説明

めっき装置

【課題】めっき処理室に被めっき物およびめっき液を投入し、めっき処理室を回転させながらめっきを行う回転式のめっき装置において、被めっき物に形成されるめっき膜の膜厚のばらつきを低減して、被めっき物に膜厚の均一なめっき膜を形成することを可能にする。
【解決手段】被めっき物2は通過させず、めっき液3は通過させるように構成された案内壁20(20a,20b)をめっき処理室1内に配設し、陰極電極12の、被めっき物2が接触しうる領域のうち、めっき処理に悪影響を与えるような電流密度差がある領域(陰極電極の上端部12aと下端部12b)には被めっき物2が接触せず、電流密度がほぼ均一な中央領域12cにのみ被めっき物2が接触するように被めっき物2を案内して、被めっき物2への通電を均一化し、安定しためっき処理を可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、めっき装置に関し、詳しくは、チップ型の積層セラミックコンデンサのような小型の電子部品(被めっき物)にめっきを施すための回転式のめっき装置に関する。
【背景技術】
【0002】
チップ型の積層セラミックコンデンサのような小型の電子部品(被めっき物)にめっきを施すのに用いられるめっき装置としては、例えば、図7に模式的に示すように、回転可能で、内部空間が略円板状のめっき処理室51に被めっき物52およびめっき液53を投入し、めっき処理室51を回転させながら被めっき物52にめっきを施すようにした回転式のめっき装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このめっき装置においては、めっき処理室51の周壁が環状の陰極電極54と、めっき液53を通過させる環状の部材からなる液抜き部55から形成されている。そして、液抜き部55から抜き出されためっき液53は容器56により受けられ、循環路58を経て、めっき処理室51の上部中央に配設された開口部57からめっき処理室51内に戻るように構成されている。また、陽極電極59は、めっき処理室51の上部中央の開口部57からめっき処理室51内に挿入され、めっき液53に浸漬されている。
【0004】
このめっき装置を用いて被めっき物52にめっきを行う場合、被めっき物52をめっき液53とともにめっき処理室51内に投入し、めっき処理室51を回転させながら、陽極電極59と陰極電極54の間に通電することにより、被めっき物52にめっきを施す。
このとき、めっき処理室51の回転により発生する遠心力で被めっき物52が陰極電極54に効率よく接触するとともに、めっき処理室51の正転、減速(停止)、反転が繰り返して行われることにより、被めっき物52の撹拌と、陰極電極54との接触、すなわち被めっき物52への通電が繰り返して行われ、被めっき物にめっきが施される。
【0005】
しかしながら、上記従来のめっき装置を用いてめっきを行う場合、電気力線の回り込みにより、陰極電極の端部(例えば上端部など)では、電気力線が集中して電流密度が高くなり、めっき処理室の正転、減速(停止)、反転などを繰り返して行いながらめっきを行った場合にも、めっき膜厚にばらつきが生じるという問題点がある。
【特許文献1】特開平7−118896号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記問題点を解決するものであり、めっき処理室に被めっき物およびめっき液を投入し、めっき処理室を回転させながらめっきを行う回転式のめっき装置において、被めっき物に形成されるめっき膜の膜厚のばらつきを低減して、被めっき物に膜厚の均一なめっき膜を形成することが可能なめっき装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明(請求項1)のめっき装置は、
回転可能で、被めっき物およびめっき液が収容される内部空間が略円板状のめっき処理室と、
前記めっき処理室内のめっき液に浸るように配設された陽極電極と、
前記めっき処理室の周壁を形成するように配設された環状の陰極電極と、
前記めっき処理室の周壁を形成するように配設され、前記めっき処理室の周囲から、被めっき物を通過させることなく、めっき液を外部に抜き出すことができるように構成されためっき液抜き出し部と、
前記めっき液抜き出し部から抜き出されためっき液を前記めっき処理室に戻す循環路と、
