説明

あんま器

【課題】従来のあんま器は取手である操作部を持ち施療部に装着した2個のボールを使って指圧やあんまをするものがあるが、ボールに十分な押圧力や均等な圧力が掛けにくい問題があった。これはボールが大きく中空であることと施療部と操作部との押圧支点がずれているためである。
【解決手段】略ハート状をなす棒状アームのハート状片辺に無垢のボール2個を装着し、ボールの1個は該ハート状片辺の先端に他の1個は片辺の末端に装着させ、アームの一端には取手とベルトを2個のボールの垂直下に近い位置に設けたことでいずれのボールにも均等な押圧力が掛かるようにした。また、利用者の用途拡張を図るため、取手の先端には凹部を設けている。これは好みのアロマ精油をティシュペーパー等に滴下して凹部にストックすれば精油の揮発によって芳香欲ができるようになっている。さらに、取手下端にはベルトを設け両手を使い分けることで指圧やあんまを好適な状態で使用できるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者の用途拡張を図ったあんま器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のあんま器には、略L字状または弓状をなす棒状のアームの一端に複数のボールを装着させ施療部としている、他端側には取手を設けた操作部で指圧やあんまをするものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
以下、図9により従来のあんま器について説明する。図において、16、18は施療部であり中空のボール2個を略L字状または弓状のアームの一端に装着している。先端のボール16はアーム12にピン22によって固定され移動が出来ないようになっている。ボール18はアーム12に貫通させボールを回しながら移動可能にしている。
【0004】
また、他端に設けた取手14は、主に施療部位への位置決めとして使用されるようになっている。また、取手下端14aは半円球を有し、指圧が出来るようになっている。
【0005】
また、その他の指圧器には、略J字状の棒状アームの一端に1個の施療部と他端に取手を設けて、取手を下に押さえて指圧をするものもある(例えば、非特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平08−38576号 公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】「アテックス 品番ATX−2030」、株式会社アテックス
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
以上に述べた従来のあんま器は、座席、床等と施療部位との間に該指圧器を入れ、自重または自動車等の振動を利用して指圧またはあんまを行うものである。このため、棒状のアームは略L字状または弓状になっており施療部への位置決めには適した形状になっている。しかし、座席、床等を利用しないで、非特許文献1のように取手を持って指圧を実施するには、ボールが大きく中空であるため十分な押圧力を得ることができにくく、得るためにはより多くの力を要する問題がある。
【0009】
また、2個または1個のボールを使って指圧、あんまを実施するには前記略L字状または弓状の形状ではボールと取手との押圧支点がずれるためボールに均等な押圧力が加わらない問題がある。
【0010】
本発明は、前記のような構成で有する問題を解決しょうとするものであり、さらに利用者への用途拡張を図ったものを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
そして、本発明は上記目的を達成するために次の構成を備える。略ハート状をなす棒状アームのハート状片辺に無垢のボール2個を装着し、ボールの1個は該アームの先端に他の1個は片辺の末端に装着させ指圧やあんまができるようにした。また、アームの他端には取手とベルトを設け、2個のボールの垂直下に近い位置に設けたことを特徴とする。
【0012】
さらに、取手の先端には凹部を設けている。これは好みのアロマ精油をティシュペーパー等に滴下して凹部にストックすれば精油の揮発によって芳香欲ができるようにした。さらに、取手下端にはベルトを設け指圧やあんまを好適な状態で使用できるようにした。
【0013】
上記第1の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち、利用者が取手やベルトを持って指圧やあんまをする際に、取手とベルトがボールの垂直下近くに配置しているため各ボールに均等または有効な押圧力がかかるようになっている。
【0014】
また、第2の課題解決手段による作用は、取手先端に芳香欲ができる凹部を設けた。取手は施療の際、常に鼻の位置に近く芳香欲を簡単に行うことができる。また、取手下端にベルトを設けたことで、強弱調整や押さえる、揉むの施療方法が選択できるようになっている。さらに、取手を持って先端に装着している1個のボールを活用すれば叩きの行為が得られるため利用者にはより拡張した施療法を提供できる。
【発明の効果】
【0015】
上述したように本発明のあんま器は、指圧やあんまを実施する際にボール2個及び1個の使い分けをすることで押す、揉む、叩くを選択でき、利用者に好みの施療方法を提供できるようにした。
【0016】
さらに、芳香欲ができるようにしたことで、香りの療法もでき利用者の用途を拡張できるようにした。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係るあんま器の正面図。
【図2】本発明に係るあんま器の断面図。
