超音波センサ
【課題】 受信素子の振動部を保護するとともに、被検出体にて反射された超音波を効率よく受信素子に伝達することができる超音波センサを実現する。
【解決手段】 受信部材30は、受信部30aを車両の外部に露出させた状態で、緩衝材41を介在して車両のバンパ52に取り付けられている。受信素子10は、車両外部から見えない位置に、振動部15と受信部材30とが非接触であるように支持部材11aを介して受信部材30に取り付けられている。この構成によれば、超音波を受信部材30及び支持部材11aを介して固体の振動として伝達することができるので、超音波を効率よく振動部15に伝達することができる。また、受信部材30に外力が負荷されて振動部15側に変位したような場合であっても、受信部材30が振動部15と接触し、破損するおそれがない。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、送信素子から送信され被検出体にて反射された超音波を受信素子により受信して検出する超音波センサに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、この種の超音波センサとして、例えば、自動車(車両)に搭載されたものが知られている。この超音波センサは、超音波の送受信が可能な素子から超音波を送信して、被検出体に当たって反射された超音波をこの素子によって受信することにより、自動車の周囲にある物体の位置測定または距離測定や、当該物体の2次元形状または3次元形状の測定などを行う。このように超音波センサを利用し、自動車の周囲を監視して安全走行に役立てる技術の開発が進められている。
例えば、自動車の後部に超音波センサを搭載し、自動車の後方に存在する人間や障害物などに当たって反射された超音波を当該超音波センサで受信して、検知するバックソナーを用い、人間や障害物などとの衝突を回避してバックでの駐車を支援する自動駐車支援システムなどが実用化されている。
更に、超音波センサの素子としては、MEMS(Micro Electro Mechanical System)技術を利用して基板の薄肉部として形成された薄膜部上に圧電体薄膜からなる振動部が形成された、超音波センサ素子が注目されている。
【0003】
ここで、超音波センサの素子を外部に露出させた状態で車両に搭載した場合、素子の表面に水滴やごみが付着すると、被検出体までの距離を正確に測定できなくなる。また、小石の衝突などの外力の負荷により破壊されるおそれがある。
そのため、素子の汚染や外力の負荷による破壊を防止するための保護構造を備えた超音波センサとして、例えば、特許文献1には、素子を外部に露出しないようにアルミケースに内装し、超音波を検出する圧電式振動検出素子を振動板に直接取り付けて、振動板の振動によって超音波を受信する超音波センサが開示されている。
【特許文献1】特開2002−58097号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、MEMS型の素子は、構造上、圧電体薄膜の機械的強度が低いので、振動板に直接取り付けた場合、破損しやすいという問題があった。
また、破損を防止するために、圧電体薄膜を振動板に取り付けずに、圧電体薄膜と振動板との間に空間を設けた場合、超音波を素子に効率よく伝達することができないという問題があった。
【0005】
そこで、この発明は、超音波素子の振動部を保護するとともに、被検出体にて反射された超音波を効率よく超音波素子に伝達することができる超音波センサを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、超音波を送信する送信素子から送信され、被検出体にて反射された超音波が伝達して振動する振動部を有し、所定の物体に配置される超音波センサにおいて、前記振動部の端部を持ち上げて支持する支持部材と、前記被検出体にて反射された超音波を受信する受信部が、前記所定の物体において前記被検出体の存在する空間側に露出する受信部材とを備えており、前記受信部材の前記受信部と異なる部位には、前記振動部と前記受信部材とが非接触であるように前記支持部材が取付けられており、前記受信部により受信された前記超音波が、前記支持部材を介して前記振動部に伝達可能に構成された、という技術的手段を用いる。
【0007】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の超音波センサにおいて、前記受信部材及び前記支持部材の音響インピーダンスが等しい、または、ほぼ等しい、という技術的手段を用いる。
【0008】
請求項3に記載の発明では、請求項1または請求項2に記載の超音波センサにおいて、前記振動部は、前記受信部で受信された超音波により共振する、という技術的手段を用いる。
【0009】
請求項4に記載の発明では、請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載の超音波センサにおいて、前記振動部は、圧電式振動検出素子である、という技術的手段を用いる。
【0010】
請求項5に記載の発明では、請求項1ないし請求項4のいずれか1つに記載の超音波センサにおいて、前記振動部は、前記支持部材に片持ち支持されている、という技術的手段を用いる。
【0011】
請求項6に記載の発明では、請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載の超音波センサにおいて、前記振動部は、容量式振動検出素子である、という技術的手段を用いる。
【0012】
請求項7に記載の発明では、請求項1ないし請求項6のいずれか1つに記載の超音波センサにおいて、前記受信部材には複数個の前記振動部がそれぞれ前記支持部材を介して装着され、前記受信部材は、前記各振動部に対応した領域に区画されており、前記各領域の間には、前記受信部で受信した超音波の前記各領域間での伝達を妨げる第1の遮蔽手段が設けられている、という技術的手段を用いる。
【0013】
請求項8に記載の発明では、請求項7に記載の超音波センサにおいて、前記第1の遮蔽手段は、前記受信部に対して垂直方向、または、略垂直方向に形成された溝状の空間である、という技術的手段を用いる。
