説明

gsk−3阻害剤としての7−シクロアルキルアミノキノロン

式Iのアミノキノロン及びその化合物を含有する組成物が提供される。ここで開示される化合物及び組成物は、GSK-3仲介疾患を予防、改善又は治療させるのに有効である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
GSK-3仲介疾患を治療する化合物、組成物及び方法を提供する。本明細書において提供される化合物は、GSK-3阻害剤であるアミノキノロンである。
【背景技術】
【0002】
グリコーゲンシンターゼキナーゼ-3(GSK-3)は、異なった遺伝子によってエンコードされるαとβのイソ型を有する各々セリン/トレオニンプロテインキナーゼである[Coghlan et al., Chemistry & Biology, 7, 793-803 (2000); Kim and Kimmel, Curr. Opinion Genetics Dev., 10, 508-514 (2000)]。GSK-3は、糖尿病、アルツハイマー病、CNS障害、例えば、躁うつ病や神経変性疾病、及び心筋細胞肥大を含む種々の疾病に関係している[例えば、国際公開第99/65897号パンフレット; 同第00/38675号パンフレット; Haq et al., J. Cell Biol. (2000) 151, 117を参照のこと]。これらの疾患は、GSK-3が役割を果たしているある種の細胞シグナリング経路の異常動作によって引き起こされ得るか、或いはそれを生じる結果となる。
GSK-3は、多くの調節タンパク質の活性をリン酸化しモデュレートすることがわかった。調節タンパク質はグリコーゲンシンターゼを含み、これはグリコーゲン合成、微小管関連タンパク質τ、遺伝子転写因子β-カテニン、翻訳開始因子e1F-2B、並びにATPクエン酸リアーゼ、アキシン、熱ショック因子-1、c-Jun、c-myc、c-myb、CREB、及びCEPBαに必要な律速酵素である。これらの多様なターゲットは、GSK-3を細胞代謝、増殖、分化及び発達の多くの態様に関与する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
最近、GSK-3の小分子阻害剤が報告された[国際公開第99/65897号パンフレット(Chiron)、同第00/38675号パンフレット(SmithKline Beecham)]が、GSK-3仲介疾患を治療するのにより効果的な治療剤を見いだすことが継続して求められている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
1. 式(I)によって表される化合物、又はその医薬的に許容され得る塩をここで提供する。
【0005】
【化1】

(I)
【0006】
(式中、R1は、低級アルキルであり;
R2は水素又は低級アルキルであり;
mは、1、2又は3であり;
nは、1又は2であり;
Arは、Q基より各々独立して選ばれる1〜3つの置換基で置換されていてもよい、アリール又はヘテロアリールであり;
ここで、Qは、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、オキソ、チオキソ、ヒドロキシカルボニル、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、シクロアルコキシ、ヘテロシクリルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アラルキルオキシ、ヘテロアラルキルオキシ、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アラルキルオキシカルボニル、無置換又は置換アミノカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アラルキルカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、アラルキルオキシカルボニルオキシ、無置換又は置換アミノカルボニルオキシ、無置換又は置換アミノ、アルキルチオ、シクロアルキルチオ、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、アラルキルチオ、ヘテロアラルキルチオ、アルキルスルフィニル、シクロアルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、ヘテロアリールスルフィニル、アラルキルスルフィニル、ヘテロアラルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、シクロアルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アラルキルスルホニル、ヘテロアラルキルスルホニル、アルコキシスルホニル、アリールオキシスルホニル、無置換又は置換アミノスルホニル、又はヒドロキシスルホニルである)。
また、式(I)の化合物及び医薬的に許容され得る担体を含有する医薬組成物がここで提供される。
また、ここで提供される化合物又は組成物を投与することによりGSK-3仲介疾患の1つ以上の症状を治療、予防、又は改善させる方法を本明細書において提供する。
【発明を実施するための形態】
【0007】
A. 定義
特に定義されない限り、本明細書に用いられるすべての技術及び科学用語は当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。すべての特許、出願、公開された出願及び他の文献は、本願明細書に全体として含まれるものとする。本明細書の用語について複数の定義がある場合には、特にことわらない限りこの項でのものが優先する。
本明細書に用いられる命名法アルキル、アルコキシ、カルボニル等は、当業者が一般に理解するように用いられる。
本明細書に用いられるアルキル炭素鎖は、具体的に記載されていない場合、炭素1〜20個、炭素1〜16個又は炭素1〜6個を含有し、直鎖又は分枝鎖である。ある種の実施形態において、アルキル炭素鎖は、炭素1〜6個を含有する。本明細書の例示的アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert-ペンチル、イソヘキシルが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書に用いられる低級アルキルは、炭素約1個から炭素約6個までを有する炭素鎖を意味する。
本明細書に用いられるアルケニル炭素鎖は、具体的に記載されていない場合、炭素2〜20個、炭素2〜16個又は炭素2〜6個を含有し、直鎖又は分枝鎖である。ある種の実施形態において、アルケニル炭素鎖は、炭素2〜6個を含有する。炭素2〜20個のアルケニル炭素鎖は、ある種の実施態様において、1〜8つの二重結合を含有し、炭素2〜16個のアルケニル炭素鎖は、ある種の実施態様において、1〜5つの二重結合を含有する。炭素2〜6個のアルケニル炭素鎖は、ある種の実施態様において、1〜2つの二重結合を含有する。本明細書において例示的アルケニル基としては、ビニル、1-プロペニル、2-プロペニル、イソプロペニル、1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテニル、1,3-ブタジエニルが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書に用いられる低級アルケニルは、炭素約2個から炭素約6個までを有する炭素鎖を意味する。
【0008】
本明細書に用いられるアルキニル炭素鎖は、具体的に記載されていない場合、炭素2〜20個、炭素2〜16個又は炭素2〜6個を含有し、直鎖又は分枝鎖である。ある種の実施態様において、アルキニル炭素鎖は、炭素2〜6個を含有する。炭素2〜20個のアルキニル炭素鎖は、ある種の実施態様において、1〜8つの三重結合を含有し、炭素2〜16個のアルキニル炭素鎖は、ある種の実施態様において、1〜5つの三重結合を含有する。炭素2〜6個のアルキニル炭素鎖は、ある種の実施態様において、1〜2つの三重結合を含有する。本明細書において例示的アルキニル基としては、エチニル、1-プロピニル及び2-プロピニルが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書に用いられる低級アルキニルは、炭素約2個から炭素約6個までを有する炭素鎖を意味する。
本明細書に用いられる“アルコキシ”は、炭素1〜20個、炭素1〜16個又は炭素1〜6個を含有し、直鎖又は分枝鎖である。ある種の実施態様において、アルコキシ炭素鎖は、炭素1〜6個を含有する。本明細書において例示的なアルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、イソブトキシ、n-ブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、イソペントキシ、ネオペントキシ、tert-ペントキシ及びイソヘキシルオキシが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書に用いられる“アラルキル”は、アルキルの水素原子の1つがアリールによって置き換えられているアルキル基を意味する。
本明細書に用いられる“ハロ”、“ハロゲン”又は“ハライド”は、F、Cl、Br又はIを意味する。
本明細書に用いられる“アリール"は、炭素原子6〜19個を含有する単環式又は多環式の芳香族基を意味する。アリール基としては、フルオレニル、置換フルオレニル、フェニル、置換フェニル、ナフチル及び置換ナフチルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0009】
本明細書に用いられる“シクロアルキル”は、飽和の単環式又は多環式の飽和環系を意味し、ある種の実施態様においては炭素原子3〜10個、他の実施態様においては炭素原子3〜6個の単環式又は多環式の飽和環系を意味する; シクロアルケニル及びシクロアルキニルは、それぞれ少なくとも1つの二重結合と少なくとも1つの三重結合を含む単環式又は多環式の環系を意味する。シクロアルケニル基及びシクロアルキニル基は、ある種の実施態様において、炭素原子3〜10個を含有し、シクロアルケニル基については、更に実施態様において、炭素原子4〜7個を含有し、シクロアルキニル基については、更に実施態様において、炭素原子8〜10個を含有する。シクロアルキル基、シクロアルケニル基及びシクロアルキニル基の環系は、1つの環又は縮合、架橋又はスピロ結合の方法で一緒に結合することができる2つ以上の環から構成され得る。
本明細書に用いられる“ヘテロシクリル”は、3〜10員の一実施態様において、4〜7員の他の実施態様において、5〜6員の更に実施態様において、単環式又は多環式の非芳香族環系を意味し、ここで、環系内の1つ以上、ある種の実施態様においては、1〜3個の原子はヘテロ原子、即ち、窒素、酸素又は硫黄が含まれるがこれらに限定されない炭素以外の元素である。ヘテロ原子が窒素である実施態様において、窒素がアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリルアルキル、アシル、アミノカルボニル、アルコキシカルボニル、グアニジノで置換されていてもよく、或いは窒素が四級化されて置換基が上記のように選ばれるアンモニウム基を形成してもよい。
本明細書に用いられる“ヘテロアリール”は、単環式又は多環式の芳香族環系を意味し、ある種の実施態様において、約5〜約15員の単環式又は多環式の芳香族環系であって、環系内の原子の1つ以上、一実施態様においては、1〜3個が、ヘテロ原子、即ち、窒素、酸素又は硫黄を含むがこれに限定されない炭素以外の元素である。ヘテロアリール基は、ベンゼン環に縮合されていてもよい。ヘテロアリール基としては、フリル、イミダゾリル、ピリミジニル、テトラゾリル、チエニル、ピリジル、ピロリル、N-メチルピロリル、キノリニル及びイソキノリニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0010】
本明細書に用いられる“縮合ヘテロシクリルアリール”は、ヘテロシクリルと縮合したアリールを意味する。一実施態様において、縮合ヘテロシクリルアリールは、ヘテロシクリルが約5〜約6つの環原子を含有し且つそのアリールがフェニルであるものである。縮合ヘテロシクリルアリールは、環系の任意の原子によって結合され得る。代表的な縮合ヘテロシクリルアリール基としては、1,3-ベンゾジオキソラン-4-イル、1,3-ベンゾジオキソラン-5-イル、1,3-ベンゾジオキソラン-6-イル、1,3-ベンゾジオキソラン-7-イル、4-インドリニル、5-インドリニル、6-インドリニル及び7-インドリニルが挙げられる。
本明細書に用いられる“縮合アリールヘテロシクリル”は、アリール基に縮合された縮合ヘテロシクリルを意味する。一実施態様において、縮合アリールヘテロシクリルは、そのアリールがフェニルであり且つヘテロシクリルが約5〜約6つの環原子を含有するものである。縮合アリールヘテロシクリルは、環系の原子によって結合され得る。代表的な縮合アリールヘテロシクリル基としては、1-インドリニル、2-インドリニル、3-インドリニル、1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-1-イル、1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-2-イル、1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-3-イル及び1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-4-イルが挙げられる。
本明細書に用いられる“ハロアルキル”は、水素原子の1つ以上がハロゲンで置き換えられているアルキル基を意味する。“低級ハロアルキル”は、水素原子の1つ以上がハロゲンで置き換えられている低級アルキル基を意味する。このような基としては、クロロメチル、トリフルオロメチル及び1-クロロ-2-フルオロエチルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0011】
本明細書に用いられる“ヘテロアラルキル”は、水素原子の1つがヘテロアリールで置き換えられているアルキル基を意味する。
本明細書に用いられる“ハロアルコキシ”は、Rがハロアルキル基であるRO-を意味する。
本明細書に用いられる“シクロアルコキシ”は、Rがシクロアルキル基であるRO-を意味する。
本明細書に用いられる“アリールオキシ”は、RがアリールであるRO-を意味する。
本明細書に用いられる“ヘテロアリールオキシ”は、RがヘテロアリールであるRO-を意味する。
本明細書に用いられる“ヘテロシクリルオキシ”は、RがヘテロシクリルであるRO-を意味する。
本明細書に用いられる“アラルキルオキシ”は、RがアラルキルであるRO-を意味する。
本明細書に用いられる“ヘテロアラルキルオキシ”は、RがヘテロアラルキルであるRO-を意味する。
本明細書に用いられる“アルキルカルボニル”は、R がアルキル基であるRCO-を意味する。
本明細書に用いられる“アリールカルボニル”は、 RがアリールであるRCO-を意味する。
本明細書に用いられる“ヘテロアリールカルボニル”は、 RがヘテロアリールであるRCO-を意味する。
本明細書に用いられる“アルコキシカルボニル”は、 Rがアルコキシ基であるRCO-を意味する。
本明細書に用いられる“アリールオキシカルボニル”は、 RがアリールオキシであるRCO-を意味する。
【0012】
本明細書に用いられる″アラルキルオキシカルボニル″は、RがアラルキルオキシであるRCO-を意味する。
本明細書に用いられる"無置換又は置換アミノカルボニル″は、R′及びRが、独立して、水素、アルキル アリール、ヘテロアリール、アラルキル又はヘテロアラルキルである-C(O)NRRを意味する。
本明細書に用いられる“アルキルカルボニルオキシ”は、Rがアルキルである-OC(O)Rを意味する。
本明細書に用いられる“アリールカルボニルオキシ”は、Rがアリールである-OC(O)Rを意味する。
本明細書に用いられる“アラルキルカルボニルオキシ”は、Rがアラルキルである-OC(O)Rを意味する。
本明細書に用いられる“アルコキシカルボニルオキシ”は、Rがアルキルである-OC(O)O Rを意味する。
本明細書に用いられる“アリールオキシカルボニルオキシ”は、Rがアリールである-OC(O)O Rを意味する。
本明細書に用いられる“アラルキルオキシカルボニルオキシ”は、Rがアラルキルである-OC(O)O Rを意味する。
本明細書に用いられる“無置換又は置換アミノカルボニルオキシ”は、R′及びRが独立して水素、アルキル アリール、ヘテロアリール、アラルキル又はヘテロアラルキルである-OC(O) NR′Rである。
本明細書に用いられる“無置換又は置換アミノ”は、R′及びRが独立して水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アラルキルオキシカルボニル、無置換又は置換アミノカルボニル、アルキルスルホニル、シクロアルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アラルキルスルホニル、又はヘテロアラルキルスルホニルである-NR'Rを意味する。
【0013】
本明細書に用いられる“アルキルチオ”は、Rがアルキルである-SRを意味する。
本明細書に用いられる“シクロアルキルチオ”は、Rがシクロアルキルである-SRを意味する。
本明細書に用いられる“アリールチオ”は、Rがアリールである-SRを意味する。
本明細書に用いられる“ヘテロアリールチオ”は、Rがヘテロアリールである-SRを意味する。
本明細書に用いられる“アラルキルチオ”は、Rがアラルキルである-SRを意味する。
本明細書に用いられる“ヘテロアラルキルチオ”は、Rがヘテロアラルキルである-SRを意味する。
本明細書に用いられる“アルキルスルフィニル”は、Rがアルキルである-S(O)Rを意味する。
本明細書に用いられる“シクロアルキルスルフィニル”は、Rがシクロアルキルである-S(O)Rを意味する。
本明細書に用いられる“アリールスルフィニル”は、Rがアリールである-S(O)Rを意味する。
本明細書に用いられる“ヘテロアリールスルフィニル”は、Rがヘテロアリールである-S(O)Rを意味する。
本明細書に用いられる“アラルキルスルフィニル”は、Rがアラルキルである-S(O)Rを意味する。
本明細書に用いられる“ヘテロアラルキルスルフィニル”は、Rがヘテロアラルキルである-S(O)Rを意味する。
本明細書に用いられる“アルキルスルホニル”は、Rがアルキルである-S(O)2Rを意味する。
本明細書に用いられる“シクロアルキルスルホニル”は、Rがシクロアルキルである-S(O)2Rを意味する。
【0014】
本明細書に用いられる“アリールスルホニル”は、Rがアリールである-S(O)2Rを意味する。
本明細書に用いられる“ヘテロアリールスルホニル”は、Rがヘテロアリールである-S(O)2Rを意味する。
本明細書に用いられる“アルコキシスルホニル"は、Rがアルコキシである-S(O)2Rを意味する
本明細書に用いられる“アリールオキシスルホニル"は、Rがアリールオキシである-S(O)2Rを意味する。
本明細書に用いられる“アラルキルスルホニル”は、Rがアラルキルである-S(O)2Rを意味する。
本明細書に用いられる“ヘテロアラルキルスルホニル”は、Rがヘテロアラルキルである-S(O)2Rを意味する。
本明細書に用いられる“無置換又は置換アミノスルホニル”は、R'及びRが独立して水素、アルキル アリール、ヘテロアリール、アラルキル又はヘテロアラルキルである-S(O)2N R'Rを意味する。
本明細書に用いられる医薬的に許容され得る塩としては、アミン、例えば、限定されないが、N,N'-ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、アンモニア、ジエタノールアミンもしくは他のヒドロキシアルキルアミン、エチレンジアミン、N-メチルグルカミン、プロカイン、N-ベンジルフェネチルアミン、1-パラ-クロロベンジル-2-ピロリジン-1'-イルメチルベンズイミダゾール、ジエチルアミンもしくは他のアルキルアミン、ピペラジン又はトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン; アルカリ金属塩、例えば、限定されないが、リチウム、カリウム又はナトリウム; アルカリ土類金属塩、例えば、限定されないが、バリウム、カルシウム又はマグネシウム; 遷移金属塩、例えば、限定されないが、亜鉛; 及び無機塩、例えば、限定されないが、リン酸水素ナトリウム又はリン酸二ナトリウム; また、例えば、限定されないが、鉱酸塩、例えば、限定されないが、塩酸塩又は硫酸塩; 及び有機酸塩、限定されないが、酢酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、アスコルビン酸、コハク酸塩、ブチル酸塩、吉草酸塩、メシル酸塩、又はフマル酸塩が挙げられるが、これらに限定されない。
【0015】
本明細書に提供される化合物がキラル中心を含有することができることは理解されるべきである。このようなキラル中心は、(R)又は(S)配置であり得るか、又はその混合物であり得る。従って、本明細書に提供される化合物は、鏡像異性体的に純粋であり得るか、又は立体異性体混合物又はジアステレオマー混合物であり得る。
本明細書に用いられる実質的に純粋なは、精製が物質の物理的性質や化学的性質、例えば、酵素活性や生物学的活性を検出可能に変えないようにこのような純度、又は充分に純粋を評価するために当業者によって用いられる標準分析法、例えば、薄層クロマトグラフィー(TLC)、ゲル電気泳動、高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)、核磁気共鳴(NMR)、又は質量分析(MS)によって決定される容易に検出可能な不純物を含まないように充分に均一であることを意味する。実質的に化学的に純粋な化合物を製造する化合物の精製方法は、当業者に既知である。しかしながら、実質的に化学的に純粋な化合物は、立体異性体の混合物であり得る。このような場合、精製によって、更に化合物の比活性が増大することがあり得る。本開示は、すべてのこのような可能な異性体、並びにそのラセミ体及び光学的に純粋な形態を含むことを意味する。光学的に活性な(+)及び(-)、(R)-及び(S)-、又は(D)-及び(L)-異性体は、キラルなシントン又はキラルな試薬を用いて調製することができ、従来の技術、例えば、逆相HPLCを用いて分割することもできる。本明細書に記載される化合物がオレフィン二重結合又は幾何学的非対称の他の中心を含有する場合、特にことわらない限り、化合物がE幾何異性体とZ幾何異性体の双方を含むことを意図する。同様に、すべての互変異性体を含むことも意図する。
【0016】
本明細書に用いられるIC50は、このような応答を測定する分析において最大応答の50%阻害を達成する具体的な試験化合物の量、濃度又は用量を意味する。
本明細書に用いられるEC50は、具体的な試験化合物によって誘導、誘発、又は増強される具体的な応答の最大発現の50%の用量依存性応答を誘発する具体的な試験化合物の用量、濃度又は総量を意味する。
本明細書に用いられるように、治療は、疾患又は障害の症状の1つ以上が改善されるか或いは有益に変わる方法を意味する。治療はまた、本明細書における組成物の医薬使用、例えば、糖尿病を治療するための使用を包含する。
本明細書に用いられる具体的な化合物又は医薬組成物の投与による具体的な障害の症状の改善は、組成物の投与によるものと考えられ得るか又は関連し得る、永続的にしても一時的にしても、持続的にしても一時的にしても減弱を意味する。
本明細書に用いられる用語“予防する”は、疾患又は障害にすでに罹患した患者において具体的に記載された疾患の再発の防止、及び/又は疾患又は障害に罹患した患者が回復している時間を長くすることを意味する。
本明細書に用いられる用語"GSK-3仲介疾患"、又は"GSK-3仲介状態"は、GSK-3が役割を果たすことが知られている疾患又は他の有害な状態又は状況を意味する。このような疾患又は状態としては、限定されないが、糖尿病、糖尿病と関連する状態、アルツハイマー病のような認知症を含む慢性神経変性状態、パーキンソン病、進行性核上麻痺、亜急性硬化性全脳炎パーキンソン症候群、脳炎後パーキンソン症候群、拳闘家脳症、グアムパーキンソニズム-認知症複合、ピック病、大脳皮質基底核変性症、前頭側頭型認知症、ハンチントン病、AIDS関連認知症、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、急性脳卒中のような神経外傷性疾患、てんかん、うつ病のような気分障害、統合失調症又は双極性障害、関節リウマチ、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、敗血症、膵臓癌、卵巣癌及び骨粗鬆症が挙げられる。
【0017】
B. 化合物
式(I)の化合物、又はその医薬的に許容され得る塩を本明細書において提供する:
【0018】
【化2】

