説明

p−38キナーゼ阻害剤

p38αおよびp38βキナーゼを含むp38キナーゼの活性を調節するための化合物および組成物を提供する。p38キナーゼ介在疾患または障害の1種以上の症状を処置、予防または改善するための方法も提供する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
関連出願
米国法典第35編第119条(e)に基づき、米国仮特許出願第60/490,096号(2003年7月25日出願)発明の名称「p38キナーゼ阻害剤」について優先権が主張されている。上記出願の開示を、その全体について出典明示により本明細書の一部とする。
【技術分野】
【0002】
本発明において、サイトカイン阻害活性を有する化合物を提供する。ある態様において、該化合物はp38αおよびβキナーゼと関連する状態を処置するための、ならびにp38キナーゼ関連状態を処置するための、アリールおよびヘテロアリール化合物である。
【背景技術】
【0003】
IL−1、IL−6、IL−8およびTNF−αを含む多くのサイトカインが炎症性応答に参加している。IL−1およびTNF−αのようなサイトカインの過剰生産は炎症性腸疾患、リウマチ性関節炎、乾癬、多発性硬化症、内毒素ショック、骨粗鬆症、アルツハイマー病、および鬱血性心不全等を含む広範な疾患に関係する(Henry et al., Drugs Fut., 24:1345-1354 (1999);Salituro et al., Curr. Med. Chem., 6:807-823 (1999))。ヒト患者における証拠は、たとえばTNF−αに対するモノクローナル抗体(レミケード(Remicade))(Rankin et al., Br. J. Rheumatol., 34:33,4-342 (1995))、および可溶性TNF−αレセプターFc融合タンパク質(エタネルセプト(Etanercept))(Moreland et al., 25 Ann. Intern. Med., 130:478-486 (1999))におけるように、サイトカインのタンパク質アンタゴニストが慢性炎症性疾患の処置において有効であることを示す。
【0004】
TNF−αの生合成は、たとえばマイトジェン、感染性生物または外傷のような外的刺激に応答する多くの細胞型において起こる。TNF−α生産の重要なメディエーターは、マイトジェン活性化タンパク質(MAP)キナーゼであり、とりわけ、p38キナーゼである。これらのキナーゼは、これに限るものではないが、前炎症性サイトカイン、内毒素、紫外線光および浸透圧ショックを含む様々なストレス刺激に応答して活性化される。p38の活性化は、p38アイソザイムに特有のThr−Gly−Tyrモチーフ内におけるスレオニンおよびチロシンでの上流MAPキナーゼキナーゼ(MKK3およびMKK6)による、2つのリン酸化を必要とする。
【0005】
4種の既知のp38のアイソフォーム、すなわちp38α、p38β、p38γおよびp38δが存在する。αおよびβアイソフォームは炎症性細胞において発現され、TNF−α生産の重要なモジュレーターである。細胞におけるp38αおよびβ酵素の阻害は、TNF−α発現レベルの減少をもたらす。また、炎症性疾患の動物モデルにおいてp38αおよびβの阻害剤の投与は、かかる阻害剤がそれらの疾患の処置において有効であることを示した。したがって、該p38酵素はIL−1およびTNF−αが介在する炎症過程において重要な役割を有する。報告によると炎症性疾患の処置において使用するためのIL−1およびTNF−αのようなp38キナーゼおよびサイトカインを阻害する化合物は、Scios Incの米国特許第6277989号および第6130235号;Vertex Pharmaceuticals Incの米国特許第6147080号および第5945418号;Smith-Kline Beecham Corp.の米国特許第6251914号、第5977103号および第5658903号;G.D. Searle & Co.の米国特許第5932576号および第6087496号;Astra ZenecaのWO 00/56738およびWO 01/27089;Johnson & JohnsonのWO 01/34605;WO 00/12497(p38キナーゼ阻害剤としてのキナゾリン誘導体);WO 00/56738(同じ目的のためのピリジンおよびピリミジン誘導体);WO 00/12497(p38キナーゼ阻害剤の間の関係について議論している);およびWO 00/12074(p38阻害剤として有用なピペラジンおよびピペリジン化合物)において開示されている。
【0006】
チロシンキナーゼ阻害剤として有用なピロロトリアジン化合物は、Bristol-Myers Squibbに譲渡された米国特許出願第09/573829号(2000年5月18日出願)において開示されている。さらに、ピロロトリアジンキナーゼ阻害剤は、Bristol-Myers Squibbに譲渡されたWO 02/40486において開示されている。p38キナーゼ阻害剤について開示している他の出願には、WO 03/032970、WO 03/033482、WO 03/032971、WO 03/032986、WO 03/032980、WO 03/032987、WO 03/033483、WO 03/033457およびWO 03/032972が含まれ、これらを本件出願の一部とする。本明細書中で言及する特許出願、特許および出版物を、参照により本明細書の一部とする。
【0007】
要約
本発明において、p38キナーゼ活性と関連する状態の1種以上の症状を処置、予防、または改善する、化合物、組成物および方法を提供する。ある態様において、該組成物および方法に使用する化合物はヘテロアリールアミドである。他の態様において、該ヘテロアリールアミドはp38αおよびp38βキナーゼを含むキナーゼの阻害剤として有用である。
【0008】
ある態様において、本発明において提供される化合物は、式(I):
【化1】

〔式中、X、Y、n、RおよびRは、得られた化合物がp38キナーゼ活性を示すように選択される〕
またはその薬学的に許容される誘導体である。
【0009】
また、上記定義の式(I)の化合物を薬学的に許容される担体との組合せにおいて含む医薬組成物が提供される。
【0010】
かかる処置を必要とする哺乳類の対象に式(I)の化合物を投与することによる、哺乳類においてサイトカイン介在疾患の1種以上の症状を処置、予防または改善する方法が提供される。処置、予防される疾患および障害、または改善されるそれらの症状には、これらに限るものではないが、慢性炎症性疾患、炎症性腸疾患、リウマチ性関節炎、乾癬、多発性硬化症、内毒素性ショック、骨粗鬆症、アルツハイマー病、および鬱血性心不全が含まれる。
【0011】
本発明において提供される化合物および組成物を使用して、炎症性応答を予防または阻害する方法も提供される。
【0012】
さらに、本発明において提供される化合物および組成物を使用して、p38αおよびp38βキナーゼを含むp38キナーゼを阻害する方法が提供される。さらに、本発明において提供される化合物および組成物を使用して、サイトカイン応答を媒介する方法が提供される。
【0013】
包装材と、p38キナーゼ介在疾患または障害の1種以上の症状を処置、予防または改善するために有用である、本発明において提供される化合物または組成物、かつ該化合物または組成物がp38キナーゼ介在疾患または障害の1種以上の症状を処置、予防または改善するために有用であることを示したラベルを含む製品を提供する。
【発明の開示】
【0014】
A.定義
他に定義がない限り、本明細書において使用される全ての技術的および科学的用語は該発明が属する分野の当業者に一般的に理解されるとおりの意味を有する。本明細書の全体の開示を通じて言及されている全ての特許、出願、公開された出願、および出版物、遺伝子バンクの配列、データベース、ウェブサイトならびに他の公開物を、他に記載がない限り、それらの全体について参照により本明細書の一部とする。本明細書の用語について複数の定義が存在するとき、このセクションにおけるものが優先する。参照がURLもしくは他のかかる同定方法、またはアドレスからなるとき、かかる同定方法は変化し得、特定のインターネットの情報は去来し得、しかし同等の情報がインターネットを調査することにより発見され得ることが理解される。それらへの言及は、かかる情報の利用可能および公共への流布の証拠となる。
【0015】
本明細書において使用するとき、p38αはHan et al.(1995) Biochim. Biophys. Acta 1265 (2-3):224-7において開示された酵素を意味する。本明細書において使用するとき、p38βはJiang et al.(1996) J. Biol. Chem. 271 (30):17920-6において開示された酵素を意味する。本明細書において使用するとき、p38γはLi et al.(1996) Biochem. Biophys. Res. Commun. 228: 334-340において開示された酵素を意味する。本明細書において使用するとき、p38δはWang et al.(1997) J. Biol. Chem. 272 (38):23668-74において開示された酵素を意味する。
【0016】
本明細書において使用するとき、化合物の薬学的に許容される誘導体には、その塩、エステル、エノールエーテル、エノールエステル、アセタール、ケタール、オルトエステル、ヘミアセタール、ヘミケタール、酸、塩基、溶媒和物、水和物またはプロドラッグが含まれる。かかる誘導体は、当業者によってかかる誘導体についての既知の方法を使用して容易に製造され得る。製造された化合物は、実質的な毒性効果なしに動物またはヒトに投与され得、そして薬学的に活性であるかまたはプロドラッグのいずれかである。薬学的に許容される塩には、これに限るものではないが、アミン塩、たとえばこれに限るものではないが、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、アンモニア、ジエタノールアミンおよび他のヒドロキシアルキルアミン、エチレンジアミン、N−メチルグルカミン、プロカイン、N−ベンジルフェネチルアミン、1−パラ−クロロベンジル−2−ピロリジン−1’−イルメチル−ベンゾイミダゾール、ジエチルアミンおよび他のアルキルアミン、ピペラジンおよびトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン;アルカリ金属塩、たとえばこれに限るものではないが、リチウム、カリウムおよびナトリウム;アルカリ土類金属塩、たとえばこれに限るものではないが、バリウム、カルシウムおよびマグネシウム;遷移金属塩、たとえばこれに限るものではないが、亜鉛;および他の金属塩、たとえばこれに限るものではないが、リン酸水素ナトリウムおよびリン酸二ナトリウム;そしてまた、これに限るものではないが、硝酸、ホウ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、鉱酸の塩、たとえばこれに限るものではないが、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸および硫酸;および有機酸の塩、たとえばこれに限るものではないが、酢酸、トリフルオロ酢酸、シュウ酸、安息香酸、サリチル酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、コハク酸塩、酪酸、吉草酸およびフマル酸が含まれる。さらに、双性イオン(「分子内塩」)が形成され得る。ある態様において、化合物の塩形は、該化合物の溶解速度および経口バイオアベイラビリティーを改善する。薬学的に許容されるエステルには、これに限るものではないが、カルボン酸、リン酸、ホスホン酸、スルホン酸、スルフィン酸およびボロン酸を含む酸性基の、これに限るものではないが、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、シクロアルキルおよびヘテロシクリルエステルが含まれる。薬学的に許容されるエノールエーテルには、これに限るものではないが、式C=C(OR)〔式中、Rは水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、シクロアルキルまたはヘテロシクリルである〕の誘導体が含まれる。薬学的に許容されるエノールエステルには、これに限るものではないが、式C=C(OC(O)R)〔式中、Rは水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、シクロアルキルまたはヘテロシクリルである〕の誘導体が含まれる。薬学的に許容される溶媒和物および水和物は、たとえば1以上の溶媒または水分子、または1〜約100の、または1〜約10の、または1〜約2、3または4の溶媒または水分子と化合物の複合体である。
【0017】
「アルキル」との用語は、1〜20個の炭素原子、他の態様において1〜7個の炭素原子の直鎖または分枝鎖非置換炭化水素基を意味する。「低級アルキル」との表現は、1〜4個の炭素原子の非置換アルキル基を意味する。アルキルまたは他の基において下付き文字を使用するとき、該下付き文字は該基が有する炭素原子の数を意味する。「C1−4アルキル」との用語には、単結合および1〜4個の炭素原子のアルキル基が含まれる。
【0018】
「置換されたアルキル」との用語は、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、オキソ(=O)、アルカノイル、アリールオキシ、アルカノイルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アラルキルアミノ、二置換アミン(該2個のアミノ置換基は、アルキル、アリールまたはアラルキルから選択される);アルカノイルアミノ、アロイルアミノ、アラルカノイルアミノ、置換されたアルカノイルアミノ、置換されたアリールアミノ、置換されたアラルカノイルアミノ、チオール、アルキルチオ、アリールチオ、アラルキルチオ、アルキルチオノ、アリールチオノ、アラルキルチオノ、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、スルホンアミド、たとえばSONH、置換されたスルホンアミド、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルバミル、たとえばCONH、置換されたカルバミル、たとえばCONHアルキル、CONHアリール、CONHアラルキルまたはアルキル、アリールもしくはアラルキルから選択される2個の置換基が該窒素上に存在するこれらのもの;アルコキシカルボニル、アリール、置換されたアリール、グアニジノおよびインドリル、イミダゾリル、フリル、チエニル、チアゾリル、ピロリジル、ピリジル、ピリミジル等のような置換または非置換ヘテロ環から選択される1〜4個の置換基、他の態様において1、2または3個の置換基によって置換されたアルキル基を意味する。アルキル基の該置換基はさらに置換され、それはアルキル、アルコキシ、アリールまたはアラルキルであろう。
【0019】
ヘテロシクロアルキルまたはシクロアルキルアルキルのように、他の基と組み合わせてアルキルの用語が使用されるとき、これは同定された基が分枝鎖または直鎖であり得るアルキル基を介して直接結合されていることを意味する。「置換されたシクロアルキルアルキル」のように、置換基の場合、該基のアルキル部分は、分枝鎖または直鎖である以外に、置換されたアルキル基について上記のとおりに置換され得および/または該結合された基はその基について本明細書中に記載のとおりに置換され得る。
【0020】
「ハロゲン」または「ハロ」との用語は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を意味する。
「アリール」との用語は、環部分において6〜12個の炭素原子を有する単環式または二環式芳香族性炭化水素基、たとえばフェニル、ナフチル、ビフェニルおよびジフェニル基を意味する。アリールが置換されているとき、アリールの各環は置換され得る。
【0021】
「置換されたアリール」との用語は、アルキル、置換されたアルキル、ハロ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルカノイル、アルカノイルオキシ、アミノ、アリールアミノ、アラルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルカノイルアミノ、チオール、アルキルチオ、ウレイド、ニトロ、シアン、カルボキシ、カルボキシアルキル、カルバミル、アルコキシカルボニル、アルキルチオノ、アリールチオノ、アリールスルホニルアミン、スルホン酸、アルキル(alky)スルホニル、スルホンアミド、およびアリールオキシから選択される1〜4個の置換基、他の態様において1、2または3個の置換基によって置換されたアリール基を意味する。該置換基はさらにヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、アリール、置換されたアリール、置換されたアルキルまたはアラルキルによって置換され得る。
【0022】
「アラルキル」との用語は、ベンジルのようなアルキル基を介して直接結合しているアリール基を意味し、ここで、該アルキル基は直鎖または分枝鎖であり得る。「置換されたアラルキル」の場合、該基のアルキル部分は、分枝または直鎖である以外に、上記置換されたアルキル基と同様に置換され得、および/または該アリール部分は上記アリールと同様に置換され得る。したがって、「所望により置換されたベンジル」
【化2】

との用語は、各R基が水素であり得るかまたはアルキル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アミノ、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキルチオ、フェニル、ベンジル、フェニルオキシおよびベンジルオキシ、および他の上記基から選択され得る基を意味する。ある態様において、少なくとも2個のこれら「R」基が水素である。ある態様において、少なくとも5個の「R」基が水素である。
【0023】
「ヘテロアリール」との用語は、たとえば4〜7員単環式、7〜11員二環式、または10〜15員三環式環系であり、少なくとも1個のヘテロ原子および少なくとも1個の炭素原子を含む環を有する、芳香族性基を意味する。ヘテロ原子を含むヘテロアリール基の各環は、1または2個の酸素または硫黄原子および/または1〜4個の窒素原子を含み得、ただし各環中のヘテロ原子の総数は4個以下であり、そして各環は少なくとも1個の炭素原子を有する。二環式および三環式基を完成させる縮合環は炭素原子のみを含み得、飽和、部分的に飽和、または不飽和であり得る。窒素および硫黄原子は所望により酸化され得、そして窒素原子は所望により4級化され得る。二環式または三環式であるヘテロアリール基は、少なくとも1個は完全に芳香環を含まなければならないが、他の縮合環(複数も可)は芳香族性または非芳香族性であり得る。該ヘテロアリール基は任意の環の任意の利用可能な窒素または炭素原子で結合し得る。
【0024】
「置換されたヘテロアリール」はヘテロアリール基を構成する(pomprising)環の1個以上のいずれかに、1〜4個の置換基を有する。該置換基はヘテロ環基について下記の30から選択され得る。
【0025】
単環式ヘテロアリール基の例はピロリル、ピラゾリル、ピラゾリニル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル
【化3】

