説明

insitu熱誘導抗原回復・着色装置および方法

本明細書は複数の個々の顕微鏡スライドを個々に独立して処理するための複数の個々に操作可能な小型加圧可能反応室を特徴とする自動顕微鏡スライド抗原回復および着色装置および方法に関する。本装置は、好ましくは、個々に加熱可能な加熱板を有する、個々に移動可能なスライド支持要素を特徴とする。各スライド支持要素は、好ましくは、単一の顕微鏡スライドを支持する。各顕微鏡スライドは、個々の加圧可能反応室内に格納されてよい。スライドの加熱が開始される前、途中、または後に反応室で、1atm強または1atm以下の圧力がかけられ、維持されてよい。反応室内で加圧および圧力を調整でき、個々に各スライドを加熱できる能力を有するため、各スライドおよびその上の液状の溶液または試薬は、反応室の閉鎖された加圧可能な環境なしでは得られない温度に加熱可能である。複数の再構成可能な試薬モジュールを有する試薬分配ストリップが使用され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分析用基質を含む顕微鏡スライド上のサンプル処理の分野に関し、より特定的には、熱誘導抗原回復および着色の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
解剖病理学研究(例えば、組織学、細胞学)において、ある免疫組織化学法は、本明細書においてIHC検定として知られるが、例えば、ホルマリン固定パラフィン包埋組織および細胞調製を含む生体試料上で実施される。また、細胞構造(抗原)を標識するための抗体の適用前に、高温アンマスキング技法(すなわち、抗原回復、高温エピトープ回復および抗原アンマスキング)の使用を必要とする、エストロゲン受容体abs、プロゲステロン受容体absのようないくつかのIHC抗体(abs)、Ki−67のような増殖absが、当該分野で使用される。
【0003】
ホルマリン固定により「隠されて」いる抗原の「アンマスキング」には、いくつかの技法が当該分野で知られている。当該分野で知られている技法には、洗浄剤または界面活性剤(例えば、Brij35、Tween、SDS、NP−40およびIgepal)とともに、緩衝液(例えば、クエン酸塩、EDTA、尿素など)を含んでよい、水性溶液(例えば、水)中の生体試料の処理を含む。これらの周知の調製は、約60℃〜約120℃の温度に加熱される。これらの加熱調製は、様々な時間量(例えば、約10分〜約90分)で生体試料に接触することにより、「マスク」された抗原が「アンマスク」され、よって、IHC検定で使用される抗体は、生体試料に関連するそれらの対応する抗原に付着することができる。
【0004】
抗原回復溶液および生体試料の加熱を実施するために知られるおよび使用される装置の種類は、水浴、蒸し器、圧力釜、高圧滅菌器、電子レンジおよび熱対流炉を含む。水は、通常の気圧で100℃で沸騰するため、蒸発性熱損失が溶液の高温に達するのを阻止する前に、他の化学物質が存在する抗原回復溶液でさえ、約98℃〜100℃の温度にしか達することができない。圧力釜および高圧滅菌器は、溶液の加圧を可能にすることによりこれを克服するため、加熱液体の蒸発なしに高温に達することができる。抗原回復溶液が100℃を超える温度であることを必要とする抗体が存在するため、多くの研究所は、最大120℃の温度を獲得するための抗原回復溶液を用いた生体試料を加熱するために圧力釜を使用しなければならず、圧力釜なしでは、抗原は「アンマスク」されず、抗体が抗原に付着するのを阻止する。
【0005】
圧力釜および高圧滅菌器などの不都合で扱いにくいデバイスに依存することなく個別の抗原回復状態の対象となる単一スライド用の高温圧状態を生み出す装置の必要性が残っている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
個々に独立して複数の顕微鏡スライド(本明細書で使用される「顕微鏡スライド」は、試験および分析のための生体および生化学試料を支持する管または支持構造として使用され、本明細書に記載および包含される反応室内に収まるサイズおよび形状であり、これに制限されないが、試験管、ペトリ皿およびマイクロアレイプレートだけでなく標準の顕微鏡スライドを含む、他の顕微鏡分析装置も意味することを意図する)を処理するための複数の個々に操作可能な小型の加圧可能な反応室を特徴とする自動顕微鏡スライド着色装置を本明細書に含まれる。本発明の自動in−situ抗原回復および着色装置は、好ましくは、独立して移動可能な個々の加熱可能な加熱プレートをそれぞれ有するスライド支持要素を特徴とする。各スライド支持要素は、好ましくは、単一の顕微鏡スライドを支持する。その上にある顕微鏡スライドを用いた各スライド支持要素は、個々の加圧可能な反応室内に格納および/またはその一部を含む。ある処理ステップにおいて、抗原回復溶液はスライドに配置され、加熱プレートは、反応室内の圧力を調整することにより溶液の温度を上昇させ、最大およびある場合によっては150℃を超える温度にスライドおよびその上の抗原回復溶液を加熱する。ある実施形態において、各反応室は、反応室内の圧力を調整するための個々の圧力制御器、装置またはスイッチを有する。1atm(すなわち、14.7psi、0psigまたは101.325kPa)を超える、または1atm以下の圧力が、反応室に作り出され、維持される。反応室は、例えば、0.1ml〜100mlの抗原回復溶液を収容できる。
【0007】
本明細書で使用される用語「生体試料」は、これに制限されないが、処理、検査または観察用の未処理試料、処理済試料、ラパフィン固定組織、全組織標本、凍結切片、細胞調整、細胞懸濁物、接触調製、薄形調製、サイトスピンおよび血液、尿、髄液、胸水、腹水、生体組織検査材料、微細針吸引、パパコロニー塗抹標本、塗布細胞または組織を含む他の生体物質または分子、バクテリア、ウィルス、寄生虫、原虫を含む微生物学調製、これに制限されないが、タンパク質、DNA、RNA、炭水化物、液体、マイクロアレイ、ELISA試料および分析物、合成高分子、リン脂質、生体分子(例えば、金属、ビーズ、プラスチック、重合体、ガラス)の支持構造を含む生化学物質、または生物学試験基質に付着する他の物質を含む。
【0008】
反応室内を加圧し圧力を調整する能力と、各スライドを個々に加熱する能力のため、各スライドおよびその上の液状溶液または試薬(例えば、これに制限されないが、抗原回復試薬、RNAおよびDNAプローブ、クエン酸塩緩衝液、SDS、Tween、Brij、イオンおよび非イオン洗浄剤のような界面活性剤または洗浄剤を伴うまたは伴わないEDTA、TRIS、PBS、およびシリコン添加剤、リンス緩衝液、免疫組織化学試薬、組織化学試薬、in−situハイブリッド試薬、PCR試薬、カバースリップ試薬、シリコン油、ミネラル油、検出および処理試薬、液体試薬、再構成された乾燥試薬、生体試薬、および水性および非水性試薬および一つ以上のシリコン界面活性剤またはシリコン添加剤を含む水の脱パラフィン化組成物)は、反応室の密閉された加圧環境なしでは得られない温度に加熱されることが可能である。例えば、溶液により生成された気体は、反応室(または調節されて放出される)に含まれるため、反応室の圧力は、使用者により必要とされる温度を得るために調節されてよい。1atm以下(すなわち、14.7psi、0psigまたは101.325kPa)の圧力(「負圧」、すなわち吸引)も作りだされ、反応室内に維持されてよい。例えば、100kPa〜10kPa、1kPa、100Pa、10Pa、1Pa、0.1Paの吸引圧力が生み出され、反応室に維持されてよい。
【0009】
各反応モジュールの各反応室は、スライドの下または隣にある(例えば、加熱要素は、反応室の側壁または空間に位置する)伝導性加熱要素(または加熱プレート)により他の反応室から個々に独立して加熱されてよい。好ましい実施形態において、上述のように、少なくとも顕微鏡スライドの一部を含む密閉された室は、反応室のスライド上に配置された回復溶液を含む。それから、スライドは、好ましい実地形態で約100℃〜300℃の温度に.1psig(102.016kPa)〜350psig(2514kPa)の圧力下で加熱される。ある実施形態において、圧力の格納は、抗原回復溶液の温度に比例するため、反応室の加熱要素の温度とスライドの溶液により制御された圧力の調節の双方の調節は、自動着色処理中に調整されてよい。
【0010】
ある実施例において、加熱要素は、少なくとも120℃にスライドを加熱でき、生体試薬と接触するスライド上の溶液が約130℃であろう反応室の圧力は、16psigであろう。抗原回復溶液により得られた温度は、圧力による発生または加熱要素の温度またはその双方に依存するだろうことを圧力制御容器の当該分野の当業者には明らかであろう。溶液の温度調節が圧力により決定される場合、加熱プレートは、130℃(例)に設定され、圧力逃し弁は、例えば、反応室内を19psig(232.3kPa)の圧力に維持するためのレベルに設定されてよい。よって、抗原回復溶液の温度は、130℃を超えず、120℃〜130℃の範囲に留まるだろう。
【0011】
溶液の温度調節が加熱要素の温度により決定される場合、加熱プレートは、所望する最大温度に加熱されるように調節されてよい。一度、反応室内が所望する圧力に達すると、加熱要素加圧平均は好ましい制限内で所望する圧力を保つように調整される。ある条件下の反応室は、反応室の圧力が単に加熱要素の温度により調整されるため、圧力調整装置を必ずしも必要としない。ある実施形態において、圧力が所望するレベルを超える、または所望する圧力によって加熱要素をオンまたはオフにする圧力調整装置を有する場合、圧力を逃がすために調節装置を有することは有利であろう。
【0012】
スライド上の溶液の沸騰は、圧力格納により抑制されるため、反応室の抗原回復緩衝液は、実質的に100℃以上の温度に達しても沸騰しているようには見えないかもしれない。沸騰による気体損失の削除または削減は、たった少量の緩衝液(例えば、500μl〜4ml)が最初に使用され、処理時間が高温(例えば、130℃)で最大60分に延長される時でも、(例えば、米国U.S.5,654,200;5,595,707;6,296,809;6,352,861;6,582,962;6,096,271;6,180,061;6183,693;6,541,261;または6,783,733に示されるような当該分野で知られるある他の装置を使用する時に必要であるような)処理中にさらなる緩衝液を添加する必要性を削除するため、有利である。本発明の抗原回復量の損失は、気体発生格納のため最小限である。高温で沸騰を最小限に抑えるための他の重要な有利点は、スライド上の生体試料は、生体試料がガラスのスライドから分離、さもなければ損傷を引き起こすであろう形成された気泡からの極度の煽動の対象とならないことである。さらに、本発明の反応室の制御された加圧微小環境は、使用される緩衝液の量が最小であり、高温状態(例えば、120℃〜140℃)に加熱に必要な時間も最小(例えば、5分)であるため、非常に効率的である。
【0013】
抗原回復処理に試料される現在利用可能な商業用の圧力釜は、大量であり、多量の緩衝液および多大な高温抗原回復プロセス完了時間を必要とし、その上、同じ容器中の多くのスライドを処理するために使用されなければならない。開始時から最終ステップ(リンス)までの典型的な圧力釜処理は、一般的に、45〜60分かかる。いくつかの異なる緩衝液のみが、圧力釜の主反応室内で(5〜6の個別のスライド処理容器の順序で)同時に加熱される。商業用の圧力釜の個別の各スライド容器は、非常に多量の抗原回復溶液(例えば、45〜50mls/容器)を必要とする。抗原回復の分野で使用される圧力釜に対し、本発明の装置および方法は、好ましくは、個々の反応室の高圧を生み出すためにスライド自体の試薬からの気体を使用する。逆に圧力釜は、そのスライド上の抗原回復を誘導するために容器内の高圧を生じさせるのに必要な気体を生成するために容器の底に別の液体が存在することに依存する。本方法は、スライドとその上の試薬の加熱プロセスを開始する前に、別の液体を高温に加熱するさらなるステップを必要とする。
【0014】
本発明の装置のここの反応室のそれぞれは、逆に、比較的少量の緩衝液(例えば、0.5〜5ml/スライド)を使用し、少量の液体および加熱と冷却する領域が狭いため、急速に加熱し、急速に冷却する。0.1〜1ml/スライドの量でさえ、本発明を用いて使用され、本発明を使用した開始から完了までの一般的な時間は、例えば、最低20分である。
【0015】
本発明の好ましい実施形態において、少量の液体試薬(例えば、これに制限されないが、抗原回復試薬、RNAおよびDNAプローブ、クエン酸塩緩衝液、SDS、Tween、Brij、イオンおよび非イオン洗浄剤のような界面活性剤または洗浄剤を伴うまたは伴わないEDTA、TRIS、PBS、およびシリコン添加剤、リンス緩衝液、免疫組織化学試薬、組織化学試薬、in−situハイブリッド試薬、PCR試薬、カバースリップ試薬、シリコン油、ミネラル油、検出試薬および処理試薬、液体試薬、再構成された乾燥試薬、生体試薬、および水性および非水性試薬および一つ以上のシリコン界面活性剤またはシリコン添加剤を含む水の脱パラフィン化組成物)を液体フェーズから気体フェーズへの変換により量が減少し、よって加熱中のその損失から保持するために、反応室は、閉鎖される時、スライドおよび試薬の加熱前に、個々に事前に加圧されてよい。個別の加圧源からの(すなわち、単に加熱された液体により生成された気体からよりも)この事前加圧は、長時間(10〜60分)の高温状態(例えば、100℃〜140℃)下での少量の液体試薬(例えば、100μl〜4ml)の気体フェーズ(蒸発)の損失量を著しく減少する、よって、処理プロセスが開始された後のさらなる試薬の添加の必要性を削除する。例えば、好ましくは、0.1〜4ミリリットルの試薬(例えば、抗原回復試薬)は、スライドに設置され、反応室が事前加圧され、次に、加熱要素が試薬の加熱を開始する。反応室の事前加圧後の試薬の加熱は、気体形成(蒸発)による試薬損失を最小限にする、試薬が100℃を超える、例えば、140℃に達する環境を生み出す。
【0016】
上の実施例から明らかなように、温度および圧力は、代替的に、生体試料の着色における当該分野で知られる任意のプロトコルの所望するあらゆるレベルに設定されてよい。超高温状態も、本発明を使用して達成されてよい。これらの超高加熱状態は、加圧、事前加圧および特定の反応室(以下に記述)の構成により、350℃および300psig(2170kPa)に達し、超えることができる。本発明の個々の事前加反応室は、試験用の生体試薬を含むための当該分野に周知のあらゆる種類の容器または基質を保持することができる。容器または基質は、これに制限されないが、ガラスおよびプラスチックの顕微鏡スライド、マイクロタイタープレート、管、フラスコ、マイクロアレイ、バイアル、プレートおよび生体物質を保持するあらゆる容器を含む。
【0017】
好ましい実施形態において、反応室は、事前加圧され、そのような非常に高温状態を必要とする特別な処理の使用のために、300℃を超える非常に高温を生み出す300psig(2170kPa)を超える非常に高圧の下でさえ維持されることができる。他の実施形態において、反応室は、100〜150℃、200℃〜250℃、〜300℃の範囲で高加熱状態のために温度および圧力を生成および保持することができる。好ましくは、少なくとも15psig(204.7kPa)の圧力が、加熱中、反応室内で維持される。
【0018】
本明細書の他で記述されるように、本加熱は、例えば、顕微鏡スライド下に位置する伝導性加熱要素、反応室壁の伝導性加熱要素、加熱される試薬の隣に位置する加熱デバイスの他のタイプおよび試薬を加熱するための反応室の壁を通過するマイクロ波により生成されてよい。これらの加熱デバイスの種類は、圧力の調整のために本明細書に記載されるシステムと個別または一緒に組込まれてよい。
【0019】
好ましい実施形態において、事前加圧または加熱された試薬の蒸発により生成される圧力のいずれかによる反応室内の圧力の調整は、本発明の重要な要素である。
【0020】
好ましい実施形態において、本発明は、圧力下で一つまたは複数のスライドを処理するための単一の大きな容器(例えば、圧力釜)の使用を削除する。本発明の装置の個々に操作可能な反応室のそれぞれは、同じ装置のそれぞれの反応室の複数の他のスライドのいずれにも依存または影響を及ぼすことなく、個別の温度および圧力で個別の試薬を用いたそこに配置された個々のスライドを処理できる、つまり、各反応室は、他のそれぞれの反応室を独立して操作できる。本発明の有利な点は、他の反応室の他の処理デバイスに依存することなく、個別の温度および圧力で装置の全スライドを個々に独立して処理する能力にあり、従って、試料の生産および処理、および一定のワークフローの利点において、効率を増加する。本発明を使用することにより、技術者は、他の反応室がすでに使用されている時でも、他の反応室に影響を及ぼすまたは停止することなしに、任意の温度または圧力で、あらゆるプロトコルを使用するスライドの試験を個別に開始することができる。
【0021】
上述のように、反応室のスライド(または容器)上または中の試薬の温度は、加熱要素の温度を調節または圧力調節器による圧力の調節または双方の組み合わせにより維持されてよい。ある実施形態おいて、例えば、反応室は23psig(259.9kPa)に事前加圧され、加熱要素は125℃に達するように設定され、維持圧力は23psig(259.9kPa)に設定され、スライドの試薬が10分間125℃に達すると、次にさらなる処理のために冷却される。好ましい実施形態において、事前圧力の状態は、「それに含まれる生体試料を含有する反応室を個別に加圧する」と定義される。本実施形態において、上述のように、圧力は、反応室に含まれる液体の蒸発により生み出されるのではなく、むしろ別の加圧システムまたはデバイスにより生み出される。反応室は、単一の個々の生体試薬を保持できるだけでなく、複数の生体試薬も保持できる。好ましい実施形態において、個々の反応室は、事前加圧され、その上の生体試薬を含む一つのスライドのみを含むように構成される。
【0022】
理論に拘束されるものではないが、事前加圧プロセスは、試薬をインキュベートする時、加熱および/または周囲温度着色状態中に、試薬および/または試薬の水性相(水)または油相(油)の蒸発損失を最小限にするための状態を特徴とする。個々の事前加圧反応室を特徴とする実施形態のさらなる側面は、反応プロセス中、圧力は、これらの物理的接触が、試薬、従って、生体試料に及ぼされる圧力により増加する、生体試料に対して「圧縮される」ことにより、試薬の生体試料への密接な接近を引き起こす。
【0023】
この生体試料への試薬の加圧力は、好ましくは、試薬の生体試料への非常に効率的な接触による試薬により処理時間を短縮する。試料は、試薬が生体試料に対して「圧縮され」、よって、生体試料との密接な接触を強化することにより生じる優れた着色のために著しくプロセス時間の短縮を引き起こしてよい。
【0024】
組織PCRを含むポリメラーゼ鎖反応(PCR)は、プロセス中の試薬の水レベルの保持力による。特定の水濃度、pH条件および温度は、PCR反応が成功するために厳密に合わなければならない。本発明の反応室の加圧条件は、これらの条件(低蒸発)が着色中に合うために理想的である。個別の加圧マイクロ環境(個々の反応知る)による本低蒸発は、ガラススライド、プラスチック顕微鏡スライド、容器、管、マイクロアレイ、マイクロタイタープレート、プレートまたは生体試料の収納に使用される他のあらゆる容器上のPCR反応に理想的である。本加圧は、周囲温度だけでなく、例えば、25℃の温度で使用されてもよい。
【0025】
事前加圧反応室の好ましい実施形態は、容器またはスライドを含む一生体を収容する個々の反応室だけでなく、プロセス時間の短縮および蒸発または試薬損失を削減するために事前加圧されてよい容器またはスライドを収容する複数の反応室も含む。
【0026】
さらなる実施形態において、スライド上の試薬の加熱は、プロトコルに必要な温度を維持するだろう、または少なくとも、加熱要素が加熱温度に達する前、または加熱にオンにされる前に反応室を事前に加熱し、顕微鏡スライド上の試薬の加熱を維持するだろう加熱(100℃以下)または超加熱(100℃以上)された空気を伴う反応室を事前加圧することにより実施されてよい。
【0027】
本発明の特に好ましい実施形態において、顕微鏡スライドがその中に格納される前に、装置の一つ以上の反応室が事前加圧されてよい。反応室の事前加圧は、加熱要素が顕微鏡スライドまたはその上の試薬を加熱するために作動する前、途中または後に実施されてよい。
【0028】
本発明の他の実施形態において、共通室に一緒の複数のスライドは、事前加圧および加熱されてよく、従って、抗原回復プロセス中に各スライドにさらに試薬を添加する必要性を省く。例えば、米国特許番号5,654,200;5,595,707;6,296,809;6,352,861;6,582,962;6,096,271;6,180,061;6183,693;6,541,261;または6,783,733に示される装置中の複数のスライドは、加圧可能な室に格納され、加熱ステップが開始する前、途中または後に事前加圧されてよい。
