説明

YC分離回路

【課題】高精度のYC分離を行うことができるYC分離回路を提供する。
【解決手段】ラインメモリ101,102、バンドパスフィルタ103〜105、エッジ検出回路107、色相関判定回路108およびYC分離フィルタ回路109からなる回路は、2ラインコムフィルタまたは3ラインコムフィルタを用いて、コンポジット信号からC信号を分離する。減算器110は、YC分離フィルタ回路109で分離されたC信号をコンポジット信号から減算することによってY信号を分離する。トラップフィルタ106は、コンポジット信号からY信号を分離する周波数フィルタである。輝度相関判定回路111は、減算器110およびトラップフィルタ106から入力したY信号の差分を算出し、この差分が所定値よりも大きい場合は減算器110で分離されたY信号を出力し、且つ、この差分が所定値よりも小さい場合はトラップフィルタ106で分離されたY信号を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、テレビジョン映像等のコンポジット信号を輝度信号と色信号とに分離するためのYC分離回路に関する。この発明に係るYC分離回路は、例えば、テレビジョン映像データをデコード処理するデジタルビデオデコーダ等で使用される。
【背景技術】
【0002】
テレビジョン映像の信号は、明るさを表す輝度信号(Y信号)と色を表す色信号(クロマ信号、C信号)とによって構成されている。また、C信号は、サブキャリアと呼ばれる色の基準信号を用いて復調することにより、Cr信号やCb信号に変換される。映像データを処理する際には、Y信号とC信号とは別個独立に処理される。したがって、高画質を実現するためには、Y信号およびC信号を個別に伝送することが望ましく、さらには、C信号をCr信号やCb信号に分けて伝送することが望ましい。しかしながら、1本の伝送路で伝送する方が伝送効率が高くなり且つ取り扱いも簡単になることから、Y信号とC信号とを混合して送る技術の需要は高い。このため、Y信号とC信号とのコンポジット信号を分離するYC分離技術も、非常に重要である。
【0003】
YC分離技術としては、2種類の周波数フィルタを用いる技術、2ラインコムフィルタを用いる技術、3ラインコムフィルタを用いる技術等が知られている。
【0004】
(1)2種類の周波数フィルタを用いたYC分離
NTSC(National Television Standards Committee) の規格に準拠したテレビジョン映像では、C信号の中心周波数は約3.58MHzである。そして、Y信号は、原則として、C信号よりも低い周波数帯域を使用する(図8(A)参照)。Y信号とC信号との周波数の重なりがない場合、2種類の周波数フィルタを使用するだけでYC分離を行うことができる。例えば、3.58MHz付近の周波数成分を通過させるバンドパスフィルタを用いることによりコンポジット信号からC信号を分離することができ、且つ、3.58MHz付近の周波数成分を減衰させるトラップフィルタを用いることによりコンポジット信号からY信号を分離することができる。また、トラップフィルタでY信号を分離した後で、このY信号をコンポジット信号から差し引くことによって、C信号を分離してもよい。
【0005】
(2)2ラインコムフィルタを用いたYC分離
一方、映像が極端に変化する境界線の部分では、Y信号の周波数とC信号の周波数とが重なる場合がある(図8(B)参照)。このような重なりの影響を取り除く技術の一つとして、2ラインコムフィルタが知られている。テレビジョン映像では、連続する2本の水平ラインの間で、画素の位置が半周期ずれており(図9(A)参照)、したがって、C信号の位相は半波長ずれている(図9(B)参照)。その一方で、Y信号の位相は同一である。したがって、これら2本の水平ラインに相関関係がある場合(すなわち映像データが一致する場合)、両ラインのコンポジット信号の差はC信号の2倍である。2ラインコムフィルタは、この原理を利用して、コンポジット信号からC信号を分離する。そして、このようにして得られたC信号をコンポジット信号から差し引くことにより、Y信号を分離することができる。
【0006】
(3)3ラインコムフィルタを用いたYC分離
連続する3本の水平ラインに相関関係がある場合には、3ラインコムフィルタを用いてYC分離を行うことができる。3ラインコムフィルタは、2本の2ラインコムフィルタと演算器を備えている。一方の2ラインコムフィルタは、YC分離の対象となる水平ラインとその直前の水平ラインとを用いて、C信号を分離する。他方の2ラインコムフィルタは、YC分離の対象となる水平ラインとその直後の水平ラインとを用いて、C信号を分離する。そして、演算器は、これら2個のC信号の平均値を演算する。
【0007】
上述のように、2ラインコムフィルタ或いは3ラインコムフィルタを用いる場合には、連続する2本或いは3本の水平ラインの相関関係を判定する必要がある。通常、相関関係の判定には、これらの水平ラインのC信号の和が使用される。すなわち、連続する水平ラインのコンポジット信号から上述のようなバンドパスフィルタを用いてC信号の大まかな値がそれぞれ求められ、これらの値の和が所定値以下であれば両ラインには相関関係があると判定される。C信号にY信号が混入していない場合、連続する2本の水平ラインにおけるC信号の和は零になる(図9参照)。また、C信号にY信号が混入している場合でも、C信号の大まかな相関性を知ることができる。しかしながら、この方法では、水平ライン間に小さい色差が存在するにも拘わらず、相関関係が有ると判定される場合がある。相関関係があると誤判定された場合には、コンポジット信号からC信号を差し引いてY信号を分離する際に、Y信号にC信号が混入してしまう。Y信号にC信号が混入すると、ドット妨害が発生し易くなる。ドット妨害とは、色が不連続な部分に小さいドットが映し出される現象である。
