説明

画像信号伝送方法及び装置、並びに画像信号復号化方法及び装置

【課題】 同一のビットストリームから、画像1枚分の参照画像メモリを持つ復号化装置、又は画像2枚分の参照画像メモリを持つ復号化装置のいずれでも復号化を可能とする。
【解決手段】 N枚毎の画像信号に対しそれぞれN枚前の画像を予測画像として前方予測符号化を行ってビットストリームAを生成し、N枚毎の画像信号以外の画像信号に対し、それぞれN枚毎の画像信号を予測画像として前方予測符号化を行ってビットストリームBを生成し、それぞれ前後2枚のN枚毎の画像信号を予測画像として後方予測符号化を行ってビットストリームCを生成し、ビットストリームAにはビットストリームB,Cで共通に使用できる共通ヘッダを付加し、ビットストリームB,Cからはこの共通ヘッダを除いて、並列に伝送する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【0002】
【産業上の利用分野】本発明は、動画像信号を、例えば光磁気ディスクや磁気テープなどの記録媒体に記録し、これを再生してディスプレイなどに表示したり、テレビ会議システム、テレビ電話システム、放送用機器など、動画像信号を伝送路を介して送信側から受信側に伝送し、受信側において、これを受信し、表示する場合などに用いて好適な画像信号伝送方法及び画像信号伝送装置、並びに画像信号復号化方法及び画像信号復号化装置に関するものである。
【0003】
【従来の技術】例えば、テレビ会議システム、テレビ電話システムなどのように、動画像信号を遠隔地に伝送するシステムにおいては、伝送路を効率良く利用するため、映像信号のライン相関やフレーム間相関を利用して、画像信号を圧縮符号化するようになされている。
【0004】上記ライン相関を利用する場合には、画像信号を、例えばDCT(離散コサイン変換)処理するなどして圧縮することができる。
【0005】また、フレーム間相関を利用すると、画像信号をさらに圧縮して符号化することが可能となる。例えば図13のAに示すように、時刻t=t1,t2,t3において、フレーム画像PC1,PC2,PC3がそれぞれ発生しているとき、フレーム画像PC1とPC2の画像信号の差を演算して、図13のBに示すように画像PC12を生成し、また、図13のAのフレーム画像PC2とPC3の差を演算して、図13のBの画像PC23を生成する。通常、時間的に隣接するフレームの画像は、それ程大きな変化を有していないため、両者の差を演算すると、その差分信号は小さな値のものとなる。すなわち、図13のBに示す画像PC12においては、図13のAのフレーム画像PC1とPC2の画像信号の差として、図13のBの画像PC12の図中斜線で示す部分の信号が得られ、また、図13のBに示す画像PC23においては、図13のAのフレーム画像PC2とPC3の画像信号の差として、図13のBの画像PC23の図中斜線で示す部分の信号が得られる。そこで、この差分信号を符号化すれば、符号量を圧縮することができる。
【0006】しかしながら、上記差分信号のみを伝送したのでは、元の画像を復元することができない。そこで、各フレームの画像を、Iピクチャ(イントラ符号化画像:Intra-coded picture)、Pピクチャ(前方予測符号化画像: Perdictive-codedpicture)またはBピクチャ(両方向予測符号化画像: Bidirectionally-codedpicture)の3種類のピクチャのいずれかのピクチャとし、画像信号を圧縮符号化するようにしている。
【0007】即ち、例えば図14のA及びBに示すように、フレームF1乃至F17までの17フレームの画像信号をグループオブピクチャとし、処理の1単位とする。そして、その先頭のフレームF1の画像信号はIピクチャとして符号化し、第2番目のフレームF2はBピクチャとして、また第3番目のフレームF3はPピクチャとして、それぞれ処理する。以下、第4番目以降のフレームF4乃至F17は、BピクチャまたはPピクチャとして交互に処理する。
【0008】Iピクチャの画像信号としては、その1フレーム分の画像信号をそのまま伝送する。これに対して、Pピクチャの画像信号としては、基本的には、図14R>4のAに示すように、それより時間的に先行するIピクチャまたはPピクチャの画像信号からの差分を符号化して伝送する。さらにBピクチャの画像信号としては、基本的には、図14のBに示すように、時間的に先行するフレームまたは後行するフレームの両方の平均値からの差分を求め、その差分を符号化して伝送する。
【0009】図15のA及びBは、このようにして、動画像信号を符号化する方法の原理を示している。なお、図15のAには動画像信号のフレームのデータを、図15R>5のBには伝送されるフレームデータを模式的に示している。この図15に示すように、最初のフレームF1はIピクチャすなわち非補間フレームとして処理されるため、そのまま伝送データF1X(伝送非補間フレームデータ)として伝送路に伝送される(イントラ符号化)。これに対して、第2のフレームF2は、Bピクチャすなわち補間フレームとして処理されるため、時間的に先行する上記フレームF1と、時間的に後行するフレームF3(フレーム間符号化の非補間フレーム)の平均値との差分が演算され、その差分が伝送データ(伝送補間フレームデータ)F2Xとして伝送される。
【0010】但し、このBピクチャとしての処理は、さらに細かく説明すると、マクロブロック単位で切り替えが可能な4種類のモードが存在する。その第1の処理は、元のフレームF2のデータを図中破線の矢印SP1で示すようにそのまま伝送データF2Xとして伝送するものであり(イントラ符号化モード)、Iピクチャにおける場合と同様の処理となる。第2の処理は、時間的に後のフレームF3からの差分を演算し、図中破線矢印SP2で示すようにその差分を伝送するものである(後方予測モード)。第3の処理は、図中破線矢印SP3で示すように時間的に先行するフレームF1との差分を伝送するものである(前方予測モード)。さらに第4の処理は、図中破線矢印SP4で示すように時間的に先行するフレームF1と後行するフレームF3の平均値との差分を生成し、これを伝送データF2Xとして伝送するものである(両方向予測モード)。
【0011】この4つの方法のうち、伝送データが最も少なくなる方法がマクロブロック単位で採用される。
【0012】尚、差分データを伝送するときには、差分を演算する対象となるフレームの画像(予測画像)との間の動きベクトルx1(前方予測の場合のフレームF1とF2の間の動きベクトル)、もしくは動きベクトルx2(後方予測の場合のフレームF3とF2の間の動きベクトル)、または動きベクトルx1とx2の両方(両方向予測の場合)が、差分データとともに伝送される。
【0013】また、PピクチャのフレームF3(フレーム間符号化の非補間フレーム)は、時間的に先行するフレームF1を予測画像として、このフレームF1との差分信号(破線矢印SP3で示す)と、動きベクトルx3が演算され、これが伝送データF3Xとして伝送される(前方予測モード)。あるいはまた、元のフレームF3のデータがそのまま伝送データF3Xとして伝送(破線矢印SP1で示す)される(イントラ符号化モード)。このPピクチャにおいて、いずれの方法により伝送されるかは、Bピクチャにおける場合と同様であり、伝送データがより少なくなる方がマクロブロック単位で選択される。
【0014】なお、BピクチャのフレームF4とPピクチャのフレームF5も上述同様に処理され、伝送データF4X、F5X、動きベクトルx4,x5,x6等が得られる。
【0015】図16は、上述した原理に基づいて、動画像信号を符号化して伝送し、これを復号化する装置の構成例を示している。符号化装置1は、入力された映像信号を符号化し、伝送路としての記録媒体3に伝送して記録するようになされている。そして、復号化装置2は、記録媒体3に記録された信号を再生し、これを復号して出力するようになされている。
【0016】先ず、符号化装置1においては、入力端子10を介して入力された映像信号VDが前処理回路11に入力され、そこで輝度信号と色信号(この例の場合、色差信号)が分離され、それぞれA/D変換器12,13でA/D変換される。A/D変換器12,13によりA/D変換されてディジタル信号となった映像信号は、フレームメモリ14に供給され、記憶される。このフレームメモリ14では、輝度信号を輝度信号フレームメモリ15に、また、色差信号を色差信号フレームメモリ16に、それぞれ記憶させる。
【0017】フォーマット変換回路17は、フレームメモリ14に記憶されたフレームフォーマットの信号を、ブロックフォーマットの信号に変換する。即ち、図17の(A)に示すように、フレームメモリ14に記憶された映像信号は、1ライン当りHドットのラインがVライン集められたフレームフォーマットのデータとされている。フォーマット変換回路17は、この1フレームの信号を、16ラインを単位としてN個のスライスに区分する。そして、各スライスは、図17の(B)に示すように、M個のマクロブロックに分割される。各マクロブロックは、図17の(C)に示すように、16×16個の画素(ドット)に対応する輝度信号により構成され、この輝度信号は、図17の(C)に示すように、さらに8×8ドットを単位とするブロックY[1]乃至Y[4]に区分される。そして、この16×16ドットの輝度信号には、8×8ドットのCb信号と、8×8ドットのCr信号が対応される。
【0018】このように、ブロックフォーマットに変換されたデータは、フォーマット変換回路17からエンコーダ18に供給され、ここでエンコード(符号化)が行われる。その詳細については、図18を参照して後述する。
【0019】エンコーダ18によりエンコードされた信号は、ビットストリームとして伝送路に出力され、例えば記録媒体3に記録される。
【0020】記録媒体3より再生されたデータは、復号化装置2のデコーダ31に供給され、デコードされる。デコーダ31の詳細については、図21を参照して後述する。
【0021】デコーダ31によりデコードされたデータは、フォーマット変換回路32に入力され、ブロックフォーマットからフレームフォーマットに変換される。そして、フレームフォーマットの輝度信号は、フレームメモリ33の輝度信号フレームメモリ34に供給され、記憶され、色差信号は色差信号フレームメモリ35に供給され、記憶される。輝度信号フレームメモリ34と色差信号フレームメモリ35より読み出された輝度信号と色差信号は、D/A変換器36と37によりそれぞれD/A変換され、後処理回路38に供給され、合成される。この出力映像信号は、出力端子30から図示せぬ例えばCRTなどのディスプレイに出力され、表示される。