【0029】
本発明の好ましい実施形態において、複数のスライドは共通の室に格納され、試薬はスライドに適用され(室に格納される前または後)、室は気圧以上のレベルに加圧され、そしてスライドは、試薬の温度が85℃を超える、より好ましくは100℃を超えるように加圧される。さらに、試薬は、室が加圧された後にスライドに適用されてよい。
【0030】
上と同様のステップが、加熱プロセスを含まない代替実施形態で進められてよい。加熱なしのプロセスの結果は、試薬がスライド上の試料またはサンプルと反応し、スライド上の試料またはサンプルとともに試薬の増加した圧力により、その物理的相互作用を増す間、スライドからの試薬の削減された蒸発または気化である。
【0031】
好ましい実施形態において、各顕微鏡スライドは、個々に加圧される個々の反応室内で処理される。各反応室は、複数のスライドを同時に、所望するなら個々に、自動スライド着色装置から一緒に構成される他の全ての反応室から隔離される。各反応室は、互いの反応室から機能的に独立(すなわち、非相互依存)している。各反応室の独立した操作性は、これに制限されないが、個々の移動スライド支持要素、個々の移動試薬分配ストリップおよびリンス、圧力、吸引および廃棄物処理のための個々に移動可能なまたは設置口および分配装置を含む、個別の操作機構を有する各反応室のためである。いずれの反応室の個々の処理デバイスは、好ましくは、各反応室独特のマイクロプロセシングプログラムを含む、操作中かどうかにかかわらず、他の反応室の処理成分の操作中のいかなる時でも依存しない。全ての処理成分(例えば、これに制限されないが、試薬分配装置、リンス口、吸引口、圧力口、廃棄口、混合口、スライド支持、反応室、空気冷却ダクトおよび液体冷却ダクト)は、個々に独立して移動可能および/または使用可能であってよい。
【0032】
本発明のさらなる実施形態において、本発明のマイクロプロセシングは、個々の反応室のそれぞれに部分的または完全に特異な複数の個々および/または同時に処理プログラムを実行することが可能な運用システムを使用する。これは、現在のスライド着色装置のように(例えば、米国特許番号5,439,649、5,595,707、5,758,033、5,839,091、6,296,809、6,352,861および6,783,733に示されるように)、全ての処理ステップの状態を判断するためにマイクロプロセッサが運用プログラムを一つもつ必要性を除去することにより、プログラムの単純なアプローチを可能にする。既存技術で知られる着色装置におけるマイクロプロセッサは、着色プロセスにある各スライドの全ステップを認識し、特定のスライド使用のための一般的な処理デバイス(すなわち、試薬分配装置、リンス、空気の適用等)を起動する正確な時間を判断する処理プログラムをもつ。この複数のスライドの処理におけるコンピュータ援助の「思考および反応」アプローチは、効率的ではない。全てのスライドが一つのプログラムの制御下にあると、遅延時間が生まれる。この非効率的な時間の使用は、各スライドの次のステップを判断し、共通のデバイスにより同時に2つ以上のスライドを処理する必要性のあらゆる矛盾を判断するためのマイクロプロセッサの必要条件のために、処理時間の増加を引き起こす。この種類のマイクロプロセシングは、他のスライドまたは複数のスライドと同時に処理デバイスを必要とするスライドの処理の完了を遅らせる。
【0033】
当該分野で知られるある着色装置は、「スタット運転」オプションを特徴とする。この種類の処理において、使用者はすでに着色運転を開始し、「追加のスライド」の処理がより緊急であるため、一つ以上の追加のスライドが装置に配置され、処理される必要性を決定している。使用者は、低い優先順位の設定で、「元のスライド」を設置できる。「新しいスライド」は、次に、装置に設置され、全ての処理デバイスの「新しいスライド」の優先使用を受ける。優先着色プロトコル間において、処理デバイスは、次に、初めに装置に設置された「元」または「非スタット」スライドを処理するために使用されてよい。この種類の割り込み処理の必要条件は、本発明の特徴のため削除される。
【0034】
各反応室プログラムに対して単一または独特のプログラムを有する本発明のマイクロプロセッサの利点は、既存のシステムで必要とされるような複数のスライドが処理されるための相互依存ステップを計画することができるマイクロプロセッサの必要性を省くことである。各反応室に独特の個別のマイクロプロセシングプログラムを有するさらなる利点は、一つまたは複数の反応室のマイクロプロセッサが故障しても、他の反応室の運転に影響がないことである。本システムのマイクロプロセシングの利点の一つは、一つまたはいくつかの反応室のマイクロプロセッサ故障の場合に、相当な停止時間がないことである。逆に、既存の装置において、マイクロプロセッサまたは運転システムが故障した場合、装置は完全に運転不可能で、修理しなければならない。
【0035】
本発明における好ましい実施形態において、使用者がいつでも任意のまたは全ての反応室に特異な個別のプログラムを開くことができるように、それぞれ個別に独特なプログラムと通信することができる一般的な「マスタ」運転システムがあってよい。特定の反応室を作動する個別の独立したプログラムは、完全にスライドを処理するためにそこに搭載された全てのプロトコルを有する。個別のプログラムは、使用者により更新、編集されてよく、マスタプログラムの援助により他の全ての個別のプログラムを更新できるため、各反応室が更新または編集された同じプロトコルを有することができる。マスタプログラムが故障した場合、各反応室に独特な別のプログラムは、スライドを処理するためにまだ運転可能であり、更新、ダウンロードまたはアップロード情報のための他の反応室の個別のプログラムとの通信能力を失うだけである。変形として、各反応室は、個々に分けられ、他の反応室へのリンクを持たない運転プログラムに関して、それ自体が独特であってよい。マスタ運転プログラムを有するさらなる利点は、診断目的、アップロード、ダウンロードおよび反応室間の一般および特定の通信のために、他の個別の反応室プログラムと通信する能力である。
【0036】
本発明のある実施形態において、システム作動のために必要な全ての動作制御の必要条件は、AC、DC、太陽および任意で気圧および蒸気などの他の動力の形態であってよい。マイクロプロセッサは、例えば、AC、DCおよび太陽で作動してよい。装置全体は、コンパクトで必要な量または数の反応室で構成されてよい。装置は、フィールド(例えば、研究)で使用できるようにポータブル、または使用場所に運ばれてよい。反応室の数は、一般的に、室ごとに10〜20で、積層可能または直線状に接合あるいは適切な他のあらゆる方法で連結されてよい。ポータブルのフィールドユニットは、例えば、低重量のために最低1〜5または5〜10の反応室を有してよい。好ましくは、構成要素は、軽重量で防錆びの材料で作成されてよい。本発明のさらなる利点は、モジュラー方式で提供されてよいことである。モジュールの各反応室またはスライド支持要素は孤立して取り外され、提供または破棄され、単純なモジュラー取り付けで全て新しいユニットと取り替えられる。全ての動作制御は、好ましくはモジュラーであり、保守可能または完全に交換可能のいずれかである。このモジュラーの保守性は、使用中または使用されてよい他の反応室が、異なる反応室からのあらゆるデバイスまたは部品の保守中に影響を受けないことである。
【0037】
本発明の利点は、前に説明したように、各スライドが個別の独特な試薬を用いて処理されてよく、任意のスライドがあらゆる試薬を有することができ、装置に充填されたスライド全てと同じまたは異なる圧力および様々な処理時間量で処理されてよいことを意味する。試薬の例は、これに制限されないが、抗原回復試薬、RNAおよびDNAプローブ、クエン酸塩緩衝液、SDS、Tween、Brij、イオンおよび非イオン洗浄剤のような界面活性剤または洗浄剤を伴うまたは伴わないEDTA、TRIS、PBS、およびシリコン添加剤、リンス緩衝液、免疫組織化学試薬、組織化学試薬、in−situハイブリッド試薬、PCR試薬、カバースリップ試薬、シリコン油、ミネラル油、検出試薬および処理試薬、液体試薬、再構成された乾燥試薬、生体試薬、および水性および非水性試薬および一つ以上のシリコン界面活性剤またはシリコン添加剤を含む水の脱パラフィン化組成物を含む。本発明の他の利点は、各スライドは隔離され、個別の反応室でそれ自身の試薬で処理されるため、一つのスライドから他のスライドへの試薬または生体試料からの相互汚染は、省かれることである。
【0038】
本発明の他の重要な利点は、個々の反応室のそれぞれは、他の反応室がスライド処理のために使用されている時に、個別に自動的に洗浄または修理されてよいことである。従って、特定の個々の反応室が洗浄または修理されている時に、他の反応室の停止時間または中断がない。各反応室を、洗浄剤または殺菌試薬を用いてまたはなしで、蒸気で個別に洗浄および/または殺菌し、加熱(100℃以下)または超加熱(100℃以上)された空気で乾燥してよい。この種類の殺菌洗浄は、例えば、処理された生体試料が感染性の特性をもつ場合に使用されてよい。各反応室は、基本的に、個々の自己規制および制御小型高圧減菌器を有する。次の生体試料処理で使用する前の各反応室の殺菌は、相互汚染および感染性の生体試料との直接の接触を除去するため、固有の技術的利点を提供することができる。殺菌は、蒸気のみ、または試薬ストリップまたは他の分配要素により分配された化学物質を使用して実行されてよい。
【0039】
(試薬ストリップ)
本発明の好ましい実施形態において、試薬は、下でより詳しく記述されるように(図1〜22および39〜78)、単一の反応室用に個別化された試薬ストリップ(本明細書で、試薬分配ストリップとも呼ぶ)から反応室へ供給される。
【0040】
試薬ストリップは、少なくとも一つおよび好ましくは複数の個別の試薬容器を含む。試薬容器中の試薬は、これに制限されないが、抗原回復試薬、RNAおよびDNAプローブ、クエン酸塩緩衝液、SDS、Tween、Brij、イオンおよび非イオン洗浄剤のような界面活性剤または洗浄剤を伴うまたは伴わないEDTA、TRIS、PBS、およびシリコン添加剤、リンス緩衝液、免疫組織化学試薬、組織化学試薬、in−situハイブリッド試薬、PCR試薬、カバースリップ試薬、シリコン油、ミネラル油、検出試薬および処理試薬、液体試薬、再構成された乾燥試薬、生体試薬、および水性および非水性試薬および一つ以上のシリコン界面活性剤またはシリコン添加剤を含む水の脱パラフィン化組成物を含む、当該分野で知られるあらゆる種類のものであってよい。試薬は、生体試料に分配されてよい乾燥または乾燥保存された試薬、または生体試料に分配される前に再構成された乾燥または乾燥保存された試薬であってもよい。乾燥または乾燥保存された試薬は、生体試料に分配され、次に、例えば、他の試薬により再構成されてよい。試薬ストリップおよび個々の試薬容器は、これに制限されないが、プラスチック、金属、重合体および複合材料を含む任意の適切な材料から作成されてよい。好ましい様態における試薬ストリップは、(以下により詳しく記述される)反応室の上部開口部を閉鎖するために、装置の試薬分配プランジャーにより密閉されてよい個々の試薬容器間に開口部を有する。試薬ストリップは、所望するなら、試薬ストリップおよび/または個々の試薬容器上または中に位置する加熱手段、または試薬ストリップから反応室および顕微鏡スライドまたは反応室に挿入する前に顕微鏡スライドに試薬を分配する前に、試薬を事前に加熱するために試薬ストリップおよび/または個々の試薬容器の近くの加熱手段により加熱可能な材料で構成されてよい。加熱手段は、これに制限されないが、赤外線加熱、電気伝導性インク、毛布、電線巻付け、可視光、カプトンヒーター、フォイルヒーターおよび伝導性タイプのヒーターを含む、当該分野の技術者に知られるあらゆるものであってよい。試薬ストリップは、例えば、ヒーターを活性化するために電力供給に直接配線されるか、または試薬ストリップまたは試薬容器に位置するヒーターと接合するためにワイヤーレス技術を使用してよい。
【0041】
好適な実施形態における試薬ストリップは、幅が25インチ(6.35mm)〜3インチ(76.2mm)で、着色プロトコルを完了するために充分な試薬分配容器の数を収容するための長さでよい。好適な実施形態の長さは、4インチ(101.6mm)〜20インチ(508mm)またはそれ以上であるが、10インチ(254mm)以下が好まれる。試薬ストリップは、任意の数、サイズ、構成、試薬容器(すなわち、カプセル、ブリスター包装、小型のシリンジ型容器、分配(用量測定)容器、および反応室の内圧より高い圧力で、試薬を分配できる用量測定分配容器)の分配能力(すなわち、反応室の内圧以上の圧力下で試薬ストリップから試薬を分配する能力)を有することができる。
【0042】
試薬ストリップは、例えば、図39〜78に示すような、および以下に記述および説明されるような、特定のプロトコルに基づく、任意の数または構成(配列または位置)の蒸気口、蒸気穴、蒸気放出デバイス(圧力弁または圧力調整器)、圧力監視デバイスまたは冷却窓を有することができる。各試薬ストリップは、試薬ストリップが反対方向にスキップまたは移動することなしに、反対側の端部の試薬ストリップ上の最後の試薬容器の方に前方向に移動すると、最初の試薬容器からの試薬が試薬ストリップの一端で分配され、続く試薬が次の試薬容器から分配されるようなパターンで試薬容器をその上に配置してよい。試薬ストリップは、試薬ストリップが特定の試薬容器から試薬を「選択」および「分配」するために「前後」に移動する、試薬ストリップ上で非プログラム順序で、非連続試薬から試薬を分配することにより使用されてもよい。好適な実施形態において、(連続または非連続)分配のいずれの方法が、一つの試薬も未使用のままにすることなく試薬ストリップ上にある全ての試薬容器から試薬を分配するために使用される。
【0043】
代替的に、使用者は、任意の特定の試薬容器または試薬ストリップ上の容器をスキップするように、マイクロプロセッサを用いてプリセットプロトコルを削除または取り消すことができる。試薬ストリップは、試薬ストリップ支持デバイス上に設置されてよく、支持デバイスに取り込まれ、固定デバイスの分野で知られる方法で固定して所定位置に保持される。固定デバイスの例は、試薬ストリップのいずれかの端またはいずれかの側方を試薬ストリップホルダーに固定するために「クリップボード」で使用されるような「クリップ」である。使用される他の固定デバイスは、コッグ、スナップ、グラバー、低粘着性接着剤、試薬ストリップホルダーのレールに「装着」または「ちょうど」はまるストリップ、または本明細書で記述される他の方法または当該分野で知られる方法である。
【0044】
反応室内の高圧は、熱なしまたは熱を用いてスライドに配置された試薬をスライド上の生体試料と物理的に密着した接触をもたらし、よって、着色を向上させる。加圧方法(さらなる加熱を用いてまたはなしで)は、オンおよびオフを反復し、混合ジェットが試薬を混合するために使用され、次に、試薬をスライドに押し付けるために加圧される。本プロセスは繰り返されてよい。
【0045】
試薬(例えば、本明細書に記述されるように気体および液体試薬)および、これに制限されないが、混合空気ジェット、吸引(吸引性)、圧力放出、排液除去および液体試薬を含む全ての処理要素は、気圧式の電気的作動弁を介して各反応モジュール(反応室の中または外のいずれか)の反応室(試薬ストリップにより供給される試薬に加え、または代わりに)にもたらされてよい。これらの弁は、例えば、2口、複数口、回転式の弁(複数口弁)および/またはつまみ口タイプの弁による各反応モジュールに供給される各要素のための個別の弁であってよい。処理要素の分配は、反応モジュールごとの一つ以上の回転式弁を介してよい回転式弁は、回転式弁との任意の組み合わせまたはなしで、2口弁またはつまみ口弁を用いて使用されてよい。これらの小型タイプの弁(例えば、複数口弁、回転式弁、2口弁およびつまみ口)は、Bio−Chem Valve Company,85 Fulton Street,Boonton,NJ 07005,Parker Hannifan,6035 Parkland Boulevard,Cleveland OH 44124、およびTri−Tech LLC,56733 Magnetic Drive,Mishawaka,IN 46545を含む業者により、商業的に入手可能である。
【0046】
(図1〜22の実施形態)
図面を参照にすると、図1〜8に示すのは、好ましくは、金属、プラスチック、加熱可塑性または重合物質で構成されるベース12から構成される再構成可能な試薬分配ストリップ(試薬ストリップ)10と、各容器がベース12のタイル16に配置される、複数の試薬容器14(引用しやすいようにA〜Hの概略示)である。ベース12は、上面18、底面20、第一端22(第一試薬容器Aの近く)および第二端24(最後の試薬容器Hの近く)を有する。各タイル16は、好ましくは、各試薬容器14が配置され、容器コネクタ30を介してそこに固定される容器土台26を有する。各タイル16は、そこから延長する注入装置28を有する。好ましくは、各容器土台26間に、ベース12を通して延長するリンス口装置32が位置する。図に示すように、個別のリンス口装置32は、各容器土台26の間に位置するが、各試薬ストリップ10は、1つだけまたは複数のリンス口装置32を有してよい。試薬ストリップ10は、好ましくは、使用者が個別のタイル16をベース12から切り離せるように対のタイル16の間に個々に位置する複数のノッチ線34(または切取線)を含む。各タイル16は、分離されたタイル16が隣接するタイル16に再接続できるように、複数のコネクタ受入穴36を有する。各試薬容器14は、本体40、本体40内に内空42、ピストン44、注入ノズル46およびピストン44と注入ノズル46の間の内空42に配置される試薬48からなる。好ましい実施形態において、ベース12のタイル16は、1つのピースに型打ちされ、試薬容器14は、型打ちまたは永久的にベース12のそれぞれのタイル16に取り付けられる。
【0047】
図4に示すように、個々のタイル16は、例えば、試薬容器GおよびHを有するタイル16が分離されているように、ノッチ線34に沿って隣接したタイル16から切り離すことができる。各タイル16および試薬容器14は、一つの試薬モジュール50(例えば、試薬容器Gをもつ試薬モジュール50は、試薬モジュール50Gのように示され、試薬容器Hをもつ試薬モジュール50は、試薬モジュール50Hのように示される)を構成する。図5は、試薬モジュール50Hが、2対のタイルコネクタリンクフィート54からなるタイルコネクタ52(図6)を介して試薬モジュール50Fに再接続され、リンス口装置32を無被覆のままにする装置を有する、試薬ストリップ10aを示す。代替実施形態において、図7および8に示すように、試薬ストリップ10bは、試薬モジュール50Gが、試薬モジュール50Fと試薬モジュール50Hの間に配置され、対のタイルコネクタ52を介してこれに接続された新しい試薬モジュール50ggと置換されたことを除き、元の試薬ストリップ10から構成される。
【0048】
試薬ストリップ10aと10bの構成は、当該分野の技術者によく理解されるように、試薬モジュール50の構成がどのように再配置されるかの単なる例である。
【0049】
図9〜16に示すのは、好ましくは、金属、プラスチック、加熱可塑性または重合物質で構成されるベース62から構成される再構成可能な試薬分配ストリップ(試薬ストリップ)60と、各容器がベース62の容器土台72に配置される、複数の試薬容器78(引用しやすいようにA〜Hの概略示)である。ベース62は、上面64、底面66、第一端68(第一試薬容器Aの近く)および第二端70(最後の試薬容器Hの近く)を有する。各試薬容器78は、容器雌コネクタ74を介してベース62に固定される。各容器土台72は、ベース62から延長する注入穴82を有する。好ましくは、各容器土台72間に、ベース62を通して延長するリンス口装置76が位置する。図に示すように、個別のリンス口装置76は、各容器土台72の間に位置するが、各試薬ストリップ60は、1つだけまたは複数のリンス口装置76を有してよい。各試薬容器78は、注入器80および容器78を容器土台72に固定するための対応する雌コネクタ74に挿入可能である容器雄コネクタ84を含む。容器雌コネクタ74および容器雄コネクタ84は、ツイストロックを含んでよい。各試薬容器78は、さもなければ、試薬ストリップ10の容器14に類似した方法で構成される。好ましい実施形態において、ベース62は、1つのピースに型打ちされ、試薬容器78は、ベース62の対応する容器土台72から取り付け可能または取り外し可能である。
