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hBNP定量のためのアッセイおよび試薬
説明

hBNP定量のためのアッセイおよび試薬

【課題】イムノアッセイの分野において、生物学的液体(例えば、血漿または血清)におけるペプチドホルモンhBNPの迅速かつ高感度定量のために有用な試薬および方法を提供すること。
【解決手段】hBNPのアミノ酸1〜10または15〜25を含むペプチドエピトープに単一特異性である抗体またはその機能的に活性なフラグメント、または、 イムノアッセイの分野において、生物学的液体(例えば、血漿または血清)におけるペプチドホルモンhBNPの迅速かつ高感度定量のために有用な試薬および方法など。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
I.発明の分野
本発明は、イムノアッセイの分野に関し、より詳細には、生物学的液体(例えば、血漿または血清)におけるペプチドホルモンhBNPの迅速かつ高感度定量のために有用な試薬および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
II.先行技術の記載
BNPは、血液において循環し、そして強力な心血管性および腎性作用を発揮する、心臓に由来するペプチドホルモンである。BNPは、他の2つの心臓ペプチド、心房性利尿ペプチド(ANP)およびC型利尿ペプチド(CNP)と構造的に類似する。ブタBNPがブタ脳から単離されており(Sudohら、Nature 332:78-81, 1988)、そしてここから名前「脳利尿ペプチド」が与えられた。ヒトにおいては、心室がBNP合成の主要な部位である。ヒトBNP(hBNP)の配列は、当初ヒトゲノムライブラリー由来のDNAクローンの単離および特徴付けにより決定された(米国特許第5,114,923号)。hBNPは、108アミノ酸前駆体としてインビボで合成され、これは酵素的に切断されて成熟hBNPペプチドを生じる。成熟hBNPは、2つのジスルフィド結合により形成される17アミノ酸環構造を含む、32アミノ酸ペプチドからなる(図1を参照のこと)。
【0003】
鬱血性心不全患者において、正常コントロールと比較して上昇した心室性hBNP mRNAの発現が報告されている。心室質量およびBNP mRNAの発現における増大と一致して、hBNPレベルは鬱血性心不全を有する患者において上昇し、そして疾患重篤度と相関するようである。血漿hBNPはまた、心疾患についての有用で予測可能なマーカーを提供すると考えられる。上昇した血漿hBNPは、心疾患(急性心筋梗塞の後および無症候性または無症状性心室機能障害の間)において報告されている(Mukoyamaら、J. Clin. Invest., 87:11402-1412, 1991)(Motwaniら、Lancet, 341:1109-1113, 1993)(Yoshibayashiら、New Eng. J. Med., 327:434, 1992)。2つの主要な治療的治験(SAVE治験(New Eng. J. Med., 327:669-677, 1992)およびSOLVD治験(New Eng. J. Med., 327:685-691, 1992)は、無症候性左心室機能不全を有する患者の診断および適切な処置が、致死および非致死的心血管性事象の発生ならびに関連する入院を有意に減少し得たことを示唆した。
【0004】
臨床学研究セッッティングにおける使用のために、hBNPの臨床学的に意味のある力価を測定するに十分高感度であり、自動化され得るに十分に単純であり、完了するに最小限の時間を必要とし、そして好ましくは制限された有効期間を有する試薬の使用を必要としない、hBNPについての診断アッセイを提供することが、高く所望され得る。血漿におけるhBNPの正常レベルは極めて低く、1〜20pg/mLの単位である。代表的には、この範囲の力価を測定するためには放射イムノアッセイが使用されるが、放射性試薬の使用は特別な取り扱い、アッセイへの工程の追加、そして制限された有効期間を有する物質の使用を含む必要がある。hBNP測定のための放射イムノアッセイが市販されているが、放射性試薬の使用を必要とすることに加えて、これは複雑かつ厄介であり、抽出工程、沈降および数回の遠心分離工程を必要とし、そして完了するに数日を要する。欧州特許出願第0 542 255は、hBNPのための放射イムノアッセイを記載する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によって以下が提供される:
(1)hBNPのアミノ酸5〜13を含むペプチドエピトープに単一特異性である抗体またはその機能的に活性なフラグメント。
(2)モノクローナル抗体である、項目1に記載の抗体。
(3)ハイブリドーマ細胞106.3株、ATCC HB 12044により産生される、項目2に記載の抗体。
(4)hBNPのアミノ酸1〜10を含むペプチドエピトープに単一特異性である抗体またはその機能的に活性なフラグメント。
(5)モノクローナル抗体である、項目4に記載の抗体。
(6)ハイブリドーマ細胞201.3株、ATCC HB 12045により産生される、項目5に記載の抗体。
(7)hBNPのアミノ酸15〜25を含むペプチドエピトープに単一特異性である抗体またはその機能的に活性なフラグメント。
(8)生物学的液体におけるhBNPの量を定量する方法であって、以下の工程:
(a)生物学的液体サンプルを、以下の群から選択される第1の抗体:
(i)hBNPのアミノ酸5〜13を含むペプチドエピトープに単一特異性である抗体;
(ii)hBNPのアミノ酸1〜10を含むペプチドエピトープに単一特異性である抗体;
(iii)hBNPのアミノ酸15〜25を含むペプチドエピトープに単一特異性である抗体;
(iv)hBNPのアミノ酸27〜32を含むペプチドエピトープに単一特異性である抗体;および
(i)〜(iv)の機能的に活性なフラグメント
ならびに、以下からなる群から選択される第2の抗体:
(i)hBNPのアミノ酸5〜13を含むペプチドエピトープに単一特異性である抗体;
(ii)hBNPのアミノ酸1〜10を含むペプチドエピトープに単一特異性である抗体;
(iii)hBNPのアミノ酸15〜25を含むペプチドエピトープに単一特異性である抗体;
(iv)hBNPのアミノ酸27〜32を含むペプチドエピトープに単一特異性である抗体;
(v)hBNPに対する高親和性ポリクローナル抗体;および
(i)〜(v)の機能的に活性なフラグメント
とを、第1の抗体-hBNP-第2の抗体複合体を形成させる条件下で接触させる工程、但し、第1の抗体がhBNP27〜32に単一特異性である場合、第2の抗体はポリクローナル抗体ではない;
(b)該第1の抗体-hBNP-第2の抗体複合体の形成の前、同時、または後に、該第2の抗体に定量可能な標識を結合する工程;および
(c)該第1の抗体-hBNP-第2の抗体複合体における標識を定量することにより、該サンプルにおけるhBNPの量を決定する工程、
を包含する、方法。
(9)前記第1の抗体-hBNP-第2の抗体複合体における標識を定量する前に、前記生物学的液体サンプルの残りから該第1の抗体-hBNP-第2の抗体複合体を分離する工程をさらに含む、項目8に記載の方法。
(10)前記標識が、放射性標識、酵素的標識、蛍光標識、温度標識およびイムノポリメラーゼ連鎖反応標識からなる群から選択される、項目8に記載の方法。
(11)前記標識が酵素的標識である、項目10に記載の方法。
(12)前記標識が西洋ワサビペルオキシダーゼである、項目11に記載の方法。
(13)前記定量可能な標識が、前記第1の抗体-hBNP-第2の抗体複合体の形成後に前記第2の抗体に結合される、項目8に記載の方法。
(14)前記第2の抗体が、前記第1の抗体-hBNP-第2の抗体複合体の形成後に、該複合体から該第2の抗体を除くことなく該複合体と該第2の抗体に結合する標識された抗体とを接触させることにより標識される、項目13に記載の方法。
(15)前記生物学的液体サンプルの残りからの前記第1の抗体-hBNP-第2の抗体複合体の分離が、前記第1の抗体-hBNP-第2の抗体複合体の形成後に、該第1の抗体を固相支持体に結合させ、そして該生物学的液体サンプルの残りを該固相支持体との接触から離すことによりなされる、項目9に記載の方法。
(16)前記生物学的液体が血漿である、項目8に記載の方法。
(17)前記第1の抗体がモノクローナル抗体である、項目8に記載の方法。
(18)前記第1の抗体が、hBNPのアミノ酸5〜13を含むペプチドエピトープを認識するモノクローナル抗体である、項目17に記載の方法。
(19)生物学的液体におけるhBNPの量を定量する方法であって、以下の工程:
(a)生物学的液体サンプルを、抗体-hBNP複合体を形成させる条件下で以下と接触させる工程:
