コンベヤベルト
複数のリンク・エレメント(12,13)と、一終端にボタンヘッド(40)を備えるピボットロッド(16)を含む、コンベヤベルト(10)である。ボタンヘッド(40)は、特定の向きにある場合に、外端開口部(22)を通過し第1エッジ・エクステンション(20)で受容されるように寸法設定さている。ボタンヘッド(40)を回転させることにより、ボタンヘッド(40)は、外端開口部(22)の第1の寸法に対して向きが同じならないようにしてピボットロッド(16)は、第1エッジ・エクステンション(20)に受容される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンベヤベルトに関し、詳細には、モジュール式(modular)及び格子型(grid style)のコンベヤベルトに関する。本発明は、さらに上記のコンベヤベルトを組み立てるための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コンベヤシステムは、ものの取り扱い及び処理を目的として様々な産業分野で広く使用されている。例えば、コンベヤシステムは、食品が、ある位置から別の位置へと運搬中にコンベヤベルトの支持面に配置され加工される食品加工システムで用いられる。そのような応用分野において、食品は、コンベヤベルト上で運搬中に、加熱、天火焼き、冷凍、洗浄されるか、あるいはその他の加工を受けてもよい。様々な異なる種類のコンベヤベルト、例えばワイヤメッシュ・コンベヤベルト、が使用されてきている。モジュール式ベルトは、食品加工システムにおいて特に普及している。さらに、コンベヤシステムは、例えばLayneらによる特許文献1で開示されるらせん形アキュムレータ(helical accumulator)でしばしば利用され、上記アキュムレータは、コンベヤシステムにおいて大量品目の貯蔵を可能にする。
【0003】
多くのモジュール式コンベヤベルトは、複数のリンク・エレメント(連結部材:link element)を含み、各リンク・エレメントは、隣接するリンク・エレメントのエクステンションと嵌合する、間隔をあけた複数の嵌合エクステンション(intermeshing extension)を有する。嵌合するリンク・エレメントは、連続的なコンベヤベルトを形成するため、細長状のピボットロッド(回転軸:pivot rod)によってヒンジとして動くように相互に連結され、複数のリンク・エレメントは、搬送面を形成する。リンク・エレメントは、一般的に、プラスチック、ナイロン(登録商標)、又はその他の複合材料といった非金属材料から形成されている。このようなリンク・エレメントの使用は、とりわけ食品加工の応用分野で普及しており、なぜなら、この搬送面は清掃が容易であり、且つ微生物・真菌・ウィルス・バクテリアといった病原体の成長を阻止するように処理できるためである。
【0004】
モジュール式コンベヤベルト(modular conveyor belt)は、典型的にはモジュールの配列に依存し、あるピッチに配置された1つのモジュールが、第2のピッチに配置された2つの隣接するモジュールの終端と嵌合し、実質的に相互に対して2つの隣接するモジュールの横方向の動きを回避するように連結させる。この配列は、コンベヤベルトの両終端の間に連続的な接続を作るために十分な数の結合部(joint)で繰り返され、コンベヤベルトの対向端同士を保持する相互接続を備える。隣接するピッチにおける重複するモジュールの実施は、重複パターンによるれんがを重ね置く技術に類似する。故に、このモジュールの配列は、広く、れんが配列(brick−laid)パターンと呼ばれる。ロッドは、典型的には、モジュール同士を結合する以外に、リンク(link)の横方向の移動を回避しない。多くの場合、ロッドは、ヘッド部及び保持機能部を有さず、単にコンベヤベルトの両端の保持機能部によって閉じ込められる(trap)のみである。上記の配置を有するコンベヤベルトの例は、特許文献2、特許文献3、特許文献4、又は特許文献5に開示されている。いくつかのケースでは、2個の別々のロッドが両側から嵌入され、脱出を回避するために外端エッジ・エクステンションへとしっかりと接続される。しかしながら、たとえそのような構成においても、これら端を接続する連続的なロッドがないため、れんが配列モジュールは依然として必要とされる。
【0005】
典型的なモジュール式コンベヤベルト(modular conveyor belt)について、モジュール部の或る部分は、れんが配列を容易にするためのリンクで統合的に形成されていなければならず、またこれにより、新たな連結工具についての巨額を投資せずにオーバーレイ(overlay)・パターン又はオーバーレイ材料を選択できるという融通性が、ほとんど又は全くない。応用分野によっては、このリンクは、別個に形成され、さらに、統合的に形成されるリンク及びモジュールとして同様のれんが配列性能を備えるために、モジュールに機械的に結合するように構成される。しかしながら、上記の構成の限界は、食品を運搬する場合に病原体の隠れ場所を提供する可能性がある望ましくないひび割れをもたらすことである。
【0006】
格子型コンベヤベルト(grid style conveyor belt)は、典型的には、ピボットロッドによってヒンジとして動くように接続されたコンベヤベルトの両端の嵌合するU形状のリンクを含む。ピボットロッドは、コンベヤベルトの全幅を横断し、対向する側のリンクに接続し運搬面を形成する。あるケースでは、この運搬面は、物品支持性能を向上させるために金属又はプラスチックのオーバーレイに変更される。格子型コンベヤベルトは、典型的には、金属ロッドに溶接された金属リンクを材料として構成される。リンクがロッドに対してリンク横方向に動くのを回避するようにロッドに結合されているため、れんが配列センター・モジュールは、ベルトの統合性を保持する必要がない。しかしながら、このタイプの構造は、ベルトを分離し・連結・修正するために、切断・研磨・溶接を必要とする。食品加工施設では、ベルトの洗浄及び衛生に関して、本質的に以下の修正を必要とする。
【0007】
種々のモジュラー式コンベヤベルトについて、ピボットロッドが嵌合したリンク・エレメントに嵌入され、ロッドはリンク・エレメント上に備えられる機能部によって保持されるという点が知られている。例えば、上記のTanによる特許文献2は、相互に嵌合され且つロッドによって回転可能な状態で接続されるリンクを有するコンベヤベルトであって、2つの双安定状態位置のうち1つの所定位置に、ピボットロッドを保持するための閉塞部のある孔を有するベルトリンク端を開示する。Tanによる特許は、略円形状の出入口孔と、ピボットロッドを保持するために弾力的に形成された陸線(リッジ:ridge)又はくびれ(ウエスト:waist)を開示する。しかしながら、この特許では、リンクを弱体化させる虞のある陸線の変形によってロッドが陸線上を移動するようにする必要がある。さらに、ロッドが意図せず外れる可能性がある。
【0008】
上記のHortonらによる特許文献4は、上記開示されたTanの発明に類似するモジュール式コンベヤベルトにおいて、モジュール式コンベヤベルト・リンクが隆線を含む点を除いた開示をしている。ベルトリンク上に備えられた孔は、ロッドの取付けおよび取り外しを可能にする。しかしながら、この孔は、リンクのロッド受容孔と相殺され、これにより、ある角度でのピボットロッドの嵌入、又は、屈曲可能なピボットロッドの使用が必要となり、これら必要性は両方とも望ましくない。
【0009】
上記のKnotらによる特許文献5は、モジュールが、ピボットロッドの端を支持するように延出する突出部でありさらに突起部と幅の狭いヒンジ・エレメントとの間に適合する突出部を含むプラットフォーム上部ラジアスベルトを開示する。この特許は、突出部がピボットロッドのヒンジ・エレメントの孔へ嵌入するのを可能にするための切欠きを含むことを開示する。しかしながら、Knotらの開示するベルトも、ロッドが意図せず外れるのを回避しない。
【0010】
上記のLapeyreによる特許文献3は、リンク上に備えられた停止部材を含むコンベヤベルト用のピボットロッド保持装置を開示する。停止部材は、ピボットロッドの嵌入中には移動し、さらに、元の位置に戻ってピボットロッドを保持する。これにより、ピボットロッドの横方向の移動を回避する。停止部材は、ロッドの終端に備えられるボタンヘッドを保持するものとして開示されている。
【0011】
Wallisによる特許文献6は、平坦面を含む切欠き付きのピンを含むピッチ・チェーンを開示する。この文献は、リンク同士を組み立てる際に、ピンが嵌入できるように、各リンクは、正しい角度で回転することを開示している。この文献はさらに、リンクがその後に作動位置に戻る際に、嵌入されたピンの横方向の移動が回避されることを開示する。
【0012】
【特許文献1】米国特許第5,070,999号公報
【特許文献2】米国特許第5,105,938号公報
【特許文献3】米国特許第5,156,264号公報
【特許文献4】米国特許第5,598,916号公報
【特許文献5】米国特許第6,644,466号公報
【特許文献6】米国特許第254,739号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上述のコンベヤベルトは、コンベヤベルトを組み立てるための様々な方法、及びピボットロッドを適切に保持するための様々なメカニズムを提唱する。しかしながら、コンベヤベルトのピボットロッドを適切に保持するためにより改善が施された代替の解決策を提供するコンベヤベルトの必要性が、依然として存在する。また、れんが配列モジュールが不要で、さらには統合的に成形されるか機械的に取り付けられたモジュール部を有するリンクが不要な、コンベヤベルト構造の必要性も存在する。さらには、本分野において、より容易に且つ廉価で、修理・結合・分離ができる、格子型コンベヤベルトを備えることへの未だ満たされていない必要性も存在する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前述事項に照らして、本発明の一態様は、ピボットロッドのシンプルな設置を可能にするコンベヤベルトを提供する点にある。
【0015】
本発明の1つの利点は、れんが配列モジュールのないモジュール式(modular)コンベヤベルトの構造を可能にすることである。
【0016】
本発明の別の利点は、ピボットロッドがコンベヤベルトの作動中に意図せず外れてしなわないように、ピボットロッドを安全に保持するコンベヤベルトを備えることである。
【0017】
本発明のさらに別の利点は、リンクを統合的に成形させる必要のないモジュール式コンベヤベルト、若しくは、又は機械的に取り付けられたモジュール部を提供することである。
【0018】
本発明のさらに別の利点は、本分野における、より容易に且つ廉価で、修理・結合・分離ができる格子型(grid style)コンベヤベルトを備えることである。
【0019】
本発明の別の態様は、コンベヤベルトを組み立てるための方法である。
【0020】
本発明の別の利点は、ピボットロッドを安全に保持する方法を備えることである。
【0021】
本発明のさらに別の利点は、ロッドに対してリンク横方向の動きを回避するために、ロッドにリンクを結合する方法を提供することである。
【0022】
本発明の一実施形態よれば、コンベヤベルトは、複数のリンク・エレメントを含んで備えら、各リンク・エレメントは、隣接するリンク・エレメントの嵌合エクステンションと嵌合するように寸法設定された嵌合エクステンション(嵌合延伸部:intermeshing extensions)を有し、嵌合エクステンションは、横断ロッド開口部を有する嵌合エクステンションを有する。コンベヤベルトはまた、複数の嵌合エクステンションの横断ロッド開口部で受容されるピボットロッドを含み、これにより隣接する嵌合したリンク・エレメント同士を相互接続する。ピボットロッドは、一終端にボタンヘッドを有し、ボタンヘッドは、小なる寸法より大きい大なる寸法を有する。コンベヤベルトは、ボタンヘッドの大なる寸法より小さいがボタンヘッドの小なる寸法よりは大きい第1の寸法のある外端開口部(outer opening)を有する第1エッジ・エクステンションをさらに含み、ボタンヘッドの小なる寸法が外端開口部の第1の寸法と向きが略一致する場合に、ピボットロッドのボタンヘッドが外端開口部を通過する。ピボットロッドは、第1エッジ・エクステンションに保持され、第1エッジ・エクステンションのボタンヘッドを回転させることによって、ボタンヘッドの小なる寸法は、外端開口部の第1の寸法と向きが一致しなくなる 。
【0023】
一実施形態によれば、外端開口部は、第1エッジ・エクステンションに配置され、第1の寸法は、コンベヤベルトが作動中の配置にある場合に、コンベヤベルトに対して略垂直となる。これに関して、外端開口部は、コンベヤベルトが進む方向へ開口したスロットとして実装してもよい。
【0024】
本発明の一実施形態によれば、このコンベヤベルトは、ピボットロッドに係合する少なくとも1つのロック機構を含む第2エッジ・エクステンションをさらに含む。この点において、ピボットロッドは、一実施形態におけるピボットロッドの回転を阻止するロック機構によって係合される保持機能部を含む。ある態様では、保持機能部は少なくとも1つの溝を含む。ある実施例では、この溝は、ピボットロッド上に直径方向に互いに対向する一対の平坦面を含む。本発明の別の実施形態では、この保持機能部は、ピボットロッドの外周を囲む溝である。
【0025】
一対の対向するロック機構は、第2エッジ・エクステンションに具備され、ロック機構は、ピボットロッドの平坦面に、弾力的に開いて係合する。このロック機構は、ピボットロッドが前後にスライドできるようにする。この点に関しては、このロック機構は、第2エッジ・エクステンションに延出する弾性を有する片持ち部材(cantilevered member)として実装することができ、ロック機構はピボットロッドに係合するためにゆがむ。
【0026】
ピボットロッドは、好ましくは、ボタンヘッドが第1エッジ・エクステンション中に受容される際にロック機構がピボットロッドの溝に係合するような長さを有する。ピボットロッド上のボタンヘッドの大なる寸法は、好ましくは、平坦面に略垂直である。さらに、横断ロッド開口部は、好ましくは、コンベヤベルトの複数のリンク・エレメントが互いに入れ子になることが可能なスロット状開口部(slotted opening)である。
【0027】
種々の実施形態によれば、ボタンヘッドは、大なる寸法が小なる寸法より大きくなる任意の適切な形状から構成されてよい。別の実施態様では、このピボットロッドは、円形形状を含むがこれに限定されない全ての実用的なサイズ及び形状からなるボタンヘッドを備える。コンベヤベルトは、ボタンヘッドが開口部を通過できるように寸法設定された開口部を備える第1エッジ・エクステンションで実装される。開口部はさらに、1つのリンク・エレメントが非作動位置へと回転する際に、2つの嵌合するリンク・エレメントのロッド開口部に向きが一致するように配置される。ピボットロッドは、リンクが非作動位置へと回転する際に外端エッジ・エクステンション内の開口部を通過する。ロッドは、通常の作動位置へリンクを回転させることによって保持され、この結果、外端開口部はボタンヘッドと向きが一致しなくなる。
【0028】
本発明の別の実施形態では、ピボットロッドは、少なくとも1つのリンク・エレメントのロッド開口部に係合するロッドの長さの一部に沿った少なくとも1つの平坦面に備える。ロッド開口部は、ロッド開口部中に係合したロッドの回転を回避するように対応して寸法設定される。さらに別の実施形態では、ピボットロッドは、その両終端にボタンヘッドと保持機能部とを備え、このボタンヘッドは少なくともある一つの向きにするとリンク・エレメントのロッド開口部を通過できるように寸法設定される。
【0029】
本発明の別の態様によれば、コンベヤベルトを組み立てるための方法は、複数のリンク・エレメントを備え、各リンク・エレメントは、横断ロッド開口部のある嵌合エクステンションを有し、隣接するリンク・エレメント同士の嵌合エクステンションを嵌合する。この方法は、ピボットロッドの一端にボタンヘッド備え、ボタンヘッドは、大なる寸法と小なる寸法とを有する。この方法はまた、ボタンヘッドの大なる寸法より小さいがボタンヘッドの小なる寸法よりは大きい第1の寸法を有する外端開口部を有する第1エッジ・エクステンションを備える。この方法はさらに、ボタンヘッドの小なる寸法を外端開口部の第1の寸法と向きを略一致させ、嵌合エクステンションの横断ロッド開口部にピボットロッドを嵌入し、且つ、ピボットロッドのボタンヘッドを外端開口部へと通過させ、ボタンヘッドが第1エッジ・エクステンションに受容されるようにする。さらに、この方法はまた、第1エッジ・エクステンションと対してピボットロッドの方向を回転させ、その結果、ボタンヘッドの小なる寸法は、外端開口部の第1の寸法と向きを異ならせる。
【0030】
別の実施形態によれば、この方法はさらに、外端開口部に対してボタンヘッドの位置の向きの不一致によるピボットロッドのさらなる回転を阻止する。ピボットロッドのさらなる回転の阻止は、ピボットロッドに係合することによって達成される。これに関して、この方法は、そのさらなる回転を阻止するためにピボットロッドに係合する、少なくとも1つのロック機構を第2エッジ・エクステンションに備えていてもよい。さらに、ピボットロッドは、ロック機構によって係合される保持機能部を備えてもよい。ロック機構は、ピボットロッドのさらなる回転を阻止するために保持機能部に係合する一方でピボットロッドが前後にスライドできるように実装してもよい。
【0031】
この方法のさらに別の実施形態によれば、ボタンヘッドが第1エッジ・エクステンション中に受容される際にロック機構がピボットロッドの保持機能部に係合する長さ寸法に、ピボットロッドが実装されてもよい。ある態様では、この保持機能部は、平坦面のある溝を含み、ピボットロッド上のボタンヘッドの主軸は、平坦面に対して略垂直に配向される。さらに別の実施形態において、このロック機構は、第2エッジ・エクステンションに延出する弾性を有する片持ち部材として実装してよく、ピボットロッドに係合するようにゆがんだ状態であってよい。
【0032】
これらの特性及びその他の特性は、添付の図面と合わせて見る際に、本発明の好適な実施例についての以下の詳細な説明からより明らかとなる。
【発明の効果】
【0033】
