説明

cDNAにコードされるORFの効率的な組換え方法、並びにそれに用いる鋳型ベクター、トラップベクター及びプライマー

本発明は、従来の制限酵素によるDNA領域(又は遺伝子)の切り出し、又はPCRによるDNA領域の増幅にみられる上記の問題点を解決することを目的とする。本発明は、相同組換え反応を利用し、標的ORF、例えば、蛋白質をコードしているような標的ORFであって、特に、cDNA中の数千bpにも及ぶ長鎖ORFを正確、迅速、且つ簡便にクローニングする方法、及びそれに用いる各種ベクター等の手段を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、cDNAにコードされるORFの効率的な組換え方法、並びにそれに用いる鋳型ベクター、トラップベクター及びプライマー等に関する。
【背景技術】
遺伝子のクローニングは特定遺伝子又はDNAを分離・増幅させるための手段として、遺伝子研究に必須の技術である。特に、ヒトゲノム計画における大規模シークエンシングによって、2001年2月にヒトゲノムドラフト配列が公開された今日、次の大きな課題の一つである「ファンクショナル・ゲノミクス」とも呼ばれるような、ゲノムに含まれる遺伝子の機能を解析する研究において、数千bpに達する大きな塩基配列を有する遺伝子を正確にクローニングすることが非常に重要な課題となっている。
従来、遺伝子のクローニングにおいては、目的遺伝子を含む断片を適当な制限酵素で切断し、その断片を同じく制限酵素で切断したプラスミドベクター及びλバクテリオファージ由来のコスミドベクター、バクテリオファージP1ベクター、細菌人工染色体(BAC)、及びP1由来人工染色体(PAC)等の適当なクローニングベクターに挿入して組換えDNA分子(組換えベクター)を作成し、この組換えDNA分子を大腸菌等の細菌、ファージ等の宿主を利用して増殖させて大量の組換えDNA分子を得ていた。
しかしながら、この方法ではクローニングの対象となる遺伝子(標的DNA領域)を含む断片を適切に切り出す為に適当な位置に制限酵素部位が存在している必要があり、更に、制限酵素で切り出した断片をクローニングベクターに挿入する前にそれらを精製することが必要である。その為に、数千bpに達する大きな塩基配列を有する遺伝子をクローニングすることは技術的に困難であった。
或いは、DNA合成酵素によるDNA合成を利用し、既知のアミノ酸配列又は塩基配列に基づき設計されたプライマーを用いて試験管内反応であるPCRと呼ばれる方法によって、目的とする遺伝子等のDNA配列が大量得られるようになっている。
しかしながら、このPCRにおいては、DNA合成酵素によるDNA合成に際して、400〜5000塩基に一つの割合で読み違いが起こるといわれ、その結果、増幅された遺伝子配列の正確性・再現性に問題がある。
最近、このような問題点を解決する技術として、下記の非特許文献1及び非特許文献2に記載されたような、相同組換えの原理を利用した新たな遺伝子クローニング方法が提案された。
【非特許文献1】 Youming Zhang他著、NATURE BIOCHEMISTRY,Vol.18,”DNA cloning by homologous recombination in Escherichia coli”,2000,pp.1314−1317
【非特許文献2】Joep P.P.Muyrers他著、TRENDS in Biochemical sciences Vol.26,“Techniques:Recombinogenic engineering−new options for cloning and manupulating DNA”,pp.325−331.
