【課題】配管レイアウト上の無理を生じることなく、脱硝装置の運転停止中において触媒を均一に加温でき、排ガス中の潮解成分の潮解を防ぎ、触媒の活性低下を効果的に防止することができる脱硝装置および脱硝方法を提供する。
【解決手段】(1) アンモニアの存在下で排ガス中の窒素酸化物を除去する触媒を備えた触媒反応器と、触媒反応器に排ガスを導く入口煙道と、触媒反応器で処理されたガスを導く出口煙道と、出口煙道の空気を空気加熱器で加熱して上記入口煙道に導く加熱空気供給ラインと、入口煙道内に設けられたアンモニア注入ノルズと連結するアンモニア注入装置とを有する脱硝装置において、加熱空気供給ラインをアンモニア注入装置に連結し、アンモニア注入ノズルを介して加熱空気を入口煙道に供給するようにした脱硝装置。(2) 脱硝装置の運転停止時にアンモニア注入ノズルから加熱空気を触媒反応器内に吹き込んで循環させる脱硝方法。
[代表図面]
【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】公開特許公報(A)
【公開番号】
特開2000−434(P2000−434A)
【公開日】平成12年1月7日(2000.1.7)
【発明の名称】脱硝装置および脱硝方法
【国際特許分類第7版】
B01D 53/94
53/86 ZAB
【FI】
B01D 53/36 101 A
ZAB
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【全頁数】7
【出願番号】特願平10−167294
【出願日】平成10年6月15日(1998.6.15)
【出願人】(000005441)バブコック日立株式会社
【発明者】

【発明者】

【発明者】

【代理人】弁理士(100076587)

【テーマコード(参考)】
4D048
【Fターム(参考)】
4D048 AA06 AA11 AA30 AB02 AC04 AC10 BA07X BA23X BA41X BD01 CA04 CC27 CC51 CC61 CD05 DA01 DA06 DA20
【請求項1】
アンモニアの存在下で排ガス中の窒素酸化物を除去する触媒を備えた触媒反応器と、該触媒反応器に排ガスを導く入口煙道と、該触媒反応器で処理されたガスを導く出口煙道と、該出口煙道の空気を空気加熱器で加熱して上記入口煙道に導く加熱空気供給ラインと、前記入口煙道内に設けられたアンモニア注入ノルズと連結するアンモニア注入装置とを有する脱硝装置において、前記加熱空気供給ラインをアンモニア注入装置に連結し、前記アンモニア注入ノズルを介して加熱空気を前記入口煙道に供給するようにしたこと特徴とする脱硝装置。
【請求項2】
前記アンモニア注入ノズルが二流体ノズルであり、該二流体ノズルに加熱空気供給ラインおよびアンモニア注入装置を連結し、該二流体ノズルを介して加熱空気を入口煙道に供給するようにしたことを特徴とする請求項1記載の脱硝装置。
【請求項3】
潮解成分を含んだ排ガス中の窒素酸化物を、請求項1または2に記載の脱硝装置を用いて除去するに際し、該脱硝装置の運転停止時にアンモニア注入ノズルから加熱空気を触媒反応器内に吹き込んで循環させることを特徴とする脱硝方法。
【請求項4】
潮解成分を含んだ排ガス中の窒素酸化物を、請求項1に記載の脱硝装置を用いて除去するに際し、該脱硝装置の運転時にはアンモニア注入ノルズからアンモニアおよび加熱空気を供給し、運転停止時にはアンモニア注入ノズルから加熱空気を触媒反応器内に吹き込んで循環させることを特徴とする脱硝方法。
【請求項5】
潮解成分を含んだ排ガス中の窒素酸化物を、請求項2に記載の脱硝装置を用いて除去するに際し、該脱硝装置の運転時には二流体ノズルから加熱空気とともにアンモニア水を入口煙道に直接噴霧霧化して供給し、運転停止時には二流体ノズルから加熱空気を触媒反応器内に吹き込んで循環させることを特徴とする脱硝方法。