本発明の一態様は、ピボットロッドのシンプルな設置を可能にするコンベヤベルトを提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
図1は、本発明の一実施例によるコンベヤベルトの小断片の形状の構造図を示す。以下に詳述するように、コンベヤベルト10のピボットロッドは、コンベヤベルト10の作動中に意図せず外れないように、容易に設置し維持することができる。さらに、コンベヤベルト10は、れんが配列(brick−laid)モジュールを必要としない特徴のある構造を備え、さらに、統合的に成形され又は機械的に取り付けられたモジュール部を有するリンクを必要ともしない。また、本発明はさらに、本分野において、より容易に且つ廉価で、修理・結合・分離ができる、格子型(grid style)コンベヤベルトを提供することを可能する。
【0035】
これらの利点は、コンベヤベルトのピボットロッドの一終端に拡大機能部(enlarged feature)、特にエッジ・エクステンションに寸法設定した開口部を備えることによって達成され、拡大機能部がある向きではエッジ・エクステンション内で受容できるようにし、その一方で他の向きでは外れないようにする。以下に記載される様々な例で説明されるように、この拡大機能部は、様々な形状及び構成からできているボタンヘッドであってよく、エッジ・エクステンションの開口部で受容され、そしてその後、ボタンヘッドが開口部と平行にならず、回転して向きを変えることで外れないようになる。
【0036】
まず、図1は、コンベヤベルト10の小断片のみを示し、図示のリンク・エレメント間のピボットロッド上に典型的に備えられるオーバーレイ・エレメント(overlay element)を示していないことに留意されたい。そのようなオーバーレイ・エレメントは、よく知られているように、モジュール式(modular)コンベヤベルトにおいては別の部品として実装される。あるいは、そのようなオーバーレイ・エレメントは、図示のリンク・エレメントにつながっている部分として実装されてもよい。オーバーレイ・エレメントは、本発明の一部を構成せず、したがって、記述を明瞭にするために本明細書では図示も説明もされない。
【0037】
図1に示すように、コンベヤベルト10は、複数のリンク・エレメント12、13を備え、各リンク・エレメントは、隣接するリンク・エレメントの嵌合エクステンション14と嵌合するために寸法設定される嵌合エクステンション14を有する。嵌合エクステンション14は、複数のピボットロッド16を受容するために寸法設定される横断ロッド開口部を有する。従って、ピボットロッド16は、隣接する嵌合したリンク・エレメント12、13同士を相互接続する。このように、連続するコンベヤベルト10は、対象物をある位置から別の位置へと運搬するために使用できるように提供される。以下の説明で明白となるように、リンク・エレメント12、13及びピボットロッド16は、コンベヤベルト10の作動中にピボットロッドが意図せず外れるのを回避するために、ピボットロッド16の設置及び保持を容易にする機能部を備える。上記のピボットロッドが意図せず外れる現象は、コンベヤベルトの故障の原因となり得る。
【0038】
図1に示すように、本発明の図示される実施形態によるコンベヤベルト10は、第1エッジ・エクステンション20を有するリンク・エレメント12と、第2エッジ・エクステンション30を有するリンク・エレメント13を含む。第1エッジ・エクステンション20及び第2エッジ・エクステンション30は、対応するリンク・エレメントに実装され、その結果、図示される実施形態におけるコンベヤベルト10の最外端に配置される。しかしながら、本発明はそれらに限定されず、またその他の実施形態において、第1及び第2エッジ・エクステンションは、コンベヤベルトの最外端(outermost edge)の内側に配置してもよいことに留意すべきである。
【0039】
図2は、本発明の一実施形態による第1エッジ・エクステンション20を有するリンク・エレメント12を示す。第1エッジ・エクステンション20は、第1エッジ・エクステンション20の端側壁(edge wall)23の間に形成される外端開口部22を含む。この外端開口部22は、ピボットロッド16を受容且つ保持するように寸法設定される。これに関して、図3は、第1エッジ・エクステンション20を有するリンク・エレメント12の断面図である。図示されるように、横断開口部26は、ピボットロッド16を受容するために寸法設定したリンク・エレメント12の嵌合エクステンション14中に備えられ、これにより隣接するリンク・エレメント同士の接続を可能にする。図示される実施形態の横断開口部26は、複数のリンク・エレメント12同士が入れ子になることを可能にするようなスロットとして実装される。このことは、コンベヤベルト10が方向転換を適切に処理したり、及び/又は、らせん状のストレージ・コンベヤ(storage conveyor)において実装したりすることができる。
【0040】
図4は、第1エッジ・エクステンション20を有するリンク・エレメント12の端面図であり、これは、外端開口部22を明瞭に示しており、ピボットロッド16が第1エッジ・エクステンション20中に保持されている。図示のように、外端開口部22は、第1の寸法D1を有する。外端開口部22は、コンベヤベルト10の進行する方向に開口したスロット又は溝として、図示される実施形態で実装される。本実施形態において、第1エッジ・エクステンション20の外端開口部22は、コンベヤベルト10が動作時の構成にある場合に第1の寸法D1がコンベヤベルト10に略垂直であるように、配置される。当然ながら他の実施形態において、この開口部を、スロットとして実装する必要はなく、単に第1エッジ・エクステンションの端側壁(edge wall)を通って延出するだけの開口部であってよい。
【0041】
図5は、本発明の一例の実施形態による、第2エッジ・エクステンション30を有するリンク・エレメント13を示す。図示のように、第2エッジ・エクステンション30は、相互に平行に第2エッジ・エクステンション30にて配向されたロック機構32、34を含む。ロック機構32、34は、以下に詳述するように、ピボットロッド16を係合する大きさである。当然ながら、ロック機構32、34は何らかの適切に配向されるが、必ずしも相互に平行である必要はない。ただし、平行に配向することで、ピボットロッドをロック機構間でスライドさせることができ、例えばコンベヤベルト方向転換を適切に処理することができる。また、本明細書で開示される実施形態では2つのロック機構が備えられているが、他の実施形態においては、1つのみ、又は2より多くのロック機構を用いて実装してもよい。
【0042】
図6は、第2エッジ・エクステンション30を有する図5のリンク・エレメント13の断面図である。図示のように、リンク・エレメント13は、ピボットロッド16を受容するように寸法設定された横断開口部26を備える。図6に特に明瞭に示されている通り、ロック機構34(およびロック機構32)は、本実施形態においては、第2エッジ・エクステンション30内に延出する弾性を有する片持ち部材として実装される。これに関して、第2エッジ・エクステンション30は、ピボットロッド16に係合する際にロック機構をゆがませることができるように、ばね鋼などの鉄鋼、成形可能なプラスチック又はその他の弾性部材等で成形してよい。図示される実施形態では、第2エッジ・エクステンション30は、2つのロック機構32、34を備えるが、本発明はそれらに限定されない。他の実施形態では、例えば単一のロック機構といった、異なる数のロック機構を備えてもよい。
【0043】
図7は、本発明のうちの一例の形態によるピボットロッド16の斜視図を示す。このピボットロッド16は、細長状のシャンク(elongated shank)38、細長状のシャンク38の一つの終端にボタンヘッド40、他の終端に保持機能部44を含む。図8および図9の上面図および側面図に明瞭に示されているように、図示したボタンヘッド40の実施形態には、細長状のシャンク38の外端周面に対して垂直に測定される大なる寸法Dmajと小なる寸法Dminがある。大なる寸法Dmajは、小なる寸法Dminよりも大きく、図示される実施形態では、Dminは、細長状のシャンク38の外端周面と同じである。リンク・エレメント12の第1エッジ・エクステンション20の外端開口部およびピボットロッド16のボタンヘッド40は、互いに関連した大きさとなっており、ボタンヘッド40の大なる寸法Dmajは外端開口部22の第1の寸法D1よりも大きいが、ボタンヘッド40の小なる寸法Dminは、外端開口部22の第1の寸法D1より小さくなっている。また以下の議論より、ボタンヘッド40の幾何学的な形には種々のものがあり、ボタンヘッド40は、以下に述べる方法で機能できるようにあらゆる適切な形にすることができることが理解される。例えば、ボタンヘッドは、正方形又は長方形で実装することができ、またカムローブと同様な形状で偏心特性を備えた形態で実装してもよい。
【0044】
ピボットロッド16の保持機能部44は、本実施形態において、上述のように第2エッジ・エクステンション30のロック機構32、34に係合するように実装され、ピボットロッド16の横方向の動きを阻止し、また任意ではあるが、ピボットロッド16の回転を阻止する。図示したピボットロッド16の実施形態では、保持機能部44は、溝46(図7および図9には1つのみ示されている)を有する。ピボットロッド16の溝46および47は、上面図である図8に明瞭に示されている。この点について、図示される実施形態の溝46および47は、第2エッジ・エクステンション30のロック機構32、34で係合された際にピボットロッド16の回転を阻止するように機能するピボットロッド16上で直径方向に互いに対向して位置する平坦面48および49で実装される。当然ながら他の実施形態においては、平面板に実装する溝は、いくつあってもよく、またピボットロッド16の外端周面を囲む環状溝でもよい。
【0045】
さらに、図示される実施形態のピボットロッド16は、図8および図9に明示する通り、面取りした面(chamfer)50を備える。面取りした面50は、ピボットロッド16の第2エッジ・エクステンション30への導入を容易にする。特に、面取りした面50は、ロック機構32、34を容易にゆがませることができる。つまり、以下に詳述するようにロック機構32、34を開かせ、その結果、ピボットロッド16がその間に受け入れられるようにする。
【0046】
図10は、リンク・エレメント12、13をその間に保持されているピボットロッド16を一緒に示す断面図の一部である。ピボットロッド16のボタンヘッド40は、ある向きにおいて、第1エッジ・エクステンション20の外端開口部22を通過し、回転すると図示のように第1エッジ・エクステンション20に受容されるように寸法設定される。特に、ピボットロッド16のボタンヘッド40を第1エッジ・エクステンション20に挿入するためには、まずボタンヘッド40は、ボタンヘッド40の小なる寸法Dminが外端開口部22の第1の寸法D1との向きが略同一となるように配置される。その後ピボットロッド16は、外端開口部22に挿入され、第1エッジ・エクステンション20のボタンヘッド40(すなわちピボットロッド16)を回転させると、第1エッジ・エクステンション20で保持される。ボタンヘッド40を十分に回転し、ボタンヘッド40の小なる寸法Dminが外端開口部22の第1の寸法D1と方向が同一とならないようにする。それに対応して、ピボットロッド16のボタンヘッド40は、当然ながら再び向きをかえない限り、外端開口部22を通過できなくなる。
【0047】
図10でも示す通り、ピボットロッド16は、ボタンヘッド40が第1エッジ・エクステンション20で受容される際にロック機構32、34がピボットロッド16の保持機能部44と係合する長さを有する。図7に示す通り、ピボットロッド16のボタンヘッド40の大なる寸法Dmajは、保持機能部44の平坦面48、49に略垂直である。それに対応して、ボタンヘッド40が図10に示す保持される構成へと回転すると、ロック機構32、34は、溝46および47の平坦面48および49をそれぞれ係合する。
【0048】
上記に関して、図11及び図12は、第1エッジ・エクステンション20に受容及び保持されるボタンヘッド40の斜視図及び正面図である。これらの図に明瞭に示されるように、第1のエッジ・エクステンション20へ嵌入した後のピボットロッド16を回転させると、ボタンヘッド40は、第1のエッジ・エクステンション20の端側壁23によって保持されるように配向され、このボタンヘッド40は、外端開口部22に差し込むために図示の方向に突出しているため、ピボットロッド16は設置された位置を維持する。
【0049】
本実施形態のロック機構32、34は、ピボットロッド16の溝46、47に係合し、ピボットロッド16の横方向の移動を阻止もする。さらに、ロック機構32、34の係合は、図10乃至図12に示すボタンヘッド40の方向が維持されるようにピボットロッド16の回転をさらに阻止する。図13は、溝46(及び47、図示せず)を有する第2エッジ・エクステンション30のロック機構32、34の係合を示し、これによりリンク・エレメント13に対するピボットロッド16のさらなる回転を阻止する。このように、ロック機構32、34と、保持機能部44との間の係合は、ボタンヘッド40の小なる寸法Dminが外端開口部22の第1の寸法D1と方向が同じになるボタンヘッド40の回転を防止する。対応して、コンベヤベルト10の作動中にピボットロッド16が意図せず外れる可能性が大幅に削減される。しかしながら、溝46、47は、第2エッジ・エクステンション30に対するピボットロッドの前後の移動を可能にし、これにより、本実施形態のコンベヤベルト10を分解できるようになる。
【0050】
本発明の別の側面がコンベヤベルトの組み立てについての方法であることは、ある当業者にとって明白である。図14を参照すると、この方法は、第1エッジ・エクステンション20の外端開口部(outer opening)へピボットロッド16を嵌入することを含み、これにより隣接するリンク・エレメントの嵌合エクステンションに連結する。ピボットロッド16のボタンヘッド40は、小なる寸法Dminが外端開口部の第1の寸法D1の方向に略一致するように、図14に示すように配向され、さらに、ボタンヘッド40は、外端開口部を通過でき、かつ、図15に示すように第1エッジ・エクステンション20中に受容できる。
【0051】
ピボットロッド16は、それが第1エッジ・エクステンション20で受容されるボタンヘッド40を有する図15に示す位置へと嵌入される際に、ピボットロッド16の対向する終端が、明瞭に示すことを目的に第2エッジ・エクステンション30について部分的に切り取られた図として図16に示すように、リンク・エレメント13の第2エッジ・エクステンション30へ嵌入される程度の、長さを有するように実装される。ピボットロッド16の先端に備えられた面取り面50は、図16に示すように(図示されないロック機構32と同様に)ロック機構34が開き又はゆがむのを容易にし、ピボットロッド16の終端は、図16に示す方法で両ロック機構の間に受容される。
【0052】
次に、ピボットロッド16を、ボタンヘッド40の小なる寸法Dminが外端開口部22の第1の寸法D1と方向が一致しないように、図17に示すように回転する。このように、ピボットロッド16のボタンヘッド40は、図示の方向でのボタンヘッド40と外端開口部22との寸法の違いにより、外端開口部22から抜け出ることができない。この第1エッジ・エクステンション20におけるボタンヘッド40の保持は、図18の拡大端面図18にほぼ明瞭に示される。
【0053】
さらに、ボタンヘッド40が図17及び図18で示す方向となるようなピボットロッド16を回転させることにより、ロック機構32、34が図19及び図20で示す方法でピボットロッド16の溝46及び47に係合し、ここに両図とも明瞭に示すことを目的に部分的に切り取られている図を示している。ロック機構32、34は、実質的にゆがんでいない位置にゆがみが戻るか、又はおよそ、それぞれピボットロッド16の溝46、47に係合するようゆがむ。さらに、溝46、47が平坦面48、49を用いて実装されることから、これらはピボットロッド16の回転をさらに阻止し、これにより図17及び図18に示すようにボタンヘッド40の方向を維持する。これにより、ピボットロッド16が適切に保持されるのを確実にして、コンベヤベルト10の作動中にピボットロッド16が意図せず外れるのを回避できる。さらに、前述したように、ピボットロッド16の保持機能部に係合するために、様々なロック機構を備えてよいことは明白である。
【0054】
このように、この方法は、外端開口部に対して特定の位置へボタンヘッドを配向し、横断ロッド開口部にピボットロッド16を嵌入し、外端開口部を通してピボットロッドのボタンヘッドを通過させることを含み、ボタンヘッドは、第1エッジ・エクステンションで受容される。さらに、この方法は、ボタンヘッドが外端開口部から抜け出ないように、第1エッジ・エクステンションに対するピボットロッドの方向の回転を含む。さらに、この方法はまた、例えば、ロック機構を有するピボットロッドに係合することによって、ピボットロッドのさらなる回転を阻止することを含む。
【0055】
図19及び図20を観察すると理解できるように、保持機能部44に係合する上記のロック機構32、34は、ピボットロッド16のさらなる回転を阻止するために依然として係合する一方で、ピボットロッド16が第2エッジ・エクステンション30のロック機構32、34間の前後にスライドできるようにする。これは特に有利であり、ピボットロッド16が相互に関連するリンク・エレメントが分解したり、入れ子になったりするのを容易にするために、スロット状の開口部26(slotted opening)で前後にまで移動できるようにし、その結果、コンベヤベルト10は、方向転換を適切に処理したり、及び/又は、らせん状のストレージ・コンベヤ(storage conveyor) で実装したりすることができるようにする。
【0056】
ボタンヘッド40が第1エッジ・エクステンション20で受容される際に、ピボットロッド16の回転を容易にするために、ボタンヘッド40は、工具係合機能部(tool engagement feature)を備えてよい。これに関して、図21は、先端が平坦なスクリュードライバーを受容するように寸法設定されたスロット64を有するボタンヘッド62を含む、別の実施形態によるピボットロッド60を示す。このピボットロッド60は、スクリュードライバーの先端部をスロット64へと係合させ、ピボットロッド60のさらなる回転を阻止し且つピボットロッド60が意図せず外れるのを回避するまでの回転を可能とする。
