説明

invivo用途のためのバイオセンサーの安定化

本発明は、単離されたタンパク質を安定化するための製剤の使用に関する。本発明は特に、生化学センサー中のレセプターを安定化するための該製剤の使用に関する。本発明はさらに、該製剤を有する生化学センサーに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、単離されたタンパク質を安定化するための製剤の使用に関する。特に、生化学センサー中のレセプターを安定化するためのそのような製剤の使用が開示される。本発明はさらに、そのような製剤を含む生化学センサーに関する。
【背景技術】
【0002】
タンパク質の技術的利用にとって、干渉性の不純物を含まないようにすることが望ましい場合が多い。精製タンパク質の使用の1つの重要な分野は、生化学センサーである。生化学センサーのレセプターとして用いるタンパク質は、アナライトに対して高い親和性を有しなければならない。アナライトとレセプターとの結合を検出する目的で、アナライトとレセプターとの相互作用を測定可能にするために、レセプターを修飾する場合が多い。標的化された修飾は、不純物により困難になり、多くの場合不可能になる。そのため、タンパク質は天然の細胞および組織から抽出され、精製される。
【0003】
しかしながら、タンパク質の精製は、単離されたタンパク質の安定性が、天然の環境での安定性よりも低いことが多いという不利な点を有する。シャペロン、アミノ酸、タンパク質(例えば、BSA)、多糖または多糖誘導体の添加は、多くの場合、単離されたタンパク質の安定性を増大させる。しばしば、溶液中の空き容量を減らすために、低分子量または高分子量添加剤を用いる(「分子密集」)。この場合、タンパク質、多糖または合成ポリマーを用いることができる。先行技術から、特に、ポリエチレングリコール、フィコール、デキストラン、リボ核酸(ribonuclease)およびウシ血清アルブミンが知られている。これらの添加剤の効果は、「排除体積」効果により明らかにすることができる(非特許文献1)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Chebotareva et al., 2004, Biochemical Effects of Molecular Crowding, Biochemistry (Moscow), 69: 1522-1536
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の課題は、単離されたタンパク質の安定化を改善することができる製剤の提供である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題は、特許請求の範囲および本明細書中に以下で記載される実施形態により達成される。
【0007】
したがって、本発明は、単離されたタンパク質を安定化するための細胞ライセート画分の使用に関し、ここで、細胞ライセート画分は、以下のステップ:
(a)細胞から細胞ライセートを生成するステップ;および
(b)細胞ライセートから単離されるタンパク質を分離し、それにより単離されたタンパク質を安定化するための細胞ライセート画分を取得するステップ
を含む方法により生成される。
【発明を実施するための形態】
【0008】
好ましくは、単離されたタンパク質および細胞ライセート画分は、カナバリア・エンシフォルミス(Canavalia ensiformis;タチナタマメ)から生成する。特に好ましくは、細胞ライセート画分は、プレカナバリン(precanavalin)を含有する。好ましくは、単離されるタンパク質を分離した後に、細胞ライセート画分をさらに処理する。好ましくは、単離されたタンパク質はレセプターであり、非常に特に好ましくはコンカナバリンAである。好ましくは、単離されたタンパク質は、生化学センサーの構成要素である。特に好ましくは、生化学センサーは、ヒドロゲル粒子中にデキストランおよびコンカナバリンをさらに含む。
【0009】
本発明に従って用いられる細胞ライセート画分は、以下のステップ:
(a)細胞から細胞ライセートを生成するステップ;および
(b)単離される対象のタンパク質を、細胞ライセートから分離するステップ
を含む、単離されたタンパク質を安定化する細胞ライセート画分を提供する方法により取得することができる。
【0010】
本出願での「細胞」は、単離される対象のタンパク質を発現するすべての原核細胞または真核細胞を意味するものと理解される。これには、単離される対象のタンパク質が組換え的に発現している遺伝的に形質転換された細胞が含まれる。細胞は、原核もしくは真核細胞培養物の個別の細胞として存在することができ、あるいは動物もしくは植物生物体の組織サンプルの形態または真菌の形態で存在することができる。
【0011】
