特開2000-122233 「レンズ付きフイルムユニット」 (富士写真フイルム)
要約
【課題】 不自然さのない、被写体像の一方向を圧縮、拡大した撮影を、手軽に行うことができるレンズ付きフイルムユニットを提供することを目的とする。
【解決手段】 シャッタボタンを押圧するとシャッタレリーズが行われる。この際、撮影光学系をなす撮影レンズ32は、図4のように第1撮影レンズ32aとシリンドリカルレンズ65との組み合わせとなり、凹レンズ4と凸レンズ56を通過した被写体画像が横方向へ圧縮される。これにより、写真フイルムには、通常の撮影レンズで結像される通常被写体像に比べ、圧縮率が3〜7%程度の横方向に自然な感じでスリムになった被写体像が結像される。
[代表図面]
イメージ ID=000002
書誌事項
【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】公開特許公報(A)
【公開番号】特開2000−122233(P2000−122233A)
【公開日】平成12年4月28日(2000.4.28)
【発明の名称】レンズ付きフイルムユニット
【国際特許分類第7版】
 G03C 3/00 575
 G03B 15/00
 17/04
【FI】
 G03C 3/00 575 D
 G03B 15/00 G
 17/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】
【全頁数】7
【出願番号】特願平10−297904
【出願日】平成10年10月20日(1998.10.20)
【出願人】(000005201)富士写真フイルム株式会社
【発明者】
【発明者】
【代理人】弁理士(100075281)
【テーマコード(参考)】
 2H101
【Fターム(参考)】
 2H101 AA01
特許請求の範囲
【請求項1】
 予め未露光の写真フイルムが装填され、撮影レンズやシャッタ機構等の露光装置を備えたレンズ付きフイルムユニットにおいて、前記撮影レンズを、被写体像の横方向、又は縦方向のどちらか一方を収縮、又は拡大するシリンドリカルレンズを含む構成としたことを特徴とするレンズ付きフイルムユニット。
【請求項2】
 前記シリンドリカルレンズの圧縮、拡大率は、−10%〜+10%の範囲内であることを特徴とする請求項1記載のレンズ付きフイルムユニット。
【請求項3】
 前記シリンドリカルレンズは、光軸を中心として写真フイルム露光面と平行に回転可能であることを特徴とする請求項1または2記載のレンズ付きフイルムユニット。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】
 本発明は、レンズ付きフイルムユニットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
 現在、手軽に写真撮影を楽しむことができるように、本出願人によりレンズ付きフイルムユニットが販売されている。レンズ付きフイルムユニットは、撮影レンズやシャッタ機構等の露光装置を組み込んだユニット本体に、予め未露光の写真フイルムを内蔵させたもので、購入してすぐに写真撮影を行うことができ、また、撮影後にもそのまま現像所に出せばよいという便利さから、一般に広く利用されている。
【0003】
 一方、一般のカメラ、特に一眼レフカメラなどでは、被写体像を効果的に演出するために、様々な特殊撮影効果をもたらす各種の特殊フィルターを撮影レンズの前面等に取り付けることが行われている。このような特殊フィルターには、例えば、被写体画像の特定色を吸収する色付きフィルター、縦、又は横の比率を変化させる偏倍フィルター、被写体画像をソフトにするソフトフィルター、中央画像の周囲に相似形の画像を面の数だけ写し込む多重フィルター等が一般に市販されている。
【0004】
 これら特殊フィルターのうち、縦、又は横の比率を変化させる偏倍フィルターは、特に人物を効果的に演出するフィルターとして用いられる。被写体の中でも特に女性には、「スリムになりたい」「写真にはやせて写りたい」という願望があることが多く、被写体の一方向を圧縮してをスリムに写すことができる偏倍フィルターは、このような撮影効果を演出するものとして用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