【0014】
請求項9に記載の発明では、請求項1ないし請求項6のいずれか1つに記載の超音波センサにおいて、複数個の前記振動部が対応する個数の前記受信部材に前記支持部材を介してそれぞれ装着され、前記各受信部材の間には、前記受信部で受信した超音波の前記各受信部材間での伝達を妨げる第2の遮蔽手段がそれぞれ設けられている、という技術的手段を用いる。
【0015】
請求項10に記載の発明では、請求項9に記載の超音波センサにおいて、前記第2の遮蔽手段は、前記受信部で受信した超音波を減衰させる減衰材料からなる、という技術的手段を用いる。
【0016】
請求項11に記載の発明では、請求項7ないし請求項10のいずれか1つに記載の超音波センサにおいて、前記受信部で受信した超音波が前記振動部に伝達されるまでの伝達時間がそれぞれ等しい、または、ほぼ等しい、という技術的手段を用いる。
【0017】
請求項12に記載の発明では、請求項1ないし請求項11のいずれか1つに記載の超音波センサにおいて、前記所定の物体は、車両である、という技術的手段を用いる。
【0018】
請求項13に記載の発明では、請求項12に記載の超音波センサにおいて、前記車両には、前記受信部材を取り付ける取付部が設けられており、前記受信部材は、前記取付部との間に前記超音波の伝達を防止する第3の遮蔽手段を介在して、前記取付部に取り付けられる、という技術的手段を用いる。
【0019】
請求項14に記載の発明では、請求項13に記載の超音波センサにおいて、前記取付部は、前記車両の移動方向の端部である、という技術的手段を用いる。
【0020】
請求項15に記載の発明では、請求項13または請求項14に記載の超音波センサにおいて、前記取付部は、バンパである、という技術的手段を用いる。
【0021】
請求項16に記載の発明では、請求項12に記載の超音波センサにおいて、前記受信部材は、前記車両の移動方向の端部に設けられている、という技術的手段を用いる。
【0022】
請求項17に記載の発明では、請求項12または請求項16に記載の超音波センサにおいて、前記受信部材は、バンパである、という技術的手段を用いる。
【0023】
請求項18に記載の発明では、請求項12に記載の超音波センサにおいて、前記受信部材は、フロントガラス、または、リアガラスである、という技術的手段を用いる。
【0024】
請求項19に記載の発明では、請求項12に記載の超音波センサにおいて、前記受信部材は、ヘッドランプのカバー、または、リアランプのカバー、または、ウインカのカバー、または、バックランプのカバーである、という技術的手段を用いる。
【0025】
請求項20に記載の発明では、請求項12に記載の超音波センサにおいて、前記受信部材は、ボディである、という技術的手段を用いる。
【発明の効果】
【0026】
請求項1に記載の発明によれば、超音波を送信する送信素子から送信され、被検出体にて反射された超音波を、超音波を受信する受信部が被検出体の存在する空間側に露出した状態で所定の物体に配置された受信部材で受信することができる。
この受信部材により受信された超音波が、超音波が伝達して振動する振動部に、振動部の端部を持ち上げて支持する支持部材を介して伝達可能に構成されているため、超音波を固体の振動として伝達することができるので、超音波の減衰が少なく、振動部に効率よく伝達することができる。
また、受信部材の受信部と異なる部位に、振動部と受信部材とが非接触であるように支持部材が取り付けられているため、外力を受けた受信部材が振動部側に変位した場合であっても、受信部材が振動部と接触し、破損するおそれがない。
つまり、振動部を保護するとともに、被検出体で反射された超音波を効率よく振動部に伝達することができる超音波センサを実現することができる。
ところで、受信部材の共振振動を利用する場合には、板厚が受信部材のサイズおよび材質、超音波の振動数によって決定され、素子サイズの小さい超音波センサにおいては、板厚が非常に薄くなってしまうという問題がある。例えば、超音波の振動数が50kHzの場合に、受信部材に3mm角のアルミニウム板を用いると、その厚さは0.1mm以下にする必要があり、強度が確保できない。また、強度を確保するために、受信部材の厚みを増加させた構造では、反射波による振動の振幅が小さくなり、信号強度が低下するという問題がある。
請求項1に記載の発明によれば、受信部材を共振させるのではなく、固体内部の振動によって超音波伝達を行うため、受信部材の厚みを確保し、強度を確保することができる。
【0027】
請求項2に記載の発明によれば、受信部材及び支持部材の音響インピーダンスが等しい、または、ほぼ等しいため、受信部材及び支持部材の界面における超音波の反射が小さくなるので、超音波の伝達効率を向上させることができる。
【0028】
請求項3に記載の発明によれば、振動部は、受信部で受信された超音波により共振するため、支持部材に伝達される振動の振幅が増大するので、超音波を効率よく検出することができる。
【0029】
請求項4に記載の発明によれば、振動部は、圧電式振動検出素子で構成することができる。ここで、請求項5に記載するように、振動部を、支持部材に片持ち支持されるように構成すると、振動部の変形を拘束する部分が少ないため、振動が伝達されると大きく変形するので、超音波センサの感度を向上させることができる。
また、請求項6に記載するように、振動部は、容量式振動検出素子で構成することもできる。
【0030】
請求項7に記載の発明によれば、受信部材には複数個の振動部がそれぞれ支持部材を介して装着され、受信部材は、各振動部に対応した領域に区画されており、各領域の間には、受信部で受信した超音波の各領域間での伝達を妨げる第1の遮蔽手段が設けられているため、受信部材の区画された各領域で受信された超音波は、対応する振動部にだけ伝達され、他の振動部には伝達されない。
従って、超音波の伝達を各領域間で分離して行うことが可能になり、各振動部のクロストーク特性を向上させることができる。