【請求項6】
請求項1または2記載の脱硝装置に、温度検出器および温度制御装置を設け、運転停止時の触媒反応器内を所定温度に維持することを特徴とする脱硝方法。
【請求項7】
請求項1または2記載の脱硝装置に、湿度検出器および湿度制御装置を設け、運転停止時の触媒反応器内を所定湿度に維持することを特徴とする脱硝方法。
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は脱硝装置および脱硝方法に関し、さらに詳しくは潮解性の高い成分を含む排ガス中の窒素酸化物を触媒を用いて除去するのに好適な脱硝装置および該脱硝装置の運転停止時に潮解成分が触媒表面に付着して触媒性能が低下するのを効果的に防止することができる脱硝方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
火力発電所をはじめとする固定発生源から発生する窒素酸化物(NOx)は、光化学スモッグの原因となるため、該NOxを除去(脱硝)するために、アンモニアを還元剤とした選択的接触還元法が幅広く採用されている。また、各家庭や企業から排出されるゴミは、通常、ゴミ焼却設備で焼却されるが、これらの焼却の際に排出される排ガス中にもNOxが含まれており、上記選択的接触還元法によるNOxの除去方法が効果的な方法として期待されている。
【0003】
図5は、一般的なゴミ焼却設備のフロー図である。図5において、ゴミ焼却設備は、ゴミを燃焼する焼却炉10と、燃焼排ガスを冷却するガス冷却塔11と、排ガス中のダストを除去するバスフィルター13と、排ガス中のNOxをアンモニアおよび触媒の存在下で脱硝反応させる脱硝触媒反応器15と、処理された排ガスを系外に排出する煙突16とから構成される。このような構成において、焼却炉10でゴミが焼却された際に発生する排ガスは、ガス冷却塔11に導かれて冷却され、Ca(OH)
2 吹込み装置12から供給されるCa(OH)
2 とともにバグフィルター13に導かれて排ガス中のダストが除去され、NH
3 (アンモニア)注入装置14から供給されるNH
3 とともに脱硝触媒反応器15に供給されて排ガス中のNOxの脱硝反応が行われ、その後、処理されたガスは煙突16から系外に排出される。
【0004】
上記ゴミ焼却設備では、バグフィルタ13の前流で消石灰(Ca(OH)
2)がCa(OH)
2吹込み装置12から吹き込まれるため、脱硝触媒反応器12に供給される排ガス中には、通常、少量のCa(OH)
2が含まれる。一方、脱硝触媒として、少なくともチタンおよびバナジウムの酸化物を主成分とする触媒が主に使用されるため、排ガス中にナトリウムやカリウムなどのアルカリ類やヒ素などが含まれていると、これらが触媒表面で活性成分であるバナジウムと反応し、触媒が被毒され、触媒の活性が低下するという問題が生じる。さらに排ガス中にCa(OH)
2などの潮解性を有する成分が含まれていると、触媒付近の温度が低い場合には、これらの潮解成分が潮解して触媒表面上に付着するとともに、潮解した成分が高表面積を有する触媒の表面のみならずその内部の細孔にまで浸透し、このときに排ガス中の上記被毒成分も触媒内部に浸透してしまうため、触媒活性の低下が増長されるという問題があった。
【0005】
従って、Ca(OH)
2などの潮解性をもった物質を含む排ガスを触媒を用いて脱硝する場合、特に触媒近傍の温度が低下する運転停止時には、触媒付近の温度低下を防ぎ、触媒上での潮解発生を防止する必要がある。運転停止時の潮解発生を防止する方法として、例えば、
特開昭58−88025号公報には、加熱空気を脱硝触媒反応器内に通気させる方法や脱硝触媒反応器内の空気を加熱する方法が提案され、また
特開昭62−106825号公報には、ドライヤ空気やヒータ加熱空気を脱硝触媒反応器内に循環させる方法が提案されている。
【0006】