細胞ライセートの作製方法は、当業者に周知である。細胞は、すべての公知の機械的または非機械的破砕法を用いて、本発明の方法の範囲内で破砕することができる。好ましい機械的破砕法は、回転翼を用いたホモジナイゼーション(動物細胞で)、ポッター・エルベジェム法、細胞または組織の磨砕、砂、酸化アルミニウムまたはガラスビーズを含むモルタル中での粉砕、超音波の場合にはキャビテーション力による細胞破砕、および細胞懸濁液を高圧で狭いバルブを通して押し出すこと(例えば、フレンチプレスで)である。当業者は、機械的破砕法では熱が生じる場合があり、それにより、多くの場合に、タンパク質の変性を防ぐために温度制御が必要であることを知っている。好ましい非機械的破砕法は、細胞の反復凍結融解、高張溶液での細胞の処理、リゾチーム処理(グラム陽性細菌の場合)、EDTA処理とそれに続くリゾチームとのインキュベーション(グラム陰性細菌の場合)またはトルエン処理(酵母の場合)である。当然、前記の方法のうちの様々なメンバーを、互いに、または本明細書中で言及していない他の破砕法と組み合わせることができる。
【0012】
破砕中に、タンパク質を有害作用から保護しなければならない。好ましくは、プロテアーゼによるタンパク質の分解を防ぐために、低温または特異的阻害剤を用いる。チオール基の保護のためには、好ましくは還元剤を用い、特に好ましくはジチオトレイトールまたはジチオエリトリトール(dithioerythol)を用いる。重金属イオンからの保護のためには、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)が好ましい。EDTAは、プロテアーゼを活性化することができる二価カチオンにも結合する。タンパク質の凝集の防止のためには、好ましくは非イオン性界面活性剤を用いる。
【0013】
好ましくは、破砕法および任意により採用されるいずれかの保護手段が、細胞ライセート中に活性型として存在する所望のタンパク質に適合するだけでなく、タンパク質の安定化を仲介する細胞ライセートの成分も、選択した破砕法により機能的に傷害されてはならない。
【0014】
多くの場合、単離されたタンパク質を、その実用の前に修飾する。例えば、生化学センサーで用いるためのレセプターは、標識される場合が多い。この標識化は、例えば、蛍光色素を用いて、レセプターの共有結合修飾を介して行なう。安定化される修飾型の単離されたタンパク質が、細胞ライセート画分中に存在する非修飾型タンパク質により希釈されないように、単離される対象のタンパク質を、細胞ライセートから分離することが好ましい。「単離される対象のタンパク質を細胞ライセートから分離する」との表現は、所望のタンパク質の精製を表す。結果として、単離されたタンパク質として該タンパク質を含有する少なくとも1種の細胞ライセート画分が存在する。さらに、それとは別に、上記タンパク質を含有しないかまたはそれを微量しか含有しない少なくとも1種の細胞ライセート画分が存在する。単離されたタンパク質は、その天然の環境から、すなわち、細胞ライセート中で該タンパク質が共に存在していた分子から分離される。好ましくは、単離されたタンパク質は、その天然の環境由来の分子に基づいて、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、特に好ましくは少なくとも99%(重量/重量)純粋に存在する。単離されたタンパク質を含有する細胞ライセート画分は、該タンパク質の天然の環境に由来せず、精製過程または精製後に添加された分子を、いずれかの所望の量で含有することができる。その一例は、用いるバッファーの成分であろう。
【0015】
単離される対象のタンパク質を細胞ライセートから分離する方法は、当業者に公知である。好ましい方法は、沈殿および示差的溶解、超遠心、クロマトグラフィー法ならびに電気泳動である。
【0016】
タンパク質の沈殿は、好ましくは、漸増濃度の硫酸アンモニウムを添加することにより実行することができる。この方法では、異なる溶解度のタンパク質画分が、達成された硫酸アンモニウム濃度に依存して連続的に沈殿し、これを分離することができる。好適なバッファーを用いた媒体の酸性化によるタンパク質の沈殿が、同等に好ましい。
【0017】
超遠心は、遠心により生成された重力場では、粒子が、密度が高く緻密であるほどより迅速に沈降する、という原理に基づく。十分に長い遠心時間で成立する遠心力と浮力との平衡の結果として、個々のタンパク質は、浮力と遠心力とが互いに均衡する容器内の位置に集積する。スクロース勾配の使用により、このプロセスを促進することができる。
【0018】
クロマトグラフィーによるタンパク質の単離は、移動相(好ましくは、バッファー)中に溶解しているタンパク質が固定相中を移動する、という原理に基づく。タンパク質混合物由来の個々のタンパク質と固相との種々の強度の相互作用により、固定相中でそれぞれのタンパク質画分について異なる長さの泳動時間がもたらされるように、これらの相を選択する。タンパク質と固定相とが相互作用する様式は、クロマトグラフィーのタイプに依存する。タンパク質を単離するための好ましいクロマトグラフィー法は、サイズ排除クロマトグラフィー(分離される対象のタンパク質のサイズの違いに基づく)、アフィニティークロマトグラフィー(個々のタンパク質がカラム材料に特異的に結合する能力に基づく)、イオン交換クロマトグラフィー(様々なタンパク質の異なる等電点に基づく)および逆相クロマトグラフィー(様々なタンパク質の異なる疎水性に基づく)である。
