説明

お茶味低タール巻きタバコの製造方法

【課題】お茶味低タール巻きタバコの製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の開示するお茶味低タール巻きタバコの製造方法において、それは、お茶原料と木質繊維などの非タバコ物質を添加して製造する茶葉製スライス片と、タバコの葉原料を一定比率で混合するか、全てを茶葉製スライス片を原料とし、公知のタバコ業界の巻きタバコ工業機器を使って細くスライスした後、組み合わせた工業技術および補助材で巻いて中国特有の低タール中国式巻きタバコを製造するものである。公知技術と比較し、本発明で製造したお茶味低タール巻きタバコは、タバコを吸った時に良好な満足感を感じさせ、巻きタバコを吸う興味と楽しみなどの特徴を十分に体現し、並びに、公知巻きタバコのタール量低下後の、香気欠乏による単調性、低濃度、喉や舌の乾き、満足感や楽しむ感覚の欠乏など感覚的な質の普遍的問題を解決する。本発明は、原料中に主に茶葉製スライス片を採用している故、タバコ愛好者への危害を減らすだけでなく、タバコ葉の原料を節約し、廃棄処分する茶葉原料の有効利用を高め、良好な経済効果や社会効果を生じさせるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は巻きタバコの製造方法に係り、特に茶葉製スライス片の低タール巻きタバコ中への応用及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在低タール巻きタバコは国際市場で広範に認められてきており、巻きタバコ市場においては低タール巻きタバコが将来の発展を担う一つである。目下、米国の巻きタバコの一本当たりの平均タール含量は既に12ミリグラム前後にまで低下しており、日本の巻きタバコでは8ミリグラム以下、ヨーロッパでは10ミリグラム以下、その他の多くの国で一本当たり5ミリグラムの超低タールの巻きタバコが市場に次々と出現している。
【0003】
わが国においてもここ数年、前後して8ミリグラム、6ミリグラム、5ミリグラム、及び3ミリグラム等の低タール巻きタバコが新製品として市場に現れ、全商品の内、低タール商品の占める割合は年々上昇している。これは、国内巻きタバコ市場では既に低タール巻きタバコ及び超低タール巻きタバコが発展傾向にあることを示している。また、国民の経済水準の上昇と巻きタバコの人体への危害に対する認識の高まり、わが国のタバコ業界において“危害減少、タール低下”が中国式巻きタバコを発展させるための大計の一つであることに伴い、低タール巻きタバコ及び超低タール巻きタバコの開発が、傾向及び必然にある。わが国のタバコ企業は、長い間“危害減少、タール低下”をタバコ技術発展の重要戦略とし、中国式巻きタバコの発展方向を貫き、含量での製品技術を向上させ、中国式巻きタバコの風格、特色を際立たせることを目標とし、技術革新と集成を重視しつつ、一貫した低タール巻きタバコの“タール低下”総合技術の研究、並びに、技術研究と製品開発の結合を行い、秩序のある中期的長期的な低タール製品の発展戦略を作り上げた。
【0004】
わが国のタバコ業界は巻きタバコのタール低下という課題において長足の進歩を遂げたが、全世界的にみて、我々の低タール巻きタバコと先進国との間にはやはり大きな差異が存在し、巻きタバコのタール含量を低下させるには諸々の不利な要素が依然として残されている。わが国では、長期的に、特別の乾燥法で乾燥させるタイプの巻きタバコが主な消費習慣を形成しており、その種の巻きタバコの調合自体に高タール、高香気濃度の特性を有する。よって、巻きタバコタール量の大幅な低下は、疑いなくタバコの味を淡白にし、香気不足を引き起こし、消費者には受け入れ難いものとなる。