説明

[4[4−(5−アミノメチル−2−フルオロ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−(1H−ピロロ−ピリジン−イル)−メタノン類及びその合成

本明細書において本発明は、炎症性疾患の処置及び寛解のための化合物及び組成物に関する。詳細には、本発明は、トリプターゼ阻害活性を有する化合物及びその中間体、このような化合物を含む医薬組成物、並びにトリプターゼの阻害剤の投与により寛解され得る状態疾患又は障害(限定されないが、例えば喘息、及び加齢性黄斑変性を含む他の炎症性疾患)に罹患している被験体を処置する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
トリプターゼ阻害活性を有する新規で有用な化合物及びその中間体、このような化合物を含む医薬組成物、並びにトリプターゼの阻害剤の投与により寛解させることができる状態、疾患又は障害(例えば、喘息及び他の炎症性疾患が含まれるがこれらに限定されない)に罹患した被験体を処置する方法が本明細書において提供される。
【化1】

【背景技術】
【0002】
発明の背景
マスト細胞媒介炎症性状態、特に喘息は、増大しつつある公衆衛生上の懸念である。喘息はしばしば、免疫特異性(irnmunospecific)アレルゲン及び一般的な化学的又は物理的刺激の両方に対する気管及び気管支の反応性亢進の進行性の発生を特徴とし、これらは慢性炎症の開始をもたらす。IgE受容体を含む白血球、特にマスト細胞及び好塩基球は、気管支の上皮及び下にある平滑筋に存在する。これらの白血球は、特定の吸入された抗原のIgE受容体への結合により最初に活性化されて、次いで多数の化学伝達物質を放出する。例えば、マスト細胞の脱顆粒は、プロテオグリカン、ペルオキシダーゼ、アリールスルファターゼB、キマーゼ、及びトリプターゼの放出をもたらし、これが細気管支収縮を生じる。
【0003】
トリプターゼはマスト細胞の分泌顆粒に貯蔵され、そしてヒトマスト細胞の主要な分泌プロテアーゼである。トリプターゼは様々な生物学的プロセスに関与しており、これらとしては、血管拡張及び気管支弛緩(bronchorelaxing)神経ペプチドの分解(非特許文献1;非特許文献2;及び非特許文献3)並びにヒスタミンに対する気管支の反応性の調節(非特許文献4)が挙げられる。
【0004】
結果としてトリプターゼ阻害剤は、抗炎症剤として(非特許文献5)、特に慢性喘息の処置において(非特許文献6)有用であり得、そしてまた、アレルギー性鼻炎(非特許文献7)、炎症性腸疾患(非特許文献8)、乾癬(非特許文献9)、結膜炎(非特許文献10)、アトピー性皮膚炎(非特許文献11)、関節リウマチ(非特許文献12)、変形性関節症(非特許文献13)、痛風関節炎、リウマチ性脊椎炎、及び関節軟骨破壊の疾患の処置又は予防においても有用であり得る。さらに、トリプターゼは、線維芽細胞の強力なマイトジェン(rnitogen)であることが示されており、喘息及び間質性肺疾患における肺線維症へのその関与が示唆された(非特許文献14)。従って、トリプターゼ阻害剤は、線維性状態、例えば、線維症、強皮症(sceleroderma)、肺線維症、肝硬変、心筋線維症、神経線維腫及び過形成性瘢痕の処置又は予防において有用であり得る(非特許文献15)。
【0005】
さらに、トリプターゼ阻害剤は、心筋梗塞、脳卒中、アンギナ及び他の動脈硬化プラークの破綻の結果の処置又は予防において有用であり得る(非特許文献16)。
【0006】
トリプターゼはまた、プロストロメリシン(prostromelysin)を活性化することも発見されており、これが今度はコラゲナーゼを活性化し、それによりそれぞれ軟骨及び歯周結合組織の破壊を開始させる。
【0007】
従って、トリプターゼ阻害剤は、関節炎、歯周病、糖尿病性網膜症、及び腫瘍成長の処置又は予防にいて有用であり得る(非特許文献17)。また、トリプターゼ阻害剤は、アナフィラキシー(非特許文献18)、多発性硬化症(非特許文献19)、消化性潰瘍及び合胞体ウイルス感染の処置において有用であり得る。
【0008】
特許文献1は、トリプターゼ阻害剤として[(ベンジルアミン)−ピペリジン−1−イル](アリール又はヘテロアリール)メタノンを含む化合物を開示し、そして血管拡張性及び気管支弛緩神経ペプチドの分解(非特許文献20;非特許文献21;及び非特許文献22)及びヒスタミンに対する気管支の反応性の調節(非特許文献23)を含む様々な生物学的プロセスに関与するトリプターゼに起因する、このような化合物についての可能性のある用途を記載する。
【0009】
特許文献1は、式Aの化合物、それらの製造、及びトリプターゼの阻害により調節することができる疾患状態を処置するための使用を開示する。
【化2】

【0010】
特許文献1はまた、式AのR1がアリール基でもヘテロアリール基でもよいと開示する。特許文献1において例示されるヘテロアリール基は、アルキルピリジル、アルキルチエニル、及びインドイル(indoyl)である。しかし、式AのR1がピロロ−ピリジン−イル置換基であってもよいという教示も黙示もない。本明細書では本発明者らは、X置換基の1つが窒素(N)であり、それ故ピロロ−ピリジン−イル化合物を生じる、トリプターゼに対して予期せぬ活性を有する式1の化合物を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第6,977,263号
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】Caughey,et al.,J.Pharmacol.Exp.Ther.,1988,244,pages 133−137
【非特許文献2】Franconi,et al.,J.Pharmacol.Exp.Ther.,1988,248,pages 947−951
【非特許文献3】Tam,et al.,Am.J.Respir.Cell Mol.Biol.,1990,3,pages 27−32
【非特許文献4】Sekizawa,et al.,J.Clin.Invest.,1989,83,pages 175−179
【非特許文献5】K Rice,P.A.Sprengler,Current Opinion in Drug Discovery and Development,1999,2(5),pages 463−474
【非特許文献6】M.Q.Zhang,H.Timrnerman,Mediators Inflarnm.,1997,112,pages 311−317
【非特許文献7】S.J.Wilson et al,Clin.Exp.Allergy,1998,28,pages 220−227
【非特許文献8】S.C.Bischoff et al,Histopathology,1996,28,pages 1−13
【非特許文献9】A.Naukkarinen et al,Arch.Dermatol.Res.,1993,285,pages 341−346
【非特許文献10】A.A.Irani et al,J.Allergy Clin.Immunol.,1990,86,pages 34−40
【非特許文献11】A.Jarvikallio et al,Br.J.Dermatol.,1997,136,pages 871−877
【非特許文献12】L.C Tetlow et al,Ann.Rheum.Dis.,1998,54,pages 549−555
【非特許文献13】M.G.Buckley et al,J.Pathol.,1998,186,pages 67−74
【非特許文献14】Ruoss et al.,J.Clin.Invest.,1991,88,pages 493−499
【非特許文献15】J.A.Cairns and A.F.Walls,J.Clin.Invest.,1997,99,pages 1313−1321
【非特許文献16】M.Jeziorska et al,J.Pathol.,1997,182,pages 115−122
【非特許文献17】W.J.Beil et al,Exp.Hematol.,1998 26,pages 158−169
【非特許文献18】L.B.Schwarz et al,J.Clin.Invest.,1995,96,pages 2702−2710
【非特許文献19】M.Steinhoff et al,Nat.Med.(N.Y.),2000,6(2),pages 151−158
【非特許文献20】Caughey,et al.,J.Pharmacol.Exp.Ther.,1988,244,pages 133,137
【非特許文献21】Franconi,et al.,J.Pharmacol.Exp.Ther.,1988,248,pages 947−951
【非特許文献22】Tam,et al.,Am.J.Respir.Cell Mol.Biol.,1990,3,pages 27−32
【非特許文献23】Sekizawa,et al.,J.Clin.Invest.,1989,83,pages 175−179
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
従って、必要とされるものは、トリプターゼを阻害するその能力において、特に価値ある医薬特性を有する新規で有用な化合物である。このような化合物は、トリプターゼの阻害剤の投与により寛解され得る状態、例えばマスト細胞媒介炎症性状態、炎症並びに血管拡張性及び気管支弛緩神経ペプチドの分解に関連する疾患又は障害に罹患した患者の処置における有用性を容易に有するはずである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明はさらに、患者において黄斑変性を処置又は寛解するための方法に関する。
【0015】
黄斑変性は、黄斑と呼ばれる網膜の一部が変質する障害の一般的な用語である。加齢性黄斑変性(AMD)は黄斑変性の最もよくある型である。米国において、AMDは55歳より高齢の人々における失明の主な原因であることが報告されている。米国における1千万人より多くの人々がこの疾患に罹患しており、これには90歳を超える人々の23%が含まれる。(www.webmd.com/eye−health/macular−degeneration/macular−degeneration−overview)。
【0016】
患者が苦しめられる様々な型の黄斑変性がある。黄斑変性の1つの型は「萎縮型(dry)黄斑変性である。萎縮型黄斑変性は、斑上に色素が沈着する、障害の初期段階である。この色素の沈着は、加齢又は斑組織の菲薄化から生じ得る。色素のこの沈着の結果として、中心視野の喪失が徐々に起こる。何度もAMDは萎縮型黄斑変性から始まる。
【0017】
別の型のAMDは「滲出型」黄斑変性である。滲出型黄斑変性は、血管が網膜下で異常に成長して漏出し始める、血管新生型の変性である。この漏出の結果として、網膜の感光性細胞に永続的な損傷が発生し、これがこれらの細胞の死、そしてそれ故最終的に盲点を生じる。視力喪失が小規模であり得る萎縮型黄斑変性と異なり、滲出型黄斑変性で起こる視力喪失は重篤になり得る。実際、AMDを有する人のうち滲出型黄斑変性に罹患するのは10%だけであるが、重大な視力喪失を患うAMDを有する人のうち66%はその喪失が滲出型黄斑変性に直接起因すると考えられ得る。
【0018】
黄斑変性の原因は未知であるので、障害の原因の決定には限られた成功しかない。さらに、黄斑変性の処置は、限られた(limited limited)成功しか達成していない。今まで萎縮型黄斑変性のためのFDAに認可された処置はなく、そして栄養療法が滲出型黄斑変性の進行を防ぐために使用される。
【0019】
さらに、本発明の方法において、黄斑変性に罹患した患者への化合物の投与は、患者において免疫細胞の活性を調節する。多数の型の免疫細胞の活性が本発明の方法において調節され得る。このような免疫細胞の例としては、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)、ナチュラルキラーT細胞(NKT細胞)、マスト細胞、樹状細胞、並びに好酸球、好塩基球及び好中球からなる群より選択される顆粒球が挙げられる。当然ながら、これらの細胞の組み合わせの活性も本発明の方法において調節され得る。
【0020】
さらに、本発明の方法はまた、脈絡膜新生血管を処置又は寛解するために使用され得、これが今度は患者における滲出型黄斑変性も処置又は寛解する。
【0021】
従って、本発明は、AMDの寛解を必要とする患者を式Iの化合物で処置する方法に関する。
【0022】
発明の要旨
本発明は、アミノメチル−2−フルオロ−フェニル−ピペリジン−1−イル]−(1H−ピロロ−ピリジン−イル)−メタノン類(式Iの化合物)
【化3】