チアジアゾリル、イソチアゾリル、フラニル、チエニル、オキサジアゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、トリアジニル等を含む。
【0026】
二環式ヘテロアリール基の例はインドリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチエニル、キノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、イソキノリニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾピラニル、インドリジニル、ベンゾプラニル、クロモニル、クマリニル(coumarinyl)、ベンゾピラニル、シノリニル、キノキサリニル、インダゾリル、ピロロピリジル、フロピリジニル、ジヒドロイソインドリル、テトラヒドロキノリニル等を含む。
【0027】
三環式ヘテロアリール基の例はカルバゾリル、ベンジドリル、フェナントロリニル、アクリジニル、フェナントリジニル、キサンテニル等を含む。
【0028】
「アルケニル」との用語は、直鎖または分枝鎖の、2〜20個の炭素原子、ある態様において2〜15個の炭素原子、他の態様において2〜8個の炭素原子の、1〜4個の2重結合、他の態様において1または2個の2重結合を有する炭化水素基を意味する。
【0029】
「置換されたアルケニル」との用語は、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、アルカノイル、アルカノイルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルシルアミノ、アルカノイルアミノ、チオール、アルキルチオ、アルキルチオノ、アルキルスルホニル、スルホンアミド、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルバミル、置換されたカルバミル、グアニジノ、ならびにインドリル、イミダゾリル、フリル、チエニル、チアゾリル、ピロリジル、ピリジル、ピリミジル等を含む置換および非置換ヘテロ環から選択される1または2個の置換基によって置換されたアルケニル基を意味する。
【0030】
「アルキニル」との用語は、直鎖または分枝鎖の、2〜20個の炭素原子、ある態様において2〜15個の炭素原子、他の態様において2〜8個の炭素原子の、1〜4個の3重結合、他の態様において1または2個の3重結合を有する炭化水素基を意味する。
【0031】
「置換されたアルキニル」との用語は、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、アルカノイル、アルカノイルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルカノイルアミノ、チオール、アルキルチオ、アルキルチオノ、アルシルスルホニル、スルホンアミド、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルバミル、置換されたカルバミル、アダマンチルおよび置換または非置換ヘテロシクロ、たとえばイミダゾリル、フリル、チエニル、チアゾリル、ピロリジル、ピリジル、ピリミジル等から選択される置換基によって置換されたアルキニル基を意味する。
【0032】
「シクロアルキル」との用語は、ある態様において、1〜3個の環および環につき3〜7個の炭素を含み、不飽和C−C炭素環状環とさらに縮合し得る、飽和または部分的に不飽和の非芳香族性環状炭化水素環系を意味する。基の例はシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロクチル、シクロデシル、シクロドデシル、およびアダマンチルを含む。「置換されたシクロアルキル」は、1個以上の上記アルキルまたは置換されたアルキル基、またはアルキル置換基として上記の1個以上の基で置換される。「低級シクロアルキル」との表現は、3〜5個の炭素原子を含む非置換飽和または不飽和非芳香族性環状炭化水素環系を意味する。
【0033】
「ヘテロ環」、「ヘテロ環式」および「ヘテロシクロ」なる用語は、たとえば、少なくとも1個の炭素原子を含む環において少なくとも1個のヘテロ原子を有する4〜7員単環式、7〜11員二環式、または10〜15員三環式環系である、完全に飽和または不飽和、芳香族性または非芳香族性環状基をそれぞれ意味する。したがって、「ヘテロ環」との用語は、上記ヘテロアリール基を含む。ヘテロ原子を含むヘテロ環式基の各環は窒素、酸素または硫黄原子から独立して選択される、1、2または3個のヘテロ原子を有し得、ここで、該窒素および硫黄ヘテロ原子はまた、所望により酸化され得、該窒素ヘテロ原子はまた所望により4級化され得る。該ヘテロ環式基は任意のヘテロ原子または炭素原子で結合し得る。
【0034】
単環式ヘテロ環式基の例として、ピロリジニル、ピロリル、インドリル、ピラゾリル、オキセタニル、ピラゾリニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、オキサゾリル、オキサゾリジニル、イソキサゾリニル、イソキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、チアゾリジニル、イソチアゾリル、イソチアゾリジニル、フリル、テトラヒドロフリル、チエニル、オキサジアゾリル、ピペリジニル、ピペラジニル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピロリジニル、2−オキサゼピニル、アゼピニル、4−ピペリドニル、ピリジル、N−オキソ−ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、チアモルホリニルスルホン、1,3−ジオキソランおよびテトラヒドロ−1,1−ジオキソチエニル、ジオキサニル、イソチアゾリジニル、チエタニル、チイラニル、トリアジニル、およびトリアゾリル等が含まれる。
【0035】
二環式ヘテロ環式基の例として、2,3−ジヒドロ−2−オキソ−1H−インドリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチエニル、キノクリジニル、キノリニル、キノリニル−N−オキシド、テトラヒドロイソキノリニル、イソキノリニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾピラニル、インドリジニル、ベンゾフリル、クロモニル、クマリニル(coumarinyl)、シノリニル、キノキサリニル、インダゾリル、ピロロピリジル、フロピリジニル(たとえばフロ[2,3−c]ピリジニル、フロ[3,1−b]ピリジニルまたはフロ[2,3−b]ピリジニル)、ジヒドロイソインドリル、ジヒドロキナゾリニル(たとえば3,4−ジヒドロ−4オキソ−キナゾリニル)、ベンズイソチアゾリル、ベンゾイソキサゾリル、ベンゾジアジニル、ベンゾフラザニル、ベンゾチオピラニル、ベンゾトリアゾリル、ベンズピラゾリル、ジヒドロベンゾフリル(fiuyl)、ジヒドロベンゾチエニル、ジヒドロベンゾチオピラニル、ジヒドロベンゾチオピラニルスルホン、ジヒドロベンゾピラニル、インドリニル、イソクロマニル、イソインドリニル、ナフチリジニル、フタラジニル、ピペロニル、プリニル、ピリドピリジル、キナゾリニル、テトラヒドロキノリニル、チエノフリル、チエノピリジル、チエノチエニル等が含まれる。
【0036】
エポキシドおよびアジリジンのようなより小さなヘテロ環も含む。
「置換されたヘテロ環」は1個以上の上記アルキルまたはアラルキル基、および/またはアルキル置換基として上記された1個以上の基で置換されよう。
【0037】
他に指示がない限り、特定の名称のヘテロシクロまたはヘテロアリールを言及するとき、該記載は最大数の非累積二重結合またはその最大数未満の二重結合を有する系を含むことを意図する。したがって、たとえば「イソキノリン」との用語は、イソキノリンおよびテトラヒドロイソキノリンを意味する。「ジアゼピン」との用語は、7員環に2個の窒素原子を有する少なくとも1個の7原子環を有するヘテロシクロ環を意味し、完全飽和または不飽和ジアゼピンを含む。
【0038】
「ヘテロ原子」との用語は酸素、硫黄および窒素を含むべきである。
【0039】
「ハロアルキル」との用語は、1個以上のハロ置換基を有するアルキルを意味する。
【0040】
「フルオロメチル」との用語は、1、2または3個のフルオロ原子によって置換されたメチル基、すなわちCHF、CHFおよびCFを意味する。「フルオロアルキル」との用語は、1〜5個のフルオロ原子を有するアルキル基、たとえばペンタフルオロエチルを意味する。
【0041】
「ハロアルコキシ」との用語は1個以上のハロ置換値を有するアルコキシ基を意味する。たとえば、「ハロアルコキシ」には−OCFが含まれる。
【0042】
「炭素環式」との用語は、全ての環の全ての原子が炭素である、飽和または不飽和単環式または二環式環を意味する。したがって、該用語はシクロアルキルおよびアリール環を含む。該炭素環式環は置換され得、その場合、該置換基はシクロアルキルおよびアリール基について上記のものから選択される。
【0043】
「不飽和」との用語が本明細書中で環または基を意味するために使用されるとき、該環または基は完全に不飽和であるか、または部分的に不飽和であり得る。
【0044】
置換されたアルキル、置換されたアルケニル、置換されたアルキニル、置換されたアリール、置換されたヘテロ環、置換されたシクロアルキル等との関係において上記された様々な他の基についての定義は、下記のとおりである:アルコキシは−ORであり、アルカノイルは−C(=O)Rであり、アリールオキシは−OArであり、アルカノイルオキシは−OC(=O)Rであり、アミノは−NHであり、アルキルアミノはNHRであり、アリールアミノは−NHArであり、アラルキルアミノはNH−R−Arであり、2置換アミンまたはジアルキルアミノはNRであり、アルカノイルアミノは−NH−C(=O)Rであり、アロイルアミノは−NH−C(=O)Arであり、アラルカノイルアミノはNH−C(=O)R−Arであり、チオールは−SHであり、アルキルチオは−SRであり、アリールチオは−SArであり、アラルキルチオは−S−R−Arであり、アルキルチオノは−S(=O)Rであり、アリールチオノは−S(=O)Arであり、アラルキルチオノは−S(=O)R−Arであり、アルキルスルホニルは−SO(q)であり、アリールスルホニルは−SO(q)Arであり、アリールスルホニルアミンは−NHSO(q)Arであり、アルキルスルホニルアミンはNHSOであり、アラルキルスルホニルは−SO(q)Arであり、スルホンアミドは−SONHであり、ニトロは−NOであり、カルボキシは−COHであり、カルバミルは−CONHであり、置換されたカルバミルは−C(=O)NHRまたは−C(=O)NRであり、アルコキシカルボニルは−C(=O)ORであり、カルボキシアルキルは−R−COHであり、スルホン酸は−SOHであり、アリールスルホニルアミンは−NHSO(q)Arであり、グアニジノは
【化4】

であり
そしてウレイドは
【化5】

であり
ここで、Rは上記定義のアルキルであり、Rは上記定義のアルキレンであり、RおよびRはアルキル、アリールおよびアラルキルから選択され、Arは上記定義のアリールであり、そしてqは2または3である。
【0045】
本明細書の全体を通じて、その基および置換基は当業者によって安定な部分および化合物を得るように選択され得る。
【0046】
式(I、II、IIIおよびIV)の化合物は塩を形成し得る。ある態様において、該塩は、他の塩も有用であるとはいえ、たとえば本発明において提供される化合物を単離または精製した、薬学的に許容される(すなわち非毒性、生理学的に許容される)塩である。該化合物の塩形態は、化合物溶解度および経口バイオアベイラビリティーを改善するのに有利であり得る。
【0047】
該化合物の、混合物の、または純粋もしくは実質的に純粋な形の両方の全ての立体異性体が考慮される。本発明で考慮される化合物の定義には、全ての可能性のある立体異性体およびそれらの混合物が含まれる。それは特定の活性を有するラセミ形態および単離された光学異性体を包含する。該ラセミ形態は、たとえば分画結晶化、ジアステレオマー誘導体の分離もしくは結晶化またはキラルカラムクロマトグラフィーによる分離のような物理的方法によって分離され得る。個々の光学異性体は光学活性を有する酸との塩形成後の結晶化のような常套の方法で、ラセミ形態から得られ得る。
【0048】
式(I)の化合物はまた、プロドラッグ形態を有し得る。インビボで生物活性剤(すなわち式Iの化合物)を提供するように変換される任意の化合物がプロドラッグであり、本明細書の範囲内である。
【0049】
様々な形態のプロドラッグが当該技術分野で既知である。かかるプロドラッグ誘導体の例として:
a)Design of Prodrugs, edited by H. Bundgaard,(Elsevier, 1985)および、
Methods in Enzymology, Vol.42, p. 309-396, edited by K. Widder, et al. (Acamedic Press, 1985);
b)A Textbook of Drug Design and Development, edited by KrosgaardLarsen and H. Bundgaard, Chapter 5, “Design and Application of Prodrugs,” by H. Bundgaard, p. 113-191 (1991);および
c)H. Bundgaard, Advanced Drug Delivery Reviews, 8, 1-38 (1992)
を参照のこと(各々を参照により本明細書の一部とする)。
【0050】
さらに、式(I)の化合物の溶媒和物(たとえば水和物)も本発明に含まれることが理解されるべきである。溶媒和の方法は当該技術分野において広く知られている。
【0051】
本明細書において使用するとき、処置は疾患または障害の1種以上の症状が改善されるかまたは他の点で好転する任意の方法を意味する。処置はまた、本発明の化合物および組成物の任意の薬学的な使用、たとえばp38キナーゼ介在疾患もしくは障害、またはp38αおよびp38βキナーゼ活性を含むp38キナーゼ活性が関連する疾患もしくは障害を処置するための使用を包含する。
【0052】
本明細書において使用するとき、特定の化合物または医薬組成物の投与による特定の疾患の症状の改善とは、永続的であれ一時的であれ、持続的であれ短期的であれ、該化合物の投与に起因し得るまたは関連し得る、任意の減少を意味する。
【0053】
本明細書において使用するとき、IC50は、p38αキナーゼ活性の調節のような応答を測定するアッセイにおいて、最大応答の50%阻害を達成する特定の試験化合物の量、濃度または投与量を意味する。
【0054】
B.化合物
組成物および方法において使用するための本発明において提供される化合物は、これに限るものではないが、p38αおよびp38βキナーゼ活性を含むp38キナーゼ活性を測定するアッセイにおいて活性である。ある態様において、本発明において提供される化合物は、式(I):
【化6】

〔式中、Xは
【化7】

【化8】

【化9】

【化10】

【化11】

【化12】

【化13】

【化14】

【化15】

【化16】

【化17】

であり;
【0055】
は水素、ハロゲン、ヒドロキシル、低級アルキル、低級シクロアルキル、アルキニル、トリフルオロメチル、メトキシ、トリフルオロメトキシ、シアノ、−NH、−NRおよび−ORであり;
はフェニル環Aの任意の利用可能な炭素原子に結合しており、そして存在しているそれぞれは、独立して水素、アルキル、低級シクロアルキル、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、−OMe、−CN、−NMe;−S(=O)アルキル、−S(=O)アリール、−NHSO−アリール−R、−NHSOアルキル、−CO、−CONH、−SOH、−S(O)アルキル、−S(O)アリール、−SONHR、および−NHC(=O)NHRから選択され;
【0056】
nは0または1であり;
Yは−L−RまたはR11であり;
は水素、アルキル、−OR、置換されたアルキル、シクロアルキル、−CRシクロアルキル、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、ヘテロ環および置換されたヘテロ環から選択され;
Lは−C(=O)NH−、−NH(C=O)−、−SONH−、−NHSO−、または−C(=O)−であり;
【0057】
11は所望により置換された5員ヘテロアリールであり;
WはCHまたはNであり;
Vは−M−R10またはR14であり;
Mは−C(=O)NR−、−NR(C=O)−、−NR(C=O)NR−、−NRSO−、または−C(=O)−であり;
14は所望により3個までのR12で置換されたアリールまたはヘテロアリールであり;
Pは−Q−R10またはR15であり;
Qは−NR(C=O)−、−NR(C=O)NR−、−SONR−、−NRSO−、または−C(=O)−であり;
15は所望により3個までのR12で置換されたアリールまたはヘテロアリールであり;
【0058】
およびRはそれぞれ独立して水素、低級アルキルおよび低級シクロアルキルから選択され;
はフェニル環Bの任意の利用可能な炭素原子と結合しており、そして存在しているそれぞれは独立して水素、アルキル、低級シクロアルキル、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、−OMe、−CN、−NH、−NMe;−S(=O)アルキル、−S(=O)アリール、−NHSO−アリール−R、−NHSOアルキル、−CO、−CONH、−SOH、−S(O)アルキル、−S(O)アリール、−SONHR、−NHC(=O)R、および−NHC(=O)NHRから選択され;
およびRはそれぞれ独立して水素、アルキル、置換されたアルキル、アリール、およびシクロアルキルから選択され;
は水素、アルキル、置換されたアルキルまたはシクロアルキルであり;
10はアルキル、置換されたアルキル、アリール、または−(CH−D−(CH−R13であり;
【0059】
tは0、1、2および3から選択され;
eは0、1、2および3から選択され;
Dは単結合、所望により置換されたヘテロ環、所望により置換されたアリール、−O−、−S−、−(C=O)−、−NR(C=O)−、−(C=O)NR−、−S(O)−、SONR−、SO−、および−NR−から選択され;
12はR10、NO、CN、低級シクロアルキル、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、−OMe、−CN、−NMe;−S(=O)アルキル、−S(=O)アリール、−NHSO−アリール−R、−NHSOアルキル、−CO、−CONH、−SOH、−S(O)アルキル、−S(O)アリール、−SONHR、および−NHC(=O)NHRから選択され;そして
13は所望により置換された5〜7員ヘテロ環式環、所望により置換された5〜7員ヘテロアリール環および所望により置換された縮合二環式環から選択される。
ただし、QがCOであるとき、Yはオキサジアゾリルではなく、Lは−C(=O)NH−または−NHC(=O)ではない〕
を有するか、またはその薬学的に許容される誘導体である。
【0060】
ある態様において、該化合物は式(II):
【化18】

