説明

ZnO系半導体素子

【課題】積層側の主面がC面を有するMgZnO基板上に平坦なZnO系半導体層を成長させることができるZnO系半導体素子を提供する。
【解決手段】主面がC面を有するMgxZn1−xO(0≦x<1)基板を用い、前記主面の法線を基板結晶軸のm軸c軸平面に射影した射影軸がc軸となす角Φmを、0<Φm≦3となるように形成した主面上に、ZnO系半導体層2〜5がエピタキシャル成長されている。そして、ZnO系半導体層5上にはp電極8が、MgxZn1−xO基板1の下側にはn電極9が形成されている。このようにして、MgxZn1−xO基板1の表面に、m軸方向に並ぶ規則的なステップを形成することで、ステップバンチングと呼ばれる現象を防ぎ、基板1上に積層される半導体層の膜の平坦性を向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ZnOやMgZnO等のZnO系半導体を用いたZnO系半導体素子に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、GaN、AlGaN、InGaN、InGaAlN、GaPNなどの窒素を含む窒化物半導体よりも多機能性に優れた材料としてZnO系半導体が注目されている。
【0003】
ZnO系半導体は、ワイドギャップ半導体の1つであり、励起子結合エネルギーが格段に大きく、室温でも安定して存在でき、単色性に優れた光子の放出が可能であること等から、照明やバックライト等の光源として用いられる紫外LED、高速電子デバイス、表面弾性波デバイス等で実用化が行われている。
【0004】
しかし、ZnO系半導体は、酸素空孔や格子間亜鉛原子による欠陥等が生じることが知られており、この結晶欠陥より、結晶中に寄与しない電子が発生してしまうので、ZnO系半導体は、通常n型を示すことになり、p型とするには残留する電子の濃度を低減することが必要となるため、ZnO系半導体層により半導体素子を構成するには、アクセプタードーピングが困難で、再現性良くp型ZnOを形成することが困難であった。
【0005】
しかし、近年、再現性良くp型ZnOを得ることができ、発光も確認されるようになってきており、その技術が開示されている。例えば、非特許文献1に示されるようにp型ZnOを得ることができるが、ZnO系半導体を用いた半導体素子を得るためには、成長用の基板としてScAlMgO(SCAM)基板を用い、SCAM基板のC面上に−C面ZnOが成長するようにしている。−C面とはO(酸素)極性面とも呼ばれ、ZnO結晶が有しているウルツァイトという結晶構造では、c軸方向に対称性がなく、c軸には+cと−cの2つの独立した方向があり、+cではZnが結晶の最上面に位置するためにZn極性と、−cではOが結晶の最上面に位置するためにO極性とも言われる。
【0006】
この−C面ZnOが成長するのは、ZnO結晶成長用基板として広く用いられているサファイア基板でも同様である。−C面ZnO系半導体の結晶成長では、発明者らによる非特許文献2にも示されているように、p型ドーパントである窒素のドーピング効率は成長温度に強く依存し、窒素ドーピングを行うためには基板温度を下げる必要があるが、基板温度を下げると結晶性が低下し、アクセプタを補償するキャリア補償センターが形成されて、窒素が活性化しないので、p型ZnO系半導体層の形成そのものが非常に難しくなる。
【0007】
そこで、非特許文献1に示されるように、窒素ドーピング効率の温度依存性を利用し、400℃と1000℃との間の成長温度を行き来する温度変調により高キャリア濃度のp型ZnO系半導体層を形成する方法もあるが、絶え間ない加熱と冷却によって膨張・収縮を繰り返すために製造装置への負担が大きく、製造装置が大がかりになり、メンテナンス周期が短くなるといった問題があった。さらに、加熱源としてレーザを使用するため、大きい面積の加熱には不向きで、デバイス製造コストを下げるための多数枚成長も行いにくい。
【0008】
これを解決する手段として、+C面ZnO系半導体層を成長させて高キャリア濃度のp型ZnO系半導体を形成することを我々は既に提案している(特許文献1参照)。該特許公報は、+C面ZnOであれば、窒素ドーピングの基板温度依存性がないという我々の発見に基づいている。これは、サファイア基板のC面に下地層である+C面GaN膜を成長させて+c軸配向とし、この+c軸配向GaN膜上に極性を引き継がせて+c軸配向のZnO系半導体層を形成することで、窒素ドープの非成長温度依存性を見出した。このため、基板温度を下げることなく窒素ドープができ、その結果、キャリア補償センターの形成を防ぎ、高キャリア濃度のp型ZnO系半導体を製造することができるものである。
【特許文献1】特開平2004−304166号公報
【非特許文献1】Nature Material vol.4 (2005) p.42
