X線診断装置及びX線コンピュータ断層撮像装置
【課題】リング統計情報に基づいてリングアーチファクトを効果的に軽減することができるX線コンピュータ断層撮像装置等を提供することにある。
【解決手段】一実施形態に係るX線コンピュータ断層撮像装置は、X線曝射手段と、複数の検出素子を有する検出手段と、を被検体を中心として回転させながら連続的に撮像することで、前記検出素子毎の検出データを取得する撮像手段と、前記前記検出素子毎の検出データを用いて、前記被検体に関する第1のデータを生成するデータ生成手段と、所定の第1の判定関数を用いて、前記第1のデータに含まれるリング発生成分を判定する判定手段と、前記リング発生成分の平均値及び標準偏差に依存する第2の判定関数を用いて前記リング発生成分を補正する補正手段と、前記第1のデータから前記補正されたリング発生成分を減算する減算手段と、を具備するものである。
【解決手段】一実施形態に係るX線コンピュータ断層撮像装置は、X線曝射手段と、複数の検出素子を有する検出手段と、を被検体を中心として回転させながら連続的に撮像することで、前記検出素子毎の検出データを取得する撮像手段と、前記前記検出素子毎の検出データを用いて、前記被検体に関する第1のデータを生成するデータ生成手段と、所定の第1の判定関数を用いて、前記第1のデータに含まれるリング発生成分を判定する判定手段と、前記リング発生成分の平均値及び標準偏差に依存する第2の判定関数を用いて前記リング発生成分を補正する補正手段と、前記第1のデータから前記補正されたリング発生成分を減算する減算手段と、を具備するものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
一般に、リング統計情報(statistics)を利用するリングアーチファクト軽減方法を実現可能なX線診断装置及びX線コンピュータ断層撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
単にリングとしても知られているリングアーチファクトは、線源および検出器が被検体のまわりを一体として回転するとき、または代替法として線源および検出器が固定され、被検体がターンテーブル上で回転するとき、ほとんどすべての市販されているCTスキャナにおける持続的な問題である。これは回転−回転方式と呼ばれ、第3世代方式としても知られる。リングアーチファクトは、円環形状のデザインに基づく診断用の頭部スキャナおよび全身スキャナならびにCアームデザインに基づく放射線治療装置上のインターベンショナルスキャナおよびオンボードスキャナなどの種々の医療用スキャナに関連する。そのうえ、リングアーチファクトは、多数の産業用CTスキャナに影響を及ぼす。
【0003】
リングは、CT画像において検出器内の異なるセンサの間での非線形性から生じると思われる。たとえば、1つの素子を除いて、同じ入力信号に対する同じ応答により完全に均衡がとれているべき検出器のすべての検出素子を考えてみよう。回転−回転方式の性質により、均衡のとれない検出素子を含むあらゆる検出素子は、固定半径の円に接する透過線路(transmission ray path)を記録する。アーチファクトの半径は、均衡のとれない素子が、スキャナの回転軸の投影とほぼ一致する素子の列からどれくらい離れているかによって決定される。したがって、再構成処理の逆投影ステップ中に、これらの接線線路(tangent ray path)に沿った異常は、画像内にリングまたは円弧を形成するように推定的に(constructively)構築される。
【0004】
従来技術では、検出素子における非線形性を解消するのではなく、データまたは画像におけるリングアーチファクトを除去しようとしてきた。従来技術において、リングアーチファクトを除去する3つの基本的手法が試みられており、これらの基本的手法には、校正、データ(サイノグラム)領域におけるリング発生成分を取り除くこと、および画像領域におけるリングを取り除くことがある。従来技術による多数のCTシステムでは3つの手法すべてを用いるように思われるが、リングアーチファクト除去アルゴリズムの詳細は、商業製造業者の間で厳重に保持されている企業秘密である。いずれの場合にも、上記の従来技術による技法にもかかわらず、リングアーチファクトをかなり軽減するための方法およびシステムに有用な解決策が今なお所望されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
目的は、リング統計情報に基づいてリングアーチファクトを効果的に軽減することができるX線コンピュータ断層撮像装置及びX線診断装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態に係るX線コンピュータ断層撮像装置は、X線曝射手段と、複数の検出素子を有する検出手段と、を被検体を中心として回転させながら連続的に撮像することで、前記検出素子毎の検出データを取得する撮像手段と、前記前記検出素子毎の検出データを用いて、前記被検体に関する第1のデータを生成するデータ生成手段と、所定の第1の判定関数を用いて、前記第1のデータに含まれるリング発生成分を判定する判定手段と、前記リング発生成分の平均値及び標準偏差に依存する第2の判定関数を用いて前記リング発生成分を補正する補正手段と、前記第1のデータから前記補正されたリング発生成分を減算する減算手段と、を具備するものである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、本実施形態によるマルチスライスX線CT装置またはスキャナの一実施形態を示す図。
【図2】図2は、本実施形態によりリングアーチファクトをかなり軽減する例示的な処理に関与するステップまたはタスクを示す流れ図。
【図3】図3(A)は、前処理されたデータがフレームごとに行列で(rows by columns)ソートされることを示す図。図3(B)は、図3(A)の行列形式(row-by-column format)が所定の擬似サイノグラム(pseudo-sinogram)形式に変換されることを示す図。
【図4】図4(A)、(B)は、上述の移動平均ステップを概略的に示す図。
【図5】図5は、移動平均内の最多数のフレームが患者データセット内のフレーム数の25%であることを仮定して、例示的な連続関数(continuous function)を示す図。
【図6】図6は、1つの例示的な第1のリング判定関数(judgment function)IRC1を示すグラフ。
【図7】図7は、1つの例示的な第2のリング判定関数IRC−Mを示すグラフ。
【図8】図8は、グラフ形式で第1のリング判定関数の後の結果に対する第2のリング判定関数の効果を示す図。
【図9】図9(A)は、リング補正のない画像、従来技術による補正を行った画像、および本実施形態によりリングアーチファクトをかなり軽減するためのsRFCの例示的な処理を実行した後の画像の間の第1の比較例。図9(B)は、リング補正のない画像、従来技術による補正を行った画像、および本実施形態によりリングアーチファクトをかなり軽減するためのsRFCの例示的な処理を実行した後の画像の間の第1の比較例。図9(C)は、リング補正のない画像、従来技術による補正を行った画像、および本実施形態によりリングアーチファクトをかなり軽減するためのsRFCの例示的な処理を実行した後の画像の間の第1の比較例。
【図10】図10(A)は、リング補正のない画像、従来技術による補正を行った画像、および本実施形態によりリングアーチファクトをかなり軽減するためのsRFCの例示的な処理を実行した後の画像の間の第2の比較例。図10(B)は、リング補正のない画像、従来技術による補正を行った画像、および本実施形態によりリングアーチファクトをかなり軽減するためのsRFCの例示的な処理を実行した後の画像の間の第2の比較例。図10(C)は、リング補正のない画像、従来技術による補正を行った画像、および本実施形態によりリングアーチファクトをかなり軽減するためのsRFCの例示的な処理を実行した後の画像の間の第2の比較例。
【図11】図11(A)は、リング補正のない画像、従来技術による補正を行った画像、および本実施形態によりリングアーチファクトをかなり軽減するためのsRFCの例示的な処理を実行した後の画像の間の第3の比較例。図11(B)は、リング補正のない画像、従来技術による補正を行った画像、および本実施形態によりリングアーチファクトをかなり軽減するためのsRFCの例示的な処理を実行した後の画像の間の第3の比較例。図11(C)は、リング補正のない画像、従来技術による補正を行った画像、および本実施形態によりリングアーチファクトをかなり軽減するためのsRFCの例示的な処理を実行した後の画像の間の第3の比較例。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下では、リングアーチファクトをかなり軽減する例示的な一実施形態が、マルチスライスX線コンピュータ断層撮影(CT)スキャナ上で実施される。しかしながら、当該例に拘泥されず、例えば、検出素子の配列を含むCアームデザインのスキャナなどの他のタイプのスキャナ(Cアーム型X線診断装置)に適用可能である。