【0019】
本特許出願の範囲内では、「単離された(単離される)タンパク質」との表現は、機能的状態でのその単離に関心が持たれているいずれかのタンパク質を表す。本明細書中、以下では、「所望のタンパク質」との表現が同義的に用いられる。本出願の文脈での単離されたタンパク質は、好ましくは、酵素、レセプター、調節タンパク質、転写因子、細胞骨格タンパク質、結合性タンパク質および膜輸送体、特に好ましくはレセプターを含む。非常に特に好ましくは、単離されたタンパク質は、コンカナバリンAである。本発明の方法の範囲内では、単離されたタンパク質は、純粋な物質として存在するか、または部分的に単離された形態で存在することができる。好ましくは、単離されたタンパク質または単離されたタンパク質の調製物は、不純物として、50%未満、25%未満、10%未満、5%未満、1%未満、または0.5%未満のタンパク質成分またはタンパク質および細胞成分を含む。
【0020】
「酵素」とは、化学反応を触媒することができるいずれかのタンパク質を意味するものと理解される。このプロセスでは、化学反応に関して、他の分子が変換されるか否か、または酵素が自己触媒的に作用するか否かは重要でない。
【0021】
「レセプター」とは、分子、すなわちリガンドに特異的に結合して、コンホメーション変化または活性変化を伴ってこの結合に反応することができるいずれかのタンパク質である。その天然の状態ではリガンドの結合に反応を示さないタンパク質は、リガンドの結合が該タンパク質に測定可能な変化をもたらすように化学的に修飾することもできる。さらに、蛍光標識されたレセプターと、同様に蛍光標識されたリガンドとの組み合わせを通して、競合アッセイが可能である。サンプル中の非標識型リガンドの非存在下では、蛍光標識されたリガンドのみがレセプターに結合する。2種類の蛍光色素の空間的な近さは、それらの発光に影響する。サンプル中に非標識型リガンドが存在する場合、非標識型リガンドがレセプターから蛍光標識リガンドを移動させ、つまり系の発光を変化させる。したがって、系の発光の変化は、サンプルを含む系に導入された、レセプターから標識型リガンドを移動させる非標識型リガンドの量に依存する。特異的結合とは、他の物質よりも顕著に高い親和性でリガンドに結合することを意味する。好ましくは、リガンドに、他のリガンドよりも少なくとも10倍、100倍、1000倍、10000倍または100000倍高い親和性で結合する。好ましくは、リガンドは、イオン、小分子、核酸(一本鎖もしくは二本鎖形態のDNAまたはRNA)またはいずれかの長さの他のタンパク質である。小分子は、いずれかの公知の分子クラスに属するものであり得る。小分子は、好ましくは、脂質、脂肪酸、プリン、ピリミジン、糖、アルカロイド、アミノ酸、生体アミン、イソプレノイドまたはステロイドである。小分子は、特に好ましくは糖であり、非常に特に好ましくはグルコースである。レセプターは、特に好ましくはレクチンであり、非常に特に好ましくはコンカナバリンAである。
【0022】
レクチンは、炭水化物構造に特異的に結合できるタンパク質である。レクチンは、動物、植物および細菌での多くのタイプの分子認識ならびに細胞認識プロセスに関与し、酵素機能は有さない。多数のレクチンが、グリコシル基により翻訳後修飾される。
【0023】
コンカナバリンAは、酵素的に反応することなくα-D-グルコースおよび類似の糖に結合できるレクチンである。単量体は237アミノ酸からなり、マンガンおよびカルシウムを含有する。中性pHでは四量体を形成し、これは酸性範囲では分解して2つの二量体になる。コンカナバリンAは、タチナタマメであるカナバリア・エンシフォルミスに特に高濃度で存在する。好ましくは、コンカナバリンAは、配列番号3に示したアミノ酸配列を有する。
【0024】
本出願では、これらのタンパク質は「調節タンパク質」と表わされ、調節タンパク質は、他のタンパク質に結合して、それによりこれらのタンパク質の活性を変化させる。結果として、相互作用パートナーの活性減少(阻害)または活性増大(活性化)が起こり得る。調節因子の結合パートナーは、好ましくは酵素である。この場合、調節因子の結合は、基質に対する親和性または基質の酵素反応の速度に影響を及ぼす。同等に好ましくは、結合パートナーはレセプターである。この場合、調節因子はアゴニストとして機能することができ、すなわち、それに対する結合によりレセプターを活性化することができるか、または調節因子が、この途中でレセプターを活性化することなく、アンタゴニストとしてレセプターに結合することができる。さらに好ましくは、結合パートナーは転写因子である。この場合、一方で、調節因子の結合は、転写因子が遺伝子発現を変化させる能力に影響を及ぼす。