(i)hBNPのアミノ酸5〜13を含むペプチドエピトープに単一特異性である抗体、またはその機能的に活性なフラグメント;および
(ii)定量可能な標識が結合されている、hBNPまたはhBNPのアミノ酸5〜13を含むそのフラグメント;
ならびに、
(b)該抗体-hBNP複合体における標識を定量することにより、該サンプルにおけるhBNPの量を決定する工程、
を含む、方法。
(20)前記抗体-hBNP複合体における標識を定量する前に、前記生物学的液体サンプルの残りから該抗体-hBNP複合体を分離する工程をさらに含む、項目19に記載の方法。
(21)前記生物学的液体サンプルの残りからの該抗体-hBNP複合体の分離が、該抗体-hBNP複合体の形成後に、該抗体を固相支持体に結合させ、そして該生物学的液体サンプルの残りを該固相支持体との接触から離すことによりなされる、項目20に記載の方法。
(22)前記抗体がモノクローナル抗体である、項目19に記載の方法。
(23)生物学的液体におけるhBNPの量を定量する方法であって、以下の工程:
(a)生物学的液体サンプルを、抗体-hBNP複合体を形成させる条件下で以下と接触させる工程:
(i)hBNPのアミノ酸1〜10を含むペプチドエピトープに単一特異性である抗体、またはその機能的に活性なフラグメント;および
(ii)定量可能な標識が結合されている、hBNPまたはhBNPのアミノ酸1〜10を含むそのフラグメント;
ならびに、
(b)該抗体-hBNP複合体における標識を定量することにより、該サンプルにおけるhBNPの量を決定する工程、
を含む、方法。
(24)前記抗体-hBNP複合体における標識を定量する前に、前記生物学的液体サンプルの残りから該抗体-hBNP複合体を分離する工程をさらに含む、項目23に記載の方法。
(25)前記生物学的液体サンプルの残りからの該抗体-hBNP複合体の分離が、該抗体-hBNP複合体の形成後に、該抗体を固相支持体に結合させ、そして該生物学的液体サンプルの残りを該固相支持体との接触から離すことによりなされる、項目24に記載の方法。
(26)前記抗体がモノクローナル抗体である、項目23に記載の方法。
(27)生物学的液体におけるhBNPの量を定量する方法であって、以下の工程:
(a)生物学的液体サンプルを、抗体-hBNP複合体を形成させる条件下で以下と接触させる工程:
(i)hBNPのアミノ酸15〜25を含むペプチドエピトープに単一特異性である抗体、またはその機能的に活性なフラグメント;および
(ii)定量可能な標識が結合されている、hBNPまたはhBNPのアミノ酸15〜25を含むそのフラグメント;
ならびに、
(b)該抗体-hBNP複合体における標識を定量することにより、該サンプルにおけるhBNPの量を決定する工程、
を含む、方法。
(28)前記抗体-hBNP複合体における標識を定量する前に、前記生物学的液体サンプルの残りから該抗体-hBNP複合体を分離する工程をさらに含む、項目27に記載の方法。
(29)前記生物学的液体サンプルの残りからの前記抗体-hBNP複合体の分離が、該抗体-hBNP複合体の形成後に、該抗体を固相支持体に結合させ、そして該生物学的液体サンプルの残りを該固相支持体との接触から離すことによりなされる、項目28に記載の方法。
(30)hBNPを定量するためのイムノアッセイにおいて試薬として有用であり、

X1-V-Q-G-S-G-C-F-G-R-X2
を有し、
ここでX1は、
水素、
M-、
K-M-、
P-K-M-、または
S-P-K-M-
からなる群から選択され、
そしてX2は、
ヒドロキシル、
-K、
-K-M、
-K-M-D、および
-K-M-D-R、
またはその逆反転異性体、部分的に修飾された逆反転異性体、もしくはD-アミノ酸異性体からなる群から選択される、
hBNPのペプチドフラグメント。
(31)定量可能な標識が結合されている、項目30に記載のペプチドフラグメント。
(32)hBNPを定量するためのイムノアッセイにおいて試薬として有用であり、

S-P-K-M-V-Q-G-S-G-C-X3
を有し、
ここでX3は、
ヒドロキシル、
-F、および
-F-G、
またはその逆反転異性体、部分的に修飾された逆反転異性体、もしくはD-アミノ酸異性体からなる群から選択される、
hBNPのペプチドフラグメント。
(33)定量可能な標識が結合されている、項目32に記載のペプチドフラグメント。
(34)hBNPを定量するためのイムノアッセイにおいて試薬として有用であり、

X4-M-D-R-I-S-S-S-S-G-L-G-X5
を有し、
ここでX4は、
水素、
K-、
R-K-、および
G-R-K-、
からなる群から選択され、
そしてX5は、
ヒドロキシル、
-C、
-C-K、
-C-K-V、
-C-K-V-L、
-C-K-V-L-R、
-C-K-V-L-R-R、および
-C-K-V-L-R-R-H、
またはその逆反転異性体、部分的に修飾された逆反転異性体、もしくはD-アミノ酸異性体からなる群から選択される、
hBNPのペプチドフラグメント。
(35)定量可能な標識が結合されている、項目34に記載のペプチドフラグメント。
【0006】
発明の要旨
本発明は、生物学的液体におけるhBNPレベルの迅速かつ直接的定量のための試薬および方法を提供する。本明細書中で提供される試薬および方法は、放射活性標識(所望の場合は、放射性標識を使用し得るが)を使用することなしに、臨床学的に意味のあるレベルのhBNP力価の検出を可能にする。さらに、この試薬および方法は、厄介な抽出工程を必要とせずに、血漿におけるhBNPの直接的な定量を提供する。本明細書中で提供される試薬および方法は、商業的な臨床学的研究室における大規模な血液テストを行うために使用される自動化系に、それ自体が容易に加えられ得る。
【0007】
本発明の1つの実施態様において、hBNP分子中の選択されたペプチドエピトープに対する単一特異性抗体が提供される。好ましくは、これらの単一特異性抗体は、モノクローナル抗体である。本発明の単一特異性抗体は、以下からなる群から選択される:
(a)hBNPのアミノ酸5〜13を含むペプチドエピトープに単一特異性である抗体;
(b)hBNPのアミノ酸1〜10を含むペプチドエピトープに単一特異性である抗体;および
(c)hBNPのアミノ酸15〜25を含むペプチドエピトープに単一特異性である抗体、
またはこれらの機能的に活性なフラグメント。
【0008】
本発明の好ましい抗体は、hBNPのアミノ酸5〜13を含むペプチドエピトープを認識しそして結合するモノクローナル抗体である。
【0009】
本発明の別の実施態様において、本発明の試薬を用いてサンドイッチ型イムノアッセイにおいて生物学的液体におけるhBNPの量を定量するための方法が提供される。イムノアッセイは、免疫複合体の標識および定量のために、多数の標識技術のいずれをも用い得るが、酵素的標識が好ましい。本発明のこの方法は以下の工程を含む:
(a)生物学的液体サンプルを、以下の群から選択される第1の抗体と:
(i)hBNPのアミノ酸5〜13を含むペプチドエピトープに単一特異性である抗体;
(ii)hBNPのアミノ酸1〜10を含むペプチドエピトープに単一特異性である抗体;
(iii)hBNPのアミノ酸15〜25を含むペプチドエピトープに単一特異性である抗体;
(iv)hBNPのアミノ酸27〜32を含むペプチドエピトープに単一特異性である抗体;および
(i)〜(iv)の機能的に活性なフラグメント
ならびに、以下からなる群から選択される第2の抗体:
(i)hBNPのアミノ酸5〜13を含むペプチドエピトープに単一特異性である抗体;
(ii)hBNPのアミノ酸1〜10を含むペプチドエピトープに単一特異性である抗体;
(iii)hBNPのアミノ酸15〜25を含むペプチドエピトープに単一特異性である抗体;
(iv)hBNPのアミノ酸27〜32を含むペプチドエピトープに単一特異性である抗体;
(v)hBNPに対する高親和性ポリクローナル抗体;および
(i)〜(v)の機能的に活性なフラグメント
とを、第1の抗体-hBNP-第2の抗体複合体を形成させる条件下で接触させる工程、但し、第1の抗体がhBNP27〜32に単一特異性である場合、第2の抗体はポリクローナル抗体ではない;
(b)第1の抗体-hBNP-第2の抗体複合体の形成の前、同時、または後に、上記第2の抗体に定量可能な標識を結合する工程;および
(c)第1の抗体-hBNP-第2の抗体複合体の標識を定量することにより、サンプルにおけるhBNPの量を決定する工程。
【0010】
本発明の他の実施態様において、競合型のイムノアッセイにおいて本発明の試薬を用いて生物学的液体中のhBNPの量を定量するための方法を提供する。このようなアッセイは、以下の工程を含む:
(a)生物学的液体サンプルを、抗体-hBNP複合体を形成させる条件下で以下と接触させる工程:
(i)hBNPのアミノ酸5〜13を含むペプチドエピトープに単一特異性である抗体またはその機能的に活性なフラグメント;および
(ii)定量可能な標識が結合されている、hBNPまたはhBNPのアミノ酸5〜13を含むそのフラグメント;