【0008】
また、2ラインコムフィルタや3ラインコムフィルタを使用しない場合、C信号にY信号が混入する場合がある。C信号にY信号が混入すると、クロスカラーが発生し易くなる。クロスカラーとは、細かい縞模様が映し出される現象である。
【0009】
ドット妨害やクロスカラーの発生を防止する技術としては、例えば下記特許文献1、2の技術が知られている。
【0010】
特許文献1のYC分離回路では、Y信号を用いて相関関係の判別を行っている。そして、このYC分離回路では、相関関係を示す演算結果に所定の重み係数を乗算することによって、相関関係があると判断され易くしている。すなわち、このYC分離回路は、相関関係があると判断される確率を意図的に高くすることによって、クロスカラーの発生を抑制している。
【0011】
特許文献2のYC分離回路は、バンドパスフィルタを用いてコンポジット信号からC信号を分離し、さらに、このC信号からバースト振幅を除去することにより、ドット妨害やクロスカラーの発生を抑制している。
【0012】
しかしながら、これら特許文献1、2の技術では、ドット妨害やクロスカラーの発生を十分に防止できなかった。
【特許文献1】特開平10−174119号公報
【特許文献2】特開2003−299119号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
この発明の課題は、高品質のYC分離を行うことができるYC分離回路を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この発明は、2ラインコムフィルタまたは3ラインコムフィルタを用いてコンポジット信号から色信号を分離する色信号分離回路と、色信号分離回路で分離された色信号をコンポジット信号から減算することによって輝度信号を分離する第1輝度信号分離回路と、周波数フィルタを用いてコンポジット信号から輝度信号を分離する第2輝度信号分離回路と、第1、第2輝度信号分離回路から入力した各輝度信号の差分を算出する輝度相関判定回路と、差分が第1所定値よりも大きい場合は第1輝度信号分離回路で分離された輝度信号を選択的に出力し且つ差分が第2所定値(第1所定値≧第2所定値)よりも小さい場合は第2輝度信号分離回路で分離された輝度信号を選択的に出力する選択回路とを備える。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、2ラインコムフィルタまたは3ラインコムフィルタを用いて分離された輝度信号と周波数フィルタを用いて分離された輝度信号との差分に応じて、いずれかの輝度信号を選択することとしたので、色信号の混入が少ない輝度信号を分離することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、この発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。なお、図中、各構成要素の大きさ、形状および配置関係は、この発明が理解できる程度に概略的に示してあるにすぎず、また、以下に説明する数値的条件は単なる例示にすぎない。
【0017】
第1実施形態
第1実施形態に係るYC分離回路について、図1および図2を用いて説明する。
【0018】
図1は、本実施形態に係るYC分離回路100の構成を概略的に示すブロック図である。図1に示したように、本実施形態のYC分離回路100は、ラインメモリ101,102と、バンドパスフィルタ103〜105と、トラップフィルタ106と、エッジ検出回路107と、色相関判定回路108と、YC分離フィルタ回路109と、減算器110と、輝度相関判定回路111と、セレクタ112とを備えている。
【0019】
ラインメモリ101は、外部から入力されたコンポジット信号を、水平ライン1本分に相当する時間だけ遅延させるための一時保存メモリである。また、ラインメモリ102は、ラインメモリ101から入力されたコンポジット信号を、水平ライン1本分に相当する時間だけ遅延させるための一時保存メモリである。ここで、ラインメモリ101から出力されるコンポジット信号が、YC分離の対象となる水平ラインL0のコンポジット信号である。また、外部から入力されたコンポジット信号が、対象となる水平ラインL0の直後に位置する水平ラインL1のコンポジット信号である。そして、ラインメモリ102から出力されるコンポジット信号が、対象となるコンポジット信号の直前に位置する水平ラインL2のコンポジット信号である。
【0020】
バンドパスフィルタ103は、外部から入力されたコンポジット信号から、C信号に相当する周波数成分C1を抽出する。また、バンドパスフィルタ104は、ラインメモリ101が出力したコンポジット信号から、C信号に相当する周波数成分C0を抽出する。バンドパスフィルタ105は、ラインメモリ102が出力したコンポジット信号から、C信号に相当する周波数成分C2を抽出する。上述したように、C信号とY信号との重なりが存在する場合には、バンドパスフィルタ103〜105で周波数分離された信号C0〜C2にY信号成分が混入することがある(図8(B)参照)。
