特開2005-252476 「カメラ及びアクセサリ取付装置及び携帯型情報機器」 (オリンパス)
要約
【課題】アクセサリ取付部材を介して内部へと流入する静電気の接地を確実に行ない得るアクセサリ取付装置と、これを具備するカメラ及び携帯型情報機器を提供する。
【解決手段】
 導電性を有し外部アクセサリを取り付けるためのアクセサリ取付部材14と、このアクセサリ取付部材を固定する固定部材12と、導電性を有し内部を保護するカバー部材11,13と、アクセサリ取付部材を固定部材に固定すると共に、アクセサリ取付部材とカバー部材との両者に接触してアクセサリ取付部材とカバー部材とを導通させる保持部材35とを備えて構成する。
【選択図】図6
[代表図面]
イメージ ID=000002
書誌事項
【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】公開特許公報(A)
【公開番号】特開2005−252476(P2005−252476A)
【公開日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【発明の名称】カメラ及びアクセサリ取付装置及び携帯型情報機器
【国際特許分類第7版】
 H04N 5/225
【FI】
 H04N 5/225 E
 H04N 5/225 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【全頁数】12
【出願番号】特願2004−57913(P2004−57913)
【出願日】平成16年3月2日(2004.3.2)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社
【代理人】弁理士(100076233)
【発明者】
【発明者】
【発明者】
【テーマコード(参考)】
 5C022
【Fターム(参考)】
 5C022 AA00 AC63 AC78
特許請求の範囲
【請求項1】
 導電性を有し外部アクセサリを取り付けるためのアクセサリ取付部材と、
 このアクセサリ取付部材を固定する固定部材と、
 導電性を有し内部を保護するカバー部材と、
 上記アクセサリ取付部材を上記固定部材に固定すると共に、上記アクセサリ取付部材と上記カバー部材との両者に接触して上記アクセサリ取付部材と上記カバー部材とを導通させる保持部材と、
 を備えて構成されることを特徴とするカメラ。
【請求項2】
 上記保持部材は、上記固定部材の外面側に組み付けられる上記アクセサリ取付部材の一部を上記固定部材の内面側で係止する係止部を有して形成されていることを特徴とする請求項1に記載のカメラ。
【請求項3】
 上記保持部材は、上記カバー部材に弾性的に接触する接触部を有して形成されてなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のカメラ。
【請求項4】
 上記保持部材は、上記係止部が上記アクセサリ取付部材を係止する位置へと導き入れる開口が形成されていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のカメラ。
【請求項5】
 上記保持部材は、上記係止部の両端部にそれぞれ上記接触部を備え、
 上記カバー部材は、当該カメラの前面側を覆い保護する前側カバーと同カメラの背面側を覆い保護する後側カバーとからなり、
 上記接触部は、一端部が上記前側カバーに、他端部が上記後側カバーに、それぞれ接触することを特徴とする請求項3又は請求項4に記載のカメラ。
【請求項6】
 上記固定部材は、上記前側カバー及び上記後側カバーに挟持され、当該カメラの側面を形成する樹脂製のカバー部材であることを特徴とする請求項5に記載のカメラ。
【請求項7】
 上記アクセサリ取付部材は、外部アクセサリとしてストラップを取り付けるものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載のカメラ。
【請求項8】
 導電性を有し外部アクセサリを取り付けるためのアクセサリ取付部材と、
 このアクセサリ取付部材を固定する固定部材と、
 上記アクセサリ取付部材を上記固定部材に固定すると共に、上記アクセサリ取付部材と導通性を有し内部を保護するカバー部材に電気的に接触して、上記アクセサリ取付部材と上記カバー部材とを導通させる保持部材と、
 を備えていることを特徴とするアクセサリ取付装置。
【請求項9】