 しかしながら、上述したような従来の偏倍フィルターは、圧縮率が10%以上のものが多く、一見して意図的に加工されたとわかる、不自然な写真しか得られなかった。
【0006】
 また、安価で小型であることが特徴のレンズ付きフイルムユニットに、上述したような偏倍フィルターを着脱可能な部品として提供すると、外形が大型化するとともに製造コストが上昇するという問題が生じる。また、着脱可能であることによる偏倍フィルターの紛失や破損等の恐れもある。
【0007】
 本発明は、以上のような問題点を解決するためになされたものであり、不自然さのない、被写体像の一方向を圧縮、拡大した撮影を、手軽に行うことができるレンズ付きフイルムユニットを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
 本発明は、上記事情を考慮してなされたもので、予め未露光の写真フイルムが装填され、撮影レンズやシャッタ機構等の露光装置を備えたレンズ付きフイルムユニットにおいて、前記撮影レンズを、被写体像の横方向、又は縦方向のどちらか一方を収縮、又は拡大するシリンドリカルレンズを含む構成としたものである。
【0009】
 また、前記シリンドリカルレンズの圧縮、拡大率は、−10%〜+10%の範囲内であり、前記シリンドリカルレンズは、光軸を中心として写真フイルム露光面と平行に回転可能にしたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
 図1は、本発明のレンズ付きフイルムユニットを示す外観斜視図である。レンズ付きフイルムユニットは、予め写真フイルム及びカートリッジが組み込まれ、シャッタを含む撮影機構が内蔵されたユニット本体2とユニット本体2の中央部を覆う外装用のラベル3から構成される。ユニット本体2の前面には、撮影光学系としての凹レンズ4,ファインダ対物レンズ5,ファインダ対物窓6,ストロボ発光部7,充電操作レバー8及び切替えレバー9等が露出している。
【0011】
 ユニット本体2の上面には、シャッタボタン10,撮影枚数表示窓11,充電操作レバー8のスライドに連動して開口13から突出する表示用ライトガイド12が設けられている。背面には、一部分が露呈している巻き上げノブ14が設けられている。また、外装用のラベル3には、カメラの縦横撮影方向に合わせて切替えレバー9の位置を表示する文字「横」15a,「縦」15bが記載されている。
【0012】
 図2は、ユニット本体の分解斜視図である。ユニット本体2はレンズ付きフイルムユニットの前面及び背面を構成する前カバー20,後カバー21と、これらのカバーで覆われる本体基部22,露光装置23,ストロボユニット24と本体基部に装填されるフイルムカートリッジ25とから構成される。本体基部22にはフイルムロール室26とカートリッジ室27とが形成され、その各々にはフイルムロール28,カートリッジ29が製造時に装填される。カートリッジ室27の上方にフイルム巻き上げノブ14が組付けられ、その下端に突出した巻き上げ軸カートリッジ29のスプール軸と係合される。
【0013】
 露光装置23は、ベース部材31に、後述するシリンドリカルレンズと共に撮影レンズ32を構成する第1撮影レンズ32,シャッタ機構,フイルム巻止め機構,カウンタ機構,ファインダ光学系など、撮影に必要な各種機構を組み付けたもので、本体基部22の前面に爪結合によって組付けられる。
【0014】
 ストロボユニット24は、プリント基板34をベースにして、ストロボ放電管を含むストロボ発光部7,メインコンデンサ35,ネオン管,シンクロスイッチ36などの回路部品のほか、電池37を保持させたものである。
【0015】
 フイルムカートリッジ25は、カートリッジ29,写真フイルム38及び写真フイルムを巻いたフイルムロール28から構成され、写真フイルム38には1コマ分の撮影画面である露光画面38aが形成されている。
【0016】