【0021】
トラップフィルタ106は、ラインメモリ101が出力したコンポジット信号から、C信号の対応する周波数成分以外を通過させる。したがって、C信号とY信号との重なりがある場合には、トラップフィルタ106で分離されたY信号Y0には、C信号と重なる部分が含まれないことになる。
【0022】
エッジ検出回路107は、トラップフィルタ106の出力Y0を用いて、輝度レベルの変化エッジを検出する。エッジ検出回路107は、同じ水平ラインの隣接画素間でY信号を比較し、これらのY信号の差が所定値以上の場合に、輝度レベルが変化したと判断する。そして、輝度レベルが変化した場合に、変化エッジの検出を示す信号を出力する。エッジ検出回路107の内部構造については、図2を用いて後述する。
【0023】
色相関判定回路108は、バンドパスフィルタ103〜105で抽出されたC信号の相関関係を判定する。色相関判定回路108は、加算器108a,108bと判定回路108cとを備えている。加算器108aは、バンドパスフィルタ103,104から出力されたC信号を加算する。加算器108bは、バンドパスフィルタ104,105から出力されたC信号を加算する。判定回路108cは、加算器108a,108bの演算結果およびエッジ検出回路107の検出結果を用いて、C信号の分離方法を選択する。選択結果は、YC分離フィルタ回路109に送られる。判定回路108cの判定方法の詳細については、後述する。
【0024】
YC分離フィルタ回路109は、色相関判定回路108が選択した方法を用いて、C信号の分離を行う。
【0025】
減算器110は、ラインメモリ101が出力したコンポジット信号から、YC分離フィルタ回路109が出力したC信号を減算することにより、Y信号を分離する。
【0026】
輝度相関判定回路111は、トラップフィルタ106が出力したY信号と減算器110が出力したY信号との差分を演算する。エッジ検出回路107がエッジを検出しなかった場合、輝度相関判定回路111は、この差分の値に応じてY信号を選択する。すなわち、輝度相関判定回路111は、当該差分が所定値よりも大きければ減算器110を選択し、当該所定値よりも小さければトラップフィルタ106を選択する。一方、エッジ検出回路107がエッジを検出した場合、減算器110が選択される。選択結果は、セレクタ112に送られる。
【0027】
セレクタ112は、輝度相関判定回路111の選択結果に応じて、トラップフィルタ106が出力したY信号または減算器110が出力したY信号のいずれか一方を、選択的に出力する。
【0028】
図2は、エッジ検出回路107の内部構成を示すブロック図である。図2に示したように、このエッジ検出回路は、ローパスフィルタ201と、フリップフロップ202,203と、減算器204,205と、アブストリュータ206,207、インテグレータ208,209と、リミッタ210,211と、ANDゲート212とを備えている。
【0029】
ローパスフィルタ201は、トラップフィルタ106(図1参照)から入力した信号Y0から、C信号の周波数帯域よりもさらに低い周波数成分だけを通過させる。フリップフロップ202は、ローパスフィルタ201が出力した信号を画素一個分だけ遅延させて出力する。そして、減算器204は、ローパスフィルタ201が出力した信号Y0とフリップフロップ202が出力した信号Y0との差分を出力する。すなわち、減算器204は、ローパスフィルタ201が出力した画素とその直前の画素との差分を出力することになる。アブストリュータ206は、減算器204が出力した差分の絶対値を出力する。インテグレータ208は、アブストリュータ206が出力した絶対値を所定時間積分する。リミッタ210は、ANDゲート212の入力値を制限するための回路である。すなわち、リミッタ210は、インテグレータ208が出力した積分値が所定の上限値よりも小さい場合は当該積分値をそのまま出力し、所定の上限値よりも大きい場合は当該上限値を出力する。リミッタ210は、変化エッジ検出時にローレベルとなり且つ変化エッジ非検出時にハイレベルになる。
【0030】
一方、フリップフロップ203は、トラップフィルタ106が出力した信号を画素一個分だけ遅延させて出力する。減算器205は、トラップフィルタ106が出力した信号Y0とフリップフロップ203が出力した信号Y0との差分を出力する。アブストリュータ207は、減算器205が出力した差分の絶対値を出力する。インテグレータ209は、アブストリュータ207が出力した絶対値を所定時間積分してなる値を出力する。リミッタ211は、インテグレータ209が出力した積分値が所定の上限値よりも小さい場合は当該積分値をそのまま出力し、所定の上限値よりも大きい場合は当該上限値を出力する。リミッタ211は、変化エッジ検出時にローレベルとなり且つ変化エッジ非検出時にハイレベルになる。
【0031】
そして、ANDゲート212が、リミッタ210,211の論理積を出力する。これにより、ローバスフィルタを通過させた信号Y0と通過させなかった信号Y0の少なくとも一方に変化エッジが検出された場合に、輝度の変化エッジが検出されたと判断される。
【0032】
図2のエッジ検出回路107は、ローパスフィルタ201を用いて平坦化した信号Y0のエッジ検出と、平坦化しない信号Y0のエッジ検出を行う。これにより、高精度のエッジ検出が可能になる。
【0033】