上記化合物の合成及び又は上記化合物のプロドラッグ、薬学的に許容しうる塩若しくは溶媒和物、それを必要とする患者を処置する方法に関する。さらに、本発明は、薬学的に有効な量の式Iの化合物、及び薬学的に許容しうる担体を含む医薬組成物に関する。さらに、本発明は、トリプターゼを含む組成物中に本化合物を導入することを含む、トリプターゼの阻害剤としての式Iの化合物の使用に関する。さらに、本発明は、トリプターゼの阻害剤の寛解を必要とする生理学的状態に罹患しているか又はその状態ににかかりやすい患者を処置するための式Iの化合物の使用に関し、該使用は、該患者に治療有効量の請求項1に記載の化合物を投与することを含む。本発明はまた、式Iの化合物の製造に関する。
【0023】
詳細な説明
定義
上で使用され、そして本明細書及び添付の特許請求の範囲の全体を通して使用される以下の用語は、別の指示がなければ、以下の意味を有すると理解されるものとする:
本明細書で使用される用語「本発明の化合物」及び同等の表現は、本明細書で上に記載したとおりの式Iの化合物を包含することを意図され、この表現は、プロドラッグ、薬学的に許容しうる塩及び溶媒和物、例えば水和物を含む。同様に、それら自体が特許請求されているか否かにかかわらず、中間体への言及は、状況がそれを容認する場合、塩及び溶媒和物を包含することを意図される。明確さのために、状況がそれを容認する場合の特定の例が文章中に示されることがあるが、これらの例は単に説明に役立つだけのものであり、それらは状況がそれを容認する場合の他の例を排除することを意図されない。
本明細書で使用される用語「処置」又は「処置すること」は、予防的治療も確立された状態の処置も含む。
【0024】
「患者」はヒト又は他の哺乳動物を意味する。
【0025】
「有効量」は、所望の治療効果を生じる際に有効な化合物の量を記載する。
「プロドラッグ」は、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などがなく、患者への投与に適しており、かつインビボで代謝的手段により(例えば加水分解により)本発明の化合物に変換可能な化合物を意味する。プロドラッグの徹底的な考察は、T.Higuchi and V.Stella,Pro−drugs as Novel Delivery Systems,Vol.14 of the A.C.S.Symposium Series、及びEdward B.Roche,ed.,Bioreversible Carriers in Drug Desiml,American Pharmaceutical Association and Pergamon Press,1987(これらの両方とも参照により本明細書に加入される)に提供される。
【0026】
特定の実施態様
さらに、本発明は、治療有効量の式Iの化合物を患者に投与することにより寛解され得る生理学的状態に罹患している患者を処置するための、式Iの化合物の使用に関する。本発明の化合物で処置され得る生理学的状態の特定の実施態様としては、決して限定されないが、炎症性疾患、例えば関節の炎症、関節炎、関節リウマチ、リウマチ性脊椎炎、痛風関節炎、外傷性関節炎、風疹性関節炎、乾癬性関節炎、及び他の慢性炎症性関節疾患が挙げられる。本発明により処置され得る生理学的状態の他の実施態様としては、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、COPD増悪、関節軟骨破壊、眼の結膜炎、春季結膜炎、炎症性腸疾患、喘息、アレルギー性鼻炎、間質性肺疾患、線維症、強皮症(sceleroderma)、肺線維症、急性黄斑変性(degneration)、黄斑変性、滲出型黄斑変性、肝硬変、心筋線維症、神経線維腫、過形成性瘢痕、種々の皮膚科学的状態、例えばアトピー性皮膚炎及び乾癬、心筋梗塞、脳卒中、アンギナ及び他の動脈硬化プラークの破綻の結果、さらには歯周病、糖尿病性網膜症、腫瘍成長、アナフィラキシー、多発性硬化症、消化性潰瘍、及び合胞体ウイルス感染のような生理学的状態が挙げられる。
【0027】
特定の実施態様において、本発明は、喘息に罹患した患者を処置するための式Iの化合物の使用に関し、該使用は、患者に生理学的有効量の該化合物を投与することを含む。
【0028】
別の特定の実施態様において、本発明は、COPDに罹患した患者を処置するための式Iの化合物の使用に関し、該使用は、患者に生理学的有効量の該化合物を投与することを含む。
【0029】
別の特定の実施態様において、本発明は、COPD増悪に罹患した患者を処置するための式Iの化合物の使用に関し、該使用は、患者に生理学的有効量の該化合物を投与することを含む。
【0030】
別の特定の実施態様において、本発明は、アレルギー性鼻炎に罹患した患者を処置するための式Iの化合物の使用に関し、該使用は、患者に生理学的有効量の該化合物を投与することを含む。
【0031】
別の特定の実施態様において、本発明は、関節の炎症に罹患した患者を処置するための式Iの化合物の使用に関し、該使用は、患者に生理学的有効量の該化合物を投与することを含む。
【0032】
別の特定の実施態様において、本発明は、黄斑変性に罹患した患者を処置するための式Iの化合物の使用に関し、該使用は、患者に生理学的有効量の該化合物を投与することを含む。
【0033】
別の特定の実施態様において、本発明は、滲出型黄斑変性に罹患した患者を処置するための式Iの化合物の使用に関し、該使用は、患者に生理学的有効量の該化合物を投与することを含む。
【0034】
別の特定の実施態様において、本発明は、急性黄斑変性に罹患した患者を処置するための式Iの化合物の使用に関し、該使用は、患者に生理学的有効量の該化合物を投与することを含む。
【0035】
さらに、本発明は、式Iの化合物;ベータアドレナリン作動性(andrenergic)アゴニスト、抗コリン作用薬、抗炎症性副腎皮質ステロイド、及び抗炎症剤からなる群より選択される第二の化合物;並びにそれらの薬学的に許容しうる担体を含む医薬組成物に及ぶ。このような組成物において、式Iの化合物及び第二の化合物は、治療的に有効な活性、すなわち、相加効果又は相乗効果を生じるような量で存在する。このような医薬組成物で処置され得る特定の炎症性疾患又は障害としては、限定されないが、喘息が挙げられる。
【0036】
さらに、本発明は、炎症性障害に罹患した患者を処置するための方法に関し、該方法は、患者に式Iの化合物、並びにベータアドレナリン作動性(andrenergic)アゴニスト、抗コリン作用薬、抗炎症性副腎皮質ステロイド、及び抗炎症剤からなる群より選択される第二の化合物を投与することを含む。このような方法において、式Iの化合物及び第二の化合物は、治療的に有効な活性、すなわち、相加効果又は相乗効果を生じるような量で存在する。本発明のこのような方法において、本発明の化合物は、第二の化合物の前に患者に投与されてもよく、第二の化合物は本発明の化合物の前に患者に投与されてもよく、又は本発明の化合物及び第二の化合物を同時に投与してもよい。本方法に従う適用を有するアドレナリン作動性(andrenergic)アゴニスト、抗コリン作用薬、抗炎症性、及び抗炎症剤の特定の例は以下に記載される。
【0037】
医薬組成物
上で説明したように、本発明の化合物は有用な薬理活性を示し、従って、医薬組成物中に組み込まれて特定の医学的障害に罹患している患者の処置において使用され得る。従って本発明は、さらなる局面によれば、本発明の化合物、及びその薬学的に許容しうる担体を含む医薬組成物を提供する。本明細書で使用される用語「薬学的に許容しうる」は、好ましくは、政府、特に連邦政府若しくは州政府の規制当局により認可されることを意味するか、又は米国薬局方若しくは動物における使用、及びより詳細にはヒトにおける使用に関して別の一般的に認識される薬局方に記載されることを意味する。適切な医薬担体は、E.W.Martinによる「Remington's Pharmaceutical
Sciences」に記載される。本発明に従う医薬組成物は、慣行の方法にしたがって、1つ又はそれ以上の薬学的に許容しうるアジュバント又は添加剤を使用して製造され得る。アジュバントは、とりわけ、希釈剤、フィラー、結合剤、崩壊剤、流動促進剤、滑沢剤、界面活性剤、滅菌水媒体及び様々な非毒性有機溶媒を含む。組成物は、錠剤、カプセル剤、丸剤、徐放性製剤、顆粒剤、散剤、水性液剤又は懸濁剤、注射液剤、エリキシル剤又はシロップ剤の形態で存在していてもよく、そして薬学的に許容しうる製剤を得るために甘味料、矯味矯臭剤、着色剤、又は安定剤を含む群から選択される1つ又はそれ以上の薬剤を含有し得る。ビヒクルの選択、及びビヒクル中の活性物質の含有量は、一般的に活性化合物の溶解度及び化学的特性、特定の投与様式、並びに薬務において見られる規定にしたがって決定される。例えば、ラクトース、微結晶性セルロース、アルファ化デンプン、未修飾デンプン、ケイ化微結晶性セルロース、マンニトール(rnannitol)、ソルビトール、キシリトール、デキストレート(dextrates)、フルクトース、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、リン酸二カルシウム二水和物、リン酸二カルシウム無水物、硫酸カルシウムのような添加剤は、ポリビニルピロリドン(polyvinylpyrollidone)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルファ化デンプン、デンプン、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリカルボフィル、ゼラチン及びアカシアのような結合剤、並びにクロスカンネロース(croscannellose)ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスポビドン、デンプン、微結晶性セルロース、アルギン酸及び特定の複雑ケイ酸塩(complex silicates)のような崩壊剤と共に、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、硬化植物油、鉱油、ポリエチレングリコール、脂肪酸のグリセリルエステル、ラウリル硫酸ナトリウムのような滑沢剤、及び二酸化ケイ素、タルク、デンプンのような流動促進剤と組み合わせて、ラウリル硫酸ナトリウム、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポロキサマー、ポリオキシエチレンエーテル、ナトリウムドキュセート、ポリエトキシル化ひまし油、及び塩化ベンザルコニウムのようないくつかの適切な湿潤剤と共に、錠剤を製造するために使用され得る。カプセル剤を製造するために、ラクトース、微結晶性セルロース、アルファ化デンプン、未修飾デンプン、ケイ化微結晶性セルロースのようなフィラーを単独で、又は2つ若しくはそれ以上のフィラーの混合物を、上記のような結合剤を用いて及び用いずに、上に列挙した適切な湿潤剤、崩壊剤、流動促進剤、滑沢剤などと共に使用することは有利である。水性懸濁液が使用される場合、それらは乳化剤又は懸濁を促進する薬剤を含有し得る。
【0038】
スクロース、エタノール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール及びクロロホルムのような希釈剤又はそれらの混合物も使用され得る。このような薬学的に許容しうる担体はまた、滅菌水及び油であり得、これらとしては、石油、動物、植物又は合成起源のもの、例えば落花生油、大豆油、鉱油、ゴマ油などが挙げられる。医薬組成物が静脈内投与される場合、水は好ましい担体である。食塩水及びデキストロース水溶液及びグリセロール水溶液も液体担体として、特に注射液剤に使用され得る。適切な医薬添加物としては、マンニトール、ヒト血清アルブミン(HSA)、デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、麦芽、コメ、小麦粉、胡粉(chalk)、シリカゲル、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、グリセロールモノステアラート、タルク、塩化ナトリウム、乾燥脱脂乳、グリセロール、プロピレン、グリコール、水、エタノールなどが挙げられる。これらの組成物は、液剤、懸濁剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、徐放性製剤などの形態をとり得る。
【0039】
当然ながら、本発明の医薬組成物は、患者への適切な投与のための形態を提供するように、適切な量の担体とともに治療有効量の活性化合物を含む。静脈内注射は非常に有効な投与形態であるが、以下で考察される注射、又は経口、鼻腔若しくは非経口投与によるもののような他の様式が使用され得る。
【0040】
処置方法
式Iの化合物は、文献に記載される試験及び本明細書以後に記載される試験によればトリプターゼ阻害活性を有し、そしてその試験結果は、ヒト及び他の哺乳動物における薬理活性と相関すると考えられる。従って、さらなる実施態様において、本発明は、トリプターゼの阻害剤の投与により寛解され得る状態に罹患しているか又はその状態にかかりやすい患者を処置するための、式I又はそれを含む組成物の使用に関する。例えば、式Iの化合物は、炎症性疾患、例えば関節炎、関節リウマチ、及び他の関節炎状態、例えばリウマチ性脊椎炎、痛風性関節炎、外傷性関節炎、風疹性関節炎、乾癬性関節炎、変形性関節炎若しくは他の慢性炎症性関節疾患を含む関節の炎症、又は関節軟骨破壊の疾患、眼の結膜炎、春季結膜炎、炎症性腸疾患、喘息、アレルギー性鼻炎、間質性肺疾患、線維症、強皮症(sceleroderma)、肺線維症、肝硬変、心筋線維症、神経線維腫、過形成性瘢痕、種々の皮膚科学的状態、例えばアトピー性皮膚炎及び乾癬、心筋梗塞、脳卒中、アンギナ、又は他の動脈硬化プラークの破綻の結果、さらには歯周病、糖尿病性網膜症、黄斑変性、急性黄斑変性、滲出型、黄斑変性、腫瘍成長、アナフィラキシー、多発性硬化症、消化性潰瘍、及び合胞体ウイルス感染の処置に有用である。
【0041】
本発明のさらなる特徴によれば、トリプターゼの阻害剤の投与により寛解され得る状態、例えば本明細書で以前に記載した状態に罹患しているか、又はそれらの状態にかかりやすいヒト又は動物患者の処置のための方法が提供され、該方法は、患者に有効量の本発明の化合物又は本発明の化合物を含有する組成物を投与することを含む。
【0042】
組み合わせ治療
上で説明したように、他の薬学的に活性な薬剤を、処置される疾患に依存して式Iの化合物と組み合わせて使用することができる。例えば、喘息の処置において、ベータ−アドレナリン作動性アゴニスト、例えばアルブテロール、テルブタリン、ホルモテロール、フェノテロール又はプレナリン(prenaline)が含まれ得、同様に抗コリン薬、例えばイプラトロピウム臭化物、抗炎症性副腎皮質ステロイド、例えばジプロピオン酸ベクロメタゾン、トリアムシノロンアセトニド、フルニソリド又はデキサメタゾン並びに抗炎症剤、例えばクロモグリク酸ナトリウム及びネドクロミルナトリウムも含まれ得る。従って、本発明は、式Iの化合物、並びにベータ−アドレナリン作動性アゴニスト、抗コリン薬、抗炎症性副腎皮質ステロイド、及び抗炎症剤からなる群より選択される第二の化合物;並びにそれらの薬学的に許容しうる担体を含む医薬組成物に及ぶ。この医薬組成物における適用を有する特定の医薬担体は本明細書に記載される。
【0043】
さらに、本発明は、喘息に罹患した患者を処置するための方法に及び、該方法は、患者に本発明の化合物、並びにベータアドレナリン作動性アゴニスト、抗コリン薬、抗炎症性副腎皮質ステロイド、及び抗炎症剤からなる群より選択される第二の化合物を投与することを含む。このような組み合わせ方法において、本発明の化合物は、第二の化合物の投与の前に投与されてもよく、本発明の化合物は第二の化合物の投与後に投与されてもよく、又は本発明の化合物及び第二の化合物を同時に投与してもよい。
【0044】
送達様式
本発明によれば、式Iの化合物、又は本化合物を含む医薬組成物は、非経口的に、経粘膜的に、例えば経口、鼻腔、眼内、肺、若しくは直腸に、又は経皮的に患者に導入され得る。
【0045】
経口送達
Remington's Pharmaceutical Sciences,18th Ed.1990(Mack Publishing Co.Easton PA 18042)の89章(これは参照により本明細書に加入される)に一般的に記載される、経口固形投薬形態が本発明における使用について企図される。固形投薬形態としては、錠剤、カプセル剤、丸剤、トローチ剤又はロゼンジ、カシェ剤又はペレットが挙げられる。また、リポソーム又はプロテイノイド封入が本発明の組成物を製剤化するために使用され得る(例えば、米国特許第4,925,673号に報告されるプロテイノイドミクロスフェア)。リポソーム封入が使用され得、そしてリポソームは様々なポリマーで誘導体化され得る(例えば、米国特許第5,013,556号)。治療薬のために可能な固形投薬形態の説明は、Marshall,K.In:Modern Pharmaceutics Edited by G.S.Banker and C.T.Rhodes Chapter 10,1979(参照により本明細書に加入される)により示される。一般に、製剤は、本発明の化合物、並びに胃環境に対する保護、及び生物学的に活性な物質、すなわち本発明の化合物の腸での放出を可能にする不活性成分を含むだろう。
【0046】
本発明の化合物の経口投薬形態も具体的に企図される。このような化合物は、経口送達がより効率的になるように化学的に修飾され得る。一般的に、企図される化学修飾は、構成要素の分子自体に少なくとも1つの部分を付着させることであり、この場合、この部分が(a)タンパク質分解の抑制;及び(b)胃又は腸からの血流への取り込みを可能にする。本発明の化合物の全体的な安定性の増加、及び体内の循環時間の増加も望ましい。このような部分の例としては:ポリエチレングリコール、エチレングリコール及びプロピレングリコールのコポリマー、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン及びポリプロリンが挙げられる。Abuchowski and Davis,1981,「Soluble Polymer−Enzyme Adducts」 In:Enzymes as Drugs,Hocenberg and Roberts,eds.,Wiley−Interscience,New York,NY,pp.367−383;Newmark,et al.,1982,J.Appl.Biochem.4:185−189。使用され得る他のポリマーは、ポリ−1,3−ジオキソラン及びポリ−1,3,6−チオキソカン(tioxocane)である。ポリエチレングリコール部分は上で示したような医薬的使用に好ましい。
【0047】
本発明の化合物について、放出の位置は胃、小腸(十二指腸、空腸又は回腸)、又は大腸であり得る。当業者は、胃で溶解せず、さらに十二指腸又は腸の他の場所で物質を放出する製剤を利用可能である。好ましくは、この放出は、本発明の化合物の保護、又は胃環境を超えた例えば腸における本化合物の放出のいずれかにより、胃環境の有害な硬化を避けるだろう。
【0048】
十分な胃耐性を確実にするために、少なくともpH5.0に対して不透過性のコーティングが不可欠である。腸溶コーティングとして使用されるより一般的な不活性成分の例は、セルロースアセテートトリメリテート(CAT)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)、HPMCP 50、HPMCP 55、ポリビニルアセテートフタレート(PVAP)、Eudragit L30D、Aquateric、セルロースアセテートフタレート(CAP)、Eudragit L、Eudragit S及びシェラックである。これらのコーティングは混合膜として使用され得る。
【0049】
コーティング又はコーティング混合物もまた錠剤で使用することができ、これらは胃に対する保護を意図されない。これには、糖コーティング、又は錠剤を嚥下しやすくするコーティングが含まれ得る。カプセル剤は、乾燥治療剤(すなわち粉末)の送達のための硬いシェル(例えばゼラチン)から構成され得;液状形態のためには軟ゼラチンシェルが使用され得る。カシェ剤のシェル材料は、粘性デンプン又は他の食用の紙であり得る。丸剤、ロゼンジ、湿製錠剤(molded tablets)又は擦り込み錠については、湿式練薬(moist massing)技術が使用され得る。
【0050】
治療薬(therapeutic)は、粒径約1mmの顆粒又はペレットの形態の細かい多数の粒子として製剤中に含まれ得る。カプセル投与のための物質の製剤はまた、散剤、軽く圧縮された詰め物(plugs)でもよく、錠剤でもよい。治療剤は圧縮により製造され得る。
【0051】
着色料及び矯味矯臭剤は全て含まれ得る。例えば、本発明の化合物は、(例えばリポソーム又はミクロスフェア封入により)製剤化されて、次いでさらに食品、例えば着色料及び矯味矯臭剤を含有する冷蔵飲料内に含有されてもよい。
【0052】
治療剤の体積を不活性材料で希釈又は増加させてもよい。これらの希釈剤としては、炭水化物、特にマンニトール、アルファ−ラクトース、無水乳糖、セルロース、スクロース、修飾デキストラン及びデンプンが挙げられ得る。特定の無機塩もまたフィラーとして使用され得、これらとしてはカルシウムトリホスフェート、炭酸マグネシウム、及び塩化ナトリウムが挙げられる。いくつかの市販の希釈剤はFast−Flo、Emdex、STA−Rx 1500、Emcompress及びAvicellである。
【0053】
崩壊剤は、治療剤の製剤化において固形投薬形態中に含まれ得る。崩壊剤(disintegrates)として使用される材料としては、限定されないが、デンプンが挙げられ、デンプンに基づく市販の崩壊剤、エキスプロタブ デンプングリコール酸ナトリウム、アンバーライト、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ウルトラアミロペクチン(ultramylopectin)、アルギン酸ナトリウム、ゼラチン、オレンジピール、酸カルボキシメチルセルロース、天然スポンジ及びベントナイトが挙げられ、全て使用され得る。崩壊剤の別の形態は不溶性カチオン交換樹脂である。粉末ゴムは崩壊剤及び結合剤として使用され得、そしれこれらとしては、寒天、カラヤ又はトラガカントのような粉末ゴムが挙げられ得る。アルギン酸及びそのナトリウム塩もまた崩壊剤として有用である。
【0054】
結合剤は、治療剤を一緒に保持して硬い錠剤を形成するために使用され得、そしてこれらとしては、アカシア、トラガカント、デンプン及びゼラチンのような天然産物由来の材料が挙げられる。他には、メチルセルロース(MC)、エチルセルロース(EC)及びカルボキシメチルセルロース(CMC)が挙げられる。ポリビニルピロリドン(PVP)及びヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)は両方とも、治療薬を造粒するためにアルコール性溶液で使用され得る。
【0055】
抗摩擦剤は製剤過程での固着を防ぐために治療薬の製剤に含まれ得る。滑沢剤は、治療薬と型の壁との間の層として使用され得、そしてこれらとしては、限定されないが;ステアリン酸(そのマグネシウム塩及びカルシウム塩を含む)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、流動パラフィン、植物油及びロウが挙げられる。ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、様々な分子量のポリエチレングリコール、Carbowax4000及び6000のような可溶性滑沢剤もまた使用され得る。
【0056】
製剤化の間の薬物の流動特性を改善し得る、圧縮の間の再配列を補助するための流動促進剤が添加され得る。流動促進剤としては、デンプン、タルク、焼成シリカ及び水和シリコアルミネートが挙げられ得る。
【0057】
治療薬の水性環境中への溶解を補助するために、界面活性剤が湿潤剤として添加され得る。界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、例えばラウリル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、及びスルホン酸ジオクチルナトリウムが挙げられ得る。カチオン性界面活性剤が使用され得、そしてこれらとしては、塩化ベンザルコニウム又は塩化ベンゼトミウム(benzethomium)が挙げられ得る。界面活性剤として製剤中に含まれ得る可能性のある非イオン性界面活性剤のリストは、ラウロマクロゴール400、ステアリン酸ポリオキシル40、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油10、50及び60、グリセロールモノステアラート、ポリソルベート40、60、65及び80、スクロース脂肪酸エステル、メチルセルロース及びカルボキシ(carhoxy)メチルセルロースである。これらの界面活性剤は、本発明の化合物の製剤中に、単独で又は異なる比率の混合物として存在し得る。
【0058】
本発明の化合物の取り込みを増強する可能性のある添加剤は、例えば、脂肪酸 オレイン酸、リノール酸及びリノレイン酸である。制御放出経口製剤が望ましいかもしれない。薬物は、拡散又は浸出機構のいずれかによる放出を可能にする不活性マトリックス(例えばゴム)中に組み込まれ得る。ゆっくりと分解するマトリックスも製剤中に組み込まれ得る。いくつかの腸溶コーティングはまた遅延放出効果も有する。
【0059】
この治療薬の制御放出の別の形態は、Oros治療システム(Alza Corp.)に基づく方法によるものであり、すなわち薬物が半透過膜中に封入され、これが水の進入を可能にし、そして浸透圧効果により薬物を単一の小さな開口部を通して押し出す。
【0060】
他のコーティングが製剤に使用され得る。これらとしては、コーティングパンで塗布され得る様々な糖が挙げられる。治療剤はまたフィルムコート錠で投与され得、そしてこの例において使用される材料は2つのグループに分けられる。1つ目は非腸溶性材料であり、これらとしてはメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピル−メチルセルロース、カルボキシ−ニエチル(niethyl)セルロースナトリウム、プロビドン(providone)及びポリエチレングリコールが挙げられる。2つ目のグループは、一般的にフタル酸のエステルである腸溶性材料からなる。
【0061】
材料の混合物が最適なフィルムコートを生じるために使用され得る。フィルムコーティングは、パン塗工機又は流動床又は圧縮コーティングで行われ得る。
【0062】
肺送達
単独、又は医薬組成物のいずれかでの本発明の化合物の肺送達も本明細書において企図される。本化合物は、吸入しながら哺乳動物の肺に送達され、そして肺上皮層を横切って血流に入る。これの他の報告としては、Adjei et al.,1990,Pharmaceutical Research,7:565−569;Adjei et al.,1990,International Journal of Pharmaceutics,63:135−144(酢酸ロイプロリド);Braquet et al.,1989,Journal of Cardiovascular Pharmacology,13(suppl.5):143−146(エンドセリン−1);Hubbard et al.,1989,Annals of Internal Medicine,Vol.III,pp.206−212(al−抗トリプシン);Smith et al.,1989,J.Clin.Invest.84:1145−1146(a−1−プロテイナーゼ);Oswein et al.,1990,「Aerosolization of Proteins」,Proceedings of Symposium on Respiratory Drug Delivery 11,Keystone,Colorado,March,(組み換えヒト成長ホルモン);Debs et al.,1988,J.Imrnunol.140:3482−3488(インターフェロン−y及び腫瘍壊死因子アルファ)及びPlatz et al.、米国特許第5,284,656号(顆粒球コロニー刺激因子)が挙げられる。全身効果のための薬物の肺送達のための方法及び組成物は、米国特許第5,451,569号(1995年9月19日発行、Wong et al)に記載される。
【0063】
治療薬の肺送達のために設計された広範囲の機械装置が本発明の実施における使用について企図され、これらとしては、限定されないが、ネブライザ、定量吸入器、及び粉末吸入器が挙げられ、これらは全て当業者によく知られている。
【0064】
本発明の実施に適した市販の装置のいくつかの具体例は、ほんの数例を挙げれば、Ultraventネブライザー、Wallinckrodt,Inc.(St.Louis,Missouri)製;Acorn I1ネブライザー、Marquest Medical Products(Englewood,Colorado)製;Ventolin定量吸入器、Glaxo Inc.(Reseaxch Triangle Park,North Carolina)製;及びSpinhaler粉末吸入器、Fisons Corp.(Bedford,Massachusetts)製である。このような装置は全て本発明の化合物の投薬に適した製剤の使用を必要とする。典型的には、製剤はそれぞれ使用される装置の型に特異的であり、そして治療で有用な通常の希釈剤、アジュバント及び/又は担体に加えて適切な噴霧剤物質の使用を含み得る。また、リポソーム、マイクロカプセル若しくはミクロスフェア、包接錯体、又は他の型の担体の使用が企図される。本発明の化学修飾された化合物もまた、化学修飾の型又は使用される装置の型によって異なる製剤で製造され得る。
【0065】
ジェット又は超音波ネブライザーでの使用に適した製剤は、典型的には溶液1rnLあたり化合物約0.1〜25mgの濃度で水に溶解させた本発明の化合物を含む。製剤はまた、(例えば、安定化及び浸透圧の調節のために)緩衝剤及び単糖を含み得る。ネブライザー製剤は、エアロゾルを形成する際の溶液の噴霧化により引き起こされる化合物の表面誘導凝集を低減するか防止するために、界面活性剤を含んでいてもよい。
【0066】
定量吸入装置での使用のための製剤は一般的に、界面活性剤を用いて噴霧剤中に懸濁された、本発明の化合物を含有する微粉化粉末を含む。噴霧剤は、この目的のために使用されるいずれかの従来の物質であり得、例えばクロロフルオロカーボン、ヒドロクロロフルオロカーボン、ヒドロフルオロカーボン、r炭化水素(a r hydrocarbon)(トリクロロフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタノール、及び1,1,1,2−テトラフルオロエタンを含む)、又はそれらの組み合わせである。適切な界面活性剤としては、ソルビタントリオレアート及びダイズレシチンが挙げられる。オレイン酸もまた界面活性剤として有用であり得る。
【0067】
粉末吸入装置からの投薬のための製剤は、本発明の化合物を含有する微粉化乾燥粉末を含み、そしてまた充填剤(bulking agent)、例えばラクトース、ソルビトール、スクロース又はマンニトールを、装置からの粉末の散布を容易にする量、例えば製剤の50〜90質量%で含み得る。本発明の化合物は、遠位の肺への最も効果的な送達のために、平均粒径10mm(又はミクロン)未満、最も好ましくは0.5〜5mmを有する粒状形態で最も有利に製造されるはずである。
【0068】
鼻腔送達(Deliverv)
本発明の化合物の鼻腔送達もまた企図される。鼻腔送達は、治療薬を肺に沈着させる必要なく、鼻への治療薬の投与後にそのまま血流に化合物を移動させることを可能にする。鼻腔送達のための製剤にはデキストラン又はシクロデキストランを含むものが含まれる。
【0069】
眼内送達(Deliverv)
本発明の化合物の眼内送達もまた企図される。様々な多数の方法が薬物の眼内投与について公知である。眼内送達は、治療薬の経口投与の必要なく、眼への治療薬の投与後にそのまま眼内(intaocular)液への化合物の移動を可能にする。眼内(intaocular)送達のための製剤としては、限定されないが、水性又は非水性媒体中の液剤又は懸濁剤が挙げられ得る。
【0070】
経皮送達
薬物の経皮投与についての様々な多数の方法が当該分野で公知である(例えば経皮パッチ)。経皮投与法は本発明において適用を有する。経皮パッチは、例えば米国特許第5,407,713号(1995年4月L 8発行、Rolando et al.);米国特許第5,352,456号(1994年10月4日発行、Fallon et al.);米国特許第5,332,213号(1994年8月9日発行、D'Angelo et al.);米国特許第5,336,168号、1994年8月9日発行、Sibalis);米国特許第5,290,561号(1994年3月1日発行、Farhadieh et al.);米国特許第5,254,346号(1993年10月19日、Tucker et al.);米国特許第5,164,189号(1992年11月17日、Berger et al.);米国特許第5,163,899号(1992年11月17日発行、Sibalis);米国特許第5,088,977号及び同第5,087,240号、両方とも1992年2月18日発行、Sibalis);米国特許第5,008,110号(1991年4月16日、Benecke et al.);並びに米国特許第4,921,475号(1990年5月1日、Sibalis)に記載され、これらのそれぞれの開示は参照によりその全体として本明細書に加入される。
【0071】
経皮投与経路が皮膚透過増強剤、例えば米国特許第5,164,189号(前出)、米国特許第5,008,110号(前出)、及び米国特許第4,879,119号(1989年11月7日発行、Aruga et al.)(これらのそれぞれの開示は、その全体が参照により本明細書に加入される)に記載される増強剤の使用により増強され得ることは容易に理解され得る。
【0072】
局所投与
局所投与のために、本発明の化合物を含有するゲル(水又はアルコールベース)、クリーム剤又は軟膏が使用され得る。本発明の化合物はまた、パッチでの適用のためのゲル又はマトリックス基剤中に組み込まれ得、これにより経皮バリアを通した化合物の制御放出が可能となる。
【0073】
直腸投与
直腸投与のための固形組成物としては、公知の方法にしたがって製剤化され、そして本発明の化合物を含有する坐剤が挙げられる。
【0074】
投薬量
本発明の組成物中の活性成分のパーセントは変動し得、適切な投薬量が得られるような比率を構成することが必要である。当然、いくつかの単位投薬形態をほぼ同時に投与してもよい。使用される用量は医師により決定され、そして所望の治療効果、投与経路、及び処置期間、並びに患者の状態に依存する。成人において、用量は一般的に、吸入により1日あたり体重1kgあたり約0.001〜約50、好ましくは約0.001〜約5mg、経口投与により1日あたり体重1kgあたり約0.01〜約100、好ましくは0.1〜70、より特に0.5〜10mg、そして静脈内投与により1日あたり体重1kgあたり約0.001〜約10、好ましくは0.01〜1mgである。それぞれの特定の場合において、用量は、処置される被験体に特有の因子、例えば年齢、体重、全体の健康状態、及び医薬品の有効性に影響を及ぼし得る他の特徴にしたがって決定される。
【0075】
さらに、本発明の化合物は、所望の治療効果を得るために、必要に応じて頻繁に投与され得る。より高い用量又はより低い用量に対して迅速に反応する患者もいるかもしれず、そしてより弱い維持用量が適切であるとわかる患者もいるかもしれない。他の患者については、それぞれの特定の患者の生理的要求にしたがって、1日あたり1〜4回の用量の割合で長期の処置を有することが必要かもしれない。一般的に、活性産物は、1日1〜4回経口投与され得る。当然のことながら、一部の患者については、1日あたり多くて1回又は2回の用量を処方することが必要だろう。
【0076】
当然ながら、本発明の化合物の投与が効果的な治療レジメンである患者は、好ましくはヒトであるが、いずれの動物でもよい。従って、当業者により容易に理解され得るように、本発明の方法及び医薬組成物は、いずれかの動物、特に哺乳動物への投与に適しており、これらとしては、限定されないが、家畜、例えばネコ科又はイヌ科の被験体、農業動物、例えば限定されないが、ウシ、ウマ、ヤギ、ヒツジ、及びブタ被験体、野生動物(野生でも動物園でも)、研究動物、例えばマウス、ラット、ウサギ、ヤギ、ヒツジ、ブタ、イヌ、ネコなど、鳥類、例えばニワトリ、シチメンチョウ、鳴き鳥など、すなわち獣医学用途のためのものが挙げられる。
【0077】
予備的詳細
式Iの化合物は、公知の方法、前述の又は文献に記載される方法を意味し、例えばR.C.LarockによりComprehensive Organic Transformations,VCH publishers,1989に記載されるか、又は本明細書において記載される方法の応用又は適合により製造され得る。
【0078】
本明細書以後に記載される反応において、反応性官能基、例えばアミノ基を、反応におけるそれらの望ましくない参加を避けるために保護する必要があるかもしれない。従来の保護基が、標準的な実施に従って使用され得、例えばT.W.Greene and P.G.M.Wuts、「Protective Groups in Organic Chemistry」John Wiley and Sons,1991を参照のこと。特に、式Iの化合物は、以下の実施例1〜20により示されるように製造され得る。例えば、本発明の化合物は、その製造が収束的合成からなるアキラル化合物である。
【0079】
本明細書の全体をとおして使用される以下の略語及び定義は、別の指示がなければ、以下の意味を有すると理解されるものとする:
略語のリスト
APCI 大気圧化学イオン化
BOC tert−ブチルジカーボネート
BOC無水物 ジ−tert−ブチルジカルボニル無水物
t−Bu tert−ブチル
t−BuOH tert−ブタノール
CDCl3 重水素化クロロホルム
CD3OD 重水素化メタノール
DCM ジクロロメタン、CH2Cl2又は塩化メチレン
DMAP 4−ジメチルアミノピリジン
DMF ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
DMSO−d6 ジメチル−d6スルホキシド
dppf 1,1'−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン
eq 当量
Et エチル
Et2O ジエチルエーテル
Et3N トリエチルアミン
EtOH エタノール
EtOAc 酢酸エチル
EDCI 1−エチル−3−(3'−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
2 水素
L リットル
LC/MS 液体クロマトグラフィー−質量分析
M モル濃度
Me メチル
MeCN アセトニトリル
MeOH メタノール
MgSO4 硫酸マグネシウム
MHz メガヘルツ
min 分
OMe メトキシド
NaHCO3 炭酸水素ナトリウム
Na2CO3 炭酸ナトリウム
NaCl 塩化ナトリウム
NaOH 水酸化ナトリウム
NaI ヨウ化ナトリウム
NaOMe ナトリウムメトキシド
Na2SO4 硫酸ナトリウム
n−BuOAc 酢酸n−ブチル
NMR 核磁気共鳴
Pd/C 炭素担持パラジウム
Pd(PPh34 テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム
Pd(PPh32Cl2 ビストリフェニルホスフィンパラジウム(II)ジクロリド
PdCl2dppf 1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)ジクロリド
Pd(dtbpf)Cl2 (1,1’−ビス(ジ−t−ブチルホスフィノ)フェロセンパラジウムジクロリド
Pd2(dba)3 トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)
Pd(OAc)2 酢酸パラジウム(II)
P(Cy)3 トリシクロヘキシルホスフィン
t−Bu3P トリ−t−ブチルホスフィン
PPh3 トリフェニルホスフィン
PrOH プロパノール
i−PrOH イソ−プロパノール
Pt/C 炭素担持白金
t−BuOK カリウムtert−ブトキシド
rt 室温
Rt 保持時間
sat 飽和
SiO2 シリカ
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
TLC 薄層クロマトグラフィー
TMS トリメチルシリル
【実施例】
【0080】
用語
予備的詳細
以下のスキーム1に従って化合物Iを製造するための出発物質は市販されている。
【0081】
実施例1
[4−(5−アミノメチル−2−フルオロ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル)−メタノン二塩酸塩
【化4】