〔式中、Rが水素、メチルおよびハロゲンから選択され;そして
がアルキル、−OR、置換されたアルキル、シクロアルキル、ヘテロアリールおよび置換されたヘテロアリールから選択され、そして他の可変基は本明細書の他の場所での定義と同様である〕
を有する。
【0061】
ある態様において、該化合物は式(III):
【化19】

〔式中、可変基は本明細書の他の場所での定義と同様である〕
を有する。
【0062】
ある態様において、該化合物は式(IV):
【化20】

〔式中、Rが低級アルキル、低級シクロアルキル、ヘテロアリール、および置換されたヘテロアリールから選択され、そして他の可変基は本明細書の他の場所での定義と同様である〕
を有する。
【0063】
ある態様において、該化合物は式(V):
【化21】

〔式中、可変基は本明細書の他の場所での定義と同様である〕
を有する。
【0064】
ある態様において、該化合物は式(VI):
【化22】

〔式中、Rがメチル、シクロプロピルおよびハロゲンから選択され;そして
が水素、メチルおよびハロゲンから選択され、そして他の可変基は本明細書の他の場所での定義と同様である〕
を有する。
【0065】
ある態様において、該化合物は式(VII):
【化23】

〔式中、可変基は本明細書の他の場所での定義と同様である〕
を有する。
【0066】
ある態様において、該化合物は式(VIII):
【化24】

〔式中、Rがメチル、シクロプロピルおよびハロゲンから選択され;
が水素、メチルおよびハロゲンから選択され;
16は水素、低級アルキルおよび低級シクロアルキルから選択され、そして他の可変基は本明細書の他の場所での定義と同様である〕
を有する。
【0067】
ある態様において、該化合物は式(IX):
【化25】

〔式中、可変基は本明細書の他の場所での定義と同様である〕
を有する。
【0068】
ある態様において、該化合物は式:
【化26】

〔式中、可変基は本明細書の他の場所での定義と同様である〕
を有する。
【0069】
ある態様において、Xは
【化27】

〔式中、可変基は本明細書の他の場所での定義と同様である〕
から選択される。
【0070】
ある態様において、Rは低級アルキルまたは水素である。他の態様において、Rはメチルまたは水素である。他の態様において、Rはメチルである。他の態様において、Rは水素である。
【0071】
ある態様において、WはCHまたはNである。ある態様において、WはCHである。他の態様において、WはNである。
【0072】
ある態様において、Vは−M−R10またはR14である。
【0073】
ある態様において、Mは−C(=O)NR−である。他の態様において、Mは−C(=O)NH−である。
【0074】
他の態様において、R10はアルコキシアラルキルである。他の態様において、R10はメトキシベンジルである。
【0075】
他の態様において、R14は所望により3個までのR12で置換されたアリールまたはヘテロアリールである。他の態様において、R14は所望により低級アルキルで置換されたヘテロアリールである。他の態様において、R14は所望によりメチルで置換されたオキソジアゾリルである。
【0076】
他の態様において、Pは−C(=O)−R10またはR15であり、ここで、R10はアリールであり、R15は所望により3個までのR12で置換されたアリールまたはヘテロアリールである。
【0077】
ある態様において、Rは低級アルキル、低級シクロアルキルおよびハロゲンから選択される。他の態様において、Rは低級アルキルである。他の態様において、Rはメチルである。
【0078】
ある態様において、Rは低級アルキル、低級シクロアルキルおよびハロゲンから選択される。他の態様において、Rは水素である。
【0079】
ある態様において、Lは−C(=O)NH−である。
【0080】
ある態様において、Rは低級アルキル、低級シクロアルキル、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリールから選択される。他の態様において、Rは低級アルキルおよび低級シクロアルキルから選択される。他の態様において、Rは低級シクロアルキルである。ある態様において、Rはシクロプロピルである。
【0081】
C.化合物の製造
式(I)の化合物を以下のスキームおよび当業者に既知の方法にしたがって製造することができる。本発明において提供される化合物の製造に有用な方法の例をスキーム1〜18において例示する。
【0082】
この出願の多くの化合物の構造の中心となるのは、ボロンエステルまたはボロン酸およびアリールハロゲンを使用した鈴木反応による芳香族性系間の炭素−炭素結合の形成である。スキーム1は本発明において提供される主要な中間体および最終化合物の合成経路を示す。
スキーム1
【化28】

【0083】
該分子の化学的官能性は、主要な鈴木カップリング反応後に変化し得る。これはスキーム2において例示される。オキサジアゾールヘテロ環を鈴木反応の炭素−炭素結合形成後に形成させる。ヘテロ環を形成する付加反応は当業者に既知である。参照のために、Dhar et alによって開示された方法を引用する。
スキーム2
【化29】

【0084】
スキーム3はビフェニル部分でのトリアゾールヘテロ環の形成を示す。
スキーム3
【化30】

【0085】
スキーム4はアリールとヘテロアリール間の主要炭素結合の形成、その後の末端5員環ヘテロ環の形成を示す。
スキーム4
【化31】

【0086】
スキーム5はビアリールケトンアナログの形成を示す。末端アリール残基(B)を所望により置換し得、または所望により置換されたヘテロアリール残基によって置換し得る。
スキーム5
【化32】

【0087】
スキーム6はアリールヘテロアリールアミドの形成を示す。末端アリール残基(B)を所望により置換し得、または所望により置換されたヘテロアリール残基によって置換し得る。
スキーム6
【化33】

スキーム7
【化34】

スキーム8
【化35】

【0088】
アリールまたはヘテロアリール環系に結合したアミンは中間体として有用である。有機化学の分野における当業者に既知のかかる中間体を製造する多くの方法が存在する。本発明において有用であるアミンを製造する様々な方法をスキーム9〜11において例示する。
【0089】
(5)型の置換されたアニリンを商業的に入手可能なメチル4−ヨードベンゾエートからスキーム9に示すとおりに製造し得る。ニトロ化、その後のニトロ基の還元によりアニリンを得る。エチニルトリメチルシランでのパラジウム触媒カップリング、その後の脱シリル化および鹸化により所望のエチニル置換アミノ安息香酸を得る。カップリング剤EDCを使用したメトキシアミンとのカップリングにより所望のアニリン(5)を得る。
スキーム9
【化36】

【0090】
あるいは、(5)型の置換されたアニリンを4−アミノ−3−ニトロ安息香酸からスキーム10に示すとおりに製造し得る。アリールジアゾニウム塩のヨード置換、その後のメタノールでのエステル化によりメチル4−ヨード−3−ニトロベンゾエートを得る。ニトロ基をSnClによって還元し、所望のアニリンを得ることができる。エチニルトリメチルシランでのパラジウム触媒カップリング、その後の脱シリル化および鹸化によりエチニル置換アミノ安息香酸を得る。カップリング剤EDCを使用したメトキシアミンとのカップリングにより所望のアニリン(5)を得る。
スキーム10
【化37】

【0091】
スキーム18に示すとおり、(4)型の置換されたアニリンを、スキーム10において示すとおりに製造し得る中間体メチル4−ヨード−3−ニトロベンゾエートから製造し得る。ビニルトリブチルスズとのパラジウム触媒カップリング、その後の得られたスチレン二重結合へのカルベン付加により、シクロプロピル置換メチルニトロベンゾエートを得る。ニトロ基の還元、その後のBoc保護および鹸化により保護された3−アミノ−4−シクロプロピル安息香酸を得る。カップリング剤EDCを使用したアルコキシアミンとのカップリングにより所望のアニリン(4)を得る。
スキーム11
【化38】