 後カバー21にはファインダ接眼窓39が形成され、露光装置23に組付けられたファインダ光学系を通してファインダ画像の観察を行うことができる。なお、符号40,41は後カバー21に一体に形成された底蓋を示し、それぞれカートリッジ室27,フイルムロール室26の底を光密に塞ぐ。カートリッジ室側の底蓋40は、現像所において撮影済みのフイルムが巻き込まれたカートリッジ29を取り出すときに開放される。
【0017】
 図3に示すように、前カバー20は、前カバー本体45と、この前カバー本体45の前面に取り付けられる前面パネル46とから構成さてれいる。前カバー本体45と前面パネル46との間には、充電操作レバー8と、露光装置23の一部をなすレンズ板47と、トグルバネ48とが組み込まれている。前カバー本体45には、ファインダ対物窓5,撮影レンズ32,ストロボ発光部7の各々が対面する開口49a〜49c,レンズ板47の回転振れを防ぐためにレンズ板47を保持するレンズ板保持部50,充電操作レバー8が挿入される受け部51,開口52等が形成されている。
【0018】
 充電操作レバー8には係合部8aが形成されており、充電操作レバー8は受け部51に挿入され、係合部8aは開口52に貫入され表示用ライトガイド12に形成されているピン12aと係合する。
【0019】
 前面パネル46には、ファインダ対物窓5,円弧状のスリット53,レンズ開口54が設けられており、前カバー本体45の前面に組付けられる。
【0020】
 露光装置23の一部をなすレンズ板47は、略円板形状に成形されたもので、中央部分には矩形状の開口55,開口55の四隅に係止部55a〜55dが形成されており、前面側下方にはボス57が突出して設けられている。このレンズ板47の両側に、第1撮影レンズ32aとともに撮影レンズ32を構成する2枚のシリンドリカルレンズ65が各々取り付けられる。
【0021】
 シリンドリカルレンズ65は、レンズの中央の厚みが周辺の厚みより薄い凹レンズ4と、レンズの中央の厚みが周辺の厚みより厚い凸レンズ56とから構成される。凹レンズ4はその四隅が係止部55a〜55dを介してレンズ板47に挿入され、凸レンズ56はレンズ板47の背面側から挿入される。開口55を挟んで凹レンズ4と凸レンズ56とが対面し、シリンドリカルレンズ65を構成する。このようなシリンドリカルレンズ65と第1撮影レンズ32aとで、撮影レンズ32を構成している(図4参照)。
【0022】
 シリンドリカルレンズ65は、縦方向、又は横方向の圧縮率が、圧縮された被写体像が不自然にならない程度の10%以下になっている。この圧縮率は、特に3〜7%が好ましい。
【0023】
 また、レンズ板47は前カバー本体45に形成されたレンズ板保持部50に回動自在に取り付けられる。ボス57には、前面パネル46の下方に形成された円弧形状のスリット53を介して切替えレバー9が取り付けられる。
【0024】
 次に、このような構成の作用について説明する。撮影者はファインダ接眼窓39に目を近づけてファインダ画像の観察を行い、フレーミングを行う。そして、撮影者がシャッタボタン10を押圧操作するとシャッタレリーズが行われる。この際、本発明のレンズ付きフイルムユニットの撮影光学系をなす撮影レンズ32は、図4のように第1撮影レンズ32aとシリンドリカルレンズ65との組み合わせとなり、凹レンズ4と凸レンズ56を通過した被写体画像は、図4中の鎖線Aで示す水平方向の焦点距離が、鎖線Bで示す垂直方向の焦点距離よりも短くなるため、図5のように被写体画像が横方向へ圧縮される。
【0025】
 これにより、写真フイルム38の露光画面38aには、通常の撮影レンズで結像される通常被写体像60に比べ、圧縮率が3〜7%程度の横方向に自然な感じでスリムになった被写体像61が結像される。
【0026】
 また、レンズ付きフイルムユニットを90°回転させて縦位置で撮影するときは、撮影者は先ず切替えレバー9を「縦撮影」15bのところまで回動操作すると、それに連動してレンズ板47が回転し、レンズ板47に固定して挿入されているシリンドリカルレンズもレンズ板47と共に90°回転する。したがって、縦位置での撮影も横位置の撮影と同様な撮影レンズ系となり、被写体の横方向が圧縮しスリムになった被写体像が結像される。
