説明

おしぼり自動供給装置の乾布感知装置及びそれに使用される乾布用のボビン

【課題】乾布の有無を検出して使用利便性を向上させるとともに、不良乾布ロールがセットされることを阻止できるおしぼり自動供給装置の乾布感知装置を提供する。
【解決手段】乾布感知機構は、第1軸支持部12の両端に配置された感知端子13、14にボビンシャフト11が接触し、ボビン10の左右に配置された感知端子13、14を導通させ、コントローラと感知端子13、14とボビンシャフト11とボビン10との間に閉回路を形成し、前記ボビンシャフト11が第1軸支持部12から第2軸支持部16へ移動した場合、感知端子13、14とボビンシャフト11との接触が断たれ、乾布2の終了を感知するので、乾布2の有無を検出して使用利便性を向上させるとともに、不良乾布ロールがセットされることを未然に防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロール状に巻回された乾布(Dry towel)を展開して所定長さに切断し、切断した乾布に冷、温水を選択的に噴射ノズルから噴射して湿潤させて供給するおしぼり自動供給装置における乾布の有無を検出する乾布感知装置及びそれに使用される乾布用のボビンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のおしぼり自動供給装置はロール状態の乾布を自動に供給して所定の長さにカッティングし、カッティングした乾布に水を噴射して含浸した後、ロール状態に巻き取り、おしぼりを自動に供給する装置である。このようなおしぼり自動供給装置には乾布収納室に収納されてカッティングユニットに供給される乾布が消尽すると、それを感知する手段が設置されている。
【0003】
一方、日本の公開特許の特開平11−197050号には前記した乾布の有無を感知するため乾布を巻き取っているボビン(主に紙管で製作される)の両側に嵌められるボビンシャフトの軸支持部の下部に感知スイッチを設置し、乾布が消尽し、ボビンと共にボビンシャフトが軸支持部から上昇すると、これを感知スイッチが感知し、電気信号をコントローラに送信して乾布が消尽したことを周囲に警報音などで告知する装置が開示されている。
【0004】
また、一般におしぼりの主材料になる乾布は再生繊維と合成繊維で製造されている。これは、レーヨン100%(再生繊維)、またはレーヨン90%以上、ポリエステル10%(合成繊維)以下の混合比で構成した繊維を使用した物が水分の含浸度及びカッティング時の切断不良の防止に優れているからである。
しかし、最近になって原価の削減等の理由でレーヨンの混合比を下げ、合成繊維の混合比を上げて製造した乾布が市場に流通しており、その事によりユーザーから装置の故障に伴うメンテナンスの要求が頻繁に起きている。そこで、この様な不良乾布の使用を抑止できる装置が切実に要望されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−197050号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記したようなおしぼり自動供給装置の乾布感知装置においては、乾布交換の容易性、作動の安全性を保障しているが、乾布の残っている時、感知スイッチがボビンシャフトによって、常時押された状態を維持し、乾布が消尽した時、感知スイッチのスイッチ端子が上がり、感知するので、しばらく使用しないと感知スイッチの耐久性が低下し、誤作動が頻繁に発生し、望み通りの目的を達成できなかった。
また、従来のおしぼり自動供給装置の乾布感知装置に使用挿着する乾布(タオルロール)はその収納容積の範囲内寸法で製造されている乾布であれば、装着時にその素材構成を全く選別る事なく、装着が可能であり、適正な乾布選別のための機能装置が搭載されていなかった。更に、乾布の有無を検出する機能(リミットスイッチ方式)は付いているが、適正乾布の選別機能は搭載されておらず、不良な乾布を的確に検出することができず、おしぼり自動供給装置の故障に伴う修理が多発すると云う欠点が存在した。
【0007】