【非特許文献2】Journal of Crystal Growth 237−239 (2002)503
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、上記従来技術のように、成長用基板の+C面GaNを用いて+c軸配向のZnO系半導体層を形成することによって、高キャリア濃度のp型ZnO系半導体を形成することができるのであるが、この方法は、+C面GaNの表面の酸化を抑えることが特徴となっているので、酸化物であるZnOでは再現確保が難しい。一方、成長用基板として+C面ZnO基板を使うことができるが、+C面ZnO基板は−C面ZnO基板よりも熱的に不安定で平坦面が失われやすく、この上に結晶成長を行うと、ステップバンチングと呼ばれる現象が発生し、平坦部分の幅が一様ではなく、まちまちの面になりやすい。
【0010】
図23(a)は成長用基板の−C面を、図23(b)は成長用基板の+C面を大気中1000℃でアニール処理した後、表面をAFM(原子間力顕微鏡)用い、5μm四方の視野でスキャンした像である。図23(a)の結晶は綺麗な表面になっているのに対して、図23(b)はステップバンチングが生じるとともに、このステップ幅やステップエッジが乱れており、表面状態が悪い。例えば、図23(b)の表面上にZnO系化合物のエピタキシャル成長を行えば、図24に示すような凹凸が散在する膜となってしまい、平坦性が極端に悪くなる。
【0011】
このように、成長用基板の+C面上では、平坦な膜を成長させることが困難であり、最終的に素子の量子効果の低減やスイッチング速度にも影響を与えるという問題があった。
【0012】
本発明は、上述した課題を解決するために創案されたものであり、積層側の主面がC面を有するMgZnO基板上に平坦なZnO系半導体層を成長させることができるZnO系半導体素子を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、主面がC面を有するMgZn1−xO(0≦x<1)基板において、前記主面の法線を基板結晶軸のm軸c軸平面に射影した射影軸がc軸とΦ度の角度を形成し、前記Φは0<Φ≦3の条件を満たすものであって、前記主面にZnO系半導体層を形成したことを特徴とするZnO系半導体素子である。
【0014】
また、請求項2記載の発明は前記Φについて、前記0<Φ≦3の条件を0.1≦Φ≦1.5の条件にしたことを特徴とする請求項1記載のZnO系半導体素子である。
【0015】
また、請求項3記載の発明は、前記C面は+C面で構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載のZnO系半導体素子である。
【0016】
また、請求項4記載の発明は、前記主面の法線を基板結晶軸のa軸c軸平面に射影した射影軸がc軸とΦ度の角度を形成し、前記Φ
70≦{90−(180/π)arctan(tan(πΦ/180)/tan(Φ/180))≦110
の条件を満たしていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のZnO系半導体素子である。
【発明の効果】
【0017】
本発明のZnO系半導体素子によれば、MgZn1−xO(0≦x<1)基板の主面の法線を基板結晶軸のm軸c軸平面に射影した射影軸がc軸とΦ度の角度を形成し、そのΦの角度を0<Φ≦3の範囲とすることにより、MgZn1−xO基板の積層側表面に、m軸方向に並ぶ規則的なステップを形成することができるので、ステップバンチングと呼ばれる現象を防ぎ、MgZn1−xO基板上に積層される各ZnO系半導体層の膜の平坦性を向上させることができる。
【0018】
また、MgZn1−xO基板の主面の法線を基板結晶軸のa軸c軸平面に射影した射影軸がc軸とΦ度の角度を形成する場合には、そのΦを70≦{90−(180/π)arctan(tan(πΦ/180)/tan(Φ/180))≦110の範囲にすることにより、MgZnO基板の成長面のステップがm軸方向に並ぶ形とすることができるので、主面上に成長させたZnO系半導体の膜の平坦性を良くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。図1は本発明によるZnO系半導体素子の断面構造を示す。
【0020】
図1は、本発明のZnO系半導体素子の一実施形態である発光ダイオード(LED)の断面構造を示し、+C面(0001)を有する主面の法線がc軸から傾斜した面を基板主面とするMgZn1−xO(0≦x<1、好ましくは0≦x≦0.5、以下同じ)基板1上に、ZnO系半導体層2〜5がエピタキシャル成長されている。ここで、2はn型層、3は活性層、4はp型層、5はp型コンタクト層を表わす。そして、p型コンタクト層5上にはp電極8が、MgZn1−xO基板1の下側にはn電極9が形成されている。ZnO系半導体層は、ZnO又はZnOを含む化合物から構成されるものであり、したがって、上記ZnO系半導体素子は、電極8、9を除いて、すべてZnO又はZnOを含む化合物により構成される。