本発明は、従来の制限酵素によるDNA領域(又は遺伝子)の切り出し、又はPCRによるDNA領域の増幅にみられる上記の問題点を解決することを目的とする。即ち、本発明においては、相同組換え反応を利用し、標的ORF、例えば、蛋白質をコードしているような標的ORF(遺伝子)であって、特に、cDNA中の数千bpにも及ぶ長鎖ORFを正確、迅速、且つ簡便にクローニングする方法、及びそれに用いる各種ベクター等の手段を提供することを目的とする。
【発明の開示】
即ち、本発明は第一の態様として、複製起点、第一の薬物耐性遺伝子、第一プライマー結合配列、第二プライマー結合配列及び、第一及び第二のプライマー結合配列に挟まれた自殺遺伝子を含むことを特徴とする、トラップベクター用鋳型ベクターに係る。
本発明は第二の態様として、標的ORFの5’末端配列のアンチセンス配列及びその3’側に結合した第一のプライマー結合配列のアンチセンス配列から成る第一プライマー、並びに、該ORFの3’末端配列のセンス配列及びその3’側に結合した第二のプライマー結合配列のセンス配列から成る第二プライマーから成る、トラップベクター作成用PCRプライマーに係る。
本発明は第三の態様として、上記トラップベクター用鋳型ベクター及びPCRプライマーを含むトラップベクター作成用キット、並びに、該トラップベクター作成用キットを用いてPCRにより直鎖状のトラップベクターを作成する方法に係る。
更に、第四の態様として、上記トラップベクターと標的ORFのとの間での相同組換え反応により、該標的ORFをトラップベクター内に含むクローニングベクターを作成する方法に係る。
更に、第五の態様として、上記クローニング法により得られたクローニングベクターに係る。
更に、第六の態様として、上記クローニングベクターを増殖させることから成る、標的ORFのクローニング法に係る。
又、第七の態様として、こうしてクローニングされた標的ORFにコードされる遺伝子自体に係る。
【図面の簡単な説明】
図1はattB部位入りPCR産物の構造を示す。
図2は本発明の相同組換えを利用した標的ORFを含むクローニングベクターを作成する各工程のスキームを示す。
図3は図2の続きであって、本発明の相同組換えを利用した標的ORFを含むクローニングベクターを作成する各工程のスキームを示す。
図4はT7DESThg00295N1の試験管内転写翻訳反応産物(約210kDaバンド)を確認する電気泳動の結果を示す写真である。
図5は本発明のORFT trap法で得られたクローンを発現させた培養細胞から得た蛋白質を抗GFP抗体を用いてウェスタンブロッティング解析して得られた写真である。
【発明を実施するための最良の形態】
本発明の第一の態様であるトラップベクター用鋳型ベクターにおいて、「複製起点」は鋳型ベクター及びそれから作成されるトラップベクターが宿主内で複製される為に必要な配列であり、使用する宿主に応じて当業者に周知の任意の配列を選択することが出来る。「薬物耐性遺伝子」とは、この遺伝子を含むベクターを適当な選択培地で増殖可能とさせる機能を有する任意の配列であり、例えば、カナマイシン、アンピシリン、及びクロラムフェニコールのような抗生物質に対する耐性遺伝子を挙げることが出来る。
本明細書において、「第一プライマー結合配列」及び「第二プライマー結合配列」は、夫々、本発明の第一プライマー及び第二プライマーと相補的に結合し、PCRにより直鎖状のトラップベクターを作成するために必要な配列を意味する。従って、このような配列はプライマーと相補的な結合を形成することが出来る配列であれば特に制限はないが、その好適例として、例えば、第一プライマー結合配列が真核生物の翻訳開始コドンを含むコザックコンセンサス配列の少なくとも一部を含むことによって、最終的にクローニングされた標的ORFを真核細胞内で翻訳させることが可能となる。更に、このコザックコンセンサス配列の5’上流側の適当な位置(例えば、開始コドンから3〜10塩基離れた位置)に大腸菌におけるリボソーム結合部位であるシャイン・ダルガーノ配列を含むことによって、ORF領域を大腸菌内で翻訳させることも可能となる。
一方、第二プライマー結合配列にはTGN又はTAN(NはG,A,T又はC)配列が含まれていることが好ましい。終止コドンであるTGA、TAA又はTAGの配列を含む第二プライマー結合配列を使用した場合には、標的ORFのみが蛋白質として翻訳されるトラップベクター(Native型)が得られ、又、TGT等のその他の配列を含む場合には、この部分がリードスルーされてその後ろに更に適当なORFが続く場合には融合蛋白質として翻訳されるトラップベクター(Fusion型)が得られる。従って、例えば、標的ORFの下流に、適当なタグペプチド(6×His,FLAG,及びHA等)をコードする塩基配列を結合させることによって、標的ORFがコードする蛋白質とタグペプチドとの融合蛋白質が発現され、タグペプチドに対する抗体又はアフィニティクロマトグラフィ等を利用してこれらを容易に精製したり、又は培養細胞内で発現ないし認識させ細胞内での局在などを解析することが出来る。上記各配列を含む2種類の第二プライマー結合配列をミックスプライマーとして合成して使用することにより、同時にNative型及びFusion型のトラップベクターを得ることが出来る。最終的に得られる2種類のクローニングベクターは、TGN又はTAN配列を含む制限酵素部位を更に含ませることによって、その制限酵素部位で切断することにより、この両方の型のクローンを容易に同定・分離することが出来る。この制限酵素部位に特に制限はなく、終止コドンとの1〜2塩基の置換によって得られるものが好ましい。例えば、Xbal,SraBI,BclI,FspI,MscI,NruI,及びBspHI等を挙げることが出来る。
