説明

X線診断装置

【課題】被検体を回転中心軸に容易に配置することができるX線診断装置を提供することを目的とする。
【解決手段】映像系4を回転させる回転中心軸xにレーザーマーカー11を備え、当該回転中心軸xに沿ってレーザーマーカー11からレーザー光Oを照射する。このようにレーザー光Oを照射することで、回転中心軸xに備えられたレーザーマーカー11から照射された当該回転中心軸xに沿ったレーザー光Oを確認することができる。したがって、レーザーマーカー11から照射された当該回転中心軸xに沿ったレーザー光Oに基づいて、被検体を映像系4に対して当該回転中心軸xに相対的に移動させて容易に配置することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、X線管およびX線検出手段からなる映像系により撮影を行うX線診断装置に係り、特に、映像系を回転させて撮影を行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の装置として、図8に示すように、一端でX線管101を保持し、他端でX線検出器102を保持する湾曲状に形成されたCアーム103を備えた外科用X線診断装置がある(例えば、特許文献1、非特許文献1参照)。このCアーム103は、図8(a)の正面図に示すように、Cアーム103自身に沿って被検体Mの体軸zの軸心周りに(矢印RA方向に)回転することで、Cアーム103に保持されたX線管101およびX線検出器102も同方向に回転することが可能である。さらに、図8(b)の側面図に示すように、Cアーム103は体軸zと直交する回転中心軸xの軸心周りに(矢印RB方向に)回転することで、X線管101およびX線検出器102も同方向に回転することが可能である。
【0003】
図8(b)のように、回転中心軸xの軸心周りに(矢印RB方向に)X線管101およびX線検出器102を回転させると、回転中心に対して互いに異なる方向(投影角度)からX線を照射する。各々照射されて取得された複数のX線画像から、逆投影による再構成により、被検体Mを載置した天板104に平行な任意高さ(裁断面)の断層画像を取得することができる。このような断層撮影は、「トモシンセシス」とも呼ばれている。
【0004】
X線管およびX線検出器からなる映像系が床面(、天井面あるいは壁面)に対して固定式の透視台システムでは、映像系の位置と天板の位置とが既知であるので、回転中心軸に対して被検体を容易に配置することができる。また、特許文献1や非特許文献1のようにCアームごと映像系を自在に移動させる移動式のように、Cアームを備えた撮影システムと独立した天板を組み合わせて使用する場合には、映像系の位置が既知でない。
【0005】
しかし、そのような映像系の位置が既知でない移動式であっても、Cアーム103が半円形であれば、図9(a)の正面図から図9(b)の正面図に示すように、Cアーム103を体軸zの軸心周りに90度回転させると、X線管101とX線検出器102とを結ぶX線の照射軸が回転中心軸xに平行になって一致する。したがって、回転中心軸xに一致した照射軸に合わせてCアーム103または天板104のいずれかを移動させれば、回転中心軸xに被検体Mを配置することができる。そして、回転中心軸xに被検体Mを配置した後に、図8(a)の正面図に示すように、Cアーム103を体軸zの軸心周りに−90度回転させて0度に戻す。その後、図8(b)の側面図に示すように、回転中心軸xの軸心周りにX線管101およびX線検出器102を回転させながら、X線管101から被検体Mに向けてX線を照射し、X線検出器102がX線を検出して、断層撮影(トモシンセシス)を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−267788号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】C503−0080E 「外科用X線テレビシステム OPESCOPE PLENO」株式会社島津製作所
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述のCアームが半円形でない場合、あるいはCアームが半円形であっても、図10(a)の側面図に示すように、X線管101やX線検出器102の取り付け位置が、Cアーム103から飛び出してずれている場合、図10(b)の側面図に示すようにCアーム103を90度回転させても回転中心軸xに被検体Mを配置することができない。また、手術台などとの組み合わせで使用する場合には、スペース上の関係上、回転自体が困難な場合もある。