【0009】
一般に、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせは、本実施形態によりリングアーチファクトをかなり軽減する処理に関与するタスクまたはステップを実施する。以下の説明では、具体的に開示されない限り、実施形態は、ハードウェアとソフトウェアの任意の組み合わせを利用して、リングアーチファクトをかなり軽減する処理に関与するタスクまたはステップを実施することを意図されている。一実施形態では、関連のあるソフトウェアモジュールが、本実施形態によりリングアーチファクトをかなり軽減するタスクを実行するために、既存のマルチスライスX線コンピュータ断層撮影(CT)スキャナに提供される。
【0010】
ここで図面を参照すると、同じ参照番号はすべての図面を通して対応する構造を示すが、特に図1を参照すると、図は、ガントリ100と他のデバイスまたはユニットとを含む、本実施形態によるマルチスライスX線CT装置またはスキャナの一実施形態を示す。ガントリ100は、正面図で示されており、X線管101と、環状フレーム102と、複数列または二次元配列型のX線検出器103とをさらに含む。X線管101およびX線検出器103は、環状フレーム102上に被写体(subject)Sを直径方向に挟んで取り付けられ、環状フレーム102は、軸RAのまわりを回転する。被写体Sが軸RAに沿って図示のページの内外に移動する間、回転ユニット107は、0.4秒/回転などの高速でフレーム102を回転させる。
【0011】
マルチスライスX線CT装置は、X線管101がX線を生成するように管電圧をX線管101に適用する高電圧発生装置109をさらに含む。一実施形態では、高電圧発生装置109は、フレーム102に取り付けられる。X線は被写体Sに向かって放射され、被写体Sの断面積は円によって表されている。X線検出器103は、放射されたX線を検出するために被写体Sを挟んでX線管101の反対側にあり、放射されたX線のいくらかは、被写体Sを透過することによって減衰される。したがって、検出されたX線は、減衰されたデータまたは信号でもある。
【0012】
さらに図1を参照すると、X線CT装置またはスキャナは、X線検出器103からの検出された信号を処理するための他のデバイスをさらに含む。データ収集回路またはデータ収集システム(DAS)104は、各チャネルに対してX線検出器103から出力された信号を電圧信号に変換し、それを増幅して、さらにデジタル信号に変換する。X線検出器103およびDAS104は、1回転あたりの所定の全投影数(TPPR:total number of projections per rotation)を操作するように構成される。
【0013】
上述のデータは、非接触式データ送信器105を通して、ガントリ100の外部のコンソールに収容された前処理デバイス106に送られる。前処理デバイス106は、生データに対して感度補正などの特定の補正を行う。そのうえ、前処理デバイス106は、任意選択で、減衰データから減衰対数データ(attenuation log data)を生成する。次に、記憶デバイス112は、その結果として生成される、再構成処理の直前の段階では投影データとも呼ばれるデータを記憶する。記憶デバイス112は、再構成デバイス114、表示デバイス116、入力デバイス115、リング軽減デバイス118、およびスキャンプラン支援装置200と共に、データ/制御バスを介してシステムコントローラ110に接続される。スキャンプラン支援装置200は、スキャンプランを策定するために撮像技師を支援する機能を含む。
【0014】
再構成デバイス114は、任意選択で、記憶デバイス112に記憶された前処理されたデータに基づいて、画像を再構成する。逆投影ステップとしても知られている再構成処理の逆投影動作中に、これらの接線線路に沿った異常は、画像が再構成されるときにリングまたは円弧を形成するように推定的に構築され、再構成された画像内のこれらの望ましくないリングはリングアーチファクトと呼ばれる。異常は、検出器内のセンサの間の非線形性に関連する多数の考えられ得る原因によって引き起こされると推測される。
【0015】
図2は、本実施形態によりリングアーチファクトをかなり軽減する例示的な処理に関与するステップまたはタスクを示す流れ図である。本実施形態では、サイノグラムに基づく無リング補正(sRFC:sinogram-based ring free correction)が、前処理されたデータに適用され、sRFCは少なくとも5つのステップを含む。sRFCは、特定の高周波構造を除去するために、フレーム方向に沿って擬似サイノグラムを平滑化する。この点に関して、列に沿ってハイパスフィルタを含む従来技術による判定関数によって、データ内の列の間で一貫する異常が除去される。残念なことに、従来技術による判定関数のみでは、残りの構造がリング成分と間違えられる意図しない副作用が発生する傾向がある。これらの副作用は、本実施形態による所定の判定関数によってかなり回避される。
【0016】
種々の実施形態では、sRFCは、任意選択で、前処理および再構成に関して異なる箇所で適用される。図2に示される一実施形態では、sRFCは、前処理の後であるが再構成の前に適用される。別の実施形態では、sRFCは、前処理の間に、線形化(フラッド(flood)または同等の正規化)の後であるが対数変換の前に適用される。
【0017】
図2は、前処理されたデータに対して実行されるsRFCの種々のステップを示す。ステップS100では、処理されたデータは、必要な場合に、所定の擬似サイノグラム形式でソートされる。ステップS100において、前処理されたデータがソートされた後、ステップS200において、移動平均が所定の境界規則に従って特定の数のフレームにわたって決定される。ステップS200では、サイノグラムが効果的に平滑化される。その後、ステップS300では、ステップS200から得られた平滑化された擬似サイノグラムに所定のハイパスフィルタを適用することによって、リング成分の候補(candidate for the ring component)が生成される。ステップS400における所定の第1の判定関数は、所定のファジー論理に基づいて、ステップS300で以前に決定されたリング成分候補への、補正に由来する意図しない副作用を回避することである。所定の第1の判定関数は、意図しない副作用を回避する際に比較的粗い決定を有する。ステップS400における粗い判定関数の後、ステップS500では、リング成分ごとにその平均および標準偏差(或いは分散)を計算する。本実施形態によるリングアーチファクトをかなり軽減する例示的な処理では、ステップS600において、以前に決定されたリング成分候補にファジー論理を適用することによって補正に由来する意図しない副作用をさらに抑えるために所定の第2の判定関数を実施する。この第2の判定関数は、ステップS500におけるリング成分ごとの平均および標準偏差に基づく。最後に、本実施形態によるステップS700における例示的な処理では、再構成に備えて望ましいように補正されたデータを生成するために、ステップS600において決定された真のリング成分を前処理されたデータから減算し、その結果、ステップS800において、補正されたデータに基づいて画像が再構成される。
【0018】
上述の例示的な処理に関して、前処理デバイス106およびリング軽減デバイス118は、本実施形態によるリングアーチファクトのかなりの軽減における特定のタスクまたはステップを実行する。そのうえ、リング軽減デバイス118は、図2のステップS100からS700のうちのいくつかまたはすべてを実行するための、第1のリング判定ユニットと、第2のリング判定ユニットとを含む。これらのステップおよびタスクの具体的な分割は、ソフトウェアモジュールおよびハードウェアモジュールの具体的な実装形態に依存する。
【0019】
sRFCを適用する上述の例示的な処理の代わりに、一代替実施形態では、任意選択で、画像に基づく補正(iRFC:image-based correction)を行う。iRFCでは、再構成画像内のリングと円弧とを明示的に決定する。しかし、iRFCには、一般に、ほぼ円形の構造からリングを識別するのが困難であることと、他の意図しない副作用とを含むいくつかの問題がある。これらの理由により、リングアーチファクトをかなり軽減するための別の代替実施形態では、ステップS800において再構成を再び実行する前に望ましいように補正されたデータを生成するために、上述のステップS100からS700を実行する前に、再構成された画像データを変換して、sRFCまたはiRFCを含む投影データに戻す。