プライマーとの結合が特異的に行われる限り、第一プライマー結合配列及び第二のプライマー結合配列の塩基配列の数に特に制限はないが、少なくとも5個の塩基から成り、より好ましくは7〜25塩基から成り、第一プライマー結合配列はコザックコンセンサス配列及びシャイン・ダルガーノ配列の少なくとも一部を含むことが好ましい。
第一及び第二のプライマー結合配列に挾まれた「自殺遺伝子」は、この遺伝子を含むトラップベクター用鋳型ベクターで形質転換された宿主細胞を増殖させないようにする為に使用するものであり、当業者に周知の任意の遺伝子、例えば、ccdB(Philippe Bernard,et al.,Gene,Vo.148,Positive−selection vectors using the F Plasmid ccdB killer gene,pp.71−74)等を挙げることが出来る。
更に、本発明のトラップベクター用鋳型ベクターにおいて、第一及び第二のプライマー結合配列の間に更に第一の薬物耐性遺伝子とは別の種類の第二の薬物耐性遺伝子を挟むことによって、トラップベクター用鋳型ベクターの調製を容易に行うことが出来る。
本発明のトラップベクター用鋳型ベクターは、当業者であれば、遺伝子工学において公知の手段で容易に作成することが出来る。即ち、当業者に公知の適当な大腸菌のプラスミドベクター又はファージ由来のベクターから出発して本発明のトラップベクター用鋳型ベクターを作成することが出来る。或いは、制限酵素、PCR、又はGateway(商標)テクノロジーを利用して本発明のトラップベクター用鋳型ベクターを作成することも可能である。
例えば、以下の実施例に示すように、λファージの部位特異的組換えシステムにおけるBP反応を用いて本発明のトラップベクター用鋳型ベクターを作成することが出来る。
この場合には、複製起点、第一の薬物耐性遺伝子、並びに、attP1及びattP2領域を有する適当な出発ベクターと、attB1及びattB2領域の間に第一プライマー結合配列及び第二プライマー結合配列として機能する配列(例えば、コザックコンセンサス配列の少なくとも一部、シャイン・ダルガーノ配列の少なくとも一部、TGN又はTAN等を含む塩基配列断片)との間でλファージの部位特異的組換え反応であるBP反応を行わせ、更に、第二の薬物耐性遺伝子と自殺遺伝子をattL1及びにattL2の間に制限酵素処理を用いて挿入することにより、attL1及びにattL2の間第一プライマー結合配列及び第二プライマー結合配列を含むトラップベクター用鋳型ベクターを作成することが出来る。尚、上記塩基配列断片は、例えば、PCR等の当業者に公知の適当な方法で作成することが出来る。
本発明のトラップベクター作成用PCRプライマーとして、標的ORFの5’末端配列のアンチセンス配列及びその3’側に結合した第一のプライマー結合配列のアンチセンス配列から成る第一プライマー、並びに、該標的ORFの3’末端配列のセンス配列及びその3’側に結合した第二のプライマー結合配列のセンス配列から成る第二プライマーを使用する。PCR反応で得られるトラップベクターと標的QRFとの間で相同組換え反応が有意に生起し、その結果、該標的ORFをトラップベクター内に正確かつ効率的に取り込むことができる限り、標的ORFの5’末端配列及び3’末端配列の塩基の数に特に制限はない。通常、夫々、少なくとも10個の塩基を有することが好ましく、夫々、25個〜60個程度の塩基を有していることが更に好ましい。
鋳型として上記トラップベクター用鋳型ベクター及び上記PCRプライマーを含むキット使用してPCRにより直鎖状のトラップベクターを作成することができる。PCR自体は当該技術分野において周知の技術であり、PCRの条件など当業者が適宜選択して容易に実施することが出来る。尚、該キットには緩衝液、ポリメラーゼ等のその他のPCRに必要な試薬類が適宜含むことが出来る。
こうして作成された直鎖状のトラップベクターの両端には、該標的ORFの5’末端配列及び該標的ORFの3’末端配列があるので、このトラップベクターと標的ORFとの間での相同組換え反応により、該標的ORFのみをトラップベクター内に取り込み、その結果、クローニングベクターを作成することが出来る。通常の発現系においては、ORF領域の上流及び下流には非翻訳領域(UTR)が存在し、ORF領域が蛋白質に翻訳される際にこのUTRが様々な影饗を及ぼし、蛋白質発現の妨げとなる場合が知られている。これに対して、本発明で作成したクローニングベクターに含まれる標的ORFの上流及び下流には不要な非翻訳領域(UTR)が存在しないようにすることが可能であり、各発現系で発現する際に上記のような問題が回避することができる。
本発明において、標的ORFは任意の形態で提供することができる。例えば、標的ORFはゲノムの一部であってもよいし、又は、プラスミドベクター、λバクテリオファージ由来のコスミドベクター、バクテリオファージP1ベクター、細菌人工染色体(BAC)、及びP1由来人工染色体(PAC)等の各種クローニングベクターに挿入されたcDNAの状態で提供することが出来る。或いは、合成されたDNAの一部でも良い。
