せり制御装置、せりシステムおよびせり制御方法
【課題】せり時間を効率的に短縮すること。
【解決手段】せり制御装置1は、計数部1aと制御部1bとを有する。計数部1aは、せり対象品への応札数を計数する。制御部1bは、計数部1aが計数した応札数に応じて応札受付時間またはせり上げ金額を変更する。例えば、制御部1bは、応札数に応じて、次回せり上げ金額Mを増加させる。また、例えば、制御部1bは、現在の応札受付時間T1の前半の期間の応札数に応じて、T1をT1’(<T1)に短縮する。あるいは、制御部1bは、現在の応札受付時間T1での応札数に応じて次回せり上げ後の応札受付時間T2を規定の時間よりも短縮する。
【解決手段】せり制御装置1は、計数部1aと制御部1bとを有する。計数部1aは、せり対象品への応札数を計数する。制御部1bは、計数部1aが計数した応札数に応じて応札受付時間またはせり上げ金額を変更する。例えば、制御部1bは、応札数に応じて、次回せり上げ金額Mを増加させる。また、例えば、制御部1bは、現在の応札受付時間T1の前半の期間の応札数に応じて、T1をT1’(<T1)に短縮する。あるいは、制御部1bは、現在の応札受付時間T1での応札数に応じて次回せり上げ後の応札受付時間T2を規定の時間よりも短縮する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、せり制御装置、せりシステムおよびせり制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、中古車販売業者の間で、せりによる中古車の取り引きが行われている。せり会場では、せりシステムによってせりが実現される。
せりシステムは、例えば、せり制御装置、応札端末装置および大型表示装置を有する。せり制御装置は、せりの進行を制御する。応札端末装置は、応札者による応札入力を受け付け、応札者の識別情報と共にせり制御装置に通知する。大型表示装置は、現在せりの対象となっている中古車の情報や、現在のせり金額を表示する。
【0003】
せり制御装置は、大型表示装置に現在のせり金額を提示させた後、最も早く応札端末装置による応札入力を行った応札者を落札権利者と特定する。ここで、落札権利者は、価格がせり上げられるたびに変更され得る。そして、せり制御装置は、応札がなくなるまで価格をせり上げ、最終の落札権利者(最終落札者)を該当の中古車の販売成約者とする。
【0004】
ところで、せりシステムでは、多数の中古車が取り引きされる。例えば、1日当たり数千台の中古車が販売されることもある。このため、せり全体の所要時間を短縮したいという要求がある。
【0005】
この課題に対し、予め各中古車の人気度を取得しておき、人気度に応じてせり上げ時間やせり金額の上げ幅を変更する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−165609号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、実際のせり取り引きでは、所定の価格帯に応札が集中することが考えられる。
例えば、値の低い価格帯では、該当の中古車の購入に対する強い希望はないが安く購入したい者と、購入を強く希望する者とが、応札者の中に混在することが考えられる。この場合、このような応札の集中する価格帯を超えるまでは、購入を強く希望する者同士が競争する価格帯には至らず、最終落札者の決定には至り難い。すなわち、応札の集中する価格帯を超えるまでに時間を要することは、せり時間の短縮の観点からは非効率である。
【0008】
これに対し、このように応札の集中する価格帯を短時間で超えて、購入を強く希望する者同士が競争する価格帯へとより早く進めることが、せり時間の短縮の観点からは望ましい。
【0009】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、せり時間を効率的に短縮することができるせり制御装置、せりシステムおよびせり制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明では上記の課題を解決するために、せり制御装置が提供される。このせり制御装置は、計数部と制御部とを有する。計数部は、せり対象品への応札数を計数する。制御部は、応札数に応じて応札受付時間またはせり上げ金額を変更する。
【0011】
また、上記課題を解決するためにせりシステムが提供される。このせりシステムは、せり制御装置と応札端末装置とを有する。せり制御装置は、受付部と計数部と制御部とを備える。受付部は、複数の応札端末装置からせり対象品への応札を示す応札情報を受け付ける。計数部は、受付部が受け付けた応札数を計数する。制御部は、応札数に応じて応札受付時間またはせり上げ金額を変更する。応札端末装置は、応札操作部と送信部とを有する。応札操作部は、せり対象品への応札の操作入力を受け付ける。送信部は、応札操作部が操作入力を受け付けると、応札情報をせり制御装置に送信する。
【0012】
また、上記課題を解決するために、上記せり制御装置と同様の処理を行うせり制御方法が提供される。
【発明の効果】
【0013】
上記せり制御装置、せりシステムおよびせり制御方法によれば、せり時間を効率的に短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1の実施の形態のせり制御装置を示す図である。
【図2】せりシステムの全体構成を示す図である。
【図3】第2の実施の形態のせり制御装置のハードウェア構成を示す図である。
【図4】第2の実施の形態の応札端末装置のハードウェア構成を示す図である。
【図5】第2の実施の形態の各装置の機能構成を示す図である。
【図6】せり管理テーブルのデータ構造例を示す図である。
【図7】せり制御テーブルのデータ構造例を示す図である。
【図8】落札権利者テーブルのデータ構造例を示す図である。
【図9】第2の実施の形態のせり制御処理を示すフローチャートである。
【図10】第2の実施の形態の応札受付処理を示すフローチャートである。
【図11】第2の実施の形態の応札受付処理を示すフローチャートである。
【図12】第2の実施の形態の応札カウント処理を示すフローチャートである。
【図13】第2の実施の形態の制御情報取得処理を示すフローチャートである。
【図14】第2の実施の形態の応札受付時間およびせり上げ金額の変更を示す図である。
【図15】第2の実施の形態のせりの進行を示す図である。
【図16】第3の実施の形態のせり制御装置の機能構成を示す図である。
【図17】第3の実施の形態の応札受付処理を示すフローチャートである。
【図18】第3の実施の形態の応札受付時間およびせり上げ金額の変更を示す図である。
【図19】第4の実施の形態のせり制御装置の機能構成を示す図である。
【図20】第4の実施の形態の制御情報取得処理を示すフローチャートである。
【図21】第5の実施の形態のせり制御装置の機能構成を示す図である。
【図22】第5の実施の形態の応札ログ管理テーブルのデータ構造例を示す図である。
【図23】第5の実施の形態の応札受付処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
以下、第1の実施の形態に関して説明する。
【0016】
図1は、第1の実施の形態のせり制御装置を示す図である。せり制御装置1は、せりによる取り引きにおいて、あるせり金額において応札を受け付ける時間幅(応札受付時間)またはせり上げ金額を制御する。せり制御装置1は、例えば、中古車や家畜などのせりの進行に用いることができる。
【0017】
せり制御装置1は、計数部1aおよび制御部1bを有する。
計数部1aは、せり対象品への応札数を計数する。
制御部1bは、計数部1aが計数した応札数に応じて、応札受付時間またはせり上げ金額を変更する。
【0018】
せり制御装置1によれば、計数部1aにより、せり対象品に対する応札数が計数される。制御部1bにより、計数部1aが計数した応札数に応じて、応札受付時間またはせり上げ金額が変更される。
【0019】
これにより、効率的にせり時間を短縮することができる。
具体的には、制御部1bは、計数部1aが計数した応札数が多いほど応札受付時間を短縮させる。または、制御部1bは、計数部1aが計数した応札数が多いほどせり上げ金額を増加させる。あるいは、制御部1bは、計数部1aが計数した応札数に応じて応札受付時間とせり上げ金額との両方を変更する。
【0020】
例えば、計数部1aは、ある価格の応札受付時間T1内の前半に応札数Cを計数したとする。このとき、制御部1bは、応札受付時間T1を応札数Cに応じて、応札受付時間T1の後半を削減し、T1’(<T1)に短縮することが考えられる。また、制御部1bは、次のせり上げ金額Mを規定のせり上げ金額よりも増加させることが考えられる。
【0021】
また、例えば、計数部1aは、ある価格の応札受付時間T1内の間に応札数C’を計数したとする。このとき、制御部1bは、次回せり上げ後の応札受付時間T2を規定の時間より短縮することが考えられる。この場合、次回せり上げ時のせり上げ金額Mも応札数C’に応じて増加させることが考えられる。
【0022】
これにより、応札を希望する者が多く存在する価格帯を短時間で超えて、購入を強く希望する者同士が競争する価格帯へとより早く進めることができる。その結果、最終落札者を短時間で決定することができ、せりに要する時間を一層短縮することができる。
【0023】
せり制御装置1は、例えば、中古車のせりの進行に利用することができる。以下では、せり制御装置1を中古車の販売を行うせりシステムに適用する場合を例に採り、更に具体的に説明する。
【0024】
[第2の実施の形態]
以下、第2の実施の形態に関して説明する。
図2は、せりシステムの全体構成を示す図である。このせりシステムは、せりによる中古車の販売を行うためのシステムである。このせりシステムは、管理用端末装置20、大型表示装置30、表示パネル40、せり制御装置100、応札端末装置200,300,400,・・・および調整人端末装置500がネットワーク10を介して接続される。ネットワーク10は、有線または無線のネットワークである。
【0025】
管理用端末装置20は、せり制御装置100と接続される。管理用端末装置20は、せり制御装置100の運用管理を行うコンピュータである。
大型表示装置30は、せり会場内の応札者によって閲覧され、応札者に現在のせり対象品の情報を提供するための大型の画面を備えている。大型表示装置30は、ネットワーク10を介してせりの対象となっている中古車の画像情報や、該当の中古車に関する属性情報(車名、型式、年式および状態など)をせり制御装置100から受信する。大型表示装置30は、受信した画像情報や属性情報を画面に表示する。
【0026】
表示パネル40は、大型表示装置30に表示された中古車の現在のせり金額や“売り切り”対象品であるか否か、その価格で販売が決定したか否か、“流れ”となったか否かなどの情報を表示する。
【0027】
ここで、“売り切り”とは、該当の中古車に対して、スタート価格から一回でも応札があれば、それ以後の最高応札者に対して販売成約(落札)を行うモードである。
また、“流れ”とは、応札者が一人もいない場合、或いは、最終応札者に対して販売成約を行わず、今回は該当の中古車を販売しないことを示す。
【0028】
せり制御装置100は、せりの進行を制御する。せり制御装置100は、受け付けた応札数に応じて、応札受付時間やせり上げ金額を変更する。また、せり制御装置100は、応札を受け付け、該当の中古車の落札権利者を管理する。
【0029】
応札端末装置200,300,400,・・・は、応札者が応札に用いる端末装置である。応札者は、例えば、応札端末装置200が設置された座席に着く。そして、応札端末装置200に自己のID(IDentifier)を記憶したIC(Integrated Circuit)カードを応札端末装置200に挿入する。これにより、応札端末装置200は、応札者による応札の入力を受け付けるたびに、ICカードに記憶されたIDと応札通知の信号をせり制御装置100に送信する。
【0030】
調整人端末装置500は、せりを主催する調整人がせりの進行状況により必要に応じて、応札受付時間やせり上げ金額を変更するための端末装置である。
せり会場では、例えば、複数のせりを並行して行うために大型表示装置、表示パネル、応札端末装置および調整人端末装置のセットが複数レーン分設けられる。
【0031】
図3は、第2の実施の形態のせり制御装置のハードウェア構成を示す図である。せり制御装置100は、CPU(Central Processing Unit)101、RAM(Random Access Memory)102、HDD(Hard Disk Drive)103、画像処理装置104、入力インタフェース105および通信インタフェース106,107を有する。
【0032】
CPU101は、せり制御装置100全体を制御する。
RAM102は、CPU101に実行させるOS(Operating System)のプログラムやアプリケーションソフトウェア(以下、アプリケーションという)のプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM102は、CPU101による処理に必要な各種データを一時的に記憶する。
【0033】
HDD103は、OSのプログラムやアプリケーションのプログラムを記憶する。また、HDD103は、CPU101による処理に必要な各種データを記憶する。なお、HDD103の代わりにSSD(Solid State Drive)のような他の不揮発性の記憶媒体を用いることもできる。
【0034】
画像処理装置104は、モニタ11と接続されている。画像処理装置104は、CPU101からの命令に従って、画像をモニタ11の画面に表示させる。
入力インタフェース105には、キーボード12とマウス13とが接続されている。入力インタフェース105は、キーボード12やマウス13から送られてくる信号をCPU101に送信する。
【0035】
通信インタフェース106,107は、他の情報処理装置とデータ通信を行う。通信インタフェース106は、ネットワーク10に接続されている。通信インタフェース106は、ネットワーク10を介して、大型表示装置30、応札端末装置200,300,400,・・・および調整人端末装置500とデータ通信を行う。また、通信インタフェース107は、管理用端末装置20と接続される。通信インタフェース107は、例えば、管理用端末装置20からの接続を受け付け、制御用コマンドや制御情報などの送受信を行う。
【0036】
なお、調整人端末装置500もせり制御装置100と同様のハードウェア構成を備えたコンピュータにより実現することができる。
図4は、第2の実施の形態の応札端末装置のハードウェア構成を示す図である。応札端末装置200は、CPU201、ROM(Read Only Memory)202、RAM203、ICカード読取部204、表示パネル用インタフェース205、表示パネル206、応札ボタン用インタフェース207および通信インタフェース208を有する。
【0037】
CPU201は、応札端末装置200全体を制御する。
ROM202は、CPU201に実行させるOSのプログラムやアプリケーションのプログラムを記憶する。
【0038】
RAM203は、CPU201に実行させるOSのプログラムやアプリケーションのプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM203は、CPU201による処理に必要な各種データを一時的に記憶する。
【0039】
ICカード読取部204は、応札者が応札端末装置200に挿入したICカードを読み取る。
表示パネル用インタフェース205は、表示パネル206が接続されている。表示パネル用インタフェース205は、CPU201からの命令に従って、表示パネル206の権利表示LED(Light Emitting Diode)206aの点灯および消灯を制御する。これにより、応札端末装置200は、操作中の応札者が現在落札権利者となっているか否かを通知する。例えば、落札権利者となっている場合、表示パネル用インタフェース205は、権利表示LED206aを点灯させる。その後、落札権利者でなくなった場合、表示パネル用インタフェース205は、表示LED206aを消灯させる。また、表示パネル用インタフェース205は、CPU201からの命令に従って、表示パネル206の金額表示部206bに現在のせり金額を表示する。
【0040】
応札ボタン用インタフェース207は、応札ボタン21と接続されている。応札ボタン用インタフェース207は、応札者による応札ボタン21の押下を検知し、CPU201に通知する。
【0041】
通信インタフェース208は、ネットワーク10に接続されている。通信インタフェース208は、ネットワーク10を介して、せり制御装置100とデータ通信を行う。
なお、応札端末装置300,400,・・・も応札端末装置200と同様のハードウェア構成により実現することができる。
【0042】
図5は、第2の実施の形態の各装置の機能構成を示す図である。せり制御装置100は、制御情報記憶部110、応札情報記憶部120、応札端末側通信部130、応札受付部140、せり制御部150、権利通知部160、せり金額通知部165、せり情報表示制御部170、応札状況受付部180および調整人端末側通信部190を有する。なお、これらの機能は、CPU101により所定のプログラムが実行されることで実現される。ただし、これらの機能のうち少なくとも一部を専用のハードウェアにより実現してもよい。
【0043】
制御情報記憶部110は、せりの進行を制御するための制御情報を記憶する。また、制御情報記憶部110は、出品対象である中古車の情報などを含む管理情報を記憶する。
応札情報記憶部120は、せりによって決定した落札権利者情報や、応札のログなどの運用情報を記憶する。
【0044】
応札端末側通信部130は、応札端末装置200,300,400,・・・から応札情報を受信する。ここで、応札情報は、応札端末装置200で応札ボタン21の押下を検出したことを示す情報および応札端末装置200に挿入されたICカードが記憶する識別情報を含むものである(応札端末装置300,400,・・・についても同様)。そして、応札端末側通信部130は、受信した応札情報を応札受付部140に出力する。
【0045】
また、応札端末側通信部130は、権利通知部160から取得する権利通知情報を応札端末装置200,300,400,・・・に送信する。更に、応札端末側通信部130は、せり金額通知部165から取得するせり金額通知情報を応札端末装置200,300,400,・・・に送信する。
【0046】
応札受付部140は、所定期間の間に応札端末側通信部130から応札情報を取得すると、カウンタ141により応札情報を受け付けた回数(応札数)を計数する。応札受付部140は、せり制御部150によって価格のせり上げが行われるたびにカウンタ141をリセットする。応札受付部140は、取得した応札情報をせり制御部150に出力する。また、所定期間の間に計数して取得した応札数をせり制御部150に出力する。
【0047】
せり制御部150は、せりの進行や落札権利者などの管理を行う。せり制御部150は、進行管理部151、権利者登録部152、応札受付時間制御部153およびせり上げ金額制御部154を有する。
【0048】
進行管理部151は、制御情報記憶部110に記憶された制御情報や管理情報を参照して、せりの進行を管理する。例えば、進行管理部151は、せりの開始タイミングや価格をせり上げるタイミングなどを管理する。進行管理部151は、現在の価格の応札受付時間が経過すると、せり上げを行い、せり上げ後の金額をせり金額通知部165に出力する。また、進行管理部151は、せりの進行に応じて、せり情報表示制御部170に、現在のせり金額や中古車の情報などを出力する。更に、進行管理部151は、現在のせり金額を示す情報を応札状況受付部180に出力する。
【0049】