【0020】
以下では、例示的な処理のステップS100からS700のそれぞれについて、本実施形態に従って詳細にさらに説明する。例示的な一実施形態のステップS100では、前処理されたデータが、以後の処理のために所定の擬似サイノグラム形式に変換される。次に図3(A)を参照して、前処理されたデータがフレームごとに行列でソートされると仮定する。この行列形式は、図3(B)に示される所定の擬似サイノグラム形式に変換される。既に説明したように、sRFCではデータを行ごとに処理するので、前処理されたデータは、3つのデータ座標のうちの2つの転置により擬似サイノグラムにソートされる。
【0021】
収集されたデータは、収集された前処理されたデータが所与の検出器の行に対する擬似サイノグラムにソートされる場合に垂直方向に表示されるように列の表示を形成する。収集されたデータは、フラッドまたは同等の正規化によって処理され、したがってリング成分は垂直のストリークとして見られる。実際、サイノグラムに基づく無リング補正(sRFC)は、擬似サイノグラムで1列の幅の垂直のストリークが作製されるように検出器の異常がセンサごとに識別される場合に最も良好に機能する。sRFCは、検出器の複数列にまたがるいくつかの隣接するセンサが一貫して同じ異常を示す場合には、特に効果的であるわけではない。検出器の複数列にまたがるいくつかの隣接するセンサ上の異常によって、リングアーチファクトではなく、円形のバンドアーチファクト(circular band artifact)が生じる。
【0022】
例示的な一実施形態のステップS200では、擬似サイノグラムを効果的に平滑化するために複数のフレーム上での移動平均が決定される。この移動平均は適応型である。移動平均は、任意選択で、列指標値に依存する。移動平均の境界条件は、収集モードに依存する。この収集モードには、フルスキャン円形、らせん形、またはハーフスキャン円形がある。フルスキャン円形の場合、第1のフレームは、最後のフレームに対して折り返し、逆の場合も同様である。らせん形の場合、収集の開始および終了時を除いて明示的な境界条件は必要ではなく、その場合、ハーフスキャン時の境界条件を用いることができる。ハーフスキャンの場合、フィルタ長は、第1のフレームと最後のフレームでは非対称になる。
【0023】
図4(A)、(B)は、上述の移動平均ステップを概略的に示す。たとえば、図4(A)は、メインループまたは通常の(regular)移動平均処理が擬似サイノグラムの部分CおよびDに対して実行されるが、サブループまたは境界条件を伴う移動平均処理が擬似サイノグラムの部分AおよびBに対して実行されることを示す。上記の移動平均処理の結果、図4(B)は、右側の、境界条件により平滑化された出力A’およびB’は同じだが、メインループにより平滑化された結果C’およびD’は異なることを示す。簡略化のため、この例では、移動平均処理中のフレームの数はすべての列で同じと仮定されている。
【0024】
別の例示的な実施形態のステップS200では、擬似サイノグラムを効果的に平滑化するために異なるフレーム上での移動平均が決定される。移動平均は、特定の列に応じて異なる数のフレームにわたって決定され、そのフレーム数は移動平均の長さでもある。たとえば、中央部では、異常のエネルギーが、検出器の端部近くのセンサからの同じ異常と比較して小さな外周で覆われるので、より強力な補正が必要とされる。図5は、移動平均内の最多数のフレームが患者データセット内のフレーム数の25%であることを仮定して、例示的な連続関数を示す。
【0025】
ステップS300では、結果から、ステップS200から得られる平滑化された擬似サイノグラムに所定のハイパスフィルタを適用することによって、リング成分候補が生成される。ハイパスフィルタへの入力には、平滑化された擬似サイノグラムおよび一実装形態におけるメディアンフィルタの所定の長さMがある。任意選択で、別の実装形態では、他のフィルタの中で線形フィルタが用いられる。ハイパスフィルタからの出力には、リング成分候補がある。特定の境界条件はあらかじめ決定されており、このような条件は、前半のM/2要素および後半のM/2要素がフィルタ処理されないようなものである。リング成分はゼロに初期化される。
【0026】
ステップS400では、第1のリング判定は、以前に決定されたハイパスフィルタ処理された結果から得られたリング成分候補への、ファジー論理の適用による補正に由来する意図しない副作用を回避することである。たとえば、第1のリング判定への入力には、リング成分候補、前処理の出力、リング振幅の一部(ring amplitude fraction)、および最小リング振幅があるが、出力は、第1のリング判定後のデータのリング成分である。図6は、1つの例示的な第1の判定関数IRC1を示す。
【0027】
ステップS400に続いて、例示的な一実施形態では、ステップS500において、リング成分統計情報が所定のルールセットに基づいて生成される。たとえば、統計情報を決定するための入力には、第1の判定関数後のデータのリング成分があるが、出力統計情報には、複数フレームにわたって平均化されたリング成分の平均およびリング成分の標準偏差がある。粗いまたは第1の判定関数後のリング成分ごとに、その平均および標準偏差が以下の式に基づいて決定される。
【数1】
【0028】
上式で、Ring’rowは、ステップS400に関して説明された第1のリング判定関数からの出力である。Nframesは、患者データセット内の所定のフレーム数である。
【0029】
ステップS600では、本実施形態による第2の判定関数は、以前にステップS300の後で決定されたリング成分候補にファジー論理を適用による補正に由来する意図しない副作用をさらに回避することである。たとえば、第2のリング判定への入力には、第1のリング判定後のリング成分候補、しきい値として用いる標準偏差の一部、リング成分の平均、およびリング成分の標準偏差があるが、出力は、第2のリング判定後のデータの完全に補正されたリング成分である。図7は、1つの例示的な第2の判定関数IRC−Mを示し、複数のしきい値が、しきい値として用いる標準偏差の一部、リング成分の標準偏差、および平均によってオフセットされたリング成分によって設定される。
【0030】
最後に、ステップS800において補正されたデータに対して再構成が実行される前に、例示的な一実施形態で示されるステップS700において、補正された再構成データが生成される。実際には、ステップS700では、投影データまたは所定の前処理の出力から、ステップS600の第2のリング判定によって決定されたリング成分を減算する。すなわち、ステップS700への入力には、第2のリング判定の後で決定される真のリング成分および前処理の出力があるが、ステップS700の出力は、再構成に用いられるべき正確に補正された投影データである。
【0031】
図8は、第1のリング判定関数の後の結果に対する第2のリング判定関数の効果をグラフ形式で示す。第1のリング判定関数の後、リング成分の結果が点線で示されている。リング成分の平均は、Y軸の0近くの水平な実線によって表されているが、標準偏差の一部である±f×σは、水平な破線によって表されている。この例およびすべての評価では、f=0.8である。第1のリング判定関数後のこれらのリング成分のいくつかは、相変わらずリング成分の標準偏差を上回っている。図7に示されるものなどの第2のリング判定関数を適用した後、リング成分の結果は実線で示され、いずれも本実施形態による規定の標準偏差の範囲内にある。この実施形態では、平均は、第2のリング判定を適用する前にリング成分から減算され、その後で戻される。同様に、予想される最小リング振幅を表す小さな値も追加される。
【0032】
次に図9(A)〜(C)を参照すると、本実施形態によりリングアーチファクトをかなり軽減するsRFCの例示的な処理の比較が提供されている。図9(A)は、リングアーチファクト補正を行わない、Catphanを用いる所定の関数型データ(functional data)の画像を示す。その中央領域で分かるように、図9(A)の画像では複数の同心リングが視覚的に識別される。
【0033】
図9(B)は、従来技術による何らかのリングアーチファクト補正を行った所定の関数型データの対応する画像を示す。その中央領域で分かるように、図9(B)の画像では複数の同心リングはもはや認められない。一方、従来技術によるリングアーチファクト補正によって、図9(B)の再構成された画像に複数の副作用SE1からSE4がもたらされる。当初存在したリングアーチファクトが減弱しても、これらの新たにもたらされた副作用によって、補正された画像の臨床上の意義が低下する。