【0025】
本出願の文脈での「転写因子」とはタンパク質であり、その活性は、細胞内で1種以上の遺伝子の発現を促進または阻害することからなる。
【0026】
「結合性タンパク質」とは、他の分子(リガンド)に特異的に結合できるタンパク質である。特異的結合とは、他の物質よりも顕著に高い親和性でリガンドに結合することを意味する。好ましくは、リガンドに、他のリガンドよりも少なくとも10倍、100倍、1000倍、10000倍または100000倍高い親和性で結合する。
【0027】
「膜輸送体」との表現は、細胞膜を通した他の分子の移動を可能にするかまたは促進するタンパク質を意味するものと理解される。これらのタンパク質は、細胞膜に局在する。
【0028】
細胞骨格タンパク質は、細胞の空間的構造を安定化させ、モータータンパク質と組み合わさって、細胞運動プロセスを仲介するタンパク質である。細胞骨格タンパク質は、好ましくは、アクチン、中間径フィラメントおよび微小管である。アクチンフィラメントおよび微小管と結合するモータータンパク質は、好ましくは、キネシン、ダイニンおよびミオシンである。
【0029】
「安定化」との用語は、単離されたタンパク質の構造および/または機能の維持を意味する。タンパク質の構造はその機能に対する実質的な前提条件であるので、タンパク質構造の安定化は、好ましくは、タンパク質の機能の維持をもたらす。安定化される対象のタンパク質構造は、好ましくは、その天然の環境で(すなわち、組織または細胞中で)タンパク質が有する構造である。本発明の製剤は、好ましくは、単離されたタンパク質の二次構造、三次構造または四次構造を安定化させる。本発明の文脈での安定化とは、統計学的に有意な割合の単離されたタンパク質分子の安定化を意味するものと理解される。例えば、本発明の製剤の消耗後の機能的な単離されたタンパク質の回復率は、好ましくは、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、または特に好ましくは少なくとも99%である。したがって、回復率は、本発明の製剤の添加および保存後の単離されたタンパク質の分子の総量のうちの単離されたタンパク質の機能的分子の割合として決定することができる。好ましくは、回復率を測定するために、単離されたタンパク質を含有する調製物の活性を、本発明の製剤添加の直前または直後とそれよりも遅い時点とで比較する。さらに、本発明の製剤を添加していない単離されたタンパク質の調製物と、同じ時点で比較する。
【0030】
本発明は、有利なことに、単離されたタンパク質、特にレセプターの安定化の改善を可能にする。実施例5に示されている通り、タンパク質の安定化剤として先行技術で公知であるウシ血清アルブミンと比較して、カナバリア・エンシフォルミスの種子由来の非結合性細胞ライセート画分により、コンカナバリンAがよりよく安定化される。単離されたタンパク質を安定化する本発明の細胞ライセート画分のさらに驚くべき利点は、活性を傷害することなくこの細胞ライセート画分をオートクレーブすることができることである。単離されたタンパク質を安定化する本発明の細胞ライセート画分の医療分野での応用に対して、これは重要な利点であり、なぜなら、これにより細胞ライセート画分が確実に病原体を含まないようにできるからである。
【0031】
本発明の好ましい実施形態では、単離されたタンパク質および該単離されたタンパク質を安定化する細胞ライセート画分は、タチナタマメ(カナバリア・エンシフォルミス(Canavalis ensiformis))の種子から生成される。
【0032】
本発明の特に好ましい実施形態では、単離されたタンパク質を安定化する細胞ライセート画分は、プレカナバリン(precanavalin)を含有する。単離される対象のタンパク質を産生する細胞がその天然型でプレカナバリンを含有しないか、または十分なプレカナバリンを含有しない場合、組換え的にこの細胞でプレカナバリンを発現させることが好ましい。同様に、細胞ライセートにプレカナバリンを添加することが好ましい。
【0033】
「プレカナバリン」との用語は、タチナタマメ(カナバリア・エンシフォルミス)の種子に含まれるタンパク質を表す。変性条件でのゲル電気泳動では、プレカナバリン単量体は49000ダルトンの分子量を示す。トリプシンにより、プレカナバリンは、それぞれ24000ダルトンおよび25000ダルトンの分子量の2種類のペプチドに分けられる。これらの切断産物の結晶化が可能な条件では、2種類のペプチドのうち大きいものが、トリプシンにより2回切断される(Campbell Smith et al., 1982, Biochemical Characterization of Canavalin, the Major Storage Protein of Jack Bean, Plant Physiology, 70: 1199-1209)。好ましくは、カナバリンは、配列番号2に示されるアミノ酸配列を有する。本発明の好ましい実施形態では、プレカナバリンは、配列番号2に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも60%、70%、80%、90%、95%、97%、98%または99%の配列同一性を有する。好ましくは、プレカナバリンは、配列番号1に示される配列を有するポリヌクレオチドによりコードされる。タチナタマメ由来の精製されたプレカナバリンの生成方法は、実施例1に記載されている。