この発明は、上記に鑑み提案されたもので、乾布収納室にロール状態で内装された乾布の有無が簡単に感知できる乾布用のボビンおよび乾布感知装置を提供して、おしぼりを使用する時、不良率のない専用の乾布を使用するよう勧め、装置の使用便宜性の増大、及び作動上の信頼性確保、装置の耐久性を向上したおしぼり自動供給装置の乾布感知装置および乾布用のボビンを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成する為に、本発明のおしぼり自動供給装置の乾布感知装置は、乾布収納室に収納されるとともに、ボビンにロール状に巻回された乾布を所定の長さに展開してカットするカッティングユニットと、前記カッティングユニットでカットされた所定長の乾布をその下方に配置されたワインディングユニットに案内する乾布ローディングガイドと、前記乾布ローディングガイドの前方に設置され、水タンクからの水分を乾布に噴射する水噴射ノズルと、前記水噴射ノズルに水タンクからの用水を冷或いは温から選択して供給する噴射ユニットと、前記ボビンに巻回された乾布の終了時にボビンに挿通されたボビンシャフトが第1軸支持部から第2軸支持部へ移動して、乾布の有無を感知し周囲に告知する乾布感知機構とを備えたおしぼり自動供給装置の乾布感知装置であって、前記乾布感知機構は、前記第1軸支持部の両端に配置された感知端子にボビンシャフトが接触し、ボビンの左右に配置された感知端子を導通させ、コントローラと感知端子とボビンシャフトとボビンとの間に閉回路を形成し、前記ボビンシャフトが第1軸支持部から第2軸支持部へ移動した場合、感知端子とボビンシャフトとの接触が断たれ、乾布の終了を感知することを特徴とする。
【0009】
また、本発明のおしぼり自動供給装置の乾布感知装置において、前記ボビンが導通性部材から構成され、左右のボビンシャフトとボビンシャフトの嵌挿されたボビンとで閉回路を形成することを特徴とする。
【0010】
また、本発明のおしぼり自動供給装置の乾布感知装置において、前記ボビンの内周が導通性を有しており、左右のボビンシャフトとボビンの内周とで閉回路を形成することを特徴とする。
【0011】
また、本発明のおしぼり自動供給装置の乾布感知装置において、前記ボビンは紙管で作られ、前記紙管の内周に導電性素材を塗布したことを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、乾布収納室に収納されるとともに、ボビンにロール状に巻回された乾布を所定の長さに展開してカットするカッティングユニットと、前記カッティングユニットでカットされた所定長の乾布をその下方に配置されたワインディングユニットに案内する乾布ローディングガイドと、前記乾布ローディングガイドの前方に設置され、水タンクからの水分を乾布に噴射する水噴射ノズルと、前記水噴射ノズルに水タンクからの用水を冷或いは温から選択して供給する噴射ユニットと、前記ボビンに巻回された乾布の終了時にボビンに挿通されたボビンシャフトが第1軸支持部から第2軸支持部へ移動して、乾布の有無を感知し周囲に告知する乾布感知機構とを備えたおしぼり自動供給装置の乾布感知装置に使用されるボビンであって、ボビンシャフトのボビンに挿通される部位には複数の突出部が形成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
この発明は上記した構成からなるので、以下に説明するような効果を奏することができる。
【0014】
本発明のおしぼり自動供給装置の乾布感知装置では、乾布収納室に収納されるとともに、ボビンにロール状に巻回された乾布を所定の長さに展開してカットするカッティングユニットと、前記カッティングユニットでカットされた所定長の乾布をその下方に配置されたワインディングユニットに案内する乾布ローディングガイドと、前記乾布ローディングガイドの前方に設置され、水タンクからの水分を乾布に噴射する水噴射ノズルと、前記水噴射ノズルに水タンクからの用水を冷或いは温から選択して供給する噴射ユニットと、前記ボビンに巻回された乾布の終了時にボビンに挿通されたボビンシャフトが第1軸支持部から第2軸支持部へ移動して、乾布の有無を感知し周囲に告知する乾布感知機構とを備えたおしぼり自動供給装置の乾布感知装置であって、前記乾布感知機構は、前記第1軸支持部の両端に配置された感知端子にボビンシャフトが接触し、ボビンの左右に配置された感知端子を導通させ、コントローラと感知端子とボビンシャフトとボビンとの間に閉回路を形成し、前記ボビンシャフトが第1軸支持部から第2軸支持部へ移動した場合、感知端子とボビンシャフトとの接触が断たれ、乾布の終了を感知するので、使用利便性を向上させるとともに、不良乾布ロールがセットされることを阻止することができる。