前記めっき処理室内に配設され、被めっき物は通過せず、めっき液は通過するように構成され、前記めっき処理室の周壁を形成する前記陰極電極の、被めっき物が接触しうる領域のうち、めっき処理に悪影響を与えるような電流密度差がある領域には被めっき物が接触せず、電流密度がほぼ均一な領域に被めっき物が接触するように被めっき物を案内する案内壁と
を具備することを特徴としている。
【0008】
また、請求項2のめっき装置は、前記案内壁が前記陰極電極の上端部を覆い、被めっき物が前記陰極電極の上端部に接触しないような態様で配設されていることを特徴としている。
【0009】
また、請求項3のめっき装置は、前記案内壁が前記陰極電極の下端部を覆い、被めっき物が前記陰極電極の下端部に接触しないような態様で配設されていることを特徴としている。
【0010】
また、請求項4のめっき装置は、前記案内壁がメッシュ状材料から形成されたものであることを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明(請求項1)のめっき装置は、上述のように、内部空間が略円板状のめっき処理室と、陽極電極と、めっき処理室の周壁を形成するように配設された環状の陰極電極と、めっき処理室の周壁を形成するように配設され、めっき処理室の周囲から、被めっき物を通過させることなくめっき液を外部に抜き出すめっき液抜き出し部と、抜き出されためっき液をめっき処理室に循環する循環路と、めっき処理室の内周壁を形成する陰極電極の、被めっき物が接触しうる領域のうち、めっき処理に悪影響を与えるような電流密度差がある領域には被めっき物が接触せず、電流密度がほぼ均一な領域に被めっき物が接触するように被めっき物を案内する案内壁とを備えているので、被めっき物に均一な通電を行うことが可能になり、被めっき物に形成されるめっき膜の膜厚のばらつきを低減して、被めっき物に均一な膜厚を有するめっき膜を形成することが可能になる。
【0012】
すなわち、本発明のめっき装置においては、被めっき物は通過させず、めっき液は通過させるように構成された案内壁が、陰極電極の、被めっき物が接触しうる領域のうち、めっき処理に悪影響を与えるような電流密度差がある領域には被めっき物を接触させず、電流密度がほぼ均一な領域にのみ被めっき物が接触するように被めっき物を案内するため、陰極電極の電流密度が均一な領域に被めっき物を確実に接触させて、被めっき物への通電を均一化し、被めっき物に均一なめっきを施すことが可能になる。
【0013】
なお、本発明のめっき装置は、めっき処理室を単に回転させる(一定方向に一定速度で連続的に回転させる)場合だけではなく、めっき処理室を、回転方向を変えながら(すなわち反転させながら)連続的に回転させる場合、回転状態と回転停止状態が繰り返されるように断続的、あるいは間欠的に回転させる場合、一方向に回転させる一方向回転と、他の方向に回転させる他方向回転を、間に回転停止状態を挟んで繰り返して行う場合など種々の態様でめっき処理室を回転させる場合に広く適用することが可能である。
【0014】
また、本願請求項1の発明のめっき装置において、めっき処理室の周壁を形成するように配設された環状の陰極電極と、めっき処理室の周壁を形成するように配設され、前記めっき処理室の周囲から、被めっき物を通過させることなく、めっき液を外部に抜き出すことができるように構成されためっき液抜き出し部とを備えた構成を実現するにあたっては、例えば、環状の陰極電極上に略同一の平面形状を有する環状の多孔質材料からなるめっき液抜き出し部を積み重ねて配設する方法などが示される。
【0015】
また、請求項2のめっき装置のように、案内壁を、陰極電極の上端部を覆うように配設した場合、電気力線が集中して電流密度が高くなりやすい陰極電極の上端部に被めっき物が接触することを防止して、より確実に被めっき物に均一なめっきを施すことが可能になる。
【0016】
陰極電極の電流密度のばらつきは、陽極電極から陰極電極への電気力線の集中の程度に左右される。そして、回転式のめっき装置の場合、通常、めっき処理室の内部空間は、陰極電極の上端部よりも上方にまで形成されており、電気力線は、陽極電極から陰極電極に向かって放物線を描くような経路で進むことから、陰極電極の上端部に電気力線が集中しやすい。それゆえ、案内壁を、陰極電極の上端部を覆うように配設することにより、被めっき物が陰極電極の電流密度が高くなる上端部に接触することを防止して、より確実に被めっき物に均一なめっきを施すことが可能になる。