【0034】
本発明のさらに好ましい実施形態では、単離されたタンパク質を安定化する細胞ライセート画分を、さらに処理する。
【0035】
この処理は、好ましくは、プロテアーゼ阻害剤を添加するステップおよび/または遊離金属イオンをキレート剤に結合させるステップを含む。さらに、タンパク質を安定化する細胞ライセート画分の滅菌が好ましい。非常に特に好ましくは、この処理は、細胞ライセート画分中の単離されたタンパク質を特に効率的に安定化する成分の部分集団の富化を含む。同様に、細胞ライセート画分から干渉性成分を分離することが、非常に特に好ましい。タンパク質の産業上の利用を妨げるそれらの分子を細胞ライセート画分から除去するために、タンパク質を安定化する細胞ライセート画分のそのような分離を用いる。タンパク質を安定化する細胞ライセート画分から分子の部分集団を単離するために、分子の混合物を分離するための当業者に公知のすべての方法を用いることができる。好ましくは、タンパク質の生成について上記で説明した分離法を用いる。
【0036】
本発明の基礎となる研究において、単離されたタンパク質を安定化するために、プレカナバリンが特に非常に好適であることが見出された。したがって、単離されたタンパク質を安定化する細胞ライセート画分のさらなる処理は、好ましくはプレカナバリンの富化である。
【0037】
好ましくは、プレカナバリンを、以下のステップを含む方法により富化する:
1. 好適なバッファー中にタチナタマメ粉砕物を懸濁するステップ;
2. Superdex 200カラムを用いてコンカナバリンAをクロマトグラフィー分離するステップ。プレカナバリンは非結合性画分に局在する;
3. 非結合性画分を水に対して透析するステップ;
4. 非結合性画分を凍結乾燥するステップ;
5. 非結合性画分を酸性沈殿バッファー(好ましくは50mM酢酸ナトリウム、pH4.4)と混合し、続いて遠心分離するステップ;
6. 沈殿物を蒸留水で洗浄し、続いて遠心分離するステップ;
7. 残ったペレットを好適なバッファー(好ましくは1%(重量/重量)NaClおよび0.1%(重量/重量)K2HPO4、pH7.0)に回収し、遠心分離するステップ;
8. 遠心分離後に上清を回収するステップ;
9. 遠心分離後に残った沈殿物を塩化ナトリウム溶液(好ましくは5%(重量/重量))に回収し、再度遠心分離するステップ;
10. ステップ9で得られた上清を、ステップ8の上清と併せるステップ;
11. 併せた上清を蒸留水に対して透析するステップ;
12. 酸塩基抽出により(好ましくは1N酢酸、pH5.1を用いた沈殿および0.01N NaOH中への沈殿物の回収により)プレカナバリンを濃縮するステップであって、塩基中への回収後のpHは8.0を超えないステップ;
13. 続くイオン交換クロマトグラフィーのために用意したアプライバッファー(好ましくは20mM Tris、100mM NaCl、pH7.2)に対して透析するステップ;
14. 好ましくはDEAEセファロースFFカラムおよびステップ13に記載したアプライバッファーと、好ましくは漸増塩勾配を利用する溶出を用いたイオン交換クロマトグラフィーステップ;
15. 好ましくはSDS-PAGEを用いて最も純粋な画分を特定し、これらの画分を併せるステップ;
16. 蒸留水に対して透析するステップ;ならびに
17. プレカナバリンを凍結乾燥するステップ。
【0038】
特に好ましくは、以下のステップを含む簡略化法によりプレカナバリンを富化する:
1. 好適なバッファー中にタチナタマメ粉砕物を懸濁するステップ;
2. 好ましくはDEAEセファロースFFカラムと、好ましくは漸増塩勾配を利用する溶出を用いたイオン交換クロマトグラフィーステップ;
3. 好ましくはSDS-PAGEを用いて最も純粋な画分を特定し、これらの画分を併せるステップ;
4. 蒸留水に対して透析するステップ;ならびに
5. プレカナバリンを凍結乾燥するステップ。
【0039】
本発明のさらに好ましい実施形態は、単離されたタンパク質を安定化するためのプレカナバリン含有製剤の使用に関する。コンカナバリンAを安定化するための上記の製剤の使用が特に好ましい。
【0040】