【0009】
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、被検体を回転中心軸に容易に配置することができるX線診断装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、この発明に係るX線診断装置は、X線管およびX線検出手段からなる映像系を備え、その映像系を回転させて撮影を行うX線診断装置であって、前記映像系を回転させる回転中心軸に沿って光を照射する光照射手段を前記回転中心軸に備えることを特徴とするものである。
【0011】
[作用・効果]この発明に係るX線診断装置によれば、映像系を回転させる回転中心軸に光照射手段を備え、当該回転中心軸に沿って光照射手段から光を照射することで、回転中心軸に備えられた光照射手段から照射された当該回転中心軸に沿った光を確認することができる。したがって、光照射手段から照射された当該回転中心軸に沿った光に基づいて、被検体を映像系に対して当該回転中心軸に相対的に移動させて容易に配置することができる。
【0012】
上述したX線診断装置の一例は、一端でX線管を保持し、他端でX線検出手段を保持し、上述の回転中心軸方向に屈曲状あるいは湾曲状に形成された保持手段を備え、その保持手段を上述の回転中心軸の軸心周りに回転させることで、映像系を当該回転中心軸に回転させる。屈曲状に形成された保持手段としては、例えばコの字形状のアームがあり、湾曲状に形成された保持手段としては、例えばC字形状のアーム(Cアーム)やU字形状のアームがある。また、保持手段が半円形でなかったとしても、あるいは保持手段に保持されたX線管やX線検出手段の取り付け位置が円軌道から外れていたとしても、光照射手段から照射された当該回転中心軸に沿った光に基づいて、被検体を映像系に対して当該回転中心軸に相対的に移動させて配置することで、当該回転中心軸の軸心周りにX線管およびX線検出手段からなる映像系を回転させて撮影を行うことができる。
【0013】
したがって、従来のように、保持手段を90度回転させて回転中心軸に被検体を配置して、−90度回転させて0度に戻した後に撮影を行う必要はなく、さらにスペース上の関係上、回転自体が困難な場合であっても、光照射手段から照射された当該回転中心軸に沿った光に基づいて、被検体を映像系に対して当該回転中心軸に相対的に移動させて配置することができる。
【0014】
また、(回転中心軸方向に屈曲状あるいは湾曲状に形成された)保持手段を、回転中心軸とは別の軸の軸心周りに回転可能に構成してもよい。この場合には、保持手段とともに映像系を回転中心軸の軸心周りに回転させて、さらに保持手段とともに映像系を当該別の軸の軸心周りに回転させることもできる。
【発明の効果】
【0015】
この発明に係るX線診断装置によれば、映像系を回転させる回転中心軸に光照射手段を備え、当該回転中心軸に沿って光照射手段から光を照射することで、回転中心軸に備えられた光照射手段から照射された当該回転中心軸に沿った光に基づいて、被検体を映像系に対して当該回転中心軸に相対的に移動させて容易に配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施例に係る外科用X線診断装置の概略構成を示した正面図である。
【図2】(a)〜(c)は被検体の配置の説明に供するCアームおよび映像系の概略図である。
【図3】変形例に係るX線診断装置の概略図である。
【図4】(a)、(b)は変形例に係るX線診断装置の概略図である。
【図5】変形例に係るX線診断装置の概略図である。
【図6】変形例に係るX線診断装置の概略図である。
【図7】(a)、(b)は変形例に係るX線診断装置の概略図である。
【図8】(a)、(b)は従来のX線診断装置の概略図である。
【図9】(a)、(b)は従来の被検体の配置の説明に供するCアームおよび映像系(X線管およびX線検出器)の概略図である。
【図10】(a)、(b)は映像系(X線管およびX線検出器)の取り付け位置がずれている場合の従来の被検体の配置の説明に供するCアームおよび映像系(X線管およびX線検出器)の概略図である。
【実施例】
【0017】
以下、図面を参照してこの発明の実施例を説明する。
図1は、実施例に係る外科用X線診断装置の概略構成を示した正面図である。本実施例では、X線診断装置として、Cアームごと映像系を自在に移動させる移動式の外科用X線診断装置を例に採って説明する。
【0018】