【0022】次に図18を参照して、エンコーダ18の構成例について説明する。
【0023】入力端子49を介して供給された符号化されるべき画像データは、マクロブロック単位で動きベクトル検出回路50に入力される。動きベクトル検出回路50は、予め設定されている所定のシーケンスに従って、各フレームの画像データを、Iピクチャ、Pピクチャ、またはBピクチャとして処理する。シーケンシャルに入力される各フレームの画像を、I,P,Bのいずれのピクチャとして処理するかは、予め定められている(例えば、図14に示したように、フレームF1乃至F17により構成されるグループオブピクチャが、I,B,P,B,P,・・・B,Pとして処理される)。
【0024】Iピクチャとして処理されるフレーム(例えばフレームF1)の画像データは、動きベクトル検出回路50からフレームメモリ51の前方原画像部51aに転送、記憶され、Bピクチャとして処理されるフレーム(例えばフレームF2)の画像データは、原画像部(参照原画像部)51bに転送、記憶され、Pピクチャとして処理されるフレーム(例えばフレームF3)の画像データは、後方原画像部51cに転送、記憶される。
【0025】また、次のタイミングにおいて、さらにBピクチャ(例えば前記フレームF4)またはPピクチャ(前記フレームF5)として処理すべきフレームの画像が入力されたとき、それまで後方原画像部51cに記憶されていた最初のPピクチャ(フレームF3)の画像データが、前方原画像部51aに転送され、次のBピクチャ(フレームF4)の画像データが、原画像部51bに記憶(上書き)され、次のPピクチャ(フレームF5)の画像データが、後方原画像部51cに記憶(上書き)される。このような動作が順次繰り返される。
【0026】フレームメモリ51に記憶された各ピクチャの信号は、そこから読み出され、予測モード切り換え回路52において、フレーム予測モード処理、またはフィールド予測モード処理が行なわれる。さらにまた予測判定回路54の制御の下に、演算部53において、イントラ符号化モード、前方予測モード、後方予測モード、または両方向予測モードによる演算が行なわれる。これらの処理のうち、いずれの処理を行なうかは、予測誤差信号(処理の対象とされている参照画像と、これに対する予測画像との差分)に対応してマクロブロック単位で決定される。このため、動きベクトル検出回路50は、この判定に用いられる予測誤差信号の絶対値和(自乗和でもよい)及び、その予測誤差信号に対応するイントラ符号化モードの評価値をマクロブロック単位で生成する。
【0027】ここで、予測モード切り換え回路52におけるフレーム予測モードとフィールド予測モードについて説明する。
【0028】フレーム予測モードが設定された場合においては、予測モード切り換え回路52は、動きベクトル検出回路50より供給される4個の輝度ブロックY[1]乃至Y[4]を、そのまま後段の演算部53に出力する。即ち、この場合においては、図19のAに示すように、各輝度ブロックに奇数フィールドのラインのデータと、偶数フィールドのラインのデータとが混在した状態となっている。なお、図19の各マクロブロック中の実線は奇数フィールド(第1フィールドのライン)のラインのデータを、破線は偶数フィールド(第2フィールドのライン)のラインのデータを示し、図19の図中a及びbは動き補償の単位を示している。このフレーム予測モードにおいては、4個の輝度ブロック(マクロブロック)を単位として予測が行われ、4個の輝度ブロックに対して1個の動きベクトルが対応される。
【0029】これに対して、予測モード切り換え回路52は、フィールド予測モードが設定された場合、図19のAに示す構成で動きベクトル検出回路50より入力される信号を、図19のBに示すように、4個の輝度ブロックのうち、輝度ブロックY[1]とY[2]を、例えば奇数フィールドのラインのドットによりのみ構成させ、他の2個の輝度ブロックY[3]とY[4]を、偶数フィールドのラインのデータにより構成させて、演算部53に出力する。この場合においては、2個の輝度ブロックY[1]とY[2]に対して、1個の動きベクトルが対応され、他の2個の輝度ブロックY[3]とY[4]に対して、他の1個の動きベクトルが対応される。
【0030】尚、色差信号は、フレーム予測モードの場合、図19のAに示すように、奇数フィールドのラインのデータと偶数フィールドのラインのデータとが混在する状態で、演算部53に供給される。また、フィールド予測モードの場合、図19のBに示すように、各色差ブロックCb,Crの上半分(4ライン)が、輝度ブロックY[1],Y[2]に対応する奇数フィールドの色差信号とされ、下半分(4ライン)が、輝度ブロックY[3],Y[4]に対応する偶数フィールドの色差信号とされる。
【0031】また、動きベクトル検出回路50は、次のようにして、予測判定回路54において、各マクロブロックに対し、イントラ符号化モード、前方予測モード、後方予測モード、または両方向予測モードのいずれの予測を行なうか及びフレーム予測モード、フィールド予測モードのどちらで処理するかを決定するためのイントラ符号化モードの評価値及び各予測誤差の絶対値和をマクロブロック単位で生成する。
【0032】即ち、イントラ符号化モードの評価値として、これから符号化される参照画像のマクロブロックの信号Aijとその平均値との差の絶対値和Σ|Aij−(Aijの平均値)|を求める。また、前方予測の予測誤差の絶対値和として、フレーム予測モード及びフィールド予測モードそれぞれにおける、参照画像のマクロブロックの信号Aijと、予測画像のマクロブロックの信号Bijの差(Aij−Bij)の絶対値|Aij−Bij|の和Σ|Aij−Bij|を求める。また、後方予測と両方向予測の予測誤差の絶対値和も、前方予測における場合と同様に(その予測画像を前方予測における場合と異なる予測画像に変更して)フレーム予測モード及びフィールド予測モードの場合のそれぞれに対して求める。
【0033】これらの絶対値和は、予測判定回路54に供給される。予測判定回路54は、フレーム予測モード、フィールド予測モードそれぞれにおける前方予測、後方予測及び両方向予測の予測誤差の絶対値和のうち、最も小さいものを、インター(inter) 予測の予測誤差の絶対値和として選択する。さらに、このインター予測の予測誤差の絶対値和と、イントラ符号化モードの評価値とを比較し、その小さい方を選択し、この選択した値に対応するモードを予測モード及びフレーム/フィールド予測モードとして選択する。即ち、イントラ符号化モードの評価値の方が小さければ、イントラ符号化モードが設定される。インター予測の予測誤差の絶対値和の方が小さければ、前方予測、後方予測または両方向予測モードのうち、対応する絶対値和が最も小さかったモードが予測モード及びフレーム/フィールド予測モードとして設定される。
【0034】上述したように、予測モード切り換え回路52は、参照画像のマクロブロックの信号を、フレームまたはフィールド予測モードのうち、予測判定回路54により選択されたモードに対応する図19で示したような構成で、演算部53に供給する。また動きベクトル検出回路50は、予測判定回路54により選択された予測モードに対応する予測画像と参照画像との間の動きベクトルを出力し、後述する可変長符号化回路58と動き補償回路64に供給する。なお、この動きベクトルとしては、対応する予測誤差の絶対値和が最小となるものが選択される。
【0035】予測判定回路54は、動きベクトル検出回路50が前方原画像部51aよりIピクチャの画像データを読み出しているとき、予測モードとして、イントラ符号化モード(動き補償を行わないモード)を設定し、演算部53のスイッチ53dを接点a側に切り換える。これにより、Iピクチャの画像データがDCTモード切り換え回路55に入力される。
【0036】このDCTモード切り換え回路55は、図2020のAまたはBに示すように、4個の輝度ブロックのデータを、奇数フィールドのラインと偶数フィールドのラインが混在する状態(フレームDCTモード)、または、分離された状態(フィールドDCTモード)、のいずれかの状態にして、DCT回路56に出力する。
【0037】即ち、DCTモード切り換え回路55は、奇数フィールドと偶数フィールドのデータを混在してDCT処理した場合における符号化効率と、分離した状態においてDCT処理した場合の符号化効率とを比較し、符号化効率の良好なモードを選択する。
【0038】例えば、入力された信号を、図20のAに示すように、奇数フィールドと偶数フィールドのラインが混在する構成とし、上下に隣接する奇数フィールドのラインの信号と偶数フィールドのラインの信号の差を演算し、さらにその絶対値の和(または自乗和)を求める。また、入力された信号を、図20のBに示すように、奇数フィールドと偶数フィールドのラインが分離した構成とし、上下に隣接する奇数フィールドのライン同士の信号の差と、偶数フィールドのライン同士の信号の差を演算し、それぞれの絶対値の和(または自乗和)を求める。さらに、両者(絶対値和)を比較し、小さい値に対応するDCTモードを設定する。即ち、前者の方が小さければ、フレームDCTモードを設定し、後者の方が小さければ、フィールドDCTモードを設定する。
【0039】そして、選択したDCTモードに対応する構成のデータをDCT回路56に出力するとともに、選択したDCTモードを示すDCTフラグを、可変長符号化回路58に出力する。
【0040】予測モード切り換え回路52におけるフレーム/フィールド予測モード(図19参照)と、このDCTモード切り換え回路55におけるDCTモード(図2020参照)を比較して明らかなように、輝度ブロックに関しては、両者の各モードにおけるデータ構造は実質的に同一である。