【0050】
図11および13に示すように、個々の試薬容器78は、例えば、GおよびHが分離されているように、試薬容器78が取り外されてよい。図15は、元は試薬容器78Gを備え付けた容器土台72に試薬モジュール78Hが再取り付けされている、試薬ストリップ60を示す。代替実施形態において、図16に示すように、試薬ストリップ60bは、試薬容器78Gが、試薬モジュール78Fと試薬容器78Hの間に配置され、容器土台72Gに接続された新しい試薬容器78GGと置換されたことを除き、元の試薬ストリップ60から構成される。
【0051】
試薬ストリップ60aと60bの構成は、当該分野の技術者によく理解されるように、試薬容器78の構成がどのように再配置されるかの単なる例である。
【0052】
図17〜22に示すのは、各モジュールが試薬容器94(引用しやすいようにA〜Hの概略示)と各インターロッキングタイル96を含む、複数の各インターロッキング試薬モジュール92から構成される再構成可能な試薬分配ストリップ(試薬ストリップ)90である。試薬ストリップ90は、上面104と底面106を有する。各インターロッキングタイル96は、そこから延長する注入装置97を有する。好ましくは、各試薬容器94の間に、リンス口装置102が位置する。図に示すように、個別のリンス口装置102は、各容器94の間に位置するが、各試薬ストリップ90は、1つだけまたは複数のリンス口装置102を有してよい。試薬ストリップの各インターロッキングタイル96は、それぞれが、それぞれの隣接した雌各インターロッキング部100と雄各インターロッキング部98に接続可能な、ジグソーのような雄各インターロッキング部98とジグソーのような雌部100を有する。これは、使用者に個々の各インターロッキングタイル96を切り離し再取り付けすることを可能にする。各試薬容器94は、試薬容器14のそれと類似した方法で構成される。好ましい実施形態において、各インターロッキングタイル96は、試薬容器94と1つのピースに型打ちされるか、当該分野で知られるあらゆる方法で、永久的に取り付けられる。
【0053】
図17〜19に示すように、個々の各インターロッキングタイル96は、隣接した各インターロッキングタイル96から切り離されてよく、ここで、例えば、各インターロッキング96を有する試薬容器GおよびHは分離されている。各インターロッキングタイル96および試薬容器94は、単一の各インターロッキング試薬モジュール92(試薬容器Gを有する各インターロッキング試薬モジュール92は、試薬モジュール92Gとして示され、試薬容器Hを有する試薬モジュール92は、試薬モジュール92Hと示される)を構成する。図21は、試薬モジュール92Hが雄各インターロッキング部98と雌各インターロッキング部100を介して試薬モジュール92Fに再取り付けされ、リンス口装置102を有する試薬ストリップ90aを示す。代替実施形態において、図22に示すように、試薬ストリップ90bは、試薬モジュール92Gが、試薬モジュール92Hと試薬モジュール92Fの間に配置され、そこに接続された新しい試薬モジュール92GGと置換されたことを除き、元の試薬ストリップ90から構成される。
【0054】
試薬ストリップ90aと90bの構成は、当該分野の技術者によく理解されるように、各インターロッキング試薬モジュール92の構成がどのように再配置されるかの単なる例である。
【0055】
上述および本明細書で記述するように、好ましい実施形態において、本発明の試薬ストリップは、元または使用者による前の構成から再構成されてよく、従って、例えば、試薬ストリップ10aおよび10bに示すように、使用者に試薬容器14を特別に配列する能力を与える。
【0056】
例えば、使用者が組立て済み試薬ストリップ10上にある全ての試薬容器14を使用したくないまたは必要がない場合、あるいは使用者が特定の試薬ストリップに一つ以上の試薬容器14を追加またはその上の試薬容器を再配列したい場合、使用者は、試薬ストリップ上の試薬容器14を再構成する能力を持つ。
【0057】
図1〜4に示すように、ある実施形態において、試薬ストリップ10に配置された試薬容器14を有する組立て済みタイル16は、試薬モジュール50を作るためにタイルのノッチ線34により切り取りまたは容易に切り離されてよく、従って、本明細書に記述するように試薬モジュール50の再構成することができる。試薬タイル16は、任意のサイズであってよいが、特定の試薬ストリップは異なるサイズのタイル16を有するが、同じ試薬ストリップ10〜10bのそれらは、全て同じサイズであることが好ましい。
【0058】
例えば、長さが5インチで10の個別のタイル16が存在する試薬ストリップ10などの本発明の試薬ストリップにおいて、各タイル16は、長さが0.5インチである。図1の実施形態において、個々のタイル16は、シリーズで一緒に製造され、本明細書で説明するように、個々のタイル16の間の溝、切取線または他の分離方法などのタイルのノッチ線により切り離しが可能である。
【0059】
上に示すように、試薬ストリップ10は、各タイル16に4つのタイルコネクタ受取穴36を有する。隣接のタイル16は、マスタ自転車チェーンリンクに似たタイルコネクタ52により接合および保持されてよい。本発明の再構成された試薬ストリップを作るための方法において、タイル16を一緒にリンクするために使用される小型部品をどのように切り離しまたは接合するかの方法は、当該分野の技術者により周知の多くの方法がある。
【0060】
試薬ストリップ90〜90bの「スナップ嵌め」または「パズルピース」アプローチは、試薬ストリイプを連続させ、試薬タイルの一つを移動することなしに、および試薬を一緒に保持するための別の取り付け手段(例えば、コネクタ)を必要とせずに、装置の反応室に引っ張られるまたは押されてよい。
【0061】
本明細書に関するあらゆる試薬ストリップは、上述の任意または全ての特徴を含むことができ、また使用者により充填されてよい空の試薬容器14を有してよい。実際、ある実施形態において、本発明の試薬ストリップは、接合された空の試薬モジュールおよび/または試薬ストリップを構築するための個別のタイルを使用して、使用者が自分だけの試薬ストリップを「特注」するための空の容器14を含んでよい。
【0062】
ある実施形態において、本発明の試薬ストリップは、使用者により変更が不可能な所定のシーケンスで所定の数の試薬容器を有してよい(例えば、以下に詳細を記述するように、図39〜78を参照)。試薬ストリップは、よって、再構成が不可能である。好適な実施形態において、再構成不可能な試薬ストリップは、試薬ストリップの全ての試薬が配備されるまで、マイクロプロセッサまたは他の手段により方向づけされながら、断続的に一方向に進む。試薬ストリップは、好ましくは、使い捨てであり、好適な実施形態では、即時交換され、再充填または再使用されない。各試薬容器は、断続的に配備されるか、または一つ以上の容器が見送られ、またそれに戻ってよい。試薬ストリップは、使用されるプロトコルの種類について、およびシリーズの次の試薬がいつスライドに分配されるかについてコンピュータをプログラムする処理プロトコルの種類を同定するために、コンピュータ読取可能な光学文字シンボルまたはコード(バーコード、光学的に読取可能なシンボル、コード文字)で標識付けされてよい。
【0063】
一度、装置上の光学読取装置とともにマイクロプロセッサが、試薬ストリップ上の光学文字をスキャンすると、使用者は、次に、試薬ストリップ支持デバイス上に試薬ストリップを設置し、処理を開始するために、個々の反応室の開口部近くに位置する開始ボタンまたはコンピュータスクリーン上の対応するアイコンを押す。試薬ストリップ支持デバイスは、好ましくは、帰着デバイスを有し、よって、コンピュータは、第一試薬容器が分配プランジャーに対してどこに位置するかを「把握する」ことができる。好適な実施形態において、試薬ストリップ上の試薬容器間の間隔は、等間隔(例えば、0.5インチ間隔)であり、一度、帰着デバイスがマイクロプロセッサにより認識されると、第一試薬容器が試薬ストリップ上のどこに位置するかを把握し、試薬ストリップは、試薬が顕微鏡スライド上の生体試料に分配される試薬分配位置に移動される。試薬ストリップは、それから、適切な時間後に、次の試薬容器(またはその間のリンス口)の0.5インチ(または他の所定の等間隔)に移動される。プロトコルの種類、試薬毎の処理時間、リンスステップ、乾燥、空気混合等は、光学文字がマイクロプロセッサによりスキャンされ、認識される時点で全て評価される。
【0064】
本実施形態において、試薬ストリップ上の全ての試薬が該当時間内および処理条件内でスライド上に分配されなければならないことを予め定めていることが好ましい。マイクロプロセッサは、プロトコルの最後のステップが完了するまで、独立して、全ての反応室の全ての処理デバイスを移動し、有効化する。
【0065】
試薬ストリップ上の試薬容器間の間隔は、マイクロプロセッサが同定できる任意の間隔(例えば、001インチ〜約4.00インチ以上)であってよい。マイクロプロセッサによる個々の試薬容器の同定は、最初の帰着後、各試薬容器が任意に試薬ストリップ上または試薬ストリップ支持デバイス上に個別の帰着デバイスを有する一定した間隔、光学認識、およびマイクロプロセッサにより複数の容器を認識するための当該分野で知られる他のあらゆる種類によりなされてよい。
【0066】
さらなる実施形態において、試薬ストリップまたは容器またはその試薬モジュールは、使用者が単に試薬ストリップの試薬容器およびそれに関連するプロトコルの同定のためにマイクロプロセッサに入力する、その上に印刷された数字シンボル(数)または他のシンボル(文字)を有してよい。
【0067】
好適な実施形態において、本発明の試薬ストリップは、使用後に廃棄される単一使用デバイスであり、単一使用試薬ストリップは、使用者により完全にまたは部分的に調製される(例えば、使用者は試薬ストリップ用に一つ以上の容器を充填する)か、または製造者により完全に調製される。代替的に、試薬ストリップは再使用されてよく、この場合、個々の容器が使用者または製造者により再充填されるか、新しい容器または試薬モジュールが、使用済み試薬ストリップに追加されるか、使用済み試薬ストリップ上の使用済み容器または試薬モジュールに置換されてよい。さらに、単一使用された容器は、まだ、試薬の「用量」または「用途」をいくつか有している可能性があり、使用済み試薬ストリップから異なる試薬ストリップに使用済み容器を交換することは、使用者にとって有利である。さらに、本明細書に記述するように、試薬ストリップは、再構成可能なため、一つ以上の容器または試薬モジュールが、別の一つ以上の容器に交換、置換、再配置または「入れ替え」されてよい。
【0068】
(図23〜38Bの実施形態)
図23〜38Bに示すのは、前に記述するように、円筒状反応室112、スライド支持要素114および試薬ストリップ支持デバイス116を有する反応モジュール110である。好ましくは、反応室112は、内径が2〜5cm、より好ましくは、27mmで、壁厚が2mm〜3cmである。スライド支持要素114の長さは、好ましくは、10〜20cm、より好ましくは、12cmである。反応室112の長さは、好ましくは、15〜30cm、より好ましくは、20cmである。反応ストリップ支持デバイス116は、反応室112の内空120に開く反応導管122を介して反応室112に作動可能に連結される(例えば、上部に取り付けられる)。試薬ストリップの試薬容器から注入器ノズルを受け取るように適応された反応ストリップ支持デバイス116に注入口オリフィス124がある。試薬ストリップ支持デバイス116は、前端126と後端128を有する。試薬ストリップ支持デバイス116は、本発明の試薬ストリップを受け取る、支持するおよび取り出す機能を果たす。スライド支持要素114は、反応室112の内および外に往復的に移動できるベース134を有する。スライド支持要素114は、スライド140が設置される加熱要素136を含む。スライド支持要素114は、技術者がより簡単に反応室112からベース134を挿入および引き出すことができるハンドル142を有してよい。スライド支持要素114は、好ましくは、本実施形態において、反応室112の内表面118に対してベース134の圧力抵抗シールを提供するための前O−リング144と後O−リング145の密閉手段をさらに含む。スライド支持要素は、これに制限されないが、ガラス、石英、Pyrex(R)、ホウケイ酸、スチール、金属、アルミニウム、複合材料、ポリカーボネートおよびプラスチックなどの重合体またはその組み合わせを含む材料から構成される。
【0069】
スライド支持要素114は、好ましくは、反応室112からの試薬および排液の受取りおよび排出のための排液口146も有する。スライド支持要素114は、好ましくは、加熱要素136の下にあるサブ加熱要素冷却スペース148aに作動可能に連結される一つ以上の冷却ダクトと、サブ加熱要素冷却スペース148aからの冷却空気または液体を排除する一つ以上の冷却ダクト出口148bも有する。スライド支持要素114は、好ましくは、本明細書で記述されるように反応室112内の圧力を調節するための第一空気/圧力ダクト150および第二空気/圧力ダクト152をさらに含む。ダクト150および/または152あるいは追加のダクト(示されていない)は、反応室112からの圧力を開放および/または調節するために使用されてよいスライド支持要素114は、上述のように、顕微鏡スライド140がその上の試薬を用途のために設置される加熱要素136を含む。反応モジュール110は、スライドまたはその中の他の要素の温度を測定するための熱電対または他の温度測定デバイスをさらに含む。作動前に、スライド支持要素114は、反応室112の内空120に滑走運動により挿入される(図24A参照)。また、作動前に、試薬ストリップ10(または、本明細書で記述されるまたは使用可能な他の試薬ストリップ)は、例えば、反応ストリップ10の第一端22を反応ストリップ支持デバイス116の前端126に挿入され、操作中、試薬ストリップ10は、試薬ストリップ支持デバイス116の後端128方向に移動する、試薬ストリップ支持デバイス116に挿入される。試薬ストリップ10は、マイクロプロセッサにより指示されるように試薬ストリップ10を徐々に前進するローラーまたはトラックを含む引張りまたは押出デバイスにより手動または自動的に前進されてよい。反応モジュール110は、試薬ストリップ10から反応室112への試薬の通過を可能するために、反応室112に試薬導管122をさらに含む。反応モジュール110は、好ましくは、遠隔源からの他の試薬または溶液の通過を可能にするためにそこに分配管156を有する分配プランジャー154(本明細書で分配要素とも呼ばれる)も含む。試薬ストリップ支持デバイス116は、好ましくは、その使用中、試薬ストリップ10の試薬容器14から、少なくとも注入器ノズル46の一部を受け取る注入口オリフィス124を有する。
【0070】
スライド支持要素214は、ベース空間252に液体または他の溶液を供給するため、および使用後、ベース空間252から使用済み液体を排出(例えば、吸引)するために、ベース空間252に繋がる一つ以上の排出および/または供給導管を任意に含む。他の供給口およびダクトは、米国特許番号6,534,008および6,855,292で前に記述されるように、本発明の反応室を供給してよい。
【0071】
作動中、図24A〜24Bおよび29に示すように、試薬ストリップ(または、本明細書で記述されるまたは使用可能な他の試薬ストリップ)は、前述のように試薬支持デバイス116に挿入され、試薬容器14は、注入口オリフィス124上に配置される。分配プランジャー154は、試薬溶液14の内空42に下方に延長され、ピストン44とかみ合い、ピストン44を下方に押し込み、注入器ノズル46、試薬導管122を通して試薬48の放出を引き起こし、スライド140に堆積される試薬158を提供する。分配プランジャー154がピストン44を下方に押し込む時、シールは、試薬容器14内に維持され、好適な実施形態では、反応室112の加圧を可能にする。試薬158は、以下でさらに詳しく記述されるように、第一空気/圧力ダクト150と第二空気/圧力ダクト152を通して空気162の噴出を供給することにより、顕微鏡スライド140上で混合されてよい。後続のステップで、分配プランジャー154は、回収され(図25A〜B)、スライド支持要素114のベース134は、試薬がスライド140から排出されるように反応室112内で傾けられ、排液口146に回収され、反応室112から除去され、廃棄物貯蔵容器(示されていない)に回収される試薬排出160を形成する。後のステップ(図26A〜B)で、スライド140は、上向きの水平位置に戻り、試薬ストリップ10を、リンス口装置32が注入口オリフィス124上に配置されるまで前進させ、リンス溶液163をリンス溶液貯蔵槽(示されていない)から供給する。さらに、空気または液体は、試薬158を混合するため、または試薬158をスライドから除去するため、またはスライド140からの試薬158あるいはリンス溶液163のリンスを強化するために(例えば、図27A〜Bを参照)、分配プランジャー154の分管156を通して供給されてよい。最後に、図28に示すように、試薬ストリップ10からの全ての試薬が分配された後、スライド140を保持するスライド支持要素114の一部は、反応室112から回収され、スライド140は、それから、スライド支持要素114から除去される。図29〜30は、それぞれ図24Aおよび26Aの拡大版であり、そのステップをより容易に示すための目的で本明細書に提供されることに留意する。
【0072】
図31A〜32Bは、空気162の噴出がどのように第一空気/圧力ダクト150および第二空気/圧力ダクト152から供給され、スライド140上の試薬158を混合するために使用されるかのより詳しい説明を提供する。好ましくは、第一空気/圧力ダクト150および第二空気/圧力ダクト152は、試薬158を攪拌するために時計周り/逆時計回り方向に交互に空気162の噴出を提供するために交互に作動される。第一空気/圧力ダクト150および第二空気/圧力ダクト152は、反応室112を加圧するために同時に使用されてよい。所望する時間いつでも、加熱要素164は、本明細書に詳しく記述されるように、スライド140およびその上の試薬158を加熱するために使用されてよい。図33〜35Bに示すように、スライド140が加熱された後、冷却ダクト148を介して空気または液体を、スライド140が配置されるホットプレート166の下に位置し、加熱するために使用される加熱要素164の下に位置するサブ加熱要素冷却スペース148aに方向づけることにより急速に冷却されてよい。冷却に使用された空気または液体は、それから、冷却ダクト出口148bを通過できる。他の実施形態において、図36〜38Bに示すように、サブ加熱要素低客スペース148cは、サブ加熱要素冷却スペース148cを通過する冷却空気または液体が、冷却ダクト148の一つを介して供給され、外側冷却ダクト148を介してスライド支持要素114を出ることを除き、サブ加熱要素冷却スペース148aに類似する。
【0073】
通風口、通風孔、および急速冷却窓の様々な組み合わせの図39〜78のそれらと類似した特徴をもつ図23〜38Bの試薬ストリップの他の実施形態は、特に通風口、通風孔、および急速冷却窓のサイズ、形状および位置に関して、容易に想定される。
【0074】
本発明のそれぞれの個々の試薬容器、例えば、14、78および94は、内空が吸引を収容できるように除去されている容器であってよい。試薬を充填するために、試薬源は、試薬容器(示されていない)の充填口と連結されていてよく、次に吸引が、試薬を試薬容器の内空に引き込む。試薬容器量は、試薬源から試薬容器に引き込まれる試薬の量を制限する。
【0075】
代替的に、試薬容器は、下(分配)位置に存在するプランジャーまたはピストンを有してよい。試薬容器の分配口(例えば、注入器ノズル)は、試薬源に連結される。試薬は、試薬容器のプランジャーまたはピストンを上向き方向に動かすことにより、試薬容器に引き込まれる。一度、プランジャーまたはピストンが最上端位置に達すると、個々の試薬容器が充填される。試薬容器の充填は、一般のシリンジを試薬で充填し、シリンジの出口を個々の試薬容器の底に固定し、試薬を試薬容器に押すことにより、試薬容器のプランジャーまたはピストンを上向き方向に動かし試薬容器を充填する方法と同じように簡単である。各試薬容器の注入器ノズルの底は、それから、自身の個々のキャップまたはシールで密閉される。試薬ストリップの複数のキャップまたはシールは、一緒に除去される。このリンクは、ある実施形態において、試薬ストリップ支持デバイス上の試薬ストリップを設置する前に注入器ノズルを曝すために、一回の作動でキャップを除去するために役立つ。注入器ノズル(すなわち、試薬ストリップの分配側)の密閉の代替の実施形態において、フォイル、プラスチックまたは他の手段から作られたカバーが使用されてよく、注入器ノズルを曝すために使用前に剥がすことができる。