【0021】
ところで、上記MgZn1−xO等のZnO系化合物における結晶構造の概念図を図2に示す。ZnO系化合物は、GaNと同様、ウルツァイトと呼ばれる六方晶構造を有する。C面やa軸という表現は、いわゆるミラー指数により表すことができ、例えば、C面は(0001)面と表される。図2において斜線を付した面がA面(11−20)であり、M面(10−10)は六方晶構造の柱面を示す。例えば{11−20}面や{10−10}面は、結晶のもつ対称性により、(11−20)面や(10−10)面と等価な面も含む総称であることを示している。また、a軸はA面の垂直方向を、m軸はM面の垂直方向を、c軸はC面の垂直方向を示す。
【0022】
結晶成長の基板となるMgZn1−xO基板1は、x=0のZnOでもよいし、Mgが混晶されたMgZnO基板でもよい。Mgが50wt%を超えると、MgOはNaCl型結晶であるため、六方晶系のZnO系化合物と整合しにくく相分離を起こしやすいので好ましくない。
【0023】
また、MgZn1−xO基板1は、図3に示されるように、+C面を有する基板主面の法線がc軸から傾斜しており、少なくともc軸からm軸方向に傾斜させた法線を持つ基板主面となるように研磨されている。図3は、基板主面の法線Zが、基板結晶軸のc軸から角度Φ傾斜し、かつ法線Zを基板結晶軸のc軸m軸a軸の直交座標系におけるc軸m軸平面に射影(投影)した射影(投影)軸がm軸の方へ角度Φ、c軸a軸平面に射影した射影軸がa軸の方へ角度Φ傾斜している場合を示す。
【0024】
図3のように、基板主面法線Zが傾斜している状態を、さらにわかりやすく、c軸m軸a軸の直交座標系と法線Zとの関係について表わしたものが、図4(a)である。図3とは基板主面法線Zの傾斜する方向が変わっているだけであり、Φ、Φ、Φの意味するところは図3と同じであり、基板主面法線Zをc軸m軸a軸の直交座標系におけるc軸m軸平面に射影した射影軸A、c軸a軸平面に射影した射影軸Bが表わされている。
【0025】
ここで、基板主面の法線をc軸からm軸方向に傾斜させている理由について説明する。図5(a)に示されるのは、+C面を有する基板主面の法線Zがa軸方向にも、m軸方向にも傾斜しておらず、+c軸と一致する場合の模式図である。基板1の主面の鉛直方向となる法線Zが+c軸方向と一致している場合であり、各a軸、m軸、c軸は直交している。
【0026】
しかし、バルク結晶は、その結晶がもつ劈開面を使用しないかぎり、図5(a)のようにウエハ主面の法線方向がc軸方向と一致することがなく、C面ジャスト基板にこだわると生産性も悪くなる。現実には、ウエハ主面の法線Zはc軸から傾き、オフ角を有する。例えば、図5(b)に示されるように、主面の法線Zがc軸m軸平面内に存在し、かつ法線Zがc軸からm軸方向にのみθ度傾斜しているとすると、基板1の表面部分(例えばT1領域)の拡大図である図5(c)に表されるように、平坦な面であるテラス面1aと、法線Zが傾斜したことにより生じる段差部分に等間隔で規則性のあるステップ面1bとが生じる。
【0027】
ここで、テラス面1aがC面(0001)となり、ステップ面1bはM面(10−10)に相当する。図のように、形成された各ステップ面1bは、m軸方向にテラス面1aの幅を保ちながら、規則的に並ぶことになる。すなわち、テラス面1aと垂直なc軸と基板主面の法線Zとはθ度のオフ角を形成する。
【0028】
図5(c)の状態は、図4で言えば、θ=90度の場合に相当する。なお、図4のステップエッジは、ステップ面1bによる段差部分をa軸m軸平面に投影したものである。このように、ステップ面をM面相当面となるようにすれば、主面上に結晶成長させたZnO系半導体層においては平坦な膜とすることができる。主面上にはステップ面1bによって段差部分が発生するが、この段差部分に飛来した原子は、テラス面1aとステップ面1bの2面との結合になるので、テラス面1aに飛来した場合よりも原子は強く結合ができ、飛来原子を安定的にトラップすることができる。
【0029】
表面拡散過程で飛来原子がテラス内を拡散するが、結合力の強い段差部分や、この段差部分で形成されるキンク位置(図20参照)にトラップされて結晶に組み込まれることによって結晶成長が進む沿面成長により安定的な成長が行われる。このように、基板主面法線が少なくともm軸方向に傾斜した基板上に、ZnO系半導体層を積層させると、ZnO系半導体層はこのステップ面1bを中心に結晶成長が起こり、平坦な膜を形成することができる。
【0030】