【0041】予測モード切り換え回路52において、フレーム予測モード(奇数ラインと偶数ラインが混在するモード)が選択された場合、DCTモード切り換え回路55においても、フレームDCTモード(奇数ラインと偶数ラインが混在するモード)が選択される可能性が高く、また予測モード切り換え回路52において、フィールド予測モード(奇数フィールドと偶数フィールドのデータが分離されたモード)が選択された場合、DCTモード切り換え回路55において、フィールドDCTモード(奇数フィールドと偶数フィールドのデータが分離されたモード)が選択される可能性が高い。
【0042】しかしながら、必ずしも常にそのようになされるわけではなく、予測モード切り換え回路52においては、予測誤差の絶対値和が小さくなるようにモードが決定され、DCTモード切り換え回路55においては、符号化効率が良好となるようにモードが決定される。
【0043】DCTモード切り換え回路55より出力されたIピクチャの画像データは、DCT回路56に入力され、DCT(離散コサイン変換)処理され、DCT係数に変換される。このDCT係数は、量子化回路57に入力され、送信バッファ59のデータ蓄積量(バッファ蓄積量)に対応した量子化ステップで量子化された後、可変長符号化回路58に入力される。
【0044】可変長符号化回路58は、量子化回路57より供給される量子化ステップ(スケール)に対応して、量子化回路57より供給される画像データ(いまの場合、Iピクチャのデータ)を、例えばハフマン(Huffman) 符号などの可変長符号に変換し、送信バッファ59に出力する。
【0045】可変長符号化回路58にはまた、量子化回路57より量子化ステップ(スケール)、予測判定回路54より予測モード(イントラ符号化モード、前方予測モード、後方予測モード、または両方向予測モードのいずれが設定されたかを示すモード)、動きベクトル検出回路50より動きベクトル、予測判定回路54より予測フラグ(フレーム予測モードまたはフィールド予測モードのいずれが設定されたかを示すフラグ)、及びDCTモード切り換え回路55が出力するDCTフラグ(フレームDCTモードまたはフィールドDCTモードのいずれが設定されたかを示すフラグ)が入力されており、これらも可変長符号化される。
【0046】送信バッファ59は、入力されたデータを一時蓄積し、蓄積量に対応するデータを量子化回路57に出力する。
【0047】送信バッファ59は、そのデータ残量が許容上限値まで増量すると、量子化制御信号によって量子化回路57の量子化スケールを大きくすることにより、量子化データのデータ量を低下させる。また、これとは逆に、データ残量が許容下限値まで減少すると、送信バッファ59は、量子化制御信号によって量子化回路57の量子化スケールを小さくすることにより、量子化データのデータ量を増大させる。このようにして、送信バッファ59のオーバフローまたはアンダフローが防止される。
【0048】そして、送信バッファ59に蓄積されたデータは、所定のタイミングで読み出され、出力端子69を介して伝送路に出力され、例えば記録媒体3に記録される。
【0049】一方、量子化回路57より出力されたIピクチャのデータは、逆量子化回路60に入力され、量子化回路57より供給される量子化ステップに対応して逆量子化される。逆量子化回路60の出力は、IDCT(逆DCT)回路61に入力され、逆DCT処理された後、演算器62を介してフレームメモリ63の前方予測画像部63aに供給され、記憶される。
【0050】ところで動きベクトル検出回路50は、シーケンシャルに入力される各フレームの画像データを、たとえば、前述したようにI,B,P,B,P,B・・・のピクチャとしてそれぞれ処理する場合、最初に入力されたフレームの画像データをIピクチャとして処理した後、次に入力されたフレームの画像をBピクチャとして処理する前に、さらにその次に入力されたフレームの画像データをPピクチャとして処理する。Bピクチャは、後方予測及び両方向予測を伴う可能性があるため、後方予測画像としてのPピクチャが先に用意されていないと、復号することができないからである。
【0051】そこで動きベクトル検出回路50は、Iピクチャの処理の次に、後方原画像部51cに記憶されているPピクチャの画像データの処理を開始する。そして、上述した場合と同様に、マクロブロック単位でのイントラ符号化モードの評価値及びフレーム間差分(予測誤差)の絶対値和が、動きベクトル検出回路50から予測判定回路54に供給される。予測判定回路54は、このPピクチャのマクロブロックのイントラ符号化モードの評価値及び予測誤差の絶対値和に対応して、フレーム予測モード、フィールド予測モードの何れか、及びイントラ符号化モード、前方予測モードのいずれの予測モードかをマクロブロック単位で設定する。
【0052】演算部53はイントラ符号化モードが設定されたとき、スイッチ53dを上述したように接点a側に切り換える。従って、このデータは、Iピクチャのデータと同様に、DCTモード切り換え回路55、DCT回路56、量子化回路57、可変長符号化回路58、送信バッファ59を介して伝送路に伝送される。また、このデータは、逆量子化回路60、IDCT回路61、演算器62を介してフレームメモリ63の後方予測画像部63bに供給され、記憶される。
【0053】一方、前方予測モードの時、スイッチ53dが接点bに切り換えられるとともに、フレームメモリ63の前方予測画像部63aに記憶されている画像(いまの場合Iピクチャの画像)データが読み出され、動き補償回路64により、動きベクトル検出回路50が出力する動きベクトルに対応して動き補償される。すなわち、動き補償回路64は、予測判定回路54より前方予測モードの設定が指令されたとき、前方予測画像部63aの読み出しアドレスを、動きベクトル検出回路50がいま出力しているマクロブロックの位置に対応する位置から動きベクトルに対応する分だけずらしてデータを読み出し、予測画像データを生成する。
【0054】動き補償回路64より出力された予測画像データは、演算器53aに供給される。演算器53aは、予測モード切り換え回路52より供給された参照画像のマクロブロックのデータから、動き補償回路64より供給された、このマクロブロックに対応する予測画像データを減算し、その差分(予測誤差)を出力する。この差分データは、DCTモード切り換え回路55、DCT回路56、量子化回路57、可変長符号化回路58、送信バッファ59を介して伝送路に伝送される。また、この差分データは、逆量子化回路60、IDCT回路61により局所的に復号され、演算器62に入力される。
【0055】この演算器62にはまた、演算器53aに供給されている予測画像データと同一のデータが供給されている。演算器62は、IDCT回路61が出力する差分データに、動き補償回路64が出力する予測画像データを加算する。これにより、元の(復号した)Pピクチャの画像データが得られる。このPピクチャの画像データは、フレームメモリ63の後方予測画像部63bに供給され、記憶される。尚、実際には、演算器62に供給される、IDCT回路の出力する差分データのデータ構造と予測画像データのデータ構造とは、同じである必要があるため、フレーム/フィールド予測モードとフレーム/フィールドDCTモードが、異なる場合に備えてデータの並べ換えを行う回路が必要であるが、簡単のため省略する。
【0056】動きベクトル検出回路50は、このように、IピクチャとPピクチャのデータが前方予測画像部63aと後方予測画像部63bにそれぞれ記憶された後、次にBピクチャの処理を実行する。予測判定回路54は、マクロブロック単位でのイントラ符号化モードの評価値及びフレーム間差分の絶対値和の大きさに対応して、フレーム/フィールド予測モードを設定し、また、予測モードをイントラ符号化モード、前方予測モード、後方予測モード、または両方向予測モードのいずれかに設定する。
【0057】上述したように、イントラ符号化モードまたは前方予測モードの時、スイッチ53dは接点aまたはbに切り換えられる。このとき、Pピクチャにおける場合と同様の処理が行われ、データが伝送される。
【0058】これに対して、後方予測モードまたは両方向予測モードが設定された時、スイッチ53dは、接点cまたはdにそれぞれ切り換えられる。
【0059】スイッチ53dが接点cに切り換えられている後方予測モードの時、後方予測画像部63bに記憶されている画像(いまの場合、Pピクチャの画像)データが読み出され、動き補償回路64により、動きベクトル検出回路50が出力する動きベクトルに対応して動き補償される。すなわち、動き補償回路64は、予測判定回路54より後方予測モードの設定が指令されたとき、後方予測画像部63bの読み出しアドレスを、動きベクトル検出回路50がいま出力しているマクロブロックの位置に対応する位置から動きベクトルに対応する分だけずらしてデータを読み出し、予測画像データを生成する。
【0060】動き補償回路64より出力された予測画像データは、演算器53bに供給される。演算器53bは、予測モード切り換え回路52より供給された参照画像のマクロブロックのデータから、動き補償回路64より供給された予測画像データを減算し、その差分を出力する。この差分データは、DCTモード切り換え回路55、DCT回路56、量子化回路57、可変長符号化回路58、送信バッファ59を介して伝送路に伝送される。
【0061】スイッチ53dが接点dに切り換えられている両方向予測モードの時、前方予測画像部63aに記憶されている画像(いまの場合、Iピクチャの画像)データと、後方予測画像部63bに記憶されている画像(いまの場合、Pピクチャの画像)データが読み出され、動き補償回路64により、動きベクトル検出回路50が出力する動きベクトルに対応して動き補償される。すなわち、動き補償回路64は、予測判定回路54より両方向予測モードの設定が指令されたとき、前方予測画像部63aと後方予測画像部63bの読み出しアドレスを、動きベクトル検出回路50がいま出力しているマクロブロックの位置に対応する位置から動きベクトル(この場合の動きベクトルは、フレーム予測モードの場合、前方予測画像用と後方予測画像用の2つ、フィールド予測モードの場合は、前方予測画像用に2つ、後方予測画像用の2つの計4つとなる)に対応する分だけずらしてデータを読み出し、予測画像データを生成する。
【0062】動き補償回路64より出力された予測画像データは、演算器53cに供給される。演算器53cは、動きベクトル検出回路50より供給された参照画像のマクロブロックのデータから、動き補償回路64より供給された予測画像データの平均値を減算し、その差分を出力する。この差分データは、DCTモード切り換え回路55、DCT回路56、量子化回路57、可変長符号化回路58、送信バッファ59を介して伝送路に伝送される。