権利者登録部152は、応札受付部140から取得した応札情報に基づいて、現在の価格における落札権利者を特定する。権利者登録部152は、現在の価格において最も早く応札を受け付けた応札者を落札権利者と特定する。権利者登録部152は、特定した落札権利者のIDを権利通知部160および応札状況受付部180に出力する。そして、権利者登録部152は、最終落札者を販売成約者として応札情報記憶部120に登録する。
【0050】
応札受付時間制御部153は、応札受付部140から応札数を取得すると、制御情報記憶部110に記憶された制御情報を参照して、応札数に応じて応札受付時間を変更する。
せり上げ金額制御部154は、応札受付部140から応札数を取得すると、制御情報記憶部110に記憶された制御情報を参照して、応札数に応じて次回のせり上げ金額を変更する。
【0051】
権利通知部160は、権利者登録部152から取得した落札権利者のIDに基づいて、そのIDを含む権利通知情報を生成し、応札端末側通信部130に出力する。
せり金額通知部165は、進行管理部151から取得したせり上げ後の金額を通知するためのせり金額通知情報を生成し、応札端末側通信部130に出力する。
【0052】
せり情報表示制御部170は、進行管理部151から現在のせり金額や中古車の情報などを取得すると、大型表示装置30および表示パネル40の表示内容を変更する。
応札状況受付部180は、進行管理部151から現在のせり金額を示す情報を取得し、調整人端末側通信部190に出力する。また、応札状況受付部180は、権利者登録部152から落札権利者の情報を取得し、調整人端末側通信部190に出力する。
【0053】
調整人端末側通信部190は、応札状況受付部180から取得した現在のせり金額を示す情報や落札権利者の情報(IDなど)を調整人端末装置500に送信する。
応札端末装置200,300,400,・・・は、応札端末側通信部130と通信し、応札の有無を通知する。なお、以下では、応札端末装置200の機能構成に関してのみ説明するが、応札端末装置300,400,・・・も同一の機能構成により実現できる。
【0054】
応札端末装置200は、スイッチ押下検出部210、せり金額表示制御部220、権利状況表示制御部230および通信部240を有する。
スイッチ押下検出部210は、応札者による応札ボタン21の押下を検出し、その旨を通知するための応札情報を生成して通信部240に出力する。
【0055】
せり金額表示制御部220は、通信部240から取得するせり金額通知情報に基づいて、表示パネル206の金額表示部206bに現在のせり金額を表示させる。
権利状況表示制御部230は、通信部240から取得する権利通知情報を参照して、権利者のIDが応札端末装置200に挿入されたICカードに記憶されたIDと一致するか否かを照合する。権利状況表示制御部230は、IDが同一、かつ、表示パネル206の権利表示LED206aが消灯状態である場合、権利表示LED206aを点灯させる。IDが同一かつ権利表示LED206aが点灯状態である場合には、点灯状態を維持させる。また、権利状況表示制御部230は、IDが異なり、かつ、権利表示LED206aが点灯状態である場合、権利表示LED206aを消灯させる。IDが異なり、かつ権利表示LED206aが消灯状態である場合には、消灯状態を維持させる。
【0056】
通信部240は、スイッチ押下検出部210から取得した応札情報をせり制御装置100に送信する。また、通信部240は、せり制御装置100から受信したせり金額通知情報をせり金額表示制御部220に出力する。また、通信部240は、せり制御装置100から受信した権利通知情報を権利状況表示制御部230に出力する。
【0057】
調整人端末装置500は、操作入力受付部510、せり金額表示制御部520、権利取得者通知部530および通信部540を有する。
操作入力受付部510は、応札受付時間やせり上げ金額を変更するための調整人による操作入力を受け付ける。
【0058】
せり金額表示制御部520は、通信部540から取得する現在のせり金額の情報を調整人端末装置500が有するモニタに表示する。
権利取得者通知部530は、通信部540から取得する落札権利者の情報を調整人端末装置500が有するモニタに表示する。
【0059】
通信部540は、操作入力受付部510が受け付けた調整人の操作入力をせり制御装置100に送信する。なお、せり制御装置100では、応札受付時間やせり上げ金額の変更を受け付けると制御情報記憶部110に記憶された応札受付時間やせり上げ金額を変更する。通信部540は、せり制御装置100から受信した現在のせり金額の情報をせり金額表示制御部520に出力する。また、通信部540は、せり制御装置100から受信した落札権利者の情報を権利取得者通知部530に出力する。
【0060】
図6は、せり管理テーブルのデータ構造例を示す図である。せり管理テーブル111は、制御情報記憶部110に予め記憶される。せり管理テーブル111には、せり番号を示す項目、スタート価格を示す項目、希望価格を示す項目、画像ファイルを示す項目、売り切りフラグを示す項目および属性情報を示す項目が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、1つのせりに関する情報を示す。
【0061】
せり番号を示す項目には、該当の中古車が対象となるせりを特定するための識別番号が設定される。スタート価格を示す項目には、せりの開始時点の価格が設定される。希望価格を示す項目には、落札希望価格を示す情報が設定される。画像ファイルを示す項目には、該当の中古車をカメラで撮像した画像データが設定される。売り切りフラグを示す項目には、該当の中古車が売り切り品であるか否かを示すフラグが設定される。属性情報を示す項目には、該当の中古車に関する属性情報(例えば、車名、型名、年式および状態など)が設定される。
【0062】
せり管理テーブル111には、例えば、せり番号が“1”、スタート価格が“400,000(円)”、希望価格が“460,000(円)”、画像ファイルが“0001.jpg”、売り切りフラグが“−”、車名が“ABC”という情報が設定される。これは、せり番号“1”のせりに掛けられる中古車(“ABC”)の画像データがファイル名“0001.jpg”で登録されており、その中古車のスタート価格が“400,000(円)”、落札希望価格が“460,000(円)”であり、売り切り品ではないことを示している。
【0063】
また、せり管理テーブル111には、例えば、せり番号が“4”スタート価格が“350,000(円)”、希望価格が“−(円)”、画像ファイルが“0004.jpg”、売り切りフラグが“○”、車名が“VRM”という情報が設定される。これは、せり番号“4”のせりに掛けられる中古車(“VRM”)の画像データがファイル名“0004.jpg”で登録されており、その中古車のスタート価格が“350,000(円)”、落札希望価格のない売り切り品であることを示している。
【0064】
これらの情報は、例えば、中古車を販売する販売者やせりを主催する主催者により予め登録される。
図7は、せり制御テーブルのデータ構造例を示す図である。せり制御テーブル112は、制御情報記憶部110に予め記憶される。せり制御テーブル112には、応札カウンタ値を示す項目、せり上げ金額ΔMを示す項目および応札受付時間Tを示す項目が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、1つの制御内容を示す。
【0065】
応札カウンタ値を示す項目には、応札数を示す値が設定される。せり上げ金額ΔMを示す項目には、該当の応札数であった場合にせり上げる金額の上げ幅が設定される。応札受付時間Tを示す項目には、該当の応札数であった場合の変更後の応札受付時間が設定される。
【0066】
せり制御テーブル112には、例えば、応札カウンタ値が“0−20”、せり上げ金額ΔMが“7,000(円)”、応札受付時間Tが“2.0(秒)”という情報が設定される。これは、カウンタ141が計数した応札数が“0−20”の範囲にある場合、せり上げ金額ΔMを“7,000(円)”とし、応札受付時間Tを“2.0(秒)”とすることを示している。なお、応札カウンタ値“0−20”に対応するΔMおよびTの値は、せりのスタート時にM0およびT0の初期値として設定される。
【0067】
図8は、落札権利者テーブルのデータ構造例を示す図である。落札権利者テーブル121は、応札情報記憶部120に記憶される。落札権利者テーブル121は、せり番号を示す項目、落札権利者IDを示す項目および落札価格を示す項目が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、1つのせりの落札に関する情報を示す。
【0068】
せり番号を示す項目には、せりを特定するための識別番号が設定される。落札権利者IDを示す項目には、該当のせりで現在または最終の落札権利者となっている者のIDが設定される。落札価格を示す項目には、該当のせりに出品された中古車の落札価格が設定される。
【0069】
落札権利者テーブル121には、例えば、せり番号が“1”、落札権利者IDが“12123”、落札価格が“476,000(円)”という情報が設定される。これは、せり番号“1”で特定されるせりに出品された中古車をID“12123”の応札者が最終落札者であり、落札価格が“476,000”であることを示している。なお、例えば、せり番号“1”のせりが現在進行している場合には、ID“12123”の応札者は現在の落札権利者である。
【0070】
次に、以上のような構成を備えるせり制御装置100の処理手順について説明する。
図9は、第2の実施の形態のせり制御処理を示すフローチャートである。以下、図9に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
【0071】
[ステップS11]進行管理部151は、せりの開始指示を受け付ける。
[ステップS12]進行管理部151は、制御情報記憶部110に記憶されたせり管理テーブル111を参照して、最初に開始するせり番号を取得する。
【0072】
[ステップS13]進行管理部151は、せり管理テーブル111を参照して、せり番号に対応する中古車の画像情報、せりの進行に必要な情報(スタート価格や希望価格など)および属性情報を取得する。
【0073】
[ステップS14]進行管理部151は、中古車の画像情報、属性情報およびスタート価格などを参加者に提示し、応札の受け付けを開始する。そして、その中古車に対して複数の応札があるたびに金額をせり上げる。権利者登録部152は、応札情報の受け付けの前後により落札権利者を特定し、その時点の応札額と共に応札情報記憶部120の落札権利者テーブル121に登録する。そして、進行管理部151は、最も高値で応札し、落札権利者となった者を特定すると、その中古車のせりを完了させる。なお、スタート価格から所定時間経過しても応札者が一人もいない場合にも、その中古車のせりを完了させる。
【0074】
[ステップS15]進行管理部151は、せり管理テーブル111を参照して、その中古車が売り切り対象であるか否かを判定する。売り切り対象である場合、処理をステップS16に進める。売り切り対象でない場合、処理をステップS17に進める。
【0075】
[ステップS16]進行管理部151は、落札権利者テーブル121を参照して、該当の中古車の落札権利者がいるか否かを判定する。落札権利者がいる場合、処理をステップS18に進める。落札権利者がいない場合、処理をステップS19に進める。
【0076】
[ステップS17]進行管理部151は、せり管理テーブル111を参照して、最終の応札額が希望価格以上であるか否かを判定する。希望価格以上である場合、処理をステップS18に進める。希望価格よりも小さい場合、処理をステップS19に進める。
【0077】
[ステップS18]進行管理部151は、落札権利者テーブル121に登録された最終落札者に対する落札を確定する。これにより、販売が成約する。
[ステップS19]進行管理部151は、該当の中古車のせりを流れとする。
【0078】
[ステップS20]進行管理部151は、せり管理テーブル111を参照して、全てのせりが終了したか否かを判定する。全て終了した場合、せり制御処理を完了させる。全て終了していない場合、処理をステップS21に進める。
【0079】
[ステップS21]進行管理部151は、せり番号に1を加算する。そして、処理をステップS13に進める。なお、ここではせり番号は1,2,3,4・・・の様に連続しているものとした。
【0080】
このようにして、各中古車のせりが進行される。上記ステップS14では、応札数に応じて、応札受付時間やせり上げ金額を変更して、1台の中古車にあてるせり時間の短縮を図る。以下では、このようなステップS14の処理を更に詳細に説明する。
【0081】
図10,11は、第2の実施の形態の応札受付処理を示すフローチャートである。以下、図10,11に示す処理をステップ番号に沿って説明する。なお、以下の処理は図9におけるステップS14の処理を詳細に示したものである。
【0082】
[ステップS31]進行管理部151は、せり上げ回数i=0を設定する。
[ステップS32]進行管理部151は、制御情報記憶部110に記憶されたせり管理テーブル111を参照して、提示価格M(i)にスタート価格を設定する。
【0083】
[ステップS33]進行管理部151は、せり上げ金額M0に初期値を設定する。進行管理部151は、例えば、制御情報記憶部110に記憶されたせり制御テーブル112の応札カウンタ値“0−20”に対応するせり上げ金額“7,000”(円)を初期値とする。
【0084】
[ステップS34]進行管理部151は、応札受付時間T0に初期値を設定する。進行管理部151は、例えば、せり制御テーブル112の応札カウンタ値“0−20”に対応する応札受付時間“2.0”(秒)を初期値とする。
【0085】
[ステップS35]進行管理部151は、応札受付時間T0を計測するための応札受付時間タイマのカウントを開始する。それと同時に、応札受付部140は、応札数をカウントする時間τを計測するためのタイマ(応札カウント用タイマという)のカウントを開始する。ここで、τ<T0である。例えば、せり制御テーブル112に設定された各応札受付時間に対して、τ=0.5(秒)が制御情報記憶部110に予め設定される。
【0086】
[ステップS36]せり情報表示制御部170は、進行管理部151の指示に応じて、表示パネル40に提示価格M(i)を表示させる。また、せり金額通知部165は、進行管理部151の指示に応じて、提示価格M(i)の情報を応札端末側通信部130を介して応札端末装置200,300,400,・・・に送信する。更に、応札状況受付部180は、進行管理部151の指示に応じて、提示価格M(i)の情報を調整人端末側通信部190を介して調整人端末装置500に送信する。これによって、応札端末装置200,300,400,・・・および調整人端末装置500にも提示価格M(i)が表示される。そして、進行管理部151は、応札受付部140に応札受付の開始を指示する。
【0087】
[ステップS37]応札受付部140は、最初の応札情報を受け付けたか否かを判定する。ここで、最初の応札とは、上記ステップS36で現在の提示価格M(i)での応札受付を開始した後、最初に受け付けた応札を意味する。最初の応札を受け付けた場合、応札受付部140は、応札情報を権利者登録部152に出力して、処理をステップS38に進める。最初の応札を受け付けていない場合、処理をステップS41に進める。
【0088】
[ステップS38]権利者登録部152は、応札受付部140は、応札情報に含まれるIDを取得して、取得したIDを、応札情報記憶部120に記憶された落札権利者テーブル121に登録する。
【0089】
[ステップS39]応札受付部140は、応札数を計数する応札カウント処理を行う。応札受付部140は、計数した応札数を応札受付時間制御部153およびせり上げ金額制御部154に出力する。
【0090】
[ステップS40]応札受付時間制御部153は、応札受付部140から取得した応札数と制御情報記憶部110に記憶されたせり制御テーブル112とに基づいて、変更後の応札受付時間Tを特定する。応札受付時間制御部153は、変更後の応札受付時間Tを進行管理部151に通知する。進行管理部151は、T0=Tとする。また、せり上げ金額制御部154は、応札受付部140から取得した応札数とせり制御テーブル112に基づいて、変更後のせり上げ金額ΔMを特定する。せり上げ金額制御部154は、変更後のせり上げ金額ΔMを進行管理部151に通知する。進行管理部151は、M0=ΔMとする。
【0091】
[ステップS41]進行管理部151は、応札受付時間タイマのカウントを参照して、応札受付時間T0を経過したか否かを判定する。T0を経過している場合、処理をステップS42に進める。T0を経過していない場合、処理をステップS37に進める。
【0092】
[ステップS42]進行管理部151は、M(i+1)=M(i)+M0を算出する。
[ステップS43]進行管理部151は、今回提示価格M(i)に対して応札があったか否かを判定する。応札があった場合、処理をステップS44に進める。応札がなかった場合、処理をステップS45に進める。
【0093】
[ステップS44]進行管理部151は、iをインクリメントする。そして、処理をステップS34に進める。
[ステップS45]進行管理部151は、制御情報記憶部110に記憶されたせり管理テーブル111を参照して、該当の中古車が売り切り対象であるか否かを判定する。売り切り対象である場合、処理を完了させる。売り切り対象でない場合、処理をステップS46に進める。
【0094】
[ステップS46]進行管理部151は、せり管理テーブル111を参照して、今回提示価格M(i)が希望価格以上であるか否かを判定する。希望価格以上である場合、処理を完了させる。希望価格よりも低い場合、処理をステップS47に進める。
【0095】
[ステップS47]進行管理部151は、誘導せり上げを行うか否かを判定する。誘導せり上げを行わない場合、処理を完了する。誘導せり上げを行う場合、処理をステップS44に進める。ここで、誘導せり上げとは、提示価格M(i)に対して応札者がいない場合にも、提示価格M(i+1)を提示して、参加者の応札意欲を探る方法である。進行管理部151は、応札者がいない場合でも、例えば1回だけ誘導せり上げを行うことが考えられる。
【0096】
このようにして、各中古車のせりが進められる。その際、応札受付時間制御部153は、応札受付部140により計数された応札数に応じて、応札受付時間T0の変更後の値Tを特定し、進行管理部151に通知する。また、せり上げ金額制御部154は、応札受付部140により計数された応札数に応じて、せり上げ金額M0の変更後の値ΔMを特定し、進行管理部151に通知する。
【0097】
なお、応札受付部140による応札数の計数は、応札受付時間T0の前半の期間に行われる。これにより、応札受付時間T0の後半の期間の短縮を可能とする。
次に、上記ステップS39の応札カウント処理を更に詳細に説明する。
【0098】
図12は、第2の実施の形態の応札カウント処理を示すフローチャートである。以下、図12に示す処理をステップ番号に沿って説明する。なお、以下の処理は図10におけるステップS39の処理を詳細に示したものである。
【0099】
[ステップS51]応札受付部140は、応札カウント用タイマによる時間τのカウントがカウントアップしているか否かを判定する。カウントアップしていない場合、処理をステップS52に進める。カウントアップしている場合、処理を完了させる。
【0100】
[ステップS52]応札受付部140は、カウンタ141の応札数JをJ=1に設定する。
[ステップS53]応札受付部140は、応札カウント用タイマが時間τをカウントアップするまで、ステップS54,S55を繰り返し実行する。
【0101】
