説明

pH調整可能なアミドゲル化剤を含む液体洗剤組成物、及び製造方法

本発明は、pH調整可能なアミドゲル化剤と界面活性剤とを含む流体洗剤組成物、及び該組成物を構造化する方法を目的とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多様な洗剤組成物と適合性がありかつ製品の透明度に影響を与えない構造化剤を含む流体洗剤組成物、及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
今日の消費者は、濃厚な印象及び安定した性能成分をもたらすのに十分な構造化を有する高性能な液体洗剤組成物を望んでいる。流体洗剤組成物にレオロジー利益をもたらすための外部構造化剤としては、ヒマシ油、脂肪酸、脂肪酸エステル、又は脂肪石鹸非水溶性ワックス由来のものが挙げられる。しかしながら、要求された性能の成分は、当該技術分野において既知の外部構造化剤の添加を困難にする場合が多く、それらと不適合であることさえあり得る。例えば、多くの外部構造化剤は、改善された低温洗浄にとって望ましい、例えば、プロテアーゼ及びリパーゼといった酵素などの性能成分によって劣化する(リパーゼ加水分解エステル結合がヒマシ油誘導体中に存在する)。これらはまた、低pHの過酸化物漂白剤と不適合である。更に、外部構造化剤は、一般に、大量の水を組み込んでいる構造化剤のプレミックスを使用する必要がある。そのような構造化剤のプレミックスは、コンパクト洗剤及び単位用量用途に適さない。
【0003】
アミドゲル化剤は、流体洗剤組成物の構造化に関する解決策を提供すると同時に、漂白剤及び/又は酵素などの多様な任意の洗剤成分と適合性もある。アミドゲル化剤はまた、組成物にマイナスの影響を与えることなく、見て美しい注ぎ特性をもたらす。アミドゲル化剤は、全く水を含まない構造化剤のプレミックス中に配合され得る。しかしながら、ほとんどのアミドゲル化剤は、洗剤組成物と容易に混合され得る濃度まで粘度を低減するために100℃もの高温まで加熱されなければならないプレミックスを必要とする。酵素及び香料の成分は、50℃の温度で劣化し始めるので、これらの成分は、アミドゲル化剤の後、及び冷却工程の後に添加される必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、多様な洗剤組成物(例えば酵素などの感熱成分)と適合性があると同時に、過剰加温を必要とせずに、組成物に組み込むのも容易である流体洗剤組成物のための構造化剤が依然として必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の流体洗剤組成物は、1重量%〜70重量%の、アニオン性、非イオン性界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される界面活性剤と、0.01重量%〜10重量%の、外部構造化系としてのpH調整可能なアミドゲル化剤とを含み、pH調整可能なアミドゲル化剤は1〜30のpKaを有する。本発明の別の態様は、pH調整可能なアミドゲル化剤を含むそうした流体洗剤組成物の製造方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】線形粘弾性領域内のG及びG、及びG’とG’’とがクロスオーバーする点におけるゲル強度の測定値としての振動応力を詳述する。
【図2】構造回復の動力学の測定値としてのG’とG’’とのクロスオーバーを詳述する。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本明細書に記載される流体洗剤組成物としては、例えば、シャンプー;皮膚洗浄剤及び剥離剤;シェービングリキッド、フォーム、及びジェル;布、硬表面、並びに布地及びホームケア領域内の任意の他の表面処理に関する製品、例えば、食器洗浄剤、洗濯洗浄剤、洗濯及びすすぎ添加剤、床及びトイレ用洗剤などの硬質表面洗浄剤;歯磨き用ペースト及びゲル並びに白色剤などの口腔ケア関連製品といった消費者製品が挙げられるが、これらに限定されない。本発明に特に好ましい実施形態は「流体洗濯洗剤組成物」である。本明細書で使用するとき、「流体洗濯洗剤組成物」は、家庭用洗濯機で、例えば、衣類などの繊維を濡らして洗浄することができる流体を含む、任意の洗濯処理組成物を指す。
【0008】
流体洗剤組成物は、固体又は気体を適宜分割された形態で含み得るものであるが、組成物全体としては、錠剤又は顆粒などの、全体として非流動性の製品形態は除外する。流体洗剤組成物には、任意の固形の添加物は除外されるが、存在する場合、任意の泡は含まれ、好ましくは1立方センチメートルあたり0.9グラム〜1.3グラム、より好ましくは1立方センチメートルあたり1.00グラム〜1.10グラムの範囲の密度を有する。
【0009】
本発明の流体洗剤組成物は、不透明、半透明、又は更には透明であってもよい。流体洗剤組成物の透明度が望ましい場合、流体洗剤組成物は、5NTUから3000NTU未満、好ましくは1000NTU未満、より好ましくは500NTU未満、及び最も好ましくは100NTU未満の濁度を有する。
【0010】
本明細書で用いられるすべての百分率、比率、及び割合は、特に指定しない限り、組成物の重量百分率による。全ての平均値は、特に明確に指示がない限り、組成物又はその構成成分の「重量により」計算される。
【0011】
アニオン性及び非イオン性界面活性剤:
本発明の洗剤組成物は、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される界面活性剤を、1重量%〜70重量%、好ましくは5重量%〜60重量%、より好ましくは10重量%〜50重量%、及び最も好ましくは15重量%〜45重量%を含む。アニオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤との好ましい比は、100:0(すなわち、非イオン性界面活性剤は存在しない)〜5:95、より好ましくは99:1〜1:4、最も好ましくは5:1〜1.5:1である。
【0012】
1.アニオン性界面活性剤:
本発明の流体洗剤組成物は、好ましくは、1重量%〜50重量%、より好ましくは5重量%〜40重量%、より好ましくは10重量%〜30重量%の1種以上のアニオン性界面活性剤を含む。好ましいアニオン性界面活性剤は、C11〜C18アルキルベンゼンスルホン酸塩、C10〜C20分枝鎖及びランダムアルキル硫酸塩、C10〜C18アルキルエトキシ硫酸塩、中鎖分枝状アルキル硫酸塩、中鎖分枝状アルキルアルコキシ硫酸塩、1〜5エトキシ単位を含むC10〜C18アルキルアルコキシカルボン酸塩、変性アルキルベンゼンスルホン酸塩、C12〜C20メチルエステルスルホン酸塩、C10〜C18 α−オレフィンスルホン酸塩、C6〜C20スルホコハク酸塩、及びこれらの混合物からなる群から選択される。しかしながら、W.M.Linfield,Marcel Dekker編「Surfactant Science Series」、Vol.7に開示されるものなどの、洗剤組成物の技術分野において既知の各アニオン性界面活性剤を本質的に使用することができる。しかしながら、本発明の組成物は、好ましくは、少なくとも1種のスルホン酸界面活性剤(例えば線状アルキルベンゼンスルホン酸など)、又は水溶性の塩形態を含む。
【0013】
本明細書に用いるのに好適なアニオン性スルホン酸塩又はスルホン酸界面活性剤としては、酸及び塩形態の、直鎖又は分岐鎖のC5〜C20、より好ましくはC10〜C16、最も好ましくはC11〜C13アルキルベンゼンスルホン酸塩、C5〜C20アルキルエステルスルホン酸塩、C6〜C22一級又は二級アルカンスルホン酸塩、C5〜C20スルホン化ポリカルボン酸、及びこれらの混合物が挙げられる。上記界面活性剤は、2−フェニル異性体含有率が幅広く異なり得る。
【0014】
本発明の組成物に使用するのに好適なアニオン性硫酸塩としては、9〜22個の炭素原子、より好ましくは12〜18個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖アルキル又はアルケニル部分を有する、一級及び二級アルキル硫酸塩;β−分枝状アルキルサルフェート界面活性剤;及びこれらの混合物が挙げられる。
【0015】
中鎖分岐アルキル硫酸塩又はスルホン酸塩もまた、本発明の組成物に使用するのに好適なアニオン性界面活性剤である。好ましいものはC5〜C22の、好ましくはC10〜C20の中鎖分岐アルキル一級硫酸塩である。混合物を使用する場合、アルキル部分の炭素原子の好適な平均合計数は、好ましくは14.5〜17.5の範囲内である。好ましいモノ−メチル−分岐型一級アルキル硫酸塩は、3−メチル〜13−メチルペンタデカノール硫酸塩、対応するヘキサデカノール硫酸塩、及びこれらの混合物からなる群から選択される。ジメチル誘導体、又は軽度に分岐を有する他の生分解性のアルキル硫酸塩も同様に使用することができる。
【0016】
本明細書で使用するための他の好適なアニオン性界面活性剤としては、脂肪族メチルエステルスルホン酸塩及び/又はアルキルエトキシ(alkylethyoxy)硫酸塩(AES)及び/又はアルキルポリアルコキシル化カルボン酸塩(AEC)が挙げられる。アニオン性界面活性剤の混合物を使用することもできる(例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩とAESとの混合物)。
【0017】
アニオン性界面活性剤は、典型的にはアルカノールアミン又はアルカリ金属(ナトリウム及びカリウムなど)との塩形態で存在する。好ましくは、アニオン性界面活性剤は、アルカノールアミン(モノエタノールアミン又はトリエタノールアミンなど)で中和化され、液相中に完全に可溶性である。
【0018】
2.非イオン性界面活性剤:
本発明の流体洗剤組成物は、好ましくは、最大30重量%、より好ましくは1重量%〜15重量%、より好ましくは2重量%〜10重量%の1種以上の非イオン性界面活性剤を含む。好適な非イオン性界面活性剤としては、いわゆるピークの狭いアルキルエトキシレートを含むC12〜C18アルキルエトキシレート(「AE」)、C6〜C12アルキルフェノールアルコキシレート(特にエトキシレート及びエトキシ/プロポキシ混合物)、C6〜C12アルキルフェノールのブロック型アルキレンオキシド縮合体、C8〜C22アルカノールのアルキレンオキシド縮合体、及びエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックポリマー(Pluronic(登録商標)−BASF Corp.)、並びに半極性の非イオン性物質(例えば、アミンオキシド及びホスフィンオキシド)が挙げられるが、これらに限定されない。好適な非イオン性界面活性剤の広範囲にわたる開示は、米国特許第3,929,678号に見出すことができる。
【0019】
米国特許第4,565,647号に開示されているようなアルキル多糖もまた本発明の組成物で有用な非イオン性界面活性剤である。アルキルポリグルコシド界面活性剤もまた好適である。いくつかの実施形態では、好適な非イオン性界面活性剤としては、式R(OCOHのものが挙げられ、式中、Rは、C10〜C16アルキル基又はC8〜C12アルキルフェニル基であり、nは3〜約80である。いくつかの実施形態では、非イオン性界面活性剤は、アルコール1モル当たり5〜20モルのエチレンオキシドとC12〜C15アルコール、例えば、アルコール1モル当たり約6.5モルのエチレンオキシドとC12〜C13アルコールの縮合生成物であってもよい。別の好適な非イオン性界面活性剤としては、次の式のポリヒドロキシ脂肪酸アミドが挙げられる。
【化1】

式中、RはC9〜17アルキル又はアルケニルであり、Rはメチル基であり、Zは還元糖又はそのアルコキシル化誘導体由来のグリシジルである。実施例としては、N−メチルN−1−デオキシグリシチルココアミド及びN−メチルN−1−デオキシグリシチルオレアミドが挙げられる。
【0020】
外部構造化剤:
外部構造化剤は、好ましくは、組成物の洗浄性界面活性剤のあらゆる構造化効果とは別個に、つまりは無関係に、流体洗剤組成物にせん断減粘性プロファイルを付与する。好ましい外部構造化剤には、50cps〜20,000cps、より好ましくは200cps〜10,000cps、最も好ましくは500cps〜7,000cpsの流動粘度をもたらすものが含まれる。流体洗剤組成物は、少なくとも1,500cps、好ましくは少なくとも10,000cps、より好ましくは少なくとも50,000cpsの静止粘度を有するのが好ましい。この静止(低応力)粘度は、パッケージ内における軽い振盪下での、及び輸送中の、流体洗剤組成物の粘度を表す。あるいは、流体洗剤組成物は、揺変性ゲルであってもよい。そのような組成物は、10,000cps〜500,000cps、好ましくは100,000cps〜400,000cps、より好ましくは200,000cps〜300,000cpsの静止粘度を有してもよい。流体洗剤の好ましいずり減粘特性は、少なくとも2、好ましくは少なくとも10、より好ましくは少なくとも100、最大2000である、低応力粘度と流動粘度との比として定義される。
【0021】
流動粘度は、流体洗剤組成物が注入中に典型的に暴露されるせん断速度である、20秒−1のせん断速度で測定される。静止(低応力)粘度は、5分間隔にわたる粘度クリープ実験中に、0.1Paの一定応力下で決定される。5分間隔にわたるレオロジー測定は、レオメーターへのサンプルの装填と、試験の実施との間に、組成物がゼロせん断速度で少なくとも10分間静止された後に行われる。少なくとも最後の3分間にわたるデータを使用して、直線を当てはめ、この直線の勾配から低応力粘度を計算する。粘度は、500ミクロンの間隙を有する40mmのステンレス鋼板を備えたTA AR 2000(すなわち、AR G2)を使用して、21℃で測定される。
【0022】
1.pH調整可能なアミドゲル化剤
pH調整可能なアミドゲル化剤は、組成物のpHに依存する粘度分布を有する流体洗剤組成物を提供する。pH調整可能なアミドゲル化剤は、少なくとも1個のpH感受性基を含む。pH調整可能なアミドゲル化剤が水などの極性プロトン性溶媒に添加されると、非イオン種が粘度上昇網状組織を形成する一方で、イオン種は可溶性であり、粘度上昇網状組織を形成しない。(pH感受性基の選択に応じて)pHを増減させることにより、アミドゲル化剤は、プロトン化又は脱プロトン化される。つまり、溶液のpHを変化させることにより、アミドゲル化剤の溶解度、ひいては粘度上昇挙動を制御することができる。pH感受性基を注意深く選択することにより、アミドゲル化剤のpKaを調整することができる。したがって、pH感受性基の選択を用いて、アミドゲル化剤が粘度を上昇させるpHを選択することができる。
【0023】
流体洗剤組成物は、外部構造化剤として、0.01重量%〜10重量%、好ましくは0.05重量%〜5重量%、より好ましくは0.1重量%〜2重量%、最も好ましくは0.4重量%〜1重量%のpH調整可能なアミドゲル化剤を含む。代替実施形態において、流体洗剤組成物は、0.1重量%〜0.5重量%のpH調整可整可能なアミドゲル化剤を含む。このpH調整可整可能なアミドゲル化剤は、
【化2】