(I)
【0019】
(式中、R1は、低級アルキルであり;
R2は、水素又は低級アルキルであり;
mは、1、2又は3であり;
nは、1又は2であり;
Arは、Q基より各々独立して選ばれる1〜3つの置換基で置換されていてもよい、アリール又はヘテロアリールであり;
ここで、Qは、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、オキソ、チオキソ、ヒドロキシカルボニル、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、アルコキシ、ハロオアルコキシ、シクロアルコキシ、ヘテロシクリルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アラルキルオキシ、ヘテロアラルキルオキシ、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アラルキルオキシカルボニル、無置換又は置換アミノカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アラルキルカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、アラルキルオキシカルボニルオキシ、無置換又は置換アミノカルボニルオキシ、無置換又は置換アミノ、アルキルチオ、シクロアルキルチオ、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、アラルキルチオ、ヘテロアラルキルチオ、アルキルスルフィニル、シクロアルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、ヘテロアリールスルフィニル、アラルキルスルフィニル、ヘテロアラルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、シクロアルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アラルキルスルホニル、ヘテロアラルキルスルホニル、アルコキシスルホニル、アリールオキシスルホニル、無置換又は置換アミノスルホニル、アルコキシスルホニル、アリールオキシスルホニル、又はヒドロキシスルホニルである)。
一実施態様において、R2は、水素である。
他の実施態様において、Arは、Q基より各々独立して選ばれる1〜3つの置換基で置換されていてもよいヘテロアリールである。
他の実施態様において、m+nは、3又は4である。
ある種の実施態様において、化合物、又はその医薬的に許容され得る塩は、式(Ia)
を有する:
【0020】
【化3】

(Ia)
【0021】
(式中、nは、1又は2であり;
Arは、Q基より各々独立して選ばれる1〜3つの置換基で置換されていてもよい、アリール又はヘテロアリールであり;
ここで、Qは、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、オキソ、チオキソ、ヒドロキシカルボニル、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、アルコキシ、ハロオアルコキシ、シクロアルコキシ、ヘテロシクリルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アラルキルオキシ、ヘテロアラルキルオキシ、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アラルキルオキシカルボニル、無置換又は置換アミノカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アラルキルカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アラルキルオキシカルボニルオキシ、無置換又は置換アミノカルボニルオキシ、無置換又は置換アミノ、アルキルチオ、シクロアルキルチオ、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、アラルキルチオ、ヘテロアラルキルチオ、アルキルスルフィニル、シクロアルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、ヘテロアリールスルフィニル、アラルキルスルフィニル、ヘテロアラルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、シクロアルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アラルキルスルホニル、ヘテロアラルキルスルホニル、アルコキシスルホニル、アリールオキシスルホニル、無置換又は置換アミノスルホニル、又はヒドロキシスルホニルである)。
一実施態様において、化合物は、ArがQ基より各々独立して選ばれる1〜3つの置換基で置換されていてもよいヘテロアリールである式(Ia)を有する。
一実施態様において、化合物は、ArがQ基より各々独立して選ばれる1〜3つの置換基で置換されていてもよいピリジル、ピラミジル、ピラゾリル又はイミダゾリルである式(Ia)を有する
他の実施態様において、化合物は、下記より選ばれる:
【0022】
【化4】

【0023】
C. 化合物の調製
本明細書において提供される化合物は、下記に示される当業者に既知の方法及び本明細書の実施例の項に記載されるものと同様の手順及びその通常の変更によって調製することができる。
Kyorin Pharmaceutical Co., Ltd., Japanese Unexamined Patent Publication S62-252772,
Ube Industries, Ltd., Japanese Unexamined Patent Publication S63-264439,
Bayer AG, Japanese Unexamined Patent Publication H1-268679,
Ihara Chemical Industry Co., Ltd., Japanese Unexamined Patent Publication H10-70584,
Daiichi Seiyaku Co., Ltd., Japanese Unexamined Patent Publication S59-1489,
Tokyo Tanabe Co., Ltd., Japanese Unexamined Patent Publication S62-53987,
F. Hoffmann-La Roche Ltd., Japanese Unexamined Patent Publication S63-132891,
H. Koga et al., J. Med. Chem., 1980, 23, 1358,
S. Atarashi et al., Chem. Pharm. Bull., 1987, 35, 1896,
S. Atarashi et al., J. Heterocyclic Chem., 1991, 28, 329,
H. Egawa et al., Chem. Pharm. Bull., 1986, 34, 4098,
L. A. Mitscher et al., J. Med. Chem., 1987, 30, 2283,
G. B. Mullen et al., J. Med. Chem., 1988, 31, 1694,
J. S. Kiely et al., J. Med. Chem., 1988, 31, 2004,
P. Remuzon et al., J. Med. Chem., 1991, 34, 29,
Warner-Lambert Co., Japanese Unexamined Patent Publication S62-167769,
Shionogi Seiyaku Kk, Japanese Unexamined Patent Publication H5-25162,
Inke, S.A., ES 206819
M. Kawatsura et al., Tetrahedron, 2007, 63, 4172,
T. Kaiho et al., J. Med. Chem., 1989, 32, 351,
Y. Kobayashi et al., Org. Lett., 2005, 7, 183.
Y. Kobayashi et al., Org. Lett., 2005, 7, 1319.
本発明の一般式(1)によって表される化合物は、合成1又は通例の方法の組み合わせによって製造することができる。
合成1
【0024】
【化5】

【0025】
(式中、Ar、R1 R2、m及びnは、上記の通りである)。
一般式(2)と一般式(3)から一般式(1)への変換(即ち、プロセス1-A)は、適切な溶媒(例えば、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドン、トルエン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール又はこれらの混合物)中或いは溶媒を含まずに塩基(例えば、トリエチルアミン、ピリジン、イソプロピルエチルアミン、1,8-ジアザビシクロウンデシン)を用いて室温〜180oCの温度で1-48時間行われる。
本発明の一般式(1)によって表される化合物は、合成2によっても製造することができる。
合成2
【0026】
【化6】

(式中、Ar、R1 R2、m及びnは、上記の通りである)。
一般式(4)から一般式(5)への変換(即ち、プロセス2-A)は、プロセス1-Aと同様の方法によって行うことができる。
一般式(5)から一般式(6)への変換(即ち、プロセス2-B)は、以下の通り行うことができる: 一般式(5)を最初に塩化チオニル、臭化チオニル、酢酸無水物、クロロ炭酸エチル、クロロ炭酸メチル等と適切な溶媒(例えば、N,N-ジメチルホルムアミド、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラヒドロフラン又はこれらの混合物)中の-15oC〜室温で5分〜3時間反応させる。これにより、カルボキシル基が反応性誘導体化基に変換される。反応は、塩基を存在させずに又は塩基(例えば、ピリジンやトリエチルアミン)の存在下に行うことができる。その後、反応生成物をアンモニア水溶液と適切な溶媒(例えば、N,N-ジメチルホルムアミド、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラヒドロフラン又はこれらの混合物)中0oC〜100oCの温度で30分〜24時間反応させる。
一般式(6)から一般式(1)への変換(即ち、プロセス2-C)は、以下のように行うことができる: 一般式(6)を脱水酸試薬(例えば、トリフルオロ酢酸無水物やオキシ塩化リン)と塩基(例えば、ピリジンやトリエチルアミン)の存在下に適切な溶媒(例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラヒドロフラン又はこれらの混合物)中-78oC〜50oCで1-24時間反応させる。
本発明の一般式(3)によって表される化合物は、合成3によっても製造することができる。
合成 3
【0027】
【化7】

【0028】
(式中、Ar、m及びnは、上記の通りであり、Xaは、脱離基(例えば、ハロゲン原子、p-トルエンスルホニルオキシ基、メタンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基である)。
一般式(7)から一般式(8)への変換(即ち、プロセス3-A)は、還元剤(例えば、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ジイソブチルアルミニウム、水素化アルミニウムリチウム)を用いて適切な溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール又はこれらの混合物)中0oC〜50oCで30分〜24時間行うことができる。
一般式(8)と化合物(9a)から一般式(10)への変換(即ち、プロセス3-B)は、ミツノブ試薬(例えば、ジエチルアゾジカルボキシレート、ジイソプロピルアゾジカルボキシレート、シアノメチレントリブチルホスホラン、N、N、N'、N'-テトラメチルアゾジカルボキシアミド)をホスフィン試薬(例えば、トリフェニルホスフィン、トオリブチルホスフィン)と用いて必要であれば適切な溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、トルエン、ベンゼン又はこれらの混合物)中0oC〜50oCで1-24時間行うことができる。
或いはまた、変換は以下のように行うことができる: 一般式(8)から一般式(11)への変換(即ち、プロセス3-C)は、塩基(例えば、トリエチルアミン、ピリジン、イソプロピルエチルアミン、1,8-ジアザビシクロウンデシン)の存在下にハロゲン化剤(例えば、塩化チオニル、オキシ塩化リン又は臭化チオニル)又はスルホン化剤(例えば、塩化メタンスルホニル、塩化p-トルエンスルホニル又はトリフルオロメタンスルホン酸無水物)を用いて適切な溶媒(例えば、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、トルエン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン又はこれらの混合物)中0oC〜室温で1-24時間行うことができる。
【0029】
一般式(11)と化合物(9b)から一般式(10)への変換(即ち、プロセス3-D)は、適切な溶媒(例えば、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドン、トルエン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール又はこれらの混合物)中0oC〜100oCで1-12時間行うことができる。
一般式(10)から一般式(3)への変換(即ち、プロセス3-E)は、ヒドラジン試薬(例えば、NH2NH2-H2O、MeNHNH2、PhNHNH2)、酸(例えば、塩酸、ギ酸)又は塩基(例えば、KOH、NaOH、K2CO3)を用いて適切な溶媒(例えば、メタノール、エタノール、トルエン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、水又はこれらの混合物)中0oC〜100oCで30分-12時間行うことができる。
或いはまた、変換を以下のように行うことができる: 一般式(11)から一般式(12)への変換(即ち、プロセス3-F)は、アジ化試薬(例えば、アジ化ナトリウム、トリメチルシリルアジド、ジフェニルホスフィニルアジド)を用いて適切な溶媒(例えば、ジメチルスルホキシド、トルエン、テトラヒドロフラン、N,N-ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジクロロメタン又はこれらの混合物)中室温〜80oCで1-24時間行うことができる。一般式(12)から一般式(3)への変換(即ち、プロセス3G)は、金属触媒(例えば、パラジウム/活性炭、白金/活性炭、酸化白金、ラネーニッケル)を用いた水素添加により適切な溶媒(例えば、メタノール、エタノール、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、N,N-ジメチルホルムアミド、酢酸又はこれらの混合物)中室温〜80oCで1-24時間行うことができる。反応は、正常圧から水素雰囲気中0.5MPaまでの圧力で行うことができる。
合成3における一般式(7)によって表される化合物の中で一般式(7a)によって表される化合物は、合成4によって製造することができる。
合成4
【0030】
【化8】

【0031】
(式中、Ar及びnは、上記の通りであり、PGaは、保護基(例えば、メチル、エチル、ベンジル、トリメチルシリル、アセチル)であり、Xbは、ハロゲン原子である)。
一般式(13)と一般式(14)から一般式(15)への変換(即ち、プロセス4-A)は、以下のように行うことができる: 一般式(14)をアルキルリチウム(例えば、n-ブチルリチウム、i-ブチルリチウム、t-ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミン)と適切な溶媒(例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン又はこれらの混合物)中-78oC〜-40oCで10分-1時間反応させ、次に、反応生成物を一般式(13)と適切な溶媒(例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン又はこれらの混合物)中-78oC〜室温で1-12時間反応させる。
一般式(15)から一般式(16)への変換(即ち、プロセス4-B)は、酸(例えば、塩酸、トリフルオロメタン酢酸、ギ酸)の存在下に適切な溶媒(例えば、水、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、水又はこれらの混合物)中-10〜50oCで30分-12時間行うことができる。
一般式(16)から一般式(7a)への変換(即ち、プロセス4-C)は、金属触媒(例えば、パラジウム/活性炭、白金/活性炭、酸化白金、ラネーニッケル)を用いた水素添加によって適切な溶媒(例えば、メタノール、エタノール、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、N,N-ジメチルホルムアミド、酢酸又はこれらの混合物)中室温〜80oCで1-24時間行うことができる。反応は、正常圧から水素雰囲気中0.5 MPaまでの圧力で行うことができる。
合成3における一般式(7)によって表される化合物の中で、一般式(7b)によって表される化合物は、合成5によって製造することができる。
合成 5
【0032】
【化9】

【0033】
(式中、Ar、Xb、m及びnは、上記の通りであり、PGbは、アルキル又はアルアルキルを表すか又は環状ケタール(例えば、1,3-ジオキサン又は1,3-ジオキソラン)を形成する)。
一般式(17)と一般式(14)から一般式(18)への変換(即ち、プロセス5-A)は、プロセス4-Aと同様の方法によって行うことができる。
一般式(18)から一般式(19)への変換(即ち、プロセス5-B)は、以下のように行うことができる: 一般式(18)を最初にハロゲン化試薬(塩化チオニル、塩化ホスホリル)又はスルホン化試薬(塩化メタンスルホニル、塩化p-トルエンスルホニル)と塩基(例えば、トリエチルアミン、ピリジン、イソプロピルエチルアミン、1,8-ジアザビシクロウンデシン)の存在下に適切な溶媒(例えば、トルエン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン又はこれらの混合物)中-10oC〜室温で30分〜5時間反応させる。
或いはまた、変換を酸(例えば、塩酸、トリフルオロメタン酢酸、ギ酸)の存在下に適切な溶媒(例えば、水、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン又はこれらの混合物)中室温〜100oCで30分〜12時間行うことができる。
一般式(19)から一般式(20)への変換(即ち、プロセス5-C)は、プロセス4-Cと同様の方法によって行うことができる。
一般式(20)から一般式(7b)への変換(即ち、プロセス5-D)は、酸(例えば、塩酸、トリフルオロメタン酢酸、ギ酸)の存在下に適切な溶媒(例えば、水、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、水又はこれらの混合物)中-10〜50oCで30分〜12時間行うことができる。
合成3における一般式(8)によって表される化合物の中で、一般式(8a)によって表される化合物は、合成6によって製造することができる。
合成 6
【0034】
【化10】

【0035】
(式中、nは上記の通りであり、
【0036】
【化11】

【0037】
は、1〜3つの置換基で置換されていてもよい、ピロイル、イミダゾイル、トリアゾイル又はテトラゾイルを表す)。
一般式(21)と一般式(22)から一般式(23)への変換(即ち、プロセス6-A)は、触媒(例えば、NaOEt、AcOH、銅試薬、ルイス酸)を用いて適切な溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、トルエン、ジエチルエーテル、エタノール、アセトニトリル)中0oC〜50oCで30分-24時間行うことができる。
一般式(23)から一般式(8a)への変換(即ち、プロセス6-B)は、プロセス3-Aと同様の方法によって行うことができる。
本発明の一般式(3)によって表される化合物の中の一般式(3b)と(3c)によって表される化合物は、合成7によっても製造することができる。
合成 7
【0038】
【化12】

【0039】
(式中、Ar及びnは上記の通りであり、Xcは、ハロゲン原子又はハロマグネシウム(MgCl、MgBr、MgI)であり、Raは、アシル基(例えば、ホルミル、アセチル又はベンゾイル)である。
一般式(24)と一般式(25)から一般式(26)への変換(即ち、プロセス7-A)は、以下のように行うことができる: Xcがハロゲン原子を表す場合、一般式(25)を、アルキルリチウム(例えば、n-ブチルリチウム、i-ブチルリチウム、t-ブチルリチウム)及びマグネシウム塩(例えばMgCl2)又はグリニャール試薬(例えば、i-PrMgCl、i-PrMgBr)と銅試薬(例えば、CuCN、CuI)の存在下に適切な溶媒(例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン又はこれらの混合物)中-78oC〜室温で1-12時間反応させ、次に、反応生成物を一般式(24)と適切な溶媒(例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン又はこれらの混合物)中-78oC〜室温で1-12時間反応させる。
或いはまた、Xcがハロマグネシウム(MgCl、MgBr、MgI)を表す場合、一般式(25)を銅試薬(例えば、CuCN、CuI)と適切な溶媒(例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン又はこれらの混合物)中-78oC〜室温で1-12時間反応させ、次に、反応生成物を一般式(24)と適切な溶媒(例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン又はこれらの混合物)中-78oC〜室温で1-12時間反応させる。
一般式(26)から一般式(27)への変換(即ち、プロセス7-B)は、プロセス4-Cと同様の方法によって行うことができる。
一般式(27)から一般式(28)への変換(即ち、プロセス7-C)は、酸試薬(例えば、酢酸、トリフルオロ酢酸、安息香酸、p-ニトロ安息香酸)を用いてプロセス3-Bと同様の方法によって行うことができる。
【0040】
一般式(28)から一般式(29)への変換(即ち、プロセス7-D)は、塩基(例えば、K2CO3、NaOH、KOH、ピリジン)の存在下に適切な溶媒(例えば、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、水又はこれらの混合物)中0oC〜50oCで1-24時間行うことができる。
一般式(29)から一般式(30a)へ又は一般式(27)から一般式(30b)への変換(即ち、プロセス7-E)は、プロセス3-Bと同様の方法によって行うことができる。
一般式(30a)から一般式(3a)へ又は一般式(30b)から一般式(3b)への変換(即ち、プロセス7-F)は、プロセス3-Eと同様の方法によって行うことができる。
合成1と合成2において、一般式(2)及び(4)によって表される化合物は、合成8によって製造することができる。
合成8
【0041】
【化13】