図6は、従来技術による潮解発生を防止した脱硝装置の説明図である。図6において、脱硝装置は、アンモニアの存在下で排ガス中の窒素酸化物を除去する触媒4を備えた触媒反応器2と、該触媒反応器2に排ガスを導く入口煙道6と、該触媒反応器2で処理されたガスを導く出口煙道7と、該出口煙道7の空気を空気加熱器1で加熱して上記入口煙道6に導く加熱空気供給ライン5と、前記入口煙道6内に設けられたアンモニア注入ノルズ8と連結するアンモニア注入装置3とから構成される。このような構成において、図示しない焼却炉で発生した排ガスは、入口煙道6に導かれ、さらに、アンモニア注入装置3を経てアンモニア注入ノズル8から入口煙道6に供給されるアンモニアと、出口煙道8の空気を空気加熱器1で加熱して加熱空気供給ライン5から入口煙道6に供給される加熱空気とともに触媒反応器2に導かれ、該触媒反応器2内の触媒4と接触して脱硝反応に供され、排ガス中のNOxが除去され、処理ガスとして出口煙道7に導かれる。
【0007】
しかしながら、このような方法では、入口煙道に新たに加熱空気用の配管を設置する必要があり、配管レイアウト上に無理が生じ易いという問題があった。また、入口煙道に供給される加熱空気は一方向からのみ供給されるため、触媒反応器内の全ての触媒を均一に加温することが難しく、部分的に触媒が冷えて潮解が生じ易いという欠点があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、上記の従来技術の問題点をなくし、配管レイアウト上の無理を生じることなく、脱硝装置の運転停止中において触媒を均一に加温でき、排ガス中の潮解成分の潮解を防ぎ、触媒の活性低下を効果的に防止することができる脱硝装置および脱硝方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本願で特許請求される発明は以下の通りである。
(1)アンモニアの存在下で排ガス中の窒素酸化物を除去する触媒を備えた触媒反応器と、該触媒反応器に排ガスを導く入口煙道と、該触媒反応器で処理されたガスを導く出口煙道と、該出口煙道の空気を空気加熱器で加熱して上記入口煙道に導く加熱空気供給ラインと、前記入口煙道内に設けられたアンモニア注入ノルズと連結するアンモニア注入装置とを有する脱硝装置において、前記加熱空気供給ラインをアンモニア注入装置に連結し、前記アンモニア注入ノズルを介して加熱空気を前記入口煙道に供給するようにしたこと特徴とする脱硝装置。
(2)前記アンモニア注入ノズルが二流体ノズルであり、該二流体ノズルに加熱空気供給ラインおよびアンモニア注入装置を連結し、該二流体ノズルを介して加熱空気を入口煙道に供給するようにしたことを特徴とする(1)記載の脱硝装置。
【0010】
(3)潮解成分を含んだ排ガス中の窒素酸化物を、(1)または(2)に記載の脱硝装置を用いて除去するに際し、該脱硝装置の運転停止時にアンモニア注入ノズルから加熱空気を触媒反応器内に吹き込んで循環させることを特徴とする脱硝方法。
(4)潮解成分を含んだ排ガス中の窒素酸化物を、(1)に記載の脱硝装置を用いて除去するに際し、該脱硝装置の運転時にはアンモニア注入ノルズからアンモニアおよび加熱空気を供給し、運転停止時にはアンモニア注入ノズルから加熱空気を触媒反応器内に吹き込んで循環させることを特徴とする脱硝方法。
(5)潮解成分を含んだ排ガス中の窒素酸化物を、(2)に記載の脱硝装置を用いて除去するに際し、該脱硝装置の運転時には二流体ノズルから加熱空気とともにアンモニア水を入口煙道に直接噴霧霧化して供給し、運転停止時には二流体ノズルから加熱空気を触媒反応器内に吹き込んで循環させることを特徴とする脱硝方法。
【0011】
(6)(1)または(2)記載の脱硝装置に、温度検出器および温度制御装置を設け、運転停止時の触媒反応器内を所定温度に維持することを特徴とする脱硝方法。