(式中R及びRはアミノ官能性末端基であり、Lは、14〜500g/モルの分子量を有する主鎖部分であり、L、R、又はRのうちの少なくとも1つは、pH感受性基を含む)、
【化3】

(式中、Rはアミノ官能性部分であり、Lは、14〜500g/モルの分子量を有する主鎖部分であり、L又はRの少なくとも一方は、pH感受性基を含む)、
及びこれらの混合からなる群から選択され、
pH調整可能なアミドゲル化剤は、1〜30、好ましくは1.5〜14のpKaを有する。
【0024】
pH調整可能なアミドゲル化剤は、少なくとも1個のアミド官能基を含み、かつ、少なくとも1個のpH感受性基を更に含む。好ましくは、pH調整可能なアミドゲル化剤は、150〜1500g/モル、より好ましくは300g/モル〜900g/モル、最も好ましくは400g/モル〜700g/モルの分子量を有する。
【0025】
一実施形態において、pH調整可能なアミドゲル化剤は次の構造[I]を有する、
【化4】

(式中、R及びRはアミノ官能性末端基であり、Lは、14〜500g/モルの分子量を有する主鎖部分であり、L、R、又はRのうちの少なくとも1つは、pH感受性基を含む)。
【0026】
は、好ましくは次式を有する、
[III]L=A−B−C−D
(式中、(a+b+c+d)は1〜20であり、A、B、C、及びDは、独立して、次からなる連結基から選択される、
【化5】

好ましくは、A、B、C、及びD、独立して、次からなる連結基から選択される、
【化6】

矢印は、示された位置における最大4つの置換を示し、Xはアニオンである。)
【0027】
好ましくは、Lは、C2〜C20ヒドロカルビル鎖、好ましくはC6〜C12、最も好ましくはC8〜C10から選択される。
【0028】
好ましい実施形態において、Rは、R又は
【化7】

であり、Rは、R又は
【化8】

(式中、各AAは、独立して次からなる群から選択される
【化9】

)R及びRは、独立して、次式を有し、
[IV](L’)−(L’’)−R
(式中、(o+qは1〜10であり、L’及びL’’は、独立して、式[III]のA、B、C、及びDと同じ基から選択される)、R、R’、及びR’’は、独立して、次からなるpH感受性基から選択され、
【化10】

矢印は、示された位置における最大4つの置換を示し、n及びmは、1〜20の整数である。)
又は次からなるpH非感受性基から選択され、
【化11】

その結果、R、R’、及びR’’のうちの少なくとも1つはpH感受性基を含む。好ましくは、RはpH感受性基を含む。
【0029】
他の実施形態において、R、R’、及びR’’の少なくともいくつかは、独立して、次からなるpH感受性分子の群から選択される。
【化12】

【0030】
好ましい実施形態において、構造[I]を有するpH調整可能なアミドゲル化剤は、以下を特徴とする。Lは、2〜20個の炭素原子の主鎖を有する脂肪族連結基であり、好ましくは−(CH−(式中、nは2〜20から選択される)であり、R及びRは共に次の構造を有し、
【化13】

AAは、以下からなる群、
【化14】

又は以下からなる群、
【化15】

から選択されるのが好ましく、Rは、以下からなる群、
【化16】

又は以下からなる群、
【化17】

から選択されるのが好ましい。
【0031】
別の実施形態において、L、L’、及びL’’の2つ以上は同一基である。
【0032】
式[I]に示されるpH調整可能なアミドゲル化剤分子は、当該Lに対して対称であり得、又は非対称であり得る。理論に制限されるものではないが、対称なpH調整可能なアミドゲル化剤分子は、より規則的な構造の網状組織が形成されるのを可能にするが、1つ以上の非対称なpH調整可能なアミドゲル化剤分子を含む組成物は、不規則な網状組織を形成する可能性があると考えられている。
【0033】
構造[I]を有する好適なpH調整可能なアミドゲル化剤は、表10、表11、表12、表13、及び表14及びこれらの混合物から選択され得る。より好ましくは、構造[I]を有するpH調整可能なアミドゲル化剤は、表15及びこれらの混合物から選択され得る。
【0034】
別の実施形態において、pH調整可能なアミドゲル化剤は、次の構造[II]を有し、
【化18】

(式中、Rはアミノ官能性部分であり、Lは、14〜500g/モルの分子量を有する主鎖部分であり、L又はRの少なくとも一方は、pH感受性基を含む)
は、好ましくは次式を有する、
[V]L=A−B−C−D−R’’’
(式中、(a+b+c+d)は1〜20であり、R’’’は、(構造[I]のR、R’、及びR’’と同じ基から選択される)pH感受性基又はpH非感受性基のいずれかである)。
【0035】
好ましくは、Lは、C2〜C20ヒドロカルビル鎖、より好ましくはC6〜C12、最も好ましくはC8〜C10から選択される。
【0036】
は、好ましくは次式を有する、
【化19】

(式中、AAは、独立して、構造[I]のAAと同じ基から選択され、(e+f+g)は、0〜20、より好ましくは1〜3である)。
【0037】
AA、R、又はR’’’のうちの少なくとも1つは、pH感受性基を含む。好ましくは、RはpH感受性基を含む。
【0038】
好ましい実施形態において、構造[II]を有するpH調整可能なアミドゲル化剤は、以下を特徴とする。Lは、2〜20個の炭素原子の主鎖を有する脂肪族連結基、好ましくは−(CH−CH(式中、nは2〜20から選択される)であり、Rは次式を有し、
【化20】

(式中、各AAは、独立して、次からなる群、
【化21】

又は次からなる群、
【化22】

から選択される)Rは、次からなる、
【化23】

又は次からなる、
【化24】

pH感受性基から選択される。
【0039】
構造[II]を有する好適なpH調整可能なアミドゲル化剤は、表6から選択される構造、及びこれらの混合物を含む。
【0040】
本発明に使用されるpH調整可能なアミドゲル化剤の例:
【表1−1】