次に、本実施形態のYC分離回路100の動作を説明する。
【0034】
まず、各水平ラインL0,L1,L2のコンポジット信号が、外部から順次入力される。ラインメモリ101は、これらのコンポジット信号を順次入力し、水平ライン1本分に相当する時間だけ遅延させて出力する。また、ラインメモリ102は、ラインメモリ101から順次コンポジット信号を入力し、水平ライン1本分に相当する時間だけさらに遅延させて出力する。これにより、バンドパスフィルタ103〜105には、連続する3本の水平ラインに対応するコンポジット信号が並列に入力される。バンドパスフィルタ103〜105は、これらのコンポジット信号からC信号C0,C1,C2を分離する。分離されたC信号C0,C1,C2は、色相関判定回路108に送られる。
【0035】
トラップフィルタ106は、ラインメモリ101が出力したコンポジット信号(すなわち、YC分離の対象となるコンポジット信号)を入力して、Y信号Y0を分離する。そして、エッジ検出回路107が、この信号Y0の変化エッジを検出する。変化エッジの検出信号は、色相関判定回路108および輝度相関判定回路111に送られる。
【0036】
色相関判定回路108の加算器108aは、C信号C0,C1の和を演算する。上述のように、連続する2本の水平ラインではC信号は位相が半波長ずれており(図9参照)、したがって、これらの信号C0,C1に相関関係がある場合には演算結果が零になる。しかし、これらのC信号C0,C1にY信号成分が混入している場合には相関関係があっても演算結果は完全な零にはならない。したがって、演算結果が所定値よりも小さい場合には、信号C0,C1に相関関係があると判断する。同様にして、加算器108bは、C信号C0,C2の和を演算することにより、相関関係の有無を判断する。信号C0,C1に相関関係があり且つ信号C0,C2に相関関係が有る場合は、3個の信号C0,C1,C2に相関関係があると判断される。
【0037】
さらに、色相関判定回路108の判定回路108cは、この判定結果およびエッジ検出回路107の検出結果を用い、以下のようにしてYC分離方法を選択する。
【0038】
まず、変化エッジが検出されなかった場合、判定回路108cは、信号C0,C1,C2に相関関係があれば3ラインコムフィルタ分離方法を選択し、信号C0,C1にのみ相関関係があればこれらの信号C0,C1を用いた2ラインコムフィルタ分離方法を選択し、信号C0,C2にのみ相関関係があればこれらの信号C0,C2を用いた2ラインコムフィルタ分離方法を選択する。さらに、相関関係が全く存在しない場合には、3ラインコムフィルタ分離方法を選択する。相関関係が全く存在しない場合に3ラインコムフィルタ分離方法を使用することとしたのは、連続する3本の水平ラインに相関関係が全く存在しないケースはまれであり、したがって、相関関係が無いにも拘わらず3ラインコムフィルタ分離方法を使用しても画面全体に対する影響は小さいからである。但し、このよう場合に必ずトラップフィルタ106の出力がY信号として採用されるように、YC分離回路100を構成してもよい。
【0039】
一方、変化エッジが検出された場合、相関判定の結果が前の画素から変化していれば3ラインコムフィルタ分離方法を選択し、相関判定の結果が前の画素と同じであれば前の画素と同じ分離方法を選択する。相関判定の結果が変化した場合に3ラインコムフィルタ分離方法を使用することとしたのは、このようなケースはまれであり、したがって、相関関係が無いにも拘わらず3ラインコムフィルタ分離方法を使用しても画面全体に対する影響は小さいからである。但し、このよう場合に相関関係の判定をやり直すこととしてもよい。
【0040】
YC分離フィルタ回路109は、色相関判定回路108の選択した分離方法を用いて、C信号の分離を行う。すなわち、信号C0,C1を用いた2ラインコムフィルタ分離方法が選択された場合、YC分離フィルタ回路109は、信号C0,C1の差を2で割ることにより、C信号を分離する。また、信号C0,C2を用いた2ラインコムフィルタ分離方法が選択された場合、YC分離フィルタ回路109は、信号C0,C2の差を2で割ることにより、C信号を分離する。さらに、3ラインコムフィルタ分離方法が選択された場合、YC分離フィルタ回路109は、「信号C0,C1の差を2で割った値」と「信号C0,C2の差を2で割った値」との平均値を演算することにより、C信号を分離する。このようにして分離されたC信号は、外部に出力されるとともに、減算器110に送られる。
【0041】
減算器110は、上述のように、YC分離フィルタ回路109が出力したC信号をコンポジット信号から差し引くことにより、Y信号を分離する。このY信号は、セレクタ112および輝度相関判定回路111に送られる。
【0042】
輝度相関判定回路111は、上述したように、Y信号の差分およびエッジ検出信号に基づいて、これらのY信号のいずれかを選択する。そして、セレクタ112が、この選択結果に応じたY信号を出力する。
【0043】
上述のように、色が極端に変化する境界線の部分ではY信号の周波数とC信号の周波数とが重なり易い(図8(B)参照)。Y信号とC信号との重なりが生じた場合でも、2ラインコムフィルタ分離方法や3ラインコムフィルタ分離方法を使用することにより、Y信号成分が混入していないC信号を得ることができ、したがって、減算器110で分離されたY信号は実際のY信号に近い値になる。これに対して、トラップフィルタ106で分離されたY信号は、C信号と重なるY信号成分が除去されてしまっているので、実際のY信号と比べて非常に小さい値になる。このため、Y信号とC信号との重なりが大きいほど、輝度相関判定回路111で算出される差分は大きくなる。したがって、当該差分が所定値よりも大きい値の場合には、減算器110で分離されたY信号を使用することが望ましい。