[ステップS54]応札受付部140は、応札端末側通信部130から応札情報を受け付けたか否かを判定する。受け付けた場合、処理をステップS55に進める。受け付けていない場合、処理をステップS56に進める。
【0102】
[ステップS55]カウンタ141は、Jに1を加算する。
[ステップS56]応札受付部140は、応札カウント用タイマが時間τをカウントすると、上記ステップS54,S55の繰り返し処理を終了させる。そして、応札受付部140は、カウンタ141により取得した応札数Jを応札受付時間制御部153およびせり上げ金額制御部154に出力する。
【0103】
このようにして、応札受付部140は応札カウント用タイマが時間τをカウントするまで、カウンタ141により応札数を計数する。すなわち、カウンタ141は応札受付部140が応札を受け付けるたびに、応札の受け付け回数の累積を求める。これによって、応札カウント用タイマがカウントアップするまでに受け付けた応札数を得ることができる。なお、応札カウント用タイマが時間τをカウントした後に受け付けた応札に関しては、カウントされないことになる。
【0104】
次に、上記ステップS40の制御情報取得処理を更に詳細に説明する。
図13は、第2の実施の形態の制御情報取得処理を示すフローチャートである。以下、図13に示す処理をステップ番号に沿って説明する。なお、以下の処理は図10におけるステップS40の処理を詳細に示したものである。
【0105】
[ステップS61]応札受付時間制御部153は、応札受付部140から取得した応札数Jと制御情報記憶部110に記憶されたせり制御テーブル112とに基づいて、変更後の応札受付時間Tを取得する。応札受付時間制御部153は、取得した応札受付時間Tを進行管理部151に出力する。
【0106】
[ステップS62]せり上げ金額制御部154は、応札受付部140から取得した応札数Jとせり制御テーブル112とに基づいて、変更後のせり上げ金額ΔMを取得する。せり上げ金額制御部154は、取得したΔMを進行管理部151に出力する。
【0107】
[ステップS63]進行管理部151は、応札受付時間制御部153から取得した応札受付時間Tにより、応札受付時間T0=Tと設定する。また、進行管理部151は、せり上げ金額制御部154から取得したΔMにより、せり上げ金額M0=ΔMと設定する。
【0108】
このようにして、進行管理部151は、応札受付時間制御部153およびせり上げ金額制御部154から取得した変更後の値によって、応札受付時間T0とせり上げ金額M0を変更する。
【0109】
図14は、第2の実施の形態の応札受付時間およびせり上げ金額の変更を示す図である。進行管理部151は、応札受付時間T0の初期値T0aを、応札カウント時間τで計数された応札数Jに応じて応札受付時間制御部153により取得されたT0b(≦T0a)に変更する。これにより、ある価格におけるせりの時間を短縮することができる。また、進行管理部151は、せり上げ金額M0の変更前の値M0aを、応札カウント時間τで計数された応札数Jに応じてせり上げ金額制御部154により取得されたM0bに変更する。なお、M0bは、M0b≧M0aとなる場合もあるし、M0b<M0aとなる場合もある。
【0110】
次に、このようなせり制御装置100によるせりの進行の具体例を説明する。
図15は、第2の実施の形態のせりの進行を示す図である。以下、図14に示す処理をグラフG1に付したステップ番号に沿って説明する。なお、グラフG1は、せり制御装置100によるせりの進行を示すグラフである。また、グラフG2は、従来の方法によるせりの進行を示すグラフであり、比較のために図示している。更に、ステップ番号は、グラフG1において、あるせり金額についての応札を受け付ける期間を1単位として付与されている。
【0111】
[ステップST1]せり制御装置100は、制御情報記憶部110に記憶されたせり管理テーブル111を参照して、せり番号“1”のせりを開始する。せり制御装置100は、大型表示装置30に現在の対象品である中古車(車名“ABC”)の画像や属性情報などを表示させる。また、せり制御装置100は、せり管理テーブル111を参照して、スタート価格をM(0)=“400,000”(円)とし、応札受付時間T0=“2.0”(秒)、せり上げ金額M0=“7,000”(円)とする。このスタート価格が表示パネル40、応札端末装置200,300,400,・・・および調整人端末装置500にも表示される。その後、せり制御装置100は、応札の受付を開始し、応札カウント時間τの間に応札数J=10をカウントしたとする。すると、せり制御装置100は、せり制御テーブル112を参照して、T=“2.0”(秒)、ΔM=“7,000”(円)を取得し、T0=T=“2.0”(秒)、M0=ΔM=“7,000”(円)を設定する。なお、これらは元の値と同一であるため、このような場合には再設定を行わなくてもよい。
【0112】
[ステップST2]せり制御装置100は、M(1)=M(0)+M0=“407,000”(円)、応札受付時間T0=“2.0”(秒)として、次の応札の受付を開始する。そして、せり制御装置100は、応札カウント時間τの間に応札数J=25をカウントしたとする。すると、せり制御装置100は、せり制御テーブル112を参照して、T=“1.8”(秒)、ΔM=“10,000”(円)を取得し、T0=T=“1.8”(秒)、M0=ΔM=“10,000”(円)を設定する。T0が“2.0”(秒)から“1.8”(秒)に変更となるので、ステップST2の応札受付時間T0は、0.2秒短縮される。
【0113】
[ステップST3]せり制御装置100は、M(2)=M(1)+M0=“417,000”(円)、応札受付時間T0=“2.0”(秒)として、次の応札の受付を開始する。そして、せり制御装置100は、応札カウント時間τの間に応札数J=70をカウントしたとする。すると、せり制御装置100は、せり制御テーブル112を参照して、T=“1.5”(秒)、ΔM=“20,000”(円)を取得し、T0=T=“1.5”(秒)、M0=ΔM=“20,000”(円)を設定する。T0が“2.0”(秒)から“1.5”(秒)に変更となるので、ステップS3の応札受付時間T0は、0.5秒短縮される。
【0114】
[ステップST4]せり制御装置100は、M(3)=M(2)+M0=“437,000”(円)、応札受付時間T0=“2.0”(秒)として、次の応札の受付を開始する。そして、せり制御装置100は、応札カウント時間τの間に応札数J=110をカウントしたとする。すると、せり制御装置100は、せり制御テーブル112を参照して、T=“1.3”(秒)、ΔM=“25,000”(円)を取得し、T0=T=“1.3”(秒)、M0=ΔM=“25,000”(円)を設定する。T0が“2.0”(秒)から“1.3”(秒)に変更となるので、ステップST4の応札受付時間T0は、0.7秒短縮される。
【0115】
[ステップST5]せり制御装置100は、M(4)=M(3)+M0=“462,000”(円)、応札受付時間T0=“2.0”(秒)として、次の応札の受付を開始する。そして、せり制御装置100は、応札カウント時間τの間に応札数J=12をカウントしたとする。すると、せり制御装置100は、せり制御テーブル112を参照して、T=“2.0”(秒)、ΔM=“7,000”(円)を取得し、T0=T=“2.0”(秒)、M0=ΔM=“7,000”(円)を設定する。
【0116】
[ステップST6]せり制御装置100は、M(5)=M(4)+M0=“469,000”(円)、応札受付時間T0=“2.0”(秒)として、次の応札の受付を開始する。そして、せり制御装置100は、応札カウント時間τの間に応札数J=8をカウントしたとする。すると、せり制御装置100は、せり制御テーブル112を参照して、T=“2.0”(秒)、ΔM=“7,000”(円)を取得し、T0=T=“2.0”(秒)、M0=ΔM=“7,000”(円)を設定する。
【0117】
[ステップST7]せり制御装置100は、M(6)=M(5)+M0=“476,000”(円)、応札受付時間T0=“2.0”(秒)として、次の応札の受付を開始する。そして、せり制御装置100は、応札カウント時間τの間に応札数J=3をカウントしたとする。すると、せり制御装置100は、せり制御テーブル112を参照して、T=“2.0”(秒)、ΔM=“7,000”(円)を取得し、T0=T=“2.0”(秒)、M0=ΔM=“7,000”(円)を設定する。
【0118】
[ステップST8]せり制御装置100は、M(7)=M(6)+M0=“483,000”(円)、応札受付時間T0=“2.0”(秒)として、次の応札の受付を開始する。そして、せり制御装置100は、応札カウント時間τの間に応札数J=0をカウントしたとする。すると、せり制御装置100は、せり制御テーブル112を参照して、T=“2.0”(秒)、ΔM=“7,000”(円)を取得し、T0=T=“2.0”(秒)、M0=ΔM=“7,000”(円)を設定する。そして、せり制御装置100は、応札者がなくなり、希望価格“460,000”(円)を超えた価格に応札があったことから、ステップST7で落札権利者となった者に販売の成約を確定する。
【0119】
このように、せり制御装置100は、応札受付時間T0の前半の期間τでカウントした応札数Jに応じてT0を短縮し、また、せり上げ金額M0を増減させる。
これにより、応札者が多数存在する価格帯でのせり上げを迅速に行うことができる。そして、該当の中古車の購入を強く希望する者同士が競争する価格帯へとより早く進めることができるようになる。その結果、せりの時間を効率的に短縮することができる。
【0120】
この様子を図示したものが、本実施の形態のせり制御装置100によるせりの進行を示すグラフG1、および、従来のせりの進行を示すグラフG2である。グラフG1では、グラフG2よりも早く希望価格に到達する。このようにして、販売者の希望価格に早期に到達し、また、それ以上の価格帯での競争を活発化させることで、せりの時間を短縮するとともに、より高値での販売を促すこともできる。
【0121】
なお、上述の例では、応札受付時間T0とせり上げ金額M0とを両方変更する場合を例示したが、何れか一方のみを変更することとしてもよい。
また、今回の応札受付時間の前半の期間でカウントした応札数に応じて、次回の応札受付時間を変更するようにしてもよい。
【0122】
[第3の実施の形態]
以下、第3の実施の形態について説明する。前述の第2の実施の形態との相違点を主に説明し、同様の事項に関しては説明を省略する。
【0123】
第2の実施の形態では、応札受付時間T0の前半に応札数のカウント用の期間を設けた。これに対し、第3の実施の形態では、応札受付時間T0の全期間中の応札数を計数する。
【0124】
なお、第3の実施の形態のせりシステムの全体構成は、図2で説明した第2の実施の形態のせりシステムの全体構成と同一であるため、説明を省略する。また、第3の実施の形態の各装置のハードウェア構成は、図3,4で説明した第2の実施の形態の各装置のハードウェア構成と同一であるため、説明を省略する。
【0125】
図16は、第3の実施の形態のせり制御装置の機能構成を示す図である。せり制御装置100aは、制御情報記憶部110、応札情報記憶部120、応札端末側通信部130、応札受付部140a、せり制御部150a、権利通知部160、せり金額通知部165、せり情報表示制御部170、応札状況受付部180および調整人端末側通信部190を有する。なお、これらの機能は、CPU101により所定のプログラムが実行されることで実現される。ただし、これらの機能のうち少なくとも一部を専用のハードウェアにより実現してもよい。
【0126】
ここで、制御情報記憶部110、応札情報記憶部120、応札端末側通信部130、権利通知部160、せり金額通知部165、せり情報表示制御部170、応札状況受付部180および調整人端末側通信部190に関しては、図5で同一の符号を付して説明した各構成と同一であるため説明を省略する。
【0127】
応札受付部140aは、今回の応札受付時間T0の間に応札端末側通信部130から応札情報を取得すると、カウンタ141により応札数を計数する。応札受付部140aは、せり制御部150aによって価格のせり上げが行われるたびにカウンタ141をリセットする。応札受付部140aは、取得した応札情報をせり制御部150aに出力する。また、応札受付時間T0が経過すると、カウントした応札数をせり制御部150aに出力する。
【0128】
せり制御部150aは、せりの進行や落札権利者などの管理を行う。せり制御部150aは、進行管理部151a、権利者登録部152、応札受付時間制御部153およびせり上げ金額制御部154を有する。なお、権利者登録部152、応札受付時間制御部153およびせり上げ金額制御部154は、図5で同一の符号を付して説明した各構成と同一であるため説明を省略する。ただし、応札受付時間制御部153およびせり上げ金額制御部154は、応札受付部140aから、応札受付時間T0の間にカウントされた応札数によって、応札受付時間およびせり上げ金額を変更する。
【0129】
進行管理部151aは、制御情報記憶部110に記憶された制御情報や管理情報を参照して、せりの進行を管理する。進行管理部151aは、図5で説明した第2の実施の形態の進行管理部151に対応するものである。ただし、進行管理部151aは、応札受付時間制御部153から取得した応札受付時間に基づいて、次のせり上げ後の応札受付時間を変更する。
【0130】
次に、以上のような構成を備えるせり制御装置100aの処理手順について説明する。
第3の実施の形態のせり制御処理の手順は、第2の実施の形態の図9で説明したせり制御処理の手順と同一である。ただし、ステップS14で示した応札受付処理の手順が、第2の実施の形態と異なる。以下、その応札受付処理の手順を詳細に説明する。
【0131】
図17は、第3の実施の形態の応札受付処理を示すフローチャートである。以下、図17に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS71]進行管理部151aは、せり上げ回数i=0を設定する。
【0132】
[ステップS72]進行管理部151aは、制御情報記憶部110に記憶されたせり管理テーブル111を参照して、提示価格M(i)にスタート価格を設定する。
[ステップS73]進行管理部151aは、せり上げ金額M0に初期値を設定する。進行管理部151aは、例えば、制御情報記憶部110に記憶されたせり制御テーブル112の応札カウンタ値“0−20”に対応するせり上げ金額“7,000”(円)を初期値とする。
【0133】
[ステップS74]進行管理部151aは、応札受付時間T0に初期値を設定する。進行管理部151aは、例えば、せり制御テーブル112の応札カウンタ値“0−20”に対応する応札受付時間“2.0”(秒)を初期値とする。
【0134】
[ステップS75]進行管理部151aは、応札受付時間T0を測定するための応札受付時間タイマのカウントを開始する。
[ステップS76]応札受付部140aは、応札数J=0を設定する。
【0135】
[ステップS77]せり情報表示制御部170は、進行管理部151aの指示に応じて、表示パネル40に提示価格M(i)を表示させる。また、せり金額通知部165は、進行管理部151aの指示に応じて、提示価格M(i)の情報を応札端末側通信部130を介して応札端末装置200,300,400,・・・に送信する。更に、応札状況受付部180は、進行管理部151aの指示に応じて、提示価格M(i)の情報を調整人端末側通信部190を介して調整人端末装置500に送信する。これによって、応札端末装置200,300,400,・・・および調整人端末装置500にも提示価格M(i)が表示される。そして、進行管理部151aは、応札受付部140aに応札受付の開始を指示する。
【0136】
[ステップS78]応札受付部140aは、応札情報を受け付けたか否かを判定する。受け付けた場合、処理をステップS79に進める。受け付けていない場合、処理をステップS82に進める。
【0137】
[ステップS79]応札受付部140aは、受け付けた応札情報が上記ステップS77で現在の提示価格M(i)での応札受付を開始した後、最初に受け付けたものであるか否かを判定する。最初の応札を受け付けた場合、応札受付部140aは、応札情報を権利者登録部152に出力して処理をステップS80に進める。受け付けた応札が最初の応札でない場合、処理をステップS81に進める。
【0138】
[ステップS80]権利者登録部152は、応札情報に含まれるIDを取得して、取得したIDを応札情報記憶部120に記憶された落札権利者テーブル121に登録する。
[ステップS81]カウンタ141は、Jに1を加算する。
【0139】
[ステップS82]進行管理部151aは、応札受付時間タイマのカウントを参照して、応札受付時間T0を経過したか否かを判定する。T0を経過している場合、処理をステップS83に進める。T0を経過していない場合、処理をステップS78に進める。
【0140】
[ステップS83]応札受付部140aは、応札数Jの値をせり制御部150aに出力する。応札受付時間制御部153は、応札受付部140aから取得した応札数と制御情報記憶部110に記憶されたせり制御テーブル112とに基づいて、変更後の応札受付時間Tを特定する。応札受付時間制御部153は、変更後の応札受付時間Tを進行管理部151aに通知する。進行管理部151aは、T0=Tとする。また、せり上げ金額制御部154は、応札受付部140aから取得した応札数とせり制御テーブル112に基づいて、変更後のせり上げ金額ΔMを特定する。せり上げ金額制御部154は、変更後のせり上げ金額ΔMを進行管理部151aに通知する。進行管理部151aは、M0=ΔMとする。ここで、ステップS83の処理の詳細は、図13で説明した通りである。
【0141】
なお、ステップS83よりも後の処理は、図11で説明したステップS42〜S47と同一であるため、説明を省略する。ただし、ステップS44の後、ステップS75に進められる。すなわち、第3の実施の形態では、第2の実施の形態でせり上げのたびに行っていた応札受付時間T0への初期値の設定を行わない。その結果、上記ステップS83で設定された応札受付時間T0=Tがせり上げ後の応札受付時間となる。
【0142】
このようにして、応札受付部140aは応札受付時間T0中の応札数をカウンタ141により計数する。すなわち、カウンタ141は応札受付部140aが応札を受け付けるたびに、応札の受け付け回数の累積を求める。そして、進行管理部151aは求めた応札数に応じて次回の応札受付時間およびせり上げ金額を変更する。
【0143】
図18は、第3の実施の形態の応札受付時間およびせり上げ金額の変更を示す図である。進行管理部151aは、次のせり上げ後の応札受付時間T0を、応札カウント時間τで計数された応札数Jに応じて応札受付時間制御部153により取得されたT0b(≦初期値T0a)に変更する。これにより、せりの時間を短縮することができる。また、進行管理部151aは、せり上げ金額M0の変更前の値M0aを、応札カウント時間τ(=今回の応札受付時間T0’)で計数された応札数Jに応じてせり上げ金額制御部154により取得されたM0bに変更する。なお、M0bは、M0b≧M0aとなる場合もあるし、M0b<M0aとなる場合もある。
【0144】
これにより、第2の実施の形態と同様の効果を実現することができる。
[第4の実施の形態]
以下、第4の実施の形態について説明する。前述の第2,3の実施の形態との相違点を主に説明し、同様の事項に関しては説明を省略する。
【0145】
第3の実施の形態では、今回の応札受付時間でカウントされた応札数により、次回の応札受付時間を変更するものとした。第4の実施の形態では、得られたカウント数を正規化する。そして、正規化したカウント数に基づいて、変更後の応札受付時間およびせり上げ金額を決定する。
【0146】
なお、第4の実施の形態のせりシステムの全体構成は、図2で説明した第2の実施の形態のせりシステムの全体構成と同一であるため、説明を省略する。また、第4の実施の形態の各装置のハードウェア構成は、図3,4で説明した第2の実施の形態の各装置のハードウェア構成と同一であるため、説明を省略する。
