説明

p側上方GaN系発光ダイオードの光電気化学粗面化

ヘテロ構造のp型窒化ガリウム(GaN)層の光電気化学(PEC)エッチングのための方法であって、半導体構造内の内部バイアスを使用して、電子がp型層の表面に到達するのを防止し、正孔がp型層の表面に到達するのを促進するステップを含み、半導体構造は、p型層と、PEC照射を吸収するための活性層と、n型層とを含む。本発明は、p型層の粗面を含む、LEDを開示するものであって、粗面は、粗面に入射する光を外部媒体中へと散乱させ、光は、LEDの発光活性層から入射する。例えば、LEDは、LEDによって放出される光を抽出するために、粗面化される表面を有する、p型III族窒化物層と、n型III族窒化物層と、p型III族窒化物層とn型III族窒化物層との間の光を放出するための活性層とを含み得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、米国特許法第119条(e)項の下、2008年5月12日に出願された、Adele Tamboli、Evelyn L.Hu、Steven P.DenBaars、およびShuji Nakamuraらによる、「PHOTOELECTROCHEMICAL ROUGHENING OF Ga−FACE,P−SIDE−UP GaN−BASED LIGHT EMITTING DIODES」というタイトルの、代理人整理番号が30794.271−US−P1(2008−535−1)である、米国仮特許出願第61/052,417号の利益を主張し、その出願は本明細書に参考として援用される。
【0002】
本出願は、以下の同時係属中で同一譲受人の米国特許出願に関連する:
本出願と同一日に出願された、Adele Tamboli、Evelyn L.Hu、Matthew C.Schmidt、Shuji Nakamura、およびSteven P.DenBaarsらによる、「PHOTOELECTROCHEMICAL ETCHING OF P−TYPE SEMICONDUCTOR HETEROSTRUCTURES」というタイトルの、代理人整理番号が30794.272−US−U1(2008−533)である、米国実用特許出願第XX/XXX,XXX号で、この出願は、米国特許法第119条(e)項の下、2008年5月12日に出願された、Adele Tamboli、Evelyn L.Hu、Matthew C.Schmidt、Shuji Nakamura、およびSteven P.DenBaarsらによる、「PHOTOELECTROCHEMICAL ETCHING OF P−TYPE SEMICONDUCTOR HETEROSTRUCTURES」というタイトルの、代理人整理番号が30794.272−US−P1(2008−533)である、米国仮特許出願第61/052,421号の利益を主張する;
2006年6月7日に出願された、Tetsuo Fujii、Yan Gao、Evelyn L.Hu、およびShuji Nakamuraらによる、「HIGHLY EFFICIENT GALLIUM NITRIDE BASED LIGHT EMITTING DIODES VIA SURFACE ROUGHENING」というタイトルの、代理人整理番号が30794.108−US−WO(2004−063)である、米国実用特許出願第10/581,940号で、この出願は、米国特許法第119条(e)項の下、2003年12月9日に出願された、Tetsuo Fujii、Yan Gao、Evelyn L.Hu、およびShuji Nakamuraらによる、「HIGHLY EFFICIENT GALLIUM NITRIDE BASED LIGHT EMITTING DIODES VIA SURFACE ROUGHENING」というタイトルの、代理人整理番号が30794.108−WO−01(2004−063)である、PCT出願第US2003/039211号の利益を主張する;
2008年10月9日に出願された、Adele Tamboli、Evelyn L.Hu、およびJames S.Speckらによる、「PHOTOELECTROCHEMICAL ETCHING FOR CHIP SHAPING OF LIGHT EMITTING DIODES」というタイトルの、代理人整理番号が30794.289−US−P1(2009−157)である、米国仮特許出願第61/104,015号;
2009年1月30日に出願された、Adele Tamboli、Evelyn L.Hu、Arpan Chakraborty、およびSteven P.DenBaarらによる、「PHOTOELECTROCHEMICAL ETCHING FOR LASER FACETS」というタイトルの、代理人整理番号が30794.301−US−P1(2009−360)である、米国仮特許出願第61/148,679号;
これらの出願は本明細書に参考として援用される。
【0003】
(1.本発明の分野)
本発明は、光電気化学(PEC)エッチングを使用して、GaN系発光ダイオード(LED)のp型表面を粗面化するプロセスに関する。
【背景技術】
【0004】
(2.関連技術の説明)
(注記:本願は、括弧内の1つ以上の参照番号(例えば、参考文献[x])によって、本明細書を通して指示されるように、いくつかの異なる刊行物を参照する。このような参照番号に従って順序付けられたこれらの異なる刊行物の一覧は、以下の「参考文献」の項に列挙される。これらの刊行物の各々は、本明細書に参考として援用される。)
粗面化LEDは、GaPを含む、他の材料系用として、過去に提案および開発されている[1(特許文献1)]。PECエッチングは、GaN系LEDを粗面化するために、以前に使用されていたが、本プロセスは、N面n型LEDにのみ適用可能であった。GaNヘテロ構造の成長およびドーピングに関連する問題のため、成長は、通常は、任意のp型層が最後に成長されるように進めされる。したがって、LEDのPEC粗面化は、サファイア基板の除去と、n型N面側が曝露されるように、LEDをサブマウントに結合することが、常に必要とされていた。