【表1−2】

【表2−1】

【表2−2】

【表3】

【0041】
両方の種類のpH調整可能なアミドゲル化剤構造の特定の実施形態において、AAは、アラニン、β−アラニン、及び置換アラニン、直鎖アミノアルキルカルボン酸、環状アミノアルキルカルボン酸、アミノ安息香酸誘導体、アミノ酪酸誘導体、アルギニン及び同族体、アスパラギン、アスパラギン酸、p−ベンゾイル−フェニルアラニン、ビフェニルアラニン、シトルリン、シクロプロピルアラニン、シクロペンチルアラニン、シクロヘキシルアラニン、シスチン、シスチン及び誘導体、ジアミノ酪酸誘導体、ジアミノプロピオン酸、グルタミン酸誘導体、グルタミン、グリシン、置換グリシン、ヒスチジン、ホモセリン、インドール誘導体、イソロイシン、ロイシン及び誘導体、リジン、メチオニン、ナフチルアラニン、ノルロイシン、ノルバリン、オルニチン、フェニルアラニン、環置換フェニルアラニン、フェニルグリシン、ピペコリン酸、ニペコチン酸及びイソニペコチン酸、プロリン、ヒドロキシプロリン、チアゾリジン、ピリジルアラニン、セリン、スタチン及び類似体、トレオニン、テトラヒドロノルハルマン−3−カルボン酸、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン、トリプトファン、チロシン、バリン、並びにこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む。
【0042】
pH調整可能なアミドゲル化剤分子はまた、保護基、好ましくは1〜2個の保護基、好ましくは2個の保護基を含んでもよい。好適な保護基の例は、「Protecting Groups」,P.J.Kocienski,ISBN 313 135601 4,Georg Thieme Verlag,Stutgart、及び「Protective Groups in Organic Chemistry」,T.W.Greene,P.G.M.Wuts,ISBN0−471−62301−6,John Wiley & Sons,Inc,New Yorkに提供されている。
【0043】
pH調整可能なアミドゲル化剤は、MGC試験方法に従って、組成物の目標のpHにおいて、流体洗剤組成物中に0.1〜100mg/mLの最小ゲル化濃度(MGC)を有するのが好ましく、好ましくは0.1〜25mg/mL、より好ましくは0.5〜10mg/mLである。本明細書で用いられるMGCは、mg/mLとして、又は重量%として表わされることができ、その場合、重量%は、mg/mLのMGCを10で割ることによって計算される。一実施形態では、流体洗剤組成物中で測定する場合、MGCは、0.1〜100mg/mL、好ましくは0.1〜25mg/mLの上記pH調整可能なアミドゲル化剤、より好ましくは0.5〜10mg/mL、又は少なくとも0.1mg/mL、少なくとも0.3mg/mL、少なくとも0.5mg/mL、少なくとも1.0mg/mL、少なくとも2.0mg/mL、少なくとも5.0mg/mLのpH調整可能なアミドゲル化剤である。本発明は、MGC超過又は未満のいずれかのpH調整可能なアミドゲル化剤濃度を有する流体洗剤組成物を包含するが、本発明のpH調整可能なアミドゲル化剤は、MGC未満で特に有用なレオロジーをもたらす。
【0044】
2.二次外部構造化剤
一実施形態において、pH調整可能なアミドゲル化剤は、0.01重量%〜5重量%の1種以上の追加の外部構造化剤と組み合わされる。理論によって制限されることなく、追加の外部構造化剤を使用することにより、時間依存性のゲル化の改善された制御が可能になると考えられている。例えば、pH調整可能なアミドゲル化剤は最終的に優れたゲル化をもたらす一方で、他の外部構造化剤は、pH調整可能なアミドゲル化剤が依然としてゲル化の段階の間に、一時的なゲル構造を提供することができる。好適な二次構造化剤の非限定的な例は、次の(i)〜(v)である。
【0045】
(i)ジ―ベンジリデンポリオールアセタール誘導体:流体洗剤組成物は、0.01重量%〜1重量%、好ましくは0.05重量%〜0.8重量%、より好ましくは0.1重量%〜0.6重量%、最も好ましくは0.3重量%〜0.5重量%のジベンジリデンポリオールアセタール誘導体(DBPA)を含んでもよい。一実施形態において、DBPA誘導体は、ジベンジリデンソルビトールアセタール誘導体(DBS)を含んでもよい。
【0046】
(ii)バクテリアセルロース:流体洗剤組成物はまた、0.005重量%〜1.0重量%のバクテリアセルロース網状構造を含んでもよい。用語「バクテリアセルロース」は、CPKelco U.S.によるCELLULON(登録商標)などのアセトバクター属のバクテリアの発酵により生産された任意の種類のセルロースを包含し、かつ、ミクロフィブリル化セルロース、網目状バクテリアセルロース等と一般に称される材料を含む。
【0047】
(iii)被覆バクテリアセルロース:一実施形態において、バクテリアセルロースは、例えば、米国特許出願第2007/0027108号の第8〜19パラグラフに開示されている方法に従って調製された高分子増粘剤で部分的に被覆される。一実施形態において、少なくとも部分的に被覆されたバクテリアセルロースは、0.1重量%〜5重量%、好ましくは0.5重量%〜3.0重量%のバクテリアセルロースと、10重量%〜90重量%の高分子増粘剤とを含む。好適なバクテリアセルロースとしては、前述のバクテリアセルロースが挙げられ、好適な高分子増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース、カチオン性ヒドロキシメチルセルロース、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0048】
(iv)非ポリマー結晶性ヒドロキシル官能性材料:好ましい実施形態において、組成物は、0.01重量%〜1重量%の非ポリマー結晶性ヒドロキシル官能性構造化剤を更に含む。このような非ポリマー結晶性ヒドロキシル官能性構造化剤は、一般に、最終流体洗剤組成物中への分散を補助するために、予め乳化が可能な結晶化可能グリセリドを含む。好適な結晶化可能なグリセリドとしては、液体洗剤組成物内で結晶化させることができるという条件で、硬化ヒマシ油つまり「HCO」又はその誘導体が挙げられる。
【0049】
(v)本発明の流体洗剤組成物は、0.01重量%〜5重量%の天然由来及び/又は合成ポリマー構造化剤を含んでよい。本発明で使用する、天然由来のポリマー構造化剤の例としては:ヒドロキシエチルセルロース、疎水変性ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、多糖誘導体、及びこれらの混合物が挙げられる。本発明で使用する合成高分子系構造材の例としては:ポリカルボキシレート、ポリアクリレート、疎水変性エトキシル化ウレタン、疎水変性非イオン性ポリオール、及びこれらの混合物が挙げられる。別の好ましい実施形態では、ポリアクリレートは、不飽和モノ−又はジ−カルボン酸と(メタ)アクリル酸のC1〜C30アルキルエステルのコポリマーである。
【0050】
水及び/又は非アミノ官能性有機溶媒:
流体洗剤組成物は、希釈又は濃縮水性液体であってもよい。あるいは、流体洗剤組成物は、ほぼ全体的に非水性であってもよく、非アミノ官能性有機溶媒を含んでいてもよい。そのような流体洗剤組成物は、例えば、他の原料物質と共に導入され得る水をほとんど含んでいなくてもよい。好ましくは、流体洗剤組成物は、1重量%〜95重量%の水及び/又は非アミノ官能性有機溶媒を含む。濃縮洗剤に関しては、該組成物は、好ましくは5%〜70%、より好ましくは10%〜50%、最も好ましくは15%〜45重量%の水及び/又は非アミノ官能性有機溶媒を含む。
【0051】
本明細書で使用するとき、「非アミノ官能性有機溶媒」は、アミノ官能基を含まない任意の有機溶媒を指す。好ましい非アミノ官能性有機溶媒としては、一価アルコール、二価アルコール、多価アルコール、グリセロール、グリコール、ポリエチレングリコールのようなポリアルキレングリコール、及びこれらの混合物が挙げられる。極めて好ましいものは、溶媒の混合物、特に、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロパノールなどの低級脂肪族アルコール、1,2−プロパンジオール又は1,3−プロパンジオールなどのジオール、及びグリセロールのうちの2つ以上の混合物である。同様に好ましいのは、プロパンジオール、及びジエチレングリコールとプロパンジオールとの混合物であり、その場合、該混合物はメタノール又はエタノールを含有しない。したがって、本発明の流体洗剤組成物の実施形態は、プロパンジオールは使用されるが、メタノール及びエタノールは使用されない実施形態を包含し得る。
【0052】
好ましい非アミノ官能性有機溶媒は、周囲温度及び圧力(すなわち、21℃及び0.1MPa(1気圧))で液体であり、炭素と、水素と、酸素とを含む。
【0053】
補助剤成分:
流体本発明の洗剤組成物はまた、カチオン性界面活性剤、両性及び/又は双性イオン性界面活性剤、非アミノ官能性有機溶媒、酵素、酵素安定剤、両親媒性アルコキシル化グリース洗浄ポリマー、粘土汚れ洗浄ポリマー、汚れ放出ポリマー、汚れ懸濁ポリマー、漂白剤系、蛍光増白剤、色相染料、粒子材料、香料及び他の悪臭制御剤、ヒドロトロープ、抑泡剤、布地ケア有益剤、pH調整剤、移染防止剤、保存料、非織物直接染料、並びにこれらの混合物からなる群から選択される従来の洗剤成分を含み得る。使用することのできる一部の追加成分を、以下の通りに更に詳細に記載する:
1.追加の界面活性剤
本発明の流体洗剤組成物は、アニオン性、カチオン性、非イオン性、両性及び/又は双性イオン性界面活性剤、並びにこれらの混合物からなる群から選択される追加の界面活性剤を含んでもよい。
【0054】
好適なカチオン性界面活性剤は、水溶性、水分散性、又は非水溶性であり得る。このようなカチオン性界面活性剤は、少なくとも1個の四級化窒素と、少なくとも1個の長鎖ヒドロカルビル基を有する。2個、3個又は更には4個の長鎖ヒドロカルビル基を含む化合物もまた含まれる。例としては、C12アルキルトリメチルアンモニウムクロリドなどのアルキルトリメチルアンモニウム塩、又はそれらのヒドロキシアルキル置換された類似体が挙げられる。当該技術分野において既知の組成物は、例えば、1%以上のカチオン性界面活性剤を含んでもよい。
【0055】
両性及び/又は双性イオン性界面活性剤:本発明の流体洗剤組成物に使用される好適な両性又は双性イオン性洗浄界面活性剤としては、ヘアケア又は他のパーソナルケアクレンジングでの使用が既知のものが挙げられる。好適な双性イオン性又は両性界面活性剤の非限定例は、米国特許第5,104,646号(Bolich Jr.ら)、及び第5,106,609号(Bolich Jr.ら)に記載されている。
【0056】
組成物に使用するのに好適な両性洗浄界面活性剤としては、脂肪族二級及び三級アミンの誘導体として幅広く記載される界面活性剤が挙げられ、この界面活性剤では、脂肪族ラジカルは線状又は分岐状であってよく、かつ脂肪族置換基のうちの1つは8〜18個の炭素原子を含有し、1つはアニオン性の基(例えば、カルボキシ基、スルホン酸基、硫酸基、リン酸基又はホスホン酸基)を含有する。本発明での使用に好適な両性洗浄界面活性剤としては、限定するものではないが:ココアンホアセテート、ココアンホジアセテート、ラウロアンホアセテート、ラウロアンホジアセテート、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0057】
本組成物に用いるのに好適な双性イオンの洗浄性界面活性剤は、当該技術分野において周知であり、脂肪族第四級アンモニウム、ホスホニウム、及びスルホニウム化合物の誘導体として広く記述される界面活性剤が挙げられ、脂肪族ラジカルは線状又は分岐状であることができ、脂肪族置換基の1つは、約8〜約18個の炭素原子を含有し、1つはカルボキシ、スルホネート、サルフェート、ホスフェート又はホスホネートのようなアニオン性の基を含有する。ベタインなどの双性イオン性界面活性剤は本発明に好適である。
【0058】
更に、式R(EO)(PO)(BO)N(O)(CHR’)2.qO(I)を有するアミンオキシド界面活性剤も本発明の組成物に有用であるRは、飽和又は不飽和の、線状又は分岐鎖であることができる比較的長鎖のヒドロカルビル部分であり、8〜20個、好ましくは10〜16個の炭素原子を含有することができ、より好ましくはC12〜C16一級アルキルである。R’は短鎖部分であり、好ましくは水素、メチル及び−CHOHから選択される。x+y+zが0と異なる場合、EOはエチレンオキシ、POはプロピレンオキシ、BOはブチレンオキシである。アミンオキシド界面活性剤は、C12〜C14アルキルジメチルアミンオキシドで示される。
【0059】
本組成物に用いるのに好適な他のアニオン性、双性イオン性、両性、又は任意の追加の界面活性剤の非限定的な例は、McCutcheon’s,Emulsifiers and Detergents(1989年刊,M.C.Publishing Co.出版)、並びに米国特許第3,929,678号、同第2,658,072号、同第2,438,091号、同第2,528,378号に記載されている。
【0060】
2.酵素
本発明の流体洗剤組成物は、クリーニング性能及び/又は布地ケア利益をもたらす洗浄性酵素を0.0001重量%〜8重量%含んでもよい。かかる組成物は、6〜10の純粋pHを有する。好適な酵素としては、プロテアーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、リパーゼ、キシログルカナーゼ、ペクチン酸リアーゼ、マンナナーゼ、漂白酵素、クチナーゼ、及びこれらの混合物が挙げられる。好ましい酵素の組合せは、リパーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、及びアミラーゼなどの従来の洗浄性酵素の混合物を含む。洗浄性酵素は、米国特許第6,579,839号でより詳細に記載されている。
【0061】
酵素に関しては、括弧内に示される受託番号又はIDは、Genbank、EMBL、及び/又はSwiss−Protのデータベース内の登録番号を指す。いずれの突然変異体に関しても、標準の1文字のアミノ酸コードが、欠失を表すを伴って使用される。DSMが前に付く受託番号は、Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH(Mascheroder Weg 1b,38124 Brunswick)(DSMZ)に寄託された微生物を指す。
【0062】
プロテアーゼ:本組成物は、プロテアーゼを含み得る。好適なプロテアーゼとしては、サブチリシン(EC 3.4.21.62)などの、中性又はアルカリ性の微生物セリンプロテアーゼを含めた、メタロプロテアーゼ及び/又はセリンプロテアーゼが挙げられる。好適なプロテアーゼとしては、動物、植物、又は微生物起源のものが挙げられる。一態様では、そのような好適なプロテアーゼは、微生物起源のものとすることができる。好適なプロテアーゼとしては、前述の好適なプロテアーゼの、化学修飾された又は遺伝子組み換えされた、突然変異体が挙げられる。一態様では、好適なプロテアーゼは、アルカリ性微生物プロテアーゼ又は/及びトリプシン型プロテアーゼなどの、セリンプロテアーゼとすることができる。好適な中性又はアルカリ性プロテアーゼの例としては、以下のものが挙げられる。
【0063】
(a)Bacillus lentus、Bacillus alkalophilus(P27963,ELYA_BACAO)、Bacillus alkalophilus、Bacillus amyloliquefaciens(P00782,SUBT_BACAM)、Bacillus pumilus(P07518)、及びBacillus gibsonii(DSM14391)などの、Bacillusに由来するものを含めた、subtilisins(EC 3.4.21.62)。
【0064】
(b)フサリウムプロテアーゼ、及びCellumonas(A2RQE2)に由来するキモトリプシンプロテアーゼを含めた、トリプシン(例えば、ブタ由来又はウシ由来)などの、トリプシン型又はキモトリプシン型プロテアーゼ。
【0065】
(c)Bacillus amyloliquefaciensに由来するもの(P06832,NPRE_BACAM)を含めた、メタロプロテアーゼ。
【0066】
好ましいプロテアーゼとしては、サブチリシン309(P29600)及び/又はDSM 5483(P29599)などの、Bacillus gibsonii若しくはBacillus Lentusに由来するものが挙げられる。
【0067】
好適な市販のプロテアーゼ酵素としては、Novozymes A/S(Denmark)により、Alcalase(登録商標)、Savinase(登録商標)、Primase(登録商標)、Durazym(登録商標)、Polarzyme(登録商標)、Kannase(登録商標)、Liquanase(登録商標)、Liquanase Ultra(登録商標)、Savinase Ultra(登録商標)、Ovozyme(登録商標)、Neutrase(登録商標)、Everlase(登録商標)、及びaEsperase(登録商標)の商標名で販売されるもの;Genencor Internationalにより、Maxatase(登録商標)、Maxacal(登録商標)、Maxapem(登録商標)、Properase(登録商標)、Purafect(登録商標)、Purafect Prime(登録商標)、Purafect Ox(登録商標)、FN3(登録商標)、FN4(登録商標)、Excellase(登録商標)、及びPurafect OXP(登録商標)の商標名で販売されるもの;Solvay Enzymesにより、Opticlean(登録商標)、及びOptimase(登録商標)の商標名で販売されるもの;Henkel/Kemiraより入手可能なもの、すなわち、BLAP(以下の突然変異体S99D+S101 R+S103A+V104I+G159Sを有する、P29599)、並びにBLAP R(S3T+V4I+V199M+V205I+L217Dを有するBLAP)、BLAP X(S3T+V4I+V205Iを有するBLAP)及びBLAP F49(S3T+V4I+A194P+V199M+V205I+L217Dを有するBLAP)を含めた、その変異型(全てHenkel/Kemira製);及び花王製のKAP(突然変異体A230V+S256G+S259Nを有する、Bacillus alkalophilus subtilisin)が挙げられる。
【0068】
ある種のpH調整可能なアミドゲル化剤は、プロテアーゼ酵素によって加水分解され得るので、プロテアーゼ酵素がカプセル化されていない限り、好適な酵素安定剤を使用するなどしてプロテアーゼ酵素を阻害するのが好ましい。
【0069】
アミラーゼ:好適なアミラーゼは、細菌由来又は真菌由来のものを含めた、α−アミラーゼである。化学修飾された又は遺伝子組み換えされた、突然変異体(変異型)が含まれる。好ましいアルカリ性α−アミラーゼは、バチルスの菌種から、例えば、Bacillus licheniformis、Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus stearothermophilus、Bacillus subtilis、又は他のバチラス種、例えばバチルス種NCIB 12289、NCIB 12512、NCIB 12513、sp 707、DSM 9375、DSM 12368、DSMZ no.12649、KSM AP1378、KSM K36、若しくはKSM K38などの、バチルスの菌株に由来する。好ましいアミラーゼとしては、以下のものが挙げられる。
【0070】
(a)Bacillus licheniformis(P06278,AMY_BACLI)に由来するα−アミラーゼ、及びその変異型、特に、以下の位置15、23、105、106、124、128、133、154、156、181、188、190、197、202、208、209、243、264、304、305、391、408、及び444のうちの1つ以上で置換されている変異型。
【0071】
(b)AA560アミラーゼ(CBU30457,HD066534)、及びその変異型、特に、26、30、33、82、37、106、118、128、133、149、150、160、178、182、186、193、203、214、231、256、257、258、269、270、272、283、295、296、298、299、303、304、305、311、314、315、318、319、339、345、361、378、383、419、421、437、441、444、445、446、447、450、461、471、482、484の位置に1つ以上の置換を有し、好ましくはD183及びG184の欠失も含む、変異型。
【0072】
(c)Bacillus菌種722(CBU30453、HD066526)由来の野生型酵素と、少なくとも90%の相同性を呈する変異型、特に、183及び184の位置での欠失を有する変異型。
【0073】
好適な市販のα−アミラーゼは、DURAMYL(登録商標)、LIQUEZYME(登録商標)、TERMAMYL(登録商標)、TERMAMYL ULTRA(登録商標)、NATALASE(登録商標)、SUPRAMYL(登録商標)、STAINZYME(登録商標)、STAINZYME PLUS(登録商標)、FUNGAMYL(登録商標)、及びBAN(登録商標)(Novozymes A/S)、BIOAMYLASE(登録商標)及びその変異型(Biocon India Ltd.)、KEMZYM(登録商標)AT9000(Biozym Ges.m.b.H,Austria)、RAPIDASE(登録商標)、PURASTAR(登録商標)、OPTISIZE HT PLUS(登録商標)、Enzysize(登録商標)、Powerase(登録商標)、及びPURASTAR OXAM(登録商標)、Maxamyl(登録商標)(Genencor International Inc.)並びにKAM(登録商標)(花王、日本)である。好ましいアミラーゼは、Natalase(登録商標)、Stainzyme(登録商標)、及びStainzyme Plus(登録商標)である。
【0074】
セルラーゼ:本組成物は、セルラーゼを含み得る。好適なセルラーゼとしては、細菌由来又は真菌由来のセルラーゼが挙げられる。化学修飾された変異体又は改質されたタンパク質変異体が含まれる。好適なセルラーゼとしては、Bacillus、Pseudomonas、Humicola、Fusarium、Thielavia、Acremonium由来のセルラーゼ、例えば、Humicola insolens、Myceliophthora thermophila、及びFusarium oxysporumから生成される、糸状菌セルラーゼが挙げられる。
【0075】
市販のセルラーゼとしては、Celluzyme(登録商標)及びCarezyme(登録商標)(Novozymes A/S)、Clazinase(登録商標)及びPuradax HA(登録商標)(Genencor International Inc.)、並びにKAC−500(B)(登録商標)(花王)が挙げられる。
【0076】
一態様において、セルラーゼは、米国特許第7,141,403号のアミノ酸配列の配列番号2と少なくとも90%、94%、97%、及び更に99%相同性である配列及びこれらの混合物を有する、例えば、バチルス属の一員に対して内因性の細菌性ポリペプチドなどの、エンド−β−1,4グルカナーゼ活性(E.C.3.2.1.4)を示す微生物由来のエンドグルカナーゼを含み得る。好適なエンドグルカナーゼは、Celluclean(登録商標)及びWhitezyme(登録商標)(Novozymes A/S,Bagsvaerd,Denmark)の商標名で、販売されている。
【0077】
好ましくは、本組成物は、17kDa〜30kDaの分子量を有する、グリコシルヒドロラーゼのファミリー45に属する洗浄セルラーゼ、例えば、Biotouch(登録商標)NCD、DCC、及びDCL(AB Enzymes,Darmstadt,Germany)の商標名で販売されるエンドグルカナーゼを含む。
【0078】
Whitezyme(登録商標)などの、極めて好ましいセルラーゼは、キシログルカナーゼ活性も呈する。
【0079】
リパーゼ:本組成物はリパーゼを含んでもよい。好適なリパーゼとしては、細菌由来又は真菌由来のものが挙げられる。化学修飾された変異体又は改質されたタンパク質変異体が含まれる。有用なリパーゼの例としては、Humicola(別名Thermomyces)からのリパーゼ、例えば、H.lanuginosa(T.lanuginosus)からの、又はH.insolensからのリパーゼ、シュードモナスリパーゼ、例えば、P.alcaligenesからの、又はP.pseudoalcaligenes、P.cepacia、P.stutzeri、P.fluorescens、Pseudomonas SD 705株、P.wisconsinensisからのシュードモナスリパーゼ、バチルスリパーゼ、例えば、B.subtilis、B.stearothermophilus、又はB.pumilusからのバチルスリパーゼが挙げられる。
【0080】
このリパーゼは、「第1サイクルのリパーゼ」であってもよく、好ましくは、T231R及びN233Rの突然変異体を含む、Thermomyces lanuginosus由来の野生型リパーゼの変異型であってもよい。野生型配列は、Swiss−protの受け入れ番号Swiss−Prot O59952の、(Thermomyces lanuginosus(Humicola lanuginosa)由来の)269個のアミノ酸(アミノ酸23〜291)である。好ましいリパーゼとしては、Novozymes(Bagsvaerd,Denmark)によりLipex(登録商標)、Lipolex(登録商標)、及びLipoclean(登録商標)の商標名で販売されているものが挙げられる。
【0081】
好ましくは、本組成物は、野生型のアミノ酸と90%を超える相同性を有し、T231及び/又はN233、好ましくはT231R及び/又はN233Rに置換を含む、Thermomyces lanuginosa(O59952)リパーゼの変異型を含む。
【0082】
別の態様において、本組成物は、野生型のアミノ酸と90%を超える相同性を有し、かつ次の(a)〜(o)の置換を含む、Thermomyces lanuginosa(O59952)リパーゼの変異型を含む。
【0083】
(a)S58A+V60S+I83T+A150G+L227G+T231R+N233R+I255A+P256K;
(b)S58A+V60S+I86V+A150G+L227G+T231R+N233R+I255A+P256K;
(c)S58A+V60S+I86V+T143S+A150G+L227G+T231R+N233R+I255A+P256K;
(d)S58A+V60S+I86V+T143S+A150G+G163K+S216P+L227G+T231R+N233R+I255A+P256K;
(e)E1+S58A+V60S+I86V+T143S+A150G+L227G+T231R+N233R+I255A+P256K;
(f)S58A+V60S+I86V+K98I+E99K+T143S+A150G+L227G+T231R+N233R+I255A+P256K;
(g)E1N+S58A+V60S+I86V+K98I+E99K+T143S+A150G+L227G+T231R+N233R+I255A+P256K+L259F;
(h)S58A+V60S+I86V+K98I+E99K+D102A+T143S+A150G+L227G+T231R+N233R+I255A+P256K;
(i)N33Q+S58A+V60S+I86V+T143S+A150G+L227G+T231R+N233R+I255A+P256K;
(j)E1+S58A+V60S+I86V+K98I+E99K+T143S+A150G+L227G+T231R+N233R+I255A+P256K;
(k)E1N+S58A+V60S+I86V+K98I+E99K+T143S+A150G+S216P+L227G+T231R+N233R+I255A+P256K;
(l)D27N+S58A+V60S+I86V+G91N+N94R+DlUN+T143S+A150G+L227G+T231R+N233R+I255A+P256K;
(m)E1N+S58A+V60S+I86V+K98I+E99K+T143S+A150G+E210A+S216P+L227G+T231R+N233R+1255A+P256K;
(n)A150G+E210V+T231R+N233R+I255A+P256K;及び
(o)I202L+E210G+T231R+N233R+I255A+P256K。
【0084】
リパーゼ酵素がカプセル化されていない限り、エステル結合を含む一部のジアミドゲル化剤は、リパーゼ酵素によって加水分解され得るので、リパーゼが存在する場合には、pH調整可能なアミドゲル化剤はエステル結合を含まないのが好ましい。
【0085】
キシログルカナーゼ:好適なキシログルカナーゼ酵素は、キシログルカン及び非結晶セルロース基質の両方に対する酵素活性を有し、該酵素は、GHファミリー5、12、44又は74から選択されるグリコシルヒドロラーゼ(GH)である。好ましくは、グリコシルヒドロラーゼは、GHファミリー44から選択される。GHファミリー44から選択される好適なグリコシドヒドロラーゼは、Paenibacillus polyxyma(ATCC 832)由来のXYG1006グリコシドヒドロラーゼ、及びその変異型である。
【0086】
ペクチン酸リアーゼ:好適なペクチン酸リアーゼは、Novozymes A/S(Bagsvaerd,Denmark)製の、Pectawash(登録商標)、Pectaway(登録商標)、及びX−Pect(登録商標)の商標名で販売の、バチルス由来のペクチン酸リアーゼの野生型若しくは変異型(CAF05441、AAU25568)のいずれかである。
【0087】
マンナナーゼ:好適なマンナナーゼは、Novozymes A/S(Bagsvaerd,Denmark)により、Mannaway(登録商標)の商標名、及びGenencor International Inc.(Palo Alto,California)により、Purabrite(登録商標)の商標名で、販売されている。
【0088】
漂白酵素:好適な漂白酵素としては、酸化還元酵素、例えば、グルコースオキシダーゼ、コリンオキシダーゼ、又は炭水化物オキシダーゼなどの、オキシダーゼ;オキシゲナーゼ;カタラーゼ;ハロペルオキシダーゼ、クロロペルオキシダーゼ、ブロモペルオキシダーゼ、リグニンペルオキシダーゼ、グルコースペルオキシダーゼ、又はマンガンペルオキシダーゼのような、ペルオキシダーゼ;ジオキシゲナーゼ;又はラッカーゼ(フェノールオキシダーゼ、ポリフェノールオキシダーゼ)が挙げられる。好適な市販製品は、Novozymesより、Guardzyme(登録商標)、及びDenilite(登録商標)の商標名で販売されている。有利には、追加的な、好ましくは有機化合物、特に好ましくは芳香族化合物を、漂白酵素と組み合わせ、これらの化合物は、漂白酵素と相互作用して、酸化還元酵素の活性を増強する(増強剤)か、又は酸化酵素と汚れとの間の、典型的には大きく異なる酸化還元電位にわたる、電子流を促進する(媒介剤)。
【0089】
他の好適な漂白酵素としては、エステル基質及び過酸素源からの、過酸の形成を触媒する、ペルヒドロラーゼが挙げられる。好適なペルヒドロラーゼとしては、Mycobacterium smegmatisのペルヒドロラーゼの変異型、いわゆるCE−7ペルヒドロラーゼの変異型、及びペルヒドロラーゼ活性を保有する野生型subtilisin Carlsbergの変異型が挙げられる。
【0090】
クチナーゼ:好適なクチナーゼは、E.C.クラス3.1.1.73によって定義され、好ましくは、Fusarium solani、Pseudomonas Mendocina、又はHumicola Insolensのうちの1つに由来する野生型と、少なくとも90%、95%、又は最も好ましくは少なくとも98%の相同性を呈する。
【0091】
相同性:2つのアミノ酸配列の間の関係は、「相同性」パラメーターによって説明される。本発明の目的上、2つのアミノ酸配列のアラインメントは、EMBOSSパッケージ(http://emboss.org)バージョン2.8.0由来のNeedleプログラムを使用することによって判定される。ニードルプログラムは、Needleman,S.B.and Wunsch,C.D.(1970)J.Mol.Biol.48,443〜453に記載されているグローバルアラインメントアルゴリズムを実行する。使用される置換マトリクスは、BLOSUM62であり、ギャップ開始ペナルティは10、ギャップ伸長ペナルティは0.5である。
【0092】
酵素、特にプロテアーゼ及びリパーゼは、カプセル化されてもよい。好適なカプセル化酵素は、次のような方法によって調製することができる。
【0093】
(i)酸クロリドと少なくとも2個のアミン基を含有する化合物との反応と、ホルムアルデヒドとメラミンとの重縮合反応により形成されるカプセルを含む、界面縮合重合。このような方法の例は、米国特許第4,906,396号、米国特許第6,221,829号、米国特許第6,359,031号、米国特許第6,242,405号、及びWO 07/100501 A2で開示されている。
【0094】
(ii)アミノアルキルシラン前駆体及びアミノアルキル−トリアルコキシシランと、1つ以上のアルコキシシラン前駆体の反応により作製されるカプセルを含む、ゾル−ゲル法。この例は、WO 05/028603A1及びWO 05/028604A1で開示されている。及び
(iii)キトサンとアルギネートの反応により形成されるカプセルを含むか、又はゲランなどのバイオポリマーゲルを使用する、高分子電解質沈澱。このような方法の例は、EP 1,502,645 A1で開示されている。
【0095】
(iv)噴霧乾燥、例えば、ヒドロキシメチルセルロースフタレート(HPMCP)、酢酸フタル酸セルロース(CAP)、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種のセルロース系ポリマーを含む噴霧乾燥混合物からから得られるカプセルなど。このようなポリマーとして、NF Hypromellose Phthalate(HPMCP)(Shin−Etsu)、G.M.Chemie Pvt Ltd(Mumbai,400705,India)及びEastman Chemical Company(Kingsport,USA)からcellulose ester NF又はcellulose cellacefate NF(CAP)の商品名で市販されるポリマーが挙げられる。このような方法の例は、PCT国際公開特許WO/2011/005943に記載されている。
【0096】
カプセル化プロテアーゼは、少なくとも0.5重量%、少なくとも1重量%、少なくとも2重量%、少なくとも5重量%、又は少なくとも10重量%、あるいは更に少なくとも20重量%の活性プロテアーゼ酵素を含み得る。
【0097】
カプセル化プロテアーゼは、約5重量%〜約90重量%の活性プロテアーゼを含み得る。
【0098】
カプセル化プロテアーゼは、全洗浄組成物重量基準で0.001%〜約30%の、又は約0.005%〜約25%の、又は約0.05%〜約10%の、又は更には約0.01%〜約2%の濃度で本発明の組成物の中に組み込まれ得る。
【0099】
理論に束縛されるものでないが、小さい粒子寸法によって、粒子を懸濁させる液相の能力が促進され、液相が可能な限り均質に保たれると考えられる。上記カプセル化プロテアーゼが酵素マイクロカプセルの形である場合には、上記マイクロカプセルは、通常、約100マイクロメートル〜約0.05マイクロメートルの、約80マイクロメートル〜約0.05マイクロメートルの、又は更には約50マイクロメートル〜約0.05マイクロメートルの粒子寸法を有する。したがって、一態様では、このようなマイクロカプセルの寸法は、このようなマイクロカプセルを洗浄組成物の中に組み込む場合、通常、消費者に視認されないようなものとされる。
【0100】
好ましくは、カプセル化プロテアーゼは、洗浄における希釈時に、そのプロテアーゼ装填量の少なくとも80%を、10分以内、5分以内、又は更に2分以内に放出する。これらの放出速度は、20℃の100倍希釈下で150rpmで撹拌しながら周囲温度で達成可能であるのが好ましい。プロテアーゼ活性は、Sigma Aldrich(Milwaukee,Wisconsin,USA)から入手可能なプロテアーゼ分析キット又はASTM方法D0348−89(2003)の使用などの、任意の標準的方法により測定することができる。理論に束縛されるものでないが、酵素が汚れと相互作用しなければならない時間が増加するので、より良好な清浄化特性が得られると考えられる。
【0101】
カプセル化プロテアーゼは、200〜1000ミクロンの平均粒度を有する酵素顆粒/プリルであってもよい。このような酵素顆粒/錠剤は、米国特許第4,106,991号、米国特許第4,242,219号、米国特許第4,689,297号、米国特許第5,324,649号、及び米国特許第7,018,821B2号の教示に従って作製され得る。一態様では、このような酵素顆粒/錠剤は染料及び/又は顔料を含み得る。一態様では、このような酵素顆粒/錠剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及び/又はポリビニルアルコールとその誘導体を含む被膜を含み得る。
【0102】
3.酵素安定剤
セリンプロテアーゼの阻害に好適な重量効率的な可逆性プロテアーゼ阻害剤としては、ボロン酸の誘導体、特にフェニルボロン酸の誘導体、及びトリペプチドアルデヒドを含むペプチドアルデヒドが挙げられる。このような化合物の例は、WO 98/13458 A1、WO 07/113241 A1、及び米国特許第5,972,873号で開示されている。
【0103】
安定化剤は、チオフェン−2ボロン酸、チオフェン−3ボロン酸、アセトアミドフェニルボロン酸、ベンゾフラン−2ボロン酸、ナフタレン−1ボロン酸、ナフタレン−2ボロン酸、2−ホルミルフェニルボロン酸(2−FPBA)、3−FBPA、4−FPBA、1−チアントレンボロン酸、4−ジベンゾフランボロン酸、5−メチルチオフェン−2ボロン酸、チオナフトレンボロン酸、フラン−2ボロン酸、フラン−3ボロン酸、4,4−ビフェニルジボロン酸、6−ヒドロキシ−2−ナフタレン、4−(メチルチオ)フェニルボロン酸、4(トリメチルシリル)フェニルボロン酸、3−ブロモチオフェンボロン酸、4−メチルチオフェンボロン酸、2−ナフチルボロン酸、5−ブロモチオフェンボロン酸、5−クロロチオフェンボロン酸、ジメチルチオフェンボロン酸、2−ブロモフェニルボロン酸、3−クロロフェニルボロン酸、3−メトキシ−2−チオフェン、p−メチル−フェニルエチルボロン酸、2−チアントレンボロン酸、ジ−ベンゾチオフェンボロン酸、4−カルボキシフェニルボロン酸、9−アントリルボロン酸、3,5−ジクロロフェニルボロン酸、ジフェニルボロン酸酸無水物、o−クロロフェニルボロン酸、p−クロロフェニルボロン酸、m−ブロモフェニルボロン酸、p−ブロモフェニルボロン酸、p−フルオロフェニルボロン酸、p−トリルボロン酸、o−トリルボロン酸、オクチルボロン酸、1,3,5−トリトリメチルフェニルボロン酸、3−クロロ−4−フルオロフェニルボロン酸、3−アミノフェニルボロン酸、3,5−ビス−(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸、2、4−ジクロロフェニルボロン酸、4−メトキシフェニルボロン酸、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。安定化剤として好適な、更なる好適なボロン酸誘導体は、米国特許第4,963,655号、同第5,159,060号、国際公開第95/12655号、同第95/29223号、同第92/19707号、同第94/04653号、同第94/04654号、米国特許第5,442,100号、同第5,488,157号、及び同第5,472,628号に記載されている。
【0104】
好適な重量効率的な可逆性プロテアーゼ阻害剤は、4−ホルミルフェニルボロン酸を含んでもよい。
【0105】
重量効率的な可逆性プロテアーゼ阻害剤は、可逆性ペプチドプロテアーゼ阻害剤を含んでもよい。好適な可逆性のペプチドプロテアーゼ阻害剤の例及びその製造方法は、米国特許第6,165,966号及びPCT国際公開特許WO 98/13459 A1に見出すことができる。
【0106】
好適なトリペプチド酵素阻害剤は、次の構造を有し得る。
【化25】