【0044】
一方、上述のように、小さい色差の水平ラインが続くような場合には、相関関係が有ると判定されてしまう場合がある。この場合、2ラインコムフィルタ分離方法や3ラインコムフィルタ分離方法を使用して分離されたC信号は、正確ではない。このため、演算器110で分離されたY信号も、不正確な値になる。その一方で、色変化が小さい部分では、Y信号の周波数とC信号の周波数との重なりは生じ難い(図8(A)参照)。このため、トラップフィルタ106で分離されたY信号は、実際のY信号に近い値となる。また、色差が小さい場合は、C信号の値も小さく、したがって、輝度相関判定回路111で算出される差分も小さい。したがって、当該差分が所定値よりも小さい値の場合には、トラップフィルタ106で分離されたY信号を使用することが望ましい。
【0045】
以上のような理由から、輝度の変化エッジが検出されないときに、輝度相関判定回路111で算出された差分の大きさに応じてY信号を使用することとすれば、常に実際の値に近いY信号を得ることができる。
【0046】
第2実施形態
次に、第2実施形態に係るYC分離回路について、図3〜図5を用いて説明する。
【0047】
図3は、本実施形態に係るYC分離回路300の構成を概略的に示すブロック図である。図3において、図1と同じ符号を付した構成要素は、それぞれ図1と同じものを示している。
【0048】
トラップフィルタ301は、外部から入力されたコンポジット信号から、Y信号に相当する周波数成分Y1を抽出する。また、トラップフィルタ302は、ラインメモリ101が出力したコンポジット信号から、Y信号に相当する周波数成分Y0を抽出する。トラップフィルタ303は、ラインメモリ102が出力したコンポジット信号から、Y信号に相当する周波数成分Y2を抽出する。
【0049】
エッジ検出回路304は、信号Y0〜Y2を用い、各水平ラインについて、輝度レベルの変化エッジを検出する。そして、水平ラインL0〜L2のすべてに変化エッジが検出された場合、変化エッジが検出されたことを示す信号を出力する。エッジ検出回路304の内部構造は、図4を用いて後述される。
【0050】
色・輝度相関判定回路305は、バンドパスフィルタ103〜105で抽出されたC信号の相関関係と、トラップフィルタ301〜303で抽出されたY信号の相関関係とを判定する。色・輝度相関判定回路305は、加算器305a,305bと、減算器305c,305dと、判定回路305eとを備えている。加算器305aは、バンドパスフィルタ103,104から出力されたC信号を加算する。加算器305bは、バンドパスフィルタ104,105から出力されたC信号を加算する。減算器305cは、トラップフィルタ301,302から出力されたY信号を減算する。減算器305dは、バンドパスフィルタ302,303から出力されたY信号を減算する。判定回路305eは、演算器305a〜305dの演算結果およびエッジ検出回路304の検出結果を用いて、C信号の分離方法を選択する。選択結果は、YC分離フィルタ回路109に送られる。判定回路305eの判定方法の詳細については、後述する。
【0051】
図4は、エッジ検出回路304の内部構成を示すブロック図である。図4において、図2と同じ符号を付した構成要素は、それぞれ図2の場合と同じものである。図4から解るように、本実施形態のエッジ検出回路304は、第1実施形態と同様の回路を3個並列に設けることによって構成されている。そして、ANDゲート212,212,212の論理和が、ORゲート401から出力される。これにより、ORゲート401からは、すべてのY信号Y0,Y1,Y2から変化エッジが検出された場合にのみ、変化エッジの検出を示す信号が出力される。
【0052】
次に、本実施形態のYC分離回路300の動作を説明する。
【0053】
まず、各水平ラインのコンポジット信号が、外部から順次入力される。ラインメモリ101は、これらのコンポジット信号を順次入力し、水平ライン1本分に相当する時間だけ遅延させて出力する。さらに、ラインメモリ102は、ラインメモリ101から順次コンポジット信号を入力し、水平ライン1本分に相当する時間だけ遅延させて出力する。
【0054】
これにより、バンドパスフィルタ103〜105には、連続する3本の水平ラインに対応するコンポジット信号が並列に入力される。バンドパスフィルタ103〜105は、これらのコンポジット信号からC信号C0,C1,C2を分離する。分離されたC信号C0,C1,C2は、色・輝度相関判定回路305に送られる。
【0055】
同様に、トラップフィルタ301〜303には、連続する3本の水平ラインに対応するコンポジット信号が並列に入力される。トラップフィルタ301〜303は、これらのコンポジット信号からY信号Y0,Y1,Y2を分離する。分離されたY信号Y0,Y1,Y2は、エッジ検出回路304および色・輝度相関判定回路305に送られる。
【0056】
エッジ検出回路304は、信号Y0,Y1,Y2の変化エッジを検出する。そして、信号Y0,Y1,Y2の1種類以上に輝度変化が検出されたときは、変化エッジが検出されたと判断する。変化エッジの検出信号は、色・輝度相関判定回路305および輝度相関判定回路111に送られる。