【0076】
好適な実施形態において、反応モジュールに通じる注入器ノズル、試薬ストリップおよび分配プランジャーまたはピストンあるいは他のダクトは、試薬が分配される反応室の内圧以上の圧力を使用することにより試薬を分配できる。例えば、反応室が30psig(308.1kPa)で加圧される場合、試薬は、反応室の圧力を打ち消すために、30psig(308.1kPa)を超える力で反応室に分配されなければならない。さもなければ、反応室は、試薬を添加するために減圧されなければならない。減圧は、高温で極度の蒸発のためにスライド上の試薬を蒸発されてしまうため、そのような減圧ステップは、たぶん有害である。本発明は、0以上350psig(101.3kPa〜2514kPa)の範囲、好ましくは、0.5〜100psig(104.8kPa〜790.6kPa)の範囲、より好ましくは、5〜50psig(135.8kPa〜446.0kPa)の範囲の圧力下で試薬を分配でき、反応室もこれらのレベルで加圧されてよい。
【0077】
本発明の試薬ストリップは、例えば、23〜38Bに示すように、図本発明の抗原回復装置の反応室に設置された、または設置される前に、試薬を顕微鏡スライドに提供するために使用される。
【0078】
図23〜38Bに示すように、装置の各反応室は、好ましくは、中空のシリンダ、好ましくは、熱可塑性樹脂または重合体(これに制限されないが、高温および高圧に耐えられるポリカーボネートまたは他の重合性物質)、ガラス、Pyrex(R)、石英、他の結晶物質および金属および合金から構成される。使用中に反応室内に生み出される高圧がその中でより均一に分散されるため、反応室の管性質が好まれる。
【0079】
スライド支持要素と反応室の間のシールは、図23〜38Bに示すように、O−リングを使用して形成されるか、または合わせ面の形状により膨張可能なO−リング、シールまたは膨張可能なシールを使用して形成されてよい。シールは、プラスチック、重合体、熱可塑性、樹脂、セラミック、ゴム、金属ガラスまたは複合材料から構成されてよい。好適な実施形態において、スライド支持要素と反応室の合わせ面は、低許練磨または研磨されたシール面である。シール面は、連結された場合、合わせ面の視覚的または上に持ち上げられるシールの必要性を省く。本実施形態において、連結された場合、練磨または研磨された合わせ面だけで、反応室を密閉するための大きな表面積をもつ微視的シールを作り出し、100℃以上の高温条件下でもその中の高圧(気圧以上)を維持する。スライド支持要素および管反応室の材料は、合わせ面の非常に高許容な練磨または研磨されたシールを特徴とする。好適な実施形態において、スライド支持要素および反応室は、Pyrex(R)のような高温ガラスまたは気圧以上の圧力を維持するシールを形成するための練磨または研磨された合わせ面を作り出すことができるあらゆる材料から作成される。2つの練磨または研磨された面が連結されると、反応室の練磨または研磨された面に対して練磨されたガラス面またはスライド支持要素の研磨された面は、気密で耐圧なシールを作り出し、合わせ面の隙間を埋めるための個別の交換可能なまたは持ち上げられたシールはない。本発明の本実施形態は、持ち上げられたシール(例えば、O−リング)の必要性を省くため、O−リングなどの個別の要素の交換のためのメンテナンスコストを削減し、単純性と効率性を向上し、気圧レベル(例えば、14.7psig(101.325kPa)以上(すなわち、0psig(101.325kPa)以上))以上の圧力下および100℃以上高温条件下でさえ、反応室を密閉する。
【0080】
本発明の装置は、好ましくは、図23に示す反応モジュール110などの複数の反応モジュールを含む。各反応モジュール110は、管反応室112、スライド支持要素114および試薬ストリップ支持デバイス116を含む。反応室は、スライド支持要素114が、その顕微鏡スライド140上の生体試料を処理するために移動されてよい、内面118および内空120を有する。スライド支持要素114は、シリンジ内のピストンと類似した方法で、反応室112の内外にスライドできる。スライド支持要素114が反応室112から回収されると、スライド140は、そこに配置またはそこから取り外されてよい。スライド支持要素114は、本明細書に記述するように、スライド140上の材料を処理するために反応室112に挿入されてよい。以下に示すように、スライド支持要素114は、図(例えば、図25B)に示すように、スライド140が処理された後、スライド140から試薬または液体の除去を容易にするために反応室112内で回転(または傾けられる)されてよい。スライド140上の試薬または液体は、例えば、図31A〜32Bに示すように、空気循環により混合されてよい。加熱後、スライド140は、例えば、図34A〜38Bに示すように、その下の空気または液体により冷却されてよい。他の実施形態において、スライド140は、加熱スライド140の下を通過することによりスライド140上に分配される循環試薬に熱を伝達することにより、事前加熱された試薬のような循環液を使用して冷却されてよい。
【0081】
反応室112は、高温および加圧適合デバイスの分野で知られる材料から構成されてよい。材料は、これに制限されないが、プラスチック、複合材料、セラミック、金属および被覆金属も含む。装置は、細孔性への耐性、疎水性および親水性性質を増加するため、掃除の容易性、化学耐性およびしみ抵抗性のために、塗装されてよい。これらの塗装は、例えば、Teflon(R)、フッ化重合体、全ての反応室112の表面および装置の異なる部分に存在する異なる塗装を用いた周囲の構造にこれらの所望する性質を与える他のあらゆる周知の塗装であってよい。ある実施形態において、例えば、反応室112の内面118は、反応室112の内面118に凝縮された試薬の排出を補助するためおよびそこからの試薬の除去を容易にするために、疎水性、化学およびしみ抵抗性塗装で塗装される。
【0082】
反応モジュール110のスライド支持要素114は、好ましくは、加熱要素136、および(一つのおよび同様の)ホットプレートを含み、そのスライド140を位置づけ固定するためのガイドクリップ138または釘または要素を含んでよい。クリップ138の先端は、スライド140の試薬が毛細管作用によりクリップ138によって吸収されるのを防ぐために、顕微鏡スライド140の上面下に配置されてよい。
【0083】
特に好適な実施形態において、加熱要素136の下は、加熱要素136を急速に冷却することにより顕微鏡スライド140およびその試薬を急速に冷却するために、冷却ダクト148を介して気体または液体源に連結される一つ以上のくぼみ(サブ加熱要素冷却スペース148a)である。
【0084】
スライド支持要素114および反応室112は、加圧条件下での使用およびこれに制限されないが、ステンレススチール、金属、プラスチック(透明または半透明)、重合体(例えば、ポリカーボネート)、調質されたガラスおよびPyrex(R)などの研究試薬による破壊の耐性に適切なあらゆる材料から構成されてよい。
【0085】
反応モジュール110からの廃棄および使用済み試薬の汚染は、ここで簡単に説明され、以下でより詳しく説明する。
【0086】
好適な実施形態において、本発明の装置は、複数の管または導管を繋ぐことができる嵌合により全ての反応モジュール110に連結されてよい廃棄容器(示されていない)を有する。本発明の好適な実施形態において、この主な嵌合(示されていない)は、廃棄物容器にある破壊可能な接合により廃棄物容器(好ましくは、使い捨てまたは再使用不可能)に連結されてよい。廃棄物容器の嵌合は、装置の主な嵌合にはまる。この取り付けは、安全であり、圧力下で漏れない。取り外されると、廃棄物容器のこの嵌合は、部分的に「破断」し、気密、漏れ止め、不正防止、分離不可能なシールを廃棄物容器に残す。廃棄物容器から分離された残留部は、技術者により除去され、それから、新しい廃棄物容器に再取り付けされる準備が整う。廃棄物容器は、ここで、医療廃棄物職員により全体として配置される準備が整う。他のシールを必要としない。破断された嵌合の不正防止シールは、密封された廃棄物容器のあらゆる廃棄物から医薬廃棄物職員を保護する。
【0087】
代替実施形態において、廃棄物容器の取り外し可能な嵌合は、主な装置嵌合にいかなる残留部がないかもしれないが、むしろ使い捨て廃棄物容器の取り外し可能な部分からきれいに「破壊」または「外れる」。
【0088】
代替的な実施形態において、装置は、2つ以上の廃棄物容器を有してよく、作動中の反応モジュールから廃棄物を受け取るために取り付けられた一つ以上の廃棄物容器を保持している間、一杯になった廃棄物容器を一つ取り外すことが可能である。マイクロプロセッサは、廃棄物容器に位置するセンサーにより、廃棄物容器の交換の必要を技術者に知らせる。技術者が装置からの警報を無視することを選択した場合、一杯になった廃棄物容器を交換するのに都合のよい時間まで、他の廃棄物容器に廃棄物をそらすことができる。処理デバイスは各反応モジュール110を独立して操作するため、廃棄物容器は、任意の作動中の反応モジュール110から廃棄物を受け取るように設定され、一杯になったあらゆる廃棄物容器を交換するために装置を停止する必要性を省く。廃棄物容器は、他のあらゆる廃棄物容器が交換されている間、少なくとも一つの廃棄物容器を作動中に保つためにシリーズまたは平行して連結されてよい。マイクロプロセッサは、全ての廃棄物容器と直接通信し、取り外され、交換プロセス中の嵌合に行く廃棄物経路を遮断する。
【0089】
代替実施形態において、装置は、一杯になった時に、廃棄物回復手順を開始するために技術者に知らせる主要な廃棄物容器を一つ有してよい。主要の廃棄物容器は、廃棄のため第二廃棄物容器に排液されてよい。
【0090】
廃棄物容器は、浄化を助けるために活性炭または他の中和化学物質で装填されてよい。廃棄物容器は、圧気液の蓄積を解くために中和フィルターを有する通気口を有してよい。
【0091】
再び図に戻り、反応モジュール110(および本明細書で記述される他のもの)がどのように作動するかをより詳しく示す。
【0092】
上述のように、反応モジュール110を用いた試薬ストリップ10の作動シーケンスは、一般的に、図23〜38Bに示される。
【0093】
スライド140は、スライド支持要素114の加熱要素136またはホットプレート166に装填され、スライド支持要素114上の顕微鏡スライド140の適切な位置を検証するために位置設定クリップ138またはガイド釘または他の位置決め要素により配置される。スライド支持要素114およびスライド140は、それから、反応室112に移動され、O−リング144および145により密閉される。試薬ストリップ10は、反応分配ストリップ支持デバイス116に配置される。プロトコルは、自動的または手動で(本明細書で記述される)入力され、複数の反応モジュール110を備える装置は、開始するように指示される。プロトコルにより、加熱要素136がスライド140の加熱を開始するか、またはプロトコルが試薬ストリップ10または分配プランジャー154を介して他の源から試薬の分配を指示する。
【0094】
試薬ストリップ10に位置する個々の試薬容器14が選択されると、特定の試薬容器14が注入口オリフィス124および分配プランジャー154に配置され、顕微鏡スライド140にそこから試薬48を放出するために、試薬容器14内のピストン44を押し下げる。試薬ストリップ10は、それから、注入口オリフィス124の上の試薬ストリップ10(例えば、一般的に、隣接した試薬容器14間に位置する)のリンス口装置76を配置するために移動され、分配プランジャー154が注入口オリフィス124を密閉するために下げられるか、または追加の空気または試薬が反応室112に注入される。一度、スライド140に適用された試薬158が、スライド140を傾けることにより、または洗浄によりスライド140から取り外されると、スライド140は、さらに試薬により洗浄されるか、または分配プランジャー154からの加圧空気で処理されてよい。
【0095】
米国特許6,534,008および6,855,292に開示されるように、顕微鏡スライドを処理するために使用される本発明の装置は、複数の反応モジュール110を有し、各モジュールは、加熱状態中、反応室112内に含まれる気体による蒸発性熱損失を削減するために密閉可能な反応室112を有する。
【0096】
本明細書で記述されるように、本発明の反応モジュールの反応室は、反応室の加熱中に加圧される、または顕微鏡スライドまたは反応モジュールの他の室が加熱される前に、加熱せずに加圧される、または事前加圧(正または負に)されてよい。反応室は、反応室内の好ましい圧力レベルを維持するために、事前加圧され、次に加熱され、次に再度加圧されてよい。反応室は、反応室内の試薬、溶液または液体により、または外部源から提供される、あるいは空気/圧力ダクトまたは導管または吸引ラインを介して反応室に供給される空気、蒸気、ガス、N、または管を加圧するために一般的に使用される任意の他のガスにより生成された気体、ガスまたは蒸気のいずれかにより加圧されてよい。
【0097】
(図39〜78の実施形態)
本発明で使用され、米国特許6,534,008および6,855,292でも使用される試薬ストリップの様々な実施形態は、図39〜78に示される。これらの試薬は、以下で記述するように、反応室112内で生成される気体の通気を調節するための様々な穴、開口部、スリットおよび窓を有する。
【0098】
本発明で使用されてよい試薬ストリップの代替実施形態は、本明細書の図39〜78に示され、米国特許番号6,534,008および6,855,292、および米国特許出願番号10/245,035および10/943,386で使用または記述される試薬ストリップの実施形態に類似する。
【0099】
図39〜42に示すのは、試薬を含むカプセルを砕くことができる分配プランジャーを有する以下で説明する装置の代替実施形態で使用される試薬ストリップ170である。試薬ストリップ170は、ベース172、上面171、底面173、複数の試薬カプセル174を有し、それぞれ、その下に試薬分配口176および対の試薬カプセル174の間に配置される複数の通気穴178を有する。通気穴178は、過剰の気体が反応室から抜けることを可能にすることにより反応室内の過剰な圧力の蓄積を阻止する。
【0100】
図43〜46に示すのは、試薬を含むカプセルを砕くことができる分配プランジャーを有する以下で説明する装置の代替実施形態で使用される別の試薬ストリップ170aである。試薬ストリップ170aは、ベース172a、上面171a、底面173a、複数の試薬カプセル174aを有し、それぞれ、その下に試薬分配口176aおよび隣接する試薬カプセル174aの一つの間に配置される複数の通気穴178aを有する。通気穴178aは、過剰の気体が反応室から抜けることを可能にすることにより反応室内の過剰な圧力の蓄積を阻止する。
【0101】
図47〜50に示すのは、試薬を含むカプセルを砕くことができる分配プランジャーを有する以下で説明する装置の代替実施形態で使用される別の試薬ストリップ170bである。試薬ストリップ170bは、ベース172b、上面171b、底面173b、複数の試薬カプセル174bを有し、それぞれ、その下に試薬分配口176bおよび試薬ストリップ170bの端近くの間に配置される複数の通気穴178bを有する。通気穴178bは、過剰の気体が反応室から抜けることを可能にすることにより反応室内の過剰な圧力の蓄積を阻止する。
【0102】
図51〜54に示すのは、試薬を含むカプセルを砕くことができる分配プランジャーを有する以下で説明する装置の代替実施形態で使用される別の試薬ストリップ170cである。試薬ストリップ170cは、ベース172c、上面171c、底面173c、複数の試薬カプセル174cを有し、それぞれ、その下に試薬分配口176cおよび対の試薬カプセル174cの間に配置される通気孔180cを有する。通気孔180cは、過剰の気体が反応室から抜けることを可能にすることにより反応室内の過剰な圧力の蓄積を阻止する。
【0103】
図55〜58に示すのは、試薬を含むカプセルを砕くことができる分配プランジャーを有する以下で説明する装置の代替実施形態で使用される別の試薬ストリップ170dである。試薬ストリップ170dは、ベース172d、上面171d、底面173d、複数の試薬カプセル174dを有し、それぞれ、その下に試薬分配口176dおよび通気孔180dおよび対の試薬カプセル174dの間に配置されるおよび急速冷却窓182dを有する。通気孔180dは、過剰の気体が反応室から抜けることを可能にすることにより反応室内の過剰な圧力の蓄積を阻止し、急速冷却窓182dは、加熱ステップ後、顕微鏡スライドおよび反応室の冷却速度を加速する。
【0104】
図59〜62に示すのは、試薬を含むカプセルを砕くことができる分配プランジャーを有する以下で説明する装置の代替実施形態で使用される別の試薬ストリップ170eである。試薬ストリップ170eは、ベース172e、上面171e、底面173e、複数の試薬カプセル174eを有し、それぞれ、その下に試薬分配口176eおよび通気孔180eおよび急速冷却窓182eを有する。通気孔180eは、過剰の気体が反応室から抜けることを可能にすることにより反応室内の過剰な圧力の蓄積を阻止し、急速冷却窓182eは、加熱ステップ後、顕微鏡スライドおよび反応室の冷却速度を加速する。
【0105】
図63〜66に示すのは、試薬を含むカプセルを砕くことができる分配プランジャーを有する以下で説明する装置の代替実施形態で使用される別の試薬ストリップ170fである。試薬ストリップ170fは、ベース172f、上面171f、底面173f、複数の試薬カプセル174fを有し、それぞれ、その下に試薬分配口176fおよび隣接する試薬カプセル174fの一つの間のベース172fの中心に配置される通気孔180fを有する。通気孔180fは、過剰の気体が反応室から抜けることを可能にすることにより反応室内の過剰な圧力の蓄積を阻止する。
【0106】
図67〜70に示すのは、試薬を含むカプセルを砕くことができる分配プランジャーを有する以下で説明する装置の代替実施形態で使用される別の試薬ストリップ170gである。試薬ストリップ170gは、ベース172g、上面171g、底面173g、複数の試薬カプセル174gを有し、それぞれ、その下に試薬分配口176gおよび対の試薬カプセル174gに隣接して配置される複数の通気穴178gを有する。通気穴178gは、過剰の気体が反応室から抜けることを可能にすることにより反応室内の過剰な圧力の蓄積を阻止する。試薬ストリップ170gは、顕微鏡スライドおよび反応室の冷却を加速するための急速冷却窓182gをさらに含む。
【0107】
図71〜74に示すのは、試薬を含むカプセルを砕くことができる分配プランジャーを有する以下で説明する装置の代替実施形態で使用される別の試薬ストリップ170hである。試薬ストリップ170hは、ベース172h、上面171h、底面173h、複数の試薬カプセル174hを有し、それぞれ、その下に試薬分配口176hおよび通気孔180hおよび急速冷却窓182hを有する。通気孔180hは、過剰の気体が反応室から抜けることを可能にすることにより反応室内の過剰な圧力の蓄積を阻止し、急速冷却窓182hは、加熱ステップ後、顕微鏡スライドおよび反応室の冷却速度を加速する。
【0108】
図75〜78に示すのは、試薬を含むカプセルを砕くことができる分配プランジャーを有する以下で説明する装置の代替実施形態で使用される別の試薬ストリップ170iである。試薬ストリップ170iは、ベース172i、上面171i、底面173i、複数の試薬カプセル174iを有し、それぞれ、その下に試薬分配口176i複数のおよび通気穴178iおよび急速冷却窓182iを有する。通気穴178iは、過剰の気体が反応室から抜けることを可能にすることにより反応室内の過剰な圧力の蓄積を阻止し、急速冷却窓182iは、加熱ステップ後、顕微鏡スライドおよび反応室の冷却速度を加速する。
【0109】
図39〜78の試薬ストリップの通気口構造は、試薬の沸騰状態を生み出し維持するために試薬からの蒸気損失量を調節することにより、反応室112内に充分な熱が含まれるのを可能にするように設計される。水性試薬は、溶液に含有する溶質量により、異なる温度で沸騰することを理解する。少量の水性溶液(例えば、500μL〜100ml)を沸騰する時、溶液は、液体相が気相になるある特定の沸騰点に達することも理解する。この進行過程は、反応室からの蒸発性熱損失の量を削減するために調節されるべきである。
【0110】
蒸発性気体の放出を調節する能力がなぜ沸騰状態を維持するために重要であるかの例は、スライド近くに頂部開口型室を配置することにより実証される。沸騰状態に加熱中、小さいガス状気泡は、試薬が一番厚いスライドの表面に形成される。これらの気泡は、顕微鏡スライドの表面にもはや付着できないサイズに達すると、剥離され、加熱された試薬のより冷たい上層部に上昇する。気泡は、それから、大気に気相を放出するために試薬の表面で破裂する。このエネルギー放出は、試薬の上層部を冷却する。この性質は、下層部のみが沸騰点に達するのを可能にし、試薬の残りは、蒸発性熱損失のため試薬の沸騰点以下の温度にしか達せず、よって、全体の試薬の温度を低下させる。試薬は、蒸発へとその容量を徐々に失い、多くの抗原回復プロトコルに必要な一定の激しく沸騰する状態に達することはない。
