【課題】レンズ表面に付着した水滴が観察視野外に排除され易くして、良好な観察像を得ることができる内視鏡の先端部を提供すること。
【解決手段】観察窓3に取り付けられた対物光学系第1レンズ11の表面の光学的有効径11a以外の部分、又は先端部本体1の観察窓3の周囲の部分の表面に、親水性の塗装又は親水性のコーティングAを施した。
[代表図面]
【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】公開特許公報(A)
【公開番号】
特開2001−128933(P2001−128933A)
【公開日】平成13年5月15日(2001.5.15)
【発明の名称】内視鏡の先端部
【国際特許分類第7版】
A61B 1/00 300
G02B 23/26
【FI】
A61B 1/00 300 Y
300 Q
G02B 23/26 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【全頁数】5
【出願番号】特願平11−313288
【出願日】平成11年11月4日(1999.11.4)
【出願人】(000000527)旭光学工業株式会社
【発明者】

【発明者】

【代理人】弁理士(100091317)

【テーマコード(参考)】
2H040
4C061
【Fターム(参考)】
2H040 CA23 DA57
4C061 AA00 BB04 CC06 DD00 FF39 FF40 JJ01 JJ11 LL02 NN01 PP11 RR30
【請求項1】
先端部本体に配置された観察窓の表面に向けて水を噴出する送水ノズルが設けられた内視鏡の先端部において、上記観察窓に取り付けられた対物光学系第1レンズの表面の光学的有効径以外の部分に、親水性の塗装又は親水性のコーティングを施したことを特徴とする内視鏡の先端部。
【請求項2】
上記親水性の塗装又は親水性のコーティングが、上記対物光学系第1レンズの表面の光学的有効径以外の部分のほぼ全体に施されている請求項1記載の内視鏡の先端部。
【請求項3】
上記観察窓の表面に向けて空気を噴出する送気ノズルが設けられていて、上記親水性の塗装又は親水性のコーティングが、上記対物光学系第1レンズの表面のうちの上記送気ノズルから遠い方の部分にのみ施されている請求項1記載の内視鏡の先端部。
【請求項4】
上記親水性の塗装又は親水性のコーティングの親水性が、上記対物光学系第1レンズの表面の光学的有効径に遠い部分より近い部分の方が強くなっている請求項1ないし3のいずれかの項に記載の内視鏡の先端部。
【請求項5】
先端部本体に配置された観察窓の表面に向けて水を噴出する送水ノズルが設けられた内視鏡の先端部において、上記先端部本体の上記観察窓の周囲の部分の表面に、親水性の塗装又は親水性のコーティングを施したことを特徴とする内視鏡の先端部。
【請求項6】
上記親水性の塗装又は親水性のコーティングが、上記先端部本体の上記観察窓の周囲の部分のほぼ全周部分に施されている請求項5記載の内視鏡の先端部。
【請求項7】
上記観察窓の表面に向けて空気を噴出する送気ノズルが設けられていて、上記親水性の塗装又は親水性のコーティングが、上記先端部本体の上記観察窓の周囲の部分のうちの上記送気ノズルから遠い方の部分にのみ施されている請求項5記載の内視鏡の先端部。
【請求項8】
上記親水性の塗装又は親水性のコーティングの親水性が、上記観察窓に遠い部分より近い部分の方が強くなっている請求項5ないし7のいずれかの項に記載の内視鏡の先端部。
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は内視鏡の先端部に関する。
【0002】
【従来の技術】
内視鏡の観察窓には、対物光学系の第1レンズが表面を外面に露出させた状態で取り付けられているが、その表面は体腔内の粘液等の付着によって汚される。そこで、第1レンズの表面はノズルで水を吹き付けて洗浄できるようになっており、送水洗浄後はさらに空気を吹き付けて、レンズ表面に残った水滴を吹き飛ばせるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、実際には水滴が吹き飛ばされずにレンズ表面に残ってしまい、観察の妨げになる場合が少なくない。