【0092】
さらなる合成方法の参照は下記のとおりである:
1)Organic Letters Vol. 4, No. 6, p 979-981(2002)およびその文献中で引用された参照
2)Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters Vol. 12, 3125-3128(2002)およびその文献中に含まれる引用文献。
【0093】
D.医薬組成物の製造
また、本発明は本発明において提供される化合物を含む医薬組成物を提供する。該組成物を、たとえば医薬として使用することができる。該組成物はたとえば、薬学的に許容される賦形剤または担体を含み得る。本発明において提供される組成物または医薬を、炎症性疾患を含むp38キナーゼ介在疾患または障害の1種以上の症状の処置、予防または改善に使用することができる。
【0094】
したがって、本発明はTNF−α、IL−1、および/またはIL−8介在疾患を含む、上記p38キナーゼ関連状態を処置することができる医薬組成物を提供する。該組成物は本明細書に記載の他の治療剤を含み得、そしてたとえば、常套の固体または液体ビークルまたは希釈剤、ならびに医薬製剤の分野における当業者に既知のような技術によって所望の投与形態に適したタイプの医薬添加物(たとえば、賦形剤、結合剤、保存剤、安定化剤、香味剤等)を使用することによって、製造し得る。
【0095】
本発明において提供される化合物を、処置される状態に好適な任意の方法によって投与することができ、これは部位特異的な処置の必要性または送達される薬剤の量に依存し得る。他の送達形態を含むが、局所投与は一般的に皮膚関連疾患に有用であり、そして全身投与は一般的にがんまたは前がん状態に使用されるが。たとえば該化合物は経口的に、たとえば錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤またはシロップ剤を含む液体製剤の形態で;局所的に、たとえば液剤、懸濁剤、ゲルまたは軟膏剤の形態で;舌下的に;口腔的に;非経腸的に、たとえば皮下、静脈内、筋肉内または胸骨内(intrasternal)注射または輸液技術により(たとえば滅菌注射水溶液または非水性溶液または懸濁液として);経鼻的に、たとえば吸入スプレーにより;局所的に、たとえばクリームまたは軟膏剤の形態で;直腸的に、たとえば座薬の形態で;またはリポソーム的に送達され得る。非毒性の薬学的に許容されるビークルまたは希釈剤を含む投与単位製剤を投与することができる。該化合物を即時放出または持続放出に好適な形態で投与することができる。即時放出または持続放出を、好適な医薬組成物で、またはとりわけ持続放出の場合に皮下インプラントまたは浸透圧ポンプのような装置で達成することができる。局所投与のための例示的な組成物には、PLASTIBASE(商標)(ポリエチレンでゲル化した鉱油)のような局所担体を含む。
【0096】
経口投与用組成物の例として、容積を増やすための微結晶セルロース、懸濁剤としてアルギニン酸またはアルギニン酸ナトリウム、増粘剤としてメチルセルロース、および当業者に既知の甘味剤または香味剤を含み得る、懸濁剤;ならびに、たとえば微結晶セルロース、カルシウム二リン酸、スターチ、ステアリン酸マグネシウムおよび/またはラクトース、および/または当業者に既知の他の賦形剤、結合剤、増量剤、崩壊剤、希釈剤および滑沢剤を含み得る、即時放出錠剤が含まれる。本発明の化合物はまた、たとえば型抜き、圧縮、または凍結乾燥錠剤で、舌下および/または口腔内投与により経口的に送達し得る。組成物の例として、マンニトール、ラクトース、ショ糖および/またはシクロデキストリンのような急速溶解希釈剤を含み得る。また、かかる製剤に含まれるのは、セルロース(AVICEL(商標))またはポリエチレングリコール(PEG)のような高分子量の賦形剤;ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ナトリウムカルボキシメチルセルロース(SCMC)、および/または無水マレイン酸コポリマー(たとえば、GANTREZ(商標))のような粘膜接着を助けるための賦形剤;ならびにポリアクリルコポリマー(たとえば、CARBOPOL934(商標))のような放出を制御するための薬剤であり得る。滑沢剤、流動促進剤、香味剤、着色料および安定化剤も製造および使用の便宜のために加えることができる。
【0097】
鼻腔エアロゾルもしくは吸入投与用組成物の例として、たとえば、ベンジルアルコールまたは他の好適な保存剤、吸収および/またはバイオアベイラビリティーを上昇させるための吸収促進剤、および/または当業者に既知の他の可溶化剤または分散剤を含み得る、溶液を含む。
【0098】
非経腸投与用組成物の例として、たとえば、マンニトール、1,3−ブタンジオール、水、リンガー溶液、等張塩化ナトリウム溶液、または好適かつ非毒性の、非経腸的に許容される希釈剤または溶媒、または合成モノまたはジグリセリドを含む、他の好適な分散剤または湿潤および懸濁剤、ならびにオレイン酸を含む脂肪酸を含み得る、注射溶液または懸濁液を含む。
【0099】
直腸投与用組成物の例として、たとえば、ココアバター、合成グリセリドエステルまたはポリエチレングリコール(これらは常温では固体であるが、腸腔内で液化および/または溶解して薬剤を放出する)のような好適な非刺激性の賦形剤を含み得る、座薬を含む。
【0100】
本発明において提供される化合物の有効量は、当業者により決定され得、そして1日約0.05〜100mg/kg体重の活性化合物の哺乳類への投与量が例として含まれ、それは1回投与で、または1日1〜4回のような、別個の分割された投与形態で投与され得る。任意の特定の対象についての、特定の投与レベルおよび投与の頻度は変化し得、そして使用される特定の化合物の活性、その化合物の代謝安定性および作用時間、対象の種、年齢、体重、一般的な健康状態、性別および食習慣、投与の形態および時間、排出速度、薬剤の組合せ、ならびに特定の状態の重症度に依存するであろうことは、理解されるであろう。処置の対象には動物、一般的には哺乳動物、たとえばヒトおよびイヌ、ネコ、ウマ等のような家畜が含まれる。したがって、本明細書において「患者」との用語が使用されるとき、この用語はp38酵素レベルの媒介によって影響を受けるあらゆる対象、とりわけヒトを含む哺乳動物を含むことが意図されている。
【0101】
またある態様において、本発明において提供される化合物を薬学的に許容される賦形剤と合一させ、そして該混合物を製剤学的(galenical)投与形態にするプロセスを含む、医薬製造方法を提供する。
【0102】
E.化合物および組成物の使用方法
別の態様において、本発明において提供される化合物は炎症性疾患の1種以上の症状の処置、予防または改善に使用され得る。本発明において提供される化合物は、他の態様において、炎症性疾患の処置または予防用医薬の製造に使用することができる。
【0103】
本発明において提供される化合物は、p38、とりわけアイソフォームであるp38αおよびp38βキナーゼ活性の選択的阻害剤である。したがって、本発明において提供される化合物はp38キナーゼ活性と関連する状態の処置に有用である。かかる状態には、サイトカインレベルがp38を介する細胞内シグナル伝達の結果として調節される疾患、およびとりわけ、サイトカイン類のIL−1、IL−4、IL−8、およびTNF−αの過剰生産に関連する疾患が含まれる。p38キナーゼ活性を阻害する本発明において提供される化合物の投与によって疾患を処置する方法が、本発明において提供される。また、本発明において提供される化合物の投与によって疾患または障害の発生を阻害しまたは遅延させる方法が、本発明において提供される。本発明において提供される方法は、疾患または疾患状態の症状の減少を完全にまたは部分的に達成するためにおよび/または疾患または障害および/またはその症状を軽減、改善または減少させるために使用され得る。本明細書において「p−38α/βキナーゼ」の阻害との記載があるとき、これはp38αおよび/またはp38βキナーゼが阻害されることを意味する。したがって、p−38α/βキナーゼの阻害に関するIC50との記載は、該化合物がp38αキナーゼおよびp38βキナーゼの少なくとも一方、または両方の阻害に関して、かかる有効性を有することを意味する。
【0104】
p38α/βキナーゼの阻害剤としてのそれらの活性の見地から、本発明において提供される化合物は、これに限るものではないが、炎症性疾患、自己免疫性疾患、破壊性骨障害、増殖性障害、血管形成障害、感染症、神経変性疾患およびウイルス性疾患を含むp−38関連状態の処置に有用である。
【0105】
さらにとりわけ、本発明の化合物で処置され得る具体的な状態または疾患には、これに限るものではないが、膵炎(急性または慢性)、喘息、アレルギー、成人呼吸窮迫症候群、慢性閉塞性肺疾患、糸球体腎炎、リウマチ性関節炎、全身性狼瘡紅斑症、強皮症、慢性甲状腺炎、グレーブス病、自己免疫性胃炎、糖尿病、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性好中球減少症、血小板減少症、アトピー性皮膚炎、慢性活動性肝炎、重症筋無力症、多発性硬化症、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、乾癬、移植片対宿主症、内毒素によって誘導される炎症性応答、結核、アテローム性動脈硬化症、筋肉変性、悪液質、乾癬性関節炎、ライター症候群、痛風、外傷性関節炎、風疹関節炎、急性滑膜炎、膵臓β−細胞疾患;大規模な好中球浸潤によって特徴付けられる疾患;リウマチ様脊椎炎、痛風性関節炎および他の関節炎状態、脳マラリア、慢性肺炎症性疾患、珪肺症、肺サルコイドーシス(sarcoisosis)、骨吸収疾患、同種移植片拒絶反応、感染による発熱および筋肉痛、感染に続発する悪液質、ケロイド(meloid)形成、瘢痕組織形成、潰瘍性大腸炎、熱病(pyresis)、インフルエンザ、骨粗鬆症、骨関節炎および多発性骨髄腫関連骨障害、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、転移性黒色腫、カポジ肉腫、多発性骨髄腫、敗血症、敗血症性ショックおよび細菌性赤痢;アルツハイマー病、パーキンソン病、脳虚血または外傷によって引き起こされる神経変性疾患;固形腫瘍、眼新血管形成、および小児血管腫を含む血管形成障害;急性肝炎感染(A型肝炎、B型肝炎およびC型肝炎を含む)、HIV感染およびCMV網膜炎、AIDS、SARS、ARCまたは悪性腫瘍、およびヘルペスを含むウイルス性疾患;卒中、心筋虚血、卒中心臓発作における虚血、組織低酸素症(organ hyposia)、血管過形成、心臓および腎臓再灌流障害、血栓症、心臓肥大、血小板凝集を誘導するトロンビン、内毒素血症および/または毒素性ショック症候群、プロスタグランジンエンドペルオキシダーゼシンターゼ−2と関連する状態が含まれる。
【0106】
さらに、本発明において提供されるp38阻害剤はプロスタグランジンエンドペルオキシドシンターゼ−2(PGHS−2)(またシクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)とも呼ばれる)のような誘導型(inducible)前炎症性タンパク質の発現を阻害する。したがって、他のp38−介在状態には浮腫、無痛覚症、発熱および疼痛、たとえば神経筋疼痛、頭痛、がんによって引き起こされる疼痛、歯痛および関節炎疼痛が含まれる。本発明の化合物はまた、たとえば、これに限るものではないが、ウマ感染性貧血ウイルスを含むレンチウイルス感染;またはネコ免疫不全ウイルス、ウシ免疫不全ウイルス、またはイヌ免疫不全ウイルスを含むレトロウイルス感染のような獣ウイルス感染の処置に使用し得る。「p38関連状態」または「p38関連疾患または障害」との用語が本明細書中で使用されるとき、それぞれは詳細に繰り返したかのように上記状態の全て、ならびにp38キナーゼ活性に影響されるあらゆる他の状態を包含することが意図される。
【0107】
したがって、有効量の少なくとも1種の本発明において提供される化合物またはその薬学に許容される誘導体を、それを必要とする対象に投与することを含む、かかる状態を処置する方法が本発明において提供される。p38キナーゼ関連状態を処置する方法には単独で、またはかかる状態の処置に有用な各々他のおよび/または他の好適な治療剤との組合せで、本発明において提供される化合物を投与することを含み得る。かかる他の治療剤の例には、コルチコステロイド、ロリプラム、カルホスチン、CSAID、米国特許第4200750号およびS. Ceccarelli et al.(1998) European Journal of Medicinal Chemistry 33:943-955に記載の4−置換イミダゾ[1,2−A]キノキサリン;インターロイキン−10、グルココルチコイド、サリチレート、酸化窒素、および他の免疫抑制剤;核転移阻害剤、たとえばデオキシスペルグアリン(deoxyspergualin)(DSG);非ステロイド抗炎症剤(NSAID)、たとえばイブプロフェン、セレコキシブおよびロフェコキシブ;ステロイド、たとえばプレドニゾンまたはデキサメタゾン;抗ウイルス剤、たとえばアバカビル;抗増殖剤、たとえばメトトレキサート、レフルノミド、FK506(タクロリムス、プログラフ);細胞毒性剤、たとえばアザチオプリンおよびシクロホスファミド;TNF−α阻害剤、たとえばテニダプ、抗−TNF抗体または可溶性TNFレセプター、およびラパマイシン(シロリムスまたはラパミュン)またはその誘導体が含まれる。
【0108】
上記他の治療剤は、本発明において提供される化合物との組合せにおいて使用されるとき、たとえば医師用卓上参考書(PDR)において示された量で、または当業者によって他の方法で決定されたとおりに使用され得る。本発明において提供される方法において、かかる他の治療剤は、本発明において提供される化合物の投与の前に、それと同時に、またはその後に、投与され得る。
【実施例】
【0109】
下記の実施例は例示的態様について説明し、特許請求の範囲を制限することは意図されていない。実施例において使用される略語は下記定義である。実施例の化合物は、それらを製造する実施例および工程によって同定され(たとえば、「1A」は実施例1の工程Aの表題化合物を意味する)、または該化合物が実施例の表題化合物であるときは、実施例のみによって同定される(たとえば、「2」は実施例2の表題化合物を意味する)。
【0110】
略語
pH=フェニル
Bz=ベンジル
t−Bu=3級ブチル
Me=メチル
Et=エチル
Pr=プロピル
Iso−Pまたはi−Pr=イソプロピル
MeOH=メタノール
EtOH=エタノール
EtOAc=酢酸エチル
Boc=tert−ブチルオキシカルボニル
CBZ=カルボベンジルオキシまたはカルボベンズオキシまたはベンジルオキシカルボニル
DCMまたはCHCl=ジクロロメタン
DCE=1,2−ジクロロエタン
DMF=ジメチルホルムアミド
DMSO=ジメチルスルホキシド
TFA=トリフルオロ酢酸
THF=テトラヒドロフラン
HATU=O−(7−アザベンゾトリアゾル−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニム(uronim)ヘキサフルオロホスフェート
KOH=水酸化カリウム
CO=炭酸カリウム
POCl=リンオキシクロライド
KOtBu=カリウムt−ブトキシド
EDCまたはEDCI=1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドヒドロクロライド
DIPEA=ジイソプロピルエチルアミン
HOBt=1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物
m−CPBA=m−クロロペル安息香酸
NaH=水素化ナトリウム
NaOH=水酸化ナトリウム
Na=チオ硫酸ナトリウム
NaSO=硫酸ナトリウム
Pd=パラジウム
Pd/C=パラジウム炭素
min=分
L=リットル
mL=ミリリットル
μL=マイクロリットル
g=グラム
mg=ミリグラム
mol=モル
mmol=ミリモル
meq=ミリ当量
RTまたはrt=室温
ret.t.またはt=HPLC保持時間(分)
satまたはsat’d=飽和
【0111】
一般的な方法:
「HPLC(6分グラジエント)」とは、Keystone C18 Beta Basic columnで、流速0.4mL/分、6分平行グラジエント溶出(出発溶媒%B=0;最終溶媒%B=100)、溶媒A:アセトニトリル+0.025%TFA;溶媒B=HO+0.025%TFAを意味する。
「HPLC(4分グラジエント)」とは、Keystone C18 Beta Basic columnで、流速0.5mL/分、4分平行グラジエント溶出(出発溶媒%B=0;最終溶媒%B=100)、溶媒A:アセトニトリル+0.025%TFA;溶媒B=HO+0.025%TFAを意味する。
【0112】
以下の実施例は本発明の態様を例示するものであり、そして特許請求の範囲を制限することを意図するものではない。
【0113】
実施例1
6−メチル−4’−[1,3,4]オキサジアゾル−2−イル−ビフェニル−3−カルボン酸シクロプロピルアミド
【化39】

A.N−シクロプロピル−3−ヨード−4−メチル−ベンズアミド
【化40】

N,N−ジメチルホルムアミド(70ml)中の3−ヨード−4−メチル安息香酸(10.5g、40mmol)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドヒドロクロライド(9.2g、48mmol)およびシクロプロピルアミン(2.6g、45.6mmol)の溶液を室温にて4時間撹拌した。水(250mL)を加えた。該溶液を酢酸エチル(200mL×2)で抽出し、飽和KCO溶液(200mL)および水(200mL)で洗浄した。有機層をNaSOで乾燥させ、そして減圧条件下で蒸発させて、所望の産物を得た(11.8g、98%)。
HPLC(6分グラジエント)t=3.39分;
MS m/z 302 (M + H)
【0114】
B.N−シクロプロピル−4−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンズアミド
【化41】

50mLの乾燥N,N−ジメチルホルムアミド中のパートAの化合物(4.52g、15mmol)とビス(ピナコレート)ジボロン(4.05g、16mmol)の溶液に、酢酸カリウム(4.4g、45mmol)を、その後PdCl(pddf)(612mg、0.75mmol)加えた。該反応混合物を95℃にて5時間撹拌した後、反応混合物を室温へと冷却させた。次いで、100mLの水を加えた。得られた混合物を酢酸エチル(2×150mL)で抽出した。合一した有機層を水(20mL)、塩水(20mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、そして該溶媒を蒸発させた。残さをクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)によって精製して、所望の産物を無色の固体として得た(3.1g、69%)。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 7.97 (d, J=1.9 Hz, 1H), 7.81 (dd, J=2.1, 7.9 Hz, 1H), 7.23 (d, J=8.0 Hz, 1H), 6.29 (brs., 1H), 2.90 (m, 1H), 2.56 (s, 3H), 1.36 (s, 12H), 0.85 (m, 2H), 0.64 (m, 2H) ppm.
HPLC(4分グラジエント)t=2.62分;
MS m/z 302 (M+H)
【0115】
C.5’−シクロプロピルカルバモイル−2’−メチル−ビフェニル−4−カルボン酸メチルエステル
【化42】

3mLの乾燥N,N−ジメチルホルムアミド中の4−ヨード−安息香酸メチルエステル(262mg、1.0mmol)とパートBの化合物(301mg、1.0mmol)の溶液に、炭酸カリウム(276mg、2.0mmol)を、その後Pd(PPh(58mg、0.05mmol)を加えた。該反応混合物を100℃にて2時間撹拌した後、反応混合物を室温へと冷却させた。溶媒を減圧条件下で除去した。残さを80mLの酢酸エチルで希釈し、水(10mL)と塩水(10mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、そして該溶媒を蒸発させた。残さをクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で洗浄して、無色の固体を得た(280mg、91%)。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 8.07 (d, J=8.1 Hz, 2H), 7.68 (dd, J=1.9, 7.9 Hz, 1H), 7.60 (d, J=1.8 Hz, 1H), 7.37 (d, J=8.1 Hz, 2H), 7.31 (d, J=8.0 Hz, 1H), 6.53 (brs., 1H), 3.94 (s, 3H), 2.89 (m, 1H), 2.27 (s, 3H), 0.85 (m, 2H), 0.62 (m, 2H) ppm.
HPLC(4分グラジエント)t=2.39分;
MS m/z 310 (M+H)
【0116】
D.5’−シクロプロピルカルバモイル−2’−メチル−ビフェニル−4−カルボン酸
【化43】

3mLのテトラヒドロフラン、1mLのメタノールおよび1mLの水中のパートCの化合物(270mg、0.87mmol)に、水酸化ナトリウム(2M、1.3mL、2.62mmol)を20℃にて加えた。該反応混合物をその温度で一晩撹拌し、次いで該透明溶液を2N塩酸水溶液を滴下して加えて中和した。得られた混合物を酢酸エチル(2×40mL)で抽出した。合一した有機層を水(10mL)と塩水(10mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、そして該溶媒を蒸発させて所望の化合物を無色の固体として得(220mg、86%)、これをさらに精製することなく次のステップで使用した。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 8.17 (d, J=8.5 Hz, 2H), 7.69 (dd, J=2.0, 8.0 Hz, 1H), 7.61 (d, J=1.9 Hz, 1H), 7.44 (d, J=8.5 Hz, 2H), 7.36 (d, J=7.9 Hz, 1H), 6.26 (brs., 1H), 2.91 (m, 1H), 2.31 (s, 3H), 0.92 (m, 2H), 0.62 (m, 2H) ppm.
HPLC(4分グラジエント)t=1.91分;
MS m/z 296 (M+H)
【0117】
E.N’−(5’−シクロプロピルカルバモイル−2’−メチル−ビフェニル−4−カルボニル)−ヒドラジンカルボン酸tert−ブチルエステル
【化44】

2mLの乾燥塩化メチレン中のパートDの化合物(59mg、0.20mmol)とヒドラジン(33mg、0.25mmol)の溶液に、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(46mg、0.30mmol)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドヒドロクロライド(57mg、0.30mmol)および4−メチルモルホリン(61mg、0.6mmol)を20℃にて加えた。該反応混合物を20℃にて3時間撹拌した。該溶媒を減圧条件下で除去した。残さを60mLの酢酸エチルで希釈し、水(10mL)、2NのHCl水溶液(10mL)、sat.NaHCO水溶液(10mL)および塩水(10mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、そして溶媒を蒸発させて所望の化合物を無色の固体として得(75mg、91%)、これをさらに精製することなく次のステップで使用した。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 8.28 (brs., 1H), 7.86 (d, J=8.3 Hz, 2H), 7.66 (dd, J=1.9, 7.9 Hz, 1H), 7.55 (d, J=1.9 Hz, 1H), 7.35 (d, J=8.3 Hz, 2H), 7.31 (d, J=8.1 Hz, 1H), 6.79 (brs., 1H), 6.38 (brs., 1H), 2.90 (m, 1H), 2.25 (s, 3H), 1.51 (s, 9H), 0.85 (m, 2H), 0.62 (m, 2H) ppm.
HPLC(4分グラジエント)t=2.10分間;
MS m/z 410 (M+H)
【0118】
F.4’−ヒドラジノカルボニル−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸シクロプロピルアミド
【化45】

2mLのメタノール中のパートEの化合物(70mg、0.17mmol)の溶液に、1,4−ジオキサン中のHCl(4N、0.42mL、0.17mmol)を加えた。該反応混合物を室温にて2時間撹拌し、次いで減圧条件下で濃縮して無色の固体を得た(52mg、88%)。
【0119】
G.6−メチル−4’−[1,3,4]オキサジアゾル−2−イル−ビフェニル−3−カルボン酸シクロプロピルアミド
【化46】