【0034】
図9(C)は、本実施形態による上述の例示的なリングアーチファクト補正を行った所定の関数型データの対応する画像を示す。すなわち、本実施形態による追加のリング判定関数を含むsRFCが、少なくとも所定の従来技術による補正方法によって既に補正されたデータに対して実行される。その中央領域で分かるように、元のデータにある複数の同心リングは図9(C)の画像で認められないままである。同時に、図9(B)の副作用SE1からSE4もかなり軽減される。
【0035】
次に図10(A)〜(C)を参照すると、本実施形態によりリングアーチファクトをかなり軽減するsRFCの例示的な処理の比較が提供されている。図10(A)は、リングアーチファクト補正を行わない、Catphanを用いる所定の関数型データの画像を示す。その中央領域で特に分かるように、図10(A)の画像では複数の同心リングが視覚的に識別される。
【0036】
図10(B)は、従来技術による何らかのリングアーチファクト補正を行った所定の関数型データの対応する画像を示す。その領域全体で分かるように、図10(B)の画像では複数の同心リングはもはや認められない。一方、従来技術によるリングアーチファクト補正によって、図10(B)の再構成された画像に新たな副作用がもたらされる。そのうえ、図10(B)では、Catphanの内部と外部の境界Brdが不鮮明になっている。当初存在したリングアーチファクトが減弱しても、これらの新たにもたらされた副作用によって、補正された画像の臨床上の意義が低下する。
【0037】
図10(C)は、本実施形態による上述の例示的なリングアーチファクト補正を行った所定の関数型データの対応する画像を示す。すなわち、本実施形態による追加のリング判定関数を含むsRFCが、少なくとも所定の従来技術による補正方法によって既に補正されたデータに対して実行される。その領域全体で分かるように、元のデータにある複数の同心リングは図10(C)の画像で認められないままである。同時に、図10(B)の副作用もかなり軽減される。さらに、図10(B)におけるCatphanの内部と外部の不鮮明な境界Brdについては、図10(C)の画像では鮮鋭度が向上している。
【0038】
次に図11(A)〜(C)を参照すると、本実施形態によりリングアーチファクトをかなり軽減するsRFCの例示的な処理の比較が提供されている。図11(A)は、リングアーチファクト補正を行わない、神経組織の画像を示す。その中央領域で特に分かるように、図11(A)の画像では複数の同心リングが視覚的に識別される。
【0039】
図11(B)は、従来技術による何らかのリングアーチファクト補正を行った所定の関数型データの対応する画像を示す。図11(B)の画像では複数の同心リングはもはや認められないが、従来技術によるリングアーチファクト補正によって、図11(B)の再構成された画像において長円および円でマークされている新規の副作用がもたらされる。そのうえ、図11(B)では、境界Brdが不鮮明になっている。当初存在したリングアーチファクトが減弱しても、これらの新たにもたらされた副作用によって、補正された画像の臨床上の意義が低下する。
【0040】
図11(C)は、本実施形態による上述の例示的なリングアーチファクト補正を行った所定の関数型データの対応する画像を示す。すなわち、本実施形態による追加のリング判定関数を含むsRFCが、少なくとも所定の従来技術による補正方法によって既に補正されたデータに対して実行される。その領域全体で分かるように、元のデータにある複数の同心リングは図11(C)の画像では認められないままである。同時に、図11(B)の副作用もかなり軽減される。さらに、図11(B)における不鮮明な境界Brdについては、図11(C)の画像では鮮鋭度が向上している。
【0041】
本実施形態の上記の説明では、分かりやすくするため式を単純化できるが、当業者は、本出願で提供される開示に基づいて方法および/または本出願において特定の態様のために明示的に組み込まれるものを実施できるはずである。そのうえ、上記の実施形態および処理において例により説明される本実施形態は例に過ぎず、本実施形態を限定すると見なされるべきではない。この点に関して、本発明の多数の特徴および利点が、本発明の構造および機能の詳細と共に前述の説明に記載されているが、本開示は例示に過ぎず、さらに、詳細、特に部品の形状、大きさ、および構成、ならびにソフトウェア、ハードウェア、またはその両方の組み合わせにおける実装形態に関して、変更を加えることができるが、この変更は、添付の特許請求の範囲が表現される用語の広い一般的な意味によって最大限示される本発明の原理の範囲内に含まれることを理解されたい。
【技術分野】
【0001】
一般に、リング統計情報(statistics)を利用するリングアーチファクト軽減方法を実現可能なX線診断装置及びX線コンピュータ断層撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
単にリングとしても知られているリングアーチファクトは、線源および検出器が被検体のまわりを一体として回転するとき、または代替法として線源および検出器が固定され、被検体がターンテーブル上で回転するとき、ほとんどすべての市販されているCTスキャナにおける持続的な問題である。これは回転−回転方式と呼ばれ、第3世代方式としても知られる。リングアーチファクトは、円環形状のデザインに基づく診断用の頭部スキャナおよび全身スキャナならびにCアームデザインに基づく放射線治療装置上のインターベンショナルスキャナおよびオンボードスキャナなどの種々の医療用スキャナに関連する。そのうえ、リングアーチファクトは、多数の産業用CTスキャナに影響を及ぼす。
【0003】
リングは、CT画像において検出器内の異なるセンサの間での非線形性から生じると思われる。たとえば、1つの素子を除いて、同じ入力信号に対する同じ応答により完全に均衡がとれているべき検出器のすべての検出素子を考えてみよう。回転−回転方式の性質により、均衡のとれない検出素子を含むあらゆる検出素子は、固定半径の円に接する透過線路(transmission ray path)を記録する。アーチファクトの半径は、均衡のとれない素子が、スキャナの回転軸の投影とほぼ一致する素子の列からどれくらい離れているかによって決定される。したがって、再構成処理の逆投影ステップ中に、これらの接線線路(tangent ray path)に沿った異常は、画像内にリングまたは円弧を形成するように推定的に(constructively)構築される。
【0004】
従来技術では、検出素子における非線形性を解消するのではなく、データまたは画像におけるリングアーチファクトを除去しようとしてきた。従来技術において、リングアーチファクトを除去する3つの基本的手法が試みられており、これらの基本的手法には、校正、データ(サイノグラム)領域におけるリング発生成分を取り除くこと、および画像領域におけるリングを取り除くことがある。従来技術による多数のCTシステムでは3つの手法すべてを用いるように思われるが、リングアーチファクト除去アルゴリズムの詳細は、商業製造業者の間で厳重に保持されている企業秘密である。いずれの場合にも、上記の従来技術による技法にもかかわらず、リングアーチファクトをかなり軽減するための方法およびシステムに有用な解決策が今なお所望されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
目的は、リング統計情報に基づいてリングアーチファクトを効果的に軽減することができるX線コンピュータ断層撮像装置及びX線診断装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態に係るX線コンピュータ断層撮像装置は、X線曝射手段と、複数の検出素子を有する検出手段と、を被検体を中心として回転させながら連続的に撮像することで、前記検出素子毎の検出データを取得する撮像手段と、前記前記検出素子毎の検出データを用いて、前記被検体に関する第1のデータを生成するデータ生成手段と、所定の第1の判定関数を用いて、前記第1のデータに含まれるリング発生成分を判定する判定手段と、前記リング発生成分の平均値及び標準偏差に依存する第2の判定関数を用いて前記リング発生成分を補正する補正手段と、前記第1のデータから前記補正されたリング発生成分を減算する減算手段と、を具備するものである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、本実施形態によるマルチスライスX線CT装置またはスキャナの一実施形態を示す図。
【図2】図2は、本実施形態によりリングアーチファクトをかなり軽減する例示的な処理に関与するステップまたはタスクを示す流れ図。