【0107】
重量効率的な可逆性プロテアーゼ阻害剤は、PCT国際公開特許WO09/095425に開示されているようなRASI、BASI、WASI(米、大麦、及び小麦の二官能性α−アミラーゼ/サブチリシン阻害物質)、又はSSI(ストレプトミセスサブチリシン阻害物質)、及び、Protein Engineering Design & Selection,vol 17 no.4,p.333〜339,2004に開示されているようなこれらの変異型を含み得る。
【0108】
4.付着助剤ポリマー
好ましくは、流体洗剤組成物は、0.1%〜7%の、より好ましくは0.2%〜3%の付着助剤ポリマーを含む。本明細書で使用するとき、「付着助剤ポリマー」は、洗浄(洗濯など)の際の、ケア有益剤の基材(布地など)への付着を有意に増加させる、任意のカチオン性ポリマー又はカチオン性ポリマーの混合物を指す。好適な付着助剤ポリマーは、カチオン性多糖及び/又はコポリマーを含むことができる。本明細書で使用するとき、「布地ケア有益剤」は、布地ケア効果をもたらすことのできる、任意の物質を指す。布地ケア効果の非限定例としては、布地の柔軟化、色保護、色復元、毛玉/毛羽立ちの軽減、抗摩擦、抗しわが挙げられるが、これらに限定されない。布地ケア有益剤の非限定例としては、シリコーン誘導体、油性糖誘導体、分散性ポリオレフィン、ポリマーラテックス、カチオン性界面活性剤、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0109】
5.洗浄ポリマー
本明細書の洗剤組成物は、0.01重量%〜10重量%の1種以上の洗浄ポリマーを任意に含有してもよく、該洗浄ポリマーは、表面及び布地の広範な汚れ洗浄及び/又は汚れの懸濁をもたらす。任意の好適な洗浄ポリマーを使用することができる。有用な洗浄ポリマーは、US2009/0124528A1に記載されている。有用な洗浄ポリマーの非限定例としては:両親媒性アルコキシル化グリース洗浄ポリマー;粘土汚れ洗浄ポリマー;汚れ剥離ポリマー;及び汚れ懸濁ポリマーが挙げられる。
【0110】
6.漂白剤系
一実施形態は組成物であり、該組成物は、0.1重量%〜12重量%の漂白剤又は漂白系、好ましくは過酸化物漂白剤を含む流体洗濯漂白添加物であり、かつ2〜6の純粋pHを更に含む。別の実施形態は、0.1重量%〜12重量%の漂白剤と、6.5〜10.5の組成物pHとを含む流体洗濯洗剤組成物である。好適な過酸化水素源は、Kirk Othmerの「Encyclopedia of Chemical Technology」(4th Ed(1992,John Wiley & Sons、Vol.4,pp.271〜300の「Bleaching Agents(Survey)」に詳説されており、様々なコーティング及び修飾された形態など、過ホウ酸ナトリウム及び過炭酸ナトリウムの様々な形態を含む。例えば、過酸化水素自体、過ホウ酸塩、例えば、過ホウ酸ナトリウム(あらゆる水和物であるが、好ましくは一水和物若しくは四水和物)、炭酸ナトリウム過酸化水素化物若しくは相当する過炭酸塩、ピロリン酸ナトリウム過酸化水素化物、尿素過酸化水素化物、又は過酸化ナトリウムが本明細書で使用されることができる。過硫酸塩漂白剤(例えば、DuPont製のOXONE)などの有効酸素源も有用である。過ホウ酸ナトリウム一水和物及び過炭酸ナトリウムが特に好ましい。本発明の組成物は漂白剤として塩素タイプの漂白性材料も含んでよい。このような剤は当該技術分野において周知であり、例えば、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム(「NaDCC」)が挙げられる。しかしながら、塩素タイプ漂白剤は酵素を含む組成物に対してあまり好ましくない。本発明で使用される漂白剤系はまた、漂白活性化剤、過酸化水素、過酸化水素源、有機過酸化物、金属含有漂白触媒、マクロポリ環状硬質配位子の遷移金属錯体、その他の漂白触媒、予め形成された過酸、光漂白剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される成分を含んでもよい。
【0111】
漂白活性化剤:組成物中の過酸素漂白成分は、組成物の0.01重量%〜15重量%、好ましくは0.5重量%〜10重量%、より好ましくは1重量%〜8重量%の濃度で存在する活性化剤(過酸前駆体)と配合され得る。好ましい活性化剤は、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)、ベンゾイルカプロラクタム(BzCL)、4−ニトロベンゾイルカプロラクタム、3−クロロベンゾイルカプロラクタム、ベンゾイルオキシベンゼンスルホネート(BOBS)、ノナノイルオキシベンゼンスルホネート(NOBS)、安息香酸フェニル(PhBz)、デカノイルオキシベンゼンスルホネート(C10−OBS)、ベンゾイルバレロラクタム(BZVL)、オクタノイルオキシベンゼンスルホネート(C8−OBS)、ペルヒドロ化性エステル及びこれらの混合物、あるいは、ベンゾイルカプロラクタム及びベンゾイルバレロラクタム、4−[N−(ノナオイル)アミノヘキサノイルオキシ]−ベンゼンスルホン酸ナトリウム塩(NACA−OBS)(米国特許第5,523,434号参照)、ドデカノイルオキシ―ベンゼンスルホネート(LOBS又はC12−OBS)、10−ウンデセノイルオキシベンゼンスルホネート(10位に不飽和を有するUDOBS又はC11−OBS)、及びデカノイルオキシ安息香酸(DOBA)、並びにこれらの混合物からなる群から選択される。例えば四級置換漂白活性化剤などの好適な漂白活性化剤の非限定的な例は、米国特許第6,855,680号に記載されている。
【0112】
過酸化水素供給源:好適な例としては、過ホウ酸塩のナトリウム塩などのアルカリ金属塩を含む無機過水和物塩類(通常一水和物若しくは四水和物)、過炭酸塩、過硫酸塩、過リン酸塩、過ケイ酸塩、及びこれらの混合物が挙げられる。使用する場合、無機過水和物塩類は、典型的には、組成物の0.05重量%〜40重量%、好ましくは1重量%〜30重量%の量で存在する。
【0113】
有機過酸化物:目に見るしみ形成又は膜形成を引き起こさないジアシル過酸化物が特に好ましい。1つの例は過酸化ジベンゾイルである。好適なその他の例は、Kirk Othmer,Encyclopedia of Chemical Technology at 27〜90,v.17,John Wiley and Sons,(1982)に示されている。
【0114】
金属含有漂白触媒:好ましい漂白触媒としては、マンガン及びコバルト含有漂白触媒が挙げられる。他の金属含有漂白触媒としては、規定された漂白触媒活性の、銅、鉄、チタニウム、ルテニウム、タングステン、モリブデン、又はマンガンカチオンなどの遷移金属カチオン、亜鉛又はアルミニウムカチオンなどのわずかな漂白触媒活性を有する補助的な金属カチオン、並びに触媒及び補助金属陽イオンに対して規定された安定度定数を有する金属イオン封鎖剤、特にエチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)及びそれらの水溶性塩を含む触媒システムが挙げられる。好適な触媒システムは、米国特許第4,430,243号に開示されている。
【0115】
マクロポリ環状硬質配位子の遷移金属錯体:本明細書の流体洗剤組成物はまた、マクロポリ環状硬質配位子の遷移金属錯体を含む漂白触媒を含んでもよい。使用する量は、好ましくは1ppb超過、より好ましくは0.001ppm以上、更により好ましくは0.05ppm〜500ppmである(「ppb」は10億分の1重量部、及び「ppm」は100万分の1重量を意味する)。
【0116】
その他の漂白触媒:有機漂白触媒及びカチオン性漂白触媒などのその他の漂白触媒は、本発明の流体洗剤組成物に適している。有機漂白触媒は、漂白促進剤と呼ばれる場合が多い。本明細書の流体洗剤組成物は、低温漂白を改善するために、1種以上の有機漂白触媒を含んでもよい。好ましい有機漂白触媒は、アリールイミニウム双極性イオンなどの双性イオン性漂白触媒である。好適な例としては、3−(3,4−ジヒドロイソキノリニウム)プロパンスルホン酸塩及び3,4−ジヒドロ−2−[2−(スルホオキシ)デシル]イソキノリニウムが挙げられる。好適なアリールイミニウム双極性イオンとしては、
【化26】