【0063】Bピクチャの画像は、他の画像の予測画像とされることがないため、フレームメモリ63には記憶されない。
【0064】尚、フレームメモリ63において、前方予測画像部63aと後方予測画像部63bは、必要に応じてバンク切り換えが行われ、所定の参照画像に対して、一方または他方に記憶されているものを、前方予測画像あるいは後方予測画像として切り換えて出力することができる。
【0065】以上においては、輝度ブロックを中心として説明をしたが、色差ブロックについても同様に、図19R>9及び図20に示すマクロブロックを単位として処理され、伝送される。尚、色差ブロックを処理する場合の動きベクトルは、対応する輝度ブロックの動きベクトルを垂直方向と水平方向に、それぞれ1/2にしたものが用いられる。
【0066】次に、図21は、図16のデコーダ31の一例の構成を示すブロック図である。伝送路(記録媒体3)を介して伝送された符号化された画像データは、図示せぬ受信回路で受信されたり、再生装置で再生され、入力端子80を介して受信バッファ81に一時記憶された後、復号回路90の可変長復号化回路82に供給される。可変長復号化回路82は、受信バッファ81より供給されたデータを可変長復号化し、動きベクトル、予測モード、予測フラグ及びDCTフラグを動き補償回路87に、また、量子化ステップを逆量子化回路83に、それぞれ出力するとともに、復号された画像データを逆量子化回路83に出力する。
【0067】逆量子化回路83は、可変長復号化回路82より供給された画像データを、同じく可変長復号化回路82より供給された量子化ステップに従って逆量子化し、IDCT回路84に出力する。逆量子化回路83より出力されたデータ(DCT係数)は、IDCT回路84で、逆DCT処理され、演算器85に供給される。
【0068】IDCT回路84より供給された画像データが、Iピクチャのデータである場合、そのデータは演算器85より出力され、演算器85に後に入力される画像データ(PまたはBピクチャのデータ)の予測画像データ生成のために、フレームメモリ86の前方予測画像部86aに供給されて記憶される。また、このデータは、フォーマット変換回路32(図16)に出力される。
【0069】IDCT回路84より供給された画像データが、その1フレーム前の画像データを予測画像データとするPピクチャのデータであって、前方予測モードで符号化されたマクロブロックのデータである場合、フレームメモリ86の前方予測画像部86aに記憶されている、1フレーム前の画像データ(Iピクチャのデータ)が読み出され、動き補償回路87で可変長復号化回路82より出力された動きベクトルに対応する動き補償が施される。そして、演算器85において、IDCT回路84より供給された画像データ(差分のデータ)と加算され、出力される。この加算されたデータ、即ち、復号されたPピクチャのデータは、演算器85に後に入力される画像データ(BピクチャまたはPピクチャのデータ)の予測画像データ生成のために、フレームメモリ86の後方予測画像部86bに供給されて記憶される。
【0070】Pピクチャのデータであっても、イントラ符号化モードで符号化されたマクロブロックのデータは、Iピクチャのデータと同様に、演算器85で特に処理は行わず、そのまま後方予測画像部86bに記憶される。
【0071】このPピクチャは、次のBピクチャの次に表示されるべき画像であるため、この時点では、まだフォーマット変換回路32へ出力されない(上述したように、Bピクチャの後に入力されたPピクチャが、Bピクチャより先に処理され、伝送されている)。
【0072】IDCT回路84より供給された画像データが、Bピクチャのデータである場合、可変長復号化回路82より供給された予測モードに対応して、フレームメモリ86の前方予測画像部86aに記憶されているIピクチャの画像データ(前方予測モードの場合)、後方予測画像部86bに記憶されているPピクチャの画像データ(後方予測モードの場合)、または、その両方の画像データ(両方向予測モードの場合)が読み出され、動き補償回路87において、可変長復号化回路82より出力された動きベクトルに対応する動き補償が施されて、予測画像が生成される。但し、動き補償を必要としない場合(イントラ符号化モードの場合)、予測画像は生成されない。
【0073】このようにして、動き補償回路87で動き補償が施されたデータは、演算器85において、IDCT回路84の出力と加算される。この加算出力は、出力端子91を介してフォーマット変換回路32に出力される。
【0074】但し、この加算出力はBピクチャのデータであり、他の画像の予測画像生成のために利用されることがないため、フレームメモリ86には記憶されない。
【0075】Bピクチャの画像が出力された後、後方予測画像部86bに記憶されているPピクチャの画像データが読み出され、動き補償回路87及び演算器85を介して再生画像として出力される。但し、このとき、動き補償及び加算は行われない。
【0076】尚、このデコーダ31には、図18のエンコーダ18における予測モード切り換え回路52とDCTモード切り換え回路55に対応する回路が図示されていないが、これらの回路に対応する処理、即ち、奇数フィールドと偶数フィールドのラインの信号が分離された構成を、元の混在する構成に必要に応じて戻す処理は、動き補償回路87が実行する。
【0077】また、以上においては、輝度信号の処理について説明したが、色差信号の処理も同様に行われる。但し、この場合、動きベクトルは、輝度信号用のものを、垂直方向及び水平方向に1/2にしたものが用いられる。
【0078】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の画像信号符号化および復号化方法によれば、2枚の予測画像を用いた両方向予測(すなわちBピクチャを用いた符号化/復号化)が可能であるが、この場合メモリ量が大きくなる。また、1枚の予測画像を用いた前方予測(即ちPピクチャを用いた符号化/復号化)又は後方予測(すなわち予測モードをイントラ符号化モード及び後方予測モードのみに限定したBピクチャを用いた符号化/復号化)のみに限定すれば、メモリ量は削減可能であるが、画質が低下する。
【0079】さらに上記両方向予測を用いて生成したビットストリームと、前方予測(後方予測)のみに限定して生成したビットストリームには、相互互換性がないという課題がある。
【0080】現実的には、同一の信号から、画像1枚分の容量をもつ参照画像メモリを持つデコーダでも画像2枚分の参照画像メモリを持つデコーダでもデコードが可能であって、画像2枚分の参照画像メモリをもつデコーダを用いた場合は、両方向予測によって画質が向上するような、ビットストリームの互換性があることが望ましい。
【0081】本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、同一のビットストリームから、画像1枚分の参照画像メモリを持つ前方予測(後方予測)のみが可能なデコーダでデコードが可能であり、さらに画像2枚分の参照画像メモリを持つ両方向予測が可能なデコーダでデコードした場合には、画質が向上する様にでき、予測用参照画像メモリの量の異なるデコーダでそれぞれデコードが可能となるような互換性をもたせたビットストリームの画像信号伝送並びに復号化方法及びその装置に関するものである。
【0082】
【課題を解決するための手段】ここで、本発明においては、3種類のビットストリームが生成される。すなわち、第1の符号化として、N枚の画像毎に、Iピクチャ及びPピクチャとして符号化を行い第1のビットストリームを生成する。第2の符号化としては、上記第1の符号化において符号化されなかった(N−1)枚の画像を、第1の符号化で符号化された画像の局所復号画像を予測画像に用いて、Pピクチャ又は予測モードに制限を設けたBピクチャ(イントラ符号化モード及び後方予測モードのみ選択が可能)として符号化を行い第2のビットストリームを生成する。第3の符号化としては、上記第1の符号化において符号化されなかった(N−1)枚の画像を、第1の符号化で符号化された画像の局所復号画像を予測画像に用いて、Bピクチャとして符号化を行い、第3のビットストリームを生成する。
【0083】ここで、1枚の参照画像メモリを持つ前方予測(後方予測)のみが可能なデコーダでデコードする場合には、第1のビットストリームと第2のビットストリームを組み合わせることによって、復号を行う。1枚の参照画像メモリを用いることによって、第1のビットストリームからIピクチャ及びPピクチャとして符号化された画像信号を復号する。また、その復号画像を上記1枚の参照画像メモリに記憶し、この復号画像を予測画像に用いて、第2のビットストリームからPピクチャ又は予測モードに制限を設けたBピクチャ(イントラ符号化モード及び後方予測モードのみ選択が可能)として符号化された画像信号を復号する。
【0084】これに対して、2枚の参照画像メモリを持つ両方向予測が可能なデコーダでデコードする場合には、第1のビットストリームと第3のビットストリームを組み合わせることによって復号を行う。2枚の参照画像メモリの内の1枚を用いることによって第1のビットストリームからIピクチャ及びPピクチャとして符号化された画像信号を復号する。またその復号画像を2枚の参照画像メモリに記憶し、この2枚の復号画像を予測画像に用いて第3のビットストリームからBピクチャとして符号化された画像信号を復号する。
【0085】本発明は、この符号化並びに復号化によって、予測用参照画像メモリの量の異なるデコーダでデコードが可能となるような、互換性を持つことを特徴としている。さらに、本発明は、上記第2,第3の符号化された信号の一部のヘッダ情報を上記第1の符号化された信号に付加して第1のビットストリームとし、第2,第3のビットストリームはこれらのヘッダ情報を除いたものとしている。
【0086】
【作用】本発明によれば、同一のビットストリームから、画像1枚分の参照画像メモリを持つ前方予測(後方予測)のみが可能な復号化装置で復号化が可能となり、さらに画像2枚分の参照画像メモリを持つ両方向予測が可能な復号化装置で復号化した場合、画質が向上する様にでき、予測用参照画像メモリの量の異なる復号化装置で、それぞれ復号化することが可能となる。