【0082】
A.2,2,2−トリフルオロ−N−(4−フルオロ−3−ピリジン−4−イル−ベンジル)−アセトアミド塩酸塩
【化5】

フラスコにNaHCO3(126g、1.5mol)、3−ブロモ−4−フルオロベンジルアミン塩酸塩(12、120g、0.5モル)及びピリジン−4−ボロン酸(13、67.6g、0.55mmol)並びにイソプロピルアルコール(750mL)及び水(375mL)を室温で入れた。この懸濁液をN2で1.0時間10℃で脱気した。この混合物に1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン錯体(PdCl2dppf−CH2Cl2、16.4g、20mmol)を加えた。反応混合物を、一部を留去しながら内部温度が80℃になるまで一定割合で80℃にし、そして10時間撹拌した。反応が完了した(HPLC分析)後、この混合物を室温まで冷却し、そして水性2N HCl(750mL)を加え、そして0.5時間撹拌した。溶液をCH2Cl2(750mLそして500mL)で洗浄した。水相に50%NaOH水溶液(100mL)を入れてpH>13に調節した。n−BuOAc(2.0L)を加えた後、活性炭(50g)を有機層に加えた。この混合物をセライト(50g)のパッドを通してろ過した。共沸蒸留を行った。さらにn−BuOAc(1.0L)を加えた後、反応混合物を5℃に冷却した。トリフルオロ酢酸無水物(157g、0.6mol)をゆっくりとこの溶液に5℃にて加えた。反応が完了した(HPLC分析)後、反応混合物を10%Na2CO3水溶液(1.0L)で洗浄した。5−6N HClのイソプロパノール(120mL)中溶液を粗製有機層中に10℃で導入した。次いでさらにn−BuOAc(1.0L)を加え、この懸濁液を終夜室温で放置した。生じた固形物を10℃でろ過し、そしてオーブンで50℃にて乾燥して所望の生成物(124g、75%)を白色固体として得た:mp=220℃.C141042O−HClについての元素分析計算値:C、50.24;H、3.31;N、8.37.実測値:C、50.16;H、3.08;N、8.38.MS(ESI) m/z 299(M+H).1H NMR(300MHz、D2O)δ 8.70(d、J=6.9Hz、2H)、8.14(d、J=6.9Hz、2H)、7.56−7.20(m、3H)、4.51(s、2H)。
【0083】
B.2,2,2−トリフルオロ−N−(4−フルオロ−3−ピペリジン−4−イル−ベンジル)−アセトアミド塩酸塩
【化6】

Parrフラスコに2,2,2−トリフルオロ−N−(4−フルオロ−3−ピリジン−4−イル−ベンジル)−アセトアミド塩酸塩(123g、0.37mol)及びMeOH(740mL)を室温で入れた。次いで、5%Pt/C(36.9g、30質量/質量%)を加えた。反応フラスコをParr水素添加システムに置き、H2を50−60psiで入れた。圧力が定常状態に達するまでH2を入れながら混合物を>48時間震盪させた(H2を日中2〜3時間ごとに50−60psiまで補充したが、一晩後にさらに補充せず10−20psiが観察された)。HPLC分析により反応の完了が示された場合、反応混合物をセライトのパッドを通してろ過した。n−BuOAc(1.25L)を加えながらろ液を40〜50℃で蒸留した。MeOHの蒸留が完了した後、さらにn−BuOAc(1L)を加えた。得られた懸濁液を室温まで終夜放冷させた。この懸濁液を10℃に冷却し、ろ過し、そしてオーブンで50℃にて乾燥して所望の生成物112g(89%)を白色固体として得た:mp=134℃.C141042O−HClについての元素分析計算値:C、50.24;H、3.31;N、8.37.実測値:C、50.16;H、3.08;N、8.38.MS(ESI) m/z 305.4(M+H).1H NMR(300MHz、D2O)δ7.16−6.98(m、3H)、4.34(s、2H)、3.42(d、J=12.9Hz、2H)、3.14−2.99(m、3H)、1.98−1.81(m、4H)。
【0084】
C.2,2,2−トリフルオロ−N−{4−フルオロ−3−[1−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−カルボニル)−ピペリジン−4−イル]−ベンジル}−アセトアミド
【化7】

1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−カルボン酸(0.43g、2.59mmol)、2,2,2−トリフルオロ−N−(4−フルオロ−3−ピペリジン−4−イル−ベンジル)−アセトアミド塩酸塩(実施例1B、0.88g、2.59mmol)、及びEDCI(0.88g、3.11mmol)の削除(delete)CH2Cl2(50mL)中の懸濁液に、Et3N(0.865mL、6.22mmol)を加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物をEtOAc中に注ぎ、そして有機層をsat NH4Cl、水そしてブラインで洗浄した。有機物をMgSO4で乾燥し、ろ過し、そして真空で濃縮して粗生成物を得た。100%EtOAcで溶出するSiO2フラッシュクロマトグラフィーにより精製して所望の生成物0.95g、(82%)を得た。
1H−NMR(CDCl3、300MHz)δ 10.4(s、H)、8.5(d、H)、8.0(d、H)、7.2−7.0(m、4H)、6.8(s、H)、6.7(bs、H)、4.8(m、2H)、4.5(d、2H)、3.4−3.0(m ,3H)、2.7−2.0(m、4H).LCMS m/z 449(M+H)。
【0085】
D.[4−(5−アミノメチル−2−フルオロ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル)−メタノン二塩酸塩
【化8】

2,2,2−トリフルオロ−N−{4−フルオロ−3−[1−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−カルボニル)−ピペリジン−4−イル]−ベンジル}−アセトアミド(0.78g、1.74mmol)の30ml MeOH及びH2O(12mL)中の溶液にK2CO3(2.4g、17.4mmol)を加えた。反応混合物を終夜撹拌した。反応混合物を真空で濃縮して大部分のメタノールを除去した。残留物をH2OとEtOAcとの間で分配し、H2Oそしてブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、ろ過し、そして真空で濃縮した。残留物を4.0N HCl/ジオキサン(10mL、40.0mmol)に入れて10分撹拌した。反応混合物を真空で濃縮し、そしてEt2O(20mL)を加えた。固形沈殿物が形成し、そしてエーテル溶液をデカンテーションで除いた。固形物をさらなるEt2Oで洗浄し、次いでろ過により単離して所望の生成物0.31g(46%)を得た。1H−NMR(DMSO−d6、300MHz)δ 12.2(s、H)、8.4(s、H)、8.2(bs、2H)、8.1(d、H)、7.5(d、H)、7.4(m、H)、7.25(m、H)、7.19(m、H)、6.8(s、H)、4.6(m、2H)、4.2−3.8(m、3H)、3.2(m、2H)、1.85(m、2H)、1.7(m、2H).LCMS m/z 353(M+H)。
【0086】
実施例2
[4−(5−アミノメチル−2−フルオロ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−[1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル]−メタノン二塩酸塩
【化9】

【0087】
A.1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル
【化10】

1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−カルボン酸(20g、123mmol)、H2SO4(20mL)及びEtOHの溶液を4時間加熱還流させた。反応混合物を真空で濃縮し、EtOAcに入れてsat.NaHCO3(2X)、H2Oそしてブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、ろ過し、そして真空で濃縮して所望の生成物14g(60%)を得た。1H−NMR(CDCl3、300MHz) δ11.6(bs、H)、8.6(d、H)、8.1(d、H)、7.2(m,2H)、4.45(m、2H),1.5(m、3H).LCMS m/z 191(M+H)。
【0088】
B.1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル
【化11】

NaH(0.51g、12.63mmol)のDMF(10mL)中懸濁液にAr下で1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(2g、10.53mmol)のDMF(9mL)中懸濁液を加えた。反応混合物を20分間撹拌し、そして2−メトキシエチルブロミド(1.1mL、11.8mmol)を加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物をH2O中に注ぎ、そして生じた沈殿物をろ過により単離した。10%EtOAcで溶出するSiO2でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して所望の生成物1.27g(49%)を得た。1H−NMR(CDCl3、300MHz)δ 8.5(d、H)、8.0(d、H)、7.2(s、H)、7.15(m、H)、5.0(t、2H)、4.4(t、2H)、3.75(t、2H)、3.3(s,3H)、1.4(t、3H).LCMS m/z 249(M+H)。
【0089】
C.1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−カルボン酸
【化12】