ならびに、
(b)抗体−hBNP複合体における標識を定量することによりサンプル中のhBNP量を決定する工程。
【0011】
本発明のアッセイの競合型形式における別の実施態様は、以下の工程を包含する:
(a)抗体−hBNP複合体の形成を可能にする条件下で、以下のものと生物学的液体サンプルとを接触させる工程:
(i)hBNPのアミノ酸1〜10を含むペプチドエピトープに単一特異性である抗体またはその機能的に活性なフラグメント;および
(ii)定量可能な標識が結合されている、hBNPまたはhBNPのアミノ酸1〜10を含むそのフラグメント;
ならびに、
(b)抗体−hBNP複合体における標識を定量することによりサンプル中のhBNP量を決定する工程。
【0012】
本発明のアッセイの競合型形式における別の実施態様は、以下の工程を包含する:
(a)生物学的液体サンプルを、抗体-hBNP複合体を形成させる条件下で以下と接触させる工程:
(i)hBNPのアミノ酸15〜25を含むペプチドエピトープに単一特異性である抗体またはその機能的に活性なフラグメント;および
(ii)定量可能な標識が結合されている、hBNPまたはhBNPのアミノ酸15〜25を含むそのフラグメント;
ならびに、
(b)抗体−hBNP複合体における標識を定量することによりサンプル中のhBNP量を決定する工程。
【0013】
サンドイッチアッセイおよび本発明の競合アッセイにおいて、第1の抗体−hBNP−第2の抗体複合体(サンドイッチアッセイの場合)または抗体−hBNP複合体(競合アッセイの場合)は、通常、複合体における標識の定量の前に生物学的液体サンプルの残りから分離される。しかし、サンプル中の標識複合体の直接測定を可能にする(すなわち、サンプルから複合体を分離しないこと)公知の標識技術が存在し、このような方法は、本発明の範囲内であるとみなされる。このような方法のほんの例示として、シンチレーション近似アッセイ(Udenfriend,S.ら、Anal.Biochem.,161:494-500,1987)およびMathis,G.,Clin.Chem.,41:1391-1397,1995に記載のアッセイに言及し得る。
【0014】
本発明により、本発明の競合型アッセイにおいて試薬として使用され得るhBNPのフラグメントが提供される。
1つの実施態様において、本発明のhBNPフラグメントは、式:
X1-V-Q-G-S-G-C-F-G-R-X2、(I)
を有し、ここで、X1は以下からなる群から選択される:
水素、
M-、
K-M-、
P-K-M-、または
S-P-K-M-
そして、X2は以下からなる群から選択される:
ヒドロキシル、
-K、
-K-M、
-K-M-D;および
-K-M-D-R。
【0015】
別の実施態様において、本発明のhBNPフラグメントは以下の式
S-P-K-M-V-Q-G-S-G-C-X3、(II)
を有し、ここでX3は以下からなる群から選択される:
ヒドロキシル、
-Fおよび
-F-G。
【0016】
別の実施態様において、本発明のhBNPフラグメントは以下の式:
X4-M-D-R-I-S-S-S-S-G-L-G-X5、(III)
ここで、X4は以下からなる群から選択され:
水素、
K-、
R-K-および
G-R-K-
そして、X5は以下からなる群から選択される
ヒドロキシル
-C、
-C-K、
-C-K-V、
-C-K-V-L、
-C-K-V-L-R、
-C-K-V-L-R-R および
-C-K-V-L-R-R-H。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、hBNPの成熟型(32アミノ酸)のアミノ酸配列を示す。アミノ酸は、標準的な一文字コードにより示され、そして実線は、2つのシステイン残基間のジスルフィド結合を示す。
【図2】図2は、hBNPに対して惹起されたウサギポリクローナル抗血清のhBNPの種々のフラグメントに結合する能力を決定するために実施した実験の結果を示す。
【図3】図3は、MAb201.3、MAb106.3、およびMAb8.1と命名された3つのモノクローナル抗体のエピトープマッピング研究の結果を示す。
【図4】図4は、捕捉抗体としてMAb106.3および2次抗体としてポリクローナル抗体#4024を用いたサンドイッチ型酵素連結免疫吸着アッセイのための標準曲線である。
【図5】図5は、捕捉抗体としてMAb201.3および2次抗体としてポリクローナル抗体#4360を用いたサンドイッチ型酵素連結免疫吸着アッセイのための標準曲線である。
【図6】図6は、捕捉抗体としてMAb106.3および2次抗体としてエピトープ15-25に対する単一特異性抗体を用いたサンドイッチ型酵素連結免疫吸着アッセイのための標準曲線である。
【図7】図7は、捕捉抗体としてMAb201.3および2次抗体としてエピトープ15-25に対する単一特異的なポリクローナル抗体を用いたサンドイッチ型酵素連結免疫吸着アッセイのための標準曲線である。
【図8】図8は、捕捉抗体としてMAb8.1および2次抗体としてビオチン化MAb106.3をモノクローナル:モノクローナルサンドイッチにおいて用いたサンドイッチ型免疫吸着アッセイのための標準曲線である。
【図9】図9は、捕捉抗体としてMAb201.3および2次抗体としてビオチン化MAb8.1をモノクローナル:モノクローナルサンドイッチにおいて用いたサンドイッチ型免疫吸着アッセイのための標準曲線である。
【図10】図10は、抗体としてMAb106.3を用いた競合型酵素連結免疫吸着アッセイのための標準曲線である。
【図11】図11は、正常コントロール被験体および鬱血性心疾患を有する被験体の血漿中のhBNPレベルを定量するため競合型酵素連結免疫吸着アッセイを用いて得られた結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
発明の詳細な説明および好ましい実施態様
I.本発明の抗体
本発明は、生物学的液体(例えば、血漿または血清)における臨床に関連する力価での迅速、単純、および正確なhBNPの定量を可能にする感度の高い試薬を提供する。特に、本発明者らは、 hBNP分子内の3つの以前に同定されていない高度に免疫原性のエピトープを同定し、そしてこれらの領域に対して単一特異性抗体を作製した。抗体が、本明細書中でエピトープに対して「単一特異性」といわれる場合は、抗体が、エピトープを含むアミノ酸を含有するhBNP内のアミノ酸配列に結合し得るが、エピトープを含むアミノ酸を含有しないhBNP内のアミノ酸配列に結合し得ないことを意味する。本発明の単一特異性抗体は、好ましくは、ただし必須ではないが、モノクローナル抗体である。
本発明の単一特異性抗体で認識される3つのエピトープは、hBNPのアミノ酸1〜10、5〜13、および15〜25を含む。
【0019】
本発明のモノクローナル抗体は、公知の手順(例えば、Kohler,G.およびMilstein,C.,Nature,256:495,1975)に従って調製されたハイブリドーマ細胞により産生され得る。一般に、マウスをhBNPおよび適切なパートナー(例えば、ウシ血清アルブミン)の免疫原性結合体で免疫する。良好な抗体力価が達成されるまで定期的なブースト注射を適用する。次いで、免疫したマウス由来脾臓細胞を公知の手順(すなわち、Galfreら、Nature,266:550,1977)に従ってミエローマ細胞と融合して、ハイブリドーマ細胞を産生させる。ハイブリドーマ細胞培養物の上清をhBNPに対する反応性についてスクリーニングする。陽性と試験されるハイブリドーマを再びクローン化して、そしてそれらの上清を反応性について再び試験する。以下により詳細に記載するように、この手順を用いて、本発明者らは、hBNPフラグメント5〜13を特異的に認識するモノクローナル抗体を分泌するハイブリドーマ細胞株106.3、 hBNPフラグメント1〜10を特異的に認識するモノクローナル抗体を分泌するハイブリドーマ細胞株201.3、およびhBNPフラグメント27〜32を特異的に認識するモノクローナル抗体を分泌するハイブリドーマ細胞株8.1を得た。
【0020】
一旦、高度に免疫原性なエピトープが同定されると、非モノクローナル単一特異性抗体は、ポリクローナル抗血清から産生され得る。ポリクローナル抗血清は公知の技術に従って産生される。適切な動物(例えば、ウサギ)をhBNPおよび適切なパートナーの免疫原性結合体で免疫する。良好な抗体力価が達成されるまで定期的なブースト注射を適用する。このようにhBNPの種々ペプチドフラグメントに対する免疫反応性について抗血清を試験することにより、所望のエピトープを同定する。この手順を使用して、本発明者らは、hBNPの高度に免疫原性のエピトープとしてペプチドフラグメントhBNP15〜25を同定した。同定したエピトープに対する単一特異性抗体は、エピトープマッピングにおいて同定されたエピトープだけ含み他のエピトープを一切含まないペプチドフラグメントを固相支持体に結合したアフィニティーカラム上でポリクローナル抗血清のアフィニティー精製により得られ得る。以下に詳細に記載するように、この一般手順を用いて、本発明者らは、hBNPフラグメント15〜25を特異的に認識する非モノクローナル単一特異性抗体を作製した。しかし、このエピトープに対するモノクローナル抗体はまた、公知の手順を用いて産生され得ることが理解される。