【0111】
逆に、本発明のプロセス中に起こるように、反応室は、密閉されるか、実質的に密閉されるため、試薬は、試薬層を通して急速に沸騰状態の平衡になり、激しい一定の沸騰状態を保ち、密閉された反応室内の圧力を蓄積する。調節されていない場合、圧力は、安全なレベルを超え、反応室は、次第に圧力下で機能しなくなるかもしれない。スライド状の試薬の一定の激しい沸騰作用の利点を得るために、蒸発性熱損失は、激しい沸騰状態を維持する速度で気相を放出するように、効率的に反応室を密閉することにより調節されなければならない。
【0112】
図39〜78に示す試薬ストリップは、様々な量、例えば、10μlから2〜5mlの試薬、液体または緩衝液を含有するために複数のカプセルサイズを含む。カプセルは、着色、リンス、抗体、緩衝液、化学物質または溶媒などの試薬を含み、試薬ストリップは、好ましくは、少なくとも一つの通気口、通気孔、または窓を有する。各通気口は、好ましくは、直径が10μm〜20mmで、試薬ストリップの上面と底面の間に伸びる。各試薬ストリップには、一般的に1〜20の通気口があるが、他の実施形態においては、それ以上あるかもしれない。試薬ストリップは、抗原回復緩衝液または他の試薬を分配するためのカプセルを一つだけ用いて構成されてよい。
【0113】
試薬ストリップの通気口および通気孔の数および直径は、使用される試薬と抗原回復緩衝液の種類と顕微鏡スライドに適用される抗原回復緩衝液を加熱するプロセス中に放出されるであろう圧力、蒸気、気体またはガスの量により変動してよい。
【0114】
通気口が穴ではなく孔またはスリットまたは窓の場合、通気口は、例えば、幅が10μm〜10mmであってよい。試薬ストリップには、一般的に1〜20の通気口があるが、他の実施形態においては、それ以上あるかもしれない。通気口または通気孔は、好ましくは、隣接したカプセルの間またはカプセルのスライドの隣の試薬ストリップの位置に配置される。好ましくは、本明細書に関する本発明の試薬分配スリップのいずれか一つは、1〜25の試薬容器のみ、1〜20の試薬容器のみ、1〜15の試薬容器のみ、または1〜10の試薬容器のみを含む。
【0115】
(図79〜85の実施形態)
図79〜85に示すように、本発明の装置の反応モジュールの他の代替版において、反応モジュール210は、反応モジュール110に類似し、反応室112に類似した反応室212、スライド支持要素114に類似した214および試薬ストリップ支持116に類似した試薬ストリップ支持デバイス216を含む。反応室212は、反応室212および任意でそこに配置されるときスライド支持要素214、またはその中の他のガスまたは液体を加熱するための反応室ヒーター218を含む。反応室ヒーター218は、電源(示されていない)に接続するためのリード220を有する。反応室212は、試薬または他の溶液を反応室212に供給するための試薬導管222および注入口オリフィス224をさらに含む。反応モジュール210は、そこに配置された試薬ストリップ(本明細書に開示される試薬ストリップのいずれかなど)を加熱するための試薬ストリップ支持デバイス216に組込まれる試薬ストリップヒーター226をさらに含む。リード228は、試薬ストリップヒーター226を電源(示されていない)に接続する。反応モジュール210は、試薬導管222を加熱することにより、試薬導管222を通して反応室212に通過する時、しかしスライドが反応室212の外にある時に試薬が適用される場合、顕微鏡スライド上の試薬を加熱するように機能する、試薬導管ヒーター230をさらに含む。リード232は、試薬導管ヒーター230を電源(示されていない)に接続する。スライド支持要素214は、ベース240およびハンドル242およびベース240と反応室212内の顕微鏡スライドを密閉するための前O−リング244および後O−リング246を含む。スライド支持要素214は、顕微鏡スライド土台/ヒーター248をさらに含み、操作中、そこに配置された顕微鏡スライド250を有し、顕微鏡スライド250は上面251を有する。ベース240は、スライド土台/ヒーター248の下に位置するベース空間252をさらに含み、そこに位置し、リード256を介して電源(示されていない)に接続されるベース空間ヒーターを有する。ベース空間ヒーター254は、本発明の他の実施形態のために本明細書で記述されるように、ベース空間252内に配置された試薬を顕微鏡スライド250およびその上に配置された生体試薬および試薬258を加熱するのに充分な温度に加熱するように機能する。ある好適な実施形態の試薬258は、図79に示すように、顕微鏡スライド250を完全に沈める。本実施形態における試薬ストリップ支持デバイス216は、反応室212内(図79、82、82)または反応室の外(図80、81)に配置されるときのいずれかにおいて、分配プランジャー(すなわち、分配要素)が試薬262を直接顕微鏡スライド250に供給できるように、そこに(試薬ストリップ支持デバイス116にも含まれてよい)スロット260を含む。図80、81および84に示すように、試薬は、顕微鏡250スライドがスライド支持要素214上の反応室212の外に配置される時、顕微鏡スライド250に適用またはから除去されてよい。試薬は、分配プランジャー264の先端を顕微鏡スライド250に移動し、そこから試薬を吸引することにより、分配プランジャー264により顕微鏡スライド250から除去されてよい。試薬は、分配プランジャー264の一つ以上の導管268を通して顕微鏡スライド250に供給するか、そこから除去されてよい(図84)。導管268は、試薬または溶液を供給するため、試薬を(例えば、吸引を介して)除去するために機能するか、または圧力下の空気、ガス、または液体を供給してよい。
【0116】
他の実施形態において、本発明の反応モジュールは、スライド加熱要素136または248、反応室ヒーター218、試薬ストリップヒーター226、試薬導管ヒーター230およびベース空間ヒーター254、および存在する時、互いに個々に独立して機能する本明細書に記述する任意の加熱システムの一つまたはいかなる組み合わせを有してよい。
【0117】
図85に表示されるように、複数の反応モジュール210は、好ましくは、単一室282内に配置され、一つ以上のそのような室282は、例えば、5〜50の反応モジュール210を含む着色装置280を提供するために組み合わされてよい。
【0118】
好ましい実施形態において、本発明の反応モジュールの反応室および/またはスライド支持要素は、高温(例えば、100℃以上またはより好ましくは、130℃以上)を含む殺菌状態に曝されてよく、反応モジュールが使用された後に反応室およびスライド支持要素に残る核酸、抗体、病原体または毒素または他のタンパク質などの残留化学物質または材料を除去または変性するために、蒸気および/または化学物質を使用してよい。好適な実施形態において、加熱後の反応室および/またはスライド支持要素は、残留タンパク質または物質をさらに変性または不活性化するために、例えば、3秒、5秒、10秒または20秒以内に、急速に室温近くまたは50℃以下に冷却される。
【0119】
本発明の他の実施形態において、複数のスライドは、本明細書に記述するように、試薬または溶液をスライドに適用し、気圧以上のレベルに室を加圧することにより(個々にまたは教習の室内のいずれかで)処理され、スライド上の生体試料または他の生体化学物質あるいは他の複合生物体はさらなる加熱の対象ではない。
【0120】
本明細書で記述するように、好ましくは、スライド支持要素、反応室、試薬ストリップ、試薬ストリップ支持デバイス、分配要素、プローブ、導管、混合ジェット、加圧手段、冷却手段、吸引デバイス、排液口、加熱デバイスおよび試薬導管は、独立して操作可能であり、独立して移動可能である。
【0121】
本発明のin−situ抗原回復および着色装置は、一つの要素として、試薬ストリップまたはタイルまたは容器などの試薬ストリップ部品を同定する光学文字またはコードを読取るまたは検出するためのデバイスを有する。
【0122】
本発明のプロセスの様々な実施形態は、これに制限されないが、(1)本発明の装置を使用して試薬をスライドに適用し、反応室を加圧するステップを用いてあるいは用いずにスライドを加熱する、(2)試薬または溶液でベース空間を充填することによりスライドを沈め、反応室を事前加圧した後、ベース空間のスライドおよび試薬溶液を加熱する、(3)ベース空間を試薬または溶液で充填した後、加熱ステップ前に事前加圧せずにスライドまたは溶液を加圧する、または(4)液体がスライドに直接接することなくベース空間の底に液体を配置した後、反応室を加圧し、二次的にスライドとその試薬を加熱(スライドは、任意でスライドヒーターにより加熱されてもよい)する気体形成を引き起こすためにベース空間の液体を加圧する、ことを含む。
【0123】
本発明の他の実施形態は、米国特許番号6,534,008、米国出願番号10/245,035、米国特許番号6,855,292および米国仮特許番号60/142,789;60/684,047;60/689,386および60/730,744に示され、また記述されており、本明細書のそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に記載されているものとみなす。
【0124】
本明細書の特定の好適な実施形態と合わせて本発明は上述され、そして以下のさらなる詳細において、その側面がより完全に理解され、認識されるが、本発明をこれらの特定の実施形態に制限する意図はない。逆に、添付の請求項により定義される本発明の範囲内に含まれる全ての代替、変形および等価物をカバーするものとする。従って、好適な実施形態を含むこれらの例および実施形態は、本発明の手法を例示するためであり、示される特定のものは、症例および本発明の好適な実施形態の例示的説明の目的のみであり、公式化手順だけでなく本発明の基本原理および概念的側面において最も役立ち、容易に理解される説明であると信じられるものを提供するために提示されることを理解する。
【実施例】
【0125】
(実施例1)
(1)スライド支持要素に顕微鏡スライドを配置し、反応室内に入れる。
(2)抗原回復緩衝液を添加する。
(3)スライドヒーターを130℃に設定する。
(4)圧力調節器を23psig(259.9kPa)に設定する。
(5)抗原回復緩衝液が125℃に達する。
(6)125℃で10分間、インキュベートする。
(7)ヒーターをオフにして、空気または液体冷却システムをオンにする。
(8)5分間冷却する。
(9)緩衝液で洗浄し、着色プロトコルに進む。
【0126】
(実施例2)
(1)支持要素に顕微鏡スライドを配置する。
(2)個々の反応室内に顕微鏡スライドを入れる。
(3)1〜2mlの抗原回復試薬を顕微鏡スライドに分配する。
(4)外部口を全て閉める。
(5)反応室を約25psig(273.7kPa)に事前加圧するために圧力口を開く。
(6)約120℃に達するためにスライド上のヒートプレートをオンにする。
(7)反応室の圧力調節により120℃の温度を維持するように圧力調節器を設定する。
(8)試薬が120℃の温度に達する。
(9)加熱は、約120℃で30分間、維持される。
(10)ヒーターをオフにし、空気または液体冷却システムをオンにする。
(11)5〜10分、冷却する。
(12)気圧に圧力を放出する。
(13)抗原回復試薬を冷却する。
(14)PBS洗浄緩衝液でスライドを洗浄する。
(15)着色プロトコルに進む。
【0127】
(実施例3)
反応室に存在する3mlsの抗原回復緩衝液は、例えば、60分の処理時間後、100℃@8psig(156.6kPa)、106℃@10psig(170.3kPa)、110℃@12psig(184.0kPa)、115℃@15psig(204.7kPa)、120℃@16psig(211.6kPa)、125℃@23psig(259.9kPa)または130℃@30psig(308.1kPa)、140℃@40回復緩衝液を含む、特定の圧力で特定の反応温度に加熱されてよい。
【0128】
(実施例4)
(圧力着色プロトコルを用いた周囲温度)
1)スライド支持にスライドを配置する。
2)スライド支持を室に密閉するために、室を閉める。
3)試薬ストリップまたは他の分配要素により試薬を分配する。
4)別のガスを用いて所望の圧力(50〜100psig:446〜790.6kPa)に室を加圧する。
5)所望する時間(10〜120分)の間、試薬をインキュベートする。
6)廃棄物口を開口することにより、室を減圧する。
7)スライドを洗浄および/または傾けることにより試薬スライドを洗浄する。
8)全ての試薬が特定のプロトコルのために、および所望する時間の間分配されるまで、ステップ3〜7を繰り返す。
【0129】
(実施例5)
(事前加圧を用いた高温抗原回復プロトコル)
1)スライド支持にスライドを配置する。
2)スライド支持を室に密閉するために室を閉める。
3)試薬ストリップまたは他の分配要素により、顕微鏡スライドに試薬を分配する。
4)別のガスを用いて所望の圧力(15〜30psig:204.7〜308.1kPa)に室を加圧する。
5)少なくとも一つの加熱要素(すなわち、スライドヒーター、室ヒーター、空間ヒーター)をオンにし、125℃に加熱する。
6)圧力は、圧力放出弁または加熱変調(すなわち、加熱要素のオフおよびオン)により、15〜20psig(204.7〜239.2kPa)に維持される。
7)125℃で10〜30分間、試薬をインキュベートする。
8)試薬が50℃以下に冷めるまで、ヒーターをオフにし、冷却ダクト(液体または空気)をオンにする。
9)凝縮および圧力を廃棄物口から送り出して、室を減圧する。
10)スライドを洗浄および/または傾け洗浄することにより、試薬スライドを洗浄する。
11)試薬を分配し、圧力を用いてまたはなしで、および/または所望する時間の間加熱または加熱せずにインキュベートする。
12)全ての試薬が分配されるまでステップ9〜10を繰り返す。
【0130】
(実施例6)
(事前加圧を用いない高温抗原回復プロトコル)
1)スライド支持にスライドを配置する。
2)スライド支持を室に密閉するために室を閉める。
3)試薬ストリップまたは他の分配要素により試薬を分配し、スライド全体を試薬(すなわち、抗原回復試薬)に完全に沈めることにより、試薬で室を充填する。
4)少なくとも一つの加熱要素(すなわち、スライドヒーター、室ヒーター、空間ヒーター)をオンにし、125℃に加熱する。
5)試薬の沸騰により圧力が生み出される。
6)圧力は、圧力放出弁または加熱変調(すなわち、加熱要素のオフおよびオン)により、25psig(273.7kPa)に維持される。
7)125℃の温度で10〜30分間、試薬をインキュベートする。
8)試薬が50℃以下に冷めるまで、ヒーターをオフにし、冷却ダクト(液体または空気)をオンにする。
9)凝縮、試薬および圧力を廃棄物口から送り出して、室を減圧する。
10)スライドを洗浄および/または傾け洗浄することにより、スライドまたは試薬を洗浄する。
11)試薬を分配し、圧力を用いてまたはなしで、および/または所望する時間の間加熱または加熱せずにインキュベートする。
12)全ての試薬が分配されるまでステップ10〜11を繰り返す。
【0131】
(実施例7)
(高温抗原回復プロトコル−空間が加圧を用いて高温状態を維持するための蒸気を作り出す)
1)スライド支持にスライドを配置する。
2)スライド支持を室に密閉するために室を閉める。
3)試薬ストリップまたは他の分配要素により、顕微鏡スライドに試薬を分配する。
4)脱イオン(D.I.)水または他の液体試薬をスライドの下の空間に添加する(脱イオン水は、顕微鏡スライドに接触しない)。
5)スライド加熱要素および空間ヒーターをオンにし、125℃に加熱する。
6)圧力は、空間の脱イオン水を沸騰させて顕微鏡スライド上の試薬を加熱するための蒸気を生成することにより生み出される。
7)圧力は、圧力放出弁または加熱変調(すなわち、加熱要素のオフおよびオン)により、25psig(273.7kPa)に維持される。
8)125℃の温度で10〜60分間、試薬をインキュベートする。
9)試薬が50℃以下に冷めるまで、ヒーターをオフにし、冷却ダクト(液体または空気)をオンにする。
10)凝縮、脱イオン水および圧力を水口から送り出して、室を減圧する。
11)スライドを洗浄および/または傾け洗浄することにより、スライドまたは試薬を洗浄する。
12)試薬を分配し、圧力を用いてまたはなしで、および/または所望する時間の間加熱または加熱せずにインキュベートする。
13)全ての試薬が分配されるまでステップ10〜11を繰り返す。
【0132】
要約すると、ある実施形態における本発明は、in−situ抗原回復および着色装置に関し、複数の独立して操作可能な反応モジュールを含み、各反応モジュールは、内空を有する反応室と、水平位置で顕微鏡スライドを支持することが可能なスライド支持要素で、顕微鏡スライドを密閉するための反応室の内空内または隣に配置可能であり、気圧を超える(または以下の)内圧を維持するために反応室が加圧可能(または、任意に減圧可能)なスライド支持要素と、反応室が加圧されている間に試薬を反応室に分配するための分配要素を含み、反応室内の顕微鏡スライドを加熱するための加熱要素をさらに含んでよい。
【0133】
本発明は反応モジュールに関し、内空を有する反応室と、水平位置で顕微鏡スライドを支持することが可能なスライド支持要素で、顕微鏡スライドを密閉するための反応室の内空内または隣に配置可能であり、気圧を超える(または以下の)内圧を維持するために反応室が加圧可能(または、任意に減圧可能)なスライド支持要素と、反応室が加圧されている間に試薬を反応室に分配するための分配要素を含む。反応モジュールは、任意に、顕微鏡スライドを加熱するための加熱要素および/またはそれぞれが試薬を含むまたは含むことができる複数の試薬容器を有する試薬ストリップを支持するための試薬ストリップ支持デバイスで、反応室の外かつ隣接して位置する試薬ストリップを支持する試薬ストリップ支持デバイスを有してよく、分配要素は、試薬容器をかみ合せることにより、試薬が試薬容器から反応室の内空および顕微鏡スライド上に供給されるように応用されてよい。
【0134】
より特定すると、本発明は、in−situ抗原回復および着色装置に関し、複数の独立して操作可能な反応モジュールを含み、各反応モジュールは、内空を有する反応室と、水平位置で顕微鏡スライドを支持することが可能なスライド支持要素で、顕微鏡スライドを密閉するための反応室の内空内または隣に配置可能であり、気圧を超える(または以下の)内圧を維持するために反応室が加圧可能(または、任意に減圧可能)なスライド支持要素と、顕微鏡スライドを加熱するための加熱要素と、それぞれが試薬を含むまたは含むことができる複数の試薬容器を有する試薬ストリップを支持するための試薬ストリップ支持デバイスで、反応室の外かつ隣接して位置する試薬ストリップを支持する試薬ストリップ支持デバイスと、試薬容器をかみ合せることにより、試薬が試薬容器から反応室の内空および顕微鏡スライド上に供給されるための分配要素とを含み、複数の反応モジュールの各反応室が個々に独立して加圧可能(または任意で減圧可能)であり、複数の反応モジュールの各加熱要素は、個々に独立して加熱可能である。
【0135】
in−situ抗原回復および着色装置において、反応室は、加熱要素が顕微鏡スライドを加熱する前、途中または後に加圧されてよい、加熱要素は、スライド支持要素の構成要素であってよく、顕微鏡スライドの直下に配置されてよい、反応室は、スライド支持要素が円筒形状である、円筒形管状形状であってよい、または反応室は、スライド支持要素が長方形形状のため、長方形形状であってよい。
【0136】
in−situ抗原回復および着色装置において、各反応モジュールのスライド支持要素は、他の各スライド支持要素に対して独立して移動可能であってよく、各反応モジュールの試薬ストリップは、他の試薬ストリップに対して独立して移動可能であってよく、各反応モジュールの反応室は、他の各反応室に対して独立して移動可能であってよく、各反応モジュールの分配要素は、他の各分配要素に対して独立して移動可能であってよく、反応室は、好ましくは、0〜350psig(101.3〜2514kPa)、1〜100psig(108.2〜790.6kPa)の圧力、5〜50psig(135.8〜446.0kPa)の圧力または10〜40psig(170.3〜377.0kPa)の圧力などの気圧以上の圧力を維持するために加圧可能であるか、あるいは最低100kPa、10kPa、1kPa、100Pa、10Pa、1Pa、0.1Paのレベルの気圧以下の圧力を維持するために減圧可能である。
【0137】