【0042】
(式中、R1及びR2は、上記の通りであり、Rbは、アルキル(例えば、メチル、エチル)である)。
一般式(31)と一般式(32)から一般式(33)への変換(即ち、プロセス8-A)は、以下のように行うことができる: 一般式(31)を酢酸無水物とオルト酸エステル(例えば、オルトギ酸エチルエステル、オルト酢酸エチルエステル)の混合物と100oC〜150oCで1-8時間反応させ、次に、反応生成物を一般式(32)と適切な溶媒(例えば、トルエン、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール、t-ブタノール、又はこれらの混合物)中室温で1-24時間反応させる。反応は、塩基(炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、t-BuOK、t-BuONa、トリエチルアミン及びピリジン)を存在させずに又は存在下に行うことができる。
一般式(33)から一般式(34)への変換(即ち、プロセス8-B)は、塩基(例えば、水素化カリウム、水素化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、t-BuOK、t-BuONa)又はフッ化塩(例えば、フッ化カリウム、フッ化ナトリウム)を用いて適切な溶媒(例えば、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、又はこれらの混合物)中0oC〜150oCで1-24時間行うことができる。
一般式(34)から一般式(35)への変換(即ち、プロセス8-C)は、一般ニトロ化、例えば、ニトロソ化試薬(例えば、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸)を用いて濃硫酸中の反応によって行うことができる。反応は、0oC〜50oCで1-8時間行うことができる。
一般式(35)から一般式(36)への変換(即ち、プロセス8-D)は、金属(例えば、還元鉄、スズ、亜鉛)を用いて酸(例えば、塩酸、酢酸)の存在下に適切な溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール、水又はこれらの混合物)中又は溶媒を含まずに室温〜120oCで1-48時間行うことができる。
【0043】
或いはまた、変換を水素添加によって金属触媒(例えば、パラジウム/活性炭、白金/活性炭、酸化白金、ラネーニッケル)を用いて適切な溶媒(例えば、メタノール、エタノール、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、N,N-ジメチルホルムアミド、酢酸又はこれらの混合物)中室温〜80oCで1-24時間行うことができる。反応は、正常圧から水素雰囲気中の0.5 MPaまでの圧力で行うことができる。
更にまた、変換をヒドロ亜硫酸ナトリウムを用いた還元によって適切な溶媒(例えば、水、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン又はこれらの混合物)中室温〜100oCで1-24時間行うことができる。
一般式(36)から一般式(4)への変換(即ち、プロセス8-E)は、一般加水分解、例えば、アルカリ(例えば、KOH、NaOH、LiOH)又は酸(例えば、塩酸、硫酸、トリフルオロメタン酢酸)と適切な溶媒(例えば、水、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン又はこれの混合物)中で反応させることによって行うことができる。反応は、0oC〜50oCで1-8時間行うことができる。
一般式(4)から一般式(37)への変換(即ち、プロセス8-F)は、プロセス2-Bと同様の方法によって行うことができる。
一般式(37)から一般式(2)への変換(即ち、プロセス8-G)は、プロセス2-Cと同様の方法によって行うことができる。
一般式(1)によって表される化合物の光学異性体は、上述の合成1〜3及び7に従って光学活性物質化合物を用いて合成することができる。
一般式(1)によって表されるラセミ化合物は、光学活性な酸又は塩基を用いた分離及び再結晶によって合成することができる。
これはキラル支持体を用いたクロマトグラフィー技術によって製造することができる。
【0044】
D. 医薬組成物
本明細書において提供される医薬組成物は、GSK-3仲介疾患の症状の1つ以上を予防、治療又は改善するのに有効である治療的に有効な量の本明細書において提供される化合物の1つ以上を含有する。
本明細書において提供される化合物の医薬組成物は、全身的にもしくは局所的に、又は経口的に又は非経口的に、例えば、直腸に、皮下に、筋肉内に、静脈内に又は経皮的に投与し得る。
組成物は、本明細書において提供される1つ以上の化合物を含有する。化合物は、経口投与のために液剤、懸濁剤、錠剤、分散性錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、微粉化した散剤、注射剤、徐放性製剤又はエリキシル剤のような適切な医薬製剤又は非経口投与のための滅菌液剤又は懸濁剤だけでなく、経皮貼付製剤や乾燥粉末吸入器に配合され得る。ある種の実施態様において、本明細書において提供される組成物は、通例の医薬調製技術に従って都合のよい賦形剤、充填剤、結合剤、崩壊剤、コーティング剤、糖衣剤、pHモジュレーター、可溶化剤、又は水性又は非水性溶媒を添加することによって製造し得る。典型例として、上記の化合物は、当該技術において周知の技術及び手順を用いて医薬組成物に配合される(例えば、Ansel Introduction to Pharmaceutical Dosage Forms, Seventh Edition 1999を参照のこと)。
組成物において、1つ以上の化合物又は医薬的に許容され得る塩の効果的な濃度は、適切な医薬担体又は賦形剤と混合される。化合物は、上記のように、配合する前に対応する塩、エステル、エノールエーテル又はエステル、酸、塩基、溶媒和物、水和物又はプロドラッグとして誘導体化され得る。組成物中の化合物の濃度は、投与時に、GSK-3仲介疾患の症状の1つ以上を治療、予防、又は改善する量の送達に効果的な濃度である。
【0045】
典型的には、組成物は、単一用量投与に配合される。組成物を配合するために、化合物の質量分率が選択された賦形剤に治療した状態が軽減されるか又は改善されるような効果的濃度で溶解、懸濁、分散或いは混合される。本明細書において提供される化合物の投与に適切な医薬担体又は賦形剤としては、投与の具体的な方法に適していることが当業者に知られるような担体が含まれる。
更に、化合物は組成物において唯一の医薬的に活性な成分として配合することができ、他の有効成分と組み合わせることもできる。組織標的化リポソーム、例えば、腫瘍標的化リポソームを含むリポソーム懸濁液もまた、医薬的に許容され得る担体として適切であり得る。これらは、当業者に既知の方法に従って調製することができる。例えば、リポソーム製剤は、当該技術において既知であるように調製することができる。簡単に言えば、多重膜ベシクル(MLV)のようなリポソームは、フラスコの内側で卵ホスファチジルコリンと脳フォスファチジルセリン(モル比7:3)を乾燥することによって形成することができる。二価のカチオン(PBS)がないリン酸緩衝食塩水中の本明細書において提供される化合物の溶液を添加し、脂質膜が分散するまでフラスコを振盪する。得られたベシクルを洗浄して、封入されていない化合物を除去し、遠心分離によってペレット化し、次にPBSに再懸濁させる。
活性化合物は、医薬的に許容され得る担体に治療される患者に対して望ましくない副作用がないときに治療的に有効な効果を示すのに充分な量で含まれる。治療的に有効な濃度は、本明細書に記載される試験管内及び生体内システムにおいて化合物を試験することによって実験的に求め、次にそこからヒトの用量を推定することができる。
医薬組成物における活性化合物の濃度は、活性化合物の吸収、不活性化及び排出速度、化合物の物理化学的特性、用量計画、及び投与される量並びに当業者に知られる他の要因に左右される。例えば、送達される量は、GSK-3仲介疾患の症状の1つ以上を改善するのに充分な量である。
【0046】
ある種の実施態様において、治療的に有効な用量は、約0.1 ng/ml〜約50-100μg/mlの有効成分の血清濃度を生じなければならない。一実施態様において、医薬組成物は、1日体重1 kgにつき約0.001 mg〜約2000 mgを与える。医薬単位剤形は、単位剤形につき約1 mg〜約1000 mg、ある種の実施態様においては、約10〜約500 mgの不可欠な有効成分又は不可欠な成分の組み合わせを与えるように調製される。
有効成分は、一度に投与することができ、多くのより少量に分けて時間間隔で投与することもできる。正確な用量と治療期間が治療される疾患の関数であるとともに既知の試験プロトコールを用いて実験的に求めるか又は生体内又は試験管内試験データから推定によって求めることができることが理解される。濃度及び用量値もまた、改善すべき状態の重症度によって変動させることができることを留意するべきである。具体的な被検者について、個々の用量用法が個体の要求及び組成物の投与を管理するか又は指図する人の専門の判断に従って経時調整されなければならず、且つ本明細書に示される濃度範囲が単に例示であり特許請求された組成物の範囲又は実施を制限することを意図しないことも更に理解すべきである。
従って、本明細書に記載される化合物又はその医薬的に許容され得る塩の1つ以上の有効な濃度又は量を、全身的、局所的又は局部的投与に適した医薬担体又は賦形剤と混合して、医薬組成物を形成する。化合物は、GSK-3仲介疾患を含むがこれに限定されないキナーゼ仲介疾患の1つ以上の症状を改善させるか、又は治療又は予防するのに有効な量で含まれる。組成物における活性化合物の濃度は、活性化合物の吸収、不活性化、排出速度、用量計画、投与量具体的な配合だけでなく当業者に既知の他の要因に左右されることになる。
【0047】
組成物は、経口的、非経口的、直腸、局所的及び局部的を含む適切な経路によって投与することを意図する。経口投与については、カプセル剤や錠剤が配合され得る。組成物は、液体、半流動体又は固体の形態であり、各投与経路に適した方法で配合される。
非経口、皮内、皮下、又は局所適用に用いられる液剤又は懸濁剤は、以下の成分のいずれかを含むことができる: 滅菌希釈剤、例えば、注射用蒸留水、食塩水、固定油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、ジメチルアセトアミド又は他の合成溶媒; 抗菌物質、例えば、ベンジルアルコールやメチルパラベン; 抗酸化剤、例えば、アスコルビン酸や重亜硫酸ナトリウム; キレート化剤、例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA); 緩衝剤、例えば、酢酸塩、クエン酸塩、リン酸塩; 及び等張化剤、例えば、塩化ナトリウム又はデキストロース。非経口製剤は、ガラス、プラスチック又は他の適切な材料でできたアンプル、使い捨て注射器又は単回又は複数回バイアルに封入され得る。
化合物が不充分な溶解度を示す場合、化合物を可溶化する方法を用いることができる。このような方法は、当業者に既知であり、共溶媒、例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)を用いること、界面活性剤、例えば、TWEEN(登録商標)を用いること、又は重炭酸ナトリウム水溶液における溶解が挙げられるが、これらに限定されない。
化合物の混合又は添加時に、得られた混合物は、溶液、懸濁液、エマルジョン等であり得る。得られた混合物の形態は、意図した投与方法及び選択された担体又は賦形剤における化合物の溶解を含む多くの要因に左右される。効果的な濃度は、治療される疾患、障害又は状態の症状を改善させるのに充分な濃度であり、実験的に求めることができる。
【0048】
医薬組成物は、ヒト及び動物に適切な量の化合物又はその医薬的に許容され得る塩を含有する単位剤形、例えば、錠剤、カプセル剤、丸剤、散剤、顆粒剤、非経口滅菌液剤又は懸濁剤、又は経口液剤又は懸濁剤、又は油水乳剤で投与される。医薬的に治療的に活性な化合物及びその塩は、単位剤形又は複数の剤形で配合され投与される。本明細書に用いられる単位用量形態は、ヒト及び動物の被検者に適し且つ当該技術において知られるように個別に包装された物理的に分離した単位を意味する。各単位用量形態は、必要とされた医薬担体、賦形剤又は希釈剤に関連して、望ましい治療効果を生じるのに充分な所定量の治療的に活性な化合物を含有する。単位用量形態の例としては、アンプル剤及び注射器及び個別に包装された錠剤又はカプセル剤が挙げられる。単位用量形態は、その分数又は倍数で投与され得る。複数の用量形態は、分離した単位用量形態で投与される単一容器内に包装される複数の同一単位剤形である。多回投与形態の例としては、バイアル、錠剤もしくはカプセル剤のビン、又はパイントもしくはガロンのビンが挙げられる。つまり、多回投与形態は、包装する際に分離されない複数の単位用量である。
徐放性製剤もまた、調製することができる。徐放性製剤の適切な例としては、本明細書において提供される化合物を含有する疎水性固体ポリマーの半透性マトリックスが挙げられ、このマトリックスは成形品、例えば、フィルム又はマイクロカプセルの形である。徐放性マトリックスの例としては、ポリエステル、ヒドロゲル(例えば、ポリ(2-ヒドロキシエチルメタクリレート)、又はポリ(ビニルアルコール)、ポリラクチド、L-グルタミン酸とエチル-L-グルタメートのコポリマー、非分解性エチレン-酢酸ビニル、分解性乳酸-グリコール酸コポリマー、例えばLUPRON DEPOTTM(乳酸-グリコール酸コポリマーと酢酸ロイプロリドから構成される注射用マイクロスフェア)、及びポリ-D(-)-3-ヒドロキシ酪酸)が挙げられる。エチレン-酢酸ビニルや乳酸-グリコール酸のようなポリマーは100日かけて分子の放出を可能にするが、ある種のヒドロゲルはより短い期間にタンパク質を放出する。封入化合物が長期間体内に残存した場合、これらは変性するか又は37oCの水分にさらされた結果として凝集し、生物活性の損失とその構造の可能な変化が生じ得る。含まれる作用機序によっては安定化のために合理的な方策を講じることができる。例えば、凝集機序がチオ-ジスルフィド交換によるS--S分子間結合形成であることを発見する場合には、スルフヒドリル残基を変性すること、酸性溶液から凍結乾燥すること、水分を制御すること、適切な添加剤を用いること、及び特定のポリマーマトリックス組成物を開発することによって安定化を達成されることができる。
【0049】
有効成分を0.005%〜100%の範囲で含有し、残部が非毒性担体からなる剤形又は組成物を調製することができる。経口投与について、医薬的に許容され得る非毒性組成物は、通常使われた賦形剤のいずれか、例えば、医薬グレードのマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、タルカム又はタルク、セルロース誘導体、ゼラチン、寒天、ペクチン、アラブゴム、オリーブ油、ゴマ油、カカオ脂、エチレングリコール、クロスカルメロースナトリウム、グルコース、スクロース、炭酸マグネシウム又はサッカリンナトリウムを取り込むことによって形成される。このような組成物としては、液剤、懸濁剤、錠剤、カプセル剤、散剤及び徐放性製剤、例えば、限定されないが植込み剤やマイクロ封入デリバリーシステム、及び生分解性、生体適合性ポリマー、例えば、コラーゲン、エチレン酢酸ビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、ポリオルトエステル、ポリ乳酸等が挙げられる。これらの組成物の調製方法は、当業者に既知である。企図された組成物は、約0.001-100%の有効成分、ある種の実施態様において、約0.1-85%又は約75-95%を含有することができる。
活性化合物又は医薬的に許容され得る塩は、体からの急速な排出に対して化合物を保護する担体、例えば、持続放出製剤又はコーティングによって調製することができる。
組成物には特性の望ましい組み合わせを得るために他の活性化合物が含まれてもよい。本明細書において提供される化合物、又は本明細書に記載されるその医薬的に許容され得る塩は、また、上文に示される疾患又は病状の1つ以上、例えばGSK-3仲介疾患を治療するのに有益である一般技術において知られる他の薬理作用のある物質と一緒に治療又は予防のために有利に投与され得る。このような併用療法が本明細書において提供される組成物及び治療方法の態様を更に構成することは理解すべきである。
【0050】
本明細書において提供されるラクトースを含まない組成物は、当該技術において周知である賦形剤を含有することができ、例えば、米国薬局方(USP) SP(XXI)/NF(XVI)に記載されている。一般に、ラクトースを含まない組成物は、有効成分、結合剤/充填剤、及び滑沢剤を医薬的に適合でき且つ医薬的に許容され得る量で含有する。例示的なラクトースを含まない剤形は、有効成分、ミクロクリスタリンセルロース、糊化前デンプン及びステアリン酸マグネシウムを含有する。
本明細書において提供される化合物を含有する無水の医薬組成物及び剤形も更に包含される。例えば、貯蔵寿命又は製剤の経時安定性のような特性を求めるために長期貯蔵をシミュレートする手段として水の添加(例えば、5%)が製薬技術において広く受け入れられている。例えば、Jens T. Carstensen, Drug Stability: Principles & Practice, 2d. Ed., Marcel Dekker, NY, NY, 1995, pp. 379-80を参照のこと。要するに、水及び熱は、ある化合物の分解を加速する。従って、製剤に対する水の影響は、水分及び/又は湿気が製剤の製造、取扱い、包装、貯蔵、出荷及び使用の間に一般に直面するので非常に重要であり得る。
本明細書に記載される無水の医薬組成物及び剤形は、成分及び低水分又は低湿度条件を含有する無水か又は低水分を用いて調製することができる。ラクトース及び第一アミン又は第二アミンを含む少なくとも1つの有効成分を含む医薬組成物及び剤形は、ある種の実施態様において、製造、包装及び/又は貯蔵の間に水分及び/又は湿気との実質的な接触が予想される場合には無水であり得る。
無水の製薬組成物は、無水の性質が維持されるように調製及び保存されなければならない。従って、無水の組成物は、ある種の実施態様において、適切な医薬品キットに含まれ得るような水への曝露を防止することが知られる材料を用いて包装される。適切な包装の例としては、密封されているホイル、プラスチック、単位用量容器(例えば、バイアル)、ブリスターパック及びストリップパックが挙げられるが、これらに限定されない。
【0051】
経口剤形
経口医薬剤形は、固体かゲルか液体である。固体剤形は、錠剤、カプセル剤、顆粒剤及び混合散剤である。経口錠剤のタイプには、圧縮、チュアブルロゼンジ及び腸溶剤皮、糖衣又はフィルムコーティングが施される錠剤が含まれる。カプセル剤は、硬ゼラチンカプセル剤又は軟ゼラチンカプセル剤であってもよく、顆粒剤及び散剤は、当業者に既知の他の成分の組み合わせとの非発泡性又は発泡性の形態で供給され得る。
ある種の実施態様において、製剤は、固体剤形、例えば、カプセル剤又は錠剤である。錠剤、丸剤、カプセル剤、トローチ剤等は、以下の成分のいずれか、又は同様の種類の化合物を含有することができる: 結合剤; 希釈剤; 崩壊剤; 滑沢剤; 流動促進剤; 甘味剤; 香味剤。
結合剤の例としては、ミクロクリスタリンセルロース、トラガカントゴム、グルコース溶液、アラビアゴム粘液、ゼラチン溶液、スクロース及びデンプンペーストが挙げられる。滑沢剤としては、タルク、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、石松子及びステアリン酸が挙げられる。希釈剤としては、例えば、ラクトース、スクロース、デンプン、カオリン、塩、マンニトール及びリン酸二カルシウムが挙げられる。流動促進剤としては、コロイド状二酸化ケイ素が挙げられるが、これに限定されない。崩壊剤としては、クロスカルメロースナトリウム、グリコール酸デンプンナトリウム、アルギン酸、コーンスターチ、ジャガイモでんぷん、ベントナイト、メチルセルロース、寒天及びカルボキシメチルセルロースが挙げられる。着色剤としては、例えば、認可認定された水可溶性FD及びC色素のいずれか、その混合物; 及びアルミナ水和物に懸濁した水不溶性FD及びC色素が挙げられる。甘味剤としては、スクロース、ラクトース、マンニトール及びサッカリンのような人工甘味剤、及び多くの噴霧乾燥フレーバーが挙げられる。香味剤としては、果実のような植物から抽出された天然フレーバー及び感じのよい感覚を生じる化合物の合成ブレンド、例えば、これらに限定されないがペパーミントやサリチル酸メチルが挙げられる。湿潤剤としては、プロピレングリコールモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ジエチレングリコールモノラウレート及びポリオキシエチレンラウラルエーテルが挙げられる。催吐コーティングとしては、脂肪酸、脂肪、ワックス、シェラック、アンモニア処理シェラック及び酢酸フタル酸セルロースが挙げられる。フィルムコーティングとしては、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリエチレングリコール4000及び酢酸フタル酸セルロースが挙げられる。
【0052】
経口投与が望まれる場合、胃の酸性環境から保護する組成物で化合物を与えることができる。例えば、胃において完全な状態を維持するとともに腸において活性化合物を放出する腸溶剤皮で組成物を配合することができる。組成物は、また、制酸剤又はこのような他の成分と組み合わせて配合することができる。
単位剤形がカプセル剤である場合には、上記のタイプの材料に加えて、脂肪油のような液体担体を含有することができる。更に、単位剤形は、投薬単位の物理的形態を変化させる種々の他の材料、例えば、糖や他の腸溶物質のコーティングを含有することができる。化合物は、また、エリキシル、懸濁液、シロップ、ウエハー、スプリンクル、チューインガム等の成分として投与することができる。シロップは、活性化合物に加えて、甘味剤としてスクロース及びある種の防腐剤、色素及び着色剤及びフレーバーを含有してもよい。
活性材料は、また、望ましい作用を損なわない他の活性材料と、又は望ましい作用を補充する材料、例えば、制酸剤、H2ブロッカー、利尿剤と混合することもできる。有効成分は、本明細書に記載される化合物又はその医薬的に許容され得る塩である。より高濃度、約98質量%までの有効成分を含み得る。
錠剤に含まれる医薬的に許容され得る担体は、結合剤、滑沢剤、希釈剤、崩壊剤、着色剤、香味剤、及び湿潤剤である。腸溶錠は、腸溶剤皮のため、胃酸の作用に抵抗するとともに中性又はアルカリ性の腸に溶解又は崩壊する。糖衣錠は、医薬的に許容され得る物質の異なる層が適用される圧縮錠剤である。フィルムコーティング錠は、ポリマー又は他の適切なコーティングで被覆された圧縮錠剤である。多重圧縮錠剤は、前述の医薬的に許容され得る物質を用いる1を超える圧縮サイクルで製造された圧縮錠剤である。着色剤もまた、上記剤形で用いることができる。香味剤及び甘味剤は、圧縮錠剤、糖衣錠、多重圧縮錠剤及びチュアブル錠で用いられる。香味剤及び甘味剤は、チュアブル錠及びロゼンジ剤の形成に特に有用である。
【0053】
液体経口剤形としては、液剤、乳剤、懸濁剤、非発泡性顆粒から再構成される液剤及び/又は懸濁剤及び発泡顆粒剤から再構成される発泡製剤が挙げられる。水性液剤としては、例えば、エリキシル剤及びシロップ剤が挙げられる。乳剤は、水中油型か又は油中水型である。
エリキシル剤は、透明で甘味のある水アルコール製剤である。エリキシル剤に用いられる医薬的に許容され得る担体には、溶媒が含まれる。シロップ剤は、糖、例えば、スクロースの濃縮水溶液であり、防腐剤を含有することができる。エマルジョンは、一方の液体がもう一方の液体全体に小さな球の形で分散している2相系である。乳剤に用いられる医薬的に許容され得る担体は、非水性液体、乳化剤及び防腐剤である。懸濁液は、医薬的に許容され得る懸濁剤及び防腐剤を用いる。液体経口剤形に再構成される、非発泡顆粒剤に用いられる医薬的に許容され得る物質には、希釈剤、甘味剤及び湿潤剤が含まれる。液体経口剤形に再構成される、発泡顆粒剤に用いられる医薬的に許容され得る物質には、有機酸及び二酸化炭素源が含まれる。着色剤及び香味剤は、上記剤形のすべてに用いられる。
溶媒としては、グリセリン、ソルビトール、エチルアルコール及びシロップが挙げられる。防腐剤の例としては、グリセリン、メチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸、安息香酸ナトリウム及びアルコールが挙げられる。エマルジョンに用いられる非水性液体の例としては、鉱油及び綿実油が挙げられる。乳化剤の例としては、ゼラチン、アラビアゴム、トラガカントゴム、ベントナイト、及び界面活性剤、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートが挙げられる。懸濁剤としては、カルボキシメチルセルロース、ペクチン、トラガカント、ビーガム及びアラビアゴムが挙げられる。希釈剤としては、ラクトース及びスクロースが挙げられる。甘味剤としては、スクロース、シロップ、グリセリン及び人工甘味剤、例えばサッカリンが挙げられる。湿潤剤としては、プロピレングリコールモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ジエチレングリコールモノラウレート及びポリオキシエチレンラウリルエーテルが挙げられる。有機酸としては、クエン酸及び酒石酸酸が挙げられる。二酸化炭素源は、重炭酸ナトリウム及び炭酸ナトリウムが挙げられる。着色剤としては、認可認定された水溶性FD及びC色素のいずれか、及びその混合物が挙げられる。香味剤としては、果実のような植物から抽出される天然フレーバー、及び感じのよい味覚を生じる化合物の合成ブレンドが挙げられる。
【0054】
固体剤形の場合、溶液又は懸濁液、例えば、プロピレンカーボネート、植物油又はトリグリセリドは、ゼラチンカプセルに封入される。このような溶液、並びにその調製及び封入は、米国特許第4,328,245号明細書; 同第4,409,239号明細書及び同第4,410,545号明細書に開示されている。液体剤形の場合、溶液、例えば、ポリエチレングリコールは、投与用に容易に測定される充分量の医薬的に許容され得る液体担体、例えば、水で希釈され得る。
或いはまた、液体又は半固体の経口製剤は、活性化合物又は塩を植物油、グリコール、トリグリセリド、プロピレングリコールエステル(例えば、プロピレンカーボネート)及び他のこのような担体に溶解又は分散し、且つこれらの溶液又は懸濁液を硬又は軟ゼラチンカプセルシェルに封入することによって調製することができる。他の有効な製剤としては、これらに限定されないが、本明細書において提供される化合物、これらに限定されないが、1,2-ジメトキシメタン、ジグリム、トリグリム、テトラグリム、ポリエチレングリコール-350-ジメチルエーテル、ポリエチレングリコール-550-ジメチルエーテル、ポリエチレングリコール-750-ジメチルエーテル(ここで、350、550及び750は、ポリエチレングリコールのおよその平均分子量を意味する)が挙げられるジアルキル化モノ-又はポリ-アルキレングリコール、及び1以上の抗酸化剤、例えば、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、没食子酸プロピル、ビタミンE、ヒドロキノン、ヒドロキシクマリン、エタノールアミン、レシチン、セファリン、アスコルビン酸、リンゴ酸、ソルビトール、リン酸、チオジプロピオン酸又はそのエステル、又はジチオカルバメートを含有するものが挙げられる。
他の製剤としては、医薬的に許容され得るアセタールを含むアルコール水溶液が挙げられるが、これに限定されない。これらの製剤に用いられるアルコールは、これらに限定されないが、プロピレングリコール及びエタノールが挙げられる、1つ以上のヒドロキシル基を有する医薬的に許容され得る水混和性溶媒である。アセタールとしては、アセトアルデヒドジエチルアセタールのような低級アルキルアルデヒドのジ(低級アルキル)アセタールが挙げられるがこれらに限定されない。
全ての実施例において、錠剤及びカプセル剤の配合物は、有効成分の溶解を変化させるか又は持続させるために当業者によって知られるように被覆され得る。従って、例えば、これらは、腸で消化しやすい通例のコーティング、例えば、サリチル酸フェニル、ワックス、酢酸フタル酸セルロースで被覆され得る。
【0055】
注射剤、液剤及び乳剤
一般的には、皮下に、筋肉内に又は静脈内に注射することに特徴を有する非経口投与もまた、本明細書に企図される。注射剤は、液体の液剤又は懸濁剤、注射前の液体の溶液又は懸濁液に適した固体形態、又は乳剤として通例の形態に調製することができる。適切な賦形剤は、例えば、水、生理食塩水、デキストロース、グリセロール又はエタノールである。更に、所望により、投与される医薬組成物は、また、少量の非毒性補助物質、例えば、湿潤剤又は乳化剤、pH緩衝剤、安定剤、溶解度向上剤、及び他のこのような物質、例えば、酢酸ナトリウム、ソルビタンモノラウレート、トリエタノールアミンオレエート、シクロデキストリンを含有することができる。一定レベルの用量が維持されるような持続放出又は徐放システムの植込みもまた、本明細書に企図される。簡単に言えば、本明細書において提供される化合物は、体液に不溶である、固体の内部マトリックス、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、可塑化又は非可塑化ポリ塩化ビニル、可塑化ナイロン、可塑化ポリエチレンテレフタレート、天然ゴム、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニルコポリマー、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、シリコーンカーボネートコポリマー、親水性ポリマー、例えば、アクリル酸又はメタクリル酸のエステルのヒドロゲル、コラーゲン、外側の高分子膜、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/エチルアクリレートコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、ネオプレンゴム、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、エチレン及びプロピレンとの塩化ビニルコポリマーによって包囲される架橋ポリビニルアルコール又は部分的に加水分解された架橋ポリ酢酸ビニル、イオノマーポリエチレンテレフタレート、ブチルゴムエピクロロヒドリンゴム、エチレン/ビニルアルコールコポリマー、エチレン/酢酸ビニル/ビニルアルコールターポリマー、又はエチレン/ビニルオキシエタノールコポリマーに分散される。化合物は、放出速度制御段階で外側の高分子膜を通って拡散する。このような非経口組成物に含有される活性化合物の割合は、その個々の種類、並びに化合物の活性及び被検者の要求に非常に左右される。
【0056】
組成物の非経口投与としては、静脈内、皮下及び筋肉内投与が挙げられる。非経口投与用の製剤としては、すぐに注射できる滅菌溶液、例えば、皮下注射用錠剤を含む、使用直前に溶剤とすぐに合わせることができる凍結乾燥粉末、すぐに注射できる滅菌懸濁剤、使用直前に賦形剤とすぐに合わせることができる滅菌乾燥不溶性製剤及び滅菌乳剤が挙げられる。液剤は、水性或いは非水性であり得る。
静脈内に投与される場合には、適切な担体としては、生理食塩水又はリン酸緩衝食塩水(PBS)、及び増粘剤や可溶化剤、例えば、グルコース、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール及びこれらの混合物を含有する溶液が挙げられる。
非経口製剤に用いられる医薬的に許容され得る担体としては、水性賦形剤、非水性賦形剤、抗菌物質、等張剤、緩衝液、抗酸化剤、局所麻酔剤、懸濁剤、分散剤、乳化剤、金属イオン封鎖剤又はキレート化剤及び他の医薬的に許容され得る物質が挙げられる。
水性賦形剤の例としては、塩化ナトリウム注射液、リンゲル液、等張デキストロース注射液、注射用滅菌水、デキストロース及び乳酸リンゲル液が挙げられる。非水性非経口賦形剤としては、植物由来の固定油、綿実油、コーン油、ゴマ油及びピーナッツ油が挙げられる。多回投与容器に包装される非経口製剤に、フェノール又はクレゾール、水銀剤、ベンジルアルコール、クロロブタノール、メチルpヒドロキシ安息香酸エステル、プロピルpヒドロキシ安息香酸エステル、チメロサール、塩化ベンザルコニウム及び塩化ベンゼトニウムが挙げられる静菌濃度又は静真菌濃度の抗菌剤が添加されなければならない。等張剤としては、塩化ナトリウム及びデキストロースが挙げられる。緩衝液としては、ホスフェート及びクエン酸塩が挙げられる。抗酸化剤としては、重硫酸ナトリウムが挙げられる。局所麻酔剤としては、塩酸プロカインが挙げられる。懸濁剤や分散剤としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びポリビニルピロリドンが挙げられる。乳化剤としては、ポリソルベート80(TWEEN(登録商標) 80)が挙げられる。金属イオン封鎖剤又はキレート化剤としては、EDTAが挙げられる。医薬担体は、また、水混和性賦形剤にはエチルアルコール、ポリエチレングリコール及びプロピレングリコール及びpH調整には水酸化ナトリウム、塩酸、クエン酸又は乳酸が挙げられる。
【0057】
注射が望ましい薬理作用を生じるのに効果的な量を与えるように、医薬的に活性な化合物の濃度が調整される。正確な投与量は、当該技術において既知である患者又は動物の年齢、体重及び状態に左右される。
単位用量非経口製剤は、アンプル、バイアル又は針による注射器において包装される。非経口投与用のすべての製剤は、当該技術において知られ実施されるように無菌でなければならない。
例示的に、活性化合物を含有する滅菌水溶液の静脈内又は動脈内注入は、効果的な投与方法である。他の実施態様は、望ましい薬理作用を生じるのに必要であるように注入される活性材料を含有する滅菌した水性又は油性溶液又は懸濁液である。
注射剤は、局所投与や全身投与のために設計される。典型的には、治療的に有効な用量は、治療組織に対して少なくとも約0.1% w/w〜約90% w/w以上、例えば、1% w/wを超える濃度の活性化合物を含有するように配合される。有効成分は、一度に投与されてもよく、時間間隔で投与されるように多くのより小さな用量に分けられてもよい。正確な用量及び治療時間は、治療される組織の関数であるとともに既知の試験プロトコールを用いて又は生体内又は試験管内試験データから推定することによって実験的に求めることができることが理解される。濃度及び用量値もまた、治療される個体の年齢で変動させ得ることも留意されるべきである。具体的な被検者について、個々の用量用法が個体の要求及び製剤の投与を管理するか又は指図する人の専門の判断に従って経時調整されなければならず、且つ本明細書に示される濃度範囲が単に例示的であり特許請求された製剤の範囲又は実施を制限することを意図しないことは更に理解されるべきである。
化合物は、微粉末化された形態又は他の適切な形態に懸濁されてもよく、より可溶性の活性製剤を製造するか又はプロドラッグを製造するように誘導体化されてもよい。得られた混合物の形態は、意図した投与方法及び選ばれた担体又は賦形剤における化合物の溶解度を含む多くの因子に左右される。効果的な濃度は、病状を改善させるのに充分な濃度であり、実験的に求めることができる。
【0058】
凍結乾燥粉末
凍結乾燥粉末もまた本明細書において興味深く、溶液、エマルジョン及び他の混合物としての投与に再構成され得る。これらは、また、固形物又はゲルとして再構成され配合され得る。
滅菌した凍結乾燥粉末は、本明細書において提供される化合物、又はその医薬的に許容され得る塩を適切な溶媒に溶解することによって調製される。溶媒は、粉末又は粉末から調製される再構成溶液の安定性又は他の薬理学的成分を改善する賦形剤を含有することができる。用いることができる賦形剤としては、デキストロース、ソルビトール、フルクトース、コーンシロップ、キシリトール、グリセリン、グルコース、スクロース又は他の適切な物質が挙げられるが、これらに限定されない。溶媒は、また、緩衝剤、例えば、クエン酸塩、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム又は当業者に既知の他のこのような緩衝剤を、一実施態様において、ほぼ中性pHで含有することができる。溶液の次の滅菌ろ過に続いて当業者に知られる標準条件での凍結乾燥により、望ましい製剤が得られる。一般に、得られた溶液は、凍結乾燥のためにバイアルに分配される。各バイアルは、化合物の単一用量(即ち、10-1000 mg又は100-500 mg)又は複数の用量を含有する。凍結乾燥粉末は、適切な条件下に、例えば、約4℃〜室温で貯蔵され得る。
この凍結乾燥粉末を注射用蒸留水で再構成することにより、非経口投与に用いられる製剤が得られる。再構成のために、約1-50 mg、約5-35 mg、又は約9-30 mgの凍結乾燥粉末が滅菌水又は他の適切な担体1 mLに対して添加される。正確な量は、選ばれた化合物に左右される。このような量は、実験的に求めることができる。
【0059】
局所投与
局所投与と全身投与に記載されるように局所混合物が調製される。得られた混合物は、溶液、懸濁液、エマルジョン等であってもよく、クリーム剤、ゲル剤、軟膏剤、乳剤、液剤、エリキシル剤、ローション剤、懸濁剤、チンキ、パスタ剤、発泡剤、エアゾール剤、洗浄、噴霧剤、坐剤、絆創膏、皮膚パッチ剤又は局所投与に適した他の製剤として配合される。
化合物又はその医薬的に許容され得る塩は、局所適用の、例えば吸入によるエアゾール剤として配合され得る(例えば、炎症性疾患、特に喘息の治療に有効なステロイドの送達のためのエアゾール剤を記載する米国特許第4,044,126号明細書、同第4,414,209号明細書、及び同第4,364,923号明細書を参照のこと)。呼吸器に投与するこれらの製剤は、ネブライザーのためのエアゾール又は溶液の形で、又は吸入のための超微粒粉末として、単独で又はラクトースのような不活性担体と組み合わせてあり得る。このような場合、製剤の粒子は、50ミクロン未満又は10ミクロン未満の直径を有するであろう。
化合物は、局所又は局部適用のために、例えば眼における、例えば皮膚と粘膜への局所適用のために、ゲル剤、クリーム剤、及びローション剤として、また、眼への適用のために又は嚢内又は脊椎内の適用のために配合することができる。局所投与は、経皮送達のために、また、眼又は粘膜への投与のために、又は吸入療法のために企図される。活性化合物単独で又は他の医薬的に許容され得る賦形剤と組み合わせた点鼻液もまた、投与することができる。
特に眼科使用に意図したこれらの溶液は、0.01%-10% 等張液、pH約5-7として、適切な塩と配合され得る。
【0060】
他の投与経路のための組成物
他の投与経路、例えば、局所適用、経皮貼布、及び直腸投与もまた、本明細書に企図される。
例えば、直腸投与のための医薬剤形は、全身作用については肛門坐剤、カプセル剤及び錠剤である。本明細書に用いられる肛門坐剤は、1以上の薬理的又は治療的有効成分を放出する体温で融解又は軟化する直腸へ挿入する固形物を意味する。肛門坐剤に用いられる医薬的に許容され得る物質は、基剤又は賦形剤及び融点を上げる物質である。基剤の例としては、ココアバター(カカオ脂)、グリセリンゼラチン、カーボワックス(ポリオキシエチレングリコール)及び脂肪酸のモノ、ジ及びトリグリセリドの適切な混合物が挙げられる。種々の基剤の組み合わせを用いることができる。坐剤の融点を上げる物質としては、鯨ろう及びワックスが挙げられる。肛門坐剤は、圧縮方法によって或いは成形によって調製することができる。直腸坐剤の例示的な質量は、約2〜3 gmである。
直腸投与のための錠剤及びカプセル剤は、経口投与のための製剤と同じ医薬的に許容され得る物質を用いて、また、同じ方法によって製造される。
【0061】
徐放性組成物
本明細書において提供される有効成分は、当業者に周知である放出制御手段によって又は送達デバイスによって投与され得る。例としては、米国特許第3,845,770号明細書; 同第3,916,899号明細書; 同第3,536,809号明細書; 同第3,598,123号明細書; 同第4,008,719号明細書、同第5,674,533号明細書、同第5,059,595号明細書、同第5,591,767号明細書、同第5,120,548号明細書、同第5,073,543号明細書、同第5,639,476号明細書、同第5,354,556号明細書、同第5,639,480号明細書、同第5,733,566号明細書、同第5,739,108号明細書、同第5,891,474号明細書、同第5,922,356号明細書、同第5,972,891号明細書、同第5,980,945号明細書、同第5,993,855号明細書、同第6,045,830号明細書、同第6,087,324号明細書、同第6,113,943号明細書、同第6,197,350号明細書、同第6,248,363号明細書、同第6,264,970号明細書、同第6,267,981号明細書、同第6,376,461号明細書、同第6,419,961号明細書、同第6,589,548号明細書、同第6,613,358号明細書、同第6,699,500号明細書、同第6,740,634号明細書に記載されるものが挙げられるが、これらに限定されるものではなく、これらの明細書の各々は本願明細書に含まれるものとする。このような剤形は、望ましい放出プロファイルを種々の割合で与えるヒドロプロピルメチルセルロース、他ポリマーマトリックス、ゲル、透過性膜、浸透系、多層コーティング、微小粒子、リポソーム、マイクロスフェア、又はこれらの組み合わせを用いて1つ以上の有効成分を持続放出又は制御放出させるために使用し得る。本明細書に記載されるものを含む当業者に既知の適切な放出制御製剤は、本明細書において提供される有効成分の使用に容易に選ぶことができる。
すべての放出制御製剤は、その非制御対応物によって達成されたものより薬物治療を改善する一般目標を有する。一実施態様において、医学的治療において最適に設計された放出制御製剤の使用は、最小限の時間で状態を治療又は制御するために使われる最小限の薬剤物質に特徴を有する。ある種の実施態様において、制御放出製剤の利点には、薬剤の長時間の活性、投薬回数の減少、及び患者の服薬遵守の増加が含まれる。更に、放出制御製剤は、作用の開始時間又は他の特性、例えば薬剤の血中濃度に影響するように使用し得るので、副作用(例えば、有害な作用)の発生に影響し得る。
【0062】
ほとんどの放出制御製剤は、すぐに望ましい治療効果を生じる量の薬剤(有効成分)を最初に放出し、このレベルの治療又は予防効果を長時間維持する他の量の薬剤を徐々に絶えず放出するように設計されている。体内にこの一定レベルの薬剤を維持するために、代謝され且つ体内から排出される量の薬剤を置き換える速度で剤形から薬剤が放出されなければならない。有効成分の放出制御は、pH、温度、酵素、水、又は他の生理的条件又は化合物を含むが、これらに限定されない種々の条件によって刺激され得る。
ある種の実施態様において、静脈内注入、植込み型浸透圧ポンプ、経皮貼布、リポソーム、又は他の投与方法を用いて薬剤を投与することができる。一実施態様において、ポンプを用いることができる(Sefton, CRC Crit. Ref. Biomed. Eng. 14:201 (1987); Buchwald et al., Surgery 88:507 (1980); Saudek et al., N. Engl. J. Med. 321:574 (1989)を参照のこと)。他の実施態様において、高分子材料を用いることができる。更に他の実施態様において、放出制御システムを治療ターゲットに近接して置くことができる。従って、全身投与量の一部分だけが必要である(例えば、Goodson, Medical Applications of Controlled Release, vol. 2, pp. 115-138 (1984)を参照のこと)。
いくつかの実施態様において、放出制御デバイスは不適切な免疫活性化部位又は腫瘍に近接して被検者に導入される。他の放出制御システムは、Langer (Science 249:1527-1533 (1990)による総説に述べられている。有効成分は、体液に不溶である、固体内部マトリックス、例えば、外側の高分子膜、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレンコポリマー、エチレン/エチルアクリレートコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、ネオプレンゴム、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、エチレン及びプロピレンとの塩化ビニルコポリマー、イオノマーポリエチレンテレフタレート、ブチルゴムエピクロロヒドリンゴム、エチレン/ビニルアルコールコポリマー、エチレン/酢酸ビニル/ビニルアルコールターポリマー、エチレン/ビニルオキシエタノールコポリマーによって包囲されている、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、可塑化又は非可塑化ポリ塩化ビニル、可塑化ナイロン、可塑化ポリエチレンテレフタレート、天然ゴム、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニルコポリマー、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、シリコーンカーボネートコポリマー、親水性ポリマー、例えば、アクリル酸エステルやメタクリル酸エステルのヒドロゲル、コラーゲン、架橋ポリビニルアルコール及び部分的に加水分解された架橋ポリ酢酸ビニルに分散され得る。次に、有効成分は、放出速度制御段階で外側の高分子膜を通って拡散する。このような非経口組成物に含有される有効成分の割合は、その個々の種類だけでなく、被検者の要求に非常に左右される。
【0063】
ターゲット製剤
本明細書において提供される化合物、又はその医薬的に許容され得る塩は、また、治療される被検者の体の具体的な組織、受容体、又は他の領域をターゲットにするように配合され得る。多くのこのようなターゲッティング法が当業者に周知である。本組成物に用いられるすべてのこのようなターゲッティング法が本明細書において企図される。ターゲッティング法の限定されない例としては、例えば、米国特許第6,316,652号明細書、同第6,274,552号明細書、同第6,271,359号明細書、同第6,253,872号明細書、同第6,139,865号明細書、同第6,131,570号明細書、同第6,120,751号明細書、同第6,071,495号明細書、同第6,060,082号明細書、同第6,048,736号明細書、同第6,039,975号明細書、同第6,004,534号明細書、同第5,985,307号明細書、同第5,972,366号明細書、同第5,900,252号明細書、同第5,840,674号明細書、同第5,759,542号明細書及び同第5,709,874号明細書を参照のこと。
一実施態様において、組織ターゲットリポソーム、例えば、腫瘍ターゲットリポソームを含むリポソーム懸濁液もまた、医薬的に許容され得る担体として適切であり得る。これらは、当業者に知られる方法に従って調製され得る。例えば、リポソーム製剤は、米国特許第4,522,811号明細書に記載されるように調製することができる。簡単に言えば、多重膜ベシクル(MLV)のようなリポソームは、フラスコの内部で卵ホスファチジルコリンと脳ホスファチジルセリン(7:3のモル比)を乾燥することによって形成することができる。二価のカチオン(PBS)のないリン酸緩衝食塩水中の本明細書において提供される化合物の溶液を添加し、脂質膜が分散するまでフラスコを振盪する。得られたベシクルを洗浄して、封入されていない化合物を除去し、遠心分離によってペレット化し、次にPBSに再懸濁する。
【0064】
製品
化合物又は医薬的に許容され得る塩は、包装材料、GSK-3活性を含むがこれに限定されないキナーゼ活性と関連する1つ以上の症状の治療、予防又は改善に用いられる本明細書において提供される化合物又はその医薬的に許容され得る塩、及び化合物又はその医薬的に許容され得る塩がGSK-3仲介疾患を含むがこれに限定されないキナーゼ仲介疾患の1つ以上の症状の治療、予防又は改善に用いられることを示すラベルを含有する製品として包装され得る。
本明細書において提供される製品は、包装材料を含有する。医薬製剤を包装するのに用いられる包装材料は、当業者に周知である。例えば、米国特許第5,323,907号明細書、同第5,052,558号明細書及び同第5,033,252号明細書を参照のこと。医薬包装材料の例としては、ブリスターパック、びん、チューブ、吸入器、ポンプ、バッグ、バイアル、容器、注射器、びん、及び選ばれた製剤と意図した投与治療方法に適した包装材料が挙げられるがこれらに限定されない。本明細書において提供される化合物と組成物の一連の製剤が企図される。
【0065】
E. 治療方法
化合物又は組成物の使用方法もまた提供される。方法には、化合物又は組成物の試験管内及び生体内双方の使用が含まれる。
ある種の実施態様において、本明細書において提供される化合物又は組成物を投与することによってGSK-3作用を阻止する方法が本明細書において提供される。一実施態様において、方法には、GSK-3と本明細書において提供される化合物とを接触させることが含まれる。
【0066】
F. 化合物活性の評価
A) GSK阻害
本明細書において提供される化合物のGSK3阻害活性は、本明細書に記載される分析だけでなく、当業者に一般に知られる分析を用いて容易に検出され得る。
GSK3の特定の阻害剤を確認する例示的方法には、無細胞GSK3キナーゼ分析と細胞ベースのGSK3キナーゼ分析の双方が含まれる。無細胞のGSK3キナーゼ分析は、ポリペプチドGSK3との直接相互作用によって作用する阻害剤を検出し、細胞ベースのGSK3キナーゼ分析は、GSK3自体との直接相互作用か又は成熟した活性GSK3を生産するために必要とされるGSK3発現又は翻訳後プロセシングによる妨害によって機能する阻害剤を確認することができる。米国特許出願公開第2005/0054663号明細書には、例示的な無細胞GSK3キナーゼ分析と細胞ベースのGSK3キナーゼ分析が記載されている。本明細書に用いられる例示的な分析を以下に簡単に述べる:
10-25ngの組換え全長ヒトのGSK3β(Upstate)を、20 mM MOPS、pH 7.0、10 mM酢酸マグネシウム、0.2 mM EDTA、2 mM EGTA、30 mM塩化マグネシウム、62.5μMホスホ-グリコーゲンシンターゼペプチド-2、5μM ATP、10 mMβ-グリセロールホスフェート、1 mMオルトバナジウム酸ナトリウム及び1 mMジチオトレイトール中30℃で1時間、種々の濃度の化合物を存在させて又は存在させずにインキューベートする。KinaseGloルシフェラーゼ反応まで進行させる。
キナーゼ反応の完了後、等容積のKinaseGloルシフェラーゼ試薬(Promega)を添加し、5-10分以内にルミネッセンスプレートリーダーを用いてルミネッセンスを読み取った。化合物活性は、最大用量で認められる最大阻害に対する阻害%として表され、次にIC50値を曲線の当てはめソフトウェア(GraphPad Prizm)を用いて算出する。
【0067】
実施例
実施例 1:
(3S)-8-アミノ-9-フルオロ-2,3-ジヒドロ-3-メチル-7-オキソ-10-[(1S,3S)-3-(2-ピリジル)シクロペンチルアミノ]-7H-ピリド[1,2,3-de][1,4]ベンゾキサジン-6-カルボニトリル
工程 1: 3-(2-ピリジル)-2-シクロペンテン-1-オン
【0068】
【化14】