【0021】
本発明の単一特異性抗体の機能的に活性なフラグメントはまた、hBNPについてのアッセイにおいて使用され得る。機能的なフラグメントは、抗体の免疫原性特異性を保持するものである。しかし、結合活性および/または親和性は、量的に同一ではなくてもよい。機能的に活性なフラグメントには、Fab、F(ab')2およびFab'のような免疫グロブリンフラグメントが含まれる。このフラグメントは、公知の技術(例えば、単一特異性抗体の酵素的開裂)により作製され得る(例えば、Mariani,M.ら、Mol.Immunol.,28:69-77、1991;Ishikawa,E.ら、J.Immunoassay,4:209-327,1983)。
【0022】
II.イムノアッセイにおいて有用なhBNPペプチドフラグメント
競合型形式においてイムノアッセイを実施するために、アッセイにおいて使用される抗体に結合することについてアッセイされる生物学的液体サンプル中でhBNPと競合し得る標識されたペプチドを使用する必要がある。標識されたペプチドは、標識されたhBNP1〜32であり得る。しかし、本発明の単一特異性抗体を用いれば、競合因子としてインタクトなhBNP1〜32を使用する必要はない。むしろ、上記の式I〜IIIの新規のhBNPペプチドフラグメントが使用され得る。式I〜IIIにおいて、アミノ酸を、標準的な一文字略号により示す。X1またはX4が水素であることは、それがペプチドフラグメントのアミノ末端を示すことを意味する。X2、X3またはX5がヒドロキシルであることは、それがペプチドフラグメントのカルボキシ末端を示すことを意味する。
【0023】
特に、hBNP配列のアミノ酸5〜13を含有する式Iのペプチドフラグメントは、アミノ酸5〜13を含むエピトープに単一特異性である本発明の抗体への結合について試験サンプル中でhBNPと競合する試薬として使用され得る。X1がS-P-K-M-である式Iのペプチドフラグメントは、アミノ酸1〜10を含むエピトープに単一特異性である本発明の抗体を使用する競合アッセイにおいて試薬として使用され得る。
【0024】
hBNPのアミノ酸1〜10を含む式IIのペプチドフラグメントは、アミノ酸1〜10を含むエピトープに単一特異性である本発明の抗体に結合することについて試験サンプル中でhBNPと競合する試薬として使用され得る。
【0025】
hBNPのアミノ酸15〜25を含む式IIIのペプチドフラグメントは、アミノ酸15〜25を含むエピトープに単一特異性である本発明の抗体に結合することについて試験サンプル中でhBNPと競合する試薬として使用され得る。
【0026】
さらに、同じ目的のために、全アミノ酸が、対応するD-アミノ酸で置換された式I〜IIIのペプチドに対応するペプチド(本明細書中で以後「D-アミノ酸異性体」という)を使用し得るか、あるいは逆反転(retro-inverso)異性体または式I〜IIIのペプチドの部分的に改変した逆反転異性体を使用し得る。逆反転異性体とは、配列の方向が逆転しており、各々のアミノ酸残基の鏡像異性が反転している異性体のことである。部分的に改変した逆反転異性体は、ペプチド結合のいくつかのみが逆転しており、逆転部分のアミノ酸残基の鏡像異性が反転している異性体である。逆反転異性体および部分的に改変された逆反転異性体は、Chorev,M.およびGoodman,M.,TIBTECH,Vol. 13:438-444,1995に記載される。これらの異性体は、その親のペプチドに対して免疫学的に交叉反応性であることが示されている。
【0027】
本発明のペプチドフラグメントは、当業者に公知の方法(例えば、Merrifieldら(Proc.Natl.Acad.Sci.USA,92:3449-3453、1955)の手順を用いた固相ペプチド合成)により調製され得る。逆反転誘導体は、Briandら、J.Biol.Chem.,270:20686-20691,1995の手順により調製され得る。
【0028】
III. 本発明のイムノアッセイ
本発明の試薬は、生物学的液体(例えば、血漿、血清、および全血)におけるhBNPレベルを定量するためのイムノアッセイを行うために用いられ得る。アッセイは、サンドイッチ型形式または競合形式のいずれかで行なわれ得る。血液中のhBNPレベルを測定する場合、生物学的液体は、好ましくは血漿または血清であり、これは公知の手順を用いて全血から調製され得る。
【0029】
サンドイッチ型アッセイにおいて、2つの異なる抗体が使用され、生物学的液体サンプル中のhBNPを分離および定量する。2つの抗体はhBNPに結合し、それゆえ免疫複合体またはサンドイッチを形成する。一般的には、一方の抗体が、サンプル中のhBNPを捕捉するために使用され、そして第2の抗体が、定量可能な標識をサンドイッチに結合するために使用される。好ましくは、サンドイッチ型アッセイを行うために選ばれる抗体は、hBNP含有サンプルとの接触をもたらす一次抗体が、二次抗体によって認識されるエピトープの全体または一部に結合せず、それゆえhBNPに結合する二次抗体の能力を有意には妨害しないように選択される。結果として、サンドイッチ型形式が選ばれる場合、好ましくは、これらの抗体の重複によって認識されるエピトープである限りは、hBMP5-13への単一特異的である抗体を、hBNP1-10に単一特異的である抗体と組み合わせて使用するべきではない。しかし、本発明者らは、一次抗体が、hBNP含有サンプルと、二次抗体としてのhBNP1-32についての高親和性ポリクローナル抗体との接触をもたらすので、優れたアッセイが、単一特異性抗体を用いてもたらされ得ることを見出した。詳細には、本発明者らは、サンドイッチ型アッセイを作製し、これは捕捉抗体としてのエピトープhBNP5-13、および二次抗体としてのhBNPに対するウサギポリクローナル抗体を認識するモノクローナル抗体を用いて、臨床的に関連するhBNP力価の範囲において感受性である(実施例9および10を参照のこと)。
【0030】
液体サンプルは、一次抗体および二次抗体と、同時または続いて接触され得る。本発明のサンドイッチアッセイの好ましい実施態様において、hBNPを含有する生物学的液体サンプルは、初めに抗体-hBNP複合体の形成を可能にする条件下で特定のエピトープに単一特異的である一次抗体と接触される。好ましくは、一次抗体は、固相支持体に結合され、液体サンプルからのサンドイッチ複合体の最終的な分離を容易にする。用いられ得る固相支持体は当業者に周知であり、そして、例えば、ウェル、チューブ、またはビーズの形態のポリマー物質であり得る。抗体は、使用されるカップリング剤が、hBNPに結合する抗体の能力を妨害しないという条件で、吸着によるか、または化学的カップリング剤を用いる共有結合によって固相支持体に結合され得る。ポリマー性支持物質は、抗体における種々の官能基との反応性を付与するために誘導体化され得る。代表的には、使用されるカップリング剤は、無水マレイン酸、N-ヒドロキシスクシンイミド、および1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドを含む。サンドイッチ型アッセイにおいて、抗体は通常、サンプル中に存在すると予想される最大量の実質的にモル過剰のhBNPにおける量で使用される。好ましくは、1mLの未希釈の血漿あたり約0.01nM〜約1.0nMの抗体が使用される。実際には、hBNPに対する抗体の受容可能なモル比を達成するために、適切な生理学的緩衝液中に生物学的液体サンプルを希釈し得る。
【0031】
hBNP含有サンプルが、一次単一特異性抗体と接触した後、サンプルは一次抗体-hBNP複合体の形成を可能にするためにインキュベートされる。一般的には、インキュベーションは、生理学的なpHで、またはその付近(例えば、pH6.0〜pH8.0)で、約4℃〜約37℃の温度で行われる。インキュベーションは18時間にわたって行われ得るが、インキュベーション時間は、少なくとも約2分である。
【0032】