標的ORFには蛋白質の遺伝情報をコードする遺伝子が含まれている可能性が高い。本発明において、好ましい標的ORFはベクターに含有されたcDNAであり、特に、数千bp以上で一万数千bpにも及ぶ長さの塩基を有する長鎖cDNAである標的ORFを有利にクローニングすることが出来る。
相同組換え反応自体は当業者に公知である。具体的には、例えば、エレクトロポレーション等の当業者に周知の適当な方法を用いて、トラップベクターとORF領域領域を含有するベクターで細菌を共形質転換し、該細菌内で相同組換え反応を行わせることが出来る。相同組換え反応において、RecBCDを利用するとその強力なエクソヌクレアーゼ活性により直鎖状DNA断片が消化されてしまう虞があるために、RecE及びRecT酵素による相同組換え反応が好ましい。
このようにして形質転換した細菌を適当な温度及び時間の条件下、例えば、37℃で1〜数時間程度培養することによって、再生コロニーを得ることができる。こうして得られた再生コロニーの一部を第一の薬物耐性遺伝子に対応する薬物を含む適当な培地中で培養することによって、本発明のクローニングベクターを含む細菌を増殖させることにより、標的ORFのクローニングを行うことが出来る。又、上記の共形質転換に使用するコンピテント細胞の調製時において、集菌時の濁度(波長600nm)を通常の値(約0.5−0.6)に比べて低め(約0.3−0.4)に設定することよって、再生コロニー数がより多く得られる。
従って、本発明において、相同組換え反応により標的ORFを含むクローニングベクターを作成する際に使用する細菌としては、このような相同組換え活性の高い大腸菌等の細菌が好ましい。このような相同組換え活性の高い大腸菌の例として、RecE/RecTを発現するsbcA株(Clark,A.J.et al.,Genes of the RecE and RecF pathways of conjugational recombination in Escherichia coli.,Cold Spring Harb.Symp.Quant.Biol.49,453−462;Hall,S.D.,Kane,M.F.& Kolodner,R.D.,Identification and characterization of the Escherichia coli RecT protein encoded by the RecE region that promotes renaturation homologous single−stranded DNA,J.Bacteriol.,175,277−287)、具体的には、JC8679及びJC9604等を挙げることが出来る。更に、RecE/RecT遺伝子を有するプラスミドで適当な大腸菌株を形質転換し、それを利用することも可能である。このようにして形質転換して得られた相同組換え活性の高い大腸菌の幾つかの例が、前記非特許文献1及び2に記載されている。
このように、本発明のクローニングベクターを適当な宿主系で増殖させることにより、標的ORFのクローニングを行うことが出来る。従って、本発明のクローニング法では、制限酵素を使用してDNAをクローニングする従来の方法とは異なり、予め標的ORFを含むDNA等を精製・単離する必要がなく、又、大腸菌体内の複製メカニズムを利用して標的ORFを増幅するので、従来のPCRによる増幅に見られるTaqポリメラーゼによる塩基配列の変異が発生する可能性がない。
更に、既に記載したように、λファージの部位特異的組換えシステムにおけるBP反応を用いて作成された、attL1及びにattL2の間に第一プライマー結合配列及び第二プライマー結合配列を含むトラップベクター用鋳型ベクターを用いた場合には、本発明のクローニングベクターはGateway(商標)テクノロジー(クローニング技術)におけるエントリークローンとして機能することが出来る。このGatewayテクノロジーにおいては、エントリークローンと各種デスティネーションベクターとの間のλファージの部位特異的組換え反応であるLR反応によって、標的ORFを維持しながら、所望の各発現系に対するプロモーター、タグ等に連結した発現クローンがハイスループットに得られる。
尚、このようなGatewayテクノロジーで使用するエントリークローンとしての機能は持たないが、本発明のトラップベクター用鋳型ベクターの適当な位置にプロモーター等の転写調節配列を予め挿入させておくことにより、本発明のクローニングベクターはそのプロモーター等に応じた発現系で機能する発現ベクターとして直ちに使用することが出来る。
以下に、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はそれに限定されるものではない。実施例における各種遺伝子操作は、上記の「分子生物学の最新プロトコール」(Frederick M.Ausubelら編、(1987))等に記載されている当業者に周知の方法に従った。
尚、図に以下の実施例に記載する各工程のスキーム(1)〜(7)を示す。
【実施例1】
(1)attB部位入りPCR産物(products)の作成