ところで、図5(b)で傾斜角度θを大きくしすぎると、ステップ面1bの段差が大きくなりすぎて、平坦に結晶成長しなくなる。図9、10は、m軸方向への傾斜角度によって、成長膜の平坦性が変わることを示すものである。図9は、上記傾斜角度θを1.5度として、このオフ角を有するMgZn1−xO基板の主面上にZnO系半導体を成長させたものである。一方、図10は、オフ角θを3.5度として、このオフ角を有するMgZn1−xO基板の主面上にZnO系半導体を成長させたものである。図9、10ともに、結晶成長後に、AFMを用いて、1μm四方の視野でスキャンした画像である。具体的にはZnO基板上にアンドープZnO膜を形成して、アンドープZnO膜表面をスキャンした。
【0031】
図9の方は、ステップの幅が揃った状態で、綺麗な膜が生成されているが、図10の方は、凹凸が散在しており、平坦性が失われている。以上のことより、オフ角θについては、0度を越える範囲で、かつ3度以下(0<θ≦3)するのが望ましい。したがって、図4の傾斜角Φについても同様のことが言えるので、0度を越える範囲で、かつ3度以下(0<Φ≦3)が好ましい。
【0032】
次に、上記オフ角θを、さらに、細かく設定して、上記同様、ZnO基板上にアンドープZnO膜を形成して、アンドープZnO膜表面をAFMで観察したものが、図11〜図13である。図11はZnO基板主面のオフ角θが0.1度の場合、図12はZnO基板主面のオフ角θが0.5度の場合、図13はZnO基板主面のオフ角θが1.5度の場合を示す。図11〜図13ともに、ZnO基板上にアンドープZnO膜を基板温度870℃で結晶成長させ、AFMでアンドープZnO膜表面を撮影したものであり、(a)は20μm四方の視野で、(b)は1μmの視野で撮影した画像を表わす。
【0033】
これらの画像より、オフ角θが0.1度〜1.5度の範囲では、アンドープZnO膜表面はステップの幅が揃った状態で、平坦な膜が形成されている。ただ、図11に示すように、オフ角θが0.1度程度になると、ステップ幅が綺麗にならず、乱れつつある。これは、アンドープZnO膜の1分子層ステップが保てなくなりつつあるためと考えられる。
【0034】
次に、図11〜図13で調べたアンドープZnO膜について、フォトルミネッセンス(PL)測定を行った結果のスペクトル分布を図14に示す。PL測定は、絶対温度12K(ケルビン)、回折格子の刻線本数は2400本/mmで行った。図14の横軸は発光エネルギー(単位:eV)を、縦軸はPL強度を示し、PL測定のときに通常用いられる任意単位(対数スケール)で表す。また、図14(b)は、図14(a)のスペクトル分布の発光エネルギー3.35eV〜3.40eVまでの範囲を拡大した図を示す。図14(a)、(b)に示されるX1はオフ角θが0.1度の場合、X2はオフ角θが0.5度の場合、X3はオフ角θが1.5度の場合を示している。また、Sはオフ角θが0.5度で、ZnO基板上に形成されるアンドープZnO膜の成長温度が800℃の場合を示す。図14からわかるように、オフ角θが0.1度〜1.5度の範囲では、オフ角の角度の違いによる効果の相違は見られない。
【0035】
図15は、図11〜図13及び図14で用いた同様のアンドープZnO膜について、ZnO基板主面法線のオフ角θが0.1度、0.5度、1.5度の角度毎に室温でPL測定を行い図14のようなスペクトル分布を算出し、そのスペクトルの発光波長340nm〜440nmまでを積分した積分値を求めて表示した。また、スペクトル分布には、バンド端発光と深い準位発光とが現われるが、そのときのバンド端発光ピークと深い準位発光ピークの比を求めて図15に表示した。図15の横軸は、オフ角θを表わし、左側縦軸は室温におけるPL積分強度(Integrated intensity at RT)を表わす任意単位であり、右側縦軸はバンド端発光ピークと深い準位発光ピークの比(Band/Deep peak int ratio)を表わす。
【0036】
また、黒丸で示されるY2はオフ角θが0.1度、0.5度、1.5度の各角度におけるアンドープZnO膜のPL積分強度を、白三角(▽)で示されるY1は各角度におけるバンド端発光ピークと深い準位発光ピークの比を表す。この図からもわかるようにオフ角θが0.1度の場合は、PL積分強度もバンド端発光ピークと深い準位発光ピークの比もやや低くなっているが、その他のオフ角については特に効果の相違が見られるものではない。
【0037】
したがって、オフ角θについて、さらに望ましくは、0.1度≦θ≦1.5度とするのが良い。よって、図4の傾斜角Φについても同様のことが言えるので、さらに望ましくは、0.1度≦Φ≦1.5度が良い。
【0038】