【0147】
図19は、第4の実施の形態のせり制御装置の機能構成を示す図である。せり制御装置100bは、制御情報記憶部110、応札情報記憶部120、応札端末側通信部130、応札受付部140b、せり制御部150a、権利通知部160、せり金額通知部165、せり情報表示制御部170、応札状況受付部180および調整人端末側通信部190を有する。なお、これらの機能は、CPU101により所定のプログラムが実行されることで実現される。ただし、これらの機能のうち少なくとも一部を専用のハードウェアにより実現してもよい。
【0148】
ここで、制御情報記憶部110、応札情報記憶部120、応札端末側通信部130、権利通知部160、せり金額通知部165、せり情報表示制御部170、応札状況受付部180および調整人端末側通信部190に関しては、図5で同一の符号を付して説明した各構成と同一であるため説明を省略する。また、せり制御部150aに関しては、図16で同一の符号を付して説明した各構成と同一であるため説明を省略する。
【0149】
応札受付部140bは、応札受付時間T0の間に応札端末側通信部130から応札情報を取得すると、カウンタ141により応札数を計数する。応札受付部140bは、せり制御部150aによって価格のせり上げが行われるたびにカウンタ141をリセットする。応札受付部140bは、取得した応札情報をせり制御部150aに出力する。また、応札受付時間T0が経過すると、カウントした応札数を単位時間当たりの平均応札数に換算して、せり制御部150aに出力する。
【0150】
応札受付時間制御部153およびせり上げ金額制御部154は、正規化された応札数に基づいて、変更後の応札受付時間およびせり上げ金額を特定する。
次に、以上のような構成を備えるせり制御装置100bの処理手順について説明する。
【0151】
第4の実施の形態のせり制御処理の手順は、図9で説明した第2の実施の形態のせり制御処理の手順と同一である。また、応札受付処理の手順は、図17で説明した第3の実施の形態の応札処理の手順と同一である。ただし、ステップS83で示した制御情報取得処理の手順が異なる。以下、その制御情報取得処理の手順を詳細に説明する。
【0152】
図20は、第4の実施の形態の制御情報取得処理を示すフローチャートである。以下、図20に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS91]応札受付部140bは、カウントした応札数Jに(N/T0)を乗じて平均化後の応札数J0を算出する。ここで、Nは、応札受付時間の規定値を表す定数であり、例えば、応札受付時間の初期値である。また、T0は、カウントを行った今回の応札受付時間を示す。応札受付部140bは、平均化後の応札数J0をせり制御部150に出力する。
【0153】
[ステップS92]応札受付時間制御部153は、応札受付部140bから取得した正規化後の応札数J0と制御情報記憶部110に記憶されたせり制御テーブル112とに基づいて、変更後の応札受付時間Tを取得する。応札受付時間制御部153は、取得した応札受付時間Tを進行管理部151aに出力する。
【0154】
[ステップS93]せり上げ金額制御部154は、応札受付部140bから取得した正規化後の応札数J0とせり制御テーブル112とに基づいて、せり上げ金額ΔMを取得する。せり上げ金額制御部154は、取得したΔMを進行管理部151aに出力する。
【0155】
[ステップS94]進行管理部151aは、応札受付時間制御部153から取得した応札受付時間Tにより、応札受付時間T0=Tと設定する。また、進行管理部151aは、せり上げ金額制御部154から取得したΔMにより、せり上げ金額M0=ΔMと設定する。
【0156】
このようにして、応札受付部140bは、カウントした応札数を単位時間当たりの応札数に平均化してせり制御部150に出力するようにする。そして、応札受付時間制御部153およびせり上げ金額制御部154は、平均応札数によって、応札受付時間およびせり上げ金額の変更後の値を特定する。
【0157】
これにより、第2の実施の形態と同様の効果を実現することができる。
また、前述の第3の実施の形態の方法では、各せり金額における応札受付時間が異なるため、応札数が各せり金額によって大きく異なることも考えられる。例えば、応札受付時間が長ければカウントされる応札数は多くなり、応札受付時間が短ければカウントされる応札数は少なくなることが考えられる。このため、本実施の形態のように、各せり金額において、カウントした応札数を単位時間当たりの平均応札数に換算することで、各せり金額での応札について均一の評価を行うことができる。その結果、次回応札受付時間やせり上げ金額の変更幅について、今回応札受付時間の長短によるバラつきを抑えることができる。
【0158】
[第5の実施の形態]
以下、第5の実施の形態について説明する。前述の第2〜4の実施の形態との相違点を主に説明し、同様の事項に関しては説明を省略する。第2〜4の実施の形態では、カウンタにより受け付けた応札の数をカウントするものとした。これに対し、第5の実施の形態では、応札ログによって応札数を取得する。
【0159】
なお、第5の実施の形態のせりシステムの全体構成は、図2で説明した第2の実施の形態のせりシステムの全体構成と同一であるため、説明を省略する。また、第5の実施の形態の各装置のハードウェア構成は、図3,4で説明した第2の実施の形態の各装置のハードウェア構成と同一であるため、説明を省略する。
【0160】
図21は、第5の実施の形態のせり制御装置の機能構成を示す図である。せり制御装置100cは、制御情報記憶部110、応札情報記憶部120、応札端末側通信部130、応札受付部140c、せり制御部150c、権利通知部160、せり金額通知部165、せり情報表示制御部170、応札状況受付部180、調整人端末側通信部190およびログ解析処理部195を有する。なお、これらの機能は、CPU101により所定のプログラムが実行されることで実現される。ただし、これらの機能のうち少なくとも一部を専用のハードウェアにより実現してもよい。
【0161】
ここで、制御情報記憶部110、応札情報記憶部120、応札端末側通信部130、権利通知部160、せり金額通知部165、せり情報表示制御部170、応札状況受付部180および調整人端末側通信部190に関しては、図5で同一の符号を付して説明した各構成と同一であるため説明を省略する。
【0162】
応札受付部140cは、応札端末側通信部130から応札情報を取得すると、せり制御部150cに出力する。
せり制御部150cは、せりの進行や落札権利者などの管理を行う。せり制御部150cは、進行管理部151c、権利者登録部152、応札受付時間制御部153cおよびせり上げ金額制御部154cを有する。なお、権利者登録部152は、図5で同一の符号を付して説明した各構成と同一であるため説明を省略する。
【0163】
進行管理部151cは、制御情報記憶部110に記憶された制御情報や管理情報を参照してせりの進行を管理する。進行管理部151cは、図5で説明した第2の実施の形態の進行管理部151に対応するものである。進行管理部151cは、応札受付部140cから取得した応札情報を取得すると、その内容を応札情報記憶部120に応札ログとして格納する。
【0164】
応札受付時間制御部153cは、ログ解析処理部195から応札数を取得すると、制御情報記憶部110に記憶された制御情報を参照して、応札数に応じて応札受付時間を変更する。
【0165】
せり上げ金額制御部154cは、ログ解析処理部195から応札数を取得すると、制御情報記憶部110に記憶された制御情報を参照して、応札数に応じて次回のせり上げ金額を変更する。
【0166】
ログ解析処理部195は、ある価格での応札受付時間が経過すると、応札情報記憶部120に記憶された応札ログを参照して、その価格における応札数をカウントする。そして、カウントした応札数をせり制御部150cに出力する。
【0167】
図22は、第5の実施の形態の応札ログ管理テーブルのデータ構造例を示す図である。応札ログ管理テーブル122a,122b,122c,・・・は、進行管理部151cによりせり番号単位に生成され、応札情報記憶部120に格納される。なお、以下では、応札ログ管理テーブル122aの構成に関して説明するが、応札ログ管理テーブル122b,122c,・・・に関しても同様の構成である。なお、応札ログ管理テーブル122aは、例えば、せり番号“10”のせりに対する応札ログである。
【0168】
応札ログ管理テーブル122aには、応札時刻を示す項目、金額を示す項目、応札者IDを示す項目および解析後応札数を示す項目が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、1回分の応札に関する情報を示す。
【0169】
応札時刻を示す項目には、応札された時刻が時分秒およびミリ秒単位で設定される。金額を示す項目には、応札のあったときの提示金額が設定される。応札者IDを示す項目には、応札した応札者のIDが設定される。解析後応札数を示す項目には、ログ解析処理部195が取得した、ある提示価格における応札数の解析結果が設定される。
【0170】
応札ログ管理テーブル122aには、例えば、応札時刻が“11:12:23”、“960”(ミリ秒)、金額が“995,000”(円)、応札者IDが“001230”という情報が設定される。これは、せり番号“10”で示されるせりで、応札時刻11時12分23秒、“960”(ミリ秒)の時点において、提示価格“995,000”(円)に対し、応札者ID“001230”の者が応札を行ったことを示している。また、解析後応札数“7”は、該当の金額“995,000”(円)での応札受付時間内に“7”回の応札があったことを示している。この応札数は、ログ解析処理部195によりカウントされ、設定されるものである。
【0171】
次に、以上のような構成を備えるせり制御装置100cの処理手順について説明する。
第5の実施の形態のせり制御処理の手順は、図9で説明した第2の実施の形態のせり制御処理の手順と同一である。ただし、ステップS14で示した応札受付処理の手順が、第2の実施の形態と異なる。以下、その応札受付処理の手順を詳細に説明する。
【0172】
図23は、第5の実施の形態の応札受付処理を示すフローチャートである。以下、図23に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS101]進行管理部151cは、せり上げ回数i=0を設定する。
【0173】
[ステップS102]進行管理部151cは、制御情報記憶部110に記憶されたせり管理テーブル111を参照して、提示価格M(i)にスタート価格を設定する。
[ステップS103]進行管理部151cは、せり上げ金額M0に初期値を設定する。進行管理部151cは、例えば、制御情報記憶部110に記憶されたせり制御テーブル112の応札カウンタ値“0−20”に対応するせり上げ金額“7,000”(円)を初期値とする。
【0174】
[ステップS104]進行管理部151cは、応札受付時間T0に初期値を設定する。進行管理部151cは、例えば、せり制御テーブル112の応札カウンタ値“0−20”に対応する応札受付時間“2.0”(秒)を初期値とする。
【0175】
[ステップS105]進行管理部151cは、応札受付時間T0を測定するための応札受付時間タイマのカウントを開始する。
[ステップS106]せり情報表示制御部170は、進行管理部151cの指示に応じて、表示パネル40に提示価格M(i)を表示させる。また、せり金額通知部165は、進行管理部151cの指示に応じて、提示価格M(i)の情報を応札端末側通信部130を介して応札端末装置200,300,400,・・・に送信する。更に、応札状況受付部180は、進行管理部151cの指示に応じて、提示価格M(i)の情報を調整人端末側通信部190を介して調整人端末装置500に送信する。これによって、応札端末装置200,300,400,・・・および調整人端末装置500にも提示価格M(i)が表示される。そして、進行管理部151cは、応札受付部140cに応札受付の開始を指示する。
【0176】
[ステップS107]応札受付部140cは、応札情報を受け付けたか否かを判定する。受け付けた場合、処理をステップS108に進める。受け付けていない場合、処理をステップS111に進める。
【0177】
[ステップS108]応札受付部140cは、受け付けた応札情報が上記ステップS106で現在の提示価格M(i)での応札受付を開始した後、最初に受け付けたものであるか否かを判定する。最初の応札を受け付けた場合、応札受付部140cは、応札情報を権利者登録部152に出力して処理をステップS109に進める。受け付けた応札が最初の応札でない場合、処理をステップS110に進める。
【0178】
[ステップS109]権利者登録部152は、応札情報に含まれるIDを取得して、取得したIDを応札情報記憶部120に記憶された落札権利者テーブル121に登録する。
[ステップS110]進行管理部151cは、応札情報に含まれるIDを取得して応札情報記憶部120に記憶された応札ログ管理テーブルに記録する。
【0179】
[ステップS111]進行管理部151cは、応札受付時間タイマのカウントを参照して、応札受付時間T0を経過したか否かを判定する。T0を経過している場合、処理をステップS112に進める。T0を経過していない場合、処理をステップS107に進める。
【0180】
[ステップS112]ログ解析処理部195は、応札情報記憶部120に記憶された応札ログ管理テーブルのうち、現在のせり番号、かつ、現在の提示価格のログを抽出して、レコード数をカウントする。そして、カウントした応札数Jを解析後応札数として応札ログ管理テーブルに登録するとともに、せり制御部150cに出力する。
【0181】
[ステップS113]応札受付時間制御部153cは、ログ解析処理部195から取得した応札数Jと制御情報記憶部110に記憶されたせり制御テーブル112とに基づいて、変更後の応札受付時間Tを取得する。応札受付時間制御部153cは、取得した応札受付時間Tを進行管理部151cに出力する。また、せり上げ金額制御部154cは、ログ解析処理部195から取得した応札数Jとせり制御テーブル112とに基づいて、変更後のせり上げ金額ΔMを取得する。せり上げ金額制御部154cは、取得したΔMを進行管理部151cに出力する。進行管理部151cは、応札受付時間制御部153cから取得した応札受付時間Tにより応札受付時間T0=Tと設定する。また、進行管理部151cは、せり上げ金額制御部154cから取得したΔMにより、せり上げ金額M0=ΔMと設定する。
【0182】
なお、ステップS113よりも後の処理は、図11で説明したステップS42〜S47と同一であるため、説明を省略する。ただし、ステップS44の後、ステップS105に進められる。
【0183】
このようにして、せり制御部150cは、応札ログ管理テーブルにより今回の応札受付時間内で受け付けた応札数をカウントし、その応札数に応じて、次回のせり上げ金額およびせり上げ後の応札受付時間を変更する。
【0184】
これにより、第2の実施の形態と同様の効果を実現することができる。
なお、上述の例では、ログ解析処理部195は、今回のせり金額に対する応札数(応札受付時間内に受け付けた全応札の数)をカウントするものとしたが、第2の実施の形態に示したように、今回の応札受付時間の前半の期間に受け付けた応札の数をカウントするものとしてもよい。その場合、第2の実施の形態と同様に、今回の応札受付時間の後半部分を短縮することが考えられる。
【0185】
以上、説明したように、第2〜5の実施の形態のせり制御装置100,100a、100b、100cは、応札受付時間内にカウントした応札数に応じて今回または次回の応札受付時間を短縮し、また、次回のせり上げ金額を増減させる。
【0186】
これにより、応札者が多数存在する価格帯(例えば、低価格帯)でのせり上げを迅速に行うことができる。そして、該当の中古車の購入を強く希望する者同士が競争する価格帯へとより早く進めることができるようになる。その結果、せりの時間を効率的に短縮することができる。
【0187】
なお、上述の例では、応札受付時間とせり上げ金額とを両方変更する場合を例示したが、何れか一方のみを変更することとしてもよい。
以上、本発明のせり制御装置、せりシステムおよびせり制御方法を図示の実施の形態に基づいて説明したが、これらに限定されるものではなく、各部の構成は同様の機能を有する任意の構成のものに置き換えることができる。また、他の任意の構成物や工程が付加されてもよい。また、本発明は前述した実施の形態のうちの任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【符号の説明】
【0188】
1 せり制御装置
1a 計数部
1b 制御部
C 応札数
M せり上げ金額
T1,T2 応札受付時間
【技術分野】
【0001】
本発明は、せり制御装置、せりシステムおよびせり制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、中古車販売業者の間で、せりによる中古車の取り引きが行われている。せり会場では、せりシステムによってせりが実現される。
せりシステムは、例えば、せり制御装置、応札端末装置および大型表示装置を有する。せり制御装置は、せりの進行を制御する。応札端末装置は、応札者による応札入力を受け付け、応札者の識別情報と共にせり制御装置に通知する。大型表示装置は、現在せりの対象となっている中古車の情報や、現在のせり金額を表示する。
【0003】
せり制御装置は、大型表示装置に現在のせり金額を提示させた後、最も早く応札端末装置による応札入力を行った応札者を落札権利者と特定する。ここで、落札権利者は、価格がせり上げられるたびに変更され得る。そして、せり制御装置は、応札がなくなるまで価格をせり上げ、最終の落札権利者(最終落札者)を該当の中古車の販売成約者とする。
【0004】
ところで、せりシステムでは、多数の中古車が取り引きされる。例えば、1日当たり数千台の中古車が販売されることもある。このため、せり全体の所要時間を短縮したいという要求がある。
【0005】
この課題に対し、予め各中古車の人気度を取得しておき、人気度に応じてせり上げ時間やせり金額の上げ幅を変更する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−165609号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、実際のせり取り引きでは、所定の価格帯に応札が集中することが考えられる。
例えば、値の低い価格帯では、該当の中古車の購入に対する強い希望はないが安く購入したい者と、購入を強く希望する者とが、応札者の中に混在することが考えられる。この場合、このような応札の集中する価格帯を超えるまでは、購入を強く希望する者同士が競争する価格帯には至らず、最終落札者の決定には至り難い。すなわち、応札の集中する価格帯を超えるまでに時間を要することは、せり時間の短縮の観点からは非効率である。
【0008】
これに対し、このように応札の集中する価格帯を短時間で超えて、購入を強く希望する者同士が競争する価格帯へとより早く進めることが、せり時間の短縮の観点からは望ましい。
【0009】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、せり時間を効率的に短縮することができるせり制御装置、せりシステムおよびせり制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明では上記の課題を解決するために、せり制御装置が提供される。このせり制御装置は、計数部と制御部とを有する。計数部は、せり対象品への応札数を計数する。制御部は、応札数に応じて応札受付時間またはせり上げ金額を変更する。