1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(1g、4.03mmol)、EtOH(30mL)、THF(10mL)及び1N NaOH溶液(16mL)を50℃に1時間加熱し、次いで室温で終夜撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、濃HClを用いてpH=3に酸性化し、EtOAc(3X)で抽出した。有機フラクションを合わせてMgSO4で乾燥し、ろ過し、そして真空で濃縮して所望の生成物0.73g(83%)を得た。1H−NMR(DMSO−d6、300MHz) δ 13.2(bs、H)、8.45(d、H)、8.1(d、H)、7.2(m、2H)、4.85(t、2H)、3.6(t、2H)、3.2(s、3H).LCMS m/z 221(M+H)。
【0090】
D.2,2,2−トリフルオロ−N−(4−フルオロ−3−{1−[1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−カルボニル]−ピペリジン−4−イル}−ベンジル)−アセトアミド
【化13】

表題化合物を、実施例1Cと同様のやり方で1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−カルボン酸を出発物質として使用して製造した。 1H NMR(CDCl3、300MHz)δ8.4(d、H)、7.9(d、H)、7.2−7.0(m、5H)、6.55(s、2H)、4.75(m、2H)、4.5(m、2H)、3.7(t、2H)、3.25(s、3H)、2.0−1.8(m、4H)、1.55(m、4H).LCMS m/z 507(M+H)。
【0091】
E.[4−(5−アミノメチル−2−フルオロ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−[1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル]−メタノン二塩酸塩
【化14】

表題化合物を、実施例1Dと同様のやり方で1,2,2−トリフルオロ−N−(4−フルオロ−3−{1−[1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−カルボニル]−ピペリジン−4−イル}−ベンジル)−アセトアミドを出発物質として使用して製造した。1H NMR(DMSO−d6、300MHz)δ8.4(d、H)、8.2(bs、2H)、8.0(d、H)、7.6(d、H)、7.35(m、H)、7.3−7.1(m、2H)、6.7(s、1H)、4.6(bm、2H) 4.0(bm、2H)、3.6(m、5H)、3.25−3.15(m、5H)、2.0−1.6(m、4H).MS m/z 411(M+H)。
【0092】
実施例3
[4−(3−アミノメチル−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−[1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル]−メタノン二塩酸塩(dihydrohydrochloride)
【化15】

【0093】
A.4−オキソ−ピペリジン−1−カルボン酸2−トリメチルシラニル−エチルエステル
【化16】

4−ピペリドン一水和物塩酸塩(25g、88.22mmol)、2−トリメチルシリルエチル p−ニトロフェニルカーボネート(50mL、359.70mmol)、トリエチルアミン(50mL、345.00mmol)及びDMAP(10.78g、88.24mmol)のアセトニトリル(300mL)中の溶液を還流下で2時間加温し、次いで室温まで放冷させた。この混合物をジクロロメタン(300mL)で希釈し、そして1M HCl(3X100mL)及び1M NaOH(4X100mL)で有機相から黄色の色が全て除かれるまで洗浄した。次いで有機相をブラインで洗浄し、そしてMgSO4で乾燥した。有機相を真空で濃縮して表題化合物19.35g(90%)を無色油状物として得た。1H NMR(CDCl3、300MHz)δ4.22(m、2H)、3.75(t、J=6.2Hz、4H)、2.44(t、J=6.2Hz、4H)、1.02(m、2H)、0.04(s、9H)。
【0094】
B.4−(3−シアノフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸2−トリメチルシラニル−エチルエステル
【化17】

テトラヒドロフラン(50mL)を入れたフラスコに−70℃で1Mリチウムヘキサメチルジシラジド(60mL、60mmol)を滴下した。次いで4−オキソ−ピペリジン−1−カルボン酸2−トリメチルシラニル−エチルエステル(13.3g、55 mol)の溶液を滴下漏斗を介して内部温度を−65℃と−70℃との間に維持して20分かけて加えた。この溶液を−70℃で45分間撹拌し、次いでフェニルトリフルオロメタンスルホンアミド(19.65g、55mmol)のTHF(75mL)溶液を20分かけて滴下した。この溶液を0℃まで昇温させて3時間撹拌した。次いで反応混合物を真空で濃縮し、そして残留物、4−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸2−トリメチル−シラニル−エチルエステルをさらに精製することなく使用した。
4−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸2−トリメチル−シラニル−エチルエステル(20.65g、55mmol)のアセトニトリル(300mL)溶液に、3−シアノフェニルボロン酸(8.9 g(60.6mmol)、続いて2M炭酸ナトリウム(82.5mL 165mmol)、塩化リチウム(6.98g、165mmol)及びテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)(3.18g、2.8mmol)を加えた。この混合物を還流下で90分間加温し、次いで室温まで放冷させてろ過した。ろ液を濃縮し、そして2M Na2CO3(300mL)で希釈し、次いで3Xジクロロメタンで抽出した。有機相をブラインで洗浄し、次いで分離して乾燥した(MgSO4)。有機相を真空で濃縮して粗製残留物をSiO2フラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン:EtOAc:DCM=5:1:1で溶出)にかけて表題化合物10.46g(58%)を黄色油状物として得た。1H NMR(CDCl3、300MHz)δ7.65−7.52(m、3H)、7.44(t、J=7.7Hz、1H)、6.11(bs、1H)、4.23(m、2H)、4.15(m、2H)、3.70(t、J=5.6Hz、2H)、2.52(m、2H)、1.04(m、2H)、0.06(s、9H)。
【0095】
C.4−(3−アミノメチル−フェニル)−ピペリジン−1−カルボン酸2−トリメチルシラニル−エチルエステル
【化18】

10%Pd/C(5g、含水)のエタノール(250mL)中スラリーに濃HCl(2.9mL、34.8mmol)及び4−(3−シアノフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸2−トリメチルシラニル−エチルエステル(10.4g)を加えた。この混合物を50psiで4時間水素添加した。次いで混合物をセライトのケーキでろ過し、そしてそのケーキを過剰のエタノールで洗浄した。次いでろ液を真空で濃縮し、そして残留物をEt2O/ペンタンでトリチュレートし、次いでろ過して表題化合物7.1gを白色固体として得た。1H NMR(CD3OD、300MHz)δ7.41−7.27(m、4H)、4.26(dm、J=13.5Hz、2H)、4.20(m、2H)、4.09(s、2H)、2.92(bm、2H)、2.79(tt、J=12.1、3.6Hz、1H)、1.84(dm、J=12.9Hz、2H)、1.62(qd、J=12.6、4.1Hz、2H)、1.02(m、2H)、0.06(s、9H);MS(APCI) m/z 336、335(M+H、100)、191。
【0096】
D.4−[3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ−メチル)−フェニル]−ピペリジン−1−カルボン酸2−トリメチルシラニル−エチルエステル
【化19】

4−(3−アミノメチル−フェニル)−ピペリジン−1−カルボン酸2−トリメチルシラニル−エチルエステル(11.1g、29.93mmol)のジクロロメタン(150mL)及び飽和NaHCO3(50mL)中の溶液に、Boc−無水物(6.54g、29.96mmoL)を加えた。この混合物を室温で終夜撹拌した。次いで有機相を分離し、そして水及びブラインで洗浄した。次いで有機相を分離し、乾燥し(MgSO4)そして真空で濃縮して表題化合物13.41 g(100%)を油状物として得た。1H NMR(CDCl3、300MHz)δ7.26(m、1H)、7.10(m、3H)、4.85(bs、1H)、4.29(d、J=5.8Hz、4H)、4.19(m、2H)、2.83(t、J=12.5Hz、2H)、2.64(tt、J=12.0、3.6Hz、1H)、1.81(m、2H)、1.60(m、2H)、1.45(s、9H)、1.01(t、J=8.4Hz、2H)、0.04(s、9H)。
【0097】
E.(3−ピペリジン−4−イル−ベンジル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル
【化20】

4−(3−tert−ブトキシカルボニルアミノメチルフェニル)−ピペリジン−1−カルボン酸2−トリメチルシラニル−エチルエステル(13.41 g(30.9mmol)のテトラヒドロフラン(200mL)溶液にフッ化テトラブチルアンモニウム(THF中1M、34mL、34mmol)を加えた。この混合物を50℃に2時間加温し、次いで室温まで放冷させて終夜放置した。反応を完了させるために混合物をさらに3時間50℃で加熱した。次いでこの混合物を真空で濃縮し、1M HClで希釈し、そしてEt2Oで抽出した。水相を1N NaOHを用いて塩基性にし、そしてEtOAcで3回抽出した。有機相を合わせてブラインで洗浄し、分離し、そして乾燥した(MgSO4)。有機相をろ過し、そして真空で濃縮して表題化合物8.3g(93%)を黄色油状物として得、これをさらに精製することなく使用した。1H NMR(CDCl3、300MHz)δ 7.25(m、1H)、7.07−7.13(m、3H)、4.85(bs、1H)、4.29(d、J=5.1Hz、2H)、3.17(dm、J=12.0Hz、2H)、2.72(td、J=12.0、2.4Hz、2H)、2.60(tt、J=12.0、3.6Hz、1H)、1.81(m、2H)、1.55−1.70(m、3H)、1.46(s、9H).LCMS m/z 291(M+H)。
【0098】
F.(3−{1−[1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−カルボニル]−ピペリジン−4−イル}−ベンジル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル
【化21】

表題化合物を実施例1Cと同様の方法で1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−カルボン酸及び(3−ピペリジン−4−イル−ベンジル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステルを出発物質として使用して製造した。1H NMR(CDCl3、300MHz)δ8.4(d、1H)、7.95(d、1H)、7.3(m、2H)、7.2−7.0(m、4H)、6.55(s、1H)、4.9(bs、1H)、4.7(m、3H)、4.3(m、2H)、3.7(t、2H)、3.3(s、3H)、2.8(m、1H)、1.95(m、2H)、1.8(m、3H)、1.5(m、1H)、1.45(s、9H).LCMS m/z 493(M+H)。
【0099】
G.[4−(3−アミノメチル−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−[1−(2−
メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル]−メタノン二塩酸塩
【化22】

3−{1−[1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−カルボニル]−ピペリジン−4−イル}−ベンジル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(0.33g、0.66mmol)及び4.0N HCl/ジオキサン(8mL、32mmol)を3時間撹拌した。反応混合物を真空で濃縮し、そしてEt2O(20mL)を加えた。固形沈殿物が形成し、そしてエーテル溶液をデカンテーションで除いた。固形物をさらなるEt2Oで洗浄し、次いでろ過により単離して所望の生成物0.28g(98%)を得た。1H−NMR(DMSO−d6、300MHz)δ 8.4(d、1H)、8.3(bs、2H)、8.1(d、1H)、7.45−7.3(m、4H)、7.2(m、H)、6.7(s、1H)、4.8−4.5(m、3H)、4.2(m、4H)、4.0(m、2H)、3.2(s、3H)、2.9(m、2H)、2.0−1.6(m、4H).LCMS m/z 393(M+H)。
【0100】
実施例4
[4−(5−アミノメチル−2−フルオロ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−[1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−イル]−メタノン塩酸塩
【化23】

【0101】
A.1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル
【化24】

1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−カルバルデヒド(3.24g、22.19mmol)のMeOH溶液に0℃にてアルゴン下でシアン化ナトリウム(5.44g、111mmol)及び二酸化マンガン(9.65g、111mmol)を加えた。反応混合物を5時間撹拌し、その後セライトを通してろ過し、そしてEtOAc(500mL)で希釈した。有機層を水(2x)、ブラインで洗浄し、炭酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、そして濃縮して所望の生成物3.27g(84%)を得た。1H NMR(DMSO−d6、300MHz)δ12.3(bs、1H)、9.0(s、1H)、8.3(d、1H)、7.4(d、1H)、7.3(s、1H)、4.0(s、3H).LCMS m/z 177(M+H)。
【0102】
B.1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル
【化25】

表題化合物を実施例2Bと同様のやり方で1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸メチルエステルを出発物質として使用して製造した。1H NMR(CDCl3、300MHz)δ9.0(s、1H)、8.2(bs、2H)、8.4(d、1H)、7.4(m、2H)、4.7(t、2H)、4.0(s、3H)、3.8(t、2H)、3.3(s、3H).LCMS m/z 235(M+H)。
【0103】
C.1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸
【化26】

1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(0.18g、0.77mmol) MeOH(15mL)に1N NaOH(5mL)を加えた。得られた溶液を室温で終夜撹拌した。反応混合物を1N HClを用いてpH=2に酸性化し、そしてEtOAcで洗浄した。水層を凍結乾燥して得られた固形物をMeOHでトリチュレートした。MeOH層を真空で濃縮して所望の生成物0.165g(97%)を得た。1H−NMR(CD3OD、300MHz) δ 13.2(bs、1H)、9.3(s、1H)、8.4(d、1H)、8.2(d、1H)、7.8(s、1H)、4.95(t、2H)、3.8(t、2H)、3.2(s、3H).LCMS m/z 221(M+H)。
【0104】
D.2,2,2−トリフルオロ−N−(4−フルオロ−3−{1−[1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボニル]−ピペリジン−4−イル}−ベンジル)−アセトアミド
【化27】

表題化合物を実施例1Cと同様のやり方で1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸を出発物質として使用して製造した。
1H NMR(CDCl3、300MHz)δ8.9(s、1H)、8.4(d、1H)、7.35(d、1H)、7.2(m、2H)、6.7(s、1H)、 4.5(m、4H)、3.7(t、2H)、 3.3(s、3H)、3.2(m、2H)、1.9(m、2H)、1.8(m、2H)、1.6(bs、4H).LCMS m/z 507(M+H)。
【0105】
E.[4−(5−アミノメチル−2−フルオロ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−[1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−イル]−メタノン二塩酸塩
【化28】

表題化合物を実施例1Dと同様のやり方で2,2,2−トリフルオロ−N−(4−フルオロ−3−{1−[1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボニル]−ピペリジン−4−イル}−ベンジル)−アセトアミドを出発物質として使用して製造した。
1H NMR(DMSO−d6、300MHz)δ9.35(s、1H)、8.6(d、1H)、8.4(bs、2H)、8.2(d、H)、7.6(d、1H)、7.4(m,1H)、7.3−7.1(m、2H)、 4.65(m、3H)、4.0(m、5H)、3.6(t、2H)、 3.2(s、3H)、3.0(m、H)、1.9(m、2H)、1.8(m、2H).LCMS m/z 411(M+H)。
【0106】
実施例5
[4−(5−アミノメチル−2−フルオロ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−(1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル)−メタノン二塩酸塩
【化29】

【0107】
A.2,2,2−トリクロロ−1−(1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル)−エタノン
【化30】

CH2Cl2(150mL)中の1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン(5g、42.4mmol)に塩化アルミニウム(42.4g、318mmol)を加えた。反応混合物を48℃に加熱し、そしてトリクロロアセチルクロリド(8.1g、44.5mmol)を滴下した。2時間加熱した後、反応混合物を0℃に冷却し、そして200mL H2Oでクエンチし、そして生じた沈殿物をろ過により単離して所望の生成物10g(89%)を得た。1H NMR(DMSO−d6、300MHz)δ9.3(s、1H)、9.25(s、1H)、8.6(m、2H).LCMS m/z 263(M+H)、265。
【0108】
B.1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−カルボン酸
【化31】

2,2,2−トリクロロ−1−(1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル)−エタノン(6.7g、25.4mmol)及び6N NaOH(150mL)の混合物を3時間加熱還流させ、次いで110℃に終夜加熱した。反応混合物をH2O(200mL)で希釈し、CH2Cl2(2X)で洗浄し、そして濃HClでpH=2に酸性化した。水層を凍結乾燥して生じた固形物をMeOHでトリチュレートした。MeOH層を真空で濃縮して所望の生成物3.5g(85%)を得た。1H−NMR(DMSO−d6、300MHz) δ 10.0(s、1H)、8.9(s、1H)、8.35−8.25(m、2H)、8.2(s、1H)、8.0(m、1H).LCMS m/z 163(M+H)。
【0109】
C.2,2,2−トリフルオロ−N−{4−フルオロ−3−[1−(1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−カルボニル)−ピペリジン−4−イル]−ベンジル}−アセトアミド
【化32】

表題化合物を実施例1Cと同様のやり方で1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−カルボン酸を出発物質として使用して製造した。 1H NMR(DMSO−d6、300MHz)δ13.4(s、1H)、10.0(m、1H)、9.3(bs、1H)、8.6(s、1H)、8.4(bs、1H)、8.2(bs、1H)、7.3(m、1H)、7.2(d、2H)、4.4(m、3H)、3.2(m、3H)、1.8−1.6(m、5H).LCMS m/z 449(M+H)。
【0110】
D.[4−(5−アミノメチル−2−フルオロ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−(1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル)−メタノン二塩酸塩
【化33】

2,2,2−トリフルオロ−N−{4−フルオロ−3−[1−(1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−カルボニル)−ピペリジン−4−イル]−ベンジル}−アセトアミド(0.58g、1.29mmol)のMeOH(40mL)及びH2O(17mL)中の溶液にK2CO3(1.79g、12.9mmol)を加えた。反応混合物を終夜撹拌した。反応混合物をH2OとEtOAcとの間で分配し、H2Oそしてブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、ろ過し、そして真空で濃縮した。残留物をEt2O(10mL)に入れて2.0N HCl/Et2O(15mL、30.0mmol)を加えた。固形沈殿物が形成し、エーテル溶液をデカンテーションで除いた。固形物をさらなるEt2Oで洗浄し、次いでろ過により単離して所望の生成物0.2g(40%)を得た。1H−NMR(DMSO−d6、300MHz)δ 13.5(s、1H)、9.2(s、1H)、8.6(s、1H)、8.5(d、1H)、8.4(bs、2H)、8.2(d、1H)、7.6(m、1H)、7.4(m、1H)、7.2(m、1H)、4.4(bs、1H)、4.0(m、2H)、3.2(m、3H)、1.85(m、2H)、1.7(m、2H)、1.2(m、1H).LCMS m/z 353(M+H)。
【0111】
実施例6
[4−(5−アミノメチル−2−フルオロ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−[1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル]−メタノン二塩酸塩
【化34】

【0112】
A.1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル
【化35】

1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(1.34g、7.04mmol) [Lachance、N.et al.Synthesis 2005、15、2571−2577による手順にしたがって製造された]のN,N−ジメチルアセトアミド中の溶液に室温で水素化ナトリウム(210mg、8.31mmol)を加えた。生じた混合物を30分室温で撹拌した。2−ブロモエチルメチルエーテル(1.4mL、14.15mmol)を加え、そして生じた混合物を室温で終夜撹拌した。この混合物を水及びEtOAcで希釈した。有機物を分離し、そして水相をEtOAcで抽出した。有機相をブラインで洗浄し、次いで分離して乾燥した(MgSO4)。有機相を真空で濃縮し、そして粗製残留物をSiO2フラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン:EtOAc=85:15で溶出)にかけて表題化合物1.24g(71%)を黄色油状物として得た。1H NMR(CDCl3、300MHz)δ8.56(m、1H)、7.82(d、1H)、7.46(s、1H)、7.24−7.20(m、1H)、4.73(m、2H)、4.40(m、2H)、3.73(m、2H)、3.24(m、3H)、1.43(m、3H).LCMS m/z 249(M+H)。
【0113】
B.1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸トリフルオロ酢酸塩
【化36】