これによって、巻きタバコのタール量を低下させた後、いかに低タール巻きタバコの香気欠乏による単調性、低濃度、喉や舌の乾き、満足感や楽しむ感覚の欠乏など感覚的に生じる普遍的な問題を解決するかがまさに、低タール巻きタバコの開発過程において企業が非常に重視する点である。多くの巻きタバコ製品はタール低下後、元々の高い香りを保持することはできないため、消費者の賛同を得られず、市場も受け入れられず具合の悪い局面を迎えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】中国特許出願公開第200610146191.8号明細書。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
公知技術の存在する欠点に鑑み、本発明はお茶味低タール巻きタバコの製造方法を提供する。それによって製造された巻きタバコは、タバコを吸った時に良好な満足感を感じさせ、しかもタバコ葉の使用量を大幅に削減し、顕著な経済効果や社会効果を有するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述目的を実現するために、本発明は、茶葉製スライス片を原料とするお茶味低タール巻きタバコの製造方法を提供する。その製造ステップは次のとおりである。
【0008】
A.茶葉製スライス片とタバコ葉は、1%−99%とする。99%−1%の比率によって配合するか全部を茶葉製スライス片を原料とする調合比率と、
B.前記原料をリウェット筒に送り散開リウェットさせ、水分含量を18%前後にする散開リウェットと、
C.前記リウェット後の材料を添加筒に送り、液体を加え、材料の水分総含量を20%前後にする材料の添加と、
D.前記材料添加後の材料を貯蔵棚に送り液体を十分に吸収させる葉の貯蔵と、
E.前記の液体を十分に吸収した材料に温度増加湿度増加処理を施し、液体と水分の総含量を21%前後にしてから材料を細くカットするカットと、
F.材料を乾燥筒に送り、水分含量を12.5%前後まで乾燥させる乾燥と、
G.冷却、貯蔵、カットタバコを混合すると、
H.混合均等化したカットタバコに香料液を加える香料の添加と、
I.香料液を加えたカットタバコをカット葉貯蔵棚に送り、香料液を十分に吸収させる貯蔵と、
J.巻き包装機器を使いカットタバコを巻き、包装するとの製造ステップを含むことを特徴とするお茶味低タール巻きタバコの製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明の効果は次のとおりである。
本発明の提供するお茶味低タール巻きタバコにおいて、茶葉製スライス片の低タール巻きタバコへの応用方法は、具体的な状況に基づいて調整可能である。そのタバコの煙は滞りなく流れ、繊細で柔和、香り豊か、優雅さを長らく留め、吸った感じは快適でクリーンさがあり、唾液の分泌を促し甘さが喉元に残る余韻があり、乾いた感じがなく、お茶とタバコの後味がすっかり一体となっているため、吸った時に良好な満足感を感じられ、巻きタバコを吸う興味と楽しみなどの特徴を十分に体現し、並びに、公知巻きタバコのタール量低下後の、香気欠乏による単調性、低濃度、喉や舌の乾き、満足感や楽しむ感覚の欠乏など感覚的な質の普遍的問題を解決し、消費者のタバコ吸飲習慣に符合するものとなる。また、本発明の提供する超低タールの中国式巻きタバコの製造過程においては、中国的特色のある茶葉原料から作り出した茶葉のスライス片を応用する故、タバコ愛好者への危害を減らすだけでなく、タバコ葉の原料を節約し、廃棄処分する茶葉原料の有効利用を高め、良好な経済効果や社会効果を生じさせる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の応用する茶葉製スライス片は2007年5月9日に公開された中国特許文献の特許出願番号200610146191.8『茶葉製スライス片の製造方法およびタバコ製品における応用』に記載された方法に基づき、それは、お茶原料(茶葉、茎、茶パウダーなど)と、木質繊維などの非タバコ物質を添加して製造した茶葉のスライス片を用いたものである。一部の化学成分と物理特性、代表的な三等級のタバコ葉の比較は次のとおりである。