【0087】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
【0088】ここで、本実施例の具体的な説明に先立ち、本実施例の予測画像について簡単に説明する。
【0089】本実施例では、前記前方予測,後方予測,両方向予測等の予測の手法によって、必要となる参照画像メモリの枚数が限定される。先ず、前方予測のみで画像間距離が1の場合を図1に示す。この場合、前方予測に1枚前の画像の復号画像を用いるため、1枚の参照画像メモリが必要となる。すなわち、この場合、画像はIピクチャとPピクチャのみとなり、全て前方予測(但し、イントラ符号化モードによるマクロブロックを含んでもよい)によって画像を構成する。
【0090】これに対して、両方向予測を行うことができるシステム(デコーダ)の場合を、図2に示す。この場合、前述した従来例で示したとおり前方予測用画像メモリおよび後方予測用画像メモリによる2枚の参照画像メモリが必要となる。すなわち、この場合、画像はIピクチャ,Pピクチャ,Bピクチャとなる。
【0091】本発明実施例では、上記参照画像を1枚とするデコーダでも、また、参照画像を2枚とするデコーダでもデコードが可能な、互換性を持った符号化方式に関して説明する。
【0092】先ず、第1の実施例として、以下に示す2種類のデコーダでの互換性を持つ符号化方式/復号化方式に関して説明する。すなわち、第1に、1枚の参照画像メモリを持つ場合で前方予測のみが可能なデコーダと、第2に、2枚の参照画像メモリを持つ場合で両方向予測が可能なデコーダに対して互換性を有する符号化方式/復号化方式について説明する。
【0093】上記符号化方式から説明する。
【0094】図3を用いて本発明実施例の予測方式について説明する。この図3において、各画像に示してあるI,P,BはそれぞれIピクチャ、Pピクチャ、Bピクチャを表し、P’はPピクチャを表している。また図中矢印は、予測で参照する画像間の予測の方向を示してある。
【0095】この符号化においては、3種類のビットストリームが生成される。これらを図3の上から順に、第1のビットストリームであるビットストリームA(伝送チャネル(0)で伝送)、第2のビットストリームであるビットストリームB(伝送チャネル(1)で伝送)、第3のビットストリームであるビットストリームC (伝送チャネル(2)で伝送)とする。
【0096】上記ビットストリームAにおいては、それぞれの画像間の距離を2枚間隔(N=2)として前方予測を行ったデータ(Pピクチャのデータ)及びIピクチャのデータが符号化される。
【0097】上記ビットストリームBにおいては、上記ビットストリームAで符号化されなかった1枚の画像を(N−1枚の画像すなわち上記ビットストリームAに示すI,Pピクチャ間のP′ピクチャを)、ビットストリームAの局所復号画像(I,Pピクチャ)を予測画像に用いて前方予測を行ったデータ(P′ピクチャのデータ)が符号化される。
【0098】上記ビットストリームCにおいては、上記ビットストリームAで符号化されなかった1枚(N−1)の画像を(上記ビットストリームBで符号化する画像を)、上記ビットストリームAの前後2枚の局所復号画像(I又はPピクチャ)を用いて両方向予測を行ったデータ(Bピクチャのデータ)が符号化される。
【0099】ここで、上記ビットストリームAは予測の基本となるビットストリームであり、上記ビットストリームBおよびビットストリームCは、それぞれ差し替え可能な、ビットストリームAとの組み合わせによりデコードが可能となるビットストリームである。
【0100】上述した本実施例の符号化によって生成されたビットストリームは、その組み合わせによって、エンコーダのローカルデコーダ及びデコーダに必要なメモリ枚数が変化する。
【0101】すなわち、第1に、ビットストリームA+ビットストリームBの組合せの場合には、エンコーダのローカルデコーダは少なくとも1枚の参照画像メモリを持つ必要があり、このローカルデコーダでは、イントラ符号化及び前方予測符号化されたデータのみの局所復号(ローカルデコード)が可能となる。
【0102】この場合のエンコーダブロックダイヤグラムを図4に示す。なお、この図4に示すエンコーダにおいて、前述した図18に示した各構成要素と同一のものについては同一の指示符号を付してその説明については省略している。この図4は、フレームメモリ163の参照画像用のメモリが1枚(前方予測画像部63aのみ)で、予測として演算部153のスイッチ53eの接点a,bにおけるイントラ符号化と前方予測のみが可能なエンコーダである。
【0103】このエンコーダでは、符号化は、図3に示すP’,I1,P’2,P3,P’4,P5・・・の順に行われる。但し、伝送チャネル(1)で伝送される画像のデータ(すなわちビットストリームBのデータ)は局所復号(ローカルデコード)されない。まず、ビットストリームBのP’の画像が、ビットストリームAのPの局所復号画像を予測画像に用いてPピクチャとして符号化される。但し、このP’の画像は局所復号されない。次にI1の画像が図18と同様に符号化され、量子化回路57から出力されたI1の量子化係数は可変長符号化回路58及び逆量子化回路60に供給される。逆量子化回路60,IDCT回路61は上記I1の量子化係数を局所復号(ローカルデコード)し、フレームメモリ163に供給する。次にP’2の画像が、フレームメモリ163に記憶されたI1の局所復号画像を予測画像として図18と同様に符号化される。量子化回路57から出力されたP’2の量子化係数は可変長符号化回路58にのみ供給され、逆量子化回路60には供給されない。よって、フレームメモリ163にはI1の局所復号画像がそのまま保持される。次にP3の画像が、フレームメモリ163に記憶されたI1の局所復号画像を予測画像として図18と同様に符号化される。量子化回路57から出力されたP3の量子化係数は可変長符号化回路58及び逆量子化回路60に供給される。逆量子化回路60,IDCT回路61,演算器162は上記P3の量子化係数を局所復号(ローカルデコード)し、フレームメモリ163に供給する。同様にして以下P’4,P5・・・の順に符号化が行われる。
【0104】このようにして、この図4の構成によれば、Iピクチャ及びPピクチャのみのビットストリームA+PピクチャのみのビットストリームBからなるビットストリームが得られる。
【0105】送信バッファ59から出力されたビットストリームは、分離回路70において、伝送チャネル(0)を用いて伝送するビットストリームAと伝送チャネル(1)を用いて伝送するビットストリームBに分離される。
【0106】次に、第2に、ビットストリームA+ビットストリームCの組合せの場合には、エンコーダのローカルデコーダは少なくとも2枚の参照画像メモリを持つ必要があり、このローカルデコーダでは両方向予測符号化されたデータも復号可能となる。
【0107】この場合のエンコーダブロックダイヤグラムは、従来の方式で説明した図18における、2枚の参照画像(前方予測画像部63a及び後方予測画像部63b)を用いたエンコーダと同様である。
【0108】但し、本実施例においては、図18のエンコーダに加え、図4のエンコーダと同様に送信バッファ59の先に分離回路が設けらる。この分離回路において、エンコードされたビットストリームA+ビットストリームCが、伝送チャネル(0)を用いて伝送するビットストリームAと伝送チャネル(2)を用いて伝送するビットストリームCに分離される。尚、ビットストリームA,B,Cを3並列で伝送する場合には、この分離回路は、ビットストリームCのみを伝送チャネル(2)に供給する。符号化の順序は、I1,B,P3,B2,P5,B4,P7・・・である。
【0109】次に、復号化方式について説明する。
【0110】先ず、第1に、ビットストリームA+ビットストリームBの組合せのデコードの場合は、デコーダは少なくとも1枚の参照画像メモリを持つ必要があり、このデコーダでは、イントラ符号化及び前方予測符号化されたデータのみが復号可能となる。
【0111】この場合のデコーダブロックダイヤグラムを図5に示す。なお、この図5に示すデコーダ(復号回路)190において、前述した図21に示した各構成要素と同一のものについては同一の指示符号を付してその説明については省略している。この復号化回路190では、フレームメモリ186の参照画像用のメモリが1枚(前方予測画像部86aのみ)で、イントラ符号化、前方予測符号化されたデータのみのデコードを行うことが可能である。この図5の構成によれば、Iピクチャ及びPピクチャのみのビットストリームA+PピクチャのみのビットストリームBの組合せを復号化することが可能である。
【0112】多重化回路79は、別々のチャネルで伝送されたビットストリームAとビットストリームBを符号化の順序と同様になるように多重化して、ビットストリームA+ビットストリームBを生成する。多重化されたビットストリームは、受信バッファ81に供給され、以下図21の場合と同様に復号化が行われる。但し、ビットストリームBの復号化画像は、フレームメモリ186へは供給されない。
【0113】次に、第2に、ビットストリームA+ビットストリームCの組合せのデコードの場合は、デコーダが2枚の参照画像メモリを持つ必要があり、このデコーダでは両方向予測も可能となる。
【0114】この場合のデコーダブロックダイヤグラムは、従来の方式で説明した図21における、2枚の参照画像を用いたデコーダ(復号回路90)によって、デコードが可能である。但し、本実施例においては、図21のデコーダに加え、図5のデコーダと同様に受信バッファ81の前に多重化回路が設けらる。この多重化回路において、別々のチャネルで伝送されたビットストリームAとビットストリームCを符号化の順序と同様になるように多重化して、ビットストリームA+ビットストリームCを生成する。
【0115】さらに、上記ビットストリームの構成について説明する。
【0116】先ず、第1に、本実施例では、各ビットストリームを例えばいわゆるサイマルキャスト(simulcast) 方式で伝送する。ビットストリームを当該サイマルキャスト方式によって伝送する場合を図6に示す。