本実施例に係る外科用X線診断装置は、図1に示すように、被検体M(図2を参照)を載置する天板1(図2を参照)に対して独立して動くように構成されている。外科用X線診断装置は、X線管2およびX線検出器3からなる映像系4を備えている。X線管2は、この発明におけるX線管に相当し、X線検出器3は、この発明におけるX線検出手段に相当し、映像系4は、この発明における映像系に相当する。
【0019】
この他に、外科用X線診断装置は、一端でX線管2を保持し、他端でX線検出器3を保持するCアーム5を備えている。Cアーム5は、回転中心軸x方向に湾曲状に形成されている。Cアーム5は、Cアーム5自身に沿って被検体M(図2を参照)の体軸zの軸心周りに(矢印RA方向に)回転することで、Cアーム5に保持されたX線管2およびX線検出器3も同方向に回転することが可能である。さらに、Cアーム5は体軸zと直交する回転中心軸xの軸心周りに(矢印RB方向に)回転することで、X線管2およびX線検出器3も同方向に回転することが可能である。Cアーム5は、この発明における保持手段に相当し、回転中心軸xは、この発明における回転中心軸に相当し、体軸zは、この発明における回転中心軸とは別の軸に相当する。
【0020】
具体的に、Cアーム5は、キャスター6a付きの台車6に保持され、床面に対してCアーム5ごと映像系4を自在に移動させることができ、任意の場所に設置された天板1(図2を参照)や手術台(図示省略)にまで移動させることができる。また、Cアーム5は、支柱7、水平支持部8およびアーム保持部9を介して、上述の台車6に保持されている。支柱7は鉛直方向に上下に昇降移動可能であり、支柱7に保持されたCアーム5ごと映像系4を昇降移動させることができる。水平支持部8は、回転中心軸x方向に平行な水平方向に進退移動可能であり、水平支持部8に保持されたCアーム5ごと映像系4を進退移動させることができる。
【0021】
また、水平支持部8に対してアーム保持部9を回転中心軸xの軸心周りに回転可能に保持することで、アーム保持部9に保持されたCアーム5ごと映像系4を回転中心軸xの軸心周りに回転させることができる。アーム保持部9に対してCアーム5を被検体M(図2を参照)の体軸zの軸心周りに保持することで、Cアーム5ごと映像系4を体軸zの軸心周りに回転させることができる。
【0022】
また、Cアーム5には、手動操作用のハンドル10を設けており、オペレータが手動操作用のハンドル10を握って、Cアーム5ごと映像系4(X線管2およびX線検出器3)を体軸zの軸心周りに(矢印RA方向に)手動で回転させ、Cアーム5ごと映像系4(X線管2およびX線検出器3)を回転中心軸xの軸心周りに(矢印RB方向に)手動で回転させることができる。また、支柱7を鉛直方向に上下に手動で昇降移動させて、支柱7に保持されたCアーム5ごと映像系4(X線管2およびX線検出器3)を手動で昇降移動させ、水平支持部8を水平方向に手動で進退移動させて、水平支持部8に保持されたCアーム5ごと映像系4(X線管2およびX線検出器3)を手動で進退移動させることができる。
【0023】
ここでは、Cアーム5および映像系4(X線管2およびX線検出器3)を手動で回転あるいは移動させる構成について説明したが、モータや駆動軸やピニオン等(いずれも図示省略)を備えて、Cアーム5および映像系4を自動で回転あるいは移動させてもよい。また、手動と自動とを両方組み合わせて、手動または自動のいずれかを選択あるいはモータ等により手動をアシスト(支援)するように構成してもよい。同様に、台車6についてもモータ等により自動で移動させて、台車6に保持されたCアーム5および映像系4を自動で移動させてもよいし、手動と自動とを両方組み合わせて、手動または自動のいずれかを選択あるいはモータ等により手動をアシスト(支援)するように構成してもよい。
【0024】
さらに、外科用X線診断装置は、回転中心軸xにレーザーマーカー11を備えている。レーザーマーカー11は、当該回転中心軸xに沿ってレーザー光Oを照射するように配設されている。なお、オペレータが光を視認することができるのであれば、レーザー光に限定されず、ハロゲンランプから照射された光や、LEDから照射された光であってもよいが、レーザー光のように指向性の強い光の方が視認し易いので、指向性の強い光の方がより好ましい。レーザーマーカー11は、この発明における光照射手段に相当する。
【0025】
次に、被検体Mを配置(セットアップ)して断層撮影を行う場合について、図2を参照して説明する。図2は、被検体の配置の説明に供するCアームおよび映像系の概略図である。図2では、図1の台車6や支柱7や水平支持部8やアーム保持部9については図示を省略する。