【図3】図3(A)は、前処理されたデータがフレームごとに行列で(rows by columns)ソートされることを示す図。図3(B)は、図3(A)の行列形式(row-by-column format)が所定の擬似サイノグラム(pseudo-sinogram)形式に変換されることを示す図。
【図4】図4(A)、(B)は、上述の移動平均ステップを概略的に示す図。
【図5】図5は、移動平均内の最多数のフレームが患者データセット内のフレーム数の25%であることを仮定して、例示的な連続関数(continuous function)を示す図。
【図6】図6は、1つの例示的な第1のリング判定関数(judgment function)IRC1を示すグラフ。
【図7】図7は、1つの例示的な第2のリング判定関数IRC−Mを示すグラフ。
【図8】図8は、グラフ形式で第1のリング判定関数の後の結果に対する第2のリング判定関数の効果を示す図。
【図9】図9(A)は、リング補正のない画像、従来技術による補正を行った画像、および本実施形態によりリングアーチファクトをかなり軽減するためのsRFCの例示的な処理を実行した後の画像の間の第1の比較例。図9(B)は、リング補正のない画像、従来技術による補正を行った画像、および本実施形態によりリングアーチファクトをかなり軽減するためのsRFCの例示的な処理を実行した後の画像の間の第1の比較例。図9(C)は、リング補正のない画像、従来技術による補正を行った画像、および本実施形態によりリングアーチファクトをかなり軽減するためのsRFCの例示的な処理を実行した後の画像の間の第1の比較例。
【図10】図10(A)は、リング補正のない画像、従来技術による補正を行った画像、および本実施形態によりリングアーチファクトをかなり軽減するためのsRFCの例示的な処理を実行した後の画像の間の第2の比較例。図10(B)は、リング補正のない画像、従来技術による補正を行った画像、および本実施形態によりリングアーチファクトをかなり軽減するためのsRFCの例示的な処理を実行した後の画像の間の第2の比較例。図10(C)は、リング補正のない画像、従来技術による補正を行った画像、および本実施形態によりリングアーチファクトをかなり軽減するためのsRFCの例示的な処理を実行した後の画像の間の第2の比較例。
【図11】図11(A)は、リング補正のない画像、従来技術による補正を行った画像、および本実施形態によりリングアーチファクトをかなり軽減するためのsRFCの例示的な処理を実行した後の画像の間の第3の比較例。図11(B)は、リング補正のない画像、従来技術による補正を行った画像、および本実施形態によりリングアーチファクトをかなり軽減するためのsRFCの例示的な処理を実行した後の画像の間の第3の比較例。図11(C)は、リング補正のない画像、従来技術による補正を行った画像、および本実施形態によりリングアーチファクトをかなり軽減するためのsRFCの例示的な処理を実行した後の画像の間の第3の比較例。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下では、リングアーチファクトをかなり軽減する例示的な一実施形態が、マルチスライスX線コンピュータ断層撮影(CT)スキャナ上で実施される。しかしながら、当該例に拘泥されず、例えば、検出素子の配列を含むCアームデザインのスキャナなどの他のタイプのスキャナ(Cアーム型X線診断装置)に適用可能である。
【0009】
一般に、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせは、本実施形態によりリングアーチファクトをかなり軽減する処理に関与するタスクまたはステップを実施する。以下の説明では、具体的に開示されない限り、実施形態は、ハードウェアとソフトウェアの任意の組み合わせを利用して、リングアーチファクトをかなり軽減する処理に関与するタスクまたはステップを実施することを意図されている。一実施形態では、関連のあるソフトウェアモジュールが、本実施形態によりリングアーチファクトをかなり軽減するタスクを実行するために、既存のマルチスライスX線コンピュータ断層撮影(CT)スキャナに提供される。
【0010】
ここで図面を参照すると、同じ参照番号はすべての図面を通して対応する構造を示すが、特に図1を参照すると、図は、ガントリ100と他のデバイスまたはユニットとを含む、本実施形態によるマルチスライスX線CT装置またはスキャナの一実施形態を示す。ガントリ100は、正面図で示されており、X線管101と、環状フレーム102と、複数列または二次元配列型のX線検出器103とをさらに含む。X線管101およびX線検出器103は、環状フレーム102上に被写体(subject)Sを直径方向に挟んで取り付けられ、環状フレーム102は、軸RAのまわりを回転する。被写体Sが軸RAに沿って図示のページの内外に移動する間、回転ユニット107は、0.4秒/回転などの高速でフレーム102を回転させる。
【0011】
マルチスライスX線CT装置は、X線管101がX線を生成するように管電圧をX線管101に適用する高電圧発生装置109をさらに含む。一実施形態では、高電圧発生装置109は、フレーム102に取り付けられる。X線は被写体Sに向かって放射され、被写体Sの断面積は円によって表されている。X線検出器103は、放射されたX線を検出するために被写体Sを挟んでX線管101の反対側にあり、放射されたX線のいくらかは、被写体Sを透過することによって減衰される。したがって、検出されたX線は、減衰されたデータまたは信号でもある。
【0012】
さらに図1を参照すると、X線CT装置またはスキャナは、X線検出器103からの検出された信号を処理するための他のデバイスをさらに含む。データ収集回路またはデータ収集システム(DAS)104は、各チャネルに対してX線検出器103から出力された信号を電圧信号に変換し、それを増幅して、さらにデジタル信号に変換する。X線検出器103およびDAS104は、1回転あたりの所定の全投影数(TPPR:total number of projections per rotation)を操作するように構成される。
【0013】
上述のデータは、非接触式データ送信器105を通して、ガントリ100の外部のコンソールに収容された前処理デバイス106に送られる。前処理デバイス106は、生データに対して感度補正などの特定の補正を行う。そのうえ、前処理デバイス106は、任意選択で、減衰データから減衰対数データ(attenuation log data)を生成する。次に、記憶デバイス112は、その結果として生成される、再構成処理の直前の段階では投影データとも呼ばれるデータを記憶する。記憶デバイス112は、再構成デバイス114、表示デバイス116、入力デバイス115、リング軽減デバイス118、およびスキャンプラン支援装置200と共に、データ/制御バスを介してシステムコントローラ110に接続される。スキャンプラン支援装置200は、スキャンプランを策定するために撮像技師を支援する機能を含む。
【0014】
再構成デバイス114は、任意選択で、記憶デバイス112に記憶された前処理されたデータに基づいて、画像を再構成する。逆投影ステップとしても知られている再構成処理の逆投影動作中に、これらの接線線路に沿った異常は、画像が再構成されるときにリングまたは円弧を形成するように推定的に構築され、再構成された画像内のこれらの望ましくないリングはリングアーチファクトと呼ばれる。異常は、検出器内のセンサの間の非線形性に関連する多数の考えられ得る原因によって引き起こされると推測される。
【0015】
図2は、本実施形態によりリングアーチファクトをかなり軽減する例示的な処理に関与するステップまたはタスクを示す流れ図である。本実施形態では、サイノグラムに基づく無リング補正(sRFC:sinogram-based ring free correction)が、前処理されたデータに適用され、sRFCは少なくとも5つのステップを含む。sRFCは、特定の高周波構造を除去するために、フレーム方向に沿って擬似サイノグラムを平滑化する。この点に関して、列に沿ってハイパスフィルタを含む従来技術による判定関数によって、データ内の列の間で一貫する異常が除去される。残念なことに、従来技術による判定関数のみでは、残りの構造がリング成分と間違えられる意図しない副作用が発生する傾向がある。これらの副作用は、本実施形態による所定の判定関数によってかなり回避される。
【0016】
種々の実施形態では、sRFCは、任意選択で、前処理および再構成に関して異なる箇所で適用される。図2に示される一実施形態では、sRFCは、前処理の後であるが再構成の前に適用される。別の実施形態では、sRFCは、前処理の間に、線形化(フラッド(flood)または同等の正規化)の後であるが対数変換の前に適用される。
【0017】