【0117】この図6において、ビットストリームA(伝送チャネル(0))には、1枚おきの画像データがI,P,P,・・・の順に格納されている。各画像データは画像の階層構造にしたがって、ピクチャヘッダ(PH)、スライスヘッダ(SH)、マクロブロックヘッダ(MB H)を持ち、さらにマクロブロックヘッダ(MB H)はマクロブロック単位で動きベクトル(MV)、予測モード情報、DCT係数データ(COEF)から構成されている。予測モード情報は、前方予測(FW)、イントラ(INTRA)、両方向予測(BI−DIR)からなる。
【0118】これに対して、ビットストリームB(伝送チャネル(1))には、ビットストリームAにおいて伝送されない画像に対して、上記ビットストリームAの局所復号画像を予測画像に用いて予測符号化を行ったPピクチャのデータが、上述と同様に、P′,P′,P′,・・・の順に格納されている。
【0119】さらにビットストリームC(伝送チャネル(2))には、ビットストリームAにおいて伝送されない画像に対して、上記ビットストリームAの前方/後方2枚の局所復号画像を予測画像に用いて予測符号化を行ったBピクチャのデータが、上述と同様に、B, B, B,・・・の順に格納されている。
【0120】このようなことから、別々の伝送チャネルで伝送されるビットストリームAおよびビットストリームBをデコードすることによって、I、P′、P、P′、P、・・・が再生されるようになる。またこの時、予測には前方予測のみ用いられるので、画像メモリ1枚でのデコードが可能である。
【0121】また、上記ビットストリームBをビットストリームCに置き換えた場合には、別々の伝送チャネルで伝送されるビットストリームAおよびビットストリームCをデコードすることによって、I、B、P、B、P、・・・が再生されるようになる。またこの時、予測には両方向予測を用いるため、デコードの際には画像メモリ2枚が必要となる。
【0122】次に、第2に、上記サイマルキャスト方式に更にビットストリームB、Cのヘッダを共通化する手法(以下、プライオリティ・ブレーク・ポイント、PBP:Priority Break Point手法と呼ぶ)を導入した場合について説明する。
【0123】上記プライオリティ・ブレーク・ポイント(以下PBPと記す)を伝送に導入した場合を図7に示す。
【0124】この図7において、各画像データは画像の階層構造にしたがって、前述同様にピクチャヘッダ(PH)、スライスヘッダ(SH)、マクロブロックヘッダ(MB H)を持ち、マクロブロック単位で動きベクトル(MV)、予測モード情報(FW,INTRA,BI−DIR)、係数データ(COEF)から構成されている。
【0125】図7のビットストリームAでは、1枚おきに予測を行い、画像データがI,P,P,・・・の順に生成されている。ここで、ビットストリームAにおいて伝送されない画像(上記1枚おきの画像の間の画像)に関しては、ヘッダ情報のみ(ピクチャヘッダと複数のスライスヘッダ)をビットストリームAに含ませる。このヘッダ情報は、ビットストリームBおよびビットストリームCで共通に利用できる共通ヘッダ(Common Header)とする。各スライスヘッダは、上記PBPに関する情報を持つ。上記PBPは、情報をどのレベルまで送るかどうかを示す情報であり、これを制御することで、伝送の際にヘッダ情報のみを伝送したり、マクロブロックの動きベクトルまでを伝送したりすることなどが可能になる。ここでは、スライスヘッダまでを伝送するように制御する。尚、この実施例におけるエンコーダのブロックは、基本的に上述したサイマルキャストの場合と同様であるが、可変長符号化回路58は、各スライスヘッダに上記PBPに関する情報を付加する。
【0126】これに対して、ビットストリームBには、上記ビットストリームAにおいて伝送されない画像に対して、上記ビットストリームAの局所復号画像を予測画像に用いて予測を行ったPピクチャのデータのうちで、上記ヘッダ(コモンヘッダ)を除いたマクロブロックレイヤ以下のデータが、P′,P′,P′,・・・の順に格納されている。
【0127】さらにビットストリームCには、上記ビットストリームAにおいて伝送されない画像に対して、上記ビットストリームAの前方/後方2枚の局所復号画像を予測画像を用いて予測を行ったBピクチャのデータのうちで、コモンヘッダを除いたマクロブロックレイヤ(層)以下のデータが、B, B, B, ・・・の順に格納されている。
【0128】このようなことから、別々の伝送チャネルで伝送されるビットストリームAおよびビットストリームBをデコードすることによって、I、P′、P、P′、P、・・・が再生されるようになる。なお、この時、P′ピクチャのヘッダ情報はビットストリームAから、マクロブロックレイヤ以下のデータはビットストリームBから復号される。予測には前方予測のみなので、画像メモリ1枚でのデコードが可能である。
【0129】また、上記ビットストリームBをビットストリームCに置き換えた場合には、別々の伝送チャネルで伝送されるビットストリームAおよびビットストリームCをデコードすることによって、I、B、P、B、P、・・・が再生されるようになる。この時、Bピクチャのヘッダ情報はビットストリームAから、マクロブロックレイヤ以下のデータはビットストリームCから復号される。またこの時、予測には両方向予測を用いるため、デコードの際には画像メモリ2枚が必要となる。
【0130】次に、本発明の第2の実施例として、以下に示す2種類のデコーダでの互換性を持つ符号化方式/復号化方式に関して説明する。
【0131】すなわち、第1に、1枚の参照画像メモリを持つ場合で、前方予測及び後方予測のみが可能なデコーダと、第2に、2枚の参照画像メモリを持つ場合で両方向予測が可能なデコーダに対して互換性を有する符号化方式/復号化方式について説明する。
【0132】上記符号化方式から説明する。
【0133】図8を用いて本発明の第2の実施例の予測方式について説明する。この図8において、各画像に示してあるI,P,Bはそれぞれ前記図3同様にIピクチャ、Pピクチャ、Bピクチャを表し、P’は、予測モードがイントラ符号化モード及び後方予測モードのみに制限されたBピクチャを表している。また図中矢印は、予測で参照する画像間の予測の方向を示してある。
【0134】この第2の実施例の符号化においても、3種類のビットストリームが生成される。これらを図8の上から順に、第1のビットストリームであるビットストリームA(伝送チャネル(0)で伝送)、第2のビットストリームであるビットストリームB(伝送チャネル(1)で伝送)、第3のビットストリームであるビットストリームC (伝送チャネル(2)で伝送)とする。
【0135】上記ビットストリームAにおいては、それぞれの画像間の距離を2枚間隔(N=2)で、前方予測を行ったPピクチャ及びIピクチャのデータが符号化される。
【0136】上記ビットストリームBにおいては、上記ビットストリームAで符号化されなかった1枚(N−1)の画像を、ビットストリームAの局所復号画像を予測画像として用いて後方予測を行ったBピクチャ(但し予測モードは、イントラ符号化と後方予測モードのみ)のデータが符号化される。
【0137】上記ビットストリームCにおいては、上記ビットストリームBで符号化する画像に対して、上記ビットストリームAの前後2枚の局所復号画像を予測画像に用いて両方向予測を行ったBピクチャのデータが符号化される。
【0138】ここで、第2の実施例においても、上記ビットストリームAは予測の基本となるビットストリームであり、上記ビットストリームBおよびビットストリームCは、それぞれ差し替え可能な、ビットストリームAとの組み合わせによりデコードが可能となるビットストリームである。
【0139】第2の実施例も、符号化によって生成されたビットストリームは、その組み合わせによって、エンコーダのローカルデコーダ及びデコーダに必要なメモリ枚数が変化する。
【0140】すなわち、第1に、ビットストリームA+ビットストリームBの組合せのエンコードの場合には、エンコーダのローカルデコーダは少なくとも1枚の参照画像メモリが必要であり、イントラ符号化、前方予測符号化及び後方予測符号化されたデータのみの局所復号(ローカルデコード)が可能となる。
【0141】この場合のエンコーダブロックダイヤグラムを図9に示す。なお、この図9に示すエンコーダにおいて、前述した図18に示した各構成要素と同一のものについては同一の指示符号を付してその説明については省略している。この図9は、フレームメモリ263の参照画像用のメモリが1枚(予測画像部63c)で、予測として演算部253のスイッチ53fの接点a,b,cにおけるイントラ符号化と前方予測と後方予測を行うことが可能なエンコーダである。この図9の構成によれば、Iピクチャ及びPピクチャのみのビットストリームA+予測には後方予測のみを用いたBピクチャ(イントラ符号化モードによるマクロブロックを含んでも良い)のビットストリームBの組合せを符号化することが可能である。
【0142】このエンコーダでは、符号化は、図8に示すI1,P’,P3,P’2,P5,P’4・・・の順に行われる。但し、伝送チャネル(1)で伝送される画像のデータ(すなわちビットストリームBのデータ)は局所復号(ローカルデコード)されない。先ず、I1の画像が図18と同様に符号化され、量子化回路57から出力されたI1の量子化係数は可変長符号化回路58及び逆量子化回路60に供給される。逆量子化回路60,IDCT回路61は上記I1の量子化係数を局所復号(ローカルデコード)し、フレームメモリ263に供給する。次にP’の画像が、フレームメモリ263に記憶されたI1の局所復号画像を予測画像として図18と同様に符号化される。但し、このP’の画像はローカルデコードされない。次にP3の画像が、フレームメモリ263に記憶されたI1の局所復号画像を予測画像として図18と同様に符号化される。量子化回路57から出力されたP3の量子化係数は可変長符号化回路58及び逆量子化回路60に供給される。逆量子化回路60,IDCT回路61,演算器162は上記P3の量子化係数を局所復号(ローカルデコード)し、フレームメモリ263に供給する。次にP’2の画像が、フレームメモリ263に記憶されたP3の局所復号画像を予測画像として図18と同様に符号化される。量子化回路57から出力されたP’2の量子化係数は可変長符号化回路58にのみ供給され、逆量子化回路60には供給されない。よって、フレームメモリ263にはP3の局所復号画像がそのまま保持される。同様にして以下P5,P’4・・・の順に符号化が行われる。