「プレカナバリンを含有する製剤」は、好ましくは液体形態または固体形態である。好ましくは、該製剤は、プレカナバリンの他に、単離されたタンパク質の細胞環境由来の他の成分も含む。同等に好ましくは、該製剤は、シャペロン、ウシ血清アルブミンおよび/または適合性の溶質を含有する。さらに好ましくは、該製剤は、有機または無機緩衝物質を含有する。細菌および真菌の増殖を抑える保存料ならびに湿潤化剤も、本発明の製剤の成分として好ましい。本発明の製剤の固形分のうちのプレカナバリンの重量分率は、好ましくは、少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、97%、98%、99%または99.5%である。
【0041】
好ましい実施形態では、本発明の製剤に含有されるプレカナバリンは、組換え的に生成される。
【0042】
タンパク質の組換え生成のための方法は、当業者に周知である。プレカナバリンをコードする核酸配列を、選択した宿主生物でのプレカナバリンの発現を可能にする発現ベクターに導入する。このためには、プレカナバリンをコードする核酸配列が、好適な調節配列の制御下にあることが好ましい。好適な調節配列は、例えば、lac、trpもしくはtacプロモーター(大腸菌に対して)、AOX1もしくはGAL-1プロモーター(酵母に対して)またはCaMVプロモーター(植物に対して)である。動物細胞での使用のためには、CMV、SV40、またはRSV(ラウス肉腫ウイルス)プロモーター、およびまたCMVエンハンサー、SV40エンハンサーまたはグロビンイントロンが好ましい。好ましい発現ベクターは、プラスミド、ファージ、レトロウイルスベクターおよび人工染色体である。プレカナバリンの組換え生成のための好ましい宿主生物は、植物、原核生物および真菌、またはそれ以外には哺乳動物である。好ましくは、プラスミドは、エレクトロポレーション、リン酸カルシウムもしくは塩化ルビジウムを用いた沈殿により、または熱ショックにより、宿主細胞に導入する。植物細胞の好ましい形質転換法は、弾道接種(ballistic inoculation)およびアグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)に媒介される形質転換である。
【0043】
本発明はさらに、単離されたタンパク質に本発明のプレカナバリン含有製剤を添加することを含む、単離されたタンパク質を安定化する方法に関する。
【0044】
所望のタンパク質への本発明のプレカナバリン含有製剤の添加は、本発明の製剤の的確な用量を可能にする。このようにして、所望のタンパク質の規定された再現可能な安定化を実現することができる。好ましくは、乾燥製剤を、所望のタンパク質を含有する溶液に固体として添加し、これに溶解させる。同等に好ましくは、本発明の製剤のストック溶液を、所望のタンパク質を含有する溶液に添加する。本発明のプレカナバリン含有製剤をヒドロゲル粒子に組み込むことが特に好ましく、アルギン酸ビーズに組み込むことが非常に特に好ましく、ここで、ヒドロゲル粒子は、単離されたタンパク質も含有する。
【0045】
本発明の方法の好ましい実施形態では、単離されたタンパク質はレセプターであり、より好ましくはレクチンであり、さらにより好ましくはコンカナバリンAである。
【0046】
本発明はさらに、単離されたタンパク質を安定化するための、単離されたタンパク質を安定化する本発明の細胞ライセート画分の使用に関し、ここで、該単離されたタンパク質は生化学センサーの構成要素である。
【0047】
「生化学センサー」は、検出対象の物質に高親和性で結合することができる分子、好ましくはタンパク質を含む。このタンパク質は、本明細書中、以下では「レセプター」と記載される。本発明に従って作製される生化学センサーは、少なくとも1種類のレセプター、および該1種類以上のレセプターを安定化する、細胞ライセート画分中に存在する分子を含む。当業者は、生化学センサーが他の分子をさらに含むことができることを理解している。
【0048】
アナライトとレセプターとの結合は、サンプル中のアナライトの定性的かつ好ましくは定量的検出を可能にする。定性的検出とは、サンプル中のアナライトの存在または非存在の観察を意味するものと理解される。当業者は、用いるセンサーに応じて、定性的検出が検出の下限を有すること、すなわち、アナライトの存在を確認できるためには、サンプルがアナライトの所定の最小濃度を有しなければならないことを理解している。アナライトの定量的検出は、サンプル中のアナライトの量または濃度についての情報をさらに提供する。レセプターとアナライトとの相互作用を検出可能にするためには、用いるタンパク質を化学的に修飾することが好ましい。蛍光色素を用いた標識化による単離されたタンパク質の修飾が特に好ましい。
【0049】
「サンプル」との用語は、その中のアナライトが検出の対象であるいずれかの液体を表す。血液、血漿、血清、涙液、組織液および尿が好ましく、眼の結膜下の組織液が特に好ましい。組織サンプルが同等に好ましい。サンプルは、好ましくは、患者身体から単離されたサンプルとして存在する。より好ましくは、サンプルは、その天然の位置に存在する。この場合、好ましくは、センサーを患者の身体内に導入し、サンプルが位置する場所で直接用いる。
