【目的】 その前後方向における全長を短くすることができる実像式ファインダ光学系を、提供する。
【構成】実像式ファインダ光学系は、物体側から順に、対物光学系1と、この対物光学系1の出射面に対向する入射面としての第1面2aとこの第1面2aに対して22.5度の角度をなす第2面2bとこの第2面2b及び第1面2aによって折り曲げられた光軸を通過させる第3面2cとを有する第1プリズム2と、この第1プリズム2の第3面2cに対して平行に離間して対向する入射面としての第1面4aと前記光軸を水平面内で物体側へ折り曲げるために前記第1面4aに対向した第2面4bとこれら第2面4b及び第1面4aによって折り曲げられた光軸を接眼レンズ5と略同軸となる方向へ折り曲げる第3面4cとこの第3面4cによって折り曲げられた光軸を通過させる第4面4dとを有する第2プリズム4と、この第2プリズム4の第4面4dに対向して前記光軸と略同軸に配置された接眼レンズ5とから、構成される。
[代表図面]
【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】公開特許公報(A)
【公開番号】
特開2000−227622(P2000−227622A)
【公開日】平成12年8月15日(2000.8.15)
【発明の名称】実像式ファインダ光学系
【国際特許分類第7版】
G03B 13/06
G02B 25/00
【FI】
G03B 13/06
G02B 25/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】22
【全頁数】20
【出願番号】特願平11−334824
【出願日】平成11年11月25日(1999.11.25)
【優先権主張番号】特願平10−344339
【優先日】平成10年12月3日(1998.12.3)
【優先権主張国】日本(JP)
【出願人】(000000527)旭光学工業株式会社
【発明者】

【代理人】弁理士(100098235)
【請求項1】
光軸が互いに平行に配置された対物光学系及び接眼レンズを有するとともに前記対物光学系から前記接眼レンズに至る光軸を少なくとも2回所定平面と平行なな方向に折り曲げてなる実像式ファインダ光学系であって、前記対物光学系の出射面に対して対向した入射面としての第1面と、前記光軸を前記第1面に向けて斜めに折り曲げるために前記第1面に対して傾斜して対向した第2面と、これら第2面及び第1面によって折り曲げられた光軸を折り曲げることなく透過させる出射面としての第3面とを有する第1プリズム,及び前記第1プリズムの第3面に対向し、光軸を折り曲げることなく透過させる入射面としての第1面と、前記光軸を物体側且つ前記第1面側へ向けて斜めに折り曲げるために前記第1面に対して傾斜して対向した第2面と、これら第2面及び第1面によって折り曲げられた光軸を前記接眼レンズと略同軸となるように更に折り曲げる第3面と、この第3面によって折り曲げられた光軸を折り曲げることなく透過させる出射面としての第4面とを有する第2プリズムを備えることを特徴とする実像式ファインダ光学系。
【請求項2】
光軸が互いに平行に配置された対物光学系及び接眼レンズを有するとともに前記対物光学系から前記接眼レンズに至る光軸を少なくとも2回所定平面と平行な方向に折り曲げてなる実像式ファインダ光学系であって、前記対物光学系の出射面に対して対向した入射面としての第1面と、前記光軸を前記第1面に向けて斜めに折り曲げるために前記第1面に対して傾斜して対向した第2面と、これら第2面及び第1面によって折り曲げられた光軸を折り曲げることなく透過させる出射面としての第3面とを有する第1プリズム,前記第1プリズムの第3面に対向し、光軸を折り曲げることなく透過させる入射面としての第1面と、前記光軸を物体側且つ前記第1面側へ向けて斜めに折り曲げるために前記第1面に対して傾斜して対向した第2面と、これら第2面及び第1面によって折り曲げられた光軸を折り曲げることなく透過させる出射面としての第3面とを有する第2プリズム,及び、この第1プリズムの第3面を通り抜けた光軸を前記接眼レンズと略同軸となるように折り曲げる反射面を有する反射部材を備えることを特徴とする実像式ファインダ光学系。
【請求項3】
前記第1プリズムの第2面は、前記所定面と平行な稜線を有するダハ面からなることを特徴とする請求項1又は2記載の実像式ファインダ光学系。
【請求項4】
前記第2プリズムの第2面は、前記所定面と平行な稜線を有するダハ面からなることを特徴とする請求項1又は2記載の実像式ファインダ光学系。
【請求項5】
前記第1プリズムの第1面と第2面とがなす角度が23.5度乃至26.5度であることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の実像式ファインダ光学系。
【請求項6】
前記第1プリズムの第1面が、光軸に対して、前記第1プリズムの第2面と同じ傾斜方向に傾斜していることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の実像式ファインダ光学系。
【請求項7】
前記第1プリズムの第1面を通過する光軸の方向に対して、前記第1プリズムの第3面を通過する光軸の方向が45度傾いていることを特徴とする請求項6記載の実像式ファインダ光学系。
【請求項8】
前記第1プリズムの第3面と前記第2プリズムの第1面との間における光軸上にコンデンサレンズが配置されていることを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の実像式ファインダ光学系。
【請求項9】
前記第1プリズムの第3面が正のパワーを持つことを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の実像式ファインダ光学系。
【請求項10】
前記第2プリズムの第3面を通過する光軸の方向は、対物光学系の光軸の方向に略直交することを特徴とする請求項2記載の実像式ファインダ光学系。
【請求項11】
前記反射部材と前記接眼レンズは、前記第2プリズムの第3面を通過する光軸の方向へ、一体に移動可能であることを特徴とする請求項10記載の実像式ファインダ光学系。
【請求項12】
前記反射部材と前記接眼レンズは、同一部材として形成されていることを特徴とする請求項11記載の実像式ファインダ光学系。
【請求項13】
光軸が互いに平行に配置された対物光学系及び接眼レンズを有するとともに前記対物光学系から前記接眼レンズに至る光軸を少なくとも2回所定平面と平行な方向に折り曲げてなる実像式ファインダ光学系であって、前記対物光学系の光軸を折り曲げることなく透過させる入射面としての第1面と、前記光軸を側方へ折り曲げる第2面と、この第2面によって折り曲げられた光軸を前記第2面に対して略直交する方向へ折り曲げるために前記第1面に対して斜めに傾いた第3面とを有する第1プリズム,及び前記第1プリズムの第3面に対向し、光軸を折り曲げることなく透過させる入射面としての第1面と、前記光軸を物体側且つ前記第1面側へ向けて斜めに折り曲げるために前記第1面に対して斜めに傾いて対向した第2面と、これら第2面及び第1面によって折り曲げられた光軸を前記接眼レンズと略同軸となるように更に折り曲げる第3面と、この第3面によって折り曲げられた光軸を折り曲げることなく透過させる出射面としての第4面とを有する第2プリズムを備えることを特徴とする実像式ファインダ光学系。
【請求項14】
光軸が互いに平行に配置された対物光学系及び接眼レンズを有するとともに前記対物光学系から前記接眼レンズに至る光軸を少なくとも2回所定平面と平行な方向に折り曲げてなる実像式ファインダ光学系であって、前記対物光学系の光軸を折り曲げることなく透過させる入射面としての第1面と、前記光軸を側方へ折り曲げる第2面と、この第2面によって折り曲げられた光軸を前記第2面に対して略直交する方向へ折り曲げるために前記第1面に対して斜めに傾いた第3面とを有する第1プリズム,前記第1プリズムの第3面に対向し、光軸を折り曲げることなく透過させる入射面としての第1面と、前記光軸を物体側且つ前記第1面側へ向けて斜めに折り曲げるために前記第1面に対して斜めに傾いて対向した第2面と、これら第2面及び第1面によって折り曲げられた光軸を折り曲げることなく透過させる出射面としての第3面とを有する第2プリズム,及び、この第2プリズムの第3面を通り抜けた光軸を前記接眼レンズと略同軸となるように折り曲げる反射面を有する反射部材を備えることを特徴とする実像式ファインダ光学系。
【請求項15】
前記第1プリズムの第3面は、前記所定面と平行な稜線を有するダハ面からなることを特徴とする請求項13又は14記載の実像式ファインダ光学系。
【請求項16】
前記第1プリズムの第3面と前記第2プリズムの第1面との間における光軸上にコンデンサレンズが配置されていることを特徴とする請求項13乃至15の何れかに記載の実像式ファインダ光学系。
【請求項17】
前記第2プリズムの第3面を通過する光軸の方向は、対物光学系の光軸の方向に略直交することを特徴とする請求項14記載の実像式ファインダ光学系。
【請求項18】
前記反射部材と前記接眼レンズは、前記第2プリズムの第3面を通過する光軸の方向へ、一体に移動可能であることを特徴とする請求項17記載の実像式ファインダ光学系。
【請求項19】
前記第1プリズムの第2面における前記第3面で反射した光束が射出する範囲外の一部に金属コーティングを施したことを特徴とする請求項13乃至18の何れかに記載の実像式ファインダ光学系。
【請求項20】
前記第2プリズムの第3面は、前記所定面と平行な稜線を有するダハ面からなることを特徴とする請求項1又は2記載の実像式ファインダ光学系。
【請求項21】
前記第2プリズムの第2面は、前記所定面と平行な稜線を有するダハ面からなることを特徴とする請求項13又は14記載の実像式ファインダ光学系。
【請求項22】
前記第2プリズムの第3面は、前記所定面と平行な稜線を有するダハ面からなることを特徴とする請求項13又は14記載の実像式ファインダ光学系。