(7)(1)または(2)記載の脱硝装置に、湿度検出器および湿度制御装置を設け、運転停止時の触媒反応器内を所定湿度に維持することを特徴とする脱硝方法。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面により説明する。図1は、本発明の一実施例を示す脱硝装置の説明図である。図1において、図6と異なる点は、加熱空気供給ライン3をアンモニア注入装置5に連結し、アンモニアのみならず加熱空気をもアンモニア注入ノズル8から入口煙道7に供給するようにしたことである。
【0013】
このような脱硝装置では、空気加熱器1で加熱された加熱空気は、アンモニア注入ノズル8から入口煙道6に供給されるため、入口煙道6および触媒反応器2内に均一に流入することができ、従って、全ての触媒を均一に加温することができ、部分的な触媒温度の低下を生じることがなく、触媒の活性低下を効果的に防止することができる。これは、アンモニア注入ノズルが選択的接触還元法で排煙脱硝を行なう際にアンモニアが煙道内に均一に流れるように設計されており、このようなアンモニア注入ノズルから供給される加熱空気もアンモニアと同様に触媒反応器内に均一に流入することができるためである。
【0014】
また上記本発明の脱硝装置では、加熱空気用の配管を入口煙道に別途設ける必要がなく、配管レイアウト上の無理を生じることがない。さらに加熱空気がアンモニア注入ノズルから供給されるため、従来のようにアンモニア注入ノズルの閉塞を防ぐために該ノズルに空気を流入させ、結果的に加熱空気と空気が同時に入口煙道内を流入するという従来の不合理を解消することができ、脱硝装置の運転コストの低減を図ることができる。
【0015】
還元剤であるアンモニアの入口煙道への注入方法としては、液化アンモニアを気化させて空気で希釈して注入する方法、アンモニア水を水蒸気で気化させて空気で希釈して注入する方法、尿素水などの加熱することでアンモニアに分解する物質の溶液を水蒸気で気化させて空気で希釈して注入する方法などが採用されている。このうち、アンモニア水や尿素水等の溶液を用いる方法では、装置の運転停止時に、アンモニア注入装置中にドレン水が凝縮しやすく、配管が腐食しやすいという問題があったが、本発明では、運転停止中にアンモニア注入ノズルから加熱空気が供給されるため、このような配管の腐食は生じることはない。
【0016】
またアンモニア水を用いる場合には、水蒸気で気化されたアンモニアガスがアンモニア注入ノズルに到達する前に温度が低下して凝縮が生じ、アンモニアが凝縮水に吸収され、煙道に注入されるアンモニア量が減少するのをアンモニア注入装置にヒートパイプを設置するなどにより防止する必要があったが、本発明では、アンモニア注入装置と加熱空気供給ラインを連結しているため、アンモニアと加熱空気をアンモニア注入ノズルから同時に入口煙道に供給することにより、アンモニアを加熱空気で高温に維持することができる。従って、本発明では従来のように水の凝縮を防止できるため、ヒートパイプの設置等が不要となる。さらにアンモニア水を用いた場合には、従来ではアンモニア注入量が少ないため、気化したアンモニアが入口煙道の排ガスと均一に混ざりにくいという欠点があったが、本発明では、運転時にも加熱空気とアンモニアを同時に注入することにより、入口煙道に注入するガス量が多くなるため、排ガスと均一にアンモニアを混合させることができる。
【0017】
本発明の脱硝装置に用いられる空気加熱器1における空気の加温手段としては、電気ヒータ、燃焼排ガス等どのような手段を用いてもよい。例えば、燃焼排ガスを利用して触媒の温度を調節する装置の場合、温度調節用の燃焼排ガスと停止時の加温用ガスとを共用してアンモニア注入ノズルから流入するようにしてもよい。
【0018】