【0005】
基板除去およびフリップチップ結合は、高価かつ困難であるという事実にもかかわらず、このようなPEC粗面化は、既に、LED製造業者に受け入れられている。
【0006】
T.Fujiiらは、初めて、レーザリフトオフプロセスと併用して、PECエッチングを使用して、特許文献2(2006年6月7日出願のTetsuo Fujii、Yan Gao、Evelyn.L.Hu、およびShuji Nakamuraによる米国実用特許出願第10/581,940号「HIGHLY EFFICIENT GALLIUM NITRIDE BASED LIGHT EMITTING DIODES VIA SURFACE ROUGHENING」(代理人整理番号第30794.108−US−WO(2004−063)号として引用され、本出願は、米国特許法第119条(e)項の下、2003年12月9日出願のTetsuo Fujii、Yan Gao、Evelyn L.Hu、およびShuji Nakamurによる特許文献3「HIGHLY EFFICIENT GALLIUM NITRIDE BASED LIGHT EMITTING DIODES VIA SURFACE ROUGHENING」(代理人整理番号第30794.108−WO−01(2004−063)号の利益を主張するものである)(本出願および公開は、本明細書に参考として援用される)に開示されるように、2−3倍の光抽出の増加を示した(n型)粗面化GaN LEDを製作した。
【0007】
また、KOH/エチレングリコールウェットエッチングを使用して、p−GaNの表面を単に化学的に粗面化した報告もある[2(非特許文献1)]。しかしながら、温度上昇が、エッチングを続行するために必要であって、エッチングは、欠陥を生み、非常に分散したエッチピットをもたらし、全体として比較的平滑表面につながる。また、ドライエッチングを使用して、粗面化LEDを達成することも可能であるが、ドライエッチングは、光学および電子特性に有害なイオン損傷を材料中にもたらす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第3,739,217号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2007/0121690号明細書
【特許文献3】国際公開第2003/039211号
【0009】
Na et al.,“Selective Wet etching of p−GaN for Efficient GaN−Based Light Emitting Diodes”,IEEE Photon.Tech.Lett.,Vol.18,No.14,p.1512(2006)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、LEDを粗面化するためのプロセスの改良が、当技術分野において必要とされる。本発明は、本必要性を充足する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(本発明の概要)
上述の従来技術における制限を克服し、かつ本明細書の熟読および理解によって明白となるであろう他の制限をも克服するために、本発明は、PECエッチングを使用して、GaN系LEDのp型表面を粗面化するプロセスについて説明する。
【0012】
本発明は、p型層の粗面を含む、LEDを開示するものであって、粗面は、粗面に入射する光を外部媒体中へと散乱させ、光は、LEDの発光活性層から入射する。例えば、LEDは、LEDによって放出される光を抽出するために、粗面化される表面を有する、p型III族窒化物層と、n型III族窒化物層と、p型III族窒化物層とn型III族窒化物層との間の光を放出するための活性層とを含み得る。
【0013】
p型III族窒化物層、n型III族窒化物層、および活性層は、粗面化プロセスによって導入される、イオン損傷を有し得ない。さらに、p型III族窒化物層、n型III族窒化物層、および活性層の材質は、粗面化される表面を有するLEDの電流−電圧(I−V)測定値が、表面が粗面化される前のLEDのI−V測定値と比較して、実質的に異なる、または劣化されるほどのものではなくあり得る。
【0014】
表面は、p型層およびLEDからの光を抽出するように定寸される、特徴または構造を生成するために粗面化され得、例えば、粗面化前のp型層の表面、または特徴または構造を伴わない表面からの抽出、あるいはそれを通しての透過と比較して、表面からより多くの光を抽出する、もしくはそれを通してより多くの光を透過する。特徴または構造は、p型層およびLEDからの光を散乱、回折、屈折、または指向させるように定寸され得る。特徴または構造は、粗面化前かつ構造を伴わない表面を通して透過される光出力と比較して、および/または1nm以下の表面粗度を有する、p型層の平面、平坦、または平滑表面を通して透過される光出力と比較して、少なくとも20%多く、表面を通して光出力を透過させ、LEDから出射させるように定寸され得る。通常の二乗平均平方根(rms)粗度は、成長させたままの材料の場合、1ナノメートル(nm)、本発明の粗面化材料の場合、20−30nmである。
【0015】
より具体的には、特徴または構造は、p型層およびLEDからの光を散乱または回折させるように定寸される、辺、寸法、幅、高度、および間隔を有し得る。さらに、辺、寸法、幅、高度、および間隔は、p型層およびLEDからの光の散乱、回折、または透過を向上させるために、p型層内の光の波長と少なくとも同程度であり得る。例えば、辺、寸法、幅、高度、および間隙は、少なくとも0.3マイクロメートル(μm)、最大2μm、または最大10μmであり得る。