 上記保持部材は、上記カバー部材に弾性的に接触する接触部を備えたことを特徴とする請求項8に記載のアクセサリ取付装置。
【請求項10】
 導電性を有し外部アクセサリを取付るためのアクセサリ取付部材と、
 このアクセサリ取付部材を固定する固定部材と、
 導電性を有し内部を保護するカバー部材と、
 上記アクセサリ取付部材を上記固定部材に固定すると共に、上記アクセサリ取付部材と導通性を有し内部を保護するカバー部材に電気的に接触して、上記アクセサリ取付部材と上記カバー部材とを導通させる保持部材と、
 を備えていることを特徴とする携帯型情報機器。
【請求項11】
 上記保持部材は、上記カバー部材に弾性的に接触する接触部を備えたことを特徴とする請求項10に記載の携帯型情報機器。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
 この発明は、カメラ及びアクセサリ取付装置及び携帯型情報機器、詳しくは携帯型の電子機器におけるアクセサリ取付装置のアース技術に関し、静電気による内部電気回路への悪影響を防止し得るアクセサリ取付装置と、これを適用するカメラ及び携帯型情報機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
 近年、内部に電子回路等を備え、使用者が携帯して使用し得るように形成された各種の電子機器、例えばカメラや携帯電話や小型コンピュータ等の携帯型情報機器等(以下、携帯機器と総称する)が広く普及している。
【0003】
 このような携帯機器は、その使用者が手に持って利用されるようになっているために、例えば使用者に帯電した静電気が使用中の携帯機器に向けて放電してしまうことも考えられる。このような場合には、例えば携帯機器における外装部材の外面に露呈されて設けられる固定ネジや同外面上に取り付られる各種のアクセサリ取付部等の主に導電性の金属部分を介して静電気が当該携帯機器の内部に流入してしまうことがある。この場合には、当該携帯機器の内部回路に含まれる電気部品に悪影響を及ぼすことがある。
【0004】
 従来の携帯機器におけるアクセサリ取付部としては、例えばストラップ等を取り付けるためのいわゆる吊り環がある。この吊り環は、例えばひも状のストラップを通すために当該携帯機器に対して環状部を備えた部材を機器本体に固設したものである。そして、当該吊り環の配設部位としては、携帯機器の外装部材における側面部等に設けられているのが一般である。
【0005】
 このような形態のストラップ用の吊り環には、その携帯機器の自重分の荷重がかけられることになる。このことから、当該吊り環は、例えば金属部材等によって形成することで、所定の強度を確保するようにしていることが多い。したがって、この吊り環等のように金属部材からなるアクセサリ取付部等を介して携帯機器の内部へと静電気が流入してしまうことがあり得る。
【0006】
 そこで、流入した静電気から当該携帯機器の内部の電気回路や電気部品、特にCPU(Central Processing Unit) 等をはじめとした集積回路等の電気部品への悪影響を保護する技術については、例えば特開2002−64281号公報や特開2001−7552号公報や特開平11−261858号公報や特開2002−72317号公報等によって、従来より種々の提案がなされており、また実用化がなされている。
【0007】
 上記特開2002−64281号公報によって開示されているストラップ取付装置を有するカメラは、吊り環を構成する円柱部材とストラップ通し部材とを電気的に接続するための導電性弾性部材を備え、上記円柱部材とカメラ内部の主基板のアース端子とをハーネスを介して接続するように構成している。これにより、円柱部材及びストラップ通し部材を介してカメラ内部に流入する静電気は、ハーネスを介して確実に主基板のアース端子へと導かれるようになっている。
【0008】
 上記特開2001−7552号公報によって開示されているカメラにおいては、三脚ねじ孔の保持板やストラップ金具(吊り環)の一部がプリント基板のグランドパターンに直接当接するように構成している。これにより、三脚ねじ孔の保持板やストラップ金具を介してカメラ内部に流入する静電気が基板上のアース端子へと導かれるようになっている。
【0009】
 上記特開平11−261858号公報によって開示されているカメラにおいては、金属製の三脚ねじ孔や吊り環と金属製の外装部材及び内部回路基板に対してネジ等によって固定保持し電気的な接続を確保している。これによれば、三脚ねじ孔や吊り環を介してカメラ内部に流入する静電気が内部回路基板上のアース端子へと導かれるようになっている。