1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(1.24g、5.00mmol)のTHF:MeOH:H2O(1:1:1)(30mL)の混合物中の溶液に、水酸化リチウム水和物(1.1g、26.12mmol)を加えた。生じた混合物を1時間撹拌した。この混合物を2N HClを用いてpH2〜3に酸性化した。溶媒を真空で除去し、そして水相を瞬間凍結して凍結乾燥した。固形物を逆相(C18)でフラッシュクロマトグラフィーにかけて(25分の勾配でH2O中10%MeCN/0.1%TFAから100%MeCNで溶出)、表題化合物1.66g(TFA塩として99%)を白色固体として得た。1H NMR(CD3OD、300MHz)δ8.83(d、1H)、8.73(d、1H)、7.82(dd、1H)、7.48(s、1H)、5.00(t、2H)、3.77(t、2H)、3.22(s、3H).LCMS m/z 221(M+H)。
【0114】
C.2,2,2−トリフルオロ−N−(4−フルオロ−3−{1−[1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボニル]−ピペリジン−4−イル}−ベンジル)−アセトアミド
【化37】

1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸(434mg、1.30mmol)のジクロロメタン(25mL)及びN,N−ジメチルホルムアミド(1mL)中の溶液に、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(295mg、1.54mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(194mg、1.44mmol)及びトリエチルアミン(550μL、3.93mmol)を加えた。生じた混合物を20分間室温で撹拌した。2,2,2−トリフルオロ−N−(4−フルオロ−3−ピペリジン−4−イル−フェニル)−アセトアミド塩酸塩(466mg、1.37mmol)を加え、そして40℃で終夜加熱した。この混合物を水に注ぎ、そして有機層を分離した。水相をEtOAc(x3)で抽出した。有機相をブラインで洗浄し、次いで分離して乾燥した(MgSO4)。有機相を真空で乾燥し、そして粗製残留物をSiO2フラッシュクロマトグラフィー(MeOH:CH2Cl2=3:97で溶出)にかけて表題化合物369mg(56%)を白色固体として得た。1H NMR(CD3OD、300MHz)δ8.40(m、1H)、8.03(d、1H)、7.32−7.28(m、2H)、7.22−7.17(m、1H)、7.09−7.02(m、1H)、6.80(s、1H)、4.56(m、2H)、4.43(s、2H)、4.32(bs、2H)、3.65(m、2H)、3.24(s、5H)、3.07−2.99(m、2H)、1.89−1.77(m、4H).LCMS m/z 507(M+H)。
【0115】
D.[4−(5−アミノメチル−2−フルオロ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−[1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル]−メタノン二塩酸塩
【化38】

表題化合物を実施例1Dと同様のやり方で2,2,2−トリフルオロ−N−(4−フルオロ−3−{1−[1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボニル]−ピペリジン−4−イル}−ベンジル)−アセトアミドを出発物質として使用して製造した。1H NMR(DMSO−d6、300MHz)δ8.76−8.71(m、2H)、8.42(bs、3H)、7.70(dd、1H)、7.66−7.63(m、1H)、7.43−7.38(m、1H)、7.26−7.20(m、1H)、7.06(s、1H)、4.71−4.63(m、3H)、4.02−3.93(m、3H)、3.62(t、2H) 3.56(s、3H)、3.55−3.45(m、2H)、3.11−2.94(m、H)、1.94−1.72(m、4H).LCMS m/z 411(M+H)。
【0116】
実施例7
[4−(3−アミノメチル−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−[1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル]−メタノン二塩酸塩
【化39】

【0117】
A.(3−{1−[1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボニル]−ピペリジン−4−イル}−ベンジル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル
【化40】

表題化合物を実施例6Cと同様のやり方で1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸及び(3−ピペリジン−4−イル−ベンジル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステルを出発物質として使用して製造した。1H NMR(CD3OD、300MHz)δ8.40(d、1H)、8.02(d、1H)、7.32−7.11(m、5H)、6.80(s、1H)、4.55(t、2H)、4.22(br s、3H)、3.65(t、2H)、3.24(s、3H)、3.00−2.87(m、3H)、1.86−1.72(m、3H)、1.45(br s、9H)、1.39−1.29(m、2H)、0.87(br s、1H).LCMS m/z 493(M+H)。
【0118】
B.[4−(3−アミノメチル−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−[1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル]−メタノン二塩酸塩
【化41】

表題化合物を実施例3Gと同様のやり方で(3−{1−[1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボニル]−ピペリジン−4−イル}−ベンジル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステルを出発物質として使用して製造した。1H NMR(DMSO−d6、300MHz)δ8.40(d、1H)、8.77−8.71(m、2H)、8.40(br s、3H)、7.72(dd、H)、7.48(s、H)、7.41−7.31(m、3H)、7.08(s、H)、4.64(m、2H)、4.00(m、3H)、3.62(t、2H)、3.57(s、3H)、3.49(m、H)、3.03−2.87(m、H)、1.96−1.67(m、4H).LCMS m/z 393(M+H)。
【0119】
実施例8
[4−(3−アミノメチル−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−[1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル]−メタノン二塩酸塩
【化42】

【0120】
A.1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−カルボン酸メチルエステル
【化43】

2,2,2−トリクロロ−1−(1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル)−エタノン(7.8g、29.6mmol)の90mL MeOH中の溶液に、30質量%NaOMe/MeOH溶液(10mL、177mmol)を加えた。反応混合物を2h撹拌し、次いで真空で濃縮した。残留物をEtOAc二入れてH2Oそしてブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、ろ過し、そして真空で濃縮して所望の生成物4g(77%)を得た。1H NMR(CDCl3、300MHz)δ8.85(s、1H)、8.4(d、1H)、8.1(m、2H)、3.95(s、3H).LCMS m/z 177(M+H)。
【0121】
B.1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−カルボン酸メチルエステル
【化44】

表題化合物を実施例2Bと同様のやり方で1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−カルボン酸メチルエステルを出発物質として使用して製造した。1H NMR(CDCl3、300MHz)δ8.8(s、1H)、8.4(m、1H)、8.0(m、2H)、4.4(t、2H)、 3.9(s、3H)、 3.75(t、2H)、3.3(s、3H).LCMS m/z 235(M+H)。
【0122】
C.1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−カルボン酸
【化45】

MeOH(25mL)中の1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−カルボン酸メチルエステル(2g、8.5mmol)に1N NaOH(31mL)を加えた。生じた溶液を室温で終夜撹拌した。反応混合物を1N HClを用いてpH=3に酸性化し、そして真空で濃縮してMeOHを除去した。固形沈殿物が形成し、そしてろ過により単離して所望の生成物1.64g(収率88%)を得た。1H−NMR(DMSO−d6、300MHz) δ 13.0(bs、1H)、9.5(s、1H)、8.8(s、1H)、8.5(d、1H)、8.4(d、1H)、4.7(t、2H)、3.8(t、2H)、3.2(s、3H).LCMS m/z 221(M+H)。
【0123】
D.(3−{1−[1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−カルボニル]−ピペリジン−4−イル}−ベンジル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル
【化46】

表題化合物を実施例1Cと同様のやり方で1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−カルボン酸及び(3−ピペリジン−4−イル−ベンジル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステルを出発物質として使用して製造した。この物質をさらに精製することなく次の工程で使用した。
【0124】
E.[4−(3−アミノメチル−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−[1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル]−メタノン二塩酸塩
【化47】

(3−{1−[1−(2−メトキシ−エチル)−1h−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−カルボニル]−ピペリジン−4−イル}−ベンジル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(0.896g、1.82mmol)の飽和HCl/EtOAc溶液(30mL)中の溶液を室温で4h撹拌した。生じた沈殿物をろ過により単離して所望の生成物0.77g(98%)を得た。1H NMR(DMSO−d6、300MHz)δ9.5(s、1H)、8.8(s、1H)、8.45(d、H)、8.4(bs、2H)、8.2(d、1H)、7.45(s、1H)、7.35(m、3H)、4.7(t、2H)、4.0(m、2H)、3.75(t、2H)、3.4(m、4H)、3.2(s、3H)、2.9(m、1H)、1.9(m、2H)、1.75(m、2H).LCMS m/z 393(M+H)。
【0125】
実施例9
[4−(5−アミノメチル−2−フルオロ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−[1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル]−メタノン二塩酸塩
【化48】

【0126】
A.2,2,2−トリフルオロ−N−(4−フルオロ−3−{1−[1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−カルボニル]−ピペリジン−4−イル}−ベンジル)−アセトアミド
【化49】

表題化合物を実施例1Cと同様のやり方で1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−カルボン酸を出発物質として使用して製造した。1H−NMR(CDCl3、300MHz)δ 9.4(s、1H)、8.35(d、1H)、8.15(d、1H)、8.1(s、1H)、7.2(m、2H)、7.1(m、1H)、6.7(bs、1H)、6.7(bs、1H)、4.5(m、6H)、3.8(t、2H)、3.3(s、3H)、3.2(m、3H)、2.0(m、2H)、1.8(m、2H).LCMS m/z 507(M+H)
【0127】
B.[4−(5−アミノメチル−2−フルオロ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−[1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル]−メタノン二塩酸塩
【化50】

表題化合物を実施例5Dと同様のやり方で2,2,2−トリフルオロ−N−(4−フルオロ−3−{1−[1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−カルボニル]−ピペリジン−4−イル}−ベンジル)−アセトアミドを出発物質として使用して製造した。1H−NMR(DMSO−d6、300MHz)δ 9.4(s、1H)、8.5(s、1H)、8.4(d、1H)、8.35(m、2H)、8.1(d、1H)、7.6(d、1H)、7.4(m、1H)、7.2(m、1H)、4.7(t、2H)、4.4(bs、1H)、4.0(m、2H)、3.4(m、2H)、3.8(t、2H)、3.2(s、3H)、3.1(m、2H)、1.8(m、2H)、1.7(m、2H).LCMS m/z 411(M+H)。
【0128】
実施例10
[4−(5−アミノメチル−2−フルオロ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−[1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−3−イル]−メタノン二塩酸塩
【化51】

【0129】
A.3−ヨード−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン
【化52】

表題化合物を、Lefoix、M.et al.Synthesis 2005、20、3581−3588による手順にしたがって製造した、1H NMR(CD3OD、300MHz) δ8.54(s、1H)、8.20(d、1H)、7.21(s、1H)、7.42(d、1H).LCMS m/z 245(M+H)。
【0130】
B.3−ヨード−1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン
【化53】

表題化合物を実施例6Aと同様のやり方で3−ヨード−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジンを出発物質として使用して製造した。1H NMR(CDCl3、300MHz) δ8.70(m、1H)、8.37(d、1H)、7.27(s、1H)、7.20(m、1H)、4.26(t、2H)、3.68(t、2H)、3.31(s、3H).LCMS m/z 303(M+H)。
【0131】
C.1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−3−カルボン酸
【化54】

表題化合物を、Lefoix、M.et al.Synthesis 2005、20、3581−3588による手順にしたがって同様のやり方で3−ヨード−1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジンを出発物質として使用して製造した。1H NMR(CD3OD、300MHz)δ 9.35(s、1H)、8.23(d、1H)、7.95(s、1H)、7.62(d、1H)、4.43(t、2H)、3.74(t、2H)、3.31(s、3H).LCMS m/z 221(M+H)。
【0132】
D.2,2,2−トリフルオロ−N−(4−フルオロ−3−{1−[1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル]−ピペリジン−4−イル}−ベンジル)−アセトアミド
【化55】

表題化合物を実施例6Cと同様のやり方で1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−3−カルボン酸を出発物質として使用して製造した。この物質をさらに精製することなく次の工程で使用した。
【0133】
E.[4−(5−アミノメチル−2−フルオロ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−[1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−3−イル]−メタノン二塩酸塩
【化56】

表題化合物を実施例1Dと同様のやり方で2,2,2−トリフルオロ−N−(4−フルオロ−3−{1−[1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル]−ピペリジン−4−イル}−ベンジル)−アセトアミドを出発物質として使用して製造した。1H NMR(DMSO−d6、300MHz)δ8.44(br s、3H)、8.35(s、1H)、8.23(br s、1H)、7.63(m、1H)、7.41−7.37(m、1H)、7.26−7.19(m、1H)、6.11(m、1H)、6.02(m、H)、4.62(t、2H)、4.45(br s、H)、4.00(m、2H)、3.74(t、2H) 3.22(s、3H)、3.08−2.97(m、4H)、1.91−1.67(m、4H).).LCMS m/z 411(M+H)。
【0134】
実施例11
[4−(5−アミノメチル−2−フルオロ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−[7−(2−メトキシ−エトキシ)−1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル]−メタノン二塩酸塩
【化57】

【0135】
A.2,2,2−トリクロロ−1−(7−ヒドロキシ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル)−エタノン
【化58】

表題化合物を実施例5Aと同様のやり方で7−メトキシ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジンを出発物質として使用して製造した。1H NMR(DMSO−d6、300 MHZ)δ13.4(bs、1H)、11.5(bs、1H)、8.2(s、1H)、7.2(m、1H)、7.0(d、1H).LCMS m/z 279(M+H)。
【0136】
B.7−ヒドロキシ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−カルボン酸メチルエステル
【化59】

表題化合物を実施例8Aと同様のやり方で2,2,2−トリクロロ−1−(7−ヒドロキシ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル)−エタノンを出発物質として使用して製造した。1H NMR(DMSO−d6、300MHz)δ12.8(bs、1H)、11.2(bs、1H)、7.8(s、1H)、7.0(m、1H)、6.8(d、1H)、3.8(s、3H).LCMS m/z 193(M+H)。
【0137】
C.7−(2−メトキシ−エトキシ)−1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−カルボン酸メチルエステル
【化60】

DMF(10mL)中の7−ヒドロキシ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−カルボン酸メチルエステル(0.63g、3.28mmol)にAr下でNaH(0.26g、6.60mmol)を加えた。反応混合物を10分間撹拌し、そして2−メトキシエチルブロミド(1.23mL、13.12mmol)を加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物をEtOAcに注ぎ、そして有機層をH2O(2X)水、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、ろ過し、そして真空で濃縮して粗生成物を得た。SiO2フラッシュクロマトグラフィーにより100%EtOAcで溶出して精製し、所望の生成物0.74g(73%)を得た。1H NMR(CDCl3、300MHz)δ 7.75(s、1H)、7.1(d、1H)、7.0(d、1H)、4.7(t、2H)、4.2(t、2H)、3.9(s、3H)、3.75(t、2H)、3.65(t、2H)、3.3(d、6H).LCMS m/z 309(M+H)。
【0138】
D.7−(2−メトキシ−エトキシ)−1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−カルボン酸
【化61】

MeOH(20mL)中の7−(2−メトキシ−エトキシ)−1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−カルボン酸メチルエステル(0.59g、1.92mmol)に1N NaOH(20mL)を加えた。生じた溶液を室温で終夜撹拌した。反応混合物を1N HClを用いてpH=3に酸性化し、そして真空で濃縮してMeOHを除去した。水層を臈纈乾燥して生じた固形物をH2Oを用いてトリチュレートして所望の生成物0.50g(86%)を得た。1H NMR(DMSO−d6、300MHz) δ 12.3(s、1H)、7.8(s、1H)、7.3(d、1H)、6.8(d、1H)、4.6(t、2H)、4.1(t、2H)、3.7(t、2H)、3.6(t、2H)、3.2(d、6H).LCMS m/z 295(M+H)。
【0139】
E.2,2,2−トリフルオロ−N−(4−フルオロ−3−{1−[7−(2−メトキシ−エトキシ)−1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−カルボニル]−ピペリジン−4−イル}−ベンジル)−アセトアミド
【化62】

表題化合物を実施例1Cと同様のやり方で7−(2−メトキシ−エトキシ)−1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−カルボン酸を出発物質として使用して製造した。1H NMR(CDCl3、300MHz)δ 7.4(s、1H)、7.15(m、2H)、7.05(m、2H)、6.65(d、1H)、6.55(bs,1H)、4.75(t、2H)、4.6(bs、1H)、4.45(m、3H)、4.2(t、2H)、3.75(t、2H)、3.7(t、2H)、3.3(s、6H)、3.1(m、3H)、1.9(m、2H)、1.8(m、2H).LCMS m/z 581(M+H)。
【0140】
F.[4−(5−アミノメチル−2−フルオロ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−[7−(2−メトキシ−エトキシ)−1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル]−メタノン塩酸塩
【化63】

表題化合物を実施例5Dと同様のやり方で2,2,2−トリフルオロ−N−(4−フルオロ−3−{1−[7−(2−メトキシ−エトキシ)−1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−カルボニル]−ピペリジン−4−イル}−ベンジル)−アセトアミドを出発物質として使用して 製造した。1H NMR(DMSO−d6、300MHz)δ 8.2(bs、2H)、7.7(s、1H)、7.5(m、1H)、7.35(m、1H)、7.2(m、2H)、7.1(m、1H)、6.5(d、1H)、4.7(t、2H)、4.4(bs、2H)、4.15(t、2H)、4.0(m、2H)、3.7(t、2H)、3.6(t、2H)、3.2(d、6H)、3.1(m、3H)、1.8(m、2H)、1.7(m、2H).LCMS m/z 485(M+H)。
【0141】
実施例12
[4−(5−アミノメチル−2−フルオロ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−[1−(2−メトキシ−エチル)−7−メチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル]−メタノン二塩酸塩
【化64】

【0142】
A.7−メチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン
【化65】

表題化合物を以下の手順にしたがって製造した: Journal of Organic Chemistry 2002、67(7)、2345−2347。 1H NMR(DMSO−d6、300MHz)δ 11.4(bs、1H)、8.2(d、1H)、7.6(d、1H)、6.9(d、1H)、6.5(d、1H)、3.3(s、3H).LCMS m/z 133(M+H)。
【0143】
B.3−ヨード−7−メチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン
【化66】

7−メチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン(0.50g、3.79mmol)のTHF(30mL)溶液に、N−ヨードコハク酸イミド(0.34g、4.2mmol)を加えた。反応混合物を2時間撹拌し、そして真空で濃縮した。SiO2フラッシュクロマトグラフィーにより50%EtOAc/ヘプタンで溶出して精製し、所望の生成物0.92g(94%)を得た。1H NMR(DMSO−d6、300MHz)δ 11.9(bs、1H)、8.2(d、1H)、7.8(s、1H)、7.0(d、1H)、6.5(d、1H)、3.3(s、3H).LCMS m/z 259(M+H)。
【0144】
C.3−ヨード−1−(2−メトキシ−エチル)−7−メチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン
【化67】

粉末KOH(1.74g、31mmol)のDMSO(60mL)中混合物を室温で10分間撹拌した。3−ヨード−7−メチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン(2.00g、7.75mmol)を加えた。反応混合物を1時間撹拌し、次いで2−メトキシエチルブロミド(1.46mL、15.5mmol)を加えた。3時間後、反応混合物をEtOAcに注ぎ、そして有機層をH2O(2X)、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、ろ過し、そして真空で濃縮した。SiO2フラッシュクロマトグラフィーにより50%EtOAc/ヘプタンで溶出して精製し、所望の生成物1.93g(79%)を得た。1H NMR(CDCl3、300MHz)δ 8.4(d、1H)、7.4(s、1H)、6.9(d、1H)、4.45(t、2H)、3.65(t、2H)、3.3(s、3H)、2.7(s、3H).LCMS m/z 317(M+H)。
【0145】
D.1−(2−メトキシ−エチル)−7−メチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−カルボン酸トリフルオロ−酢酸塩
【化68】