PCRは50μlの容量(5μlのdNTP(2.5mM each),5μlの10xLA PCR Buffer(Mg2+plus),1μlのP1(100pmol/μl),1μlのP2(100pmol/ul),0.5μl LA Taq(Takara),37.5μlのDDW)でおこなった。PCR反応は、94℃ 3minで変性後、94℃ 15sec変性、30℃ 30secアニーリング、68℃ 15sec伸長を10cycle行い、続けて94℃ 15sec変性、55℃ 30secアニーリング、68℃ 15sec伸長を20cycle行い、4℃で保冷した。こうして得られたattB部位入りPCR産物(図1の(1)で示される配列)を含むPCR溶液の精製は、インビトロジェン社のConcert Rapid PCR purification kitを用い、50μlのTE(10mM Tris(pH8.0),0.1mM EDTA)に溶出した。
(2)pENTR+PCR産物(products)の作成
BP反応により、attB部位入りPCR産物をpDONR221ドナーベクター(インビトロジェン社)に挿入した。反応は10μlの容量(5μlのattB部位入りPCR産物1μlのpDONR201(150ng/μl),2μlの5xBPbuffer,2μlのBP Clonase Enzyme Mix)でおこなった。室温で1hr放置した後、1μlのProteinaseKを加えて37℃で10min保温した。1μlのBP反応液と25μlのDH5αカルシウム法用コンピテントセル(インビトロジェン社LIBRARY EFFICIENCY DH5α)を混合した後、氷上で30min放置した。42℃で30secヒートショックを行った後、氷上で2min冷却した。SOCを200μl加え37℃で1hr培養し、10μlを50μg/mlカナマイシンプレートに塗布し87個の再生コロニーを得た。コロニーを50μg/mlのカナマイシンを含む2mlのLB液体培地に接種し、振盪培養(37℃,O/N)した後、インビトロジェン社のConcert Rapid Plasmid purification kitを使用してpENTR+PCR産物を75μl(119ng/μl)得た。
(3)及び(4)トラップベクター用鋳型ベクター(Template for Trap vector)の作成
pENTR+PCR産物のNotIサイトにccd遺伝子を導入した。pENTR+PCR産物を50μlの容量(43μlのpENTR+PCR product,2μlのNotI(Takara),5μlのHbuffer(Takara))でNotI消化(37℃,3hr)した後、PCI処理(フェノール/クロロホルム/イソアミルアルコールで処理)し、エタノール沈澱を行った。これを100μlの容量(88μlのDNA溶液,10μlの10xAPbuffer(Takara),2μlのAlkaline phosphatase(Takara))で脱リン酸化処理(65℃,30min)し、PCI処理した後30μlのTEに溶解した。両端にNotIサイトを付加したCmccd断片(pDONR201の843bp−2617bpをNotIサイト付きPCRプライマーで増幅したもの)を準備した。これらを8μlの容量(0.5μlのpENTR+PCR productのNotI消化産物(脱リン酸化処理)と2.5μlのNotIサイトを付加したCmccd断片,2μlの2xLigation buffer(Promega社pGEMT−E Kit),1μlのT4 DNA ligase(Promega pGEMT−E Kit))でligation(室温,3.5hr)した。このligation液1μlと10μlのDB3.1カルシウム法用コンピテントセル(インビトロジェン社LIBRARY EFFICIENCY DB3.1 Competent Cells)を混合し、氷上に30min保冷後、42℃で45secヒートショックを行い、氷上で2min冷却した。SOCを100μl加え37℃で30min培養した後、100μlを50μg/mlのカナマイシンおよび25μg/mlのクロラムフェニコールを含むプレートに塗布した。再生したコロニーを50μg/mlのカナマイシンおよび25μg/mlのクロラムフェニコールを含む2mlのLB液体培地中で振盪培養(37℃,O/N)し、BRL社のkitを使用してプラスミドを調製した。結果、トラップベクター用鋳型ベクターを75μl(367ng/μl)得た。
(5)及び(6)トラップベクター(Trap vector)の作成
ミオシン軽鎖キナーゼ遺伝子を含むクローンhg00295からそのORFをサブクローニングするためのトラップベクターをPCRにより作成した。PCRは50μlの容量(5μlのdNTP(2.5mM each),5μlの10xLA PCR Buffer(Mg2+plus),5μlのP3(10pmol/μl),5μlのP4(10pmol/μl),0.5μl LA Taq(Takara),24.5μlのDDW)でおこなった。PCR反応は、94℃ 5minで変性後、94℃ 30sec変性、40℃ 30secアニーリング、72℃ 2min伸長を5cycle行い、続けて94℃ 30sec変性、55℃ 30secアニーリング、72℃2min伸長を20cycle行い、4℃で保冷した。トラップベクターを含むPCR溶液の精製は、インビトロジェン社のConcert Rapid PCR purification kitを用い50μlのTE(10mM Tris(pH8.0),0.1mM EDTA)に溶出した。
尚、PCRに用いた第一プライマー(P3)及び第二プライマー(P4)の塩基配列は下記の通りであり、その構成は図3中、(5)に示した。

(下線部は、P3に含まれるミオシン軽鎖キナーゼ遺伝子の5’末端配列のアンチセンス配列を示す)