【0069】
2-ブロモピリジン(5.00g、31.6mmol)のTHF (30ml)溶液にn-BuLi (2.55M/ヘキサン、12.5mL. 31.9mmol)を-78 oCで滴下し、10分間撹拌した。反応混合液に3-エトキシ-2-シクロペンテノン(2.00g、15.9mmol)のTHF (10 mL)溶液を-78 oCで滴下し、0 oCで2時間撹拌した。この反応混合液を2M HCl (10 mL)で酸性にし、水層をEtOAcで洗浄した。水層を1M NaOH水溶液で塩基性にし、次にCH2Cl2で抽出した。有機層を食塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、次に溶媒を除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc = 1/3)で精製して、3-(2-ピリジル)-2-シクロペンテン-1-オン (1.57 g、58%)を褐色固形物として得た。
1H-NMR(CDCl3-d, 400 MHz) δ 2.60 - 2.65 (2H, m), 3.16 (2H, dt, J = 7.9, 1.8 Hz), 6.82 (1H, t, J = 1.8 Hz), 7.32 - 7.37 (1H, m), 7.70 (1H, d, J = 7.9 Hz), 7.79 (1H, td, J = 7.9, 1.8 Hz), 8.73 (1H, d, J = 4.9 Hz).
EIMS (+) 159 [M] +.
工程 2: 3-(2-ピリジル)シクロペンタン-1-オン
【0070】
【化15】