表題化合物を実施例10Cと同様のやり方で3−ヨード−1−(2−メトキシ−エチル)−7−メチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジンを出発物質として使用して製造した。1H NMR(DMSO−d6)δ8.7(s、1H)、8.5(d、1H)、7.6(d、1H)、4.75(t、2H)、3.75(t、2H)、3.2(s、3H)、2.95(s、3H).LCMS m/z 235(M+H)。
【0146】
E.2,2,2−トリフルオロ−N−(4−フルオロ−3−{1−[1−(2−メトキシ−エチル)−7−メチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−カルボニル]−ピペリジン−4−イル}−ベンジル)−アセトアミド
【化69】

表題化合物を実施例1Cと同様のやり方で1−(2−メトキシ−エチル)−7−メチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−カルボン酸トリフルオロ酢酸塩を出発物質として使用して製造した。1H NMR(CDCl3、300MHz)δ8.4(d、1H)、7.8(s、1H)、7.25−7.1(m、2H)、7.0(m、1H)、6.9(d、1H)、6.7(bs、H)、4.5(m、4H)、3.75(t、2H)、3.3(s、3H)、3.15(m、2H)、2.7(s、3H)、1.9−1.75(m、4H)、1.6(m、3H).LCMS m/z 521(M+H)。
【0147】
D.[4−(5−アミノメチル−2−フルオロ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−[1−(2−メトキシ−エチル)−7−メチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル]−メタノン二塩酸塩
【化70】

表題化合物を実施例5Dと同様のやり方で2,2,2−トリフルオロ−N−(4−フルオロ−3−{1−[1−(2−メトキシ−エチル)−7−メチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−カルボニル]−ピペリジン−4−イル}−ベンジル)−アセトアミドを出発物質として使用して製造した。1H NMR(DMSO−d6、300MHz)δ8.6(m、2H)、8.4(bs、2H)、7.6(m、2H)、7.4(m、1H)、7.2(m、1H)、4.7(t、2H)、4.0(m、2H)、3.7(t、2H)、3.6−3.3(m、4H)、3.2(m、4H)、3.0(s、3H)、2.0−1.8(m、4H).LCMS m/z 425(M+H)。
【0148】
実施例13
[4−(5−アミノメチル−2−フルオロ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−[7−クロロ−1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル]−メタノン二塩酸塩
【化71】

【0149】
A.7−クロロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン
【化72】

1Lの三つ口フラスコに窒素下で市販の臭化ビニルマグネシウム溶液(THF中1M、500mL、500mmol)を加えた。0℃にて2−クロロ−3−ニトロ−ピリジン(25g、160mmol)のTHF(100mL)溶液を滴下ロートを介して40分かけて滴下した。さらに40分0℃で撹拌した後、飽和NH4Cl水溶液で反応をクエンチし、そしてEtOAcで抽出した。合わせた有機層をMgSO4で乾燥し、ろ過し、そして真空で濃縮した。粗製物質を溶離液としてCH2Cl2/ヘプタン(33%)を用いてシリカゲルのプラグに通して固形物を得、これをCH2Cl2/ヘプタンから再結晶させて表題生成物6.9g(28%)をベージュ色固体として得た。mp 182−185℃。1H NMR(CDCl3)δ8.60(br s、1H)、8.05(m、1H)、7.50(m、1H)、7.42(m、1H)、6.64(m、1H).LCMS m/z:153(M+H)。
【0150】
B.7−クロロ−1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン
【化73】

0℃の7−クロロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン(1.3g、8.5mmol)のDMF(40mL)溶液に窒素下で水素化ナトリウム(60%油中懸濁、0.51g、12.8mmol)を加えた。0℃で10分間撹拌した後、1−ブロモ−2−メトキシ−エタン(1.8g、12.8mmol)を加え、続いて触媒量のNaIを加えた。さらに2時間0℃で撹拌した後、飽和NaHCO3水溶液で反応をクエンチし、そしてEtOAcで抽出した。合わせた有機層をMgSO4で乾燥し、ろ過し、そして真空で濃縮した。粗製物質をシリカゲルで30%EtOAc/ヘプタンを溶離液として用いて精製し、表題化合物を透明無色油状物1.66 g(93%)として得た。1H NMR(CDCl3)δ7.98(d、J=5.4Hz、1H)、7.45(d、J=5.4Hz、1H)、7.31(d、J=3.1Hz、1H)、6.52(d、J=3.1Hz、1H)、4.72(t、J=5.1Hz、2H)、3.76(t、J=5.1Hz、2H)、3.30(s、3H).LCMS m/z 211(M+H)。
【0151】
C.1−[7−クロロ−1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル]−2,2,2−トリフルオロ−エタノン
【化74】

0℃の−7−クロロ−1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン(1.5g、7.1mmol)のDMF(10mL)溶液に窒素下でトリフルオロ酢酸無水物(4.5g、21.3mmol)を加えた。2時間0℃で撹拌した後、さらにトリフルオロ酢酸無水物(4.5g、21.3mmol)を加え、そして反応混合物を終夜室温まで昇温させた。0℃で飽和NaHCO3水溶液を用いて反応をクエンチし、そしてEtOAcで抽出した。合わせた有機層をMgSO4で乾燥し、ろ過し、そして真空で濃縮した。粗製物質をCH2Cl2/ヘプタンから再結晶して表題生成物1.75g(80%)を最初の収穫としてベージュ色固体として得た。mp 110−112℃。1H NMR(CDCl3)δ8.27(s、2H)、8.09(s、1H)、4.82(t、J=5.1Hz、2H)、3.81(t、J=5.1Hz、2H)、3.32(s、3H).LCMS m/z 307 M+H)。
【0152】
D.7−クロロ−1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−カルボン酸
【化75】

1−[7−クロロ−1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル]−2,2,2−トリフルオロ−エタノン(1.0g、3.27mmol)のTHF(5mL)及びH2O(25mL)中の混合物に水酸化リチウム(1.4g、32.7mmol)を加えた。この混合物を1.5時間還流させた後、反応混合物を室温まで冷却し、そしてEt2Oで抽出した。水層を水性10%HClで酸性化し、熱EtOAcで抽出した。合わせた有機層をMgSO4で乾燥し、ろ過し、そして真空で濃縮した。粗製物質をEtOAc/MeOHから再結晶して表題化合物0.76g(91%)を白色粉末として得た。mp 210−203℃。1H NMR(DMSO−d6)δ12.55(s、1H)、8.28(s、1H)、8.07(m、1H)、7.97(m、1H)、4.78(t、J=5.1Hz、2H)、3.73(t、J=5.1Hz、2H)、3.32(s、3H).LCMS m/z 255(M+H)。
【0153】
E.N−(3−{1−[7−クロロ−1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−カルボニル]−ピペリジン−4−イル}−4−フルオロ−ベンジル)−2,2,2−トリフルオロ−アセトアミド
【化76】

7−クロロ−1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−カルボン酸(0.22g、0.86mmol)のTHF(10mL)中混合物に窒素下でカルボニルジイミダゾール(0.17、1.04mmol)を加えた。6時間周囲温度で撹拌した後、2,2,2−トリフルオロ−N−(4−フルオロ−3−ピペリジン−4−イル−ベンジル)−アセトアミド(0.52g、1.73mmol)を加え、そして反応混合物を終夜撹拌した。10%HCl水溶液で反応をクエンチし、そしてEtOAcで抽出した。合わせた有機層を飽和NaHCO3水溶液で洗浄し、MgSO4で乾燥し、ろ過し、そして真空で濃縮して表題化合物0.36g(77%)を白色泡状物質として得た。1H NMR(CDCl3)δ8.10(m、1H)、7.66(m、1H)、7.61(m、1H)、7.10(m、4H)、6.50(br s、1H)、4.76(m、2H)、4.51(m、5H)、3.78(m、2H)、3.31(s、3H)、3.16(m、1H)、1.92(m、1H) 1.75(m、1H).LCMS m/z 541(M+H)。
【0154】
F.[4−(5−アミノメチル−2−フルオロ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−[7−クロロ−1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル]−メタノン二塩酸塩
【化77】

N−(3−{1−[7−クロロ−1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−カルボニル]−ピペリジン−4−イル}−4−フルオロ−ベンジル)−2,2,2−トリフルオロ−アセトアミド(0.5g、0.92mmol)の(30mL)及びH2O(15mL)中の混合物にNa2CO3(0.98g、9.2mmol)を加えた。40分蒸気浴で加熱した後、この混合物を真空で濃縮し、そしてEtOAc/H2Oで抽出した。合わせた有機層をMgSO4で乾燥し、ろ過し、そして真空で濃縮した。粗製物質をシリカゲルのプラグに通して(EtOAc溶離液)ベースライン物質を除去した。この物質をメタノール性HClで処理した。この混合物を真空で濃縮した。生じた塩酸塩をMeOH/EtOAcから再結晶して表題化合物0.25g(57%)を白色粉末として得た。mp163−167℃。1H NMR(DMSO−d6)δ8.23(m、3H)、8.04(m、1H)、7.70(m、1H)、7.56(m、1H)、7.38(m、1H)、7.26(m、1H)、4.78(m、2H)、4.40−4.00(m、7H)、3.99(m、2H)、3.23(s、3H)、3.17(m、2H)、1.83(m、1H) 1.72(m、1H).LCMS m/z 445(M+H)。
【0155】
実施例14
[4−(5−アミノメチル−2−フルオロ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−[1−(2−メトキシ−エチル)−7−メチル−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル]−メタノン
【化78】

【0156】
A.2,2,2−トリフルオロ−1−[1−(2−メトキシ−エチル)−7−メチル−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル]−エタノン
【化79】

1−[7−クロロ−1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル]−2,2,2−トリフルオロ−エタノン(1.40g、4.57mmol)のジオキサン(40mL)中混合物に窒素下でメチルボロン酸(0.83、13.7mmol)、K2CO3(1.90g、13.7mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.21g、0.18mmol)を加えた。反応混合物を5時間還流させた後、シリカゲルを加え(was is)、そしてこの混合物を真空で濃縮した。生じた粉末をシリカプラグの上に加え、そしてEtOAcで溶出した。適切なフラクションを濃縮して固形物を得、これをCH2Cl2/ヘプタンから再結晶して表題生成物1.20g(92%)をベージュ色固体として得た。mp 125−127℃) 1H NMR(CDCl3)δ8.39(m、1H)、8.18(m、1H)、8.05(m、1H)、4.64(t、J=5.1Hz、2H)、3.77(t、J=5.1Hz、2H)、3.33(s、3H)、2.94(s、3H).LCMS m/z 287(M+H)。
【0157】
B.1−(2−メトキシ−エチル)−7−メチル−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−カルボン酸
【化80】

2,2,2−トリフルオロ−1−[1−(2−メトキシ−エチル)−7−メチル−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル]−エタノン(0.70g、2.40mmol)の6N NaOH溶液(6mL)中の懸濁液を15分間加熱還流させた。生じた透明溶液を0℃に冷却し、そして10%水性HClで酸性化した。この混合物を真空で濃縮した。生じた粗生成物をシリカゲルプラグに通した(溶離液として3%AcOH/20%MeOH/CH2Cl2)。真空で濃縮して表題化合物0.33 g(59%)を白色粉末として得た。mp 215−225℃。1H NMR(DMSO−d6)δ8.02(m、1H)、7.92(m、1H)、7.88(m、1H)、4.60(t、J=5.3Hz、2H)、3.68(t、J=5.3Hz、2H)、3.22(s、3H)、1.88(s、3H).LCMS m/z 235(M+H)。
【0158】
C.2,2,2−トリフルオロ−N−(4−フルオロ−3−{1−[1−(2−メトキシ−エチル)−7−メチル−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−カルボニル]−ピペリジン−4−イル}−ベンジル)−アセトアミド
【化81】

1−(2−メトキシ−エチル)−7−メチル−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−カルボン酸(0.50g、2.1mmol)のTHF(15mL0中混合物に窒素下でカルボニルジイミダゾール(0.69g、4.27mmol)を加えた。1時間周囲温度で撹拌した後、2,2,2−トリフルオロ−N−(4−フルオロ−3−ピペリジン−4−イル−ベンジル)−アセトアミド(2.6g、8.5mmol)を加え、そして反応混合物を終夜加熱還流させた。飽和NH4Cl水溶液で反応をクエンチし、EtOAcで抽出した。合わせた有機層をMgSO4で乾燥し、ろ過し、そして真空で濃縮した。粗生成物をシリカゲル(2.5%MeOH/CH2Cl2溶離液)で精製して表題化合物0.36g(77%)を白色泡状物質として得た。1H NMR(CDCl3)δ8.21(m、1H)、7.52(m、1H)、7.2−7.0(m、4H)、6.62(br s、1H)、4.58(m、2H)、4.49(m、6H)、3.73(m、2H)、3.31(s、3H)、3.10(m、2H)、2.93(s、3H)、1.9−1.6(m、3H).LCMS m/z 521(M+H)。
【0159】
D.[4−(5−アミノメチル−2−フルオロ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−[1−(2−メトキシ−エチル)−7−メチル−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル]−メタノン
【化82】

2,2,2−トリフルオロ−N−(4−フルオロ−3−{1−[1−(2−メトキシ−エチル)−7−メチル−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−カルボニル]−ピペリジン−4−イル}−ベンジル)−アセトアミド(0.42g、0.81mmol)のMeOH(8mL)及びH2O(2mL)中の混合物に50%NaOH水溶液(1.0mL)を加えた。周囲温度で1時間撹拌した後、この混合物を真空で濃縮し、MeOHで希釈し、そしてシリカゲル上に吸着させた。この物質をシリカゲルで精製した(溶離液としてCH2Cl2、5%MeOH/CH2CL2、そして最終的に5%7N NH3/MeOH:95%CH2Cl2)。適切なフラクションを濃縮して表題化合物0.25g(73%)を白色泡状物質として得た。1H NMR(CDCl3)δ8.22(m、1H)、7.68(m、1H)、7.59(m、2H)、7.26−6.96(m、4H)、4.58(m、3H)、3.85(m、2H)、3.73(m、2H)、3.31(s、3H)、3.10(m、3H)、2.93(s、3H)、1.90−1.60(m、5H).LCMS m/z 425(M+H)。
【0160】
実施例15
[4−(5−アミノメチル−2−フルオロ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−[7−メトキシ−1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル]−メタノン二塩酸塩
【化83】

【0161】
A.4−メトキシ−3−ニトロ−ピリジン
【化84】

氷浴(bathm)で冷却した濃H2SO4(5mL)に4−メトキシピリジン(0.5mL、4.9mmol)を20秒間かけて滴下した。濃発煙硝酸(5mL)を加え、そして反応混合物を70℃に2.5日間加熱した。この混合物を室温まで冷却し、次いで氷に注いだ。固形K2CO3を混合物のpHが塩基性になるまで加えた。この混合物をH2OとEtOAcとの間で分配した。2つの層を分離し、そして水層をEtOAcで1回抽出した。合わせた有機層をH2O及びブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、ろ過し、そして真空で濃縮して生成物0.7 g(92%)を黄色粉末として得た。1H NMR(CDCl3、300MHz)δ9.02(s、1H)、8.65(d、J=5.8、1H)、7.04(d、J=5.9、1H)、4.05(s、3H).LC Rt:0.5 min;LCMS m/z 155(M+1、100%)。
【0162】
B.4−メトキシ−ピリジン−3−イルアミン
【化85】

4−メトキシ−3−ニトロ−ピリジン(19.2g、0.13 mol)及びPd/C(10%、1.5g)のMeOH(150mL)中混合物を40psiで5時間又はH2が消費されなくなるまで水素添加した。この混合物をセライトを通してろ過し、そしてろ液を真空で濃縮した。残留物をCH2Cl2に溶解し、そして生じた溶液をMgSO4で乾燥し、ろ過し、そして真空で濃縮して生成物15.0gを黄色液体として得た。1H NMR(CDCl3、300MHz)δ8.00(s、1H)、7.98(d、J=5.5、1H)、6.70(d、J=5.4、1H) 3.90(s、3H)、3.71(br s、2H).LC Rt:0.57 min;LCMS m/z 125(M+1、100%)。
【0163】
C.2−ブロモ−4−メトキシ−ピリジン−3−イルアミン
【化86】

4−メトキシ−ピリジン−3−イルアミン(6.76g、54.5mmol)の濃HCl(50mL)中の溶液にBr2(3.36mL、65.4mmol)を30秒間かけて滴下した。この混合物を室温で1時間撹拌し、次いで55℃で終夜加熱した。この混合物を室温まで冷却し、次いで氷に注いだ。濃NH4OHを溶液のpHが塩基性になるまで加えた。生じた懸濁液をH2OとEtOAcとの間で分配した。2つの層を分離し、そして水層をEtOAc(2X)で抽出した。合わせた有機層をH2Oそしてブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、ろ過し、そして真空で濃縮した。粗製物質をシリカゲルでEtOAc/MeOH(100/o〜80/20)を溶離液として用いて精製して生成物9.18g(82%)をはk色粉末として得た。1H NMR(CDCl3、300MHz) 7.75(d、J=5.3、1H)、6.68(d、J=5.3、1H)、4.11(br s、2H)、3.91(s、3H).LC Rt:0.89 min;LCMS m/z 203(M+1、100%)。
【0164】
D.(2−ブロモ−4−メトキシ−ピリジン−3−イル)−カルバミン酸 エチルエステル
【化87】

2−ブロモ−4−メトキシ−ピリジン−3−イルアミン(540mg、2.66mmol)のピリジン(20mL)中の溶液に0℃でクロロギ酸エチル(0.38mL、3.99mmol)を加えた。30分後、さらにクロロギ酸エステルを加え(約18mmol)、反応が完了するまで加えた。この混合物を飽和NaHCO3とEtOAcとの間で分配した。2つの層を分離し、そして水層をEtOAcで1回抽出した。合わせた有機層をH2Oそしてブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、ろ過し、そして真空で濃縮した。粗製物質をシリカゲルでEtOAc/MeOH(100/0〜90/10)を溶離液として用いて精製し、生成物0.54gを白色結晶性固体として得た。1H NMR(CDCl3、300MHz) 8.18(d、J=5.6、1H)、6.84(d、J=5.7、1H)、6.02(br s、1H)、4.23(q、J=7.0、2H)、3.92(s、3H)、1.31(t、J=7.2、3H).LC Rt:1.89 min;LCMS m/z 275(M+1、100%)。
【0165】
E.(4−メトキシ−2−トリメチルシラニルエチニル−ピリジン−3−イル)−カルバミン酸 エチルエステル
【化88】