【0010】
 上記特開2002−72317号公報によって開示されているカメラにおいては、導電性を有する外装部材と非導電性を有する内部カバー部材との間に弾性を有し導電性からなる板ばねを設け、この板ばねの先端部をインナーカバーの孔部を通して吊り環に弾性的に接触するようにしている。そして、三脚ねじ孔や吊り環は、ねじ部材によって外装部材と内部カバー部材とを内部固定部に共締めするようにしている。さらに、吊り環や三脚ねじ孔はラグ板及びリード線等を介して内部回路基板のグランド部に接続している。これによれば、三脚ねじ孔や吊り環を介してカメラ内部に流入する静電気が内部回路基板上のアース端子へと導かれるようになっている。
【特許文献1】特開2002−64281号公報
【特許文献2】特開2001−7552号公報
【特許文献3】特開平11−261858号公報
【特許文献4】特開2002−72317号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
 ところが、従来の携帯機器においては、携帯性を向上させる等の目的から機器自体の小型化及びより軽量化が望まれている。しかしながら、上述のように機器の外部から侵入する静電気を当該機器の内部に設置されるグランド部へと流すために、なんらかの仲介部材等を新たに追加配置することは、その構成が複雑となってしまうのと同時に、追加すべき部品を機器内部の所定の位置に配置するための空間的な余裕が必要となる。
【0012】
 また、三脚ねじ孔の保持板やストラップ金具(吊り環)の一部と内部回路のグランドパターンとを直接当接するように構成した場合には、三脚ねじ孔の保持板やストラップ金具(吊り環)等の部材を特別な形状に形成する必要が生じる。
【0013】
 したがって、上述のような理由によって、当該携帯機器自体が大型化してしまうという問題点や、その製造コストを低減することが困難になってしまうという問題点が生じるこことになる。
【0014】
 本発明は、上述した点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、簡単な構造でアクセサリ取付部材を介して機器内部へと流入する静電気の接地を確実に行なうことのできるアクセサリ取付装置と、このアクセサリ取付装置を具備するカメラ及び携帯型情報機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
 上記目的を達成するために、本発明によるカメラは、導電性を有し外部アクセサリを取り付けるためのアクセサリ取付部材と、このアクセサリ取付部材を固定する固定部材と、導電性を有し内部を保護するカバー部材と、上記アクセサリ取付部材を上記固定部材に固定すると共に、上記アクセサリ取付部材と上記カバー部材との両者に接触して上記アクセサリ取付部材と上記カバー部材とを導通させる保持部材とを備えて構成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
 本発明によれば、簡単な構造でアクセサリ取付部材を介して機器内部へと流入する静電気の接地を確実に行なうことのできるアクセサリ取付装置と、このアクセサリ取付装置を具備するカメラ及び携帯型情報機器を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
 以下、図示の実施の形態によって本発明を説明する。
 図1及び図2は、本発明の一実施形態のアクセサリ取付装置を具備するカメラを示す図である。このうち、図1は当該カメラの主に前面側及び右側面を示す外観斜視図である。また、図2は図1のカメラの主要構成部材を示す分解斜視図である。
【0018】
 一方、図3〜図6は本実施形態のカメラに具備されるアクセサリ取付装置を主に示す図である。このうち、図3は図1のカメラの一部の部材(中カバー)を取り出しその一部のみを示す図であって、当該中カバーに対するアクセサリ取付装置の取り付け部位を示す要部拡大斜視図である。また、図4は図1のカメラの一部の断面を示す図であってアクセサリ取付装置の取り付け部位近傍の縦断面図である。そして、図5及び図6は図1のカメラの外装部材に対するアクセサリ取付装置の取り付け状態を示す横断面図である。このうち、図5は中カバー及び後側カバーに対して前側カバーを組み付ける以前の状態を示している。また図6は中カバー及び後側カバーに対して前側カバーを組み付けた後の状態を示している。