一次抗体-hBNP複合体は、一次抗体-hBNP-二次抗体複合体の形成を可能にする条件下で二次抗体と接触させられる。代表的には、これは、一次抗体-hBNP複合体の形成のために、上記に概説されたものと同様の条件下で、インキュベーションを必要とする。定量可能な標識を、一次抗体-hBNP-二次抗体複合体の形成の前、同時、または後に二次抗体に結合させる。イムノアッセイにおいて一般に用いられる任意の公知の標識が使用され得る。これらは、例えば、放射性標識(例えば、125I)、酵素標識(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼまたはアルカリホスファターゼ)、化学発光標識(例えば、アクリジニウムエステル)、生物発光標識、蛍光標識、温度標識、イムノ-ポリメラーゼ連鎖反応標識、またはその他のものであり得る。本発明のアッセイに使用され得るより感受性の標識のいくつかの概説については、Kricka, L. J., Clin. Chem., 40(3):347-357, 1994およびKricka, L. J., Clin. Biohem., 26:325-331, 1993を参照のこと。標識は、直接またはカップリング剤を介して抗体に結合され得る。例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼの場合、二次抗体は、公知の技術を用いて、ビオチンに結合し得る。一次抗体-hBNP-二次抗体複合体の形成に続いて、複合体は、アビジン-西洋ワサビペルオキシダーゼと接触され得、これは、二次抗体上のビオチンによって強固に結合する。標識を二次抗体に結合させる別の方法は、二次抗体のFc領域を認識しそして結合する、およびそれに結合された標識を有する抗体と、一次抗体-hBNP-二次抗体複合体を、接触させる工程を含む。標識を二次抗体に結合させる他の方法は、当業者には容易に明らかである。
【0033】
好ましい実施態様において、一次抗体-hBNP-二次抗体複合体は、標識の定量の前に、生物学的液体サンプルの残りから分離される。一次抗体が固相支持体(例えば、ウェルまたはビーズ)に結合される場合、分離は、固相支持体との接触から液体を除去することによって簡単に達成される。例えば、固相支持体に結合された一次抗体は、一次抗体-hBNP複合体を形成するために、hBNP含有サンプルとともにインキュベートされ得、次いで、液体サンプルは、一次抗体-hBNP複合体と二次抗体とを接触させる前に、固相支持体との接触から除去され得る。あるいは、固相支持体に結合させた一次抗体は、一次抗体-hBNP-二次抗体複合体を形成するために、hBNP含有サンプルおよび二次抗体と同時に接触され得、続いて、固相支持体との接触から生物学的液体が除去される。
【0034】
標識抗体-hBNP-二次抗体複合体の形成および生物学的液体サンプルの残りからの複合体の分離の後に、複合体中の標識の量が、公知の方法を用いて定量される。例えば、酵素標識の場合、標識した複合体は、標識のための基質と反応させられ、発色のような定量可能な反応を生じる。酵素標識が西洋ワサビペルオキシダーゼである場合には、例えば、標識された複合体は、テトラメチルベンジジン(TMB)と反応させられ、発色を測定することによって定量され得る反応を生じる。標識が放射性標識である場合、標識はシンチレーションカウンターを用いて定量される。多数の他の方法が、種々の型の標識を定量することについて周知であり、本発明のアッセイにおいて使用され得る。複合体中の標識の量が定量されている場合、生物学的液体サンプル中のhBNPの濃度は、公知の濃度のhBNPの連続希釈を用いて生成される標準曲線の使用によって決定される。
【0035】
本発明のアッセイはまた、競合形式で行われ得る。この形式において、公知の濃度の標識したhBNPまたは適切なそのフラグメントのアリコートが、hBNP単一特異性抗体への結合について、生物学的液体中のhBNPと競合させるために用いられる。競合アッセイにおいて、免疫した抗体は、生物学的液体サンプルと標識したhBNPまたはhBNPフラグメントと、同時または続いて接触され得る。標識したhBNPまたはhBNPフラグメント、液体サンプル、および抗体は、サンドイッチ型アッセイの記載において先に示された条件と同様の条件下でインキュベートされる。従って、2種の抗体-hBNP複合体が形成され、一方は標識され、そして他方は標識されない。抗体-hBNP複合体中の標識の量が定量される。次いで、生物学的液体サンプル中のhBNPの濃度が、公知の濃度のhBNPの連続希釈を用いて生成される標準曲線に対して、抗体-hBNP複合体中の標識の量を比較することによって決定され得る。好ましくは、抗体-hBNP複合体は、複合体中の標識の定量の前に生物学的液体サンプルの残りから分離される。
【0036】
競合形式において使用され得る標識は、サンドイッチ型アッセイに有用であると先に示されたものを含む。標識は、公知の技術を用いて、hBNPまたはhBNPフラグメントに共有結合する。通常用いられる技術は、一次アミン、スルフヒドリル基、またはカルボキシル基と反応するヘテロ二官能性架橋剤の使用を含む。例えば、スクシンイミジル4-(N-マレインイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシレートは、グルコースオキシダーゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ、β-ガラクトシダーゼ、またはアルカリホスファターゼが、遊離スルフヒドリル基を含むペプチドに結合させるために用いられ得る。ビオチンは、BMCCを用いて遊離スルフヒドリル基に結合され得るか、ビオチンヒドラジンを用いてカルボキシル基に結合され得るか、またはN-ヒドロキシスクシンイミドを用いてアミノ基に結合され得る。抗体-hBNP複合体の分離は、サンドイッチアッセイ形式と関連する上記のもののような固相支持体に抗体を結合させることによって、簡便に達成され得る。次いで、抗体-hBNP複合体は、固相支持体との接触から生物学的液体サンプルの残りを除去することによって簡便に分離される。
【0037】
フラグメントが、少なくとも、単一特異性抗体によって認識されるエピトープに対応するアミノ酸の配列を含む限りは、単一特異性抗体と結合についてサンプル中のhBNPと競合させるために用いられる標識したペプチドは、インタクトなhBNP1-32またはその任意のペプチドフラグメントであり得る。従って、使用される抗体が、hBNPのアミノ酸1〜10を含むエピトープに単一特異的である場合、標識したペプチドフラグメントは、少なくともアミノ酸1〜10を含む任意のフラグメントであり得、これは、X1がS-P-K-M-である式IIのペプチドおよび式Iのペプチドを含むがこれに限定されない。使用される抗体が、hBNPのアミノ酸5〜13を含むエピトープに単一特異的である場合、標識したペプチドフラグメントは、少なくともアミノ酸5〜13を含む任意のフラグメントであり得、これは、式Iのペプチドを含むがこれに限定されない。使用した抗体が、hBNPのアミノ酸15〜25を含むエピトープに単一特異的である場合、標識したペプチドフラグメントは、少なくともアミノ酸15〜25を含む任意のフラグメントであり得、これは、式IIIのペプチドを含むが、これに限定されない。
【実施例】
【0038】
IV. 実施例
以下の実施例は、本発明の実施をさらに例示することを意図し、そしていかなる方法によっても本発明の範囲を限定すると解釈されない。
【0039】
1.抗体産生のためのBNP結合体の調製
hBNP1-32ならびにフラグメントhBNP1-10およびhBNP26-32を、固相合成によって調製した。これらのペプチドを、カルボジイミドカップリング手順によって、またはAldwinおよびNiteckiの方法(Anal. Biochem., 164:494-501, 1987)に従って、1-ヒドロキシスクシンイミド-2-ニトロ-4-ベンゼンスルホン酸(mal-sac-HNSA)のN-マレイミド-L-アミノカプロイルエステルであるヘテロ二官能性架橋剤を用いて、ウシ血清アルブミン(BSA)キャリアタンパク質にカップリングさせた。BSA(1mg)を、250μLのリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)(pH7.5)中の0.5mgのmal-sac-HNSA架橋剤と、室温で40分間反応させた。活性化BSAを、G-25 Sephadexカラムを通して、0.1Mリン酸緩衝液(pH6.0)で精製し、そして約1mgのシステイン含有ペプチドhBNP1-10(SPKMVQGSGC)およびhBNP26-32(CKVLRRH)と結合させた。混合物を、室温で4時間反応させ、そしてPBSに対して4℃で一晩透析した。成功した結合は、12%ポリアクリルアミドゲル上の75Kd〜90Kdに対応する領域中のタンパク質の存在によって示された。
【0040】
BNP1-32 BSA結合体を450μLの1mM HCL中の約1mgのBNPに溶解させること、および2.8mgの1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDAC)を添加することによって調製した。混合物を氷上で30分間反応させ、そして300μLの5mM NaOH中の1.47mgのBSAを添加した。室温で4時間後、溶液をPBSに対して4℃で透析した。
【0041】