【0016】
p型層の表面は、活性層からの光が、p型層から外部媒体中への屈折のための臨界角内の表面に衝突するように成形され得る。例えば、表面は、光が、臨界角内の傾斜表面に衝突し、それによって、傾斜表面における光の全反射を実質的に防止するように定寸される(例えば、臨界角に傾斜される)、1つ以上の傾斜表面を含み得る。任意の光抽出技術を伴わない場合、放出される4−6%の光のみ、GaN LEDから漏出可能である。本発明の表面テクスチャリングによって、4−6%超の光が、臨界角内の表面に衝打し、光抽出の増加につながる。
【0017】
別の実施例では、表面は、20nm以上または25nm以上の表面粗度を含む。粗面化は、例えば、p型層のN面、Ga面、非極性表面、または半極性表面上に形成され得る。
【0018】
さらに、本発明は、III族窒化物系LEDを製作するための方法であって、III族窒化物系発光LEDのp型表面を粗面化するステップであって、p型表面をPECエッチングするステップを含み、粗面化は、LEDから光を抽出するために好適である、ステップを含む、方法を開示する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
次に、図面を参照する(同一参照番号は、全体を通して対応する部品を表す)。
【図1】図1は、PECエッチング概略図である。
【図2】図2(a)は、p−i−nヘテロ構造の断面概略図であって、図2(b)は、LEDのp型層の表面における、図2(a)の構造の層を通る位置の関数としての概略エネルギーバンド図であって、LED/電解質システム内のキャリア経路を示す。
【図3a】図3(a)は、45°の角度で得られた、LEDの粗面化p型Ga面表面の走査電子顕微鏡(SEM)像(縮尺:2μm)であって、粗度の水平変化を示す。
【図3b】図3(b)は、粗面化半極性(11−22)表面像であって、縮尺は、20μmである。
【図4】図4(a)−(e)は、粗面化GaN/InGaN LEDを生成するためのプロセスフローを例示する、概略図である。
【図5−1】図5(a)は、p−GaN直立型LEDの表面粗面化を示す、の断面概略図である。
【図5−2】図5(b)は、非粗面化p型表面を示す、LEDの上面図光学像であって、表面粗度は、1nm以下である。図5(c)は、図5(b)の表面の一部の上面図光学像であって、像の表面尺度は、2.5μmであって、グレースケールは、高度プロファイルまたは表面粗度を提供し、表面粗度は、1nm以下である。図5(d)は、図5(a)の構造を有するLEDの上面図光学像であって、粗面化p型表面、粗度の水平変化、および25nm以下の表面粗度を示す。図5(e)は、図5(d)の表面の一部の上面図光学像であって、像の表面尺度は、2.5μmであって、グレースケールは、高度プロファイルまたは表面粗度(図5(c)と同一尺度)を提供し、表面粗度は、25nm以下である。図5(f)は、図5(d)の表面の一部の上面図SEM像であって、図3と同一表面を示し、尺度は、2μmである。
【図6a】図6(a)は、同一試料上に隣接する7つの平滑LEDおよび7つの粗面LEDの電圧(V)対電流(mA)(電流−電圧(I−V)特性または測定値)と、出力(任意の単位(a.u.))対電流とをプロットしたものであって、平滑LEDと粗面LEDとの間のI−V特性の劣化がないことを示し、また、粗面LEDと平滑LEDとの間に電界発光特性にあまり変化を示さず、したがって、7つの平滑LEDの平均光出力および7つの粗面LEDの平均光出力も、駆動電流の関数としてプロットされる。
【図6b】図6(b)は、図6(a)の平滑LEDと比較した、図6(a)の粗面LEDの駆動電流(mA)の関数として、増大係数をプロットしたものであって、近接平滑LEDと比較して、粗面LEDの20%の光抽出の増加を示し、また、全粗面LEDの平均増加率も示され、増大係数は、平滑LEDの光出力によって除算される粗面LEDの光出力である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(本発明の詳細な説明)
好ましい実施形態の以下の説明では、本明細書の一部を形成し、本発明が実践され得る特定の実施形態の一例として示される、付随の図面が参照される。他の実施形態が利用されてもよく、構造的変化は、本発明の範囲から逸脱することなく成され得ることを理解されたい。
【0021】
(概観)
大部分のIII族窒化物LEDの性能は、半導体内で放出される光の全反射によって制限されるが、粗面化LEDは、粗面に入射する光を空中に散乱させることによって、光抽出を増加させる。抽出を増加させるためのLEDの粗面化は、新しい技術ではないが、PECエッチングは、イオン損傷をもたらすことなく、表面を粗面化するための高速かつ安価な方法である。
【0022】
PECエッチングは、これまで、III−N LEDのN面n型側のみ粗面化するために使用されてきた。GaNヘテロ構造の成長およびドーピングに関連する問題のため、成長は、通常は、Ga面を上方にして進められ、任意のp型層が、通常、最後に成長される。したがって、LEDのPEC粗面化は、サファイア基板の除去と、n型N面側が曝露されるように、LEDをサブマウントに結合することが、以前は、必要とされていた。
【0023】
対照的に、本発明は、必然的に、成長の際、上表面となる、LEDのGa面p型側のPEC粗面化を達成可能にした。
【0024】
(技術説明)