(下線部は、P4に含まれるミオシン軽鎖キナーゼ遺伝子の3’末端配列のセンス配列を示す)
(7)pENTRhg00295N1の作成
大腸菌内の相同組み換え反応により、ミオシン軽鎖キナーゼ遺伝子含むクローンhg00295からそのORFをGatewayシステムのエントリーベクターにサブクローニングしたpENTRhg00295N1(エントリークローン)を得た。2μlの滅菌水に溶解した5μgのクローンhg00295のNotI消化物と、上記で作成した500ngのhg00295用のトラップベクターを、20μlの大腸菌JC8679株(ヒューマンサイエンス研究資源バンクから分譲(登録番号:YG−HT017))に、エレクトロポーレーション法(BioRad社製E.coli pulser 1.67kv,5.0msec,1mm cuvette)で形質転換した。200μlのSOCを加え、培養(37℃,1hr)した後、100μlを50μl/mlカナマイシンプレートに塗布し、300個余りの再生コロニーを得た。10個のコロニーを50μg/mlのカナマイシンを含む2mlのLB液体培地に接種し、振盪培養(37℃,O/N)した後、インビトロジェン社のConcert Rapid Plasmid purification kitを使用してプラスミドを調製した。XbaI消化を行った結果、4個がXbaI消化され6個がXbaI消化できなかった。これらのクローンに関してはORFの末端とベクターの境界領域をチェックすることにより、XbaI消化されたクローンは、Fusion型、XbaI消化されなかったものは、Native型であることが分かった。6個のNative型のクローンの一つをpENTRhg00295N1(279ng/μl)とした。
pT7DESThg00295N1の作成
LR反応によりpENTRhg00295N1のhg00295のORF部分をデスティネーション(Destination)ベクターであるpT7DEST(pET−DEST42(インビトロジェン社)のNruI−NcoIサイトをpDEST24(インビトロジェン社)のNruI−NcoIサイトに変換したもの)に移した。LR反応は、20μlの系(1μlのpENTRhg00295N1(279ng/μl),2μlのpT7DESTのEcoR消化物(20ng/μl),4μlの5xLR Buffer,9ulの滅菌水,4μlのLR clonase mix)で室温で一時間行った。その後、2μlのProteinaseKを加えて37℃で10min保温した。1μlのLR反応液と50ulのDH5αカルシウム法用コンピテントセル(インビトロジェン社LIBRARY EFFICIENCY DH5α)を混合した後、氷上で30min放置した。42℃で30secヒートショックを行った後、氷上で2min冷却した。SOCを450μl加え37℃で1hr培養し、200μlを50μg/mlのアンピシリンプレートに塗布し300個余りの再生コロニーを得た。コロニーを50μg/mlのアンピシリンを含む2mlのLB液体培地に接種し、振盪培養(37℃,O/N)した後、BRL社のConcert Rapid Plasmid purification kitを使用して発現クローンであるpT7DESThg00295N1を75μl(120ng/μl)得た。このプラスミド溶液をPhenol/Chloroform/isoamylalcohol(PCI)処理した後、EtOH沈澱を行い10μl(208ng/μl)のヌクレアーゼフリーウォーターに溶解した。
pT7DESThg00295N1の試験管内転写翻訳反応産物の確認
試験管内転写翻訳反応によりpT7DESThg00295N1の産物を確認した。プロメガ社のTNT Quick Coupled Transcripiton/Translation Systemsを用いた。転写翻訳反応は、50μlの系(40μlのTNT Quick Master Mix,1μlの1mM methionine,5μlのpT7DESThg00295N1(208ng/μl),2μlのFluoroTect(プロメガ社),2μlのNuclease−free water)で30℃,90min行った。続いて、レムリのSDS−PAGEにより試験管内転写翻訳反応産物を確認した。2μlの転写翻訳産物と3μlのリン酸バッファー液と1μlの6xサンプルバッファーと0.1μlの2−メルカプトエタノール(14.4M)を混合した泳動サンプルを、3分間沸騰水中で変性し、7.5%のSDS−PAGEミニゲル(8.5cmx8.5cm)で、電気泳動(40mAで1時間)した。マーカーは、バイオラド社のカレイドスコープPrestained Standardsを5μl泳動した。ゲルを無蛍光ガラス板にのせた後、FluorImager595(モレキュラーダイナミクス社、検出条件PMT Voltage 700,Exitation Filter 488nm,Em.Filter 530DF30)を用いていて約210kDaバンドを検出した(図4)。この結果は、ミオシン軽鎖キナーゼ蛋白質の計算上の分子量は、210,130Daによく一致していた。
【実施例2】
実施例1と同様にして、更に10種の遺伝子を本発明方法によってクローニングした。その結果を以下の表1にまとめて示す。表1の結果から明らかなように、約7,000〜1万数千の範囲の非常に多数の塩基数から成るORFを正確、迅速、且つ簡便にクローニングすることに成功した。

【実施例3】
培養細胞での発現、完全長蛋白質の発現