【0019】
 以下に説明する本発明の一実施形態は、光学像を画像として取得する携帯機器としてのカメラに本発明のアクセサリ取付装置を適用した場合の例を示すものである。
【0020】
 まず、本発明のアクセサリ取付装置を具備するカメラの構成についての概略を図1及び図2によって以下に説明する。
【0021】
 本実施形態のカメラ1は、前面側を覆い内部を保護するカバー部材である前側カバー11と、背面側を覆い内部を保護するカバー部材である後側カバー13と、両者に挟持され上面及び底面及び両側面を覆い保護するカバー部材である中カバー12との三部材が組み合わさった形態で構成される外装部材によって、その外面が覆われ内部が保護されている。この場合において、前側カバー11と後側カバー13とは、金属等の導電性を有する部材(金属製)によって形成されている。また、中カバー12は例えば樹脂等のモールド成形部材(樹脂製)によって形成されている。
【0022】
 これらの外装部材(11,12,13)によって形成される内部空間には、図2に示すように被写体像を形成する撮影光学系やこの撮影光学系をその光軸に沿う方向に移動させる駆動部材や撮影光学系によって結像される光学像を受けて光電変換するCCD等の撮像素子及びこの撮像素子からの出力信号を伝達するフレキシブルプリント基板等を備えたレンズ鏡枠ユニット20と、当該カメラ1を統括的に制御する制御回路等を形成する各種の電気部品が実装される主基板21と、閃光発光装置や測光装置や電源装置や液晶表示装置(いずれも特に図示せず)等を保持し当該カメラ1の本体部分を構成する本体フレーム22等がそれぞれ所定の位置に配設され固定保持されている。
【0023】
 前側カバー11の前面側には、上記レンズ鏡枠ユニット20の撮影光学系における対物レンズ光学系に対応する位置に設けられ外部からの光束を撮影光学系へと入射させる開口となる撮影レンズ窓11aと、閃光発光装置の閃光発光部に対応する位置に設けられ当該閃光発光部から閃光を出射させる開口となる閃光発光窓11b等が設けられている。また、この前側カバー11の底面側には三脚等のアクセサリ機器を装着するための三脚ネジ孔(図示せず)等が形成されている。
【0024】
 中カバー12には、その内側における底面側にコネクタ18(図3参照)がコネクタ固定ネジ19(締結部材)によって固定保持されている。また、この中カバー12の底面側には電池室12c(図2参照)が設けられている。この電池室12cに対向する部位には電池室蓋15が配設されている。この電池室蓋15は、電池室12cを外部から覆い遮蔽する位置と同電池室12cの内部を開放する位置との間で回動自在となるように中カバー12の固定部に対して軸支されている。
【0025】
 さらに、中カバー12の上面側には、写真撮影動作をおこなう際に操作するシャッターボタン16や当該カメラ1の各種の設定等をおこなう際に操作する設定ダイアル17(図1参照。図2には図示せず)等の操作部材がそれぞれ所定の位置に配設されている。
【0026】
 そして、中カバー12の側面がわ、すなわち当該カメラ1の正面側(前面側)から見て右側面がわには、閉塞された略環形状を形成する通し孔14aを備え導電性を有する部材からなる吊り環14が中カバー12に対して一体となるように固設されている。この吊り環14の通し孔14aには、例えば当該カメラ1の携帯時に利用する吊りひも(ストラップ)等を通すことができるようになっている。つまり、この吊り環14は、導電性を有しストラップ等の外部アクセサリを取り付けるためのアクセサリ取付部材である。また、中カバー12は、アクセサリ取付部材である吊り環14を固定する固定部材としての役目をしている。
【0027】
 次に、上記カメラ1に具備される上記アクセサリ取付装置について、図2及び図3〜図6を用いて以下に詳述する。
【0028】
 本実施形態のカメラ1におけるアクセサリ取付装置は、上述したように例えば吊りひも(ストラップ)等を取り付けるための吊り環14及びこれを固定する固定部材である中カバー12やこの中カバー12の側面の所定部位に吊り環14を固定保持する保持部材である吊り環抑え部材35(詳細は後述する)等の複数の部材によって構成される。
【0029】