【0004】
そこで従来は、例えば
実開昭51−109190号公報等に記載されているように、観察窓を囲む周囲の壁面を粗面に形成して、レンズ表面の水滴が周囲の壁面側に引き寄せられるようにしたものがある。
【0005】
しかし、そのように単に壁面を粗面に形成しただけの構成では、現実には水滴を移動させるほどの作用が生じないので、レンズ表面に残った水滴によって観察が妨げられる場合が少なくなかった。
【0006】
そこで本発明は、レンズ表面に付着した水滴が観察視野外に排除され易くして、良好な観察像を得ることができる内視鏡の先端部を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明の内視鏡の先端部は、先端部本体に配置された観察窓の表面に向けて水を噴出する送水ノズルが設けられた内視鏡の先端部において、観察窓に取り付けられた対物光学系第1レンズの表面の光学的有効径以外の部分に、親水性の塗装又は親水性のコーティングを施したものである。
【0008】
なお、親水性の塗装又は親水性のコーティングが、対物光学系第1レンズの表面の光学的有効径以外の部分のほぼ全体に施されていてもよい。また、観察窓の表面に向けて空気を噴出する送気ノズルが設けられていて、対物光学系第1レンズの表面のうちの送気ノズルから遠い方の部分にのみ施されていてもよい。
【0009】
また、親水性の塗装又は親水性のコーティングの親水性が、対物光学系第1レンズの表面の光学的有効径に遠い部分より近い部分の方が強くなっていてもよい。
【0010】
また、本発明の内視鏡の先端部は、先端部本体に配置された観察窓の表面に向けて水を噴出する送水ノズルが設けられた内視鏡の先端部において、先端部本体の観察窓の周囲の部分の表面に、親水性の塗装又は親水性のコーティングを施したものである。
【0011】
そして、親水性の塗装又は親水性のコーティングが、先端部本体の観察窓の周囲の部分のほぼ全周部分に施されていてもよい。また、観察窓の表面に向けて空気を噴出する送気ノズルが設けられていて、先端部本体の観察窓の周囲の部分のうちの送気ノズルから遠い方の部分にのみ施されていてもよい。
【0012】
また、親水性の塗装又は親水性のコーティングの親水性が、観察窓に遠い部分より近い部分の方が強くなっていてもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】
図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図2は、側方視型内視鏡の挿入部の先端部分を示している。
【0014】
金属製の先端部本体1の外表面を覆うように、電気絶縁性の先端キャップ2が取り付けられており、観察窓3と照明窓4が、先端部本体1の側面に側方に向けて配置されている。
【0015】
照明窓4には、凹レンズからなる配光レンズ5が照明窓4を水密に塞ぐ状態に固着されており、その裏面側には照明用ライトガイドファイババンドル6の射出端面が配置されている。
【0016】
観察窓3には、凹レンズからなる対物光学系第1レンズ11が観察窓3を水密に塞ぐ状態に固着されており、第1レンズ11の表面は外面に露出している。なお、第1レンズ11は度のない平行平面板を含むものである。
【0017】
第1レンズ11の裏面にはダハプリズム12が接合されている。ダハプリズム12の後方に配置された第2レンズ群13と第1レンズ11とは光軸が一致しており、これら第1レンズ11、ダハプリズム12及び第2レンズ群13によって対物光学系が構成されている。
【0018】
第2レンズ群13の後方には、イメージガイドファイババンドル7の入射端面が配置されており、第1レンズ11の前方の被写体が配光レンズ5から放射される照明光により照明され、その被写体の像がイメージガイドファイババンドル7の入射端面に結像して後方に伝達される。
【0019】
第1レンズ11の近傍には、送気送水ノズル8が開口を後方から第1レンズ11の表面に向けて配置されており、送気送水チューブ9を通って選択的に送られてくる空気と水を、第1レンズ11の表面に吹き付けることができる。
【0020】