当該超音波センサは、複数個の振動部を有するため、各振動部で受信した超音波の時間差、位相差を求めることにより、その各差に基づいて、被検出体との距離だけでなく、被検出体の位置も測定することができる。ここで、受信部材の区画された各領域で受信された超音波は、対応する振動部にだけ伝達されるため、各振動部で受信した超音波の時間差、位相差を正確に求めることができるので、被検出体の位置測定の精度を向上させることができる。
【0031】
上記第1の遮蔽手段は、請求項8に記載するように、受信部に対して垂直方向、または、略垂直方向に形成された溝状の空間としてもよい。この構成によれば、例えば、受信部材に切り込みを入れる、などの簡単な方法で第1の遮蔽手段を形成することができる。また、溝状の空間では、超音波の伝達媒体が空気となり、減衰が大きくなるので、確実に超音波の各領域間での伝達を妨げることができる。
【0032】
請求項9に記載の発明によれば、複数個の振動部が対応する個数の受信部材に支持部材を介してそれぞれ装着され、受信部材の間には、受信部で受信した超音波の前記各受信部材での伝達を妨げる第2の遮蔽手段がそれぞれ設けられているため、各受信部材で受信された超音波は、対応する振動部にだけ伝達され、他の振動部には伝達されない。
従って、超音波の伝達を各受信部材間で分離して行うことが可能になり、各振動部のクロストーク特性を向上させることができる。
当該超音波センサは、複数個の振動部を有するため、各振動部で受信した超音波の時間差、位相差を求めることにより、その各差に基づいて、被検出体との距離だけでなく、被検出体の位置も測定することができる。ここで、各受信部材で受信された超音波は、対応する振動部にだけ伝達されるため、各振動部で受信した超音波の時間差、位相差を正確に求めることができるので、被検出体の位置測定の精度を向上させることができる。
【0033】
請求項10に記載の発明のように、第2の遮蔽手段は、受信部で受信した超音波を減衰させる減衰材料からなる構成を用いることができる。この構成によれば、減衰材料からなる第2の遮蔽手段を各受信部材間に介在させるだけで、簡単に超音波の伝達を各受信部材間で分離することができる。
【0034】
請求項11に記載によれば、受信部で受信した超音波が振動部に伝達されるまでの伝達時間がそれぞれ等しい、または、ほぼ等しいため、例えば、被検出体の位置を測定する場合に、各振動部で受信した超音波の時間差の測定精度を向上させることができるので、被検出体の位置の測定精度を向上させることができる。
【0035】
請求項12に記載の発明によれば、所定の物体は、車両であり、当該超音波センサは車両に搭載することができる。この構成によれば、超音波センサを車両の周囲にある障害物や人間などを検知する障害物センサなどに適用することができる。
また、車両の進行中に、例えば、小石などが飛来して受信部材に衝突した場合であっても、受信部材が振動部と接触し、破損するおそれがない。更に、車両が雨やちりなどの異物により汚れた場合であっても、振動部には、水滴や異物が付着しないため、超音波センサを正常な状態で作動させることができる。
つまり、車両に搭載して使用される信頼性の高い超音波センサを実現することができる。
【0036】
請求項13に記載の発明によれば、車両には、受信部材を取り付ける取付部が設けられており、受信部材は、取付部との間に超音波の伝達を防止する第3の遮蔽手段を介在して、取付部に取り付けられるため、車両を構成する部材からの振動が受信部材に伝達することを防止することができる。
【0037】
請求項14に記載の発明によれば、取付部は、車両の移動方向の端部であるため、車両の進行の妨げになる障害物の検出などに超音波センサを適用する場合に有効である。取付部は、例えば、請求項15に記載するように、バンパとすることができる。
【0038】
請求項16に記載の発明によれば、受信部材は、車両の移動方向の端部に設けられているため、車両の進行の妨げになる障害物の検出などに超音波センサを適用する場合に有効である。この場合、受信部材は、請求項17に記載するように、バンパとすることができる。この構成を用いると、超音波センサが車両の外部から見えないため、美観を保つことができる。
また、請求項18に記載するように、受信部材は、フロントガラス、または、リアガラスとすることもできる。この構成を用いると、受信部材が硬いガラスとなるため、超音波の伝達効率を向上させることができる。
更に、請求項19、または、請求項20に記載するように、超音波センサの用途に合わせて、受信部材は、ヘッドランプのカバー、リアランプのカバー、ウインカのカバー、バックランプのカバー、ボディとすることもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
〈第1実施形態〉
この発明に係る超音波センサの第1実施形態について、図を参照して説明する。ここでは、超音波センサを車両に搭載し、障害物センサとして使用する場合を例に説明する。図1は、車両に搭載された超音波センサの断面説明図である。図2は、超音波センサの受信素子の説明図である。図2(A)は、受信素子の平面説明図であり、図2(B)は、図2(A)のA−A矢視断面図である。図3は、第1実施形態に係る超音波センサの変更例の説明図である。
なお、各図では、説明のために一部を拡大して示している。
【0040】
(超音波センサの構造)
図1において、図中下方が車両の外部を示す。図1に示すように、超音波を送信する送信素子19から送信され、車両付近の存在する障害物Mなどの被検出体にて反射された超音波を受信する、例えば、四角形の平板状に形成されている受信部材30は、超音波を受信する受信部30aを車両の外部に露出させた状態で、車両のバンパ52に取り付けられている。ここで、バンパ52には、受信部材30を挿通可能な大きさに貫通形成された取付部52aが設けられており、受信部材30は、取付部52aとの間に超音波の伝達を防止する緩衝材41を介在して、取付部52aに取り付けられる。
【0041】
受信素子10は、支持部材11aの取付面11nにおいて受信部材30の内壁部30bに接合層24を介して取り付けられ、箱状の収容部材23内に収容されている。つまり、受信素子10は、車両外部から見えない位置に、振動部15と受信部材30とが非接触であるように支持部材11aを介して受信部材30に取り付けられている。
【0042】