PECエッチングは、光源(例えば、高バンドギャップ1000ワットXeランプ100)と、電気化学セルとを含み、(例えば、GaN LED試料102の)半導体は、システムのアノードとして作用し、その上に直接パターン化されたカソードとして作用する金属104(通常、白金(Pt)またはTi/Pt)を有する(図1)。光106は、半導体内に電子−正孔対を発生させ、電子は、カソード104を通して抽出される一方、正孔は、半導体表面における酸化反応に関与し、半導体表面を電解質108内で溶解させる。表面バンドが、半導体/電解質界面において屈曲するため、正孔は、通常は、n型材料内の表面にのみ閉じ込められる一方、電子は、p型材料内の表面に閉じ込められる。このため、p型半導体のPECエッチングは、達成が困難であった。また、図1は、例えば、GaNフィルタ110を使用して、光106が濾過され得ることも示す。LED102のp−GaNは、PECエッチングのためのアノードである。
【0025】
例えば、標準的LED構造200を使用して、光源は、量子井戸領域204内でのみ、または主にその中で吸収される、光202を放出するように選択可能であって、構造200のドーピングは、電子206が、n型層210中へと引き寄せられ(208)、カソードを通して漏出可能であって、正孔212は、p型キャップ層216中へと引き寄せられる(214よ)うに、光生成キャリアを空間的に分離する(図2(a)および図2(b))。KOH等の強塩基性溶液を電解質218として使用することによって、光生成された正孔212は、表面220(例えば、電解質218を伴う、p型層216の任意の界面222)に到達し、エッチング反応に関与可能となる。このように、ヘテロ構造200のp型表面220は、ドライエッチングを必要とすることなく、エッチング可能である。バルク216、210のバンドギャップE(バルク)224、226は、光子エネルギーhv(hは、プランクの定数、vは、光202の周波数である)の光202が、量子井戸領域204の量子井戸230内にのみ吸収されるように、量子井戸230(例えば、多重量子井戸(MQW))のバンドギャップE(MQW)228より高い。
【0026】
電子−正孔対は、低バンドギャップ層230内に発生し、p−n接合200の内蔵電界によって分離される(内蔵電界は、p型領域216とn型領域210との間の伝導バンドEおよび価電子バンドEの勾配232に比例する)。強塩基性溶液218を使用することによって、表面バンド屈曲234は、光生成された正孔212の多くが、表面220に到達し、エッチング反応に関与するように、最小限にされることが可能である。エッチング条件の入念なバランスは、平滑にエッチングされるよりも、粗面化されるp−GaN表面220を生成し、これによって、本発明は、p側上方Ga面粗面化LEDを形成可能となる(図3(a))。図3(a)に示されるように、結果として生じるp−GaN表面300は、ピット302等の特徴を有する。図3(a)では、表面は、エッチングされたピットと、エッチングされていない領域、またはピット間の平滑領域を含む。側壁は、若干傾斜しており、底面は、平滑ではない。しかしながら、エッチング条件および開始材料に応じて、同一ウエハ上の種々の位置を含む、多くの変形例が存在し得る。図3(b)は、存在し得る変化量を例示する、粗面化半極性(11−22)表面の像である。
【0027】
粗面化LEDを生成するための本発明のプロセスでは、低バンドギャップ吸収層としての量子井戸を利用して、電子−正孔対の発生をエッチングされる面積から分離し、正孔を表面に移動させる一方、電子は、カソードを通して、内部場によって駆動される。本プロセスは、1つの余剰ステップのみ、GaN系LEDの製作プロセスに導入することになる。プロセスの実施例は、以下に提示され、図4(a)−(e)に図式的に示される。量子井戸(活性領域400内)の使用は、材料の成長への変化を必要とせず、標準的LED材料が、図4(a)に示されるプロセスのために使用され得る。唯一の要件は、通常の場合において、量子井戸のバンドギャップが、p型層402のバンドギャップよりも低いことである。
【0028】
(製作方法)
PECエッチング方法に関するさらなる情報は、Adele Tamboli、Evelyn L.Hu、Matthew C.Schmidt、Shuji Nakamura、およびSteven P.DenBaarsによる、本明細書と同日出願の米国実用特許出願第xx/xxx,xxx号「PHOTOELECTROCHEMICAL ETCHING OF P−TYPE SEMICONDUCTOR HETEROSTRUCTURES」(代理人整理番号第30794.272−US−U1(2008−553)号)に見出され得る(本出願は、米国特許法第119条(e)項の下、2008年5月12日出願のAdele Tamboli、Evelyn L.Hu、Matthew C.Schmidt、Shuji Nakamura、およびSteven P.DenBaarsによる米国仮特許出願第61/052,421号「PHOTOELECTROCHEMICAL ETCHING OF P−TYPE SEMICONDUCTOR HETEROSTRUCTURES」(代理人整理番号第30794.272−US−P1(2008−533)号)の利益を主張するものである)(本出願は、上記に引用され、本明細書に参考として援用される)。
【0029】
図4(a)−(e)は、III族窒化物(例えば、GaN)系LED404を製作するための方法を例示する。方法は、以下のステップのうちの1つ以上を含む。
【0030】
1.活性化p−GaN402を伴うLED構造404を使用する。これは、III族窒化物n型層406(例えば、n型GaNまたはn−GaN)を基板408(例えば、サファイア基板)上に蒸着するステップと、III族窒化物活性領域400(例えば、InGaN量子井戸活性層)をn型GaN層406(例えば、n−GaN)上に蒸着するステップと、p型III族窒化物層(例えば、p型GaN層またはp−GaN)402をInGaN活性層400上に蒸着するステップとを含み得る。次いで、以下のステップが、図4(b)−(e)に示される通常の製作プロセスにおいて行なわれる。