【表1】

【0011】
茶葉製スライス片の化学成分とタバコの葉のを比較すると、総窒素、総糖分、還元糖の含量は何れも低く、これが巻きタバコのタール発生量が少ない効果的な要素となり、特に、ニコチン含量がゼロであるため、タバコ愛好者への危害も少なく、充填能力も比較的大きい。
【0012】
本発明は、前記の茶葉製スライス片とタバコの葉の原料を一定比率で混合するか、全てを茶葉製スライス片を原料とし、タバコ業界の巻きタバコ工業設備を使って細くスライスした後、組み合わせた工業技術および補助材で巻いて中国特有の低タール中国式巻きタバコを製造するものである。
【実施例1】
【0013】
本発明の具体的な実施例1では、まず茶葉製スライス片とタバコの葉を13:18の重量比率で配合し、リウェット筒に入れて散開、リウェットし、水分含量を18%前後にする。散開、リウェットした後の原料を添加筒に送った後、必要な液体を加え、材料添加後の水分を20%前後に調整する。それから、貯蔵棚に送り液体を十分に吸収させる。その後、材料に温度増加湿度増加処理を施し、水分を21%前後に調整してから、カッターでそれを細く切り、乾燥筒に送り、水分含量が12.5%前後になるまで乾燥させ、冷却、貯蔵、カットタバコを均等に混合した後、一定量の香料液を添加し、香料液を加えたカットタバコをカット葉貯蔵棚に送り、香料液を十分に吸収させてから、巻き包装機器を使い、巻いて包装する。
【0014】
巻いて製造した巻きタバコに煙の化学分析を行った。結果は次のとおりである。
【表2】

【0015】
巻いて製造した低タール巻きタバコ1#と市場で販売している3mgタールの国産巻きタバコAを吸飲した場合の感覚器官対照評価比較によると、低タール巻きタバコ1#の煙は滞りなく流れ、繊細で柔和、香り豊か、優雅さを長らく留め、吸った感じは快適でクリーンさがあり、唾液の分泌を促し甘さが喉元に残る余韻があり、乾いた感じがなく、お茶とタバコの後味がすっかり一体となっているため、吸った時に良好な満足感が感じられる。それに対し、3mgタールの国産巻きタバコAは、香り欠乏による単調性、低濃度、喉や舌の乾き、吸った時の快適さとクリーンさの欠乏があり、満足感に劣る。
【実施例2】
【0016】
本発明の実施例2では、まず茶葉製スライス片とタバコの葉を15:85の重量比率で配合し、リウェット筒に入れて散開、リウェットし、水分含量を18%前後にする。散開、リウェットした後の原料を添加筒に送った後、必要な液体を加え、材料の水分含量を20%前後に調整する。それから、貯蔵棚に送り液体を十分に吸収させ、その後、材料に温度増加湿度増加処理を施し、水分を21%前後に調整してから、カッターでそれを細く切り、乾燥筒に送り、水分含量が12.5%前後になるまで乾燥させ、冷却、貯蔵、カットタバコを均等に混合した後、一定量の香料液を添加し、香料液を加えたカットタバコをカット葉貯蔵棚に送り、香料液を十分に吸収させてから、巻き包装機器を使い、巻いて包装する。
【0017】
巻いて製造した巻きタバコに煙の化学分析を行った。結果は次のとおりである。
【表3】

【0018】
巻いて製造した低タール巻きタバコ2#と市場で販売している3mgタールの国産巻きタバコAの吸飲した場合の感覚器官対照評価比較によると、低タール巻きタバコ2#の煙は滞りなく流れ、繊細で柔和、香り豊か、優雅さを長らく留め、吸った感じは快適でクリーンさがあり、唾液の分泌を促し甘さが喉元に残る余韻があり、乾いた感じがなく、お茶とタバコの後味がすっかり一体となっているため、吸った時に良好な満足感が感じられる。それに対し、3mgタールの国産巻きタバコAは、香り欠乏による単調性、低濃度、喉や舌の乾き、吸った時の快適さとクリーンさの欠乏があり、満足感に劣る。