【0143】このようにして、この図4の構成によれば、Iピクチャ及びPピクチャのみのビットストリームA+インラ符号化及び後方予測のみのBピクチャのビットストリームBからなるビットストリームが得られる。送信バッファ59から出力されたビットストリームは、分離回路70において、伝送チャネル(0)を用いて伝送するビットストリームAと伝送チャネル(1)を用いて伝送するビットストリームBに分離される。
【0144】次に、第2に、ビットストリームA+ビットストリームCの組合せの場合には、エンコーダのローカルデコーダは少なくとも2枚の参照画像メモリを持つ必要があり、このローカルデコーダでは両方向予測符号化されたデータも復号可能となる。
【0145】この場合のエンコーダブロックダイヤグラムは、従来の方式で説明した図18における、2枚の参照画像(前方予測画像部63a及び後方予測画像部63b)を用いたエンコーダによって、エンコードが可能である。
【0146】但し、本実施例においては、図18のエンコーダに加え、図9のエンコーダと同様に送信バッファ59の先に分離回路が設けらる。この分離回路において、エンコードされたビットストリームA+ビットストリームCが、伝送チャネル(0)を用いて伝送するビットストリームAと伝送チャネル(2)を用いて伝送するビットストリームCに分離される。尚、ビットストリームA,B,Cを3並列で伝送する場合には、この分離回路は、ビットストリームCのみを伝送チャネル(2)に供給する。符号化の順序は、I1,B,P3,B2,P5,B4,P7・・・である。
【0147】次に、第2の実施例の復号化方式について説明する。
【0148】先ず、第1に、ビットストリームA+ビットストリームBの組合せのデコードの場合において、デコーダは少なくとも1枚の参照画像メモリを持つ必要があり、このデコーダでは、イントラ符号化、前方予測及び後方予測されたデータのみが復号可能となる。
【0149】この場合のデコーダブロックダイヤグラムを図10に示す。なお、この図10に示すデコーダ(復号回路)290において、前述した図21に示した各構成要素と同一のものについては同一の指示符号を付してその説明については省略している。この復号化回路290ではフレームメモリ286の参照画像用のメモリが1枚(予測画像部86c)で、イントラ符号化、前方予測、後方予測のデコードを行うことが可能である。この図10の構成によれば、Iピクチャ及びPピクチャのみのビットストリームA+予測には後方予測のみを用いたBピクチャ(イントラ符号化モードによるマクロブロックを含んでも良い)のビットストリームBの組合せを復号化することが可能である。多重化回路79は、別々のチャネルで伝送されたビットストリームAとビットストリームBを符号化の順序と同様になるように多重化して、ビットストリームA+ビットストリームBを生成する。多重化されたビットストリームは、受信バッファ81に供給され、以下図21の場合と同様に復号化が行われる。但し、ビットストリームBの復号化画像は、フレームメモリ286へは供給されない。
【0150】次に、第2に、ビットストリームA+ビットストリームCの組合せのデコードの場合には、デコーダは2枚の参照画像メモリを持つ必要があり、このデコーダでは両方向予測も可能となる。
【0151】この場合のデコーダブロックダイヤグラムは、従来の方式で説明した図21における、2枚の参照画像を用いたデコーダ(復号回路90)によって、デコードが可能である。但し、本実施例においては、図21のデコーダに加え、図10のデコーダと同様に受信バッファ81の前に多重化回路が設けられる。この多重化回路において、別々のチャネルで伝送されたビットストリームAとビットストリームCを符号化の順序と同様になるように多重化して、ビットストリームA+ビットストリームCを生成する。
【0152】さらに、第2の実施例におけるビットストリームの構成について説明する。先ず、第1に、各ビットストリームを前述同様のサイマルキャスト方式で伝送する。当該サイマルキャスト方式によって伝送する場合を図11に示す。
【0153】この図11において、ビットストリームA(伝送チャネル(0))には、1枚おきの画像データがI,P,P,・・・の順に格納されている。各画像データは画像の階層構造にしたがって、ピクチャヘッダ(PH)、スライスヘッダ(SH)、マクロブロックヘッダ(MB H)を持ち、マクロブロックヘッダはマクロブロック単位で動きベクトル(MV)、予測モード情報(FW,INTRA,BI−DIF,及び後方予測(BW))、係数データ(COEF)から構成されている。
【0154】これに対して、ビットストリームB(伝送チャネル(1))には、ビットストリームAにおいて伝送されない画像に対して、上記ビットストリームAの画像を予測画像に用いて後方予測を行ったP′ピクチャのデータが前述と同様に、P′,P′,P′,・・・の順に格納されている。
【0155】さらにビットストリームC(伝送チャネル(2))には、ビットストリームAにおいて伝送されない画像に対して、上記ビットストリームAの前方/後方2枚の画像を予測画像に用いて予測を行ったBピクチャのデータが、B, B, B,・・・の順に格納されている。
【0156】このようなことから、別々の伝送チャネルで伝送されるビットストリームAおよびビットストリームBをデコードすることによって、I、P′、P、P′、P、‥‥が再生される。またこの時、予測には予測画像は1枚のみなので、画像メモリ1枚でのデコードが可能である。
【0157】さらに、上記ビットストリームBをビットストリームCに置き換えた場合には、別々の伝送チャネルで伝送されるビットストリームAおよびビットストリームCをデコードすることによって、I、B、P、B、P、・・・が再生される。またこの時、予測には両方向予測を用いるため、デコーダに画像メモリ2枚が必要となる。
【0158】次に、この第2の実施例において、第2に、ビットストリームB、Cのヘッダを共通化した場合として、前述同様にプライオリティ・ブレーク・ポイント(PBP)の手法を導入した場合について説明する。尚、この実施例におけるエンコーダは、上述したサイマルキャストの場合と同様であるが、可変長符号化回路58は、各スライスヘッダにPBPに関する情報を付加する。
【0159】上記プライオリティ・ブレーク・ポイント(PBP)を伝送に導入した場合を図12に示す。
【0160】この図12においても、各画像データは画像の階層構造にしたがって、ピクチャヘッダ(PH)、スライスヘッダ(SH)、マクロブロックヘッダ(MB H)を持ち、マクロブロック単位で動きベクトル(MV)、予測モード情報(FW,INTRA,BW,BI−DIR)、係数データ(COEF)から構成されている。
【0161】図12のビットストリームAでは、1枚おきに予測を行い、画像データがI,P,P,・・・の順に生成されている。またここで読みとばされた画像に関しては、ヘッダ情報のみ(ピクチャヘッダと複数のスライスヘッダからなるコモンヘッダ)がビットストリームに含ませる。この第2の実施例でも、上記PBPの情報を制御することで、ヘッダのみを伝送したり、マクロブロックの動きベクトルまでを伝送したりすることなどが可能になる。本実施例でも、スライスヘッダまでを伝送するように制御する。
【0162】これに対して、ビットストリームBには、上記ビットストリームAにおいて伝送されない画像に対して、上記ビットストリームAの画像を予測画像に用いて後方予測を行ったP′ピクチャのデータのうちで、コモンヘッダを除いたマクロブロックレイヤ以下のデータが、P′,P′,P′,・・・の順に格納されている。
【0163】さらにビットストリームCには、上記ビットストリームAにおいて伝送されない画像に対して、上記ビットストリームAにおける前方/後方2枚の画像を予測画像に用いて予測を行ったBピクチャのデータのうちで、上記コモンヘッダを除いたマクロブロックレイヤ以下のデータが、B, B, B, ・・・の順に格納されている。
【0164】このようなことから、この第2の実施例においても、別々の伝送チャネルで伝送されるビットストリームAおよびビットストリームBをデコードすることによって、Pピクチャを前方予測で、P′ピクチャを後方予測で復号することによって、I、P′、P、P′、P、・・・が再生される。この時、P′のヘッダ情報はビットストリームAから、マクロブロックレイヤ以下のデータはビットストリームBから復号される。この第2の実施例においても、予測には前方予測或いは後方予測の一方向の予測のみなので、画像メモリ1枚でのデコードが可能である。
【0165】また、上記ビットストリームBをビットストリームCに置き換えた場合には、別々の伝送チャネルで伝送されるビットストリームAおよびビットストリームCをデコードすることによって、I、B、P、B、P、・・・が再生される。この時、Bピクチャのヘッダ情報はビットストリームAから、マクロブロックレイヤ以下のデータはビットストリームCから復号される。またこの時、予測には両方向予測を用いるため、デコーダには画像メモリ2枚が必要となる。
【0166】
【発明の効果】本発明の画像信号伝送方法及び装置、並びに画像信号復号化方法及び装置においては、同一のビットストリームから、画像1枚分の参照画像メモリを持つ前方予測(後方予測)のみが可能な復号化装置で復号化が可能となり、さらに画像2枚分の参照画像メモリを持つ両方向予測が可能な復号化装置で復号化した場合には、画質が向上するように復号化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例において画像がI,P,P,P,・・・である場合の予測方法を説明するための図である。
【図2】本発明実施例における画像がI,P,B,P,・・・である場合の予測方法を説明するための図である。
【図3】第1の実施例における画像がI,P,P,P,・・・とある場合と画像がI,P,B,P,・・・である場合の互換性を考慮した場合の予測方法(ビットストリームBを前方予測)を説明するための図である。
【図4】第1の実施例における前方予測のみのエンコーダの概略構成を示すブロック回路図である。
【図5】第1の実施例における前方予測のみのデコーダの概略構成を示すブロック回路図である。