が挙げられる(式中、Rは、9〜24個の炭素原子を含む分枝状のアルキル基、又は11〜24個の炭素原子を含む直鎖アルキル基である)。好ましくは、各Rは、9〜18個の炭素原子を含む分枝状のアルキル基、又は11〜18個の炭素原子を含む直鎖アルキル基であり、より好ましくは、各Rは、2−プロピルヘプチル、2−ブチルオクチル、2−ペンチルノニル、2−ヘキシルデシル、n−ドデシル、n−テトラデシル、n−ヘキサデシル、n−オクタデシル、イソ−ノニル、イソ−デシル、イソ−トリデシル、及びイソ−ペンタデシルからなる群から選択される。有機漂白触媒の好適なその他の例は、米国特許第5,576,282号及び同第5,817,614号、欧州特許第923,636B1号、PCT国際公開特許WO 2001/16263 A1、同WO 2000/42156 A1、同WO 2007/001262 A1に見出すことができる。
【0117】
カチオン性漂白触媒の好適な例は、米国特許第5,360,569号、同第5,442,066号、同第5,478,357号、同第5,370,826号、同第5,482,515号、同第5,550,256号、PCT国際公開特許WO 95/13351、同WO 95/13352、及び同WO 95/13353に記載されている。
【0118】
好ましい予め形成された過酸は、フタルイミド過酸化カプロン酸(PAP)である。他の好適な予め形成された過酸としては、過カルボン酸及び塩、過炭酸及び塩、ペルイミド酸及び塩、ペルオキシ一硫酸及び塩、並びにこれらの混合物から成る群から選択される化合物が挙げられるが、これらに限定されない。漂白剤含有流体洗濯洗剤などの組成物中に、予め形成された過酸は、組成物の0.1重量%〜25重量%、好ましくは0.5重量%〜20重量%、より好ましくは1重量%〜10重量%、最も好ましくは2重量%〜4重量%の濃度で存在し得る。あるいは、高濃度の過酸が存在してもよい。例えば、流体洗濯漂白添加物などの組成物は、10重量%〜40重量%、好ましくは15重量%〜30重量%、より好ましくは15重量%〜25重量%の予め形成された過酸を含んでもよい。
【0119】
7.光学的増白剤
光学的増白剤は、繊維製品用の蛍光増白剤としても知られている。好ましい濃度は、流体洗剤組成物の0.001重量%〜1重量%である。好適な増白剤は、例えば、欧州特許第686691B号に開示されており、疎水性の種類のもの、並びに親水性の種類のものが挙げられる。Brightener 49は、本発明で使用するのに好ましい。
【0120】
8.色相染料
色相染料又は布地陰影付け染料は、流体洗剤組成物において有用な補助剤である。好適な染料としては、色相効果又は陰影効果を有する青色染料及び/又はバイオレット染料が挙げられる。本明細書の流体洗剤組成物は、0.00003重量%〜0.1重量%、好ましくは0.00008重量%〜0.05重量%、より好ましくは0.0001重量%〜0.04重量%の布地色相染料を含んでもよい。
【0121】
9.粒子状材料
流体洗剤組成物は、クレイ、抑泡剤、カプセル化された高反応性成分、例えば、香料マイクロカプセルなどの香料、カプセル形態の漂白剤及び酵素などの粒子材料;若しくは真珠光沢剤などの審美的な補助成分、例えば、マイカ、顔料粒子等、又は同様のものを含有し得る。好適な濃度は、流体洗剤組成物の0.0001重量%〜5重量%、又は0.1重量%〜1重量%である。
【0122】
10.香料及び臭気抑制剤
好ましい実施形態において、流体洗剤組成物は香料を含む。存在する場合、香料は、典型的には、組成物0.001〜10重量%、好ましくは0.01重量%〜5重量%、より好ましくは0.1重量%〜3重量%の濃度で組み込まれる。香料は、香料マイクロカプセル及び/又は香料ナノカプセルを含み得る。他の実施形態において、流体洗剤組成物は、米国特許第5,942,217号に記載されている非錯体化型シクロデキストリンなどの悪臭制御剤を含む。
【0123】
11.ヒドロトロープ
流体洗剤組成物が水に相溶性であるように、流体洗剤組成物は、有効量、つまり最大15重量%、好ましくは1重量%〜10重量%、より好ましくは3重量%〜6重量%のヒドロトロープを任意に含む。本明細書における使用に適したヒドロトロープとしては、米国特許第3,915,903号に開示されているような、アニオン型のヒドロトロープ、特にキシレンスルホン酸ナトリウム、キシレンスルホン酸カリウム、及びキシレンスルホン酸アンモニウム、トルエンスルホン酸ナトリウム、トルエンスルホン酸カリウム及びトルエンスルホン酸アンモニウム、クメンスルホン酸ナトリウム、クメンスルホン酸カリウム及びクメンスルホン酸アンモニウム、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0124】
単位用量洗剤製品:
本発明のいくつかの実施形態では、流体洗剤組成物は、水溶性パウチ材料内に封入される。パウチ材料で使用するのに適した、好ましいポリマー、コポリマー、又はこれらの誘導体は、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキシド、アクリルアミド、アクリル酸、セルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、セルロースアミド、ポリビニルアセテート、ポリカルボン酸及び塩、ポリアミノ酸又はペプチド、ポリアミド、ポリアクリルアミド、マレイン酸/アクリル酸のコポリマー、デンプン及びゼラチンを包含する多糖、キサンタン及びカラグムなどの天然ゴムからなる群から選択される。より好ましいポリマーは、ポリアクリレート及び水溶性アクリレートコポリマー、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストリン、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、ポリメタクリレートから選択され、最も好ましくは、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールコポリマー及びヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、並びにこれらの組み合わせから選択される。
【0125】
製造方法:
本発明はまた、pH調整可能なアミドゲル化剤を組み込んでいる流体洗剤組成物の製造方法を含み、該方法は、
a)pH調整可能なアミドゲル化剤を含む構造化剤プレミックスを調製する工程であって、該構造化剤プレミックスは、pH調整可能なアミドゲル化剤がイオン性の非粘度上昇型であるようなpHである、工程、
b)構造化剤プレミックス、アニオン性及び/又は非イオン性界面活性剤を含む洗剤原材料と混合する工程と、及び
c)必流体洗剤組成物が、pH調整可能なアミドゲル化剤が非イオン性の粘度上昇型であるようなpHであるように、必要に応じて、混合された流体洗剤組成物のpHを調整する工程と、を含む。
【0126】
pH調整可能なアミドゲル化剤を含む流体洗剤組成物は、特に、流体洗剤組成物が、酵素又は香料などの温度感受性成分を更に組み込む場合、構造化剤プレミックス及び/又は成分の流れの温度が、50℃未満、好ましくは30℃未満に維持されるように処理されるのが好ましい。
【0127】
試験方法:
1.濁度(NTU):
製造業者から提供された手順に従って調整されたHach 2100P濁度計を使用して、本発明による濁度(NTU:Nephelometric Turbidity Units(比濁度計濁度単位)で測定)を測定した。取扱説明書に従ってサンプルバイアルに15mLの代表サンプルを充填し、蓋をし、洗浄する。必要な場合、真空を適用するか又は超音波浴を使用することによって、サンプルを脱気してあらゆる気泡を除去する(手順に関する説明書を参照のこと)。自動範囲選択により濁度を測定する。
【0128】
2.最小ゲル化濃度(MGC)
R.G.Weiss,P.Terech;「Molecular Gels:Materials with self−assembled fibrillar structures」2006 springer,p 243に基づいた管反転法によって、MGCを計算する。MGCを判定するために、スクリーニングを3回行う。
【0129】
a)1回目のスクリーニング:pH調整可能なアミドゲル化剤濃度を、目標のpHにおいて、0.5重量%から5.0重量%まで0.5重量%ずつ段階的に増加させて、数個のバイアルを準備する。
【0130】
b)どの区間でゲルが形成されるか判定する(ある転化したサンプルは依然として流動しており、次のサンプルは既に堅いゲルである)。5%でゲルが形成されない場合は、より高濃度を用いる。
【0131】
c)2回目のスクリーニング:1回目のスクリーニングで判定された間隔内でpH調整可能なアミドゲル化剤濃度を0.1重量%ずつ段階的に増加させて、数個のバイアルを準備する。
【0132】
d)どの区間でゲルが形成されるか判定する(ある転化したサンプルは依然として流動しており、次のサンプルは既に堅いゲルである)。
【0133】
e)3回目のスクリーニング:非常に正確なパーセンテージのMGCを得るために、2回目のスクリーニングで判定された間隔内で0.025重量%ずつ段階的に増加させて、目標pHで3回目のスクリーニングを実施する。
【0134】
f)最小ゲル化濃度(MGC)は、3回目のスクリーニングでゲルを形成する(転化サンプルの流動がない)最も低い濃度である。
【0135】
スクリーニングのそれぞれに関して、サンプルは次の通りに調製かつ処理された。8mLバイアル(テフロンキャップを有するホウケイ酸ガラス、B7857D,Fisher Scientific Bioblock参照)に、MGCを判定したい流体(流体洗剤組成物とpH調整可能なアミドゲル化剤とを含む)2.0000±0.0005g(±0.1mg精度のKERN ALJ 120−4化学てんびん)を充填する。バイアルをスクリューキャップで密封し、固形分を液体に分散させるために超音波槽(Elma Transsonic T 710 DH、40kHz、9.5L、25℃、100%の出力で動作される)の中に10分間置く。次に、バイアルをヒートガン(Bosch PHG−2)を使用して加熱し、ゆっくりと機械的に撹拌することによって、完全溶解を達成する。完全に透明な溶液を観察すること重要である。バイアルを注意深く取り扱う。バイアルは高温に耐えるように製造されているが、高圧溶媒はバイアルを破裂させる可能性がある。バイアルを恒温槽(コントローラCC2を備えた適合性のある制御用サーモスタット、D77656、Huber)の中で10分間、25℃まで冷却する。バイアルを反転させ、1分間反転させたまま放置した後、どのサンプルが流動していないかを観察する。3回目のスクリーニング後、この時間の後に流動していないサンプルの濃度がMGCである。当業者にとって、加熱中に溶媒蒸気が形成され、サンプルを冷却する際にこれらの蒸気がゲルの上部に凝縮する可能性があることは明白である。バイアルを反転させるとき、この凝縮した蒸気が流れることになる。観察期間中、これを考慮に入れない。濃度間隔の間にゲルが得られない場合は、より高い濃度を評価する必要がある。
【0136】
3.液体洗剤組成物のpH測定
液体洗剤組成物のpH測定は、試験方法EN1262を用いて測定され得る。
【0137】
4.レオロジー
TA InstrumentsのAR−G2レオメーターをレオロジー的測定に使用する。
【0138】
プレート:40mmの標準鋼平行プレート、300μm間隙。
【0139】
1.ゲル強度:10進当たり10の測定点を選んで、20℃及び周波数1Hzで振動応力を0.001Paから10Paまで増大させる応力掃引試験を用いて、ゲル強度を測定する。図1に示されるように、線形粘弾性領域内のG’及びG’’、及びG’とG’’とがクロスオーバーする点における振動応力をゲル強度の測定値として使用する。
【0140】
2.構造回復:最初に30s−1の前せん断を20℃で60秒間加えた後、0.02Paの振動応力及び1Hzの単一周波数の時間掃引試験を20℃で10分間適用して、構造がどのように回復するかを追跡する。図2に示されるように、構造回復の動力学の一つの指標として、G’とG’とのクロスオーバーを用いる。
【実施例】
【0141】
実施例1:本発明による液体洗濯洗剤組成物を次の通りに調製する。
【0142】
工程1:構造化剤プレミックスA1は、0.20gのN,N’−(2S,2’S)−1,1’−(ヘキサン−1,6−ジイルビス(アザンジイル))ビス(3−メチル−1−オキソブタン−2,1―ジイル)ジイソニコチンアミドを、2.0gの50%クエン酸水溶液(6.0gのクエン酸固体を6.0gの脱イオン水に溶解することによって調製される)に25℃で溶解することによって調製される。
【0143】
工程2:表7に記載の組成物を有する洗剤原材料B1を調製する。
【表4】