【0017】
また、陰極電極の下端よりもさらに下側にめっき処理室の内部空間が存在すると、陰極電極の下端部にも電気力線の集中が生じる。それゆえ、そのような場合には、請求項3のように、案内壁を、陰極電極の下端部を覆うように配設することにより、被めっき物が陰極電極の電流密度が高くなる下端部に接触することを防止して、被めっき物に均一なめっきを施すことが可能になる。
ただし、めっき処理室の底面と同じ高さに陰極の下端が位置している場合は、陰極電極の下端部への電気力線の回り込みは特になく、電流密度が高くなることはないので、そのような場合には、通常、陰極電極の下端部を案内壁で覆う必要はない。
【0018】
また、請求項4のめっき装置のように、案内壁をメッシュ状材料から形成するようにした場合、めっき処理室内のめっき液の流動を妨げることなく、被めっき物を電流密度がほぼ均一な領域に案内することが可能になり、効率よく安定しためっき処理を行うことが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下に本発明の実施例を示して、本発明の特徴とするところをさらに詳しく説明する。
【実施例】
【0020】
図1は本発明の一実施例にかかるめっき装置の構成を示す図、図2は図1のめっき装置の要部を拡大して示す図、図3は本発明の一実施例にかかるめっき装置を構成する陰極電極への電気力線の集中の状態を説明する図、図4は実施例にかかるめっき装置によりめっきが施される積層セラミックコンデンサ(被めっき物)を示す斜視図である。
【0021】
この実施例では、図4に示すように、セラミック層と内部電極層が積層された構造を有する積層セラミック素子(電子部品素子)41の両端部に外部電極42a,42bが配設された、厚み(T)0.3mm、幅(W)0.3mm、長さ(L)0.6mmの積層セラミックコンデンサを被めっき物2とし、その外部電極42a,42bの表面にNiめっきなどのめっきを施す場合に用いられるめっき装置を例にとって説明する。
【0022】
このめっき装置は、図1に示すように、回転可能で、被めっき物2およびめっき液3が収容される略円板状の内部空間1aを有するめっき処理室1を備えている。そして、めっき処理室1は、底部を構成するベース部材11と、めっき処理室1の周壁1bを形成する環状の陰極電極12と、上記環状の陰極電極12上に積み重ねるように配設され、陰極電極12とともにめっき処理室1の周壁1bを構成する、多孔質材料からなる環状のめっき液抜き出し部13と、めっき処理室1の上部を覆うように配設された中央に開口部15を有する蓋部材16と、該蓋部材16の開口部15から、めっき処理室1の略中央部に挿入され、めっき液3に浸漬された陽極電極17を備えている。
【0023】
なお、多孔質材料からなる環状のめっき液抜き出し部13は、めっき処理室1の周囲から、被めっき物2を通過させることなくめっき液3を外部に抜き出すことができるように構成されており、このめっき液抜き出し部13から抜き出されためっき液3は、容器19により受けられ、循環路18を経て、めっき処理室1内に循環されるように構成されている。また、このこの実施例のめっき装置では、めっき処理室1が回転と停止を所定のピッチで繰り返しながらめっき処理を行うことができるように構成されている。
【0024】
また、この実施例のめっき装置においては、蓋部材16は中央側が高くなるように傾斜した形状を有しており、めっき処理室1の厚みが、その中央部に向かって厚くなるように構成されているとともに、めっき処理室1の底部を構成するベース部材11の上面側にはくぼみ11aが形成されており、陰極電極12の下端よりもさらに下側にめっき処理室1の内部空間1aが存在するように構成されており、陰極電極12の上端部12aと下端部12bでは、電気力線が集中して電流密度が高くなるような構成となっている。
【0025】
そして、このめっき装置においては、めっき処理室1内に、陰極電極12の電流密度が均一な領域にだけ被めっき物2を接触させることができるように、被めっき物2を案内する案内壁20(上部案内壁20a,下部案内壁20b)が配設されている。