【図6】第1の実施例における画像がI,P,P,P,・・・とある場合と画像がI,P,B,P,・・・である場合の互換性を考慮した場合のビットストリーム伝送(ビットストリームBを前方予測、Simulcast 方式)を説明するための図である。
【図7】第1の実施例における画像がI,P,P,P,・・・とある場合と画像がI,P,B,P,・・・である場合のビットストリーム伝送(ビットストリームBを前方予測、 Priority Break Point を利用)を説明するための図である。
【図8】第2の実施例における画像がI,P,P,P,・・・とある場合と画像がI,P,B,P,・・・である場合の互換性を考慮した場合の予測方法(ビットストリームBを後方予測)を説明するための図である。
【図9】第2の実施例における後方予測によるエンコーダの概略構成を示すブロック回路図である。
【図10】第2の実施例における後方予測によるデコーダの概略構成を示すブロック回路図である。
【図11】第2の実施例における画像がI,P,P,P,・・・とある場合と画像がI,P,B,P,・・・である場合の互換性を考慮した場合のビットストリーム伝送(ビットストリームBを前方予測、Simulcast 方式)を説明するための図である。
【図12】第2の実施例における画像がI,P,P,P,・・・とある場合と画像がI,P,B,P,・・・である場合のビットストリーム伝送(ビットストリームBを前方予測、 Priority Break Point を利用)を説明するための図である。
【図13】高能率符号化の原理を説明する図である。
【図14】画像データを圧縮する場合におけるピクチャのタイプを説明する図である。
【図15】動画像信号を符号化する原理を説明する図である。
【図16】従来の画像信号符号化装置と復号化装置の構成例を示すブロック回路図である。
【図17】図16におけるフォーマット変換回路17のフォーマット変換の動作を説明する図である。
【図18】図16におけるエンコーダ18の構成例を示すブロック回路図である。
【図19】図18の予測モード切り換え回路52の動作を説明する図である。
【図20】図18のDCTモード切り換え回路55の動作を説明する図である。
【図21】図16のデコーダ31の構成例を示すブロック回路図である。
【符号の説明】
1 符号化装置、 2 復号化装置、 3 記録媒体、 12,13 A/D変換器、 14 フレームメモリ、 15 輝度信号フレームメモリ、 16色差信号フレームメモリ 、 17 フォーマット変換回路、 18 エンコーダ、 31 デコーダ、 32 フォーマット変換回路、 33 フレームメモリ、 34 輝度信号フレームメモリ、 35 色差信号フレームメモリ、 36,37 D/A変換器、 50 動きベクトル検出回路、 51 フレームメモリ、 52 予測モード切り換え回路、 53,153,253 演算部、54 予測判定回路、 55 DCTモード切り換え回路、 56 DCT回路、 57 量子化回路、 58 可変長符号化回路、 59 送信バッファ、60 逆量子化回路、 61 IDCT回路、 62,162 演算器、 63,163,263 フレームメモリ、 64,164,264 動き補償回路、70 分離回路、 79 多重化回路、 81 受信バッファ、 82 可変長復号化回路、 83 逆量子化回路、 84 IDCT回路、 85 演算器、 86,186,286 フレームメモリ、 87 動き補償回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】 画像信号伝送方法において、N枚毎の画像信号に対し、それぞれN枚前の画像を予測画像として前方予測符号化を行って第1の符号化信号を生成し、上記N枚毎の画像信号以外の画像信号に対し、それぞれ上記N枚毎の画像信号を予測画像として前方予測符号化又は後方予測符号化を行って第2の符号化信号を生成し、上記第1の符号化信号に上記第2の符号化信号の一部のヘッダ情報を付加した第1のビットストリームと上記第2の符号化信号から上記一部のヘッダ情報を除いた第2のビットストリームとを並列に伝送することを特徴とする画像信号伝送方法。
【請求項2】 上記N枚毎の画像信号以外の画像信号に対し、それぞれ前後2枚の上記N枚毎の画像信号を予測画像として両方向予測符号化を行い第3の符号化信号を生成し、上記第3の符号化信号から上記一部のヘッダ情報を除いた第3のビットストリームを、上記第1のビットストリーム及び上記第2のビットストリームと並列に伝送することを特徴とする請求項1記載の画像信号伝送方法。
【請求項3】 画像信号伝送方法において、N枚毎の画像信号に対し、それぞれN枚前の画像を予測画像として前方予測符号化を行って第1の符号化信号を生成し、上記N枚毎の画像信号以外の画像信号に対し、それぞれ前後2枚の上記N枚毎の画像信号を予測画像として両方向予測符号化を行い第2の符号化信号を生成し、上記第1の符号化信号に上記第2の符号化信号の一部のヘッダ情報を付加した第1のビットストリームと上記第2の符号化信号から上記一部のヘッダ情報を除いた第2のビットストリームとを並列に伝送することを特徴とする画像信号伝送方法。
【請求項4】 画像信号復号化方法において、それぞれ並列に伝送された、N枚毎の画像信号に対しそれぞれN枚前の画像を予測画像として前方予測符号化を行って生成された第1の符号化信号と一部のヘッダ情報からなる第1のビットストリームと、上記N枚毎の画像信号以外の画像信号に対しそれぞれ上記N枚毎の画像信号を予測画像として前方予測符号化又は後方予測符号化を行って生成された第2の符号化信号から上記一部のヘッダ情報を除いた第2のビットストリームとを組み合わせ、組み合わされた上記ビットストリームを1枚の参照画像メモリを用いて予測復号化することを特徴とする画像信号復号化方法。
【請求項5】 画像信号復号化方法において、それぞれ並列に伝送された、N枚毎の画像信号に対しそれぞれN枚前の画像を予測画像として前方予測符号化を行って生成された第1の符号化信号と一部のヘッダ情報からなる第1のビットストリームと、上記N枚毎の画像信号以外の画像信号に対しそれぞれ前後2枚の上記N枚毎の画像信号を予測画像として両方向予測符号化を行って生成された第2の符号化信号から上記一部のヘッダ情報を除いた第2のビットストリームとを組み合わせ、組み合わされた上記ビットストリームを2枚の参照画像メモリを用いて予測復号化することを特徴とする画像信号復号化方法。
【請求項6】 画像信号伝送装置において、N枚毎の画像信号に対し、それぞれN枚前の画像を予測画像として前方予測符号化を行って第1の符号化信号を生成する符号化手段と、上記N枚毎の画像信号以外の画像信号に対し、それぞれ上記N枚毎の画像信号を予測画像として前方予測符号化又は後方予測符号化を行って第2の符号化信号を生成する符号化手段と、上記第1の符号化信号に上記第2の符号化信号の一部のヘッダ情報を付加した第1のビットストリームと上記第2の符号化信号から上記一部のヘッダ情報を除いた第2のビットストリームとを並列に伝送する伝送手段とを有することを特徴とする画像信号伝送装置。
【請求項7】 上記N枚毎の画像信号以外の画像信号に対し、それぞれ前後2枚の上記N枚毎の画像信号を予測画像として両方向予測符号化を行い第3の符号化信号を生成する第3の符号化手段と、上記第3の符号化信号から上記一部のヘッダ情報を除いた第3のビットストームを、上記第1のビットストリーム及び上記第2のビットストリームと並列に伝送する伝送手段とを有することを特徴とする請求項6記載の画像信号伝送装置。
【請求項8】 画像信号伝送装置において、N枚毎の画像信号に対し、それぞれN枚前の画像を予測画像として前方予測符号化を行って第1の符号化信号を生成する符号化手段と、上記N枚毎の画像信号以外の画像信号に対し、それぞれ前後2枚の上記N枚毎の画像信号を予測画像として両方向予測符号化を行い第2の符号化信号を生成する符号化手段と、上記第1の符号化信号に上記第2の符号化信号の一部のヘッダ情報を付加した第1のビットストリームと上記第2の符号化信号から上記一部のヘッダ情報を除いた第2のビットストリームとを並列に伝送する伝送手段とを有することを特徴とする画像信号伝送装置。
【請求項9】 画像信号復号化装置において、それぞれ並列に伝送された、N枚毎の画像信号に対しそれぞれN枚前の画像を予測画像として前方予測符号化を行って生成された第1の符号化信号と一部のヘッダ情報からなる第1のビットストリームと、上記N枚毎の画像信号以外の画像信号に対しそれぞれ上記N枚毎の画像信号を予測画像として前方予測符号化又は後方予測符号化を行って生成された第2の符号化信号から上記一部のヘッダ情報を除いた第2のビットストリームとを組み合わせる手段と、組み合わされた上記ビットストリームを1枚の参照画像メモリを用いて予測復号化する復号化手段とを有することを特徴とする画像信号復号化装置。
【請求項10】 画像信号復号化装置において、それぞれ並列に伝送された、N枚毎の画像信号に対しそれぞれN枚前の画像を予測画像として前方予測符号化を行って生成された第1の符号化信号と一部のヘッダ情報からなる第1のビットストリームと、上記N枚毎の画像信号以外の画像信号に対しそれぞれ前後2枚の上記N枚毎の画像信号を予測画像として両方向予測符号化を行って生成された第2の符号化信号から上記一部のヘッダ情報を除いた第2のビットストリームとを組み合わせる手段と、組み合わされた上記ビットストリームを2枚の参照画像メモリを用いて予測復号化する復号化手段とを有することを特徴とする画像信号復号化装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図10】
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【図11】
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【図9】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図19】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図20】
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【図21】
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