【0031】
2.図4(b)に示されるように、例えば、p型GaN層402およびInGaN活性層400内に1つ以上のメサをエッチングすることによって、LEDメサ410をマスキングおよびエッチングする。
【0032】
3.図4(c)に示されるように、例えば、1つ以上のn接点412をn型GaN層406上に蒸着することによって、LEDメサ410の周囲場の至る所にカソード412を蒸着する。表面積は、エッチング反応を高速に進めるために重要である。Ptを使用して、エッチング率を向上させることが可能であるが、必要ではない。本金属412は、n接点として使用可能である。
【0033】
4.PECエッチングをステップ1−3で形成された構造上で行なう。具体的には、図4(d)に示されるように、p−GaN402の表面416(それを通して光が抽出される)のPEC粗面化414を行なう。例えば、PEC照射は、InGaN層活性層400が、電子および正孔を光生成するように、主に、InGaN活性層400内に吸収され得る。本ステップは、半導体構造404内の内部バイアスを使用して、電子がp型GaN層402の表面416に到達するのを防止し、正孔がp型GaN層402の表面416に到達するのを促進し得る。例えば、構造404のドーピングは、電子がn型GaN層406中へと引き寄せられるように、InGaN活性層400内での吸収によって、光生成された電子および正孔を空間的に分離し得、電子は、カソードとして作用するn接点412を通して漏出し、正孔は、p型GaN層402中へと引き寄せられ、正孔は、p型GaN層402の表面416における塩基および酸性溶液とのエッチング反応に関与し、エッチング反応は、LED404から光を抽出するために好適なp型GaN層402の表面416の粗面化414を生成する。
【0034】
理想的条件は、5M KOH電解質溶液と、GaNを通して濾過される1000W Xeランプの使用で、それにより、電子−正孔対が、活性領域400のInGaN内にのみ発生し、ランプが、強照射のために集束される。
【0035】
平滑または粗面表面が達成されるかを決定し得る要因は、使用される材料による。通常は、半極性GaNのc面またはいくつかの配向の使用による欠陥および結晶エッチングは、粗面表面につながる一方、非極性または低欠陥密度材料は、通常は、平滑表面をもたらす。どの電解質が選択されるか、その濃度、照射強度、およびエッチングの際に溶液が撹拌されるかどうかに基づいて、ある程度の可変性が存在する。粗面表面の場合、低強度照射および非撹拌による、濃縮KOHが、電解質として、使用され得る。また、任意のエッチング停止層に到達する前に、エッチングを停止するステップによって、表面が平滑化されないことを確実にするであろう。
【0036】
5.図4(e)に示されるように、p接点418を粗面化414上に蒸着する。最終結果は、LED404である。本発明は、LEDに限定されないが、半導体構造404は、通常はは、p型層402と、PEC照射を吸収する(かつ、製作された発光素子404内で光を発光する)ための活性層400と、n型層406とを含む。
【0037】
したがって、図4(a)−(e)は、LED404のp型表面416を粗面化414するステップを含む、III族窒化物系LED404を製作するための方法であって、粗面化414は、p型表面416をPECエッチングするステップを含み、粗面化414は、LED404から光を抽出するために好適である方法を例示する。また、方法は、他の材料系だけではなく、c面以外のGaNのいくつかの他の配向でも作用し得る。
【0038】
(LED構造)
図5(a)は、本発明のLED構造500の概略断面であって、(a)LED500の活性層または領域508によって放出される光506を抽出するために粗面化される表面504を有する、p型III族窒化物層502(例えば、p型GaN)と、(b)n型III族窒化物層510(例えば、n型GaN)とを含む。発光活性層508(例えば、GaN障壁514間で光506を放出するためのInGaN量子井戸512)は、p型III族窒化物層502とn型III族窒化物層510との間にある。p型III族窒化物層502、n型III族窒化物層510、および活性層508は、ドライエッチングされたp型層502と比較して、粗面化プロセスによってもたらされるイオン損傷を有さない、またはイオン損傷が少なくあり得る。n−GaN510は、通常は、サファイア等の基板516上にある。
【0039】
また、図5(a)は、粗面化されるp型層502の表面504(例えば、p型III族窒化物)を含む、光抽出を向上させるLED500(例えば、III族窒化物系)を例示し、粗面504は、粗面504に入射する光506を外部媒体518(駆虫またはエポキシ樹脂等を含むが、それらに限定されない、LED500の外部)中へ散乱させる、または散乱を増加させ、光506は、LED500の発光活性層508から入射する。
【0040】
p型層502の表面504は、構造あるいは特徴520を生成するために、LED内の半導体の表面から光506を抽出する、またはそこからの抽出(または、それを通しての透過)を向上させるように定寸されて(例えば、放出される光の波長に類似する寸法を伴って)、粗面化もしくは構造化され得る。例えば、抽出は、p型層およびLEDからの光散乱、回折、屈折、または指向を含み得るが、それらに限定されず、特徴または構造520は、表面504、p型層502、およびLED500からの光506を外部媒体518中へと抽出(例えば、散乱、回折、指向、または屈折)させるように定寸される。特徴または構造520は、p型層の表面502の粗面化前のp型層の表面502からの抽出、あるいはそれを通しての透過と比較して(もしくは、特徴または構造520を伴わない非粗面化/非構造化表面と比較して)、表面504から(を通して)、より多くの光506を抽出(透過)するように定寸されるべきである。