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カメラのファインダーとして用いられている実像式ファインダー光学系に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンパクトカメラ等に用いられる従来の実像式ファインダー光学系は、図12の平面図に示されるように、対物光学系100を透過することによって収束しつつ進行する被写体からの光束を、ダハミラー101によって上下(図12の紙面に直交する方向)反転させるとともに側方へ90°反射させることによって、コンデンサレンズ102の平面上に被写体の正立像を一旦結ばせる。被写体の正立像を一旦結んだ光束は、発散しつつペンタプリズム103に入射し、対物光学系100及びコンデンサレンズ102の光軸を含む平面内で45°づつ2回反射されて、対物光学系100の光軸と平行に、ペンタプリズム103から射出される。ペンタプリズム103から射出された光束は、接眼レンズ104を透過することによって、撮影者が観察する被写体正立像の虚像を形成する。なお、図12におけるカバーガラス105は、カメラのケーシングに填め込まれた平行平面板である。
【0003】
以上のような構成を有する従来の実像式ファインダー光学系は、対物レンズ100から延びる光軸(以下、「ファインダ光軸」という)を同一平面内においてのみ折り曲げているので、ポロプリズムに比べて、上下方向の嵩が小さくて済む。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、接眼レンズ104は、撮影者の視力に合わせた視度調整のために光軸方向へ移動調整可能に構成されることが望ましく、その場合、ペンタプリズム103の射出面103aの後方には、接眼レンズ104の移動領域αが確保されていなければならない。
【0005】
しかしながら、図12に示す従来の実像式ファインダー光学系によると、対物光学系100から接眼レンズ104の移動領域αの前端(ペンタプリズム103の射出面103a)に至る光路は、その全長にわたって、接眼レンズ104の移動領域αの前端(ペンタプリズム103の射出面103a)よりも前方(図12の上方)に位置する。従って、接眼レンズ104の移動領域αは、対物光学系100から接眼レンズ104の移動領域αの前端(ペンタプリズム103の射出面103a)に至る光路に対して、前後方向(図12の上下方向)において重ならない。その結果、従来の実像式ファインダによると、その前後方向における全長をあまり短くすることができず、カバーガラス105をカメラケーシングから突出せざるを得なかった。
【0006】
本発明の課題は、従来の実像式ファインダ光学系における上述した問題点に鑑み、対物光学系から接眼レンズの移動領域の前端に至る光路に対して接眼レンズの移動領域を前後方向において重複させることにより、その前後方向における全長を短くすることができる実像式ファインダ光学系を、提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明による実像式ファインダ光学系は、上記課題を解決するために、以下の手段を採用した。即ち、請求項1記載の発明は、光軸が互いに平行に配置された対物光学系及び接眼レンズを有するとともに前記対物光学系から前記接眼レンズに至る光軸を少なくとも2回所定平面と平行な方向に折り曲げてなる実像式ファインダ光学系であって、前記対物光学系の出射面に対して対向した入射面としての第1面と、前記光軸を前記第1面に向けて斜めに折り曲げるために前記第1面に対して傾斜して対向した第2面と、これら第2面及び第1面によって折り曲げられた光軸を折り曲げることなく透過させる出射面としての第3面とを有する第1プリズム,及び、前記第1プリズムの第3面に対向し、光軸を折り曲げることなく透過させる入射面としての第1面と、前記光軸を物体側且つ前記第1面側へ向けて斜めに折り曲げるために前記第1面に対して傾斜して対向した第2面と、これら第2面及び第1面によって折り曲げられた光軸を前記接眼レンズと略同軸となるように更に折り曲げる第3面と、この第3面によって折り曲げられた光軸を折り曲げることなく透過させる出射面としての第4面とを有する第2プリズムを、備えることを特徴とする。
【0008】
このように構成されると、第2プリズムの第4面は、前後方向において、第2プリズムの第1面から第2面に至る光路の接眼側の縁よりも、物体側に位置し得る。一方、接眼レンズの移動領域は、前後方向にのびるファインダ光軸に沿って設定されるため、対物光学系から接眼レンズの移動領域の前端に至る光路は、前後方向において、接眼レンズの移動領域と重なり得る。その結果、本発明による実像式ファインダ光学系は、その前後方向における全長を短くすることができる。
【0009】
また、請求項2記載の発明は、光軸が互いに平行に配置された対物光学系及び接眼レンズを有するとともに前記対物光学系から前記接眼レンズに至る光軸を少なくとも2回所定平面と平行な方向に折り曲げてなる実像式ファインダ光学系であって、前記対物光学系の出射面に対して対向した入射面としての第1面と、前記光軸を前記第1面に向けて斜めに折り曲げるために前記第1面に対して傾斜して対向した第2面と、これら第2面及び第1面によって折り曲げられた光軸を折り曲げることなく透過させる出射面としての第3面とを有する第1プリズム,前記第1プリズムの第3面に対向し、光軸を折り曲げることなく透過させる入射面としての第1面と、前記光軸を物体側且つ前記第1面側へ向けて斜めに折り曲げるために前記第1面に対して傾斜して対向した第2面と、これら第2面及び第1面によって折り曲げられた光軸を折り曲げることなく透過させる出射面としての第3面とを有する第2プリズム,及び、この第2プリズムの第3面を通り抜けた光軸を前記接眼レンズと略同軸となるように折り曲げる反射面を有する反射部材を、備えることを特徴とする。
【0010】
このように構成されると、反射部材の反射面は、前後方向において、第2プリズムの第1面から第2面に至る光路の接眼側の縁よりも、物体側に位置し得る。一方、接眼レンズの移動領域は、前後方向にのびるファインダ光軸に沿って、または、第2プリズムの第3面から反射部材にのびるファインダ光軸に沿って、設定される。その結果、対物光学系から接眼レンズの移動領域の前端に至る光路は、前後方向において、接眼レンズの移動領域と重なり得る。その結果、本発明による実像式ファインダ光学系は、その前後方向における全長を短くすることができる。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2の第1プリズムの第2面が、前記所定面と平行な稜線を有するダハ面からなることで、特定したものである。
【0012】
請求項4記載の発明は、請求項1又は2の第2プリズムの第2面が、前記所定面と平行な稜線を有するダハ面からなることで、特定したものである。
【0013】
請求項5記載の発明は、請求項1乃至4の何れかにおける第1プリズムの第1面と第2面とがなす角度が23.5度乃至26.5度であることで、特定したものである。
【0014】
請求項6記載の発明は、請求項1乃至4の第1プリズムの第1面が、光軸に対して、前記第1プリズムの第2面と同じ傾斜方向に傾斜していることで、特定したものである。
【0015】
請求項7記載の発明は、請求項6の第1プリズムの第1面を通過する光軸の方向に対して、前記第1プリズムの第3面を通過する光軸の方向が45度傾いていることで、特定したものである。
【0016】
請求項8記載の発明は、請求項1乃至7の何れかにおける第1プリズムの第3面と第2プリズムの第1面との間における光軸上にコンデンサレンズが配置されていることで、特定したものである。
【0017】
請求項9記載の発明は、請求項1乃至8の何れかにおける第1プリズムの第3面が正のパワーを持つことで、特定したものである。
【0018】
請求項10記載の発明は、請求項2の第2プリズムの第3面を通過する光軸の方向が、対物光学系の光軸の方向に略直交することで、特定したものである。
【0019】
請求項11記載の発明は、請求項10の反射部材と前記接眼レンズとが、前記第2プリズムの第3面を通過する光軸の方向へ、一体に移動可能であることで、特定したものである。
【0020】
請求項12記載の発明は、請求項11の反射部材と接眼レンズが、同一部材として形成されていることで、特定したものである。
【0021】
請求項13記載の発明は、光軸が互いに平行に配置された対物光学系及び接眼レンズを有するとともに前記対物光学系から前記接眼レンズに至る光軸を少なくとも2回所定平面と平行な方向に折り曲げてなる実像式ファインダ光学系であって、前記対物光学系の光軸を折り曲げることなく透過させる入射面としての第1面と、前記光軸を側方へ折り曲げる第2面と、この第2面によって折り曲げられた光軸を前記第2面に対して略直交する方向へ折り曲げるために前記第1面に対して斜めに傾いた第3面とを有する第1プリズム,及び、前記第1プリズムの第3面に対向し、光軸を折り曲げることなく透過させる入射面としての第1面と、前記光軸を物体側且つ前記第1面側へ向けて斜めに折り曲げるために前記第1面に対して斜めに傾いて対向した第2面と、これら第2面及び第1面によって折り曲げられた光軸を前記接眼レンズと略同軸となるように更に折り曲げる第3面と、この第3面によって折り曲げられた光軸を折り曲げることなく透過させる出射面としての第4面とを有する第2プリズムを備えることを、特徴とする。
【0022】
このように構成されると、第2プリズムの第4面は、前後方向において、第2プリズムの第1面から第2面に至る光路の接眼側の縁よりも、物体側に位置し得る。一方、接眼レンズの移動領域は、前後方向にのびるファインダ光軸に沿って設定される。その結果、対物光学系から接眼レンズの移動領域の前端に至る光路は、前後方向において、接眼レンズの移動領域と重なり得る。その結果、本発明による実像式ファインダ光学系は、その前後方向における全長を短くすることができる。
【0023】
請求項14記載の発明は、光軸が互いに平行に配置された対物光学系及び接眼レンズを有するとともに前記対物光学系から前記接眼レンズに至る光軸を少なくとも2回所定平面と平行な方向に折り曲げてなる実像式ファインダ光学系であって、前記対物光学系の光軸を折り曲げることなく透過させる入射面としての第1面と、前記光軸を側方へ折り曲げる第2面と、この第2面によって折り曲げられた光軸を前記第2面に対して略直交する方向へ折り曲げるために前記第1面に対して斜めに傾いた第3面とを有する第1プリズム,前記第1プリズムの第3面に対向し、光軸を折り曲げることなく透過させる入射面としての第1面と、前記光軸を物体側且つ前記第1面側へ向けて斜めに折り曲げるために前記第1面に対して斜めに傾いて対向した第2面と、これら第2面及び第1面によって折り曲げられた光軸を折り曲げることなく透過させる出射面としての第3面とを有する第2プリズム,及び、この第1プリズムの第3面を通り抜けた光軸を前記接眼レンズと略同軸となるように折り曲げる反射面を有する反射部材を備えることを、特徴とする。