0.5mLのオルトギ酸トリメチル中のパートFの化合物(15mg、0.044mmol)の混合物を120℃にてマイクロ波中で10分間撹拌した。溶媒を減圧条件下で除去した。残さを30mLの酢酸エチルで希釈し、sat.NaHCO水溶液(10mL)、水(10mL)および塩水(10mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、そして溶媒を蒸発させた。残さを分取TLCシート(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製して、所望の産物を無色の固体として得た(12mg、87%)。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 8.50 (s, 1H), 8.15 (d, J=8.6 Hz, 2H), 7.67 (dd, J=2.0, 7.9 Hz, 1H), 7.63 (d, J=1.9 Hz, 1H), 7.48 (d, J=8.6 Hz, 2H), 7.35 (d, J=7.9 Hz, 1H), 6.30 (brs., 1H), 2.90 (m, 1H), 2.31 (s, 3H), 0.86 (m, 2H), 0.63 (m, 2H) ppm.
HPLC(4分グラジエント)t=1.92分;
MS m/z 320 (M+H)
【0120】
H.6−メチル−4’−[1,3,4]オキサジアゾル−2−イル−ビフェニル−3−カルボン酸シクロプロピルアミド
(化合物1の別の合成法)
【化47】

2mLのメタノール中のパートCの化合物(130mg、0.42mmol)の溶液に、2mLのヒドラジン一水和物を加えた。該反応混合物を室温にて一時間撹拌した。溶媒を除去して泡を得た(120mg)。3mLのオルトギ酸トリメチル中のこの泡(100mg、0.32mmol)の溶液に、1滴の濃HClを加えた。該反応混合物を120℃にてマイクロ波中で10分間撹拌した。溶媒を減圧条件下で除去した。残さを80mLの酢酸エチルで希釈し、sat.NaHCO水溶液(10mL)、水(10mL)、および塩水(10mL)、MgSOで乾燥させ、そして該溶媒を蒸発させた。残さをクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)によって精製し、所望の産物を無色の固体として得た(2ステップで89mg、79%)。
【0121】
実施例2
6−メチル−4’−(5−メチル−[1,3,4]オキサジアゾル−2−イル)−ビフェニル−3−カルボン酸シクロプロピルアミド
【化48】

1.5mLのオルト酢酸トリメチル中のパート1Fの化合物(21mg、0.061mmol)の混合物を120℃にてマイクロ波中で10分間撹拌した。溶媒を減圧条件下で除去した。残さを30mLの酢酸エチルで希釈し、sat.NaHCO水溶液(10mL)、水(10mL)、および塩水(10mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、そして溶媒を蒸発させた。残さを分取TLCシート(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)によって精製して、所望の産物を無色の固体として得た(12mg、87%)。
HPLC(4分グラジエント)t=2.10分間;
MS m/z 334 (M+H)
【0122】
実施例3
6−メチル−4’−(4H−[1,2,4]トリアゾル−3−イル)−ビフェニル−3−カルボン酸シクロプロピルアミド
【化49】

A.6−メチル−ビフェニル−3,4’−ジカルボン酸4’−アミド3−シクロプロピルアミド
【化50】

2mLの塩化メチレン中の1Dの化合物(50mg、0.17mmol)と水酸化アンモニウム(30%、0.3mL)の溶液に、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(39mg、0.25mmol)および1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドヒドロクロライド(49mg、0.25mmol)を20℃にて加えた。該反応混合物を20℃にて4時間撹拌した。溶媒を減圧条件下で除去した。残さを60mLの酢酸エチルで希釈し、水(10mL)と塩水(10mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、そして溶媒を蒸発させた。残さを分取TLCシート(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)によって精製して、所望の産物を無色の固体として得た(12mg、91%)。
HPLC(4分グラジエント)t=1.68分;
MS m/z 295 (M+H)
【0123】
B.6−メチル−4’−(4H−[1,2,4]トリアゾル−3−イル)−ビフェニル−3−カルボン酸シクロプロピルアミド
【化51】

1.2mLのN,N−ジメチルホルムアミドジエチルアセタール中のパートAの化合物(20mg、0.068mmol)の混合物を80℃にて3時間撹拌した。溶媒を減圧条件下で除去した。残さを1mLの酢酸中に溶解させ、そして無水ヒドラジン(4.4mg、0.136mmol)を該混合物に加えた。該反応混合物を90℃にて2時間撹拌した。溶媒を減圧条件下で除去した。粗生成物を分取TLCシート(塩化メチレン:メタノール(mathanol)=10:1)によって精製して、所望の産物を無色の固体として得た(15mg、69%)。
HPLC(4分グラジエント)t=1.73分;
MS m/z 319 (M+H)
【0124】
実施例4
N−シクロプロピル−4−メチル−3−(5−[1,3,4]オキサジアゾル−2−イル−ピリジン−2−イル)−ベンズアミド
【化52】

A.6−(5−シクロプロピルカルバモイル−2−メチル−フェニル)−ニコチン酸メチルエステル
【化53】

10mLの乾燥N,N−ジメチルホルムアミド中の6−クロロ−ニコチン酸メチルエステル(410mg、2.40mmol)と1Bの化合物(602mg、2.0mmol)の溶液に、炭酸カリウム(663mg、4.8mmol)を、その後Pd(PPh(115mg、0.10mmol)を加えた。該反応混合物を95℃にて2時間撹拌後、該反応混合物を室温へと冷却させた。溶媒を減圧条件下で除去した。残さを100mLの酢酸エチルで希釈し、水(10mL)と塩水(10mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、そして溶媒を蒸発させた。残さをクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)によって精製して、所望の産物を無色の固体として得た(320mg、52%)。
HPLC(4分グラジエント)t=1.91分;
MS m/z 311 (M+H)
【0125】
B.N−シクロプロピル−3−(5−ヒドラジノカルボニル−ピリジン−2−イル)−4−メチル−ベンズアミド
【化54】

2mLのメタノール中のパートAの化合物(80mg、0.26mmol)の溶液に、2mLのヒドラジン一水和物を加えた。該反応混合物を室温にて2時間撹拌した。溶媒を除去して所望の化合物を泡として得た(72mg)。
【0126】
C.N−シクロプロピル−4−メチル−3−(5−[1,3,4]オキサジアゾル−2−イル−ピリジン−2−イル)−ベンズアミド
【化55】

パートBの化合物、2mLのオルトギ酸トリメチルの溶液に、1滴の濃HCLを加えた。該反応混合物を120℃にてマイクロ波中で10分間撹拌した。溶媒を減圧条件下で除去した。残さを30mLの酢酸エチルで希釈し、sat.NaHCO水溶液(10mL)、水(10mL)および塩水(10mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、そして溶媒を蒸発させた。残さを分取TLCシート(塩化メチレン:メタノール=10:1)によって精製して、所望の産物を無色の固体として得た(2ステップで12mg、52%)。
HPLC(4分グラジエント)t=1.65分;
MS m/z 321 (M+H)
【0127】
実施例5
N−シクロプロピル−4−メチル−3−[5−(5−メチル−[1,3,4]オキサジアゾル−2−イル)−ピリジン−2−イル]−ベンズアミド
【化56】

2mLのオルト酢酸トリメチル中の4Bの化合物(20mg、0.065mmol)に1滴の濃HClを加えた。該反応混合物を120℃にてマイクロ波中で10分間撹拌した。溶媒を減圧条件下で除去した。残さを30mLの酢酸エチルで希釈し、sat.NaHCO水溶液(10mL)、水(10mL)および塩水(10mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、そして溶媒を蒸発させた。残さを分取TLCシート(塩化メチレン:メタノール=10:1)によって精製して、表題化合物を無色の固体として得た(14mg、65%)。
HPLC(4分グラジエント)t=1.69分;
MS m/z 335 (M+H)
【0128】
実施例6
3−(3−ベンジル−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−キナゾリン−7−イル)−N−シクロプロピル−4−メチル−ベンズアミド
【化57】

A.4−ブロモ−2−(4−メトキシ−ベンジルアミノ)−ベンゾニトリル
【化58】

DMSO(5ml)中の5−ブロモ−2−フルオロベンゾニトリル(3g)、4−メトキシベンジルアミン(2.2g)およびトリエチルアミン(3ml)の溶液を120℃にて5時間加熱した。溶液を水と酢酸エチルの間で分離させた。合一した有機層を塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮した。残さをクロマトグラフィーにかけ、所望の産物を得た(2.6g、81%)。
HPLC(6分グラジエント)t=4.33分;
MS m/z 315.09, 317.08 (M + H]+
【0129】
B.4−ブロモ−2−(4−メトキシ−ベンジルアミノ)−ベンズアミド
【化59】

パートAの化合物をEtOH/HO(50%、100ml)中のKOH溶液(10%)中で、80℃にて5時間加熱した。得られた沈殿を濾過し、乾燥させて、4−ブロモ−2−(4−メトキシ)ベンジルベンズアミドを得た(2.0g、95%)。
【0130】
C.7−ブロモ−1−(4−メトキシ−ベンジル)−1H−キナゾリン−4−オン
【化60】

パートBの化合物(1.8g)をN,N−ジメチルホルムアミド ジメチル アセタール(3ml)とDMF(2ml)の溶液中で130℃にて4時間加熱した。次いで、該溶媒を除去し、水(2ml)を加えた。沈殿を濾取し、水と50%酢酸エチル/ヘキサンで洗浄した。1.55gの所望の化合物を得た(収率:75%)。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 3.84 (s, 3H), 5.24 (s, 2H), 6.97 (d, 2 H, J=6.7 Hz), 7.20 (d, 2H, J=6.7 Hz), 7.48 (s, 1H), 7.60 (d, 1H, J=8.5 Hz), 8.22 (d, 1 H, J=8.5 Hz), 8.34 (s, 1H)
【0131】
D.7−ブロモ−3H−キナゾリン−4−オン
【化61】

パートCの化合物をTFA/ジクロロエタン(50%、3ml)で75℃にて2時間処理した。溶媒を窒素で除去し、酢酸エチルを加えた。得られた沈殿を濾取して、所望の化合物を得た(1.0g、96%)。
HPLC(4分グラジエント)t=1.61分;
MS m/z 225.25, 227.21 (M + H]+
【0132】
E.3−ベンジル−7−ブロモ−3H−キナゾリン−4−オン
【化62】

乾燥DMF(4ml)中のパートDの化合物(225mg、1mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(30mg)を加えた。溶液を0℃へと冷却させ、臭化ベンジル(171mg)を加えた。次いで、該混合物を室温にて10分間反応させた。水(15ml)を加えた後、沈殿を濾取し、水で洗浄し、そして空気中で乾燥させた。170mgの所望の産物を得た(収率:54%)。
HPLC(4分グラジエント)t=2.54分;
MS m/z 315.27, 317.0 (M + H]+
【0133】
F.3−(3−ベンジル−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−キナゾリン−7−イル)−N−シクロプロピル−4−メチル−ベンズアミド
【化63】

DMF(5ml)中のパートEの化合物(157.5mg、0.5mmol)、1Bの化合物(150mg、0.5mmol)およびKCO(100mg)の溶液に、窒素雰囲気下でPd(PPh(40mg)を加えた。該混合物を95℃にて3時間加熱した。水(8ml)を加え、溶液を酢酸エチル(5ml×2)で抽出し、NaSOで乾燥させた。溶媒の蒸発により残さを得、これをカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=1:1)によって分離した。146mgの所望の産物を得た(収率:71%)。
HPLC(4分グラジエント)t=2.15分;
MS m/z 410.47 (M + H]+
【0134】
実施例7
N−シクロプロピル−3−[3−(2,6−ジクロロ−ベンジル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−キナゾリン−7−イル]−4−メチル−ベンズアミド
【化64】

A.7−ブロモ−3−(2,6−ジクロロ−ベンジル)−3H−キナゾリン−4−オン
【化65】

乾燥DMF(2ml)中の6Dの化合物(113mg、0.5mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(20mg)を加えた。該溶液を0℃へと冷却させ、2,6−ジクロロベンジル(benzy)クロライド(100mg、0.0)を加えた。その後、該混合物を室温にて10分間反応させた。水(4ml)を加えた後、沈殿を濾取し、水で洗浄し、そして空気中で乾燥させた。117mgの所望の産物を得た(収率:61%)。
HPLC(4分グラジエント)t=3.11分;
MS m/z 383.40, 385.13, 386.93 (M + H]+
【0135】
B.N−シクロプロピル−3−[3−(2,6−ジクロロ−ベンジル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−キナゾリン−7−イル]−4−メチル−ベンズアミド
【化66】

DMF(2ml)中のパートAの化合物(38.5mg、0.1mmol)、1Bの化合物(30mg、0.1mmol)およびKCO(30mg)の溶液に、窒素雰囲気下でPd(PPh(10mg)を加えた。該混合物を95℃にて3時間加熱した。水(3ml)を加え、該溶液を酢酸エチル(4ml×2)で抽出し、NaSOで乾燥させた。溶媒を蒸発させて残さを得、これを分取TLCプレート(DCM:EtOAc=1:1)によって分離した。46mgの所望の産物を得た(収率:95%)。
HPLC(4分グラジエント)t=2.59分;
MS m/z 478.80, 480.33
【0136】
実施例8
N−シクロプロピル−3−[3−(3,4−ジクロロ−ベンジル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−キナゾリン−7−イル]−4−メチル−ベンズアミド
【化67】

A.7−ブロモ−3−(3,4−ジクロロ−ベンジル)−3H−キナゾリン−4−オン
【化68】

乾燥DMF(2ml)中の6Dの化合物(113mg、0.5mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(20mg)を加えた。該溶液を0℃へと冷却させ、3,4−ジクロロベンジル(benzy)ブロマイド(120mg、0.5mmol)を加えた。その後、該混合物を室温にて10分間反応させた。水(4ml)を加えた後、沈殿を濾取し、水で洗浄し、空気中で乾燥させた。110mgの所望の産物を得た(収率:57%)。
HPLC(4分グラジエント)t=3.24分;
MS m/z 383.33, 385.07, 386.87 (M + H]+
【0137】
B.N−シクロプロピル−3−[3−(3,4−ジクロロ−ベンジル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−キナゾリン−7−イル]−4−メチル−ベンズアミド
【化69】

DMF(2ml)中のパートAの化合物(38.5mg、0.1mmol)、1Bの化合物(30mg、0.1mmol)およびKCO(30mg)の溶液に、窒素雰囲気下でPd(PPh(10mg)を加えた。該混合物を95℃にて3時間加熱した。水(3ml)を加え、該溶液を酢酸エチル(4ml×2)で抽出し、NaSOで乾燥させた。溶媒を蒸発させて残さを得、これを分取TLCプレート(DCM:EtOAc=1:1)によって分離した。46mgの所望の産物を得た(収率:90%)。
HPLC(4分グラジエント)t=2.78分;
MS m/z 478.80, 480.33 (M + H]+
【0138】
実施例9
N−シクロプロピル−3−[3−(4−メトキシ−ベンジル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−キナゾリン−7−イル]−4−メチル−ベンズアミド
【化70】

A.7−ブロモ−3−(4−メトキシ−ベンジル)−3H−キナゾリン−4−オン
【化71】

乾燥DMF(2ml)中の6Dの化合物(113mg、0.5mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(20mg)を加えた。該溶液を0℃へと冷却させ、4−メトキシカルボニルベンジル(benzy)ブロマイド(114mg)を加えた。その後、該混合物を室温にて10分間反応させた。水(4ml)を加えた後、沈殿を濾取し、水で洗浄し、空気中で乾燥させた。130mgの所望の産物を得た(収率:67.5%)。
HPLC(4分グラジエント)t=2.42分;
MS m/z 373.33, 375.07 (M + H]+
【0139】
B.N−シクロプロピル−3−[3−(4−メトキシ−ベンジル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−キナゾリン−7−イル]−4−メチル−ベンズアミド
【化72】