また脱硝装置には、上記したようにチタン/バナジウム系触媒が主に用いられているが、該脱硝触媒は、NOxの除去のみならず、ゴミ焼却炉から生じる排ガス中に含まれる猛毒であるダイオキシン類の除去性能をも有し、NOxの脱硝とダイオキシンの除去を同時に行うことができる。この場合においてもアンモニア注入ノズルから加熱空気を吹き込んで触媒反応器内を循環させることにより、触媒の活性低下を効果的に防ぐことができる。
【0019】
図2は、本発明の他の実施例を示す脱硝装置の説明図である。図2において、図1と異なる点は、アンモニア注入ノズルとして二流体ノズル8aを用い、該二流体ノズル8aにアンモニア水注入装置3aと加熱空気供給ライン5を連結し、二流体ノズル8aから加熱空気と同時にアンモニア水を直接入口煙道6に供給するようにしたことである。アンモニアの注入法としては、液体アンモニアやアンモニア水を一旦気化してアンモニアガスとしてアンモニア注入ノズルから入口煙道に供給するのが一般的であるが、上記装置では、アンモニア水を加熱空気とともに二流体ノズルから直接霧化噴霧して入口煙道に注入することができる。
【0020】
このような脱硝装置では、注入の際のアンモニア気化器が不要となる利点があるが、入口煙道に直接噴霧されたアンモニア水が触媒に到達するまでに気化するかどうかが重要な問題となる。図3は、加熱空気注入量を一定とした場合の加熱空気温度とアンモニア気化時間の関係を示す図である。図4は、図3の結果を基に流速を10m/s として煙道内に加熱空気とアンモニア水を供給した場合の、加熱空気温度とアンモニアが気化するのに必要な煙道長さの関係を示す図である。
【0021】
図4から、室温の空気とともにアンモニア水を噴霧した場合には、アンモニアが気化するのには5mの煙道長さが必要であるのに対し、200℃〜300℃の加熱空気とともにアンモニア水を噴霧すると、アンモニアが気化するのに必要な煙道長は1〜2mで足りることが明らかとなった。従って、上記本発明の脱硝装置によれば、アンモニア水を気化することなく直接煙道内に噴霧して注入することができ、この場合でも、煙道長さを長くする必要がない。実際にアンモニア水を注入する脱硝装置を産業用ボイラやゴミ焼却設備で採用する場合は装置の小型化を図る必要があり、アンモニア気化器の設置が不要で、かつ煙道長さを長くする必要のない上記本発明の脱硝装置はこの要望に沿うものであり、実用的に優れたものと言える。
【0022】
本発明において、潮解成分を含んだ排ガス中のNOxの脱硝を行う際には、脱硝装置の運転停止時にアンモニア注入ノズルから加熱空気を触媒反応器内に吹き込んで循環させることにより、触媒を均一に加温でき、排ガス中の潮解成分の潮解を防ぎ、触媒の活性低下を効果的に防止することができる。また脱硝装置の運転時にアンモニア注入ノルズからアンモニアおよび加熱空気を供給して排ガス中のNOxの脱硝を行うことにより、アンモニア注入ノズルの閉塞を防止するための空気の流入が不要となり、また一旦気化したアンモニアガスが凝縮水に吸収されるのを防止するためのヒートパイプ等の設置が不要となり、さらに入口煙道に注入されるガス量が多くなり、アンモニアを排ガスと均一に混合させることができ、装置または運転コストの低減を図ることができる。
【0023】
さらにアンモニア注入ノズルとして二流体ノズルを採用した脱硝装置では、二流体ノズルから加熱空気とともにアンモニア水を入口煙道に直接噴霧霧化して供給した場合でも煙道長さを長くする必要がなく、またアンモニア気化器を用いることなく、排ガス中のNOxの脱硝を行うことができ、装置のコスト低減および装置の小型化を図ることができる。このような脱硝装置の脱硝方法は、ゴミ焼却施設に限らず、潮解性をもつ成分を含んだ排ガスを発生する火力発電所や産業プラントにおいても適用することができる。
【0024】