【0041】
特定の科学的原理、理論、または実施例によって拘束されることなく、種々の実施例、原理、および理論が、以下に提供される。
【0042】
光抽出を向上させるために、表面504は、ほぼ構造500内の光の波長の尺度で最適に変動する、粗度を有し得る。例えば、本発明における粗度の幅または水平変化は、光の波長に匹敵し得る。10μm以下毎に特徴(ピッド等)を伴う表面は、完全平滑表面と比較して、光抽出を改善し得るが、その改善は、有意または大幅に良好ではあり得ない。同様に、約数オングストロームの周期性を有する表面粗度は、光の波長の尺度に基づいて変動する特徴/表面粗度より、少ない影響を光抽出に影響を及ぼし得る。
【0043】
別の実施例では、特徴520は、通常は、特徴または構造520が、光506の伝播方向に影響を及ぼす、例えば、p型層502およびLED500からの光506を外部媒体518中へと散乱、回折、屈折、または別様に指向させ得るように定寸される(例えば、少なくとも、p型層502内の光506の波長と同程度の長さを有する)、1つ以上の辺522、縁、あるいは寸法524(幅526aおよび/または高度526bを含むが、それらに限定されない)、および/または間隔528を有する。
【0044】
例えば、長さ、寸法524、または間隔528は、少なくとも0.3μm、少なくとも0.3μmかつ最大2μm、少なくとも0.3μmかつ最大10μm、または1μm乃至2μmであり得るが、それらに限定されない。特徴/構造520は、間隔528が、光506の波長より実質的に小さくなるように、相互に隣接し得る。上述のように、選択される寸法524および間隔528は、放出される光506の波長に依存してもよい。
【0045】
あるいは、または加えて、表面504は、活性層508からの大部分の光506が、p型層502から外部媒体518中へと屈折するために、臨界角θ内の表面504に衝突するように成形され得る。例えば、表面504は、活性層508からの大部分の光506が、p型層502および表面504から屈折するために、臨界角θ(表面法線θに対して)内で表面504に衝突するように、勾配または傾斜表面530を伴って成形される、またはそれを含み得る。臨界角は、θ=逆正弦(n/n)として定義され得、式中、nは、LED500の表面504に接触する外部媒体518(その中へと、LED500からの光506が抽出される材料518)の屈折率であって、nは、p型III族窒化物層502の屈折率である。点線532は、粗面化前のp型502表面の一部を示し、通常は、勾配または傾斜表面530は、非粗面化平面および/または平滑表面534(本発明の粗面化前)に対して、角度θにある。表面534は、LED500の成長方向536(例えば、c軸、(0001)、(000−1)、非極性、または半極性方向536)に対して垂直に、エピタキシャルに成長した表面534であって、例えば、N面、Ga面、半極性平面、非極性平面であり得る。表面534は、例えば、不整合切断または誤配向表面であり得る。表面504は、例えば、p型III族窒化物502の結晶ファセットを含み得る。
【0046】
臨界角θの影響のさらなる例示として、また、p型層502の非粗面534に入射する(または、p型層502と外部媒体518との間の非粗面化界面540aに入射する)と、全反射される、活性層508によって放出される光538の軌道も、図5(a)に示される。本発明は、表面504が、光538の全反射を実質的に防止するように成形され得ることを例示する。より具体的には、傾斜表面530は、光506が、臨界角θ内の傾斜表面530に衝突し、それによって、傾斜表面530において、光538の全反射を実質的に防止する、および/または活性層508からの4−6%超の光506が抽出されるように定寸され得る。
【0047】
また、本発明は、界面540aを粗面化または構造化し、それによって、粗面化界面540bを生成し、界面540bに入射する光506を外部媒体518中へと散乱、屈折、あるいは透過させることも考慮され得る。例えば、本発明は、LED500によって放出される全反射光538を減少または抽出するために、表面534または界面540aを粗面化し得る(例えば、光506を臨界角θ内の界面540bに衝突させることによって)。
【0048】
また、カソードまたはn接点542も、図5(a)に示される。
【0049】
図5(b)は、図5(a)の構造を有するが、p型III族窒化物層502の表面534の粗面化を伴わない構造を有する、LEDの上面図光学像である(例えば、表面534は、p型層502と外部媒体518との間の界面540aにおいて、光538の全反射がp型材料502内で生じるために十分に平滑/そのように定寸される、平滑な「成長させたままの」表面である)。図5(c)は、図5(b)のp型表面504の一部の光学像であって、2.5μm×2.5μmの面積にわたって、1nm未満の表面粗度を伴う、平面または平滑表面534を示す。光を抽出するために、表面504は、表面534より粗面であるべきであって、したがって、本発明は、表面534を粗面化または構造化し、表面504を生成し得る。
【0050】
図5(d)は、図5(a)の構造を有する、本発明のLEDの上面図光学像であって、粗面化(表面粗度:25nm以下)を伴う、p型表面504を示し、さらに、p接点546上にp型パッド544を備え、p接点546は、p型表面504にオーム接触し、n接点542は、n型層510オーム接触する。図5(e)は、図5(d)の粗面504の一部の光学像であって、深度少なくとも25nm、幅1μm未満であって、2.5μm未満だけ離間される、ピット548を含む、ピット表面(表面粗度:25nm以下)を示す。図5(f)は、図5(d)の粗面504の一部のSEM像である。