【0015】
また、本発明のおしぼり自動供給装置の乾布感知装置及び乾布用のボビンは、おしぼり自動供給装置の乾布収納室に収納された乾布が消尽した時、これを周囲に告知するが、乾布が巻き取られるボビン及び、ボビンの両側に填まるボビンシャフトを導電性の素材で製作し、前記乾布が消尽するとボビンシャフトの位置が移動し、電気的に導通状態であった感知端子と連結されたコントローラとが遮断され、周囲に告知するので、使用便宜性の増大は勿論、感知手段の誤作動の防止および耐久性の改善ができる。更に、不良乾布の流通を遮断でき、良質の乾布を使用者に供給できるなど、多数の効果を達成できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は本発明に係るおしぼり自動供給装置の乾布感知装置の内部構成を示す端面図である。
【図2】図2は本発明に係るおしぼり自動供給装置に使用する乾布用のボビンとボビンシャフトの一例を示す斜視図である。
【図3】図3は同ボビンとボビンシャフトを使用した乾布感知装置の拡大断面図である。
【図4】図4は同乾布感知装置の他の実施例に係る乾布用のボビンを使用した場合を示す拡大断面図である。
【図5】図5は同乾布感知装置に別の実施例に係る乾布用のボビンを使用した場合を示す拡大断面図である。
【図6】図6は本発明に係るおしぼり自動供給装置の乾布感知装置の作動状態を示し、ボビンシャフトが第1軸支持部にセットされた状態を示す断面図である。
【図7】図7は本発明に係るおしぼり自動供給装置の乾布感知装置の作動状態を示す説明図である。
【図8】図8は同乾布感知装置に使用される別のボビンシャフトを示す斜視図である。
【図9】図9は同乾布感知装置におけるボビンシャフトと感知端子との関係を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、一実施の形態を示す図面に基づいて本発明を詳細に説明する。図1は本発明に係るおしぼり自動供給装置の乾布感知装置の内部構成を示す端面図、図2は本発明に係るおしぼり自動供給装置に使用する乾布用のボビンとボビンシャフトの実施の形態を示す斜視図、図3は同ボビンとボビンシャフトを使用した乾布感知装置の拡大断面図である。ここで、本発明のおしぼり自動供給装置9は、乾布収納室1に収納されるとともに、ボビン10にロール状に巻回された乾布2を所定の長さに展開してカットするカッティングユニット3と、前記カッティングユニット3でカットされた所定長の乾布2をその下方に配置されたおしぼりワインディングユニット4に案内する乾布ローディングガイド5と、前記乾布ローディングガイド5の前方に設置され、水タンク7からの水分を乾布2に噴射する水噴射ノズル6と、前記水噴射ノズル6に水タンクからの用水を冷或いは温から選択して供給する噴射ユニット8と、前記ボビン10に巻回された乾布2の終了時にボビン10に挿通されたボビンシャフト11が第1軸支持部12から第2軸支持部16へ移動して、乾布2の有無を感知し周囲に告知する乾布感知機構23とを備えている。
【0018】
図2に示すように乾布収納室1に収納される乾布2が巻き取られるボビン10は、筒状をしており全体または一部を通電できる導電体で製作し、前記ボビン10の両側に填まるボビンシャフト11も全体または一部を導電性の素材で製作する。更に、ボビン10を紙管10aから構成し、内周に導電性素材10bを塗布或いは貼着してもよい。ボビン10を紙管10aから構成する場合、紙管内周にアルミニウム箔、金箔、銅箔、アルミニウムテープ、銅テープを筒の長手方向に渡って貼り付けることで導電性を得てもよい。