in−situ抗原回復および着色装置において、顕微鏡スライド上または近くに配置される試薬は、25℃〜37℃、37℃〜56℃、56℃〜85℃、85℃〜100℃、100℃〜125℃、125℃〜135℃、135℃〜150℃、150℃〜175℃、175℃〜200℃、200℃〜225℃、225℃〜250℃、250℃〜275℃、275℃〜300℃、300℃〜325℃または325℃〜350℃の温度に加熱されてよい。反応モジュールのスライド支持要素が移動可能な時、反応室は固定または移動可能であってよく、試薬ストリップ支持デバイスは固定または移動可能であってよく、反応モジュールのスライド支持要素が固定の時、反応室は、移動可能であり、試薬ストリップ支持デバイスは、固定または移動可能であってよい。反応モジュールのスライド支持要素が移動可能または固定、および反応室が移動可能、および試薬ストリップデバイスが移動可能な時、反応室は、試薬ストリップ支持デバイスから独立して移動可能であってよい。さらに、試薬ストリップ支持デバイスは、前方向または逆方向にそこに装填された時、試薬ストリップを運ぶために前方向または逆方向のいずれかに移動可能であってよく、試薬ストリップ支持デバイスが固定の時、試薬ストリップは、その上に装填された時、前方向または逆方向に移動可能であってよい。試薬ストリップ支持デバイスおよび反応室は、互いに連結される、または連結されない。反応モジュールは、少なくとも、反応室を加熱するためまたはスライド上の試薬を混合させるための空気ダクト、あるいは、加熱後の加熱要素の冷却速度を強化するための冷却ダクト、液体をスライド支持要素に供給するための供給口、および顕微鏡スライドに供給された試薬を除去するための排液ダクトの一つを含んでよい。装置は、試薬ストリップから反応室に試薬を供給可能にするための反応モジュールに試薬導管、そこを通して供給された試薬を加熱するための試薬導管近くに配置された加熱デバイス、反応室を加熱するための加熱デバイス、および試薬ストリップまたはその一部を加熱するための加熱デバイスを含む。
【0138】
装置のスライド支持要素は、少量の溶液を保持するために顕微鏡スライドの下に位置する空間を有してよく、空間は、空間内の溶液を加熱するための空間ヒーターを有してよい。分配要素は、試薬ストリップ支持デバイスから独立して操作可能であってよく、分配要素は、好ましくは、試薬ストリッの試薬容器から試薬の排出を生じ、試薬ストリップから離れた試薬または溶液源から試薬または溶液を分配するように機能する。スライド支持要素は、スライド支持要素が反応室内または外に配置される時、試薬ストリップから、または遠隔源から試薬あるいは溶液を受け取る。分配要素は、好ましくは、吸引の適用が可能、または圧力下で液体、空気またガスを提供することができる。スライド支持要素は、スライド支持要素を反応室に移動することにより、またはスライド支持要素近くに反応室を移動することにより、反応室内に搭載可能であってよい。スライド支持要素は、顕微鏡スライドから試薬または溶液を排出するために傾斜可能であってよい。複数の斑のモジュールは、反応装置を形成するために少なくとも一つの室に組立てられてよい。装置の各スライド支持要素、試薬ストリップ支持デバイス、分配要素および反応室は、好ましくは、個々に代替可能または交換可能であり、反応モジュールは、好ましくは、反応室内の圧力を放出または調節する手段を有する。
【0139】
本発明は、複数の試薬モジュールを含む再構成可能な試薬分配ストリップも有し、各試薬モジュールは、タイルおよびそこに固定される試薬容器を含み、各試薬モジュールは、隣接する試薬モジュールに取り付け可能またはから取り外し可能なように応用されるため、一度、複数の試薬モジュールが第一シーケンスで一緒に取り付けられても、一つ以上の試薬モジュールは、第一シーケンスと異なる第二シーケンスで複数の試薬モジュールを再構成するために取り外され、再度取り付けられてよい。再構成可能な試薬分配ストリップは、隣接する試薬モジュールを連結するための連結リンクおよび試薬容器内の試薬が試薬容器から分配されるための注入器を有してよく、試薬容器は、タイルから取り外されてよい。さらに、少なくとも試薬容器の一つは、抗原回復試薬、RNAおよびDNAプローブ、クエン酸塩緩衝液、SDS、Tween、Brij、イオンおよび非イオン洗浄剤などの界面活性剤または洗浄剤を含むまたは含まないEDTA、TRIS、PBS、およびシリコン添加剤、リンス緩衝液、免疫組織化学試薬、組織化学試薬、in−situハイブリッド試薬、PCR試薬、カバースリップ試薬、シリコン油、ミネラル油、検出試薬および処理試薬、液体試薬、再構成された乾燥試薬、生体試薬、および水性および非水性試薬および一つ以上のシリコン界面活性剤またはシリコン添加剤を含む水の脱パラフィン化組成物からなる群から選択された試薬を含む。
【0140】
代替的に、再構成可能な試薬分配ストリップは、複数の容器土台および複数の試薬容器を有するベースを含み、各容器土台はそこに固定された試薬容器を有し、各試薬容器は、容器土台に取り付け可能またはから取り外し可能なように応用されるため、一度、複数の試薬容器が第一シーケンスで一緒に取り付けられても、一つ以上の試薬容器は、第一シーケンスと異なる第二シーケンスで複数の試薬容器を再構成するために異なる容器土台から取り外され、再度取り付けられ、よって、再構成された試薬分配ストリップを形成する。試薬容器は、ベースから取り外すことができるタイルに配置されてよい。試薬容器または容器土台は、試薬容器内の試薬が試薬容器から分配されるための注入器をさらに含んでよい。少なくとも試薬容器の一つは、抗原回復試薬、RNAおよびDNAプローブ、クエン酸塩緩衝液、SDS、Tween、Brij、イオンおよび非イオン洗浄剤などの界面活性剤または洗浄剤を含むまたは含まないEDTA、TRIS、PBS、およびシリコン添加剤、リンス緩衝液、免疫組織化学試薬、組織化学試薬、in−situハイブリッド試薬、PCR試薬、カバースリップ試薬、シリコン油、ミネラル油、検出試薬および処理試薬、液体試薬、再構成された乾燥試薬、生体試薬、および水性および非水性試薬および一つ以上のシリコン界面活性剤またはシリコン添加剤を含む水の脱パラフィン化組成物からなる群から選択された試薬を含む。
【0141】
代替的に、再構成可能な試薬分配ストリップは、複数の試薬モジュールを含み、各試薬モジュールはタイルおよびそこに固定される試薬容器を有し、タイルは、最初に一体的な統合的構造に構成され、各タイルは、隣接するタイルに取り付け可能またはから取り外し可能なように応用されるため、試薬モジュールが第一シーケンスで連結されても、一つ以上のタイルは、第一シーケンスと異なる第二シーケンスで複数の試薬モジュールを再構成するために取り外され、再度取り付けられてよく、隣接する試薬モジュールのタイルを連結するための連結リンクをさらに含んでよい。試薬モジュールは、試薬容器内の試薬が試薬容器から分配されるための注入器をさらに含んでよく、試薬容器は、タイルから取り外し可能であってよい。さらに、少なくとも試薬容器の一つは、抗原回復試薬、RNAおよびDNAプローブ、クエン酸塩緩衝液、SDS、Tween、Brij、イオンおよび非イオン洗浄剤などの界面活性剤または洗浄剤を含むまたは含まないEDTA、TRIS、PBS、およびシリコン添加剤、リンス緩衝液、免疫組織化学試薬、組織化学試薬、in−situハイブリッド試薬、PCR試薬、カバースリップ試薬、シリコン油、ミネラル油、検出試薬および処理試薬、液体試薬、再構成された乾燥試薬、生体試薬、および水性および非水性試薬および一つ以上のシリコン界面活性剤またはシリコン添加剤を含む水の脱パラフィン化組成物からなる群から選択された試薬を含む。
【0142】
他の実施形態において、本発明は、顕微鏡スライドの処理方法に関し、複数の独立して操作可能な反応モジュールを提供し、各反応モジュールは、内空を有する反応室と、水平位置で顕微鏡スライドを支持することが可能なスライド支持要素で、顕微鏡スライドを密閉するための反応室の内空内または隣接して配置可能なスライド支持要素と、試薬を反応室に分配し、次に、顕微鏡スライドをスライド支持要素に配置し、反応室内に顕微鏡スライドを設置し、気圧を超える内圧を維持するために反応室を加圧し、反応室が加圧されている間に、試薬が反応室内の圧力を超える圧力で供給され、任意で反応室内の顕微鏡スライドおよび試薬を加熱する反応室に試薬が供給されるように分配要素を作動させるための分配要素を含む。本方法は、複数の独立して捜査可能な反応モジュールを提供し、各反応モジュールは、内空を有する反応室と、水平位置で顕微鏡スライドを支持することが可能なスライド支持要素で、顕微鏡スライドを密閉するための反応室の内空内または隣接して配置可能なスライド支持要素と、試薬を反応室に分配し、次に、顕微鏡スライドをスライド支持要素に配置し、反応室内に顕微鏡スライドを設置し、顕微鏡スライドを密閉し、反応室に試薬が供給されるように分配要素を作動させ、気圧を超える内圧を維持するために反応室を加圧する、または任意で、気圧以下に反応室を減圧する、および任意で、反応室内の顕微鏡スライドおよび試薬を加熱するための分配要素を含む。
【0143】
本発明の方法は、内空を有する反応室と、水平位置で顕微鏡スライドを支持することが可能なスライド支持要素で、顕微鏡スライドを密閉し、次に、顕微鏡スライドをスライド支持要素に配置し、反応室内にスライド支持要素および顕微鏡スライドを設置し、気圧を超える内圧を維持するために反応室を加圧し、反応室が加圧されている間に試薬を顕微鏡スライドに配置し、任意で顕微鏡スライドおよびその上の試薬を加熱するための反応室の内空内または隣に配置可能なスライド支持要素を含む、反応モジュールを提供することを含んでよい。
【0144】
本方法は、複数の独立して捜査可能な反応モジュールを提供することを含み、各反応モジュールは、内空を有する反応室と、水平位置で顕微鏡スライドを支持することが可能なスライド支持要素で、顕微鏡スライドを密閉するための反応室の内空内または隣接して配置可能なスライド支持要素と、試薬を反応室に分配し、次に、顕微鏡スライドをスライド支持要素に配置し、反応室内に顕微鏡スライドを設置し、気圧以下に内圧を維持するために反応室を減圧し、反応室が減圧されている間に、試薬が反応室に供給されるように分配要素を作動させるための分配要素を含む。
【0145】
本方法は、複数の独立して捜査可能な反応モジュールを提供することを含み、各反応モジュールは、内空を有する反応室と、水平位置で顕微鏡スライドを支持することが可能なスライド支持要素で、顕微鏡スライドを密閉するための反応室の内空内または隣接して配置可能なスライド支持要素と、試薬を反応室に分配し、次に、顕微鏡スライドをスライド支持要素に配置し、反応室内に顕微鏡スライドを設置して顕微鏡スライドをそこに密閉し、試薬が反応室に供給されるように分配要素を作動させ、気圧以下に内圧を維持するために反応室を減圧するための分配要素を含む。
【0146】
好ましくは、本発明は、顕微鏡スライドを処理する方法であって、複数の個々に操作可能な反応モジュールを提供することを含み、各反応モジュールは、内空を有する反応室と、水平位置で顕微鏡スライドを支持することが可能なスライド支持要素であって、顕微鏡スライドを密閉するための反応室の内空内または隣に配置可能なスライド支持要素と、顕微鏡スライドを加熱するための加熱要素と、試薬ストリップ支持デバイスが反応室の外かつ隣接して位置する試薬ストリップを支持する、それぞれが試薬を含むまたは含むことができる複数の試薬容器を有する試薬ストリップを支持するための試薬ストリップ支持デバイスと、試薬ストリップ支持デバイスと試薬容器をかみ合せることにより、試薬が試薬容器から反応室の内空および顕微鏡スライド上に供給されるための分配要素を含み、複数の反応モジュールの反応室のそれぞれが個々に独立して加圧可能(または任意で減圧可能)であり、複数の反応モジュールのスライド支持要素の加熱要素のそれぞれが個々に独立して加熱可能であり、次に、スライド支持要素に顕微鏡スライドを配置し、反応室内にスライド支持要素および顕微鏡スライドを配置し、反応ストリップを反応ストリップ支持デバイスに設置し、試薬が顕微鏡スライドに供給されるように分配要素を作動させ、スライドを加熱するために加熱要素を作動させ、気圧を超える内圧を維持するために反応室を加圧し、試薬を顕微鏡スライドから除去する。
【0147】
本方法において、反応室の加圧(または減圧)のステップは、加熱要素による顕微鏡スライドの加熱前、途中、または後に行われてよい。反応室は、反応室内の圧力分布を強化するために円筒形管状形状であってよい。各反応モジュールのスライド指示要素は他の各スライド指示要素に対して独立して移動されてよく、各反応モジュールの試薬ストリップは他の各試薬ストリップに対して独立して移動されてよく、各反応モジュールの分配要素は他の各分配要素に対して独立して移動されてよい。反応室は、0以上〜350psig(101.3〜2514kPa)、1〜100psig(108.2〜790.6kPa)の圧力、5〜50psig(135.8〜446.0kPa)の圧力または10to40psig(170.3〜377.0kPa)の圧力に加圧されてよい。反応室は、最低100kPa、10kPa、1kPa、100Pa、10Pa、1Pa、0.1Paのレベルの気圧以下の圧力を維持するために減圧されてよい。顕微鏡スライド上または近くに配置された試薬は、25℃〜37℃、37℃〜56℃、56℃〜85℃、85℃〜100℃、100℃〜125℃、125℃〜135℃、135℃〜150℃、150℃〜175℃、175℃〜200℃、200℃〜225℃、225℃〜250℃、250℃〜275℃、275℃〜300℃、300℃〜325℃、325℃〜350℃の温度に加熱されてよい。スライド支持要素の配置のステップは、反応室が固定の時、反応モジュールのスライド支持要素の反応室への移動を含む、またはスライド指示要素の配置のステップは、反応モジュールのスライド支持要素の移動および反応室の移動を含む。試薬ストリップは、試薬ストリップ支持デバイスを移動して試薬ストリップを分配位置に移動することにより、または試薬ストリップ支持デバイスが固定の時に試薬ストリップを移動することにより、分配位置に配置されてよい。本方法は、反応モジュールのスライド支持要素の移動、反応室の移動、および試薬ストリップ支持デバイスの移動を含み、反応室は試薬ストリップ支持デバイスから独立して移動可能である。
【0148】
スライド支持要素の配置のステッップは、反応モジュールのスライド支持要素の固定したままでスライド支持要素を反応室に移動することを含んでよい。反応室は、試薬ストリップ支持デバイスから独立して移動可能であり、試薬ストリップ支持デバイスは、反応室から独立して移動可能であってよい。試薬ストリップ支持デバイスは、前方向または逆方向のいずれかに試薬ストリップを運ぶために前方向または逆方向のいずれかに移動されてよい。試薬ストリップ支持デバイスは、少なくとも、固定されたままでよく、その上の試薬ストリップは、前方向または逆方向のいずれかに移動されてよい。反応モジュールは、反応室を加圧するためまたはスライド上の試薬を混合させるための空気ダクト、加熱後に加熱要素を冷却する速度を強化するための冷却ダクト、液体をスライド支持要素に供給するための供給口、および顕微鏡スライドに供給された試薬を除去するための排液口の少なくとも一つを含んでよい。
【0149】
本方法は、反応室の試薬導管を介して試薬ストリップから反応室に試薬を供給する、そこから供給された試薬を加熱するために試薬導管を加熱する、反応室を加熱する、試薬ストリップ支持デバイスの加熱デバイスを使用して試薬ストリップまたはその一部を加熱する、顕微鏡スライドの下に位置するスライド支持要素の空間に溶液を分配する、および空間の溶液を加熱することを含んでよい。分配要素は、試薬ストリップ支持デバイスから独立して操作可能であってよい。本方法は、試薬ストリップから離れた試薬または溶液源から試薬または溶液を分配するための分配要素を使用する、試薬スライド支持要素が反応室の内または外に配置される時に遠隔源の試薬ストリップまたは試薬または溶液から試薬を適用する、および/または顕微鏡スライドから試薬または溶液を除去するための分配要素を介して顕微鏡スライドに吸引を適用するまたは液体、空気またはガスに圧力をかけることを含んでよい。反応室内のスライド支持要素を配置するステップは、反応室を、スライド支持要素を移動することにより、またはスライド支持要素近くに反応室を移動して反応室内にスライド支持要素を密閉することにより行われてよく、顕微鏡スライドから試薬または液体を排出するためにスライド支持要素を傾斜させるステップを含んでよい。
【0150】
本発明は、本明細書に特定の実施形態と関連して記述することにより、その側面がより完全に理解および認識される一方、本発明は、それらの特定の実施形態に制限されないものとする。逆に、全ての代替、変形および等価物は、付録の請求項により定義されるように、本発明の範囲内に含まれる。従って、本明細書で記述される実施例および実施形態は、本発明の手法を例示するためであり、示される特定のものは、症例および本発明の好適な実施形態の例示的説明の目的のみであり、手順の説明だけでなく本発明の基本原理および概念的側面において最も役立ち、容易に理解される説明であると信じられるものを提供するために提示されることを理解する。
【0151】
以下の請求項で定義されるように、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本明細書で記述される様々な構成、要素および構築の構造および操作、または本明細書で記述される方法のステップあるいはステップシーケンスに修正がなされてよい。
【図面の簡単な説明】
【0152】
【図1】図1は、本発明の試薬ストリップ(試薬分配ストリップ)の上面図である。
【図2】図2は、図1の試薬分配ストリップのライン1−1の側断面図である。
【図3】図3は、図2のライン3−3に沿った断面図である。
【図4】図4は、試薬モジュールから分離された2つの試薬モジュールを有する図1の試薬ストリップの側面図である。
【図5】図5は、タイルコネクタを介して再連結された試薬モジュールを用いた図1の試薬ストリップの底面図である。
【図6】図6は、図5で使用されたタイルコネクタの上面図(A)、側面図(B)および底面図(C)である。
【図7】図7は、対のタイルコネクタを介して再連結された2つの試薬モジュールを用いた試薬ストリップの底面図である。
【図8】図8は、試薬モジュールおよびタイルコネクタのライン8−8の断面図である。
【図9】図9は、本発明の別の試薬ストリイプのベースの上面図である。
【図10】図10は、ベース上に配置された試薬容器を用いた図9の試薬ストリップの上面図である。
【図11】図11は、図10のライン11−11の側断面図である。
【図12】図12は、試薬容器がどのように図11の試薬ストリップのベースに取り付けられ、取り外されるかを示すライン12−12の断面図である。
【図13】図13は、図11の試薬ストリップの側面図である。
【図14】図14は、図13の試薬ストリップの前端面図である。
【図15】図15は、「G」試薬容器が取り外され、「H」試薬容器が前の「G」位置に移動された後の図10の試薬ストリップの底面図である。
【図16】図16は、「G」試薬容器が「G−2」試薬容器と置換された後の図10の試薬ストリップの底面図である。
【図17】図17は、交換可能な試薬モジュールを有する本発明の別の試薬ストリップの上面図である。
【図18】図18は、図17のライン18−18の断面図である。
【図19】図19は、図17の試薬ストリップの側面図である。
【図20】図20は、図19の試薬ストリップの前端面図である。
【図21】図21は、試薬モジュール「G」が取り外された後の図17の試薬ストリップの底面図である。
【図22】図22は、試薬モジュール「G」が試薬モジュール「G−2」と交換された後の図17の試薬ストリップの底面図である。
【図23】図23は、試薬ストリップが試薬ストリップ支持デバイスに挿入される前と、顕微鏡スライドがスライド支持要素に配置される前の本発明の反応モジュール(反応室、スライド、支持要素および試薬ストリップ支持デバイス)の側断面図である。
【図24A】図24Aは、試薬分配フェーズにおける操作中の図23の試薬モジュールの側断面図である。
【図24B】図24Bは、図24Aの反応モジュールの横断面図である。
【図25A】図25Aは、試薬排液フェーズにおける図23および図24Aの反応モジュールの側断面図である。
【図25B】図25Bは、図25Aの反応モジュールの横断面図である。
【図26A】図26Aは、リンス緩衝液分配フェーズにおける図25Aの反応モジュールの側断面図である。
【図26B】図26Bは、図26Aの反応モジュールの横断面図である。
【図27A】図27Aは、リンス緩衝液分配フェーズにおける図26Aの反応モジュールの側断面図である。
【図27B】図27Bは、図27Aの反応モジュールの横側断面図である。