【0027】
 本実施とは別の実施形態として、通常の撮影レンズとシリンドリカルレンズとを一体に合成した非球面レンズを、被写体像を一方向に圧縮、拡大する撮影レンズとして組付けてもよい。これにより、シリンドリカルレンズを別に設けるよりも、一層のコストダウンを図ることができ、偏倍撮影専用のレンズ付きフイルムユニットを低価格で提供することができる。この場合には、非球面レンズ自体をを回転可能にすることにより、レンズ付きフイルムユニットの向きとは無関係に常に被写体をスリムに写すことができる。
【0028】
 更に別な実施形態として、シリンドリカルレンズを回転させる手段として、シリンドリカルレンズの重心を回転中心からずらすようにして、回転可能に組み込むことができる。この機構により、カメラを縦位置に構えて撮影を意図したときシリンドリカルレンズは、重心のずれにより自動的にカメラに対して90°回転し、レンズ付きフイルムユニットの向きに無関係に常に被写体をスリムに写すことができる。これにより、レンズ付きフイルムユニットを構える向きによる切替えレバーが省略できるので、操作がより一層簡単になり、切替え操作忘れにより被写体の人物が逆に太って写ってしまうというミスを未然に防止することができる。
【0029】
 そのほかにも、ファインダ光学系のファインダ対物レンズの前面やファインダ接眼レンズの背面にシリドリカルレンズを付加してもよい。これにより、撮影者はフレーミングの際に、一方向に圧縮、又は拡大された被写体の状態を視認でき、最適なシャッタレリーズを行うことができる。また、ファインダ光学系に付加したシリンドリカルレンズ系を回転可能にすることにより、レンズ付きフイルムユニットの向きとは無関係にスリムな被写体をフレーミングすることができる。
【0030】
 なお、上述した実施形態では、被写体を一方向に圧縮してスリムに撮影するレンズ付きフイルムユニットの例を述べたが、もちろん、シリンドリカルレンズを90°向きを回転させ組付けることにより、被写体を前記方向に対して垂直な方向に圧縮して撮影するレンズ付きフイルムユニットにも、同様に適用可能である。これにより、痩せ過ぎている人物をふっくらとした健康的な状態に撮影したり、記念碑や看板等の文字を見やすく拡大した撮影が可能になる。
【0031】
 また、シリンドリカルレンズの回転機構を設けずに、レンズ付きフイルムユニットを横に構えて撮影したときには一方向に圧縮された被写体像が、また、横に構えて撮影したときには一方向に拡大された被写体像が撮影できるようにしてもよい。
【0032】
【発明の効果】
 以上に述べたとおり、本発明によれば、予め未露光の写真フイルムが装填され、撮影レンズやシャッタ機構等の露光装置を備えたレンズ付きフイルムユニットにおいて、前記撮影レンズを、被写体像の横方向、又は縦方向のどちらか一方を収縮、又は拡大するシリンドリカルレンズを含む構成としたので、不自然さのない、被写体像の一方向を圧縮、拡大した撮影を、手軽に行うことができるレンズ付きフイルムユニットを提供することが可能になる。
図面の簡単な説明
【図1】本発明のレンズ付きフイルムユニットの外観斜視図である。
【図2】本発明のレンズ付きフイルムユニットの分解斜視図である。
【図3】前カバーの分解斜視図である。
【図4】撮影光学系の斜視図である。
【図5】露光画面の説明図である。
【符号の説明】
 2 ユニット本体
 4 凹レンズ
 20 前カバー
 23 露光装置
 32 撮影レンズ
 32a 第1撮影レンズ
 38 写真フイルム
 38a 露光画面
 56 凸レンズ
 61 シリンドリカルレンズ
図面
【図1】
イメージ ID=000003

【図2】
イメージ ID=000004

【図3】
イメージ ID=000005

【図4】
イメージ ID=000006

【図5】
イメージ ID=000007

上記の内容は特許電子図書館の出力データを加工したものです。by ipdldd 
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