受信素子10には、圧電式振動検出素子12(図2)から出力される電圧信号を検知する回路素子21が電気的に接続されている。回路素子21には、ECUに対して信号を出力するためのターミナル22が、電気的に接続されている。このターミナル22は、収容部材23の外部に露出し、ECUに電気的に接続されている。なお、回路素子21は収容部材23の外部に配置してもよい。
【0043】
(受信素子の構造)
図2(A)及び(B)に示すように、受信素子10は、SOI(Silicon On Insulator)構造の四角形状の半導体基板11を用いて形成されている。半導体基板11は、シリコンからなる支持部材11aの上面11m上に、第1絶縁膜11b、シリコン活性層11c、第2絶縁膜11dがこの順番で積層されて形成されている。
半導体基板11の中央部は、MEMS技術により、支持部材11a及び第1絶縁膜11bの中央部が四角形状に除去される。これにより、支持部材11aは中央部が四角形にくり抜かれた平板状に、残されたシリコン活性層11c及び第2絶縁膜11dは、四角形の薄膜状に形成されている。
【0044】
第2絶縁膜11d上には、薄膜状に形成された部分を覆って、圧電式振動検出素子12が形成されている。圧電式振動検出素子12は、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)からなる圧電体薄膜12aを下面電極13及び上面電極14で挟んで形成されている。
これにより、支持部材11aにより端部が持ち上げられた振動部15が形成される。振動部15は、所定の共振周波数を有しており、被検出体で反射されて受信素子10に伝達された超音波を受信し、共振する。この共振により生じる振動部15の変位を圧電式振動検出素子12により電圧信号に変換して、超音波を検出する。
このように、MEMS技術を利用して作製された受信素子10は、超音波の受信感度が高いため受信素子として好適である。
【0045】
(超音波の伝達)
図1に示すように、送信素子19から送信され、被検出体たる障害物Mにて反射された超音波は、受信部材30の受信部30aにて受信され、受信素子10に向かって、受信部材30の厚さ方向に伝達される。次に、受信部材30を伝搬する超音波は、受信部材30の内壁部30bから接合層24を介して支持部材11aの取付面11nに対して固体内の振動(疎密波)として伝達される。
支持部材11aに伝達された超音波は、支持部材11a内を伝達し、振動部15を振動させる。そして、振動部15が振動することにより、圧電式振動検出素子12(図1)から回路素子21に対して電圧信号が出力される。
つまり、超音波センサ60は、受信部材30により受信された超音波が、支持部材11aを介して振動部15に伝達可能に構成されている。
【0046】
そして、回路素子21は圧電式振動検出素子12から出力される電圧信号に基づいて演算処理を行い、例えば、信号の増幅およびノイズの除去、または、送信素子19から送信した超音波と、受信素子10が受信した超音波とを比較し、その時間差や位相差を求めることにより、被検出体との距離測定などを行うことができる。
【0047】
受信部30aにおいて受信した超音波の強度に対する振動部15に伝達される振動の強度の比を示す伝達率Tは、受信部材30におけるエネルギー吸収に起因する伝達率T1、受信部材30と支持部材11aとの界面における透過、反射に起因する伝達率T2及び振動の伝達経路である支持部材11aの最小断面積Dminに起因する伝達率T3より(1)式で表される。
T=T1×T2×T3 (1)
ここで、超音波センサ60において、振動部15に伝達される振動に基づいて、回路素子21に対して電圧信号を精度よく出力するためには、受信部30aにおいて受信した超音波の1/10以上の強度の信号が振動部15に伝達される必要がある。つまり、伝達率Tが0.1以上となるように、伝達率T1、T2、T3を調整する必要がある。
【0048】
受信部材30におけるエネルギー吸収に起因する伝達率T1は、受信部材30を構成する材料の振動の吸収率αと受信部材30の厚さtとから(2)式で表される。
T1=1−α×t (2)
つまり、受信部材30は、薄くて振動の吸収率が低い、例えば、硬い材料により構成することが好ましい。また、受信部材30は、外気に晒されることに加え、外力の負荷から受信素子10を保護しなければならないため、耐候性の高い堅牢な材料を用いて形成する必要がある。
【0049】
受信部材30と支持部材11aとの界面における透過、反射に起因する伝達率T2は、受信部材30の音響インピーダンスZ1と支持部材11aの音響インピーダンスZ2とから(3)式で表される。
T2=4×Z1×Z2/(Z1+Z2)/(Z1+Z2) (3)
つまり、受信素子10に効率よく超音波を伝達するためには、受信部材30の音響インピーダンスZ1を支持部材11aの音響インピーダンスZ2に近づけることが有効である。
また、受信部材30は、外気に晒されることに加え、外力の負荷から受信素子10を保護しなければならないため、耐候性の高い堅牢な材料を用いて形成する必要がある。
以上より、受信部材30を構成する材料としては、ステンレスやアルミニウム合金などの各種金属材料が好ましい。また、各種合成樹脂、ガラス、セラミックス、ゴムなども用いることができる。
【0050】
伝達経路である支持部材11aの最小断面積Dminに起因する伝達率T3は、支持部材11aの最小断面積Dminと振動部15の面積Sとにより(4)式で表される。
T3=Dmin/S (4)
但し、(4)式は、Dmin/Sが1に近い大きな値でない場合、例えば、Dmin/Sが0.5以下の場合に成立する。上記の式の成立範囲は構造に依存する。
T1及びT2は1以下の値をとるため、(1)式よりT3は少なくとも0.1以上である必要がある。つまり、取付面11nの面積を振動部15の面積Sの1/10以上、更には、取付面11nに平行な支持部材11aの断面の面積を振動部15の面積Sの1/10以上とすることが好ましい。
【0051】
受信部30aで受信した超音波により振動部15が共振するような構成を採用すると、伝達される振動が増幅されるので好ましい。共振振動は、振動部15の材質、面積、厚さ、形状によって決まる。これらのパラメータにより、振動部15の共振を設計することができる。