【0071】
、3-(2-ピリジル)-2-シクロペンテン-1-オン(1.43g、8.98mmol)と10%Pd/C (142mg)のEtOH(30mL)混合液を水素雰囲気(0.3 MPa)下にて6.5時間撹拌した。触媒をセライトでろ過することにより除去し、ろ液を減圧下で濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc = 1/1)で精製して、3-(2-ピリジル)シクロペンタン-1-オン(3.26 g、94%)を無色油状物として得た。
1H-NMR(CDCl3-d, 400 MHz) δ 2.13 - 2.24 (1H, m), 2.26 - 2.35 (1H, m), 2.36 - 2.55 (2H, m), 2.56 - 2.75 (2H, m), 3.56 (1H, qui, J = 6.7 Hz), 7.10 - 7.23 (2H, m), 7.64 (1H, td, J = 7.3, 1.2 Hz), 8.57 (1H, d, J = 4.2 Hz).
EIMS (+) 161 [M] +.
工程 3: シス-3-(2-ピリジル)シクロペンタノール
【0072】
【化16】

【0073】
3-(2-ピリジル)シクロペンタン-1-オン(3.17g、19.7mmol)のMeOH(80ml)溶液にNaBH4 (745mg、19.7mmol)を0 ℃で添加し、室温で2時間撹拌した。反応混合液を氷水に注ぎ入れ、次にEtOAcで抽出した。有機層を無水Na2SO4で乾燥し、次に溶媒を除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc = 1/1→ 1/3)で精製して、シス-3-(2-ピリジル)シクロペンタノール (1.90g、59%)を無色油状物として得た。
1H-NMR(CDCl3-d, 400 MHz) δ 1.70 - 2.00 (4H, m), 2.12 - 2.30 (2H, m), 3.42 (1H, dd, J = 15.2, 9.7 Hz), 4.35 (1H, t, J = 4.3 Hz), 6.47(1H, brs), 7.10 (1H, dd, J = 7.3, 5.5 Hz), 7.17 (1H, d, J = 7.3 Hz), 7.59 (1H, t, J = 7.3 Hz), 8.51 (1H, d, J = 4.3 Hz).
EIMS (+) 163 [M] +.
工程 4: トランス-N-[3-(2-ピリジル)シクロペンチル]フタルイミド
【0074】
【化17】

【0075】
シス-3-(2-ピリジル)シクロペンタノール(1.86g、11.4mmol)のTHF (100mL)溶液を0 oCに冷却し、フタルイミド(1.85g、12.5mmol)、ジエチルアゾジカルボキシレート(2.2M/トルエン、5.7mL、11.4mmol)及びトリフェニルホスフィン(3.29g、12.5mmol)で処理した。この反応混合液を室温で一晩撹拌した。溶媒を除去し、粗生成物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc = 3/1 → 2/1 → 1/1)で精製して、トランス-N-[3-(2-ピリジル)シクロペンチル]フタルイミド(1.52g、41%)を無色粉末として得た。
1H-NMR(CDCl3-d, 400 MHz) δ 1.87 - 2.02 (1H, m), 2.15 - 2.41 (4H, m), 2.47 (1H, ddd, J = 13.4, 8.6, 6.1 Hz), 3.81(1H, qui, J = 8.6 Hz), 4.92 - 5.03 (1H, m), 7.11(1H, dd, J = 7.3, 5.2 Hz), 7.22 (1H, d, J = 7.3 Hz), 7.60 (1H, td, J = 7.3, 1.2 Hz), 7.69 - 7.73 (2H, m), 7.81 - 7.85 (2H, m), 8.57 (1H, d, J = 4.3 Hz).
EIMS (+) 292 [M] +.
工程 5:
(1S,3S)-N-[3-(2-ピリジル)シクロペンチル]フタルイミド及び(1R,3R)-N-[3-(2-ピリジル)シクロペンチル]フタルイミド
【0076】
【化18】

【0077】
トランス-N-[3-(2-ピリジル)シクロペンチル]フタルイミド(10.0 g)を分取用HPLCによりChiralpak IAカラム(φ20×250 mm)と溶離剤としてMeCN-CH2Cl2 (9/1)を用い流速5 mL/分で1時間分離した。UV検出器を300 nmに設定し、注入ループ容積は5 mLであり、注入負荷はMeCN-CH2Cl2 (9/1)溶液中68-70 mgであった。
(1S,3S)-N-[3-(2-ピリジル)シクロペンチル]フタルイミド; 4.78 g、>99%純度、>99% e.e. (Chiralpak IAカラム(φ4.6×250 mm)、MeCN-CH2Cl2 (9/1)、0.5 mL/分、Rt=10.3分)
(1R,3R)-N-[3-(2-ピリジル)シクロペンチル]フタルイミド; 4.85 g、>99%純度、>99% e.e. (Chiralpak IAカラム(φ4.6×250 mm)、MeCN-CH2Cl2 (9/1)、0.5 mL/分、Rt=13.4分)
工程 6: (1S, 3S)-3-(2-ピリジル)シクロペンチルアミン
【0078】
【化19】

【0079】
(1S,3S)-N-[3-(2-ピリジル)シクロペンチル]フタルイミド(4.12g、14.1mmol)と、ヒドラジンモノヒドレート(2.0mL、41.2mmol)のEtOH(100mL)混合液を3時間還流撹拌した。冷却後、反応混合液をろ過し、次に溶媒を除去した。残留物をEtOAcに懸濁し、1時間還流撹拌した。冷却後、沈殿をろ過し、溶媒を除去して、(1S, 3S)-3-(2-ピリジル)シクロペンチルアミン(2.10 g、92%)を黄色油状物として得た。
1H-NMR(CDCl3-d, 400 MHz) δ 1.40 -1.63 (3H, m), 1.77 - 1.92 (2H, m), 2.10 - 2.28 (3H, m), 3.49 (1H, qui, J = 8.6 Hz), 3.66 (1H, qui, J = 6.1 Hz), 7.08(1H, dd, J = 7.9, 5.5 Hz), 7.16(1H, d, J = 7.9 Hz), 7.57 (1H, td, J = 7.9, 1.2 Hz), 8.54 (1H, d, J = 4.3 Hz).
CIMS (+) 163 [M+H] +.
工程 7:
(3S)-8-アミノ-9-フルオロ-2,3-ジヒドロ-3-メチル-7-オキソ-10-[(1S,3S)-3-(2-ピリジル)シクロペンチルアミノ]-7H-ピリド[1,2,3-de][1,4]ベンゾキサジン-6-カルボニトリル
【0080】
【化20】

【0081】
(3S)-8-アミノ-9,10-ジフルオロ-2,3-ジヒドロ-3-メチル-7-オキソ-7H-ピリド[1,2,3-de][1,4]ベンゾキサジン-6-カルボニトリル(1.30g、4.69mmol)、(1S, 3S)-3-(2-ピリジル)シクロペンチルアミン(913 mg、5.63mmol)及びトリエチルアミン(1.30mL、9.33mmol)の無水DMSO(8 mL)混合液を100oCで7時間撹拌した。冷却後、反応混合液を氷水に注ぎ入れ、次にCH2Cl2-MeOHで抽出した。有機層を水及び食塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、溶媒を除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(EtOAc)で精製して、(3S)-8-アミノ-9-フルオロ-2,3-ジヒドロ-3-メチル-7-オキソ-10-[(1S,3S)-3-(2-ピリジル)シクロペンチルアミノ]-7H-ピリド[1,2,3-de][1,4]ベンゾキサジン-6-カルボニトリル(364mg、19%)を黄色粉末として得た。
1H-NMR(DMSO-d6, 400 MHz) δ 1.35 (3H, d, J = 6.7 Hz), 1.66-1.82 (2H, m), 1.96 -2.06 (1H, m), 2.06 - 2.20 (3H, m), 3.43 (1H, t, J = 8.3 Hz), 4.05 (1H, dd, J = 11.0, 1.8 Hz), 4.32 (1H, dd, J = 11.0, 1.8 Hz), 4.39 - 4.52 (2H, m), 5.17 (1H, dd, J = 7.9, 1.8 Hz), 6.94 (2H, brs), 7.17 (1H, dd, J = 7.9, 4.9 Hz), 7.26 (1H, d, J = 7.9 Hz), 7.67 (1H, td, J = 7.9, 1.8 Hz), 8.46 (1H, s), 8.48 (1H, d, J = 4.3 Hz).
ESIMS (+) 420 [M+H] +.
HRESIMS (+) 420.18345 (C23H23FN5O2,の計算値、420.18358).
分析値C 65.57% H 5.24% N 16.31%、C23H22FN5O2の計算値、0.2H2O、C 65.30% H 5.34% N 16.55%.
【0082】
実施例 2:
(3S)-8-アミノ-9-フルオロ-2,3-ジヒドロ-3-メチル-7-オキソ-10-[(1R,3R)-3-(2-ピリジル)シクロペンチルアミノ]-7H-ピリド[1,2,3-de][1,4]ベンゾキサジン-6-カルボニトリル
工程 1: (1R, 3R)-3-(2-ピリジル)シクロペンチルアミン
【0083】
【化21】

【0084】
(1R,3R)-N-[3-(2-ピリジル)シクロペンチル]フタルイミド(4.17g、14.3mmol)と、ヒドラジン一水和物(2.0mL、41.2mmol)のEtOH(100mL)混合液を4時間還流撹拌した。冷却後、反応混合液をろ過し、溶媒を除去した。残留物をEtOAcに懸濁し、1時間還流撹拌した。冷却後、沈殿をろ過し、次に溶媒を除去して、(1R, 3R)-3-(2-ピリジル)シクロペンチルアミン(1.62 g、70%)を黄色の油状物として得た。
1H-NMR(CDCl3-d, 400 MHz) δ 1.40 - 1.63 (3H, m), 1.77 - 1.92 (2H, m), 2.10 - 2.28 (3H, m), 3.49 (1H, qui, J = 8.6 Hz), 3.66 (1H, qui, J = 6.1 Hz), 7.08(1H, dd, J = 7.9, 5.5 Hz), 7.16(1H, d, J = 7.9 Hz), 7.57 (1H, td, J = 7.9, 1.2 Hz), 8.54 (1H, d, J = 4.3 Hz).
CIMS (+) 163 [M+H] +.
工程 2:
(3S)-8-アミノ-9-フルオロ-2,3-ジヒドロ-3-メチル-7-オキソ-10-[(1R,3R)-3-(2-ピリジル)シクロペンチルアミノ]-7H-ピリド[1,2,3-de][1,4]ベンゾキサジン-6-カルボニトリル
【0085】
【化22】

【0086】
(3S)-8-アミノ-9,10-ジフルオロ-2,3-ジヒドロ-3-メチル-7-オキソ-7H-ピリド[1,2,3-de][1,4]ベンゾキサジン-6-カルボニトリル(1.40g、5.05mmol)、(1R, 3R)-3-(2-ピリジル)シクロペンチルアミン(985mg、6.07mmol)及びトリエチルアミン(1.40mL、10.0mmol)の無水DMSO (8mL)混合液を100oCで7時間撹拌した。冷却後、反応混合液を氷水に注ぎ入れ、次にCH2Cl2-MeOHで抽出した。有機層を水及び食塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、次に溶媒を除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(EtOAc)で精製して、(3S)-8-アミノ-9-フルオロ-2,3-ジヒドロ-3-メチル-7-オキソ-10-[(1R,3R)-3-(2-ピリジル)シクロペンチルアミノ]-7H-ピリド[1,2,3-de][1,4]ベンゾキサジン-6-カルボニトリル(325mg、15%)を黄色粉末として得た。
1H-NMR(DMSO-d6, 400 MHz) δ 1.35 (3H, d, J = 6.7 Hz), 1.66-1.82 (2H, m), 1.95 -2.04 (1H, m), 2.05 - 2.23 (3H, m), 3.42 (1H, qui, J = 7.9 Hz), 4.06 (1H, dd, J = 11.0, 1.8 Hz), 4.33 (1H, dd, J = 11.0, 1.8 Hz), 4.40 - 4.52 (2H, m), 5.17 (1H, dd, J = 7.9, 1.8 Hz), 6.94 (2H, brs), 7.17 (1H, dd, J = 7.3, 4.9 Hz), 7.26 (1H, d, J = 7.9 Hz), 7.67 (1H, td, J = 7.3, 1.8 Hz), 8.46 (1H, s), 8.48 (1H, d, J = 4.3 Hz).
ESIMS (+) 420 [M+H] +.
HRESIMS (+) 420.18368 (C23H23FN5O2,の計算値、420.18358).
分析値C 65.61% H 5.28% N 16.19%、C23H22FN5O2の計算値C 65.86% H 5.29% N 16.70%.
【0087】
実施例 3:
(3S)-8-アミノ-9-フルオロ-2,3-ジヒドロ-3-メチル-7-オキソ-10-[シス-3-(2-ピリジル)シクロペンチルアミノ]-7H-ピリド[1,2,3-de][1,4]ベンゾキサジン-6-カルボニトリル
工程 1: トランス-3-(2-ピリジル)シクロペンタノール
【0088】
【化23】

【0089】
3-(2-ピリジル)シクロペンタン-1-オン(3.17 g、19.7mmol)の MeOH (80 ml)溶液にNaBH4 (745 mg、19.7mmol)を0oCで滴下し、室温で2時間撹拌した。反応混合液を氷水に注ぎ入れ、次にEtOAcで抽出した。有機層を無水Na2SO4で乾燥し、次に溶媒を除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン / EtOAc = 1 / 1 → 1 / 3)で精製して、トランス-3-(2-ピリジル)シクロペンタノール(965 mg、30%)を無色油状物として得た。
1H-NMR(CDCl3-d, 400 MHz) δ 1.50 - 1.78 (2H, m), 1.80 - 1.93 (1H, m), 2.04 - 2.13 (2H, m), 2.16 - 2.33 (2H, m), 3.55 (1H, qui, J = 7.9 Hz), 4.52 - 4.62 (1H, m), 7.09 (1H, dd, J = 7.3, 5.5 Hz), 7.17 (1H, d, J = 7.3 Hz), 7.58 (1H, td, J = 7.3, 1.8 Hz), 8.54 (1H, d, J = 4.3 Hz).
EIMS (+) 163 [M] +.
工程 2: シス-N-[3-(2-ピリジル)シクロペンチル]フタルイミド
【0090】
【化24】

【0091】
トランス-3-(2-ピリジル)シクロペンタノール (957mg、5.86mmol)のTHF (25 mL)溶液を0oCに冷却し、フタルイミド(1.29g、8.77mmol)、シアノメチレントリ-n-ブチルホスホラン(2.12 g、8.78mmol)で処理した。反応混合液を70 oCで8時間撹拌した。溶媒を除去し、粗生成物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc = 3/1 → 1/1)で精製し、ヘキサン-EtOAcで摩砕して、シス-N-[3-(2-ピリジル)シクロペンチル]フタルイミド(901 mg、53%)を薄黄色粉末として得た。
1H-NMR(CDCl3-d, 400 MHz) δ 2.10 - 2.40 (5H, m), 2.56 (1H, dd, J = 22.6, 12.2 Hz), 3.28 - 3.40(1H, m), 4.80 - 4.90 (1H, m), 7.13(1H, dd, J = 7.9, 5.9 Hz), 7.35(1H, d, J = 7.9 Hz), 7.63 (1H, t, J = 7.9 Hz), 7.71 (2H, dd, J = 5.5, 3.0 Hz), 7.83 (2H, dd, J = 5.5, 3.0 Hz), 8.55 (1H, d, J = 4.3 Hz).
EIMS (+) 292 [M] +.
工程 3: シス-3-(2-ピリジル)シクロペンチルアミン
【0092】
【化25】

【0093】
トランス-3-(2-ピリジル)シクロペンチルアミンの調製に記載された方法と同様にシス-N-[3-(2-ピリジル)シクロペンチル]フタルイミド(905 mg、3.10mmol)から標記化合物(498mg、99%)を調製した。
1H-NMR(CDCl3-d, 400 MHz) δ 1.52 -1.74 (3H, m), 1.95 - 2.13 (3H, m), 2.31 - 2.40 (1H, m), 3.26 (1H, qui, J = 7.9 Hz), 3.48 (1H, qui, J = 6.1 Hz), 7.09(1H, dd, J = 7.9, 4.9 Hz), 7.18 (1H, d, J = 7.9 Hz), 7.58 (1H, td, J = 7.9, 1.2 Hz), 8.54 (1H, d, J = 4.3 Hz).
CIMS (+) 163 [M+H] +.
工程 4:
(3S)-8-アミノ-9-フルオロ-2,3-ジヒドロ-3-メチル-7-オキソ-10-[シス-3-(2-ピリジル)シクロペンチルアミノ]-7H-ピリド[1,2,3-de][1,4]ベンゾキサジン-6-カルボニトリル
【0094】
【化26】

【0095】
(3S)-8-アミノ-9,10-ジフルオロ-2,3-ジヒドロ-3-メチル-7-オキソ-7H-ピリド[1,2,3-de][1,4]ベンゾキサジン-6-カルボニトリル(180 mg、0.649mmol)、シス-3-(2-ピリジル)シクロペンチルアミン (158 mg、0.973mmol)及びトリエチルアミン(0.200 mL、0.976mmol)の無水DMSO(3 mL)混合液を80 oCで8時間撹拌した。冷却後、反応混合液を氷水に注ぎ入れ、次にCH2Cl2-MeOHで抽出した。有機層を水及び食塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、溶媒を除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc = 1/3)で精製して、(3S)-8-アミノ-9-フルオロ-2,3-ジヒドロ-3-メチル-7-オキソ-10-[シス-3-(2-ピリジル)シクロペンチルアミノ]-7H-ピリド[1,2,3-de][1,4]ベンゾキサジン-6-カルボニトリル(ジアステレオマー混合物、55.6 mg、20%)を黄色粉末として得た。
1H-NMR(DMSO-d6, 400 MHz) δ1.34 (3H×1/2, d, J = 6.7 Hz), 1.37 (3H×1/2, d, J = 6.7 Hz), 1.65 - 1.93 (5H, m), 2.03 - 2.12 (1H, m), 2.27 - 2.37 (2H, m), 3.34 3.40 (1H, m), 3.99 - 4.10 (1H, m), 4.36 (1H, dd J = 11.6. 3.7 Hz), 4.40 - 4.49 (2H, m), 6.56 (1H×1/2, d, J = 7.3 Hz), 6.70 (1H×1/2, d, J = 7.3 Hz), 6.93 (2H, brs), 7.22 (1H, t, J = 6.1 Hz), 7.30 (1H, d, J = 7.3 Hz), 7.70 (1H, t, J = 7.3 Hz), 8.45 (1H, s), 8.55 (1H, t, J = 5.5 Hz).
ESIMS (+) 420[M+H] +.
HRESIMS (+) 420.18374 (C23H23FN5O2の計算値、420.18358).
【0096】
実施例 4:
(3S)-8-アミノ-9-フルオロ-2,3-ジヒドロ-3-メチル-7-オキソ-10-[トランス-3-(1H-ピラゾール-1-イル)シクロペンチルアミノ]-7H-ピリド[1,2,3-de][1,4]ベンゾキサジン-6-カルボニトリル(F)
工程 1:
3-(1H-ピラゾール-1-イル)シクロペンタン-1-オン
【0097】
【化27】