すなわち、この実施例のめっき装置においては、案内壁20として、図2および図3に示すように、電気力線の集中により電流密度が高くなる陰極電極12の上端部12aを覆い、被めっき物2が陰極電極12の上端部12aに接触しないようにする上部案内壁20aと、電気力線の集中により電流密度が高くなる陰極電極12の下端部12bを覆い、被めっき物2が陰極電極12の下端部12bに接触しないように配設された下部案内壁20bがめっき処理室1の内部空間1a内に配設されている。なお、上部案内壁20aと下部案内壁20bはいずれもステンレス製のメッシュ状材料(金網)から形成されている。
【0026】
上述のように構成されたこの実施例のめっき装置によれば、案内壁20(上部案内壁20a,下部案内壁20b)の機能により、被めっき物2が、陰極電極12の電流密度の高い上端部12aおよび下端部12bに接触することなく、電流密度がほぼ均一な中央領域12cにのみ接触することになるため、被めっき物2への通電を均一化することが可能になり、めっき膜厚にばらつきの生じない、均一なめっき処理を施すことが可能になる。
【0027】
なお、上述のように構成された、案内壁20(上部案内壁20a,下部案内壁20b)を有する実施例のめっき装置を用いてめっきを行った場合と、案内壁を備えていない従来のめっき装置を用いてめっきを行った場合の、めっき膜の平均膜厚と、膜厚のばらつきを表1に示す。
【0028】
【表1】

【0029】
表1に示すように、従来のめっき装置を用いてめっきを行った場合、めっき膜の膜厚のばらつきは大きかったが、本発明の実施例にかかるめっき装置を用いることにより、めっき膜の膜厚のばらつきを大幅に低減できることが確認された。
【0030】
なお、上記実施例では、陰極電極12の下端部12bより下方にめっき処理室1の内部空間1aが存在していること、すなわち、陰極電極12の下端部12bにも電気力線の集中が生じて電流密度が高くなることを考慮して、陰極電極12の下端部12bを覆うように下部案内壁20bを配設するようにしているが、例えば、図5に示すように、めっき処理室1の内部空間の下面が平坦で、陰極電極12の下端部12bに電気力線の集中がないような場合には、図6に示すように、上部案内壁20aのみを設け、下部案内壁を設けないような構成とすることも可能である。
【0031】
なお、上記実施例では、めっき処理室1内に被めっき物2と、めっき液3を投入してめっきを行うようにしているが、めっき処理室1内に、さらに導電用の媒体(導電メディア)を添加して、より確実なめっき処理を行うことができるように構成することも可能である。
【0032】
また、上記実施例では、案内壁20(上部案内壁20a,下部案内壁20b)がステンレス製のメッシュ状材料(金網)から形成されている場合を例にとって説明したが、案内壁の具体的な構成や、その構成材料に特別の制約はなく、例えば多数の貫通孔が形成された板状部材を用いることも可能である。
【0033】
また、上記実施例では、めっき液抜き出し部13が、多孔質材料から形成されている場合を例にとって説明したが、本発明において、めっき液抜き出し部13の具体的な構成や、その構成材料などに特別の制約はなく、被めっき物2を通過させることなくめっき液3を外部に抜き出すことが可能な種々の材料を用いることが可能である。
【0034】
また、上記実施例では、めっき液抜き出し部13を陰極電極12上に積み重ねるように配設した場合、すなわち、陰極電極12よりも上側にめっき液抜き出し部13が配設されている場合を例にとって説明したが、めっき液抜き出し部13を陰極電極12の下側に配設するように構成することも可能であり、場合によっては、めっき液抜き出し部13を陰極電極12の上下両面側に配設することも可能であり、陰極電極12とめっき液抜き出し部13の組み合わせ態様に特別の制約はない。
【0035】
また、上記実施例では、積層セラミック素子を被めっき物2とし、その外部電極42a,42bの表面にめっきを施す場合を例にとって説明したが、本発明において、被めっき物の種類に特別の制約はなく、種々の被めっき物にめっきを施す場合に広く適用することが可能である。
ただし、本発明は、寸法の小さい小型の被めっき物にめっきを施す場合に特に有意義である。
【0036】
