【課題】 従来の焦点検出センサーモジュールは、部品点数が多いため、組み付け工数が多く、占有スペースが大きいという問題があった。
【解決手段】 クイックリターンミラー10は、入射した光束を上側に反射させるメインミラー11と、このメインミラー11の背面側の中央部に取り付けられ、メインミラーの中心部に形成されたハーフミラー部を透過した光束を下向きに反射させるサブミラー12とを備えている。メインミラー11の撮影レンズ側の面11aの光束を透過させる中央部には、ハーフミラーコートC1が施されている。周囲の部分は反射率がほぼ100%のミラー面である。このハーフミラーコートC1により、光束の一部をサブミラー12側へ透過させることができる。一方、メインミラー11のサブミラー12側の面11bのうち光束を透過させる中央部には、赤外カットコートC2が施されている。
[代表図面]
【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】公開特許公報(A)
【公開番号】
特開平10−282573
【公開日】平成10年(1998)10月23日
【発明の名称】一眼レフカメラのミラー構造
【国際特許分類第6版】
G03B 19/12
【FI】
G03B 19/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】FD
【全頁数】3
【出願番号】特願平9−108254
【出願日】平成9年(1997)4月10日
【出願人】(000000527)旭光学工業株式会社
【発明者】

【代理人】弁理士
【請求項1】
撮影レンズを透過した光束の一部をファインダー側に反射させ、一部を透過させるメインミラーと、前記メインミラーを透過した光束を焦点検出センサーモジュール側に反射させるサブミラーとを備える一眼レフカメラのミラー構造において、前記メインミラーの前記撮影レンズ側の面のうち光束を透過させる少なくとも一部の範囲には、ハーフミラー特性を持つコートが施され、前記メインミラーの前記サブミラー側の面のうち光束を透過させる少なくとも一部の範囲には、赤外カット特性を持つコートが施されていることを特徴とする一眼レフカメラのミラー構造。
【請求項2】
前記ハーフミラーコートは、前記メインミラーの前記撮影レンズ側の面の中央部に施されていることを特徴とする請求項1に記載の一眼レフカメラのミラー構造。
【請求項3】
前記赤外カットコートは、前記メインミラーの前記サブミラー側の面の中央部に施されていることを特徴とする請求項1に記載の一眼レフカメラのミラー構造。
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、一眼レフカメラに用いられ、撮影レンズから入射する光束をファインダー系と焦点検出センサーモジュールとに分配するミラー構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、オートフォーカス機能を持つ一眼レフカメラには焦点検出センサーモジュールが用いられている。一眼レフカメラは、撮影レンズを介して入射した光束を非露出時にファインダー光学系に導くためのクイックリターンミラーを備えている。焦点検出センサーモジュールは、一般にカメラの底部側に配置されており、クイックリターンミラーのメインミラーの中央部を透過した光束をサブミラーで反射させてモジュールに入射させる。
【0003】
従来の焦点検出センサーモジュールは、光の入射側から順に、透過部分に開口が形成された視野マスク板、コンデンサレンズ、折り返しミラー、赤外カットフィルター、セパレータレンズ、センサユニットが順に配列するよう各光学素子がモジュール本体に固定されている。赤外カットフィルターは、視野マスクとコンデンサレンズとの間に配置される場合もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の焦点検出センサーモジュールは、部品点数が多いため、組み付け工数が多く、占有スペースが大きいという問題があった。
【0005】