【0011】
また、上記課題を解決するためにせりシステムが提供される。このせりシステムは、せり制御装置と応札端末装置とを有する。せり制御装置は、受付部と計数部と制御部とを備える。受付部は、複数の応札端末装置からせり対象品への応札を示す応札情報を受け付ける。計数部は、受付部が受け付けた応札数を計数する。制御部は、応札数に応じて応札受付時間またはせり上げ金額を変更する。応札端末装置は、応札操作部と送信部とを有する。応札操作部は、せり対象品への応札の操作入力を受け付ける。送信部は、応札操作部が操作入力を受け付けると、応札情報をせり制御装置に送信する。
【0012】
また、上記課題を解決するために、上記せり制御装置と同様の処理を行うせり制御方法が提供される。
【発明の効果】
【0013】
上記せり制御装置、せりシステムおよびせり制御方法によれば、せり時間を効率的に短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1の実施の形態のせり制御装置を示す図である。
【図2】せりシステムの全体構成を示す図である。
【図3】第2の実施の形態のせり制御装置のハードウェア構成を示す図である。
【図4】第2の実施の形態の応札端末装置のハードウェア構成を示す図である。
【図5】第2の実施の形態の各装置の機能構成を示す図である。
【図6】せり管理テーブルのデータ構造例を示す図である。
【図7】せり制御テーブルのデータ構造例を示す図である。
【図8】落札権利者テーブルのデータ構造例を示す図である。
【図9】第2の実施の形態のせり制御処理を示すフローチャートである。
【図10】第2の実施の形態の応札受付処理を示すフローチャートである。
【図11】第2の実施の形態の応札受付処理を示すフローチャートである。
【図12】第2の実施の形態の応札カウント処理を示すフローチャートである。
【図13】第2の実施の形態の制御情報取得処理を示すフローチャートである。
【図14】第2の実施の形態の応札受付時間およびせり上げ金額の変更を示す図である。
【図15】第2の実施の形態のせりの進行を示す図である。
【図16】第3の実施の形態のせり制御装置の機能構成を示す図である。
【図17】第3の実施の形態の応札受付処理を示すフローチャートである。
【図18】第3の実施の形態の応札受付時間およびせり上げ金額の変更を示す図である。
【図19】第4の実施の形態のせり制御装置の機能構成を示す図である。
【図20】第4の実施の形態の制御情報取得処理を示すフローチャートである。
【図21】第5の実施の形態のせり制御装置の機能構成を示す図である。
【図22】第5の実施の形態の応札ログ管理テーブルのデータ構造例を示す図である。
【図23】第5の実施の形態の応札受付処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
以下、第1の実施の形態に関して説明する。
【0016】
図1は、第1の実施の形態のせり制御装置を示す図である。せり制御装置1は、せりによる取り引きにおいて、あるせり金額において応札を受け付ける時間幅(応札受付時間)またはせり上げ金額を制御する。せり制御装置1は、例えば、中古車や家畜などのせりの進行に用いることができる。
【0017】
せり制御装置1は、計数部1aおよび制御部1bを有する。
計数部1aは、せり対象品への応札数を計数する。
制御部1bは、計数部1aが計数した応札数に応じて、応札受付時間またはせり上げ金額を変更する。
【0018】
せり制御装置1によれば、計数部1aにより、せり対象品に対する応札数が計数される。制御部1bにより、計数部1aが計数した応札数に応じて、応札受付時間またはせり上げ金額が変更される。
【0019】
これにより、効率的にせり時間を短縮することができる。
具体的には、制御部1bは、計数部1aが計数した応札数が多いほど応札受付時間を短縮させる。または、制御部1bは、計数部1aが計数した応札数が多いほどせり上げ金額を増加させる。あるいは、制御部1bは、計数部1aが計数した応札数に応じて応札受付時間とせり上げ金額との両方を変更する。
【0020】
例えば、計数部1aは、ある価格の応札受付時間T1内の前半に応札数Cを計数したとする。このとき、制御部1bは、応札受付時間T1を応札数Cに応じて、応札受付時間T1の後半を削減し、T1’(<T1)に短縮することが考えられる。また、制御部1bは、次のせり上げ金額Mを規定のせり上げ金額よりも増加させることが考えられる。
【0021】
また、例えば、計数部1aは、ある価格の応札受付時間T1内の間に応札数C’を計数したとする。このとき、制御部1bは、次回せり上げ後の応札受付時間T2を規定の時間より短縮することが考えられる。この場合、次回せり上げ時のせり上げ金額Mも応札数C’に応じて増加させることが考えられる。
【0022】
これにより、応札を希望する者が多く存在する価格帯を短時間で超えて、購入を強く希望する者同士が競争する価格帯へとより早く進めることができる。その結果、最終落札者を短時間で決定することができ、せりに要する時間を一層短縮することができる。
【0023】
せり制御装置1は、例えば、中古車のせりの進行に利用することができる。以下では、せり制御装置1を中古車の販売を行うせりシステムに適用する場合を例に採り、更に具体的に説明する。
【0024】
[第2の実施の形態]
以下、第2の実施の形態に関して説明する。
図2は、せりシステムの全体構成を示す図である。このせりシステムは、せりによる中古車の販売を行うためのシステムである。このせりシステムは、管理用端末装置20、大型表示装置30、表示パネル40、せり制御装置100、応札端末装置200,300,400,・・・および調整人端末装置500がネットワーク10を介して接続される。ネットワーク10は、有線または無線のネットワークである。
【0025】
管理用端末装置20は、せり制御装置100と接続される。管理用端末装置20は、せり制御装置100の運用管理を行うコンピュータである。
大型表示装置30は、せり会場内の応札者によって閲覧され、応札者に現在のせり対象品の情報を提供するための大型の画面を備えている。大型表示装置30は、ネットワーク10を介してせりの対象となっている中古車の画像情報や、該当の中古車に関する属性情報(車名、型式、年式および状態など)をせり制御装置100から受信する。大型表示装置30は、受信した画像情報や属性情報を画面に表示する。
【0026】
表示パネル40は、大型表示装置30に表示された中古車の現在のせり金額や“売り切り”対象品であるか否か、その価格で販売が決定したか否か、“流れ”となったか否かなどの情報を表示する。
【0027】
ここで、“売り切り”とは、該当の中古車に対して、スタート価格から一回でも応札があれば、それ以後の最高応札者に対して販売成約(落札)を行うモードである。
また、“流れ”とは、応札者が一人もいない場合、或いは、最終応札者に対して販売成約を行わず、今回は該当の中古車を販売しないことを示す。
【0028】
せり制御装置100は、せりの進行を制御する。せり制御装置100は、受け付けた応札数に応じて、応札受付時間やせり上げ金額を変更する。また、せり制御装置100は、応札を受け付け、該当の中古車の落札権利者を管理する。
【0029】
応札端末装置200,300,400,・・・は、応札者が応札に用いる端末装置である。応札者は、例えば、応札端末装置200が設置された座席に着く。そして、応札端末装置200に自己のID(IDentifier)を記憶したIC(Integrated Circuit)カードを応札端末装置200に挿入する。これにより、応札端末装置200は、応札者による応札の入力を受け付けるたびに、ICカードに記憶されたIDと応札通知の信号をせり制御装置100に送信する。
【0030】
調整人端末装置500は、せりを主催する調整人がせりの進行状況により必要に応じて、応札受付時間やせり上げ金額を変更するための端末装置である。
せり会場では、例えば、複数のせりを並行して行うために大型表示装置、表示パネル、応札端末装置および調整人端末装置のセットが複数レーン分設けられる。
【0031】
図3は、第2の実施の形態のせり制御装置のハードウェア構成を示す図である。せり制御装置100は、CPU(Central Processing Unit)101、RAM(Random Access Memory)102、HDD(Hard Disk Drive)103、画像処理装置104、入力インタフェース105および通信インタフェース106,107を有する。
【0032】
CPU101は、せり制御装置100全体を制御する。
RAM102は、CPU101に実行させるOS(Operating System)のプログラムやアプリケーションソフトウェア(以下、アプリケーションという)のプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM102は、CPU101による処理に必要な各種データを一時的に記憶する。
【0033】
HDD103は、OSのプログラムやアプリケーションのプログラムを記憶する。また、HDD103は、CPU101による処理に必要な各種データを記憶する。なお、HDD103の代わりにSSD(Solid State Drive)のような他の不揮発性の記憶媒体を用いることもできる。
【0034】
画像処理装置104は、モニタ11と接続されている。画像処理装置104は、CPU101からの命令に従って、画像をモニタ11の画面に表示させる。
入力インタフェース105には、キーボード12とマウス13とが接続されている。入力インタフェース105は、キーボード12やマウス13から送られてくる信号をCPU101に送信する。
【0035】
通信インタフェース106,107は、他の情報処理装置とデータ通信を行う。通信インタフェース106は、ネットワーク10に接続されている。通信インタフェース106は、ネットワーク10を介して、大型表示装置30、応札端末装置200,300,400,・・・および調整人端末装置500とデータ通信を行う。また、通信インタフェース107は、管理用端末装置20と接続される。通信インタフェース107は、例えば、管理用端末装置20からの接続を受け付け、制御用コマンドや制御情報などの送受信を行う。
【0036】
なお、調整人端末装置500もせり制御装置100と同様のハードウェア構成を備えたコンピュータにより実現することができる。
図4は、第2の実施の形態の応札端末装置のハードウェア構成を示す図である。応札端末装置200は、CPU201、ROM(Read Only Memory)202、RAM203、ICカード読取部204、表示パネル用インタフェース205、表示パネル206、応札ボタン用インタフェース207および通信インタフェース208を有する。
【0037】
CPU201は、応札端末装置200全体を制御する。
ROM202は、CPU201に実行させるOSのプログラムやアプリケーションのプログラムを記憶する。
【0038】
RAM203は、CPU201に実行させるOSのプログラムやアプリケーションのプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM203は、CPU201による処理に必要な各種データを一時的に記憶する。
【0039】
ICカード読取部204は、応札者が応札端末装置200に挿入したICカードを読み取る。
表示パネル用インタフェース205は、表示パネル206が接続されている。表示パネル用インタフェース205は、CPU201からの命令に従って、表示パネル206の権利表示LED(Light Emitting Diode)206aの点灯および消灯を制御する。これにより、応札端末装置200は、操作中の応札者が現在落札権利者となっているか否かを通知する。例えば、落札権利者となっている場合、表示パネル用インタフェース205は、権利表示LED206aを点灯させる。その後、落札権利者でなくなった場合、表示パネル用インタフェース205は、表示LED206aを消灯させる。また、表示パネル用インタフェース205は、CPU201からの命令に従って、表示パネル206の金額表示部206bに現在のせり金額を表示する。
【0040】
応札ボタン用インタフェース207は、応札ボタン21と接続されている。応札ボタン用インタフェース207は、応札者による応札ボタン21の押下を検知し、CPU201に通知する。
【0041】
通信インタフェース208は、ネットワーク10に接続されている。通信インタフェース208は、ネットワーク10を介して、せり制御装置100とデータ通信を行う。
なお、応札端末装置300,400,・・・も応札端末装置200と同様のハードウェア構成により実現することができる。
【0042】
図5は、第2の実施の形態の各装置の機能構成を示す図である。せり制御装置100は、制御情報記憶部110、応札情報記憶部120、応札端末側通信部130、応札受付部140、せり制御部150、権利通知部160、せり金額通知部165、せり情報表示制御部170、応札状況受付部180および調整人端末側通信部190を有する。なお、これらの機能は、CPU101により所定のプログラムが実行されることで実現される。ただし、これらの機能のうち少なくとも一部を専用のハードウェアにより実現してもよい。
【0043】
制御情報記憶部110は、せりの進行を制御するための制御情報を記憶する。また、制御情報記憶部110は、出品対象である中古車の情報などを含む管理情報を記憶する。
応札情報記憶部120は、せりによって決定した落札権利者情報や、応札のログなどの運用情報を記憶する。
【0044】
応札端末側通信部130は、応札端末装置200,300,400,・・・から応札情報を受信する。ここで、応札情報は、応札端末装置200で応札ボタン21の押下を検出したことを示す情報および応札端末装置200に挿入されたICカードが記憶する識別情報を含むものである(応札端末装置300,400,・・・についても同様)。そして、応札端末側通信部130は、受信した応札情報を応札受付部140に出力する。
【0045】
また、応札端末側通信部130は、権利通知部160から取得する権利通知情報を応札端末装置200,300,400,・・・に送信する。更に、応札端末側通信部130は、せり金額通知部165から取得するせり金額通知情報を応札端末装置200,300,400,・・・に送信する。
【0046】
応札受付部140は、所定期間の間に応札端末側通信部130から応札情報を取得すると、カウンタ141により応札情報を受け付けた回数(応札数)を計数する。応札受付部140は、せり制御部150によって価格のせり上げが行われるたびにカウンタ141をリセットする。応札受付部140は、取得した応札情報をせり制御部150に出力する。また、所定期間の間に計数して取得した応札数をせり制御部150に出力する。
【0047】
せり制御部150は、せりの進行や落札権利者などの管理を行う。せり制御部150は、進行管理部151、権利者登録部152、応札受付時間制御部153およびせり上げ金額制御部154を有する。
【0048】
進行管理部151は、制御情報記憶部110に記憶された制御情報や管理情報を参照して、せりの進行を管理する。例えば、進行管理部151は、せりの開始タイミングや価格をせり上げるタイミングなどを管理する。進行管理部151は、現在の価格の応札受付時間が経過すると、せり上げを行い、せり上げ後の金額をせり金額通知部165に出力する。また、進行管理部151は、せりの進行に応じて、せり情報表示制御部170に、現在のせり金額や中古車の情報などを出力する。更に、進行管理部151は、現在のせり金額を示す情報を応札状況受付部180に出力する。
【0049】
権利者登録部152は、応札受付部140から取得した応札情報に基づいて、現在の価格における落札権利者を特定する。権利者登録部152は、現在の価格において最も早く応札を受け付けた応札者を落札権利者と特定する。権利者登録部152は、特定した落札権利者のIDを権利通知部160および応札状況受付部180に出力する。そして、権利者登録部152は、最終落札者を販売成約者として応札情報記憶部120に登録する。
【0050】
応札受付時間制御部153は、応札受付部140から応札数を取得すると、制御情報記憶部110に記憶された制御情報を参照して、応札数に応じて応札受付時間を変更する。
せり上げ金額制御部154は、応札受付部140から応札数を取得すると、制御情報記憶部110に記憶された制御情報を参照して、応札数に応じて次回のせり上げ金額を変更する。
【0051】
権利通知部160は、権利者登録部152から取得した落札権利者のIDに基づいて、そのIDを含む権利通知情報を生成し、応札端末側通信部130に出力する。
せり金額通知部165は、進行管理部151から取得したせり上げ後の金額を通知するためのせり金額通知情報を生成し、応札端末側通信部130に出力する。
【0052】
せり情報表示制御部170は、進行管理部151から現在のせり金額や中古車の情報などを取得すると、大型表示装置30および表示パネル40の表示内容を変更する。
応札状況受付部180は、進行管理部151から現在のせり金額を示す情報を取得し、調整人端末側通信部190に出力する。また、応札状況受付部180は、権利者登録部152から落札権利者の情報を取得し、調整人端末側通信部190に出力する。
【0053】
調整人端末側通信部190は、応札状況受付部180から取得した現在のせり金額を示す情報や落札権利者の情報(IDなど)を調整人端末装置500に送信する。
応札端末装置200,300,400,・・・は、応札端末側通信部130と通信し、応札の有無を通知する。なお、以下では、応札端末装置200の機能構成に関してのみ説明するが、応札端末装置300,400,・・・も同一の機能構成により実現できる。
【0054】
応札端末装置200は、スイッチ押下検出部210、せり金額表示制御部220、権利状況表示制御部230および通信部240を有する。
スイッチ押下検出部210は、応札者による応札ボタン21の押下を検出し、その旨を通知するための応札情報を生成して通信部240に出力する。
【0055】
せり金額表示制御部220は、通信部240から取得するせり金額通知情報に基づいて、表示パネル206の金額表示部206bに現在のせり金額を表示させる。
権利状況表示制御部230は、通信部240から取得する権利通知情報を参照して、権利者のIDが応札端末装置200に挿入されたICカードに記憶されたIDと一致するか否かを照合する。権利状況表示制御部230は、IDが同一、かつ、表示パネル206の権利表示LED206aが消灯状態である場合、権利表示LED206aを点灯させる。IDが同一かつ権利表示LED206aが点灯状態である場合には、点灯状態を維持させる。また、権利状況表示制御部230は、IDが異なり、かつ、権利表示LED206aが点灯状態である場合、権利表示LED206aを消灯させる。IDが異なり、かつ権利表示LED206aが消灯状態である場合には、消灯状態を維持させる。
【0056】
通信部240は、スイッチ押下検出部210から取得した応札情報をせり制御装置100に送信する。また、通信部240は、せり制御装置100から受信したせり金額通知情報をせり金額表示制御部220に出力する。また、通信部240は、せり制御装置100から受信した権利通知情報を権利状況表示制御部230に出力する。
【0057】
調整人端末装置500は、操作入力受付部510、せり金額表示制御部520、権利取得者通知部530および通信部540を有する。
操作入力受付部510は、応札受付時間やせり上げ金額を変更するための調整人による操作入力を受け付ける。
【0058】
せり金額表示制御部520は、通信部540から取得する現在のせり金額の情報を調整人端末装置500が有するモニタに表示する。
権利取得者通知部530は、通信部540から取得する落札権利者の情報を調整人端末装置500が有するモニタに表示する。
【0059】