【図28】図28は、試薬ストリップが完全に使用され、顕微鏡スライドがスライド支持要素から取り外された後の図23〜27Bの反応モジュールの断面図である。
【図29】図29は、図24Aの拡大版である。
【図30】図30は、図26Aの拡大版である。
【図31A】図31Aは、時計周りの空気混合ステップを示す図29の反応モジュールの反応室およびスライド支持要素の上面断面図である。
【図31B】図31Bは、図31Aのスライド支持要素の空気口の横断面図である。
【図32A】図32Aは、逆時計周りの空気混合ステップを示す図29の反応モジュールの反応室およびスライド支持要素の上面断面図である。
【図32B】図32Bは、図32Aのスライド支持要素の空気口の横断面図である。
【図33】図33は、図28のスライド支持要素の加熱要素のスライドおよび取り外された室の図である。
【図34A】図34Aは、加熱要素の急速な冷却を強化するために使用される空気冷却ダクトを通した空気流を示すためにスライドおよび加熱要素が取り外された反応モジュール要素のスライド支持の上面断面図である。
【図34B】図34Bは、図34Aのスライド支持要素の空気冷却ダクトの横断面図である。
【図35A】図35Aは、図34Aの反応モジュールの側断面図である。
【図35B】図35Bは、図35Aのスライド支持要素の空気冷却ダクトの横断面図である。
【図36】図36は、図28のスライド支持要素の加熱要素のスライドおよび取り外された室の図を示す。
【図37A】図37Aは、加熱要素を急速に冷却するために使用される空気冷却ダクトを通した空気流を示すためにスライドおよび加熱要素が取り外された反応モジュール要素のスライド支持の上面断面図である。
【図37B】図37Bは、図37Aのスライド支持要素の空気冷却ダクトの横断面図である。
【図38A】図38Aは、図34Aの反応モジュールの側断面図である。
【図38B】図38Bは、図38Bのスライド支持要素の空気冷却ダクトの横断面図である。
【図39】図39は、本発明の試薬ストリップの代替版の通風孔のある試薬ストリップの上面図である。
【図40】図40は、ライン40の図39の試薬ストリップの断面図である。
【図41】図41は、図39の試薬ストリップの側面図である。
【図42】図42は、図39の試薬ストリップの底面図である。
【図43】図43は、本発明の試薬ストリップの代替版の通風孔のある試薬ストリップの上面図である。
【図44】図44は、ライン44の図43の試薬ストリップの断面図である。
【図45】図45は、図43の試薬ストリップの側面図である。
【図46】図46は、図43の試薬ストリップの底面図である。
【図47】図47は、本発明の試薬ストリップの代替版の通風孔のある試薬ストリップの上面図である。
【図48】図48は、ライン48の図47の試薬ストリップの断面図である。
【図49】図49は、図47の試薬ストリップの側面図である。
【図50】図50は、図47の試薬ストリップの底面図である。
【図51】図51は、本発明の試薬ストリップの代替版の通風孔のある試薬ストリップの上面図である。
【図52】図52は、ライン52の図51の試薬ストリップの断面図である。
【図53】図53は、図51の試薬ストリップの側面図である。
【図54】図54は、図51の試薬ストリップの底面図である。
【図55】図55は、本発明の試薬ストリップの代替版の通風孔および急速冷却窓のある試薬ストリップの上面図である。
【図56】図56は、ライン56の図55の試薬ストリップの断面図である。
【図57】図57は、図55の試薬ストリップの側面図である。
【図58】図58は、図55の試薬ストリップの底面図である。
【図59】図59は、本発明の試薬ストリップの代替版の通風孔および急速冷却窓のある試薬ストリップの上面図である。
【図60】図60は、ライン60の図59の試薬ストリップの断面図である。
【図61】図61は、図59の試薬ストリップの側面図である。
【図62】図62は、図59の試薬ストリップの底面図である。
【図63】図63は、本発明の試薬ストリップの代替版の通風孔のある試薬ストリップの上面図である。
【図64】図64は、ライン64の図63の試薬ストリップの断面図である。
【図65】図65は、図63の試薬ストリップの側面図である。
【図66】図66は、図63の試薬ストリップの底面図である。
【図67】図67は、本発明の試薬ストリップの代替版の急速冷却窓のある試薬ストリップの上面図である。
【図68】図68は、ライン68の図67の試薬ストリップの断面図である。
【図69】図69は、図67の試薬ストリップの側面図である。
【図70】図70は、図67の試薬ストリップの底面図である。
【図71】図71は、本発明の試薬ストリップの代替版の通気孔および急速冷却窓のある試薬ストリップの上面図である。
【図72】図72は、ライン72の図71の試薬ストリップの断面図である。
【図73】図73は、図71の試薬ストリップの側面図である。
【図74】図74は、図71の試薬ストリップの底面図である。
【図75】図75は、本発明の試薬ストリップの代替版の通気孔および急速冷却窓のある試薬ストリップの上面図である。
【図76】図76は、ライン76の図75の試薬ストリップの断面図である。
【図77】図77は、図75の試薬ストリップの側面図である。
【図78】図78は、図75の試薬ストリップの底面図である。
【図79】図79は、本発明の反応モジュールの代替実施形態の側断面図である。
【図80】図80は、代替プロセス構成における図79の反応モジュールの側断面図である。
【図81】図81は、代替プロセス構成における図79の反応モジュールの側断面図である。
【図82】図82は、代替プロセス構成における図79の反応モジュールの側断面図である。
【図83】図83は、代替プロセス構成における図79の反応モジュールの側断面図である。
【図84】図84は、代替プロセス構成における図79の反応モジュールの拡大された断片の側断面図である。
【図85】図85は、反応モジュールが様々なフェーズの操作中である、本発明のin−situ抗原回復および着色装置を形成するために室内で混合された本発明の複数の反応モジュールの前断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
in−situ抗原回復および着色装置であって、複数の個々に操作可能な反応モジュールを有し、該各反応モジュールは、
内空を有する反応室と、
水平位置で顕微鏡スライドを支持することが可能なスライド支持要素であって、該スライド支持要素は該顕微鏡スライドをその中に密閉する該反応室の該内空の中または隣に配置可能であり、該反応室は大気圧を超える内圧を維持するために加圧可能である、該スライド支持要素と、
該顕微鏡スライドを加熱する加熱要素と、
それぞれが試薬を含むまたは含むことができる複数の試薬容器を有する試薬ストリップを支持する試薬ストリップ支持デバイスであって、該反応室の外部にかつ隣接して位置する該試薬ストリップを支持する、該試薬ストリップ支持デバイスと、
該試薬容器をかみ合せることにより、該試薬が該試薬容器から該反応室の該内空の中かつ該顕微鏡スライド上に供給される、分配要素と
を含み、該複数の反応モジュールの該反応室のそれぞれが個々に独立して加圧可能であり、該複数の反応モジュールの該加熱要素のそれぞれが個々に独立して加熱可能である、in−situ抗原回復および着色装置。
【請求項2】
前記反応室は、前記加熱要素が前記顕微鏡スライドを加熱する前、途中または後に加圧され得る、請求項1に記載のin−situ抗原回復および着色装置。
【請求項3】
前記加熱要素は、スライド支持要素の構成部品であり、前記顕微鏡スライドの直下に配置されている、請求項1に記載のin−situ抗原回復および着色装置。
【請求項4】
前記反応室は、円筒形管状の形状である、請求項1に記載のin−situ抗原回復および着色装置。
【請求項5】
前記スライド支持要素は、円筒形の形状である、請求項4に記載のin−situ抗原回復および着色装置。
【請求項6】
前記反応室は、長方形の形状である、請求項1に記載のin−situ抗原回復および着色装置。
【請求項7】
前記スライド支持要素は、長方形の形状である、請求項6に記載のin−situ抗原回復および着色装置。
【請求項8】
各反応モジュールの前記スライド支持要素は、他の各スライド支持要素に対して独立して移動可能であり、該各反応モジュールの前記試薬ストリップは、他の各試薬トリップに対して独立して移動可能であり、該各反応モジュールの前記反応室は、他の各反応室に対して独立して移動可能であり、該各反応モジュールの前記分配要素は、他の各分配要素に対して独立して移動可能である、請求項1に記載のin−situ抗原回復および着色装置。
【請求項9】
前記反応室は、大気圧以上の圧力を維持するために加圧可能である、請求項1に記載のin−situ抗原回復および着色装置。
【請求項10】
前記反応室は、0以上〜350psig(101.3〜2514kPa)の圧力、1〜100psig(108.2〜790.6kPa)の圧力、5〜50psig(135.8〜446.0kPa)の圧力、または10〜40psig(170.3〜377.0kPa)の圧力に加圧可能である、請求項9に記載のin−situ抗原回復および着色装置。
【請求項11】
前記反応室は、大気圧より100kPa、10kPa、1kPa、100Pa、10Pa、1Pa、0.1Pa低いレベルの圧力を維持するために負に減圧可能である、請求項1に記載のin−situ抗原回復および着色装置。
【請求項12】
前記顕微鏡スライド上または周囲に分配された前記試薬は、25℃〜37℃、37℃〜56℃、56℃〜85℃、85℃〜100℃、100℃〜125℃、125℃〜135℃、135℃〜150℃、150℃〜175℃、175℃〜200℃、200℃〜225℃、225℃〜250℃、250℃〜275℃、275℃〜300℃、300℃〜325℃または325℃〜350℃の温度に加熱され得る、請求項1に記載のin−situ抗原回復および着色装置。
【請求項13】
前記反応モジュールの前記スライド支持要素は移動可能であり、前記反応室は設置型であり、前記試薬ストリップ支持デバイスは設置型である、請求項1に記載のin−situ抗原回復および着色装置。
【請求項14】
前記反応モジュールの前記スライド支持要素は移動可能であり、前記反応室は移動可能であり、前記試薬ストリップデバイスは設置型である、請求項1に記載のin−situ抗原回復および着色装置。
【請求項15】
前記反応モジュールの前記スライド支持要素は移動可能であり、前記反応室は設置型であり、前記試薬ストリップデバイスは移動可能である、請求項1に記載のin−situ抗原回復および着色装置。
【請求項16】
前記反応モジュールの前記スライド支持要素は移動可能であり、前記反応室は移動可能であり、前記試薬ストリップデバイスは移動可能であり、該反応室は該試薬ストリップ支持デバイスから独立して移動可能である、請求項1に記載のin−situ抗原回復および着色装置。
【請求項17】
前記反応モジュールの前記スライド支持要素は設置型であり、前記反応室は移動可能であり、前記試薬ストリップデバイスは設置型である、請求項1に記載のin−situ抗原回復および着色装置。
【請求項18】
前記反応モジュールの前記スライド支持要素は設置型であり、前記反応室は移動可能であり、前記試薬ストリップデバイスは移動可能であり、該反応室は、前記試薬ストリップ支持デバイスから独立して移動可能である、請求項1に記載のin−situ抗原回復および着色装置。
【請求項19】
前記試薬ストリップ支持デバイスは、その上に前記試薬ストリップが前方向または逆方向のいずれかで搭載された時、該試薬ストリップを運ぶために前方向または逆方向のいずれかに移動可能である、請求項1に記載のin−situ抗原回復および着色装置。
【請求項20】
前記試薬ストリップ支持デバイスは設置型であり、前記試薬ストリップがその上に搭載された時、前方向または逆方向のいずれかに移動し得る、請求項1に記載のin−situ抗原回復および着色装置。
【請求項21】
前記試薬ストリップ支持デバイスと前記反応室とは、互いに連結されている、請求項1に記載のin−situ抗原回復および着色装置。
【請求項22】
前記試薬ストリップ支持デバイスと前記反応室とは、互いに連結されていない、請求項1に記載のin−situ抗原回復および着色装置。
【請求項23】
前記反応モジュールは、前記反応室を加圧または前記スライド上の前記試薬を混合するエア・ダクト、または加熱後に加熱要素を冷却する速度を増すための冷却ダクト、液体を前記スライド支持要素に供給する供給口、および前記顕微鏡スライドに供給された試薬を除去する排液ダクトの少なくとも一つを含む、請求項1に記載のin−situ抗原回復および着色装置。
【請求項24】
前記試薬ストリップから前記反応室に試薬の供給を可能にする前記反応モジュールに試薬導管をさらに含む、請求項1に記載のin−situ抗原回復および着色装置。
【請求項25】
前記試薬導管を通して供給された試薬を加熱するために、該試薬導管の周囲に配置された加熱デバイスをさらに含む、請求項1に記載のin−situ抗原回復および着色装置。
【請求項26】
前記反応室を加熱するために加熱デバイスをさらに含む、請求項1に記載のin−situ抗原回復および着色装置。
【請求項27】
前記試薬ストリップまたはその一部を加熱するために、前記試薬ストリップ支持デバイスに加熱デバイスをさらに含む、請求項1に記載のin−situ抗原回復および着色装置。
【請求項28】
前記スライド支持要素は、多量の溶液を収容するために前記顕微鏡スライドの下に位置する空間を有し、該空間は、該空間内の該溶液を加熱するための空間ヒーターを有する、請求項1に記載のin−situ抗原回復および着色装置。
【請求項29】
前記分配要素は、前記試薬ストリップ支持デバイスから独立して操作可能である、請求項1に記載のin−situ抗原回復および着色装置。
【請求項30】
前記分配要素は、前記試薬ストリップの試薬容器から試薬の排出を引き起こし、該試薬ストリップから離れた試薬供給源または溶液供給源から試薬または溶液を分配する機能を有する、請求項1に記載のin−situ抗原回復および着色装置。
【請求項31】
前記スライド支持要素は、該スライド支持要素が前記反応室の内側または外側に配置された時、前記試薬ストリップから試薬または遠隔供給源から試薬若しくは溶液を受け取ることが可能である、請求項1に記載のin−situ抗原回復および着色装置。
【請求項32】
前記分配要素は、吸引力を適用することができ、または圧力がかかった液体、空気若しくはガスを適用することができる、請求項1に記載のin−situ抗原回復および着色装置。
【請求項33】
前記スライド支持要素は、該スライド支持要素を前記反応室に移動するか、または該反応室を該支持要素の周囲に移動することにより該反応室内に格納され得る、請求項1に記載のin−situ抗原回復および着色装置。
【請求項34】
前記スライド支持要素は、前記顕微鏡スライドから試薬または溶液を排液することを可能にするために傾けられ得る、請求項1に記載のin−situ抗原回復および着色装置。
【請求項35】
前記複数の反応モジュールは、反応装置を形成するために、少なくとも一つのチャンバに取り付けられる、請求項1に記載のin−situ抗原回復および着色装置。
【請求項36】
各スライド支持要素、試薬ストリップデバイス、分配要素および反応室は、個別に置換え可能または交換可能である、請求項1に記載のin−situ抗原回復および着色装置。
【請求項37】
前記反応モジュールは、前記反応室から圧力を解除または該反応室内の圧力を調整するための方法を含む、請求項1に記載のin−situ抗原回復および着色装置。
【請求項38】
in−situ抗原回復および着色装置であって、
複数の個々に操作可能な反応モジュールを有し、該各反応モジュールは、
内空を有する反応室と、
水平位置で顕微鏡スライドを支持することが可能なスライド支持要素であって、該顕微鏡スライドを密閉する該反応室の該内空の中または隣に配置可能であり、大気圧を超える内圧を維持するために該反応室が加圧可能である、スライド支持要素と、
該反応室が加圧されている間、試薬を該反応室に分配するための分配要素と
を含む、in−situ抗原回復および着色装置。
【請求項39】
前記反応室の中に前記顕微鏡スライドを加熱するための加熱要素をさらに含む、請求項38に記載のin−situ抗原回復および着色装置。
【請求項40】
内空を有する反応室と、
水平位置で顕微鏡スライドを支持することが可能なスライド支持要素であって、該顕微鏡スライドをその中に密閉する該反応室の該内空の中または隣に配置可能であり、大気圧を超える内圧を維持するために該反応室が加圧可能である、スライド支持要素と、
該反応室が加圧されている間、試薬を該反応室に分配する分配要素と
を含む、反応モジュール。
【請求項41】
前記顕微鏡スライドを加熱する加熱要素をさらに含む、請求項40に記載の反応モジュール。
【請求項42】
それぞれが試薬を含むか、または含むことができる複数の試薬容器を有する試薬ストリップを支持する試薬ストリップ支持デバイスをさらに含み、該試薬ストリップ支持デバイスは、前記反応室の外部にかつ隣接して位置する該試薬ストリップを支持している、請求項41に記載の反応モジュール。
【請求項43】
前記分配要素は、前記試薬容器をかみ合せることにより、前記試薬が該試薬容器から前記反応室の前記内空の中かつ前記顕微鏡スライド上に供給される、請求項42に記載の反応モジュール。
【請求項44】
その上に生体試料を有する顕微鏡スライドを処理する方法であって、該方法は、
複数の個々に操作可能な反応モジュールを提供することであって、該各反応モジュールは、
内空を有する反応室と、
水平位置で顕微鏡スライドを支持することが可能なスライド支持要素であって、該顕微鏡スライドを密閉するため該反応室の該内空の中または隣に配置可能であり、大気圧を超える内圧を維持するために該反応室が加圧可能である、スライド支持要素と、
該顕微鏡スライドを加熱する加熱要素と、
それぞれが試薬を含むかまたは含むことができる、複数の試薬容器を有する試薬ストリップを支持する試薬ストリップ支持デバイスであって、該試薬ストリップ支持デバイスは、該反応室の外部にかつ隣接して位置する該試薬ストリップを支持している、試薬ストリップ支持デバイスと、
該試薬容器をかみ合せることにより、該試薬が該試薬容器から該反応室の該内空および該顕微鏡スライド上に供給される、分配要素と
を備え、該複数の反応モジュールの該反応室のそれぞれが個々に独立して加圧可能であり、該複数の反応モジュールの該スライド支持要素の加熱要素のそれぞれが個々に独立して加熱可能である、ことと、
該スライド支持要素に該顕微鏡スライドを配置することと、
該反応室の中に該スライド支持要素および該顕微鏡スライドを配置することと、
該反応ストリップを該反応ストリップ支持デバイスの上に設置することと、
該試薬が該顕微鏡スライドに供給されるように分配要素を作動することと、
該スライドを加熱するために該加熱要素を作動することと、
大気圧を超える内圧を維持するために該反応室を加圧することと
を含む、方法。
【請求項45】
前記反応室を加圧するステップは、前記加熱要素により前記顕微鏡スライドを加熱する前、途中または後に行われる、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記反応室は、該反応室の中の圧力分布を高くするために円筒形管状形状である、請求項44に記載の方法。
【請求項47】
前記各反応モジュールの前記スライド支持要素は、他の各スライド支持要素に関して独立して移動可能であり、該各反応モジュールの前記試薬ストリップは、他の各試薬トリップに関して独立して移動可能であり、該各反応モジュールの前記分配要素は、他の各分配要素に関して独立して移動可能である、請求項44に記載の方法。
【請求項48】
前記反応室は、0以上〜350psig(101.3〜2514kPa)の圧力、1〜100psig(108.2〜790.6kPa)の圧力、5〜50psig(135.8〜446.0kPa)の圧力、または10〜40psig(170.3〜377.0kPa)の圧力に加圧される、請求項44に記載の方法。
【請求項49】
前記反応室が加圧される時、前記加圧は、大気圧以下よりも100kPa、10kPa、1kPa、100Pa、10Pa、1Pa、0.1Pa低いレベルに圧力を維持するために負である、請求項44に記載の方法。
【請求項50】
前記顕微鏡スライド上または周囲に分配された前記試薬は、25℃〜37℃、37℃〜56℃、56℃〜85℃、85℃〜100℃、100℃〜125℃、125℃〜135℃、135℃〜150℃、150℃〜175℃、175℃〜200℃、200℃〜225℃、225℃〜250℃、250℃〜275℃、275℃〜300℃、300℃〜325℃または325℃〜350℃の温度に加熱される、請求項44に記載の方法。
【請求項51】
前記スライド支持要素を配置するステップは、前記反応室が設置型である場合、前記反応モジュールの該スライド支持要素を該反応室に移動するステップを含む、請求項44に記載の方法。