−NH当たり24個のエトキシレート基と−NH当たり16個のプロポキシレート基とを有する、分子量600g/molのポリエチレンイミンコア。
PEG−PVAグラフトコポリマーは、ポリエチレンオキシド主鎖及び多種のポリ酢酸ビニル側鎖を有するポリ酢酸ビニルグラフト化ポリエチレンオキシドコポリマーである。ポリエチレンオキシド主鎖の分子量は約6000であり、ポリエチレンオキシドとポリ酢酸ビニルとの重量比は40対60であり、50エチレンオキシド単位当たり1グラフト点を超えない。
−NH当たり20個のエトキシレート基を有する、分子量600g/molのポリエチレンイミンコア。
【0144】
工程3:12.4gの構造化剤プレミックスA1と66gの洗剤原材料B1とを600rpmで10分間25℃で混合し、得られた混合物をMEAでpH 8に調整する。
【0145】
工程4:pH感受性成分(1.5gのロテアーゼ、0.7gのアミラーゼ、0.1gのマンナナーゼ、0.1gのキシログルカナーゼ、0.40.1gのペクチン酸リアーゼ、及び1.7gの香料)並びに脱イオン水(最終重量が100gになるまで)を500〜600rpmで10分間ゆっくり撹拌しながら添加する。
【0146】
実施例2−単位用量洗濯洗剤
本発明による流体洗剤組成物を含む洗濯単位用量を次の通りに調製する。
【0147】
工程1:構造化剤プレミックスA2を、0.20gのN,N’−(2S,2’S)−1,1’−(オクタン−1,8−ジイルビス(アザンジイル))ビス(3−メチル−1−オキソブタン−2,1―ジイル)ジイソニコチンアミドを、25℃の1.0gのクエン酸及び3gの脱イオン水の中に完全に溶解することによって調製する。
【0148】
工程2:表8に記載の組成物を有する洗剤原材料B2を調製する。
【表5】

【0149】
工程3:4.2gの構造化剤プレミックスA2と34.5gの洗剤原材料B2とを600rpmで10分間25℃で5分間混合する。得られた混合物をMEAでpH 8に調整し、表9に列挙されているpH感受性成分を600rpm、25℃で添加し、2分間混合する。
【表6】

【0150】
次に、流体洗剤組成物をポリビニルアルコール製パウチの中に詰める。
【0151】
実施例3A〜3E:本発明のアミドゲル化剤を含む流体洗剤布地ケア組成物:
工程1:構造化剤プレミックスA3を、5gのN,N’−(2S,2’S)−1,1’−(ドデカン−1,12−ジイルビス(アザンジイル))ビス(3−メチル−1−オキソブタン−2,1―ジイル)ジイソニコチンアミを、95gの25%硫酸水溶液(Sigma−Aldrich)中に25℃で溶解して調製する。
【0152】
工程2:表10に記載の組成物を有する洗剤原材料B3A〜B3Eを調製する。
【表7】