DMF(2ml)中のパートAの化合物(37mg、0.1mmol)、1Bの化合物(30mg、0.1mmol)およびKCO(30mg)の溶液に、窒素雰囲気下でPd(PPh(10mg)を加えた。該混合物を95℃にて3時間加熱した。水(3ml)を加え、該溶液を酢酸エチル(4ml×2)で抽出し、NaSOで乾燥させた。溶媒を蒸発させて残さを得、これを分取TLCプレート(DCM:EtOAc=1:1)によって分離した。46mgの所望の産物を得た(収率:68%)。
HPLC(4分グラジエント)t=2.12分;
MS m/z 468.33 (M + H]+
【0140】
実施例10
N−シクロプロピル−4−メチル−3−(4−オキソ−3,4−ジヒドロ−キナゾリン−7−イル)−ベンズアミド
【化73】

DMF(2ml)中の化合物6D(23mg、0.1mmol)、化合物1B(30mg、0.1mmol)およびKCO(30mg)の溶液に、窒素雰囲気下でPd(PPh(10mg)を加えた。該混合物を95℃にて3時間加熱した。水(3ml)を加え、該溶液を酢酸エチル(4ml×2)で抽出し、NaSOで乾燥させた。溶媒を蒸発させて残さを得、分取TLCプレート(DCM:EtOAc=1:1)によって分離した。23mgの表題化合物を得た(収率:72%)。
HPLC(4分グラジエント)t=1.61分;
MS m/z 320.15 (M + H]+
【0141】
実施例11
4’−ベンゾイル−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸シクロプロピルアミド
【化74】

DMF(2ml)4−ヨードベンゾフェノン(62mg、0.2mmol)、1B(60mg、0.2mmol)およびKCO(50mg)の溶液に、窒素雰囲気下でPd(PPh(20mg)を加えた。該混合物を100℃にて2時間加熱した。水(4ml)を加え、該溶液を酢酸エチル(5ml×2)で抽出し、NaSOで乾燥させた。溶媒を蒸発させて残さを得、これを分取TLCプレート(ヘキサン:EtOAc=1:1)によって分離した。53mgの所望の産物を得た(収率:75%)。
HPLC(6分グラジエント)t=4.15分;
MS m/z 355.95 (M + H]+
【0142】
実施例12
6−(5−シクロプロピルカルバモイル−2−メチル−フェニル)−N−(4−メトキシ−ベンジル)−ニコチンアミド
【化75】

A.6−クロロ−N−(4−メトキシ−ベンジル)−ニコチンアミド
【化76】

DMF(15ml)中の6−クロロニコチン酸(473mg、3mmol)、4−メトキシベンジルアミン(412mg、3mmol)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドヒドロクロライド(700mg、3.6mmol)およびHOBt(200mg)の溶液を室温にて3時間撹拌した。水(100ml)を加えた。該溶液を酢酸エチル(150ml×2)で抽出し、飽和KCO溶液(100ml)と水(200ml)で洗浄した。有機層をNaSOで乾燥させ、減圧条件下で蒸発させて所望の産物を得た(810mg、97%)。
HPLC(6分グラジエント)t=3.12分;
MS m/z 275.00, 276.95 (M + H]+
【0143】
B.6−(5−シクロプロピルカルバモイル−2−メチル−フェニル)−N−(4−メトキシ−ベンジル)−ニコチンアミド
【化77】

DMF(2ml)中のパートAの化合物(28mg、0.1mmol)、化合物1B(30mg、0.1mmol)およびKCO(30mg)の溶液に、窒素雰囲気下でPd(PPh(10mg)を加えた。該混合物を95℃にて3時間加熱した。水(3ml)を加え、該溶液を酢酸エチル(4ml×2)で抽出し、NaSOで乾燥させた。溶媒を蒸発させて残さを得、これを分取TLCプレート(EtOAc)によって分離した。32mgの所望の産物を得た(収率:76%)。
HPLC(6分グラジエント)t=3.01分;
MS m/z 416.16 (M + H]+
【0144】
実施例13
N−(4−メトキシベンジル)−2−[(5−シクロプロピルアミノカルボニル)−2−メチルフェニル]−4−アミノピリミジン−5−カルボキシアミド
【化78】

A.エチル4−アミノ−2−メチルメルカプトピリミジン−5−カルボン酸
【化79】

ヨードメタン(2.6g、18mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(150mL)中のエチル4−アミノ−2−メルカプトピリミジン−5−カルボキシレート(3.0g、15mmol)の熱溶液(〜50℃)へと加え、室温にて20分撹拌した。溶媒を真空中で除去し、固体残さを水で洗浄した。真空中で乾燥させた後、所望の産物を白色固体として得た(3.1g、97%)。
HPLC(4分グラジエント)t=2.14分;
MS m/z 214.1 (M + H)+
【0145】
B.4−アミノ−2−メチルメルカプトピリミジン−5−カルボン酸
【化80】

4−アミノ−2−メチルメルカプトピリミジン−5−カルボキシレート(1.5g、7mmol)をメタノール(10mL)と水(5mL)中のリチウムヒドロキシド(340mg、14mmol)溶液中に懸濁させ、60℃にて一晩撹拌した。固体を濾取し、濾液を集めた。溶媒を減圧条件下で除去した。残さを水中に溶解させ、pH〜5まで酢酸で中和した。その後、形成された白色固体を濾取し、真空中で乾燥させた(0.72g、55%)。
HPLC(4分グラジエント)t=0.55分;
MS m/z 186.08 (M + H)+
【0146】
C.N−(4−メトキシベンジル)4−アミノ−2−メチルメルカプトピリミジン−5−カルボキシアミド
【化81】

N,N−ジメチルホルムアミド中の4−アミノ−2−メチルメルカプトピリミジン−5−カルボン酸(185mg、1mmol)とp−メトキシベンジルアミン(164mg、1.2mmol)の溶液に、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(92mg、92mmol)と1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド(carboiimide)ヒドロクロライド(229mg、1.2mmol)を加えた。該反応混合物を室温にて一晩撹拌した。溶媒を減圧条件下で除去した。残さを酢酸エチル(30mL)中に溶解させ、水(30mL)と塩水(30mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を蒸発させた。残さをカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)によって精製し、所望の産物を白色粉末として得た(245mg、81%)。
HPLC(4分グラジエント)t=2.09分;
MS m/z 305.08 (M + H)+
【0147】
D.5−シクロプロピルアミノカルボニル−2−メチルボロン酸
【化82】

過ヨウ素酸ナトリウム(4.8g、22.5mmol)をテトラヒドロフラン(80mL)と水(20mL)中のN−シクロプロピル−4−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)ベンズアミド(2.25g、7.5mmol)の溶液に加えた。該混合物を均一になるまで撹拌した。その後、2Nの塩酸(3.0mL)を加え、室温にて一晩撹拌した。テトラヒドロフランを真空中で除去し、残さを酢酸エチル(100mL)中に懸濁させ、水(100mL)、塩水(100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を蒸発させて所望の産物を白色固体として得た(1.4g、85%)。
HPLC(4分グラジエント)t=1.30分;
MS m/z 219.9 (M + H)+
【0148】
E.N−(4−メトキシベンジル)−2−[(5−シクロプロピルアミノカルボニル)−2−メチルフェニル]−4−アミノピリミジン−5−カルボキシアミド
【化83】

5−シクロプロピルアミノカルボニル−2−メチルボロン酸(209mg、0.96mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(37mg、0.004mmol)、トリス(2−フリル)ホスフィン(74mg、0.4mmol)および銅(I)チオフェン−2−カルボキシレート(198mg、1.6mmol)をフラスコ中に入れ、窒素を通した。テトラヒドロフラン(10mL)中のN−(4−メトキシベンジル)4−アミノ−2−メチルメルカプトピリミジン−5−カルボキシアミド(245mg、0.8mmol)をフラスコに加え、50℃にて窒素雰囲気下で一晩撹拌した。溶媒を真空中で除去した。残さを酢酸エチル(50mL)中に懸濁させ、濃アミノヒドロキシド(20mL)、塩水(50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。残さをカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)によって精製し、所望の産物を淡黄色固体として得た(49mg、14%)。
HPLC(4分グラジエント)tR=2.04分;
MS m/z 432.36 (M + H)+
【0149】
実施例14
3’−アミノ−4’−ベンゾイル−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸シクロプロピルアミド
【化84】

5mLのメチルスルホキシド中の(2−アミノ−4−ブロモ−フェニル)−フェニル−メタノン(276mg、1.0mmol)とN−シクロプロピル−3−ヨード−4−メチル−ベンズアミド(301mg、1.0mmol)の溶液に、炭酸カリウム(276mg、2.0mmol)を、その後Pd(PPh(58mg、0.05mmol)を加えた。該反応混合物を95℃にて4時間撹拌した後、該反応混合物を室温へと冷却させ、10mLの水を該混合物に加えた。得られた混合物を酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。合一した有機層を水(10mL)と塩水(10mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、そして溶媒を蒸発させた。残さをクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)によって精製して、所望の化合物を無色の固体として得た(180mg、49%)。
HPLC(6分グラジエント)t=3.89分;
MS m/z 371 (M+H)
【0150】
実施例15
N−シクロプロピル−4−メチル−3−(2−オキソ−4−フェニル−1,2−ジヒドロ−キナゾリン−7−イル)−ベンズアミド
【化85】

0.5mLの酢酸中の実施例14の3’−アミノ−4’−ベンゾイル−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸シクロプロピルアミド(19mg、0.051mmol)と尿素(3.7mg、0.062mmol)の混合物を120℃にて4時間撹拌した。溶媒を減圧条件下で除去した。粗生成物を分取TLCシート(塩化メチレン:メタノール=10:1)によって精製して、無色の固体を得た(12mg、59%)。
HPLC(6分グラジエント)t=2.88分;
MS m/z 396 (M+H)
【0151】
実施例16
N−シクロプロピル−4−メチル−3−(4−フェニル−キナゾリン−7−イル)−ベンズアミド
【化86】

0.7mLの酢酸中の実施例15の3’−アミノ−4’−ベンゾイル−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸シクロプロピルアミド(20mg、0.054mmol)とホルムアミド(2.9mg、0.065mmol)の混合物を180℃にて10分間撹拌した。溶媒を減圧条件下で除去した。残さを50mLの酢酸エチル中に溶解させ、飽和NaHCO水溶液(10mL)、水(10mL)および塩水(10mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、そして溶媒を蒸発させた。残さを分取TLCシート(塩化メチレン:メタノール=10:1)によって精製して、無色の固体を得た(4.6mg、22%)。
HPLC(4分グラジエント)t=2.31分;
MS m/z 380 (M+H)
【0152】
実施例17
3’−アセチルアミノ−4’−ベンゾイル−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸シクロプロピルアミド
【化87】

1.5mL塩化メチレン中の実施例14の3’−アミノ−4’−ベンゾイル−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸シクロプロピルアミド(21mg、0.057mmol)とトリエチルアミン(29mg、0.284mmol)の溶液に、無水酢酸(8.7mg、0.085mmol)を室温にて加えた。該反応混合物をその温度で6時間撹拌した。該混合物を50mLの酢酸エチルで希釈し、飽和NaHCO水溶液(10mL)、水(10mL)、および塩水(10mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、そして溶媒を蒸発させた。残さを分取TLCシート(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)によって精製して、無色の固体を得た(20mg、85%)。
HPLC(4分グラジエント)t=2.27分;
MS m/z 413 (M+H)
【0153】
本発明で提供される化合物の、サイトカイン合成または活性阻害能を、下記インビトロアッセイを使用して示すことができる。
【0154】
生物学的アッセイ
p38キナーゼの生成
ヒトp38αおよびβのcDNAをPCRでクローン化した。該αおよびβcDNAをDEST2プラスミド(Gateway, InVitrogen)へとサブクローン化した。His−p38融合タンパク質を大腸菌中で発現させ、菌溶解物からアフィニティークロマトグラフィーによってNi+2−NTA−アガロースを使用して精製した。His−p38タンパク質を構成的に活性なMKK6でインキュベートすることによって活性化した。活性なp38をMKK6から、アフィニティークロマトグラフィーによって分離した。構成的に活性なMKK6をRaingeaud et al. [Mol. Cell. Biol., 1247-1255(1996)]と類似の方法によって生成した。
【0155】
LPS刺激PBMCによるTNF−α生産
ヘパリン化ヒト全血を健康な有志から得た。末梢血細胞(PBMC)をヒト全血からAccu−paque濃度勾配遠心分離によって精製し、5×10/mlの濃度でアッセイ培地(10%の胎児ウシ血清を含むRPMI培地)中に再懸濁した。175μLの細胞懸濁液を10μLの試験化合物(4%のDMSO中)で、96ウェル組織培養プレート中で30分室温にてインキュベートした。その後、15μLのLPS(13.33μg/ml原液)を細胞懸濁液に加え、該プレートを18時間37℃にて、5%COを含む加湿雰囲気下でインキュベートした。インキュベーション後、該培養培地を集め、−20℃にて保存した。
【0156】
THP−1細胞(TIB−202、ATCC)を洗浄し、1×10/mlの濃度でアッセイ培地(3%の胎児ウシ血清を含むRPMI培地)中で再懸濁した。175μLの細胞懸濁液を10μLの試験化合物(4%のDMSO中)で、96ウェル組織培養プレート中で30分室温にてインキュベートした。その後、15μLのLPS(13.33μg/ml原液)を細胞懸濁液に加え、該プレートを18時間インキュベート37℃にて、5%COを含む加湿雰囲気下でインキュベートした。インキュベーション後、該培養培地を集め、−20℃にて保存した。
【0157】
培地中のTNF−α濃度を標準のELISAキット(BioSource International, Camarillo, CA)を使用して定量した。TNF−αの濃度および試験化合物に対するIC50値(LPS刺激TNF−α生産を50%阻害する化合物の濃度)を4つのパラメーターロジスティック曲線(SigmaPlot, SPSS, Inc.)によって計算した。
【0158】
p38αアッセイ
使用するp38αアッセイは、ピルビン酸キナーゼと乳酸デヒドロゲナーゼ反応のカップリングによって得られるNADH酸化を介した、興味のある反応において放出されるADPの測定に基づく。該アッセイを384ウェルUVプレート中で行った。最終体積は、10%DMSO、17.5μLのアッセイバッファーおよび5μLのATPに溶解した、2.5μLの化合物の添加によって調製された25μLである。アッセイバッファーはアッセイにおいて最終濃度を得るために、下記の試薬を含む:25mMのHEPES、20mMの2−グリセロホスフェート、pH7.6、10mMのMgCl、0.1mMのナトリウムオルトバナデート、0.5mMのホスホエノールピルビン酸、0.12mMのNADH、3.1mg/mlのLDH、6.67mg/mlのピルビン酸キナーゼ、0.25mMのペプチド基質、2mMのDTT、0.005%のツイーン80および20nMのUpstate由来のp38αキナーゼ。試験化合物をp38αキナーゼと60分プレインキュベートし、0.15mM最終濃度へATPを加えることによって反応を開始させる。反応速度を340nmで、SpectraMaxプレート読み込みスペクトロメーターを使用して、10分、37℃にて測定した。阻害データをSigma Plotを使用して非線形最小2乗回帰によって分析した。
【0159】
本明細書の実施例に示された産物についての上記試験で得られた薬理学的結果を下記表1に示す。表中で示された活性の範囲に対応する+の記号によって、すなわち:
+ 10μモルより大きい活性
++ 1〜10μモルの活性
+++ 1μモル未満の活性
の該産物の活性の程度を示す。
【表1】

【0160】
LPS刺激マウスによるTNF−α生産
マウス(Balb/cメス、6〜8週齢、Taconic Labs;n=8/処置群)を滅菌食塩水に懸濁したリポポリサッカリド(LPS)(50μg/kgの大腸菌株0111:B4、Sigma)で腹腔内注射した。90分後、マウスをCO:O吸入で鎮静させ、血液試料を得た。血清を分離し、市販のELISAアッセイによって製造業者(BioSource International)の指示にしたがってTNF−α濃度について分析した。試験化合物をLPS注射前の様々な時点で経口的に投与した。該化合物を様々なビークルまたは溶解剤中の懸濁液または溶液のいずれかとして投与した。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