【0057】
図22は、例えばロック機構が保持機能部に係合するまでピボットロッド70を回転させるのに対応するよう寸法設定した、ピボットロッド70を所望の方向へと回転させるための例えばアレン・レンチ(allen wrench)を受容するように寸法設定した、アレン・ヘッド受容部(allen head receiver)74を有するボタンヘッド72を含むピボットロッド70についての別のさらに実施形態を示す。
【0058】
図23は、本発明のさらに別の実施形態によるピボットロッド80を示す。本実施形態において、ピボットロッド80は、ボタンヘッド84を有する細長状のシャンク82を含み、図7で示す実施例に関連して上述した方法で実装してもよい。さらに、ピボットロッド80は、図5に示すような対応する第2エッジ・エクステンションのロック機構によって係合される保持機能部86をさらに備える。図示の実施形態において、保持機能部86は、ピボットロッド80の外周を取り囲む環状チャンネル(annular channel)として実装される。従って、平坦面は備えられておらず、また保持機能部86に係合するロック機構は、ピボットロッドの回転を阻止しない。当然ながら、保持機能部86に係合するロック機構は、依然としてピボットロッド80の横方向の移動を阻止するように作用し、その結果、ピボットロッド80が意図せず外れる可能性が、より少なくなる。
【0059】
図24は、図23に示すピボットロッド80が受容されている第2エッジ・エクステンション94を有するリンク・エレメント90の部分断面図である。これからわかるように、保持機能部86は、ピボットロッド80の横方向の移動を阻止するために、ロック機構96によって係合される。図示される実施形態ではまた、ピボットロッド80がコンベヤベルトの作動の方向に前後にスライドできるようにし、その一方でロック機構96(明瞭化のため1個のみを示す)によって係合される。
【0060】
前述したように、ボタンヘッドの幾何学的な形状は、例えば図7乃至図9に示すのとは異なるように実装することが可能である。これに関して、ボタンヘッドは大なる寸法及び小なる寸法を有し、ボタンヘッドは、第1エッジ・エクステンションの外端開口部と向きを平行にして、外端開口部へと嵌入され、小なる寸法の向きが平行にならならずボタンヘッドが第1エッジ・エクステンションの保持されるように回転されるといったような前述したように機能できるあらゆる適切な形状を有してよい。これに関して、以下にさらに詳述する図25乃至図27は、本発明によるコンベヤベルトで使用することができるボタンヘッドについての様々な実施形態を示す。これらの様々な実施形態は、図14乃至図18に対する上述したものと実質的に同一なように機能することに留意されたい。
【0061】
図25は、第1エッジ・エクステンション20に受容される別の実施形態によるピボットロッド16のボタンヘッド110についての斜視図であり、第1エッジ・エクステンション20の部分断面図のみを示している。図示の実施形態からわかるように、ボタンヘッド110は、長方形の形状を用いて実装される。さらに、図示の実施例では、ボタンヘッド110は、ピボットロッド16の細長状のシャンク38に対して偏心しており、その結果、長方形のボタンヘッド110の一終端が細長状のシャンク38に取り付けられる。従って、ボタンヘッド110のDminはボタンヘッドの幅であり、一方でDminはボタンヘッドの長さである。
【0062】
使用の際、ボタンヘッド110は、まずボタンヘッド110のDminが開口部22と向きが同じになるように配置され、その結果ボタンヘッド110が通過できる。その後このボタンヘッド110は、開口部22と向きが同じにならないように回転又は配向され、図25で明示される通り端側壁(edge wall)23による第1エッジ・エクステンションで保持される。当然ながら、第2エッジ・エクステンション中のロック機構によって係合されるピボットロッドについて備えられてもよい保持機能部は、前述したのと同一又は類似なように実装してもよい。従って、この保持機能部についての説明は、繰り返しを避けるために省略する。
【0063】
図26は、第1エッジ・エクステンション20で受容される、さらに別の実施形態におけるボタンヘッド120の斜視図である。図示の実施形態からわかるように、ボタンヘッド120は、正方形を有するように実装される。本実施例で、ボタンヘッド120のDminは、平坦な側面の辺の間のボタンヘッドの幅であり、その一方でDmaxは、その角の間のボタンヘッドの対角線である。使用の際、ボタンヘッド120は、最初にその両辺が外端開口部22と向きが同じになるように配置され、その結果、ボタンヘッド120は通過することができる。このボタンヘッド120は、その後、図26に明示されるように、その両辺が外端開口部22と向きが異なるように回転又は配向され、このボタンヘッド120は、ボタンヘッド120の角によって保持される。
【0064】
図27は、第1エッジ・エクステンション20で受容される、さらに別の実施形態におけるボタンヘッド120の斜視図である。図示の実施形態からわかるように、このボタンヘッド120は、ピボットロッド16の細長状のシャンクに対して偏心する円形形状を用いて実装され、円柱形状のボタンヘッド120の一終端は、細長状のシャンクの端に取り付けられる。本実施例では、たとえボタンヘッド120が大なる寸法及び小なる寸法を含まないとしても、ボタンヘッド120は、細長状のシャンクに対しボタンヘッド120が偏心することで、ピボットロッド16を保持するために、前述の方法で使用することができる。とりわけ、使用の際、ボタンヘッドは、最初に、偏心する円形形状のボタンヘッド120が開口部22を通過するよう配向して配置される。ボタンヘッド120は、その後、細長状のシャンクの表面を超えて延出するボタンヘッドのカムローブ状(cam lobe)の部分が、外端開口部22と向きが同じにならないように、回転又は配向される。これに対応して、向きが同じでない場合に、ボタンヘッド120のカムローブ状の部分は、図27に明瞭に示されるようにピボットロッド16を保持する。
【0065】
図28は、本発明の別の例での実施形態による、相互に嵌合する過程にある一対のリンク・エレメントの斜視図である。本実施形態において、第1エッジ・エクステンション20は、ピボットロッドの細長状のシャンク(shank)を嵌入できるように、且つボタンヘッド134が第1エッジ・エクステンション20で受容できるよう通過するように寸法設定した、開口部22を備える。これらからわかるように、このボタンヘッド134は円形であり、本実施例では、ピボットロッドの細長状のシャンクと同軸である。 このように、ボタンヘッド134は、先の実施形態で述べたような方法で大なる寸法又は小なる寸法を有しない。
【0066】
その代わり、ピボットロッドの保持部は、図29に示すように隣接するリンク・エレメントの第1エッジ・エクステンション20の支持面136に係合する第1エッジ・エクステンション20の終端の追従端上に延出部138が備えられることによって実現される。なぜならば、延出部138が支持面136と接触するため、隣接するリンク・エレメントが図29に示すような作動位置中に同一平面上にあるように回転する際に、隣接するリンク・エレメント12は、延出部138の端部に到達するまで相互に押し合うからである。このように、このリンク・エレメントは、回転により同一平面上にある際には延出する構造となっている。これに対応して、ピボットロッドは、リンク・エレメントのスロット状の開口部内で移動し、ピボットロッドのボタンヘッド134は、開口部22に対して向きが同じにならないようになり、ボタンヘッド134とピボットロッドとが意図せず外れる のを回避する。当然ながら、本実施形態において、延出部138は、延出した構成でリンク・エレメントを配置するように利用されるが、あらゆる適切な機能部又は機構は、この結果を達成し、且つ隣接するリンク・エレメントが入れ子になるのを回避するために、使用してよい。
【0067】
また理解されるように、ボタンヘッド134、及びそれに対応しピボットロッド、の嵌入及び取り外しは、図28に示すようにボタンヘッド134が第1エッジ・エクステンション20の開口部が再度向きになるように、リンク・エレメントをピボットさせることによってのみ達成できる。本実施形態の顕著な利点は、ボタンヘッドがピボットロッドの細長状のシャンク(shank)と完全に左右対称且つ同軸であってもよく、それにより製造コストを最小限にしている。しかしながら、図28及び図29についての記載した実施例の不利な点は、延出部138は、上記の機能部が備えられた端部により、コンベヤベルトを入れ子にすること又は分解(collapsing)することを回避するか大幅に制限する。
【0068】
図30乃至図32は、本発明の別の実施形態による、リンク・エレメント13同士を相互接続させるのに使用されるピボットロッド142の様々な図を示している。図示した実施形態のピボットロッド142それぞれは、図23のピボットロッドに示すのと同じように、ボタンヘッドと反対の終端に溝を備える。ピボットロッド142は、前述したように、図31の部分断面図に明瞭に示されているように、第2エッジ・エクステンション30に備えられたロック機構32、34により係合してもよい。
【0069】
しかしながら、本実施形態では、各ピボットロッド142はまた、その終端に向かって延出平面144を有し、延出平面144は、ボタンヘッドの大なる寸法に対して垂直に配置することが望ましい。従って延出平面144は、ピボットロッド142が略「D」形の横断面を有するように実装される。当然ながら、他の実施形態では、ピボットロッド142は、四角形、長方形、楕円形など、あらゆる実用上の円ではない形の断面形を有するように実装してよい。本実施形態では、図32に明瞭に示すように、延出平面144は、延出平面144を横断するピボットロッド142の断面の高さが、リンク・エレメント13のスロット状の開口部150の高さに対応するようにも実装されている。従って、スロット状の開口部150と延出平面144に沿ったピボットロッド142との密接に対応した寸法により、ピボットロッド142はリンク・エレメント13で回転について相互に係合されるため、それらは同時にのみ回転可能となる。
【0070】
使用の際、ピボットロッド142の対向終端に備えられたボタンヘッド(図示されず)は、第1エッジ・エクステンション(図示されず)の細長い凹部に嵌入されるように向けられ、ピボットロッドは、前述した実施形態に関する上述のように第1エッジ・エクステンションに挿入される。ピボットロッドのボタンヘッドに対する延出平面144の向きにより、第2エッジ・エクステンション30を有するリンク・エレメント13を、第1エッジ・エクステンションの方向に対して垂直に向ける必要がある。上記の直交する向きでは、ピボットロッド142は、ボタンヘッドが第1エッジ・エクステンションの開口部に受け入れられるようにさらに深く嵌入できるため、延出平面144を有するピボットロッドの対向終端は、ピボットロッド142の溝が第2エッジ・エクステンション30のロック機構32、34によって係合されるまで、リンク・エレメント13のスロット状の開口部150で受容できる。
【0071】
リンク・エレメント13をコンベヤベルトの他のリンク・エレメントと同一平面上になるようにピボットさせる際に、上述のように延出平面144およびスロット状の開口部150の寸法により、リンク・エレメント13に回転について相互に係合されているため、ピボットロッド142も回転する。このピボットロッド142の回転により、ピボットロッド142の対向終端にあるボタンヘッドも回転するため、もはや開口部とは向きが同じにならず、その結果、第1エッジ・エクステンションとピボットロッドとが意図せず外れるのを回避するよう保持される。
【0072】
図33乃至図35は、本発明のさらに別の実施形態による、ピボットロッド160の様々な図を示している。図33および図34は、リンク・エレメント13の第2エッジ・エクステンション30に受容されたピボットロッド160を示し、明瞭な部分断面となっている。図35は、リンク・エレメント12の第1エッジ・エクステンション20に受容されたピボットロッド160の対向終端であり、これもまた明瞭に示す部分断面となっている。以下に詳述するように、本実施形態のピボットロッド160は、その両端に、ボタンヘッド164と溝166および167の両方を備える。
【0073】
特に、図33および図34に示す通り、ピボットロッド160の一終端の溝166、167は、前述のように第2エッジ・エクステンション30に備えられたロック機構32、34によってそれぞれ係合される。本実施形態で楕円形状をしているボタンヘッド164は、コンベヤベルトで使用されるリンク・エレメントのスロット状の開口部に差し込むことができるよう寸法設定される。この点に関して、リンク・エレメント12の第1エッジ・エクステンションの部分断面図を示す図35に明瞭に示されている通り、第1エッジ・エクステンション20は、ピボットロッド160を嵌入することができる開口部22を有する。また、ボタンヘッド164がピボットロッド160の両終端に備えられているため、コンベヤベルトで使用されるリンク・エレメントのスロット状の開口部170は、ある向きではボタンヘッド164が通過できるように寸法設定される。
【0074】
従って、使用に際して、ピボットロッド160は、ボタンヘッド164が第1エッジ・エクステンション20の開口部22と、コンベヤベルトで使用されるリンク・エレメントのスロット状の開口部と、リンク・エレメント13の第2エッジ・エクステンション30に備えられたロック機構32、34に嵌入できるように配向される。ピボットロッド160は、ロック機構32、34がそれぞれ回転し、前述したように溝166および167に係合する。そのように回転させると、ピボットロッド160の対向終端のボタンヘッド164は、第1エッジ・エクステンション20の開口部22で受容されるが、開口部22と向きが同じにならないため、ピボットロッド160が意図せず外れるのを回避する。ピボットロッド160の両終端に、ボタンヘッド164と溝166、167の両方を備えることにより、ピボットロッドの両終端を全く同様に製造することが可能となる。また、本実施形態では、ピボットロッド160の終端は、どちらを先に設置してもよいため、設置が容易となる。
【0075】
本発明による種々の実施形態が示され且つ記述されたが、本発明はそれらに限定されないことが理解される。本発明は、当業者により変更・修正してよく、また当業者によってさらなる応用を施してもよい。従って、本発明は、上述した詳細に限定されるものではなく、全ての変更及び修正を含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の一実施形態によるコンベヤベルトの小断片の形状の構造図である。
【図2】本発明の一実施形態による第1エッジ・エクステンションを有するリンク・エレメントの拡大斜視図である。
【図3】図2に示すリンク・エレメントの断面図である。
【図4】第1エッジ・エクステンションを有するリンク・エレメントの端面図である。
【図5】本発明の一実施例による第2エッジ・エクステンションを有するリンク・エレメントの斜視図である。
【図6】図5のリンク・エレメントの断面図である。
【図7】一実施例によるピボットロッドの斜視図である。
【図8】図7に示すピボットロッドの拡大上面図である。
【図9】図7に示すピボットロッドの拡大側面図である。
【図10】第1および第2エッジ・エクステンションによるピボットロッドの保持を示す、図1のコンベヤベルトの部分断面図である。
【図11】一実施例による第1エッジ・エクステンション中に保持されるボタンヘッドの斜視図である。
【図12】図11に示す第1エッジ・エクステンション中に保持されるボタンヘッドの正面図である。
【図13】一実施例による第2エッジ・エクステンションのロック機構によって係合している保持機能部の斜視図である。
【図14】第1エッジ・エクステンションの外端開口部に対してボタンヘッドの向きを同じにさせることおよび嵌入を示す図である。
【図15】ボタンヘッドが第1エッジ・エクステンションで受容できるように図14のピボットロッドのさらなる嵌入を示す図である。
【図16】ロック機構が、その間にピボットロッドを受容するために開いて第2エッジ・エクステンションに嵌入されるピボットロッドの部分断面図である。
【図17】ボタンヘッドが第1エッジ・エクステンションの外端開口部に対して向きが同じにならないように第1エッジ・エクステンションで回転するピボットロッドの部分断面図である。
【図18】第1エッジ・エクステンションで受容され、外端開口部に対して向きが同じにならないように配向された、ボタンヘッドの拡大斜視図である。
【図19】ピボットロッド上に備えられた保持機能部の溝に係合するロック機構を有する第2エッジ・エクステンションの部分断面斜視図である。
【図20】図19に示す第2エッジ・エクステンションの部分断面正面図である。
【図21】一実施例による工具機能部を有するボタンヘッドの斜視図である。
【図22】別の実施例による工具機能部を有するボタンヘッドの斜視図である。
【図23】さらに別の実施例によるピボットロッドの斜視図である。
【図24】第2エッジ・エクステンションにおける図23のピボットロッドの嵌入及び保持を示す図である。
【図25】第1エッジ・エクステンションで受容され、外端開口部と対して向きが同じにならないように配向された、さらに別の実施形態によるボタンヘッドの斜視図である。
【図26】第1エッジ・エクステンションで受容され、外端開口部に対して向きが同じにならないように配向された、さらに別の実施形態によるボタンヘッドの斜視図である。
【図27】第1エッジ・エクステンションで受容され、外端開口部に対して向きが同じにならないように配向された、さらにもう一つの実施形態によるボタンヘッドの斜視図である。
【図28】本発明の別の実施例による、互いに嵌合している一対のリンク・エレメントの斜視図である。
【図29】図28の一対のリンク・エレメントの互いに嵌合した一対のリンク・エレメントの斜視図である。