【0019】
また、ボビンの内周に導通性材料を積層させてもよい。導電性素材としては、銅、鉄、アルミニウムを使用することができる。さらに、ボビン10をABS樹脂、POM(Polyoxymethylene)、ポリカーボネート、ナイロン等で成型し、その全体又は一部表面に亜鉛、ニッケル、クローム等のメッキを施してもよい。
【0020】
次に、合成樹脂に対してのメッキ方法について説明する。合成樹脂に対してのメッキは、いかに密着性の良い導電性皮膜をつくるかがポイントであり、ABS樹脂を例とするバラジウムを使用した無電解メッキについて述べる。
1)先ず、脱脂・洗浄工程により、樹脂成型時の離型剤、指紋、油などの汚れ除去する。具体的には、ホウ酸ソーダ20g/リットル・リン酸ソーダ20g/リットル・界面活性剤2g/リットルの洗浄液に3〜5分漬ける。この際の温度は、40℃〜60℃である。
2)次に、エッジング工程でABS樹脂の中のブタジエンを選択的に溶解し素材表面を化学的に粗化する。
具体的には、アンカーに適した凸凹0.2〜0.5μmをつくる。クロム酸400g/リットル溶液に65〜70分漬けた後、硫酸400g/リットル溶液に5〜15分漬ける。
3)中和工程では、表面のクロムコンプレックスを除去する。
具体的には、濃塩酸 50m1/リットル溶液に、室温で30秒〜2分漬ける。
4)キャタリスト工程では、キャタライザー・アクセラレータ法でスズとパラジウムを樹脂表面に吸着させる。
具体的には、塩化パラジウム0.2g/リットル・塩化第一スズ5〜20g/リットル・塩酸100〜200m1/リットル溶液に、室温で2〜5分漬ける。
5)アクセラレータ工程では、スズを除去しパラジウムをメタル化し固定する。
具体的には、硫酸80〜150g/リットルの30℃〜50℃溶液に、2〜6分漬ける。
6)無電解ニッケルメッキ工程では、ニッケル層を0.2〜0.6μm形成する。具体的には、硫酸ニッケル30g/リットル・次亜リン酸ソーダ20g/リットル・クエン酸アンモン5 0 g/リットル溶液で、PH8〜9.5、温度が30℃〜40℃のものに、5分〜10分漬ける。
この様にして、上記パラジウムを核とした無電解メッキにより電導性皮膜が樹脂上に形成され電気メッキが可能となる。
【0021】
ボビン10は、紙管とした場合、紙管の厚みは乾布ロールの自重が400g〜550g位である事から1.0mm〜2.5mm程度の厚みがあれば強度として十分である。また、紙管の内径は機種により相違はあるが18mm〜40mm程度の内径が乾布ロール交換作業には好ましい。また、紙管の長さはロールに巻かれている乾布の幅が100mm〜140mm位である事からロールに巻く時の乾布幅に合わせる事が望ましい。更に、紙管内面に導電体であるテープを貼り付ける場合のテープ幅は8mm〜25mm程度の幅が作業性として良く、テープの長さは紙管の長さと同等が最良である。
【0022】
ボビンシャフト11は、ボビンに巻かれた乾布ロール1巻に対し同寸法のボビンシャフトを2ケ使用するが、そのボビンシャフト11の全体又は外表面はメッキによる表面処理加工が施され導電体としての機能を付加する。また、ボビンシャフト11の形状は導電体テープが貼り付けられたボビンの内径両端各10mm程度を導電体となった各ボビンシャフト11の根元まで嵌め込み、各ボビンシャフトの根元外周の全部又は一部に接合していれば一方のボビンシャフトからボビンを通じ反対側のもう一方のボビンシャフト11まで導通する事となる。また、各ボビンシャフト11の長さは、ボビン10の長さより短いもので良い、但しボビン10にボビンシャフト11を嵌め込む作業又は抜き取る作業を容易にするためボビン10の根元から先約10mmの外周は、ボビン10の内径と同寸法とし、その先は必ずマイナステーパーを付ける事で各作業を容易にする事が出来る。
【0023】