以上のように、主面の法線Zがc軸m軸平面内に存在し、かつ法線Zがc軸からm軸方向にのみ傾斜させ、その傾斜角度を前述のような範囲にすることが望ましいのであるが、より実際的には、m軸方向のみ傾斜させて切り出す場合に限定することは困難で、生産技術としては、a軸への傾きも許容し、その許容度を設定することが必要となる。例えば、図4に示されるように、基板主面の法線Zが、基板結晶軸のc軸から角度Φ傾斜し、かつ法線Zを基板結晶軸のc軸m軸a軸の直交座標系におけるc軸m軸平面に射影した射影軸がm軸の方へ角度Φ、c軸a軸平面に射影した射影軸がa軸の方へ角度Φ傾斜するように主面を作製するようにしても良い。ただし、この場合、ステップ面のステップエッジとm軸方向とのなす角θについては、一定の範囲内にする必要があることが、発明者らにより実験的に確認された。
【0039】
m軸方向にステップエッジが規則的に並んでいる状態になることが、平坦な膜を作製する上で必要なことであり、ステップエッジの間隔やステップエッジのラインが乱れると、前述した沿面成長が行われなくなるので、平坦な膜が作製できなくなる。
【0040】
図4のように、基板主面の法線Zがm軸方向及びa軸方向に傾斜している主面は、図6(a)のように表される。座標軸の設定等は、図5と同じである。図6(a)のように基板結晶軸であるc軸m軸a軸の直交座標系のa軸m軸平面に基板主面法線Zを投影した投影軸の方向をL方向として表す。基板1の表面部分(例えばT2領域)の拡大図を図6(b)に示す。平坦な面であるテラス面1cと、傾斜させることにより生じる段差部分にステップ面1dが生じる。ここで、テラス面がC面(0001)となるが、図5の場合とは異なり、図6(a)より、法線Zはテラス面と垂直なc軸から角度Φ傾斜していることになる。
【0041】
基板主面の法線方向は、m軸方向だけでなく、a軸方向にも傾斜しているために、ステップ面が斜めに出て、ステップ面は、L方向に並ぶことになる。この状態は、図4に示されるようにL方向へのステップエッジ配列となって現われるが、M面が熱的、化学的に安定面であるため、a軸方向の傾斜角度Φによっては、斜めステップが綺麗には保たれず、ステップ面1dに凹凸ができ、ステップエッジの配列に乱れが生じて、主面上に平坦な膜を形成できなくなり、図6(b)のようになる。
【0042】
上記M面が熱的、化学的に安定であるということは、発明者らが見出したものであるが、その根拠となるデータを図16〜図19に示す。図16は、MgZn1−xO基板表面をAFMを用い、5μm四方の範囲でスキャンした画像であり、図17〜図19は、1μm四方の範囲でスキャンした画像である。なお、MgZn1−xO基板としてはZnO基板を用いた。
【0043】
図16(a)は、MgZn1−xO基板の露出したA面を大気中1100℃で2時間アニール処理した後、図16(b)は、MgZn1−xO基板の露出したM面を大気中1100℃で2時間アニール処理した後の状態を示す。図16(b)では、綺麗な表面になっているのに対して、図16(a)では、ステップバンチングが生じるとともに、このステップ幅やステップエッジが乱れており、表面状態が悪い。このことから、M面が熱的に安定な面であるとわかる。
【0044】
一方、図17(a)には、MgZn1−xO基板における主面のc軸がa軸方向及びm軸方向に傾き、M面が綺麗に現われない図6(b)のような表面状態を示す。この表面を5%濃度の塩酸で30秒間エッチングを行った後の状態を図17(b)に示す。塩酸によるエッチングにより、図17(b)に表された六角形の領域で示すように、M面以外の面が除去されて、M面が特に現われてくることがわかる。また、図18(a)は、図17(a)とはa軸方向への傾斜角度が異なるMgZn1−xO基板表面を表し、この表面を5%濃度の塩酸で30秒間エッチングを行った後の状態を図18(b)に示す。図13(b)に表された六角形の領域で示すように、M面以外の面が除去されて、M面が特に現われてくることがわかる。
【0045】
他方、図19(a)は、MgZn1−xO基板における主面の法線Zがm軸方向のみに傾斜した表面、図5(b)、(c)のような表面状態を示す。M面のステップエッジがm軸と垂直になって配列されていることが示されており、この表面を5%濃度の塩酸で30秒間エッチングを行った後の状態を図19(b)に示す。図19(b)から、エッチングした後でも、表面状態にほとんど変化がないことがわかる。以上の図17〜図19までのデータから、M面は化学的に安定な面であることが理解できる。
【0046】
上記のように、主面の法線Zが、少なくともc軸からm軸方向に傾斜角度(オフ角)を有し、a軸方向にも一定のオフ角を有する場合のMgZn1−xO基板の表面を表すのが、図7である。MgZn1−xO基板の表面をAFMにより撮影した。図7(a)は、MgZn1−xO基板の主面における法線Zがc軸からm軸方向のみに傾斜しており、a軸方向への傾斜がない状態を示す。図7(b)〜(d)については、m軸方向の傾斜に加えて、a軸方向への傾斜を有している場合を示し、そのa軸方向への傾斜角度が段々と大きくなっていった場合の表面状態を示す。
【0047】