また、信号強度を上げる方法として、受信部材30の音波伝達方向の厚さを1/4波長の整数倍とすることで超音波が受信部材30内で共鳴することによって強度が増加する。
【0052】
受信部材30は、超音波の伝達を防止する緩衝材41を介して、バンパ52に取り付けられているため、横方向からの振動の伝達が遮蔽されるので、ノイズの影響を低減することができ、超音波センサ60の感度を向上させることができる。この効果を奏するためには、緩衝材41には振動遮断性の高い材料を用いることが望ましく、そのような材料として、例えば、ゴムなどがある。
【0053】
受信部材30の内壁部30bから支持部材11aの取付面11nに対して、超音波による振動を効率よく伝達するためには、内壁部30bと取付面11nとの界面における超音波の反射などによる減衰を小さくする必要がある。そのためには、内壁部30bと取付面11nとの接触状態を良好にするため、振動の減衰が小さい材料で接合することが好ましい。
例えば、接合層24として、グリース、ガラス接合層、接着剤、ろう付け部などを採用し、内壁部30bと取付面11nとを密着させることが好ましい。また、内壁部30bと取付面11nとを平滑な面に仕上げて機械的に接触させてもよい。
【0054】
(変更例)
図3に示すように、樹脂、または、金属製のバンパ52を受信部材として利用し、受信素子10をバンパ52に直接取り付ける構成を使用することもできる。この構成を使用すると、バンパ52から受信部が露出することがないため、意匠的に優れた車両を製造することができる。
【0055】
超音波センサ60は、バンパ52以外の車両の移動方向の端部、例えば、バンパ52の直上、または、直下の車両のボディに取り付けることができる。
この構成を用いると、障害物などで反射した超音波が車両の一部に遮られることがないので、確実に超音波センサ60で検出することができ、障害物センサなどに超音波センサ60を適用する場合に有効である。
また、フロントガラス、または、リアガラスを受信部材30として利用し、受信素子10を取り付けることもできる。この構成を用いると、受信部材30が硬いガラスとなるため、超音波の伝達効率を向上させることができる。
更に、超音波センサの用途に合わせて、他の部材を受信部材30として利用することもできる。例えば、超音波センサを車両側方の障害物センサとして用いる場合には、ウインカのカバーなどを受信部材30として利用し、受信素子10を取り付けることもできる。その他、ヘッドランプのカバー、リアランプのカバー、バックランプのカバー、または、ボディなどを受信部材30として利用し、受信素子10を取り付けることもできる。
【0056】
受信部材30を構成する材料として、一方向に優先的に音波を伝達する異方性材料、例えば、厚さ方向にメタルファイバーやガラスファイバーを配列した樹脂材料などを用いることができる。この構成を用いると、超音波の伝達方向が受信部材30の厚さ方向に制限され、面方向への散逸が防止できるため、超音波の減衰を小さくすることができる。
【0057】
[第1実施形態の効果]
(1)送信素子19から送信され、障害物Mにて反射された超音波を、超音波を受信する受信部30aが障害物Mの存在する空間側、つまり、車両の外部に露出した状態でバンパ52に配置された受信部材30で受信することができる。
この受信部材30により受信された超音波が、超音波が伝達して振動する振動部15に、振動部15の端部を持ち上げて支持する支持部材11aを介して伝達可能に構成されているため、超音波を固体内部の振動として伝達することができるので、超音波の減衰が少なく、超音波を効率よく振動部15に伝達することができる。また、受信部材30を共振させるのではなく、固体内部の振動によって超音波伝達を行うため、受信部材30の厚みを確保し、強度を確保することができる。
受信部材30の内壁部30bに、振動部15と受信部材30とが非接触であるように支持部材11aが取り付けられているため、車両の進行中に、例えば、小石などが飛来して受信部材30に衝突し、受信部材30が振動部15側に変位したような場合であっても、受信部材30が振動部15と接触し、破損するおそれがない。
更に、車両が雨やちりなどの異物により汚れた場合であっても、振動部15には、水滴や異物が付着しないため、超音波センサ60を正常な状態で作動させることができる。
つまり、振動部15を保護するとともに、障害物Mで反射された超音波を効率よく振動部に伝達することができる超音波センサ60を実現することができる。
【0058】
(2)受信部材30及び支持部材11aの音響インピーダンスを等しく、または、ほぼ等しくすることにより、受信部材30及び支持部材11aの界面における超音波の反射が小さくなるので、超音波の伝達効率を向上させることができる。
【0059】
(3)振動部15は、受信部30aで受信された超音波により共振するため、受信素子10に伝達される振動の振幅が増大するので、超音波を効率よく検出することができる。
【0060】
(4)受信部材30は、取付部52aとの間に超音波の伝達を防止する緩衝材41を介在して、取付部52aに取り付けられるため、車両を構成する部材からの振動が受信部材30に伝達することを防止することができる。
【0061】
〈第2実施形態〉
この発明に係る超音波センサの第2実施形態について、図を参照して説明する。図4は、第2実施形態に係る超音波センサにおける受信素子の配置の説明図である。図5は、第2実施形態に係る超音波センサの断面説明図である。図6は、第2実施形態に係る超音波センサの変更例の説明図である。
なお、第1実施形態と同様の構成については、同じ符号を使用するとともに説明を省略する。また、以下の各図において、送信素子19及び障害物Mを省略する。
【0062】
(超音波センサの構造)
本実施形態の超音波センサ70では、複数個の受信素子がアレイ状に並べて配置されている。図4は、超音波センサ70における受信素子のみの配置を示している。図4に示すように、本実施形態では、縦横方向に2個ずつ計4個の受信素子10a、10b、10c、10dが配置されている。このように受信素子を配置すると、各受信素子10a〜10dで受信した超音波の時間差、位相差を求めることにより、その各差に基づいて、被検出体との距離だけでなく、被検出体の位置も測定することができる。