【0026】
図2(a)に示すように、Cアーム5および映像系4を、被検体Mを載置した天板1あるいは手術台(図示省略)にまで移動させる。Cアーム5の回転角度を0度に微調整して、必要に応じて、X線管2とX線検出器3とを結ぶX線の照射軸が被検体Mの関心領域に位置するように、Cアーム5および映像系4を進退移動あるいは昇降移動させて、おおよその位置にまでセットアップする。
【0027】
次に、図2(b)に示すように、回転中心軸xに沿ってレーザーマーカー11からレーザー光Oを照射する。レーザー光Oが被検体Mの関心領域を通過するか否かは、レーザー光Oを視認することで確認することができる。もし、レーザー光Oが被検体Mの関心領域から外れている場合には、被検体Mを映像系4に対して回転中心軸xに相対的に移動させて配置する。
【0028】
具体的には、図2(c)に示すように、レーザー光Oを照射しながら天板1あるいは手術台を昇降移動させることで、被検体Mを映像系4に対して回転中心軸xに相対的に移動させて配置する。あるいは、レーザー光Oを照射しながらCアーム5を昇降移動させて、映像系4を昇降移動させることで、被検体Mを映像系4に対して回転中心軸xに相対的に移動させて配置してもよいし、レーザー光Oを照射しながらCアーム5および天板1あるいは手術台の両方を昇降移動させることで、被検体Mを映像系4に対して回転中心軸xに相対的に移動させて配置してもよい。
【0029】
被検体Mを配置(セットアップ)した後に、回転中心軸xの軸心周りにX線管2およびX線検出器3を回転させながら、X線管2から被検体Mに向けてX線を照射し、X線検出器3がX線を検出して、断層撮影を行う。また、必要に応じて、被検体Mの体軸zの軸心周りにX線管2およびX線検出器3を回転させて撮影を行ってもよい。
【0030】
本実施例に係る外科用X線診断装置によれば、映像系4を回転させる回転中心軸xにレーザーマーカー11を備え、当該回転中心軸xに沿ってレーザーマーカー11からレーザー光Oを照射することで、回転中心軸xに備えられたレーザーマーカー11から照射された当該回転中心軸xに沿ったレーザー光Oを確認することができる。したがって、レーザーマーカー11から照射された当該回転中心軸xに沿ったレーザー光Oに基づいて、被検体Mを映像系4に対して当該回転中心軸xに相対的に移動させて容易に配置することができる。
【0031】
本実施例では、一端でX線管2を保持し、他端でX線検出器3を保持し、上述の回転中心軸x方向に屈曲状あるいは湾曲状に形成された保持手段としてCアーム5を備えている。その保持手段を上述の回転中心軸xの軸心周りに回転させることで、映像系4を当該回転中心軸xに回転させる。屈曲状に形成された保持手段としては、例えば後述する変形例のようにコの字形状のアームがあり、湾曲状に形成された保持手段としては、例えばC字形状のアーム(本実施例のCアーム5)や後述する変形例のようにU字形状のアームがある。また、保持手段(本実施例ではCアーム5)が半円形でなかったとしても、あるいは保持手段(Cアーム5)に保持されたX線管2やX線検出器3の取り付け位置が円軌道から外れていたとしても、レーザーマーカー11から照射された当該回転中心軸xに沿ったレーザー光Oに基づいて、図2(c)に示すように、被検体Mを映像系4に対して当該回転中心軸xに相対的に移動させて配置することで、当該回転中心軸xの軸心周りにX線管2およびX線検出器3からなる映像系4を回転させて撮影を行うことができる。
【0032】
したがって、従来のように、Cアームのような保持手段を90度回転させて回転中心軸に被検体を配置して、−90度回転させて0度に戻した後に撮影を行う必要はなく、さらにスペース上の関係上、回転自体が困難な場合であっても、レーザーマーカー11から照射された当該回転中心軸xに沿ったレーザー光Oに基づいて、被検体Mを映像系4に対して当該回転中心軸xに相対的に移動させて配置することができる。
【0033】
また、本実施例では、回転中心軸xに湾曲状に形成されたCアーム5を、回転中心軸xとは別の軸(本実施例では体軸z)の軸心周りに回転可能に構成している。この場合には、Cアーム5とともに映像系4を回転中心軸xの軸心周りに回転させて、さらにCアーム5とともに映像系4を当該別の軸(体軸z)の軸心周りに回転させることもできる。
【0034】
この発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
【0035】