【0098】
ピラゾール(6.85g、100mmol)、2-シクロペンテン-1-オン(19.3g、235mmol)及びScCl3 (1.42g、9.38mmol)の無水CH2Cl2(3mL)混合液を室温で30分間撹拌した。反応混合液を水に注ぎ入れ、次にCH2Cl2で抽出した。有機層を食塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、次に溶媒を除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン / EtOAc = 4 / 1)で精製して、3-(1H-ピラゾール-1-イル)シクロペンタン-1-オン(14.1 g、94%)を黄色油状物として得た。
1H-NMR(CDCl3-d, 400 MHz) δ 2.27 -2.38 (1H, m), 2.39 - 2.67 (3H, m), 2.75 (1H, dd, J = 18.3, 7.3 Hz), 2.84 (1H, dd, J = 18.3, 7.3 Hz), 4.97 (1H, qui, J = 6.1 Hz), 6.28 (1H, t, J = 7.9, 1.8 Hz), 7.45 (1H, d, J = 1.8 Hz), 7.54 (1H, s).
工程 2:
シス-3-(1H-ピラゾール-1-イル)シクロペンタノール
【0099】
【化28】

【0100】
3-(1H-ピラゾール-1-イル)シクロペンタン-1-オン(14.09g、93.8mmol)のMeOH(150ml)溶液にNaBH4 (1.77g、46.8mmol)を0 oCで滴下し、室温で30分間撹拌した。反応混合液を0.5M HClに注ぎ入れ、NaHCO3 飽和水溶液で塩基性にし、CH2Cl2で抽出した。有機層を無水Na2SO4で乾燥し、次に溶媒を除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc = 2/1 → 1/1)で精製して、シス-3-(1H-ピラゾール-1-イル)シクロペンタノール(10.41 g、73%)を無色油状物として得た。
1H-NMR(CDCl3-d, 400 MHz) δ 1.80 - 1.91 (1H, m), 1.96 - 2.19 (3H, m), 2.19 - 2.33 (2H, m), 4.35 - 4.42 (1H, m), 4.80 (1H, td, J = 7.9, 4.3 Hz), 5.75 (1H, d, J = 9.8 Hz), 6.20 (1H, t, J = 1.8 Hz), 7.43 (1H, d, J = 1.8 Hz), 7.51 (1H, s).
EIMS (+) 219 [M] +.
工程 3:
トランス-N-[3-(1H-ピラゾール-1-イル)シクロペンチル]フタルイミド
【0101】
【化29】

【0102】
シス-3-(1H-ピラゾール-1-イル)シクロペンタノール(5.01g、32.9mmol)のTHF (150mL)溶液を0oCに冷却し、フタルイミド (5.33g、36.2mmol)、ジイソプロピルアゾジカルボキシレート(7.1mL、36.1mmol)及びトリフェニルホスフィン(9.48 g、36.1mmol)で処理した。反応混合液を0 oCで4時間撹拌した。反応混合液を水に注ぎ入れ、次にEtOAcで抽出した。有機層を無水Na2SO4で乾燥し、次に溶媒を除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(Chromatrex、ヘキサン/EtOAc = 5/1)で精製して、トランス-N-[3-(1H-ピラゾール-1-イル)シクロペンチル]フタルイミド (4.85g、52%)を無色粉末として得た。
1H-NMR(CDCl3-d, 400 MHz) δ 2.16 - 2.33 (3H, m), 2.45 - 2.56 (2H, m), 2.56 - 2.65 (1H, m), 5.00 - 5.10 (1H, m), 5.16 (1H, qui, J = 7.3 Hz), 6.25 (1H, t, J = 1.8 Hz), 7.47 (1H, d, J = 1.8 Hz), 7.55 (1H, d, J = 1.8 Hz), 7.72 (2H, dd, J = 5.5, 3.1 Hz), 7.84 (2H, dd, J = 5.5, 3.1 Hz).
工程 4:
トランス-N-[3-(1H-ピラゾール-1-イル)シクロペンチル]フタルイミド(F)及び
トランス-N-[3-(1H-ピラゾール-1-イル)シクロペンチル]フタルイミド(R)
トランス-N-[3-(1H-ピラゾール-1-イル)シクロペンチル]フタルイミド(3.12g)を、分取用HPLCによりChiralpak IAカラム(φ20×250mm)及び溶離剤としてMeCNを用い流速5mL/分で1時間分離した。UV検出器を300 nmに設定し、注入ループ容積は5mLであり、注入負荷はMeCN溶液中80 mgであった。
トランス-N-[3-(1H-ピラゾール-1-イル)シクロペンチル]フタルイミド(F); 1.56g、>99%純度、>99% e.e. (Chiralpak IAカラム(φ4.6×250 mm)、MeCN、0.5 mL/分、Rt=10.3分)
トランス-N-[3-(1H-ピラゾール-1-イル)シクロペンチル]フタルイミド(R); 1.5 g、>99%純度、>99% e.e. (Chiralpak IAカラム(φ4.6×250 mm)、MeCN、0.5 mL/分、Rt=15.2分)
工程 5: トランス-3-(1H-ピラゾール-1-イル)シクロペンチルアミン(F)
【0103】
【化30】

【0104】
トランス-N-[3-(1H-ピラゾール-1-イル)シクロペンチル]フタルイミド(F) (1.53g、5.44mmol)とヒドラジン一水和物(0.53mL、10.9mmol)のEtOH (30 mL)混合液を4時間還流撹拌した。冷却後、反応混合液をろ過し、次に溶媒を除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(Chromatrex、CH2Cl2/EtOH = 30/1)で精製して、トランス-3-(1H-ピラゾール-1-イル)シクロペンチルアミン(427mg、52%)を黄色油状物として得た。
1H-NMR(CDCl3-d, 400 MHz) δ 1.30 -1.50 (3H, m), 1.88 - 1.98 (1H, m), 2.01 - 2.10 (1H, m), 2.15 - 2.25 (1H, m), 2.27 - 2.42 (2H, m), 3.74 (1H, qui, J = 6.1 Hz), 4.88 (1H, qui, J = 7.3 Hz), 6.22 (1H, d, J = 1.8 Hz), 7.40 (1H, d, J = 1.8 Hz), 7.51 (1H, s).
工程 6:
(3S)-8-アミノ-9-フルオロ-2,3-ジヒドロ-3-メチル-7-オキソ-10-[トランス-3-(1H-ピラゾール-1-イル)シクロペンチルアミノ]-7H-ピリド[1,2,3-de][1,4]ベンゾキサジン-6-カルボニトリル(F)
【0105】
【化31】

【0106】
(3S)-8-アミノ-9,10-ジフルオロ-2,3-ジヒドロ-3-メチル-7-オキソ-7H-ピリド[1,2,3-de][1,4]ベンゾキサジン-6-カルボニトリル(580mg、2.09mmol)、トランス-3-(1H-ピラゾール-1-イル)シクロペンチルアミン(380mg、2.51mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(0.80mL、4.59mmol)の無水DMSO(12mL)混合液を100 oCで7時間撹拌した。冷却後、反応混合液を氷水に注ぎ入れ、次にCH2Cl2-MeOHで抽出した。有機層を水及び食塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、次に溶媒を除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(EtOAc)で精製して、(3S)-8-アミノ-9-フルオロ-2,3-ジヒドロ-3-メチル-7-オキソ-10-[トランス-3-(1H-ピラゾール-1-イル)シクロペンチルアミノ]-7H-ピリド[1,2,3-de][1,4]ベンゾキサジン-6-カルボニトリル(125 mg、15%)を黄色粉末として得た。
1H-NMR(DMSO-d6, 400 MHz) δ 1.35 (3H, d, J = 6.7 Hz), 1.60 - 1.73 (1H, m), 1.86 - 1.98 (1H, m), 2.11 - 2.29 (4H, m), 4.04 (1H, d, J = 10.3 Hz), 4.31 (1H, d, J = 10.3 Hz), 4.44 (1H, q, J = 6.7 Hz), 4.55 (1H, q, J = 6.7 Hz), 4.89 (1H, qui, J = 6.7 Hz), 5.31 (1H, d, J = 8.5 Hz), 6.20 (1H, t, J = 1.8 Hz), 6.95 (2H, brs), 7.43 (1H, s), 7.74 (1H, d, J = 1.8 Hz), 8.46 (1H, s).
ESIMS (+) 409 [M+H] +.
HRESIMS (+) 409.17920 (C21H22FN6O2の計算値、409.17883).
分析値C 61.70%, H 5.17%, N 20.25%、C21H21FN6O2の計算値0.1H2O, C 61.48%, H 5.21%, N 20.49%.
【0107】
実施例 5:
(3S)-8-アミノ-9-フルオロ-2,3-ジヒドロ-3-メチル-7-オキソ-10-[トランス-3-(1H-ピラゾール-1-イル)シクロペンチルアミノ]-7H-ピリド[1,2,3-de][1,4]ベンゾキサジン-6-カルボニトリル(R)
工程 1: トランス-3-(1H-ピラゾール-1-イル)シクロペンチルアミン(R)
【0108】
【化32】

【0109】
トランス-N-[3-(1H-ピラゾール-1-イル)シクロペンチル]フタルイミド(R) (1.49g、5.30mmol)と、ヒドラジン一水和物(0.51mL、10.5mmol)のEtOH(30mL)混合液を3時間還流撹拌した。冷却後、反応混合液をろ過し、次に溶媒を除去した。冷却後、反応混合液をろ過し、次に溶媒を除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(Chromatrex、CH2Cl2/EtOH = 30/1)で精製して、トランス-3-(1H-ピラゾール-1-イル)シクロペンチルアミン(517 mg、65%)を黄色油状物として得た。
1H-NMR(CDCl3-d, 400 MHz) δ 1.30 -1.50 (3H, m), 1.88 - 1.98 (1H, m), 2.01 - 2.10 (1H, m), 2.15 - 2.25 (1H, m), 2.27 - 2.42 (2H, m), 3.74 (1H, qui, J = 6.1 Hz), 4.88 (1H, qui, J = 7.3 Hz), 6.22 (1H, d, J = 1.8 Hz), 7.40 (1H, d, J = 1.8 Hz), 7.51 (1H, s).
CIMS (+) 152 [M+H] +.
工程 2:
(3S)-8-アミノ-9-フルオロ-2,3-ジヒドロ-3-メチル-7-オキソ-10-[トランス-3-(1H-ピラゾール-1-イル)シクロペンチルアミノ]-7H-ピリド[1,2,3-de][1,4]ベンゾキサジン-6-カルボニトリル(R)
【0110】
【化33】

【0111】
(3S)-8-アミノ-9,10-ジフルオロ-2,3-ジヒドロ-3-メチル-7-オキソ-7H-ピリド[1,2,3-de][1,4]ベンゾキサジン-6-カルボニトリル(702mg、2.53mmol)、トランス-3-(1H-ピラゾール-1-イル)シクロペンチルアミン(460mg、3.04mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(0.970mL、5.57mmol)の無水DMSO(14mL)混合液を100 oCで7時間撹拌した。冷却後、反応混合液を氷水に注ぎ入れ、次にCH2Cl2-MeOHで抽出した。有機層を水及び食塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、次に溶媒を除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc = 1 /10 → EtOAc)で精製して、(3S)-8-アミノ-9-フルオロ-2,3-ジヒドロ-3-メチル-7-オキソ-10-[トランス-3-(1H-ピラゾール-1-イル)シクロペンチルアミノ]-7H-ピリド[1,2,3-de][1,4]ベンゾキサジン-6-カルボニトリル(108mg、10%)を黄色粉末として得た。
1H-NMR(DMSO-d6, 400 MHz) δ 1.35 (3H, d, J = 6.7 Hz), 1.63 -1.75 (1H, m), 1.86 - 1.98 (1H, m), 2.07 - 2.30 (4H, m), 4.05 (1H, d, J = 11.5 Hz), 4.31 (1H, d, J = 10.9 Hz), 4.44 (1H, q, J = 6.7 Hz), 4.54 (1H, q, J = 6.7 Hz), 4.89 (1H, qui, J = 6.7 Hz), 5.30 (1H, d, J = 8.5 Hz), 6.20 (1H, t, J = 1.8 Hz), 6.94 (2H, brs), 7.42 (1H, s), 7.74 (1H, d, J = 1.8 Hz), 8.46 (1H, s).
ESIMS (+) 409 [M+H] +.
HRESIMS (+) 409.17826 (C21H22FN6O2の計算値409.17883).
分析値C 61.16% H 5.08% N 20.06%、C21H21FN6O2,0.3H2Oの計算値、C 60.95% H 5.26% N 20.31%.
【0112】
実施例 6:
(3S)-8-アミノ-9-フルオロ-2,3-ジヒドロ-3-メチル-7-オキソ-10-[シス-4-(3-ピリジル)シクロヘキシルアミノ]-7H-ピリド[1,2,3-de][1,4]ベンゾキサジン-6-カルボニトリル
工程 1 : 4-ヒドロキシ-4-(3-ピリジル)シクロヘキサノンエチレンアセタール
【0113】
【化34】

【0114】
乾燥エーテル(150mL)中のn-BuLi(1.59 M/ヘキサン、45mL、71.6mmol)に3-ブロモピリジン (11.24 g、71.1mmol)の乾燥エーテル(70mL)溶液を-78oCで滴下した。10分間撹拌した後、シクロヘキサン-1,4-ジオンモノエチレンアセタール(9.25g、59.2mmol)のTHF (70mL)溶液を-78 oCで20分間かけて添加し、3時間撹拌した。反応混合液に水を添加した。水層をCH2Cl2で抽出し、有機層を食塩水で洗浄した。抽出液を有機層と合わせた。乾燥し濃縮した後、粗生成物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc = 2/1)で精製して、4-ヒドロキシ-4-(3-ピリジル)シクロヘキサノンエチレンアセタール(6.55g、47%)を薄黄色粉末として得た
1H-NMR(CDCl3-d, 400 MHz) δ 1.65 - 1.78 (3H, m), 1.84 (2H, d, J = 11.6 Hz), 2.05 - 2.23 (4H, m), 3.96 - 4.05 (4H, m), 7.27 (1H, dd, J = 7.9, 4.8 Hz), 7.84 (1H, dt, J = 7.9, 1.2 Hz), 8.49 (1H, dd, J = 4.9. 1.2 Hz), 8.78 (1H, d, J = 1.2 Hz).
EIMS (+) 235 [M] +.
工程 2 : 4-(3-ピリジル)シクロヘキサ-3-エン-1-オンエチレンアセタール
【0115】
【化35】

【0116】
4-ヒドロキシ-4-(3-ピリジル)シクロヘキサノンエチレンアセタール(6.53g、27.8mmol)のピリジン(60 mL)溶液に-10 oCで塩化チオニル(10 mL)を添加した。0oCで30分間撹拌した後、反応混合液を氷に注ぎ入れた。水層を2M NaOH水溶液でpH 8に調整し、CH2Cl2で抽出した。乾燥し濃縮した後、粗生成物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc = 2/1)で精製して、4-(3-ピリジル)シクロヘキサ-3-エン-1-オンエチレンアセタール(4.85 g、62%)を無色油状物として得た。
1H-NMR(CDCl3-d, 400 MHz) δ 1.94 (2H, d, J = 6.7 Hz), 2.47 - 2.51 (2H, m), 2.64 - 2.70 (2H, m), 4.03 (4H, s), 6.03 - 6.07 (1H, m), 7.23 (1H, dd, J = 7.9, 5.5 Hz), 7.67 (1H, dt, J = 7.9, 1.8 Hz), 8.46 (1H, dd, J = 4.9. 1.8 Hz), 8.66 (1H, d, J = 1.8 Hz).
工程 3: 4-(3-ピリジル)シクkロヘキサノンエチレンアセタール
【0117】
【化36】

【0118】
10% Pd/C (458mg)を含有する、4-(3-ピリジル)シクロヘキサ-3-エン-1-オンエチレンアセタール(4.80g、22.1mmol)のEtOAc (50mL)混合液を大気圧下で3時間水素添加した。触媒をろ過した後、溶液を減圧下で濃縮して、4-(3-ピリジル)シクロヘキサノンエチレンアセタール(4.81g、99%)を黄色固形物として得た。
1H-NMR(CDCl3-d, 400 MHz)δ 1.66 - 1.76 (6H, m), 1.80 (2H, d, J = 11.6 Hz), 1.88 (4H, d, J = 11.0 Hz), 2.60 (1H, t, J = 11.0 Hz), 3.99 (4H, s), 7.22 (1H, dd, J = 7.9, 4.9 Hz), 7.56 (1H, d, J = 7.9 Hz), 8.44 (1H, d, J = 4.9 Hz), 8.50 (1H, d, J = 1.2 Hz).
EIMS (+) 219 [M] +.
工程 4 : 4-(3-ピリジル)シクロヘキサノン
【0119】
【化37】

【0120】
4-(3-ピリジル)シクロヘキサノンエチレンアセタール(4.79 g、21.9mmol)のCF3CO2H (20 mL)冷却溶液に水(1 mL)を添加した。室温で6時間撹拌した後、反応混合液をNaHCO3 飽和水溶液に滴下した。得られた混合液を2M NaOH水溶液でpH 8に調整し、CH2Cl2で抽出した。乾燥し濃縮した後、粗生成物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc = 1/1 → 0/1)で精製して、4-(3-ピリジル)シクロヘキサノン(3.23g、84%)を無色粉末として得た。
1H-NMR(CDCl3-d, 400 MHz) δ 1.90 - 2.04 (2H, m), 2.22 - 2.30 (2H, m), 2.47 - 2.61 (4H, m), 3.07 (1H, tt, J = 12.2, 3.1 Hz), 7.23 - 7.30 (1H, m), 7.55 (1H, d, J = 7.9 Hz), 8.50 (1H, dd, J = 4.9, 1.2 Hz), 8.55 (1H, d, J = 1.2 Hz).
EIMS (+) 175 [M] +.
工程 5 : トランス-4-(3-ピリジル)シクロヘキサノール
【0121】
【化38】

【0122】
4-(3-ピリジル)シックロヘキサノン(3.22 g、18.4mmol)のMeOH (25 ml)溶液にNaBH4 (348mg、9.30mmol)を0 oCで滴下し、室温で30分間撹拌した。反応混合液を0.5M HClに注ぎ入れ、NaHCO3 飽和水溶液で塩基性にし、次にCH2Cl2で抽出した。有機層を無水Na2SO4で乾燥し、次に溶媒を除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc = 5/1)で精製して、トランス-4-(3-ピリジル)シクロヘキサノール(2.48g、76%)を無色粉末として得た。
1H-NMR(CDCl3-d, 400 MHz)δ 1.38 - 1.61 (4H, m), 1.90 - 1.98 (2H, m), 2.09 - 2.16 (2H, m), 2.53 (1H, tt, J = 11.6, 3.7 Hz), 3.65 - 3.76 (1H, m), 7.22 (1H, dd, J = 7.9, 4.9 Hz), 7.51 (1H, dt, J = 7.9, 1.8 Hz), 8.44 (1H, dd, J = 4.9, 1.8 Hz), 8.48 (1H, d, J = 1.8 Hz).
CIMS (+) 178 [M+H] +.
工程 6: シス-N-[4-(3-ピリジル)シクロヘキシル]フタルイミド
【0123】
【化39】

【0124】
トランス-4-(3-ピリジル)シクロヘキサノール(1.38 g、7.79mmol)のTHF (70 mL)溶液を0oCに冷却し、フタルイミド(1.26g、8.58mmol)、ジイソプロピルアゾジカルボキシレート(1.7mL、8.63mmol)及びトリフェニルホスフィン(1.26g、8.56mmol)で処理した。反応混合液を室温で6時間撹拌した。反応混合液を水に注ぎ入れ、次にEtOAcで抽出した。有機層を無水Na2SO4で乾燥し、次に溶媒を除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc = 3/1 → 2/1)で精製して、シス-N-[4-(3-ピリジル)シクロヘキシル]フタルイミド(1.54 g、64%)を無色粉末として得た。
1H-NMR(CDCl3-d, 400 MHz) δ 1.65 - 1.75 (2H, m), 1.90 - 2.03 (2H, m), 2.26 - 2.48 (4H, m), 3.10 - 3.18 (1H, m), 4.25 - 4.35 (1H, m), 7.30 (1H, dd, J = 7.9, 4.9 Hz), 7.69 (2H, dd, J = 5.5, 3.0 Hz), 7.80 (2H, dd, J = 5.5, 3.0 Hz), 7.84 (1H, d, J = 7.9 Hz), 8.47 (1H, d, J = 4.9 Hz), 8.66 (1H, s).
EIMS (+) 306 [M] +.
工程 7 : シス-4-(3-ピリジル)シクロヘキシルアミン
【0125】
【化40】