【図30】リンク・エレメント同士を相互接続するために用いられる本発明の別の実施形態によるピボットロッドの形状の構造図である。
【図31】第2エッジ・エクステンションによって保持される図30のピボットロッドの部分断面図である。
【図32】図30のピボットロッドの後部斜視図である。
【図33】第2エッジ・エクステンションで受容される本発明のさらにもう一つの実施形態によるピボットロッドの部分断面図である。
【図34】図33のピボットロッドの正面図である。
【図35】第1エッジ・エクステンションで受容される図33のピボットロッドの部分断面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンベヤベルトに関し、詳細には、モジュール式(modular)及び格子型(grid style)のコンベヤベルトに関する。本発明は、さらに上記のコンベヤベルトを組み立てるための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コンベヤシステムは、ものの取り扱い及び処理を目的として様々な産業分野で広く使用されている。例えば、コンベヤシステムは、食品が、ある位置から別の位置へと運搬中にコンベヤベルトの支持面に配置され加工される食品加工システムで用いられる。そのような応用分野において、食品は、コンベヤベルト上で運搬中に、加熱、天火焼き、冷凍、洗浄されるか、あるいはその他の加工を受けてもよい。様々な異なる種類のコンベヤベルト、例えばワイヤメッシュ・コンベヤベルト、が使用されてきている。モジュール式ベルトは、食品加工システムにおいて特に普及している。さらに、コンベヤシステムは、例えばLayneらによる特許文献1で開示されるらせん形アキュムレータ(helical accumulator)でしばしば利用され、上記アキュムレータは、コンベヤシステムにおいて大量品目の貯蔵を可能にする。
【0003】
多くのモジュール式コンベヤベルトは、複数のリンク・エレメント(連結部材:link element)を含み、各リンク・エレメントは、隣接するリンク・エレメントのエクステンションと嵌合する、間隔をあけた複数の嵌合エクステンション(intermeshing extension)を有する。嵌合するリンク・エレメントは、連続的なコンベヤベルトを形成するため、細長状のピボットロッド(回転軸:pivot rod)によってヒンジとして動くように相互に連結され、複数のリンク・エレメントは、搬送面を形成する。リンク・エレメントは、一般的に、プラスチック、ナイロン(登録商標)、又はその他の複合材料といった非金属材料から形成されている。このようなリンク・エレメントの使用は、とりわけ食品加工の応用分野で普及しており、なぜなら、この搬送面は清掃が容易であり、且つ微生物・真菌・ウィルス・バクテリアといった病原体の成長を阻止するように処理できるためである。
【0004】
モジュール式コンベヤベルト(modular conveyor belt)は、典型的にはモジュールの配列に依存し、あるピッチに配置された1つのモジュールが、第2のピッチに配置された2つの隣接するモジュールの終端と嵌合し、実質的に相互に対して2つの隣接するモジュールの横方向の動きを回避するように連結させる。この配列は、コンベヤベルトの両終端の間に連続的な接続を作るために十分な数の結合部(joint)で繰り返され、コンベヤベルトの対向端同士を保持する相互接続を備える。隣接するピッチにおける重複するモジュールの実施は、重複パターンによるれんがを重ね置く技術に類似する。故に、このモジュールの配列は、広く、れんが配列(brick−laid)パターンと呼ばれる。ロッドは、典型的には、モジュール同士を結合する以外に、リンク(link)の横方向の移動を回避しない。多くの場合、ロッドは、ヘッド部及び保持機能部を有さず、単にコンベヤベルトの両端の保持機能部によって閉じ込められる(trap)のみである。上記の配置を有するコンベヤベルトの例は、特許文献2、特許文献3、特許文献4、又は特許文献5に開示されている。いくつかのケースでは、2個の別々のロッドが両側から嵌入され、脱出を回避するために外端エッジ・エクステンションへとしっかりと接続される。しかしながら、たとえそのような構成においても、これら端を接続する連続的なロッドがないため、れんが配列モジュールは依然として必要とされる。
【0005】
典型的なモジュール式コンベヤベルト(modular conveyor belt)について、モジュール部の或る部分は、れんが配列を容易にするためのリンクで統合的に形成されていなければならず、またこれにより、新たな連結工具についての巨額を投資せずにオーバーレイ(overlay)・パターン又はオーバーレイ材料を選択できるという融通性が、ほとんど又は全くない。応用分野によっては、このリンクは、別個に形成され、さらに、統合的に形成されるリンク及びモジュールとして同様のれんが配列性能を備えるために、モジュールに機械的に結合するように構成される。しかしながら、上記の構成の限界は、食品を運搬する場合に病原体の隠れ場所を提供する可能性がある望ましくないひび割れをもたらすことである。
【0006】
格子型コンベヤベルト(grid style conveyor belt)は、典型的には、ピボットロッドによってヒンジとして動くように接続されたコンベヤベルトの両端の嵌合するU形状のリンクを含む。ピボットロッドは、コンベヤベルトの全幅を横断し、対向する側のリンクに接続し運搬面を形成する。あるケースでは、この運搬面は、物品支持性能を向上させるために金属又はプラスチックのオーバーレイに変更される。格子型コンベヤベルトは、典型的には、金属ロッドに溶接された金属リンクを材料として構成される。リンクがロッドに対してリンク横方向に動くのを回避するようにロッドに結合されているため、れんが配列センター・モジュールは、ベルトの統合性を保持する必要がない。しかしながら、このタイプの構造は、ベルトを分離し・連結・修正するために、切断・研磨・溶接を必要とする。食品加工施設では、ベルトの洗浄及び衛生に関して、本質的に以下の修正を必要とする。
【0007】
種々のモジュラー式コンベヤベルトについて、ピボットロッドが嵌合したリンク・エレメントに嵌入され、ロッドはリンク・エレメント上に備えられる機能部によって保持されるという点が知られている。例えば、上記のTanによる特許文献2は、相互に嵌合され且つロッドによって回転可能な状態で接続されるリンクを有するコンベヤベルトであって、2つの双安定状態位置のうち1つの所定位置に、ピボットロッドを保持するための閉塞部のある孔を有するベルトリンク端を開示する。Tanによる特許は、略円形状の出入口孔と、ピボットロッドを保持するために弾力的に形成された陸線(リッジ:ridge)又はくびれ(ウエスト:waist)を開示する。しかしながら、この特許では、リンクを弱体化させる虞のある陸線の変形によってロッドが陸線上を移動するようにする必要がある。さらに、ロッドが意図せず外れる可能性がある。
【0008】
上記のHortonらによる特許文献4は、上記開示されたTanの発明に類似するモジュール式コンベヤベルトにおいて、モジュール式コンベヤベルト・リンクが隆線を含む点を除いた開示をしている。ベルトリンク上に備えられた孔は、ロッドの取付けおよび取り外しを可能にする。しかしながら、この孔は、リンクのロッド受容孔と相殺され、これにより、ある角度でのピボットロッドの嵌入、又は、屈曲可能なピボットロッドの使用が必要となり、これら必要性は両方とも望ましくない。
【0009】
上記のKnotらによる特許文献5は、モジュールが、ピボットロッドの端を支持するように延出する突出部でありさらに突起部と幅の狭いヒンジ・エレメントとの間に適合する突出部を含むプラットフォーム上部ラジアスベルトを開示する。この特許は、突出部がピボットロッドのヒンジ・エレメントの孔へ嵌入するのを可能にするための切欠きを含むことを開示する。しかしながら、Knotらの開示するベルトも、ロッドが意図せず外れるのを回避しない。
【0010】
上記のLapeyreによる特許文献3は、リンク上に備えられた停止部材を含むコンベヤベルト用のピボットロッド保持装置を開示する。停止部材は、ピボットロッドの嵌入中には移動し、さらに、元の位置に戻ってピボットロッドを保持する。これにより、ピボットロッドの横方向の移動を回避する。停止部材は、ロッドの終端に備えられるボタンヘッドを保持するものとして開示されている。
【0011】
Wallisによる特許文献6は、平坦面を含む切欠き付きのピンを含むピッチ・チェーンを開示する。この文献は、リンク同士を組み立てる際に、ピンが嵌入できるように、各リンクは、正しい角度で回転することを開示している。この文献はさらに、リンクがその後に作動位置に戻る際に、嵌入されたピンの横方向の移動が回避されることを開示する。
【0012】
【特許文献1】米国特許第5,070,999号公報
【特許文献2】米国特許第5,105,938号公報
【特許文献3】米国特許第5,156,264号公報
【特許文献4】米国特許第5,598,916号公報
【特許文献5】米国特許第6,644,466号公報
【特許文献6】米国特許第254,739号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上述のコンベヤベルトは、コンベヤベルトを組み立てるための様々な方法、及びピボットロッドを適切に保持するための様々なメカニズムを提唱する。しかしながら、コンベヤベルトのピボットロッドを適切に保持するためにより改善が施された代替の解決策を提供するコンベヤベルトの必要性が、依然として存在する。また、れんが配列モジュールが不要で、さらには統合的に成形されるか機械的に取り付けられたモジュール部を有するリンクが不要な、コンベヤベルト構造の必要性も存在する。さらには、本分野において、より容易に且つ廉価で、修理・結合・分離ができる、格子型コンベヤベルトを備えることへの未だ満たされていない必要性も存在する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前述事項に照らして、本発明の一態様は、ピボットロッドのシンプルな設置を可能にするコンベヤベルトを提供する点にある。
【0015】
本発明の1つの利点は、れんが配列モジュールのないモジュール式(modular)コンベヤベルトの構造を可能にすることである。
【0016】
本発明の別の利点は、ピボットロッドがコンベヤベルトの作動中に意図せず外れてしなわないように、ピボットロッドを安全に保持するコンベヤベルトを備えることである。
【0017】
本発明のさらに別の利点は、リンクを統合的に成形させる必要のないモジュール式コンベヤベルト、若しくは、又は機械的に取り付けられたモジュール部を提供することである。
【0018】
本発明のさらに別の利点は、本分野における、より容易に且つ廉価で、修理・結合・分離ができる格子型(grid style)コンベヤベルトを備えることである。
【0019】
本発明の別の態様は、コンベヤベルトを組み立てるための方法である。
【0020】
本発明の別の利点は、ピボットロッドを安全に保持する方法を備えることである。
【0021】
本発明のさらに別の利点は、ロッドに対してリンク横方向の動きを回避するために、ロッドにリンクを結合する方法を提供することである。
【0022】
本発明の一実施形態よれば、コンベヤベルトは、複数のリンク・エレメントを含んで備えら、各リンク・エレメントは、隣接するリンク・エレメントの嵌合エクステンションと嵌合するように寸法設定された嵌合エクステンション(嵌合延伸部:intermeshing extensions)を有し、嵌合エクステンションは、横断ロッド開口部を有する嵌合エクステンションを有する。コンベヤベルトはまた、複数の嵌合エクステンションの横断ロッド開口部で受容されるピボットロッドを含み、これにより隣接する嵌合したリンク・エレメント同士を相互接続する。ピボットロッドは、一終端にボタンヘッドを有し、ボタンヘッドは、小なる寸法より大きい大なる寸法を有する。コンベヤベルトは、ボタンヘッドの大なる寸法より小さいがボタンヘッドの小なる寸法よりは大きい第1の寸法のある外端開口部(outer opening)を有する第1エッジ・エクステンションをさらに含み、ボタンヘッドの小なる寸法が外端開口部の第1の寸法と向きが略一致する場合に、ピボットロッドのボタンヘッドが外端開口部を通過する。ピボットロッドは、第1エッジ・エクステンションに保持され、第1エッジ・エクステンションのボタンヘッドを回転させることによって、ボタンヘッドの小なる寸法は、外端開口部の第1の寸法と向きが一致しなくなる 。
【0023】
一実施形態によれば、外端開口部は、第1エッジ・エクステンションに配置され、第1の寸法は、コンベヤベルトが作動中の配置にある場合に、コンベヤベルトに対して略垂直となる。これに関して、外端開口部は、コンベヤベルトが進む方向へ開口したスロットとして実装してもよい。
【0024】
本発明の一実施形態によれば、このコンベヤベルトは、ピボットロッドに係合する少なくとも1つのロック機構を含む第2エッジ・エクステンションをさらに含む。この点において、ピボットロッドは、一実施形態におけるピボットロッドの回転を阻止するロック機構によって係合される保持機能部を含む。ある態様では、保持機能部は少なくとも1つの溝を含む。ある実施例では、この溝は、ピボットロッド上に直径方向に互いに対向する一対の平坦面を含む。本発明の別の実施形態では、この保持機能部は、ピボットロッドの外周を囲む溝である。
【0025】
一対の対向するロック機構は、第2エッジ・エクステンションに具備され、ロック機構は、ピボットロッドの平坦面に、弾力的に開いて係合する。このロック機構は、ピボットロッドが前後にスライドできるようにする。この点に関しては、このロック機構は、第2エッジ・エクステンションに延出する弾性を有する片持ち部材(cantilevered member)として実装することができ、ロック機構はピボットロッドに係合するためにゆがむ。
【0026】
ピボットロッドは、好ましくは、ボタンヘッドが第1エッジ・エクステンション中に受容される際にロック機構がピボットロッドの溝に係合するような長さを有する。ピボットロッド上のボタンヘッドの大なる寸法は、好ましくは、平坦面に略垂直である。さらに、横断ロッド開口部は、好ましくは、コンベヤベルトの複数のリンク・エレメントが互いに入れ子になることが可能なスロット状開口部(slotted opening)である。
【0027】
種々の実施形態によれば、ボタンヘッドは、大なる寸法が小なる寸法より大きくなる任意の適切な形状から構成されてよい。別の実施態様では、このピボットロッドは、円形形状を含むがこれに限定されない全ての実用的なサイズ及び形状からなるボタンヘッドを備える。コンベヤベルトは、ボタンヘッドが開口部を通過できるように寸法設定された開口部を備える第1エッジ・エクステンションで実装される。開口部はさらに、1つのリンク・エレメントが非作動位置へと回転する際に、2つの嵌合するリンク・エレメントのロッド開口部に向きが一致するように配置される。ピボットロッドは、リンクが非作動位置へと回転する際に外端エッジ・エクステンション内の開口部を通過する。ロッドは、通常の作動位置へリンクを回転させることによって保持され、この結果、外端開口部はボタンヘッドと向きが一致しなくなる。
【0028】
本発明の別の実施形態では、ピボットロッドは、少なくとも1つのリンク・エレメントのロッド開口部に係合するロッドの長さの一部に沿った少なくとも1つの平坦面に備える。ロッド開口部は、ロッド開口部中に係合したロッドの回転を回避するように対応して寸法設定される。さらに別の実施形態では、ピボットロッドは、その両終端にボタンヘッドと保持機能部とを備え、このボタンヘッドは少なくともある一つの向きにするとリンク・エレメントのロッド開口部を通過できるように寸法設定される。
【0029】
本発明の別の態様によれば、コンベヤベルトを組み立てるための方法は、複数のリンク・エレメントを備え、各リンク・エレメントは、横断ロッド開口部のある嵌合エクステンションを有し、隣接するリンク・エレメント同士の嵌合エクステンションを嵌合する。この方法は、ピボットロッドの一端にボタンヘッド備え、ボタンヘッドは、大なる寸法と小なる寸法とを有する。この方法はまた、ボタンヘッドの大なる寸法より小さいがボタンヘッドの小なる寸法よりは大きい第1の寸法を有する外端開口部を有する第1エッジ・エクステンションを備える。この方法はさらに、ボタンヘッドの小なる寸法を外端開口部の第1の寸法と向きを略一致させ、嵌合エクステンションの横断ロッド開口部にピボットロッドを嵌入し、且つ、ピボットロッドのボタンヘッドを外端開口部へと通過させ、ボタンヘッドが第1エッジ・エクステンションに受容されるようにする。さらに、この方法はまた、第1エッジ・エクステンションと対してピボットロッドの方向を回転させ、その結果、ボタンヘッドの小なる寸法は、外端開口部の第1の寸法と向きを異ならせる。
【0030】
別の実施形態によれば、この方法はさらに、外端開口部に対してボタンヘッドの位置の向きの不一致によるピボットロッドのさらなる回転を阻止する。ピボットロッドのさらなる回転の阻止は、ピボットロッドに係合することによって達成される。これに関して、この方法は、そのさらなる回転を阻止するためにピボットロッドに係合する、少なくとも1つのロック機構を第2エッジ・エクステンションに備えていてもよい。さらに、ピボットロッドは、ロック機構によって係合される保持機能部を備えてもよい。ロック機構は、ピボットロッドのさらなる回転を阻止するために保持機能部に係合する一方でピボットロッドが前後にスライドできるように実装してもよい。
【0031】
この方法のさらに別の実施形態によれば、ボタンヘッドが第1エッジ・エクステンション中に受容される際にロック機構がピボットロッドの保持機能部に係合する長さ寸法に、ピボットロッドが実装されてもよい。ある態様では、この保持機能部は、平坦面のある溝を含み、ピボットロッド上のボタンヘッドの主軸は、平坦面に対して略垂直に配向される。さらに別の実施形態において、このロック機構は、第2エッジ・エクステンションに延出する弾性を有する片持ち部材として実装してよく、ピボットロッドに係合するようにゆがんだ状態であってよい。
【0032】
これらの特性及びその他の特性は、添付の図面と合わせて見る際に、本発明の好適な実施例についての以下の詳細な説明からより明らかとなる。
【発明の効果】
【0033】