【0051】
図5(e)および図3(a)では、ピット548は、六角形である。しかしながら、本形状は、異なる結晶面の場合、変化し、光を散乱させる能力に影響を及ぼさない。
【0052】
図6(a)は、p型III族窒化物層502、n型III族窒化物層510、および活性層508の材質が、粗面化される表面504を有するLED(例えば、図5(d)のLED)のI−V測定値が、(1)p型層502の平滑、平面、平坦、または非粗面534を有するLEDのI−V測定値、および/または(2)表面534が粗面化される前のLEDのI−V測定値と比較して(例えば、図5(b)のLEDと比較して)、実質的に異ならない、あるいは劣化されない程度のものであることを例示する。より具体的には、平滑および粗面素子の抵抗は、材料内の正常変動内では、同一である(すなわち、粗面と平滑LED間よりも、平滑(または、粗面)LED間において、より変動が大きい。これは、p型層502、n型層510、および活性層508を含む、LED500(例えば、図5(d)のLED)が、平滑LED(例えば、図5(b)のLED)と比較して、実質的に類似材料質を有することを意味する(例えば、類似欠陥密度、層厚、および導電性等)。
【0053】
概して、表面534のテクスチャリングを伴わない場合、4−6%の光のみ、LEDから漏出する。本発明は、4−6%超の光が漏出するように、表面504をテクスチャリングする。図6(a)および6(b)は、本発明のLED500を例示し、表面504は、(1)構造520を伴わないp型層502の平滑または非粗面534を通して透過される光出力、(2)1nm以下の表面粗度を有する平面、平坦、または平滑p型層の表面、および/または(3)粗面化前の表面534を通して透過される光出力と比較して、少なくとも20%多く、表面504を通して光出力を透過し、LED500から出射させるように定寸される、特徴520あるいは構造を伴って、粗面化もしくは構造化される。例えば、図5(d)の粗面化LEDは、粗面化によって、図5(b)の平滑LEDの光出力と比較して、少なくとも20%多く、光出力を有する。
【0054】
III族窒化物LED500の成長は、通常は、各層502、508、510のGa面が上方になるように進めされ(すなわち、各層502、508、510の最終成長表面は、Ga面である)、本発明によって粗面化または構造化されるp型層502の表面534が、通常は、Ga面であるように、任意のp型層502が、通常、最後に成長される。しかしながら、本発明は、特定の表面534または成長方向536に限定されず、例えば、粗面化は、p型層502のN面またはGa面に形成され得る。
【0055】
本情報に関するさらなる情報は、[6]に見出される得る。
【0056】
(可能性として考えられる修正例および変形例)
酸を含む、他の電解質も、作用し得るが、強塩基は、最小量の表面バンド屈曲をもたらし、エッチング率を向上させるであろう。また、他の光源も、主に、量子井戸または粗面化される層と別の任意の他の層内において、キャリアを励起するために十分強力である限り、使用可能である。また、本プロセスは、p型層が頂面にある限り、N面および種々の半極性平面等、他の結晶面にも適用可能である。N面LEDの場合、ピットではなく、円錐を形成すべきであって、光抽出に対してより効率的であり得る。
【0057】
表面は、粗面に限定されず、例えば、テクスチャリングされた表面、格子構造、または光結晶であり得る。
【0058】
(利点および改良点)
P側上方粗面化GaN/InGaN LEDは、従来のLEDよりも大幅に明るい一方、製作が安価なままである。本発明のプロセスは、III族窒化物系LEDの性能を大幅に改善する一方、余剰処理ステップがほとんどなく、したがって、見込まれるコスト上昇もほとんどなく、性能を大幅に改善可能である。LEDのn側のPEC粗面化は、n型面を曝露するための基板除去の要件にもかかわらず、LED企業によって既に受け入れられている。P側粗面化は、類似利点をもたらすが、比較的容易な製作のため、はるかに大きな影響を及ぼし得る。例えば、本発明は、基板の除去を必要としない。
【0059】
(参考文献)
以下の参考文献は、本明細書に参考として援用される。
【0060】
【化1】

【0061】
【化2】

(結論)
ここで、本発明の好ましい実施形態の説明を結論付ける。本発明の1つ以上の実施形態の上述の説明は、例示および説明の目的のために提示されている。本発明を包括的または開示される正確な形態に限定することを意図するものではない。多くの修正例および変形例が、上述の教示に照らして可能である。本発明の範囲は、本発明を実施するための形態によってではなく、本明細書に添付の請求項によって限定されることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光ダイオード(LED)であって、
(a)該LEDによって放出される光を抽出するために、粗面化される表面を有する、p型III族窒化物層と、
(b)n型III族窒化物層と、
(c)該p型III族窒化物層と該n型III族窒化物層との間の該光を放出するための活性層と
を含む、LED。
【請求項2】
前記p型III族窒化物層、n型III族窒化物層、および活性層は、前記表面の粗面化プロセスによって導入される、イオン損傷を有さない、請求項1に記載のLED。
【請求項3】
前記p型III族窒化物層、n型III族窒化物層、および活性層の材質は、粗面化される前記表面を有する前記LEDの電流−電圧(I−V)測定値が、該表面が粗面化される前の該LEDのI−V測定値と比較して、実質的に異なる、または劣化されるほどのものではない、請求項1に記載のLED。
【請求項4】