【0126】
シス-N-[4-(3-ピリジル)シクロヘキシル]フタルイミド(1.37g、4.47mmol)とヒドラジン一水和物(0.45mL、9.00mmol)のEtOH (30mL)溶液を3時間還流撹拌した。冷却後、反応混合液をろ過し、次に溶媒を除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(Chromatrex、CH2Cl2/EtOH = 20/1)で精製して、シス-4-(3-ピリジル)シクロヘキシルアミン(705mg、89%)を黄色油状物として得た。
1H-NMR(CDCl3-d, 400 MHz) δ 1.48 (2H, brs), 1.64 - 1.80 (6H, m), 1.83 - 1.95 (2H, m), 2.55 - 2.65 (1H, m), 3.23 - 3.30 (1H, m), 7.22 (1H, dd, J = 7.9, 4.9 Hz), 7.57 (1H, d, J = 7.9 Hz), 8.43 (1H, dd, J = 4.8, 1.8 Hz), 8.51 (1H, d, J = 1.8 Hz).
EIMS (+) 176 [M] +.
工程 8 :
(3S)-8-アミノ-9-フルオロ-2,3-ジヒドロ-3-メチル-7-オキソ-10-[シス-4-(3-ピリジル)シクロヘキシルアミノ]-7H-ピリド[1,2,3-de][1,4]ベンゾキサジン-6-カルボニトリル
【0127】
【化41】

【0128】
(3S)-8-アミノ-9,10-ジフルオロ-2,3-ジヒドロ-3-メチル-7-オキソ-7H-ピリド[1,2,3-de][1,4]ベンゾキサジン-6-カルボニトリル(792mg、2.86mmol)、シス-4-(3-ピリジル)シクロヘキシルアミン(605 mg、3.43mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(1.0mL、5.74mmol)の無水DMSO (14 mL)混合液を100oCで8時間撹拌した。冷却後、反応混合液を氷水に注ぎ入れ、次にCH2Cl2-MeOHで抽出した。有機層を水及び食塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、次に溶媒を除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(EtOAc)で精製して、(3S)-8-アミノ-9-フルオロ-2,3-ジヒドロ-3-メチル-7-オキソ-10-[シス-4-(3-ピリジル)シクロヘキシルアミノ]-7H-ピリド[1,2,3-de][1,4]ベンゾキサジン-6-カルボニトリル(152mg、12%)を黄色粉末として得た。
1H-NMR(DMSO-d6, 400 MHz) δ 1.36 (3H, d, J = 6.7 Hz), 1.59 - 1.89 (8H, m), 2.62 - 2.71 (1H, m), 4.01 - 4.13 (2H, m), 4.40 (1H, d, J = 11.5 Hz), 4.44 - 4.51 (1H, m), 4.92 (1H, d, J = 8.5 Hz), 6.97 (2H, brs), 7.33 (1H, dd, J = 7.9, 4.8 Hz), 7.66 (1H, d, J = 7.9 Hz), 8.40 (1H, dd, J = 4.2, 1.8 Hz), 8.47 - 8.50 (2H, m).
ESIMS (+) 434 [M+H] +.
HRESIMS (+) 434.20011 (C24H25FN5O2の計算値、434.19923).
分析値C 66.38% H 5.58% N 15.88%、C24H24FN5O2,の計算値C 66.50% H 5.58% N 16.16%.
【0129】
実施例 7:
(3S)-8-アミノ-9-フルオロ-2,3-ジヒドロ-3-メチル-7-オキソ-10-[トランス-4-(3-ピリジル)シクロヘキシルアミノ]-7H-ピリド[1,2,3-de][1,4]ベンゾキサジン-6-カルボニトリル
工程 1: シス-4-(3-ピリジル)シクロヘキサノール
【0130】
【化42】

【0131】
4-(3-ピリジル)シクロヘキサノン(3.22g、18.4mmol)のMeOH (25ml)溶液にNaBH4 (348mg. 9.30mmol)を0oCで滴下し、室温で30分間撹拌した。反応混合液を0.5M HClに注ぎ入れ、NaHCO3 飽和水溶液で塩基性にし、次にCH2Cl2で抽出した。有機層を無水Na2SO4で乾燥し、溶媒を除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc = 5/1)で精製して、シス-4-(3-ピリジル)シクロヘキサノール(510mg、16%)を無色粉末として得た。
1H-NMR(CDCl3-d, 400 MHz) δ 1.63 - 1.76 (5H, m), 1.86 - 1.98 (4H, m), 2.52 - 2.62 (1H, m), 4.13 - 4.18 (1H, m), 7.23 (1H, dd, J = 7.9, 4.3 Hz), 7.56 (1H, dt, J = 7.9, 1.8 Hz), 8.44 (1H, dd, J = 4.9, 1.8 Hz), 8.50 (1H, d, J = 2.4 Hz).
CIMS (+) 178 [M+H] +.
工程 2: シス-4-(3-ピリジル)シクロヘキサンメタンスルホネート
【0132】
【化43】

【0133】
シス-4-(3-ピリジル)シクロヘキサノール(302mg、1.70mmol)、メタンスルホニルクロライド(0.290mL、3.76mmol)及びトリエチルアミン(1.0mL、3.66mmol)の無水CH2Cl2 (15 mL)混合液を室温で2.5時間撹拌した。反応混合液を氷水に注ぎ入れ、NaHCO3 飽和水溶液で塩基性にし、次にCH2Cl2で抽出した。有機層を無水Na2SO4で乾燥し、次に溶媒を除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc = 1/2)で精製して、シス-4-(3-ピリジル)シクロヘキサンメタンスルホネート(423mg、97%)を無色粉末として得た。
1H-NMR(CDCl3-d, 400 MHz) δ 1.73 - 1.95 (6H, m), 2.25 (2H, d, J = 14.5 Hz), 2.58 - 2.68 (1H, m), 3.06 (3H, s), 5.05 - 5.12 (1H, m), 7.20 - 7.28 (1H, m), 7.55 (1H, d, J = 7.9 Hz), 8.46 (1H, dd, J = 4.8, 1.2 Hz), 8.49 (1H, d, J = 1.2 Hz).
EIMS (+) 255 [M] +.
工程 3: トランス-4-(3-ピリジル)シクロヘキシルアジド
【0134】
【化44】

【0135】
シス-4-(3-ピリジル)シクロヘキサンメタンスルホネート(407 mg、1.59mmol)、アジ化ナトリウム(507 mg、7.80mmol) の無水DMF (8 mL)混合液を60oCで4.5時間撹拌した。反応混合液を氷水に注ぎ入れ、次にCH2Cl2で抽出した。有機層を無水Na2SO4で乾燥し、次に溶媒を除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc = 2/1)で精製して、トランス-4-(3-ピリジル)シクロヘキシルアジド(245 mg、76%)を無色油状物として得た。
1H-NMR(CDCl3-d, 400 MHz)δ1.45 - 1.63 (4H, m), 1.95 - 2.06 (2H, m), 2.10 - 2.21 (2H, m), 2.50 - 2.61 (1H, m), 3.32 - 3.42 (1H, m), 7.22 (1H, dd J = 7.9, 4.8 Hz), 7.49 (1H, d, J = 7.9 Hz), 8.46 (1H, dd, J = 4.8, 1.8 Hz), 8.47 (1H, d, J = 1.8 Hz).
CIMS (+) 203 [M+H]
工程 4: トランス-4-(3-ピリジル)シクロヘキシルアミン
【0136】
【化45】

【0137】
トランス-4-(3-ピリジル)シクロヘキシルアジド(238 mg、1.18mmol)のEtOH (20 mL)溶液を大気圧下10% Pd/C (21.2 mg)により2時間水素で処理した。触媒をセライトによってろ過することにより除去し、ろ液を減圧下で濃縮し、乾燥して、トランス-4-(3-ピリジル)シクロヘキシルアミン(202 mg、97%)を黄色油状物として得た。
1H-NMR(CDCl3-d, 400 MHz) δ 1.20 - 1.33 (2H, m), 1.87 - 2.04 (4H, m), 2.51 (1H, tt, J = 12.1, 3.0 Hz), 2.75 (1H, tt, J = 11.5, 3.0 Hz), 7.21 (1H, dd J = 7.9, 4.8 Hz), 7.51 (1H, dd, J = 7.9, 1.8 Hz), 8.44 (1H, dd, J = 4.8, 1.2 Hz), 8.48 (1H, d, J = 1.2 Hz).
EIMS (+) 176 [M] +.
工程 5:
(3S)-8-アミノ-9-フルオロ-2,3-ジヒドロ-3-メチル-7-オキソ-10-[トランス-4-(3-ピリジル)シクロヘキシルアミノ]-7H-ピリド[1,2,3-de][1,4]ベンゾキサジン-6-カルボニトリル
【0138】
【化46】

【0139】
(3S)-8-アミノ-9,10-ジフルオロ-2,3-ジヒドロ-3-メチル-7-オキソ-7H-ピリド[1,2,3-de][1,4]ベンゾキサジン-6-カルボニトリル(290mg、1.05mmol)、トランス-4-(3-ピリジル)シクロヘキシルアミン(220mg、1.25mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(0.4mL、2.30mmol)の無水DMSO (4mL)混合液を100 oCで8時間撹拌した。冷却後、反応混合液を氷水に注ぎ入れ、次にCH2Cl2-MeOHで抽出した。有機層を水及び食塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、次に溶媒を除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(EtOAc)で生成して、(3S)-8-アミノ-9-フルオロ-2,3-ジヒドロ-3-メチル-7-オキソ-10-[トランス-4-(3-ピリジル)シクロヘキシルアミノ]-7H-ピリド[1,2,3-de][1,4]ベンゾキサジン-6-カルボニトリル(33.2mg、7%)を黄色粉末として得た。
1H-NMR(DMSO-d6, 400 MHz) δ 1.35 (3H, d, J = 6.7 Hz), 1.42 - 1.48 (2H, m), 1.50 - 1.63 (2H, m), 1.80 - 1.88 (2H, m), 2.01 - 2.08 (2H, m), 3.70 - 3.82 (1H, m), 4.06 (1H, d, J = 11.9 Hz), 4.33 (1H, d, J = 11.9 Hz), 4.42 - 4.50 (1H, m), 4.96 (1H, J = 7.9 Hz), 6.95 (2H, brs), 7.29 (1H, dd, J = 7.3, 4.8 Hz), 7.68 (1H, d, J = 7.9 Hz), 8.39 (1H, d, J = 4.8 Hz), 8.45 - 8.50 (2H, m).
ESIMS (+) 434 [M+H] +.
HRESIMS (+) 434.20016 (C24H25FN5O2の計算値、434.19923).
分析値C 65.33% H 5.65% N 15.23%、C24H24FN5O2の計算値C 66.50% H 5.58% N 16.16%.
【0140】
実施例 8:
(3S)-8-アミノ-9-フルオロ-2,3-ジヒドロ-3-メチル-7-オキソ-10-[(1S,3S)-3-(3-ピリジル)シクロペンチルアミノ]-7H-ピリド[1,2,3-de][1,4]ベンゾキサジン-6-カルボニトリル
工程 1: (1S,4S)-4-(3-ピリジル)-2-シクロペンテン-1-オール
【0141】
【化47】

【0142】
3-ヨードピリジン(13.0 g、63.3mmol)のTHF (30 mL)溶液にi-PrMgCl(38.0 mL、76.0mmol)を3-9 oCで添加した。撹拌を室温で30分間続けた後、この溶液にCuCN (567 mg、6.33mmol)を2 oCで添加した。撹拌を3oCで30分間続けた後、得られた溶液にTHF (30 mL)中の(1R,4S)-4-ヒドロキシシクロペンタ-2-エニルアセテート(3.00 g、21.1mmol)を添加した。混合液全体を室温で2時間撹拌し、激しく撹拌しながらNH4Cl飽和液で希釈した。生成物をEtOAcで3回抽出し、合わせた層をNa2SO4で乾燥した。減圧下で濃縮した後、残留物をカラムクロマトグラフィー(NH、ヘキサン/EtOAc = 4/1)で精製して、(1S,4S)-4-(3-ピリジル)-2-シクロペンテン-1-オール(1.88 g、55%)を黄色油状物として得た。
1H-NMR(CDCl3-d, 400 MHz) δ 1.81 (1H, brs), 2.04-2.14 (1H, m), 2.34 (1H, ddd, J = 14.2, 8.1, 2.6 Hz), 4.14-4.20 (1H, m), 5.08 (1H, brs), 6.03 (1H, dd, J = 5.5, 1.2 Hz), 6.07-6.12 (1H, m), 7.22 (1H, dd, J = 8.3, 5.2 Hz), 7.42 (1H, dt, J = 7.9, 1.8 Hz), 7.43 (1H, d, J = 2.4 Hz), 8.46 (1H, dd, J = 4.3, 1.2 Hz).
EIMS (+):161.1 [M]+.
工程 2: (1R,3R)-3-(3-ピリジル)シクロペンタノール
【0143】
【化48】

【0144】
(1S,4S)-4-(3-ピリジル)-2-シクロペンテン-1-オール(1.86g、11.5mmol)と10% Pd/C (186 mg)のEtOH(35mL)混合液を水素雰囲気下に3時間撹拌した。触媒をセライトによるろ過で除去し、ろ液を減圧下で濃縮した。(1R,3R)-3-(3-ピリジル)シクロペンタノール(1.82g、97%)を黄色油状物として得た。
1H-NMR(CDCl3-d, 400 MHz) δ 1.56-1.88 (4H, m), 2.08-2.36 (4H, m), 3.37-3.49 (1H, m), 4.53-4.59 (1H, m), 7.24-7.30 (1H, m), 7.58 (1H, dt, J = 7.9, 1.8 Hz), 8.46 (1H, d, J = 4.3 Hz), 8.53 (1H, s).
CIMS (+):164.1 [M+H]+.
工程 3: (1S,3R)-3-(3-ピリジル)シクロペンチルアセテート
【0145】
【化49】

【0146】
(1R,3R)-3-(3-ピリジル)シクロペンタノール(3.47g、21.3mmol)のTHF (100 mL)溶液を4oCに冷却し、酢酸(1.34mL、23.4mmol)、ジイソプロピルアゾジカルボキシレート(4.61mL、23.4mmol)及びトリフェニルホスフィン(6.14 g、23.4mmol)で処理した。反応混合液を室温で12時間撹拌した。反応混合液をEtOAcで希釈し、H2O及び食塩水で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥した。減圧下で濃縮した後、残留物をカラムクロマトグラフィー(NH、ヘキサン/EtOAc = 6/1)で精製して、(1S,3R)-3-(3-ピリジル)シクロペンチルアセテート(4.39 g、100%)を無色油状物として得た。
1H-NMR(CDCl3-d, 400 MHz) δ 1.70-2.18 (8H, m), 2.55-2.65 (1H, m), 3.03-3.15 (1H, m), 5.23-5.31 (1H, m), 7.24 (1H, dd, J = 7.9, 4.9 Hz), 7.58 (1H, dt, J = 7.9, 1.8 Hz), 8.46 (1H, dd, J = 4.9, 1.8 Hz), 8.53 (1H, d, J = 2.4 Hz).
CIMS (+):206.1 [M+H]+.
工程 4: (1S,3R)-3-(3-ピリジル)シクロペンタノール
【0147】
【化50】

【0148】
(1S,3R)-3-(3-ピリジル)シクロペンチルアセテート(5.43g、26.5mmol)のMeOH (80ml)溶液に1N NaOH水溶液(26mL)を4 oCで添加し、その温度で2時間撹拌した。反応混合液にH2Oを添加し、次にCH2Cl2で4回抽出し、合わせた層をNa2SO4で乾燥した。減圧下で濃縮した後、残留物をカラムクロマトグラフィー(EtOAc)で精製して、(1S,3R)-3-(3-ピリジル)シクロペンタノール (3.99 g、92%)を無色油状物として得た。
1H-NMR(CDCl3-d, 400 MHz) δ 1.60-2.18 (6H, m), 2.44-2.54 (1H, m), 3.02-3.13 (1H, m), 4.45-4.54 (1H, m), 7.23 (1H, dd, J = 7.3, 4.9 Hz), 7.65 (1H, d, J = 7.9 Hz), 8.43 (1H, dd, J = 4.9, 1.2 Hz), 8.52 (1H, d, J = 1.8 Hz).
CIMS (+):164.1 [M+H]+.
工程 5: (1R,3R)-N-[3-(3-ピリジル)シクロペンチル]フタルイミド
【0149】
【化51】

【0150】
(1S,3R)-3-(3-ピリジル)シクロペンタノール(3.95 g、24.2mmol)のTHF (80 mL)溶液を4 oCに冷却し、フタルイミド (3.91g、26.6mmol)、ジイソプロピルアゾジカルボキシレート(5.24mL、26.6mmol)及びトリフェニルホスフィン(6.98 g、26.6mmol)で処理した。反応混合液を室温で2時間撹拌した。反応混合液をEtOAcで希釈し、H2O及び食塩水で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥した。減圧下で濃縮後、残留物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc = 4/1)で精製して、(1R,3R)-N-[3-(3-ピリジル)シクロペンチル]フタルイミド (6.27 g、89%)を無色粉末として得た。
1H-NMR(CDCl3-d, 400 MHz) δ 1.66-1.82 (1H, m), 2.09 (1H, dt, J = 17.9, 6.7 Hz), 2.16-2.43 (3H, m), 2.45-2.56 (1H, m), 3.67-3.79 (1H, m), 4.87-4.99 (1H, m), 7.22-7.28 (1H, m), 7.59 (1H, d, J = 7.3 Hz), 7.69-7.76 (2H, m), 7.81-7.89 (2H, m), 8.46 (1H, dd, J = 4.9, 1.2 Hz), 8.56 (1H, d, J = 1.8 Hz).
CIMS (+):293.1 [M+H]+.
工程 6: (1R,3R)-3-(3-ピリジル)シクロペンチルアミン
【0151】
【化52】

【0152】
(1R,3R)-N-[3-(3-ピリジル)シクロペンチル]フタルイミド(3.00g、10.3mmol)及びヒドラジン一水和物(1.00mL、20.5mmol)のEtOH (40mL)混合液を室温で1時間撹拌した。反応混合液をろ過し、次に溶媒を除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(NH、CHCl3 / MeOH = 50/1)で精製して、(1R,3R)-3-(3-ピリジル)シクロペンチルアミン (1.63g、97%)を黄色油状物として得た。
1H-NMR(CDCl3-d, 400 MHz) δ 1.33-1.75 (4H, m), 1.81-1.95 (2H, m), 2.05-2.30 (2H, m), 3.29-3.41 (1H, m), 3.62-3.71 (1H, m), 7.21 (1H, dd, J = 7.3, 4.9 Hz), 7.52 (1H, d, J = 7.9 Hz), 8.43 (1H, dd, J = 4.9, 1.2 Hz), 8.49 (1H, d, J = 1.8 Hz).
CIMS (+):163.1 [M+H]+.
工程 7: (3S)-8-アミノ-9-フルオロ-2,3-ジヒドロ-3-メチル-7-オキソ-10-[(1S,3S)-3-(3-ピリジル)シクロペンチルアミノ]-7H-ピリド[1,2,3-de][1,4]ベンゾキサジン-6-カルボニトリル
【0153】
【化53】

【0154】
(3S)-8-アミノ-9,10-ジフルオロ-2,3-ジヒドロ-3-メチル-7-オキソ-7H-ピリド[1,2,3-de][1,4]ベンゾキサジン-6-カルボニトリル(1.00 g、3.61mmol)、(1R,3R)-3-(3-ピリジル)シクロペンチルアミン (702 mg、4.33mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(1.38 mL、7.94mmol)の無水DMSO (18 mL)混合液を91 oCで7時間撹拌した。冷却後、反応混合液を氷水に注ぎ入れ、次にCH2Cl2-MeOHで抽出した。有機層を水及び食塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、次に溶媒を除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(EtOAc)で精製して、(3S)-8-アミノ-9-フルオロ-2,3-ジヒドロ-3-メチル-7-オキソ-10-[(1S,3S)-3-(3-ピリジル)シクロペンチルアミノ]-7H-ピリド[1,2,3-de][1,4]ベンゾキサジン-6-カルボニトリル(247mg、16%)を黄色粉末として得た。
1H-NMR(DMSO-d6, 400 MHz) δ 1.35 (3H, d, J = 6.7 Hz), 1.54-1.80 (2H, m), 1.86-1.98 (1H, m), 2.02-2.29 (3H, m), 4.06 (1H, d, J = 9.7 Hz), 4.33 (1H, d, J = 10.3 Hz), 4.40-4.54 (2H, m), 5.23 (1H, d, J = 6.1 Hz), 6.94 (2H, brs), 7.30 (1H, dd, J = 7.9, 4.2 Hz), 7.67 (1H, d, J = 7.9 Hz), 8.38 (1H, d, J = 3.0 Hz), 8.43-8.50 (2H, m).
ESIMS (+):420.2 [M+H]+.
HRESIMS (+):420.18332 (C23H23FN5O2の計算値、420.18358).
【0155】
実施例 9:
(3S)-8-アミノ-9-フルオロ-2,3-ジヒドロ-3-メチル-7-オキソ-10-[トランス-3-(3-ピリジル)シクロヘキシルアミノ]-7H-ピリド[1,2,3-de][1,4]ベンゾキサジン-6-カルボニトリル
工程 1: 3-(3-ピリジル)-2-シクロヘキセン-1-オン
【0156】
【化54】