ウサギポリクローナル抗体の調製のためのhBNP1-32結合体を、100μgのメチル化BSA(MeBSA)を、100μLのPBS(pH7.4)中の100μgのhBNP1-32と混合することによって調製した。
【0042】
2.免疫
モノクローナル抗体の産生のために、マウスを、RIBI Adjuvant System(RIBI Immunochemical Research Inc.)を用いて調製したペプチド結合体エマルジョンで免疫した。4:1 クロロホルム:メタノールに溶解した約700μgのSynthetic Trehalose DicorynomycolateおよびS.minnesota R595由来の約650μgのMonophosphoryl Lipid Aを、小さなガラスホモジナイザー内で乾燥させた。60μLのスクアレンをペーストに添加し、そして混合した。次いで、ペプチド結合体を連続的に撹拌しながら添加し、そしてさらに1.5mlの水中の0.2%Tween 80を撹拌しながら添加し、約1mg/mLのタンパク質を含有する最終エマルジョンを産生した。このエマルジョンを使用するまで4℃で保存した。雌Balb/cマウス(4〜6週齢)に、約125〜150μgのペプチド結合体を腹腔内注射した。良好な力価が確立されるまで、マウスを3週に1回腹腔内注射で追加免疫した。マウスに、脾臓細胞融合の前の4日間に最後の追加免疫を与えた。
【0043】
ポリクローナル抗体の産生のために、ウサギを、hBNP 1-32 MeBSA結合体で免疫した。100μLのペプチド結合体と200μLのフロイント完全アジュバント(FCA)またはフロイント不完全アジュバント(FIA)とを入念に混合することによってエマルジョンを調製した。Mojsovらの方法(J.Biol.Chem., 261:11880-11889)に従って、300μLのFCAエマルジョンを鼠径部のリンパ節に注射した。FIA中で乳化したペプチドを、2および3週目のさらなる追加免疫のために用いた。動物を試験し、そして力価が十分であった場合には放血させた。2つの動物由来のポリクローナル抗体(#4024および#4360と識別した)を、以下に記載のアッセイのいくつかに用いた。
【0044】
3.脾臓細胞融合
脾臓細胞を、Galfreら、Nature, 266:550, 1977から改変した方法に従って、ミエローマパートナーFOX-NY(ATCC CRL-1732)と融合した。脾臓を無菌的に取り出し、7mLガラスホモジナイザー内での均質化によって、単一細胞懸濁物を無血清培地中に調製した。ミエローマパートナー細胞とともに混合する前に、脾臓細胞を2回洗浄した。FOX-NY:ミエローマ細胞を、対数増殖期に収集し、洗浄し、そして5:1 脾臓:ミエローマ比で脾臓細胞と組み合わせた。これらの細胞を遠心分離し、培地を除去し、そして細胞ペレットをタッピングによってほぐした。1mLの50%ポリエチレングリコール(PEG)を添加し、そして37℃で約2分間穏やかに撹拌した。これらの細胞を、10mLの無血清培地で緩徐に希釈し、400×gで遠心分離し、そしてハイブリドーマ選択培地:RPMI-1640ハイブリドーマ培地、10mM Hepes、20%ウシ胎児血清、50U/mLペニシリン、50μg/mLストレプトマイシン、75μMアデニン、0.8μMアミノプテリンおよび16μMチミジンに再懸濁した。細胞をT-150培養フラスコに移し、そして一晩インキュベートした後に96ウェルプレートにプレーティングした(ウェル当たり約105細胞)。培養物を加湿インキュベーター内で37℃、7%CO2で維持した。細胞を、融合の6日後に再び与え(re-feed)、そして10日目に馴化培地を抗体についてアッセイした。
【0045】
4.スクリーニングおよび選択
ハイブリドーマ上清を、標準的なELISA法によって、hBNP 1-32または種々のhBNPペプチドに対する反応性について試験した。ペプチド(PBS中の0.1〜0.5μg/100μL/ウェル)を、4℃で一晩マイクロタイタープレートに吸着させた。ウェルをPBS/Tween(0.05% Tween-20を含有するPBS)で洗浄し、そして37℃で1時間0.1%ゼラチンでブロックした。未希釈のハイブリドーマ上清(100μL/ウェル)をペプチド被覆ウェルに37℃で2時間添加した。ウェルを洗浄し、そしてPBS/Tween/オボアルブミン(PBS/Tween中の0.1%オボアルブミン)中で希釈したヤギ抗-マウスIgG西洋ワサビペルオキシダーゼ複合体とともにさらに2時間インキュベートした。別の洗浄に続いて基質を添加した(100mMクエン酸リン酸緩衝液(pH 5.0)中の0.5mg/mL O-フェニレンジアミン、0.012%過酸化水素)。呈色反応を、5M硫酸で停止し、そして490nmでの吸光度を読み取った。バックグラウンドの2倍よりも高いO.D.値を陽性応答と見なした。
【0046】
陽性と試験されたハイブリドーマを、限界希釈によって再クローン化し、そしてそれらの上清を比反応性について再試験した。ハイブリドーマおよび分泌安定性を、数継代にわたって増殖および抗体産生特徴を測定することによって確立した。このプロセスにより、ハイブリドーマ細胞株106.3およびMAb 106.3(これはhBNPペプチドフラグメント5-13を特異的に認識する)、ハイブリドーマ細胞株201.3およびMAb 201.3(これはhBNPペプチドフラグメント1-10を特異的に認識する)およびハイブリドーマ細胞株8.1およびMAb 8.1(これはhBNPペプチドフラグメント27-32を特異的に認識する)を確立した。ハイブリドーマ細胞株106.3は、1996年2月14日にAmerican Type Culture Collection, Rockville, Md.に寄託され、そして受託番号HB 12044を有する。ハイブリドーマ細胞株201.3は、1996年2月14日にAmerican Type Culture Collection, Rockville, Md.に寄託され、そして受託番号HB 12045を有する。ハイブリドーマ細胞株8.1は、1996年2月21日にAmerican Type Culture Collection, Rockville, Md.に寄託され、そして受託番号HB 12050を有する。
【0047】
5.抗体の特徴付け
マイクロタイタープレートELISAを用いて、モノクローナル抗体のクラス/サブクラスを同定した。マウス抗体を、hBNPで予め被覆したマイクロタイタープレートに添加した。西洋ワサビペルオキシダーゼに結合されたサブクラス特異的二次抗体を、添加し、結合マウスモノクローナル抗体を検出した。数回の洗浄の後のTMB基質の添加によって、3つのモノクローナルに対する特異的サブクラス反応性が示された。MAb 106.3をIgGik抗体であると決定し、MAb 201.3をサブクラス性IgG2akに属すると同定し、そしてMAb 8.1をサブクラスIgGikに属すると決定した。
【0048】
ウサギポリクローナル抗体を、hBNP 1-32ならびに種々のhBNPフラグメントに対する反応性について試験した。マイクロタイタープレートを、200μLの0.1M重炭酸イオン緩衝液(pH 8〜9)中の100ngの種々のペプチド/ウェルで被覆した。このプレートを37℃で30分間0.1%ゼラチンでブロックした。ウサギ血清を1:1000で希釈し、引き続いて5つのTris/Tween/BSA緩衝液(0.05M Tris(pH 7.5)、0.15M NaCl、1% BSA、0.1% Tween-20)中の3倍希釈物を作製した。100μLの抗体希釈系列をマイクロタイターウェルに添加し、そして4℃で2時間インキュベートした。Tris/Tween/BSA緩衝液での洗浄に続いて、ヤギ抗ウサギ西洋ワサビペルオキシダーゼとともに1時間インキュベートした。ウェルを緩衝液で4回洗浄し、そして200μLのTMB基質を添加した。30〜45分のインキュベーションの後に、反応を2.5M硫酸で停止し、そしてO.D.を450nmで読み取った。種々のペプチドとの反応性を図2に示す。ウサギ抗血清は、4つのhBNPペプチドフラグメント1-10、5-13、15-25および27-32との比反応性、ならびにhBNP 1-32に対する強い反応性を示した。
【0049】
6.抗体産生および精製
ハイブリドーマ細胞を、5%胎児クローン(Hyclone)を補充したRPMI 1640組織培養培地中に300,000細胞/mLの濃度でローラーボトルにおいて播種し、そして約1×106細胞/mLの密度まで増殖させた。培地を無血清Hybridoma SFM培地に交換し、そしてインキュベーションをさらに3〜5日間継続した。細胞を、400×gでの遠心分離によって培養培地から分離し、そして培地を0.2μフィルターを介する濾過によって清澄化した。培地を、pH 8.6の結合緩衝液(1Mグリシン、0.15M NaCl)で予め平衡化したProsep Protein-Aアフィニティーカラム(Bioprocessing Inc.)に適用した。培養培地の適用が完了した後、280nMでモニターするOD読み取りがベースラインレベルに戻るまで、カラムを結合緩衝液で洗浄した。抗体を100mMクエン酸(pH 3.0)を用いて溶出し、Centriprep 10濃縮器中で約1mg/mLに濃縮し、そしてPBS(pH 7.5)に対して4℃で一晩透析した。ポリクローナルIgGのカラム精製の前に、ウサギ抗血清から脂質を除去した。それぞれ1.5部の血清を、1部のSeroClear Reagent(Calbiochem)と混合し、約1分間ボルテックスし、そして遠心分離して脂質と水相とを分離した。次いで、清澄な血清を、灌流ポンプを有するカラムに直接ロードし、そして組織培養上清液体と同じ様式で精製した。