本発明の一態様は、ピボットロッドのシンプルな設置を可能にするコンベヤベルトを提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
図1は、本発明の一実施例によるコンベヤベルトの小断片の形状の構造図を示す。以下に詳述するように、コンベヤベルト10のピボットロッドは、コンベヤベルト10の作動中に意図せず外れないように、容易に設置し維持することができる。さらに、コンベヤベルト10は、れんが配列(brick−laid)モジュールを必要としない特徴のある構造を備え、さらに、統合的に成形され又は機械的に取り付けられたモジュール部を有するリンクを必要ともしない。また、本発明はさらに、本分野において、より容易に且つ廉価で、修理・結合・分離ができる、格子型(grid style)コンベヤベルトを提供することを可能する。
【0035】
これらの利点は、コンベヤベルトのピボットロッドの一終端に拡大機能部(enlarged feature)、特にエッジ・エクステンションに寸法設定した開口部を備えることによって達成され、拡大機能部がある向きではエッジ・エクステンション内で受容できるようにし、その一方で他の向きでは外れないようにする。以下に記載される様々な例で説明されるように、この拡大機能部は、様々な形状及び構成からできているボタンヘッドであってよく、エッジ・エクステンションの開口部で受容され、そしてその後、ボタンヘッドが開口部と平行にならず、回転して向きを変えることで外れないようになる。
【0036】
まず、図1は、コンベヤベルト10の小断片のみを示し、図示のリンク・エレメント間のピボットロッド上に典型的に備えられるオーバーレイ・エレメント(overlay element)を示していないことに留意されたい。そのようなオーバーレイ・エレメントは、よく知られているように、モジュール式(modular)コンベヤベルトにおいては別の部品として実装される。あるいは、そのようなオーバーレイ・エレメントは、図示のリンク・エレメントにつながっている部分として実装されてもよい。オーバーレイ・エレメントは、本発明の一部を構成せず、したがって、記述を明瞭にするために本明細書では図示も説明もされない。
【0037】
図1に示すように、コンベヤベルト10は、複数のリンク・エレメント12、13を備え、各リンク・エレメントは、隣接するリンク・エレメントの嵌合エクステンション14と嵌合するために寸法設定される嵌合エクステンション14を有する。嵌合エクステンション14は、複数のピボットロッド16を受容するために寸法設定される横断ロッド開口部を有する。従って、ピボットロッド16は、隣接する嵌合したリンク・エレメント12、13同士を相互接続する。このように、連続するコンベヤベルト10は、対象物をある位置から別の位置へと運搬するために使用できるように提供される。以下の説明で明白となるように、リンク・エレメント12、13及びピボットロッド16は、コンベヤベルト10の作動中にピボットロッドが意図せず外れるのを回避するために、ピボットロッド16の設置及び保持を容易にする機能部を備える。上記のピボットロッドが意図せず外れる現象は、コンベヤベルトの故障の原因となり得る。
【0038】
図1に示すように、本発明の図示される実施形態によるコンベヤベルト10は、第1エッジ・エクステンション20を有するリンク・エレメント12と、第2エッジ・エクステンション30を有するリンク・エレメント13を含む。第1エッジ・エクステンション20及び第2エッジ・エクステンション30は、対応するリンク・エレメントに実装され、その結果、図示される実施形態におけるコンベヤベルト10の最外端に配置される。しかしながら、本発明はそれらに限定されず、またその他の実施形態において、第1及び第2エッジ・エクステンションは、コンベヤベルトの最外端(outermost edge)の内側に配置してもよいことに留意すべきである。
【0039】
図2は、本発明の一実施形態による第1エッジ・エクステンション20を有するリンク・エレメント12を示す。第1エッジ・エクステンション20は、第1エッジ・エクステンション20の端側壁(edge wall)23の間に形成される外端開口部22を含む。この外端開口部22は、ピボットロッド16を受容且つ保持するように寸法設定される。これに関して、図3は、第1エッジ・エクステンション20を有するリンク・エレメント12の断面図である。図示されるように、横断開口部26は、ピボットロッド16を受容するために寸法設定したリンク・エレメント12の嵌合エクステンション14中に備えられ、これにより隣接するリンク・エレメント同士の接続を可能にする。図示される実施形態の横断開口部26は、複数のリンク・エレメント12同士が入れ子になることを可能にするようなスロットとして実装される。このことは、コンベヤベルト10が方向転換を適切に処理したり、及び/又は、らせん状のストレージ・コンベヤ(storage conveyor)において実装したりすることができる。
【0040】
図4は、第1エッジ・エクステンション20を有するリンク・エレメント12の端面図であり、これは、外端開口部22を明瞭に示しており、ピボットロッド16が第1エッジ・エクステンション20中に保持されている。図示のように、外端開口部22は、第1の寸法D1を有する。外端開口部22は、コンベヤベルト10の進行する方向に開口したスロット又は溝として、図示される実施形態で実装される。本実施形態において、第1エッジ・エクステンション20の外端開口部22は、コンベヤベルト10が動作時の構成にある場合に第1の寸法D1がコンベヤベルト10に略垂直であるように、配置される。当然ながら他の実施形態において、この開口部を、スロットとして実装する必要はなく、単に第1エッジ・エクステンションの端側壁(edge wall)を通って延出するだけの開口部であってよい。
【0041】
図5は、本発明の一例の実施形態による、第2エッジ・エクステンション30を有するリンク・エレメント13を示す。図示のように、第2エッジ・エクステンション30は、相互に平行に第2エッジ・エクステンション30にて配向されたロック機構32、34を含む。ロック機構32、34は、以下に詳述するように、ピボットロッド16を係合する大きさである。当然ながら、ロック機構32、34は何らかの適切に配向されるが、必ずしも相互に平行である必要はない。ただし、平行に配向することで、ピボットロッドをロック機構間でスライドさせることができ、例えばコンベヤベルト方向転換を適切に処理することができる。また、本明細書で開示される実施形態では2つのロック機構が備えられているが、他の実施形態においては、1つのみ、又は2より多くのロック機構を用いて実装してもよい。
【0042】
図6は、第2エッジ・エクステンション30を有する図5のリンク・エレメント13の断面図である。図示のように、リンク・エレメント13は、ピボットロッド16を受容するように寸法設定された横断開口部26を備える。図6に特に明瞭に示されている通り、ロック機構34(およびロック機構32)は、本実施形態においては、第2エッジ・エクステンション30内に延出する弾性を有する片持ち部材として実装される。これに関して、第2エッジ・エクステンション30は、ピボットロッド16に係合する際にロック機構をゆがませることができるように、ばね鋼などの鉄鋼、成形可能なプラスチック又はその他の弾性部材等で成形してよい。図示される実施形態では、第2エッジ・エクステンション30は、2つのロック機構32、34を備えるが、本発明はそれらに限定されない。他の実施形態では、例えば単一のロック機構といった、異なる数のロック機構を備えてもよい。
【0043】
図7は、本発明のうちの一例の形態によるピボットロッド16の斜視図を示す。このピボットロッド16は、細長状のシャンク(elongated shank)38、細長状のシャンク38の一つの終端にボタンヘッド40、他の終端に保持機能部44を含む。図8および図9の上面図および側面図に明瞭に示されているように、図示したボタンヘッド40の実施形態には、細長状のシャンク38の外端周面に対して垂直に測定される大なる寸法Dmajと小なる寸法Dminがある。大なる寸法Dmajは、小なる寸法Dminよりも大きく、図示される実施形態では、Dminは、細長状のシャンク38の外端周面と同じである。リンク・エレメント12の第1エッジ・エクステンション20の外端開口部およびピボットロッド16のボタンヘッド40は、互いに関連した大きさとなっており、ボタンヘッド40の大なる寸法Dmajは外端開口部22の第1の寸法D1よりも大きいが、ボタンヘッド40の小なる寸法Dminは、外端開口部22の第1の寸法D1より小さくなっている。また以下の議論より、ボタンヘッド40の幾何学的な形には種々のものがあり、ボタンヘッド40は、以下に述べる方法で機能できるようにあらゆる適切な形にすることができることが理解される。例えば、ボタンヘッドは、正方形又は長方形で実装することができ、またカムローブと同様な形状で偏心特性を備えた形態で実装してもよい。
【0044】
ピボットロッド16の保持機能部44は、本実施形態において、上述のように第2エッジ・エクステンション30のロック機構32、34に係合するように実装され、ピボットロッド16の横方向の動きを阻止し、また任意ではあるが、ピボットロッド16の回転を阻止する。図示したピボットロッド16の実施形態では、保持機能部44は、溝46(図7および図9には1つのみ示されている)を有する。ピボットロッド16の溝46および47は、上面図である図8に明瞭に示されている。この点について、図示される実施形態の溝46および47は、第2エッジ・エクステンション30のロック機構32、34で係合された際にピボットロッド16の回転を阻止するように機能するピボットロッド16上で直径方向に互いに対向して位置する平坦面48および49で実装される。当然ながら他の実施形態においては、平面板に実装する溝は、いくつあってもよく、またピボットロッド16の外端周面を囲む環状溝でもよい。
【0045】
さらに、図示される実施形態のピボットロッド16は、図8および図9に明示する通り、面取りした面(chamfer)50を備える。面取りした面50は、ピボットロッド16の第2エッジ・エクステンション30への導入を容易にする。特に、面取りした面50は、ロック機構32、34を容易にゆがませることができる。つまり、以下に詳述するようにロック機構32、34を開かせ、その結果、ピボットロッド16がその間に受け入れられるようにする。
【0046】
図10は、リンク・エレメント12、13をその間に保持されているピボットロッド16を一緒に示す断面図の一部である。ピボットロッド16のボタンヘッド40は、ある向きにおいて、第1エッジ・エクステンション20の外端開口部22を通過し、回転すると図示のように第1エッジ・エクステンション20に受容されるように寸法設定される。特に、ピボットロッド16のボタンヘッド40を第1エッジ・エクステンション20に挿入するためには、まずボタンヘッド40は、ボタンヘッド40の小なる寸法Dminが外端開口部22の第1の寸法D1との向きが略同一となるように配置される。その後ピボットロッド16は、外端開口部22に挿入され、第1エッジ・エクステンション20のボタンヘッド40(すなわちピボットロッド16)を回転させると、第1エッジ・エクステンション20で保持される。ボタンヘッド40を十分に回転し、ボタンヘッド40の小なる寸法Dminが外端開口部22の第1の寸法D1と方向が同一とならないようにする。それに対応して、ピボットロッド16のボタンヘッド40は、当然ながら再び向きをかえない限り、外端開口部22を通過できなくなる。
【0047】
図10でも示す通り、ピボットロッド16は、ボタンヘッド40が第1エッジ・エクステンション20で受容される際にロック機構32、34がピボットロッド16の保持機能部44と係合する長さを有する。図7に示す通り、ピボットロッド16のボタンヘッド40の大なる寸法Dmajは、保持機能部44の平坦面48、49に略垂直である。それに対応して、ボタンヘッド40が図10に示す保持される構成へと回転すると、ロック機構32、34は、溝46および47の平坦面48および49をそれぞれ係合する。
【0048】
上記に関して、図11及び図12は、第1エッジ・エクステンション20に受容及び保持されるボタンヘッド40の斜視図及び正面図である。これらの図に明瞭に示されるように、第1のエッジ・エクステンション20へ嵌入した後のピボットロッド16を回転させると、ボタンヘッド40は、第1のエッジ・エクステンション20の端側壁23によって保持されるように配向され、このボタンヘッド40は、外端開口部22に差し込むために図示の方向に突出しているため、ピボットロッド16は設置された位置を維持する。
【0049】
本実施形態のロック機構32、34は、ピボットロッド16の溝46、47に係合し、ピボットロッド16の横方向の移動を阻止もする。さらに、ロック機構32、34の係合は、図10乃至図12に示すボタンヘッド40の方向が維持されるようにピボットロッド16の回転をさらに阻止する。図13は、溝46(及び47、図示せず)を有する第2エッジ・エクステンション30のロック機構32、34の係合を示し、これによりリンク・エレメント13に対するピボットロッド16のさらなる回転を阻止する。このように、ロック機構32、34と、保持機能部44との間の係合は、ボタンヘッド40の小なる寸法Dminが外端開口部22の第1の寸法D1と方向が同じになるボタンヘッド40の回転を防止する。対応して、コンベヤベルト10の作動中にピボットロッド16が意図せず外れる可能性が大幅に削減される。しかしながら、溝46、47は、第2エッジ・エクステンション30に対するピボットロッドの前後の移動を可能にし、これにより、本実施形態のコンベヤベルト10を分解できるようになる。
【0050】
本発明の別の側面がコンベヤベルトの組み立てについての方法であることは、ある当業者にとって明白である。図14を参照すると、この方法は、第1エッジ・エクステンション20の外端開口部(outer opening)へピボットロッド16を嵌入することを含み、これにより隣接するリンク・エレメントの嵌合エクステンションに連結する。ピボットロッド16のボタンヘッド40は、小なる寸法Dminが外端開口部の第1の寸法D1の方向に略一致するように、図14に示すように配向され、さらに、ボタンヘッド40は、外端開口部を通過でき、かつ、図15に示すように第1エッジ・エクステンション20中に受容できる。
【0051】
ピボットロッド16は、それが第1エッジ・エクステンション20で受容されるボタンヘッド40を有する図15に示す位置へと嵌入される際に、ピボットロッド16の対向する終端が、明瞭に示すことを目的に第2エッジ・エクステンション30について部分的に切り取られた図として図16に示すように、リンク・エレメント13の第2エッジ・エクステンション30へ嵌入される程度の、長さを有するように実装される。ピボットロッド16の先端に備えられた面取り面50は、図16に示すように(図示されないロック機構32と同様に)ロック機構34が開き又はゆがむのを容易にし、ピボットロッド16の終端は、図16に示す方法で両ロック機構の間に受容される。
【0052】
次に、ピボットロッド16を、ボタンヘッド40の小なる寸法Dminが外端開口部22の第1の寸法D1と方向が一致しないように、図17に示すように回転する。このように、ピボットロッド16のボタンヘッド40は、図示の方向でのボタンヘッド40と外端開口部22との寸法の違いにより、外端開口部22から抜け出ることができない。この第1エッジ・エクステンション20におけるボタンヘッド40の保持は、図18の拡大端面図18にほぼ明瞭に示される。
【0053】
さらに、ボタンヘッド40が図17及び図18で示す方向となるようなピボットロッド16を回転させることにより、ロック機構32、34が図19及び図20で示す方法でピボットロッド16の溝46及び47に係合し、ここに両図とも明瞭に示すことを目的に部分的に切り取られている図を示している。ロック機構32、34は、実質的にゆがんでいない位置にゆがみが戻るか、又はおよそ、それぞれピボットロッド16の溝46、47に係合するようゆがむ。さらに、溝46、47が平坦面48、49を用いて実装されることから、これらはピボットロッド16の回転をさらに阻止し、これにより図17及び図18に示すようにボタンヘッド40の方向を維持する。これにより、ピボットロッド16が適切に保持されるのを確実にして、コンベヤベルト10の作動中にピボットロッド16が意図せず外れるのを回避できる。さらに、前述したように、ピボットロッド16の保持機能部に係合するために、様々なロック機構を備えてよいことは明白である。
【0054】
このように、この方法は、外端開口部に対して特定の位置へボタンヘッドを配向し、横断ロッド開口部にピボットロッド16を嵌入し、外端開口部を通してピボットロッドのボタンヘッドを通過させることを含み、ボタンヘッドは、第1エッジ・エクステンションで受容される。さらに、この方法は、ボタンヘッドが外端開口部から抜け出ないように、第1エッジ・エクステンションに対するピボットロッドの方向の回転を含む。さらに、この方法はまた、例えば、ロック機構を有するピボットロッドに係合することによって、ピボットロッドのさらなる回転を阻止することを含む。
【0055】
図19及び図20を観察すると理解できるように、保持機能部44に係合する上記のロック機構32、34は、ピボットロッド16のさらなる回転を阻止するために依然として係合する一方で、ピボットロッド16が第2エッジ・エクステンション30のロック機構32、34間の前後にスライドできるようにする。これは特に有利であり、ピボットロッド16が相互に関連するリンク・エレメントが分解したり、入れ子になったりするのを容易にするために、スロット状の開口部26(slotted opening)で前後にまで移動できるようにし、その結果、コンベヤベルト10は、方向転換を適切に処理したり、及び/又は、らせん状のストレージ・コンベヤ(storage conveyor) で実装したりすることができるようにする。
【0056】
ボタンヘッド40が第1エッジ・エクステンション20で受容される際に、ピボットロッド16の回転を容易にするために、ボタンヘッド40は、工具係合機能部(tool engagement feature)を備えてよい。これに関して、図21は、先端が平坦なスクリュードライバーを受容するように寸法設定されたスロット64を有するボタンヘッド62を含む、別の実施形態によるピボットロッド60を示す。このピボットロッド60は、スクリュードライバーの先端部をスロット64へと係合させ、ピボットロッド60のさらなる回転を阻止し且つピボットロッド60が意図せず外れるのを回避するまでの回転を可能とする。