【0024】
このように構成されると、反射部材の反射面は、前後方向において、第2プリズムの第1面から第2面に至る光路の接眼側の縁よりも、物体側に位置し得る。一方、接眼レンズの移動領域は、前後方向にのびるファインダ光軸に沿って、または、第2プリズムの第3面から反射部材にのびるファインダ光軸に沿って、設定される。その結果、対物光学系から接眼レンズの移動領域の前端に至る光路は、前後方向において、接眼レンズの移動領域と重なり得る。その結果、本発明による実像式ファインダ光学系は、その前後方向における全長を短くすることができる。
【0025】
請求項15記載の発明は、請求項14又は15の第1プリズムの第3面が、前記所定面と平行な稜線を有するダハ面からなることで、特定したものである。
【0026】
請求項16記載の発明は、請求項13乃至15の何れかにおける第1プリズムの第3面と前記第2プリズムの第1面との間における光軸上にコンデンサレンズが配置されていることで、特定したものである。
【0027】
請求項17記載の発明は、請求項14の第2プリズムの第3面を通過する光軸の方向が、対物光学系の光軸の方向に略直交することで、特定したものである。
【0028】
請求項18記載の発明は、請求項17の反射部材と前記接眼レンズが、前記第2プリズムの第3面を通過する光軸の方向へ、一体に移動可能であることで、特定したものである。
【0029】
請求項19記載の発明は、請求項13乃至18の何れかにおける第1プリズムの第2面における前記第3面で反射した光束が射出する範囲外の一部に金属コーティングを施したことで、特定したものである。
【0030】
請求項20記載の発明は、請求項1又は2の第2プリズムの第3面が前記所定面と平行な稜線を有するダハ面からなることで、特定したものである。
【0031】
請求項21記載の発明は、請求項13又は14の第2プリズムの第2面が前記所定面と平行な稜線を有するダハ面からなることで、特定したものである。
【0032】
請求項22記載の発明は、請求項13又は14の第2プリズムの第3面が前記所定面と平行な稜線を有するダハ面からなることで、特定したものである。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。
【0034】
【実施形態1】図1は、本発明の第1実施形態による実像式ファインダ光学系の平面図であり、図における上下を前後方向(被写体と撮影者の目とを結ぶ方向であって、被写体側が前方となる)としている。
【0035】
この図1に示されるように、本第1実施形態による実像式ファインダ光学系は、物体側から順に、対物光学系1,第1プリズム2,視野枠3,第2プリズム4,接眼レンズ5,及び、カバーガラス6から、構成されている。対物光学系1の光軸と接眼レンズ5の光軸とは互いに平行である。なお、対物光学系1から接眼レンズ5に至る光軸を、以下、ファインダ光軸lという。
【0036】
対物光学系1は、3枚のレンズから構成されたズームレンズであり、図示せぬ被写体の実像を、その全体としての焦点距離に応じた倍率にて、常時、第1プリズム3と第2プリズム4との間における光軸上(視野枠3によって区切られる面上)に、空中像として形成する。なお、この対物光学系1は、それ自身が大型化してしまうことを防止するために、非テレセントリック系として構成されている。
【0037】
第1プリズム2の側面は、対物光学系1に対向し且つファインダ光軸lに対して略直交する様に配置される入射面としての第1面2aと、第1面2aに対して25度傾いた稜線2dを境として直角に接する一対の反射面を有するダハ面からなる第2面2bと、第1面2aと第2面2bとが離反する側において第1面2aに隣接している出射面としての第3面2cとを、備えている。稜線2dは図1の面(所定面)と平行である。この第1プリズム2は、屈折率1.5の透明樹脂から、成形されている。従って、この第1プリズム2の内面反射における全反射条件は、臨界角θ=41.8度(=sin−11/1.5)となる。また、樹脂系成型品とすることで、安価に加工可能となる。
【0038】
この第1プリズム2の第2面2bを構成するダハ面の稜線2dは、第1面2aに対して25度傾いているので、ファインダ光軸lに対しては65度傾いている。また、これら稜線2d及びファインダ光軸lを含む面に対して、ダハ面を構成する各反射面は、45度づつ傾いている。以上により、各反射面の法線とファインダ光軸lとがなす角度は、50.1度となる。従って、対物光学系1から出射されて第1面2aからこの第1プリズム2内に入射した光束は、50.1度前後の入射角で、この第2面2bを構成するダハ面の各反射面に入射することになる。この入射角50.1度は、上述した全反射条件を満たしているので、第2面2bに入射した光束はダハ面によって上下に反転されつつ全反射され、ファインダ光軸lは図1の面内にて物体側へ50度折り曲げられる。
【0039】
ダハ面2bで偏向された光軸lは第1面2aでさらに100度折り曲げられ、第3面2cを通り抜ける。この第3面2cにおけるファインダ光軸lを中心とした略矩形領域には、ファインダ光軸l上に曲率中心を有する正のパワーのレンズ面2eが形成されている。なお、ダハ面2bで偏向された光軸lと第1面2aの法線とがなす角度は、50度である。また、レンズ面2eとファインダ光軸lとの交点におけるレンズ面2eの接平面とファインダ光軸lとは、略直交している。従って、ファインダ光軸lは、第3面2cによって偏向されることがない。そして、正のパワーを持つレンズ面2eは対物光学系1の射出瞳と接眼レンズ5の入射瞳とを一致させるコンデンサーレンズとして機能している。
【0040】
視野枠3内には、対物光学系1によって形成された被写体の実像が、正立像として形成される。
【0041】
第2プリズム4は、図1の面(所定面)内にその底面が存在する略五角柱形状を有している。この第2プリズム4の側面は、視野枠3を挟んで第1プリズム2の第3面2cと対向し且つファインダ光軸lに対して略直交する様に配置される入射面としての第1面4aと、第1面4aの接眼側の縁に対して29度の角度をなして隣接する反射面としての第2面4bと、第1面4aの物体側の縁に対して94度の角度をなして隣接する反射面としての第3面4cと、第2面4bに対して201度の角度をなして隣接する出射面としての第4面4dとを、備えている。この第2プリズム4も、屈折率1.5の透明樹脂から、成形されている。従って、この第2プリズム4の内面反射における全反射条件も、臨界角θ=41.8度となる。また、樹脂成型品とすることで、安価に加工可能となる。
【0042】
この第2プリズム4の第1面4aを通り抜けるファインダ光軸lは、対物光学系1の光軸に対して50度傾いているので、第1面4aは、対物光学系1の光軸に対して40度傾斜して配置される。この第1面4aから第2プリズム4内に入射した光束は、第2面4bにて物体側に反射された後に第1面4aに再入射し、この第1面4aにて第3面4c側に全反射された後に第3面4cに入射し、この第3面4cにて接眼側に反射された後に第4面4dから第2プリズム4の外部に射出される。この出射面としての第4面4dは、対物光学系1の光軸に対して直交して配置され、この第4面4dを通り抜けるファインダ光軸lは、対物光学系1の光軸と平行となる。ここで、第1面4aを通り抜けた光軸lと第2面4bの法線とがなす角は29度、第2面4bで偏向された光軸lと第1面4aの法線とがなす角は58度、第1面4aで偏向された光軸lと第3面4cの法線とがなす角は36度である。従って、第1面4aに対する内面反射の全反射条件を優先的に満たすならば、第2面4b及び第3面4cに対する全反射条件を満たすことは不可能となる。そのため、第2面4b及び第3面4cには、アルミニウムによる反射コーティングが施されている。なお、第4面4dは、前後方向において第2面4bの物体側縁と同位置にある。
【0043】
第2プリズム4の第4面4dに対向してファインダ光軸lと略同軸に配置された接眼レンズ5は、ファインダ光軸lに沿って視野枠3に対して−1ディオプトリとなる位置を標準位置として、その前後にわたって設定されている視度調整範囲α内で移動調整可能に、図示せぬ鏡筒によって保持されている。
【0044】
接眼レンズ5の視度調整範囲αの後方に配置されたカバーガラス6は、図示せぬカメラケーシングに穿たれたファインダ窓にはめ込まれている平行平面ガラスである。
【0045】
以上のように構成された本第1実施形態の実像式ファインダ光学系によると、前後方向(対物光学系1の光軸と平行な方向)において、第2プリズム4の第4面4dは、第2面4bよりも物体側に位置している。従って、接眼レンズ5の視度調整範囲αは、対物光学系1から第2プリズム4の第4面4dに至る光路と、前後方向(対物光学系1の光軸と平行な方向)において重複している。従って、実像式ファインダ光学系全体の前後方向における全長を、従来のものよりも短くすることができ、カバーガラス6をカメラケーシングから突出させる必要がなくなる。
【0046】
なお、非テレセントリック系の対物光学系では、一般に、その射出瞳位置が対物光学系の中またはその近くにある。そのため、射出瞳から射出する軸外光束が対物光学系1の光軸となす角は、空気中で、最大+/−10度程度にもなる。従って、この軸外光束が、コンデンサレンズとして機能するレンズ面2cより物体側に置かれている第1プリズム2の各反射面において、全反射条件を満たすかどうか検証しておく必要がある。本第1実施形態の場合、前述の通りダハ面2bを構成する各反射面の法線とファインダ光軸lとが成す角は50.1度であり、ダハ面2bで偏向されたファインダ光軸lと第1面2aの法線とのなす角は50度である。ここで、空気中において対物光学系1の光軸と軸外光束とがなす角度+/-10度は、屈折率1.5のプリズム中では、+/-6.7(=10/1.5)度に相当する。軸外光束とダハ面2bを構成する各反射面の法線とが成す角(入射角)は、最小でも43.4度である。また、軸外光束と第1面2aとが成す角(入射角)は、最小でも41.8度である。従って、何れ反射面に関しても、軸外光束の入射角は全反射の臨界角41.8度より充分に大きいので、軸外光束を含む全ての光束を全反射可能であると、確認できる。
【0047】
なお、本第1実施形態では第1プリズム2の第1面2aに対して第2面2bを構成するダハ面の稜線がなす角度θ1を25度とした。この角度は若干の変更が可能であるが、その範囲は23.5<θ1<26.5であることが好ましい。角度θ1が23.5度以下であると、上述のような軸外光束がケラれる恐れがあり、26.5度以上であると第1プリズム2を大きくしなければならない。