 詳述すると、上記吊り環14は、図4に示すように断面が略半月形状からなり、例えば金属等の導通性の部材又は樹脂等のモールド成形部材の外表面にモールド金属メッキ処理等を施すことによって導電性を備えた部材により形成されている。そして、その略中央部位には略長円形状の通し孔14aが貫通して形成されている。換言すれば、吊り環14は略環形状を形成している。
【0030】
 また、この吊り環14の平面部には、複数の位置決め突起14dが外部に向けて突設されている。さらに、同平面部の略中央部位には、周溝14cを形成した被係止突起14bが突設されている。
【0031】
 一方、この吊り環14が配置されるべき中カバー12のがわの所定の部位、すなわち当該中カバー12の右側面は、吊り環14を配置し固設することができる形状となっている。つまり、当該吊り環14の長さ方向及び幅方向の寸法のそれぞれが略同寸法となる内法を備えた凹部12gが形成されている。そして、この凹部12gには、上記吊り環14が嵌合するようになっている。この場合において、当該吊り環14の被係止突起14bに対応する凹部12gがわの部位には貫通孔12hと、上記吊り環14の複数の位置決め突起14d(本実施形態では2個)に対応する同数(本実施形態では2個)の位置決め用孔部12fとがそれぞれ穿設されている。
【0032】
 他方、中カバー12の右側面であって、上記吊り環14が配置される部位を中心として上面寄りの所定の部位と底面寄りの所定の部位のそれぞれには、当該中カバー12の側壁を貫通する貫通孔12eが穿設されている。
【0033】
 そして、吊り環14は、中カバー12の側面がわの所定部位に対して保持部材である吊り環抑え部材35によって固設されている。この吊り環抑え部材35は、金属等で弾性力をそなえ導電性を有する板状部材、例えば板ばね等を折り曲げて形成したものである。したがって、吊り環抑え部材35は、自身の弾性力によって中カバー12を押圧しこれを保持することになっている。
【0034】
 また、この場合において、当該吊り環抑え部材35の基端部35a(一端部)と先端部35b(他端部)とには段差が形成されるように折り曲げた形状となっており、かつ先端部35bには略U字形状の切欠35cが形成されている。この切欠35cは、上記中カバー12の所定の部位に吊り環14が配置された状態において、当該吊り環14の被係止突起14bの周溝14cに嵌合するようになっている。そのために、周溝14cは、当該吊り環抑え部材35の板厚と略同等か若しくは若干広い幅寸法となるように設定されている。したがって、これにより吊り環抑え部材35は、中カバー12の側壁を挟んで吊り環14を係止している。このことから吊り環抑え部材35は、吊り環14が中カバー12に対して容易に抜けてしまわないように係止している。
【0035】
 換言すれば、吊り環抑え部材35(保持部材)の切欠35cは、中カバー12(固定部材)の外面側に組み付けられる吊り環14(アクセサリ取付部材)の一部(被係止突起14bの周溝14c)を係止することで、当該吊り環14を中カバー12の内面側で係止する係止部として機能している。そして、この切欠35c(係止部)には、吊り環14(アクセサリ取付部材)が吊り環抑え部材35により係止される位置へと導き入れる開口35ccに連設されている。
【0036】
 さらに、吊り環抑え部材35における基端部35aと先端部35bとに設けられる段差部には、図5及び図6に示すように前側カバー11の側縁部近傍に突設される嵌合突部11fと、後側カバー13の側縁部近傍に突設される嵌合突部13fとが、それぞれに嵌合するようになっている。したがって、後側カバー13の嵌合突部13fが吊り環抑え部材35の先端部35bの段差に嵌合し、前側カバー11の嵌合突部11fが吊り環抑え部材35の基端部35aの段差に嵌合するようになっている。
【0037】
 この場合において、基端部35aと先端部35bとのそれぞれは、金属等からなるカバー部材である前側カバー11及び後側カバー13のそれぞれに弾性的に接触し導通を得るようになっている。つまり、吊り環抑え部材35における基端部35aと先端部35bとの各段差部は、二つのカバー部材に弾性的に接触する接触部となっている。
【0038】
 換言すれば、吊り環抑え部材35は、吊り環14(アクセサリ取付部材)を中カバー12(固定部材)に固定する保持部材としての役目をしている。これと同時に、同吊り環抑え部材35は、上記吊り環14とカバー部材(前側カバー11及び後側カバー13)との両者に弾性的に接触して上記吊り環14と上記カバー部材(前側カバー11及び後側カバー13)とを導通させる役目をしている。