【0050】
アミノ酸15〜25を含むhBNPエピトープに単一特異的なウサギ抗体を、合成hBNPフラグメント15-27が固定化されたジアミノジプロピルアミンアフィニティーカラム(DADPA)を用いてポリクローナルIgGから単離した。DADPAゲルを、5mLの水、それに続いて5mLの0.1 MES緩衝液(2-(N-モルホリノ)エタンスルホン酸)、0.9%NaCl(pH 4.7)で洗浄することによって、カップリングのために調製した。hBNP 15-27(2mg)を2mLのMES緩衝液に溶解し、そしてゲルと混合した。MES緩衝液中に溶解したEDC(1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド)をゲルに添加し、そして撹拌しながら室温で3時間インキュベートした。カラムを、1M NaClで数回洗浄して非結合ペプチドを除去し、そして0.1%オブアルブミンでブロックした。ウサギIgGの適用の前に、カラムを5カラム容量のPBS(pH 7.5)で洗浄した。ウサギIgGを、5回カラムを通してサイクルさせ、その後PBS緩衝液で5回洗浄した。hBNP15-27に結合した抗体を、0.1M グリシンHCl(pH 2.5)で溶出し、2M Tris緩衝液でpH 7.5にし、そしてCentriprep 10中で濃縮した。
【0051】
7.ビオチン化MAb 106.3、201.3および8.1の調製
モノクローナル抗体を、0.1Mホウ酸ナトリウム緩衝液(pH 8.8)に対して透析し、そして1〜3mg/mLの最終濃度にした。アミノ-ヘキサノイル-ビオチン-N-ヒドロキシスクシンイミドを、10mg/mLの濃度でジメチルスルホキシド中に調製し、そして200μgのビオチンエステル/mg MAbの比率で抗体に添加した。結合を室温で4時間実行した。非結合物質を、リン酸緩衝化生理食塩水に対する透析によって抱合抗体から除去した。
【0052】
8.エピトープ分析
MAb 201.3、MAb 106.3、およびMAb 8.1と反応するhBNPエピトープを、阻害ELISAを使用して決定した。固相合成の間にN末端アミノ酸において単一のビオチンでビオチン化したhBNPを、MAb 106.3およびMAb 8.1を用いる競合研究のための指標として使用した。2つのシステイン残基10および26においてビオチン化したhBNPを、スルフヒドリル反応性ビオチン化試薬Biotin-BMCCとカップリングすることにより調製した。この試薬は、MAb 201.3を用いる阻害研究を完成させるために必要であった。
【0053】
マイクロタイタープレートをヤギ抗マウスIgG(Fc特異的)でコートした(重炭酸塩緩衝液(pH 9)中0.5μg/100μL/ウェル、2時間37℃)。ウェルを洗浄緩衝液(0.05 M Tris(pH7.5)、0.15 M NaCl、0.05%Tween-20)で4回洗浄した。精製モノクローナル抗体106.3、201.3、および8.1を、アッセイ緩衝液(0.05 M Tris(pH7.5)、0.15 M NaCl、0.1%Tween-20、および1%BSA)中で希釈し、そして180 pg/100μL/ウェルを2時間室温でインキュベートした。ウェルを洗浄緩衝液で洗浄した。種々の異なるhBNPペプチドフラグメントをアッセイ緩衝液中でビオチン化hBNP 1-32と100:1のペプチドフラグメント:ビオチン-hBNPのモル比で混合し、マイクロタイターウェルに添加し、そして1.5時間4℃でインキュベートした。ウェルを洗浄緩衝液で1回洗浄し、ストレプトアビジン−西洋ワサビペルオキシダーゼを100μLのアッセイ緩衝液中で添加し、そして20分間4℃でインキュベートした。プレートを洗浄緩衝液で4回洗浄し、そして200μLのTMB基質を添加し、そして30分間室温でインキュベートした。発色を2.5 M硫酸で停止し、そしてO.D.値を450 nmで読みとった。
【0054】
MAb 106.3、MAb 201.3、およびMAb 8.1についてのエピトープ分析の結果を図3に示す。ビオチン-hBNP 1-32の結合は、モノクローナル抗体と特異的に反応性のhBNPフラグメントにより有意に阻害された。MAb 106.3については、全長hBNP 1-32に匹敵する阻害を生成し得る最小のhBNPフラグメントは、ペプチドフラグメントhBNP 5-13であった。MAb 201.3については、hBNP 1-32について見られる阻害に匹敵する阻害を生成する最小のhBNPペプチドフラグメントは、hBNPフラグメントhBNP 1-10であった。MAb 8.1については、hBNP 1-32について見られる阻害に匹敵する阻害を生成する最小のhBNPペプチドフラグメントは、フラグメントhBNP 27-32であった。従って、hBNPフラグメント1-10、5-13、および27-32は、それぞれMAb 201.3、MAb 106.3、およびMAb 8.1により特異的に認識されるhBNPエピトープを代表する。このデータはまた、適切な抗体との競合アッセイにおいて使用された場合、適切なhBNPフラグメントが、阻害の指標としての全長hBNPプローブに対する代替試薬を提供し得ることを示す。
【0055】
9.モノクローナル:ポリクローナルサンドイッチにおいてMAb106.3を使用するhBNPについてのアッセイ
マイクロタイタープレートを、MAb 106.3で、重炭酸塩緩衝液(pH 9)中100 ng/200μL/ウェルでコートし、そして2時間37℃で吸着させた。hBNPをアッセイ緩衝液で12.8 ng/mLに希釈し、そして2倍段階希釈物を調製して、12.5 pg/mLまでの範囲の標準曲線を作成した。緩衝液をプレートから除去し、そして100μLアリコートのhBNP希釈系列をウェルに添加した。プレートを一晩4℃でインキュベートし、洗浄緩衝液で1回洗浄し、そしてhBNPに対するポリクローナル抗体を含有するウサギ抗血清1:2,500希釈物200μLとともにインキュベートした。プレートを2時間37℃でインキュベートし、洗浄緩衝液で4回洗浄し、そして200μL/ウェルのヤギ抗ウサギ西洋ワサビペルオキシダーゼを添加した。インキュベーションを37℃でさらに2時間継続した。プレートを洗浄緩衝液で4回洗浄し、200μLのTMB基質を添加し、そしてインキュベーションを5〜30分間継続した。発色を100μLの2.5 M硫酸で停止し、そしてO.D.を450 nmで測定した。標準曲線を、O.D.対pg/ウェルhBNPをプロットすることにより調製した。標準曲線を図4に示す。
【0056】
10.モノクローナル:ポリクローナルサンドイッチにおいてMAb201.3を使用するhBNPについてのアッセイ
プレートを、一晩4℃で、重炭酸塩緩衝液中400 ng/ウェルのMAb201.3でコートした。プレートを洗浄緩衝液で洗浄し、そしてアッセイ緩衝液で1時間室温でブロックした。hBNPをアッセイ緩衝液で10 ng/mLの濃度に希釈し、そして4倍段階希釈物を調製して、10 pg/mLまでの範囲の標準曲線を作成した。プレートを空にし、そして100μLアリコートの希釈系列をウェルに添加した。インキュベーションを室温で2時間継続した。プレートを洗浄緩衝液で1回洗浄した。hBNPに対するポリクローナル抗体を含有するウサギ抗血清をアッセイ緩衝液中1:1,000希釈し、100μLをウェルに添加し、そして室温で2時間インキュベートした。洗浄緩衝液での3回の洗浄の後、100μL/ウェルのヤギ抗ウサギ西洋ワサビペルオキシダーゼを添加し、そしてインキュベーションを室温で1時間継続した。プレートを洗浄緩衝液で3回洗浄し、TMB基質を添加し、そして発色を20分間継続させた。反応を100μLの2.5 M硫酸で停止し、そしてO.D.を450 nmで測定した。これらのhBNPの段階希釈物から作成した標準曲線を、図5に示す。
【0057】
11.MAb 106.3およびhBNP 15-25を認識する単一特異性ポリクローナルを使用するサンドイッチアッセイ