−NH当たり20個のエトキシレート基を有する、分子量600g/molのポリエチレンイミンコア。BASF(Ludwigshafen,Germany)より入手可能
PCT国際公開特許WO 01/05874に記載、BASF(Ludwigshafen,Germany)より入手可能
−NH当たり24個のエトキシレート基と−NH当たり16個のプロポキシレート基とを有する、分子量600g/molのポリエチレンイミンコア。BASF(Ludwigshafen,Germany)より入手可能
PEG−PVAグラフトコポリマーは、ポリエチレンオキシド主鎖と複数のポリビニルアセテート側鎖とを有する、ポリビニルアセテートグラフト化ポリエチレンオキシドコポリマーである。ポリエチレンオキシド主鎖の分子量は約6000であり、ポリエチレンオキシドとポリビニルアセテートとの重量比は約40:60であり、50個のエチレンオキシド単位当たりのグラフト点は1以下である。BASF(Ludwigshafen,Germany)より入手可能
【0153】
工程3:構造化剤プレミックスA3(表11に示される量)と70gの洗剤原材料B3A〜B3Eとを400rpm、35℃で10分間混合する。
【表8】

【0154】
得られた混合物を水酸化ナトリウム20%でpH 8に調整し、表12に示されるpH感受性成分を600rpm、25℃で加えて5分間混合する。
【表9】

Genencor International(South San Francisco,CA)から入手可能。
Novozymes,Denmarkより入手可能
香料マイクロカプセルは次の通りに調整され得る。25gのブチルアクリレート−アクリル酸コポリマー乳化剤(Colloid C351、25%固形分、pKa 4.5〜4.7、Kemira Chemicals,Inc.(Kennesaw,Georgia U.S.A.))を溶解して200gの脱イオン水中に混入する。溶液のpHを、水酸化ナトリウム溶液でpH4.0に調整する。部分メチル化メチロールメラミン樹脂(Cyme l385、80%固形分(Cytec Industries West Paterson,New Jersey,U.S.A.))8グラムを乳化剤溶液に添加する。前述の混合物に機械的攪拌の下で香油200グラムを添加し、温度を50℃まで上げる。安定なエマルションが得られるまで高速で混合した後に、第2の溶液及び4グラムの硫酸ナトリウム塩をこのエマルションに添加する。この第2の溶液は、ブチルアクリレート−アクリル酸コポリマー乳化剤(コロイドC351(Colloid C351)、25%固形分、pKa 4.5〜4.7、Kemira)10グラム、蒸留水120グラム、pHを4.8に調整するための水酸化ナトリウム溶液、部分メチル化メチロールメラミン樹脂(Cymel 385、80%固形分、Cytec)25グラムを含有する。この混合物を70℃まで加熱し、連続的に撹拌しながら1晩にわたって維持して、カプセル封入方法を完了させる。アセトアセトアミド(Sigma−Aldrich)(Saint Louis,Missouri,U.S.A)23グラムをこの懸濁液に添加する。
【0155】
実施例4A〜4S:アミドゲル化剤を含む食器手洗い用流体洗剤組成物:
食器手洗い用液体洗剤組成物は、列挙された成分を記載の比率で混合することにより調製することができる。
【表10】

微量成分及び水で100%までにする
【表11】

微量成分及び水で100%までにする
【表12】

微量成分及び水で100%にする
【表13】

微量成分及び水で100%にする
【0156】
N,N’−(2S,2’S)−1,1’−(ドデカン−1,12−ジイルビス(アザンジイル))ビス(3−メチル−1−オキソブタン−2,1―ジイル)ジイソニコチンアミドを実施例3で調製したプレミックスA3として添加した。その後、pHを20%水酸化ナトリウム水溶液でpH 9(例えば,4A〜4J)及びpH 8(例えば4K〜4S)に調整した。
【0157】
実施例5A、5B、及び5C:アミドゲル化剤を含むコンパクト洗濯流体洗剤組成物(25mL用量)
工程1:構造化剤プレミックスA5を、10gのN,N’−(2S,2’S)−1,1’−(ドデカン−1,12−ジイルビス(アザンジイル))ビス(3−メチル−1−オキソブタン−2,1―ジイル)ジイソニコチンアミドを、90gのC11〜8 HLASの20%1,2−プロパンジオール溶液(20gのC11〜8 HLASを80gの1,2−プロパンジオールに50℃で添加して調製)に45℃で溶解することによって調製する。
【0158】
工程2:表17の組成物を有する洗剤原材料B5A及びB5Bを調製する。
【表14】

−NH基当たり20個のエトキシレート基を有するポリエチレンイミン(MW=600グラム/モル)(BASF,Germany)
PG617又はPG640(BASF,Germany)
【0159】
工程3:構造化剤プレミックスA5(表18に示される量)と洗剤原材料B5A及びB5Bとを500rpmで10分、45℃で5分間混合した後、生成物を35℃まで冷却し、pHをモノエタノールアミンでpH 8に調整する。次に、生成物を25℃まで冷却し、香料及び/又は香料マイクロカプセルを表18に従って添加する。
【表15】

実施例3に記載の通り
【0160】
実施例6A及び6B:アミドゲル化剤を含む洗濯流体洗剤組成物:
表19に記載の組成物を有する洗剤原材料6A及び6Bを調製する。次に、A3のプレミックスを加え、pHを水酸化ナトリウム20%で8に調整する。
【表16】

PCT国際公開特許WO 01/05874に記載、BASF(Ludwigshafen,Germany)より入手可能
PEG−PVAグラフトコポリマーは、ポリエチレンオキシド主鎖及び多種のポリ酢酸ビニル側鎖を有するポリ酢酸ビニルグラフト化ポリエチレンオキシドコポリマーである。ポリエチレンオキシド主鎖の分子量は約6000であり、ポリエチレンオキシドとポリ酢酸ビニルとの重量比は40対60であり、50エチレンオキシド単位当たり1グラフト点を超えない。
【0161】
実施例7:アミドゲル化剤を含む食器手洗い用流体洗剤組成物
食器手洗い用液体洗剤組成物は、列挙された成分を記載の比率で一緒に混合することにより調製することができる。
【表17】

微量成分、クエン酸、及び水で最大100%及びpH 5.5にする。
【0162】
実施例8:本発明による液体洗濯洗剤組成物を次の通りに調製する。
【0163】
工程1:構造化剤プレミックスA1を、0.20gのN,N’−(2S,2’S)−1,1’−(ドデカン−1,12−ジイルビス(アザンジイル))ビス(3−メチル−1−オキソブタン−2,1―ジイル)ジイソニコチンアミドを、12.0gの50%クエン酸水溶液(6.0gのクエン酸固体を6.0gの脱イオン水に溶解して調製)に25℃で溶解して調製する。
【0164】
工程2:表21に記載の組成物を有する洗剤原材料B1を調製する。
【表18】

−NH当たり24個のエトキシレート基と−NH当たり16個のプロポキシレート基とを有する、分子量600g/molのポリエチレンイミンコア。
PEG−PVAグラフトコポリマーは、ポリエチレンオキシド主鎖及び多種のポリ酢酸ビニル側鎖を有するポリ酢酸ビニルグラフト化ポリエチレンオキシドコポリマーである。ポリエチレンオキシド主鎖の分子量は6000であり、ポリエチレンオキシドとポリ酢酸ビニルとの重量比は40対60であり、50エチレンオキシド単位当たり1グラフト点を超えない。
−NH当たり20個のエトキシレート基を有する、分子量600g/molのポリエチレンイミンコア。
【0165】
工程3:12.4gの構造化剤プレミックスA1と66gの洗剤原材料B1とを600rpm、25℃で10分混合し、得られた混合物をMEAでpH 8に調整する。
【0166】
工程4:pH感受性成分(1.5gのロテアーゼ、0.7gのアミラーゼ、0.1gのマンナナーゼ、0.1gのキシログルカナーゼ、0.4gのペクチン酸リアーゼ、及び1.7gの香料)並びに脱イオン水(最終重量が100gになるまで)を、500〜600rpmで10分間ゆっくり撹拌しながら添加する。
【0167】
レオロジーデータ
【表19】

【0168】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳しく制限されるものとして理解されるべきでない。それよりむしろ、特に指定されない限り、そのような各寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲との両方を意味することを意図する。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体洗剤組成物であって、
a)1重量%〜70重量%の、アニオン性、非イオン性界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される界面活性剤、及び
b)0.01重量%〜10重量%の、
【化1】

(式中、R及びRはアミノ官能性末端基であり、Lは、14〜500g/モルの分子量を有する主鎖部分であり、L、R、又はRのうちの少なくとも1つはpH感受性基を含む)、
【化2】