【0063】
図5に示すように、受信部材31は、緩衝材41を介して、車両のバンパ52に取り付けられている。受信部材31には、面方向の中央部から車両の外部に向かって溝状の空間である遮蔽部31iが形成されており、この遮蔽部31iにより、受信部材31は領域31aと領域31bとに区画されている。受信素子10aは、領域31aの内壁部31gに装着されており、受信素子10bは、領域31bの内壁部31hに装着されている。つまり、受信部材31は、遮蔽部31iにより、受信素子10a、10bに対応した領域31a、31bにそれぞれ区画される。
ここで、遮蔽部31iは、内壁部31g、31h側で開口し、受信部31e、31f側で閉口している。また、受信素子10a及び受信素子10bは、ともに回路素子21に電気的に接続されている。
なお、受信素子10a〜10dのいずれの隣接する2つの受信素子においても上述の受信素子10a、10bの断面構造と同様の構造となる。
【0064】
超音波センサ70をこのように構成すると、超音波を受信部31eにて受信した場合、超音波は、受信部材31の領域31aを伝搬する。ここで、受信部材31には、遮蔽部31iが形成されており、遮蔽部31iでは超音波の伝達媒体が空気となり、減衰が大きくなるので、超音波が領域31aから領域31bに伝搬することはない。従って、受信部31eにて受信した超音波は、受信素子10aの振動部15aにだけ伝達され、他の振動部には伝達されない。
超音波を受信部31fにて受信した場合も同様に、受信した超音波は受信素子10bの振動部15bにだけ伝達され、他の振動部には伝達されない。
これにより、超音波の伝達を各領域31a、31b間で分離して行うことが可能になり、各振動部15a、15bのクロストーク特性を向上することができる。更に、各受信部31e、31fで受信した超音波の時間差、位相差を正確に求めることができるので、障害物の位置測定の精度を向上させることができる。
【0065】
本実施形態では、遮蔽部31iは、内壁部31g、31h側で開口し、受信部31e、31f側で閉口しているが、内壁部31g、31h側で閉口し、受信部31e、31f側で開口していてもよいし、両側とも閉口していてもよい。また、遮蔽部31iには、超音波の伝達を妨げる材料、例えばゴムなどを介在させてもよい。
また、受信素子の数は4個に限らない。隣接する複数個の受信素子を1グループとし、そのグループ毎に遮蔽部31iを設けて当該グループを他のグループから分離してもよい。
【0066】
図6に示すように、バンパ52を受信部材として利用し、受信素子10a、10bをバンパ52に直接取り付ける構成を使用することもできる。この構成を使用すると、バンパ52から受信部が露出することがないため、美観を保つことができる。ここで、バンパ52において、例えば、隣接する受信素子10aと受信素子10bとの間と、収容部材23の幅方向の外側とに、遮蔽部31iと同様の構造の52bなどの面方向からの振動の伝達を遮蔽する構造を設けておくと、各振動部15a、15bのクロストーク特性を向上することができる。
また、第1実施形態と同様に、フロントガラス、または、リアガラスを受信部材31して利用し、受信素子10a〜10dを取り付けることもできる。
その他、ヘッドランプのカバー、リアランプのカバー、バックランプのカバー、ウインカのカバー、またはボディなどを受信部材31として利用し、受信素子10a〜10dを取り付けることもできる。
【0067】
[第2実施形態の効果]
受信部材31には複数個の振動部15a、15bが支持部材11aを介して装着され、受信部材31は、各振動部15a、15bに対応した領域31a、31bに区画されており、各領域31a、31bの間には、受信部31e、31fで受信した超音波の各領域31a、31b間での伝達を妨げる遮蔽部31iが設けられているため、区画された各領域31a、31bで受信された超音波は、対応する振動部15a、15bにだけ伝達され、他の振動部には伝達されない。
従って、超音波の伝達を各領域31a、31b間で分離して行うことが可能になり、各振動部15a、15bのクロストーク特性を向上することができる。
当該超音波センサ70は、複数個の振動部15a、15bを有するため、各振動部15a、15bで受信した超音波の時間差、位相差を求めることにより、その各差に基づいて、障害物との距離だけでなく、障害物の位置も測定することができる。ここで、受信部材31の区画された各領域31a、31bで受信された超音波は、対応する振動部15a、15bにだけ伝達されるため、各振動部15a、15bで受信した超音波の時間差、位相差を正確に求めることができるので、障害物の位置測定の精度を向上させることができる。
【0068】
〈第3実施形態〉
この発明に係る超音波センサの第3実施形態について、図を参照して説明する。図7は、第3実施形態に係る複数個の受信素子を備えた超音波センサの断面説明図である。
なお、第1実施形態及び第2実施形態と同様の構成については、同じ符号を使用するとともに説明を省略する。
【0069】
(超音波センサの構造)
図7に示すように、本実施形態の超音波センサ80は、各振動部15a、15b毎に対応して受信部材32、33が設けられている点において、第2実施形態の受信部材31と異なっている。
各振動部15a、15bは支持部材11aを介して受信部材32、33にそれぞれ装着されている。受信部材32と受信部材33との間には、超音波の伝達を妨げる、例えば、ゴムなどの減衰材料からなる減衰部材42が介在している。
【0070】
超音波センサ80をこのように構成すると、超音波を受信部32aにて受信した場合、超音波は、受信部材32を伝搬する。ここで、受信部材32と受信部材33との間には減衰部材42が介在するため、超音波が受信部材32から受信部材33に伝搬しにくい。従って、受信部32aにて受信した超音波は、受信素子10aの振動部15aにだけ伝達され、他の振動部には伝達されない。
超音波を受信部33aにて受信した場合も同様に、受信した超音波は受信素子10bの振動部15bにだけ伝達され、他の振動部には伝達されない。