本発明は、さらにその他の構成に関しても上記実施例に限定されるものではなく、めっき処理室の具体的な形状、構造、陽極電極の具体的な構成や形状、陰極電極およびめっき液抜き出し部の形状や配設態様、めっき液抜き出し部から抜き出されためっき液をめっき処理室に戻すための循環路の構成や具体的な経路などに関し、発明の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0037】
上述のように、本発明のめっき装置は、陰極電極の、被めっき物が接触しうる領域のうち、めっき処理に悪影響を与えるような電流密度差がある領域には被めっき物を接触させず、電流密度がほぼ均一な領域にのみ被めっき物を接触させるように被めっき物を案内する案内壁を設けるようにしているので、陰極電極の電流密度が均一な領域に被めっき物を確実に接触させることが可能になり、被めっき物への通電を均一化して、めっき膜厚にばらつきの生じない、安定しためっき処理を施すことが可能になる。
したがって、本発明は、例えば、めっき膜を備えた外部電極を有する小型の電子部品の製造工程などに広く用いることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の一実施例にかかるめっき装置の構成を示す断面図である。
【図2】図1に示した本発明の一実施例にかかるめっき装置の要部を拡大して示す図である。
【図3】本発明の一実施例にかかるめっき装置を構成する陰極電極への、電気力線の集中の状態を説明する図である。
【図4】本発明の実施例にかかるめっき装置によりめっきが施される積層セラミック素子(被めっき物)を示す斜視図である。
【図5】めっき処理室の内部空間の下面側が平坦な構造を有するめっき装置を示す図である。
【図6】本発明のめっき装置の変形例を示す図である。
【図7】従来のめっき装置を示す図である。
【符号の説明】
【0039】
1 めっき処理室
1a 内部空間
1b めっき処理室の周壁
2 被めっき物
3 めっき液
11 ベース部材
11a くぼみ
12 陰極電極
12a 陰極電極の上端部
12b 陰極電極の下端部
12c 陰極電極の中央領域
13 めっき液抜き出し部
15 開口部
16 蓋部材
17 陽極電極
18 循環路
19 容器
20 案内壁
20a 上部案内壁
20b 下部案内壁
41 積層セラミック素子(電子部品素子)
42a,42b 外部電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転可能で、被めっき物およびめっき液が収容される内部空間が略円板状のめっき処理室と、
前記めっき処理室内のめっき液に浸るように配設された陽極電極と、
前記めっき処理室の周壁を形成するように配設された環状の陰極電極と、
前記めっき処理室の周壁を形成するように配設され、前記めっき処理室の周囲から、被めっき物を通過させることなく、めっき液を外部に抜き出すことができるように構成されためっき液抜き出し部と、
前記めっき液抜き出し部から抜き出されためっき液を前記めっき処理室に戻す循環路と、
前記めっき処理室内に配設され、被めっき物は通過せず、めっき液は通過するように構成され、前記めっき処理室の周壁を形成する前記陰極電極の、被めっき物が接触しうる領域のうち、めっき処理に悪影響を与えるような電流密度差がある領域には被めっき物が接触せず、電流密度がほぼ均一な領域に被めっき物が接触するように被めっき物を案内する案内壁と
を具備することを特徴とするめっき装置。
【請求項2】
前記案内壁が前記陰極電極の上端部を覆い、被めっき物が前記陰極電極の上端部に接触しないような態様で配設されていることを特徴とする請求項1記載のめっき装置。
【請求項3】
前記案内壁が前記陰極電極の下端部を覆い、被めっき物が前記陰極電極の下端部に接触しないような態様で配設されていることを特徴とする請求項1または2記載のめっき装置。
【請求項4】
前記案内壁がメッシュ状材料から形成されたものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のめっき装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−37184(P2006−37184A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−220722(P2004−220722)
【出願日】平成16年7月28日(2004.7.28)
【出願人】(000006231)株式会社村田製作所 (3,635)