〔式中、Xは
【化2】

【化3】

【化4】

【化5】

【化6】

【化7】

【化8】

【化9】

【化10】

【化11】

【化12】

であり;
はハロゲン、ヒドロキシル、低級アルキル、低級シクロアルキル、アルキニル、トリフルオロメチル、メトキシ、トリフルオロメトキシ、シアノ、−NH、−NRおよび−ORから選択され;
はフェニル環Aの任意の利用可能な炭素原子に結合しており、そして存在しているそれぞれは独立して水素、アルキル、低級シクロアルキル、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、−OMe、−CN、−NMe;−S(=O)アルキル、−S(=O)アリール、−NHSO−アリール−R、−NHSOアルキル、−CO、−CONH、−SOH、−S(O)アルキル、−S(O)アリール、−SONHR、および−NHC(=O)NHRから選択され;
nは0または1であり;
Yは−L−RまたはR11であり;
は水素、アルキル、−OR、置換されたアルキル、シクロアルキル、−CRシクロアルキル、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、ヘテロ環および置換されたヘテロ環から選択され;
Lは−C(=O)NH−、−NH(C=O)−、−SONH−、−NHSO−、または−C(=O)−であり;
11は所望により置換された5員ヘテロアリールであり;
WはCHまたはNであり;
Vは−M−R10またはR14であり;
Mは−C(=O)NR−、−NR(C=O)−、−NR(C=O)NR−、−NRSO−、または−C(=O)−であり;
14は所望により3個までのR12で置換されたアリールまたはヘテロアリールであり;
Pは−Q−R10またはR15であり;
Qは−NR(C=O)−、−NR(C=O)NR−、−SONR−、−NRSO−、または−C(=O)−であり;
15は所望により3個までのR12で置換されたアリールまたはヘテロアリールであり;
およびRはそれぞれ独立して水素、低級アルキルおよび低級シクロアルキルから選択され;
はフェニル環Bの任意の利用可能な炭素原子と結合しており、そして存在しているそれぞれは独立して水素、アルキル、低級シクロアルキル、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、−OMe、−CN、−NH、−NMe;−S(=O)アルキル、−S(=O)アリール、−NHSO−アリール−R、−NHSOアルキル、−CO、−CONH、−SOH、−S(O)アルキル、−S(O)アリール、−SONHR、−NHC(=O)R、および−NHC(=O)NHRから選択され;
およびRはそれぞれ独立して水素、アルキル、置換されたアルキル、アリール、およびシクロアルキルから選択され;
は水素、アルキル、置換されたアルキルまたはシクロアルキルであり;
10はアルキル、置換されたアルキル、アリール、または−(CH−D−(CH−R13であり;
tは0、1、2および3から選択され;
eは0、1、2および3から選択され;
Dは単結合、所望により置換されたヘテロ環、所望により置換されたアリール、−O−、−S−、−(C=O)−、−NR(C=O)−、−(C=O)NR−、−S(O)−、SONR−、SO−、および−NR−から選択され;
12はR10、NO、CN、低級シクロアルキル、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、−OMe、−CN、−NMe;−S(=O)アルキル、−S(=O)アリール、−NHSO−アリール−R、−NHSOアルキル、−CO、−CONH、−SOH、−S(O)アルキル、−S(O)アリール、−SONHR、および−NHC(=O)NHRから選択され;そして
13は所望により置換された5〜7員ヘテロ環式環、所望により置換された5〜7員ヘテロアリール環および所望により置換された縮合二環式環から選択される。
ただし、QがCOであるとき、Yはオキサジアゾリルではなく、Lは−C(=O)NH−または−NHC(=O)ではない〕
を有する化合物、またはその薬学的に許容される誘導体。
【請求項2】
式(II):
【化13】

〔式中、Rが水素、メチルおよびハロゲンから選択され;そして
がアルキル、−OR、置換されたアルキル、シクロアルキル、ヘテロアリールおよび置換されたヘテロアリールから選択される〕
を有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
式(III):
【化14】

を有する、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
式(IV):
【化15】

〔式中、Rが低級アルキル、低級シクロアルキル、ヘテロアリール、および置換されたヘテロアリールから選択される〕
を有する、請求項1〜3のいずれかに記載の化合物。
【請求項5】
式(V):
【化16】

を有する、請求項1〜4のいずれかに記載の化合物。
【請求項6】
式(VI):
【化17】

〔式中、Rがメチル、シクロプロピルおよびハロゲンから選択され;そして
が水素、メチルおよびハロゲンから選択される〕
を有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
式(VII):
【化18】

を有する、請求項1または6に記載の化合物。
【請求項8】
式(VIII):
【化19】

〔式中、Rがメチル、シクロプロピルおよびハロゲンから選択され;
が水素、メチルおよびハロゲンから選択され;そして
16が水素、低級アルキルおよび低級シクロアルキルから選択される〕
を有する、請求項1、6および7のいずれかに記載の化合物。
【請求項9】
式(IX):
【化20】

を有する、請求項1および6〜8のいずれかに記載の化合物。
【請求項10】
式:
【化21】

を有する、請求項1および6〜9のいずれかに記載の化合物。
【請求項11】
Xが
【化22】

から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
が低級アルキルまたは水素である、請求項1または11に記載の化合物。
【請求項13】
がメチルまたは水素である、請求項1および11〜12のいずれかに記載の化合物。
【請求項14】
がメチルである、請求項1および11〜13のいずれかに記載の化合物。
【請求項15】
が水素である、請求項1および11〜13のいずれかに記載の化合物。
【請求項16】
WがCHまたはNである、請求項1〜15のいずれかに記載の化合物。
【請求項17】
WがCHである、請求項1〜16のいずれかに記載の化合物。
【請求項18】
WがNである、請求項1〜16のいずれかに記載の化合物。
【請求項19】
Vが−M−R10またはR14である、請求項1〜15のいずれかに記載の化合物。
【請求項20】
Mが−C(=O)NR−である、請求項1または19に記載の化合物。
【請求項21】
Mが−C(=O)NH−である、請求項1および19〜20のいずれかに記載の化合物。
【請求項22】
10がアルコキシアラルキルである、請求項1または19に記載の化合物。
【請求項23】
10がメトキシベンジルである、請求項1、19および22のいずれかに記載の化合物。
【請求項24】
14が所望により3個までのR12で置換されたアリールまたはヘテロアリールである、請求項1〜19のいずれかに記載の化合物。
【請求項25】
14が所望により低級アルキルで置換されたヘテロアリールである、請求項1〜19および24のいずれかに記載の化合物。
【請求項26】
14が所望によりメチルで置換されたオキサジアゾリルである、請求項1〜19および24〜25のいずれかに記載の化合物。
【請求項27】
Pが−C(=O)−R10またはR15であり、ここで、R10がアリールでありそしてR15が所望により3個までのR12で置換されたアリールまたはヘテロアリールである、請求項1〜11のいずれかに記載の化合物。
【請求項28】
が低級アルキル、低級シクロアルキルおよびハロゲンから選択される、請求項1、6、8および11〜27のいずれかに記載の化合物。
【請求項29】
が低級アルキルである、請求項1、6、8および11〜28のいずれかに記載の化合物。
【請求項30】
がメチルである、請求項1、6、8および11〜29のいずれかに記載の化合物。
【請求項31】
が低級アルキル、低級シクロアルキルおよびハロゲンから選択される、請求項1、2、6、8および11〜30のいずれかに記載の化合物。
【請求項32】
が水素である、請求項1、2、6、8および11〜31のいずれかに記載の化合物。
【請求項33】
Lが−CONH−である、請求項1および11〜32のいずれかに記載の化合物。
【請求項34】
が低級アルキル、低級シクロアルキル、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリールから選択される、請求項1および11〜33のいずれかに記載の化合物。
【請求項35】
が低級シクロアルキルである、請求項1および11〜34のいずれかに記載の化合物。
【請求項36】
がシクロプロピルである、請求項1および11〜35のいずれかに記載の化合物。
【請求項37】
6−メチル−4’−[1,3,4]オキサジアゾル−2−イル−ビフェニル−3−カルボン酸シクロプロピルアミド;
6−メチル−4’−(5−メチル−[1,3,4]オキサジアゾル−2−イル)−ビフェニル−3−カルボン酸シクロプロピルアミド;
6−メチル−4’−(4H−[1,2,4]トリアゾル−3−イル)−ビフェニル−3−カルボン酸シクロプロピルアミド;
N−シクロプロピル−4−メチル−3−(5−[1,3,4]オキサジアゾル−2−イル−ピリジン−2−イル)−ベンズアミド;
N−シクロプロピル−4−メチル−3−[5−(5−メチル−[1,3,4]オキサジアゾル−2−イル)−ピリジン−2−イル]−ベンズアミド;
3−(3−ベンジル−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−キナゾリン−7−イル)−N−シクロプロピル−4−メチル−ベンズアミド;
N−シクロプロピル−3−[3−(2,6−ジクロロ−ベンジル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−キナゾリン−7−イル]−4−メチル−ベンズアミド;
N−シクロプロピル−3−[3−(3,4−ジクロロ−ベンジル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−キナゾリン−7−イル]−4−メチル−ベンズアミド;
N−シクロプロピル−3−[3−(4−メトキシ−ベンジル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−キナゾリン−7−イル]−4−メチル−ベンズアミド;
N−シクロプロピル−4−メチル−3−(4−オキソ−3,4−ジヒドロ−キナゾリン−7−イル)−ベンズアミド;
4’−ベンゾイル−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸シクロプロピルアミド;
6−(5−シクロプロピルカルバモイル−2−メチル−フェニル)−N−(4−メトキシ−ベンジル)−ニコチンアミド;
N−(4−メトキシベンジル)−2−[(5−シクロプロピルアミノカルボニル)−2−メチルフェニル]−4−アミノピリミジン−5−カルボキシアミド;
3’−アミノ−4’−ベンゾイル−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸シクロプロピルアミド;
N−シクロプロピル−4−メチル−3−(2−オキソ−4−フェニル−1,2−ジヒドロ−キナゾリン−7−イル)−ベンズアミド;
N−シクロプロピル−4−メチル−3−(4−フェニル−キナゾリン−7−イル)−ベンズアミド;および
3’−アセチルアミノ−4’−ベンゾイル−6−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸シクロプロピルアミド:
から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項38】
請求項1〜37のいずれかに記載の化合物をそれを必要とする対象に投与することを含む、p38介在疾患または障害の1種以上の症状を処置、予防または改善する方法。
【請求項39】
該疾患または障害が、炎症性疾患、自己免疫性疾患、破壊性骨障害、増殖性障害、血管形成障害、感染症、神経変性疾患およびウイルス性疾患から選択される、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
該疾患または障害が以下から選択される、請求項37または38に記載の方法:
膵炎(急性または慢性)、喘息、アレルギー、成人呼吸窮迫症候群、慢性閉塞性肺疾患、糸球体腎炎、リウマチ性関節炎、全身性狼瘡紅斑症、強皮症、慢性甲状腺炎、グレーブス病、自己免疫性胃炎、糖尿病、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性好中球減少症、血小板減少症、アトピー性皮膚炎、慢性活動性肝炎、重症筋無力症、多発性硬化症、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、乾癬、移植片対宿主症、内毒素によって誘導される炎症性応答、結核、アテローム性動脈硬化症、筋肉変性、悪液質、乾癬性関節炎、ライター症候群、痛風、外傷性関節炎、風疹関節炎、急性滑膜炎、膵臓β−細胞疾患;大規模な好中球浸潤によって特徴付けられる疾患;リウマチ様脊椎炎、痛風性関節炎および他の関節炎状態、脳マラリア、慢性肺炎症性疾患、珪肺症、肺サルコイドーシス(sarcoisosis)、骨吸収疾患、同種移植片拒絶反応、感染による発熱および筋肉痛、感染に続発する悪液質、ケロイド(meloid)形成、瘢痕組織形成、潰瘍性大腸炎、熱病(pyresis)、インフルエンザ、骨粗鬆症、骨関節炎および多発性骨髄腫関連骨障害、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、転移性黒色腫、カポジ肉腫、多発性骨髄腫、敗血症、敗血症性ショックおよび細菌性赤痢;アルツハイマー病、パーキンソン病、脳虚血または外傷によって引き起こされる神経変性疾患;固形腫瘍、眼新血管形成、および小児血管腫を含む血管形成障害;急性肝炎感染(A型肝炎、B型肝炎およびC型肝炎を含む)、HIV感染およびCMV網膜炎、AIDS、SARS、ARCまたは悪性腫瘍、およびヘルペスを含むウイルス性疾患;卒中、心筋虚血、卒中心臓発作における虚血、組織低酸素症(organ hyposia)、血管過形成、心臓および腎臓再灌流障害、血栓症、心臓肥大、血小板凝集を誘導するトロンビン、内毒素血症および/または毒素性ショック症候群、プロスタグランジンエンドペルオキシダーゼシンターゼ−2と関連する状態。
【請求項41】
請求項1〜37のいずれかに記載の化合物をそれを必要とする対象に投与することを含む、誘導型(inducible)前炎症性タンパク質の発現を阻害する方法。
【請求項42】
該誘導型前炎症性タンパク質がプロスタグランジンエンドペルオキシドシンターゼ−2(PGHS−2)(またシクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)とも呼ばれる)である、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
請求項1〜37のいずれかに記載の化合物を投与することを含む、誘導型前炎症性タンパク質と関連する疾患または障害の1種以上の症状を処置、予防または改善する方法。
【請求項44】
該疾患または障害が、浮腫、無痛覚症、発熱、疼痛、神経筋疼痛、頭痛、がんによって引き起こされる疼痛、歯痛および関節炎疼痛から選択される、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
該ウイルス感染が獣ウイルス感染である、請求項40に記載の方法。
【請求項46】
該獣ウイルス感染がレンチウイルス感染、ウマ感染性貧血ウイルス;レトロウイルス感染、ネコ免疫不全ウイルス、ウシ免疫不全ウイルス、およびイヌ免疫不全ウイルスである、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
請求項1〜37のいずれかに記載の化合物をそれを必要とする対象に投与することを含む、サイトカイン介在疾患または障害の1種以上の症状を処置、予防または改善する方法。
【請求項48】
コルチコステロイド、ロリプラム、カルホスチン、CSAID、4−置換イミダゾ[1,2−A]キノキサリン;インターロイキン−10、グルココルチコイド、サリチレート、酸化窒素、他の免疫抑制剤、核転移阻害剤、デオキシスペルグアリン(deoxyspergualin)(DSG);非ステロイド抗炎症剤(NSAID)、イブプロフェン、セレコキシブ、ロフェコキシブ;ステロイド、プレドニゾン、デキサメタゾン;抗ウイルス剤、アバカビル;抗増殖剤、メトトレキサート、レフルノミド、FK506;細胞毒性剤、アザチオプリン、シクロホスファミド。TNF−α阻害剤、テニダプ、抗−TNF抗体、可溶性TNFレセプター、およびラパマイシンまたはそれらの誘導体をさらに投与することを含む、請求項38〜47のいずれかに記載の方法。
【請求項49】
請求項1〜37のいずれかに記載の化合物とp38キナーゼを接触させることを含む、p38キナーゼを阻害する方法。
【請求項50】
p38キナーゼがp38αまたはp38βキナーゼである、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
請求項1〜37のいずれかに記載の化合物の有効量をそれを必要とする対象に投与することを含む、サイトカイン応答を媒介する方法。
【請求項52】
該サイトカイン応答がp38キナーゼ活性によって誘導される、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
請求項1〜37のいずれかに記載の化合物をそれを必要とする対象に投与することを含む、炎症性応答を阻害する方法。
【請求項54】
請求項1〜37のいずれかに記載の化合物と薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項55】
単剤投与用に製剤された請求項54に記載の医薬組成物。
【請求項56】
1種以上の下記のものをさらに含む、請求項54または55に記載の医薬組成物:
コルチコステロイド、ロリプラム、カルホスチン、CSAID、4−置換イミダゾ[1,2−A]キノキサリン、インターロイキン−10、グルココルチコイド、サリチレート、酸化窒素、免疫抑制剤、核転移阻害剤、デオキシスペルグアリン(DSG);非ステロイド抗炎症剤(NSAID)、イブプロフェン、セレコキシブ、ロフェコキシブ;ステロイド、プレドニゾン、デキサメタゾン;抗ウイルス剤、アバカビル;抗増殖剤、メトトレキサート、レフルノミド、FK506;細胞毒性剤、アザチオプリン、シクロホスファミド、TNF−α阻害剤、テニダプ、抗−TNF抗体、可溶性TNFレセプター、およびラパマイシンまたはそれらの誘導体。
【請求項57】
包装材と、p38キナーゼ介在疾患もしくは障害の1種以上の症状を処置、予防または改善するために有用である請求項1〜37のいずれかに記載の化合物を含み、かつ該化合物がp38キナーゼ介在疾患もしくは障害の1種以上の症状を処置、予防または改善するために有用であることを示したラベルを含む製品。
【請求項58】
p38キナーゼ介在疾患または障害の1種以上の症状を処置、予防または改善する方法であって、それを必要とする対象に式(I):
【化23】