【図3】1個のボールで指圧をしている実施図。
【図4】2個のボールで肩周辺への指圧及びあんまの実施図。
【図5】1個のボールで叩きをしている実施図。
【図6】座席を利用して、テコの原理を利用した指圧実施図。
【図7】ボールに手を添えて首周辺へのあんま実施図。
【図8】2個のボールを首周辺に当て、あんまと芳香欲をしている実施図。
【図9】従来の指圧器を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図8に基づいて説明する。
【0019】
図1は本発明に係るあんま器の正面図である。図2は本発明に係るあんま器の断面図である。
【0020】
本体符号10は、本発明に係るあんま器である。このあんま器10を構成するアーム11は施療行為に耐える棒状の金属製でありバネ性を有していて略ハート状に形成されている。略ハート状の片辺を施療部とし、アーム状11aに2個のボール15、16を装着している、他端には取手12とベルト13の操作部を設け、取手先端には芳香欲ができる凹部14を備えている。
【0021】
図2を参照に、略ハート状の片辺11aの施療部の取り付け構造について説明する。11aの片辺の先端には非貫通のボール15を装着し、片辺末端には貫通したボール16を装着している。ボールは無垢であり、弾力性のゴムが望ましく大きさは親指面に近い大きさである。
【0022】
一方、略ハート状の棒状アームの他端側に設けた取手12の先端には芳香欲ができる凹部14を備えている。形状は斜めにカットしティシュペーパー等が出し入れしやすくなっている。また、取手12の下端にはベルト13を設け指圧やあんまを実施する際に利用者が強弱の調整や施療方法によって両手を効率よく操作出来るようになっている。
【0023】
以下、上記構成の実施例について説明する。図4は2個のボール15,16を肩周辺にあて取手12を手21で持ち一方の手20はベルト13を持っている、ベルト13を下に押さえ取手12は前後の動作をすれば取手12とベルト13が支点となり、ボール15,16が交互に押し合いあんまを実施している状態を実現できる。また、利用者によっては取手12を両手で持って実施することもできる。図8も同様の効果を首周辺に得ることができる。頭23を少し垂れボール15,16を首22にあてベルト13を持った手20を下に押さえ取手12を持った手21を左右に動かせばよい。図3はボール15によって取手12を持った手21を下に押さえて行う従来の方法による指圧の実施図である。
【0024】
次に、図5について説明する。取手12を手21で持ち肩を叩く状態を示す図である。ボール15は球形であり叩く角度に関係無く均等に当たる利点を持っている。これは、図3図4、図6、図7及び図8の指圧やあんまを実施する際にも同様の利点を持つ。さらに、ボール15はゴム製であり棒状アームとのバネ作用によって軽い動作で叩くことができる。また、施療部は首、背中、足等々広範囲に実施できるようになっている。
【0025】
次に、図6について説明する。体と座席の背もたれ31との間に本体10を入れボール15によって背中周辺を指圧している状態を示すものである。その際、背もたれ31に棒状アーム11bを支点に手21を上下させればテコの原理で弱い力と小さいストロークで指圧行為ができるようになっている。また、腰や股にも同様の行為を実施することができる。
【0026】
図7について説明する。背もたれ31に手20を置きボール15,16を添えて首周辺にあて取手12を左右に動かせば上記述べたボール15、16が交互に押し合い揉む機能を実現することができる。また、頭部や側頭部にも同様の行為によって揉むことができる。またボールに手を添えることで施療部位への移動が簡単にできる。
【0027】
次に、図8によって芳香欲について説明する。取手12の先端に凹部14を設けている。凹部14は斜めにカットしておりティシュペーパー等が出し入れし易くなっており落ちない程度の深さになっている。芳香欲を実施するには、まずティシュペーパー等を凹部14に詰め込みアロマ精油を数滴滴下し、揮発された香りによって芳香欲ができるようになっている。芳香欲は図3〜図8のいずれの療法おいても可能で、これにより指圧やあんまに加えて香りの療法ができることを利用者に提供できる。
【符号の説明】
【0028】
10 あんま器
11 アーム
11a ハート状片辺
12 取手
13 ベルト
14 凹部
15 ボール
16 ボール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
略ハート状をなす棒状アームのハート状片辺(11a)に施療部である2個のボールを装着し、該棒状アームの一端には操作部となる取手(12)とベルト(13)が2個のボールの垂直下に近い位置に具備することを特徴とするあんま器。
【請求項2】
2個であるボール(15)は略ハート状をなす棒状アームのハート状片辺(11a)の先端に非貫通で装着し、もう1個のボール(16)は貫通によって該ハート状片辺(11a)の末端に装着したことを特徴とする請求項1記載のあんま器。
【請求項3】
棒状アームの一端に取り付けた取手(12)の先端にティシュペーパー等をストックする凹部(14)を設け、アロマ精油による芳香欲ができることを特徴とする請求項1記載のあんま器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−30018(P2012−30018A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−181927(P2010−181927)
【出願日】平成22年7月28日(2010.7.28)
【出願人】(591117181)
【Fターム(参考)】