【0050】
本発明の好ましい実施形態では、生化学センサーは、レセプターとしてコンカナバリンAを含む。コンカナバリンAはグルコースに結合するので、そのような生化学レセプターはサンプル中のグルコース濃度を測定するために用いることができる。この場合、好ましくは、生化学センサーは、レセプターおよび該レセプターを安定化する細胞ライセート画分に加えて、ヒドロゲルを含む。合成分子、生体分子または修飾型生体分子のヒドロゲルが好ましい。好ましい合成分子は、ポリアクリレート、ポリアクリルアミドおよびポリビニルアルコールである。好ましい生体分子は、ゼラチン、カラギーナン、アガロース、アミロース、アミロペクチン、アルギン酸塩、ジェラン、セルロースおよびセルロース誘導体である。ポリビニルアルコールおよびアルギン酸塩が特に好ましい。生化学センサーがヒドロゲルを含む場合、レセプターおよびアナライトは不均一相中に存在する。
【0051】
特に好ましい実施形態では、生化学センサーは、単離されたタンパク質を安定化する細胞ライセート画分、デキストランおよびコンカナバリンAがその中に存在するヒドロゲル粒子を含む。
【0052】
さらに、本発明は、生化学センサーを作製するための、単離されたタンパク質を安定化する本発明の細胞ライセート画分またはプレカナバリン含有製剤の使用に関する。
【0053】
本発明はまた、上記で規定した、単離されたタンパク質および該単離されたタンパク質を安定化する細胞ライセート画分を含む生化学センサーも提供する。好ましくは、生化学センサーは、単離されたタンパク質としてのレセプター、特に好ましくはコンカナバリンAを含む。好ましくは、細胞ライセート画分は、デキストランおよび単離されたタンパク質、好ましくはレセプター、特に好ましくはコンカナバリンAと共に、ヒドロゲル粒子中に含まれる。
【0054】
同様に、本発明は、コンカナバリンAおよびプレカナバリンを含む生化学センサーを提供する。好ましくは、コンカナバリンAおよびプレカナバリンは、デキストランと共にヒドロゲル粒子中に含まれる。
【0055】
以下の例示的な実施形態は、本発明を例示するためにのみ機能する。それらの実施形態は、特許請求の範囲の対象をいかなるようにも制限することを意図するものではない。
【実施例】
【0056】
実施例1:タチナタマメの非結合性画分の生成
タチナタマメ(カナバリア・エンシフォルミス、Canavalia ensiformis)粉砕物300gを100mMバッファー中に懸濁し、濾過して、膜成分を除去する。合計で30gのタンパク質をSuperdex 200カラムにアプライし、カラム材料に結合しないタンパク質画分を回収する。合計3リットルの非結合性画分(nbF)が得られる。溶液を水に対して透析する。次に、凍結乾燥(lyophilization)を行なう。凍結乾燥した物質は、作業バッファー中に入れることができる。
【0057】
実施例2:プレカナバリンの精製
非結合性画分からの粗精製画分プレカナバリンの抽出
透析および凍結乾燥したnbF 8.0gを、沈殿バッファー(50mM酢酸ナトリウム、pH4.4)と混合し、インキュベートし、続いて遠心分離する。沈殿物を水で洗浄し、再度遠心分離する。ペレットを800mLのリン酸水素塩溶液(1%(w/v)NaCl+0.1%(w/v)K2HPO4、pH7.0)に溶解する。遠心分離後の上清を回収する。沈殿物を5%強度の塩化ナトリウム溶液500mLに溶解し、続いて遠心分離する。塩抽出の上清を併せて、再蒸留水に対して透析する。透析液を遠心分離する。沈殿物を捨て、1N酢酸を用いて上清をpH5.1に調整し、沈殿させる。沈殿バッチを一晩インキュベートし、次の日に遠心分離する。沈殿物を50mLの0.01N NaOHに回収し、ほぼ透明の溶液になるように6mLの0.1N NaOHと混合する。pH8.0を超えないようにpHを調べる。バッチを4℃で一晩インキュベートする。酸塩基抽出ステップを一回繰り返す。最終的に得られる酸性のプレカナバリン抽出物を、20mM Trisバッファー、100mM NaCl、pH7.2に対して透析する。
【0058】
プレカナバリンの精製
DEAEアニオン交換クロマトグラフィー(DEAEセファロースFF)を用いて、プレカナバリンを精製する。タンパク質を、アプライバッファー(20mM Trisバッファー、100mM NaCl、pH7.2)で平衡化したカラムにアプライし、続いて280nmの塩基吸収線が安定になるまでバッファーで洗浄し、溶出する(溶出バッファー:20mM Trisバッファー、1M NaCl、pH7.2)。0〜100%の塩勾配を用いて、溶出を行なう。SDS-PAGEによる溶出画分の分析後、最も純粋な画分を併せる。精製されたプレカナバリンを再蒸留水に対して一晩透析し、凍結乾燥する。
【0059】
実施例3:非結合性画分(またはプレカナバリン)を含むヒドロゲル粒子の作製