本発明の脱硝装置には、温度検出器および温度制御装置を設け、運転停止時の脱硝装置内を所定温度に維持することができる。また湿度検出器および湿度制御装置を設け、運転停止時の脱硝装置内を所定湿度に維持するようにしてもよい。このような装置によりさらに運転停止時における潮解成分の潮解を防ぎ、触媒の活性低下を効果的に防止することができる。例えば、触媒反応器内の雰囲気温度または湿度を検出する温度計または湿度計を設置し、計測された温度または湿度情報を温風発生装置に入力して触媒反応器内の温度または湿度を所定値に制御することができる。
【0025】
【実施例】
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1図1の脱硝装置を用いて潮解成分を含む排ガスの脱硝を行った。脱硝装置の運転時には空気加熱器を稼働させずに、アンモニア気化器により気化したNH
3 (気体)を空気で希釈してアンモニア注入ノズルから入口煙道に注入して脱硝を行い、運転停止時には空気加熱器を稼働させて加熱空気のみをアンモニア注入ノズルから注入して触媒反応器内に循環させたが、触媒を均一に加温することができ、触媒反応器内の触媒への潮解成分の付着を防止できた。
【0026】
実施例2実施例1において、運転時にNH
3 とH
2 O(共に気体)を加熱空気で希釈してアンモニア注入ノズルから供給した以外は実施例1と同様にして脱硝を行ったが、入口煙道に注入するガス量が増えたため、入口煙道でアンモニアと排ガスを均一に混合することができ、またアンモニア注入ノズルの腐食を防止でき、さらに触媒を均一に加温できたため、触媒への潮解成分の付着を防止することができた。
【0027】
実施例3図2の脱硝装置を用いて潮解成分を含む排ガスの脱硝を行った。脱硝装置の運転時に、空気加熱器で加熱された加熱空気とともにNH
3 (液体)を二流体ノズルから入口煙道に直接噴霧注入して脱硝を行い、運転停止時には加熱空気のみを二流体ノズルから注入して触媒反応器内に循環させたが、触媒を均一に加温することができ、触媒への潮解成分の付着を防止でき、また二流体ノズルの腐食を防止できた。さらに運転時に入口煙道に噴霧されたアンモニア水は触媒反応器内に流入する前に全て気化させることができた。
【0028】
比較例1図6の脱硝装置を用いて潮解成分を含む排ガスの脱硝を行った。脱硝装置の運転には、アンモニア気化器を用いて気化したNH
3 (気体)を空気で希釈してアンモニア注入ノズルから入口煙道に注入して脱硝を行い、運転停止時には空気加熱器で加熱した加熱空気を加熱空気供給ラインから入口煙道に注入して触媒反応器内に循環させたが、アンモニア注入ノズルが腐食し易く、運転停止時において触媒温度に差が生じた。
【0029】
【発明の効果】
本発明の脱硝装置および脱硝方法によれば、加熱空気をアンモニア注入ノズルから注入することができるため、配管レイアウト上の無理を生じることなく、脱硝装置の運転停止中において触媒を均一に加温でき、排ガス中の潮解成分の潮解を防ぎ、触媒の活性低下を効果的に防止することができる。
【図1】本発明の一実施例を示す脱硝装置の説明図。
【図2】本発明の他の実施例を示す脱硝装置の説明図。
【図3】加熱空気温度とアンモニア気化時間の関係を示す図。
【図4】加熱空気温度とアンモニアの気化に必要な煙道長さの関係を示す図。
【図5】従来技術によるゴミ焼却設備のフロー図。
【図6】従来技術による脱硝装置の説明図。
【符号の説明】
1…空気加熱器、2…触媒反応器、3…アンモニア注入装置、3a…アンモニア水注入装置、4…触媒、5…加熱空気供給ライン、6…入口煙道、7…出口煙道、8…アンモニア注入ノズル、8a…二流体ノズル、10…焼却炉、11…ガス冷却塔、12…Ca(OH)
2吹込み装置、13…バグフィルタ、14…NH
3注入装置、15…脱硝触媒反応器、16…煙突。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】