図2は、前処理されたデータに対して実行されるsRFCの種々のステップを示す。ステップS100では、処理されたデータは、必要な場合に、所定の擬似サイノグラム形式でソートされる。ステップS100において、前処理されたデータがソートされた後、ステップS200において、移動平均が所定の境界規則に従って特定の数のフレームにわたって決定される。ステップS200では、サイノグラムが効果的に平滑化される。その後、ステップS300では、ステップS200から得られた平滑化された擬似サイノグラムに所定のハイパスフィルタを適用することによって、リング成分の候補(candidate for the ring component)が生成される。ステップS400における所定の第1の判定関数は、所定のファジー論理に基づいて、ステップS300で以前に決定されたリング成分候補への、補正に由来する意図しない副作用を回避することである。所定の第1の判定関数は、意図しない副作用を回避する際に比較的粗い決定を有する。ステップS400における粗い判定関数の後、ステップS500では、リング成分ごとにその平均および標準偏差(或いは分散)を計算する。本実施形態によるリングアーチファクトをかなり軽減する例示的な処理では、ステップS600において、以前に決定されたリング成分候補にファジー論理を適用することによって補正に由来する意図しない副作用をさらに抑えるために所定の第2の判定関数を実施する。この第2の判定関数は、ステップS500におけるリング成分ごとの平均および標準偏差に基づく。最後に、本実施形態によるステップS700における例示的な処理では、再構成に備えて望ましいように補正されたデータを生成するために、ステップS600において決定された真のリング成分を前処理されたデータから減算し、その結果、ステップS800において、補正されたデータに基づいて画像が再構成される。
【0018】
上述の例示的な処理に関して、前処理デバイス106およびリング軽減デバイス118は、本実施形態によるリングアーチファクトのかなりの軽減における特定のタスクまたはステップを実行する。そのうえ、リング軽減デバイス118は、図2のステップS100からS700のうちのいくつかまたはすべてを実行するための、第1のリング判定ユニットと、第2のリング判定ユニットとを含む。これらのステップおよびタスクの具体的な分割は、ソフトウェアモジュールおよびハードウェアモジュールの具体的な実装形態に依存する。
【0019】
sRFCを適用する上述の例示的な処理の代わりに、一代替実施形態では、任意選択で、画像に基づく補正(iRFC:image-based correction)を行う。iRFCでは、再構成画像内のリングと円弧とを明示的に決定する。しかし、iRFCには、一般に、ほぼ円形の構造からリングを識別するのが困難であることと、他の意図しない副作用とを含むいくつかの問題がある。これらの理由により、リングアーチファクトをかなり軽減するための別の代替実施形態では、ステップS800において再構成を再び実行する前に望ましいように補正されたデータを生成するために、上述のステップS100からS700を実行する前に、再構成された画像データを変換して、sRFCまたはiRFCを含む投影データに戻す。
【0020】
以下では、例示的な処理のステップS100からS700のそれぞれについて、本実施形態に従って詳細にさらに説明する。例示的な一実施形態のステップS100では、前処理されたデータが、以後の処理のために所定の擬似サイノグラム形式に変換される。次に図3(A)を参照して、前処理されたデータがフレームごとに行列でソートされると仮定する。この行列形式は、図3(B)に示される所定の擬似サイノグラム形式に変換される。既に説明したように、sRFCではデータを行ごとに処理するので、前処理されたデータは、3つのデータ座標のうちの2つの転置により擬似サイノグラムにソートされる。
【0021】
収集されたデータは、収集された前処理されたデータが所与の検出器の行に対する擬似サイノグラムにソートされる場合に垂直方向に表示されるように列の表示を形成する。収集されたデータは、フラッドまたは同等の正規化によって処理され、したがってリング成分は垂直のストリークとして見られる。実際、サイノグラムに基づく無リング補正(sRFC)は、擬似サイノグラムで1列の幅の垂直のストリークが作製されるように検出器の異常がセンサごとに識別される場合に最も良好に機能する。sRFCは、検出器の複数列にまたがるいくつかの隣接するセンサが一貫して同じ異常を示す場合には、特に効果的であるわけではない。検出器の複数列にまたがるいくつかの隣接するセンサ上の異常によって、リングアーチファクトではなく、円形のバンドアーチファクト(circular band artifact)が生じる。
【0022】
例示的な一実施形態のステップS200では、擬似サイノグラムを効果的に平滑化するために複数のフレーム上での移動平均が決定される。この移動平均は適応型である。移動平均は、任意選択で、列指標値に依存する。移動平均の境界条件は、収集モードに依存する。この収集モードには、フルスキャン円形、らせん形、またはハーフスキャン円形がある。フルスキャン円形の場合、第1のフレームは、最後のフレームに対して折り返し、逆の場合も同様である。らせん形の場合、収集の開始および終了時を除いて明示的な境界条件は必要ではなく、その場合、ハーフスキャン時の境界条件を用いることができる。ハーフスキャンの場合、フィルタ長は、第1のフレームと最後のフレームでは非対称になる。
【0023】
図4(A)、(B)は、上述の移動平均ステップを概略的に示す。たとえば、図4(A)は、メインループまたは通常の(regular)移動平均処理が擬似サイノグラムの部分CおよびDに対して実行されるが、サブループまたは境界条件を伴う移動平均処理が擬似サイノグラムの部分AおよびBに対して実行されることを示す。上記の移動平均処理の結果、図4(B)は、右側の、境界条件により平滑化された出力A’およびB’は同じだが、メインループにより平滑化された結果C’およびD’は異なることを示す。簡略化のため、この例では、移動平均処理中のフレームの数はすべての列で同じと仮定されている。
【0024】
別の例示的な実施形態のステップS200では、擬似サイノグラムを効果的に平滑化するために異なるフレーム上での移動平均が決定される。移動平均は、特定の列に応じて異なる数のフレームにわたって決定され、そのフレーム数は移動平均の長さでもある。たとえば、中央部では、異常のエネルギーが、検出器の端部近くのセンサからの同じ異常と比較して小さな外周で覆われるので、より強力な補正が必要とされる。図5は、移動平均内の最多数のフレームが患者データセット内のフレーム数の25%であることを仮定して、例示的な連続関数を示す。
【0025】
ステップS300では、結果から、ステップS200から得られる平滑化された擬似サイノグラムに所定のハイパスフィルタを適用することによって、リング成分候補が生成される。ハイパスフィルタへの入力には、平滑化された擬似サイノグラムおよび一実装形態におけるメディアンフィルタの所定の長さMがある。任意選択で、別の実装形態では、他のフィルタの中で線形フィルタが用いられる。ハイパスフィルタからの出力には、リング成分候補がある。特定の境界条件はあらかじめ決定されており、このような条件は、前半のM/2要素および後半のM/2要素がフィルタ処理されないようなものである。リング成分はゼロに初期化される。
【0026】
ステップS400では、第1のリング判定は、以前に決定されたハイパスフィルタ処理された結果から得られたリング成分候補への、ファジー論理の適用による補正に由来する意図しない副作用を回避することである。たとえば、第1のリング判定への入力には、リング成分候補、前処理の出力、リング振幅の一部(ring amplitude fraction)、および最小リング振幅があるが、出力は、第1のリング判定後のデータのリング成分である。図6は、1つの例示的な第1の判定関数IRC1を示す。
【0027】
ステップS400に続いて、例示的な一実施形態では、ステップS500において、リング成分統計情報が所定のルールセットに基づいて生成される。たとえば、統計情報を決定するための入力には、第1の判定関数後のデータのリング成分があるが、出力統計情報には、複数フレームにわたって平均化されたリング成分の平均およびリング成分の標準偏差がある。粗いまたは第1の判定関数後のリング成分ごとに、その平均および標準偏差が以下の式に基づいて決定される。
【数1】
【0028】
上式で、Ring’rowは、ステップS400に関して説明された第1のリング判定関数からの出力である。Nframesは、患者データセット内の所定のフレーム数である。
【0029】