これにより、超音波の伝達を各受信部材32、33間で分離して行うことが可能になり、各振動部15a、15bのクロストーク特性を向上することができる。
更に、各受信部32a、33aで受信した超音波の時間差、位相差を正確に求めることができるので、障害物の位置測定の精度を向上させることができる。
【0071】
[第3実施形態の効果]
複数個の振動部15a、15bが対応する個数の受信部材32、33に支持部材11aを介してそれぞれ装着され、受信部材32、33の間には、受信部32a、33aで受信した超音波の各受信部材32、33での伝達を妨げる減衰部材42が設けられているため、各受信部材32、33で受信された超音波は、対応する振動部15a、15bにだけ伝達され、他の振動部には伝達されない。
従って、超音波の伝達を各受信部材32、33間で分離して行うことが可能になり、各振動部15a、15bのクロストーク特性を向上することができる。
当該超音波センサ80は、複数個の振動部15a、15bを有するため、各振動部15a、15bで受信した超音波の時間差、位相差を求めることにより、その各差に基づいて、被検出体との距離だけでなく、障害物の位置も測定することができる。ここで、各受信部材32、33で受信された超音波は、対応する振動部15a、15bにだけ伝達されるため、各振動部15a、15bで受信した超音波の時間差、位相差を正確に求めることができるので、障害物の位置測定の精度を向上させることができる。
【0072】
〈その他の実施形態〉
(1)受信素子として、振動部が支持部材に片持ち支持された受信素子を採用することもできる。図8は、振動部が支持部材に片持ち支持された受信素子の説明図である。図8(A)は、受信素子の平面説明図であり、図8(B)は、図8(A)のB−B矢視断面図である。図9は、振動部が支持部材に片持ち支持された受信素子を用いた超音波センサの断面説明図である。
図8(A)及び(B)に示すように、受信素子20の振動部85は、シリコン活性層11c、第2絶縁膜11d、圧電体薄膜82aを下面電極83及び上面電極84で挟んで形成されている圧電式振動検出素子82がこの順番で積層されて形成されており、支持部材11aにより片持ち支持されている。
図9に示すように、複数の受信素子、例えば、受信素子20a、20bを受信部材31に取り付けるときは、振動部85a、85bを片持ち支持している方の支持部材11aが中央側に設けられる配置で超音波センサ90を構成してもよい。また、支持部材11aが外側に設けられる配置としてもよいし、支持部材11aの方向を揃えてもよい。
この構成を使用すると、振動部の両端を支持されている場合に比べて、振動部の変形を拘束する部分が少ないため、振動が伝達されると大きく変形するので、超音波センサの感度を向上させることができる。
【0073】
(2)受信部34eで受信した超音波が振動部15aに伝達されるまでの伝達時間と、受信部34fで受信した超音波が振動部15bに伝達されるまでの伝達時間とが等しくなるように構成すると、障害物の位置を測定する場合に、各受信部34e、34fで受信した超音波の時間差の測定精度を向上させることができるので、障害物の位置の測定精度を向上させることができる。例えば、受信素子10aに対応する受信部34eから振動部15aまでの距離と受信素子10bに対応する受信部34fから振動部15bまでの距離とが等しくなるように構成するとよい。
【0074】
(3)受信部材30〜33は、平板形状でなくてもよい。図10は、受信部材の変更例を示す説明図である。図10に示すように、超音波センサ100の受信部材として、例えば、受信部34aの反対側の面から車両の内部方向に突出した突出部34jが形成されており、その突出部34jの幅方向の中央部近傍に溝状の空間である遮蔽部34iを備えた受信部材34を用いることができる。受信素子10a、10bは、受信部34aと垂直に形成された面34g及び面34hにそれぞれ装着されている。この実施形態では、回路素子21及びターミナル22は、受信素子10a、10bにそれぞれ設けられている。この構成を使用すると、受信部34aの幅を小さくすることができ、車両の美観を保つことができるとともに、配置の自由度が増大する。
【0075】
(4)受信素子の振動部としては、圧電式振動検出素子を用いたが、これに限定されるものではなく、電極間の容量変化により超音波を検出する容量式振動検出素子などを用いることもできる。
【0076】
[各請求項と実施形態との対応関係]
遮蔽部31iが請求項6に記載の第1の遮蔽手段に、緩衝材41が請求項8に記載の第2の遮蔽手段に、減衰部材42が請求項12に記載の第3の遮蔽手段にそれぞれ対応する。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】車両に搭載された超音波センサの断面説明図である。
【図2】超音波センサの受信素子の説明図である。図2(A)は、受信素子の平面説明図であり、図2(B)は、図2(A)のA−A矢視断面図である。
【図3】第1実施形態に係る超音波センサの変更例の説明図である。
【図4】第2実施形態に係る超音波センサにおける受信素子の配置の説明図である。
【図5】第2実施形態に係る超音波センサの断面説明図である。
【図6】第2実施形態に係る超音波センサの変更例の説明図である。
【図7】第3実施形態に係る複数個の受信素子を備えた超音波センサの断面説明図である。
【図8】振動部が支持部材に片持ち支持された受信素子の説明図である。図8(A)は、受信素子の平面説明図であり、図8(B)は、図8(A)のB−B矢視断面図である。
【図9】振動部が支持部材に片持ち支持された受信素子を用いた超音波センサの断面説明図である。
【図10】受信部材の変更例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0078】
10、10a、10b、10c、10d 受信素子
11a 支持部材
11n 取付面
15、15a、15b、85 振動部
19 送信素子
30、31、32、33 受信部材
30a、31e、31f、32a、33a 受信部
31a、31b 領域
31i 遮蔽部(第1の遮蔽手段)
41 緩衝材(第2の遮蔽手段)