【0057】
色・輝度相関判定回路305の加算器305aは、C信号C0,C1の和を演算する。上述のように、連続する2本の水平ラインではC信号は位相が半波長ずれており(図9参照)、したがって、これらの信号C0,C1に相関関係がある場合には演算結果が零になる。しかし、これらのC信号C0,C1にY信号成分が混入している場合には相関関係があっても演算結果は完全な零にはならない。したがって、演算結果が所定値よりも小さい場合には、信号C0,C1に相関関係があると判断する。同様にして、加算器305bは、C信号C0,C2の和を演算することにより、相関関係の有無を判断する。信号C0,C1に相関関係があり且つ信号C0,C2に相関関係が有る場合は、3個の信号C0,C1,C2に相関関係があると判断される。
【0058】
また、色・輝度相関判定回路305の減算器305cは、Y信号Y0,Y1の差を演算する。上述のように、連続する2本の水平ライン間でY信号の位相はずれていないので、Y信号Y0,Y1に相関関係がある場合には演算結果は零になる。上述のC信号の場合と同様、演算結果が所定値よりも小さい場合に相関関係があると判断してもよい。同様にして、減算器305dは、Y信号Y0,Y2の差を演算する。信号Y0,Y1に相関関係があり且つ信号Y0,Y2に相関関係が有る場合は、3個の信号Y0,Y1,Y2に相関関係があると判断される。
【0059】
本実施形態の色・輝度相関判定回路305は、信号C0,C1,C2に相関関係があり且つ信号Y0,Y1,Y2に相関関係がある場合にのみ、連続する3本の水平ラインに相関関係が有ると判断する。また、信号C0,C1に相関関係があり且つ信号Y0,Y1に相関関係がある場合にのみ、YC分離される水平ラインと直後の水平ラインとに相関関係が有ると判断する。さらに、信号C0,C2に相関関係があり且つ信号Y0,Y2に相関関係がある場合にのみ、YC分離される水平ラインと直前の水平ラインとに相関関係が有ると判断する。他の場合は、水平ライン間に相関関係が無いと判断される。
【0060】
色・輝度相関判定回路305の判定回路305eは、この判定結果およびエッジ検出回路304の検出結果を用い、以下のようにしてYC分離方法を選択する。
【0061】
まず、変化エッジが検出されなかった場合、判定回路305eは、水平ラインL0,L1,L2に相関関係があれば3ラインコムフィルタ分離方法を選択し、水平ラインL0,L1にのみ相関関係があれば信号C0,C1を用いた2ラインコムフィルタ分離方法を選択し、水平ラインL0,L2にのみ相関関係があれば信号C0,C2を用いた2ラインコムフィルタ分離方法を選択する。さらに、水平ラインL0,L1,L2の相関関係が存在しない場合には、3ラインコムフィルタ分離方法を選択する。相関関係が全く存在しない場合に3ラインコムフィルタ分離方法を使用することとした理由は、第1実施形態の場合と同様である。但し、このよう場合に必ずトラップフィルタの出力がY信号として採用されるように、YC分離回路300を構成してもよい。
【0062】
一方、変化エッジが検出された場合、相関判定の結果が前の画素から変化していれば3ラインコムフィルタ分離方法を選択し、相関判定の結果が前の画素と同じであれば前の画素と同じ分離方法を選択する。相関判定の結果が変化した場合に3ラインコムフィルタ分離方法を使用することとした理由は、第1実施形態と同様である。但し、このよう場合に相関関係の判定をやり直すこととしてもよい。
【0063】
YC分離フィルタ回路109は、色・輝度相関判定回路305の選択した分離方法を用いて、C信号の分離を行う。すなわち、信号C0,C1を用いた2ラインコムフィルタ分離方法が選択された場合、YC分離フィルタ回路109は、信号C0,C1の差を2で割ることにより、C信号を分離する。また、信号C0,C2を用いた2ラインコムフィルタ分離方法が選択された場合、YC分離フィルタ回路109は、信号C0,C2の差を2で割ることにより、C信号を分離する。さらに、3ラインコムフィルタ分離方法が選択された場合、YC分離フィルタ回路109は、「信号C0,C1の差を2で割った値」と「信号C0,C2の差を2で割った値」との平均値を演算することにより、C信号を分離する。このようにして分離されたC信号は、外部に出力されるとともに、減算器110に送られる。
【0064】
減算器110は、上述のように、YC分離フィルタ回路109が出力したC信号をコンポジット信号から差し引くことにより、Y信号を分離する。このY信号は、セレクタ112および輝度相関判定回路111に送られる。
【0065】
輝度相関判定回路111は、上述したように、エッジ検出回路304がエッジを検出しなかった場合、この差分の値に応じてY信号を選択する。すなわち、輝度相関判定回路111は、当該差分が所定値よりも大きければ減算器110を選択し、当該所定値よりも小さければトラップフィルタを選択する。一方、エッジ検出回路304がエッジを検出した場合、減算器110が選択される。選択結果は、セレクタ112に送られる。そして、セレクタ112が、この選択結果に応じたY信号を出力する。
【0066】