ステップS600では、本実施形態による第2の判定関数は、以前にステップS300の後で決定されたリング成分候補にファジー論理を適用による補正に由来する意図しない副作用をさらに回避することである。たとえば、第2のリング判定への入力には、第1のリング判定後のリング成分候補、しきい値として用いる標準偏差の一部、リング成分の平均、およびリング成分の標準偏差があるが、出力は、第2のリング判定後のデータの完全に補正されたリング成分である。図7は、1つの例示的な第2の判定関数IRC−Mを示し、複数のしきい値が、しきい値として用いる標準偏差の一部、リング成分の標準偏差、および平均によってオフセットされたリング成分によって設定される。
【0030】
最後に、ステップS800において補正されたデータに対して再構成が実行される前に、例示的な一実施形態で示されるステップS700において、補正された再構成データが生成される。実際には、ステップS700では、投影データまたは所定の前処理の出力から、ステップS600の第2のリング判定によって決定されたリング成分を減算する。すなわち、ステップS700への入力には、第2のリング判定の後で決定される真のリング成分および前処理の出力があるが、ステップS700の出力は、再構成に用いられるべき正確に補正された投影データである。
【0031】
図8は、第1のリング判定関数の後の結果に対する第2のリング判定関数の効果をグラフ形式で示す。第1のリング判定関数の後、リング成分の結果が点線で示されている。リング成分の平均は、Y軸の0近くの水平な実線によって表されているが、標準偏差の一部である±f×σは、水平な破線によって表されている。この例およびすべての評価では、f=0.8である。第1のリング判定関数後のこれらのリング成分のいくつかは、相変わらずリング成分の標準偏差を上回っている。図7に示されるものなどの第2のリング判定関数を適用した後、リング成分の結果は実線で示され、いずれも本実施形態による規定の標準偏差の範囲内にある。この実施形態では、平均は、第2のリング判定を適用する前にリング成分から減算され、その後で戻される。同様に、予想される最小リング振幅を表す小さな値も追加される。
【0032】
次に図9(A)〜(C)を参照すると、本実施形態によりリングアーチファクトをかなり軽減するsRFCの例示的な処理の比較が提供されている。図9(A)は、リングアーチファクト補正を行わない、Catphanを用いる所定の関数型データ(functional data)の画像を示す。その中央領域で分かるように、図9(A)の画像では複数の同心リングが視覚的に識別される。
【0033】
図9(B)は、従来技術による何らかのリングアーチファクト補正を行った所定の関数型データの対応する画像を示す。その中央領域で分かるように、図9(B)の画像では複数の同心リングはもはや認められない。一方、従来技術によるリングアーチファクト補正によって、図9(B)の再構成された画像に複数の副作用SE1からSE4がもたらされる。当初存在したリングアーチファクトが減弱しても、これらの新たにもたらされた副作用によって、補正された画像の臨床上の意義が低下する。
【0034】
図9(C)は、本実施形態による上述の例示的なリングアーチファクト補正を行った所定の関数型データの対応する画像を示す。すなわち、本実施形態による追加のリング判定関数を含むsRFCが、少なくとも所定の従来技術による補正方法によって既に補正されたデータに対して実行される。その中央領域で分かるように、元のデータにある複数の同心リングは図9(C)の画像で認められないままである。同時に、図9(B)の副作用SE1からSE4もかなり軽減される。
【0035】
次に図10(A)〜(C)を参照すると、本実施形態によりリングアーチファクトをかなり軽減するsRFCの例示的な処理の比較が提供されている。図10(A)は、リングアーチファクト補正を行わない、Catphanを用いる所定の関数型データの画像を示す。その中央領域で特に分かるように、図10(A)の画像では複数の同心リングが視覚的に識別される。
【0036】
図10(B)は、従来技術による何らかのリングアーチファクト補正を行った所定の関数型データの対応する画像を示す。その領域全体で分かるように、図10(B)の画像では複数の同心リングはもはや認められない。一方、従来技術によるリングアーチファクト補正によって、図10(B)の再構成された画像に新たな副作用がもたらされる。そのうえ、図10(B)では、Catphanの内部と外部の境界Brdが不鮮明になっている。当初存在したリングアーチファクトが減弱しても、これらの新たにもたらされた副作用によって、補正された画像の臨床上の意義が低下する。
【0037】
図10(C)は、本実施形態による上述の例示的なリングアーチファクト補正を行った所定の関数型データの対応する画像を示す。すなわち、本実施形態による追加のリング判定関数を含むsRFCが、少なくとも所定の従来技術による補正方法によって既に補正されたデータに対して実行される。その領域全体で分かるように、元のデータにある複数の同心リングは図10(C)の画像で認められないままである。同時に、図10(B)の副作用もかなり軽減される。さらに、図10(B)におけるCatphanの内部と外部の不鮮明な境界Brdについては、図10(C)の画像では鮮鋭度が向上している。
【0038】
次に図11(A)〜(C)を参照すると、本実施形態によりリングアーチファクトをかなり軽減するsRFCの例示的な処理の比較が提供されている。図11(A)は、リングアーチファクト補正を行わない、神経組織の画像を示す。その中央領域で特に分かるように、図11(A)の画像では複数の同心リングが視覚的に識別される。
【0039】
図11(B)は、従来技術による何らかのリングアーチファクト補正を行った所定の関数型データの対応する画像を示す。図11(B)の画像では複数の同心リングはもはや認められないが、従来技術によるリングアーチファクト補正によって、図11(B)の再構成された画像において長円および円でマークされている新規の副作用がもたらされる。そのうえ、図11(B)では、境界Brdが不鮮明になっている。当初存在したリングアーチファクトが減弱しても、これらの新たにもたらされた副作用によって、補正された画像の臨床上の意義が低下する。
【0040】
図11(C)は、本実施形態による上述の例示的なリングアーチファクト補正を行った所定の関数型データの対応する画像を示す。すなわち、本実施形態による追加のリング判定関数を含むsRFCが、少なくとも所定の従来技術による補正方法によって既に補正されたデータに対して実行される。その領域全体で分かるように、元のデータにある複数の同心リングは図11(C)の画像では認められないままである。同時に、図11(B)の副作用もかなり軽減される。さらに、図11(B)における不鮮明な境界Brdについては、図11(C)の画像では鮮鋭度が向上している。
【0041】
本実施形態の上記の説明では、分かりやすくするため式を単純化できるが、当業者は、本出願で提供される開示に基づいて方法および/または本出願において特定の態様のために明示的に組み込まれるものを実施できるはずである。そのうえ、上記の実施形態および処理において例により説明される本実施形態は例に過ぎず、本実施形態を限定すると見なされるべきではない。この点に関して、本発明の多数の特徴および利点が、本発明の構造および機能の詳細と共に前述の説明に記載されているが、本開示は例示に過ぎず、さらに、詳細、特に部品の形状、大きさ、および構成、ならびにソフトウェア、ハードウェア、またはその両方の組み合わせにおける実装形態に関して、変更を加えることができるが、この変更は、添付の特許請求の範囲が表現される用語の広い一般的な意味によって最大限示される本発明の原理の範囲内に含まれることを理解されたい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線曝射手段と、複数の検出素子を有する検出手段と、を被検体を中心として回転させながら連続的に撮像することで、前記検出素子毎の検出データを取得する撮像手段と、
前記前記検出素子毎の検出データを用いて、前記被検体に関する第1のデータを生成するデータ生成手段と、
所定の第1の判定関数を用いて、前記第1のデータに含まれるリング発生成分を判定する判定手段と、
前記リング発生成分の平均値及び標準偏差に依存する第2の判定関数を用いて前記リング発生成分を補正する補正手段と、
前記第1のデータから前記補正されたリング発生成分を減算する減算手段と、
を具備することを特徴とするX線コンピュータ断層撮像装置。
【請求項2】
前記第2の判定関数は、前記リング発生成分が前記標準偏差を用いて計算される所定の閾値を超える領域においては、前記リング発生成分を減少させる減少関数であることを特徴とする請求項1記載のX線コンピュータ断層撮像装置。
【請求項3】
