説明

「回転泳ぎ」

【課題】静かにゆっくり無理なく、しかも長時間泳げる泳法を提供する。
【解決手段】身体全体をスクリューの様に回転させて泳ぐ泳法である。クロールに似たこの「回転泳ぎ」は身体をスクリューの羽根を意識し回転させて推進するため、ある程度勢いのある身体の回転が必要になる。身体の回転は高く水上に上げた腕を、勢いよく水中にスクリューのらせん形状態で差込むことで得られる。そしてその回転を補助する手のかき、足のキックにより回転力や推進力を継続していく。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水泳の泳法においての「回転泳ぎ」に関する。
【背景技術】
【0002】
水泳を行うと無理して早く泳ごうとするため、体力が持続せず休憩をしてしまう。。
それなので、力まずにゆったり、優雅に泳げる方法を追求したい。
長時間、休憩なしで泳ぎ続けることができれば、達成感や充実感は絶大なものである。
静かにゆっくり無理なく、しかも永く泳ぐことを追求する水泳があっても良いと思う。
クロールに似たこの「回転泳ぎ」は身体全体をスクリューの様に回転させて泳ぐのが特徴で、とても静かでゆったりした泳法である。
鯨が横になりひれを水面に立てる様に腕を高らかに上げ、そして一気に水中へスクリューの羽の様に差込んいく。
腕の差込み、手のかき、足のキックにより身体を回転させることで、スクリューの様に推進力を得てゆっくり進んでいく。
この泳法は腕や足の激しい動きが少ないため、水しぶきを上げることも無く静かにゆっくり長時間泳げる泳法である。
ゆっくりした泳ぎなので、身体に無理をかけることがなく、激しい泳ぎの後に「回転泳ぎ」を行えば、体力の回復も期待することができ、からだにやさしい泳ぎ方である。
体力をあまり使わず長時間泳げるので、エコ的な泳法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【特許文献1】
【非特許文献】
【非特許文献1】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
静かにゆっくり無理なく、しかも長時間泳げる泳法を追求する。
本発明は身体全体をスクリューの様に回転させて泳ぐ泳法である。
クロールに似たこの「回転泳ぎ」は身体をスクリューの羽根を意識し回転させて推進するため、ある程度勢いのある身体の回転が必要になる。
身体の回転は高く水上に上げた腕を、勢いよく水中にスクリューのらせん形状態で差込むことで得られる。
そしてその回転を補助する手のかき、足のキックにより回転力や推進力を継続していく。
静かでゆっくりした泳ぎなので、長時間泳げるからだにやさしい泳ぎ方である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は上記目的を達成するために考案された、「回転泳ぎ」である。
この泳ぎの特徴は利き腕側(呼吸側)の腕を水面上に高く上げ(鯨のひれ立て状態)、勢いよく腕を水中に身体を回転させる方向へ差込むところにある。
この泳ぎには無理なく泳げるパターン1(利き腕側だけ腕の差込みを行う)と効率よく泳げるパターン2(両側の腕の差込みを行う)の2種類がある。
パターン1は0°(図面1参照:利き腕側だけ腕の差込みを行う)の位置で腕の差込みを行う。
パターン2は0°、180°(図面2参照:両側の腕で差込みを行う)の位置で腕の差込みを行う。
パターン1は片側(0°の位置)で腕の差込みを行う。
全身を伸ばし、利き腕を上に高く上げる(鯨のひれ立て状態)。
上げた腕をスクリューの様にらせん形に曲げて勢いよく水中に差し込む。
腕を差込む勢いで身体を回転させる。
利き腕を水中に差込むと同時に、反対の腕で前方から後方へ水をかく。
それとほぼ同時に、手で水をかく側の足で身体の回転を補助するために一回キックする。
キックした足を下にし、反対の足を上から重ね、できるだけらせん形状態にする。
身体の回転は180°まで到達させる。
差込んだ利き腕はそのまま前方にらせん形に曲げておき、利き腕でない腕は手かきを行った後はゆっくり水面上に上げ、腕を回して利き腕と重なるように前方に持ってくる。
利き腕でない方の腕は前方に伸ばしたままの状態で動かさない。
身体を回転させる腕の差込みがないため、身体を回転させるために一回キックを行う。
キックした足を下にし、反対の足を上から重ね、できるだけらせん形状態にする。
ゆっくり回転する中で、利き腕で水中を前方から後方へしっかりかく。
身体が回転している間に息をゆっくり吐き、息継ぎの準備に入る。
身体が息継ぎを行える位置まで来たら、息継ぎを行うと同時に、利き腕を水上に高く上げ、腕を水中に落としこむ体勢に入る(鯨のひれ立て状態)。
これでパターン1の一サイクルが終了する。
パターン2:より効率よく泳ぐには、両側(0°、180°の位置)で両側の腕で差込みを行う。