図7(a)は、m軸方向にのみ0.3度傾斜させた表面状態を表しているが、非常に綺麗な表面状態を示しており、ステップエッジが、規則的に並んで現われている。例えば、図7(a)のMgZn1−xO基板上にZnO系半導体層をエピタキシャル成長させた例を図8に示す。図8(a)は、エピタキシャル成長後の表面をAFMを用い、3μm四方の範囲でスキャンした像であり、図8(b)は1μm四方の範囲でスキャンした像である。表面状態は、非常に綺麗であり、凹凸の散在は見られない。
【0048】
しかし、a軸方向のオフ角が混じってくると、ステップエッジに凹凸が現われ、ステップ幅も乱れてくるので、これが膜形成に悪影響を及ぼす。
【0049】
図21に、成長面(主面)におけるC面が、m軸方向のオフ角に加えて、a軸方向のオフ角を有する場合に、ステップエッジやステップ幅がどのように変化するかを示す。図4で説明したm軸方向のオフ角Φを0.4度に固定して、a軸方向のオフ角Φを大きくなるように変化させて比較した。これは、MgZn1−xO基板の切り出し面を変えることにより実現させた。MgZn1−xO基板の切り出し面を変える場合には、結晶ブールの位置をXRD(X線回折装置)で方位を指定すると精度良くカットできる。
【0050】
a軸方向のオフ角Φを大きくなるように変化させると、ステップエッジとm軸方向のなす角θも大きくなる方向に変化するので、図16には、θの角度を記載した。図21(a)は、θ=85度の場合であるが、ステップエッジもステップ幅も乱れていない。図21(b)は、θ=78度の場合であるが、やや乱れがあるものの、ステップエッジやステップ幅を確認することができる。図21(c)は、θ=65度の場合であるが、乱れが酷くなっており、ステップエッジやステップ幅を確認することができない。図21(c)の表面状態の上にZnO系半導体層をエピタキシャル成長させれば、図24のような膜が形成されてしまう。この図21(c)の場合は、a軸方向への傾きΦに換算すると0.15度に相当する。以上のデータにより、70度≦θ≦90度の範囲が望ましいことがわかる。
【0051】
ところで、θについては、主面の法線Zがa軸方向にΦ度傾斜している場合だけでなく、図4(a)において−a軸方向に傾斜している場合も対称性により等価なので考慮する必要がある。この傾斜角度を−Φとし、ステップ面による段差部分をa軸m軸平面に投影すると、図4(c)のように表される。ここで、m軸とステップエッジとのなす角θの条件についても、上記70度≦θ≦90度が成立する。θ=180度−θの関係が成立するので、θの最大値としては、180度−70度=110度となり、最終的に70度≦θ≦110度の範囲が、平坦な膜を成長させることができる条件となる。
【0052】
平坦な膜を作製する上で、MgZn1−xO基板上の成長面におけるc軸のa軸方向への傾きは、70度≦θ≦90度を満足する範囲とすることが、望ましいことがわかった。次に、角度の単位をラジアン(rad)として、図4に基づき、θをΦ、Φを用いて表すと以下のようになる。図4より、角度αは
α=arctan(tanΦ/tanΦ) と表され、
θ=(π/2)−α=(π/2)−arctan(tanΦ/tanΦ)となる。
ここで、θをラジアンから度(deg)に変換すると
θ=90−(180/π)arctan(tanΦ/tanΦ)となるので、
70≦{90−(180/π)arctan(tanΦ/tanΦ)}≦110 と表せる。ここで、良く知られているように、tanは、正接(tangent)を表し、arctanは逆正接(arctangent)を表す。なお、θ=90度の場合が、a軸方向への傾きがなく、m軸方向にのみ傾いている場合である。また、Φ、Φの角度の単位をラジアンでなく、Φ度、Φ度とした場合には、上記不等式は、次のように表わされる。
70≦{90−(180/π)arctan(tan(πΦ/180)/tan(πΦ/180))}≦110
【0053】
以上説明したように、MgZn1−xO基板1の積層側の表面の傾斜を作製して、図1に示すZnO系半導体素子を製造する方法を次に述べる。
【0054】
まず、MgZn1−xO基板1については、例えば水熱合成法で作られたZnOのインゴットを、前述のように、主面の法線方向が基板結晶軸のc軸から少なくともm軸方向に傾斜するように、またa軸方向のオフ角を有する場合はオフ角が一定の範囲になるように、すなわち、図4のΦが0度を越えて3度以下の範囲で、かつ、a軸方向に傾斜をつける場合には、図4のθが70度以上で110度以下の範囲となるように切り出して、CMP(chemical mechanical polish)研磨することによりウエハを作る。
【0055】
なお、基板1のMgの混晶比率が0でも、その上に成長するZnO系半導体の結晶性には殆ど影響ないが、発光させる光の波長(活性層の組成)よりバンドギャップの大きい材料にすることにより、発光した光が基板1により吸収されないため好ましい。