【0057】
図22は、例えばロック機構が保持機能部に係合するまでピボットロッド70を回転させるのに対応するよう寸法設定した、ピボットロッド70を所望の方向へと回転させるための例えばアレン・レンチ(allen wrench)を受容するように寸法設定した、アレン・ヘッド受容部(allen head receiver)74を有するボタンヘッド72を含むピボットロッド70についての別のさらに実施形態を示す。
【0058】
図23は、本発明のさらに別の実施形態によるピボットロッド80を示す。本実施形態において、ピボットロッド80は、ボタンヘッド84を有する細長状のシャンク82を含み、図7で示す実施例に関連して上述した方法で実装してもよい。さらに、ピボットロッド80は、図5に示すような対応する第2エッジ・エクステンションのロック機構によって係合される保持機能部86をさらに備える。図示の実施形態において、保持機能部86は、ピボットロッド80の外周を取り囲む環状チャンネル(annular channel)として実装される。従って、平坦面は備えられておらず、また保持機能部86に係合するロック機構は、ピボットロッドの回転を阻止しない。当然ながら、保持機能部86に係合するロック機構は、依然としてピボットロッド80の横方向の移動を阻止するように作用し、その結果、ピボットロッド80が意図せず外れる可能性が、より少なくなる。
【0059】
図24は、図23に示すピボットロッド80が受容されている第2エッジ・エクステンション94を有するリンク・エレメント90の部分断面図である。これからわかるように、保持機能部86は、ピボットロッド80の横方向の移動を阻止するために、ロック機構96によって係合される。図示される実施形態ではまた、ピボットロッド80がコンベヤベルトの作動の方向に前後にスライドできるようにし、その一方でロック機構96(明瞭化のため1個のみを示す)によって係合される。
【0060】
前述したように、ボタンヘッドの幾何学的な形状は、例えば図7乃至図9に示すのとは異なるように実装することが可能である。これに関して、ボタンヘッドは大なる寸法及び小なる寸法を有し、ボタンヘッドは、第1エッジ・エクステンションの外端開口部と向きを平行にして、外端開口部へと嵌入され、小なる寸法の向きが平行にならならずボタンヘッドが第1エッジ・エクステンションの保持されるように回転されるといったような前述したように機能できるあらゆる適切な形状を有してよい。これに関して、以下にさらに詳述する図25乃至図27は、本発明によるコンベヤベルトで使用することができるボタンヘッドについての様々な実施形態を示す。これらの様々な実施形態は、図14乃至図18に対する上述したものと実質的に同一なように機能することに留意されたい。
【0061】
図25は、第1エッジ・エクステンション20に受容される別の実施形態によるピボットロッド16のボタンヘッド110についての斜視図であり、第1エッジ・エクステンション20の部分断面図のみを示している。図示の実施形態からわかるように、ボタンヘッド110は、長方形の形状を用いて実装される。さらに、図示の実施例では、ボタンヘッド110は、ピボットロッド16の細長状のシャンク38に対して偏心しており、その結果、長方形のボタンヘッド110の一終端が細長状のシャンク38に取り付けられる。従って、ボタンヘッド110のDminはボタンヘッドの幅であり、一方でDminはボタンヘッドの長さである。
【0062】
使用の際、ボタンヘッド110は、まずボタンヘッド110のDminが開口部22と向きが同じになるように配置され、その結果ボタンヘッド110が通過できる。その後このボタンヘッド110は、開口部22と向きが同じにならないように回転又は配向され、図25で明示される通り端側壁(edge wall)23による第1エッジ・エクステンションで保持される。当然ながら、第2エッジ・エクステンション中のロック機構によって係合されるピボットロッドについて備えられてもよい保持機能部は、前述したのと同一又は類似なように実装してもよい。従って、この保持機能部についての説明は、繰り返しを避けるために省略する。
【0063】
図26は、第1エッジ・エクステンション20で受容される、さらに別の実施形態におけるボタンヘッド120の斜視図である。図示の実施形態からわかるように、ボタンヘッド120は、正方形を有するように実装される。本実施例で、ボタンヘッド120のDminは、平坦な側面の辺の間のボタンヘッドの幅であり、その一方でDmaxは、その角の間のボタンヘッドの対角線である。使用の際、ボタンヘッド120は、最初にその両辺が外端開口部22と向きが同じになるように配置され、その結果、ボタンヘッド120は通過することができる。このボタンヘッド120は、その後、図26に明示されるように、その両辺が外端開口部22と向きが異なるように回転又は配向され、このボタンヘッド120は、ボタンヘッド120の角によって保持される。
【0064】
図27は、第1エッジ・エクステンション20で受容される、さらに別の実施形態におけるボタンヘッド120の斜視図である。図示の実施形態からわかるように、このボタンヘッド120は、ピボットロッド16の細長状のシャンクに対して偏心する円形形状を用いて実装され、円柱形状のボタンヘッド120の一終端は、細長状のシャンクの端に取り付けられる。本実施例では、たとえボタンヘッド120が大なる寸法及び小なる寸法を含まないとしても、ボタンヘッド120は、細長状のシャンクに対しボタンヘッド120が偏心することで、ピボットロッド16を保持するために、前述の方法で使用することができる。とりわけ、使用の際、ボタンヘッドは、最初に、偏心する円形形状のボタンヘッド120が開口部22を通過するよう配向して配置される。ボタンヘッド120は、その後、細長状のシャンクの表面を超えて延出するボタンヘッドのカムローブ状(cam lobe)の部分が、外端開口部22と向きが同じにならないように、回転又は配向される。これに対応して、向きが同じでない場合に、ボタンヘッド120のカムローブ状の部分は、図27に明瞭に示されるようにピボットロッド16を保持する。
【0065】
図28は、本発明の別の例での実施形態による、相互に嵌合する過程にある一対のリンク・エレメントの斜視図である。本実施形態において、第1エッジ・エクステンション20は、ピボットロッドの細長状のシャンク(shank)を嵌入できるように、且つボタンヘッド134が第1エッジ・エクステンション20で受容できるよう通過するように寸法設定した、開口部22を備える。これらからわかるように、このボタンヘッド134は円形であり、本実施例では、ピボットロッドの細長状のシャンクと同軸である。 このように、ボタンヘッド134は、先の実施形態で述べたような方法で大なる寸法又は小なる寸法を有しない。
【0066】
その代わり、ピボットロッドの保持部は、図29に示すように隣接するリンク・エレメントの第1エッジ・エクステンション20の支持面136に係合する第1エッジ・エクステンション20の終端の追従端上に延出部138が備えられることによって実現される。なぜならば、延出部138が支持面136と接触するため、隣接するリンク・エレメントが図29に示すような作動位置中に同一平面上にあるように回転する際に、隣接するリンク・エレメント12は、延出部138の端部に到達するまで相互に押し合うからである。このように、このリンク・エレメントは、回転により同一平面上にある際には延出する構造となっている。これに対応して、ピボットロッドは、リンク・エレメントのスロット状の開口部内で移動し、ピボットロッドのボタンヘッド134は、開口部22に対して向きが同じにならないようになり、ボタンヘッド134とピボットロッドとが意図せず外れる のを回避する。当然ながら、本実施形態において、延出部138は、延出した構成でリンク・エレメントを配置するように利用されるが、あらゆる適切な機能部又は機構は、この結果を達成し、且つ隣接するリンク・エレメントが入れ子になるのを回避するために、使用してよい。
【0067】
また理解されるように、ボタンヘッド134、及びそれに対応しピボットロッド、の嵌入及び取り外しは、図28に示すようにボタンヘッド134が第1エッジ・エクステンション20の開口部が再度向きになるように、リンク・エレメントをピボットさせることによってのみ達成できる。本実施形態の顕著な利点は、ボタンヘッドがピボットロッドの細長状のシャンク(shank)と完全に左右対称且つ同軸であってもよく、それにより製造コストを最小限にしている。しかしながら、図28及び図29についての記載した実施例の不利な点は、延出部138は、上記の機能部が備えられた端部により、コンベヤベルトを入れ子にすること又は分解(collapsing)することを回避するか大幅に制限する。
【0068】
図30乃至図32は、本発明の別の実施形態による、リンク・エレメント13同士を相互接続させるのに使用されるピボットロッド142の様々な図を示している。図示した実施形態のピボットロッド142それぞれは、図23のピボットロッドに示すのと同じように、ボタンヘッドと反対の終端に溝を備える。ピボットロッド142は、前述したように、図31の部分断面図に明瞭に示されているように、第2エッジ・エクステンション30に備えられたロック機構32、34により係合してもよい。
【0069】
しかしながら、本実施形態では、各ピボットロッド142はまた、その終端に向かって延出平面144を有し、延出平面144は、ボタンヘッドの大なる寸法に対して垂直に配置することが望ましい。従って延出平面144は、ピボットロッド142が略「D」形の横断面を有するように実装される。当然ながら、他の実施形態では、ピボットロッド142は、四角形、長方形、楕円形など、あらゆる実用上の円ではない形の断面形を有するように実装してよい。本実施形態では、図32に明瞭に示すように、延出平面144は、延出平面144を横断するピボットロッド142の断面の高さが、リンク・エレメント13のスロット状の開口部150の高さに対応するようにも実装されている。従って、スロット状の開口部150と延出平面144に沿ったピボットロッド142との密接に対応した寸法により、ピボットロッド142はリンク・エレメント13で回転について相互に係合されるため、それらは同時にのみ回転可能となる。
【0070】
使用の際、ピボットロッド142の対向終端に備えられたボタンヘッド(図示されず)は、第1エッジ・エクステンション(図示されず)の細長い凹部に嵌入されるように向けられ、ピボットロッドは、前述した実施形態に関する上述のように第1エッジ・エクステンションに挿入される。ピボットロッドのボタンヘッドに対する延出平面144の向きにより、第2エッジ・エクステンション30を有するリンク・エレメント13を、第1エッジ・エクステンションの方向に対して垂直に向ける必要がある。上記の直交する向きでは、ピボットロッド142は、ボタンヘッドが第1エッジ・エクステンションの開口部に受け入れられるようにさらに深く嵌入できるため、延出平面144を有するピボットロッドの対向終端は、ピボットロッド142の溝が第2エッジ・エクステンション30のロック機構32、34によって係合されるまで、リンク・エレメント13のスロット状の開口部150で受容できる。
【0071】
リンク・エレメント13をコンベヤベルトの他のリンク・エレメントと同一平面上になるようにピボットさせる際に、上述のように延出平面144およびスロット状の開口部150の寸法により、リンク・エレメント13に回転について相互に係合されているため、ピボットロッド142も回転する。このピボットロッド142の回転により、ピボットロッド142の対向終端にあるボタンヘッドも回転するため、もはや開口部とは向きが同じにならず、その結果、第1エッジ・エクステンションとピボットロッドとが意図せず外れるのを回避するよう保持される。
【0072】
図33乃至図35は、本発明のさらに別の実施形態による、ピボットロッド160の様々な図を示している。図33および図34は、リンク・エレメント13の第2エッジ・エクステンション30に受容されたピボットロッド160を示し、明瞭な部分断面となっている。図35は、リンク・エレメント12の第1エッジ・エクステンション20に受容されたピボットロッド160の対向終端であり、これもまた明瞭に示す部分断面となっている。以下に詳述するように、本実施形態のピボットロッド160は、その両端に、ボタンヘッド164と溝166および167の両方を備える。
【0073】
特に、図33および図34に示す通り、ピボットロッド160の一終端の溝166、167は、前述のように第2エッジ・エクステンション30に備えられたロック機構32、34によってそれぞれ係合される。本実施形態で楕円形状をしているボタンヘッド164は、コンベヤベルトで使用されるリンク・エレメントのスロット状の開口部に差し込むことができるよう寸法設定される。この点に関して、リンク・エレメント12の第1エッジ・エクステンションの部分断面図を示す図35に明瞭に示されている通り、第1エッジ・エクステンション20は、ピボットロッド160を嵌入することができる開口部22を有する。また、ボタンヘッド164がピボットロッド160の両終端に備えられているため、コンベヤベルトで使用されるリンク・エレメントのスロット状の開口部170は、ある向きではボタンヘッド164が通過できるように寸法設定される。
【0074】
従って、使用に際して、ピボットロッド160は、ボタンヘッド164が第1エッジ・エクステンション20の開口部22と、コンベヤベルトで使用されるリンク・エレメントのスロット状の開口部と、リンク・エレメント13の第2エッジ・エクステンション30に備えられたロック機構32、34に嵌入できるように配向される。ピボットロッド160は、ロック機構32、34がそれぞれ回転し、前述したように溝166および167に係合する。そのように回転させると、ピボットロッド160の対向終端のボタンヘッド164は、第1エッジ・エクステンション20の開口部22で受容されるが、開口部22と向きが同じにならないため、ピボットロッド160が意図せず外れるのを回避する。ピボットロッド160の両終端に、ボタンヘッド164と溝166、167の両方を備えることにより、ピボットロッドの両終端を全く同様に製造することが可能となる。また、本実施形態では、ピボットロッド160の終端は、どちらを先に設置してもよいため、設置が容易となる。
【0075】
本発明による種々の実施形態が示され且つ記述されたが、本発明はそれらに限定されないことが理解される。本発明は、当業者により変更・修正してよく、また当業者によってさらなる応用を施してもよい。従って、本発明は、上述した詳細に限定されるものではなく、全ての変更及び修正を含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の一実施形態によるコンベヤベルトの小断片の形状の構造図である。
【図2】本発明の一実施形態による第1エッジ・エクステンションを有するリンク・エレメントの拡大斜視図である。
【図3】図2に示すリンク・エレメントの断面図である。
【図4】第1エッジ・エクステンションを有するリンク・エレメントの端面図である。
【図5】本発明の一実施例による第2エッジ・エクステンションを有するリンク・エレメントの斜視図である。
【図6】図5のリンク・エレメントの断面図である。
【図7】一実施例によるピボットロッドの斜視図である。
【図8】図7に示すピボットロッドの拡大上面図である。
【図9】図7に示すピボットロッドの拡大側面図である。
【図10】第1および第2エッジ・エクステンションによるピボットロッドの保持を示す、図1のコンベヤベルトの部分断面図である。
【図11】一実施例による第1エッジ・エクステンション中に保持されるボタンヘッドの斜視図である。
【図12】図11に示す第1エッジ・エクステンション中に保持されるボタンヘッドの正面図である。
【図13】一実施例による第2エッジ・エクステンションのロック機構によって係合している保持機能部の斜視図である。
【図14】第1エッジ・エクステンションの外端開口部に対してボタンヘッドの向きを同じにさせることおよび嵌入を示す図である。
【図15】ボタンヘッドが第1エッジ・エクステンションで受容できるように図14のピボットロッドのさらなる嵌入を示す図である。
【図16】ロック機構が、その間にピボットロッドを受容するために開いて第2エッジ・エクステンションに嵌入されるピボットロッドの部分断面図である。
【図17】ボタンヘッドが第1エッジ・エクステンションの外端開口部に対して向きが同じにならないように第1エッジ・エクステンションで回転するピボットロッドの部分断面図である。
【図18】第1エッジ・エクステンションで受容され、外端開口部に対して向きが同じにならないように配向された、ボタンヘッドの拡大斜視図である。
【図19】ピボットロッド上に備えられた保持機能部の溝に係合するロック機構を有する第2エッジ・エクステンションの部分断面斜視図である。
【図20】図19に示す第2エッジ・エクステンションの部分断面正面図である。
【図21】一実施例による工具機能部を有するボタンヘッドの斜視図である。
【図22】別の実施例による工具機能部を有するボタンヘッドの斜視図である。
【図23】さらに別の実施例によるピボットロッドの斜視図である。
【図24】第2エッジ・エクステンションにおける図23のピボットロッドの嵌入及び保持を示す図である。
【図25】第1エッジ・エクステンションで受容され、外端開口部と対して向きが同じにならないように配向された、さらに別の実施形態によるボタンヘッドの斜視図である。
【図26】第1エッジ・エクステンションで受容され、外端開口部に対して向きが同じにならないように配向された、さらに別の実施形態によるボタンヘッドの斜視図である。
【図27】第1エッジ・エクステンションで受容され、外端開口部に対して向きが同じにならないように配向された、さらにもう一つの実施形態によるボタンヘッドの斜視図である。
【図28】本発明の別の実施例による、互いに嵌合している一対のリンク・エレメントの斜視図である。
【図29】図28の一対のリンク・エレメントの互いに嵌合した一対のリンク・エレメントの斜視図である。