(2−ブロモ−4−メトキシ−ピリジン−3−イル)−カルバミン酸 エチルエステル(540mg、1.96mmol)、Et3N(0.54mL、3.9mmol)、Pd(PPh)2Cl2(69mg、5%mol)、CuI(30mg、8%mol)、及びTMS−アセチレン(0.56mL、3.9mmol)の脱気したTHF(10mL)中の混合物を60℃で終夜加熱した。この混合物を室温まで冷却し、次いでH2OとEtOAcとの間で分配した。この混合物をセライトを通してろ過して不溶性物質を除去した。ろ液の2つの層を分離し、そして有機層をH2Oそしてブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、ろ過し、そして真空で濃縮した。粗製物質をシリカゲルで溶離液としてヘプタン/EtOAc(50/50〜0/100)を用いて精製して生成物460mg(80%)をベージュ色固体として得た。1H NMR(CDCl3、300MHz)δ8.32(d、J=5.6、1H)、6.81(d、J=5.7、1H)、6.16(br s、1H)、4.22(q、J=7.0、2H)、3.90(s、3H)、1.30(t、J=7.2、3H)、0.26(s、9H).LC Rt 2.63 min;LCMS m/z 293(M+1、100%)。
【0166】
F.7−メトキシ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン
【化89】

(4−メトキシ−2−トリメチルシラニルエチニル−ピリジン−3−イル)−カルバミン酸 エチルエステル(460mg、1.57mmol)及びKOH(353mg、6.29mmol)のt−BuOH(20mL)中混合物を60℃で6時間加熱し、次いで室温で終夜撹拌した。この混合物を真空で濃縮した。残留物をH2OとEtOAcとの間で分配した。2つの層を分離し、そして有機層をブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、ろ過し、そして真空で濃縮した。粗製物質をシリカゲルで溶離液としてEtOAc/MeOH(90/10〜80*20)を用いて精製して生成物127mg(54%)を白色粉末として得た。1H NMR(CD3OD、300MHz)δ8.17(d、J=5.5、1H)、7.42(d、J=3.2、1H)、6.75(d、J=5.5、1H)、6.53(d、J=3.2、1H)、4.85(s、3H).LC Rt 0.39 min;LCMS m/z 149(M+1、100%)。
【0167】
G.7−メトキシ−1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン
【化90】

表題化合物を実施例12Cと同様のやり方で7−メトキシ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジンを出発物質として使用して製造した。1H NMR(CDCl3、300MHz)δ8.29(d、J=5.5、1H)、7.23(d、J=3.1、1H)、6.61(d、J=3.1、1H)、6.56(d、J=5.5、1H)、4.50(t、J=5.7、2H)、3.97(s、3H)、3.68(t、J=5.5、2H)、3.29(s、3H).LC Rt 2.51 min;MS m/z 207(M+1、100%)。
【0168】
H.3−ヨード−7−メトキシ−1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン
【化91】

7−メトキシ−1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン(256mg、1.24mmol)及びN−ヨードコハク酸イミド(536mg、1.61mmol)の脱気したTHF(20mL)中の混合物を60℃で1.5時間撹拌した。この混合物を室温まで冷却し、次いで0.1M NaOHとEtOAcとの間で分配した。2つの層を分離し、そして有機層をH2Oそしてブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、ろ過し、そして真空で濃縮した。粗製物質をシリカゲルで溶離液としてヘプタン/EtOAc(40/60〜0/100)を用いて精製して生成物272mg(66%)を黄色ゴム状物質として得た。1H NMR(CDCl3、300MHz)δ8.41(d、J=5.5、1H)、7.35(s、1H)、6.63(d、J=5.5、1H)、4.51(t、J=5.3、2H)、3.99(s、3H)、3.67(t、J=5.3、2H)、3.30(s、3H); LC Rt 1.43 min;MS m/z 333(M+1、100%)。
【0169】
I.7−メトキシ−1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−カルボン酸エチルエステル
【化92】

3−ヨード−7−メトキシ−1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン(272mg、0.82mmol)のTHF(5mL)溶液に−78℃でn−BuLi(ペンタン中2.0M、0.62mL、1.24mmol)を加えた。15分後、炭酸ジエチル(0.30mL、2.45mmol)を加えた。30分後、sat.NH4Clを加え、そして混合物をH2OとEtOAcとの間で分配した。2つの層を分離し、そして水層をEtOAcで1回抽出した。合わせた有機層をH2Oそしてブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、ろ過し、そして真空で濃縮した。粗製物質をシリカゲルで溶離液としてEtOAc/MeOH(100/0〜80/20)を用いて精製して生成物108mg(47%)(約20%の脱イオン化出発物質が混入)を透明無色フィルム状物質として得た。この物質をさらに精製することなく次の工程(sep)において使用した。1H NMR(CDCl3、300MHz)δ8.51(d、J=5.4、1H)、7.91(s、1H)、6.64(d、J=5.5、1H)、4.55−4.35(m、4H)、(t、J=5.3、2H)、3.99(s、3H)、3.70(t、J=5.2、2H)、3.29(s、3H)、1.41(t、J=7.1、3H).LC Rt 0.50 min;MS m/z 279(M+1、100%)。
【0170】
J.7−メトキシ−1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−カルボン酸塩酸塩
【化93】

7−メトキシ−1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−カルボン酸エチルエステル(108mg、0.39mmol)のMeOH(5mL)及びNaOH(1.0M、2mL)中の混合物を45℃で終夜加熱し、次いで60℃で3時間加熱した。この混合物を室温まで冷却し、次いでH2OとEtOAcとの間で分配した。2つの層を分離し、そして水層をEtOAcで1回抽出した。水層を3M HClを用いてpH約2に酸性化した。この酸性化した溶液を濃縮乾固させた。残留物をトルエンに懸濁させ、次いで濃縮乾固させた。生じた白色固形物を1時間真空乾燥し、次いでさらに精製することなく次の工程で使用した(is use)。LC Rt 0.31 min;MS m/z 251(M+1、100%)。
【0171】
K.2,2,2−トリフルオロ−N−(4−フルオロ−3−{1−[7−メトキシ−1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−カルボニル]−ピペリジン−4−イル}−ベンジル)−アセトアミド
【化94】

表題化合物を実施例1Cと同様のやり方で7−メトキシ−1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−カルボン酸塩酸塩を出発物質として使用して製造した。1H NMR(CDCl3、300MHz)δ8.37(d、J=5.4、1H)、7.68(s、1H)、7.25−7.05(m、2H)、7.05−6.95(m、1H)、6.71(br s、1H)、6.62(d、J=5.4、1H)、4.70(br s、1H)、4.60−4.30(m、4H)、3.99(s、3H)、3.72(t、J=5.5、2H)、3.33(s、3H)、3.30−2.85(m、4H)、2.00−1.70(m、4H);19F NMR(CDCl3、282MHz)δ−75.29(s、3F)、−119.18(s、1F).LC Rt 2.47 min;MS m/z 537(M+1、100%)。
【0172】
L.[4−(5−アミノメチル−2−フルオロ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−[7−メトキシ−1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル]−メタノン二塩酸塩
【化95】

表題化合物を実施例1Dと同様のやり方で2,2,2−トリフルオロ−N−(4−フルオロ−3−{1−[7−メトキシ−1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−カルボニル]−ピペリジン−4−イル}−ベンジル)−アセトアミドを出発物質として使用して製造した。1H NMR(DMSO−d6、300MHz)δ8.53(d、J=6.5、1H)、8.45(br,s 3H)、8.34(s、1H)、7.61(d、J=6.4、1H)、7.50−7.30(m、3H)、7.30−7.10(m、1H)、4.80−4.55(m、2H)、4.50(br m、1H)、4.42(s、3H)、4.10−3.90(m、2H)、3.90−3.60(m、3H)、3.55−3.40(m、1H)、3.23(s、3H)、3.20−3.10(m、2H)、2.00−1.60(m、4H); 19F NMR(DMSO−d6、282MHz) −119.58(s、1F).LC 1.39 min;MS m/z 441(M+1)、233(100%)。
【0173】
実施例16
[4−(5−アミノメチル−2−フルオロ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−(1−フェネチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル)−メタノン二塩酸塩
【0174】
【化96】

【0175】
A.1−フェネチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン
【化97】

表題化合物を実施例12Cと同様のやり方で1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン及びフェネチルブロミドを出発物質として使用して製造した。1H NMR(CDCl3、300MHz)δ8.25(d、1H)、7.50(d、1H)、7.50−6.90(m、7H)、6.65(s、1H)、4.35(s、2H)、3.10(s、3H).LC 1.62 min;MS m/z 223(M+1、100%)。
【0176】
B 3−ヨード−1−フェネチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン
【化98】

1−フェネチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン(400mg、1.8mmol)のTHF(6mL)溶液にN−ヨードコハク酸イミド(526mg、1.3mmol)を加えた。この反応混合物を室温で2時間撹拌し、次いで45℃で2時間撹拌した。溶媒を真空で除去し、そして残留物をEt2Oに溶解し、0.5M NaOH(2X)、H2O、そしてブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、ろ過し、そして真空で濃縮して生成物540mg(86%)を黄色固体として得た。1H NMR(CDCl3、300MHz)δ8.55(s、1H)、7.45(d、1H)、7.15−7.05(m、1H)、7.09−6.65(m、1H)、4.35(s、2H)、3.10(s、3H).LC 0.77 min;MS m/z 249(M+1、100%)。
【0177】
C.1−フェネチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−カルボン酸エチルエステル
【化99】

表題化合物を実施例15Iと同様のやり方で3−ヨード−1−フェネチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジンを出発物質として使用して製造した。1H NMR(CDCl3、300MHz)δ8.65(s、1H)、7.85(s、1H)、7.50(d、1H)、7.40−6.80(m、6H)、 4.60−4.25(m、4H)、3.20−2.95(m、2H)、1.40(t、3H).LC 0.65 min;MS m/z 295(M+1、100%)。
【0178】
D.1−フェネチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−カルボン酸塩酸塩
【化100】

1−フェネチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−カルボン酸エチルエステル(290mg、0.98mmol)のMeOH(2.9mL)及びNaOH(1 M、2.9mL)中の混合物を室温で2.5時間撹拌し、次いで70℃で1時間撹拌した。反応混合物のpHを1M HClを用いて約2に調整した。生じた溶液を真空で濃縮乾固させた。粗製物質をさらに精製することなく次の工程(setp)で使用した。LC 0.55 min;MS m/z 267(M+1)。
【0179】
E.2,2,2−トリフルオロ−N−{4−フルオロ−3−[1−(1−フェネチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−カルボニル)−ピペリジン−4−イル]−ベンジル}−アセトアミド
【化101】

表題化合物を実施例1Cと同様のやり方で1−フェネチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−カルボン酸塩酸塩を出発物質として使用して製造した。1H NMR(CDCl3、300MHz)δ8.60−8.50(m、1H)、7.62(s、1H)、7.60−7.50(m、1H)、7.40−6.90(m、9H)、6.65(br s、1H)、4.60(br m、1H)、4.50(d、2H)、4.38(t、2H)、3.40−2.85(m、6H)、2.00−1.70(m、4H).LC Rt 0.82 min;MS m/z 553(M+1)。
【0180】
F.[4−(5−アミノメチル−2−フルオロ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−(1−フェネチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル)−メタノン二塩酸塩
【化102】

表題化合物を実施例1Dと同様のやり方で2,2,2−トリフルオロ−N−{4−フルオロ−3−[1−(1−フェネチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−カルボニル)−ピペリジン−4−イル]−ベンジル}−アセトアミドを出発物質として使用して製造した。1H NMR(DMSO−d6、300MHz)δ8.79(d、1H)、8.61(d、1H)、8.55−8.30(m、4H)、7.75−7.55(m、2H)、7.45−7.30(m、1H)、7.30−6.95(m、7H)、4.80−4.65(m、2H)、4.55(br m、1H)、4.10−3.90(m、2H)、3.30−2.90(m、6H)、1.95−1.55(m、4H).LC 0.58 min;MS m/z 457(M+1)、241。
【0181】
実施例17
[4−(5−アミノメチル−2−フルオロ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−[1−(2−ピペリジン−1−イル−エチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル]−メタノン三塩酸塩
【化103】

【0182】
A.3−ヨード−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン
【化104】

1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン(1.94g、16.4mmol)のTHF(10mL)溶液にN−ヨードコハク酸イミド(4.06g、18.1mmol)を加えた。数分後に沈殿が起こった。反応混合物を室温で終夜撹拌し(stri)続けた。沈殿物をろ過により集めて少量のTHF及びヘプタンで洗浄した。生じた(resultin)白色固形物を真空で乾燥した。反応の収量は4.1g(定量的)であった。1H NMR(DMSO−d6、300MHz)δ8.40(s、1H)、7.90−7.70(m、2H)、7.15(d、1H).LC 0.41 min;MS m/z 245(M+1)。
【0183】
B.3−ヨード−1−(2−ピペリジン−1−イル−エチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン
【化105】

表題化合物を実施例12Cと同様のやり方で3−ヨード−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン及びN−(2−クロロエチル)ピペリジン(piperdine)塩酸塩を出発物質として使用して製造した。1H NMR(CDCl3、300MHz)δ8.60(s、1H)、7.65(d、1H)、7.55(s、1H)、7.15(d、1H)、4.20(t、2H)、3.65(t、2H)、2.50−2.30(m、4H)、1.70−1.35(m、6H).LC 0.43 min;MS m/z 356(M+1)。
【0184】
C.1−(2−ピペリジン−1−イル−エチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−カルボン酸エチルエステル
【化106】

表題化合物を実施例15Iと同様のやり方で3−ヨード−1−(2−ピペリジン−1−イル−エチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジンを出発物質として使用して製造した。1H NMR(CDCl3、300MHz)δ8.65(d、1H)、8.10(s、1H)、7.70(d、1H)、7.20−7.10(m、1H)、 4.45(q、2H)、4.20(t、2H)、3.70(t、2H)、2.50−2.30(m、4H)、1.65−1.35(m、9H).LC 0.41 min;MS m/z 302(M+1)。
【0185】
D.1−(2−ピペリジン−1−イル−エチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−カルボン酸二塩酸塩
【化107】

1−(2−ピペリジン−1−イル−エチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−カルボン酸エチルエステル(110mg、0.36mmol)のMeOH(1.1mL)及びNaOH(1M、1.1mL)中の混合物を室温で2.5時間撹拌し、次いで70℃で1時間撹拌した。反応混合物を真空で濃縮してメタノールを除去した。生じた混合物のpHを3M HClを用いて約4に調整した。生じた溶液を真空で濃縮乾固させた。粗製物質をさらに精製することなく次の工程で使用した。
【0186】
E.2,2,2−トリフルオロ−N−(4−フルオロ−3−{1−[1−(2−ピペリジン−1−イル−エチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−カルボニル]−ピペリジン−4−イル}−ベンジル)−アセトアミド
【化108】

表題化合物を実施例1Cと同様のやり方で1−(2−ピペリジン−1−イル−エチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−カルボン酸二塩酸塩を出発物質として使用して製造した。1H NMR(CDCl3、300MHz)δ8.60−8.50(m、1H)、7.62(s、1H)、7.75−7.65(m、1H)、7.25−6.95(m、4H)、6.60(br s、1H)、4.70(br m、1H)、4.59(d、2H)、4.24(t、2H)、3.35−2.85(m、4H)、2.73(t、2H)、2.55−2.35(m、4H)、2.00−1.75(m、4H)、1.70−1.35(m、6H).LC Rt 0.63 min;MS m/z 560(M+1)、281。
【0187】
F.[4−(5−アミノメチル−2−フルオロ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−[1−(2−ピペリジン−1−イル−エチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル]−メタノン 三塩酸塩
【化109】

2,2,2−トリフルオロ−N−(4−フルオロ−3−{1−[1−(2−ピペリジン−1−イル−エチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−カルボニル]−ピペリジン−4−イル}−ベンジル)−アセトアミド(85mg、0.15mmol)のMeOH(5mL)中の混合物にK2CO3水溶液(168mg、1.21mmol、1mL H2Oに溶解)を加えた。この混合物を室温で1時間撹拌し、次いで45℃で1.5時間撹拌した。LC/MSは反応が完了したことを示した。反応混合物を真空で濃縮して大部分のメタノールを除去し、そして残留物をH2Oに溶解した。この溶液を3M HClを用いてpH3に酸性化した。生じた溶液をろ過し、そしてろ液をHPLCにより精製して生成物42mg(48%)を白色固体として得た。1H NMR(DMSO−d6、300MHz)δ10.8(br s、1H)、8.51(d、1H)、8.45−8.10(m、6H)、7.60−7.45(m、1H)、7.45−7.30(m、2H)、7.30−7.15(m、1H)、4.90−4.80(m、2H)、4.70(br m、1H)、4.10−3.90(m、2H)、3.25−2.75(m、6H)、2.50−2.30(m、4H)、1.90−1.50(m、8H)、1.50−1.25(m、2H).LC 0.40 min;MS m/z 464(M+1)、192。
【0188】
実施例18
[4−(5−アミノメチル−2−フルオロ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−[1−(2−ピロリジン−1−イル−エチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル]−メタノン三塩酸塩
【化110】

【0189】
A.3−ヨード−1−(2−ピロリジン−1−イル−エチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン
【化111】

表題化合物を実施例12Cと同様のやり方で3−ヨード−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン及びN−(2−クロロエチル)ピペリジン(piperdine)塩酸塩を出発物質として使用して製造した。1H NMR(CDCl3、300MHz)δ8.65(s、1H)、7.65(d、1H)、7.55(s、1H)、7.15(d、1H)、4.25(t、2H)、2.80(t、2H)、2.70−2.50(m、4H)、1.90−1.70(m、4H).LC 0.54 min;MS m/z 342(M+1)、192。
【0190】
B.1−(2−ピロリジン−1−イル−エチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−カルボン酸エチルエステル
【化112】

表題化合物を実施例15Iと同様のやり方で3−ヨード−1−(2−ピロリジン−1−イル−エチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジンを出発物質として使用して製造した。1H NMR(CDCl3、300MHz)δ8.70(d、1H)、8.10(s、1H)、7.75(d、1H)、7.25−7.10(m、1H)、 4.45(q、2H)、4.25(t、2H)、2.90(t、2H)、2.60−2.40(m、4H)、1.85−1.70(m、4H)、1.45(t、3H).LC 0.55 min;MS m/z 288(M+1)、165。
【0191】
C.1−(2−ピロリジン−1−イル−エチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−カルボン酸二塩酸塩
【化113】

1−(2−ピロリジン−1−イル−エチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−カルボン酸エチルエステル(105mg、0.44mmol)のMeOH(1.1mL)及びNaOH(1 M、1.1mL)中の混合物を70℃で1時間撹拌した。反応混合物を真空で濃縮してメタノールを除去した。生じた混合物のpHを3M HClを用いて約4に調整した。生じた溶液を真空で濃縮乾固させた。粗製物質をさらに精製するすることなく次の工程(setp)で使用した。
【0192】
D.2,2,2−トリフルオロ−N−(4−フルオロ−3−{1−[1−(2−ピロリジン−1−イル−エチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−カルボニル]−ピペリジン−4−イル}−ベンジル)−アセトアミド
【化114】