42 減衰部材(第3の遮蔽手段)
52 バンパ
52a 取付部
60、70、80、90、100 超音波センサ
M 障害物
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波を送信する送信素子から送信され、被検出体にて反射された超音波が伝達して振動する振動部を有し、所定の物体に配置される超音波センサにおいて、
前記振動部の端部を持ち上げて支持する支持部材と、
前記被検出体にて反射された超音波を受信する受信部が、前記所定の物体において前記被検出体の存在する空間側に露出する受信部材とを備えており、
前記受信部材の前記受信部と異なる部位には、前記振動部と前記受信部材とが非接触であるように前記支持部材が取り付けられており、
前記受信部により受信された前記超音波が、前記支持部材を介して前記振動部に伝達可能に構成されたことを特徴とする超音波センサ。
【請求項2】
前記受信部材及び前記支持部材の音響インピーダンスが等しい、または、ほぼ等しいことを特徴とする請求項1に記載の超音波センサ。
【請求項3】
前記振動部は、前記受信部で受信された超音波により共振することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の超音波センサ。
【請求項4】
前記振動部は、圧電式振動検出素子であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載の超音波センサ。
【請求項5】
前記振動部は、前記支持部材に片持ち支持されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1つに記載の超音波センサ。
【請求項6】
前記振動部は、容量式振動検出素子であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載の超音波センサ。
【請求項7】
前記受信部材には複数個の前記振動部がそれぞれ前記支持部材を介して装着され、前記受信部材は、前記各振動部に対応した領域に区画されており、
前記各領域の間には、前記受信部で受信した超音波の前記各領域間での伝達を妨げる第1の遮蔽手段が設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1つに記載の超音波センサ。
【請求項8】
前記第1の遮蔽手段は、前記受信部に対して垂直方向、または、略垂直方向に形成された溝状の空間であることを特徴とする請求項7に記載の超音波センサ。
【請求項9】
複数個の前記振動部が対応する個数の前記受信部材に前記支持部材を介してそれぞれ装着され、前記各受信部材の間には、前記受信部で受信した超音波の前記各受信部材間での伝達を妨げる第2の遮蔽手段がそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1つに記載の超音波センサ。
【請求項10】
前記第2の遮蔽手段は、前記受信部で受信した超音波を減衰させる減衰材料からなることを特徴とする請求項9に記載の超音波センサ。
【請求項11】
前記受信部で受信した超音波が前記振動部に伝達されるまでの伝達時間がそれぞれ等しい、または、ほぼ等しいことを特徴とする請求項7ないし請求項10のいずれか1つに記載の超音波センサ。
【請求項12】
前記所定の物体は、車両であることを特徴とする請求項1ないし請求項11のいずれか1つに記載の超音波センサ。
【請求項13】
前記車両には、前記受信部材を取り付ける取付部が設けられており、
前記受信部材は、前記取付部との間に前記超音波の伝達を防止する第3の遮蔽手段を介在して、前記取付部に取り付けられることを特徴とする請求項12に記載の超音波センサ。
【請求項14】
前記取付部は、前記車両の移動方向の端部であることを特徴とする請求項13に記載の超音波センサ。
【請求項15】
前記取付部は、バンパであることを特徴とする請求項13または請求項14に記載の超音波センサ。
【請求項16】
前記受信部材は、前記車両の移動方向の端部に設けられていることを特徴とする請求項12に記載の超音波センサ。
【請求項17】
前記受信部材は、バンパであることを特徴とする請求項12または請求項16に記載の超音波センサ。
【請求項18】
前記受信部材は、フロントガラス、または、リアガラスであることを特徴とする請求項12に記載の超音波センサ。
【請求項19】
前記受信部材は、ヘッドランプのカバー、または、リアランプのカバー、または、ウインカのカバー、または、バックランプのカバーであることを特徴とする請求項12に記載の超音波センサ。
【請求項20】
前記受信部材は、ボディであることを特徴とする請求項12に記載の超音波センサ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2007−174323(P2007−174323A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
電気 | 電気通信技術 | スピーカ,マイクロホン,蓄音機ピックアップまたは類似の音響電気機械変換器;補聴器;パブリックアドレスシステム | 圧電型変換器;電わい型変換器
電気 | 電気通信技術 | スピーカ,マイクロホン,蓄音機ピックアップまたは類似の音響電気機械変換器;補聴器;パブリックアドレスシステム | 静電型変換器
処理操作;運輸 | 車両一般 | 他に分類されない車両,車両付属具,または車両部品 | 事故または他の交通危機の場合乗員または歩行者を負傷から保護または防止するための車両の装置または部品
【出願番号】特願2005−369913(P2005−369913)
【出願日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー
【Fターム(参考)】
超音波変換器 | 圧電変換器の構成 | 変換素子の材料 | セラミック
超音波変換器 | 圧電変換器の構成 | 変換素子の構成 | 単一の圧電素子よりなるもの
超音波変換器 | 用途 | 空中用超音波変換器
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