更に、ボビンシャフト11は、鍔部11aを有するとともに、ボビン10に挿着される挿着部11bと感知端子13、14と接触する接触部11cを有しており、合成樹脂で射出、成型して、表面に導電性の素材を配設して導電性を持つように構成する。合成樹脂としては、ABS樹脂、POM(Polyoxymethylene)、ポリカーボネート、ナイロン等を原料としてボビンシャフト11を成型し、その全体又は表面に亜鉛、ニッケル、クローム等のメッキを施す。また、図3〜図5に示すように左右のボビンシャフト11は短く、互いに接触することはない。更に、ボビンシャフト11自体を導電性の素材である銅、鉄、アルミニウムで構成してもよい。また、これらの素材に亜鉛、ニッケル、クローム等のメッキを施して導電性を確保してもよい。
【0024】
乾布感知機構23は、ボビン10に巻回された乾布2の終了時にボビン10に挿通されたボビンシャフト11が第1軸支持部12から第2軸支持部16へ移動して、乾布2の有無を感知し周囲に告知する。具体的には、図3、4に示すように乾布感知機構23は、第1軸支持部12の両端に配置された感知端子13、14にボビンシャフト11の接触部11cが接触し、ボビン10の左右に配置された感知端子13、14を導通させ、コントローラ15と感知端子13、14とボビンシャフト11とボビン10との間に閉回路を形成し、前記ボビンシャフト11が第1軸支持部12から第2軸支持部16へ移動した場合、感知端子13、14とボビンシャフト11との接触が断たれ、乾布2の終了を感知する構造である。
【0025】
図5は、本発明の乾布感知装置に別の実施例に係る乾布用のボビンを使用した場合を示す拡大断面図である。本発明実施例において、ボビンシャフト11の挿着部11bは、更に短く、左右のボビンシャフト11は接触することなく、第1軸支持部12の両端に配置された感知端子13、14にボビンシャフト11の接触部11cが接触するとともに、ボビン10の左右に配置された感知端子13、14を導通させ、コントローラ15と感知端子13、14とボビンシャフト11とボビン10との間に閉回路を形成する。
【0026】
感知端子13、14は、端子材料候補として銅製端子あるいは接点カーボンプラシ端子がボビンシャフト11としての用途に優れており、コスト及び耐久性からどちらを採用しても良い。また、形状については接点としての役割に限定されており、電圧は5V〜8V程度、電流は対象物の抵抗より異なるが微量なものとなる事から、その接点範囲は点接点又は線接点で十分な役割を果たす事が可能である。また片方の接点に加わる荷重は、乾布重量とボビンシャフト重量のみで450g〜600gの2分の1程度となり荷重による接点の摩耗は、故障の発生する程の要因になる事はない。
【0027】
次に以上のように構成されたおしぼり自動供給装置の乾布感知装置23の動作を説明すると、図1、6に示すように、乾布2がロール状態で巻き取られたボビン10の両側にボビンシャフト11をはめた後、ボビンシャフト11を第1軸支持部12に安着された状態で、乾布2の一端を展開し、乾布2が順次、一定量ずつ供給する。
乾布は、カッティングユニット3のフィーディングカバー17とフィディングローラ18の間に給布され、フィディングローラ18の回動力で第1軸支持部12に安着しているボビンシャフト11を回転させ、設定した所定の長さに乾布2が解かれてカッティングユニット3でカッティングするようになる。
【0028】
次に、乾布2が消耗し、ボビン10に接着された最後端がカッティングユニット3に給送される時には、上記ボビン10に最後端が接着された乾布2の一端がフィーディングカバー17とフィディングローラ18によりカッティングユニット3に供給されて、フィディングローラ18の強制送給力で乾布2の後端部が引っ張られ、これの最後端が接着されたボビン10およびボビン10が嵌ったボビンシャフト11が第1軸支持部12から外れ、第2軸支持部16に位置を移動し、第2軸支持部16内で引っかかってそれ以上カッティングユニット3のほうには移動できず、停止することになる。
【0029】
この際、上記第1軸支持部12の左右の下側に設置された感知端子13,14は導電性の素材で作られたボビンシャフト11及びボビン10により電源の導通状態が短絡し、コントローラ15に電源の短絡信号が認可され、警報音などで周囲に乾布2の消尽を告知する。勿論、上記警報音は警報ランプとともに周囲に告知することもできる。これは一般的に知られた告知手段であるので、これについての詳細な説明は省略する。