通信部540は、操作入力受付部510が受け付けた調整人の操作入力をせり制御装置100に送信する。なお、せり制御装置100では、応札受付時間やせり上げ金額の変更を受け付けると制御情報記憶部110に記憶された応札受付時間やせり上げ金額を変更する。通信部540は、せり制御装置100から受信した現在のせり金額の情報をせり金額表示制御部520に出力する。また、通信部540は、せり制御装置100から受信した落札権利者の情報を権利取得者通知部530に出力する。
【0060】
図6は、せり管理テーブルのデータ構造例を示す図である。せり管理テーブル111は、制御情報記憶部110に予め記憶される。せり管理テーブル111には、せり番号を示す項目、スタート価格を示す項目、希望価格を示す項目、画像ファイルを示す項目、売り切りフラグを示す項目および属性情報を示す項目が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、1つのせりに関する情報を示す。
【0061】
せり番号を示す項目には、該当の中古車が対象となるせりを特定するための識別番号が設定される。スタート価格を示す項目には、せりの開始時点の価格が設定される。希望価格を示す項目には、落札希望価格を示す情報が設定される。画像ファイルを示す項目には、該当の中古車をカメラで撮像した画像データが設定される。売り切りフラグを示す項目には、該当の中古車が売り切り品であるか否かを示すフラグが設定される。属性情報を示す項目には、該当の中古車に関する属性情報(例えば、車名、型名、年式および状態など)が設定される。
【0062】
せり管理テーブル111には、例えば、せり番号が“1”、スタート価格が“400,000(円)”、希望価格が“460,000(円)”、画像ファイルが“0001.jpg”、売り切りフラグが“−”、車名が“ABC”という情報が設定される。これは、せり番号“1”のせりに掛けられる中古車(“ABC”)の画像データがファイル名“0001.jpg”で登録されており、その中古車のスタート価格が“400,000(円)”、落札希望価格が“460,000(円)”であり、売り切り品ではないことを示している。
【0063】
また、せり管理テーブル111には、例えば、せり番号が“4”スタート価格が“350,000(円)”、希望価格が“−(円)”、画像ファイルが“0004.jpg”、売り切りフラグが“○”、車名が“VRM”という情報が設定される。これは、せり番号“4”のせりに掛けられる中古車(“VRM”)の画像データがファイル名“0004.jpg”で登録されており、その中古車のスタート価格が“350,000(円)”、落札希望価格のない売り切り品であることを示している。
【0064】
これらの情報は、例えば、中古車を販売する販売者やせりを主催する主催者により予め登録される。
図7は、せり制御テーブルのデータ構造例を示す図である。せり制御テーブル112は、制御情報記憶部110に予め記憶される。せり制御テーブル112には、応札カウンタ値を示す項目、せり上げ金額ΔMを示す項目および応札受付時間Tを示す項目が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、1つの制御内容を示す。
【0065】
応札カウンタ値を示す項目には、応札数を示す値が設定される。せり上げ金額ΔMを示す項目には、該当の応札数であった場合にせり上げる金額の上げ幅が設定される。応札受付時間Tを示す項目には、該当の応札数であった場合の変更後の応札受付時間が設定される。
【0066】
せり制御テーブル112には、例えば、応札カウンタ値が“0−20”、せり上げ金額ΔMが“7,000(円)”、応札受付時間Tが“2.0(秒)”という情報が設定される。これは、カウンタ141が計数した応札数が“0−20”の範囲にある場合、せり上げ金額ΔMを“7,000(円)”とし、応札受付時間Tを“2.0(秒)”とすることを示している。なお、応札カウンタ値“0−20”に対応するΔMおよびTの値は、せりのスタート時にM0およびT0の初期値として設定される。
【0067】
図8は、落札権利者テーブルのデータ構造例を示す図である。落札権利者テーブル121は、応札情報記憶部120に記憶される。落札権利者テーブル121は、せり番号を示す項目、落札権利者IDを示す項目および落札価格を示す項目が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、1つのせりの落札に関する情報を示す。
【0068】
せり番号を示す項目には、せりを特定するための識別番号が設定される。落札権利者IDを示す項目には、該当のせりで現在または最終の落札権利者となっている者のIDが設定される。落札価格を示す項目には、該当のせりに出品された中古車の落札価格が設定される。
【0069】
落札権利者テーブル121には、例えば、せり番号が“1”、落札権利者IDが“12123”、落札価格が“476,000(円)”という情報が設定される。これは、せり番号“1”で特定されるせりに出品された中古車をID“12123”の応札者が最終落札者であり、落札価格が“476,000”であることを示している。なお、例えば、せり番号“1”のせりが現在進行している場合には、ID“12123”の応札者は現在の落札権利者である。
【0070】
次に、以上のような構成を備えるせり制御装置100の処理手順について説明する。
図9は、第2の実施の形態のせり制御処理を示すフローチャートである。以下、図9に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
【0071】
[ステップS11]進行管理部151は、せりの開始指示を受け付ける。
[ステップS12]進行管理部151は、制御情報記憶部110に記憶されたせり管理テーブル111を参照して、最初に開始するせり番号を取得する。
【0072】
[ステップS13]進行管理部151は、せり管理テーブル111を参照して、せり番号に対応する中古車の画像情報、せりの進行に必要な情報(スタート価格や希望価格など)および属性情報を取得する。
【0073】
[ステップS14]進行管理部151は、中古車の画像情報、属性情報およびスタート価格などを参加者に提示し、応札の受け付けを開始する。そして、その中古車に対して複数の応札があるたびに金額をせり上げる。権利者登録部152は、応札情報の受け付けの前後により落札権利者を特定し、その時点の応札額と共に応札情報記憶部120の落札権利者テーブル121に登録する。そして、進行管理部151は、最も高値で応札し、落札権利者となった者を特定すると、その中古車のせりを完了させる。なお、スタート価格から所定時間経過しても応札者が一人もいない場合にも、その中古車のせりを完了させる。
【0074】
[ステップS15]進行管理部151は、せり管理テーブル111を参照して、その中古車が売り切り対象であるか否かを判定する。売り切り対象である場合、処理をステップS16に進める。売り切り対象でない場合、処理をステップS17に進める。
【0075】
[ステップS16]進行管理部151は、落札権利者テーブル121を参照して、該当の中古車の落札権利者がいるか否かを判定する。落札権利者がいる場合、処理をステップS18に進める。落札権利者がいない場合、処理をステップS19に進める。
【0076】
[ステップS17]進行管理部151は、せり管理テーブル111を参照して、最終の応札額が希望価格以上であるか否かを判定する。希望価格以上である場合、処理をステップS18に進める。希望価格よりも小さい場合、処理をステップS19に進める。
【0077】
[ステップS18]進行管理部151は、落札権利者テーブル121に登録された最終落札者に対する落札を確定する。これにより、販売が成約する。
[ステップS19]進行管理部151は、該当の中古車のせりを流れとする。
【0078】
[ステップS20]進行管理部151は、せり管理テーブル111を参照して、全てのせりが終了したか否かを判定する。全て終了した場合、せり制御処理を完了させる。全て終了していない場合、処理をステップS21に進める。
【0079】
[ステップS21]進行管理部151は、せり番号に1を加算する。そして、処理をステップS13に進める。なお、ここではせり番号は1,2,3,4・・・の様に連続しているものとした。
【0080】
このようにして、各中古車のせりが進行される。上記ステップS14では、応札数に応じて、応札受付時間やせり上げ金額を変更して、1台の中古車にあてるせり時間の短縮を図る。以下では、このようなステップS14の処理を更に詳細に説明する。
【0081】
図10,11は、第2の実施の形態の応札受付処理を示すフローチャートである。以下、図10,11に示す処理をステップ番号に沿って説明する。なお、以下の処理は図9におけるステップS14の処理を詳細に示したものである。
【0082】
[ステップS31]進行管理部151は、せり上げ回数i=0を設定する。
[ステップS32]進行管理部151は、制御情報記憶部110に記憶されたせり管理テーブル111を参照して、提示価格M(i)にスタート価格を設定する。
【0083】
[ステップS33]進行管理部151は、せり上げ金額M0に初期値を設定する。進行管理部151は、例えば、制御情報記憶部110に記憶されたせり制御テーブル112の応札カウンタ値“0−20”に対応するせり上げ金額“7,000”(円)を初期値とする。
【0084】
[ステップS34]進行管理部151は、応札受付時間T0に初期値を設定する。進行管理部151は、例えば、せり制御テーブル112の応札カウンタ値“0−20”に対応する応札受付時間“2.0”(秒)を初期値とする。
【0085】
[ステップS35]進行管理部151は、応札受付時間T0を計測するための応札受付時間タイマのカウントを開始する。それと同時に、応札受付部140は、応札数をカウントする時間τを計測するためのタイマ(応札カウント用タイマという)のカウントを開始する。ここで、τ<T0である。例えば、せり制御テーブル112に設定された各応札受付時間に対して、τ=0.5(秒)が制御情報記憶部110に予め設定される。
【0086】
[ステップS36]せり情報表示制御部170は、進行管理部151の指示に応じて、表示パネル40に提示価格M(i)を表示させる。また、せり金額通知部165は、進行管理部151の指示に応じて、提示価格M(i)の情報を応札端末側通信部130を介して応札端末装置200,300,400,・・・に送信する。更に、応札状況受付部180は、進行管理部151の指示に応じて、提示価格M(i)の情報を調整人端末側通信部190を介して調整人端末装置500に送信する。これによって、応札端末装置200,300,400,・・・および調整人端末装置500にも提示価格M(i)が表示される。そして、進行管理部151は、応札受付部140に応札受付の開始を指示する。
【0087】
[ステップS37]応札受付部140は、最初の応札情報を受け付けたか否かを判定する。ここで、最初の応札とは、上記ステップS36で現在の提示価格M(i)での応札受付を開始した後、最初に受け付けた応札を意味する。最初の応札を受け付けた場合、応札受付部140は、応札情報を権利者登録部152に出力して、処理をステップS38に進める。最初の応札を受け付けていない場合、処理をステップS41に進める。
【0088】
[ステップS38]権利者登録部152は、応札受付部140は、応札情報に含まれるIDを取得して、取得したIDを、応札情報記憶部120に記憶された落札権利者テーブル121に登録する。
【0089】
[ステップS39]応札受付部140は、応札数を計数する応札カウント処理を行う。応札受付部140は、計数した応札数を応札受付時間制御部153およびせり上げ金額制御部154に出力する。
【0090】
[ステップS40]応札受付時間制御部153は、応札受付部140から取得した応札数と制御情報記憶部110に記憶されたせり制御テーブル112とに基づいて、変更後の応札受付時間Tを特定する。応札受付時間制御部153は、変更後の応札受付時間Tを進行管理部151に通知する。進行管理部151は、T0=Tとする。また、せり上げ金額制御部154は、応札受付部140から取得した応札数とせり制御テーブル112に基づいて、変更後のせり上げ金額ΔMを特定する。せり上げ金額制御部154は、変更後のせり上げ金額ΔMを進行管理部151に通知する。進行管理部151は、M0=ΔMとする。
【0091】
[ステップS41]進行管理部151は、応札受付時間タイマのカウントを参照して、応札受付時間T0を経過したか否かを判定する。T0を経過している場合、処理をステップS42に進める。T0を経過していない場合、処理をステップS37に進める。
【0092】
[ステップS42]進行管理部151は、M(i+1)=M(i)+M0を算出する。
[ステップS43]進行管理部151は、今回提示価格M(i)に対して応札があったか否かを判定する。応札があった場合、処理をステップS44に進める。応札がなかった場合、処理をステップS45に進める。
【0093】
[ステップS44]進行管理部151は、iをインクリメントする。そして、処理をステップS34に進める。
[ステップS45]進行管理部151は、制御情報記憶部110に記憶されたせり管理テーブル111を参照して、該当の中古車が売り切り対象であるか否かを判定する。売り切り対象である場合、処理を完了させる。売り切り対象でない場合、処理をステップS46に進める。
【0094】
[ステップS46]進行管理部151は、せり管理テーブル111を参照して、今回提示価格M(i)が希望価格以上であるか否かを判定する。希望価格以上である場合、処理を完了させる。希望価格よりも低い場合、処理をステップS47に進める。
【0095】
[ステップS47]進行管理部151は、誘導せり上げを行うか否かを判定する。誘導せり上げを行わない場合、処理を完了する。誘導せり上げを行う場合、処理をステップS44に進める。ここで、誘導せり上げとは、提示価格M(i)に対して応札者がいない場合にも、提示価格M(i+1)を提示して、参加者の応札意欲を探る方法である。進行管理部151は、応札者がいない場合でも、例えば1回だけ誘導せり上げを行うことが考えられる。
【0096】
このようにして、各中古車のせりが進められる。その際、応札受付時間制御部153は、応札受付部140により計数された応札数に応じて、応札受付時間T0の変更後の値Tを特定し、進行管理部151に通知する。また、せり上げ金額制御部154は、応札受付部140により計数された応札数に応じて、せり上げ金額M0の変更後の値ΔMを特定し、進行管理部151に通知する。
【0097】
なお、応札受付部140による応札数の計数は、応札受付時間T0の前半の期間に行われる。これにより、応札受付時間T0の後半の期間の短縮を可能とする。
次に、上記ステップS39の応札カウント処理を更に詳細に説明する。
【0098】
図12は、第2の実施の形態の応札カウント処理を示すフローチャートである。以下、図12に示す処理をステップ番号に沿って説明する。なお、以下の処理は図10におけるステップS39の処理を詳細に示したものである。
【0099】
[ステップS51]応札受付部140は、応札カウント用タイマによる時間τのカウントがカウントアップしているか否かを判定する。カウントアップしていない場合、処理をステップS52に進める。カウントアップしている場合、処理を完了させる。
【0100】
[ステップS52]応札受付部140は、カウンタ141の応札数JをJ=1に設定する。
[ステップS53]応札受付部140は、応札カウント用タイマが時間τをカウントアップするまで、ステップS54,S55を繰り返し実行する。
【0101】
[ステップS54]応札受付部140は、応札端末側通信部130から応札情報を受け付けたか否かを判定する。受け付けた場合、処理をステップS55に進める。受け付けていない場合、処理をステップS56に進める。
【0102】
[ステップS55]カウンタ141は、Jに1を加算する。
[ステップS56]応札受付部140は、応札カウント用タイマが時間τをカウントすると、上記ステップS54,S55の繰り返し処理を終了させる。そして、応札受付部140は、カウンタ141により取得した応札数Jを応札受付時間制御部153およびせり上げ金額制御部154に出力する。
【0103】
このようにして、応札受付部140は応札カウント用タイマが時間τをカウントするまで、カウンタ141により応札数を計数する。すなわち、カウンタ141は応札受付部140が応札を受け付けるたびに、応札の受け付け回数の累積を求める。これによって、応札カウント用タイマがカウントアップするまでに受け付けた応札数を得ることができる。なお、応札カウント用タイマが時間τをカウントした後に受け付けた応札に関しては、カウントされないことになる。
【0104】
次に、上記ステップS40の制御情報取得処理を更に詳細に説明する。
図13は、第2の実施の形態の制御情報取得処理を示すフローチャートである。以下、図13に示す処理をステップ番号に沿って説明する。なお、以下の処理は図10におけるステップS40の処理を詳細に示したものである。
【0105】
[ステップS61]応札受付時間制御部153は、応札受付部140から取得した応札数Jと制御情報記憶部110に記憶されたせり制御テーブル112とに基づいて、変更後の応札受付時間Tを取得する。応札受付時間制御部153は、取得した応札受付時間Tを進行管理部151に出力する。
【0106】
[ステップS62]せり上げ金額制御部154は、応札受付部140から取得した応札数Jとせり制御テーブル112とに基づいて、変更後のせり上げ金額ΔMを取得する。せり上げ金額制御部154は、取得したΔMを進行管理部151に出力する。
【0107】
[ステップS63]進行管理部151は、応札受付時間制御部153から取得した応札受付時間Tにより、応札受付時間T0=Tと設定する。また、進行管理部151は、せり上げ金額制御部154から取得したΔMにより、せり上げ金額M0=ΔMと設定する。
【0108】
このようにして、進行管理部151は、応札受付時間制御部153およびせり上げ金額制御部154から取得した変更後の値によって、応札受付時間T0とせり上げ金額M0を変更する。
【0109】
図14は、第2の実施の形態の応札受付時間およびせり上げ金額の変更を示す図である。進行管理部151は、応札受付時間T0の初期値T0aを、応札カウント時間τで計数された応札数Jに応じて応札受付時間制御部153により取得されたT0b(≦T0a)に変更する。これにより、ある価格におけるせりの時間を短縮することができる。また、進行管理部151は、せり上げ金額M0の変更前の値M0aを、応札カウント時間τで計数された応札数Jに応じてせり上げ金額制御部154により取得されたM0bに変更する。なお、M0bは、M0b≧M0aとなる場合もあるし、M0b<M0aとなる場合もある。
【0110】
次に、このようなせり制御装置100によるせりの進行の具体例を説明する。
図15は、第2の実施の形態のせりの進行を示す図である。以下、図14に示す処理をグラフG1に付したステップ番号に沿って説明する。なお、グラフG1は、せり制御装置100によるせりの進行を示すグラフである。また、グラフG2は、従来の方法によるせりの進行を示すグラフであり、比較のために図示している。更に、ステップ番号は、グラフG1において、あるせり金額についての応札を受け付ける期間を1単位として付与されている。
【0111】
[ステップST1]せり制御装置100は、制御情報記憶部110に記憶されたせり管理テーブル111を参照して、せり番号“1”のせりを開始する。せり制御装置100は、大型表示装置30に現在の対象品である中古車(車名“ABC”)の画像や属性情報などを表示させる。また、せり制御装置100は、せり管理テーブル111を参照して、スタート価格をM(0)=“400,000”(円)とし、応札受付時間T0=“2.0”(秒)、せり上げ金額M0=“7,000”(円)とする。このスタート価格が表示パネル40、応札端末装置200,300,400,・・・および調整人端末装置500にも表示される。その後、せり制御装置100は、応札の受付を開始し、応札カウント時間τの間に応札数J=10をカウントしたとする。すると、せり制御装置100は、せり制御テーブル112を参照して、T=“2.0”(秒)、ΔM=“7,000”(円)を取得し、T0=T=“2.0”(秒)、M0=ΔM=“7,000”(円)を設定する。なお、これらは元の値と同一であるため、このような場合には再設定を行わなくてもよい。