【0039】
 また、この状態においては、図4に示すように中カバー12の側壁の内面側に対しては、後側カバー13の側縁部に一体に形成される複数のタブ部13dが当接して配置されている。さらに、この後側カバー13のタブ部13dの内面側に対しては、前側カバー11の側縁部に一体に形成される複数の固定タブ部11dが配置されている。
【0040】
 つまり、後側カバー13のタブ部13dには、中カバー12の複数の貫通孔12eに対応する各部位に貫通孔13eが形成されている。また、前側カバー11の複数の固定タブ部11dには、上述の複数の貫通孔12e及び複数の貫通孔13eのそれぞれに対応する部位に貫通ねじ孔11eが形成されている。
【0041】
 そして、貫通孔12e及び貫通孔13e及び貫通ねじ孔11eに対して固定ビス36が挿通され、これによって各外装部材(11,12,13)は固定されるようになっている。この場合において、固定ビス36は、まず中カバー12の側壁の外側から貫通孔12eに挿通され、これを貫通した後、後側カバー13の貫通孔13eを挿通し、その後、前側カバー11の貫通ねじ孔11eに螺合する。こうして、本カメラ1の三部材からなる外装部材(11,12,13)が一体に組み立てられるようになっている。
【0042】
 このように構成される本実施形態のカメラ1において、アクセサリ取付装置近傍を組み立てる際の手順を以下に簡単に説明する。
【0043】
 まず、中カバー12の側面部の所定の位置、即ち凹部12gに対して吊り環14を嵌合させて配置する。この場合において、吊り環14の被係止突起14bを中カバー12の貫通孔12hを貫通させた部位に配置し、かつ複数の位置決め突起14dを中カバー12の各対応する位置決め用孔部12fに嵌合させる。
【0044】
 この状態において、吊り環14の被係止突起14bの周溝14cに対して吊り環抑え部材35の切欠35cを摺動させながら係合させる。これにより、吊り環14と吊り環抑え部材35とが中カバー12の側壁を挟んで互いに係止状態となる。したがって、吊り環14は中カバー12の側面部において容易に脱落しないように固設される。
【0045】
 この状態の中カバー12に対して後側カバー13を取り付ける。この場合には、図5に示すように後側カバー13の嵌合突部13fを吊り環抑え部材35の先端部35bの段差と中カバー12の側壁内面によって形成される隙間に嵌合させる。すると、導通性の吊り環抑え部材35の先端部35bは、導通性を有する後側カバー13に接触した状態となる。これにより、吊り環14(アクセサリ取付部材)と後側カバー13(カバー部材)とは、吊り環抑え部材35(保持部材)を介して導通する。
【0046】
 この状態においては、中カバー12の貫通孔12eと後側カバー13の貫通孔13eと前側カバー11の貫通ねじ孔11eがそれぞれ対応する位置に配置される。ここで、固定ビス36を、まず中カバー12の側壁の外側から貫通孔12eに挿通する。この貫通孔12eを貫通した固定ビス36は、続いて後側カバー13の貫通孔13eに挿通され、これを貫通する。さらに、当該固定ビス36は、前側カバー11の貫通ねじ孔11eに螺合する。
【0047】
 このようにして、本カメラ1の三部材からなる外装部材(11,12,13)のうち後側カバー13と中カバー12とが一体に組み立てられる。このとき、上述したように吊り環14と後側カバー13とは、吊り環抑え部材35(保持部材)を介して導通した状態になる。
【0048】
 次いで、この状態の中カバー12に対して前側カバー11を取り付る。この場合には、図6に示すように前側カバー11の嵌合突部11fを吊り環抑え部材35の基端部35aの段差と中カバー12の側壁内面によって形成される隙間に嵌合させる。すると、導通性の吊り環抑え部材35の基端部35aは、導通性を有する前側カバー11に接触した状態となる。これにより、吊り環14(アクセサリ取付部材)と前側カバー11(カバー部材)とは、吊り環抑え部材35(保持部材)を介して導通する。
【0049】
 この状態においては、中カバー12の貫通孔12eと前側カバー11の貫通ねじ孔11eと前側カバー11の貫通ねじ孔11eがそれぞれ対応する位置に配置される。ここで固定ビス36を、まず中カバー12の側壁の外側から貫通孔12eに挿通する。この貫通孔12eを貫通した固定ビス36は、続いて後側カバー13の貫通孔13eに挿通され、これを貫通する。さらに、当該固定ビス36は、前側カバー11の貫通ねじ孔11eに螺合する。
