61…セラミック基板、62…コンデンサチップ、63…ダイオードチップ、64…絶縁ケース、70…圧電昇圧トランス制御回路、71…セラミック基板、81…X線選択デバイス、82…X線分析装置、X線透過像計測装置又はX線干渉計、83…試料、84…X線検出器、85…データ処理装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子源と該電子源から得られる収束された電子ビームが照射されるX線ターゲットとを有し、X線を発生させるためのX線管で構成されたX線発生装置であって、入力される交流あるいは直流の電力を10−200kHzの高周波交流電力に変換する駆動回路と該駆動回路により変換された前記高周波交流電力を熱発生や電磁放射ノイズを抑制して昇圧する圧電昇圧トランスと該圧電昇圧トランスで昇圧された交流電力を昇圧整流して30−100kVの高電圧を得て前記電子源と前記X線ターゲットとの間に負荷する電圧昇圧用整流回路とを有する小型高圧電源を前記X線管球の内部に設置し、前記電圧昇圧用整流回路の高電圧の出力と前記負荷との間を接続する高電圧ケーブルを前記X線管球の外部に設けないことを特徴とするX線発生装置。
【請求項2】
前記小型高圧電源における前記圧電昇圧トランスは複数並列に用いて構成することを特徴とする請求項1に記載のX線発生装置。
【請求項3】
前記小型高圧電源における前記複数の圧電昇圧トランスの各々は、前記駆動回路から得られる前記高周波電力の位相を制御して用いることにより電力を発生させることを特徴とする請求項1又は2に記載のX線発生装置。
【請求項4】
前記小型高圧電源における前記複数の圧電昇圧トランスの各々に前記電圧昇圧用整流回路の各々を接続して構成したことを特徴とする請求項2又は3に記載のX線発生装置。
【請求項5】
前記小型高圧電源に於いて、前記複数の圧電昇圧トランスの各々において昇圧制御を行う高周波交流電力の周波数が同一であることを特徴とする請求項2乃至4の何れか一つに記載のX線発生装置。
【請求項6】
前記小型高圧電源に於いて、前記複数の圧電昇圧トランスの各々が圧電昇圧トランス・ユニット毎に基板上に圧電トランス及び電圧昇圧整流回路を一体化して基板上に形成してモジュール化された構造を有することを特徴とする請求項2乃至5の何れか一つに記載のX線発生装置。
【請求項7】
前記X線管の外部に設けられた一次電源から前記X線管の内部に設置された前記小型高圧電源に入力させる電源供給が12−100Vの低電圧であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一つに記載のX線発生装置。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れか一つに記載のX線発生装置を備えたことを特徴とするX線計測装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−244834(P2010−244834A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−91996(P2009−91996)
【出願日】平成21年4月6日(2009.4.6)
【出願人】(000250339)株式会社リガク (206)
【Fターム(参考)】