左右の腕で同じ動作を行うので、より練習が必要になる。
全身を伸ばし、利き腕を上に高く上げる(鯨のひれ立て状態)。
差込む腕はスクリューの様にらせん形に曲げて勢いよく水中に差し込む。
腕を差込む勢いで身体を回転させる。
利き腕を水中に差込むと同時に、反対の腕で前方から後方へ水をかく。
それとほぼ同時に、手で水をかく側の足で身体の回転を補助するために一回キックする。
キックした足を下にし、反対の足を上から重ね、できるだけらせん形状態にする。
身体の回転は180°まで到達させる。
利き腕の差込んだ後、反対側の腕は手かきの後、身体が180°に到達するまでにゆっくり水面上に高らかに上げる(鯨のひれ立て状態)。
上方の腕は身体が180°に到達すると同時に真上から勢いよく腕をスクリューの様に素早く曲げて水中に差込む。
次に身体を180°反転させる体勢に入る。
利き腕で水中を前方から後方へしっかりかき、同じ側の足で一度身体を回転させるために一回キックを行う。
キックした足を下にし、反対の足を上から重ね、できるだけらせん形状態にする。
身体が回転している間に息をゆっくり吐き、息継ぎの準備に入る。
身体が息継ぎを行える位置まで来たら、息継ぎを行うと同時に、利き腕を水上に高く上げ、勢いよく腕を水中に差込む体勢に入る(鯨のひれ立て状態)。
これでパターン2の一サイクルが終了する。
足のキックは主として身体の回転の補助、バランスを保持するために行う動作である。
推進力(図面3、6の平面図を参照)は、らせん形状態の腕や足の後ろ側の部分の水が身体を回転することにより、後方に押し出されることで発生する。
【発明の効果】
【0005】
上述したように本発明の「回転泳ぎ」は、身体の回転力、回転を補助する一サイクル一回ずつの手のかき、足のキックから推進力を得て泳ぐため足からの疲労が少ない。
そのためスピードは出ないが、体力の消耗が少ないため長時間ゆっくり泳ぐことが可能である。
泳ぎによるリラックス感を得ることができ、インターバルの中で体力回復泳法としても期待できる。
長時間の泳ぎが可能なので、心肺機能の向上にも期待できる。
少しの体力で長時間ゆっくり優雅に泳げて、充実感、達成感を得ることができるので、とてもエコな泳法である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】「回転泳ぎ」パターン1を示した側面図
【0007】
【図2】「回転泳ぎ」パターン1を示した正面図
【0008】
【図3】「回転泳ぎ」パターン1を示した平面図
【0009】
【図4】「回転泳ぎ」パターン2を示した側面図
【0010】
【図5】「回転泳ぎ」パターン2を示した正面図
【0011】
【図6】「回転泳ぎ」パターン2を示した平面図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図6に基づいて説明する。
図1、2、4、5において1は鯨のひれ立ての様に上げた腕である。
図1〜図6において2は身体の回転方向である。
図1、2、4、5において3は腕の差込み方向である。
図1,3,4,6において4は足をらせん形に重ねた状態である。
図1,2,4,5において5は手の水かき方向である。
図1〜図6において6は腕をらせん形に差込んだ状態である。
図1、4において7は足のキック方向である。
図1、2において8は腕を前方へ伸ばした状態である。
図3、6において9は後方に押し出される水の部分である。
図3、6において10は後方へ押し出される力である。
【産業上の利用可能性】
【0013】
体力をあまり使わずにゆっくり泳げて、しかも長時間水泳を行った充実感や達成感を得ることができる。
また、水泳練習のインターバルの中でこの「回転泳法」を組み込めば、泳ぎながら体力の回復もでき、心肺機能の向上にも期待できる。
【符号の説明】
【0014】
1:鯨のひれ立ての様に上げた腕
2:身体の回転方向
3:腕の差込み方向
4:足をらせん形に重ねた状態
5:手の水かき方向
6:腕をらせん形に差込んだ状態
7:足のキック方向
8:腕を前方へ伸ばした状態
9:後方に押し出される水の部分
10:後方へ押し出される力

【特許請求の範囲】
【請求項1】
片側または両側の腕を鯨のひれ上げのように水面高く上げ、一気にスクリューのらせん形状態にして勢いよく水中に差込むことで、身体を回転させ、その回転力を推進力に変換して泳ぐ泳法
【請求項2】
らせん形状態の腕や足の後ろ側の部分の水を、身体を回転することにより後方に押し出す力で推進する泳法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−187364(P2012−187364A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−71037(P2011−71037)
【出願日】平成23年3月9日(2011.3.9)
【出願人】(510049023)