この発明は、上述した従来技術の課題に鑑みてなされたものであり、クイックリターンミラーの構成を改良することにより、焦点検出センサーモジュール内の部品点数を削減することができる一眼レフカメラのミラー構造を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明にかかる一眼レフカメラのミラー構造は、上記の目的を達成させるため、クイックリターンミラーのメインミラーのサブミラー側の面に赤外カットコートを施したことを特徴とする。すなわち、この発明のミラー構造は、撮影レンズを透過した光束の一部をファインダー側に反射させ、一部を透過させるメインミラーと、メインミラーを透過した光束を焦点検出センサーモジュール側に反射させるサブミラーとを備える一眼レフカメラのミラー構造において、メインミラーの撮影レンズ側の面のうち光束を透過させる少なくとも一部の範囲に、ハーフミラー特性を持つコートを施し、メインミラーのサブミラー側の面のうち光束を透過させる少なくとも一部の範囲に、赤外カット特性を持つコートを施したことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、この発明にかかる一眼レフカメラのミラー構造の実施形態を説明する。図1は、一眼レフカメラの光学系の一部を示す斜視図、図2は図1の光学系からミラー構造部分を取り出した側面図である。図中左側となる図示せぬ撮影レンズから入射した光束は、入射光束の光路中に配置されたクイックリターンミラー10に入射する。クイックリターンミラー10は、入射した光束を図中上側に反射させるメインミラー11と、このメインミラー11の背面側(図中右側となる図示せぬフィルム側)の中央部に取り付けられ、メインミラーの中心部に形成されたハーフミラー部を透過した光束を図中下向きに反射させるサブミラー12とを備えている。
【0008】
クイックリターンミラー10は、シャッターを切る露出の瞬間のみ光路中から退避し、非露出時は図示されるように光路中に位置している。メインミラー11で反射された光束は、ファインダー光学系20に導かれる。ファインダー光学系20は、ピント板21、ペンタプリズム22、接眼レンズ系23により構成されている。一方、サブミラー12で反射された光束は、カメラボディの底部に設けられた焦点検出センサーモジュール30に入射する。
【0009】
図2に示されるように、メインミラー11の撮影レンズ側の面11aの光束を透過させる中央部には、ハーフミラーコートC1が施されている。周囲の部分は反射率がほぼ100%のミラー面である。このハーフミラーコートC1により、光束の一部をサブミラー12側へ透過させることができる。一方、メインミラー11のサブミラー12側の面11bのうち光束を透過させる中央部には、赤外カットコートC2が施されている。
【0010】
撮影レンズ側の面11aにはハーフミラーコートC1が施されているため、この面に赤外カット機能を持たせる場合には、可視光に対してハーフミラーとして機能し、赤外光をカットするような波長特性を持たせなければならず、コート設計が困難である。そこで、従来はなんらコートが施されていなかったサブミラー12側の面11bに赤外カットコートC2を施している。
【0011】
上記の構成によれば、メインミラー11を透過した段階で赤外成分はカットされるため、サブミラー12により反射された光束が入射する焦点検出センサーモジュール30内には赤外カットフィルターを設ける必要がなくなる。したがって、モジュールの部品点数を減らすことができる。また、モジュール内の結像面の近傍に赤外カットフィルターを配置する必要がないため、フィルターの表面に付着したゴミがセンサ上に形成される像に影響を与えるのを避けることができる。
【0012】
なお、上記の実施形態では、ハーフミラーコートC1、赤外カットコートC2をいずれもメインミラーの一部の領域にのみ施しているが、これらのコートを全面に施してもよい。
【0013】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明にれば、光束を焦点検出センサーモジュールに導くミラーに赤外カットフィルターとしての機能を持たせたため、赤外カットフィルターを単独の部品としてモジュール内に設ける必要がなくなり、部品点数を削減して組立工数を削減すると共に、光学素子の占有スペースを小さくしてモジュールの小型化を促進し、あるいは他の光学部品の設計の自由度を増加させることができる。
【図1】 実施形態にかかるミラー構造を適用した一眼レフカメラの光学系の一部を示す斜視図である。
【図2】 図1に示される光学系のミラー構造部分を取り出して示す側面図である。
【符号の説明】
10 クイックリターンミラー
11 メインミラー
C1 ハーフミラーコート
C2 赤外カットコート
12 サブミラー
20 ファインダー系
30 焦点検出センサーモジュール
【図1】
【図2】