【0050】
 このようにして、本カメラ1の三部材からなる外装部材(11,12,13)のうち中カバー12と前側カバー11とが一体に組み立てられる。このとき、上述したように吊り環14と前側カバー11とは、吊り環抑え部材35(保持部材)を介して導通した状態になる。
【0051】
 以上説明したように上記一実施形態によれば、アクセサリ取付部材(吊り環14)を固定部材(中カバー12)に対して固定する保持部材(吊り環抑え部材35)は、上記吊り環14とカバー部材(前側カバー11及び後側カバー13)との両者に接触し導通させるように配置している。
【0052】
 これにより、当該カメラ1は、外装部材(11,12,13)を組み立てる際の作業性を阻害することなく、アクセサリ取付部材(吊り環14)を介して内部に流入する静電気を確実に接地することができる。したがって、カメラ1の内部に配設されている電気部品等は、アクセサリ取付部材を介して内部に流入する静電気により生じる悪影響を防止することができる。
【0053】
 保持部材(吊り環抑え部材35)は、固定部材(中カバー12)を挟んでアクセサリ取付部材(吊り環14)の周溝14cに対して係止する構成としたので、これを固定するねじ等の固定部材を必要とせず、構成の簡略化に寄与することができる。
【0054】
 さらに、この場合において、保持部材(吊り環抑え部材35)は、アクセサリ取付部材(吊り環14)の周溝14cに対して嵌め込むのみの構成としたので、組立作業性の向上に寄与することができる。
【0055】
 また、保持部材(吊り環抑え部材35)は、二つのカバー部材(前側カバー11及び後側カバー13)に接触するようにしているので確実な導通を確保することができる。
【0056】
 なお、上述の一実施形態はアクセサリ取付部材としてストラップ取付用の吊り環に対して本発明を適用した例を説明しているが、当該発明は、これに限定されることはなく、例えばカメラの三脚取付部や外部ストロボ取付部等に対して適用することは容易にできる。
【0057】
 また、上述の一実施形態のアクセサリ取付装置の構成は、当該実施形態に示すカメラ以外にも、例えば携帯型情報機器等、カメラなどと同様に携帯して持ち歩くことのできる各種の小型機器に適用されるアクセサリ取付装置に対しても全く同様に適用することができるのはもちろんである。
図面の簡単な説明
【0058】
【図1】本発明の一実施形態のアクセサリ取付装置を具備するカメラの主に前面側及び右側面を示す外観斜視図。
【図2】図1のカメラの主要構成部材を示す分解斜視図。
【図3】図1のカメラの構成部材の一部であって、中カバーに対するアクセサリ取付装置の取り付け部位を示す要部拡大斜視図。
【図4】図1のカメラの一部の断面を示す図であってアクセサリ取付装置の取り付け部位近傍の縦断面図。
【図5】図1のカメラの外装部材に対するアクセサリ取付装置の取り付け状態を示す横断面図であって、中カバー及び後側カバーに対して前側カバーを組み付ける以前の状態を示す図。
【図6】図1のカメラの外装部材に対するアクセサリ取付装置の取り付け状態を示す横断面図であって、中カバー及び後側カバーに対して前側カバーを組み付けた後の状態を示す図。
【符号の説明】
【0059】
 1……カメラ
 11……前側カバー
 11d……固定タブ部
 11e……貫通ねじ孔
 11f……嵌合突部
 12……中カバー
 12e……貫通孔
 12f……位置決め用穴部
 12g……凹部
 12h……貫通孔
 13……後側カバー
 13d……タブ部
 13e……貫通孔
 13f……嵌合突部
 14……吊り環
 14a……通し孔
 14b……被係止突起
 14c……周溝
 14d……位置決め突起
 20……レンズ鏡枠ユニット
 21……主基板
 22……本体フレーム
 35……吊り環抑え部材
 35a……基端部
 35b……先端部
 35c……切欠
 36……固定ビス
 代理人弁理士伊藤進
図面
【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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上記の内容は特許電子図書館の出力データを加工したものです。by ipdldd 
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