【図30】リンク・エレメント同士を相互接続するために用いられる本発明の別の実施形態によるピボットロッドの形状の構造図である。
【図31】第2エッジ・エクステンションによって保持される図30のピボットロッドの部分断面図である。
【図32】図30のピボットロッドの後部斜視図である。
【図33】第2エッジ・エクステンションで受容される本発明のさらにもう一つの実施形態によるピボットロッドの部分断面図である。
【図34】図33のピボットロッドの正面図である。
【図35】第1エッジ・エクステンションで受容される図33のピボットロッドの部分断面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが、隣接するリンク・エレメントの嵌合エクステンションと嵌合するように寸法設定され、横断ロッド開口部を含む嵌合エクステンションを有する複数のリンク・エレメントと、
前記複数の嵌合エクステンションの前記横断ロッド開口部で受容され、隣接する嵌合したリンク・エレメント同士を相互接続し、一終端にボタンヘッドを有し、このボタンヘッドは、大なる寸法と小なる寸法とを有し、前記大なる寸法は前記小なる寸法より大きいピボットロッドと、
第1の寸法を有する外端開口部を有し、前記第1の寸法は前記ボタンヘッドの前記大なる寸法より小さく前記ボタンヘッドの小なる寸法より大きく、前記ボタンヘッドの前記小なる寸法が前記外端開口部の前記第1の寸法との向きが略一致する場合に、前記ピボットロッドの前記ボタンヘッドが前記外端開口部を通過する第1エッジ・エクステンションと、を備え、
前記ボタンヘッドを回転させることにより前記ボタンヘッドの前記小なる寸法と前記外端開口部の前記第1の寸法部との向きが一致しなくなり、前記第1エッジ・エクステンションに受容される前記ピボットロッドが保持されることを特徴とするコンベヤベルト。
【請求項2】
前記第1の寸法は、前記コンベヤベルトが作動中の配置にある場合に、前記コンベヤベルトに対して略平行となるように、前記外端開口部は、前記第1エッジ・エクステンションに配置されることを特徴とする、請求項1に記載のコンベヤベルト。
【請求項3】
前記外端開口部は、前記コンベヤベルトが進む方向へ開口したスロットであることを特徴とする、請求項1に記載のコンベヤベルト。
【請求項4】
前記ピボットロッドに係合する少なくとも1つのロック機構を有する第2エッジ・エクステンションをさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載のコンベヤベルト。
【請求項5】
前記ピボットロッドは、保持機能部を含み、前記少なくとも1つのロック機構が前記ピボットロッドの回転を阻止するために前記保持機能部に係合することを特徴とする、請求項4に記載のコンベヤベルト。
【請求項6】
前記保持機能部は、少なくとも1つの溝を含むことを特徴とする、請求項5に記載のコンベヤベルト。
【請求項7】
前記ピボットロッドは、前記ボタンヘッドが前記第1エッジ・エクステンション中に受容される場合に、前記少なくとも1つのロック機構が前記ピボットロッドの前記少なくとも1つの溝に係合するような長さを有することを特徴とする、請求項6に記載のコンベヤベルト。
【請求項8】
前記少なくとも1つの溝は、前記ピボットロッド上に、直径方向に互いに対向する一対の平坦面を含むことを特徴とする、請求項6に記載のコンベヤベルト。
【請求項9】
前記少なくとも1つのロック機構は、一対の対向するロック機構であり、前記ロック機構は、弾力的に開いて前記ピボットロッドの前記平坦面に係合することを特徴とする、請求項8に記載のコンベヤベルト。
【請求項10】
前記少なくとも1つの溝は、平坦面を含み、前記少なくとも1つのロック機構が前記平坦面に係合することより前記コンベヤベルトの幅方向に細長状のロッドの横方向の位置を保持することを特徴とする、請求項6に記載のコンベヤベルト。
【請求項11】
前記少なくとも1つのロック機構は、前記ピボットロッドが、コンベヤの作動方向に前後にスライドできるようにすることを特徴とする、請求項4に記載のコンベヤベルト。
【請求項12】
前記少なくとも1つのロック機構は、前記第2エッジ・エクステンションに延出する弾性を有する片持ち部材であり、前記少なくとも1つのロック機構が前記ピボットロッドに係合するためにゆがむことを特徴とする、請求項4に記載のコンベヤベルト。
【請求項13】
前記少なくとも1つの溝は、平坦面を含み、前記ピボットロッド上の前記ボタンヘッドの前記大なる寸法が前記平坦面に略垂直であることを特徴とする、請求項6に記載のコンベヤベルト。
【請求項14】
少なくともいくつかの前記横断ロッド開口部は、前記コンベヤベルトの前記複数のリンク・エレメントが互いに入れ子になることができるためのスロット状の開口部であることを特徴とする、請求項1に記載のコンベヤベルト。
【請求項15】
それぞれが、隣接するリンク・エレメントの嵌合エクステンションと嵌合するように寸法設定された、スロット状の横断ロッド開口部を含む嵌合エクステンションを有する複数のリンク・エレメントと、
前記複数の嵌合エクステンションの前記横断ロッド開口部に受容されることにより、隣接する嵌合したリンク・エレメント同士を相互接続し、一終端に、大なる寸法と小なる寸法とを有して前記大なる寸法は前記小なる寸法部より大きいボタンヘッドを含み、他終端に、保持機能部を含むピボットロッドと、
前記ボタンヘッドの前記大なる寸法より小さく前記ボタンヘッドの小なる寸法よりは大きい第1の寸法を有する外端開口部を有し、前記ボタンヘッドの前記小なる寸法と前記外端開口部の前記第1の寸法との向きを略一致させると前記ボタンヘッドが嵌入され、且つ、前記外端開口部に対して前記ボタンヘッドの向きを一致させないことによって前記ボタンヘッドが保持される第1エッジ・エクステンションと、
前記ピボットロッドの前記保持機能部に係合する少なくとも1つのロック機構を有する第2エッジ・エクステンションと、
を備えることを特徴とする、コンベヤベルト。
【請求項16】
前記保持機能部は、平坦面を有する少なくとも1つの溝を含み、前記ピボットロッド上の前記ボタンヘッドの長軸が、前記平坦面に略垂直に配向されることを特徴とする、請求項15に記載のコンベヤベルト。
【請求項17】
前記コンベヤベルトが作動中の配置にある場合に、前記第1の寸法が前記コンベヤベルトに対して略垂直となるように、前記外端開口部は前記第1エッジ・エクステンションに配置されることを特徴とする、請求項15に記載のコンベヤベルト。
【請求項18】
前記少なくとも1つの保持機能部は、前記ピボットロッド上に直径方向に互いに対向する平坦面を有する一対の溝を含むことを特徴とする、請求項15に記載のコンベヤベルト。
【請求項19】
前記少なくとも1つのロック機構は、前記ピボットロッド6の回転を阻止するため前記少なくとも1つの溝に係合し、前記ピボットロッドは、コンベヤの作動方向の前後にスライドできることを特徴とする、請求項15に記載のコンベヤベルト。
【請求項20】
前記少なくとも1つのロック機構は、第2エッジ・エクステンションに延出する弾性を有する片持ち部材であり、少なくとも1つのロック機構が前記ピボットロッドに係合するためにゆがむことを特徴とする、請求項15に記載のコンベヤベルト。
【請求項21】
それぞれが、横断ロッド開口部を含む嵌合エクステンションを有する複数のリンク・エレメントを備え、
隣接するリンク・エレメントの前記嵌合エクステンション同士を嵌合し、
一終端に、大なる寸法と小なる寸法とを有するボタンヘッド有するピボットロッドを備え、
前記ボタンヘッドの前記大なる寸法より小さく前記ボタンヘッドの前記小なる寸法より大きい第1の寸法を有する外端開口部を含む第1エッジ・エクステンションを備え、
前記ボタンヘッドの前記小なる寸法と、前記第1エッジ・エクステンションの前記外端開口部の前記第1の寸法との向きと略一致させ、
前記嵌合エクステンションの前記横断ロッド開口部に前記ピボットロッドを嵌入して前記ピボットロッドの前記ボタンヘッドを前記外端開口部に通過させて前記ボタンヘッドを前記第1エッジ・エクステンションに受容させ、
前記第1エッジ・エクステンションに対して前記ピボットロッドの方向を回転させて前記ボタンヘッドの前記小なる寸法と前記外端開口部の前記第1の寸法との向きが一致しないようにすることを含むことを特徴とする、コンベヤベルトを組み立てる方法。
【請求項22】
前記外端開口部に対して前記ボタンヘッドの向きを不一致にさせて前記ピボットロッドのさらなる回転を阻止することをさらに含むことを特徴とする、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記ピボットロッドに係合することによって前記ピボットロッドのさらなる回転を阻止することを特徴とする、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記ピボットロッドに係合する少なくとも1つのロック機構を含む第2エッジ・エクステンションを備えて前記ピボットロッドのさらなる回転を阻止することを特徴とする、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記ピボットロッドは、少なくとも1つのロック機構によって係合される、少なくとも1つの保持機能部を含み前記ピボットロッドのさらなる回転を阻止することを特徴とする、請求項24記載の方法。
【請求項26】
前記ピボットロッドは、前記ボタンヘッドが前記第1エッジ・エクステンションに受容される場合に前記少なくとも1つのロック機構が前記ピボットロッドの前記少なくとも1つの保持機能部に係合するような長さを有することを特徴とする、請求項25記載の方法。
【請求項27】
前記少なくとも1つのロック機構は、前記保持機能部に係合しピボットロッドのさらなる回転を阻止しつつ、前記ピボットロッドがコンベヤ作動方向の前後にスライドできるようにすることを特徴とする、請求項25記載の方法。
【請求項28】
前記少なくとも1つの保持機能部は、平坦面のある溝を含み、前記ピボットロッド上の前記ボタンヘッドの長軸は、前記平坦面に略垂直に配向されることを特徴とする、請求項25記載の方法。
【請求項29】
少なくとも1つのロック機構は、前記第2エッジ・エクステンションに延出する弾性を有する片持ち部材であり、前記少なくとも1つのロック機構が前記ピボットロッドに係合するためにゆがむことを特徴とする、請求項24記載の方法。
【請求項30】
それぞれが横断ロッド開口部のある嵌合エクステンションを有する複数のリンク・エレメントを備え、
隣接する前記リンク・エレメントの前記嵌合エクステンション同士を嵌合し、
一端に大なる寸法と小なる寸法を有するボタンヘッドを有し他端には少なくとも1つの溝を有するピボットロッドを備え、
前記ボタンヘッドの前記大なる寸法より大きい第1の寸法と、前記ボタンヘッドの前記大なる寸法よりも小さい第2の寸法とを有する外端開口部を含む第1エッジ・エクステンションを備え、
前記ボタンヘッドの前記大なる寸法を、前記第1エッジ・エクステンションの前記外端開口部の前記第1の寸法の向きと略一致させ、
前記嵌合エクステンションの前記横断ロッド開口部に前記ピボットロッドを嵌入して前記ピボットロッドの前記ボタンヘッドを前記外端開口部に通過させて前記ボタンヘッドを前記第1エッジ・エクステンションに受容させ、
前記第1エッジ・エクステンションに対して前記ピボットロッドの方向を回転させて、前記ボタンヘッドの前記大なる寸法と前記外端開口部の前記第1の寸法との向きと異ならせ且つ前記ボタンヘッドを第1エッジ・エレメントに保持させ、
前記少なくとも1つの溝に係合させて前記ピボットロッドのさらなる回転を阻止することを特徴とする、コンベヤベルトを組み立てる方法。
【請求項31】
それぞれが隣接するリンク・エレメントの嵌合エクステンションと嵌合するように寸法設定された嵌合エクステンションを有し、前記嵌合エクステンションは、横断ロッド開口部を有する複数のリンク・エレメントと、
前記複数の嵌合エクステンションの前記横断ロッド開口部に受容され隣接する嵌合したリンク・エレメント同士を相互接続するピボットロッドと、
前記ピボットロッドの一終端にあり前記ピボットロッドの外端周面から延出する突出部を有するボタンヘッドと、
外端開口部を有し、前記外端開口部は、前記ボタンヘッドの向きが一致する場合に前記ボタンヘッドが前記第1エッジ・エクステンションへと嵌入できるように寸法設定され、前記ボタンヘッドが前記外端開口部の向きと一致しない場合に前記第1エッジ・エクステンションから前記ボタンヘッドが外れるのを回避するように寸法設定されている第1エッジ・エクステンションとを備えることを特徴とするコンベヤベルト。
【請求項32】
前記ピボットロッドに係合する少なくとも1つのロック機構を含む第2エッジ・エクステンションをさらに備えることを特徴とする、請求項31に記載のコンベヤベルト。
【請求項33】
前記ピボットロッドは、保持機能部を含み、前記少なくとも1つのロック機構は、前記保持機能部に係合して前記ピボットロッドの回転を阻止することを特徴とする、請求項32記載のコンベヤベルト。
【請求項34】
前記保持機能部は、前記ピボットロッド上に直径方向に互いに対向する少なくとも一対の平坦面を含み、前記少なくとも1つのロック機構は、一対の対向するロック機構であり、弾力的に開いて前記ピボットロッドの前記平坦面に係合することを特徴とする、請求項33記載のコンベヤベルト。
【請求項35】
前記少なくとも1つのロック機構は、前記ピボットロッドがコンベヤの作動する方向の前後にスライドできるようにすることを特徴とする、請求項32記載のコンベヤベルト。
【請求項36】
前記ボタンヘッドは、少なくとも、楕円形状、長方形状、正方形状、円形状と、前記ピボットロッドに対して偏心する形状の少なくとも1つであることを特徴とする、請求項31記載のコンベヤベルト。
【請求項37】
それぞれが横断ロッド開口部のある嵌合エクステンションを有する複数のリンク・エレメントを備え、
隣接するリンク・エレメントの前記嵌合エクステンション同士を嵌合し、
外端周面を超えて延出する突出部を一終端に有するボタンヘッドを備え、
前記ボタンヘッドが前記外端開口部の向きと一致する場合には前記ボタンヘッドが嵌入でき、且つ、前記外端開口部を備える前記ボタンヘッドの向きと一致しない場合には前記ボタンヘッドが外れるのを回避するように寸法設定された前記外端開口部を有する第1エッジ・エクステンションを備え、
前記嵌合エクステンションの前記横断ロッド開口部に前記ピボットロッドを嵌合して隣接するリンク・エレメント同士を相互接続し、
前記第1エッジ・エクステンションの前記外端開口部と、前記ボタンヘッドの前記突出部との向きを略一致させ、
前記第1エッジ・エクステンションに前記ボタンヘッドを嵌入し、
前記第1エッジ・エクステンションの前記外端開口部と向きが一致しないように前記第1エッジ・エクステンションで前記ボタンヘッドを回転させ前記突出部に前記ピボットロッドが外れるのを回避することを特徴とする、コンベヤベルトを組み立てる方法。
【請求項38】
前記外端開口部に対して、前記ボタンヘッドの向きが不一致である場合に、前記ピボットロッドのさらなる回転を阻止することを特徴とする、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記ピボットロッドのさらなる回転を阻止するために前記ピボットロッドに係合する少なくとも1つのロック機構を含む第2エッジ・エクステンションを備え、前記ピボットロッドは、前記少なくとも1つのロック機構によって係合される少なくとも1つの保持機能部を含み、前記ピボットロッドのさらなる回転を阻止することを特徴とする、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記第1エッジ・エクステンションで前記ボタンヘッドを回転させて前記突出部を前記第1エッジ・エクステンションの前記外端開口部と再度向きを一致させ、前記ピボットロッドが外れる
ようにすることをさらに含むことを特徴とする、請求項37に記載の方法。
【請求項41】
前記ボタンヘッドは、少なくとも、楕円形状、長方形状、正方形状、円形状と、前記ピボットロッドに対して偏心する形状の少なくとも1つであることを特徴とする、請求項37に記載の方法。
【請求項42】
それぞれが隣接する前記リンク・エレメントの嵌合エクステンションと嵌合するように寸法設定された嵌合エクステンションを有し、この嵌合エクステンションは、横断ロッド開口部を有する複数のリンク・エレメントと、
前記複数の嵌合エクステンションの前記横断ロッド開口部で受容され隣接する嵌合したリンク・エレメント同士を相互接続するピボットロッドと、
前記ピボットロッドの一端を受容するための外端開口部を有して隣接する第1エッジ・エクステンションの間隔をあけて配置し、且つ、前記隣接する第1エッジ・エクステンションと接触する延出部を含むことで、前記外端開口部に対して前記ピボットロッドの前記終端と向きを一致させないことで前記ピボットロッドが外れるのを回避する第1エッジ・エクステンションと備えることを特徴とするコンベヤベルト。
【請求項43】
それぞれが横断ロッド開口部のある嵌合エクステンションを有する複数のリンク・エレメントを備え、
隣接するリンク・エレメントの前記嵌合エクステンション同士を嵌合し、
前記ピボットロッドの終端を受容するよう寸法設定された外端開口部を有し、延出部を含む第1エッジ・エクステンションを備え、
前記第1エッジ・エクステンションを、隣接する第1エッジ・エクステンションに対して傾け、
前記隣接するリンク・エレメント同士の前記エッジ・エクステンションを相互接続するために前記外端開口部にピボットロッドを嵌入し前記ピボットロッドの終端を前記第1エッジ・エクステンションに受容させ、
前記リンク・レメントが同一平面になるように前記リンク・エレメントの少なくとも1つを回転させ、前記隣接する第1エッジ・エクステンションとの間隔をあけて配置し前記延出部を前記隣接する第1エッジ・エクステンションと接触させ、且つ、前記外端開口部に対して前記第1エッジ・エクステンションで受容される前記ピボットロッドの前記終端と向きを異ならせ、前記ピボットロッドが外れるのを回避することを特徴とする、コンベヤベルトを組み立てる方法。
【請求項1】
それぞれが、隣接するリンク・エレメントの嵌合エクステンションと嵌合するように寸法設定され、横断ロッド開口部を含む嵌合エクステンションを有する複数のリンク・エレメントと、