【0048】
また、本第1実施形態においては、第1プリズム2の第2面2bをダハ面として構成したが、この第2面2bを平面とするとともに、第2プリズム2の第2面4bをダハ面として形成しても良い。この場合、第1プリズム2の第2面2bは、光束に対する全反射条件を満たさなくなるためにアルミニウムによる反射コーティングが必要となるが、ダハ面として構成された第2プリズム4の第2面2bは、光束に対する全反射条件を満たすようになるので、反射コーティングは不要となる。
【0049】
ダハ面を有するプリズムは、ダハ面を有さないプリズムよりもサイズが大きくなるが、第1プリズム2は、第2プリズム4に比して上下方向の厚さが薄くて済むので、第1プリズム2の第2面2bにダハ面を形成すれば、そのサイズを大きくしてファインダ光軸lを長くする必要が、あまりない。これに対して、第2プリズム4の第2面4bは、対物光学系1による被写体像の結像位置(視野枠3の位置)により近いので、第2プリズム4の第2面4bにダハ面を形成すれば、ダハ面の各反射面の相対角度の精度を緩くすることができる。
【0050】
【実施形態2】本発明の第2実施形態は、第2プリズム14の小型化及び第3面14cの反射コーティングを不要にすることを目的に、第1実施形態を改良したものである。即ち、上述した第1実施形態による第1プリズム2の第1面2aは、対物光学系1の光軸に対して略直交するように配置されている。従って、この第1面2aに対する全反射条件を満たすべくこの第1面2aに再入射する光束の入射角を50度にすると、この第1面2aから第3面2cを通って第2プリズム4に至るファインダ光軸の対物光学系1の光軸に対する角度も必然的に50度となり、上述したように、第2プリズム4が大型化し、第3面4cに対する入射光束の全反射条件が満たされなくなってしまう。そのため、本実施形態では、第1プリズム12の入射面である第1面12aの直前に補正プリズム11を配置することで、対物光学系1の光軸と第1面12aとの直交条件を外し、第2面12bを構成する各ダハ面の各反射面及び第1面12aに対する再入射光束の全反射条件を満たしつつ、第1面12aから第3面12cを通って第2プリズム14に至るファインダ光軸の対物光学系1の光軸に対する角度を45度とし、これにより、第2プリズム14の第1面14aに対する再入射光束の全反射条件を満たしつつ第3面14cに対する入射光束の全反射条件をも満たすように、改良を行っているのである。
【0051】
図2は、本発明の第2実施形態による実像式ファインダ光学系の平面図であり、図における上下を前後方向(被写体と撮影者の目とを結ぶ方向であって、被写体側が前方となる)としている。この図2に示されるように、本第2実施形態による実像式ファインダ光学系は、物体側から順に、対物光学系1,補正プリズム11,第1プリズム12,コンデンサレンズ13,第2プリズム14,接眼レンズ5,及び、カバーガラス6から、構成されている。なお、対物光学系1,接眼レンズ5及びカバーガラス6は、上記した第1実施形態のものと全く同じものであるので、その説明を省略する。
【0052】
補正プリズム11は、その前面と光軸lとの交点における接平面と後面とのなす角度が3度である光学楔であり、その前面と後面とが狭まる側を、第1プリズム12における第1面12aと第2面12bとが狭まる側に向けている。そして、この補正プリズム11の前面11aには、対物光学系1の一部をなす負のパワーを持つ凹面が形成され、光軸lとの交点における接平面と光軸lとが略直交するように配置されている。
【0053】
第1プリズム12の第1面12aは、補正プリズム11の後面11bに対して空気層を挟んで平行に配置されている。補正プリズム11は、第1プリズム12の第1面12aによって偏向される光軸を補正すべく、これと逆方向に等しい角度で光軸を偏向するよう楔の角度が設定されている。この第1プリズム12は、屈折率1.5の透明樹脂から、形成されている。従って、この第1プリズム2の内面反射における全反射条件は、臨界角θ=41.8度となる。また、樹脂加工品とすることで、安価に加工可能となる。この第1プリズム12の側面は、上述した第1面12aと、第1面12aに対して22.5度傾いた稜線12dを境として直角に接する一対の反射面を有するダハ面からなる第2面12bと、第1面12aと第2面12bとが離反する側において第1面12aに対して48度の角度で隣接した出射面としての第3面12cとを、備えている。
【0054】
この第1プリズム12の第2面12bを構成するダハ面の稜線12dは、第1面12aに対して22.5度傾いており、この第1面12a自体は対物光学系1の光軸を法線とする面に対して3度傾いている。即ち、第1面12aは第2面12bと同じ傾斜方向に傾斜している。従って、この稜線12dは、ファインダ光軸lに対しては64.5度傾いている。また、これら稜線12d及びファインダ光軸lを含む面に対して、ダハ面を構成する各反射面は、45度づつ傾いている。以上により、各反射面の法線とファインダ光軸lとがなす角度は、50.4度となる。従って、対物光学系1から出射されて補正プリズム11を透過して第1面12aからこの第1プリズム12内に入射した光束は、50.4度前後の入射角で、この第2面12bを構成するダハ面の各反射面に入射することになる。この入射角50.4度は、上述した全反射条件を満たしているので、第2面12bに入射した光束はダハ面によって上下に反転されつつ全反射され、ファインダ光軸lは図2の面内にて物体側へ51度折り曲げられる。
【0055】
このように折り曲げられたファインダ光軸lと第1面12aの法線とがなす角度は48度であるので、第2面12bにて反射された光束は、48度前後の入射角で第1面12aに再入射することになる。この入射角48度の場合、全反射条件に対する余裕量は6.2度となり、最も軸外の光線まで考慮すると十分ではないが、大部分の軸外光束を全反射させ、ファインダ光軸lは図2の面内にて接眼側へ96度折り曲げられる。
【0056】
このように折り曲げられたファインダ光軸lは、対物光学系1の光軸に対して45度傾いている。この光軸に対して第3面12cは直交しているので、第1面12aにて全反射された光束は、この第3面12cを通り抜けて、コンデンサレンズ13に入射する。
【0057】
このコンデンサレンズ13は、対物光学系1によって形成された被写体の正立実像が形成されるピント面13aが後面に形成された平凸レンズである。このコンデンサレンズ13は、対物光学系1の射出瞳と接眼レンズ5の入射瞳を一致させるよう機能する。
【0058】
上述した第2プリズム14は、図2の面内にその底面が存在する多角柱形状を有している。この第2プリズム14の側面は、コンデンサレンズ13を挟んで第1プリズム12の第3面12cと対向し且つファインダ光軸lに対して略直交する様に配置される入射面としての第1面14aと、第1面14aに対して22.5度の角度をなして対向することによって第1面14aを透過した光軸を物体側に45度折り曲げる反射面としての第2面14bと、第2面14bから第1面14aに再入射することによって反射された光束を更に接眼側へ90度全反射する第3面14cと、第3面14cに対して45度の角度をなして隣接するとともに第2面14bに対して不連続に隣接する出射面としての第4面14dとを、備えている。この第2プリズム14も、屈折率1.5前後の透明な樹脂から、成形されている。従って、この第2プリズム14の内面反射における全反射条件も、臨界角θ=41.8度となる。
【0059】
この第2プリズム4の第1面14aを通り抜けたファインダ光軸lと第2面14bの法線とがなす角度は22.5度であるので、入射する光束に対する全反射条件を満たしていない。そのため、この第2面14bには、アルミニウムによる反射コーティングが施されている。この第2面14bによって、ファインダ光軸lは、対物光学系1の光軸と平行に物体側へ折り曲げられる。この第2面14bによって折り曲げられたファインダ光軸lと第1面14aの法線とがなす角度は45度であるので、この第1面14aに入射する光束の入射角は45度前後となる。ここで、第2プリズム14に入射する軸外光束は、コンデンサーレンズ13によりほぼテレセントリックにされる。接眼レンズ5は、射出瞳をレンズ後方(目側)焦点位置前後に設定するため、入射側テレセントリックに近いものとなる。よって、第2プリズム14に入射する軸外光束の入射角は空気中でも+/-5度程度と小さく、更に、屈折率1.5のプリズム中では+/-3.3度程度となるので、最も軸外の光線でも第1面14aに対する入射角が41.7度となるので、ほぼ全反射条件を満たす。従って、この第1面14aに再入射した光束は、第3面14cに向けて全反射される。この第1面14aによって、ファインダ光軸lは、対物光学系1の光軸に略直交する方向へ折り曲げられる。この第1面14aによって折り曲げられたファインダ光軸lと第3面14cの法線とがなす角度は45度であるので、この第3面14cに入射する光束の入射角は45度前後となり、全反射条件を満たす。従って、この第3面14cに再入射した光束は、第4面14dに向けて全反射される。この第3面14cによって、ファインダ光軸lは、対物光学系1の光軸と平行に接眼側へ折り曲げられる。この第3面14cによって折り曲げられたファインダ光軸lと第4面14dとがなす角度は略90度であるので、この第4面14dに入射した光束はこの第4面14dを透過する。この第4面14dは、前後方向において第2面14bの物体側縁とほぼ同位置にある。
【0060】
以上のように構成された本第2実施形態の実像式ファインダ光学系によると、前後方向(対物光学系1の光軸と平行な方向)において、第2プリズム14の第4面14dは、第2面14bよりも物体側に位置している。従って、接眼レンズ5の視度調整範囲αは、対物光学系1から第2プリズム14の第4面14dに至る光路と、前後方向(対物光学系1の光軸と平行な方向)において重複している。従って、実像式ファインダ光学系全体の前後方向における全長を、従来のものよりも短くすることができ、カバーガラス6をカメラケーシングから突出させる必要がなくなる。また、補正プリズム11を挿入することによって第1プリズム12の第4面12cから第2プリズム14の第1面14aに向かうファインダ光軸lの対物光学系1の光軸に対する角度を45度にすることができるので、第2プリズム14内において第1面14aへの再入射光の全反射条件とともに第3面14cへの入射光の全反射条件を満たすことができる。従って、この第3面14cに対する反射コーティングを省略することができる。
【0061】
なお、本第2実施形態においては、第1プリズム12の第2面12bをダハ面として構成したが、この第2面12bを平面とするとともに、第2プリズム14の第2面14bをダハ面として形成しても良い。この場合、第1プリズム12の第2面12bは、光束に対する全反射条件を満たさなくなるためにアルミニウムによる反射コーティングが必要となるが、ダハ面として構成された第2プリズム14の第2面12bは、光束に対する全反射条件を満たすようになるので、反射コーティングは不要となる。
【0062】
ダハ面を有するプリズムは、ダハ面を有さないプリズムよりもサイズが大きくなるが、第1プリズム12は、第2プリズム14に比して上下方向の厚さが薄くて済むので、第1プリズム12の第2面12bにダハ面を形成すれば、そのサイズを大きくしてファインダ光軸lを長くする必要が、あまりない。これに対して、第2プリズム14の第2面14bは、対物光学系1による被写体像の結像位置(視野枠3の位置)により近いので、第2プリズム14の第2面14bにダハ面を形成すれば、ダハ面の各反射面の相対角度の精度を緩くすることができる。
【0063】
【実施形態3】本発明の第3実施形態は、上記した第2実施形態と比較して、第2プリズム14の第3面14cの機能を分離して平面鏡27に置き換えたものである。
【0064】
図3は、本発明の第3実施形態による実像式ファインダ光学系の平面図であり、図における上下を前後方向(被写体と撮影者の目とを結ぶ方向であって、被写体側が前方となる)としている。この図3に示されるように、本第3実施形態による実像式ファインダ光学系は、物体側から順に、対物光学系1,補正プリズム11,第1プリズム12,コンデンサレンズ13,第2プリズム24,平面鏡27,接眼レンズ25,及び、カバーガラス26から、構成されている。なお、対物光学系1,補正プリズム11,第1プリズム12,及びコンデンサレンズ13は、上記した第2実施形態のものと全く同じものであるので、その説明を省略する。
【0065】
上述した第2プリズム24は、図3の面(所定面)内にその底面が存在する四角柱形状を有している。この第2プリズム24の側面は、コンデンサレンズ13を挟んで第1プリズム12の第3面12cと対向し且つファインダ光軸lに対して略直交する様に配置される入射面としての第1面24aと、第1面24aに対して22.5度の角度をなして対向することによって第1面24aを透過したファインダl光軸を物体側に45度折り曲げる反射面としての第2面24bと、第2面24bから第1面24aに再入射することによって全反射された光束を出射するためにこの第1面24aに対して45度角度をなして隣接する第3面24cとを、備えている。この第2プリズム24も、屈折率1.5前後の透明な樹脂から、成形されている。従って、この第2プリズム24の内面反射における全反射条件も、臨界角θ=41.8度となる。
【0066】
この第2プリズム24の第1面24aを通り抜けたファインダ光軸lと第2面24bの法線とがなす角度は22.5度であるので、入射する光束に対する全反射条件を満たしていない。そのため、この第2面24bには、アルミニウムによる反射コーティングが施されている。この第2面24bによって、ファインダ光軸lは、対物光学系1の光軸と平行に物体側へ折り曲げられる。この第2面24bによって折り曲げられたファインダ光軸lと第1面24aの法線とがなす角度は45度であるので、この第1面24aに入射する光束の入射角は45度前後となる。ここで、第2プリズム24に入射する軸外光束は、コンデンサーレンズ13によりほぼテレセントリックにされる。接眼レンズ25は、射出瞳をレンズ後方(目側)焦点位置前後に固定されるため、入射側テレセントリックに近いものとなる。よって、第2プリズム24に入射する軸外光線の入射角は空気中でも+/-5度程度と小さく、更に、屈折率1.5のプリズム中では+/-3.3度程度となるので、最も軸外の光線でも第1面24aに対する入射角が41.7度となるので、ほぼ全反射条件を満たす。従って、この第1面24aに再入射した光束は、第3面24cに向けて全反射され、ファインダ光軸lは、対物光学系1の光軸に略直交する方向へ折り曲げられる。この第1面24aによって折り曲げられたファインダ光軸lと第3面24cとがなす角度は略90度であるので、この第3面24cに入射した光束はこの第3面24cを全透過する。
【0067】
上述した平面鏡27は、第2プリズム24の第3面24cを通り抜けたファインダ光軸lに対して45度傾いて交わって、このファインダ光軸lを対物光学系1の光軸と平行に接眼側へ折り曲げる。従って、平面鏡27は、第2プリズム24の第3面24cを通り抜けた光軸を接眼側へ90度折り曲げる。この平面鏡27の接眼側縁は、第2プリズム24の第2面24bの物体側縁(第3面24cとの縁)に対して、前後方向においてほぼ同位置に存している。また、ピント面13a上に形成された被写体像を拡大する接眼レンズ25は、平面鏡27によって折り曲げられたファインダ光軸lと略同軸に、平面鏡27に対して相対的に固定されている。そして、この平面鏡27及び接眼レンズ25が、それらの相対的位置関係を維持しつつ、全体として、対物光学系1の光軸に略直交する方向(矢印β方向)へ移動する。これによって、接眼レンズ25のピント面13aに対する視度調節が行われる。なお、図示せぬカメラケーシングにはめ込まれたカバーガラス26は、この対物光学系1の移動範囲全体をカバーする幅を有している。
【0068】
以上のように構成された本第3実施形態によると、接眼レンズ25の視度調整は対物光学系1の光軸に略直交する方向に接眼レンズ25を移動することによって行われるので、対物光学系1の光軸と平行に接眼レンズ5の移動調整範囲を確保しておく必要がない。従って、カバーガラス26を更に物体側に近づけることができる。従って、第1実施形態及び第2実施形態と比較しても、更に、実像式ファインダ光学系の前後方向における全長を短くすることができる。
【0069】
なお、本第3実施形態においては、第1プリズム12の第2面12bをダハ面として構成したが、この第2面12bを平面とするとともに、第2プリズム24の第2面24b又は反射鏡27の反射面をダハ面として形成しても良い。この場合、第1プリズム12の第2面12bは、光束に対する全反射条件を満たさなくなるためにアルミニウムによる反射コーティングが必要となるが、ダハ面として構成された第2プリズム24の第2面24bは、光束に対する全反射条件を満たすようになるので、反射コーティングは不要となる。
【0070】
【実施形態4】本発明の第4実施形態は、上記した第3実施形態と比較して、第1プリズム12の第2面12bを平面とするとともに、第2プリズム24の第2面24bをダハ面として形成し、平面鏡27及び接眼レンズ25の機能を単一の接眼反射プリズム35で置き換えたものである。
【0071】
図4は、本発明の第4実施形態による実像式ファインダ光学系の平面図であり、図における上下を前後方向(被写体と撮影者の目とを結ぶ方向であって、被写体側が前方となる)としている。この図4に示されるように、本第4実施形態による実像式ファインダ光学系は、物体側から順に、対物光学系1,補正プリズム41,第1プリズム32,コンデンサレンズ13,第2プリズム34,接眼反射プリズム35,及び、カバーガラス26から、構成されている。なお、対物光学系1,コンデンサレンズ13及びカバーガラス26は、上記した第3実施形態のものと全く同じものであるので、その説明を省略する。
【0072】
補正プリズム41は、その前面41aと後面41bとのなす角度が3度である光学楔であり、その前面41aと後面41bとが狭まる側を、第1プリズム32における第1面32aと第2面32bとが狭まる側に向けている。そして、この補正プリズム41の前面41aと光軸lとは略直交するように配置されている。
【0073】
第1プリズム32の第1面32aは、補正プリズム41の後面41bに対して空気層を挟んで平行に配置されている。この第1プリズム32は、屈折率1.5の透明樹脂から、形成されている。従って、この第1プリズム32の内面反射における全反射条件は、臨界角θ=41.8度となる。この第1プリズム32は、図4の面(所定面)内にその底面が存在する略四角柱形状を有している。この第1プリズム32の側面は、上述した第1面32aと、第1面32aに対して22.5度傾いて対向する反射面である第2面32bと、第1面32aと第2面32bとが離反する側において第1面32aに対して48度の角度で隣接した出射面としての第3面32cとを、備えている。
【0074】
対物光学系1から出射されて補正プリズム41を透過して第1面32aからこの第1プリズム32内に入射した光束は、25.5度前後の入射角で、この第2面32bに入射する。この入射角25.5度は、上述した全反射条件を満たしていないので、この第2面32bにはアルミニウムによる反射コーティングが施されている。その結果、この第2面32bに入射した光束は反射され、ファインダ光軸lは図4の面内にて物体側へ51度折り曲げられる。
【0075】
このように折り曲げられたファインダ光軸lと第1面32aの法線とがなす角度は48度であるので、第2面32bにて反射された光束は、48度前後の入射角で第1面32aに再入射することになる。この入射角48度前後は第2実施形態又は第3実施形態の場合と同様に、全反射条件を満たしているので、第1面32aに再入射した光束は全反射され、ファインダ光軸lは図1の面内にて接眼側へ96度折り曲げられる。
【0076】
このように折り曲げられたファインダ光軸lは、対物光学系1の光軸に対して45度傾いている。この光軸に対して第3面32cは略直交しているので、第1面32aにて全反射された光束は、この第3面32cを通り抜けて、コンデンサレンズ13に入射する。
【0077】
第2プリズム34の側面は、コンデンサレンズ13を挟んで第1プリズム32の第3面32cと対向し且つファインダ光軸lに対して略直交する様に配置される入射面としての第1面34aと、この第1面34aに対して22.5度傾いた稜線34dを境として直角に接する一対の反射面を有するダハ面からなる第2面34bと、第1面34aと第2面34bとが離反する側において第1面34aに対して45度の角度で隣接した出射面としての第3面34cとを、備えている。この第2プリズム34も、屈折率1.5前後の透明な樹脂から、成形されている。従って、この第2プリズム34の内面反射における全反射条件も、臨界角θ=41.8度となる。
【0078】
コンデンサレンズ13のピント面13a上に一旦被写体の実像(倒立像)を結んだ光束は、第1面34aを通って第2プリズム34内に入射する。この第2プリズム34の第2面34bを構成するダハ面の稜線34dは、第1面34aに対して22.5度傾いているので、ファインダ光軸lに対しては67.5度傾いている。また、これら稜線34d及びファインダ光軸lを含む面に対して、ダハ面の各反射面は、45度づつ傾いている。以上により、各反射面の法線とファインダ光軸lとがなす角度は、50.4度となる。従って、ピント面13aから出射されて第1面34aからこの第2プリズム34内に入射した光束は、50.4度前後の入射角で、この第2面34bを構成するダハ面の各反射面に入射することになる。この入射角50.4度は、上述した全反射条件を満たしているので、第2面34bに入射した光束はダハ面によって上下に反転されつつ全反射され、ファインダ光軸lは図4の面内にて、対物光学系1の光軸と平行に物体側へ45度折り曲げられる。この第2面34bによって折り曲げられたファインダ光軸lと第1面34aの法線とがなす角度は45度であるので、この第1面34aに入射する光束の入射角は45度前後となり、全反射条件を満たす。従って、この第1面34aに再入射した光束は、第3面34cに向けて全反射され、ファインダ光軸は、対物光学系1の光軸に略直交する方向へ折り曲げられる。この第1面24aによって折り曲げられたファインダ光軸lと第3面34cとがなす角度は略90度であるので、この第3面34cに入射した光束はこの第3面34cを透過する。
【0079】
上述した接眼反射プリズム35は、第2プリズム34の第3面34cに対向した入射面35aと、この入射面35aを通り抜けたファインダ光軸lを接眼側へ90度折り曲げる反射面35bと、この反射面35bにて折り曲げられたファインダ光軸l上に存する出射面35cとを、有する。これら入射面35a及び出射面35cは、夫々ファインダ光軸l上に曲率中心が存する正のパワーを有しており、全体として、ピント面13a上の被写体の実像を観察するための接眼レンズとして機能する。なお、この接眼反射プリズム35を介して観察される被写体の像(虚像)は、正立像である。また、ファインダ光軸lと反射面35bの法線とがなす角度は45度であるので、反射面35bは、入射光束に対する全反射条件を満たす。この接眼反射プリズム35は、全体として、対物光学系1の光軸に略直交する方向(矢印β方向)へ移動する。これによって、接眼反射プリズム35のピント面13aに対する視度調節が行われる。
【0080】
以上のように構成された本第4実施形態によると、接眼反射プリズム35の視度調整は対物光学系1の光軸に略直交する方向に接眼反射プリズム35を移動して行われるので、対物光学系1の光軸と平行に接眼反射プリズム35の移動調整範囲を確保しておく必要がない。従って、カバーガラス6を更に物体側に近づけることができる。従って、第1実施形態及び第2実施形態と比較しても、更に、実像式ファインダ光学系の前後方向における全長を短くすることができる。また、接眼レンズ及び反射鏡の機能を単一部材である接眼反射プリズム35にて実現できるので、製造コストの節約になる。
【0081】
なお、本第4実施形態においては、第2プリズム34の第2面34bをダハ面として構成したが、この第2面34bを平面とするとともに、第1プリズム32の第2面32bをダハ面として形成しても良い。この場合、第2プリズム34の第2面34bは、光束に対する全反射条件を満たさなくなるためにアルミニウムによる反射コーティングが必要となるが、ダハ面として構成された第1プリズム32の第2面32bは、光束に対する全反射条件を満たすようになるので、反射コーティングは不要となる。さらに、第2プリズム34の第2面34bを平面とするとともに、接眼反射プリズム35の反射面35bをダハ面として形成しても良い。
【0082】
【実施形態5】本発明の第5実施形態は、上記した第2実施形態と比較して、補正プリズム11及び第1プリズム12の機能を、ファインダ光軸lを対物光学系1の光軸に対して45度傾けるための単一のプリズム(第1プリズム42)で置き換えるとともに、コンデンサレンズ13の向きを逆さにしたものである。
【0083】
図5は、本発明の第5実施形態による実像式ファインダ光学系の平面図であり、図における上下を前後方向(被写体と撮影者の目とを結ぶ方向であって、被写体側が前方となる)としている。また、図6は、図5における第1プリズム42及び第2プリズム14の斜視図である。
【0084】
図5に示されるように、本第5実施形態による実像式ファインダ光学系は、物体側から順に、対物光学系1,第1プリズム42,コンデンサレンズ23,第2プリズム14,接眼レンズ5,及び、カバーガラス6から、構成されている。なお、対物光学系1,第2プリズム14,接眼レンズ5及びカバーガラス6は、上記した第2実施形態のものと全く同じものであるので、その説明を省略する。
【0085】
上述した第1プリズム42は、対物光学系1の出射面に対向し且つファインダ光軸lに対して略直交している第1面42aと、第1面42aに対して45度の角度をなして隣接する第2面42bと、第2面42bに対して22.5度の角度をなし且つ第1面42aに対して112.5度の角度をなして交わる稜線を境に直角に交わる一対の反射面を有するダハ面からなる第3面42cとを、有している。この第1プリズム42も、屈折率1.5前後の透明な樹脂から、成形されている。従って、この第1プリズム42の内面反射における全反射条件も、臨界角θ=41.8度となる。
【0086】
第1プリズム42の第2面42bの法線とファインダ光軸lとがなす角度は45度であるので、ファインダ光軸lは側方に90度折り曲げられる。但し、非テレセントリック系である対物光学系1から射出されて第1面42aから第1プリズム42内に入射した光束のうち、第2面42bにおけるファインダ光軸lを境として物体側の領域を通るものには、第2面42bに対する入射角が全反射条件を満たさないものが存在する。そのため、ファインダ光軸lを境として第2面42b上における第3面42cから離れた領域42bbには、アルミニウムによる反射コーティングが施されている(この領域であれば、後述する第3面42cにて反射された光束がケラれることもない。)。
【0087】
第1プリズム42の第3面42cを構成するダハ面の稜線42dは、第2面42bに対して22.5度傾いているので、ファインダ光軸lに対しては67.5度傾いている。また、これら稜線42d及びファインダ光軸lを含む面に対して、ダハ面を構成する各反射面は、45度づつ傾いている。以上により、各反射面の法線とファインダ光軸lとがなす角度は、50.4度となる。従って、第2面42bにて反射された光束は、50.4度前後の入射角で、この第3面34cを構成するダハ面の各反射面に入射することになる。この入射角50.4度は、上述した全反射条件を満たしているので、第3面42cに入射した光束はダハ面によって上下に反転されつつ全反射され、ファインダ光軸lは図5の面内にて接眼側へ45度折り曲げられる。この第3面42cによって折り曲げられたファインダ光軸lと第2面42bとがなす角度は略90度であるので、第3面42cから第2面42bに再入射した光束は、この第2面42bを透過する。
【0088】
第1プリズム42の第2面42bに対向し且つファインダ光軸lと略同軸に位置するコンデンサレンズ23は、対物光学系1による被写体の実像(正立像)が形成されるピント面23aを有する平凸レンズである。このコンデンサレンズ23は、対物光学系1の射出瞳と接眼レンズ5の入射瞳とを一致させるよう機能する。
【0089】
このコンデンサレンズ23を透過した光束は第2プリズム14内に入射し、この第2プリズム14内をファインダ光軸lに沿って透過し、第4面14dから射出される。第2プリズム14から射出された光束が透過する接眼レンズ5は、ピント面23a上に形成された被写体像を拡大するレンズである。この接眼レンズ5は、ファインダ光軸lに沿って移動調整されることによって視度調整される。
【0090】
以上のように構成された本第5実施形態の実像式ファインダ光学系によると、前後方向(対物光学系1の光軸と平行な方向)において、第2プリズム14の第4面14dは、第2面14bよりも物体側に位置している。従って、接眼レンズ5の視度調整範囲αは、対物光学系1から第2プリズム14の第4面14dに至る光路と、前後方向(対物光学系1の光軸と平行な方向)において重複している。従って、この重複によるファインダー光学系全体の前後方向の小型化を利用しつつ、第2実施形態に比べて前後方向においてやや長くなるが横方向においての小型化を重視した構成となっている。
【0091】
【実施形態6】本発明の第6実施形態は、図7の平面図に示すように、上述した第5実施形態における第2プリズム14,接眼レンズ5及びカバーガラス6の代わりに、上述した第3実施形態における第2プリズム24,平面鏡27,接眼レンズ25及びカバーガラス26を組み込んだものである。本第6実施形態における作用は、第5実施形態のものと第3実施形態のものと全く同じであるので、その説明を省略する。
【0092】
【実施形態7】図8は、本発明の第7実施形態による実像式ファインダ光学系の平面図であり、図における上下を前後方向(被写体と撮影者の目とを結ぶ方向であって、被写体側が前方となる)としている。
【0093】
この図8に示されるように、本第7実施形態による実像式ファインダ光学系は、物体側から順に、対物光学系1,第1プリズム52,視野枠3,第2プリズム54,接眼レンズ5,及び、カバーガラス6から、構成されている。対物光学系1の光軸と接眼レンズ5の光軸とは互いに平行である。なお、対物光学系1,視野枠3,接眼レンズ5及びカバーガラス6は、上記した第1実施形態のものと全く同じであるので、その説明を省略する。
【0094】
第1プリズム52の側面は、対物光学系1に対向し且つファインダ光軸lに対して略直交する様に配置される入射面としての第1面52aと、第1面52aに対して24度傾いた第2面52bと、第1面52aと第2面52bとが離反する側において第1面52aに対して48度の角度で隣接している出射面としての第3面52cとを、備えている。この第1プリズム52は、屈折率1.5の透明樹脂から、成形されている。従って、この第1プリズム52の内面反射における全反射条件は、臨界角θ=41.8度(=sin−11/1.5)となる。また、樹脂系成型品とすることで、安価に加工可能となる。
【0095】
対物光学系1から出射されて第1面52aからこの第1プリズム52内に入射した光束は、24度前後の入射角で、この第2面52bに入射する。この入射角24度は、上述した全反射条件を満たしていないので、この第2面52bにはアルミニウムによる反射コーティングが施されている。その結果、この第2面52bに入射した光束は反射され、ファインダ光軸lは図8の面内にて物体側へ48度折り曲げられる。
【0096】
このように折り曲げられたファインダ光軸lと第1面52aの法線とがなす角度は48度であるので、第2面52bにて反射された光束は、48度前後の入射角で第1面52aに再入射することになる。この入射角48度は全反射条件を満たしているので、第1面52aに再入射した光束は全反射され、ファインダ光軸lは図8の面内にて第3面52cへ向けて96度折り曲げられる。
【0097】
この第3面52cにおけるファインダ光軸lを中心とした略矩形領域には、ファインダ光軸l上に曲率中心を有する正のパワーのレンズ面52eが形成されている。なお、レンズ面52eとファインダ光軸lの交点におけるレンズ面52eの接平面とファインダ光軸lは、略直交している。従って、ファインダ光軸lは折り曲げられることなくレンズ面52eを通り抜ける。そして、正のパワーを持つレンズ面52eは対物光学系1の射出瞳と接眼レンズ5の入射瞳とを一致させるコンデンサーレンズとして機能している。
【0098】
第2プリズム54の側面は、視野枠3を挟んで第1プリズム52の第3面52cと対向し且つファインダ光軸lに対して略直交する様に配置される入射面としての第1面54aと、第1面54aの接眼側の縁に対して22.5度傾いた稜線54eを境として直角に接する一対の反射面を有するダハ面からなる第2面54bと、第1面54aの物体側の縁に対して88.5度の角度をなして隣接する反射面としての第3面54cと、第3面54cの接眼側の縁に対して45度の角度をなして隣接する出射面としての第4面54dとを、備えている。この第2プリズム54も、屈折率1.5の透明樹脂から、成形されている。従って、この第2プリズム54の内面反射における全反射条件も、臨界角θ=41.8度となる。また、樹脂成型品とすることで、安価に加工可能となる。
【0099】
この第2プリズム54の第1面54aを通り抜けるファインダ光軸lは、対物光学系1の光軸に対して48度傾いているので、第1面54aは、対物光学系1の光軸に対して42度傾斜して配置される。この第1面54aから第2プリズム54内に入射した光束は、第2面54bに入射する。第2プリズム54の第2面54bを構成するダハ面の稜線54eは、第1面54aに対して22.5度傾いているので、ファインダ光軸lに対しては67.5度傾いている。また、これら稜線54e及びファインダ光軸lを含む面に対して、ダハ面を構成する各反射面は、45度づつ傾いている。以上により、各反射面の法線とファインダ光軸lとがなす角度は、50.4度となる。従って、対物光学系1から出射されて第1面54aからこの第2プリズム54内に入射した光束は、50.4度前後の入射角で、この第2面54bを構成するダハ面の各反射面に入射することになる。この入射角50.4度は、上述した全反射条件を満たしているので、第2面54bに入射した光束はダハ面によって上下に反転されつつ全反射され、ファインダ光軸lは図8の面内にて物体側へ45度折り曲げられる。この第2面54bによって折り曲げられたファインダ光軸lと第1面54aの法線とがなす角度は45度であるので、この第1面54aに入射する光束の入射角は45度前後となる。ここで、第2プリズム54に入射する軸外光束は、第1プリズム52のレンズ面52eによりほぼテレセントリックにされる。接眼レンズ5は、射出瞳をレンズ後方(目側)焦点位置前後に設定するため、入射側テレセントリックに近いものとなる。よって、第2プリズム54に入射する軸外光束の入射角は空気中でも+/-5度程度と小さく、更に、屈折率1.5のプリズム中では+/-3.3度程度となるので、最も軸外の光線でも第1面54aに対する入射角が41.7度となるので、ほぼ全反射条件を満たす。従って、この第1面54aに再入射した光束は、第3面54cに向けて全反射される。この第1面54aによって、ファインダ光軸lは90度折り曲げられる。この第1面54aによって折り曲げられたファインダ光軸lと第3面54cの法線とがなす角度は43.5度であるので、この第3面54cに入射する光束の入射角は43.5度前後となり、全反射条件を満たしていない。そのため、この第3面54cにはアルミニウムによる反射コーティングが施されている。この第3面54cによって、ファインダ光軸lは、対物光学系1の光軸と平行となる様に87度の角度で接眼側へ折り曲げられる。この第3面54cによって折り曲げられたファインダ光軸lと第4面54dとがなす角度は略90度であるので、この第4面54dに入射した光束はこの第4面54dを透過する。
【0100】
【実施形態8】本発明の第8実施形態は、上記した第7実施形態と比較して、第1プリズム52からレンズ面52eの機能を分離してコンデンサレンズ13に置き換えるとともに、第2プリズム54の第2面54bを平面とする一方、第2プリズム54の第3面54cをダハ面として形成たものである。
【0101】
図9は、本発明の第9実施形態による実像式ファインダ光学系の平面図であり、図における上下を前後方向(被写体と撮影者の目とを結ぶ方向であって、被写体側が前方となる)としている。この図9に示されるように、本第8実施形態による実像式ファインダ光学系は、物体側から順に、対物光学系1,第1プリズム62,コンデンサレンズ13,第2プリズム64,接眼レンズ5,及び、カバーガラス6から、構成されている。なお、対物光学系1,接眼レンズ5及びカバーガラス6は上記した第1実施形態のものと全く同じものであり、コンデンサレンズ13は上記した第2実施形態のものと全く同じものであるので、その説明を省略する。また、第1プリズム62も、第3面62cがファインダ光軸と直交する平面であること以外は上記した第7実施形態のものと全く同じものであるので、その説明を省略する。
【0102】
第2プリズム64の側面は、コンデンサレンズ13を挟んで第1プリズム62の第3面62cと対向し且つファインダ光軸lに対して略直交する様に配置される入射面としての第1面64aと、第1面64aに対して22.5度の角度をなして対向することによって第1面64aを透過したファインダ光軸lを物体側に45度折り曲げる反射面としての第2面64bと、第1面64aの物体側の縁に対して88.5度傾いた稜線64eを境として直角に接する一対の反射面を有するダハ面からなる第3面64cと、稜線64eに対して43.5度傾いた出射面としての第4面64dとを、備えている。この第2プリズム64も、屈折率1.5前後の透明な樹脂から、成形されている。従って、この第2プリズム64の内面反射における全反射条件も、臨界角θ=41.8度となる。
【0103】
この第2プリズム64の第1面64aを通り抜けたファインダ光軸lと第2面64bの法線とがなす角度は22.5度であるので、入射する光束に対する全反射条件を満たしていない。そのため、この第2面64bには、アルミニウムによる反射コーティングが施されている。この第2面64bによって、ファインダ光軸lは、物体側へ折り曲げられる。この第2面64bによって折り曲げられたファインダ光軸lと第1面64aの法線とがなす角度は45度であるので、この第1面64aに入射する光束の入射角は45度前後となる。ここで、第2プリズム64に入射する軸外光束は、コンデンサーレンズ13によりほぼテレセントリックにされる。接眼レンズ5は、射出瞳をレンズ後方(目側)焦点位置前後に固定されるため、入射側テレセントリックに近いものとなる。よって、第2プリズム64に入射する軸外光線の入射角は空気中でも+/-5度程度と小さく、更に、屈折率1.5のプリズム中では+/-3.3度程度となるので、最も軸外の光線でも第1面64aに対する入射角が41.7度となるので、ほぼ全反射条件を満たす。従って、この第1面64aに再入射した光束は、第3面64cに向けて全反射され、ファインダ光軸lは、対物光学系1の光軸に略直交する方向へ折り曲げられる。
【0104】
第1面64aによって反射された光束は第3面64cに入射する。この第3面64cを構成するダハ面の稜線64eは、第1面62aに対して88.5度傾いているので、ファインダ光軸lに対しては46.5度傾いている。また、これら稜線64e及びファインダ光軸lを含む面に対して、ダハ面の各反射面は、45度づつ傾いている。以上により、各反射面の法線とファインダ光軸lとがなす角度は、59.1度となる。従って、第1面64aによって反射された光束は、59.1度前後の入射角で、この第3面64cを構成するダハ面の各反射面に入射することになる。この入射角59.1度は、上述した全反射条件を満たしているので、第3面64cに入射した光束はダハ面によって上下に反転されつつ全反射され、ファインダ光軸lは図9の面内にて、対物光学系1の光軸と平行になるように、87度の角度で接眼側へ折り曲げられる。この第3面64cによって折り曲げられたファインダ光軸lと第4面64dとがなす角度は略90度であるので、この第4面64dに入射した光束はこの第4面64dを全透過する。
【0105】
【実施形態9】本発明の第9実施形態は、上記した第5実施形態と比較して、第1プリズム42の第3面42cを平面とする一方、第2プリズム44の第2面14bをダハ面として形成したものである。
【0106】
図10は、本発明の第9実施形態による実像式ファインダ光学系の平面図であり、図における上下を前後方向(被写体と撮影者の目とを結ぶ方向であって、被写体側が前方となる)としている。
【0107】
図10に示されるように、本第9実施形態による実像式ファインダ光学系は、物体側から順に、対物光学系1,第1プリズム72,コンデンサレンズ23,第2プリズム74,接眼レンズ5,及び、カバーガラス6から、構成されている。なお、対物光学系1,接眼レンズ5及びカバーガラス6は上記した第1実施形態のものと全く同じものであり、コンデンサレンズ23は上記した第5実施形態のものと全く同じものであるので、その説明を省略する。
【0108】
上述した第1プリズム72は、対物光学系1の出射面に対向し且つファインダ光軸lに対して略直交している第1面72aと、第1面72aに対して45度の角度をなして隣接する第2面72bと、第2面72bに対して22.5度の角度をなして隣接する第3面72cとを、有している。この第1プリズム72も、屈折率1.5前後の透明な樹脂から、成形されている。従って、この第1プリズム72の内面反射における全反射条件も、臨界角θ=41.8度となる。