【実施例3】
【0019】
本発明の実施例3では、まず100%の茶葉スライス片を原料とし、リウェット筒に入れて散開、リウェットし、水分含量を18%前後にする。散開、リウェットした後の原料を添加筒に送った後、必要な液体を加え、材料水分を20%前後に調整する。それから、貯蔵棚に送り液体を十分に吸収させ、その後、材料に温度増加湿度増加処理を施し、水分を21%前後に調整してから、カッターでそれを細く切り、乾燥筒に送り、水分を12.5%前後になるまで乾燥させ、冷却、貯蔵、カットタバコを均等に混合した後、一定量の香料液を添加し、香料液を加えたカットタバコをカット葉貯蔵棚に送り、香料液を十分に吸収させてから、巻き包装機器を使い、巻いて包装する。
【0020】
巻いて製造した巻きタバコに煙の化学分析を行った。結果は次のとおりである。
【表4】

【0021】
茶葉製スライス片の物理充填性が強い故、同じ重量である場合、茶葉製スライス片をカットしたものの充填は、タバコの葉のカットしたものより緻密であるため、茶葉製スライス片は燃焼時に酸素不足を引き起こし、生成される一酸化炭素量が増加する。巻いて製造した低タール巻きタバコ3#と市場で販売している6mgタールの国産巻きタバコBを吸飲した場合の感覚器官対照評価比較によると、低タール巻きタバコ1#の煙は滞りなく流れ、繊細で柔和、香り豊か、優雅さを長らく留め、吸った感じは快適でクリーンさがあり、唾液の分泌を促し甘さが喉元に残る余韻があり、乾いた感じがなく、お茶の香りは顕著で、吸った時に良好な満足感が感じられる。しかも低タール巻きタバコ3#の煙のニコチンはゼロで、危害も少ない。それに対して、3mgタールの国産巻きタバコAは、香り欠乏による単調性、且つ非タバコ物質の味が重く、低濃度、喉や舌の乾き、吸った時の快適さとクリーンさがなく、満足感に劣る。
【0022】
本発明の実施例1〜3は、巻きタバコ製作に関する原料比率の選択とタバコの物理化学などの指標の差異によって区別され、前記のお茶味低タール巻きタバコおよびその製造方法は具体的な状況に応じて調整を加えるものとするが、その理論は同様である。
【0023】
前述は本発明のいくつかの具体的実施例を示しているだけで、本発明の設計構造を制限するものではない。この構想をもとに本発明に対して行った非実質的な変更は全て、本発明の保護範囲を侵害する行為として見做されるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
茶葉製スライス片を主な原料として、
A.茶葉製スライス片とタバコ葉は、1%−99%とする。99%−1%の比率によって配合するか全部を茶葉製スライス片を原料とする調合比率と、
B.前記原料をリウェット筒に送り散開リウェットさせ、水分含量を18%前後にする散開リウェットと、
C.前記リウェット後の材料を添加筒に送り、液体を加え、材料の水分総含量を20%前後にする材料の添加と、
D.前記材料添加後の材料を貯蔵棚に送り液体を十分に吸収させる葉の貯蔵と、
E.前記の液体を十分に吸収した材料に温度増加湿度増加処理を施し、液体と水分の総含量を21%前後にしてから材料を細くカットするカットと、
F.材料を乾燥筒に送り、水分含量を12.5%前後まで乾燥させる乾燥と、
G.冷却、貯蔵、カットタバコを混合すると、
H.混合均等化したカットタバコに香料液を加える香料の添加と、
I.香料液を加えたカットタバコをカット葉貯蔵棚に送り、香料液を十分に吸収させる貯蔵と、
J.巻き包装機器を使いカットタバコを巻き、包装するとの製造ステップを含むことを特徴とするお茶味低タール巻きタバコの製造方法。