【請求項52】
前記スライド支持要素の配置ステップは、前記反応モジュールの前記スライド支持要素を移動することと、前記反応室を移動することとを含む、請求項44に記載の方法。
【請求項53】
前記試薬ストリップは、前記試薬ストリップ支持デバイスを移動することによって該試薬ストリップを分配位置に移動するか、または該試薬ストリップ支持デバイスが設置型の場合に該試薬ストリップを移動することによって分配位置に配置される、請求項44に記載の方法。
【請求項54】
前記反応モジュールの前記スライド支持要素を移動することと、移動可能である前記反応室を移動することと、前記試薬ストリップ支持デバイスを移動することとを含み、該反応室は該試薬ストリップ支持デバイスから独立して移動可能である、請求項44に記載の方法。
【請求項55】
前記スライド支持要素を配置するステップは、前記反応モジュールの該スライド支持要素を固定状態に維持することと、該スライド支持要素を格納するために前記反応室を移動することとを含む、請求項44に記載の方法。
【請求項56】
前記反応室は、前記試薬ストリップ支持デバイスから独立して移動可能であり、前記試薬ストリップ支持デバイスは、前記反応室から独立して移動可能である、請求項44に記載の方法。
【請求項57】
前方向または逆方向のいずれかに前記試薬ストリップを運ぶために、前記試薬ストリップ支持デバイスを前方向または逆方向のいずれかに移動するステップを含む、請求項44に記載の方法。
【請求項58】
前記試薬ストリップ支持デバイスを固定状態に維持することと、その上の前記試薬ストリップを前または逆方向のいずれかに移動することとを含む、請求項44に記載の方法。
【請求項59】
前記反応モジュールは、前記反応室を加圧するかまたは前記スライド上の前記試薬を混合するエア・ダクト、加熱後に加熱要素を冷却する速度を増すための冷却ダクト、液体を前記スライド支持要素に供給する供給口、および前記顕微鏡スライドに供給された試薬を除去する排液ダクトの内の少なくとも一つを含む、請求項44に記載の方法。
【請求項60】
前記反応モジュールの中の試薬導管を介して、試薬を前記試薬ストリップから前記反応室に供給することを含む、請求項44に記載の方法。
【請求項61】
前記試薬導管を通して供給された試薬を加熱するための前記試薬導管を加熱するステップをさらに含む、請求項44に記載の方法。
【請求項62】
前記反応室を加熱することをさらに含む、請求項44に記載の方法。
【請求項63】
前記試薬ストリップ支持デバイスの加熱デバイスを使用して、前記試薬ストリップまたはその一部を加熱することをさらに含む、請求項44に記載の方法。
【請求項64】
前記顕微鏡スライドの下の前記スライド支持要素の中の空間に溶液を分配することと、該空間の該溶液を加熱することとを含む、請求項44に記載の方法。
【請求項65】
前記分配要素は、前記試薬ストリップ支持デバイスから独立して操作可能である、請求項44に記載の方法。
【請求項66】
前記試薬ストリップから離れた試薬または溶液の供給源から試薬または溶液を分配するために、分配要素を使用することを含む、請求項44に記載の方法。
【請求項67】
前記スライド支持要素が前記反応室の内側または外側に配置される時、前記試薬ストリップから試薬または遠隔供給源から試薬若しくは溶液を適用することを含む、請求項44に記載の方法。
【請求項68】
前記顕微鏡スライドから試薬または溶液を除去するために、前記分配要素を介して該顕微鏡スライドに吸引を適用するか、または圧力がかかった液体、空気若しくはガスを適用することを含む、請求項44に記載の方法。
【請求項69】
前記反応室の中に前記スライド支持要素を配置するステップは、該スライド支持要素を該反応室に移動するか、または該反応室を該スライド支持要素の周囲に移動することにより、該スライド支持要素を該反応室の中に格納することにより生じる、請求項44に記載の方法。
【請求項70】
前記顕微鏡スライドから試薬または溶液を排液することを可能にするために、前記スライド支持要素を傾けるステップを含む、請求項44に記載の方法。
【請求項71】
顕微鏡スライドを処理する方法であって、該方法は、
複数の個々に操作可能な反応モジュールを提供することであって、該各反応モジュールが、
内空を有する反応室と、
水平位置で顕微鏡スライドを支持することが可能なスライド支持要素であって、該顕微鏡スライドを密閉する顔反応室の該内空の中または隣に配置可能である、スライド支持要素と、
試薬を該反応室に分配する分配要素と
を備える、ことと、
該スライド支持要素に該顕微鏡スライドを配置することと、
該反応室の中に該顕微鏡スライドを配置することと、
大気圧を超える内圧を維持するために該反応室を加圧することと、
該反応室が加圧される時、該試薬が該反応室に供給されるように分配要素を作動することであって、該試薬が該反応室の中の圧力を超える圧力で供給されることと
を含む、方法。
【請求項72】
前記反応室の中の前記顕微鏡スライドおよび前記試薬を加熱することを含む、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
顕微鏡スライドを処理する方法であって、該方法は、
複数の独立した操作可能な反応モジュールを提供することであって、該各反応モジュールは、
内空を有する反応室と、
水平位置で顕微鏡スライドを支持することが可能なスライド支持要素であって、該顕微鏡スライドを密閉する該反応室の内空の中または隣に配置可能である、スライド支持要素と、
試薬を該反応室に分配するための分配要素と
を備える、ことと、
該スライド支持要素に該顕微鏡スライドを配置することと、
該反応室の中に該顕微鏡スライドを配置し、該顕微鏡スライドを密閉することと、
害試薬が該反応室に供給されるように分配要素を作動することと、
大気圧を超える内圧を維持するために該反応室を加圧することと
を含む、方法。
【請求項74】
前記反応室の中の前記顕微鏡スライドおよび前記試薬を加熱することを含む、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
顕微鏡スライドを処理する方法であって、該方法は、
内空を有する反応室と、
水平位置で顕微鏡スライドを支持することが可能なスライド支持要素であって、前記顕微鏡スライドを密閉するための前記反応室の内空内または隣に配置可能な前記スライド支持要素と
を備える反応モジュールを提供することと、
該スライド支持要素に該顕微鏡スライドを配置することと、
害反応室の中に該スライド支持要素およびその上の顕微鏡スライドを配置することと、
大気圧を超える内圧を維持するために該反応室を加圧することと、
該反応室が加圧されている間、試薬を該顕微鏡スライドに配置することと
を含む、方法。
【請求項76】
前記顕微鏡スライドおよびその上の前記試薬を加熱する、さらなるステップを含む、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
顕微鏡スライドを処理する方法であって、該方法は、
複数の独立して操作可能な反応モジュールを提供することであって、該各反応モジュールは、
内空を有する反応室と、
水平位置で顕微鏡スライドを支持することが可能なスライド支持要素であって、該顕微鏡スライドを密閉する該反応室の内空の中または隣に配置可能である、スライド支持要素と、
試薬を該反応室に分配するための分配要素と
を備える、ことと、
該スライド支持要素に該顕微鏡スライドを配置することと、
該反応室の中に該顕微鏡スライドを配置することと、
大気圧以下の内圧を維持するために該反応室を減圧することと、
該反応室が減圧されている間、該試薬が該反応室に供給されるように分配要素を作動することと
を含む、方法。
【請求項78】
顕微鏡スライドを処理する方法であって、該方法は、
複数の独立して操作可能な反応モジュールを提供することであって、該各反応モジュールは、
内空を有する反応室と、
水平位置で顕微鏡スライドを支持することが可能なスライド支持要素であって、該顕微鏡スライドを密閉する該反応室の内空内または隣に配置可能な前記スライド支持要素と、
試薬を前記反応室に分配するための分配要素と
を備える、ことと、
該スライド支持要素に該顕微鏡スライドを配置することと、
該反応室の中に該顕微鏡スライドを配置し、該顕微鏡スライドを密閉することと、
該試薬が該反応室に供給されるように該分配要素を作動することと、
大気圧以下の内圧を維持するために前記反応室を減圧することと
を含む、方法。
【請求項79】
再構成可能な試薬分配ストリップであって、複数の試薬モジュールを含み、該各試薬モジュールは、それに固定されたタイルおよび試薬容器を含み、該各試薬モジュールは、該複数の試薬モジュールが最初の配列で一緒に接続されると、一つ以上の該試薬モジュールは、最初の配列と異なる第二の配列で該複数の試薬モジュールを再構成するために分離および再接続できるように、隣接した試薬モジュールに接続可能および該隣接した試薬モジュールから分離可能なように適応される、再構成可能な試薬分配ストリップ。
【請求項80】
隣接した試薬モジュールを連結するために連結リンクをさらに含む、請求項79に記載の再構成可能な試薬分配ストリップ。
【請求項81】
前記試薬モジュールは、前記試薬容器内の試薬が該試薬容器から分配されるための注入器をさらに含む、請求項79に記載の再構成可能な試薬分配ストリップ。
【請求項82】
前記試薬容器は、前記タイルから取り外し可能である、請求項79に記載の再構成可能な試薬分配ストリップ。
【請求項83】
前記試薬容器の少なくとも一つは、抗原回復試薬、RNAおよびDNAプローブ、クエン酸塩緩衝液、SDS、Tween、Brij、イオンおよび非イオン洗浄剤などの界面活性剤または洗浄剤を含むまたは含まないEDTA、TRIS、PBS、およびシリコン添加剤、リンス緩衝液、免疫組織化学試薬、組織化学試薬、in−situハイブリッド試薬、PCR試薬、カバースリップ試薬、シリコン油、ミネラル油、検出試薬および処理試薬、液体試薬、再構成された乾燥試薬、生体試薬、および水性および非水性試薬および一つ以上のシリコン界面活性剤またはシリコン添加剤を含む水の脱パラフィン化組成物からなる群から選択された試薬を含む、請求項79に記載の再構成可能な試薬分配ストリップ。
【請求項84】
再構成可能な試薬分配ストリップであって、ベース、複数の容器土台、および複数の試薬容器を含み、該各容器土台は、それに固定された該試薬容器を有し、該各試薬容器は、該複数の試薬容器が最初の配列で一緒に接続されると、一つ以上の該試薬容器は、最初の配列と異なる第二の配列で該複数の試薬容器を再構成するために異なる容器土台に分離および再接続されることができ、その結果、該再構成された試薬分配ストリップを形成するように、該容器土台に接続可能およびそれから分離可能なように適応する、再構成可能な試薬分配ストリップ。
【請求項85】
前記試薬容器は、前記ベースから分離可能なタイルに配置される、請求項84に記載の再構成可能な試薬分配ストリップ。
【請求項86】
前記試薬容器または容器土台は、該試薬容器内の試薬が該試薬容器から分配されるための注入器をさらに含む、請求項84に記載の再構成可能な試薬分配ストリップ。
【請求項87】
前記試薬容器の少なくとも一つは、抗原回復試薬、RNAおよびDNAプローブ、クエン酸塩緩衝液、SDS、Tween、Brij、イオンおよび非イオン洗浄剤などの界面活性剤または洗浄剤を含むまたは含まないEDTA、TRIS、PBS、およびシリコン添加剤、リンス緩衝液、免疫組織化学試薬、組織化学試薬、in−situハイブリッド試薬、PCR試薬、カバースリップ試薬、シリコン油、ミネラル油、検出試薬および処理試薬、液体試薬、再構成された乾燥試薬、生体試薬、および水性および非水性試薬および一つ以上のシリコン界面活性剤またはシリコン添加剤を含む水の脱パラフィン化組成物からなる群から選択された試薬を含む、請求項84に記載の再構成可能な試薬分配ストリップ。
【請求項88】
再構成可能な試薬分配ストリップであって、複数の試薬モジュールを含み、各試薬モジュールは、タイルおよびそれに固定された試薬容器を含み、該タイルは、最初に単一の一体形状に構成され、該各タイルは、隣接したタイルに接続可能およびタイルから分離可能なように適応するため、一度、該試薬モジュールが最初の配列で接続され、一つ以上の前記タイルが分離される時、一つ以上のタイルは、最初の配列と異なる第二の配列で該複数の試薬モジュールを再構成するために再接続できる、再構成可能な試薬分配ストリップ。
【請求項89】
隣接した試薬モジュールを連結するための連結リンクをさらに含む、請求項88に記載の再構成可能な試薬分配ストリップ。
【請求項90】
前記試薬モジュールは、前記試薬容器内の試薬が該試薬容器から分配されるための注入器をさらに含む、請求項88に記載の再構成可能な試薬分配ストリップ。
【請求項91】
前記試薬容器は、前記タイルから取り外し可能である、請求項88に記載の再構成可能な試薬分配ストリップ。
【請求項92】
前記試薬容器の少なくとも一つは、抗原回復試薬、RNAおよびDNAプローブ、クエン酸塩緩衝液、SDS、Tween、Brij、イオンおよび非イオン洗浄剤などの界面活性剤または洗浄剤を含むかまたは含まないEDTA、TRIS、PBS、およびシリコン添加剤、リンス緩衝液、免疫組織化学試薬、組織化学試薬、in−situハイブリッド試薬、PCR試薬、カバースリップ試薬、シリコン油、ミネラル油、検出試薬および処理試薬、液体試薬、再構成された乾燥試薬、生体試薬、および水性および非水性試薬および一つ以上のシリコン界面活性剤またはシリコン添加剤を含む水の脱パラフィン化組成物からなる群から選択された試薬を含む、請求項88に記載の再構成可能な試薬分配ストリップ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24A】
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【図24B】
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【図25A】
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【図25B】
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【図26A】
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【図26B】
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【図27A】
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【図27B】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31A】
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【図31B】
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【図32A】
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【図32B】
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【図33】
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【図34A】
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【図34B】
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【図35A】
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【図35B】
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【図36】
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【図37A】
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【図37B】
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【図38A】
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【図38B】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【図60】
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【図61】
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【図62】
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【図63】
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【図64】
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【図65】
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【図66】
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【図67】
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【図68】
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【図69】
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【図70】
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【図71】
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【図72】
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【図73】
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【図74】
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【図75】
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【図76】
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【図77】
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【図78】
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【図79】
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【図80】
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【図81】
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【図82】
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【図83】
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【図84】
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【図85】
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【公表番号】特表2009−506300(P2009−506300A)
【公表日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−513689(P2008−513689)
【出願日】平成18年5月24日(2006.5.24)
【国際出願番号】PCT/US2006/020156
【国際公開番号】WO2006/127852
【国際公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願人】(507386863)
【出願人】(507386885)
【Fターム(参考)】