(式中、Rはアミノ官能性部分であり、Lは、14〜500g/モルの分子量を有する主鎖部分であり、L又はRのうちの少なくとも1つはpH感受性基を含む)
及びこれらの混合からなる群から選択される式を有する外部構造化系としてのpH調整可能なアミドゲル化剤を含み、
前記pH調整可能なアミドゲル化剤が、1〜30のpKaを有する、流体洗剤組成物。
【請求項2】
前記pH調整可能なアミドゲル化剤が、1.5〜14のpKaを有する、請求項1に記載の流体洗剤組成物。
【請求項3】
前記pH調整可能なアミドゲル化剤が、150〜1500g/モルの分子量を有する、請求項1又は2のいずれかに記載の流体洗剤組成物。
【請求項4】
前記pH調整可能なアミドゲル化剤が、前記組成物の前記pHにおいて、0.1〜100mg/mLの最小ゲル化濃度(MGC)を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の流体洗剤組成物。
【請求項5】
前記pH調整可能なアミドゲル化剤が、N,N’−(2S,2’S)−1,1’−(エタン−1,2−ジイルビス(アザンジイル))ビス(3−メチル−1−オキソブタン−2,1―ジイル)ジイソニコチンアミド、N,N’−(2S,2’S)−1,1’−(プロパン−1,3−ジイルビス(アザンジイル))ビス(3−メチル−1−オキソブタン−2,1―ジイル)ジイソニコチンアミド、N,N’−(2S,2’S)−1,1’−(ブタン−1,4−ジイルビス(アザンジイル))ビス(3−メチル−1−オキソブタン−2,1―ジイル)ジイソニコチンアミド、N,N’−(2S,2’S)−1,1’−(ペンタン−1,5−ジイルビス(アザンジイル))ビス(3−メチル−1−オキソブタン−2,1―ジイル)ジイソニコチンアミド、N,N’−(2S,2’S)−1,1’−(ヘキサン−1,6−ジイルビス(アザンジイル))ビス(3−メチル−1−オキソブタン−2,1―ジイル)ジイソニコチンアミド、N,N’−(2S,2’S)−1,1’−(ヘプタン−1,7−ジイルビス(アザンジイル))ビス(3−メチル−1−オキソブタン−2,1―ジイル)ジイソニコチンアミド、N,N’−(2S,2’S)−1,1’−(オクタン−1,8−ジイルビス(アザンジイル))ビス(3−メチル−1−オキソブタン−2,1―ジイル)ジイソニコチンアミド、(6S,13S’)−6,13−ジイソプロピル−4,7,12,15−テトラオキソ−5,8,11,14−テトラアザオクタデカン−1,18−二酸、(6S,14S’)−6,14−ジイソプロピル−4,7,13,16−テトラオキソ−5,8,12,15−テトラアザノナデカン−1,19−二酸、(6S,15S’)−6,15−ジイソプロピル−4,7,14,17−テトラオキソ−5,8,13,16−テトラアザエイコサン−1,20−二酸、(6S,16S’)−6,16−ジイソプロピル−4,7,15,18−テトラオキソ−5,8,14,17−テトラアザヘンエイコサン−1,21−二酸、(6S,17S’)−6,17−ジイソプロピル−4,7,16,19−テトラオキソ−5,8,15,18−テトラアザドコサン−1,22−二酸、(6S,18S’)−6,18−ジイソプロピル−4,7,17,20−テトラオキソ−5,8,16,19−テトラアザトリコサン−1,23−二酸、(6S,19S’)−6,19−ジイソプロピル−4,7,18,21−テトラオキソ−5,8,17,20−テトラアザテトラコサン−1,24−二酸、(6S,20S’)−6,20−ジイソプロピル−4,7,19,22−テトラオキソ−5,8,18,21−テトラアザペンタコサン−1,25−二酸、(6S,21S’)−6,21−ジイソプロピル−4,7,20,23−テトラオキソ−5,8,19,22−テトラアザヘキサコサン−1,26−二酸、(6S,22S’)−6,22−ジイソプロピル−4,7,21,24−テトラオキソ−5,8,20,23−テトラアザヘプタコサン−1,27−二酸、(6S,23S’)−6,23−ジイソプロピル−4,7,22,25−テトラオキソ−5,8,21,24−テトラアザオクタコサン−1,28−二酸、N,N’−(2S,2’S)−1,1’−(エタン−1,2−ジイルビス(アザンジイル))ビス(3−メチル−1−オキソブタン−2,1―ジイル)ビス(4−(1H−イミダソゾール−5―イル)ベンズアミド)、N,N’−(2S,2’S)−1,1’−(プロパン−1,3−ジイルビス(アザンジイル))ビス(3−メチル−1−オキソブタン−2,1―ジイル)ビス(4−(1H−イミダソゾール−5―イル)ベンズアミド)N,N’−(2S,2’S)−1,1’−(ブタン−1,4−ジイルビス(アザンジイル))ビス(3−メチル−1−オキソブタン−2,1―ジイル)ビス(4−(1H−イミダソゾール−5―イル)ベンズアミド)、N,N’−(2S,2’S)−−1,1’−(ペンタン−1,5−ジイルビス(アザンジイル))ビス(3−メチル−1−オキソブタン−2,1―ジイル)ビス(4−(1H−イミダソゾール−5―イル)ベンズアミド)、N,N’−(2S,2’S)−1,1’−(ヘキサン−1,6−ジイルビス(アザンジイル))ビス(3−メチル−1−オキソブタン−2,1―ジイル)ビス(4−(1H−イミダソゾール−5―イル)ベンズアミド)、N,N’−(2S,2’S)−1,1’−(ヘプタン−1,7−ジイルビス(アザンジイル))ビス(3−メチル−1−オキソブタン−2,1―ジイル)ビス(4−(1H−イミダソゾール−5―イル)ベンズアミド)、N,N’−(2S,2’S)−1,1’−(オクタン−1,8−ジイルビス(アザンジイル))ビス(3−メチル−1−オキソブタン−2,1―ジイル)ビス(4−(1H−イミダソゾール−5―イル)ベンズアミド)、N,N’−(2S,2’S)−1,1’−(ノナン−1,9−ジイルビス(アザンジイル))ビス(3−メチル−1−オキソブタン−2,1―ジイル)ビス(4−(1H−イミダソゾール−5―イル)ベンズアミド)、N,N’−(2S,2’S)−1,1’−(デカン−1,10−ジイルビス(アザンジイル))ビス(3−メチル−1−オキソブタン−2,1―ジイル)ビス(4−(1H−イミダソゾール−5―イル)ベンズアミド)、N,N’−(2S,2’S)−1,1’−(ウンデカン−1,11−ジイルビス(アザンジイル))ビス(3−メチル−1−オキソブタン−2,1―ジイル)ビス(4−(1H−イミダソゾール−5―イル)ベンズアミド)、N,N’−(2S,2’S)−1,1’−(ドデカン−1,12−ジイルビス(アザンジイル))ビス(3−メチル−1−オキソブタン−2,1―ジイル)ビス(4−(1H−イミダソゾール−5―イル)ベンズアミド)、N,N’−(2S,2’S)−1,1’−(ノナン−1,9−ジイルビス(アザンジイル))ビス(3−メチル−1−オキソブタン−2,1―ジイル)ジイソニコチンアミド、N,N’−(2S,2’S)−1,1’−(デカン−1,10−ジイルビス(アザンジイル))ビス(3−メチル−1−オキソブタン−2,1―ジイル)ジイソニコチンアミド、N,N’−(2S,2’S)−1,1’−(ウンデカン−1,11−ジイルビス(アザンジイル))ビス(3−メチル−1−オキソブタン−2,1―ジイル)ジイソニコチンアミド、N,N’−(2S,2’S)−1,1’−(ドデカン−1,12−ジイルビス(アザンジイル))ビス(3−メチル−1−オキソブタン−2,1―ジイル)ジイソニコチンアミド、N,N’−(2S,2’S)−1,1’−(トリデカン−1,13−ジイルビス(アザンジイル))ビス(3−メチル−1−オキソブタン−2,1―ジイル)ジイソニコチンアミド、N,N’−(2S,2’S)−1,1’−(テトラデカン−1,14−ジイルビス(アザンジイル))ビス(3−メチル−1−オキソブタン−2,1―ジイル)ジイソニコチンアミド、N,N’−(2S,2’S)−1,1’−(ヘキサデカン−1,16−ジイルビス(アザンジイル))ビス(3−メチル−1−オキソブタン−2,1―ジイル)ジイソニコチンアミド、N,N’−(2S,2’S)−1,1’−(オクタデカン−1,18−ジイルビス(アザンジイル))ビス(3−メチル−1−オキソブタン−2,1―ジイル)ジイソニコチンアミド、N,N’−(2S,2’S)−1,1’−(エタン−1,2−ジイルビス(アザンジイル))ビス(1−オキソプロパン−2,1―ジイル)ジイソニコチンアミド、N,N’−(2S,2’S)−1,1’−(プロパン−1,3−ジイルビス(アザンジイル))ビス(1−オキソプロパン−2,1―ジイル)ジイソニコチンアミド、N,N’−(2S,2’S)−1,1’−(ブタン−1,4−ジイルビス(アザンジイル))ビス(1−オキソプロパン−2,1―ジイル)ジイソニコチンアミド、N,N’−(2S,2’S)−1,1’−(ペンタン−1,5−ジイルビス(アザンジイル))ビス(1−オキソプロパン−2,1―ジイル)ジイソニコチンアミド、N,N’−(2S,2’S)−1,1’−(ヘキサン−1,6−ジイルビス(アザンジイル))ビス(1−オキソプロパン−2,1―ジイル)ジイソニコチンアミド、N,N’−(2S,2’S)−1,1’−(ヘプタン−1,7−ジイルビス(アザンジイル))ビス(1−オキソプロパン−2,1―ジイル)ジイソニコチンアミド、N,N’−(2S,2’S)−1,1’−(オクタン−1,8−ジイルビス(アザンジイル))ビス(1−オキソプロパン−2,1―ジイル)ジイソニコチンアミド、N,N’−(2S,2’S)−1,1’−(ノナン−1,9−ジイルビス(アザンジイル))ビス(1−オキソプロパン−2,1―ジイル)ジイソニコチンアミド、N,N’−(2S,2’S)−1,1’−(デカン−1,10−ジイルビス(アザンジイル))ビス(1−オキソプロパン−2,1―ジイル)ジイソニコチンアミド、N,N’−(2S,2’S)−1,1’−(ウンデカン−1,11−ジイルビス(アザンジイル))ビス(1−オキソプロパン−2,1―ジイル)ジイソニコチンアミド、N,N’−(2S,2’S)−1,1’−(ドデカン−1,12−ジイルビス(アザンジイル))ビス(1−オキソプロパン−2,1―ジイル)ジイソニコチンアミド、N,N’−(2S,2’S)−1,1’−(トリデカン−1,13−ジイルビス(アザンジイル))ビス(1−オキソプロパン−2,1―ジイル)ジイソニコチンアミド、N,N’−(2S,2’S)−1,1’−(テトラデカン−1,14−ジイルビス(アザンジイル))ビス(1−オキソプロパン−2,1―ジイル)ジイソニコチンアミド、N,N’−(2S,2’S)−1,1’−(ヘキサデカン−1,16−ジイルビス(アザンジイル))ビス(1−オキソプロパン−2,1―ジイル)ジイソニコチンアミド、N,N’−(2S,2’S)−1,1’−(オクタデカン−1,18−ジイルビス(アザンジイル))ビス(1−オキソプロパン−2,1―ジイル)ジイソニコチンアミド、N,N’−(2S,2’S)−1,1’−(エタン−1,2−ジイルビス(アザンジイル))ビス(1−オキソ−3−フェニルプロパン−2,1―ジイル)ジイソニコチンアミド、N,N’−(2S,2’S)−1,1’−(プロパン−1,3−ジイルビス(アザンジイル))ビス(1−オキソ−3−フェニルプロパン−2,1―ジイル)ジイソニコチンアミド、N,N’−(2S,2’S)−1,1’−(ブタン−1,4−ジイルビス(アザンジイル))ビス(1−オキソ−3−フェニルプロパン−2,1―ジイル)ジイソニコチンアミド、N,N’−(2S,2’S)−1,1’−(ペンタン−1,5−ジイルビス(アザンジイル))ビス(1−オキソ−3−フェニルプロパン−2,1―ジイル)ジイソニコチンアミド、N,N’−(2S,2’S)−1,1’−(ヘキサン−1,6−ジイルビス(アザンジイル))ビス(1−オキソ−3−フェニルプロパン−2,1―ジイル)ジイソニコチンアミドN,N’−(2S,2’S)−1,1’−(ヘプタン−1,7−ジイルビス(アザンジイル))ビス(1−オキソ−3−フェニルプロパン−2,1―ジイル)ジイソニコチンアミド、N,N’−(2S,2’S)−1,1’−(オクタン−1,8−ジイルビス(アザンジイル))ビス(1−オキソ−3−フェニルプロパン−2,1―ジイル)ジイソニコチンアミド、N,N’−(2S,2’S)−1,1’−(ノナン−1,9−ジイルビス(アザンジイル))ビス(1−オキソ−3−フェニルプロパン−2,1―ジイル)ジイソニコチンアミド、N,N’−(2S,2’S)−1,1’−(デカン−1,10−ジイルビス(アザンジイル))ビス(1−オキソ−3−フェニルプロパン−2,1―ジイル)ジイソニコチンアミド、N,N’−(2S,2’S)−1,1’−(ウンデカン−1,11−ジイルビス(アザンジイル))ビス(1−オキソ−3−フェニルプロパン−2,1―ジイル)ジイソニコチンアミド、N,N’−(2S,2’S)−1,1’−(ドデカン−1,12−ジイルビス(アザンジイル))ビス(1−オキソ−3−フェニルプロパン−2,1―ジイル)ジイソニコチンアミド
、N,N’−(2S,2’S)−1,1’−(トリデカン−1,13−ジイルビス(アザンジイル))ビス(1−オキソ−3−フェニルプロパン−2,1―ジイル)ジイソニコチンアミド、N,N’−(2S,2’S)−1,1’−(テトラデカン−1,14−ジイルビス(アザンジイル))ビス(1−オキソ−3−フェニルプロパン−2,1―ジイル)ジイソニコチンアミド、N,N’−(2S,2’S)−1,1’−(ヘキサデカン−1,16−ジイルビス(アザンジイル))ビス(1−オキソ−3−フェニルプロパン−2,1―ジイル)ジイソニコチンアミド、N,N’−(2S,2’S)−1,1’−(オクタデカン−1,18−ジイルビス(アザンジイル))ビス(1−オキソ−3−フェニルプロパン−2,1―ジイル)ジイソニコチンアミド、(2S)−2−[[2−(ドデカノイルアミノ)アセチル]アミノ]プロパン酸、(2S)−2−[[2−[[2−(ドデカノイルアミノ)アセチル]アミノ]アセチル]アミノ]プロパン酸、(2S)−2−[[2−(ドデカノイルアミノ)アセチル]アミノ]−2−フェニル酢酸、(2S)−2−[[2−(ドデカノイルアミノ)アセチル]アミノ]−3−メチル−ブタン酸、2−[[2−(ドデカノイルアミノ)アセチル]アミノ]酢酸、(2S)−2−[[2−(ヘキサデカノイルアミノ)アセチル]アミノ]プロパン酸、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の流体洗剤組成物。
【請求項6】
前記組成物が、
a)0.0001重量%〜8重量%の洗浄性酵素と、
b)6.5〜10.5の純粋pHと、を追加的に含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の流体洗剤組成物。
【請求項7】
前記洗浄性酵素が、プロテアーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、リパーゼ、キシログルカナーゼ、ペクチン酸リアーゼ、マンナナーゼ、漂白酵素、クチナーゼ、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項6に記載の流体洗剤組成物。
【請求項8】
前記組成物が、
a)0.1重量%〜12重量%の漂白剤又は漂白系、を追加的に含み、
b)6.5〜10.5の純粋pHを示す、請求項1〜7のいずれか一項に記載の流体洗剤組成物。
【請求項9】
前記組成物が、
a)0.1重量%〜12重量%の漂白剤又は漂白系、好ましくは過酸化物漂白剤、を追加的に含み、
b)2〜6の純粋pHを示す、請求項1〜5のいずれか一項に記載の流体洗剤組成物。
【請求項10】
前記界面活性剤が、C11〜C18アルキルベンゼンスルホン酸塩、C10〜C20分枝鎖及びランダムアルキル硫酸塩、C10〜C18アルキルエトキシ硫酸塩、中鎖分枝状アルキル硫酸塩、中鎖分枝状アルキルアルコキシ硫酸塩、1〜5エトキシ単位を含むC10〜C18アルキルアルコキシカルボン酸塩、変性アルキルベンゼンスルホン酸塩、C12〜C20メチルエステルスルホン酸塩、C10〜C18α−オレフィンスルホン酸塩、C6〜C20スルホコハク酸塩、並びにこれらの混合物からなる群から選択されるアニオン性界面活性剤である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の流体洗剤組成物。
【請求項11】
前記組成物が、追加的に、カチオン性界面活性剤、両性及び/又は双性イオン性界面活性剤、非アミノ官能性有機溶媒、酵素、酵素安定剤、両親媒性アルコキシル化グリース洗浄ポリマー、粘土汚れ洗浄ポリマー、汚れ放出ポリマー、汚れ懸濁ポリマー、漂白剤系、蛍光増白剤、色相染料、粒子材料、香料及びその他の悪臭制御剤、ヒドロトロープ、抑泡剤、布地ケア有益剤、pH調整剤、移染防止剤、保存料、非織物直接染料、並びにこれらの混合物からなる群から選択される添加成分を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の流体洗剤組成物。
【請求項12】
前記流体洗剤組成物が、好ましくはポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールコポリマー及びヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、並びにこれらの組み合わせを含む水溶性パウチ材料内に封入される、請求項1〜11のいずれか一項に記載の流体洗剤組成物。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか一項に記載の流体洗剤組成物の製造方法であって、
a)pH調整可能なアミドゲル化剤を含む構造化剤プレミックスを調製する工程であって、前記構造化剤プレミックスは、pH調整可能なアミドゲル化剤がイオン性の非粘度上昇型であるようなpHである、工程、
b)前記構造化剤プレミックスと、アニオン性及び/又は非イオン性界面活性剤を含む洗剤原材料とを混合する工程、及び
c)前記流体洗剤組成物が、pH調整可能なアミドゲル化剤が非イオン性の粘度上昇型であるようなpHであるように、必要に応じて、前記混合された流体洗剤組成物のpHを調整する工程を含む、方法。
【請求項14】
前記構造化剤プレミックス及び/又は前記洗剤原材料の温度が、50℃未満、好ましくは30℃未満に維持される、流体洗剤組成物を製造するための請求項13に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2013−521403(P2013−521403A)
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−557271(P2012−557271)
【出願日】平成23年3月11日(2011.3.11)
【国際出願番号】PCT/US2011/028065
【国際公開番号】WO2011/112910
【国際公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】