前記表面は、前記p型層および前記LEDからの光を抽出するように定寸される、特徴または構造を生成するために粗面化される、請求項1に記載のLED。
【請求項5】
前記表面は、前記粗面化前の前記p型層の表面、または前記特徴または構造を伴わない表面からの抽出、あるいはそれを通しての透過と比較して、該表面からより多くの光を抽出する、もしくはそれを通してより多くの光を透過するように定寸される、特徴または構造を生成するために粗面化される、請求項4に記載のLED。
【請求項6】
前記特徴または構造は、前記p型層および前記LEDからの光を散乱、回折、屈折、または指向させるように定寸される、請求項5に記載のLED。
【請求項7】
前記表面は、前記粗面化前かつ前記構造を伴わない表面を通して透過される光出力と比較して、少なくとも20%多く、該表面を通して光出力を透過させ、前記LEDから出射させるように定寸される、特徴または構造を伴って粗面化される、請求項1に記載のLED。
【請求項8】
前記表面は、1nm以下の表面粗度を有する、前記p型層の平面、平坦、または平滑表面を通して透過される光出力と比較して、少なくとも20%多く、該表面を通して光出力を透過させ、前記LEDから出射させるように定寸される、特徴または構造を伴って粗面化あるいは構造化される、請求項1に記載のLED。
【請求項9】
前記表面は、前記p型層および前記LEDからの光を散乱または回折させるように定寸される、辺、寸法、幅、高度、および間隙を有する特徴または構造を伴って粗面化される、請求項1に記載のLED。
【請求項10】
前記表面は、前記p型層および前記LEDからの光の散乱、回折、または透過を向上させるために、該p型層内の光の波長と少なくとも同程度の長さの辺、寸法、幅、高度、および間隙を有する特徴または構造を伴って粗面化される、請求項1に記載のLED。
【請求項11】
前記辺、前記寸法、前記幅、前記高度、および前記間隙は、少なくとも0.3μmである、請求項10に記載のLED。
【請求項12】
前記辺、前記寸法、前記高度、および前記間隙は、最大2μmである、請求項11に記載のLED。
【請求項13】
前記辺、前記寸法、前記高度、および前記間隙は、最大10μmである、請求項11に記載のLED。
【請求項14】
前記表面は、前記活性層からの光が、前記p型層から外部媒体中への屈折のための臨界角内で表面に衝突するように成形される、請求項1に記載のLED。
【請求項15】
前記表面は、前記光が、前記臨界角内で傾斜表面に衝突し、それによって、該傾斜表面における該光の全反射を実質的に防止するように定寸される、1つ以上の傾斜表面を含む、請求項1に記載のLED。
【請求項16】
前記傾斜表面は、前記光が、前記臨界角内で該傾斜表面に衝突し、前記活性層からの4−6%超の光が、該表面から抽出されるように、該臨界角に傾斜させられる、請求項15に記載のLED。
【請求項17】
前記表面は、25nm以上の表面粗度を含む、請求項1に記載のLED。
【請求項18】
前記粗面化は、前記p型層のN面、Ga面、非極性表面、または半極性表面上に形成される、請求項1に記載のLED。
【請求項19】
III族窒化物系発光ダイオード(LED)を製作するための方法であって、
該III族窒化物系発光LEDのp型表面を粗面化することであって、該粗面化は、該p型表面を光電気化学的にエッチングすることを含み、該粗面化は、該LEDから光を抽出するために好適である、ことを含む、方法。
【請求項20】
発光ダイオード(LED)であって、p型層の粗面を含み、該粗面は、該粗面に入射する光を外部媒体中へと散乱させ、該光は、該LEDの発光活性層から入射する、発光ダイオード。
【請求項21】
前記LEDは、III族窒化物系であって、前記p型層は、III族窒化物である、請求項20に記載のLED。
【請求項22】
発光ダイオードから光を抽出するための方法であって、p型III族窒化物層の粗面から光を抽出することを含む、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3(a)】
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【図3(b)】
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【図4】
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【図5−1】
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【図5−2】
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【図6a】
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【図6b】
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【公表番号】特表2011−520296(P2011−520296A)
【公表日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−509616(P2011−509616)
【出願日】平成21年5月12日(2009.5.12)
【国際出願番号】PCT/US2009/043641
【国際公開番号】WO2009/140285
【国際公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【出願人】(592130699)ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア (364)
【氏名又は名称原語表記】The Regents of The University of California
【Fターム(参考)】