【0030】
上記のように第2軸支持部16の方にボビンシャフト11が移動すると上記ボビンシャフト11を嵌めたボビン10に最後端部が接着、固定された乾布2の一端はカッティングユニット3のフィーディングカバー17とフィディングローラ18の間に依然と圧布された状態なので、作業者が回収するときには簡単に第2軸支持部16の方のボビンシャフト11を引き出してフィーディングカバー17を上の方に上げた後、ボビンシャフト11を嵌めたボビン10と残りの乾布2を引き出した後、新しい乾布2が巻かれているボビン10にボビンシャフト11をはめて第1軸支持部12に安置すればよい。
【0031】
以上のように本発明は乾布2が巻き取られたボビン10及び上記ボビン10に嵌められ、第1軸支持部12上に安置するボビンシャフト11の全体または一部を導電性の素材で製作するか、導電性の素材を塗布して導電体に製作した後、上記第1軸支持部12の下側に設置して、ボビンシャフト11と連接する感知端子13,14が電源の短絡の有無を感知し、乾布2がなくなってボビンシャフト11が第2軸支持部16に移動すると、これを周囲に告知して、乾布2の交換時期を自動で告知するものである。上記感知手段は感知端子13,14で構成され、前段の参考文献のスイッチを使用したオン、オフ作動による故障や誤作動などが排除されるので、使用中の突然の故障及び誤作動の要因などを一掃することができ、装置の耐久性の増大にも画期的に寄与できる。また、おしぼり自動供給装置9を使用する使用者に詰め替えできるように供給されるボビン10に巻き取られた乾布2を含湿率が安定的で、カッティングも円滑に行われる良質の乾布2を利用するよう勧めることができるので、不良乾布の使用による装置の故障要因を排除し、作動の信頼性も保障され、また不良おしぼりの供給による信頼性の損失も未然に防ぐ事ができるのである。
【0032】
図8は、本発明の乾布感知装置に使用される別のボビンシャフトを示す斜視図、図9は、本発明の乾布感知装置におけるボビンシャフトと感知端子との関係を示す説明図である。本実施例において、ボビンシャフト25のボビン10に挿通される挿着部25aには複数の突出部26が形成されている。突出部26は、鍔部25bを基端として挿着部25aの長手方向に沿って所定の距離だけ形成されている。また、突出部26は、ボビンシャフト25の外周に等間隔で例えば、6条形成されており、挿入されるボビン10の内径に嵌合する寸法とする。また、突出部26は、それ以上の数を形成してもよい。鍔部25bの外側には、感知端子27、28と接触する接触部25cが形成されている。
このように構成されたボビンシャフト25は、ボビン10の両端に嵌挿した場合に、複数の突出部26がボビン10の内周に確実に接触し、安定した電気的導通を得ることができる。
【0033】
図9に示すように、感知端子27、28は、上端がY字状に開口した開口部27a、28aを有しており、この開口部27a、28aにボビンシャフト25の接触部25cが接触して、電気的導通を得ることができる。開口部27a、28aと接触部25cとの接触は、ボビンシャフト25、ボビン10及び乾布2の自重によって達成される。また、感知端子27、28には、コントローラ15と接続するための端子27b、28bが形成されている。
このように構成した場合、感知端子27、28は長期使用によっても、接触不良を引き起こす虞れがなく、確実な導通を得ることができる。
【0034】
本願発明のおしぼり自動供給装置の乾布感知装置は、装着されるその乾布が適正乾布か不適正乾布かを装着時に即座に検知選別する事が出来ると共に、その乾布の使用中における正規装着位置にあるべき乾布の存在の有無を検知及び告知することができる。
したがって、おしぼり自動供給装置の乾布感知装置は、乾布の装着時検知とその乾布の存在の有無の双方を検知し告知することができる。
また、本発明のおしぼり自動供給装置の乾布感知装置は、疲労故障リスクのあるスイッチ類を使用しないので、装置の耐久性を向上することができる。
更に、本発明のおしぼり自動供給装置の乾布感知装置は、全構成に導電性又は導電機能を有する部品を使用することにより構成されている。