第1レンズ11は、ダハプリズム12を接合する必要性から、図3に示されるように四隅を丸めた長方形状に形成されており、その第1レンズ11の外表面には、光学的有効径11a以外の部分の全体に親水性処理Aが施されている。
【0021】
親水性処理Aとしては、第1レンズ11の外表面に、例えば親水性ポリマー微粒子を添加した合成樹脂塗料ような親水性の塗装を施す、又は、例えば酸化チタン光触媒膜(例えば東陶機器(株)製商品名「ハイドロテクト」)のような親水性のコーティングを施す、等の処理がある。
【0022】
このように構成された実施の形態の内視鏡の先端部においては、図2に示されるように第1レンズ11の外表面に水滴50が付着すると、それが第1レンズ11の外縁付近より内側にあっても光学的有効径11aの付近又はそれより外側にあれば、図1に示されるように、親水性処理Aが施されている部分に水滴50が引き寄せられて、光学的有効径11aの外側に排除され、観察視野を妨げない状態になる。
【0023】
図4は、本発明の第2の実施の形態の観察窓3部分の平面図であり、第1の実施の形態と同様の親水性処理Aを、光学的有効径11aとの間に若干の間隔をあけて施したものである。このようにすることにより、光学的有効径11a内から親水性処理A部分に排除された水滴が観察範囲に全く触れない状態になる。
【0024】
図5は、本発明の第3の実施の形態の観察窓3部分の平面図であり、親水性処理Aを、第1レンズ11の表面のうちの送気送水ノズル8から遠い方の部分にのみ施したものである。このようにすると、第1レンズ11の表面に付着した水滴が送気送水ノズル8から遠い方へ排除され、送気時に第1レンズ11の表面に戻ってこない。
【0025】
図6は、本発明の第4の実施の形態の観察窓3部分の平面図であり、親水性処理Aの親水性を、光学的有効径11aに近い部分と遠い部分とで差をつけ、光学的有効径11aに近い部分の親水性を強くしたものである。このようにすることにより、光学的有効径11a内に付着した水滴がその外側に排除され易くなる。
【0026】
図7と図8は、本発明の親水性処理Aを前方視型内視鏡の先端部本体1の先端壁面に施した例を示しており、図7は、親水性処理Aを送気送水ノズル8から遠い方の部分にのみ施した例、図8は、親水性処理Aの親水性を、観察窓3に近い部分と遠い部分とで差をつけ、観察窓3に近い部分の親水性を強くしたものである。このような構成によっても、観察窓3の表面の水滴をその外側に排除することができる。
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば、観察窓に取り付けられた対物光学系第1レンズの表面の光学的有効径以外の部分、又は先端部本体の観察窓の周囲の部分の表面に、親水性の塗装又は親水性のコーティングを施したので、レンズ表面に付着した水滴が観察視野外に排除され易くなり、鮮明で良好な観察像を得ることができる。
【図1】本発明の第1の実施の形態の内視鏡の先端部の第1レンズ表面の水滴が排除されつつある状態の側面断面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の内視鏡の先端部の側面断面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態の内視鏡の先端部の観察窓部分の平面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態の内視鏡の先端部の観察窓部分の平面図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態の内視鏡の先端部の観察窓部分の平面図である。
【図6】本発明の第4の実施の形態の内視鏡の先端部の観察窓部分の平面図である。
【図7】本発明の第5の実施の形態の内視鏡の先端部の先端部本体の正面図である。
【図8】本発明の第6の実施の形態の内視鏡の先端部の先端部本体の正面図である。
【符号の説明】
A 親水性処理
1 先端部本体
3 観察窓
4 照明窓
8 送気送水ノズル
11 第1レンズ
11a 光学的有効径
12 ダハプリズム
13 第2レンズ群
50 水滴
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図8】
【図7】