【0112】
[ステップST2]せり制御装置100は、M(1)=M(0)+M0=“407,000”(円)、応札受付時間T0=“2.0”(秒)として、次の応札の受付を開始する。そして、せり制御装置100は、応札カウント時間τの間に応札数J=25をカウントしたとする。すると、せり制御装置100は、せり制御テーブル112を参照して、T=“1.8”(秒)、ΔM=“10,000”(円)を取得し、T0=T=“1.8”(秒)、M0=ΔM=“10,000”(円)を設定する。T0が“2.0”(秒)から“1.8”(秒)に変更となるので、ステップST2の応札受付時間T0は、0.2秒短縮される。
【0113】
[ステップST3]せり制御装置100は、M(2)=M(1)+M0=“417,000”(円)、応札受付時間T0=“2.0”(秒)として、次の応札の受付を開始する。そして、せり制御装置100は、応札カウント時間τの間に応札数J=70をカウントしたとする。すると、せり制御装置100は、せり制御テーブル112を参照して、T=“1.5”(秒)、ΔM=“20,000”(円)を取得し、T0=T=“1.5”(秒)、M0=ΔM=“20,000”(円)を設定する。T0が“2.0”(秒)から“1.5”(秒)に変更となるので、ステップS3の応札受付時間T0は、0.5秒短縮される。
【0114】
[ステップST4]せり制御装置100は、M(3)=M(2)+M0=“437,000”(円)、応札受付時間T0=“2.0”(秒)として、次の応札の受付を開始する。そして、せり制御装置100は、応札カウント時間τの間に応札数J=110をカウントしたとする。すると、せり制御装置100は、せり制御テーブル112を参照して、T=“1.3”(秒)、ΔM=“25,000”(円)を取得し、T0=T=“1.3”(秒)、M0=ΔM=“25,000”(円)を設定する。T0が“2.0”(秒)から“1.3”(秒)に変更となるので、ステップST4の応札受付時間T0は、0.7秒短縮される。
【0115】
[ステップST5]せり制御装置100は、M(4)=M(3)+M0=“462,000”(円)、応札受付時間T0=“2.0”(秒)として、次の応札の受付を開始する。そして、せり制御装置100は、応札カウント時間τの間に応札数J=12をカウントしたとする。すると、せり制御装置100は、せり制御テーブル112を参照して、T=“2.0”(秒)、ΔM=“7,000”(円)を取得し、T0=T=“2.0”(秒)、M0=ΔM=“7,000”(円)を設定する。
【0116】
[ステップST6]せり制御装置100は、M(5)=M(4)+M0=“469,000”(円)、応札受付時間T0=“2.0”(秒)として、次の応札の受付を開始する。そして、せり制御装置100は、応札カウント時間τの間に応札数J=8をカウントしたとする。すると、せり制御装置100は、せり制御テーブル112を参照して、T=“2.0”(秒)、ΔM=“7,000”(円)を取得し、T0=T=“2.0”(秒)、M0=ΔM=“7,000”(円)を設定する。
【0117】
[ステップST7]せり制御装置100は、M(6)=M(5)+M0=“476,000”(円)、応札受付時間T0=“2.0”(秒)として、次の応札の受付を開始する。そして、せり制御装置100は、応札カウント時間τの間に応札数J=3をカウントしたとする。すると、せり制御装置100は、せり制御テーブル112を参照して、T=“2.0”(秒)、ΔM=“7,000”(円)を取得し、T0=T=“2.0”(秒)、M0=ΔM=“7,000”(円)を設定する。
【0118】
[ステップST8]せり制御装置100は、M(7)=M(6)+M0=“483,000”(円)、応札受付時間T0=“2.0”(秒)として、次の応札の受付を開始する。そして、せり制御装置100は、応札カウント時間τの間に応札数J=0をカウントしたとする。すると、せり制御装置100は、せり制御テーブル112を参照して、T=“2.0”(秒)、ΔM=“7,000”(円)を取得し、T0=T=“2.0”(秒)、M0=ΔM=“7,000”(円)を設定する。そして、せり制御装置100は、応札者がなくなり、希望価格“460,000”(円)を超えた価格に応札があったことから、ステップST7で落札権利者となった者に販売の成約を確定する。
【0119】
このように、せり制御装置100は、応札受付時間T0の前半の期間τでカウントした応札数Jに応じてT0を短縮し、また、せり上げ金額M0を増減させる。
これにより、応札者が多数存在する価格帯でのせり上げを迅速に行うことができる。そして、該当の中古車の購入を強く希望する者同士が競争する価格帯へとより早く進めることができるようになる。その結果、せりの時間を効率的に短縮することができる。
【0120】
この様子を図示したものが、本実施の形態のせり制御装置100によるせりの進行を示すグラフG1、および、従来のせりの進行を示すグラフG2である。グラフG1では、グラフG2よりも早く希望価格に到達する。このようにして、販売者の希望価格に早期に到達し、また、それ以上の価格帯での競争を活発化させることで、せりの時間を短縮するとともに、より高値での販売を促すこともできる。
【0121】
なお、上述の例では、応札受付時間T0とせり上げ金額M0とを両方変更する場合を例示したが、何れか一方のみを変更することとしてもよい。
また、今回の応札受付時間の前半の期間でカウントした応札数に応じて、次回の応札受付時間を変更するようにしてもよい。
【0122】
[第3の実施の形態]
以下、第3の実施の形態について説明する。前述の第2の実施の形態との相違点を主に説明し、同様の事項に関しては説明を省略する。
【0123】
第2の実施の形態では、応札受付時間T0の前半に応札数のカウント用の期間を設けた。これに対し、第3の実施の形態では、応札受付時間T0の全期間中の応札数を計数する。
【0124】
なお、第3の実施の形態のせりシステムの全体構成は、図2で説明した第2の実施の形態のせりシステムの全体構成と同一であるため、説明を省略する。また、第3の実施の形態の各装置のハードウェア構成は、図3,4で説明した第2の実施の形態の各装置のハードウェア構成と同一であるため、説明を省略する。
【0125】
図16は、第3の実施の形態のせり制御装置の機能構成を示す図である。せり制御装置100aは、制御情報記憶部110、応札情報記憶部120、応札端末側通信部130、応札受付部140a、せり制御部150a、権利通知部160、せり金額通知部165、せり情報表示制御部170、応札状況受付部180および調整人端末側通信部190を有する。なお、これらの機能は、CPU101により所定のプログラムが実行されることで実現される。ただし、これらの機能のうち少なくとも一部を専用のハードウェアにより実現してもよい。
【0126】
ここで、制御情報記憶部110、応札情報記憶部120、応札端末側通信部130、権利通知部160、せり金額通知部165、せり情報表示制御部170、応札状況受付部180および調整人端末側通信部190に関しては、図5で同一の符号を付して説明した各構成と同一であるため説明を省略する。
【0127】
応札受付部140aは、今回の応札受付時間T0の間に応札端末側通信部130から応札情報を取得すると、カウンタ141により応札数を計数する。応札受付部140aは、せり制御部150aによって価格のせり上げが行われるたびにカウンタ141をリセットする。応札受付部140aは、取得した応札情報をせり制御部150aに出力する。また、応札受付時間T0が経過すると、カウントした応札数をせり制御部150aに出力する。
【0128】
せり制御部150aは、せりの進行や落札権利者などの管理を行う。せり制御部150aは、進行管理部151a、権利者登録部152、応札受付時間制御部153およびせり上げ金額制御部154を有する。なお、権利者登録部152、応札受付時間制御部153およびせり上げ金額制御部154は、図5で同一の符号を付して説明した各構成と同一であるため説明を省略する。ただし、応札受付時間制御部153およびせり上げ金額制御部154は、応札受付部140aから、応札受付時間T0の間にカウントされた応札数によって、応札受付時間およびせり上げ金額を変更する。
【0129】
進行管理部151aは、制御情報記憶部110に記憶された制御情報や管理情報を参照して、せりの進行を管理する。進行管理部151aは、図5で説明した第2の実施の形態の進行管理部151に対応するものである。ただし、進行管理部151aは、応札受付時間制御部153から取得した応札受付時間に基づいて、次のせり上げ後の応札受付時間を変更する。
【0130】
次に、以上のような構成を備えるせり制御装置100aの処理手順について説明する。
第3の実施の形態のせり制御処理の手順は、第2の実施の形態の図9で説明したせり制御処理の手順と同一である。ただし、ステップS14で示した応札受付処理の手順が、第2の実施の形態と異なる。以下、その応札受付処理の手順を詳細に説明する。
【0131】
図17は、第3の実施の形態の応札受付処理を示すフローチャートである。以下、図17に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS71]進行管理部151aは、せり上げ回数i=0を設定する。
【0132】
[ステップS72]進行管理部151aは、制御情報記憶部110に記憶されたせり管理テーブル111を参照して、提示価格M(i)にスタート価格を設定する。
[ステップS73]進行管理部151aは、せり上げ金額M0に初期値を設定する。進行管理部151aは、例えば、制御情報記憶部110に記憶されたせり制御テーブル112の応札カウンタ値“0−20”に対応するせり上げ金額“7,000”(円)を初期値とする。
【0133】
[ステップS74]進行管理部151aは、応札受付時間T0に初期値を設定する。進行管理部151aは、例えば、せり制御テーブル112の応札カウンタ値“0−20”に対応する応札受付時間“2.0”(秒)を初期値とする。
【0134】
[ステップS75]進行管理部151aは、応札受付時間T0を測定するための応札受付時間タイマのカウントを開始する。
[ステップS76]応札受付部140aは、応札数J=0を設定する。
【0135】
[ステップS77]せり情報表示制御部170は、進行管理部151aの指示に応じて、表示パネル40に提示価格M(i)を表示させる。また、せり金額通知部165は、進行管理部151aの指示に応じて、提示価格M(i)の情報を応札端末側通信部130を介して応札端末装置200,300,400,・・・に送信する。更に、応札状況受付部180は、進行管理部151aの指示に応じて、提示価格M(i)の情報を調整人端末側通信部190を介して調整人端末装置500に送信する。これによって、応札端末装置200,300,400,・・・および調整人端末装置500にも提示価格M(i)が表示される。そして、進行管理部151aは、応札受付部140aに応札受付の開始を指示する。
【0136】
[ステップS78]応札受付部140aは、応札情報を受け付けたか否かを判定する。受け付けた場合、処理をステップS79に進める。受け付けていない場合、処理をステップS82に進める。
【0137】
[ステップS79]応札受付部140aは、受け付けた応札情報が上記ステップS77で現在の提示価格M(i)での応札受付を開始した後、最初に受け付けたものであるか否かを判定する。最初の応札を受け付けた場合、応札受付部140aは、応札情報を権利者登録部152に出力して処理をステップS80に進める。受け付けた応札が最初の応札でない場合、処理をステップS81に進める。
【0138】
[ステップS80]権利者登録部152は、応札情報に含まれるIDを取得して、取得したIDを応札情報記憶部120に記憶された落札権利者テーブル121に登録する。
[ステップS81]カウンタ141は、Jに1を加算する。
【0139】
[ステップS82]進行管理部151aは、応札受付時間タイマのカウントを参照して、応札受付時間T0を経過したか否かを判定する。T0を経過している場合、処理をステップS83に進める。T0を経過していない場合、処理をステップS78に進める。
【0140】
[ステップS83]応札受付部140aは、応札数Jの値をせり制御部150aに出力する。応札受付時間制御部153は、応札受付部140aから取得した応札数と制御情報記憶部110に記憶されたせり制御テーブル112とに基づいて、変更後の応札受付時間Tを特定する。応札受付時間制御部153は、変更後の応札受付時間Tを進行管理部151aに通知する。進行管理部151aは、T0=Tとする。また、せり上げ金額制御部154は、応札受付部140aから取得した応札数とせり制御テーブル112に基づいて、変更後のせり上げ金額ΔMを特定する。せり上げ金額制御部154は、変更後のせり上げ金額ΔMを進行管理部151aに通知する。進行管理部151aは、M0=ΔMとする。ここで、ステップS83の処理の詳細は、図13で説明した通りである。
【0141】
なお、ステップS83よりも後の処理は、図11で説明したステップS42〜S47と同一であるため、説明を省略する。ただし、ステップS44の後、ステップS75に進められる。すなわち、第3の実施の形態では、第2の実施の形態でせり上げのたびに行っていた応札受付時間T0への初期値の設定を行わない。その結果、上記ステップS83で設定された応札受付時間T0=Tがせり上げ後の応札受付時間となる。
【0142】
このようにして、応札受付部140aは応札受付時間T0中の応札数をカウンタ141により計数する。すなわち、カウンタ141は応札受付部140aが応札を受け付けるたびに、応札の受け付け回数の累積を求める。そして、進行管理部151aは求めた応札数に応じて次回の応札受付時間およびせり上げ金額を変更する。
【0143】
図18は、第3の実施の形態の応札受付時間およびせり上げ金額の変更を示す図である。進行管理部151aは、次のせり上げ後の応札受付時間T0を、応札カウント時間τで計数された応札数Jに応じて応札受付時間制御部153により取得されたT0b(≦初期値T0a)に変更する。これにより、せりの時間を短縮することができる。また、進行管理部151aは、せり上げ金額M0の変更前の値M0aを、応札カウント時間τ(=今回の応札受付時間T0’)で計数された応札数Jに応じてせり上げ金額制御部154により取得されたM0bに変更する。なお、M0bは、M0b≧M0aとなる場合もあるし、M0b<M0aとなる場合もある。
【0144】
これにより、第2の実施の形態と同様の効果を実現することができる。
[第4の実施の形態]
以下、第4の実施の形態について説明する。前述の第2,3の実施の形態との相違点を主に説明し、同様の事項に関しては説明を省略する。
【0145】
第3の実施の形態では、今回の応札受付時間でカウントされた応札数により、次回の応札受付時間を変更するものとした。第4の実施の形態では、得られたカウント数を正規化する。そして、正規化したカウント数に基づいて、変更後の応札受付時間およびせり上げ金額を決定する。
【0146】
なお、第4の実施の形態のせりシステムの全体構成は、図2で説明した第2の実施の形態のせりシステムの全体構成と同一であるため、説明を省略する。また、第4の実施の形態の各装置のハードウェア構成は、図3,4で説明した第2の実施の形態の各装置のハードウェア構成と同一であるため、説明を省略する。
【0147】
図19は、第4の実施の形態のせり制御装置の機能構成を示す図である。せり制御装置100bは、制御情報記憶部110、応札情報記憶部120、応札端末側通信部130、応札受付部140b、せり制御部150a、権利通知部160、せり金額通知部165、せり情報表示制御部170、応札状況受付部180および調整人端末側通信部190を有する。なお、これらの機能は、CPU101により所定のプログラムが実行されることで実現される。ただし、これらの機能のうち少なくとも一部を専用のハードウェアにより実現してもよい。
【0148】
ここで、制御情報記憶部110、応札情報記憶部120、応札端末側通信部130、権利通知部160、せり金額通知部165、せり情報表示制御部170、応札状況受付部180および調整人端末側通信部190に関しては、図5で同一の符号を付して説明した各構成と同一であるため説明を省略する。また、せり制御部150aに関しては、図16で同一の符号を付して説明した各構成と同一であるため説明を省略する。
【0149】
応札受付部140bは、応札受付時間T0の間に応札端末側通信部130から応札情報を取得すると、カウンタ141により応札数を計数する。応札受付部140bは、せり制御部150aによって価格のせり上げが行われるたびにカウンタ141をリセットする。応札受付部140bは、取得した応札情報をせり制御部150aに出力する。また、応札受付時間T0が経過すると、カウントした応札数を単位時間当たりの平均応札数に換算して、せり制御部150aに出力する。
【0150】
応札受付時間制御部153およびせり上げ金額制御部154は、正規化された応札数に基づいて、変更後の応札受付時間およびせり上げ金額を特定する。
次に、以上のような構成を備えるせり制御装置100bの処理手順について説明する。
【0151】
第4の実施の形態のせり制御処理の手順は、図9で説明した第2の実施の形態のせり制御処理の手順と同一である。また、応札受付処理の手順は、図17で説明した第3の実施の形態の応札処理の手順と同一である。ただし、ステップS83で示した制御情報取得処理の手順が異なる。以下、その制御情報取得処理の手順を詳細に説明する。
【0152】
図20は、第4の実施の形態の制御情報取得処理を示すフローチャートである。以下、図20に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS91]応札受付部140bは、カウントした応札数Jに(N/T0)を乗じて平均化後の応札数J0を算出する。ここで、Nは、応札受付時間の規定値を表す定数であり、例えば、応札受付時間の初期値である。また、T0は、カウントを行った今回の応札受付時間を示す。応札受付部140bは、平均化後の応札数J0をせり制御部150に出力する。
【0153】
[ステップS92]応札受付時間制御部153は、応札受付部140bから取得した正規化後の応札数J0と制御情報記憶部110に記憶されたせり制御テーブル112とに基づいて、変更後の応札受付時間Tを取得する。応札受付時間制御部153は、取得した応札受付時間Tを進行管理部151aに出力する。
【0154】
[ステップS93]せり上げ金額制御部154は、応札受付部140bから取得した正規化後の応札数J0とせり制御テーブル112とに基づいて、せり上げ金額ΔMを取得する。せり上げ金額制御部154は、取得したΔMを進行管理部151aに出力する。
【0155】
[ステップS94]進行管理部151aは、応札受付時間制御部153から取得した応札受付時間Tにより、応札受付時間T0=Tと設定する。また、進行管理部151aは、せり上げ金額制御部154から取得したΔMにより、せり上げ金額M0=ΔMと設定する。
【0156】
このようにして、応札受付部140bは、カウントした応札数を単位時間当たりの応札数に平均化してせり制御部150に出力するようにする。そして、応札受付時間制御部153およびせり上げ金額制御部154は、平均応札数によって、応札受付時間およびせり上げ金額の変更後の値を特定する。
【0157】
これにより、第2の実施の形態と同様の効果を実現することができる。