【0056】
そして、ZnO系化合物の成長には、RFプラズマで酸素ガスの反応活性を上げた酸素ラジカルを作り出すラジカル源を備えたMBE装置を用いる。同じラジカル源をp型ZnOのドーパントである窒素のために用意する。Zn源、Mg源、Ga源(n型ドーパント)は、それぞれ純度6N(99.9999%)以上の金属Zn、金属Mgなどを使用して、クヌーセンセル(蒸発源)から供給する。MBEチャンバの周りには液体窒素が流れるシュラウドを用意し、壁面がセルや基板ヒータからの熱放射で暖まらないようにしておく。そうすることにより、チャンバ内を1×10−9Torr程度の高真空に保つことができる。
【0057】
このようなMBE装置内に、CMP研磨された前述のZnOからなるウエハ(基板1)を導入後、700℃〜900℃程度でサーマルクリーニングをした後、基板温度を800℃程度に変化させ、ZnO系半導体層2〜5を順次成長する。
【0058】
ここで、p型ZnO系半導体5は、例えば10〜30nm程度の膜厚のp型ZnOコンタクト層5で構成されている。活性層周辺部は、活性層3をそれよりバンドギャップの大きいMgZn1−yO(0≦y≦0.35、例えばy=0.25)からなるn型層2およびp型層4とでサンドイッチするダブルへテロ構造に形成されている。活性層3は、図示されていないが、例えば下層側からn型MgZn1−zO(0≦z≦0.35、例えばz=0.2)からなり、0〜15nm程度の厚さのn型ガイド層と、6〜15nm程度厚のMg0.1Zn0.9O層および1〜3nm程度厚のZnO層を交互に6周期積層した積層部と、p型Mg0.1Zn0.9Oからなり、0〜15nm程度の厚さのp型ガイド層との積層構造に形成された多重量子井戸(MQW)構造に形成され、例えば365nm程度の波長の光を発光するように形成されている。しかし、発光層形成部6の構造は、この例に限定されるものではなく、例えば活性層3が単一量子井戸(SQW)構造でも、バルク構造でもよく、また、ダブルへテロ接合構造ではなくて、シングルへテロ接合のpn構造でもよい。さらに、n型層2やp型層4も障壁層とコンタクト層との積層構造にしたり、また、ヘテロ接合の層間に勾配層を設けたり、さらには基板側に反射層を形成したりすることもできる。
【0059】
そして、基板1の裏面を研磨して基板1の厚さを100μm程度にした後に、その裏面に蒸着法やスパッタ等により、Ti、Alを積層して600℃、1分程度のシンターすることによりオーミック性を確保したn電極9を形成し、さらに、p型コンタクト層5の表面にリフトオフ法により、蒸着法やスパッタ等によりNi/Auの積層構造でp電極8を形成し、ダイシングなどウエハからチップ化することにより、図1に示される構造の発光素子チップが形成されている。なお、n側電極9は、基板1の裏面に形成しないで、積層された半導体積層部7の一部をエッチングして露出するn型層2の表面に形成することもできる。なお、これらは、簡単な構造例で示したもので、この積層構造に限定されるものではない。
【0060】
前述の例は、LEDの例であったが、レーザダイオード(LD)でも、同様に、成長用基板としてのMgZn1−xO基板の成長面側におけるC面の角度を上述した範囲内で傾斜させておくことで、その上に積層される各ZnO系半導体層については、平坦性を維持することができ、量子効果の高い半導体レーザを作製することができる。
【0061】
図22は、上述したように図4のΦが0度を越えて3度以下の範囲で、かつ、a軸方向に傾斜をつける場合には、図4のθが70度以上で110度以下の範囲となるように形成されたZnO基板21の主面上に、ZnO系半導体層が成長されることにより、トランジスタを構成した断面構造図である。この例では、アンドープのZnO層23を4μm程度、n型MgZnO系電子走行層24を10nm程度、アンドープのMgZnO系層25を5nm程度、順次成長し、ゲート長とする1.5μm程度の幅を残してアンドープのMgZnO系層25をエッチング除去して電子走行層24を露出させる。そして、エッチングにより露出した電子走行層24上にソース電極26とドレイン電極27を、例えばTi膜とAl膜とで形成し、アンドープのMgZnO系層25の表面に、例えばPt膜とAu膜との積層によりゲート電極28を形成することにより、トランジスタを構成している。
【0062】
上記のように構成された素子では、ZnO基板1上に形成される各半導体層において、膜の平坦性が向上しているので、高スイッチング速度のトランジスタ(HEMT)が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明のZnO系半導体素子における断面構造の一例を示す図である。
【図2】ZnO系化合物の結晶構造の模式図である。
【図3】基板主面法線と基板結晶軸であるc軸、m軸、a軸との関係を示す図である。