前記複数の嵌合エクステンションの前記横断ロッド開口部で受容され、隣接する嵌合したリンク・エレメント同士を相互接続し、一終端にボタンヘッドを有し、このボタンヘッドは、大なる寸法と小なる寸法とを有し、前記大なる寸法は前記小なる寸法より大きいピボットロッドと、
第1の寸法を有する外端開口部を有し、前記第1の寸法は前記ボタンヘッドの前記大なる寸法より小さく前記ボタンヘッドの小なる寸法より大きく、前記ボタンヘッドの前記小なる寸法が前記外端開口部の前記第1の寸法との向きが略一致する場合に、前記ピボットロッドの前記ボタンヘッドが前記外端開口部を通過する第1エッジ・エクステンションと、を備え、
前記ボタンヘッドを回転させることにより前記ボタンヘッドの前記小なる寸法と前記外端開口部の前記第1の寸法部との向きが一致しなくなり、前記第1エッジ・エクステンションに受容される前記ピボットロッドが保持されることを特徴とするコンベヤベルト。
【請求項2】
前記第1の寸法は、前記コンベヤベルトが作動中の配置にある場合に、前記コンベヤベルトに対して略平行となるように、前記外端開口部は、前記第1エッジ・エクステンションに配置されることを特徴とする、請求項1に記載のコンベヤベルト。
【請求項3】
前記外端開口部は、前記コンベヤベルトが進む方向へ開口したスロットであることを特徴とする、請求項1に記載のコンベヤベルト。
【請求項4】
前記ピボットロッドに係合する少なくとも1つのロック機構を有する第2エッジ・エクステンションをさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載のコンベヤベルト。
【請求項5】
前記ピボットロッドは、保持機能部を含み、前記少なくとも1つのロック機構が前記ピボットロッドの回転を阻止するために前記保持機能部に係合することを特徴とする、請求項4に記載のコンベヤベルト。
【請求項6】
前記保持機能部は、少なくとも1つの溝を含むことを特徴とする、請求項5に記載のコンベヤベルト。
【請求項7】
前記ピボットロッドは、前記ボタンヘッドが前記第1エッジ・エクステンション中に受容される場合に、前記少なくとも1つのロック機構が前記ピボットロッドの前記少なくとも1つの溝に係合するような長さを有することを特徴とする、請求項6に記載のコンベヤベルト。
【請求項8】
前記少なくとも1つの溝は、前記ピボットロッド上に、直径方向に互いに対向する一対の平坦面を含むことを特徴とする、請求項6に記載のコンベヤベルト。
【請求項9】
前記少なくとも1つのロック機構は、一対の対向するロック機構であり、前記ロック機構は、弾力的に開いて前記ピボットロッドの前記平坦面に係合することを特徴とする、請求項8に記載のコンベヤベルト。
【請求項10】
前記少なくとも1つの溝は、平坦面を含み、前記少なくとも1つのロック機構が前記平坦面に係合することより前記コンベヤベルトの幅方向に細長状のロッドの横方向の位置を保持することを特徴とする、請求項6に記載のコンベヤベルト。
【請求項11】
前記少なくとも1つのロック機構は、前記ピボットロッドが、コンベヤの作動方向に前後にスライドできるようにすることを特徴とする、請求項4に記載のコンベヤベルト。
【請求項12】
前記少なくとも1つのロック機構は、前記第2エッジ・エクステンションに延出する弾性を有する片持ち部材であり、前記少なくとも1つのロック機構が前記ピボットロッドに係合するためにゆがむことを特徴とする、請求項4に記載のコンベヤベルト。
【請求項13】
前記少なくとも1つの溝は、平坦面を含み、前記ピボットロッド上の前記ボタンヘッドの前記大なる寸法が前記平坦面に略垂直であることを特徴とする、請求項6に記載のコンベヤベルト。
【請求項14】
少なくともいくつかの前記横断ロッド開口部は、前記コンベヤベルトの前記複数のリンク・エレメントが互いに入れ子になることができるためのスロット状の開口部であることを特徴とする、請求項1に記載のコンベヤベルト。
【請求項15】
それぞれが、隣接するリンク・エレメントの嵌合エクステンションと嵌合するように寸法設定された、スロット状の横断ロッド開口部を含む嵌合エクステンションを有する複数のリンク・エレメントと、
前記複数の嵌合エクステンションの前記横断ロッド開口部に受容されることにより、隣接する嵌合したリンク・エレメント同士を相互接続し、一終端に、大なる寸法と小なる寸法とを有して前記大なる寸法は前記小なる寸法部より大きいボタンヘッドを含み、他終端に、保持機能部を含むピボットロッドと、
前記ボタンヘッドの前記大なる寸法より小さく前記ボタンヘッドの小なる寸法よりは大きい第1の寸法を有する外端開口部を有し、前記ボタンヘッドの前記小なる寸法と前記外端開口部の前記第1の寸法との向きを略一致させると前記ボタンヘッドが嵌入され、且つ、前記外端開口部に対して前記ボタンヘッドの向きを一致させないことによって前記ボタンヘッドが保持される第1エッジ・エクステンションと、
前記ピボットロッドの前記保持機能部に係合する少なくとも1つのロック機構を有する第2エッジ・エクステンションと、
を備えることを特徴とする、コンベヤベルト。
【請求項16】
前記保持機能部は、平坦面を有する少なくとも1つの溝を含み、前記ピボットロッド上の前記ボタンヘッドの長軸が、前記平坦面に略垂直に配向されることを特徴とする、請求項15に記載のコンベヤベルト。
【請求項17】
前記コンベヤベルトが作動中の配置にある場合に、前記第1の寸法が前記コンベヤベルトに対して略垂直となるように、前記外端開口部は前記第1エッジ・エクステンションに配置されることを特徴とする、請求項15に記載のコンベヤベルト。
【請求項18】
前記少なくとも1つの保持機能部は、前記ピボットロッド上に直径方向に互いに対向する平坦面を有する一対の溝を含むことを特徴とする、請求項15に記載のコンベヤベルト。
【請求項19】
前記少なくとも1つのロック機構は、前記ピボットロッド6の回転を阻止するため前記少なくとも1つの溝に係合し、前記ピボットロッドは、コンベヤの作動方向の前後にスライドできることを特徴とする、請求項15に記載のコンベヤベルト。
【請求項20】
前記少なくとも1つのロック機構は、第2エッジ・エクステンションに延出する弾性を有する片持ち部材であり、少なくとも1つのロック機構が前記ピボットロッドに係合するためにゆがむことを特徴とする、請求項15に記載のコンベヤベルト。
【請求項21】
それぞれが、横断ロッド開口部を含む嵌合エクステンションを有する複数のリンク・エレメントを備え、
隣接するリンク・エレメントの前記嵌合エクステンション同士を嵌合し、
一終端に、大なる寸法と小なる寸法とを有するボタンヘッド有するピボットロッドを備え、
前記ボタンヘッドの前記大なる寸法より小さく前記ボタンヘッドの前記小なる寸法より大きい第1の寸法を有する外端開口部を含む第1エッジ・エクステンションを備え、
前記ボタンヘッドの前記小なる寸法と、前記第1エッジ・エクステンションの前記外端開口部の前記第1の寸法との向きと略一致させ、
前記嵌合エクステンションの前記横断ロッド開口部に前記ピボットロッドを嵌入して前記ピボットロッドの前記ボタンヘッドを前記外端開口部に通過させて前記ボタンヘッドを前記第1エッジ・エクステンションに受容させ、
前記第1エッジ・エクステンションに対して前記ピボットロッドの方向を回転させて前記ボタンヘッドの前記小なる寸法と前記外端開口部の前記第1の寸法との向きが一致しないようにすることを含むことを特徴とする、コンベヤベルトを組み立てる方法。
【請求項22】
前記外端開口部に対して前記ボタンヘッドの向きを不一致にさせて前記ピボットロッドのさらなる回転を阻止することをさらに含むことを特徴とする、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記ピボットロッドに係合することによって前記ピボットロッドのさらなる回転を阻止することを特徴とする、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記ピボットロッドに係合する少なくとも1つのロック機構を含む第2エッジ・エクステンションを備えて前記ピボットロッドのさらなる回転を阻止することを特徴とする、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記ピボットロッドは、少なくとも1つのロック機構によって係合される、少なくとも1つの保持機能部を含み前記ピボットロッドのさらなる回転を阻止することを特徴とする、請求項24記載の方法。
【請求項26】
前記ピボットロッドは、前記ボタンヘッドが前記第1エッジ・エクステンションに受容される場合に前記少なくとも1つのロック機構が前記ピボットロッドの前記少なくとも1つの保持機能部に係合するような長さを有することを特徴とする、請求項25記載の方法。
【請求項27】
前記少なくとも1つのロック機構は、前記保持機能部に係合しピボットロッドのさらなる回転を阻止しつつ、前記ピボットロッドがコンベヤ作動方向の前後にスライドできるようにすることを特徴とする、請求項25記載の方法。
【請求項28】
前記少なくとも1つの保持機能部は、平坦面のある溝を含み、前記ピボットロッド上の前記ボタンヘッドの長軸は、前記平坦面に略垂直に配向されることを特徴とする、請求項25記載の方法。
【請求項29】
少なくとも1つのロック機構は、前記第2エッジ・エクステンションに延出する弾性を有する片持ち部材であり、前記少なくとも1つのロック機構が前記ピボットロッドに係合するためにゆがむことを特徴とする、請求項24記載の方法。
【請求項30】
それぞれが横断ロッド開口部のある嵌合エクステンションを有する複数のリンク・エレメントを備え、
隣接する前記リンク・エレメントの前記嵌合エクステンション同士を嵌合し、
一端に大なる寸法と小なる寸法を有するボタンヘッドを有し他端には少なくとも1つの溝を有するピボットロッドを備え、
前記ボタンヘッドの前記大なる寸法より大きい第1の寸法と、前記ボタンヘッドの前記大なる寸法よりも小さい第2の寸法とを有する外端開口部を含む第1エッジ・エクステンションを備え、
前記ボタンヘッドの前記大なる寸法を、前記第1エッジ・エクステンションの前記外端開口部の前記第1の寸法の向きと略一致させ、
前記嵌合エクステンションの前記横断ロッド開口部に前記ピボットロッドを嵌入して前記ピボットロッドの前記ボタンヘッドを前記外端開口部に通過させて前記ボタンヘッドを前記第1エッジ・エクステンションに受容させ、
前記第1エッジ・エクステンションに対して前記ピボットロッドの方向を回転させて、前記ボタンヘッドの前記大なる寸法と前記外端開口部の前記第1の寸法との向きと異ならせ且つ前記ボタンヘッドを第1エッジ・エレメントに保持させ、
前記少なくとも1つの溝に係合させて前記ピボットロッドのさらなる回転を阻止することを特徴とする、コンベヤベルトを組み立てる方法。
【請求項31】
それぞれが隣接するリンク・エレメントの嵌合エクステンションと嵌合するように寸法設定された嵌合エクステンションを有し、前記嵌合エクステンションは、横断ロッド開口部を有する複数のリンク・エレメントと、
前記複数の嵌合エクステンションの前記横断ロッド開口部に受容され隣接する嵌合したリンク・エレメント同士を相互接続するピボットロッドと、
前記ピボットロッドの一終端にあり前記ピボットロッドの外端周面から延出する突出部を有するボタンヘッドと、
外端開口部を有し、前記外端開口部は、前記ボタンヘッドの向きが一致する場合に前記ボタンヘッドが前記第1エッジ・エクステンションへと嵌入できるように寸法設定され、前記ボタンヘッドが前記外端開口部の向きと一致しない場合に前記第1エッジ・エクステンションから前記ボタンヘッドが外れるのを回避するように寸法設定されている第1エッジ・エクステンションとを備えることを特徴とするコンベヤベルト。
【請求項32】
前記ピボットロッドに係合する少なくとも1つのロック機構を含む第2エッジ・エクステンションをさらに備えることを特徴とする、請求項31に記載のコンベヤベルト。
【請求項33】
前記ピボットロッドは、保持機能部を含み、前記少なくとも1つのロック機構は、前記保持機能部に係合して前記ピボットロッドの回転を阻止することを特徴とする、請求項32記載のコンベヤベルト。
【請求項34】
前記保持機能部は、前記ピボットロッド上に直径方向に互いに対向する少なくとも一対の平坦面を含み、前記少なくとも1つのロック機構は、一対の対向するロック機構であり、弾力的に開いて前記ピボットロッドの前記平坦面に係合することを特徴とする、請求項33記載のコンベヤベルト。
【請求項35】
前記少なくとも1つのロック機構は、前記ピボットロッドがコンベヤの作動する方向の前後にスライドできるようにすることを特徴とする、請求項32記載のコンベヤベルト。
【請求項36】
前記ボタンヘッドは、少なくとも、楕円形状、長方形状、正方形状、円形状と、前記ピボットロッドに対して偏心する形状の少なくとも1つであることを特徴とする、請求項31記載のコンベヤベルト。
【請求項37】
それぞれが横断ロッド開口部のある嵌合エクステンションを有する複数のリンク・エレメントを備え、
隣接するリンク・エレメントの前記嵌合エクステンション同士を嵌合し、
外端周面を超えて延出する突出部を一終端に有するボタンヘッドを備え、
前記ボタンヘッドが前記外端開口部の向きと一致する場合には前記ボタンヘッドが嵌入でき、且つ、前記外端開口部を備える前記ボタンヘッドの向きと一致しない場合には前記ボタンヘッドが外れるのを回避するように寸法設定された前記外端開口部を有する第1エッジ・エクステンションを備え、
前記嵌合エクステンションの前記横断ロッド開口部に前記ピボットロッドを嵌合して隣接するリンク・エレメント同士を相互接続し、
前記第1エッジ・エクステンションの前記外端開口部と、前記ボタンヘッドの前記突出部との向きを略一致させ、
前記第1エッジ・エクステンションに前記ボタンヘッドを嵌入し、
前記第1エッジ・エクステンションの前記外端開口部と向きが一致しないように前記第1エッジ・エクステンションで前記ボタンヘッドを回転させ前記突出部に前記ピボットロッドが外れるのを回避することを特徴とする、コンベヤベルトを組み立てる方法。
【請求項38】
前記外端開口部に対して、前記ボタンヘッドの向きが不一致である場合に、前記ピボットロッドのさらなる回転を阻止することを特徴とする、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記ピボットロッドのさらなる回転を阻止するために前記ピボットロッドに係合する少なくとも1つのロック機構を含む第2エッジ・エクステンションを備え、前記ピボットロッドは、前記少なくとも1つのロック機構によって係合される少なくとも1つの保持機能部を含み、前記ピボットロッドのさらなる回転を阻止することを特徴とする、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記第1エッジ・エクステンションで前記ボタンヘッドを回転させて前記突出部を前記第1エッジ・エクステンションの前記外端開口部と再度向きを一致させ、前記ピボットロッドが外れる
ようにすることをさらに含むことを特徴とする、請求項37に記載の方法。
【請求項41】
前記ボタンヘッドは、少なくとも、楕円形状、長方形状、正方形状、円形状と、前記ピボットロッドに対して偏心する形状の少なくとも1つであることを特徴とする、請求項37に記載の方法。
【請求項42】
それぞれが隣接する前記リンク・エレメントの嵌合エクステンションと嵌合するように寸法設定された嵌合エクステンションを有し、この嵌合エクステンションは、横断ロッド開口部を有する複数のリンク・エレメントと、
前記複数の嵌合エクステンションの前記横断ロッド開口部で受容され隣接する嵌合したリンク・エレメント同士を相互接続するピボットロッドと、
前記ピボットロッドの一端を受容するための外端開口部を有して隣接する第1エッジ・エクステンションの間隔をあけて配置し、且つ、前記隣接する第1エッジ・エクステンションと接触する延出部を含むことで、前記外端開口部に対して前記ピボットロッドの前記終端と向きを一致させないことで前記ピボットロッドが外れるのを回避する第1エッジ・エクステンションと備えることを特徴とするコンベヤベルト。
【請求項43】
それぞれが横断ロッド開口部のある嵌合エクステンションを有する複数のリンク・エレメントを備え、
隣接するリンク・エレメントの前記嵌合エクステンション同士を嵌合し、
前記ピボットロッドの終端を受容するよう寸法設定された外端開口部を有し、延出部を含む第1エッジ・エクステンションを備え、
前記第1エッジ・エクステンションを、隣接する第1エッジ・エクステンションに対して傾け、
前記隣接するリンク・エレメント同士の前記エッジ・エクステンションを相互接続するために前記外端開口部にピボットロッドを嵌入し前記ピボットロッドの終端を前記第1エッジ・エクステンションに受容させ、
前記リンク・レメントが同一平面になるように前記リンク・エレメントの少なくとも1つを回転させ、前記隣接する第1エッジ・エクステンションとの間隔をあけて配置し前記延出部を前記隣接する第1エッジ・エクステンションと接触させ、且つ、前記外端開口部に対して前記第1エッジ・エクステンションで受容される前記ピボットロッドの前記終端と向きを異ならせ、前記ピボットロッドが外れるのを回避することを特徴とする、コンベヤベルトを組み立てる方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【公表番号】特表2009−514761(P2009−514761A)
【公表日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−540022(P2008−540022)
【出願日】平成18年9月18日(2006.9.18)
【国際出願番号】PCT/US2006/036210
【国際公開番号】WO2007/055801
【国際公開日】平成19年5月18日(2007.5.18)
【出願人】(506278370)アシュワース・ブロス・インク (2)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年9月18日(2006.9.18)
【国際出願番号】PCT/US2006/036210
【国際公開番号】WO2007/055801
【国際公開日】平成19年5月18日(2007.5.18)
【出願人】(506278370)アシュワース・ブロス・インク (2)
【Fターム(参考)】
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