また、前述の第3の実施の形態の方法では、各せり金額における応札受付時間が異なるため、応札数が各せり金額によって大きく異なることも考えられる。例えば、応札受付時間が長ければカウントされる応札数は多くなり、応札受付時間が短ければカウントされる応札数は少なくなることが考えられる。このため、本実施の形態のように、各せり金額において、カウントした応札数を単位時間当たりの平均応札数に換算することで、各せり金額での応札について均一の評価を行うことができる。その結果、次回応札受付時間やせり上げ金額の変更幅について、今回応札受付時間の長短によるバラつきを抑えることができる。
【0158】
[第5の実施の形態]
以下、第5の実施の形態について説明する。前述の第2〜4の実施の形態との相違点を主に説明し、同様の事項に関しては説明を省略する。第2〜4の実施の形態では、カウンタにより受け付けた応札の数をカウントするものとした。これに対し、第5の実施の形態では、応札ログによって応札数を取得する。
【0159】
なお、第5の実施の形態のせりシステムの全体構成は、図2で説明した第2の実施の形態のせりシステムの全体構成と同一であるため、説明を省略する。また、第5の実施の形態の各装置のハードウェア構成は、図3,4で説明した第2の実施の形態の各装置のハードウェア構成と同一であるため、説明を省略する。
【0160】
図21は、第5の実施の形態のせり制御装置の機能構成を示す図である。せり制御装置100cは、制御情報記憶部110、応札情報記憶部120、応札端末側通信部130、応札受付部140c、せり制御部150c、権利通知部160、せり金額通知部165、せり情報表示制御部170、応札状況受付部180、調整人端末側通信部190およびログ解析処理部195を有する。なお、これらの機能は、CPU101により所定のプログラムが実行されることで実現される。ただし、これらの機能のうち少なくとも一部を専用のハードウェアにより実現してもよい。
【0161】
ここで、制御情報記憶部110、応札情報記憶部120、応札端末側通信部130、権利通知部160、せり金額通知部165、せり情報表示制御部170、応札状況受付部180および調整人端末側通信部190に関しては、図5で同一の符号を付して説明した各構成と同一であるため説明を省略する。
【0162】
応札受付部140cは、応札端末側通信部130から応札情報を取得すると、せり制御部150cに出力する。
せり制御部150cは、せりの進行や落札権利者などの管理を行う。せり制御部150cは、進行管理部151c、権利者登録部152、応札受付時間制御部153cおよびせり上げ金額制御部154cを有する。なお、権利者登録部152は、図5で同一の符号を付して説明した各構成と同一であるため説明を省略する。
【0163】
進行管理部151cは、制御情報記憶部110に記憶された制御情報や管理情報を参照してせりの進行を管理する。進行管理部151cは、図5で説明した第2の実施の形態の進行管理部151に対応するものである。進行管理部151cは、応札受付部140cから取得した応札情報を取得すると、その内容を応札情報記憶部120に応札ログとして格納する。
【0164】
応札受付時間制御部153cは、ログ解析処理部195から応札数を取得すると、制御情報記憶部110に記憶された制御情報を参照して、応札数に応じて応札受付時間を変更する。
【0165】
せり上げ金額制御部154cは、ログ解析処理部195から応札数を取得すると、制御情報記憶部110に記憶された制御情報を参照して、応札数に応じて次回のせり上げ金額を変更する。
【0166】
ログ解析処理部195は、ある価格での応札受付時間が経過すると、応札情報記憶部120に記憶された応札ログを参照して、その価格における応札数をカウントする。そして、カウントした応札数をせり制御部150cに出力する。
【0167】
図22は、第5の実施の形態の応札ログ管理テーブルのデータ構造例を示す図である。応札ログ管理テーブル122a,122b,122c,・・・は、進行管理部151cによりせり番号単位に生成され、応札情報記憶部120に格納される。なお、以下では、応札ログ管理テーブル122aの構成に関して説明するが、応札ログ管理テーブル122b,122c,・・・に関しても同様の構成である。なお、応札ログ管理テーブル122aは、例えば、せり番号“10”のせりに対する応札ログである。
【0168】
応札ログ管理テーブル122aには、応札時刻を示す項目、金額を示す項目、応札者IDを示す項目および解析後応札数を示す項目が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、1回分の応札に関する情報を示す。
【0169】
応札時刻を示す項目には、応札された時刻が時分秒およびミリ秒単位で設定される。金額を示す項目には、応札のあったときの提示金額が設定される。応札者IDを示す項目には、応札した応札者のIDが設定される。解析後応札数を示す項目には、ログ解析処理部195が取得した、ある提示価格における応札数の解析結果が設定される。
【0170】
応札ログ管理テーブル122aには、例えば、応札時刻が“11:12:23”、“960”(ミリ秒)、金額が“995,000”(円)、応札者IDが“001230”という情報が設定される。これは、せり番号“10”で示されるせりで、応札時刻11時12分23秒、“960”(ミリ秒)の時点において、提示価格“995,000”(円)に対し、応札者ID“001230”の者が応札を行ったことを示している。また、解析後応札数“7”は、該当の金額“995,000”(円)での応札受付時間内に“7”回の応札があったことを示している。この応札数は、ログ解析処理部195によりカウントされ、設定されるものである。
【0171】
次に、以上のような構成を備えるせり制御装置100cの処理手順について説明する。
第5の実施の形態のせり制御処理の手順は、図9で説明した第2の実施の形態のせり制御処理の手順と同一である。ただし、ステップS14で示した応札受付処理の手順が、第2の実施の形態と異なる。以下、その応札受付処理の手順を詳細に説明する。
【0172】
図23は、第5の実施の形態の応札受付処理を示すフローチャートである。以下、図23に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS101]進行管理部151cは、せり上げ回数i=0を設定する。
【0173】
[ステップS102]進行管理部151cは、制御情報記憶部110に記憶されたせり管理テーブル111を参照して、提示価格M(i)にスタート価格を設定する。
[ステップS103]進行管理部151cは、せり上げ金額M0に初期値を設定する。進行管理部151cは、例えば、制御情報記憶部110に記憶されたせり制御テーブル112の応札カウンタ値“0−20”に対応するせり上げ金額“7,000”(円)を初期値とする。
【0174】
[ステップS104]進行管理部151cは、応札受付時間T0に初期値を設定する。進行管理部151cは、例えば、せり制御テーブル112の応札カウンタ値“0−20”に対応する応札受付時間“2.0”(秒)を初期値とする。
【0175】
[ステップS105]進行管理部151cは、応札受付時間T0を測定するための応札受付時間タイマのカウントを開始する。
[ステップS106]せり情報表示制御部170は、進行管理部151cの指示に応じて、表示パネル40に提示価格M(i)を表示させる。また、せり金額通知部165は、進行管理部151cの指示に応じて、提示価格M(i)の情報を応札端末側通信部130を介して応札端末装置200,300,400,・・・に送信する。更に、応札状況受付部180は、進行管理部151cの指示に応じて、提示価格M(i)の情報を調整人端末側通信部190を介して調整人端末装置500に送信する。これによって、応札端末装置200,300,400,・・・および調整人端末装置500にも提示価格M(i)が表示される。そして、進行管理部151cは、応札受付部140cに応札受付の開始を指示する。
【0176】
[ステップS107]応札受付部140cは、応札情報を受け付けたか否かを判定する。受け付けた場合、処理をステップS108に進める。受け付けていない場合、処理をステップS111に進める。
【0177】
[ステップS108]応札受付部140cは、受け付けた応札情報が上記ステップS106で現在の提示価格M(i)での応札受付を開始した後、最初に受け付けたものであるか否かを判定する。最初の応札を受け付けた場合、応札受付部140cは、応札情報を権利者登録部152に出力して処理をステップS109に進める。受け付けた応札が最初の応札でない場合、処理をステップS110に進める。
【0178】
[ステップS109]権利者登録部152は、応札情報に含まれるIDを取得して、取得したIDを応札情報記憶部120に記憶された落札権利者テーブル121に登録する。
[ステップS110]進行管理部151cは、応札情報に含まれるIDを取得して応札情報記憶部120に記憶された応札ログ管理テーブルに記録する。
【0179】
[ステップS111]進行管理部151cは、応札受付時間タイマのカウントを参照して、応札受付時間T0を経過したか否かを判定する。T0を経過している場合、処理をステップS112に進める。T0を経過していない場合、処理をステップS107に進める。
【0180】
[ステップS112]ログ解析処理部195は、応札情報記憶部120に記憶された応札ログ管理テーブルのうち、現在のせり番号、かつ、現在の提示価格のログを抽出して、レコード数をカウントする。そして、カウントした応札数Jを解析後応札数として応札ログ管理テーブルに登録するとともに、せり制御部150cに出力する。
【0181】
[ステップS113]応札受付時間制御部153cは、ログ解析処理部195から取得した応札数Jと制御情報記憶部110に記憶されたせり制御テーブル112とに基づいて、変更後の応札受付時間Tを取得する。応札受付時間制御部153cは、取得した応札受付時間Tを進行管理部151cに出力する。また、せり上げ金額制御部154cは、ログ解析処理部195から取得した応札数Jとせり制御テーブル112とに基づいて、変更後のせり上げ金額ΔMを取得する。せり上げ金額制御部154cは、取得したΔMを進行管理部151cに出力する。進行管理部151cは、応札受付時間制御部153cから取得した応札受付時間Tにより応札受付時間T0=Tと設定する。また、進行管理部151cは、せり上げ金額制御部154cから取得したΔMにより、せり上げ金額M0=ΔMと設定する。
【0182】
なお、ステップS113よりも後の処理は、図11で説明したステップS42〜S47と同一であるため、説明を省略する。ただし、ステップS44の後、ステップS105に進められる。
【0183】
このようにして、せり制御部150cは、応札ログ管理テーブルにより今回の応札受付時間内で受け付けた応札数をカウントし、その応札数に応じて、次回のせり上げ金額およびせり上げ後の応札受付時間を変更する。
【0184】
これにより、第2の実施の形態と同様の効果を実現することができる。
なお、上述の例では、ログ解析処理部195は、今回のせり金額に対する応札数(応札受付時間内に受け付けた全応札の数)をカウントするものとしたが、第2の実施の形態に示したように、今回の応札受付時間の前半の期間に受け付けた応札の数をカウントするものとしてもよい。その場合、第2の実施の形態と同様に、今回の応札受付時間の後半部分を短縮することが考えられる。
【0185】
以上、説明したように、第2〜5の実施の形態のせり制御装置100,100a、100b、100cは、応札受付時間内にカウントした応札数に応じて今回または次回の応札受付時間を短縮し、また、次回のせり上げ金額を増減させる。
【0186】
これにより、応札者が多数存在する価格帯(例えば、低価格帯)でのせり上げを迅速に行うことができる。そして、該当の中古車の購入を強く希望する者同士が競争する価格帯へとより早く進めることができるようになる。その結果、せりの時間を効率的に短縮することができる。
【0187】
なお、上述の例では、応札受付時間とせり上げ金額とを両方変更する場合を例示したが、何れか一方のみを変更することとしてもよい。
以上、本発明のせり制御装置、せりシステムおよびせり制御方法を図示の実施の形態に基づいて説明したが、これらに限定されるものではなく、各部の構成は同様の機能を有する任意の構成のものに置き換えることができる。また、他の任意の構成物や工程が付加されてもよい。また、本発明は前述した実施の形態のうちの任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【符号の説明】
【0188】
1 せり制御装置
1a 計数部
1b 制御部
C 応札数
M せり上げ金額
T1,T2 応札受付時間
【特許請求の範囲】
【請求項1】
せり対象品への応札数を計数する計数部と、
前記応札数に応じて応札受付時間またはせり上げ金額を変更する制御部と、
を有することを特徴とするせり制御装置。
【請求項2】
前記計数部は、現在のせり金額に対する応札を受け付ける応札受付時間の前半の所定期間における前記応札数を計数し、
前記制御部は、当該応札数に応じて当該応札受付時間を短縮する、
ことを特徴とする請求項1記載のせり制御装置。
【請求項3】
前記計数部は、現在のせり金額に対する応札を受け付ける応札受付時間の間における前記応札数を計数し、
前記制御部は、当該応札数に応じて、前記現在のせり金額から価格をせり上げた次回のせり金額に対する応札を受け付ける次回応札受付時間を短縮する、
ことを特徴とする請求項1記載のせり制御装置。
【請求項4】
前記計数部は、前記応札数を単位時間当たりの応札数に換算した平均応札数を算出し、
前記制御部は、前記平均応札数に応じて、前記次回応札受付時間を短縮する、
ことを特徴とする請求項3記載のせり制御装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記応札数に応じて、前記現在のせり金額からのせり上げ金額を変更することを特徴とする請求項2または3の何れか1項に記載のせり制御装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記平均応札数に応じて、前記現在のせり金額からのせり上げ金額を変更することを特徴とすることを特徴とする請求項4記載のせり制御装置。
【請求項7】
前記せり対象品への応札を受け付ける受付部を更に有し、
前記計数部は、前記受付部が前記応札を受け付けるたびに、前記応札の受け付け回数の累積を求めることで、前記応札数を計数する、
ことを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載のせり制御装置。
【請求項8】
前記応札を受け付けるたびに、当該応札があった旨を示す応札ログを応札ログ記憶部に格納するログ取得部を更に有し、
前記計数部は、前記応札ログ記憶部に記憶された前記応札ログに基づいて、前記応札数を計数する、
ことを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載のせり制御装置。
【請求項9】
せり制御装置と複数の応札端末装置とが接続されたせりシステムであって、
前記複数の応札端末装置からせり対象品への応札を示す応札情報を受け付ける受付部と、
前記受付部が受け付けた応札数を計数する計数部と、
前記応札数に応じて応札受付時間またはせり上げ金額を変更する制御部と、
を備える前記せり制御装置と、
前記せり対象品への応札の操作入力を受け付ける応札操作部と、
前記応札操作部が前記操作入力を受け付けると、前記応札情報を前記せり制御装置に送信する送信部と、
を備える前記複数の応札端末装置と、
を有することを特徴とするせりシステム。
【請求項10】
せり制御装置のせり制御方法であって、
計数部が、せり対象品への応札数を計数し、
制御部が、前記応札数に応じて応札受付時間またはせり上げ金額を変更する、
ことを特徴とするせり制御方法。
【請求項1】
せり対象品への応札数を計数する計数部と、
前記応札数に応じて応札受付時間またはせり上げ金額を変更する制御部と、
を有することを特徴とするせり制御装置。
【請求項2】
前記計数部は、現在のせり金額に対する応札を受け付ける応札受付時間の前半の所定期間における前記応札数を計数し、
前記制御部は、当該応札数に応じて当該応札受付時間を短縮する、
ことを特徴とする請求項1記載のせり制御装置。
【請求項3】
前記計数部は、現在のせり金額に対する応札を受け付ける応札受付時間の間における前記応札数を計数し、
前記制御部は、当該応札数に応じて、前記現在のせり金額から価格をせり上げた次回のせり金額に対する応札を受け付ける次回応札受付時間を短縮する、
ことを特徴とする請求項1記載のせり制御装置。
【請求項4】
前記計数部は、前記応札数を単位時間当たりの応札数に換算した平均応札数を算出し、
前記制御部は、前記平均応札数に応じて、前記次回応札受付時間を短縮する、
ことを特徴とする請求項3記載のせり制御装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記応札数に応じて、前記現在のせり金額からのせり上げ金額を変更することを特徴とする請求項2または3の何れか1項に記載のせり制御装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記平均応札数に応じて、前記現在のせり金額からのせり上げ金額を変更することを特徴とすることを特徴とする請求項4記載のせり制御装置。
【請求項7】
前記せり対象品への応札を受け付ける受付部を更に有し、
前記計数部は、前記受付部が前記応札を受け付けるたびに、前記応札の受け付け回数の累積を求めることで、前記応札数を計数する、
ことを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載のせり制御装置。
【請求項8】
前記応札を受け付けるたびに、当該応札があった旨を示す応札ログを応札ログ記憶部に格納するログ取得部を更に有し、
前記計数部は、前記応札ログ記憶部に記憶された前記応札ログに基づいて、前記応札数を計数する、
ことを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載のせり制御装置。
【請求項9】
せり制御装置と複数の応札端末装置とが接続されたせりシステムであって、
前記複数の応札端末装置からせり対象品への応札を示す応札情報を受け付ける受付部と、
前記受付部が受け付けた応札数を計数する計数部と、
前記応札数に応じて応札受付時間またはせり上げ金額を変更する制御部と、
を備える前記せり制御装置と、
前記せり対象品への応札の操作入力を受け付ける応札操作部と、
前記応札操作部が前記操作入力を受け付けると、前記応札情報を前記せり制御装置に送信する送信部と、
を備える前記複数の応札端末装置と、
を有することを特徴とするせりシステム。
【請求項10】
せり制御装置のせり制御方法であって、
計数部が、せり対象品への応札数を計数し、
制御部が、前記応札数に応じて応札受付時間またはせり上げ金額を変更する、
ことを特徴とするせり制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2011−44027(P2011−44027A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−192198(P2009−192198)
【出願日】平成21年8月21日(2009.8.21)
【出願人】(000237639)富士通フロンテック株式会社 (667)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月21日(2009.8.21)
【出願人】(000237639)富士通フロンテック株式会社 (667)
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