【0157】
n-BuLi (1.54 M/ヘキサン、145 mL. 224mmol)のEt2O (600 ml)溶液に3-ブロモピリジン(22.0mL、224mmol)を-75〜-68 oCで滴下し、20分間撹拌した。反応混合液に3-エトキシ-2-シクロヘキセノン(25.0mL、187mmol)を-75〜-69 oCで滴下し、室温で1時間撹拌した。反応混合液を2M HCl (300mL)で酸性にし、水層をAcOEtで洗浄した。有機層を1M NaOH水溶液で酸性にし、次にCH2Cl2で抽出した。有機層を食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、次に溶媒を除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc = 1/2)で精製して、3-(3-ピリジル)-2-シクロヘキセン-1-オン (21.5g、66%)を黄色粉末として得た。
1H-NMR(CDCl3-d, 400 MHz) δ 2.15-2.26 (2H, m), 2.52 (2H, t, J = 6.7 Hz), 2.75-2.84 (2H, m), 6.43 (1H, s), 7.36 (1H, dd, J = 7.9, 4.9 Hz), 7.82 (1H, dt, J = 5.0, 2.6 Hz), 8.64 (1H, dd, J = 4.9, 1.2 Hz), 8.80 (1H, d, J = 1.8 Hz).
EIMS (+):173.1 [M]+.
工程 2: シス-3-(3-ピリジル)シクロヘキサノール
【0158】
【化55】

【0159】
3-(3-ピリジル)-2-シクロヘキセン-1-オン(19.1g、110mmol)と10% Pd/C (1.91g)のEtOH (300mL)混合液を水素雰囲気下に16時間撹拌した。触媒をセライトでろ過することにより除去し、ろ液を減圧下で濃縮した。MeOH (360ml)中の粗生成物の溶液にNaBH4 (2.08g. 55.0mmol)を3 oCで滴下し、その温度で30分間撹拌した。反応混合液を氷水に注ぎ入れ、次にAcOEtで抽出した。有機層を無水Na2SO4で乾燥し、溶媒を除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(NH、ヘキサン/EtOAc = 2/1)で精製して、シス-3-(3-ピリジル)シクロヘキサノール(14.6g、75%)を無色油状物として得た。
1H-NMR(CDCl3-d, 400 MHz) δ 1.22-1.55 (4H, m), 1.79-1.99 (2H, m), 2.03-2.23 (2H, m), 2.62 (1H, tt, J = 12.4, 3.2 Hz), 3.76 (1H, t, J = 10.3 Hz), 7.23 (1H, dd, J = 7.9, 4.8 Hz), 7.52 (1H, d, J = 7.9 Hz), 8.42-8.52 (2H, m).
CIMS (+):178.1 [M+H]+.
工程 3: トランス-N-[3-(3-ピリジル)シクロヘキシル]フタルイミド
【0160】
【化56】

【0161】
シス-3-(3-ピリジル)シクロヘキサノール(5.00g、28.2mmol) のTHF (100mL)溶液を4oCに冷却し、フタルイミド(4.56g、31.0mmol)、ジイソプロピルアゾジカルボキシレート(6.10mL、31.0mmol)及びトリフェニルホスフィン(8.13g、31.0mmol)で処理した。反応混合液を室温で2時間撹拌した。反応混合液をEtOAcで希釈し、H2O及び食塩水で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥した。減圧下で濃縮した後、残留物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc = 4/1)で精製して、トランス-N-[3-(3-ピリジル)シックロヘキシル]フタルイミド(5.18g、60%)を無色粉末として得た。
1H-NMR(CDCl3-d, 400 MHz) δ 1.45-1.63 (1H, m), 1.74-1.86 (2H, m), 1.94 (1H, tt, J = 13.3, 4.2 Hz), 2.16-2.28 (2H, m), 2.36 (1H, ddd, J = 24.5, 12.4, 3.9 Hz), 2.72 (1H, td, J = 12.7, 5.0 Hz), 3.43 (1H, brs), 4.39 (1H, tt, J = 11.5, 3.8 Hz), 7.29 (1H, dd, J = 7.9, 4.8 Hz), 7.67-7.88 (5H, m), 8.48 (1H, d, J = 4.2 Hz), 8.67 (1H, d, J = 1.8 Hz).
CIMS (+):307.1 [M+H]+.
工程 4: トランス-3-(3-ピリジル)シクロヘキシルアミン
【0162】
【化57】

【0163】
トランス-N-[3-(3-ピリジル)シクロヘキシル]フタルイミド(3.00g、9.79mmol)とヒドラジン一水和物(0.95mL、19.6mmol)のEtOH(40mL)混合液を室温で1.5時間撹拌した。反応混合液をろ過し、次に溶媒を除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(NH、EtOAc)で精製して、トランス-3-(3-ピリジル)シクロヘキシルアミン (1.08g、60%)を無色油状物として得た。
1H-NMR(CDCl3-d, 400 MHz) δ 1.35-1.95 (10H, m), 2.95-3.07 (1H, m), 3.38 (1H, t, J = 3.6 Hz), 7.21 (1H, dd, J = 7.9, 4.8 Hz), 7.53 (1H, d, J = 7.9 Hz), 8.43 (1H, dd, J = 4.8, 1.2 Hz), 8.50 (1H, d, J = 1.8 Hz).
CIMS (+):177.1 [M+H]+.
工程 5 : (3S)-8-アミノ-9-フルオロ-2,3-ジヒドロ-3-メチル-7-オキソ-10-[トランス-3-(3-ピリジル)シクロヘキシルアミノ]-7H-ピリド[1,2,3-de][1,4]ベンゾキサジン-6-カルボニトリル
【0164】
【化58】

【0165】
(3S)-8-アミノ-9,10-ジフルオロ-2,3-ジヒドロ-3-メチル-7-オキソ-7H-ピリド[1,2,3-de][1,4]ベンゾキサジン-6-カルボニトリル(800 mg、2.89mmol)、トランス-3-(3-ピリジル)シクロヘキシルアミン(612 mg、3.47mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(1.11 mL、6.36mmol)の無水DMSO (12 mL)混合液を84 oCで9時間撹拌した。冷却後、反応混合液を氷水に注ぎ入れ、次にCH2Cl2-MeOHで抽出した。有機層を水及び食塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、次に溶媒を除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(EtOAc)で精製して、(3S)-8-アミノ-9-フルオロ-2,3-ジヒドロ-3-メチル-7-オキソ-10-[トランス-3-(3-ピリジル)シクロヘキシルアミノ]-7H-ピリド[1,2,3-de][1,4]ベンゾキサジン-6-カルボニトリル(309 mg、24%)を黄色粉末として得た。
1H-NMR(DMSO-d6, 400 MHz) δ 1.37 (3H, dd, J = 6.7, 4.3 Hz), 1.47-1.93 (8H, m), 2.80-2.95 (1H, m), 4.06-4.22 (2H, m), 4.35-4.52 (2H, m), 4.98 (1H, d, J = 7.9 Hz), 6.95 (2H, brs), 7.29 (1H, dd, J = 7.9, 4.8 Hz), 7.64 (1H, d, J = 6.7 Hz), 8.38 (1H, dd, J = 4.8, 1.2 Hz), 8.44 (1H, s), 8.49 (1H, s).
ESIMS (+):434.2 [M+H]+.
HRESIMS (+):434.19998 (C24H25FN5O2の計算値、434.19923).
【0166】
実施例 10:
(3S)-8-アミノ-9-フルオロ-2,3-ジヒドロ-3-メチル-7-オキソ-10-[シス-3-(3-ピリジル)シクロヘキシルアミノ]-7H-ピリド[1,2,3-de][1,4]ベンゾキサジン-6-カルボニトリル
【0167】
【化59】

【0168】
工程 1: トランス-3-(3-ピリジル)シクロヘキサノール
【0169】
【化60】

【0170】
3-(3-ピリジル)-2-シクロヘキセン-1-オン(19.1g、110mmol)と10% Pd/C (1.91g)のEtOH (300mL)混合液を水素雰囲気下で16時間撹拌した。触媒をセライトでろ過することにより除去し、ろ液を減圧下で濃縮した。MeOH (360ml)中の粗生成物の溶液にNaBH4 (2.08g、55.0mmol)を3 oCで滴下し、その温度で30分間撹拌した。反応混合液を氷水に注ぎ入れ、次にAcOEtで抽出した。有機層を無水Na2SO4で乾燥し、次に溶媒を除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(NH、ヘキサン/EtOAc = 2/1)で精製して、トランス-3-(3-ピリジル)シクロヘキサノール(4.19 g、21%)を無色粉末として得た。
1H-NMR(CDCl3-d, 400 MHz) δ 1.38-2.10 (8H, m), 3.00-3.15 (1H, m), 4.26 (1H, brs), 7.22 (1H, dd, J = 7.9, 4.8 Hz), 7.52 (1H, d, J = 7.9 Hz), 8.40-8.53 (2H, m).
CIMS (+):178.1 [M+H]+.
工程 2: シス-N-[3-(3-ピリジル)シクロヘキシル]フタルイミド
【0171】
【化61】

【0172】
トランス-3-(3-ピリジル)シクロヘキサノール(3.99 g、22.5mmol)のTHF (90 mL)溶液を4 oCに冷却し、フタルイミド (3.65g、24.8mmol)、ジイソプロピルアゾジカルボキシレート(4.88 mL、24.8mmol)及びトリフェニルホスフィン(6.50g、24.8mmol)で処理した。反応混合液を室温で30分間撹拌した。反応混合液をEtOAcで希釈し、H2O及び食塩水で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥した。減圧下で濃縮後、残留物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc = 4/1)で精製して、シス-N-[3-(3-ピリジル)シクロヘキシル]フタルイミド(1.66 g、24%)を無色粉末として得た。
1H-NMR(CDCl3-d, 400 MHz) δ 1.45-1.64 (2H, m), 1.79-1.98 (3H, m), 2.01-2.11 (1H, m), 2.24-2.38 (1H, m), 2.46 (1H, q, J = 12.2 Hz), 2.68-2.79 (1H, m), 4.33 (1H, tt, J = 12.2, 3.7 Hz), 7.23 (1H, dd, J = 7.3, 4.9 Hz), 7.57 (1H, d, J = 7.9 Hz), 7.67-7.75 (2H, m), 7.78-7.86 (2H, m), 8.45 (1H, dd, J = 4.9, 1.2 Hz), 8.51 (1H, d, J = 1.8 Hz).
EIMS (+):306.1 [M]+.
工程 3: シス-3-(3-ピリジル)シクロヘキシルアミン
【0173】
【化62】

【0174】
シス-N-[3-(3-ピリジル)シクロヘキシル]フタルイミド(1.64 g、
5.35mmol)とヒドラジン一水和物(0.52 mL、10.7mmol)のEtOH (25 mL)混合液を室温で2時間撹拌した。反応混合液をろ過し、次に溶媒を除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(NH、EtOAc)で精製して、シス-3-(3-ピリジル)シクロヘキシルアミン(348g、37%)を無色油状物として得た。
1H-NMR(CDCl3-d, 400 MHz) δ 1.11 (1H, ddd, J = 24.5, 12.4, 3.3 Hz), 1.20-1.70 (4H, m), 1.71-2.19 (5H, m), 2.62 (1H, tt, J = 12.1, 3.3 Hz), 2.83 (1H, tt, J = 11.2, 3.8 Hz), 7.22 (1H, dd, J = 7.9, 4.8 Hz), 7.51 (1H, d, J = 7.9 Hz), 8.40-8.91 (2H, m).
EIMS (+):176.1 [M]+.
工程 4: (3S)-8-アミノ-9-フルオロ-2,3-ジヒドロ-3-メチル-7-オキソ-10-[シス-3-(3-ピリジル)シクロヘキシルアミノ]-7H-ピリド[1,2,3-de][1,4]ベンゾキサジン-6-カルボニトリル
【0175】
【化63】

【0176】
(3S)-8-アミノ-9,10-ジフルオロ-2,3-ジヒドロ-3-メチル-7-オキソ-7H-ピリド[1,2,3-de][1,4]ベンゾキサジン-6-カルボニトリル(457 mg、1.65mmol)、シス-3-(3-ピリジル)シクロヘキシルアミン(348 mg、1.97mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(0.63 mL、3.63mmol)の無水DMSO(8 mL)混合液を93 oCで9時間撹拌した。冷却後、反応混合液を氷水に注ぎ入れ、次にCH2Cl2-MeOHで抽出した。有機層を水及び食塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、次に溶媒を除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(EtOAc)で精製して、(3S)-8-アミノ-9-フルオロ-2,3-ジヒドロ-3-メチル-7-オキソ-10-[シス-3-(3-ピリジル)シクロヘキシルアミノ]-7H-ピリド[1,2,3-de][1,4]ベンゾキサジン-6-カルボニトリル(96.0mg、13%)を黄色粉末として得た。
1H-NMR(DMSO-d6, 400 MHz) δ 1.44-1.68 (8H, m), 1.81 (2H, dd, J = 37.2,11.2 Hz), 1.95-2.08 (2H, m), 2.69 (1H, t, J = 11.2 Hz), 3.75-3.88 (1H, m), 4.04 (1H, d, J = 10.9 Hz), 4.32 (1H, d, J = 11.5 Hz), 4.38-4.50 (1H, m), 4.95 (1H, d, J = 9.7 Hz), 6.94 (2H, brs), 7.30 (1H, dd, J = 7.3, 4.8 Hz), 7.60-7.68 (1H, m), 8.39 (1H, d, J = 4.2 Hz), 8.45 (2H, s).
ESIMS (+):434.2 [M+H]+.
HRESIMS (+):434.19890 (C24H25FN5O2の計算値434.19923).
【0177】
実施例 11: GS活性化
HepG2細胞をジャパニーズコレクションオブリサーチバイオリソースシーズから入手し、37°Cで保持される加湿された5% CO2空気中、標準培養液、すなわち100 U/mLペニシリン及び100μg/mLストレプトマイシンを加えた10%ウシ胎児血清を含有する低グルコースダルベッコの修正イーグル培地(DMEM)において増殖した。1 mM EDTAを含有する0.25%トリプシン溶液でHepG2細胞を収集し、12ウェルプレートに1×105細胞/ウェルで播種した。3日間培養した後、細胞をリン酸緩衝食塩水(PBS)で1回洗浄し、100 U/mLペニシリン及び100μg/mLストレプトマイシンを加えた無血清低グルコースDMEMとインキューベートした。3時間培養した後、無血清低グルコースDMEMに種々の濃度のGSK-3阻害剤と2.5μCi/mL D-[2-3H]グルコース(New England Nuclear、ボストン、マサチューセッツ州、米国)を添加した。DMSO(0.3%、最終濃度)の賦形剤対照も用いた。反応培養液の全容積/ウェルは、1.0mLの無血清低グルコースDMEMであった。37°Cで3時間インキュベートした後、培養液を吸引し、細胞をPBSで2回洗浄し、0.4 mg/mLキャリヤグリコーゲンを含有する0.25 mLの1N KOHを添加した。37°Cで30分間インキュベートした後、0.25 mLの48.8%(w/v) KOHを細胞溶解のためにウェルに添加した。95°Cで30分間インキュベートした後、1.5 mLの95%(v/v)エタノールを細胞溶解物に添加した。全グリコーゲンを-20°Cで一晩沈殿させた。グリコーゲン沈殿物を4°Cで30分間19,000×gの遠心分離によって回収した。沈殿物を1mLの70%(v/v)エタノールで1回洗浄し、0.5 mLの水に再懸濁した。[3H]グルコースのグリコーゲンへの取込みは、液体シンチレーション計数器(Packard Instrument Co.、メリデン、コネチカット州、米国)を用いて評価した。
実施例7、9及び10の化合物のグリコーゲン合成についてのEC50は、0.3μM以下であった。
【0178】
実施例 12: 動物実験: 経口グルコース負荷試験.
雄のCr1j:CD1(ICR)マウスをチャールスリバーラボラトリーズジャパン(横浜、日本)から入手した。すべてのマウスに任意に標準食餌(Clea Japan、東京、日本)と水道水を与えた。動物保護と使用に対するすべての施設のガイドラインを本実験に適用した。試験化合物を、0.3%カルボキシメチルセルロースナトリウム塩(CMC-Na; Sigma、セントルイス、ミズーリ州)に懸濁した。15-17時間絶食した後、試験化合物(3、10、30、100又は300 mg/kg)又は賦形剤(0.3% CMC-Na)を7週目のICRマウスに経口投与した。試験化合物を処理した30分後にグルコース溶液(5g/kg)を経口投与した。試験化合物の処理の前と、グルコース負荷の0、0.5、1及び2時間後にEDTA・Kを含有する毛細管チューブを用いて尾静脈から血液試料を集めた。血液試料を2,500×gで5分間遠心分離し、分離した血漿を氷上に保持し、その日に分析した。血漿血糖値をグルコースC II-試験(和光純薬工業、大阪、日本)を用いて求めた。グルコース負荷の0.5時間後と1時間後の血漿血糖値の和を賦形剤処理と比較し、結果をパーセント低下として示した。実施例2の標記化合物(10 mg/kg)について結果は、22%であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物、又はその医薬的に許容され得る塩:
【化1】

(I)
(式中、R1は、低級アルキルであり;
R2は水素又は低級アルキルであり;
mは、1、2又は3であり;
nは、1又は2であり;
Arは、Q基より各々独立して選ばれる1〜3つの置換基で置換されていてもよい、アリール又はヘテロアリールであり;
ここで、Qは、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、オキソ、チオキソ、ヒドロキシカルボニル、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、シクロアルコキシ、ヘテロシクリルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アラルキルオキシ、ヘテロアラルキルオキシ、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アラルキルオキシカルボニル、無置換又は置換アミノカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アラルキルカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、アラルキルオキシカルボニルオキシ、無置換又は置換アミノカルボニルオキシ、無置換又は置換アミノ、アルキルチオ、シクロアルキルチオ、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、アラルキルチオ、ヘテロアラルキルチオ、アルキルスルフィニル、シクロアルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、ヘテロアリールスルフィニル、アラルキルスルフィニル、ヘテロアラルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、シクロアルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アラルキルスルホニル、ヘテロアラルキルスルホニル、アルコキシスルホニル、アリールオキシスルホニル、無置換又は置換アミノスルホニル、又はヒドロキシスルホニルである)。
【請求項2】
R2が水素である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Arが、Q基より各々独立して選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいヘテロアリールである、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
m+nが3又は4である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項5】
式(Ia)、又はその医薬的に許容され得る塩:
【化2】

(Ia)
(式中、nは、1又は2であり;
Arは、Q基より各々独立して選ばれる1〜3つの置換基で置換されていてもよい、アリール又はヘテロアリールであり;
ここで、Qは、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、オキソ、チオキソ、ヒドロキシカルボニル、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、シクロアルコキシ、ヘテロシクリルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アラルキルオキシ、ヘテロアラルキルオキシ、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アラルキルオキシカルボニル、無置換又は置換アミノカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アラルキルカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アラルキルオキシカルボニルオキシ、無置換又は置換アミノカルボニルオキシ、無置換又は置換アミノ、アルキルチオ、シクロアルキルチオ、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、アラルキルチオ、ヘテロアラルキルチオ、アルキルスルフィニル、シクロアルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、ヘテロアリールスルフィニル、アラルキルスルフィニル、ヘテロアラルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、シクロアルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アラルキルスルホニル、ヘテロアラルキルスルホニル、アルコキシスルホニル、アリールオキシスルホニル、無置換又は置換アミノスルホニル、又はヒドロキシスルホニルである)。
【請求項6】
Arが、Q基より各々独立して選ばれる1〜3つの置換基で置換されていてもよいヘテロアリールである、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
Arが、Q基より各々独立して選ばれる1〜3つの置換基で置換されていてもよいピリジル、ピラミジル、ピラゾリル又はイミダゾリルである、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
下記より選ばれる請求項1に記載の化合物:
【化3】

【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物及び医薬的に許容され得る担体を含む医薬組成物。
【請求項10】
GSK-3仲介疾患を治療、予防又は改善させるための請求項9に記載の医薬組成物。
【請求項11】
前記GSK-3 仲介疾患が、糖尿病、糖尿病と関連する状態、アルツハイマー病のような認知症を含む慢性神経変性状態、パーキンソン病、進行性核上麻痺、亜急性硬化性全脳炎パーキンソン症候群、脳炎後パーキンソン症候群、拳闘家脳症、グアムパーキンソニズム-認知症複合、ピック病、大脳皮質基底核変性症、前頭側頭型認知症、ハンチントン病、AIDS関連認知症、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、急性脳卒中のような神経外傷性疾患、、てんかん、うつ病のような気分障害、統合失調症又は双極性障害、関節リウマチ、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、敗血症、膵臓癌、卵巣癌及び骨粗鬆症からなる群より選ばれる、請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項12】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物を投与することを含む、GSK-3仲介疾患を治療、予防又は改善させる方法。
【請求項13】
前記GSK-3 仲介疾患が、糖尿病、糖尿病と関連する状態、アルツハイマー病のような認知症を含む慢性神経変性状態、パーキンソン病、進行性核上麻痺、亜急性硬化性全脳炎パーキンソン症候群、脳炎後パーキンソン症候群、拳闘家脳症、グアムパーキンソニズム-認知症複合、ピック病、大脳皮質基底核変性症、前頭側頭型認知症、ハンチントン病、AIDS関連認知症、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、急性脳卒中のような神経外傷性疾患、てんかん、うつ病のような気分障害、統合失調症又は双極性障害、関節リウマチ、潰瘍性大腸炎、クローン病、敗血症、膵臓癌、卵巣癌及び骨粗鬆症からなる群より選ばれる、請求項12に記載の方法。

【公表番号】特表2012−520237(P2012−520237A)
【公表日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−538561(P2011−538561)
【出願日】平成22年3月10日(2010.3.10)
【国際出願番号】PCT/JP2010/054479
【国際公開番号】WO2010/104205
【国際公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【出願人】(000001395)杏林製薬株式会社 (120)
【Fターム(参考)】