マイクロタイタープレートを、MAb 106.3で、重炭酸塩緩衝液(pH 9)中100 ng/100μL/ウェルで一晩4℃でコートした。hBNPをアッセイ緩衝液で10 ng/mLに希釈し、そして2倍段階希釈物を使用して、10 pg/mLまでの範囲の標準曲線を調製した。プレートを洗浄し、そしてアッセイ緩衝液で1時間ブロックした。100マイクロリットルアリコートのhBNP希釈系列をウェルに添加し、そして室温で2時間インキュベートした。ウェルを洗浄緩衝液で4回洗浄し、そしてhBNP 15-25に単一特異性のウサギIgGの1:50希釈物100μLを添加した。プレートを2時間インキュベートし、洗浄緩衝液で4回洗浄し、そして200μL/ウェルのヤギ抗ウサギ西洋ワサビペルオキシダーゼを添加した。インキュベーションを30分間継続した。プレートを洗浄緩衝液で4回洗浄し、200μLのTMB基質を添加し、そして10分間発色させた。発色を100μLの2.5 M硫酸で停止し、そしてO.D.を450 nmで測定した。標準曲線を、O.D.対pg/ウェルhBNPをプロットすることにより調製した。標準曲線を図6に示す。
【0058】
12.MAb 201.3およびhBNP 15-25を認識する単一特異性ポリクローナルを使用するサンドイッチアッセイ
マイクロタイタープレートを、MAb 201.3で、重炭酸塩緩衝液(pH 9)中400 ng/100μL/ウェルで一晩4℃でコートした。hBNPをアッセイ緩衝液で10 ng/mLに希釈し、そして2倍段階希釈物を使用して、10 pg/mLまでの範囲の標準曲線を調製した。プレートを洗浄し、そしてアッセイ緩衝液で1時間ブロックした。100マイクロリットルアリコートのhBNP希釈系列をウェルに添加し、そして室温で2時間インキュベートした。ウェルを洗浄緩衝液で4回洗浄し、そしてhBNP 15-25に単一特異性のウサギIgGの1:50希釈物100μLを添加した。プレートを2時間室温でインキュベートし、洗浄緩衝液で4回洗浄し、そして200μL/ウェルのヤギ抗ウサギ西洋ワサビペルオキシダーゼを添加した。インキュベーションを30分間継続した。プレートを洗浄緩衝液で4回洗浄し、TMB基質を添加し、そして10分間発色させた。発色を100μLの2.5 M硫酸で停止し、そしてO.D.を450 nmで測定した。標準曲線を、O.D.対pg/ウェルhBNPをプロットすることにより調製した。標準曲線を図7に示す。
【0059】
13.MAb 8.1およびMAb 106.3を使用するhBNPについてのサンドイッチアッセイ
マイクロタイタープレートウェルを、一晩4℃で、200μL重炭酸塩緩衝液中100 ng/ウェルのMAb 8.1でコートした。ウェルを洗浄緩衝液で洗浄し、そして1時間4℃でブロックした。hBNPをアッセイ緩衝液で10 ng/mLに希釈し、そして2倍標準希釈物を調製して、約10 pg/mLまでの範囲の標準曲線を作成した。緩衝液をウェルから除去し、そして100μLアリコートのhBNP標準希釈系列および10 ngのビオチン化MAb 106.3を含有するアッセイ緩衝液100μLを添加した。プレートを4℃で1.5時間インキュベートした。プレートを洗浄緩衝液で3回洗浄し、そしてストレプトアビジン−西洋ワサビペルオキシダーゼの1:3,000希釈物200μLを各ウェルに添加した。インキュベーションをさらに1時間4℃で継続した。ウェルを洗浄緩衝液で4回洗浄し、200μLのTMB基質を添加し、そしてインキュベーションを5〜30分間室温で継続した。発色を100μLの2.5 M硫酸で停止し、そしてO.D.を450 nmで測定した。標準曲線を、O.D.対pg/ウェルhBNPをプロットすることにより調製した。標準曲線を図8に示す。
【0060】
14.MAb 201.3およびMAb 8.1を使用するhBNPについてのサンドイッチアッセイ
マイクロタイタープレートウェルを、一晩4℃で、200μL重炭酸塩緩衝液中400 ng/ウェルのMAb201.3でコートした。ウェルを洗浄緩衝液で3回洗浄し、そして1時間ブロックした。hBNPをアッセイ緩衝液で100 ng/mLおよび10 ng/mLに希釈し、そして段階4倍希釈物を調製して、約10 pg/mLまでの範囲の標準曲線を作成した。緩衝液をウェルから除去し、そして100μLアリコートのhBNP標準希釈系列を添加した。インキュベーションを室温で1.5時間実施した。プレートを洗浄緩衝液で3回洗浄し、そして10 ngのビオチン化MAb 8.1を含有するアッセイ緩衝液100μLを各ウェルに添加した。インキュベーションをさらに1.5時間室温で継続した。ウェルを洗浄緩衝液で3回洗浄し、そしてストレプトアビジン−西洋ワサビペルオキシダーゼの1:3,000希釈物100μLを各ウェルに添加した。インキュベーションをさらに1時間室温で継続した。ウェルを洗浄緩衝液で3回洗浄した。TMB基質(200μL)を添加し、そして室温で5〜30分間インキュベートした。発色を100μLの2.5 M硫酸で停止し、そしてO.D.を450 nmで測定した。標準曲線を、O.D.対pg/ウェルhBNPをプロットすることにより調製した。標準曲線を図9に示す。
【0061】
15.MAb 106.3を使用する競合アッセイ
このアッセイにおいて使用した試薬は、MAb 106.3、ビオチン化hBNP 1-32競合試薬、および患者サンプルの干渉を制御し得る血漿希釈剤を含んだ。血漿希釈剤は、プールされたヒト血漿またはプールされたヒト血清から調製され得る。血漿からの調製は、2mg/mLの塩化カルシウムの添加による凝固の誘導、凝固を促進しそして内因性hBNPを分解するための室温でのインキュベーション、15,000 MWカットオフ透析チューブを使用する0.15 M NaClを含有する0.001 Mリン酸緩衝液に対する透析、凝固物質の除去、1.5 mg/mLの濃度でのEDTAの添加、および0.2μフィルターを通しての濾過を包含する。hBNPのタンパク質分解に対する感受性のため、4-(2-アミノエチル)-ベンゼンスルホニルフルオリド, HCl(血漿希釈剤およびアッセイ緩衝液に対して1mM)のようなプロテアーゼインヒビターを添加することが重要である。マイクロタイタープレートを、重炭酸塩緩衝液(pH 9)中200μL/ウェルのヤギ抗マウス抗体(Fc特異的、約0.5μg/ウェル)を添加し、そして2時間37℃でインキュベートすることにより調製した。プレートを洗浄緩衝液で4回洗浄した。MAb 106.3をアッセイ緩衝液で希釈し、そして100μL(90 pg/ウェル)をマイクロタイターウェルに添加した。インキュベーションを2時間室温で継続した。プレートを空にし、そして200μL/ウェルのアッセイ緩衝液を添加した。2倍希釈物を使用してhBNP 1-32を血漿希釈剤で直接希釈して、320 pg/mL〜5pg/mLの範囲の標準曲線を作成した。100マイクロリットルのサンプルを200μLのアッセイ緩衝液を含むウェルに添加し、プレートにカバーをし、そして一晩2〜8℃で軌道振とう機(orbital shaker)上でインキュベートした。患者由来の血漿サンプルを、一般に、血漿希釈剤で少なくとも1:2希釈し、その後それらをウェルに添加した。高レベルのhBNPを有する患者については、すべてのさらなるサンプル希釈物を、血漿希釈剤中で調製した。一晩のインキュベーション後、ウェルを空にし、そして200μLの洗浄緩衝液で1回洗浄した。ビオチン−hBNPをアッセイ緩衝液中で希釈し、そして200μL/ウェル(125 pg/ウェル)を添加した。インキュベーションを1時間1〜8℃で軌道振とう機上で実施した。内容物をウェルから除去し、200μLのストレプトアビジン−西洋ワサビペルオキシダーゼを添加し、そしてインキュベーションを30分間2〜8℃で継続した。プレートを200μL/ウェルの洗浄緩衝液で4〜5回洗浄し、そして200μLのTMBを添加した。インキュベーションを室温で30分間〜1時間継続した。発色を100μLの2.5 M硫酸をウェルに添加することにより停止し、そしてO.D.測定を450 nmで行った。O.D.値をB/B0値に変換し、そして標準曲線を、B/B0対pg/mL hBNPをプロットすることにより調製した。標準曲線を図10に示す。標準曲線は、≦10〜200 pg/mLの作業範囲を提供する。患者サンプルにおけるhBNPレベルを、標準曲線からの外挿により決定した。15のコントロール被験体および15のうっ血性心臓疾患を有する患者について決定した血漿hBNPレベルを図11に提供する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書中に記載の発明。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−102318(P2011−102318A)
【公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−6468(P2011−6468)
【出願日】平成23年1月14日(2011.1.14)
【分割の表示】特願2007−28622(P2007−28622)の分割
【原出願日】平成9年3月4日(1997.3.4)
【出願人】(593215117)サイオス インコーポレイテッド (10)
【Fターム(参考)】