【符号の説明】
【0035】
1 乾布収納室
2 乾布
3 カッティングユニット
4 おしぼりワインディングユニット
5 乾布ローディングガイド
6 噴射ノズル
7 水タンク
8 噴射ユニット
9 おしぼり自動供給装置
10 ボビン
10a 紙管
10b 導電性素材
11 ボビンシャフト
12 第1軸支持部
13、14 感知端子
15 コントローラ
16 第2軸支持部
17 フィーディングカバー
18 フィーディングローラ
19 駆動モータ
20 連結ギア
21 ブラケット
22 カッタ
23 乾布感知機構
25 ボビンシャフト
25a 挿着部
25b 鍔部
25c 接触部
26 突出部
27、28 感知端子
27a、28a 開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾布収納室に収納されるとともに、ボビンにロール状に巻回された乾布を所定の長さに展開してカットするカッティングユニットと、
前記カッティングユニットでカットされた所定長の乾布をその下方に配置されたワインディングユニットに案内する乾布ローディングガイドと、
前記乾布ローディングガイドの前方に設置され、水タンクからの水分を乾布に噴射する水噴射ノズルと、
前記水噴射ノズルに水タンクからの用水を冷或いは温から選択して供給する噴射ユニットと、
前記ボビンに巻回された乾布の終了時にボビンに挿通されたボビンシャフトが第1軸支持部から第2軸支持部へ移動して、乾布の有無を感知し周囲に告知する乾布感知機構とを備えたおしぼり自動供給装置の乾布感知装置であって、
前記乾布感知機構は、前記第1軸支持部の両端に配置された感知端子にボビンシャフトが接触し、ボビンの左右に配置された感知端子を導通させ、コントローラと感知端子とボビンシャフトとボビンとの間に閉回路を形成し、
前記ボビンシャフトが第1軸支持部から第2軸支持部へ移動した場合、
感知端子とボビンシャフトとの接触が断たれ、乾布の終了を感知することを特徴とするおしぼり自動供給装置の乾布感知装置。
【請求項2】
前記乾布感知機構において、ボビンが導通性部材から構成され、左右のボビンシャフトとボビンシャフトの嵌挿されたボビンとで閉回路を形成することを特徴とする請求項1に記載のおしぼり自動供給装置の乾布感知装置。
【請求項3】
前記乾布感知機構において、ボビンの内周が導通性を有しており、左右のボビンシャフトとボビンの内周とで閉回路を形成することを特徴とする請求項1に記載のおしぼり自動供給装置の乾布感知装置。
【請求項4】
前記乾布感知機構において、ボビンは紙管で作られ、前記紙管の内周に導電性素材を塗布したことを特徴とする請求項1に記載のおしぼり自動供給装置の乾布感知装置。
【請求項5】
乾布収納室に収納されるとともに、ボビンにロール状に巻回された乾布を所定の長さに展開してカットするカッティングユニットと、前記カッティングユニットでカットされた所定長の乾布をその下方に配置されたワインディングユニットに案内する乾布ローディングガイドと、前記乾布ローディングガイドの前方に設置され、水タンクからの水分を乾布に噴射する水噴射ノズルと、前記水噴射ノズルに水タンクからの用水を冷或いは温から選択して供給する噴射ユニットと、前記ボビンに巻回された乾布の終了時にボビンに挿通されたボビンシャフトが第1軸支持部から第2軸支持部へ移動して、乾布の有無を感知し周囲に告知する乾布感知機構とを備えたおしぼり自動供給装置の乾布感知装置に使用されるボビンであって、
ボビンシャフトのボビンに挿通される部位には複数の突出部が形成されたことを特徴とするおしぼり自動供給装置の乾布感知装置に使用される乾布用のボビン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−184104(P2010−184104A)
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−176278(P2009−176278)
【出願日】平成21年7月29日(2009.7.29)
【出願人】(509214414)
【Fターム(参考)】