表題化合物を実施例1Cと同様のやり方で1−(2−ピロリジン−1−イル−エチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−カルボン酸二塩酸塩を出発物質として使用して製造した。1H NMR(CDCl3、300MHz)δ8.60−8.50(m、1H)、7.88(s、1H)、7.75−7.65(m、1H)、7.25−6.95(m、4H)、6.70(br m、1H)、4.75(br m、1H)、4.49(d、2H)、4.28(t、2H)、3.35−3.30(m、4H)、2.93(t、2H)、2.50−2.30(m、4H)、2.05−1.65(m、8H).LC Rt 0.62 min;MS m/z 546(M+1)、217。
【0193】
E.[4−(5−アミノメチル−2−フルオロ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−[1−(2−ピロリジン−1−イル−エチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル]−メタノン 三塩酸塩
【化115】

2,2,2−トリフルオロ−N−(4−フルオロ−3−{1−[1−(2−ピロリジン−1−イル−エチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−カルボニル]−ピペリジン−4−イル}−ベンジル)−アセトアミド(110mg、0.20mmol)のMeOH(5mL)中混合物にK2CO3水溶液(61mg、1.61mmol、1mL H2Oに溶解)を加えた。この混合物を室温で1時間撹拌し、次いで45℃で2時間撹拌した。LC/MSは反応が完了したことを示した。反応混合物を真空で濃縮して大部分のメタノールを除去し、そして残留物をH2Oに溶解した。溶液を3M HClを用いてpH
3に酸性化した。生じた溶液をろ過し、そしてろ液をHPLCにより精製して生成物112mg(定量的)を淡黄色固体として得た。1H NMR(DMSO−d6、300MHz)δ10.2(br s、1H)、8.55(d、1H)、8.41(d、1H)、8.33 9s、1H)、8.19(br s、4H)、7.60−7.40(m、2H)、7.40−7.30(m、1H)、7.10−6.95(m、1H)、4.80−4.60(m、2H)、4.30(br m、1H)、4.10−3.95(m、2H)、3.90−3.65(m、2H)、3.65−3.45(m、2H)、3.20−2.80(m、4H)、2.15−1.50(m、10H).LC 0.378 min;MS m/z 450(M+1)。
【0194】
実施例19
[4−(5−アミノメチル−2−フルオロ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−メタノン二塩酸塩
【化116】

【0195】
A.2,2,2−トリフルオロ−N−{4−フルオロ−3−[1−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボニル)−ピペリジン−4−イル]−ベンジル}−アセトアミド
【化117】

表題化合物を実施例1Cと同様のやり方で1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボン酸を出発物質として使用して製造した。1H−NMR(CDCl3、300MHz)δ 9.8(bs、1H)、8.4(m、1H)、8.2(m、1H)、7.6(d、1H)、7.3−7.0(m、3H)、6.75(bs、1H)、4.6(m、2H)、4.45(m、2H)、3.2(m、3H)、2.5(m、1H)、1.9(m、2H)、1.8(m、2H).LCMS m/z 449(M+H)。
【0196】
B.[4−(5−アミノメチル−2−フルオロ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−メタノン二塩酸塩
【化118】

表題化合物を実施例5Dと同様のやり方で2,2,2−トリフルオロ−N−{4−フルオロ−3−[1−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボニル)−ピペリジン−4−イル]−ベンジル}−アセトアミドを出発物質として使用して製造した。1H NMR(DMSO−d6、300MHz)δ12.4(bs、1H)、8.4(bs、2H)、8.2(m、1H)、7.9(m、1H)、7.6(m、1H)、7.4(m、1H)、7.2(m、2H)、4.4(m、2H)、4.0(m、2H)、3.2(m、3H)、1.95−1.8(m、4H).LCMS m/z 353(M+H)。
【0197】
実施例20
[4−(5−アミノメチル−2−フルオロ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−[1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル]−メタノン二塩酸塩
【化119】

【0198】
A.1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボン酸メチルエステル
【化120】

表題化合物を実施例2Aと同様のやり方で1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボン酸を出発物質として使用して製造した。1H−NMR(CDCl3、300MHz)δ 10.5(bs、1H)、8.5(m、1H)、8.4(m、1H)、8.1(m、1H)、7.2(m、1H)、3.95(s、3H).LCMS m/z 177(M+H)。
【0199】
B.1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボン酸メチルエステル
【化121】

表題化合物を実施例2Bと同様のやり方で1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボン酸メチルエステルを出発物質として使用して製造した。1H−NMR(CDCl3、300MHz)δ 8.4(m、2H)、8.1(s、1H)、7.2(m、1H)、4.5(t、2H)、3.9(s、3H)、3.8(t、2H)、3.3(s、3H).LCMS m/z 235(M+H)。
【0200】
C.1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボン酸
【化122】

表題化合物を実施例8Cと同様のやり方で1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボン酸メチルエステルを出発物質として使用して製造した。1H−NMR(DMSO−d6、300MHz)δ 8.3(m、2H)、8.2(s、1H)、7.3(m、1H)、4.5(t、2H)、3.75(t、2H)、3.2(s、3H).LCMS m/z 221(M+H)。
【0201】
D.2,2,2−トリフルオロ−N−(4−フルオロ−3−{1−[1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボニル]−ピペリジン−4−イル}−ベンジル)−アセトアミド
【化123】

表題化合物を実施例1Cと同様のやり方で1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボン酸を出発物質として使用して製造した。1H−NMR(CDCl3、300MHz)δ 8.35(m、1H)、8.1(m、1H)、7.7(s、H)、7.2(m、3H)、7.1(m、1H)、6.6(bs、1H)、4.65(m、2H)、4.5(m、4H)、3.8(m、2H)、3.3(s、3H)、3.15(m、3H)、1.9(m、2H)、1.8(m、2H).LCMS m/z 507(M+H)。
【0202】
E.[4−(5−アミノメチル−2−フルオロ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−[1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル]−メタノン塩酸塩
【化124】

表題化合物を実施例5Dと同様のやり方で2,2,2−トリフルオロ−N−(4−フルオロ−3−{1−[1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボニル]−ピペリジン−4−イル}−ベンジル)−アセトアミドを出発物質として使用して製造した。1H NMR(DMSO−d6、300MHz)δ8.4(m、1H)、8.2(bs、2H)、8.1(m、1H)、7.9(s、1H)、7.6(m、1H)、7.4(m、1H)、7.2(m、2H)、4.5(m、4H)、4.0(m、2H)、3.7(m、2H)、3.25(s、3H)、3.2(m、3H)、1.9(m,2H)、1.75(m、2H).LCMS m/z 411(M+H)。
【0203】
生物学的活性
本発明の化合物の特性を:1)そのベータ−トリプターゼ阻害能力(IC50及びKi値)により実証した。
【0204】
インビトロ試験手順
背景の項で記載したように、トリプターゼの全ての作用はその触媒活性に依存するので、その触媒活性を阻害する化合物は潜在的にトリプターゼの作用を阻害するだろう。この触媒活性の阻害は、インビトロ酵素アッセイ及び細胞アッセイにより測定され得る。
【0205】
トリプターゼ阻害活性を、単離されたヒト肺トリプターゼ又は酵母細胞で発現された組み換えヒトベータトリプターゼのいずれかを使用して確認した。本質的に同等の結果が、単離されたネイティブ酵素又は発現された酵素を使用して得られた。アッセイ手順は96ウェルマイクロプレート(Costar 3590)を使用し、L−ピログルタミル−L−プロリル−L−アルギニン−パラ−ニトロアニリド(S2366:Quadratech)を基質として使用する(本質的にMcEuen et.al.Biochem Pharm、1996、52、331−340頁により記載されるとおり)。アッセイを室温で0.5mM基質(2xKm)を使用して行い、そしてマイクロプレートはマイクロプレートリーダー(Beckman Biomekプレートリーダー)で405nmの波長で読み取った。
【0206】
トリプターゼ一次スクリーニングのための材料及び方法(発色アッセイ)
アッセイ緩衝液
50mM Tris(pH8.2)、100mM NaCl、0.05%Tween 20、50μg/mLヘパリン。
基質
S2366(2.5mMのストック溶液)。
酵素
310μg/mLの精製された組み換えベータトリプターゼストック
【0207】
プロトコル(一点測定)
・ 希釈された基質(アッセイ緩衝液中、最終濃度500μM)60μLを各ウェルに加える
・ 化合物を二つ組で加える、最終濃度20μM、体積20μL
・ 酵素を最終濃度50ng/mLで体積20μLで加える
・ 各ウェルの合計体積は100μLである
・ 短く撹拌して混合し、そして室温で暗所にて30分間インキュベートする
・ 405nMで吸光度を読み取る
各プレートは以下のコントロールを有する:
全体: 基質60μL、緩衝液20μL(DMSOの最終濃度0.2%)、
酵素20μL
非特異的: 基質60μL、緩衝液40μL(0.2%DMSOを含む)
全体: 基質60μL、緩衝液20μL(DMSO無し)、酵素20μL
非特異的: 基質60μL、緩衝液40μL(DMSO無し)
【0208】
プロトコル(IC50及びKi測定)
化合物を二つ組で以下の最終濃度で加えること以外はプロトコルは上と本質的に同じである:0.01、0.03、0.1、0.3、1、3、10μM(全ての希釈は手動で行った)。全てのアッセイについて、一点測定でもIC50測定でも、比較のために標準化合物を使用してIC50を導いた。IC50値から、以下の式を使用してKiを計算することができる:Ki=IC50/(1+[基質]/Km)。
【0209】
式Iの化合物についてのベータ−トリプターゼ阻害能力はKi値26nMであった。
【0210】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
Arはアリール又はヘテロアリールであり、そして
【化1】

基は、アリール上の
【化2】

に対してベータであるような、式(I):
【化3】

[式中、
【化4】

は単結合又は二重結合であり;
XはN及びC−R5からなる群より独立して選択され;
1及びR2はそれぞれ独立して、水素又は低級アルキルであり;
3は、アリール、アリールアルケニル、シクロアルケニル、シクロアルキル、ヘテロ
アリール、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロシクロアルケニル、炭素連結ヘテロシクロアルキル、又はヒドロキシ、アルコキシ、アルキルオキシカルボニルアミノ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、R6、−OR6、−S(O)mR6若しくは−C(=O)−
6から選択される1つ若しくはそれ以上の基で場合により置換されたアルキルであり;
4は、水素、アシル、アルコキシ、アルキルオキシカルボニル、カルボキシ、ヒドロキシ、−C(=O)−NY12、又はアルコキシ、アルキルカルボニルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、ヒドロキシ、−S(O)m−アルキル若しくは−NY12で場合により置換されたアルキルであり;
5は、水素、アルコキシ、アルキルオキシカルボニル、又はアルコキシ、アルキルカルボニルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、ヒドロキシ、−S(O)m−アルキル若しくは−NY12で場合により置換されたアルキルであり;
6はアリール又はヘテロアリールであり;
1及びY2は独立して、水素、アルケニル、アルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル若しくはヘテロシクロアルキルであり;又は基−NY12は環状アミンを形成してもよく;そして
nは2である]
の化合物、又は
該化合物のN−オキシド、該化合物のプロドラッグ、該化合物の薬学的に許容しうる塩、該化合物の溶媒和物若しくは該化合物の水和物。
【請求項2】
1若しくはR2が水素であるか、又はR1及びR2が水素である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
3は水素又はシアノ基である、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
式中:
Arはフェニル基を含み;
1及びR2は両方とも水素であり;
3は水素であり;そして
【化5】

は単結合である、
請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
式Ia
【化6】

[式中、
【化7】

は単結合又は二重結合であり;
XはN及びC−R5からなる群より独立して選択され;
1及びR2はそれぞれ独立して、水素又は低級アルキルであり;
3は、アリール、アリールアルケニル、シクロアルケニル、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロシクロアルケニル、炭素連結ヘテロシクロアルキル、又はヒドロキシ、アルコキシ、アルキルオキシカルボニルアミノ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、R6、−OR6、−S(O)mR6若しくは−C(=O)−
6から選択される1つ若しくはそれ以上の基で場合により置換されたアルキルであり;
4は、水素、アシル、アルコキシ、アルキルオキシカルボニル、カルボキシ、ヒドロキシ、−C(=O)−NY12、又はアルコキシ、アルキルカルボニルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、ヒドロキシ、−S(O)m−アルキル若しくは−NY12で場合により置換されたアルキルであり;
5は、水素、アルコキシ、アルキルオキシカルボニル、又はアルコキシ、アルキルカルボニルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、ヒドロキシ、−S(O)m−アルキル若しくは−NY12で場合により置換されたアルキルであり;
6はアリール又はヘテロアリールであり;
7は水素又はハロゲンからなる群より選択され;
1及びY2は独立して、水素、アルケニル、アルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル若しくはヘテロシクロアルキルであり;又は基−NY12は環状アミンを形成してもよく;
mは0又は整数1〜2であり;そして
nは2である]
の化合物、又は
該化合物のN−オキシド、該化合物のプロドラッグ、該化合物の薬学的に許容しうる塩、該化合物の溶媒和物又は該化合物の水和物。
【請求項6】
1若しくはR2が水素であるか、又はR1及びR2が水素である、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
3は水素又はシアノ基である、請求項5に記載の化合物。
【請求項8】
式中:
1及びR2は両方とも水素であり;
3は水素であり;そして
【化8】

は単結合である、
請求項5に記載の化合物。
【請求項9】
式中:
1及びR2は両方とも水素であり;
3は水素であり;
【化9】

は単結合であり;そして
5は、水素、アルコキシ、アルキルオキシカルボニル、又はアルコキシ、アルキルカルボニルアミノで場合により置換されるアルキルである、
請求項5に記載の化合物。
【請求項10】
[4−(5−アミノメチル−2−フルオロ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−[1−(2−メトキシ−エチル)−7−メチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル]−メタノン、
[4−(5−アミノメチル−2−フルオロ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−[7−クロロ−1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル]−メタノン、
[4−(5−アミノメチル−2−フルオロ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−[7−メチル−1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル]−メタノン、
[4−(5−アミノメチル−2−フルオロ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−(1−フェネチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル)−メタノン、
[4−(5−アミノメチル−2−フルオロ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−[1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル]−メタノン、
[4−(5−アミノメチル−2−フルオロ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−[1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル]−メタノン、
[4−(3−アミノメチル−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−[1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル]−メタノン、
[4−(5−アミノメチル−2−フルオロ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−[7−(2−メトキシ−エトキシ)−1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル]−メタノン、
[4−(5−アミノメチル−2−フルオロ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−[7−メトキシ−1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル]−メタノン、
[4−(5−アミノメチル−2−フルオロ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−[1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−3−イル]−メタノン、
[4−(5−アミノメチル−2−フルオロ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−メタノン、
[4−(5−アミノメチル−2−フルオロ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−(1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル)−メタノン、
[4−(5−アミノメチル−2−フルオロ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル)−メタノン、
[4−(5−アミノメチル−2−フルオロ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−[1−(2−ピロリジン−1−イル−エチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル]−メタノン、
[4−(5−アミノメチル−2−フルオロ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−[1−(2−ピペリジン−1−イル−エチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル]−メタノン、
[4−(5−アミノメチル−2−フルオロ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−[1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル]−メタノン、
[4−(3−アミノメチル−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−[1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル]−メタノン、
[4−(5−アミノメチル−2−フルオロ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−[1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−イル]−メタノン、
[4−(3−アミノメチル−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−[1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル]−メタノン、及び
[4−(5−アミノメチル−2−フルオロ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−[1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル]−メタノン
からなる群より選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
[4−(3−アミノメチル−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−[1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル]−メタノン、
[4−(5−アミノメチル−2−フルオロ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−メタノン、
[4−(5−アミノメチル−2−フルオロ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−(1−フェネチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル)−メタノン、
[4−(5−アミノメチル−2−フルオロ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−[1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル]−メタノン、
[4−(5−アミノメチル−2−フルオロ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−[1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル]−メタノン、
[4−(5−アミノメチル−2−フルオロ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−[1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−3−イル]−メタノン、
[4−(5−アミノメチル−2−フルオロ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−[1−(2−メトキシ−エチル)−7−メチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル]−メタノン、
[4−(5−アミノメチル−2−フルオロ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−[7−(2−メトキシ−エトキシ)−1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル]−メタノン、
[4−(5−アミノメチル−2−フルオロ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−[7−クロロ−1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル]−メタノン、
[4−(5−アミノメチル−2−フルオロ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−[7−メトキシ−1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル]−メタノン、及び
[4−(5−アミノメチル−2−フルオロ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−[7−メチル−1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル]−メタノン
からなる群より選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
[4−(5−アミノメチル−2−フルオロ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−(1−フェネチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル)−メタノン;
[4−(5−アミノメチル−2−フルオロ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−[1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル]−メタノン;
[4−(5−アミノメチル−2−フルオロ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−[1−(2−メトキシ−エチル)−7−メチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル]−メタノン;
[4−(5−アミノメチル−2−フルオロ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−[7−クロロ−1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル]−メタノン;
[4−(5−アミノメチル−2−フルオロ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−[7−メトキシ−1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル]−メタノン;及び
[4−(5−アミノメチル−2−フルオロ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−[7−メチル−1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル]−メタノン
からなる群より選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
請求項1に記載の式1の化合物の1つ又はそれ以上を薬学的に許容しうる担体中に含む、医薬組成物。
【請求項14】
請求項1に記載の式1の化合物の1つ又はそれ以上、及び炎症性疾患の処置において有用な1つ又はそれ以上のさらなる薬学的に活性な化合物を含む、医薬組成物。
【請求項15】
薬学的に許容しうる担体中にある、請求項14に記載の医薬組成物。
【請求項16】
1つ又はそれ以上のさらなる薬学的に活性な化合物が、公知の抗炎症剤からなる群より選択される、請求項14に記載の医薬組成物。
【請求項17】
1つ又はそれ以上のさらなる薬学的に活性な化合物が、気道炎症を処置することが公知である化合物からなる群より選択される、請求項16に記載の医薬組成物。
【請求項18】
1つ又はそれ以上のさらなる薬学的に活性な化合物が、関節の炎症を処置することが公知である化合物からなる群より選択される、請求項16に記載の医薬組成物。
【請求項19】
請求項1に記載の式1の化合物の1つ又はそれ以上を投与することによる、炎症性疾患の処置及び/又は予防方法。
【請求項20】
請求項1に記載の式1の化合物及び薬学的に許容しうる担体を投与することによる、炎症性疾患の処置及び/又は予防方法。
【請求項21】
請求項1に記載の式1の化合物の1つ又はそれ以上、公知の抗炎症剤、及び薬学的に許容しうる担体を投与することによる、炎症性疾患の処置及び/又は予防方法。

【公表番号】特表2013−515725(P2013−515725A)
【公表日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−546019(P2012−546019)
【出願日】平成22年12月13日(2010.12.13)
【国際出願番号】PCT/US2010/060006
【国際公開番号】WO2011/078984
【国際公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(504456798)サノフイ (433)
【Fターム(参考)】