本実施形態のYC分離回路300では、連続する3本の水平ラインL0,L1,L2のすべてについて変化エッジが検出されたときにのみ、輝度変化エッジが存在すると判断する。これにより、輝度境界線の傾きθが小さい場合には変化エッジが存在すると判断され易くなり、当該傾きθが大きい場合には変化エッジが存在すると判断され難くなる。図5(A)、(B)は、輝度境界線の傾きθと変化エッジの検出結果との関係を説明する概念図である。同図において、符号a,b,cは、図4の各ANDゲート212の出力電位であり、符号dは図4のORゲート401の出力電位である。図5(A)に示したように、傾きθが小さいとき、各水平ラインL0〜L2の変化エッジ検出期間が重複し難くなる。これに対して、図5(B)に示したように、傾きθが大きいとき、各水平ラインL0〜L2の変化エッジ検出期間が重複し易くなる。したがって、傾きθが小さい場合には減算器110の出力が選択される割合が大きくなり、傾きθが大きい場合にはトラップフィルタの出力が選択される割合が大きくなる。このため、本実施形態によれば、YC分離の精度を高めることができる。
【0067】
加えて、本実施形態のYC分離回路300では、C信号C0,C1,C2のみならずY信号Y0,Y1,Y2についても相関関係を判定することとした。これにより、本実施形態によれば、YC分離の精度を高めることができる。
【0068】
第3実施形態
次に、第3実施形態に係るYC分離回路について、図6および図7を用いて説明する。
【0069】
図6は、本実施形態に係るYC分離回路600の構成を概略的に示すブロック図である。図6において、図3と同じ符号を付した構成要素は、それぞれ図3と同じものを示している。
【0070】
本実施形態に係るYC分離回路600は、重み付け平均化回路610を備えている点で、第2実施形態に係るYC分離回路300と異なる。
【0071】
図7は、重み付け平均化回路610の内部構成を概略的に示すブロック図である。図7に示したように、乗算器711〜717,721〜728と、加算器731〜737と、判定回路740と、除算器750とを備えている。
【0072】
ここで、乗算器711,721は入力信号を1倍し、乗算器712,722は入力信号を2倍し、乗算器713,723は入力信号を3倍し、乗算器714,724は入力信号を4倍し、乗算器715,725は入力信号を5倍し、乗算器716,726は入力信号を6倍し、乗算器717,727は入力信号を7倍し、乗算器728は入力信号を8倍する。
【0073】
また、加算器731は、乗算器717,721の出力値を加算し、加算器732は、乗算器716,722の出力値を加算し、加算器733は、乗算器715,723の出力値を加算し、加算器734は、乗算器714,724の出力値を加算し、加算器735は、乗算器713,725の出力値を加算し、加算器736は、乗算器712,726の出力値を加算し、加算器737は、乗算器711,727の出力値を加算する。
【0074】
判定回路740は、輝度相関判定回路111から入力された差分の値に応じて、加算器731〜737および乗算器728の演算結果からいずれかを選択する。この判定は、例えば、7個の比較値V0,V1,・・・,V6(V0<V1<・・・<V6)を当該差分と順に比較することによって、行うことができる。すなわち、差分ΔVがV0よりも小さければ乗算器728を選択し、V0≦ΔV<V1であれば加算器737を選択するというように、上記演算結果の選択を行えばよい。
【0075】
除算器750は、判定回路740が選択した演算結果を8で除算して出力する。
【0076】
このような構成によれば、2種類の入力Y信号を1:7、2:6、3:5、4:4、5:3、6:2、7:1、8:0に重み付け平均した信号のいずれかを、出力することができる。
【0077】
本実施形態に係るYC分離回路600の動作は、上述の第2実施形態に係るYC分離回路300の動作と概ね同一である。但し、輝度相関判定回路111は、エッジ検出回路304が変化エッジを検出せず且つ差分の演算結果が所定値(ここでは第1所定値と称す)よりも小さい場合に、トラップフィルタではなく、重み付け平均化回路610を選択する。そして、重み付け平均化回路610は、この差分が第2所定値V0(第1所定値>第2所定値)よりも小さいときは、乗算器728の出力を選択する。さらに、重み付け平均化回路610は、差分が第2所定値V0より大きい場合には、他の比較値V1〜V6との比較結果に応じて重み付けの比率を決定する。これにより、2種類のY信号の比率は、0:8、1:7、2:6、3:5、4:4、5:3、6:2、7:1、8:0のいずれかとなる。
【0078】
このように、本実施形態に係るYC分離回路600によれば、、差分の大きさに応じて、減算器110で分離されたY信号とトラップフィルタ302で分離されたY信号とを重み付けすることができる。このため、輝度が大きく変化する境界部分で輝度成分が急に切り換わることが無く、したがって、滑らかな輝度の切換を行うことができる。
【0079】
なお、本実施形態では重み付けの種類を9種類としたが、8種類以下或いは10種類以上でもよいことはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】第1実施形態に係るYC分離回路の全体構成を概略的に示すブロック図である。
【図2】第1実施形態に係るエッジ検出回路の内部構成を概略的に示すブロックである。
【図3】第2実施形態に係るYC分離回路の全体構成を概略的に示すブロック図である。
【図4】第2実施形態に係るエッジ検出回路の内部構成を概略的に示すブロックである。
【図5】第2実施形態に係るYC分離回路の動作を説明するための概念図である。