【図4】MgZn1−xO基板主面法線の傾斜状態及びステップエッジとm軸との関係示す図である。
【図5】基板主面法線がm軸方向にのみオフ角を有する場合のMgZn1−xO基板表面を示す図である。
【図6】基板主面法線がm軸方向及びa軸方向にオフ角を有する場合のMgZn1−xO基板表面を示す図である。
【図7】基板主面法線のm軸方向及びa軸方向に対するオフ角によりMgZn1−xO基板表面状態が変化する様子を示す図である。
【図8】基板主面法線がm軸方向にオフ角を有するMgZn1−xO基板上に成膜した表面を示す図である。
【図9】基板主面法線がm軸方向にオフ角を有するMgZn1−xO基板上に成膜した表面を示す図である。
【図10】基板主面法線がm軸方向にオフ角を有するMgZn1−xO基板上に成膜した表面を示す図である。
【図11】基板主面法線がm軸方向にオフ角0.1度有する場合のMgZn1−xO基板上に成膜した表面を示す図である。
【図12】基板主面法線がm軸方向にオフ角0.5度有する場合のMgZn1−xO基板上に成膜した表面を示す図である。
【図13】基板主面法線がm軸方向にオフ角1.5度有する場合のMgZn1−xO基板上に成膜した表面を示す図である。
【図14】基板主面法線とm軸との間のオフ角毎におけるZnO膜のPLスペクトル分布を示す図である。
【図15】基板主面法線とm軸との間のオフ角毎におけるZnO膜のPL積分強度及びバンド端発光ピーク/深い準位発光ピークとの関係を示す図である。
【図16】A面とM面との比較により、M面の熱的安定性を示す図である。
【図17】M面の化学的安定性を示す図である。
【図18】M面の化学的安定性を示す図である。
【図19】M面の化学的安定性を示す図である。
【図20】結晶成長過程におけるウエハ上のキンク位置を示す図である。
【図21】基板主面法線のa軸方向のオフ角が異なるMgZn1−xO基板表面状態を示す図である。
【図22】本発明により形成したトランジスタの断面構造の一例を示す図である。
【図23】成長用基板の−C面上と+C面上に成膜した場合の各表面を示す図である。
【図24】図23(b)の表面にさらに半導体層を積層した表面を示す図である。
【符号の説明】
【0064】
1 MgZnO基板
2 n型層
3 活性層
4 p型層
5 p型コンタクト層
8 p電極
9 n電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主面がC面を有するMgZn1−xO(0≦x<1)基板において、前記主面の法線を基板結晶軸のm軸c軸平面に射影した射影軸がc軸とΦ度の角度を形成し、前記Φ
0<Φ≦3の条件を満たすものであって、前記主面にZnO系半導体層を形成したことを特徴とするZnO系半導体素子。
【請求項2】
前記Φについて、前記0<Φ≦3の条件を0.1≦Φ≦1.5の条件にしたことを特徴とする請求項1記載のZnO系半導体素子。
【請求項3】
前記C面は+C面で構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載のZnO系半導体素子。
【請求項4】
前記主面の法線を基板結晶軸のa軸c軸平面に射影した射影軸がc軸とΦ度の角度を形成し、前記Φ
70≦{90−(180/π)arctan(tan(πΦ/180)/tan(Φ/180))≦110
の条件を満たしていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のZnO系半導体素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図14】
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【図15】
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【図20】
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【図22】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図21】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2009−130133(P2009−130133A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−303542(P2007−303542)
【出願日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【出願人】(000116024)ローム株式会社 (3,539)
【出願人】(504157024)国立大学法人東北大学 (2,297)
【Fターム(参考)】