前記第2の判定関数は、前記リング発生成分が前記標準偏差を用いて計算される所定の閾値よりも大きい領域においては、前記リング発生成分を減少させる関数であることを特徴とする請求項1又は2記載のX線コンピュータ断層撮像装置。
【請求項4】
前記補正手段は、前記平均値を用いてオフセット調整された前記第2の判定関数を用いて前記リング発生成分を補正することを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一項記載のX線コンピュータ断層撮像装置。
【請求項5】
前記第1のデータは、対数変換後のデータであることを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一項記載のX線コンピュータ断層撮像装置。
【請求項6】
前記第1のデータは、対数変換前のデータであることを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一項記載のX線コンピュータ断層撮像装置。
【請求項7】
前記データ生成手段は、
前記前記検出素子毎の検出データを用いた移動平均処理により、平滑化された疑似サイノグラムを生成し、
前記疑似サイノグラムにハイパスフィルタを適用することで、前記第1のデータを生成すること、
を特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか一項記載のX線コンピュータ断層撮像装置。
【請求項8】
X線曝射手段と、前記X線曝射手段に対向し複数の検出素子を有する検出手段と、を支持するC型アームを被検体を中心として回転させながら、連続的に撮像を実行することで、前記検出素子毎の検出データを取得する撮像手段と、
前記前記検出素子毎の検出データを用いて、前記被検体に関する第1のデータを生成するデータ生成手段と、
所定の第1の判定関数を用いて、前記第1のデータに含まれるリング発生成分を判定する判定手段と、
前記リング発生成分の平均値及び標準偏差に依存する第2の判定関数を用いて前記リング発生成分を補正する補正手段と、
前記第1のデータから前記補正されたリング発生成分を減算する減算手段と、
を具備することを特徴とするX線診断装置。
【請求項9】
前記第2の判定関数は、前記リング発生成分が前記標準偏差を用いて計算される所定の閾値を超える領域においては、前記リング発生成分を減少させる減少関数であることを特徴とする請求項8記載のX線診断装置。
【請求項10】
前記第2の判定関数は、前記リング発生成分が前記標準偏差を用いて計算される所定の閾値よりも大きい領域においては、前記リング発生成分を減少させる関数であることを特徴とする請求項8又は9記載のX線診断装置。
【請求項11】
前記補正手段は、前記平均値を用いてオフセット調整された前記第2の判定関数を用いて前記リング発生成分を補正することを特徴とする請求項8乃至10のうちいずれか一項記載のX線診断装置。
【請求項12】
前記第1のデータは、対数変換後のデータであることを特徴とする請求項8乃至11のうちいずれか一項記載のX線診断装置。
【請求項13】
前記第1のデータは、対数変換前のデータであることを特徴とする請求項8乃至11のうちいずれか一項記載のX線診断装置。
【請求項14】
前記データ生成手段は、
前記前記検出素子毎の検出データを用いた移動平均処理により、平滑化された疑似サイノグラムを生成し、
前記疑似サイノグラムにハイパスフィルタを適用することで、前記第1のデータを生成すること、
を特徴とする請求項8乃至13のうちいずれか一項記載のX線診断装置。
【請求項1】
X線曝射手段と、複数の検出素子を有する検出手段と、を被検体を中心として回転させながら連続的に撮像することで、前記検出素子毎の検出データを取得する撮像手段と、
前記前記検出素子毎の検出データを用いて、前記被検体に関する第1のデータを生成するデータ生成手段と、
所定の第1の判定関数を用いて、前記第1のデータに含まれるリング発生成分を判定する判定手段と、
前記リング発生成分の平均値及び標準偏差に依存する第2の判定関数を用いて前記リング発生成分を補正する補正手段と、
前記第1のデータから前記補正されたリング発生成分を減算する減算手段と、
を具備することを特徴とするX線コンピュータ断層撮像装置。
【請求項2】
前記第2の判定関数は、前記リング発生成分が前記標準偏差を用いて計算される所定の閾値を超える領域においては、前記リング発生成分を減少させる減少関数であることを特徴とする請求項1記載のX線コンピュータ断層撮像装置。
【請求項3】
前記第2の判定関数は、前記リング発生成分が前記標準偏差を用いて計算される所定の閾値よりも大きい領域においては、前記リング発生成分を減少させる関数であることを特徴とする請求項1又は2記載のX線コンピュータ断層撮像装置。
【請求項4】
前記補正手段は、前記平均値を用いてオフセット調整された前記第2の判定関数を用いて前記リング発生成分を補正することを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一項記載のX線コンピュータ断層撮像装置。
【請求項5】
前記第1のデータは、対数変換後のデータであることを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一項記載のX線コンピュータ断層撮像装置。
【請求項6】
前記第1のデータは、対数変換前のデータであることを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一項記載のX線コンピュータ断層撮像装置。
【請求項7】
前記データ生成手段は、
前記前記検出素子毎の検出データを用いた移動平均処理により、平滑化された疑似サイノグラムを生成し、
前記疑似サイノグラムにハイパスフィルタを適用することで、前記第1のデータを生成すること、
を特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか一項記載のX線コンピュータ断層撮像装置。
【請求項8】
X線曝射手段と、前記X線曝射手段に対向し複数の検出素子を有する検出手段と、を支持するC型アームを被検体を中心として回転させながら、連続的に撮像を実行することで、前記検出素子毎の検出データを取得する撮像手段と、
前記前記検出素子毎の検出データを用いて、前記被検体に関する第1のデータを生成するデータ生成手段と、
所定の第1の判定関数を用いて、前記第1のデータに含まれるリング発生成分を判定する判定手段と、
前記リング発生成分の平均値及び標準偏差に依存する第2の判定関数を用いて前記リング発生成分を補正する補正手段と、
前記第1のデータから前記補正されたリング発生成分を減算する減算手段と、
を具備することを特徴とするX線診断装置。
【請求項9】
前記第2の判定関数は、前記リング発生成分が前記標準偏差を用いて計算される所定の閾値を超える領域においては、前記リング発生成分を減少させる減少関数であることを特徴とする請求項8記載のX線診断装置。
【請求項10】
前記第2の判定関数は、前記リング発生成分が前記標準偏差を用いて計算される所定の閾値よりも大きい領域においては、前記リング発生成分を減少させる関数であることを特徴とする請求項8又は9記載のX線診断装置。
【請求項11】
前記補正手段は、前記平均値を用いてオフセット調整された前記第2の判定関数を用いて前記リング発生成分を補正することを特徴とする請求項8乃至10のうちいずれか一項記載のX線診断装置。
【請求項12】
前記第1のデータは、対数変換後のデータであることを特徴とする請求項8乃至11のうちいずれか一項記載のX線診断装置。
【請求項13】
前記第1のデータは、対数変換前のデータであることを特徴とする請求項8乃至11のうちいずれか一項記載のX線診断装置。
【請求項14】
前記データ生成手段は、
前記前記検出素子毎の検出データを用いた移動平均処理により、平滑化された疑似サイノグラムを生成し、
前記疑似サイノグラムにハイパスフィルタを適用することで、前記第1のデータを生成すること、
を特徴とする請求項8乃至13のうちいずれか一項記載のX線診断装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−85966(P2013−85966A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−232385(P2012−232385)
【出願日】平成24年10月19日(2012.10.19)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年10月19日(2012.10.19)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】
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