実施例1と同様の方法で、トラップベクター用鋳型ベクター及び以下の表2に示したプライマーを使用して、夫々、OL−プロトカドヘリン(OL−protocadherin:Genbank accession no.AB037821)及びナトリウムチャンネルβサブユニット(Sodium channel β subunit:Genbank accession no.AB032984)のORFをサブクローニングするためのトラップベクターをPCRにより作成した。更に、大腸菌内の組換え反応により、上記各遺伝子を含むクローン(hk08136)及びクローン(hj00081)からそれらのORFをGatewayシステムのエントリーベクターにサブクローニングしエントリークローンである、(pENTRA1400F1)及び(pENTRA1158F1)を得た。

更に実施例1と同様に、上記の各エントリークローンに含まれる夫々の遺伝子のORFをLR反応によりpcDNADEST47(Invitrogen、Carlsbad、CA、USA、CMVプロモーターを有し、目的の蛋白質のC末にGFPを融合させた蛋白質を生成する)に移した。プラスミドの希釈液20μl(4μg)に250μlのOpti−MEM(Invitrogen Corp.)を加えた。10μlのカチオン脂質トランスフェクション試薬(LipofectAMINE2000、Invitrogen Corp.、Carlsbad、CA、USA)と250μlのOpti−MEMを混ぜ合わせた。プラスミドとトランスフェクション試薬の溶液を混合し、室温に30分間置いた後、6ウェルプレート中で80−90%コンフルエントになったFlp In 293細胞(Invitrogen Corp.)にふりかけトランスフェクションした。
トランスフェクションから3日後、100μlの4xSample buffer(Ausubel,F.,Brent,R.,Kingston,R.,Moore,D.,Seidman,F.,Smith,J.and Struhl,K.(1987).Current protocols in moleculor biology.New York,JOHN WILEY & SONS.)を細胞に加えることにより細胞を溶解し、ポリスマンを使って細胞液を回収した。超音波を加え(TAITEC VP−5S型、OUTPUT CONTROL10、20秒間)、細胞液の粘性がなくなることを確認した(DNAの断片化)。次に、8%のアクリルアミドゲルを用いてSDS−PAGEを行った。泳動後のゲルをブロッティングバッファー(25mM Tris、192mMグリシン、20%メタノール)に15分間浸した後、PVDF膜(Pall Corp.、East Hills、NY、USA)に100mA定電流で1時間転写した(BE−300型、BIOCRAFT、TOKYO、JAPAN)。膜をTBST(0.05%Tween20 in TBS(20mM Tris−Cl,150mM NaCl))に10分間浸した後、ブロッキング液(10%BSA in TBS)に1時間浸した。ブロッキング液で5000倍に希釈した一次抗体(GFP抗血清、Invitrogen Corp.)液に1時間浸した後、TBSTで10分間、TBSで5分間4回の洗浄をおこなった。次にブロッキング液で4000倍に希釈した二次抗体(アルカリホスファターゼ融合抗ウサギIgG抗体、CAPPEL、Aurora、Ohio、USA)液に1時間浸した。TBSTで10分間、TBSで5分間4回の洗浄をおこなった後、基質溶液(Western blue、Promega Corp.、Madison、WI、USA)を加え60分間発色反応した。その結果を図5に示す。
図5のレーン1にはOL−プロトカドヘリン(Genbank accession no.AB037821)とGFPとの融合蛋白質、レーン2にはナトリウムチャンネルβサブユニット(Genbank accession no.AB032984)とGFPとの融合蛋白質が泳動されているが、それぞれ約140kDaおよび約50kDaの陽性バンドが確認でき、それぞれの予想された分子量である141,188Da及び53,146Daに一致していたため、それぞれの蛋白質とGFPとの融合蛋白質の全長が発現していると考えられた。
【産業上の利用可能性】
本発明によって、該標的ORF、例えば、ベクターに含有されたcDNAであって、特に、数千bp以上を有する長鎖ORFを正確、迅速、且つ簡便にクローニングすることが可能となる。
本発明で作成される直鎖状のトラップベクターの両端には、該標的ORFの5’末端配列及び3’末端配列があるので、このトラップベクターと標的ORFとの間での相同組換え反応により、該標的ORFのみをトラップベクター内に取り込んだクローニングベクターを作成することが出来る。その結果、ORF領域の上流及び下流に存在する非翻訳領域(UTR)の転写による悪影響を回避することが出来る。
更に、本発明のクローニング法では、予め標的ORFを含むDNA等を精製・単離する必要がなく、又、標的ORFを大腸菌体内の複製メカニズムを利用して増幅するので、従来のPCRによる増幅に見られる変異が発生する可能性がない。