(1)上述した実施例では、断層撮影を行う装置に適用したが、単なる透視撮影を行う装置に適用してもよい。もちろん、断層撮影および透視撮影の両方の撮影が可能な装置に適用してもよい。
【0036】
(2)上述した実施例では、図1に示すように回転中心軸xと体軸zとは直交したが、図3に示すように、回転中心軸が体軸zと一致あるいは回転中心軸が体軸zに平行であってもよい。もちろん、図3に示すように、光照射手段(ここではレーザーマーカー11)を回転中心軸(体軸z)に合わせて配設する。
【0037】
(3)上述した実施例では、図1に示すように回転中心軸xは水平軸であったが、図4(a)や図4(b)に示すように鉛直軸であってもよいし、斜め方向に延びた軸であってもよい。図4(a)に示す保持手段はU字形状のアームとなる。もちろん、図4に示すように、光照射手段(ここではレーザーマーカー11)を回転中心軸xに合わせて配設する。
【0038】
(4)上述した実施例では、図1に示すように保持手段(実施例ではCアーム5)を、回転中心軸xとは別の軸(実施例では体軸z)の軸心周りに回転可能に構成したが、保持手段を回転中心軸xの軸心周りのみに回転させてもよい。
【0039】
(5)上述した実施例では、図1に示すように回転中心軸xとは別の軸は体軸zであったが、図5に示すように回転中心軸xおよび体軸zで形成される面(図1では水平面)に直交する軸y(図5では鉛直軸)であって、この軸yの軸心周りに保持手段(ここではCアーム5)を回転させてもよい。また、図1および図5を組み合わせて、各々の軸x、yおよびzの軸心周りに保持手段をそれぞれ回転させてもよい。
【0040】
(6)上述した実施例では、図1に示すように保持手段はCアーム5であったが、変形例(3)でも述べたようにU字形状のアームであってもよいし、回転中心軸x方向に屈曲状に形成された保持手段として、図6に示すようにコの字形状のアームであってもよい。もちろん、図6に示すように、光照射手段(ここではレーザーマーカー11)を回転中心軸xに合わせて配設する。
【0041】
(7)上述した実施例では、図1に示すように保持手段は、回転中心軸x方向に湾曲状に形成されたCアーム、あるいは変形例(6)でも述べたように回転中心軸x方向に屈曲状に形成されたコの字形状のアームであったが、図7(a)の正面図や図7(b)の側面図に示すように、X線管2およびX線検出器3を収納する筐体12を保持手段として採用してもよい。具体的には、図7(a)の正面図に示すように、回転中心軸xに光照射手段(ここではレーザーマーカー11)を備え、当該回転中心軸xに沿ってレーザーマーカー11からレーザー光Oを照射して、図7(b)の側面図に示す方向に筐体12を回転中心軸xの軸心周りに回転させて撮影を行ってもよい。図7の構造の場合には被検体を載置する天板あるいは筐体12の少なくともいずれか一方を上下に昇降移動させるように構成することで、被検体を映像系4に対して回転中心軸xに相対的に移動すればよい。
【0042】
(8)上述した実施例では、図1に示すように移動式の外科用X線診断装置であったが、映像系が床面(、天井面あるいは壁面)に対して固定式の透視台システムに適用してもよい。この場合には、映像系の位置と天板の位置とが既知であったとしても、回転中心軸xと被検体の関心領域との実際のズレを光により確認することができる。
【符号の説明】
【0043】
2 … X線管
3 … X線検出器
4 … 映像系
5 … Cアーム
11 … レーザーマーカー
x … 回転中心軸
z … 体軸
O … レーザー光
M … 被検体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線管およびX線検出手段からなる映像系を備え、
その映像系を回転させて撮影を行うX線診断装置であって、
前記映像系を回転させる回転中心軸に沿って光を照射する光照射手段を前記回転中心軸に備えることを特徴とするX線診断装置。
【請求項2】
請求項1に記載のX線診断装置において、
一端で前記X線管を保持し、他端で前記X線検出手段を保持し、前記回転中心軸方向に屈曲状あるいは湾曲状に形成された保持手段を備え、
その保持手段を前記回転中心軸の軸心周りに回転させることで、前記映像系を当該回転中心軸に回転させることを特徴とするX線診断装置。
【請求項3】
請求項2に記載のX線診断装置において、
前記保持手段を、前記回転中心軸とは別の軸の軸心周りに回転可能に構成することを特徴とするX線診断装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate