【要約】 (修正有)
【課題】 自動化に好適なベアチップキャリアを提供する。
【解決手段】 キャリアベース7に設けた凹部にエラストマ8を置き、更にこの上にバンプ10が設けられたコンタクトシート11を置き、コンタクトシート上に被検査物であるベアチップ9を搭載すると共に、コンタクトシート上のバンプにベアチップのパッドを当接せしめ、ベアチップを押圧部材3でエラストマ側に押圧してベアチップの所定の検査を行うためのベアチップキャリアにおいて、押圧部材を組み付けたキャリア蓋1と、キャリア蓋と押圧部材との間に設けたばね2と、キャリア蓋をキャリアベース側に固定するためキャリア蓋の側部に設けられたフック部13と、キャリアベース又はキャリアベースに固定された部材6に一端が固定された可撓性を有する一対のキャリア蓋止め部材5と、キャリア蓋止め部材に設けたキャリア蓋を係止するための係止部とで構成した。
[代表図面]
【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】公開特許公報(A)
【公開番号】
特開2000−3984(P2000−3984A)
【公開日】平成12年1月7日(2000.1.7)
【発明の名称】ベアチップキャリアとこれを用いたベアチップの検査方法
【国際特許分類第7版】
H01L 23/32
G01R 31/26
H01L 21/66
【FI】
H01L 23/32 D
G01R 31/26 J
H01L 21/66 D
【審査請求】有
【請求項の数】8
【全頁数】8
【出願番号】特願平10−166675
【出願日】平成10年6月15日(1998.6.15)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社
【発明者】

【発明者】

【代理人】弁理士(100070530)

【テーマコード(参考)】
2G003
4M106
【Fターム(参考)】
2G003 AA00 AG11 AG12
4M106 AA02 AD26 BA11 CA27 CA50 DG03 DG19 DG24 DG29 DH44
【請求項1】
キャリアベースに設けた凹部にエラストマを置き、更にこの上にバンプが設けられたコンタクトシートを置き、このコンタクトシート上に被検査物であるベアチップを載置すると共に、前記コンタクトシート上のバンプにベアチップのパッドを当接せしめ、このベアチップを押圧部材で前記エラストマ側に押圧して前記ベアチップの所定の検査を行うためのベアチップキャリアにおいて、前記押圧部材を組み付けたキャリア蓋と、このキャリア蓋と前記押圧部材との間に設けた押圧用のばね及び球体と、前記キャリア蓋をキャリアベース側に固定するため前記キャリア蓋の側部に設けられたフック部と、前記キャリア蓋を挟み固定するため前記キャリアベース又はキャリアベースに固定された部材に一端が固定された可撓性を有する一対のキャリア蓋止め部材と、このキャリア蓋止め部材に設けた前記キャリア蓋を係止するための係止部とで構成したことを特徴とするベアチップキャリア。
【請求項2】
前記押圧部材のベアチップへの当接部分には凸部が設けられ、この凸部が前記ベアチップに当接してベアチップを前記エラストマ側に押圧することを特徴とする請求項1記載のベアチップキャリア。
【請求項3】
前記凸部は、略下駄の歯のような形状に形成されていることを特徴とする請求項2記載のベアチップキャリア。
【請求項4】
前記キャリア蓋とキャリア蓋止め部材とは同じ材質で形成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のベアチップキャリア。
【請求項5】
前記エラストマは、所定の荷重に対する変位量が略一対一の関係にあり、永久歪みを有しない材質で形成したことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のベアチップキャリア。
【請求項6】
前記コンタクトシートのバンプの頂部の表面には、凹凸が形成されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のベアチップキャリア。
【請求項7】
キャリアベースに設けた凹部にエラストマを置き、更にこの上にバンプが設けられたコンタクトシートを置き、このコンタクトシート上に被検査物であるベアチップを載置すると共に、前記コンタクトシート上のバンプにベアチップのパッドを当接せしめ、このベアチップを押圧部材で前記エラストマ側に押圧して前記ベアチップの所定の検査を行うベアチップキャリアを用いたベアチップの検査方法において、ベアチップのパッド又は配線パターンと、コンタクトシートのバンプ又は配線パターンとの光学的な位置合わせを行う第1の工程と、前記第1の工程で求められた位置データに基づき、ベアチップを前記コンタクトシート上に搭載する第2の工程と、前記ベアチップを吸引して、ベアチップをコンタクトシート上に仮固定する第3の工程と、前記押圧部材をベアチップ上にセットし、この押圧部材をベアチップキャリアに固定すると共に、所定の荷重で前記ベアチップを押圧する第4の工程と、前記ベアチップを所定の温度で加熱する第5の工程と、を含むことを特徴とするベアチップの検査方法。
【請求項8】
前記第5の工程で加えられた熱により前記コンタクトシートのバンプが移動し、前記バンプのスクラブ効果で前記バンプと前記ベアチップのパッドとの接触を安定化させる第6の工程を含むことを特徴とする請求項7記載のベアチップの検査方法。
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ベアチップキャリアとこれを用いたベアチップの検査方法に係わり、特に、自動化に好適なベアチップキャリアとこれを用いたベアチップの検査方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
テストキャリアを用いたベアチップテストは、低コスト化を図るため、ベアチップのテストキャリアへの脱着の自動化が要求される。この場合、自動化の容易性や、チップパッドピッチの微細化に伴う高精度な位置決め方法が必要とされる。また、キャリア耐久性向上のため、低加圧での安定したコンタクトを得る必要がある。
【0003】
従来のテストキャリアについて図8,9を用いて説明する。図8はエアテスト社が開発したテストキャリアの断面図であり、このテストキャリアでは、キャリアベース7に設けた凹部7aにエラストマ8を置き、更にこの上にバンプ10が設けられたコンタクトシート11を置き、このコンタクトシート11上に被検査物であるベアチップ9を載置すると共に、前記コンタクトシート11上のバンプ10にベアチップ9のパッドを当接せしめ、このベアチップ9を押圧部材3で前記エラストマ8側に押圧してベアチップ9の所定の検査を行うものである。
【0004】
この場合、ベアチップ9とテストキャリアの位置決めは、ベアチップの外形とプレート12の外形で行う。このため、ベアチップのダイシング精度が通常より厳しく要求され、更にパッドピッチの微細化への対応が困難であるという欠点があった。さらに、ベアチップ9を押す押圧部3がフラットであるため、押圧部3とベアチップ9の平行度が悪い場合、押圧部3が傾斜した状態でチップエッジ部に当たり、このため蓋締め時のベアチップ9の位置ずれ及びチップ欠けが発生しやすくなるという欠点があった。又、チップパッド9とバンプ10の安定したコンタクトを加圧力のみで取るため、低加圧化が困難であり、耐久回数が少なくコスト高になるという問題点があった。
【0005】
図9は、TI/MMS(Texas Instruments/MicroModule Systems社)が開発したテストキャリアである。このキャリアもベアチップ9とキャリアの位置決めはチップ外形で行っている。また、キャリア蓋とベアチップの関係もエアテスト社のキャリアと同様にチップ全面をキャリア蓋全面で押さえる形態をとっている。このため、前述と同様の欠点がある。さらに、このキャリア蓋は、開閉時に蓋を回転させる必要があるため、自動化容易性に劣ることや、金属製であるため、コスト高になるという欠点もあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記した従来技術の欠点を改良し、特に、自動化に好適でしかも安価なベアチップキャリアとこれを用いたベアチップの検査方法を提供するものである。更に、本発明の他の目的は、蓋締めの際、ベアチップの位置ずれが起こらない新規なベアチップキャリアを提供するものである。
【0007】
更に、本発明の他の目的は、コンタクトシートに設けたバンプに凹凸を設けることで、バンプとベアチップのパッドとの接触を安定化させる新規なベアチップキャリアを提供するものである。更に、本発明の他の目的は、小さい加圧力での安定したテストを可能にした新規なベアチップの検査方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記した目的を達成するため、基本的には、以下に記載されたような技術構成を採用するものである。即ち、本発明に係わるベアチップキャリアの第1態様は、キャリアベースに設けた凹部にエラストマを置き、更にこの上にバンプが設けられたコンタクトシートを置き、このコンタクトシート上に被検査物であるベアチップを載置すると共に、前記コンタクトシート上のバンプにベアチップのパッドを当接せしめ、このベアチップを押圧部材で前記エラストマ側に押圧して前記ベアチップの所定の検査を行うためのベアチップキャリアにおいて、前記押圧部材を組み付けたキャリア蓋と、このキャリア蓋と前記押圧部材との間に設けた押圧用のばね及び球体と、前記キャリア蓋をキャリアベース側に固定するため前記キャリア蓋の側部に設けられたフック部と、前記キャリア蓋を挟み固定するため前記キャリアベース又はキャリアベースに固定された部材に一端が固定された可撓性を有する一対のキャリア蓋止め部材と、このキャリア蓋止め部材に設けた前記キャリア蓋を係止するための係止部とで構成したことを特徴とするものであり、又、第2態様は、前記押圧部材のベアチップへの当接部分には凸部が設けられ、この凸部が前記ベアチップに当接してベアチップを前記エラストマ側に押圧することを特徴とするものであり、又、第3態様は、前記凸部は、略下駄の歯のような形状に形成されていることを特徴とするものであり、又、第4態様は、前記キャリア蓋とキャリア蓋止め部材とは同じ材質で形成されていることを特徴とするものであり、又、第5態様は、前記エラストマは、所定の荷重に対する変位量が略一対一の関係にあり、永久歪みを有しない材質で形成したことを特徴とするものであり、又、第6態様は、前記コンタクトシートのバンプの頂部の表面には、凹凸が形成されていることを特徴とするものである。
【0009】
又、本発明に係るベアチップの検査方法の第1態様は、キャリアベースに設けた凹部にエラストマを置き、更にこの上にバンプが設けられたコンタクトシートを置き、このコンタクトシート上に被検査物であるベアチップを載置すると共に、前記コンタクトシート上のバンプにベアチップのパッドを当接せしめ、このベアチップを押圧部材で前記エラストマ側に押圧して前記ベアチップの所定の検査を行うベアチップキャリアを用いたベアチップの検査方法において、ベアチップのパッド又は配線パターンと、コンタクトシートのバンプ又は配線パターンとの光学的な位置合わせを行う第1の工程と、前記第1の工程で求められた位置データに基づき、ベアチップを前記コンタクトシート上に搭載する第2の工程と、前記ベアチップを吸引して、ベアチップをコンタクトシート上に仮固定する第3の工程と、前記押圧部材をベアチップ上にセットし、この押圧部材をベアチップキャリアに固定すると共に、所定の荷重で前記ベアチップを押圧する第4の工程と、前記ベアチップを所定の温度で加熱する第5の工程と、を含むことを特徴とするものであり、又、第2態様は、前記第5の工程で加えられた熱により前記コンタクトシートのバンプが移動し、前記バンプのスクラブ効果で前記バンプと前記ベアチップのパッドとの接触を安定化させる第6の工程を含むことを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明に係るベアチップキャリアは、キャリアベースに設けた凹部にエラストマを置き、更にこの上にバンプが設けられたコンタクトシートを置き、このコンタクトシート上に被検査物であるベアチップを載置すると共に、前記コンタクトシート上のバンプにベアチップのパッドを当接せしめ、このベアチップを押圧部材で前記エラストマ側に押圧して前記ベアチップの所定の検査を行うためのベアチップキャリアにおいて、前記押圧部材を組み付けたキャリア蓋と、このキャリア蓋と前記押圧部材との間に設けた押圧用のばね及び球体と、前記キャリア蓋をキャリアベース側に固定するため前記キャリア蓋の側部に設けられたフック部と、前記キャリア蓋を挟み固定するため前記キャリアベース又はキャリアベースに固定された部材に一端が固定された可撓性を有する一対のキャリア蓋止め部材と、このキャリア蓋止め部材に設けた前記キャリア蓋を係止するための係止部とで構成したものであり、本発明に係るベアチップキャリアを用いたベアチップの検査方法は、キャリアベースに設けた凹部にエラストマを置き、更にこの上にバンプが設けられたコンタクトシートを置き、このコンタクトシート上に被検査物であるベアチップを載置すると共に、前記コンタクトシート上のバンプにベアチップのパッドを当接せしめ、このベアチップを押圧部材で前記エラストマ側に押圧して前記ベアチップの所定の検査を行うベアチップキャリアを用いたベアチップの検査方法において、ベアチップのパッド又は配線パターンと、コンタクトシートのバンプ又は配線パターンとの光学的な位置合わせを行う第1の工程と、前記第1の工程で求められた位置データに基づき、ベアチップを前記コンタクトシート上に搭載する第2の工程と、前記ベアチップを吸引して、ベアチップをコンタクトシート上に仮固定する第3の工程と、前記押圧部材をベアチップ上にセットし、この押圧部材をベアチップキャリアに固定すると共に、所定の荷重で前記ベアチップを押圧する第4の工程と、前記ベアチップを所定の温度で加熱する第5の工程と、を含むことを特徴とするものである。
【0011】
したがって、本発明によれば、光学的位置合わせ及びベアチップの固定をワンタッチ動作で行うことで、自動化を容易にし、これにより低コスト化を可能にした。また、ベアチップをキャリアに組み込んだ後にプリヒートを実施することにより、低加圧で安定したコンタクトが得られるため、耐久性の向上を図ることができた。
【0012】
図2を用いて簡単に説明すると、ベアチップ9のアルミパッドとコンタクトシート11のバンプ10を光学的認識により位置合わせを行い、キャリア蓋1を上方からキャリア本体4内に落とし込み、ワンタッチで装着する。この後、プリヒートを行い、ベアチップテストを実施する。このキャリア構造とテスト方法により、キャリアの低コスト化及びベアチップテストの低コスト化を可能にした。
【0013】
【実施例】
以下に、本発明に係わるベアチップキャリアとこれを用いたベアチップの検査方法の具体例を図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明に係わるベアチップキャリアの具体例の構造を示す図であって、これらの図には、キャリアベース7に設けた凹部7aにエラストマ8を置き、更にこの上にバンプ10が設けられたコンタクトシート11を置き、このコンタクトシート11上に被検査物であるベアチップ9を載置すると共に、前記コンタクトシート11上のバンプ10にベアチップ9のパッドを当接せしめ、このベアチップ9を押圧部材3で前記エラストマ8側に押圧して前記ベアチップ9の所定の検査を行うためのベアチップキャリアにおいて、前記押圧部材3を組み付けたキャリア蓋1と、このキャリア蓋1と前記押圧部材3との間に設けた押圧用のばね2及び球体20と、前記キャリア蓋1をキャリアベース7側に固定するため前記キャリア蓋1の側部に設けられたフック部13と、前記キャリア蓋1を挟み固定するため前記キャリアベース7又はキャリアベース7に固定された部材6に一端が固定された可撓性を有する一対のキャリア蓋止め部材5、5と、このキャリア蓋止め部材5、5に設けた前記キャリア蓋を係止するための係止部14(本発明では「切欠」である)とで構成したベアチップキャリアが示されている。
【0014】
更に、本発明では、キャリアベース7とエラストマ8とを貫通する吸着孔12が設けられて、コンタクトシート11上に位置決めされ載置されたベアチップ9を押圧部材3で固定するまでの間仮固定して、ベアチップ9が所定の位置から移動しないように構成している。次に、キャリアベース7上に組み付けられるキャリア本体4について説明する。
【0015】
キャリアベース7上に形成した凹部7a内にエラストマ8を置き、この上にバンプ10が露出するようにコンタクトシート11を配設する。そして、このコンタクトシート11上に一方の端部が固定され、他方の端部を自由端にしたキャリア蓋止め部材5、5を組み付けたキャリア枠6を置き、4本のネジ15でキャリアベース7とコンタクトシート11とキャリア枠6とを一体的に組み付けることでキャリア本体4を完成させる。
【0016】
このように構成した本発明のベアチップキャリアでは、キャリア本体4へのキャリア蓋1の装着は、キャリア蓋止め5、5を開き、上方からキャリア蓋1を落とし込むというワンタッチ動作で、キャリア蓋1側面の突起部13が、キャリア蓋止めの切欠部14に引っかかり固定されるため、自動化への対応の容易になる。また、キャリア蓋1とキャリア本体4とを同じ材質にしたため、キャリア蓋1装着時のキャリア蓋1側面の突起部13と切欠部14との摩擦による削りかすの発生を防止することができた。
【0017】
さて、本発明では、押圧部材3のベアチップ9への当接部分には凸部3aが設けられ、この凸部3aが前記ベアチップ9に当接してベアチップ9を前記エラストマ8側に押圧するように構成され、本発明では一例として、図4に示したように前記凸3a部の形状を略下駄の歯のように形成している。そして、このように構成することで、押圧部材3の全面がベアチップに当たらない構造となるから、従来のようにベアチップの一方の側のみを押圧することによる接触不良や、ベアチップの一方の側のみを押圧することによるベアチップの位置ずれを防止している。
【0018】
なお、ばね2と押圧部材3の間に球体(ボールベアリング)20も押圧部材3がチップ9の全面を等しい力で押圧するように作用する。又、本発明で使用するエラストマ8は、ベアチップ9をキャリア本体4に装着したとき、コンタクトシート11のバンプ10の高さのばらつきを吸収し、ベアチップ9とコンタクトシート11の安定した接触を可能にしている。この場合、高温時にコンタクトシート11の変形が発生しない材質、又は、変形しても復元性がよいものを用いている。
【0019】
具体的には、キャリアベース7の凹部7a内のエラストマ8が、図5に示すように変位量を増大させてから減少させる時、荷重に対する変位量が1対1の関係にあり、荷重9.4〜18.8gの範囲で変位量が0.01〜0.035mmで永久ひずみを持たない材質を用いている。具体的に使用しているエラストマの荷重−変位量の関係を図6に示した。
【0020】
更に、本発明ではベアチップ9のパッドとコンタクトシート11のバンプ10の接触を安定にするため、バンプ10の頂部の表面に0.2〜1±0〜0.5μmの範囲の凹凸を形成している。したがって、ベアチップ9をテストキャリアへ搭載後、プリヒートを行うと、コンタクトシート11の熱膨張から、ベアチップ9のアルミパッドとコンタクトシート11のバンプ10との間でのスクラブ効果が発生し、酸化膜を破り接触の安定化を図ることが出来る。
【0021】
次に、図7を用いて全体の流れを説明する。まず、ウエハー検査、ダイシング後のベアチップをキャリアへ搭載する。この時、ベアチップの回路面を下向きにしてキャリア本体のコンタクトシートのバンプまたは配線パターンとベアチップのアルミパッドまたは配線パターンとをカメラで認識し、位置合わせを行い搭載する。搭載時にベアチップのアルミパッドがバンプに接触し、所定の圧力(100g)に達した後、キャリア裏面から吸着孔12を用いてチップ吸着を行う。次に、キャリア蓋1をキャリア本体4内に落とし込み、キャリア蓋止め5、5により固定する。この時点でチップ吸着はオフになる。キャリア蓋1は、ベアチップ裏面を加圧する押圧部材3とバネ2とで構成されており、チップ9への加圧力はこのバネ定数で決まる。これでキャリアへのベアチップの搭載が完了する。
【0022】
この後、キャリア組込み状態で高温槽の中に入れてプリヒートを実施する。プリヒート条件としては、例えば、125℃の高温槽に3分間入れておく。これにより、ベアチップ9とコンタクトシート11及びキャリアベース7との熱膨張係数の差により、ベアチップ9のアルミパッドとコンタクトシート11のバンプ10先端部分でスクラブが発生し、アルミパッド10表面の酸化膜を破り、安定したコンタクトを得ることが出来る。プリヒート終了後、通常のパッケージ品と同様の検査(バーンインや選別検査)を行い、良品と不良品を判別する。キャリアからのベアチップの取り外しは、搭載の逆の手順で行う。以上のテスト方法により、検査済み良品チップを得ることが出来る。
【0023】
このように、本発明のベアチップキャリアを用いたベアチップの検査方法は、ベアチップのパッド又は配線パターンと、コンタクトシートのバンプ又は配線パターンとの光学的な位置合わせを行う第1の工程と、前記第1の工程で求められた位置データに基づき、ベアチップを前記コンタクトシート上に搭載する第2の工程と、前記ベアチップを吸引して、ベアチップをコンタクトシート上に仮固定する第3の工程と、前記押圧部材をベアチップ上にセットし、この押圧部材をベアチップキャリアに固定すると共に、所定の荷重で前記ベアチップを押圧する第4の工程と、前記ベアチップを所定の温度で加熱する第5の工程と、を含むものであり、この場合、前記第5の工程で加えられた熱により前記コンタクトシートのバンプが移動し、前記バンプのスクラブ効果で前記バンプと前記ベアチップのパッドとの接触を安定化させる第6の工程を含むことが望ましい。
【0024】
【発明の効果】
本発明は上述のように構成したので、以下のような効果を奏する。
(1)ベアチップのキャリアへの装着を、ベアチップのアルミパッドまたは配線パターンとコンタクトシートのバンプまたは配線パターンとの光学的位置合わせにより行うため、ウエハー検査後のダイシング工程が従来通り実施できる。ベアチップの外形による位置合わせの場合、ダイシング時の精度が非常に厳しく要求されるため、コストが高くなる。
(2)ベアチップのキャリアへの装着を、ベアチップのアルミパッドまたは配線パターンとコンタクトシートのバンプまたは配線パターンとの光学的位置合わせにより行うため、ベアチップ位置決め用ガイドおよび位置決めピンが不必要であり、部品点数が削減できること、及び、キャリア材質を樹脂成型品にすることにより、低コスト化を図ることが出来る。
(3)ベアチップをキャリア組込み後に、プリヒートすることで、ベアチップのアルミパッドとコンタクトシートのバンプ先端間のスクラブ効果を利用することで、低加圧で安定したコンタクトを得ることが出来る。したがって、耐久性の向上を図ることが出来る。
(4)キャリア蓋のチップ押圧部が、チップ外形より小さく点接触であるため、蓋挿入時にキャリア押圧部とベアチップの平行度の影響を受けにくく、蓋挿入時の片当たりによるチップの滑りを防止できる。
(5)ベアチップのキャリアへの装着を、キャリア蓋を上部から落とし込むというワンタッチ動作で実施できるため、自動化を容易に図ることが出来る。
(6)キャリア蓋とキャリア本体とが同じ材質のため、蓋装着時のキャリア蓋側面の突起部とキャリア蓋止め切欠部の摩擦による削りかすの発生が防止できる。
(7)エラストマ特性として、所定の加圧力でバンプ高さばらつきを吸収し、バンプのある箇所以外の部分は、バンプ高さまで到達しないため、ベアチップとコンタクトシート間の間隔を保つことが出来るため、コンタクトシートとベアチップ回路面の接触を防止できる。
(8)エラストマ特性として、所定の加圧力でバンプ高さばらつきの吸収分のみ凹みが発生し、高温状態で保持してもさらに凹みが増加せず、加圧解除後の復元性が良いため、耐久性向上を図ることが出来る。
【図1】本発明に係るベアチップキャリアの断面図である。
【図2】ベアチップキャリアのベアチップ組み込み前(a〜c)と、組み込み後(d)を示す斜視図である。
【図3】キャリア本体の分解斜視図である。
【図4】押圧部材の押圧面とベアチップとの関係を示す図である。
【図5】本発明のエラストマの理想的な弾性特性を示すグラフである。
【図6】実際に使用したエラストマの弾性特性を示すグラフである。
【図7】ベアチップのテストフローを示す図である。
【図8】従来のベアチップキャリアを示す断面図である。
【図9】他の従来のベアチップキャリアを示す断面図である。
【符号の説明】
1 キャリア蓋
2 ばね
3 キャリア押圧部(押圧部材)
4 キャリア本体
5 キャリア蓋止め
6 キャリア枠
7 キャリアベース
8 エラストマ
9 ベアチップ
10 バンプ
11 コンタクトシート
12 吸着孔
13 突出部(フック部)
14 切欠部
15 ネジ
20 球体
【図1】
【図2】
【図4】
【図3】
【図5】
【図7】
【図9】
【図6】
【図8】