〔式中、Xは
【化24】

【化25】

【化26】

【化27】

【化28】

【化29】

【化30】

【化31】

【化32】

【化33】

【化34】

であり;
はハロゲン、ヒドロキシル、低級アルキル、低級シクロアルキル、アルキニル、トリフルオロメチル、メトキシ、トリフルオロメトキシ、シアノ、−NH、−NRおよび−ORから選択され;
はフェニル環Aの任意の利用可能な炭素原子に結合しており、そして存在しているそれぞれは独立して水素、アルキル、低級シクロアルキル、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、−OMe、−CN、−NMe;−S(=O)アルキル、−S(=O)アリール、−NHSO−アリール−R、−NHSOアルキル、−CO、−CONH、−SOH、−S(O)アルキル、−S(O)アリール、−SONHR、および−NHC(=O)NHRから選択され;
nは0または1であり;
Yは−L−RまたはR11であり;
は水素、アルキル、−OR、置換されたアルキル、シクロアルキル、−CRシクロアルキル、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、ヘテロ環および置換されたヘテロ環から選択され;
Lは−C(=O)NH−、−NH(C=O)−、−SONH−、−NHSO−、または−C(=O)−であり;
11は所望により置換された5員ヘテロアリールであり;
WはCHまたはNであり;
Vは−M−R10またはR14であり;
Mは−C(=O)NR−、−NR(C=O)−、−NR(C=O)NR−、−NRSO−、または−C(=O)−であり;
14は所望により3個までのR12で置換されたアリールまたはヘテロアリールであり;
Pは−Q−R10またはR15であり;
Qは−NR(C=O)−、−NR(C=O)NR−、−SONR−、−NRSO−、または−C(=O)−であり;
15は所望により3個までのR12で置換されたアリールまたはヘテロアリールであり;
およびRはそれぞれ独立して水素、低級アルキルおよび低級シクロアルキルから選択され;
はフェニル環Bの任意の利用可能な炭素原子と結合しており、そして存在しているそれぞれは独立して水素、アルキル、低級シクロアルキル、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、−OMe、−CN、−NH、−NMe;−S(=O)アルキル、−S(=O)アリール、−NHSO−アリール−R、−NHSOアルキル、−CO、−CONH、−SOH、−S(O)アルキル、−S(O)アリール、−SONHR、−NHC(=O)R、および−NHC(=O)NHRから選択され;
およびRはそれぞれ独立して水素、アルキル、置換されたアルキル、アリール、およびシクロアルキルから選択され;
は水素、アルキル、置換されたアルキルまたはシクロアルキルであり;
10はアルキル、置換されたアルキル、アリール、または−(CH−D−(CH−R13であり;
tは0、1、2および3から選択され;
eは0、1、2および3から選択され;
Dは単結合、所望により置換されたヘテロ環、所望により置換されたアリール、−O−、−S−、−(C=O)−、−NR(C=O)−、−(C=O)NR−、−S(O)−、SONR−、SO−、および−NR−から選択され;
12はR10、NO、CN、低級シクロアルキル、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、−OMe、−CN、−NMe;−S(=O)アルキル、−S(=O)アリール、−NHSO−アリール−R、−NHSOアルキル、−CO、−CONH、−SOH、−S(O)アルキル、−S(O)アリール、−SONHR、および−NHC(=O)NHRから選択され;そして
13は所望により置換された5〜7員ヘテロ環式環、所望により置換された5〜7員ヘテロアリール環および所望により置換された縮合二環式環から選択される。
ただし、QがCOであるとき、Yはオキサジアゾリルではなく、Lは−C(=O)NH−または−NHC(=O)ではない〕
を有する化合物、またはその薬学的に許容される誘導体を投与することを含んでなる方法。
【請求項59】
誘導型前炎症性タンパク質の発現を阻害する方法であって、それを必要とする対象に式(I):
【化35】

〔式中、Xは
【化36】

【化37】

【化38】

【化39】

【化40】

【化41】

【化42】

【化43】

【化44】

【化45】

【化46】

であり;
はハロゲン、ヒドロキシル、低級アルキル、低級シクロアルキル、アルキニル、トリフルオロメチル、メトキシ、トリフルオロメトキシ、シアノ、−NH、−NRおよび−ORから選択され;
はフェニル環Aの任意の利用可能な炭素原子に結合しており、そして存在しているそれぞれは独立して水素、アルキル、低級シクロアルキル、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、−OMe、−CN、−NMe;−S(=O)アルキル、−S(=O)アリール、−NHSO−アリール−R、−NHSOアルキル、−CO、−CONH、−SOH、−S(O)アルキル、−S(O)アリール、−SONHR、および−NHC(=O)NHRから選択され;
nは0または1であり;
Yは−L−RまたはR11であり;
は水素、アルキル、−OR、置換されたアルキル、シクロアルキル、−CRシクロアルキル、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、ヘテロ環および置換されたヘテロ環から選択され;
Lは−C(=O)NH−、−NH(C=O)−、−SONH−、−NHSO−、または−C(=O)−であり;
11は所望により置換された5員ヘテロアリールであり;
WはCHまたはNであり;
Vは−M−R10またはR14であり;
Mは−C(=O)NR−、−NR(C=O)−、−NR(C=O)NR−、−NRSO−、または−C(=O)−であり;
14は所望により3個までのR12で置換されたアリールまたはヘテロアリールであり;
Pは−Q−R10またはR15であり;
Qは−NR(C=O)−、−NR(C=O)NR−、−SONR−、−NRSO−、または−C(=O)−であり;
15は所望により3個までのR12で置換されたアリールまたはヘテロアリールであり;
およびRはそれぞれ独立して水素、低級アルキルおよび低級シクロアルキルから選択され;
はフェニル環Bの任意の利用可能な炭素原子と結合しており、そして存在しているそれぞれは独立して水素、アルキル、低級シクロアルキル、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、−OMe、−CN、−NH、−NMe;−S(=O)アルキル、−S(=O)アリール、−NHSO−アリール−R、−NHSOアルキル、−CO、−CONH、−SOH、−S(O)アルキル、−S(O)アリール、−SONHR、−NHC(=O)R、および−NHC(=O)NHRから選択され;
およびRはそれぞれ独立して水素、アルキル、置換されたアルキル、アリール、およびシクロアルキルから選択され;
は水素、アルキル、置換されたアルキルまたはシクロアルキルであり;
10はアルキル、置換されたアルキル、アリール、または−(CH−D−(CH−R13であり;
tは0、1、2および3から選択され;
eは0、1、2および3から選択され;
Dは単結合、所望により置換されたヘテロ環、所望により置換されたアリール、−O−、−S−、−(C=O)−、−NR(C=O)−、−(C=O)NR−、−S(O)−、SONR−、SO−、および−NR−から選択され;
12はR10、NO、CN、低級シクロアルキル、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、−OMe、−CN、−NMe;−S(=O)アルキル、−S(=O)アリール、−NHSO−アリール−R、−NHSOアルキル、−CO、−CONH、−SOH、−S(O)アルキル、−S(O)アリール、−SONHR、および−NHC(=O)NHRから選択され;そして
13は所望により置換された5〜7員ヘテロ環式環、所望により置換された5〜7員ヘテロアリール環および所望により置換された縮合二環式環から選択される。
ただし、QがCOであるとき、Yはオキサジアゾリルではなく、Lは−C(=O)NH−または−NHC(=O)ではない〕
を有する化合物、またはその薬学的に許容される誘導体を投与することを含んでなる方法。
【請求項60】
誘導型前炎症性タンパク質と関連する疾患または障害の1種以上の症状を処置、予防または改善する方法であって、それを必要とする対象に式(I):
【化47】

〔式中、Xは
【化48】

【化49】

【化50】

【化51】

【化52】

【化53】

【化54】

【化55】

【化56】

【化57】

【化58】

であり;
はハロゲン、ヒドロキシル、低級アルキル、低級シクロアルキル、アルキニル、トリフルオロメチル、メトキシ、トリフルオロメトキシ、シアノ、−NH、−NRおよび−ORから選択され;
はフェニル環Aの任意の利用可能な炭素原子に結合しており、そして存在しているそれぞれは独立して水素、アルキル、低級シクロアルキル、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、−OMe、−CN、−NMe;−S(=O)アルキル、−S(=O)アリール、−NHSO−アリール−R、−NHSOアルキル、−CO、−CONH、−SOH、−S(O)アルキル、−S(O)アリール、−SONHR、および−NHC(=O)NHRから選択され;
nは0または1であり;
Yは−L−RまたはR11であり;
は水素、アルキル、−OR、置換されたアルキル、シクロアルキル、−CRシクロアルキル、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、ヘテロ環および置換されたヘテロ環から選択され;
Lは−C(=O)NH−、−NH(C=O)−、−SONH−、−NHSO−、または−C(=O)−であり;
11は所望により置換された5員ヘテロアリールであり;
WはCHまたはNであり;
Vは−M−R10またはR14であり;
Mは−C(=O)NR−、−NR(C=O)−、−NR(C=O)NR−、−NRSO−、または−C(=O)−であり;
14は所望により3個までのR12で置換されたアリールまたはヘテロアリールであり;
Pは−Q−R10またはR15であり;
Qは−NR(C=O)−、−NR(C=O)NR−、−SONR−、−NRSO−、または−C(=O)−であり;
15は所望により3個までのR12で置換されたアリールまたはヘテロアリールであり;
およびRはそれぞれ独立して水素、低級アルキルおよび低級シクロアルキルから選択され;
はフェニル環Bの任意の利用可能な炭素原子と結合しており、そして存在しているそれぞれは独立して水素、アルキル、低級シクロアルキル、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、−OMe、−CN、−NH、−NMe;−S(=O)アルキル、−S(=O)アリール、−NHSO−アリール−R、−NHSOアルキル、−CO、−CONH、−SOH、−S(O)アルキル、−S(O)アリール、−SONHR、−NHC(=O)R、および−NHC(=O)NHRから選択され;
およびRはそれぞれ独立して水素、アルキル、置換されたアルキル、アリール、およびシクロアルキルから選択され;
は水素、アルキル、置換されたアルキルまたはシクロアルキルであり;
10はアルキル、置換されたアルキル、アリール、または−(CH−D−(CH−R13であり;
tは0、1、2および3から選択され;
eは0、1、2および3から選択され;
Dは単結合、所望により置換されたヘテロ環、所望により置換されたアリール、−O−、−S−、−(C=O)−、−NR(C=O)−、−(C=O)NR−、−S(O)−、SONR−、SO−、および−NR−から選択され;
12はR10、NO、CN、低級シクロアルキル、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、−OMe、−CN、−NMe;−S(=O)アルキル、−S(=O)アリール、−NHSO−アリール−R、−NHSOアルキル、−CO、−CONH、−SOH、−S(O)アルキル、−S(O)アリール、−SONHR、および−NHC(=O)NHRから選択され;そして
13は所望により置換された5〜7員ヘテロ環式環、所望により置換された5〜7員ヘテロアリール環および所望により置換された縮合二環式環から選択される。
ただし、QがCOであるとき、Yはオキサジアゾリルではなく、Lは−C(=O)NH−または−NHC(=O)ではない〕
を有する化合物、またはその薬学的に許容される誘導体を投与することを含んでなる方法。
【請求項61】
サイトカイン応答を媒介する方法であって、それを必要とする対象に式(I):
【化59】

〔式中、Xは
【化60】

【化61】

【化62】

【化63】

【化64】

【化65】

【化66】

【化67】

【化68】

【化69】

【化70】

であり;
はハロゲン、ヒドロキシル、低級アルキル、低級シクロアルキル、アルキニル、トリフルオロメチル、メトキシ、トリフルオロメトキシ、シアノ、−NH、−NRおよび−ORから選択され;
はフェニル環Aの任意の利用可能な炭素原子に結合しており、そして存在しているそれぞれは独立して水素、アルキル、低級シクロアルキル、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、−OMe、−CN、−NMe;−S(=O)アルキル、−S(=O)アリール、−NHSO−アリール−R、−NHSOアルキル、−CO、−CONH、−SOH、−S(O)アルキル、−S(O)アリール、−SONHR、および−NHC(=O)NHRから選択され;
nは0または1であり;
Yは−L−RまたはR11であり;
は水素、アルキル、−OR、置換されたアルキル、シクロアルキル、−CRシクロアルキル、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、ヘテロ環および置換されたヘテロ環から選択され;
Lは−C(=O)NH−、−NH(C=O)−、−SONH−、−NHSO−、または−C(=O)−であり;
11は所望により置換された5員ヘテロアリールであり;
WはCHまたはNであり;
Vは−M−R10またはR14であり;
Mは−C(=O)NR−、−NR(C=O)−、−NR(C=O)NR−、−NRSO−、または−C(=O)−であり;
14は所望により3個までのR12で置換されたアリールまたはヘテロアリールであり;
Pは−Q−R10またはR15であり;
Qは−NR(C=O)−、−NR(C=O)NR−、−SONR−、−NRSO−、または−C(=O)−であり;
15は所望により3個までのR12で置換されたアリールまたはヘテロアリールであり;
およびRはそれぞれ独立して水素、低級アルキルおよび低級シクロアルキルから選択され;
はフェニル環Bの任意の利用可能な炭素原子と結合しており、そして存在しているそれぞれは独立して水素、アルキル、低級シクロアルキル、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、−OMe、−CN、−NH、−NMe;−S(=O)アルキル、−S(=O)アリール、−NHSO−アリール−R、−NHSOアルキル、−CO、−CONH、−SOH、−S(O)アルキル、−S(O)アリール、−SONHR、−NHC(=O)R、および−NHC(=O)NHRから選択され;
およびRはそれぞれ独立して水素、アルキル、置換されたアルキル、アリール、およびシクロアルキルから選択され;
は水素、アルキル、置換されたアルキルまたはシクロアルキルであり;
10はアルキル、置換されたアルキル、アリール、または−(CH−D−(CH−R13であり;
tは0、1、2および3から選択され;
eは0、1、2および3から選択され;
Dは単結合、所望により置換されたヘテロ環、所望により置換されたアリール、−O−、−S−、−(C=O)−、−NR(C=O)−、−(C=O)NR−、−S(O)−、SONR−、SO−、および−NR−から選択され;
12はR10、NO、CN、低級シクロアルキル、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、−OMe、−CN、−NMe;−S(=O)アルキル、−S(=O)アリール、−NHSO−アリール−R、−NHSOアルキル、−CO、−CONH、−SOH、−S(O)アルキル、−S(O)アリール、−SONHR、および−NHC(=O)NHRから選択され;そして
13は所望により置換された5〜7員ヘテロ環式環、所望により置換された5〜7員ヘテロアリール環および所望により置換された縮合二環式環から選択される。
ただし、QがCOであるとき、Yはオキサジアゾリルではなく、Lは−C(=O)NH−または−NHC(=O)ではない〕
を有する化合物、またはその薬学的に許容される誘導体を投与することを含んでなる方法。

【公表番号】特表2007−500129(P2007−500129A)
【公表日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−521269(P2006−521269)
【出願日】平成16年7月23日(2004.7.23)
【国際出願番号】PCT/US2004/023726
【国際公開番号】WO2005/012241
【国際公開日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【出願人】(597011463)ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト (942)
【Fターム(参考)】