【0109】
第1プリズム72の第2面72bの法線とファインダ光軸lとがなす角度は45度であるので、ファインダ光軸lは側方に90度折り曲げられる。但し、非テレセントリック系である対物光学系1から射出されて第1面72aから第1プリズム72内に入射した光束のうち、第2面72bにおけるファインダ光軸lを境として物体側の領域を通るものには、第2面72bに対する入射角が全反射条件を満たさないものが存在する。そのため、ファインダ光軸lを境として第2面72b上における第3面72cから離れた領域72bbには、アルミニウムによる反射コーティングが施されている(この領域であれば、後述する第3面72cにて反射された光束がケラれることもない。)。第2面72bによって反射された光束は、25.5度前後の入射角で、第3面72cに入射する。この入射角25.5度は、上述した全反射条件を満たしていないので、この第3面72cにはアルミニウムによる反射コーティングが施されている。その結果、この第3面72cに入射した光束は反射され、ファインダ光軸lは図10の面内にて接眼側へ45度折り曲げられる。この第3面72cによって折り曲げられたファインダ光軸lと第2面72bとがなす角度は略90度であるので、第3面72cから第2面72bに再入射した光束は、この第2面72bを透過する。
【0110】
第2プリズム74の側面は、コンデンサレンズ23を挟んで第1プリズム72の第2面72bと対向し且つファインダ光軸lに対して略直交する様に配置される入射面としての第1面74aと、第1面74aの接眼側の縁に対して22.5度傾いた稜線74eを境として直角に接する一対の反射面を有するダハ面からなる第2面74bと、第1面74aの物体側の縁に対して90度の角度をなして隣接する反射面としての第3面74cと、第3面74cの接眼側の縁に対して45度の角度をなして隣接する出射面としての第4面74dとを、備えている。この第2プリズム74も、屈折率1.5の透明樹脂から、成形されている。従って、この第2プリズム74の内面反射における全反射条件も、臨界角θ=41.8度となる。また、樹脂成型品とすることで、安価に加工可能となる。
【0111】
この第2プリズム74の第1面74aを通り抜けるファインダ光軸lは、対物光学系1の光軸に対して45度傾いているので、第1面74aは、対物光学系1の光軸に対して45度傾斜して配置される。この第1面74aから第2プリズム74内に入射した光束は、第2面74bに入射する。第2プリズム74の第2面74bを構成するダハ面の稜線74eは、第1面74aに対して22.5度傾いているので、ファインダ光軸lに対しては67.5度傾いている。また、これら稜線74e及びファインダ光軸lを含む面に対して、ダハ面を構成する各反射面は、45度づつ傾いている。以上により、各反射面の法線とファインダ光軸lとがなす角度は、50.4度となる。従って、対物光学系1から出射されて第1面74aからこの第2プリズム74内に入射した光束は、50.4度前後の入射角で、この第2面74bを構成するダハ面の各反射面に入射することになる。この入射角50.4度は、上述した全反射条件を満たしているので、第2面74bに入射した光束はダハ面によって上下に反転されつつ全反射され、ファインダ光軸lは図10の面内にて物体側へ45度折り曲げられる。この第2面74bによって折り曲げられたファインダ光軸lと第1面74aの法線とがなす角度は45度であるので、この第1面74aに入射する光束の入射角は45度前後となる。ここで、第2プリズム74に入射する軸外光束は、コンデンサーレンズ23によりほぼテレセントリックにされる。接眼レンズ5は、射出瞳をレンズ後方(目側)焦点位置前後に設定するため、入射側テレセントリックに近いものとなる。よって、第2プリズム74に入射する軸外光束の入射角は空気中でも+/-5度程度と小さく、更に、屈折率1.5のプリズム中では+/-3.3度程度となるので、最も軸外の光線でも第1面74aに対する入射角が41.7度となるので、ほぼ全反射条件を満たす。従って、この第1面74aに再入射した光束は、第3面74cに向けて全反射される。この第1面74aによって、ファインダ光軸lは90度折り曲げられる。この第1面74aによって折り曲げられたファインダ光軸lと第3面74cの法線とがなす角度は45度であるので、この第3面74cに入射する光束の入射角は45度前後となり、上述した理由により全反射条件を満たす。従って、この第3面74cに再入射した光束は、第4面74dに向けて全反射される。この第3面74cによって、ファインダ光軸lは、対物光学系1の光軸と平行となる様に90度の角度で接眼側へ折り曲げられる。この第3面74cによって折り曲げられたファインダ光軸lと第4面74dとがなす角度は略90度であるので、この第4面74dに入射した光束はこの第4面74dを透過する。
【0112】
【実施形態10】本発明の第10実施形態は、上記した第9実施形態と比較して、第2プリズム74の第2面74bを平面とする一方、第3面72cをダハ面として形成したものである。
【0113】
図11は、本発明の第10実施形態による実像式ファインダ光学系の平面図であり、図における上下を前後方向(被写体と撮影者の目とを結ぶ方向であって、被写体側が前方となる)としている。
【0114】
図11に示されるように、本第10実施形態による実像式ファインダ光学系は、物体側から順に、対物光学系1,第1プリズム72,コンデンサレンズ23,第2プリズム84,接眼レンズ5,及び、カバーガラス6から、構成されている。なお、対物光学系1,第1プリズム72,コンデンサレンズ23及びカバーガラス6は上記した第9実施形態のものと全く同じものであるので、その説明を省略する。
【0115】
第2プリズム84の側面は、コンデンサレンズ23を挟んで第1プリズム72の第2面72bと対向し且つファインダ光軸lに対して略直交する様に配置される入射面としての第1面84aと、第1面84aに対して22.5度の角度をなして対向することによって第1面84aを透過したファインダl光軸を物体側に45度偏向する反射面としての第2面84bと、第1面84aの物体側の縁に対して90度傾いた稜線84eを境として直角に接する一対の反射面を有するダハ面からなる第3面84cと、稜線84eに対して45度傾いた出射面としての第4面84dとを、備えている。この第2プリズム84も、屈折率1.5前後の透明な樹脂から、成形されている。従って、この第2プリズム84の内面反射における全反射条件も、臨界角θ=41.8度となる。
【0116】
この第2プリズム84の第1面84aを通り抜けたファインダ光軸lと第2面84bの法線とがなす角度は22.5度であるので、入射する光束に対する全反射条件を満たしていない。そのため、この第2面84bには、アルミニウムによる反射コーティングが施されている。この第2面84bによって、ファインダ光軸lは、物体側へ折り曲げられる。この第2面84bによって折り曲げられたファインダ光軸lと第1面84aの法線とがなす角度は45度であるので、この第1面84aに入射する光束の入射角は45度前後となる。ここで、第2プリズム84に入射する軸外光束は、コンデンサーレンズ23によりほぼテレセントリックにされる。接眼レンズ5は、射出瞳をレンズ後方(目側)焦点位置前後に固定されるため、入射側テレセントリックに近いものとなる。よって、第2プリズム84に入射する軸外光線の入射角は空気中でも+/-5度程度と小さく、更に、屈折率1.5のプリズム中では+/-3.3度程度となるので、最も軸外の光線でも第1面84aに対する入射角が41.7度となるので、ほぼ全反射条件を満たす。従って、この第1面84aに再入射した光束は、第3面84cに向けて全反射され、ファインダ光軸lは、対物光学系1の光軸に略直交する方向へ折り曲げられる。
【0117】
第1面84aによって反射された光束は第3面84cに入射する。この第3面84cを構成するダハ面の稜線84eは、第1面84aに対して90度傾いているので、ファインダ光軸lに対しては45度傾いている。また、これら稜線84e及びファインダ光軸lを含む面に対して、ダハ面の各反射面は、45度づつ傾いている。以上により、各反射面の法線とファインダ光軸lとがなす角度は、60度となる。従って、第1面84aによって反射された光束は、60度前後の入射角で、この第3面84cを構成するダハ面の各反射面に入射することになる。この入射角60度は、上述した全反射条件を満たしているので、第3面84cに入射した光束はダハ面によって上下に反転されつつ全反射され、ファインダ光軸lは図11の面内にて、対物光学系1の光軸と平行になるように、90度の角度で接眼側へ折り曲げられる。この第3面84cによって折り曲げられたファインダ光軸lと第4面84dとがなす角度は略90度であるので、この第4面84dに入射した光束はこの第4面84dを全透過する。
【0118】
【発明の効果】
以上のように構成された本発明による実像式ファインダ光学系によると、対物光学系から接眼レンズの移動領域の前端に至る光路に対して接眼レンズの移動領域が前後方向において重複するので、その前後方向における全長を短くすることができる。
【図1】 本発明の第1実施形態による実像式ファインダ光学系の平面図
【図2】 本発明の第2実施形態による実像式ファインダ光学系の平面図
【図3】 本発明の第3実施形態による実像式ファインダ光学系の平面図
【図4】 本発明の第4実施形態による実像式ファインダ光学系の平面図
【図5】 本発明の第5実施形態による実像式ファインダ光学系の平面図
【図6】 図5の第1プリズム及び第2プリズムの斜視図
【図7】 本発明の第6実施形態による実像式ファインダ光学系の平面図
【図8】 本発明の第7実施形態による実像式ファインダ光学系の平面図
【図9】 本発明の第8実施形態による実像式ファインダ光学系の平面図
【図10】 本発明の第9実施形態による実像式ファインダ光学系の平面図
【図11】 本発明の第10実施形態による実像式ファインダ光学系の平面図
【図12】 従来の実像式ファインダ光学系の平面図
【符号の説明】
1 対物光学系
2,12,32,42,52,62 第1プリズム
4,14,24,34,54,64,74,84 第2プリズム
5 接眼レンズ
11 補正プリズム
27 平面鏡
35 接眼反射プリズム
【図1】
【図2】
【図12】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】