特に、λファージの部位特異的組換えシステムにおけるBP反応を用いて作成した、attL1及びにattL2の間に第一プライマー結合配列及び第二プライマー結合配列を含むトラップベクター用鋳型ベクターを用いて作成された本発明のクローニングベクターは、Gatewayテクノロジー(クローニング技術)におけるエントリークローンとして機能することが出来る。このGatewayテクノロジーにおいて、エントリークローンと各種デスティネーションベクターとの間の相同組換え(LR反応)によって、標的ORFを維持しながら、所望の各種発現系に対するプロモーター、タグ等に連結した発現クローンがハイスループットに得られる。
【配列表】


【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複製起点、第一の薬物耐性遺伝子、第一プライマー結合配列、第二プライマー結合配列及び、第一及び第二のプライマー結合配列に挟まれた自殺遺伝子を含むことを特徴とする、トラップベクター用鋳型ベクター。
【請求項2】
第一プライマー結合配列がコザックコンセンサス配列の少なくとも一部を含み、及び、第二プライマー結合配列がTGN又はTAN(NはG,A,T又はC)配列を含む、請求項1に記載のトラップベクター用鋳型ベクター。
【請求項3】
コザックコンセンサス配列の5’上流側にシャイン・ダルガーノ配列を含む、請求項1または2に記載のトラップベクター用鋳型ベクター。
【請求項4】
TGN又はTAN配列を含む制限酵素部位を更に含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のトラップベクター用鋳型ベクター。
【請求項5】
第一プライマー結合配列及び第二のプライマー結合配列が少なくとも5個の塩基から成る、請求項1〜4のいずれか一項に記載のトラップベクター用鋳型。
【請求項6】
第一及び第二のプライマー結合配列の間に更に第二の薬物耐性遺伝子が挟まれた、上記請求項のいずれか一項に記載のトラップベクター用鋳型ベクター。
【請求項7】
attL1及びにattL2の間に第一プライマー結合配列及び第二プライマー結合配列を含む、上記請求項のいずれか一項に記載のトラップベクター用鋳型ベクター。
【請求項8】
λファージの部位特異的組換えシステムにおけるBP反応を用いて作成されたことを特徴とする、請求項7記載のトラップベクター用鋳型ベクター。
【請求項9】
標的ORFの5’末端配列のアンチセンス配列及びその3’側に結合した第一のプライマー結合配列のアンチセンス配列から成る第一プライマー、並びに、該標的ORFの3’末端配列のセンス配列及びその3’側に結合した第二のプライマー結合配列のセンス配列から成る第二プライマーから成る、トラップベクター作成用PCRプライマー。
【請求項10】
標的ORFの5’末端配列及び3’末端配列が夫々、少なくとも10個の塩基を有する、請求項9に記載のトラップベクター作成用PCRプライマー。
【請求項11】
請求項1〜8記載のトラップベクター用鋳型ベクター、及び、請求項9又は10に記載のPCRプライマーを含む、トラップベクター作成用キット。
【請求項12】
請求項11記載のトラップベクター作成用キットを用いてPCRにより直鎖状のトラップベクターを作成する方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法により得られたトラップベクターと標的ORFとの間での相同組換え反応により、該標的ORFをトラップベクター内に含むクローニングベクターを作成する方法。
【請求項14】
相同組換え反応がRecE/RecT酵素によるものである、請求項13記載の方法。
【請求項15】
標的ORFがcDNAである、請求項13又は14記載の方法。
【請求項16】
標的ORFがベクターに含有されている、請求項13〜15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
標的ORFに蛋白質の遺伝情報をコードする遺伝子が含まれていことを特徴する、請求項13〜16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
トラップベクターと標的ORFを含有するベクターで細菌を共形質転換し、該細菌内で相同組換え反応を行う、請求項14〜17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
共形質転換した細菌を1〜数時間程度培養することによって再生コロニーを得ることを含む、請求項18記載の方法。
【請求項20】
細菌が相同組換え活性の高い大腸菌である、請求項18又は19記載の方法。
【請求項21】
請求項13〜20のいずれか一項に記載の方法により得られたクローニングベクター。
【請求項22】
Gatewayテクノロジーにおけるエントリークローンとして機能することを特徴とする、請求項21記載のクローニングベクター。
【請求項23】
請求項21又は22に記載のクローニングベクターを増殖させることから成る、標的ORFのクローニング法。
【請求項24】
請求項23記載の方法でクローニングされた標的ORFにコードされる遺伝子。

【国際公開番号】WO2004/053123
【国際公開日】平成16年6月24日(2004.6.24)
【発行日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−558414(P2004−558414)
【国際出願番号】PCT/JP2003/015571
【国際出願日】平成15年12月4日(2003.12.4)
【出願人】(596175810)財団法人かずさディー・エヌ・エー研究所 (40)
【Fターム(参考)】