2gのアルギン酸ナトリウム塩および8gの非結合性画分(またはプレカナバリン)を、250mL三角フラスコ中で撹拌しながら200gの水に溶解する。5Lビーカーで、66.2gのCaCl2・2H2Oを4931.3gの水に溶解する。
【0060】
アルギン酸/タンパク質溶液を、ポンプを用いて二流体ノズルに送る。同時に、ノズルの第2注入口から圧縮空気を送り、アルギン酸/タンパク質溶液を微細液滴に霧化する。塩化カルシウム溶液を含む超音波処理器へと気流により液滴を送り、ゲル化させて底に沈ませる。ゲル化した球を回収し、任意によりオートクレーブする。
【0061】
実施例4:グルコースセンサーのin vitro安定性試験
グルコースセンサーは、それぞれ1mLの生理学的バッファー中で、37℃にて保存する。適切な保存期間後に、グルコースセンサーを取り出し、様々なグルコース濃度で蛍光スペクトルを測定する。グルコース含量の上昇に伴う蛍光強度の変化は、グルコースセンサーの品質の尺度として機能する。種々の保存期間のセンサーを、保存していないセンサーと比較し、グルコースに対する反応の絶対的減少および減少割合(%)を、保存期間に対して決定する。
【0062】
表1は、50〜250mg/dlの生理的グルコース範囲での、非結合性画分およびプレカナバリンを用いて安定化したセンサーのセンサー応答を比較して示す。1mg/dlのグルコース濃度の上昇当たりのシグナル変化(%)として表す。非結合性画分およびプレカナバリンは、同様の結果をもたらす。
【表1】

【0063】
実施例5:非安定化センサーと比較した種々の考えられる安定化剤を用いた安定性試験の結果
表2は、生理学的条件での120日間の保存後の値を示す。BSA、HSAなどの公知の安定化剤はセンサーシステムを安定化しないが、マメ粉砕物抽出物由来の非結合性画分(オートクレーブ済みのものを含む)により顕著な安定化が達成される。
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
単離されたタンパク質を安定化するための細胞ライセート画分の使用であって、該細胞ライセート画分が、以下のステップ:
(a)細胞から細胞ライセートを生成するステップ;および
(b)該細胞ライセートから単離されるタンパク質を分離し、それにより単離されたタンパク質を安定化するための細胞ライセート画分を取得するステップ
を含む方法により生成される、上記使用。
【請求項2】
単離されたタンパク質および細胞ライセート画分が、カナバリア・エンシフォルミス(Canavalia ensiformis)から生成される、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
細胞ライセート画分がプレカナバリンを含有する、請求項2に記載の使用。
【請求項4】
細胞ライセート画分が、単離されるタンパク質を分離した後にさらに処理される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の使用。
【請求項5】
単離されたタンパク質がレセプターである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の使用。
【請求項6】
レセプターがコンカナバリンAである、請求項5に記載の使用。
【請求項7】
単離されたタンパク質が生化学センサーの構成要素である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の使用。
【請求項8】
生化学センサーが、ヒドロゲル粒子中にデキストランおよびコンカナバリンをさらに含む、請求項7に記載の使用。
【請求項9】
コンカナバリンAを安定化するためのプレカナバリン含有製剤の使用。
【請求項10】
単離されたタンパク質と、請求項1〜6のいずれか1項に規定される該単離されたタンパク質を安定化する細胞ライセート画分とを含む生化学センサー。
【請求項11】
レセプターがコンカナバリンAである、請求項10に記載の生化学センサー。
【請求項12】
細胞ライセート画分が、デキストランおよびコンカナバリンAと共にヒドロゲル粒子中に含まれる、請求項9または10に記載の生化学センサー。
【請求項13】
コンカナバリンAとプレカナバリンとを含む生化学センサー。
【請求項14】
コンカナバリンAおよびプレカナバリンが、デキストランと共にヒドロゲル粒子中に含まれる、請求項13に記載の生化学センサー。

【公表番号】特表2013−507946(P2013−507946A)
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−534718(P2012−534718)
【出願日】平成22年10月25日(2010.10.25)
【国際出願番号】PCT/EP2010/066036
【国際公開番号】WO2011/054690
【国際公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(512107765)アイセンス アーゲー (1)
【Fターム(参考)】