【図6】第3実施形態に係るYC分離回路の全体構成を概略的に示すブロック図である。
【図7】第3実施形態に係る重み付け平均化回路の内部構成を概略的に示すブロックである。
【図8】YC分離の原理を説明するための概念図である。
【図9】YC分離の原理を説明するための概念図である。
【符号の説明】
【0081】
100 YC分離回路
101,102 ラインメモリ
103,104,105 バンドパスフィルタ
106,301,302,303 トラップフィルタ
107,304 エッジ検出回路
108 色相関判定回路
109 YC分離フィルタ回路
110 減算器
111 輝度相関判定回路
112 セレクタ
305 色・輝度相関判定回路
610 重み付け平均化回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2ラインコムフィルタまたは3ラインコムフィルタを用いてコンポジット信号から色信号を分離する色信号分離回路と、
該色信号分離回路で分離された色信号を前記コンポジット信号から減算することによって輝度信号を分離する第1輝度信号分離回路と、
周波数フィルタを用いて前記コンポジット信号から輝度信号を分離する第2輝度信号分離回路と、
前記第1、第2輝度信号分離回路から入力した各輝度信号の差分を算出する輝度相関判定回路と、
前記差分が第1所定値よりも大きい場合は前記第1輝度信号分離回路で分離された輝度信号を選択的に出力し且つ該差分が第2所定値(第1所定値≧第2所定値)よりも小さい場合は前記第2輝度信号分離回路で分離された輝度信号を選択的に出力する選択回路と、
を備えることを特徴とするYC分離回路。
【請求項2】
前記色信号分離回路が、
連続する第1、第2、第3水平ラインに対応する前記コンポジット信号から色信号を抽出する3個のバンドパスフィルタと、
前記第2水平ラインの色信号が前記第1または第3水平ラインの一方のみの色信号と相関する場合には第1値を出力し且つ他の場合には第2値を出力する色相関判定回路と、
前記第2輝度信号分離回路から入力した輝度信号の変化エッジを検出するエッジ検出回路と、
前記変化エッジが検出されず且つ前記色相関判定回路の出力が前記第1値の場合は2ラインコムフィルタ分離方法を用い、前記変化エッジが検出されず且つ前記色相関判定回路の出力が前記第2値の場合は3ラインコムフィルタ分離方法を用い、前記変化エッジが検出され且つ前記色相関判定回路の出力値が変化した場合は前記3ラインコムフィルタ分離方法を用い、前記変化エッジが検出され且つ前記色相関判定回路の出力値が変化しない場合は直前の画素と同じ色信号分離方法を用いて、前記第2水平ラインから色信号を分離するYC分離フィルタ回路と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載のYC分離回路。
【請求項3】
前記第2輝度信号分離回路が、
連続する第1、第2、第3水平ラインに対応する前記コンポジット信号から輝度信号をそれぞれ抽出する3個の前記周波数フィルタを有し、且つ、
前記色信号分離回路が、
前記第1、第2、第3水平ラインに対応する前記コンポジット信号から色信号を抽出する3個のバンドパスフィルタと、
前記第2水平ラインの色信号および輝度信号が前記第1または第3水平ラインの一方のみの色信号および輝度信号と相関する場合には第1値を出力し、他の場合には第2値を出力する色・輝度相関判定回路と、
前記第2輝度信号分離回路から入力した各輝度信号の変化エッジ検出を行って、すべての輝度信号から変化エッジが検出されたときにエッジ検出信号をオンするエッジ検出回路と、
前記エッジ検出信号がオフし且つ前記色・輝度相関判定回路の出力が前記第1値の場合は2ラインコムフィルタ分離方法を用い、前記エッジ検出信号がオフし且つ前記色・輝度相関判定回路の出力が前記第2値の場合は3ラインコムフィルタ分離方法を用い、前記エッジ検出信号がオンしたときは直前の画素と同じ色信号分離方法を用いて、前記第2水平ラインから色信号を分離するYC分離フィルタ回路とを有する、
ことを特徴とする請求項1に記載のYC分離回路。
【請求項4】
前記差分が前記第1所定値よりも小さく且つ前記第2所定値よりも大きい場合に、前記第1、第2輝度信号分離回路で分離された輝度信号を当該差分の大きさに応じて加重平均してなる輝度信号演算値が、前記選択回路から出力されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のYC分離回路。
【請求項5】
前記第1〜第3水平ラインのいずれかについて前記変化エッジが検出されたときは、前記差分の大小に拘わらず、前記第1輝度信号分離回路で分離された輝度信号が前記選択回路から出力されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のYC分離回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−25098(P2006−25098A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−200503(P2004−200503)
【出願日】平成16年7月7日(2004.7.7)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【出願人】(503357654)株式会社沖ネットワークエルエスアイ (61)
【Fターム(参考)】